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  • 第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました(経産省)/地球温暖化対策推進本部(首相官邸)/新型コロナ感染症の感染拡大の影響による消費行動の変化等(消費者庁)/プライバシーガバナンスに関するアンケート結果(速報版)(経産省)

危機管理トピックス

第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました(経産省)/地球温暖化対策推進本部(首相官邸)/新型コロナ感染症の感染拡大の影響による消費行動の変化等(消費者庁)/プライバシーガバナンスに関するアンケート結果(速報版)(経産省)

2021.10.25
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更新日:2021年10月25日 新着19記事

風車の画像
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

消費者庁
  • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による消費行動の変化等に関する研究
  • 第4回消費者志向経営に関する連絡会
国民生活センター
  • あなたの情報が広告表示の改善等につながりました!!-「消費者トラブルメール箱」2020年度のまとめ-
  • カットパンによる乳児の窒息事故が発生-小さくちぎって与え、飲み込むまで目を離さないで-
  • 乳児用規格適用食品の表示に係るアンケート調査
  • 不用品買い取りのはずが貴金属を買い取られた!
厚生労働省
  • 生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会(第1回)資料
  • 第2回雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識・スキルを付与する研修の構築に関する作業部会(資料)
  • 第56回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年10月20日)
経済産業省
  • 第14回 日・ASEANサイバーセキュリティ政策会議を開催しました
  • 第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました
  • デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合を開催しました
  • プライバシーガバナンスに関するアンケート結果(速報版)を公開しました
国土交通省
  • 鉄軌道の運転事故件数 過去30 年間で最小~鉄軌道輸送の安全に関わる情報(令和2年度)を公表~
  • 防災マネジメントセミナーの認定第1号について-運輸安全マネジメントにおける防災の取組を推進します-

~NEW~
金融庁 金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習(Delta Wall Ⅵ)」について
  • 背景・目的
    • 昨今、世界各国において、大規模なサイバー攻撃が発生しており、攻撃手法は一層高度化・複雑化しています。我が国においても、サイバー攻撃による業務妨害、重要情報の窃取、金銭被害等の被害が発生しており、こうしたサイバー攻撃の脅威は、金融システムの安定に影響を及ぼしかねない大きなリスクとなっています。
    • このため、金融業界全体のインシデント対応能力の更なる向上を図ることを目的に、6回目となる「金融業界横断的な演習(Delta Wall Ⅵ(※))」を実施します。(※)Delta Wall:サイバーセキュリティ対策のカギとなる「自助」、「共助」、「公助」の3つの視点(Delta)と防御(Wall)
  • 演習概要
    • 日程:令和3年10月20日(水)~27日(水)の6日間
    • 参加者:約150の金融機関が参加
▼(別添)「金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習(Delta Wall Ⅵ)について」
  • 金融分野のサイバーセキュリティを巡る状況
    • 世界各国において、大規模なサイバー攻撃が発生しており、攻撃手法は一層高度化・複雑化
    • 我が国においても、サイバー攻撃による業務妨害、重要情報の窃取、金銭被害等の被害が発生している状況
    • こうしたサイバー攻撃の脅威は、金融システムの安定に影響を及ぼしかねない大きなリスクとなっており、金融業界全体のインシデント対応能力の更なる向上が不可欠
  • これまでの演習の概要
    • 過去5回演習を実施。2016年度は77先・延べ約900人、2017年度は101先・延べ約1,400人、2018年度は105先・延べ約1,400人、2019年度は121先・延べ約2,000人、2020年度は114先・延べ約1,700人が参加。
    • 参加金融機関の多くが規程類の見直しを実施・予定しているほか、社内及び外部組織との情報連携の強化に関する対応を実施・予定しており、本演習を通じて対応態勢の改善が図られている。
  • 金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習(Delta Wall Ⅵ)
    • 2021年10月、金融庁主催による6回目の「金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習」(Delta Wall Ⅵ)を実施。
    • 中小金融機関のカバレッジ拡大の観点から、信金・信組及び顧客に影響を及ぼすインシデントが発生した資金移動業者の参加先数を拡大し、約150先が参加。
    • 対応できなかった項目の自己分析結果(例:コンチプラン(Plan)の課題か対応(Do)の課題か)を提出することとし、評価の要因を明確化することで、演習効果を高める。
    • 昨年度に引き続き、テレワーク環境下でのインシデント対応能力の向上を図るため、参加金融機関は実際のテレワーク環境下で演習に参加。
  • 演習の特徴
    • インシデント発生時における初動対応、攻撃内容の調査等の技術的対応、情報連携、業務継続等を確認
    • 銀行では、インシデント対応時における議論の内容や意思決定過程を検証
    • 経営層や多くの関係部署(システム部門、広報、営業部門等)が参加できるよう、自職場参加方式で実施
    • 参加金融機関がPDCAサイクルを回しつつ、対応能力の向上を図れるよう、具体的な改善策や優良事例を示すなど、事後評価に力点
    • 本演習の結果は、参加金融機関以外にも業界全体にフィードバック
  • 演習シナリオの概要
    1. 銀行
      • (ブラインド方式のため非開示)
    2. 信金・信組
      • 重要システムの異常による顧客影響が発生
    3. 証券・FX・資金移動業者・暗号資産交換業者等
      • 取引システムへの不正アクセスにより、顧客資産の流出が発生
    4. 生命保険・損害保険・保険代理店・監査法人
      • 顧客情報の漏えいが発生

~NEW~
首相官邸 地球温暖化対策推進本部(第48回)
▼資料1 地球温暖化対策計画(案)
  • 地球温暖化対策の推進に関する基本的方向
    1. 我が国の地球温暖化対策の目指す方向
      地球温暖化対策は、科学的知見に基づき、国際的な協調の下で、我が国として率先的に取り組む。
      1. 2050年カーボンニュートラル実現に向けた中長期の戦略的取組
        • パリ協定は、世界の平均気温の上昇を2℃より十分下回るものに抑えること、1.5℃に抑える努力を継続すること等を目的とし、この目的を達成するよう、世界の排出のピークをできる限り早くするものとし、人為的な温室効果ガスの排出と吸収源による除去の均衡を今世紀後半に達成するために、最新の科学に従って早期の削減を目指すとされている。
        • IPCC1.5℃特別報告書に記載されているように、1.5℃と2℃上昇との間には生じる影響に有意な違いがあることを認識し、世界の平均気温の上昇を工業化以前の水準よりも1.5℃に抑えるための努力を追求することが世界的に急務である。
        • 我が国は、もはや地球温暖化対策は経済成長の制約ではなく、積極的に地球温暖化対策を行うことで、産業構造や経済社会の変革をもたらし大きな成長につなげるという考えの下、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち、「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指す。第204回国会で成立した地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律(令和3年法律第54号。以下同法による改正後の地球温暖化対策の推進に関する法律を「改正地球温暖化対策推進法」という。)では、2050年カーボンニュートラルを基本理念として法定化した。これにより、中期目標の達成にとどまらず、脱炭素社会の実現に向け、政策の継続性・予見性を高め、脱炭素に向けた取組・投資やイノベーションを加速させる。
        • さらに、2050年目標と整合的で野心的な目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、さらに、50%の高みに向けて挑戦を続けていく。経済と環境の好循環を生み出し、2030年度の野心的な目標に向けて力強く成長していくため、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入、公共部門や地域の脱炭素化など、あらゆる分野で、でき得る限りの取組を進める。食料・農林水産業においては、「みどりの食料システム戦略」(令和3年5月12日農林水産省決定)に基づき、イノベーションにより生産力向上と持続性の両立の実現を目指す。また、「国土交通グリーンチャレンジ」(令和3年7月6日国土交通省決定)に基づき、国土・都市・地域空間における分野横断的な脱炭素化等の取組を着実に実行する。さらに、脱炭素に必要な循環経済(サーキュラーエコノミー)への戦略的な移行や自然を活用した解決策(NbS17)の取組を進め、新産業や雇用を創出する。
        • 我が国は、2030年、そして2050年に向けた挑戦を、絶え間なく続けていく。2050年カーボンニュートラルと2030年度46%削減目標の実現は、決して容易なものではなく、全ての社会経済活動において脱炭素を主要課題の一つとして位置付け、持続可能で強靱な社会経済システムへの転換を進めることが不可欠である。目標実現のために、脱炭素を軸として成長に資する政策を推進していく。
      2. 世界の温室効果ガス排出量の削減に向けた取組
        • 我が国は、世界の脱炭素化を牽引する国際的リーダーシップを発揮する。今後も、これまで築いてきた信頼関係を基礎として、相手国との協働に基づく協力を拡大するとともに、我が国の強みである技術力をいかして、市場の創出・人材育成・制度構築等の更なる環境整備を通じて、環境性能の高い技術・製品等のビジネス主導の国際展開を促進し、世界の排出削減に最大限貢献する。
    2. 第2節 地球温暖化対策の基本的考え方
      1. 環境・経済・社会の統合的向上
        • 地球温暖化対策の推進に当たっては、我が国の経済活性化、雇用創出、地域が抱える問題の解決、そしてSDGsの達成にもつながるよう、地域資源、技術革新、創意工夫をいかし、AI、IoT等のデジタル技術も活用しながら、環境・経済・社会の統合的な向上に資するような施策の推進を図る。
        • 具体的には、経済の発展や質の高い国民生活の実現、地域の活性化、自然との共生を図りながら温室効果ガスの排出削減等を推進すべく、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入、技術開発の一層の加速化や社会実装、ライフスタイル・ワークスタイルの変革、3R(廃棄物等の発生抑制・循環資源の再使用・再生利用)+Renewable(バイオマス化・再生材利用等)をはじめとするサーキュラーエコノミーや自然生態系による炭素吸収・蓄積という生態系サービスの長期的な発揮を含む自然共生社会への移行、脱炭素に向けた攻めの業態転換及びそれに伴う失業なき労働移動の支援等を大胆に実行する。「労働力の公正な移行」はパリ協定において必要不可欠と規定されており、働きがいのある人間らしい雇用や労働生産性の向上とともに実現していくことが重要である。また、我が国には地域に根差した企業が多数存在していることから、労働力に加え、地域経済、地場企業の移行を一体的に検討する必要がある。
        • 環境・経済・社会の統合的向上という方向性を国民、国、地方公共団体、事業者等の全ての主体で共有し、協力してこの具体化に向け実際に行動していくことが非常に重要である。
      2. 新型コロナウイルス感染症からのグリーンリカバリー
        • 新型コロナウイルス感染症をはじめとする新興感染症は、生物多様性の損失や気候変動等の地球環境の変化にも深く関係していると言われており18、今後の人間活動や自然との共生の在り方の再考を私たちに突き付けている。G7コーンウォール・サミットでは、「気候変動及び生物多様性の損失という前例のない相互依存の危機が、人類、繁栄、安全保障及び自然に対し存亡に係る脅威を与えている」との認識が共有された。地球の持続可能性に向けて動き出し、気候変動を更に緩和・適応させ、生物多様性の損失と環境劣化を食い止め、回復させるために、緊急かつ具体的な行動が必要である。
        • 世界では、新型コロナウイルス感染拡大後の経済復興について、気候変動対策の野心を高め、持続可能な経済社会の実現に向けたグリーンリカバリーの取組が進められている。新型コロナウイルス感染症という新たな危機により、世界の経済社会の枠組みは大きく変化しており、気候変動対策もこの変化への対応と一体的に推進する必要がある。私たちは時代の大きな転換点に立っているという認識の下、新型コロナウイルス感染症感染拡大前の社会に戻るのではなく、持続可能で強靱な社会システムへの変革を実現することが求められている。2050年カーボンニュートラル宣言を踏まえ、「脱炭素社会」、「循環経済」、「分散型社会」への「3つの移行」を加速させ、持続可能で強靱な経済社会への「リデザイン(再設計)」を強力に進めていく。
      3. 全ての主体の意識の変革、行動変容、連携の強化
        • 地球温暖化問題は、社会経済活動、地域社会、国民生活全般に深く関わり、また、将来世代にも大きな影響を及ぼすことから、国民、国、地方公共団体、事業者等の全ての主体が参加・連携して取り組むことが必要である。
        • このため、深刻さを増す地球温暖化問題に関する知見、一人一人が何をすべきかについての情報、地球温暖化対策の進捗状況に関する情報等を、なるべく目に見える形で積極的に提供・共有し、また、それらを伝え、実践する人材の育成と活動の展開を行い、国民各界各層における意識の変革と行動変容につなげる。
      4. 研究開発の強化と優れた脱炭素技術の普及等による世界の温室効果ガス削減への貢献
        • 気候変動という地球規模の課題に立ち向かい、脱炭素社会を実現するためには、従来の延長線上ではない、イノベーションを起こさなければならない。脱炭素社会を実現していく上では、「イノベーション=技術革新」という単一的な見方を是正し、最先端の技術を創出するイノベーションと併せて、今ある優れた技術の普及も含め、技術の社会実装に向けた「実用化・普及のためのイノベーション」を推進することが不可欠である。その観点から、性能や効率も重要だが、ユーザーに選ばれなければせっかくの性能も発揮できないため、ニーズ側や未来社会像から発想するイノベーションも重要である。
        • 「第6期科学技術・イノベーション基本計画」(令和3年3月26日閣議決定)、「革新的環境イノベーション戦略」(令和2年1月21日統合イノベーション戦略推進会議決定)等に基づき、有望分野に関する革新的技術の研究開発を強化していく。
        • 加えて、JCM等を通じて、優れた脱炭素技術等の普及や地球温暖化緩和活動の実施を推進する。
      5. パリ協定への対応
        • パリ協定の目標達成に向け、パリ協定に規定された目標の5年ごとの提出・更新のサイクル、目標の実施・達成における進捗に関する報告・レビューへの着実な対応を行う。さらに、パリ協定の国際的な詳細なルールの構築に我が国としても積極的に貢献していく。パリ協定の下での各国の取組状況の報告・レビューについても着実に対応する。
      6. 評価・見直しプロセス(PDCA)の重視
        • 本計画の実効性を常に把握し確実にするため、本計画策定後、毎年、各対策について政府が講じた施策の進捗状況等を、温室効果ガス別その他の区分ごとの排出削減量、対策評価指標、関連指標等(以下「対策評価指標等」という。)を用いつつ厳格に点検し、必要に応じ、機動的に本計画を見直す。

~NEW~
内閣府 第355回 消費者委員会本会議
▼【資料1-2】 特定商取引に関する法律施行令の改正に係る消費者委員会への諮問について(PDF形式:207KB)
  1. 諮問の背景
    • 今般、「新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部改正する法律」(令和3年法律第46号。以下「改正法」という。)が令和3年5月26日に公布された。
    • 改正法第3条による改正後の金融商品取引法(以下「改正金商法」という。)第63条の8において、新たに「海外投資家等特例業務」が規定され、金融商品取引業者及び金融商品取引法第33条第1項に規定する金融機関以外の者であっても、改正金商法第63条の9第1項の規定による届出により(以下、当該届出をした者を「海外投資家等特例業務届出者」という(改正
    • 金商法第63条の9第4項)。)、海外投資家等特例業務(主として海外投資家を出資者とする集団投資スキームの投資運用業等)が可能となった。
    • また、海外で既に一定の業務実績があり、海外当局による許認可等を保有する運用事業者(以下「外国投資運用業者」という。)について、当該許認可等に基づき実施することができる投資運用業務の範囲に限り、日本で登録等を得るまでの一定の期間、国内でも届出により業務を可能とする新たな特例制度が整備された(改正金商法附則第3条の3)。当該制度に基づき外国投資運用業者が行うことができる業務は「移行期間特例業務」と規定されている(同法附則第3条の3第5項)
  2. 諮問事項(特定商取引法施行令の改正(適用除外の追加))
    • 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第26条第1項第8号ニの規定により、他の法律の規定によって訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売における商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約について、その勧誘若しくは広告の相手方、その申込みをした者又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益を保護することができると認められる販売又は役務の提供として政令で定めるものは、特定商取引法を適用しないこととしている。
    • また、特定商取引に関する法律施行令(昭和51年政令第295号。以下「特定商取引法施行令」という。)第5条の規定により、他の法律の規定によって購入者等の利益を保護することができると認められる販売又は役務の提供は、別表第2に掲げるものとされており、同別表第2第5号において、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)の適用除外規定が定められている。
    • 今般、特定商取引法の適用除外の対象とすべき業務としては、上記1.のとおり、(1)改正金商法第63条の9第4項に規定する海外投資家等特例業務届出者が行う同法第63条の8第1項に規定する海外投資家等特例業務、及び(2)同法附則第3条の3第1項に規定する外国投資運用業者が行う同条第5項に規定する移行期間特例業務である。
    • 特定商取引法の適用除外の判断基準については、各個別法において、実効ある規制体系が構築されているか否か、つまり不当な勧誘や広告等について、(ア)消費者被害に対する是正措置が整備されていること、(イ)是正措置を発動することが可能となるような法目的との整合性、の2点を満たしているか否かが問われる。
    • この点、改正金商法は、海外投資家等特例業務届出者が、海外投資家等特例業務の運営に関し、投資家の利益を害する事実があるとき、6月以内の期間を定めて業務の全部又は一部の停止を命じることができる旨規定している(同法第63条の13第2項)。この場合において、他の方法により監督の目的を達成することができないときは、業務の廃止を命ずることができる旨規定している(同条第3項)。よって、(ア)消費者被害に対する是正措置が整備されていると言える。
    • また、改正金商法附則第3条の3第4項において、同条第1項の届出は同法第63条の9第1項の届出と、移行期間特例業務は海外投資家等特例業務と、それぞれみなして金融商品取引法の規定が適用されるため、「海外投資家等特例業務」についての業務停止命令等の監督処分を規定した金融商品取引法第63条の13が、(海外投資家等特例業務とみなされる)「移行期間特例業務」に対しても適用されることとなることから、海外投資家等特例業務届出者が行う移行期間特例業務についても、(ア)消費者被害に対する是正措置が整備されていると言える。
    • さらに、改正金商法は、「…有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もつて国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資すること」を目的としており(第1条)、消費者概念に含まれる「投資者」の保護のために是正措置が行われ得ることから、(イ)是正措置を発動することが可能となるような法目的を規定していると言える。
    • したがって、改正金商法は、実効ある規制体系を構築しているため、上記の(1)改正金商法第63条の9第4項に規定する海外投資家等特例業務届出者が行う同法第63条の8第1項に規定する海外投資家等特例業務、及び(2)同法附則第3条の3第1項に規定する外国投資運用業者が行う同条第5項に規定する移行期間特例業務については、特定商取引法の適用除外とすることが認められることから、特定商取引法施行令において所要の改正を行うこととしたい。
▼【資料1-4】 新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応し金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案
  • 背景
    • 銀行等は、ポストコロナの日本経済の回復・再生を支える「要」として、重要な役割を果たすことが求められている。このため、社会経済において期待される役割を果たそうとする銀行等の取組みを後押しする観点などから、業務範囲規制や出資規制などを見直す。
      1. 社会経済の構造的な課
        • 人口減少や少子高齢化
        • 特に地方の生産年齢人口の減少
      2. 新型コロナウイルス感染症等による影響
        • デジタル化と併せて、地方創生に向けた取組みを加速する必要
        • 企業は、サービス提供の非対面化・デジタル化や、サプライチェーンの再構築などにも対応しなければならない
      3. 銀行等の状況
        • 資金需要の継続的な減少や低金利環境などによる厳しい経営環境
        • 企業部門全体としての資金余剰などを背景に、間接金融部門における緩和的な融資態度が常態化しているとの指摘
  • 銀行等が社会経済において期待される役割を充分に果たすことができるようにする必要
    • 銀行等が保有するノウハウや人材、技術などを活用したデジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築への貢献
    • 出資を通じた企業の事業再生・事業承継やベンチャービジネスの支援
    • 国際競争力の強化
  • 業務範囲規制の見直し
    • デジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築に向けて、銀行の(1)子会社・兄弟会社(銀行業高度化等会社)、(2)本体、それぞれに業務を追加するなどの措置を講ずる
      1. 銀行の子会社・兄弟会社
        • 他業認可
          • 個別列挙なし(銀行の創意工夫次第で幅広い業務を営むことが可能)
          • 認可を条件にすべての従属業務を収入依存度規制なしに営むことが可能(明確化)
        • 通常の子会社・兄弟会社認可
          • 内閣府令において個別列挙(実施状況などを踏まえ追加)
          • 財務健全性・ガバナンスが一定以上であることについて認定を受けたグループが銀行の兄弟会社において営む場合は個別認可不要(届出制)
        • 従属業務会社【法令上の数値基準を削除(必要に応じガイドラインに考え方を示す)】
      2. 銀行本体
        • 業務に、銀行業の経営資源を活用して営むデジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築に資する業務を追加する
        • 自行アプリやITシステムの販売・データ分析・マーケティング・広告・登録型人材派遣・幅広いコンサル・マッチング
        • このほか、銀行持株会社が営むことができる「グループ会社に共通・重複する業務」に関し、一定の業務については認可不要とする(届出制)等
        • 信用金庫・信用協同組合、保険会社、金融商品取引業者などについても、それぞれの特性や制度に応じて同趣旨の改正を行う
        • 出資規制/外国子会社・外国兄弟会社の業務範囲の見直し
          • 銀行が、出資を通じて地域の「面的再生」などを幅広く支援することができるよう、非上場の地域活性化事業会社に対する議決権100%の出資を可能とするなどの措置を講ずる。
          • 併せて、国際競争力強化の観点から、銀行が買収した外国子会社・外国兄弟会社について、現地における競争上の必要性があれば、業務範囲規制にかかわらず継続的に保有することができることとする。
        • グローバルな拠点再配置の加速への対応
          • グローバルな拠点再配置の加速に呼応して海外の金融機関・資金を取り込み、日本市場が「国際金融センター」としての機能を発揮していくことができるよう、
            1. 海外で当局による登録等を受け、海外の顧客資金の運用実績がある投資運用業者(海外の資金のみ運用)
            2. 主として海外のプロ投資家(外国法人や一定の資産を保有する外国居住の個人)を顧客とするファンドの投資運用業者について、簡素な手続(届出)による参入制度(人的要件あり)を創設((1)の制度は5年間の時限措置)
        • 資金交付制度の創設
          • 人口減少地域等においてポストコロナの地域経済の回復・再生を支える金融機能を維持するため、合併・経営統合等を行う地域銀行等が、経営基盤強化の「実施計画」を作成して国の認定を受け、預金保険機構から資金の交付を受けることができる制度を創設する。
            1. 対象【改正金融機能強化法第34条の10第1項】
              • 事業の抜本的な見直しとして実施する合併・経営統合等の経営基盤強化の計画(「実施計画」)を作成して国の認定を受けた地域銀行等
            2. 「実施計画」の記載事項【改正金融機能強化法第34条の10第2項】
              • 計画実施により金融サービスの提供が維持されると見込まれる 等
              • 経営基盤強化の内容・時期
              • 金融サービスの提供の維持に関する事項
              • 地域経済の活性化に資する方策
              • 計画の適切な実施に必要な経営体制 等
            3. 「実施計画」の認定要件【改正金融機能強化法第34条の10第3項】
              • 提供する金融サービスが地域経済にとって不可欠
              • 人口減少等により金融サービスの持続的提供が困難となるおそれ
              • 計画実施により金融サービスの提供が維持されると見込まれる 等
            4. 交付額
              • 経営基盤強化に必要な追加的な初期コスト(ITシステム投資等)の一部
            5. 財源【改正金融機能強化法第43条の2等】
              • 預金保険機構の金融機能強化勘定に属する剰余金を活用
            6. 監督等【改正金融機能強化法第34条の12】
              • 計画の履行状況を原則5年間モニタリング
              • 必要に応じ監督上の措置命令
              • 事業の抜本的な見直し(合併・経営統合の場合はその実行)が実施されない場合には資金の返還を求める
            7. 申請期限【改正金融機能強化法第34条の10第1項等】
              • 2026年3月末(約5年間の申請期間を確保)
        • その他の改正事項
          1. 銀行等保有株式取得機構による株式等の買取期限等の延長【改正銀行等株式保有制限法第38条第1項等】
            • 銀行等保有株式取得機構による株式等の買取期限(現在は2022年3月末)について、銀行等の経営基盤強化の取組みの中で行われる株式等保有の見直しなどに対応する観点から、2026年3月末まで延長する。
            • 併せて、同機構の存続期限を2036年3月末まで延長する。
          2. 預金保険機構の財務の健全性を確保するための金融機能強化勘定への繰入れ規定の整備【改正金融機能強化法第46条第2項等】
            • 預金保険機構が金融機能強化法に基づいて行う資本参加に関して将来生じ得るリスクに対応し、その財務の健全性を確保する観点から、金融機能強化勘定又は金融機能早期健全化勘定の廃止の際、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、金融機能早期健全化勘定から金融機能強化勘定に繰入れをすることができることとする。
          3. 上記のほか、(1)新型コロナウイルス感染症等の影響に対処するための資金繰り支援の経験も踏まえた、合併・転換後の金融機関の業務継続に係る措置等【改正合併転換法第6条第4項、第51条の2等】、(2)預金保険制度における、預金者等の保護及び破綻金融機関の債権者間の衡平を図るための措置等【改正預金保険法第63条、第37条第3項、第131条の2等】、(3)書面・押印・対面規制についての電磁的方法による手続に関する規定の整備【改正保険業法第309条、改正金融商品取引法第37条の6等】

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総務省 苦情相談処理体制の在り方に関するタスクフォース(第1回)
▼資料1-3 苦情相談処理体制の検討について(事務局)
  • 電気通信サービスに係る苦情相談総件数(年度別)(PIO-NET/総務省)
    • 2020年度に全国の消費生活センター及び総務省で受けた苦情相談件数は、2019年度と比較して7.4%減少となり、2017年度から右肩上がりで増加していた苦情傾向は本年度、減少傾向に転じた。
    • 一方で2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、消費生活センターの一部で苦情相談の受付け体制に変更が生じたこと等に留意し、苦情相談総件数の推移を見る必要がある
  • 苦情相談の例(主な「苦情相談の項目・観点」 (上位3つ)と内容)
    1. MNOサービス
      1. 通信料金の支払(心当たりのない請求等) 37.5%
        • 高額な通話料金を請求されたが、そんなに通話をした記憶はない。
        • 解約したはずの携帯電話の利用料金が未だに引き落とされている。
      2. 通信契約の加入・変更手続き 19.1%
        • ウェブでのみ契約が出来る新プランを契約したが、よく分からないので解約したい。しかし、チャットのサポートはよく分からないし電話も繋がらない。
        • 代理店がつけるといっていたキャッシュバックがもらえない。
      3. 解約の条件・方法(解約料等) 18.0%
        • 解約したいが、事業者に電話が繋がらない。
        • 各社の違約金は下がったはずなのに、自分は高額の違約金を請求された。おかしい
    2. MVNOサービス
      1. 解約の条件・方法 38.6%
        • 置き型Wi-Fiを解約するには、Wi-Fi機器の購入が条件と言われた。(データ通信専用)
        • 他社に乗り換えたところ、高額な違約金を請求された。(音声通話付)
      2. 通信料金の支払(心当たりのない請求等) 29.4%
        • 契約後直ぐに解約したが、クレジットカードの引き落としが続いている。(データ通信専用)
        • 話し放題プランを付けたが、高額な電話代を請求され不満。(音声通話付)
      3. 勧められて事業者等を乗換/新規契約 17.8%
        • 勧誘電話の途中で大手電話会社ではなく他社の勧誘と気づいたが断れなかった。(データ通信専用)
        • 家族間通話が無料と説明されスマホを契約したが、実際は違った。(音声通話付)
    3. FTTHサービス
      1. 勧められて事業者等を乗換え 90.1%
        • 光回線の料金が安くなると電話勧誘を受けて契約したが、実際には料金が高くなっている。解約希望。
        • 大手通信事業者を名乗り、光回線料金が安くなるとの電話勧誘があった。承諾したが事実と違う。解約希望。
      2. 解約の条件・方法(解約料等) 26.3%
        • 料金が安くなると勧誘され、契約したが実際は高くなった。解約しようとすると、高額の違約金を請求された。
        • 光回線の契約を解約したいが、電話が繋がらない。
      3. 通信料金の支払(心当たりのない請求等) 16.7%
        • 利用料金が安くなると勧誘を受け契約したが、勝手にオプションをつけられ料金が高くなっている。
        • 電話勧誘があり、契約しない旨を伝えたのに、請求書が来ている。不審だ。

~NEW~
消費者庁 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による消費行動の変化等に関する研究
▼「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による消費行動の変化等に関する研究」プロジェクトにおけるウェブ調査結果及びリサーチ・ディスカッション・ペーパーの公表について 概要版
  • 今般、全国の20-70代約4,000人に対しウェブ調査を実施したところ、以下の点が明らかになりました。
    • 2020年4~5月の緊急事態宣言前後において、約4割の人が、不足していた物を「心配で、手元にあってもさらに買った」経験がある。
    • 感染拡大により品薄になった商品を購入した際、約3割の人が「商品の機能・品質が思っていたよりも悪かった」経験がある。
  • また、調査結果を基に、坂本准教授を筆頭としてリサーチ・ディスカッション・ペーパー「新型コロナウィルス感染症拡大時の買い占め行動と消費者トラブル―消費者教育への示唆」を取りまとめました。本ペーパーは、感染拡大初期の買い占め行動と消費者トラブルに影響した要因を実証的に検討し、今後の非常事態における混乱を防ぐために消費者教育で重点を置くべき点を明らかにすることを目的としています。消費者の行動を分析した結果、以下の点が統計的に支持されました。
    • 「買い占め行動」をとる人ほど、明らかに「消費者トラブル」が多い。この関連の強さは特に20-30代男性において顕著であり、その理由として「買い占め行動」におけるインターネット利用の多さが影響している。
    • 品不足への不安や権威の影響を受けやすいといった心理傾向の強さと「世帯所得」の高さが、「買い占め行動」を増やす要因である。
    • 20-30代男性においては、必要な物の取捨選択や身の回りを片付けない、「物と空間の管理」をしない人ほど、品不足への不安や権威の影響を受けやすく、「買い占め行動」もとりやすい
  • 主な知見
    • 2020年4~5月の緊急事態宣言前後において、約4割の人が、不足していた物を「心配で、手元にあってもさらに買った」経験がある。マスクなど不足していた買物の経験について聞いたところ、「あった(『何度もあった』+『2・3度あった』+『一度だけあった』)」と回答した人の割合は、「心配で、手元にあってもさらに買った」が43.2%(8.6%+18.1%+16.5%)と最も高かった。
    • 感染拡大により品薄になった商品を購入した際、約3割の人が「商品の機能・品質が思っていたよりも悪かった」経験がある。感染拡大により品薄になった商品の購入で経験したことを聞いたところ、「あった(『何度もあった』+『2・3度あった』+『一度だけあった』)」と回答した人の割合は、「商品の機能・品質が思っていたよりも悪かった」が34.3%(4.9%+11.8%+17.6%)と最も高かった。
    • 2020年4~5月の緊急事態宣言期間中において、約3割の人がマスクを買えなかった経験がある。感染拡大以前と2020年4~5月の緊急事態宣言期間中を比べて、どのくらい買物量が変化したかを聞いたところ、「買えなかった(『買えなかった』+『少ししか買えなかった』)」と回答した人の割合は、「マスク」が29.0%(13.9%+15.1%)と最も高かった。
    • 生活必需品に関して、約8割の人が4日分以上のマスクを備蓄している。現在の生活必需品の備蓄状況を聞いたところ、「4日分以上(『2週間分以上』+『1~2週間分』+『4日~1週間分』)」と回答した人の割合は、「マスク」が85.8%(66.1%+11.1%+8.6%)と最も高かった。
    • 男女ともに世帯所得が高くなるほど「買い占め行動」が多くなる。「買い占め行動」の得点について、男女別、世帯所得別の平均値を比較すると、男女ともに世帯所得が高くなるほど得点が高かった。
    • 男性は世帯所得が高いほど「消費者トラブル」が多い。「消費者トラブル」の得点について、男女別、世帯所得別の平均値を比較すると、男性は世帯所得が高くなるほど「消費者トラブル」得点が高かった。一方、女性は最も世帯所得の高いカテゴリー(1,500万円以上)で「消費者トラブル」の得点が高いものの、他のカテゴリーについては、世帯所得間による大きな違いは観察されなかった。
    • 男性は若い年代ほど「買い占め行動」が多い。「買い占め行動」の得点について、男女別、年代別の平均値を比較すると、男性は若い年代ほど「買い占め行動」得点が高かった。一方、女性については70代で「買い占め行動」の得点が低いものの、年代間による大きな違いは観察されなかった。
    • 男性は女性よりも「消費者トラブル」が多い。「消費者トラブル」の得点について、男女別、年代別の平均値を比較すると、特に、60歳未満で男女間の得点差が大きく、男性は女性よりも「消費者トラブル」の経験が多かった。また、男性は年代による得点の違いが明らかであり、年齢が低くなるほど「消費者トラブル」の得点が高かった。
    • 20-30代男性は、「買い占め行動」においてインターネットを利用する傾向がある。「買い占め行動」に対する5項目の因子負荷量(重み)は、性別と年代によって異なる傾向にある。女性よりも男性、40代以降よりも20-30代で「フリマ、SNS等ネットで買った」の負荷量が大きい。
    • 品不足への不安や権威の影響を受けやすいほど、「買い占め行動」をとる傾向がある。「買い占め行動」に対して、「品不足への不安」、「被権威性」といった心理的要因が比較的大きな係数を示しており、不安を感じているほど、あるいは権威の影響を受けやすいほど買い占め行動をとりやすい。ただし、「品不足への不安」は40代以降にのみ有意な関連が現れた。「世帯所得」も同程度の影響力を持ち、所得が高いほど買い占め行動をとりやすい傾向にある。生活資源管理(「物と空間の管理」、「金銭管理」、「注意深い情報収集」)のうち、「物と空間の管理」が20-30代男性で有意な負の係数であった。
    • 「買い占め行動」をとるほど、「消費者トラブル」が多い。「買い占め行動」をとるほど「消費者トラブル」が多いことを明確に支持する結果となった。特に20-30代男性において、「買い占め行動」と「消費者トラブル」との関連が顕著に見られた。「消費者トラブル」に対し、「注意深い情報収集」が20-30代で有意な負の係数を示した。
    • 「物と空間の管理」は、「買い占め行動」を抑える。「買い占め行動」を増す心理傾向である「被権威性」と「品不足に対する不安」は、いずれも「物と空間の管理」をしているほど弱い。「物と空間の管理」の影響は、特に「買い占め行動」によって「消費者トラブル」を経験しがちな20-30代男性に顕著に見られた。
  • 結果の総括、考察及び今後の課題
    1. ウェブ調査結果
      • 2020年4~5月の緊急事態宣言前後において、約4割の人が、不足していた物を「心配で、手元にあってもさらに買った」経験があり、また、感染拡大により品薄になった商品を購入した際、約3割の人が「商品の機能・品質が思っていたよりも悪かった」経験がある。
    2. リサーチ・ディスカッション・ペーパー
      • 権威の影響を受けやすく、品不足への不安が大きい人は、置き場所の定まらない大量の物を漫然と抱える傾向にあり、これは「買い占め行動」によって「消費者トラブル」を経験しがちな20‐30代男性において顕著だった。
      • 「被権威性」と「品不足に対する不安」は「買い占め行動」を増す要因である一方、「物と空間の管理」によって抑えられるため、非常時の消費行動を左右するのは、平時から物と空間の管理をするかどうかであると言える。
      • 生活資源管理は本人の意識によるコントロールが可能であることから、消費者教育として具体的かつ実践的な情報提供を行うことができる。非常時の買い占めを防ぐには、普段から生活必需品を適材適所で備える大切さを理解し、備蓄についての具体的な知識を習得できるような教育が求められる。
      • 今後、買い占めやトラブル経験に対するデジタル利用の影響のほか、物と空間の管理の重要性を掘り下げた分析が求められる。デジタル利用によるトラブルの頻度や程度を実証的に明らかにすることで、そのリスクや留意点を示すことができる。また、物と空間の管理の重要性に関する意識啓発や具体的な知識の提供による効果を明らかにし、消費者教育に対するより実践的かつ具体的な知見を得ることが必要である

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消費者庁 第4回消費者志向経営に関する連絡会
▼資料1:有識者による講演「専修大学 商学部教授 渡辺達朗氏」
  • 食品廃棄の現状
    1. SDGs12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たり食品の廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる」
    2. 日本は、摂取カロリーベースで食料自給率37%(2018年度)と先進国中最低水準大量の食料を輸入し、生産・流通に多量のエネルギーを使用しながら、大量に廃棄
    3. 食品廃棄に関する農林水産省および環境省の推計値(2020年4月14日公表)
      • 2017(平成29)年の食品廃棄物等は約2,550万トン
      • このうち食べられるのに廃棄された食品ロスは事業系328万トン、家庭系284万トンの合計約612万トンと推計
      • 国民1人1日当たり茶碗1杯(あるいはおにぎり1個)のご飯を捨てていることに相当
      • 大量の食品ロスが発生している主要な要因:事業系では「規格外品、返品、売れ残り、食べ残し」、家庭系では「食べ残し、過剰除去、直接廃棄」(農林水産省)
    4. これに対して、自治体が負担するごみ処理費用は上昇傾向にあり、埋め立て処分場のキャパシティも限界に
  • 食品ロス削減目標の設定
    1. 家庭系食品ロス:2018(平成30)年6月循環型社会形成推進基本法(環境省所管)の基本計画が改定され、2030年度までに2020年度の433万トンから半減(およそ216万トン)と設定
    2. 事業系食品ロス:2019年7月に食品リサイクル法(農林水産省・環境省所管)の基本方針が改定され、2030年度までにサプライチェーン全体で2000年度の547万トンから半減(およそ273万トン)との目標が設定
    3. 2019年10月1日食品ロス削減推進法施行(消費者庁所管)
      • 食べ物をむだにしない、まだ食べられる食品は廃棄せずに、食品として活用する、そのための国民運動を推進
      • 運用の具体化は同法第11条に基づく「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」、および地方自治体による「推進計画」に委ねられた。地方自治体の推進計画は、都道府県と市町村の二段階で設定
      • 事業者には、食品ロス削減は罰則規定なしの「努力義務」とされ、まだ食べられる食品を廃棄前に有効活用するためにフードバンク等を支援することが明記
      • 循環経済に向けたサプライチェーンの再構築
  • 4つの取り組み目的
    1. 食品ロスをできるだけ発生させない
    2. 食品ロスの発生前に察知して(再)利用する:寄贈・別ルートでの販売・他
    3. 発生してしまった食品ロスを再資源化(リサイクル・アップサイクル):飼料化・肥料化・菌床化・バイオマス発電・他
    4. 食品ロス発生量とは切り離してCSRとして取り組む
  • 3つの分析レベル
    1. サプライチェーンの各段階における取り組み
    2. サプライチェーンの担い手が連携しての取り組み
    3. サプライチェーンの各段階から寄贈、回収・再資源化の取り組み
  • マッチング・ビジネス
    1. フードシェアリングにおけるマッチング・プラットフォーム
      • 産地やメーカー、卸等の中間流通、小売や外食などの事業者において発生した規格外品・未利用品(等)を消費者・需要者につなぐ仕組み
    2. 規格外品・未利用品の提供側と需要側とを既定の流通ルートにとらわれずにマッチングさせることで、廃棄される前に新たな販売ルートを見出す
    3. 取扱金額の一部を子ども食堂、NPO等に寄付するなど社会・地域貢献を強く意識
      • こうしたビジネスは以前から存在したが、社会的に注目を集めたのは、コロナ禍のもとでの未利用品の増加が契機
      • 飲食店の営業時間短縮・休業、外出自粛やリモートワーク化、イベント入場制限など→未利用品が従来を上回る量で発生し、廃棄する前に有効利用する必要性拡大
  • マッチング・プラットフォームの課題
    1. 規格外品・未利用品の提供元=「出し手」との関係
      • 現在は経済性・社会性を背景にプラットフォーム側=「受け手」市場
      • 「受け手」市場に固有の「パワー関係」の問題
        • 今後のパワー関係は?
        • 「出し手」が受け手を選ぶ際の経済性と社会性の基準は?
      • 「出し手」は余剰食品よりも正規品を出す方が安心できることがある
    2. プラットフォームの利用者(消費者)との関係
      • 多数のプラットフォームの「乱立」
        • 利用者はどのように使い分けているのか
        • 違いを識別できているのか
        • フリマアプリや産直系サイト、クラウドファンディングサイト、ふるさと納税サイトなどでの「規格外品」(らしきものを含む)の扱い増
      • 利用者の「葛藤」?
        • どこを使えばより社会貢献できるのか?
        • どこがより「お得」なのか!?
  • 寄贈をめぐる課題
    1. 寄贈先:社会福祉協議会、フードバンク、子ども食堂など
    2. 事業系における返品・過剰在庫の発生量削減努力にもかかわらず、規格外品や未利用食品がどうしても発生
      • 最終的に廃棄されることが少なくない
      • 現状では廃棄コストが寄贈にかかわる費用を下回ることが多い
      • そのため社会福祉協議会、フードバンク、子ども食堂などへの寄贈はなかなか拡大しない
      • それでも賞味期限が比較的長いものについては、関係者の努力により進展
      • 賞味期限が比較的短いもの、消費期限ものについては、いまだ課題多い
    3. 最大の要因の1つ:寄贈のルール(寄贈する側の責任の範囲等)の再確認の必要性
    4. 寄贈者側の企業・ブランドイメージをいかにして守るかも重要
      • 契約によって守る
      • ブランド名がわからないようにつくりかえる
    5. 企業における寄贈の位置付けの違い:規格外品・未利用品を積極的に寄贈か、正規品を一定率で寄贈するか、他
  • 「2030半減」はきわめて高い目標で、現状の単純な延長上では困難
    1. 事業系では、まずは「できるだけ発生させない」ことにプライオリティがおかれ、次いで、発生前に察知して(再)利用を図ることが追求されている
      • シェアリング・プラットフォームの活用
      • 寄贈ただし寄贈は、単純な食品ロス削減の手段ではなく、社会福祉問題であることに注意が必要
    2. それでも発生してしまう場合
      • 再資源化:リサイクルとアップサイクル
      • 飼料化・肥料化・菌床化
      • バイオマス発電(ゼロカーボンとの関係で注目)
  • その他の課題
    1. コロナ禍で注目された問題
      • 外食産業における余剰食品:店内飲食からテイクアウト、デリバリーへの切り替え
      • プラスチック容器の利用増→二酸化炭素排出量の増加→気候危機問題や海洋ゴミ問題の深刻化の懸念
      • 2Rの観点からプラスチック容器の見直し急務
    2. 家庭系の食品ロス削減
      • 家庭内の在庫管理や計画的な買い物
        • IoTによる冷蔵庫の在庫管理をはじめとするICT活用/食品ロスダイアリーの活用
      • 消費者の意識と行動の変化:地球環境の危機を実感する世代、エシカル消費の育成・定着
      • 相互的な消費者教育:家庭内で子から親へ教室で生徒・学生から教師へ
        • 手前どりをめぐる「小さな争い」
        • 少しでも新鮮で安心できるものを食べたい、食べさせたいか
        • 少しでも社会に貢献したい、倫理的でありたいか?
    3. グローバル対応問題
      • そもそもとしてのFood Waste & Lossの定義
      • 廃棄物の計量
    4. 都道府県(広域自治体)の役割-市区町村(基礎自治体)の役割

~NEW~
国民生活センター あなたの情報が広告表示の改善等につながりました!!-「消費者トラブルメール箱」2020年度のまとめ-
  • 消費者被害の実態を速やかに把握し、同様な消費者被害の発生の防止に役立てるため、インターネットを利用した情報収集コーナーとして、2002年4月から「消費者トラブルメール箱(以下、トラブルメール箱)」を国民生活センターのホームページ上に開設しています。今回は、2020年度に寄せられた情報の傾向、追跡調査を実施した主な事案等について報告します。
  • 情報の傾向
    • 「トラブルメール箱」に2020年度に寄せられた情報の主な内容
    • 新型コロナウイルス感染症関連のトラブル
    • インターネット通販に関するトラブル
    • スマートフォン、光回線などの通信契約に関するトラブル
    • 架空請求・不当請求関連のトラブル
    • オンラインゲームに関するトラブル
    • 個人間取引に関するトラブル
    • その他のトラブル(会費請求に関するトラブル、賃貸住宅の退去の際のトラブル等)
  • 追跡調査を実施した主な事案
    • 国産のりを使っているかのような原産国表示の韓国のり
    • 返金保証を受ける条件が分かりにくい広告サイト
    • 会員退会手続き方法が分かりづらい携帯電話用壁紙サイト
    • 管理医療機器ではないのに体温計としての使用がうたわれた赤外線温度計測器
    • 「マンダイ」を「たい」として販売するペットフードの通販会社
    • 販売サイトに表示されている電池容量の記載が事実と異なるLEDクリップライト
    • 受取期間を過ぎた商品を廃棄処分する食材配送サービス業者
  • 消費者庁への情報提供
    • 重大事故(死亡・治療期間30日以上等)、および重大な事故につながる可能性が考えられる、いわゆる「ヒヤリハット」に類する情報について、消費者安全法に基づいて、速やかに消費者庁(消費者安全課)へ通知および情報提供を行っています。2020年度は重大事故2件、ヒヤリハット92件について、消費者庁へ通知および情報提供を行いました。
  • 参考
    1. 受信件数
      • 受信件数は、2020年度は12,081件で、2019年度の10,198件より約1.2倍増加しました。1日当たりの平均受信件数は約33件でした。
    2. アクセス(閲覧)件数
      • 「消費者トラブルメール箱」のトップページへのアクセス件数は、144,621件と、2019年度と比べやや増加しました。「トラブルメール箱」によく寄せられる情報をまとめた「身近な消費者トラブルQ&A(FAQ)」のトップページへのアクセス件数は766,121件と、2019年度と比べ約1.4倍に増加しました。
    3. FAQの掲載数
      • 2021年3月末時点で、FAQコーナーには252件を掲載しています。
    4. 送信者について
      • 性別:男性57.0%、女性43.0%と、男性が6割弱を占めました。
      • 年代別:30歳代から50歳代で7割強を占めています。
      • 職業別:給与生活者と自営・自由業の割合が高く、あわせて8割弱を占めています。
      • 時間帯別:情報提供の送信が行われた時間帯について3時間ごとに集計したところ、9時から24時までは時間帯による差がそれほどありませんでした。深夜~早朝の時間帯(0時~5時59分)においても、全体の約8%を占めており、24時間情報提供の送信ができることに、一定のニーズがあることを示しています。

~NEW~
国民生活センター カットパンによる乳児の窒息事故が発生-小さくちぎって与え、飲み込むまで目を離さないで-
  • 2020年10月、国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」(以下、「ドクターメール箱」とします。)に、「10ヶ月頃から」と表示されたカットパンを10カ月の男児が食べて窒息し、死亡したという事故情報が寄せられました。また、2021年6月には、同じ銘柄の、対象年齢表示のないカットパンを11カ月の男児が食べ、喉に詰まらせて窒息したという事故情報が寄せられました。
  • そこで、1歳前後の乳幼児の食品による窒息事故の再発防止のため、消費者に注意喚起することとしました。なお、事故の知らせを受けた当該品の製造事業者は、対象年齢表示や注意表示の変更や大きさや物性の改善に取り組んでいます。
  • ドクターメール箱に寄せられた事故情報
    • 【事例1】当該品1を一つ丸々飲み込もうとして窒息。救急搬送されたが死亡した。
    • 【事例2】ちぎった当該品2を食べさせたところ窒息した。
  • 消費者へのアドバイス
    • 1歳前後の乳幼児に食べ物を与える際は、無理なく食べられるよう、小さく切って与え、飲み込むまで目を離さないように注意しましょう。
    • 食品で窒息が起こったときは、直ちに応急処置を行い、救急要請しましょう。
    • 事業者への要望
    • 当該品について、大きさや形状、物性等を速やかに改善をするとともに、現在販売されている商品には適切な注意表示をするよう要望します。
  • 行政への要望
    • 乳幼児用の食品による窒息事故について、消費者に継続的な啓発を行うとともに、業界等に対し、乳幼児用のおやつによる窒息事故の未然防止の重要性について、働きかけを行うよう要望します。

~NEW~
国民生活センター 乳児用規格適用食品の表示に係るアンケート調査
  • 2020年10月、国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」に、「10ヶ月頃から」と表示されたカットパンを食べた10カ月の男児が窒息し、死亡したという事故情報が寄せられました。
  • 当該品には、「10ヶ月頃から」との表示のほか、「本品は食品衛生法に基づく乳児用食品の規格基準が適用される食品です。」といった乳児用規格適用食品である旨の表示がありました。この表示は、「食品、添加物等の規格基準」における、乳児の飲食に供することを目的として販売する食品の規格基準(放射性物質(放射性セシウム)の基準値:50Bq/kg)を適用した食品であることを示すものです。この表示と窒息事故との因果関係は不明ですが、消費者が、乳児にとってさまざまな面で安全であると誤認する可能性があると考えられました。そこで、こういった表示に関する消費者の理解度を把握するため、アンケート調査を実施し、その結果を踏まえ、消費者に情報提供することとしました
  • アンケート調査とその結果
    • 乳児用規格適用食品である旨の表示は、多くの消費者が意味を正しく理解しておらず、固さや大きさ、アレルギー物質、栄養面等に係る規格基準を適用した食品であると誤認している人が多いことが分かりました
    • 2歳以下の子どもを持つ保護者1,000名(平均年齢:35.5歳)を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施しました。
    • 「本品は食品衛生法に基づく乳児用食品の規格基準が適用される食品です」や「乳児用規格適用食品」という表示の意味について尋ねたところ、「乳児向け食品の固さや大きさに関する規格基準を適用した食品である旨」(394人、39.4%)との回答が最も多く、正しい意味である「乳児向け食品の放射性物質に関する規格基準を適用した食品である旨」と回答したのは12.8%(128名)で、そのうち1名を除いた127名は他の選択肢も重複して回答していました)。
    • また、「わからない」と回答した人も36.7%(367人)いました。
    • 乳児用規格適用食品である旨の表示は、2歳以下の子どもを持つ保護者である多くの消費者が意味を正しく理解しておらず、固さや大きさ、アレルギー物質、栄養面等に係る規格基準を適用した食品であると誤認している人が多いことが分かりました
  • 消費者へのアドバイス
    • 乳児用規格適用食品である旨の表示は、放射性物質に係る規格基準を適用した食品であることを示すものです。意味を正しく理解しましょう
    • 乳児向けに販売されている食品には、乳児用規格適用食品である旨が表示されたものがあります。今回、2歳以下の子どもを持つ保護者を対象にアンケート調査を行ったところ、多くの消費者は表示の意味を正しく理解しておらず、固さや大きさ、アレルギー物質、栄養面等に係る規格基準を適用した食品であると誤認している人も多いことが分かりました。この表示は、「食品、添加物等の規格基準」における、乳児の飲食に供することを目的として販売する食品の規格基準(放射性物質(放射性セシウム)の基準値:50Bq/kg)を適用した食品であることを示すものです。表示の意味を正しく理解しましょう
  • 行政への要望
    • 乳児用規格適用食品である旨の表示について、消費者の誤認を防止する観点から適切な対応を行うよう要望します
    • 今回、2歳以下の子どもを持つ保護者を対象にアンケート調査を行ったところ、多くの消費者は、乳児用規格適用食品である旨の表示の意味を正しく理解しておらず、固さや大きさ、アレルギー物質、栄養面等に係る規格基準を適用した食品であると誤認している人が多いことが分かりました。
    • このような状況を踏まえ、本表示について、消費者の誤認を防止する観点から適切な対応を行うよう要望します

~NEW~
国民生活センター 不用品買い取りのはずが貴金属を買い取られた!
  • 内容
    • 「どんなものでもいいから女性用衣類を売ってほしい」と女性から電話があり、来訪を承諾した。後日来訪があり、着物類を見せたが「アクセサリーや金貨はないか」と男性にせかされ、慌てて叔母の形見や亡夫からもらった指輪などの貴金属を出した。すると合計1200円の明細書とお金を渡され、物品を持ち帰られた。貴金属を出してしまったことを後悔している。取り戻したい。(70歳代 女性)
  • ひとこと助言
    • 買い取り事業者が、事前に買い取りを承諾していない物品を突然売るように要求したり、消費者の自宅を突然訪問して勧誘したりすることは禁止されています。売るつもりのない貴金属等の売却を迫られても、物品を見せず、きっぱり断りましょう。
    • 必ず契約書を受け取り、すぐに物品の種類、買い取り価格、買い取り業者の名称、連絡先などを確認しましょう。
    • 買い取り業者の訪問を受ける場合は、できるだけ一人で対応せず、信頼できる人に同席してもらいましょう。
    • クーリング・オフできる場合があります。困ったときは、すぐにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
厚生労働省 生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会(第1回)資料
▼資料5 本検討会での「議論の視点(案)」について
  • 本検討会での「議論の視点(案)」について
    1. 平成30年改正法の附帯決議、施行後の状況も踏まえた、各事業を更に効果的に実施していく上での課題(主にWGの「各事業の在り方検討班」において議論)
      1. 自立相談支援機関の在り方について
        • 新型コロナウイルスの影響で新たに顕在化した相談者層への相談支援、急迫した現物ニーズへの対応、関係機関との連携等、自立相談窓口の機能の在り方の検討
      2. 生活困窮者自立支援制度における生活保護受給者に対する支援の在り方について
        • 生活保護受給者も含めた一体的な支援の在り方の検討
      3. 就労準備支援事業・家計改善支援事業の在り方について
        • 平成30年改正法での努力義務化以降の実施状況を踏まえた事業の在り方の検討
      4. ハローワーク等と連携した就労支援の在り方ついて
        • 高齢者や新型コロナウイルスの影響で新たに顕在化した相談者層の就労ニーズへの対応の在り方の検討
      5. 就労に向けた準備の機会の確保について
        • 就労準備支援事業、認定就労訓練事業について、利用の動機付けや就労体験・訓練の場の更なる開拓に向けた検討
      6. 一時生活支援事業の在り方について
        • 平成30年改正法で新設された地域居住支援事業の実施状況等を踏まえた、生活困窮者の住まいのニーズへの対応の在り方の検討
      7. 住居確保給付金の在り方について
        • 新型コロナウイルスへの対応も踏まえた在り方の検討
      8. 貧困の連鎖防止(子どもの学習・生活支援事業等)の在り方について
        • 平成30年改正法以降の実施状況を踏まえた生活支援、小学生から高校生まで切れ目のない支援の更なる促進に向けた検討
    2. 新型コロナウイルスの影響や地域共生社会の推進等、各事業の枠内に留まらない、生活困窮者自立支援制度全体として検討すべき課題(主にWGの「横断的課題検討班」において議論)
      1. 新型コロナウイルスの影響や地域共生社会の推進を踏まえた困窮制度見直しの方向性について
        • 新型コロナウイルスの影響や、令和3年4月に施行された改正社会福祉法に基づく重層的支援体制整備事業を始めとした、地域共生社会の推進を踏まえた生活困窮者自立支援制度の在り方の検討
      2. 地域づくり、居場所づくりの在り方について
        • 生活困窮者を含む様々な課題を抱える地域住民が、地域でともに生き生きと生活するための地域づくり・居場所づくりの在り方の検討
      3. 孤独・孤立への対応を含む関係機関・関係分野との連携について
        • 新型コロナウイルスの影響も受け、深刻な社会的孤立状態にある方の把握・支援を含む関係機関・関係分野との連携の促進に向けた検討
      4. 支援者支援や人材育成の在り方について
        • 生活困窮者自立支援制度の実施主体に対する支援の在り方の検討
      5. 都道府県の役割と町村部の支援の在り方について
        • 平成30年改正法で新たに規定された、都道府県の管内自治体への支援について、施行後の実施状況を踏まえた在り方の検討
        • 福祉事務所未設置町村における相談支援の在り方の検討

~NEW~
厚生労働省 第2回雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識・スキルを付与する研修の構築に関する作業部会(資料)
▼資料1:基礎的研修における論点を踏まえた方向性
  1. 基礎的研修を修了した人材の仕上がり像について
    1. 基礎的研修を修了した人材の仕上がり像は、次の方向としてはどうか。
      • 就労支援全体のプロセスに対する俯瞰的な理解の下、自らの担当する支援の位置づけや自らの立ち位置、さらには他の機関との連携の在り方等を認識した上で支援ができる。
      • 就労支援における基本的な考え方※を理解し、雇用と福祉の両分野それぞれの立場を理解した上で支援ができる。また、実際の支援において、雇用と福祉の両分野の支援者がいずれも障害者のニーズを踏まえた上で、同じ方向を見ることができる。
        • ※ 障害者の就労支援体系の在り方に関するワーキンググループ(第3WG)これまでの議論等の整理の別紙 1「就労支援における基本的な考え方について」を指す。具体的には、「障害のある人もない人もともに働く社会」を目指し、多様な働き方が広がる中、障害者本人のニーズを踏まえた上で、「一般就労」の実現とその質の向上に向けて、障害者本人や企業等、地域の就労支援機関を含むすべての関係者が最大限努力すること。
      • 企業で働くことを支援することに重点を置いて、必要なアセスメント、求人とのマッチング、就職後のフォローアップなど職業リハビリテーションのプロセスを理解し、企業と連携して支援していくことができる。
      • 就業支援担当者研修を受講していなくても、基礎的研修を修了すれば障害者本人及び企業に対して基本的な支援を開始できるレベルとする。
    2. カリキュラムに盛り込むべき内容について
      • 基礎的研修のカリキュラムは、現行の就業支援基礎研修のカリキュラムに加えて、次のような知識、スキルの習得を可能とする内容としてはどうか。
        • 就労支援の目的や障害者雇用・福祉の理念や倫理等
        • 一般就労への移行、雇用から福祉への移行、就職後の雇用管理・定着支援に関する知識とスキル
        • 対企業支援の知識とスキル(企業における地域資源の活用促進や職務の切り出しを支援する知識とスキル、企業担当者へのメンタルヘルスに係る配慮に関する知識等)
        • ハローワークやその他の職業リハビリテーション実施機関との連携に関する知識とスキル
        • ライフステージに応じた障害者の生活変化に対応した支援のために必要な知識(青年心理学、キャリアコンサルティング等)
        • 企業内での障害者雇用への理解促進を支援できる知識、スキル
        • 障害者の就業に役立つICTのツールに係る知識
      • その他、次のことに留意して検討してはどうか。
        • 基礎的研修の内容を導入部分の限定的なものとはせず、雇用と福祉の分野横断的な視点を持てるよう、一定のレベルを目指すべきではないか。
        • 障害特性の理解等においては、障害者雇用促進法の障害の範囲に留まらず、障害福祉施策の対象となる障害の範囲を取り扱うべきではないか。その上で、上位の階層的研修においては、さらに高度な専門性を要するケースの内容を扱うべきではないか。
        • 現行の就業支援基礎研修は福祉分野の人材に雇用について教える比重が大きいため、基礎的研修では企業で働く障害者の就業に伴う生活面の支援をどう行っていくのかといった観点も含めるべきではないか。
        • 職場適応援助者養成研修及び障害者就業・生活支援センター就業支援担当者研修の内容との関係について、現行のこれらの研修の内容のうち、基礎的な内容については新たに構築する基礎的研修に含めるものとし、職場適応援助者養成研修及び障害者就業・生活支援センター就業支援担当者研修については、より高度な内容とすべきではないか。
        • 「福祉的就労と一般就労の違い」が何かを理解し、企業で実際に働く際にどのようなことが求められるのかなどを学べるようにすることが必要ではないか。
      • 研修期間についてどう考えるか。
        • 支援の担当者が現場を空けることに係る負担を考慮し、集合形式での研修は3日以内とすべきではないか。
    3. 受講を必須とする者の要件について
      • 基礎的研修の受講を必須とすべき者は、以下のとおりとする。
        • 就労移行支援事業所の就労支援員
        • 就労定着支援事業の就労定着支援員
        • 障害者就業・生活支援センターの就業支援担当者
      • 障害者就業・生活支援センターの生活支援担当者の取扱いについてどう考えるか。
        • 障害者就業・生活支援センターの生活支援担当者を加えるべきとの意見があった。
      • 受講までの猶予期間について3年以内としてはどうか。
        • 受講者の分散等のために、受講を要件とする専門人材として配置されてから3年以内に受講する措置を設けるべきという意見があった。
      • 受講を必須とする者に対する免除等についてどう考えるか
        • 現行の就業支援基礎研修を受講した者や新たに実施する基礎的研修を前職で受講した者についても、最新の状況を学ぶために受講の免除はしない方向としてはどうか。
        • 就労支援の経験が一定以上ある者やPSW等の資格保持者については、必要な科目を選択して受講できるようにしてはどうか。
      • 職場適応援助者養成研修及び就業支援担当者研修との整理についてどう考えるか。
        • 基礎的研修の受講修了を受講要件とすることとしてはどうか。
        • 企業在籍型職場適応援助者養成研修の受講にあたっては、基礎的研修か障害者職業生活相談員認定講習のいずれかを受講していればよいこととしてはどうか。
        • 基礎的研修が職場適応援助者養成研修及び就業支援担当者研修の受講を制限することにならないよう受講機会を確保することが重要ではないか。
    4. 受講を必須とする者の規模感について
      • 受講を必須とする者を就労支援員、就労定着支援員、障害者就業・生活支援センターの就業支援担当者とした場合、さらには基礎的研修の修了を職場適応援助者養成研修の受講要件とした場合、現在の各人員数を基にした受講者は最大で11,300人(推定)。
        • あわせて、障害者就業・生活支援センターの生活支援担当者を加えると11,800人(推計)。
        • 仮に、配置されてから3年以内の受講を義務付けた場合は年間3,900人、2年以内の受講を義務付けた場合は年間5,900人に対する受講機会の確保が必要。
    5. 受講を必須としない者の受講機会の確保について
      • まずは上記3の者を受講必須とした上で基礎的研修の実施状況を見つつ、将来的には就労系障害福祉サービスの実施事業所のその他の職員や医療機関の者、教育関係者、職業訓練分野における委託訓練を実施している民間事業者の担当者、そのほか行政機関の雇用や福祉担当部署の職員等にも対象を拡大する方向で検討することとする。
      • 受講を必須とする者以外の優先受講についてどう考えるか(代替的役割を果たす機関等に対する対応等)
      • 受講が必須となっていない者に対する受講促進策についてどう考えるか(重点的に受講を促す者、周知方法等)。
    6. 研修実施手法について
      • 基礎的研修の質を確保しつつ、知識付与型の内容はオンライン(オンデマンド方式)を活用することとし、意見交換や事例検討等は集合により実施することとする。
      • 一部をオンラインにより実施する場合、受講の確認や習熟度の確認を行う方法はどのようなものが考えられるか。
      • 実践的な内容として導入すべき研修手法についてどう考えるか(例えば、企業に対する支援スキルの習得のために、企業の担当者に対して支援をしている様子を撮影し、それにスーパーバイザーによるコメントを付加した動画を視聴させる等)

~NEW~
厚生労働省 第56回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年10月20日)
▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.65と減少が継続し、直近の1週間では10万人あたり約3となっている。引き続き、今回及び今春の感染拡大前の水準以下が続いている。
    • 新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数や死亡者数も減少が続いており、重症者数は今回及び今春の感染拡大前の水準以下となった。一方、死亡者数は今回の感染拡大前の水準を超えている。
    • また、緊急事態措置やまん延防止等重点措置の解除後、多くの地域で夜間滞留人口の増加が続いており、新規感染者数の今後の動向には注意が必要。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(10/3時点)で0.68と1を下回る水準が続き、首都圏では0.66、関西圏では0.67となっている。(注)死亡者数は、各自治体が公表している数を集計したもの。公表日ベース。
  • 今後の見通しと必要な対策
    • これまでの多くの市民や事業者の感染対策への協力やワクチン接種率の向上等により、新規感染者数の減少が継続している。
    • 一方、緊急事態措置等の解除後、多くの地域で夜間の滞留人口の増加が続き、感染者数の減少速度鈍化や下げ止まりが懸念される。今後の感染再拡大を見据え、現在の感染状況が改善している状態を維持し、もう一段感染者数を落とすことが重要。今後、年末に向けて社会経済活動の活発化が予想されることや、気温の低下により、屋内での活動が増えることにも留意が必要。ワクチン接種が先行する諸外国において、大幅な規制緩和に伴いリバウンドが発生している状況を鑑み、対策の緩和は段階的に行うことが望ましい。
    • 一部の地域では飲食店や高齢者施設等においてクラスターが発生している。このため、地域の感染状況等に応じ、改めてクラスター対策としての積極的疫学調査を徹底することにより、感染拡大の芽を可能な限り摘んでいくことが重要。また、感染者数が減少した局面においては、潜在的な感染源を特定するための「後ろ向き積極的疫学調査」を適切に実施し、そこで得られた知見に基づき、対策に結びつけていくことが重要。例えば、予防接種を受ける機会が少ない集団における感染拡大が課題である場合、その集団に対して予防接種を受ける機会を提供するなどの対策が考えられる。
    • また、マスクの正しい着用、手指衛生、ゼロ密(1つの密でも避ける)や換気といった基本的な感染対策の徹底について、引き続き、市民や事業者の方々にご協力いただくことが必要。飲食店に対する営業時間短縮の要請が終了し、対策の緩和が段階的に行われていく地域もあるが、一定のリスクの高い状況が重なると集団感染に繋がる恐れもあることを踏まえ、飲食の際は、第三者認証適用店を選び、飲食時以外はマスクを着用することが利用者に求められる。さらに、国や自治体においては、外出時には混雑している場所や時間を避けて少人数で行動するよう周知を行うことや、企業におけるテレワーク等の推進状況を踏まえた柔軟な働き方の実施に向けて呼びかけを行うことが必要。
    • 10月15日に示された『「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」の骨格』に基づき、ワクチン、検査、治療薬等の普及による予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化するとともに、次の感染拡大に備えた医療提供体制・公衆衛生体制の強化を進めていくことが求められる。

~NEW~
経済産業省 第14回 日・ASEANサイバーセキュリティ政策会議を開催しました
  • 主な成果
    • 昨年10月にオンラインで開催された第13回会合において協力することが合意された10の協力活動(リモートサイバー演習、机上演習、重要インフラ防護、意識啓発、能力構築、インシデント相互通知、リファレンス(便覧)、サイバーセキュリティメトリクス、ワーキンググループ運営及び産官学連携)について実施状況を確認するとともに、今後の日・ASEANの連携・協力についての検討を行いました。主な内容は以下の通りです。
      1. 情報共有体制及びサイバーインシデント発生時の対処体制の強化
        • 日・ASEANにおけるサイバーセキュリティ脅威情報共有体制の維持及びインシデント発生時の国際連携手順の確認を目的とした、情報連絡演習及び机上演習について、今年度の成果が報告されました。
        • 情報連絡演習(オンラインで実施)においては、従来のEメールに加えオンラインチャットツールを活用し、迅速なコミュニケーションを実現したことで、ASEAN各国から連絡手段として高く評価されました。
        • 机上演習は、今年度初めてオンライン形式で実施し、「新型コロナウイルス感染拡大によるニューノーマルへの対応」をテーマに、オンライン会議中のサイバーインシデントへの対応等に関する各国の知見や課題について、活発な意見交換がなされたことが報告されました。
        • さらに、他国におけるインシデントを検知した際に相互通知を行い、各国において対処する取組について、今年度の成果が報告されました。
        • また、サイバー空間の健全性評価指標に基づいて各国のサイバーセキュリティ能力の向上を図る取組について、これまでの成果が報告され、終了することが合意されました。
      2. 重要インフラ防護に関する取り組みの推進
        • 「重要インフラ防護ワークショップ」がオンライン形式で開催され、「新型コロナウイルス感染拡大状況下における重要インフラ分野への影響」をテーマとして、各国の知見や取り組みに関する情報交換を行ったことが報告されました。
      3. 能力構築及び意識啓発における協力の推進
        • 我が国が実施しているサイバー分野の能力構築(人材育成)事業の実施状況が報告されるとともに、意識啓発活動の実施状況が報告されました。その一環として、日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)を通じて行われる研修プログラムについて、e-ラーニングコースや新たな演習を提供することが報告されました。また、産業制御システム(ICS: Industrial Control System)に関するハンズオントレーニングやWSを含む「インド太平洋地域向け日米EU産業制御システムサイバーセキュリティウィーク」をオンラインで開催すべく準備を進めていることが報告されました。
      4. 産官学連携の推進
        • ASEAN地域全体の重要インフラ等を含むサイバーセキュリティ能力の向上を目指すため、産官学連携を推進する取組について報告されました。

~NEW~
経済産業省 第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました
▼第6次エネルギー基本計画の概要
  • エネルギー基本計画の全体像
    • 新たなエネルギー基本計画では、2050年カーボンニュートラル(2020年10月表明)、2030年度の46%削減、更に50%の高みを目指して挑戦を続ける新たな削減目標(2021年4月表明)の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示すことが重要テーマ。
    • 世界的な脱炭素に向けた動きの中で、国際的なルール形成を主導することや、これまで培ってきた脱炭素技術、新たな脱炭素に資するイノベーションにより国際的な競争力を高めることが重要。
    • 同時に、日本のエネルギー需給構造が抱える課題の克服が、もう一つの重要なテーマ。安全性の確保を大前提に、気候変動対策を進める中でも、安定供給の確保やエネルギーコストの低減(S+3E)に向けた取組を進める。
    • エネ基全体は、主として、(1)東電福島第一の事故後10年の歩み、(2)2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応、(3)2050年を見据えた2030年に向けた政策対応のパートから構成。
  • 東京電力福島第一原子力発電所事故後10年の歩みのポイント
    • 東京電力福島第一原子力発電所事故を含む東日本大震災から10年を迎え、東京電力福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて取り組むことが、エネルギー政策の原点。
    • 2021年3月時点で2.2万人の被災者が、避難対象となっており、被災された方々の心の痛みにしっかりと向き合い、最後まで福島の復興・再生に全力で取り組むことは、これまで原子力を活用したエネルギー政策を進めてきた政府の責務。今後も原子力を活用し続ける上では、「安全神話」に陥って悲惨な事態を防ぐことができなかったという反省を一時たりとも忘れることなく、安全を最優先で考えていく。
    • 福島第一原発の廃炉は、福島復興の大前提だが、世界にも前例のない困難な事業。事業者任せにするのではなく、国が前面に立ち、2041~2051年までの廃止措置完了を目標に、国内外の叡智を結集し、不退転の決意を持って取り組む。
    • ALPS処理水については、厳格な安全性の担保や政府一丸となって行う風評対策の徹底を前提に、東京電力が原子力規制委員会による認可を得た上で、2年程度後を目途に、福島第一原子力発電所において海洋放出を行う。
    • 帰還困難区域を除く全ての地域で避難指示を解除し、避難指示の対象人口・区域の面積は、当初と比較して7割減となった。たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任を持って取り組むとの決意の下、特定復興再生拠点区域の避難指示解除に向けた環境整備を進める。特定復興再生拠点区域外についても、2020年代をかけて、帰還意向のある住民が帰還できるよう、帰還に関する意向を個別に丁寧に把握した上で、帰還に必要な箇所を除染し、避難指示解除の取組を進めていく。
    • 浜通り地域等の自立的な産業発展に向けて、事業・なりわいの再建と、福島イノベーション・コースト構想の具体化による新産業の創出を、引き続き車の両輪として進める。加えて、帰還促進と併せて、交流人口の拡大による域外消費の取込みも進める。福島新エネ社会構想の実現に向け、再生可能エネルギーと水素を二本柱とし、更なる導入拡大に加え、社会実装への展開に取り組んでいく。
    • 東京電力福島第一原子力発電所事故を経験した我が国としては、2050年カーボンニュートラルや2030年度の新たな削減目標の実現を目指すに際して、原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する。
  • 2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応のポイント
    • 2050年に向けては、温室効果ガス排出の8割以上を占めるエネルギー分野の取組が重要。
    • ものづくり産業がGDPの2割を占める産業構造や自然条件を踏まえても、その実現は容易なものではなく、実現へのハードルを越えるためにも、産業界、消費者、政府など国民各層が総力を挙げた取組が必要。
    • 電力部門は、再エネや原子力などの実用段階にある脱炭素電源を活用し着実に脱炭素化を進めるとともに、水素・アンモニア発電やCCUS/カーボンリサイクルによる炭素貯蔵・再利用を前提とした火力発電などのイノベーションを追求。
    • 非電力部門は、脱炭素化された電力による電化を進める。電化が困難な部門(高温の熱需要等)では、水素や合成メタン、合成燃料の活用などにより脱炭素化。特に産業部門においては、水素還元製鉄や人工光合成などのイノベーションが不可欠。
    • 脱炭素イノベーションを日本の産業界競争力強化につなげるためにも、「グリーンイノベーション基金」などを活用し、総力を挙げて取り組む。
    • 最終的に、CO2の排出が避けられない分野は、DACCSやBECCS、森林吸収源などにより対応。
    • 2050年カーボンニュートラルを目指す上でも、安全の確保を大前提に、安定的で安価なエネルギーの供給確保は重要。この前提に立ち、2050年カーボンニュートラルを実現するために、再エネについては、主力電源として最優先の原則のもとで最大限の導入に取り組み、水素・CCUSについては、社会実装を進めるとともに、原子力については、国民からの信頼確保に努め、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していく。
    • こうした取組など、安価で安定したエネルギー供給によって国際競争力の維持や国民負担の抑制を図りつつ2050年カーボンニュートラルを実現できるよう、あらゆる選択肢を追求する。
  • 2030年に向けた政策対応のポイント 【基本方針】
    • エネルギー政策の要諦は、安全性を前提とした上で、エネルギーの安定供給を第一とし、経済効率性の向上による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合を図るS+3Eの実現のため、最大限の取組を行うこと。
  • 2030年に向けた政策対応のポイント 【需要サイドの取組】
    1. 徹底した省エネの更なる追求
      • 産業部門では、エネルギー消費原単位の改善を促すベンチマーク指標や目標値の見直し、「省エネ技術戦略」の改定による省エネ技術開発・導入支援の強化などに取り組む。
      • 業務・家庭部門では、2030年度以降に新築される住宅・建築物についてZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能の確保を目指し、建築物省エネ法による省エネ基準適合義務化と基準引上げ、建材・機器トップランナーの引上げなどに取り組む。
      • 運輸部門では、電動車・インフラの導入拡大、電池等の電動車関連技術・サプライチェーンの強化、荷主・輸送事業者が連携した貨物輸送全体の最適化に向け、AI・IoTなどの新技術の導入支援などに取り組む。
    2. 需要サイドにおけるエネルギー転換を後押しするための省エネ法改正を視野に入れた制度的対応の検討
      • 化石エネルギーの使用の合理化を目的としている省エネ法について、非化石エネルギーも含むエネルギー全体の使用の合理化や、非化石エネルギーの導入拡大等を促す規制体系への見直しを検討。→事業者による非化石エネルギーの導入比率の向上や、供給サイドの変動に合わせたディマンドリスポンス等の需要の最適化を適切に評価する枠組みを構築。
      • 蓄電池等の分散型エネルギーリソースの有効活用など二次エネルギー構造の高度化
      • 蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用したアグリゲーションビジネスを推進するとともに、マイクログリッドの構築によって、地産地消による効率的なエネルギー利用、レジリエンス強化、地域活性化を促進。
  • 2030年に向けた政策対応のポイント 【再生可能エネルギー】
    • S+3Eを大前提に、再エネの主力電源化を徹底し、再エネに最優先の原則で取り組み、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入を促す。
    • 【具体的な取組】
      • 地域と共生する形での適地確保→改正温対法に基づく再エネ促進区域の設定(ポジティブゾーニング)による太陽光・陸上風力の導入拡大、再エネ海域利用法に基づく洋上風力の案件形成加速などに取り組む。
      • 事業規律の強化→太陽光発電に特化した技術基準の着実な執行、小型電源の事故報告の強化等による安全対策強化、地域共生を円滑にするための条例策定の支援などに取り組む。
      • コスト低減・市場への統合→FIT・FIP制度における入札制度の活用や中長期的な価格目標の設定、発電事業者が市場で自ら売電し市場連動のプレミアムを受け取るFIP制度により再エネの市場への統合に取り組む。
      • 系統制約の克服→連系線等の基幹系統をマスタープランにより「プッシュ型」で増強するとともに、ノンファーム型接続をローカル系統まで拡大。再エネが石炭火力等より優先的に基幹系統を利用できるように、系統利用ルールの見直しなどに取り組む。
      • 規制の合理化→風力発電の導入円滑化に向けアセスの適正化、地熱の導入拡大に向け自然公園法・温泉法・森林法の規制の運用の見直しなどに取り組む。
      • 技術開発の推進→建物の壁面、強度の弱い屋根にも設置可能な次世代太陽電池の研究開発・社会実装を加速、浮体式の要素技術開発を加速、超臨界地熱資源の活用に向けた大深度掘削技術の開発などに取り組む。
  • 2030年に向けた政策対応のポイント【原子力】
    1. 東京電力福島第一原子力発電所事故への真摯な反省が原子力政策の出発点
      • いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう、取り組む。
    2. 原子力の社会的信頼の獲得と、安全確保を大前提として原子力の安定的な利用の推進
      • 安全最優先での再稼働:再稼働加速タスクフォース立ち上げ、人材・知見の集約、技術力維持向上
      • 使用済燃料対策:貯蔵能力の拡大に向けた中間貯蔵施設や乾式貯蔵施設等の建設・活用の促進、放射性廃棄物の減容化・有害度低減のための技術開発
      • 核燃料サイクル:関係自治体や国際社会の理解を得つつ、六ヶ所再処理工場の竣工と操業に向けた官民一体での対応、プルサーマルの一層の推進
      • 最終処分:北海道2町村での文献調査の着実な実施、全国のできるだけ多くの地域での調査の実現
      • 安全性を確保しつつ長期運転を進めていく上での諸課題等への取組:保全活動の充実等に取り組むとともに、諸課題について、官民それぞれの役割に応じ検討
      • 国民理解:電力の消費地域も含めて、双方向での対話、分かりやすく丁寧な広報・広聴
    3. 立地自治体との信頼関係構築
      • 立地自治体との丁寧な対話を通じた認識の共有・信頼関係の深化、地域の産業の複線化や新産業・雇用の創出も含め、立地地域の将来像を共に描く枠組み等を設け、実態に即した支援に取り組む。
    4. 研究開発の推進
      • 2030年までに、民間の創意工夫や知恵を活かしながら、国際連携を活用した高速炉開発の着実な推進、小型モジュール炉技術の国際連携による実証、高温ガス炉における水素製造に係る要素技術確立等を進めるとともに、ITER計画等の国際連携を通じ、核融合研究開発に取り組む。
  • 2030年に向けた政策対応のポイント【火力】
    1. 火力発電については、安定供給を大前提に、再エネの瞬時的・継続的な発電電力量の低下にも対応可能な供給力を持つ形で設備容量を確保しつつ、以下を踏まえ、できる限り電源構成に占める火力発電比率を引き下げる。
      • 調達リスク、発電量当たりのCO2排出量、備蓄性・保管の容易性といったレジリエンス向上への寄与度等の観点から、LNG、石炭、石油における適切な火力のポートフォリオを維持。
      • 次世代化・高効率化を推進しつつ、非効率な火力のフェードアウトに着実に取り組むとともに、脱炭素型の火力発電への置き換えに向け、アンモニア・水素等の脱炭素燃料の混焼やCCUS/カーボンリサイクル等のCO2排出を削減する措置の促進に取り組む。
    2. 政府開発援助、輸出金融、投資、金融・貿易促進支援等を通じた、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援を2021年末までに終了。
  • 2030年に向けた政策対応のポイント【電力システム改革】
    1. 脱炭素化の中での安定供給の実現に向けた電力システムの構築。
      • 供給力の低下に伴う安定供給へのリスクが顕在化している中、脱炭素と安定供給を両立するため、容量市場の着実な運用、新規投資について長期的な収入の予見可能性を付与する方法の検討に取り組む。
      • 安定供給確保のための責任・役割の在り方について、改めて検討する。
      • 再エネ導入拡大に向けて電力システムの柔軟性を高め、調整力の脱炭素化を進めるため、蓄電池、水電解装置などのコスト低減などを通じた実用化、系統用蓄電池の電気事業法への位置付けの明確化や市場の整備などに取り組む。
      • 非化石価値取引市場について、トラッキング付き非化石証書の増加や需要家による購入可能化などに取り組む。
      • 災害時の安定供給確保に向け、地域間連系線の増強・災害時連携計画に基づく倒木対策の強化、サイバー攻撃に備え、従来の大手電力に加え新規参入事業者のサイバーセキュリティ対策の確保等に取り組む
  • 2030年に向けた政策対応のポイント【水素・アンモニア】
    1. カーボンニュートラル時代を見据え、水素を新たな資源として位置付け、社会実装を加速。
    2. 長期的に安価な水素・アンモニアを安定的かつ大量に供給するため、海外からの安価な水素活用、国内の資源を活用した水素製造基盤を確立。
      • 国際水素サプライチェーン、余剰再エネ等を活用した水電解装置による水素製造の商用化、光触媒・高温ガス炉等の高温熱源を活用した革新的な水素製造技術の開発などに取り組む。
      • 水素の供給コストを、化石燃料と同等程度の水準まで低減させ、供給量の引上げを目指す。
        • コスト:現在の100円/Nm3→2030年に30円/Nm3、2050年に20円/Nm3以下に低減
        • 供給量:現在の約200万t/年→2030年に最大300万t/年、2050年に2,000万t/年に拡大
    3. 需要サイド(発電、運輸、産業、民生部門)における水素利用を拡大。
      • 大量の水素需要が見込める発電部門では、2030年までに、ガス火力への30%水素混焼や水素専焼、石炭火力への20%アンモニア混焼の導入・普及を目標に、混焼・専焼の実証の推進や非化石価値の適切な評価ができる環境整備を行う。また、2030年の電源構成において、水素・アンモニア1%を位置付け。
      • 運輸部門では、FCVや将来的なFCトラックなどの更なる導入拡大に向け、水素ステーションの戦略的整備などに取り組む。
      • 産業部門では、水素還元製鉄などの製造プロセスの大規模転換や水素等の燃焼特性を踏まえたバーナー、大型・高機能ボイラーの技術開発などに取り組む。
      • 民生部門では、純水素燃料電池も含む、定置用燃料電池の更なる導入拡大に向け、コスト低減に向けた技術開発などに取り組む。
  • 2030年に向けた政策対応のポイント【資源・燃料】
    1. カーボンニュートラルへの円滑な移行を進めつつ、将来にわたって途切れなく必要な資源・燃料を安定的に確保。
      • 石油・天然ガス・鉱物資源の安定供給確保に加え、これまで資源外交で培った資源国とのネットワークを活用した水素・アンモニアのサプライチェーン構築やCCS適地確保等を一体的に推進すべく、「包括的な資源外交」を新たに展開。また、アジアの現実的なエネルギートランジションに積極的に関与。
      • JOGMECが、水素・アンモニア、CCSといった脱炭素燃料・技術の導入に向けた技術開発・リスクマネー供給の役割を担えるよう、JOGMECの機能強化を検討。
      • 石油・天然ガスについて、自主開発比率を2019年度の34.7%から、2030年に50%以上、2040年には60%以上を目指す。また、メタンハイドレートを含む国産資源開発などに取り組む。
      • 鉱物資源について、供給途絶が懸念されるレアメタル等へのリスクマネー支援を強化。海外権益確保とベースメタルのリサイクル促進により2050年までに国内需要量相当の確保を目指す。また、海底熱水鉱床やレアアース泥等の国産海洋鉱物資源開発などに取り組む。
    2. 平時のみならず緊急時にも対応できるよう燃料供給体制の強靱化を図るとともに、脱炭素化の取組を促進。
      • 災害時などの有事も含めたエネルギー供給を盤石なものとするため、石油やLPガスの備蓄機能を維持するとともに、コンビナート内外の事業者間連携等による製油所の生産性向上に加え、CO2フリー水素の活用等による製油所の脱炭素化などに取り組む。
      • 地域のエネルギー供給を担うSSについて、石油製品の供給を継続しながらEVやFCVへのエネルギー供給等も担う「総合エネルギー拠点」化や、地域ニーズに対応したサービス提供も担う「地域コミュニティインフラ」化などに取り組む。
      • 熱需要の脱炭素化に大きな役割を果たす、需要サイドにおける天然ガスシフトや、メタネーション等によるガスの脱炭素化などを追求する。また、更なるガスのレジリエンス強化に取り組む。

~NEW~
経済産業省 デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合を開催しました
  • 経済産業省及び総務省は、重要性が高まっているデジタルインフラの整備に当たり、レジリエンス強化、エネルギー・通信の確保と言った立地に係る要件を検討するとともに、経済安全保障の観点から担い手となる企業の健全な育成を図るため、「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合」を開催しました。
    1. 趣旨
      • 社会・産業のデジタル化により、医療・教育・交通・農業等のあらゆる分野でデータを活用した新ビジネスとそれによる社会課題の解決が期待される中、データを収集し、伝達し、処理する役割を担う5G、通信網、データセンター等の「デジタルインフラ」の重要性が高まっています。
      • こうしたデジタルインフラの整備に当たっては、レジリエンス強化、エネルギー・通信の確保と言った立地に係る要件を検討するとともに、経済安全保障の観点から担い手となる企業の健全な育成を図る必要があります。
      • このような状況を踏まえ、デジタルインフラを担う有識者、企業関係者、関係省庁が集まり、今後の政策の方向性について、情報共有、意見交換を行います。
    2. 検討事項
      • データセンターについて、
        • 成長戦略に記載された中核拠点5か所、地方拠点最大10か所の妥当性評価
        • 中核拠点・地方拠点に求められる要件の整理
        • 中核拠点・地方拠点その他、地方立地に求められる支援制度の整理

~NEW~
経済産業省 プライバシーガバナンスに関するアンケート結果(速報版)を公開しました
  • 背景
    • 加速するDX時代において、イノベーションの創出による社会課題の解決とともに、プライバシー保護への要請も高まっています。こうした背景を踏まえ、経済産業省と総務省は、昨年8月「企業のプライバシーガバナンスモデル検討会」(座長:佐藤一郎国立情報学研究所教授)において、企業がプライバシーガバナンスの構築のために取り組むべきことを取りまとめた「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.0」を策定しました。その後、各方面から反響があるなかで、より実践的な企業の具体例を充実させて欲しいという声を受け、本年7月に企業がプライバシーガバナンスを構築する上で参考となる具体的な事例を更新した「ver1.1」を公開しました。
    • 今回は、本ガイドブックをより多くの人に知っていただき、プライバシーガバナンスに取り組む企業の皆さまがその取組をより前に進められるよう、企業向け・消費者向けに行ったプライバシーガバナンスに関するアンケートの結果(速報版)を公開いたします。なお、今後本結果について詳細な分析を行い、個別ヒアリング等により実践事例なども取りまとめた調査結果報告書を年度末目途に公開する予定です。
  • 調査結果の主なポイント
    1. 消費者の消費行動(意識)
      • 消費者の73.6%は、プライバシー保護に関して、高い関心を示している。
      • 消費者の70.4%は、金銭的利益やポイントの有無に関わらず、個人に関する情報の提供に関して、慎重である。
      • 消費者の88.5%は、類似商品の選択の際に、企業のプライバシーへの取組を考慮している。類似商品選択の際に企業のプライバシーへの取組を考慮するかについて、29才以下が「非常に考慮する」の比率が高く、プライバシーに関する感度が高いことが伺える。
    2. 消費行動に対する企業の考え・実際の取組状況
      • 企業の58.7%は、企業自身がプライバシーへの取組を発信することで、少なからず消費者の消費行動に影響を与えることができると考えている。
      • プライバシーに関する姿勢の明文化・保護責任者・保護組織に関しては、約半数の企業が現在取り組んでいる一方、「外部の有識者などの第三者に意見を聞く」「ルールの策定」「社内研修」に関しては、取組が進んでいない。
      • 消費者は自身に関する情報の提供に慎重なことから、企業は積極的に消費者とコミュニケーションを行うことで、消費者の信頼を獲得し、企業価値を高められると考えられるが、消費者とのコミュニケーションは、まだ多くの企業が道半ばである。
    3. プライバシーガバナンスガイドブックの認知度と必要性
      • プライバシーガバナンスガイドブックの存在は、企業の65.3%が「知っている」が、プライバシーガバナンスガイドブックの内容に関しては企業の72.9%が「知らない」と回答している。
      • 他方、今回のアンケート調査を通し、プライバシーガバナンスの概要を知った企業の86.6%は、プライバシーガバナンスへの取組が必要だと回答している。

~NEW~
国土交通省 鉄軌道の運転事故件数 過去30 年間で最小~鉄軌道輸送の安全に関わる情報(令和2年度)を公表~
▼報道発表資料
  1. 運転事故
    1. 概要
      • 運転事故の件数は、長期的に減少傾向であり、令和2年度は483件(対前年度132件減)、死傷者数は416人(同196人減)、うち死亡者数は237人(同17人減)でした。
      • 乗客の死亡事故は、ありませんでした。
    2. 踏切事故
      • 令和2年度に発生した踏切事故の件数は、運転事故全体の34.2%に当たる165件(対前年度比46件減)でした。
      • 令和2年度に発生した踏切事故による死傷者数は117人(運転事故に占める割合28.1%、対前年度比99人減)であり、うち死亡者数は74人(同31.2%、同10人減)でした。
    3. 人身障害事故
      • 令和2年度に発生した人身障害事故の件数は、運転事故全体の58.6%に当たる283件(対前年度比68件減)でした。
      • 令和2年度に発生した人身障害事故による死傷者数は285人(運転事故に占める割合68.5%、対前年度比84人減)、うち死亡者数は162人(同68.4%、同7人減)でした。
      • 令和2年度は、「ホームから転落して接触」及び「ホーム上で接触」の人身障害事故が97件(対前年度比63件減、39.4%減)と大幅に減少しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う利用者数の減少も影響していると考えられます。
  2. 輸送障害
    • 輸送障害(列車の運休、旅客列車の30分以上の遅延等)の件数は、長期的に増加傾向であり、令和2年度は6,216件(対前年度比550件増)でした。
    • 鉄道係員、車両又は鉄道施設等の部内原因に起因する輸送障害は、1,396件(輸送障害に占める割合22.5%、対前年度比38件減)でした。
    • 線路内立入り等の部外原因による輸送障害は、3,009件(輸送障害に占める割合48.4%、対前年度比322件増)でした。
    • 風水害、雪害、地震等の災害原因による輸送障害※は、1,811件(輸送障害に占める割合29.1%、対前年度比266件増)でした。

~NEW~
国土交通省 防災マネジメントセミナーの認定第1号について-運輸安全マネジメントにおける防災の取組を推進します-
  • 国土交通省は、独立行政法人自動車事故対策機構から認定申請のあった防災マネジメントセミナーについて、運輸安全マネジメント制度の浸透・定着に有効なセミナーとして認定しましたので、お知らせいたします。
  • 国土交通省では、近年、気候変動の影響により、自然災害が激甚化・頻発化していることを受けて、国民の命と暮らしを守るため、「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~」を立ち上げ、その一環として、運輸事業者の防災マネジメントの取組を推進しています。
  • 今般、独立行政法人自動車事故対策機構から、防災マネジメントセミナーの認定申請がなされ、審査の結果、同機構が行う防災マネジメントセミナーを、運輸安全マネジメント制度の浸透・定着に有効なセミナーとして認定いたしました。
    • 【防災マネジメントセミナーの概要】
      • 実施者:独立行政法人 自動車事故対策機構
      • 開催スケジュール:令和3年度:2回開催予定 令和4年度:逐次開催予定
      • 講義時間:3時間以上
      • 講義場所:独立行政法人 自動車事故対策機構が指定する場所
      • 使用教材:パワーポイントをベースとした教材
      • 主な講義内容:運輸防災マネジメント指針の概要
      • 自社の防災体制チェック(チェックリスト)
      • 災害リスク評価(ワークショップ)

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