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  • 第69回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン Ver. 1.1(経産省)/苦情相談処理体制の在り方(総務省)/プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱い(総務省)

危機管理トピックス

第69回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン Ver. 1.1(経産省)/苦情相談処理体制の在り方(総務省)/プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱い(総務省)

2022.01.31
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更新日:2022年1月31日 新着14記事

新型コロナウイルスに関する分析をする医者
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 第49回金融審議会総会・第37回金融分科会合同会合議事次第
  • 「サステナブルファイナンス有識者会議」(第10回)議事次第
国民生活センター
  • 家電から出る蒸気による乳幼児のやけどにご注意
  • フリマサービス トラブル解決は当事者間で
厚生労働省
  • 子どもが子どもでいられる街に
  • 第69回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年1月26日)
経済産業省
  • コロナ禍における事業継続に向けたBCP(事業継続計画)の公表・登録
  • 2021年経済産業省企業活動基本調査(2020年度実績)の結果(速報)を取りまとめました
  • 「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン Ver. 1.1」を取りまとめました
総務省
  • 苦情相談処理体制の在り方に関するタスクフォース(第3回)
  • プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関するワーキンググループ(第9回)

~NEW~
消費者庁 第6回 アフィリエイト広告等に関する検討会
▼アフィリエイト広告等に関する検討会 報告書(案)(事務局資料)
  • アフィリエイト広告の特徴としては、アフィリエイターにより、広告主が思いつかないような新しいアイデアや消費者目線での広告が行われ、効率的な広告配信や需要喚起への効果も期待されると同時に初期費用が少なくて済むことから、広告に多額の初期投資をできない中小事業者やスタートアップ事業者等も利用することができ、これらの事業者の多様な商品等が消費者に普及するきっかけにもなり得る。
  • 一方、アフィリエイト広告においては、一般的に広告主ではないアフィリエイターが表示物を作成・掲載するため、広告主による表示物の管理が行き届きにくいという特性や、アフィリエイターが成果報酬を求めて虚偽誇大広告を行うインセンティブが働きやすいという特性があるとされており、また、消費者にとっては、アフィリエイト広告であるか否かが外見上判別できない場合もあるため、不当な表示が行われるおそれが懸念される。令和3年3月には、アフィリエイトプログラムを用いた不当表示に対し、景品表示法に基づく措置命令も行ったところであり、引き続き、アフィリエイトプログラムを用いた広告表示に対する景品表示法による厳正な執行が求められている状況にある
  • そもそも広告とは広告主が行うものであり、アフィリエイト広告についても、広告主が自らの判断でアフィリエイトプログラムを利用して自らが供給する商品・サービスの宣伝を行うことを選択しているところ、ASPやアフィリエイターはあくまでその広告主の指示の下で、アフィリエイト広告を提供する際の機能を果たしているに過ぎず、広告主がアフィリエイト広告の基本的な表示内容を決定しているといった実態が認められる。このような実態から、アフィリエイト広告の表示内容については、ASPやアフィリエイターにも一定の責任はあると考えられるものの、まずは「表示内容の決定に関与した事業者」とされる広告主が責任を負うべき主体であると考えられる。前記のとおり、不当表示のおそれのあるアフィリエイト広告について、広告内容はあくまでアフィリエイターが作成したものであり、広告主の責任ではないとして一切責任をとろうとしない広告主が見られる。アフィリエイト広告の表示内容についてはまずは広告主が責任を負うべき主体であるということについて、広告主と問題を指摘する側の両方に共通認識が形成されていなければ、表示上の問題の是正につなげる糸口すら見出し難いと考えられる。
  • そのため、アフィリエイト広告であっても、広告主による広告である以上、アフィリエイト広告の表示内容についてはまずは広告主が責任を負うべき主体であるということを、広告主等の事業者側及び国民生活センターや日本広告審査機構等の問題表示を指摘する側の双方に加え、消費者にも広く周知徹底していくことが必要である。こうした効果的な周知徹底のためにも、アフィリエイト広告を用いた不当表示に対して、景品表示法に基づき、厳正な対処を行うことが重要である。
  • また、業界団体に所属しない販売業者・ASP・アフィリエイターが一体となって虚偽誇大なアフィリエイト広告を繰り返すケースが少なくない。アフィリエイト広告の表示内容については、まずは広告主が責任を負うべき主体である。一方、アフィリエイト広告は、広告主・ASP・アフィリエイターの3者のエコシステムによって成立しており、このようなシステムにおいて、ASPとアフィリエイターは、広告主とは異なり、商品・サービスを供給する主体ではないものの、一般的には、広告主がアフィリエイト広告を掲載しようとする場合に、広告主が行うプロモーション活動の遂行の補助を受託し、アフィリエイト広告の提供における一部であるが、重要な機能を果たしているものである。
  • したがって、問題となるアフィリエイト広告を是正するためには、ASPやアフィリエイターに対しても、景品表示法上の広告主と同様の責任主体として位置付けるべきとの考え方もあり得る。特に、広告主が指示をした広告内容を超えて、アフィリエイターが勝手に広告内容に手を加える場合も考えられるところ、そのような場合にまで広告主が全ての責任を負うとすることは妥当ではないと考えられるため、アフィリエイターに対する直接規制もあり得るのではないかという考えもある。
  • しかし、アフィリエイト広告そのものが問題のある広告手法ではないところ、ASPやアフィリエイターに対しても、広告主と同様の規制対象とすることは、多くの誠実な事業者に対する萎縮効果を招き、問題となるアフィリエイト広告の排除という目的を超えて、アフィリエイト広告市場全体の縮小を招く可能性もある。特にアフィリエイト広告は、アフィリエイターが創意工夫をして消費者目線で体験談等を記載しており、また、事業者にとっては少ない費用で広告ができるメリットがあるなど、消費者や事業者にとっても重要な広告宣伝手段であることなどを踏まえると、消費者利益の増大につながる面も有するアフィリエイト広告の市場自体の縮小につながりかねない規制強化については慎重に考える必要がある。
  • 景品表示法は、表示規制の一般法であることから、現在の表示主体・供給主体について対象を拡大することは、広く様々な業態についても規制対象になり得ることを意味し、アフィリエイト広告の対応だけには収まらないという問題もあり、慎重に検討する必要がある。
  • 事業者が広告主と連携共同して通信販売を行い、一体となって事業活動を行っていると認められる場合は、こうした事業者(ASPやアフィリエイターなど)についても景品表示法上の供給主体と認めて景品表示法を適用することが必要である。表示上の問題があるアフィリエイト広告を生み出す悪質な広告主の背景には、当該広告主の出資会社や、表示上の問題があるアフィリエイト広告の出稿の仕方等を指示するコンサルタント会社や広告代理店、広告制作会社等の存在があり、当該広告主はこれらの者からその事業活動の実質的な方針について指示を受けているという状況がある。広告主と出資会社やコンサルタント会社が連携共同して通信販売を行い、一体となって事業活動を行っていると認められる場合にも、こうした出資会社やコンサルタント会社についても景品表示法上の供給主体と認められる場合には景品表示法を適用する必要がある。
  • さらに、これらの会社において問題となる広告について実質的な指示役を担っていた個人に対して広告業務禁止命令を行うことも視野に入れ、これらの会社に対する特定商取引法の適用を行うことが必要である。景品表示法は、主にその広告主を規制対象とする一方、特定商取引法は、個人を規制対象とすることもできるため、問題のある表示の実態を踏まえた上で、両法律による適切かつ有効な法執行が必要である。
  • 景品表示法による執行の強化に加えて、不当なアフィリエイト広告の多くが健康食品と化粧品に集中していることを踏まえるならば、不当な表示を繰り返すASPやアフィリエイターに対する措置を視野に入れ、「何人も」と規制対象を限定していない健康増進法第65条14や医薬品医療機器法第66条を柔軟に活用して虚偽・誇大表示の執行を強化すべきであると考えられる。
  • アフィリエイト広告の中でも、消費者がどれくらい購入したか、どれくらいクリックしたかの消費者行動の結果に応じて、アフィリエイターが受け取る報酬が変動するような広告形態については、より過激な文言で消費者の購入意欲を煽るインセンティブがあり、不当表示が生じやすいと考えられる。そのため、本検討会においては報酬の形態として成果報酬である商品・サービス購入型やクリック型17と呼ばれるアフィリエイト広告に特に焦点を当てて、広告主が管理上の措置を講ずることが必要である旨、議論がなされてきたところ、この範囲を対象とし、考え方を明示することが必要である。一方で、景品表示法は、表示規制の一般法であり、インプレッション課金型や固定報酬型の報酬形態のアフィリエイト広告であっても、事業者が行う表示である以上、現時点においても管理上の措置の対象であり、また、仮に不当表示があれば、景品表示法の規制対象となることに十分留意が必要である
  • 広告主は、自らのアフィリエイト広告の表示について、不当な表示が行われないような広告内容となるよう、アフィリエイターとの間の契約においてその旨明確に取決めを行うとともに、アフィリエイト広告の出稿前や出稿後に表示内容の確認を行うなどの管理上の措置を講ずることが考えられる。また、表示内容の確認であれば、例えば、特に販売実績が良好なアフィリエイターの広告について重点的な確認を行うなど、広告主の個別事情に応じて確認の対象や頻度等を適宜判断するなど、広告主の個別の事情に鑑みて、確認方法を検討すべきである。
  • 前記で確認した表示等に関する情報を、表示等の対象となる商品又はサービスが一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認するために、例えば、資料の保管等必要な措置を採ることが重要である(指針第四の6)
  • アフィリエイト広告については、業種によっては、広告主の管理意識が乏しいという
  • 実態がある一方、事業者は、表示等に関する事項を適正に管理するため、表示等を管理する担当者又は担当部門をあらかじめ定めることが重要である(指針第四の5)。
  • 表示等管理担当者となる者が、例えば、景品表示法に関する一定の知識の習得に努めていることは重要である(指針第四の5(3))
  • 特定の商品又はサービスの表示において、景品表示法違反又はそのおそれがある事案が発生した場合、事実関係の迅速かつ正確な確認、迅速かつ適正な一般消費者の誤認の排除や再発防止に向けた措置を行うことが重要である
  • アフィリエイト広告については、表示を誤認して商品・サービスを購入する消費者が存在するという実態があることから、不当な表示等を明らかにするためにも、広告主は消費者からの苦情の受入れ・対応体制の構築が必要である。
  • 消費者は、商品・サービスの表示について、それが広告主以外の純粋な第三者による感想等ではなく、広告主による広告であると理解できる場合には、それを鵜呑みにするのではなく慎重にその内容を吟味しているものといえることから、表示が広告主の広告である旨を消費者が理解できるようにすることは、消費者の自主的かつ合理的な選択に資するものといえ、同時に不当表示を未然に防止するという指針の趣旨に沿うものといえる。
  • アフィリエイト広告においては、それが広告であることが何らかの方法で明記されている場合には、消費者は、それが広告主以外の純粋な第三者による感想等であると誤認することなく、より自らの嗜好に合った商品・役務の選択が可能となるといえる。そのため、広告主がアフィリエイト広告による宣伝活動を行う場合には、当該アフィリエイト広告において、消費者が広告主との関係性を理解できるよう、広告である旨を認識できるような文言や形(表現、文字の大きさ、色、掲載場所等)で、当該広告主の広告である旨を明記するといった措置を講ずべきである。併せて、消費者庁は、どのような文言や形であれば、消費者が広告である旨を明確に認識できるかについて、具体的な事例を示す必要がある。消費者庁は、現在の業界団体の慣行等も踏まえつつ、示すべき具体的な事例について検討する必要がある。例えば、広告主の取組内容として、消費者に広告である旨明示することについては、「広告」という文言だけではなく、様々な文言が考えられるはずである。そもそも、重要なことは、消費者が広告であるという趣旨を理解することであり、現在、業界団体として取り組んでいる自主的な取組とも両立するものであると考えられることから、その実態も踏まえて検討することが必要である。
  • 一方で、広告主の指示や表示内容のレギュレーションを超えて、アフィリエイター自身の判断によって、広告である旨の表示が削除等される場合も考えられる。このため、広告主は、自らの商品・サービスの宣伝活動を行うアフィリエイターがそのような行為をしないよう、例えば、ASP等を介したアフィリエイターとの間の契約において、アフィリエイト広告において広告である旨を表示する義務を規定するとともに、これに従わない場合は、債務不履行として提携を解除する、報酬の支払い停止を行う、既に支払った報酬を返還させるなどといった内容を規定し、また、これらの契約内容の履行がなされていることを確保するなど、自らの広告内容の適正化を図るとともに、不当表示の未然防止に向けた措置を講じる必要がある。
  • 広告主が正当な理由なく管理上の措置を講じていない場合には、消費者庁は勧告を行うことができ、広告主がその勧告に従わない場合は、その旨を公表できる措置を採ることが法定されている(景品表示法第28条第1項及び第2項)が、考え方の具体化を行った後には当該指針が実効的なものとなるように消費者庁が積極的に運用することが必要である
  • 消費者を誤認させるようなステルスマーケティング(広告であるにもかかわらず、広告である旨明示しない行為)については、アフィリエイト広告と同様に商品・サービスの広告主である販売事業者が当該表示の主体として景品表示法の規制対象となり得るものの、実際には広告主による広告であるにも関わらず、そもそも、その旨が明瞭に表示されていない場合、一般消費者が、当該広告を純粋な第三者による広告であると誤認するおそれがあり、広告主による広告である旨を明瞭に表示させることが一般消費者の自主的かつ合理的な選択の確保のためには必要であると考えられる。そこで、消費者庁は、ステルスマーケティングの実態を把握するとともに、その実態を踏まえ、消費者の誤認を排除する方策を検討すべきである。

~NEW~
国土交通省 駅ホームにおける音響案内装置整備状況に関する調査結果概要
  • 駅ホームで視覚障害者を誘導するために設置されている音響案内装置(※1)の整備状況を調査した結果、改修を要する装置(※2)は全国で113駅、238台あり、これらは令和3年度末までに改修を完了する予定です。
  • 駅ホームで視覚障害者を誘導するために設置されている音響案内装置については、移動円滑化基準(※3)に基づくガイドラインでは、ホームの長軸方向(線路と平行な方向)に向けること等に配慮するとされています。(※4)
  • 昨年11月に、東日本旅客鉄道株式会社の埼京線渋谷駅などでは、このような配慮がされていない装置があったことが判明したことから、国土交通省では、同月から全国の鉄軌道事業者が整備している音響案内装置の設置状況の調査を行いました。
  • その結果、改修を要する装置は、昨年11月末時点で、113駅で238台ありました。このうち昨年12月末までに166台は改修済みで、残りの72台についても今年度末までに改修される予定となっています(うち、36台は今月中改修予定)。
    • ※1.音響案内装置:非音声(ピーンポーンや鳥の鳴き声)により施設・設備の位置を告知し、特定の目標地点に利用者を導く案内装置。
    • ※2.改修を要する装置:複数ホームが並列している駅で、ホーム短軸方向に向けて音響案内装置が整備されているもののうち、各事業者が
      (1)隣接ホームと自ホームとの音源位置の錯誤により、利用者が転落する恐れがあった
      (2)転落の恐れは低いものの改修した方が望ましい
      と判断したもの。
    • ※3.移動等円滑化基準では、「公共用通路と車両等の乗降口との間の経路を構成するものには、視覚障害者誘導用ブロックを敷設し、又は音声その他の方法により視覚障害者を誘 導する設備を設けなければならない。」と規定されており、既に誘導ブロックが敷設されている箇所では音響案内装置の設置義務はなく、補助的に整備されている。
    • ※4.ガイドラインでは、視覚障害者のホームからの転落等の危険性を避けるため、「音響案内を行うスピーカーの設置にあたっては、空間特性・周辺騒音に応じて、設置位置、音質、音量、ホーム長軸方向への狭指向性等を十分に配慮し設置する。」と規定されている。

~NEW~
金融庁 第49回金融審議会総会・第37回金融分科会合同会合議事次第
▼資料2-1 説明資料(公認会計士制度部会報告)
  • 会計監査を取り巻く経済社会情勢の変化を踏まえ、会計監査の信頼性確保や公認会計士の一層の能力発揮・能力向上に資する公認会計士制度を実現
  • 会計監査の信頼性確保
    1. 上場会社監査に関する登録制の導入
      • 背景:上場会社監査の担い手の裾野の拡大
      • 上場会社監査について、法律上の登録制を導入。
      • 登録に際し、日本公認会計士協会が適格性を確認。
      • 上場会社の監査事務所に対し、監査法人のガバナンス・コードの受入れなどの体制整備や情報開示の充実を規律付け。
    2. 公認会計士・監査審査会によるモニタリング
      • 公認会計士・監査審査会の立入検査権限等の見直し
  • 公認会計士の能力発揮・能力向上
    1. 監査法人の社員の配偶関係に基づく業務制限の見直し
      • 背景:共働き世帯の増加、監査法人の大規模化
      • 監査に関与する社員等に業務制限の対象を限定。(現行制度は、監査に関与するか否かを問わず、全社員が対象)
    2. その他の事項
      • 企業等に勤務している公認会計士の登録事項に「勤務先」を追加
      • 資格要件である実務経験期間の見直し(2年以上→3年以上)
      • 継続的専門研修の受講状況が不適当な者等の登録抹消規定の整備
      • 日本公認会計士協会による会計教育活動の推進(協会の会則記載事項として会計教育活動を位置づけ)
▼資料3-1 説明資料(資金決済ワーキング・グループ報告)
  • 共同機関設立の背景と適正な業務運営の確保
    • 金融のデジタル化の進展やマネロンの手口の巧妙化等を踏まえ、国際的にもFATFにおいて、より高い水準での対応が求められており、銀行等におけるマネロン等対策の実効性向上が喫緊の課題となっている(2021年8月FATF)
    • こうした状況を踏まえ、銀行業界では、マネロン等対策の高度化に向けた取組みを実施(全銀協 2018年度~AML/CFT態勢高度化研究会設置)
    • 足元、全銀協において、中小規模の銀行等における単独対応が困難との声も踏まえ、マネロン等対策業務の共同化による高度化・効率化(共同機関の設立)に向け、具体的な検討が加速(2020年度 実証実験実施 2021年度 タスクフォース設置)
    • 共同機関が多数の銀行等から委託を受け、その業務の規模が大きくなる場合、以下の点を踏まえ、共同機関に対する業規制を導入(当局による直接の検査・監督等を及ぼすことで、その業務運営の質を確保)
    • 銀行等による共同機関に対する管理・監督に係る責任の所在が不明瞭となり、その実効性が上がらないおそれ
    • 共同機関の業務は、マネロン等対策業務の中核的な部分を行うものであり、共同機関の業務が適切に行われなければ、日本の金融システムに与える影響が大きいものとなりうる
  • 共同機関の適正な業務運営の確保【詳細】
    1. 対象業務
      • 銀行等(預金取扱等金融機関・資金移動業者)からの委託を受けて、為替取引に関して、以下の業務を行うこと
      • 顧客等が制裁対象者に該当するか否かを照合し、その結果を銀行等に通知する業務(取引フィルタリング業務)
      • 取引に疑わしい点があるかどうかを分析し、その結果を銀行等に通知する業務(取引モニタリング業務)
    2. 参入要件
      • 一定の財産的基礎
      • 共同機関の業務に対する適切なガバナンス体制の確保や資金調達の容易性等の観点から株式会社形態が基本 (注)取締役会及び監査役会、監査等委員会又は指名委員会等を置くもの
      • 業務を的確に遂行できる体制の確保(業務の実施方法等)など
    3. 兼業規制
      • 個人情報の適正な取扱い等との関係で、一定の制限が必要
      • 取引フィルタリング・取引モニタリングに関連するものが基本
    4. 個人情報の適正な取扱い
      • 多くの個人情報を取り扱うとの業務特性に鑑み、銀行等と同様の個人情報保護法の上乗せ規制(一定の体制整備義務等)(注)各銀行等から共同機関に提供される個人情報は、分別管理し、他の銀行等と共有しないことを想定。また、共同化によるメリットの一つである分析の実効性向上を図る観点から、これに資するノウハウを特定の個人との対応関係が排斥された形(個人情報ではない形)で共有することを想定。
    5. 検査・監督
      • 業務の適正な運営を確保する観点から当局による検査・監督を実施
  • 電子的支払手段に関する規律のあり方
    • 2019年6月のフェイスブックによるリブラ構想等の動きを契機とし、国際的に、グローバル・ステーブルコインに係る規制監督上の対応等に関する議論が行われ、2020年10月には、FSBの勧告において“同じビジネス、同じリスクには同じルールを適用する(same business, same risk, same rules)”という原則に合意。
    • 米国や欧州でも、こうした原則を前提に検討が進められている。
    • いわゆる法定通貨建てのステーブルコインの分類
      1. デジタルマネー類似型 法定通貨の価値と連動した価格(例1コイン=1円)で発行され、発行価格と同額で償還を約するもの(及びこれに準ずるもの):デジタルマネー(送金・決済の手段)として規律
      2. 暗号資産型 左記以外(アルゴリズムで価値の安定を試みるもの等):暗号資産や金融商品として規律
  • 前払式支払手段に関するAML/CFTの観点からの規律
    • マネロン上のリスクが特に高い「高額のチャージや移転が可能なもの」(「高額電子移転可能型」)の発行者に対し、資金決済法において業務実施計画の届出を求めるとともに、犯収法に基づく本人確認等の規律の適用を検討する。
    • 同一の機能・リスクに対しては同一のルールという考え方に基づき、機能が類似する資金移動業者・クレジットカード事業者に関する現行制度や利用実態等を踏まえ、高額の考え方は、以下の通りとすることが考えられる。
    • 1回当たり譲渡額等が一定額(例10万円超)、1か月当たり譲渡額等の累計額が一定額(例30万円超)

~NEW~
金融庁 「サステナブルファイナンス有識者会議」(第10回)議事次第
▼資料2 事務局資料
  • ESG評価機関の重要性の高まり
    • 世界的なESG投資の拡大を背景に、ESG評価の利用が拡がり、評価を担うESG評価機関の重要性が増加
    • アセットオーナーや運用機関における、ESGインテグレーション(ESGの課題を投資判断に織り込む動き)の拡大
    • ESGの課題を考慮したインデックス(ESG指数)に連動する又はこれをベンチマークとして参照する投資信託の増加
    • ESG指数等に活用するための企業評価に加えて、ESG関連債券の発行に当たっても、外部評価の利用が進展。
    • 国際資本市場協会(ICMA)による「グリーンボンド原則」など、ESG関連債に係る各種ガイダンスでは、調達資金の使途や対象プロジェクトの選定方法等について、ガイダンスへの準拠状況を評価機関が確認するよう、奨励
    • さらに、投資家による国際的な気候変動イニシアティブ「Climate Action 100+」が、大企業への協働エンゲージメントの際にESG評価情報を参照するなど、ESG評価の利用場面が多様化。
  • IOSCO最終報告書「ESG格付け及びデータ提供者」
    • 2021年11月23日、証券監督当局の国際的な集まりであるIOSCO(証券監督者国際機構)は、ESG格付け及びデータ提供者に関する調査結果、及び規制当局等に対する提言を公表
    • 最終報告書では、ESG格付け及びデータ提供者に関する動向と課題を詳細に検証すると共に、規制当局、ESG格付け及びデータ提供者、利用者、ESG格付け及びデータ商品の対象となる企業に対し、10のハイレベルな提言を提示。
  • ESG評価・データ提供機関について
    • サステナブルファイナンスの拡大を背景に、企業と投資家の橋渡し役を担うESG評価・データ提供機関の重要性が増大。インベストメントチェーン全体でESGに係る評価やデータが信頼ある形で利用されるエコシステムを構築していく必要。
    • このため、評価手法の透明性や比較可能性、評価の独立性・客観性に係るガバナンスの確保等、ESG評価・データ提供機関に期待される行動規範等を検討するとともに、評価機関のデータを利用する投資家や、評価の対象となる企業が有機的に連携するよう、ESG評価・データ提供に関して企業と投資家が果たすべき役割をも明らかにしていく。
  • 有識者会議で指摘された論点・検討事項
    1. 企業
      • 評価機関を含む関係者が利用し易い情報提供
      • 企業と評価機関の双方がメリットを得られるため、どのような関係が望ましいか
    2. ESG評価・データ提供機関
      • それぞれの評価機関により異なる評価手法等について、透明性や公平性
      • 評価対象企業との間での利益相反を防止するための、ガバナンスや中立性
      • 評価に係る専門知見や人材育成、企業との対話の在り方等
      • 評価の透明性、信頼性を更に高めていくため、具体的にはどのような点が重要となるか
      • 評価機関・データ提供機関のサービスには様々なものがあるが、サービスの特性にあわせてどのような留意点があるか
    3. 投資家
      • ESG評価機関等に期待する事項の明確化(調査の効率化、対話の深化等)
      • 投資家はどの様に評価機関・データ提供機関を利用し、何を期待・貢献すべきか
  • ご議論いただきたい点
    • (ESG評価・データ提供機関の信頼性向上)有識者会議報告書を踏まえ、ESG評価・データ提供機関に係る行動規範等について議論を進めていくに当たり、評価の透明性の向上や公平性の確保、利益相反の防止のためのガバナンスといった論点があるが、これらを含めて、どのような論点が重要となるか。
    • (ESG評価・データ提供機関と企業とのコミュニケーション)ESG評価機関と評価を受ける企業との間の関係性やコミュニケーションについては、どのような点に留意して議論を進めていく必要があるか。
    • (投資家に期待される役割)インベストメントチェーン全体でESGに係る評価やデータが信頼ある形で利用されていくには、評価を利用する投資家の役割も重要となるが、どの様な論点が重要となるか。
    • (サービスの違いによる留意点)前掲のとおり、ESG評価・データ提供機関によるサービスには、例えば、企業に対する評価と債券等の有価証券に対する評価、また、被評価者の依頼に基づく評価とこれに基づかない評価等様々なものがあるが、こうしたサービスの違いに関し、今後議論を進める上で特段の留意点等はあるか。

~NEW~
国民生活センター 家電から出る蒸気による乳幼児のやけどにご注意
  • 家電の中には、電気炊飯器、電気ポット、電気ケトル、加湿器(スチーム式)等、稼働の際、高温の蒸気が出るものがあります。もし、これらの高温の蒸気に触れてしまうと、やけどを負う可能性があり、大変危険です。特に乳幼児は、大人より皮膚が薄いため、やけどのダメージが皮膚の奥深くにまで及び、重傷化します。乳幼児が蒸気に触れることがない位置に設置するなど、取り扱いには十分注意しましょう
  • 「医療機関ネットワーク」と「医師からの事故情報受付窓口」に、電気炊飯器、電気ポットや電気ケトル、加湿器(スチーム式)の蒸気により乳幼児(0~5歳)がやけどを負った事故情報が寄せられています。
  • 事故情報
    • 床から50cmくらいの高さで、スライドで引き出す棚の上で炊飯をしていた。熱い蒸気を触ってしまい、やけどをした。手指Ⅲ度熱傷。(事故発生年月: 2016年8月、1歳1カ月・女児)
    • キッチンの床に置かれた電気ポットの蒸気口に手を当ててしまった。沸かしている最中で蒸気口から湯気が出ていた。手指Ⅱ度熱傷 。(事故発生年月: 2018年4月、10カ月・男児)
    • 加湿器に手を触れ、やけどをした。左手の手指・手掌の深達性第Ⅱ度~第Ⅲ度熱傷となり、手術(デブリードマン・植皮術)を要した。今後、瘢痕拘縮予防の装具装着や将来的な修正が必要になる可能性があり、長期フォローを要する。(事故発生年月: 2021年2月、 1歳0カ月・男児)
  • アンケート調査
    • 約1割の人が、「乳幼児がやけどをした」または「やけどをしそうになった」経験がありました。
    • 約4割の人が、乳幼児がやけどすることを想定していませんでした。
    • 乳幼児がやけどをしたことがない人は、高温蒸気が出る家電の設置位置を高くしている傾向がみられました。
    • 7割前後の人が、「高温蒸気への対策機能」が付いた家電があることを知りませんでした。
    • 7割以上の人が、やけどの危険を回避するためには、乳幼児の手の届かないところに家電を設置するべきだったと回答しました。
    • 高温蒸気でのやけどを防止するため、6割以上の人が蒸気を出さない家電を望んでいました。
  • 乳幼児のやけどを防止するために
    1. 設置場所について
      • 電気炊飯器、電気ポット、電気ケトル、加湿器(スチーム式)から出る蒸気は、数秒触れただけでやけどを負うおそれがあります。乳幼児が蒸気に触れることがない位置に設置するなど、十分注意しましょう。
    2. 購入の際は
      • 高温蒸気への対策機能を表示した家電は、表示していないものに比べて、蒸気温度に明確な差がありました。
      • 特に乳幼児がいるご家庭では、蒸気によるやけどを防止するため、高温蒸気への対策機能(蒸気レス、蒸気カット、蒸気セーブ等)が表示されたものの購入を積極的に検討しましょう。

~NEW~
国民生活センター フリマサービス トラブル解決は当事者間で
  • 内容
    • 事例1 フリマアプリでライブのDVDを購入した。商品到着後、すぐに受け取り評価をした。その後、海賊版のDVDであることが分かり、運営事業者に返品・返金を申し出たところ「受け取り評価済みのためどうすることもできない。出品者と直接交渉してほしい」と言われた。(当事者:中学生 女性)
    • 事例2 フリマアプリで黒のコートを出品し、取引が成立した。購入者にコートを送ったが、購入者が「写真を見てシルバーだと勘違いした。返品する」と言い、受け取り評価をしない。運営事業者に事情を伝えたが「当事者間で解決するように」と言われた。(当事者:大学生 男性)
  • ひとことアドバイス
    • フリマサービスは個人間の取引です。トラブルが起きた際は、原則として当事者間で解決するよう求められることを理解しましょう。
    • 利用する際は、規約や初心者ガイドで、取引ルールやトラブル時の対応などについて確認しましょう。
    • 商品到着後、購入者が受け取り評価をすると出品者に代金が支払われます。サービス上で取引完了となった後に問題に気付いても、相手と連絡が取れないことやサポートが受けられないことがあります。必ず商品をよく確認してから受け取り評価をしてください。
    • 出品する場合は、規約などを確認しましょう。また、汚れや傷などを含め商品の特徴をきちんと説明し、商品の状態がはっきり分かる写真を載せるなど誤解を招かないように注意しましょう。

~NEW~
厚生労働省 子どもが子どもでいられる街に
  • ヤングケアラーとは
    • 障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている
    • 家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている
    • 障がいや病気のあるきょうだいの世話や見守りをしている
    • 目を離せない家族の見守りや声かけなどの気づかいをしている
    • 日本語が第一言語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている
    • 家計を支えるために労働をして、障がいや病気のある家族を助けている
    • アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している
    • がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている
    • 障がいや病気のある家族の身の回りの世話をしている
    • 障がいや病気のある家族の入浴やトイレの介助をしている
    • 令和2年度の厚生労働省の調査では、調査に参加した中学校の46.6%、全日制高校の49.8%にヤングケアラーが「いる」という結果になっています。また、同調査では、「家族の中にあなたがお世話をしている人はいますか」という質問に対し、「いる」と答えた中学2年生は5.7%にのぼりました。これは、回答した中学2年生の17人に1人がヤングケアラーだったということになります。
    • 世話をしている家族が「いる」と回答した人に頻度について質問すると、半数近くが「ほぼ毎日」世話をしているという結果になっています。令和2年度に埼玉県が高校2年生に行った調査では、ヤングケアラーが平日にケアにかける時間は「1時間未満」が4割、「1時間以上2時間未満」が3割でした。しかし、同年行われた厚生労働省の調査では、平日1日あたりに世話に費やす時間として、中学2年生は平均4時間、全日制高校2年生は平均3.8時間と、さらに長い結果になっています。
    • ヤングケアラーがしていることとして多いのは、食事の準備や掃除や洗濯といった家事、見守り、きょうだいの世話、感情面のサポートなどです。
  • ヤングケアラーや直面する問題
    • 学業への影響:遅刻・早退・欠席が増える、勉強の時間が取れない等
    • 就職への影響:自分にできると思う仕事の範囲を狭めて考えてしまう、自分のやってきたことをアピールできない等
    • 友人関係への影響:友人等とコミュニケーションを取れる時間が少ない等
  • ヤングケアラーの方へ
    • 家族の手伝い・手助けをするのは「ふつうのこと」と思うかもしれません。でも、学校生活に影響が出たり、こころやからだに不調を感じるほどの重い負荷がかかっている場合は、すこし注意が必要です。
    • 自分のことや家のことを話すのは勇気がいると思います。でも、あなたの話を聞いて、共感して、サポートしてくれる人は必ずいます。
    • 学校の先生・スクールカウンセラー・親戚の人・友達など、信頼できる相手に相談してみましょう。
    • メールなどで悩みを相談できる窓口もあります。

~NEW~
厚生労働省 第69回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年1月26日)
▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比は2.2と急速な増加が続き、直近の1週間では10万人あたり約276となっている。新規感染者は20代以下を中心に増加しているが、年代別の割合では20代が減少する一方、10歳未満が増加している。まん延防止等重点措置が適用されている16都県のうち、沖縄県以外の15都県では急速な増加が継続している。沖縄県では今週先週比が1を下回る水準となっているが、新規感染者について20代中心に若年層で減少する一方、60代以上で増加していることに留意が必要。また、重点措置区域以外の地域でも新規感染者数の急速な増加が継続している。全国で新規感染者数が急速に増加していることに伴い、療養者数が急増し、重症者数も増加している。
    • オミクロン株のいわゆる市中感染が拡大しており、多くの地域でオミクロン株への急速な置き換わりが進んでいるが、引き続き、デルタ株も検出されている。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(1/9)で1.37と1を上回る水準となっており、首都圏では1.45、関西圏では1.42となっている。
  • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
    1. 首都圏(1都3県)
      • 東京の新規感染者数は今週先週比が2.5と急速な増加が続き、約482。20-30代以下が中心であるが、10代以下も増加傾向。病床使用率は3割強、重症病床使用率は約3割。埼玉、千葉、神奈川でも新規感染者数の増加が続き、それぞれ約254、256、278。いずれも今週先週比が2を超える急速な増加。病床使用率について、埼玉では約4割、千葉では約3割、神奈川では3割強。
    2. 群馬、新潟
      • 群馬の新規感染者数は今週先週比が2.4と急速な増加が続き、約230。20代以下が中心。病床使用率は5割強。新潟の新規感染者数は今週先週比が1.9と急速な増加が続き、約141。20代以下が中心。病床使用率は2割強。
    3. 中京
      • 愛知の新規感染者数は今週先週比が2.5と急速な増加が続き、約295。20代以下が中心。病床使用率は2割強。岐阜、三重でも新規感染者数の増加が続き、それぞれ約188、142。岐阜では今週先週比が2を超える急速な増加。病床使用率について、岐阜では5割強、三重では3割強。
    4. 広島、山口、香川
      • 広島の新規感染者数は今週先週比が1.4と増加が続き、約334。30代以下が中心。病床使用率は約4割。山口、香川でも新規感染者数の増加が続き、それぞれ約171、124。香川では今週先週比が2を超える急速な増加。病床使用率について、山口では約5割、香川では約4割。
    5. 熊本、長崎、宮崎
      • 熊本の新規感染者数は今週先週比が1.8と増加が続き、約284。20代以下が中心。病床使用率は5割弱。長崎、宮崎でも新規感染者数の増加が続き、それぞれ約249、192。いずれも今週先週比が2を超える急速な増加。病床使用率について、いずれも3割強。
    6. 沖縄
      • 新規感染者数は今週先週比が0.8と1を下回る水準となっているが、報告者数が実態を反映していない可能性に留意が必要。また、約547と全国で最も高い。新規感染者は30代以下が中心であるが、10歳未満や60代以上は増加傾向。病床使用率は6割強、重症病床使用率は7割弱。
    7. 北海道
      • 新規感染者数は今週先週比が2.8と急速な増加が続き、約202(札幌市約284)。20代以下が中心。病床使用率は2割強。
    8. 関西圏
      • 大阪の新規感染者数は今週先週比が2.0と急速な増加が続き、約513。20代以下が中心。病床使用率は約5割、重症病床使用率は約2割。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山でも新規感染者数の増加が続き、それぞれ約246、374、340、248、213。京都、兵庫、奈良では今週先週比が2を超える急速な増加。病床使用率について、滋賀では4割強、京都では3割強、奈良では約6割、兵庫では4割強、和歌山では7割強。重症病床使用率について、京都、和歌山では2割強、奈良では3割弱。
    9. 九州
      • 福岡の新規感染者数は今週先週比が2.7と急速な増加が続き、約350。20代以下が中心。病床使用率は2割強。佐賀、大分、鹿児島でも新規感染者数の増加が続き、それぞれ約224、192、153。大分、鹿児島では今週先週比が2を超える急速な増加。病床使用率について、佐賀では3割強、大分では約4割、鹿児島では4割弱。
    10. 上記以外
      • 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、富山、石川、福井、山梨、長野、静岡、鳥取、島根、岡山、徳島、愛媛、高知では、それぞれ約112、29、71、73、58、51、142、161、59、143、100、164、153、206、114、161、199、64、135、90。病床使用率について、青森では約2割、岩手では約3割。山形、岡山では3割弱、福島、長野、高知では4割弱、茨城、富山、静岡、鳥取、徳島、愛媛では2割強、栃木、石川、島根では3割強、山梨では5割強。
  • 今後の見通しと必要な対策
    • 全国の新規感染者はオミクロン株への置き換わりとともに急増している。既に重点措置区域とされている16都県に加え、1月27日から新たに18道府県に重点措置が適用される。今回の感染者急増は忘年会、クリスマス、年末・年始や1月の連休などによる接触機会の増加の影響が大きかったが、感染の場は家庭、職場、学校、医療機関、介護施設などに広がりつつあると考えられる。
    • 夜間滞留人口については、重点措置区域ではおおむね減少傾向にあるが、一部で増加している区域もある。今週先週比や実効再生産数からは、増加速度の鈍化傾向も見られるが、オミクロン株の特性やPCR検査陽性率などの推移から、今後も少なくとも短期的には全国で感染拡大が継続すると考えられ、オミクロン株の特性を踏まえた対策を迅速に実施する必要がある。
    • 学校・幼稚園・保育所等において、新型コロナウイルス感染陽性者や濃厚接触者が多くの地域で増加している。感染拡大地域に
    • おいては、これらの施設における基本的な感染防止対策の強化と徹底が求められるとともに、教育機会の確保や社会機能維持にも配慮する必要がある。
    • オミクロン株へと置き換わりが進んでいるが、デルタ株による感染者も検出されている。デルタ株による感染はより重症化しやすく、実際に重症例も発生している。オミクロン株による感染拡大が先行した沖縄県では若年層で感染者数が減少しているが、60歳以上で増加が継続するとともに、入院例も増加し続けている。今後他の地域でも同様の傾向が見られる可能性がある。若年層中心の急激な感染拡大により、健康観察者や自宅療養者の急増への対応も含め、軽症・中等症の医療提供体制等が急速にひっ迫する可能性がある。さらに、その後、高齢者に感染が波及することで重症者数が増加する可能性もある。また、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても、感染により基礎疾患が増悪することで、入院を要する感染者が増加することにも注意が必要。例年でも、この時期は救急搬送事案が多く発生しており、救急搬送困難事案に係る状況調査によれば、コロナ疑い事案のみならず非コロナ疑い事案も増加している。コロナ疑い事案の急増もあり、救急搬送困難事案は、昨年の同時期や夏の感染拡大時を上回る状況にある。通常医療、特に救急医療に対して既に大きな負荷がかかっている。
  • オミクロン株の特徴に関する知見
    • 【感染性・伝播性】オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。
    • 【感染の場・感染経路】国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様に飛沫やエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
    • 【重症度】オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低い可能性が示唆されているが、
    • オミクロン株感染による入院例が既に増加している地域もある。
    • 【ウイルスの排出期間】オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出については、ワクチン接種の有無にかかわらず時間の経
    • 過とともに減少し、従来株と同様に発症又は診断日から10日目以降において排出する可能性は低いことが示された。
    • 【ワクチン効果】初回免疫によるオミクロン株感染に対する発症予防効果は著しく低下するが、重症化予防効果は一定程度保た
    • れている。また、ブースター接種によるオミクロン株感染の感染予防効果や入院予防効果が改善することも報告されている。
  • オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
    • 【感染が急拡大している地域における検査・診断及びサーベイランス】検査診断体制や保健所への届出処理がひっ迫し、公表データと実態との乖離が懸念される。発生動向を把握するため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要である。さらに、これまでの知見等も踏まえた検査・積極的疫学調査の重点化などを実施すべき。また、基本的対処方針に基づき、高齢者施設等の従業者等への積極的な検査の実施が求められる。また、感染に不安を感じて希望する方を対象とした無料検査を受けることが可能となったが、検査需要の急増と検査能力に注意が必要であり、優先度の高い検査が確実にできる体制を確保することが必要。
    • 【国内の変異株監視体制】全国的に感染拡大が進む中で、オミクロン株への置き換わりの状況を含めた地域の感染状況に応じた監視体制を継続させる必要がある。また、重症者やクラスター事例においてはデルタ株を含めてゲノム解析による確認も必要。また、海外の一部地域では2系統による感染が拡大している。現状、国内におけるオミクロン株の主流はBA.1系統であるが、BA.2系統も検疫や国内で検出されている。今後も一定数のゲノム解析によるモニタリングを継続する必要がある。なお、BA.1系統とBA.2系統との比較において、現時点では入院率に関する違いは明確になっていない。
    • 【自治体における取組】自治体では、地域の感染状況及び今後の感染者数や重症者数の予測に基づき、必要病床数と医療従事者の確保や地域に必要な保健所機能の維持と体制強化のための応援確保、自宅療養者に対する訪問診療やオンライン診療体制の構築について機動的に取り組むことが必要。その際、高齢者や基礎疾患のある者など、重症化リスクのある患者を対象とする経口治療薬や中和抗体薬を迅速に投与できる体制を確保することが求められる。あわせて通常医療とのバランスに留意すべき。感染が急拡大した場合には、地域の感染状況に応じて、迅速に受診・健康観察に繋げるための対応を具体的に講じ、外来診療の機能不全を防ぐことが必要。
    • 【ワクチン未接種者、追加接種者への情報提供の再強化】特に、未接種者へのワクチン接種を進めることが重要。自治体では、ワクチン接種に至っていない方への情報提供を進めることが求められる。あわせて、既に開始している追加接種を着実に実施していくことも必要。その際、医療従事者等や高齢者の方々を対象とした前倒し接種を円滑に実施することが求められる。
    • 【水際対策】入国時検査での陽性者をオミクロン株陽性者とみなして対応するとともに、海外における流行株監視のため、陽性者に対する全ゲノム解析を継続させることが必要。入国後の待機期間について、10日間に短縮されたが、待機期間を含め、今後の水際対策については、海外及び国内のオミクロン株の流行状況なども踏まえて引き続き検証する必要がある。
  • 地域における各事業の業務継続計画の早急な点検が必要
    • 地域で感染が急拡大することにより、特に医療機関、介護福祉施設では、職員とその家族の感染や、濃厚接触による職場離脱の例が増加している。また同様のことは社会維持に必要なその他の職場でもおこりうるため、業務継続計画の早急な点検が必要である。また、オミクロン株について新たに得られた科学的知見等を踏まえ、医療従事者に限らず、濃厚接触者の健康観察期間を短縮化することに加え、地域の判断により、社会機能の維持に必要な者においては、検査を組み合わせることで、さらなる期間の短縮化を可能とした。ワクチン未接種者の療養期間についても、ワクチン接種者と同じで良いとした。引き続き、健康観察期間や療養期間について、適切に見直していくことが求められる。
    • 社会機能維持のためにも、企業におけるテレワークの活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の削減に取り組むとともに、接触機会を低減することが求められる。
  • 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
    • 行政・事業者・市民の皆様には、重点措置区域だけでなく、全国でオミクロン株を主体とした感染が急速に拡大している状況にあるとの認識をもって行動していただくことが必要。
    • オミクロン株においても基本的な感染防止対策は重要であり、ワクチン接種者も含め、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要である。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、オミクロン株は伝播力が高いため、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
  • 感染拡大地域では学校活動などにおける基本的な感染防止対策の強化が求められるが、教育機会の確保や社会機能維持も必要。
    • 外出の際は、混雑した場所や感染リスクの高い場所を避けることが必要。行動は少人数で。飲食店を利用することが必要な際は、換気などの感染対策がされている第三者認証適用店を選び、できるだけ少人数で行い、大声・長時間を避けるとともに、飲食時以外はマスクを着用することが必要。
    • ご自身やご家族の命を守るため、同時にオミクロン株による感染拡大防止のためにも、軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。

~NEW~
経済産業省 コロナ禍における事業継続に向けたBCP(事業継続計画)の公表・登録
  • オミクロン株が猛威を振るう中、国内外においては、事業継続に課題を抱える事業者が増加しています。オミクロン株の影響により、多くの社員の皆様が新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者となり、入院や自宅待機などを余儀なくされた場合、事業者の事業継続に支障を及ぼすことも想定されますが、足下のような感染拡大が続く中でも、我が国の安定的な国民生活と経済活動をしっかりと維持するためには、事業者の皆様の事業継続に向けた取組の強化が不可欠です。
  • 第208回国会における岸田内閣総理大臣施政方針演説では、「BCP計画遂行」をお願いさせていただきました。そして、1月19日に改訂された新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針においても、国民生活や国民経済の安定確保に不可欠な業務を行う事業者は、BCPの点検を行った上で、欠勤者が多く発生した場合でも業務を継続することとされています。
  • こうしたことを踏まえ、事業者の皆様におかれては、感染症に対応したBCP(事業継続計画)の策定・点検、着実な実行をお願いいたします。
  • 加えて、BCPを策定した上で、これを公表することは、取引先、金融機関、投資家など、その事業者を取り巻く様々なステークホルダーにとっても有意義であることに加え、その事業者自身の信頼性の向上にも繋がります。このため、策定したBCPを可能な形で公表することを御検討いただき、公表されたBCPのURLなどを、下記要領に従って御登録ください。
  • 経済団体におかれては、加盟する事業者・団体等に対する周知徹底をお願いいたします。
  • コロナ禍における事業継続に向けたBCPの登録結果はこちらを御参照ください。
▼コロナ禍における事業継続に向けたBCPの策定状況の登録結果(2022年1月27日時点)

~NEW~
経済産業省 2021年経済産業省企業活動基本調査(2020年度実績)の結果(速報)を取りまとめました
  1. 売上高及び利益の状況
    1. 2020年度(令和2年度)の一企業当たりの売上高は232.2億円、前年度比-5.8%と2年連続の減少となりました。主要産業でみると、製造業は204.9億円(前年度比-5.7%減)、卸売業は371.2億円(同-7.9%減)、小売業は252.8億円(同-2.6%増)となりました。
    2. 一企業当たりの経常利益は11.6億円、前年度比-1.0%減と3年連続の減少となりました。主要産業でみると、製造業は13.4億円(前年度比1.9%増)、卸売業は12.7億円(同-0.1%減)、小売業は7.8億円(同5.9%増)となりました。
    3. 一企業当たりの売上高経常利益率は5.0%と前年度差+0.2%ポイントと3年ぶりの上昇となりました。主要産業でみると、製造業は6.5%(前年度差+0.5%ポイント上昇)、卸売業は3.4%(同+0.2%ポイント上昇)、小売業は3.1%(同+0.3%ポイント上昇)となりました。
  2. 付加価値額と労働分配率及び労働生産性の状況
    1. 付加価値額は、営業利益の減益等により122兆144億円、前年度比-1.4%減の減少となりました。主要産業でみると、製造業は56兆9872億円(前年度比-1.9%減)、卸売業は16兆1394億円(同-1.6%減)、小売業は16兆8977億円(同0.9%増)となりました。
      • (注) 付加価値額 = 営業利益+給与総額+減価償却費+福利厚生費+動産・不動産賃借料+租税公課
    2. 労働分配率は、給与総額は減少したものの、付加価値額の減少が給与総額の減少を上回ったことから50.7%、前年度差+0.6%ポイントの上昇となりました。主要産業でみると、製造業は51.0%(前年度差+0.2%ポイント上昇)、卸売業は49.7%(同+0.2%ポイント上昇)、小売業は49.4%(同-0.6%ポイント低下)となりました。
      • (注) 労働分配率とは、付加価値額に対しての人件費を示す指標であり、会社が新たに生み出した価値のうちどれだけ人件費に分配されたかを示す指標。ここでは、以下の算出による。
      • 労働分配率 = 給与総額 ÷ 付加価値額 × 100
    3. 労働生産性は、付加価値額が減少し、常時従業者数が微増したことにより848.4万円、前年度比-1.6%の減少となりました。主要産業でみると、製造業は1,075.9万円(前年度比-2.3%減)、卸売業は1,060.2万円(同-0.9%減)、小売業は494.4万円(同-0.4%減)と、全て減少となりました。
      • 注) 労働生産性とは、生産性分析の一指標であり、従業員一人当たりの付加価値額を示す指標。ここでは、以下の算出による。
      • 労働生産性 = 付加価値額 ÷ 常時従業者数

~NEW~
経済産業省 「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン Ver. 1.1」を取りまとめました
▼AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン ver. 1.1
  • AIシステムは、人材不足の解消、生産性の向上、高付加価値事業の開発など、ビジネスにとって正のインパクトをもたらしうる一方で、AIシステムの開発や運用には、意図せずして、公平性を損なってしまったり、安全性の問題が生じたりするなど、AI特有のリスクも伴うことから、AIシステムを開発・運用する企業は、自分事としてAIシステムに関わる環境や価値提供モデル全体を理解すべきである。各企業には、行動目標を杓子定規に実施するのではなく、このガイドラインを伴走相手として各行動目標の意義を理解した上で、活用してもらうことを期待している。そして、行動目標の意義を理解すれば、それらが実施すべき標準的な事項でありながら実施にあたっての柔軟性も同時に備えていることがわかるだろう。
  • このガイドラインは環境・リスク分析から始まる。企業単位(場合によっては事業部単位)の方針を決めるにあたっては、AIシステムがもたらしうる正負のインパクト、AIシステムの開発や運用に関する社会的受容、そして自社の事業範囲等に照らして負のインパクトが軽微ではないと判断した場合には、自社のAI習熟度(AIシステムの開発・運用時に求められる準備がどれだけできているのか)を考慮すべきである。
  • これらを踏まえ、たとえば、潜在的な負のインパクトの大きさを考慮しつつAI分野における自社の経験不足や現在の社会的受容に照らしてそもそもAIシステムを開発・運用しないという方針、潜在的な負のインパクトが軽微な分野に限定して、AIシステムを開発・運用していくという方針、潜在的な負のインパクトを管理しつつAIシステムを開発・運用していくなどの方針を策定することになるだろう。そして、AIシステムを開発・運用する場合には、潜在的な負のインパクトの性質や大きさを考慮しながらステークホルダーにとって受容可能な水準に管理する際の羅針盤となる企業単位(場合によっては事業部単位)のAIガバナンス・ゴール(たとえばAIポリシー)を設定するか否かについて検討すべきであり、潜在的な負のインパクトが軽微であることを理由にAIガバナンス・ゴールを設定しない場合には、その理由等をステークホルダーに説明できるようにしておくべきである。
  • 次に、AIガバナンス・ゴールを達成するためのAIマネジメントシステムの設計が求められる。具体的には、AIガバナンス・ゴールからの乖離の評価と乖離への対応、AIマネジメントシステムを担う人材のリテラシー向上、適切な情報共有などの事業者間・部門間協力によるAIマネジメントの強化、インシデントの予防や早期対応を通じたインシデントに関わるAIシステム利用者の負担軽減を挙げることができる。
  • AI技術の発展にアジャイルに適合していくためには、AIガバナンス・ゴールやAIマネジメントシステムを継続的に評価する必要がある。まず、AIマネジメントシステム及び個々のAIシステムの運用状況について説明可能な状態を確保することである。また、ステークホルダーとの一層円滑なコミュニケーションのために、これらの情報をコーポレートガバナンス・コードの非財務情報に位置づけ、積極的に開示することを検討すべきであり、開示しない場合には、その理由等を説明できるようにしておくべきである。
  • 次に、AIマネジメントシステムの設計や運用から独立した者に、その設計や運用の妥当性を評価させるべきである。上述の運用状況に関する情報を用いながら社内で妥当性の評価を実施すべきことはもちろんのこと、株主だけではなく、ビジネスパートナー、消費者、AIシステムの適切な運用をめぐる動向に詳しい有識者などのステークホルダーに意見を求めることを検討すべきであり、必要に応じてそのような機会を積極的に設けることもありうる。
  • さらに、AIガバナンス・ゴールの設定自体の妥当性を検証するために、AIシステムがもたらしうる正負のインパクト、AIシステムの開発や運用に関する社会的受容、自社のAI習熟度からなる環境・リスクの再分析を適時に実施すべきである。
  • 行動目標1-1:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、AIシステムから得られる正のインパクトだけではなく意図せざるリスク等の負のインパクトがあることも理解し、これらを経営層に報告し、経営層で共有し、適時に理解を更新すべきである。
  • 行動目標1-2:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、本格的なAIの提供に先立ち、直接的なステークホルダーだけではなく潜在的なステークホルダーの意見に基づいて、社会的な受容の現状を理解すべきである。また、本格的なAIシステムの運用後も、適時にステークホルダーの意見を再確認するとともに、新しい視点を更新すべきである。
  • 行動目標1-3:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、行動目標1-1、1-2の実施を踏まえ、自社の事業領域や規模等に照らして負のインパクトが軽微であると判断した場合を除き、自社のAIシステムの開発・運用の経験の程度、AIシステムの開発・運用に関与するエンジニアを含む従業員の人数や経験の程度、当該従業員のAI技術及び倫理に関するリテラシーの程度等に基づいて、自社のAI習熟度を評価し、適時に再評価すべきである。負のインパクトが軽微であると判断し、AI習熟度の評価をしない場合には、その理由等をステークホルダーに説明できるようにしておくべきである。
  • 行動目標2-1:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、「人間中心のAI社会原則」を踏まえ、AIシステムがもたらしうる正負のインパクト、AIシステムの開発や運用に関する社会的受容、自社のAI習熟度を考慮しつつ、設定に至るプロセスの重要性にも留意しながら、自社のAIガバナンス・ゴール(たとえばAIポリシー)を設定するか否かについて検討すべきであり、潜在的な負のインパクトが軽微であることを理由にAIガバナンス・ゴールを設定しない場合には、その理由等をステークホルダーに説明できるようにしておくべきである。「人間中心のAI社会原則」が十分に機能すると判断した場合は、自社のAIガバナンス・ゴールに代えて「人間中心のAI社会原則」をゴールとしてもよい。なお、ゴールを設定しない場合であっても、「人間中心のAI社会原則」の重要性を理解し、行動目標3から5に係る取り組みを適宜実施することが望ましい。
  • 行動目標3-1:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、自社が開発・運用しているAIシステムのAIガバナンス・ゴールからの乖離を特定し、乖離により生じる影響を評価した上、負のインパクトが認められる場合、その大きさ、範囲、発生頻度等を考慮して、その受容の合理性の有無を判定し、受容に合理性が認められない場合にAIの開発・運用の在り方について再考を促すプロセスを、AIシステムの設計段階、開発段階、利用開始前、利用開始後などの適切な段階に組み込むべきである。運営層はこのプロセスの具体化を行うべきである。そして、AIガバナンス・ゴールとの乖離評価にはAIシステムの開発や運用に直接関わっていない者が加わるようにすべきである。なお、乖離があることのみを理由としてAIの開発・提供を不可とする対応は適当ではない。そのため、乖離評価は負のインパクトを評価するためのステップであって、改善のためのきっかけにすぎない。
  • 行動目標3-1-1:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、業界における標準的な乖離評価プロセスの有無を確認し、そのようなプロセスが存在する場合には、それを自社のプロセスに取り込むべきである。
  • 行動目標3-1-2:AIシステム利用者にサービスを提供しているAIシステム運用企業は、経営層のリーダーシップの下、提供しているAIシステムに一定の乖離が発生しうる場合には、AIシステム利用者に対して、その事実や当該乖離への対応策に関する十分な情報を提供するとともに、問い合わせ先も明確にすべきである。
  • 行動目標3-1-3:データを提供する企業は、AIシステムを開発する企業が適切に乖離評価をできるようにするために、データの収集元、収集方針、収集基準、アノテーション付与基準、利用制約等のデータセットに関する情報を提供すべきであり、AIシステム開発者は十分な情報を提供するデータ事業者からデータセットを取得すべきである。
  • 行動目標3-2:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、AIマネジメントシステムを適切に運営するために、外部の教材の活用も検討し、AIリテラシーを戦略的に向上させるべきである。たとえば、AIシステムの開発・運用における法的・倫理的側面に責任を負う役員、マネジメントチーム、担当者にはAI倫理に関する一般的なリテラシー向上のための教育を、AIシステムの開発・運用プロジェクトの担当者にはAI倫理だけではなくAI技術に関する研修を提供することが考えられる。データを提供する企業は、AIシステム開発者・運用者の実践例を参考に、データ提供に関わる担当者のAI倫理に関する一般的なリテラシーを向上させるべきである。
  • 行動目標3-3:AIシステムを開発・運用する企業、及び、データを提供する企業は、学習等用のデータセットの準備からAIシステムの開発・運用までの全てを自部門で行う場合を除き、経営層のリーダーシップの下、営業秘密等に留意しつつ、自社や自部門のみでは十分に実施できないAIシステムの運用上の課題と当該課題の解決に必要な情報を明確にし、公正競争確保の原則の下で、積極的に共有すべきである。その際に、必要な情報交換が円滑に行われるよう、AIシステム開発者、AIシステム運用者、データ事業者の間で予め情報の開示範囲について合意し、秘密保持契約の締結等を検討することが望ましい。
  • 行動目標3-3-1:AIシステムを開発・運用する企業、及び、データを提供する企業は、経営層のリーダーシップの下、学習等用のデータセットの準備からAIシステムの開発・運用までの全てを自社で行う場合を除き、営業秘密に留意しつつ、複数事業者間の情報共有の現状を理解し、適時に理解を更新すべきである。
  • 行動目標3-3-2:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、日常的に、AIシステムの開発や運用に関するルール整備、ベストプラクティス、インシデントなどの情報を収集するとともに、社内外の意見交換を奨励すべきである。
  • 行動目標3-4:AIシステムを開発・運用する企業、及び、データを提供する企業は、経営層のリーダーシップの下、インシデントの予防と早期対応を通じて利用者のインシデント関連の負担を軽減すべきである。
  • 行動目標3-4-1:AIシステムを開発・運用する企業、及び、データを提供する企業は、経営層のリーダーシップの下、学習等用のデータセットの準備からシステムの開発・運用までの全てを自社で行う場合を除き、負のインパクトを全体で最小化できるようにAIシステムの不確実性への対応負担を複数事業者間で分配すべきである。
  • 行動目標3-4-2:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、AIインシデント又は紛争発生時に、AIシステム利用者への説明、影響範囲や損害の特定、法的関係の整理、被害救済措置、被害拡大防止措置、再発防止策の検討等を速やかに実施するため、対応方針の決定や計画の策定を検討するとともに、当該対応方針又は計画に関して適宜実践的な予行演習の実施を検討すべきである。
  • 行動目標4-1:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、たとえば、行動目標3-1の乖離評価プロセスの実施状況について記録するなど、AIマネジメントシステムの運用状況について対外的に説明可能な状態を確保すべきである。
  • 行動目標4-2:AIシステムを運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、個々のAIシステムの仮運用及び本格運用における乖離評価を継続的に実施するために、仮運用及び本格運用の状況をモニタリングし、結果を記録すべきである。AIシステムを開発する企業は、AIシステムを運用する企業による当該モニタリングを支援すべきである。
  • 行動目標4-3:AIシステムを開発・運用する企業は、AIガバナンス・ゴールの設定、AIマネジメントシステムの整備や運用等に関する情報を、コーポレートガバナンス・コードの非財務情報に位置づけ、積極的に開示することを検討すべきである。上場会社以外であっても、AIガバナンスに関する活動の情報を積極的に開示することを検討すべきである。そして、検討の結果、開示しないと判断した場合には、その理由を対外的に説明できるようにしておくべきである。
  • 行動目標5-1:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、AIマネジメントシステムの設計や運用から独立した者に、AIガバナンス・ゴールに照らして、乖離評価プロセス等のAIマネジメントシステムが適切に設計され、適切に運用されている否か、つまり行動目標3、4の実践を通じ、AIガバナンス・ゴールの達成に向けて、AIマネジメントシステムが適切に機能しているか否かを検証させるべきである。
  • 行動目標5-2:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、株主だけではなく、ビジネスパートナー、消費者を含む利用者、AIシステムの適切な運用をめぐる動向に詳しい有識者、NGO、労働組合などの様々なステークホルダーから、AIマネジメントシステムやその運用に対する意見を求めることを検討すべきである。そして、検討の結果、実施しないと判断した場合には、その理由を対外的に説明できるようにしておくべきである。
  • 行動目標6-1:AIシステムを開発・運用する企業は、経営層のリーダーシップの下、行動目標1-1から1-3について、適時に再評価、理解の更新、新たな視点の獲得などを行うべきである。なお、行動目標5-2を実施する際に、既存のAIマネジメントシステムやその運用だけではなく、環境・リスク分析を含め、AIガバナンス全体の見直しに向けた意見を得ることも検討すべきである。

~NEW~
総務省 苦情相談処理体制の在り方に関するタスクフォース(第3回)
▼資料3-1 苦情相談処理体制の検討について 運用体制について(事務局)
  • 第2回タスクフォースにおける主な意見
    • 類型化の中で、公平に取り上げられて解決がリアルに行われるもの、又は現状の仕組みだけではもう一歩足りないもので、何らか手を尽くした方が良いものを選択することが適切。
    • (業界の)専門家から見ると分かるが、一般利用者から見ると様々な要素が出てきて分からないものは、公平性の観点からも取り上げやすく、そのような事案から見ていくべき。
    • 業界団体の相談窓口でも一定割合で解決できない苦情がある。この点の解決方策を検討すべき。
    • 「解約忘れ」、「セット販売」のような苦情相談が最も多いため、少し深堀りして取り組むべき。CATVも点検商法による各種契約の苦情相談も入っており、複合的な契約案件も取り組むべき。
    • 対象範囲の明確化は必要だが、電気通信サービス、ICTの業界全体として責任分界の所在が複雑。重なる部分については、お互いに解決に取り組む姿勢が必要
    • 具体的なケース及びその類似事例について、事業者や消費者の責任の有無等の議論を積み重ねることで、ある程度、中立・公正なラインのイメージを共有し、前に進めて足並みを揃えるべき。
    • 「心当たりのない料金請求」(不調案件2、5、和解案件12)、「解約忘れ・解約の誤認」(不調案件7)等の現実にあった紛争について、国センADRの判断理由を、本TFの参加メンバーの間で評価し、具体的に議論することで、ADRの必要の有無等が見えてくる様々な事例を基に、事業者団体からも参加し、解決ができる仕組みを作っていくことで、業界における一定の基準ができる。基準作りのために解決の仕方、問題の取り上げ方について明確化した上で、機関を改めてどこに作るかの議論をすべき
    • 機関設置ありきというよりは、課題の明確化と検討の方向性をまず議論したい。次に、発生事案を、どういう優先順位で解決するか検討したほうがよい。類型的な事例、複数事業者が関わる事例、解決に至らない事例、それぞれどれを解決するかで、解決に向けたアプローチの仕方が変わる。
    • 事案の中身を細分化する必要があり、ICT関連の各レイヤーの消費者トラブルの発生状況、団体非会員に起因する事案、電気通信分野との複合事案が、どのような事例があって、苦情相談処理体制として困っているのか、もう少し幅広に現状を把握して対象範囲を検討してはどうか。
    • 5G、IoT時代を見据えて、今後どのような課題が想定されるかも必要な観点ではないか
    • 様々なADRシステムがあり、例えば損保が扱う金融商品は多岐にわたり、交通事故紛争は日弁連の交通事故相談センター(弁セ)や交通事故紛争処理センター(紛セ)での処理が多い。そんぽADRのうち交通事故に関する第三者性は、他の公益法人に委ねている面もある。どういう仕組みにするのか、様々なタイプのところを見ながら議論する必要がある。
    • 全員が入っている業界団体がない。会員ではないところのトラブルが多いのに、それは誰が対応するか。誰がどこまで責任を持つのかという、消費者側からは見えない点も明らかになって、どのように解決をしていくのかが分かると、消費者現場としてはとても有益。
    • ある類型の紛争が一定数あるとすれば、このような紛争解決組織が最低限必要等、解決すべき事案とあるべき組織論を交互に見比べながら議論することが適切。
    • 既存の消費者(顧客)対応の機関の各機能・役割を改めて精査した上で、連携・情報共有体制の改善等、運用面での工夫によって解決できる部分があるのではないか。
    • 利用者から見た中立性の確保が重要。統一的な処理体制をどう作るか。専門性とは具体的にはどういったことを指すのか
    • 必要な専門性とは特別なものではなく、事業を実施する者で、消費者側の視点を持っている方たちが参加すれば、早期の段階での解決も目指せるのではないか。
    • 国センADRでの解決に当たり、非常に苦労した。問題を整理し、解決するために合理的で適切な方法を、業界の皆で検討していただきたい。
    • 具体的なケース及びその類似事例について、事業者や消費者の責任の有無等の議論を積み重ねることで、ある程度、中立・公正なラインのイメージを共有し、前に進めることで足並みを揃えることが期待される。
    • 必要とされている専門性を明確にした上で、その専門性を有する機関から、専門性を必要とする機関に対して、支援や連携をすることで解決できないか。
  • イギリスの第三者機関
    • 通信法(2003年)に電気通信事業者の苦情・紛争処理手続等の設置義務等が規定されており、個人又は従業員10名以上の企業に対してサービスを提供する通信事業者は民間ADR手続への登録が義務となっている。
    • 民間ADR手続には、通信の他にエネルギー、不動産、著作権許諾に関する苦情を扱う非営利民間法人の「Ombudsman Services: Communications」(1,450以上の電気通信事業者が参加)と、通信に特化し弁護士等の事業者から独立した仲裁人が紛争を処理する「CISAS」(423事業者が参加)が存在。
    • 消費者は無償で制度を利用でき、事業者が民間ADR手続への参加料と事件ごとの手数料を負担。
    • 通信事業者の苦情処理手続を利用し、事業者に対して苦情を申し立ててから8週間が経過した場合、若しくは事業者がADRスキームを示した場合に、通信庁の承認を得た民間のADRサービスの利用が可能。
    • ADRサービス利用者は1万ポンドまでの賠償金の請求が可能
  • フランスの第三者機関
    • 電気通信事業に関する消費者保護を専門的に取り扱う機関として、2003年に設立された電気通信調停協会(AMCE)が運営する調停(Le Médiateur)がある。
    • 調停は、コンテンツに関するものを除く、加盟する電気通信サービス事業者とその顧客との間のすべての紛争を対象としており、協会には殆どの事業者(大手キャリアを含む52社(90ブランド))が加盟。
    • 行政機関である電子通信・郵便規制機関(ARCEP)および競争・消費・不正取引取締総局(DGCCRF)は、調停者の選任(任期は3年)や調停状況の調査に関与している。
    • 消費者は無償で調停制度を利用できる。
    • 電気通信事業者の苦情処理手続で解決しない場合、調停人に調停を申立て、原則3ヶ月以内に意見を提出。
  • オーストラリアの第三者機関
    • 電気通信事業における消費者保護に関する独立機関として、電気通信業界オンブズマン(TIO)が存在。電気通信(消費者保護及びサービス基準)法(1999年)に電気通信事業者のオンブズマン制度への参加義務等を規定。
    • 参加事業者は1,511者(2020年度末時点)
    • 行政機関である通信メディア庁(ACMA)は通信事業者のオンブズマン制度への参加プロセスに関与。TIOの判断に従わない事業者や違反を繰り返す事業者をACMAに通知し、ACMAが行政命令、違反通告等を行うことも可能。
    • 消費者は無償で制度を利用でき、事業者が苦情レベルに応じた手数料を負担。その他、事業者は苦情処理件数も加味したTIOの年会費を負担。
    • 紛争処理手続は、「苦情申立ての受付」、「事業者への案件照会」、「ファストトラック・プロセス」又は「案件管理(斡旋、調査、勧告、交渉等)」、「裁決」の段階に分けられる。TIOは裁決で10万豪ドルまでの賠償金の設定が可能。

~NEW~
総務省 プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関するワーキンググループ(第9回)
▼資料2 電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン改正案の概要
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-1-1利用目的の特定(法第15条第1項関係)」におけると同様に、「利用目的の特定の趣旨は、個人情報を取り扱う者が、個人情報がどのような事業の用に供され、どのような目的で利用されるかについて明確な認識を持ち、できるだけ具体的に明確にすることにより、個人情報が取り扱われる範囲を確定するとともに本人の予測を可能とすることである。」「本人から得た情報から、本人に関する行動・関心等の情報を分析する場合、どのような取扱いが行われているかを本人が予測・想定できる程度に利用目的を特定しなければならない。」旨を、個人情報保護委員会ガイドラインに記載されている事例と共に解説に記載。
  • これに加えて、本人に関する行動・関心等の情報を分析する「いわゆるプロファイリングが行われる場合、」と追記した上で、「特に、この分析により、2-4「要配慮個人情報」(法第2条第3項関係)の項目に相当する情報が生成される場合には、あらかじめ本人の同意を得ることが望ましい。これら情報について、本人の同意を取得することなく不必要に広告のセグメント情報として広告配信その他の行為に用いないようにすることが望ましい」ことを解説に追記
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-5個人データの漏えい等の報告等(法第22条の2関係)」と同様に、「漏えい等」の考え方において取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものを規定し、「漏えい等事案が発覚した場合に講ずべき措置」を規定する。また、「報告対象となる事態」、「報告義務の主体」、「速報」、「確報」、「通知の内容」、「通知の方法」、「通知の例外」等を解説に記載。
  • 報告対象として、個人情報保護委員会とともに個人情報保護委員会が法第147条第1項の規定により報告を受理する権限を所管大臣に委任している場合には、電気通信事業の場合には所管大臣が総務大臣となるためその旨を追記する。また、電気通信事業法第28条において通信の秘密の漏えいが生じた場合の総務大臣に対する報告義務が定められているためその旨を記載。
  • 個人データの漏えいに該当する事例として電気通信事業に該当する事例を追記。(事例:システムの設定ミスなどにより、回線解約対象者の個人データを含む登録情報が、同じ回線を引き継いだ利用者に閲覧可能な状態になった場合)
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-6-2オプトアウトによる第三者提供(法第27条第2項~第4項関係)」と同様に、オプトアウト規定により第三者に提供できる個人データの範囲を限定し、①不正取得された個人データ、②オプトアウト規定により提供された個人データについても対象外とすることを電気通信事業GLで規定すると共に、解説に事例を含め説明を記載。
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-6-4外国にある第三者への提供の制限(法第28条関係)」と同様に、電気通信事業GL第18条において外国にある第三者への個人データの提供時に、移転先事業者が所在する外国における個人情報の保護に関する制度、当該第三者が講ずる個人情報の保護のための措置その他参考となるべき情報の本人への提供を求めること等規定すると共に、解説において、ガイドライン(外国第三者提供編)を参照。
  • これに加えて、電気通信事業GL第18条や解説において、
    • 移転先の第三者が所在する外国が特定できない場合の本人への情報提供等の望ましい対応について、解説において記載。
    • 基準適合体制を整備している外国にある第三者に対して個人データを提供する場合には、提供の時点で、相当措置の実施に影響を及ぼすおそれのある外国の制度の有無及び内容を確認するとともに、当該制度が存在し、それにより当該第三者による相当措置の継続的な実施を確保の可否を適切かつ合理的な方法により確認しなければならない旨、規定を追加。
  • その他、「3-4個人データ等の管理」「3-4-6 委託先の監督(第13条第3項関係)」の解説において、「外国にある第三者に委託する場合、委託元は、委託先を通じて外国において個人データを取り扱うこととなるため、委託先が所在する外国の個人情報の保護に関する制度等を把握した上で、委託先の監督その他の安全管理措置を講じる必要がある」旨追記。
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-7個人関連情報の第三者提供の制限等」と同様に、個人関連情報について、提供先において「個人データとして取得する」ことが「想定される」第三者提供に関し、本人同意が得られていること等の確認・記録義務を電気通信事業GLに規定。
    ※個人関連情報の定義については「2-9(個人関連情報)」、個人関連情報取扱事業者の定義については、「2-10(個人関連情報取扱事業者)」に規定。
  • これに加えて、個人データとして取得することを「通常想定できる場合」に該当する例を解説に追記。事例)提供元の個人関連情報取扱事業者である電気通信事業者が、高精度又は連続した位置情報等を提供する際、提供先の第三者において当該個人関連情報を個人データと紐付けて利用することを念頭に、そのために用いるID等も併せて提供する場合
  • 「個人関連情報」に該当する事例として、以下を追加。
    • 事例)ある個人の契約者固有IDやある個人の利用する情報端末に係る端末識別子
    • 事例)情報収集モジュール等を通じて収集された、ある個人のアプリケーションの利用履歴や利用者端末情報
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-8 保有個人データに関する事項の公表等、保有個人データの開示・訂正等・利用停止等(法第32条関係)」と同様に、個人情報取扱事業者が保有個人データに関して本人の知り得る状態に置かなければならない事項として、住所及び(法人にあっては)代表者の氏名及び安全管理のために講じた措置を電気通信事業GLに追加すると共に、解説に記載。
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-8-1保有個人データに関する事項の公表等(法第32条関係)」と同様に、保有個人データの開示について、電磁的記録の提供による方法、書面の交付による方法その他当該電気通信事業者の定める方法による開示を本人が請求できることを電気通信事業GLで規定。
  • また同様に解説において、電磁的記録の提供による方法の事例、その他当該個人情報取扱事業者の定める方法の事例、当該方法による開示が困難である場合の事例等を記載。
  • これに加えて、本人がオンラインにより保有個人データの開示請求をすることができるよう開示請求を受け付ける方法を定めること等を、電気通信事業者による望ましい取組として解説に明記
  • 解説において、望ましい事例として下記を追記。
    • 事例)プライバシーポリシー等におけるリンク先からオンラインにより保有個人データの開示請求を受け付けるとともに、提供準備ができた段階で、本人に通知した上でオンラインにより提供する方法(電磁的記録を電子メールに添付して送信する方法や、専用サイトを通知して本人に当該サイト上で電磁的記録をダウンロードしてもらう方法等)
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-8-2保有個人データの開示(法第33条第1条~第4条)」と同様に、個人データの授受に関する第三者提供記録について、保有個人データの開示請求に関する規定を準用することにより、本人が開示請求できることを電気通信事業GLに規定すると共に、解説に事例含め説明を記載
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-8-5保有個人データの利用停止等(法第35条関係)」と同様に、利用停止・消去、第三者提供の停止に関する要件として、不正取得等の一部の法違反の場合に加えて、利用する必要がなくなった場合、報告義務の対象となる漏えい等事案が発生した場合、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合を電気通信事業GLに規定すると共に、解説に事例含め説明を記載
  • 「個人情報保護委員会ガイドライン」「3-10仮名加工情報取扱事業者(法第41条・法第42条関係)」と同様に、新たに仮名加工情報取扱事業者等の義務に関する規定を電気通信事業GLに設けるとともに、解説において、ガイドライン(仮名加工情報・匿名加工情報編)を参照。
  • 解説において、通信の秘密に関する情報が漏えい等した場合には、電気通信事業法第28条に基づく漏えい等報告が必要であること、通信の秘密に関する情報は、通信当事者の同意又は違法性阻却事由がある場合を除き、取得・利用・提供を行うことができないことを追記。併せて、仮名加工情報の作成の前に本人から同意を得ていた場合であっても、第三者提供が禁止されている点に留意が必要であることを、追記。
  • 既に電気通信事業GL第2条第1項の解説において域外適用される旨が明記されている。(電気通信事業法に基づく域外適用)。
    • 解説において、「個人情報保護委員会ガイドライン」「8 域外適用(法第166条関係)」と同様に、個人情報保護法に基づく域外適用についても記載を追加するとともに、域外適用の対象となる事例・ならない事例について記載。電気通信事業に関する事例を解説に追加。
    • (事例)外国のプラットフォーム事業者が、日本の利用者と日本のサービス提供者間又は日本の利用者と外国のサービス提供者間のサービス提供を相互のメッセージのやりとりを通じて仲介することに関連して、日本の利用者の個人情報を取り扱う場合

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