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  • 令和4年における組織犯罪の情勢(警察庁)/生物多様性国家戦略2023-2030(環境省)/令和5年第3回経済財政諮問会議(内閣府)/住環境における高齢者の安全等に関する調査(消費者庁)/誹謗中傷等の違法・有害情報への対策(総務省)

危機管理トピックス

令和4年における組織犯罪の情勢(警察庁)/生物多様性国家戦略2023-2030(環境省)/令和5年第3回経済財政諮問会議(内閣府)/住環境における高齢者の安全等に関する調査(消費者庁)/誹謗中傷等の違法・有害情報への対策(総務省)

2023.04.03
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更新日:2023年4月3日 新着33記事

ミーティングの様子

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 「気候変動リスク・機会の評価等に向けたシナリオ・データ関係機関懇談会」(第3回)議事次第
  • 無登録で暗号資産交換業を行う者について(Bitget Limited)
  • 無登録で暗号資産交換業を行う者について(MEXC Global)
  • 無登録で暗号資産交換業を行う者について(Bybit Fintech Limited)
  • 無登録で暗号資産交換業を行う者について(Bitforex Limited)
  • 「AIやICT技術を活用した経営改善支援の効率化に向けた調査・研究」に係る最終報告書の公表
警察庁
  • 家庭用ルーターの不正利用に関する注意喚起について
  • 令和4年における組織犯罪の情勢
内閣官房
  • 我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議
  • デジタル田園都市国家構想実現会議
消費者庁
  • 住環境における高齢者の安全等に関する調査
  • 消費者教育の推進に関する基本的な方針(基本方針)について
国民生活センター
  • なくならない 乳幼児による加熱式たばこの誤飲に注意
  • サンプルのはずが意図せぬ定期購入に
厚生労働省
  • 「副業・兼業に取り組む企業の事例について」を公表しました~副業・兼業に取り組む11社の事例を紹介~
  • 第10回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料
  • 厚生労働省を名乗るフィッシングサイトへの注意喚起について
経済産業省
  • ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します(輸出貿易管理令の一部を改正)
  • 「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定しました~本戦略の実現に向けた次のアクションを始動します~
  • 国内初!自動運転車に対するレベル4の認可を取得しました
  • 『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』を改訂しました
  • 令和4年中小企業実態基本調査(令和3年度決算実績)速報を取りまとめました
  • 「情報セキュリティサービス基準第3版」を公表しました
  • 日米重要鉱物サプライチェーン強化協定の署名
総務省
  • 労働力調査(基本集計) 2023年(令和5年)2月分結果の概要
  • 「インターネットトラブル事例集(2023年版)」の公表
  • 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ(第4回)配布資料
国土交通省
  • ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.4.0」を公表~ドローン物流の社会実装を推進します~
  • 「MaaS 関連データの連携に関するガイドライン」を改訂しました!~データ連携・利活用の高度化を後押し~
  • テレワーカーの割合は、昨年度からわずかに減少もほぼ同水準を維持!~令和4年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します~

~NEW~
首相官邸 観光立国推進閣僚会議
▼第19回 配布資料
  • 観光はコロナ禍を経ても成長戦略の柱、地域活性化の切り札。国際相互理解・国際平和にも重要な役割。
  • コロナによる変化やこれまでの課題を踏まえ、2025年(万博開催)に向け、我が国の観光を持続可能な形で復活させる。
  • 「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」をキーワードに、全国津々浦々に観光の恩恵を行きわたらせる。
  • 取り組む3つの戦略
    1. 持続可能な観光地域づくり戦略
      • 観光地・観光産業の再生・高付加価値化
      • 観光DX、観光人材の育成・確保
      • 自然、文化の保全と観光の両立等、持続可能な観光地域づくり
    2. インバウンド回復戦略
      • コンテンツ整備、受入環境整備
      • アウトバウンド・国際相互交流の促進
      • 高付加価値なインバウンドの誘致
    3. 国内交流拡大戦略
      • 国内需要喚起
      • ワーケーション、第2のふるさとづくり
      • 国内旅行需要の平準化
  • 目指す2025年の姿
    • 活力に満ちた地域社会の実現に向け、地域の社会・経済に好循環を生む「持続可能な観光地域づくり」が全国各地で進められ、観光の質の向上、観光産業の収益力・生産性の向上、交流人口・関係人口の拡大がコロナ前より進んだ形で観光が復活している
    • 万博の開催地である我が国が世界的潮流を捉えた観光地として脚光を浴び、「持続可能な観光」の先進地としても注目されている
  • 観光立国推進基本計画(第4次)(案)について(主な目標)
    • コロナによる変化やコロナ前からの課題を踏まえ質の向上を強調するとともに、地域の目標への引き直しやすさも考慮。
    • 今後の世界的なコロナの収束見通しが不透明であることも踏まえ、人数に依存しない指標を中心に設定。
  • 全国津々浦々で観光回復の起爆剤となる特別な体験等の創出や、観光コンテンツの高付加価値化を、集中的に実施。
  • 観光立国推進基本計画(第4次)(案)概要~持続可能な形での観光立国の復活に向けて~
    • 観光はコロナ禍を経ても成長戦略の柱、地域活性化の切り札。国際相互理解・国際平和にも重要な役割。
    • コロナによる変化やコロナ前からの課題を踏まえ、我が国の観光を持続可能な形で復活させる。
    • 大阪・関西万博も開催される2025年に向け、「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」をキーワードに、「持続可能な観光地域づくり」「インバウンド回復」「国内交流拡大」に戦略的に取り組み、全国津々浦々に観光の恩恵を行きわたらせる。

~NEW~
環境省 「生物多様性国家戦略2023-2030」の閣議決定について
  • 生物多様性国家戦略は、生物多様性条約第6条及び生物多様性基本法第11条の規定に基づく、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する政府の基本的な計画です。我が国は、平成7年に最初の生物多様性国家戦略を策定し、これまで4回の見直しを行ってきました。
  • 令和4年12月にカナダ・モントリオールにおいて開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)では、2010年に採択された愛知目標の後継となる、2030年までの世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、各国はそれを踏まえ生物多様性国家戦略を策定・改定することが求められました。
  • 我が国ではこれに先立ち生物多様性国家戦略の見直しの検討を進めてきており、令和3年8月19日付けで環境大臣より中央環境審議会会長に生物多様性国家戦略の変更について諮問し、同審議会自然環境部会及びその下に設置された生物多様性国家戦略小委員会において審議が行われ、パブリックコメント等を経て、令和5年3月16日付けで同審議会から答申が行われました。
  • この答申を踏まえ、本日令和5年3月31日(金)に「生物多様性国家戦略2023-2030」を閣議決定しました。
  • また、同戦略に掲げる目標の進捗を測る指標を、同年3月22日(水)に生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議において決定しましたので、併せて公表します。
▼生物多様性国家戦略2023-2030の概要
  • 位置づけ
    • 新たな世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に対応した戦略
    • 2030年のネイチャーポジティブ(自然再興)の実現を目指し、地球の持続可能性の土台であり人間の安全保障の根幹である生物多様性・自然資本を守り活用するための戦略
  • ポイント
    • 生物多様性損失と気候危機の「2つの危機」への統合的対応、ネイチャーポジティブ実現に向けた社会の根本的変革を強調
    • 30by30目標の達成等の取組により健全な生態系を確保し、自然の恵みを維持回復
    • 自然資本を守り活かす社会経済活動(自然や生態系への配慮や評価が組み込まれ、ネイチャーポジティブの駆動力となる取組)の推進
  • 構成・指標
    • 第1部(戦略)では、2030年のネイチャーポジティブの実現に向け、5つの基本戦略と、基本戦略ごとに状態目標(あるべき姿)(全15個)と行動目標(なすべき行動)(全25個)を設定
    • 第2部(行動計画)では、第1部で設定した25個の行動目標ごとに関係府省庁の関連する具体的施策(367施策)を整理
    • 各状態目標・行動目標の進捗を評価するための指標群を設定(昆明・モントリオール生物多様性枠組のヘッドライン指標にも対応する指標を含む)
  • 基本戦略1 生態系の健全性の回復
    • 状態目標1-1 全体として生態系の規模が増加し、質が向上することで健全性が回復している
    • 状態目標1-2 種レベルでの絶滅リスクが低減している
    • 状態目標1-3 遺伝的多様性が維持されている
    • 行動目標1-1 陸域及び海域の30%以上を保護地域及びOECMにより保全するとともに、それら地域の管理の有効性を強化する
    • 行動目標1-2 土地利用及び海域利用による生物多様性への負荷を軽減することで生態系の劣化を防ぐとともに、既に劣化した生態系の30%以上の再生を進め、生態系ネットワーク形成に資する施策を実施する
    • 行動目標1-3 汚染の削減(生物多様性への影響を減らすことを目的として排出の管理を行い、環境容量を考慮した適正な水準とする)や、侵略的外来種による負の影響の防止・削減(侵略的外来種の定着率を50%削減等)に資する施策を実施する
    • 行動目標1-4 気候変動による生物多様性に対する負の影響を最小化する
    • 行動目標1-5 希少野生動植物の法令に基づく保護を実施するとともに、野生生物の生息・生育状況を改善するための取組を進める
    • 行動目標1-6 遺伝的多様性の保全等を考慮した施策を実施する
  • 基本戦略2 自然を活用した社会課題の解決
    • 状態目標2-1 国民や地域がそれぞれの地域自然資源や文化を活用して活力を発揮できるよう生態系サービスが現状以上に向上している
    • 状態目標2-2 気候変動対策による生態系影響が抑えられるとともに、気候変動対策と生物多様性・生態系サービスのシナジー構築・トレードオフ緩和が行われている
    • 状態目標2-3 野生鳥獣との適切な距離が保たれ、鳥獣被害が緩和している
    • 行動目標2-1 生態系が有する機能の可視化や、一層の活用を推進する
    • 行動目標2-2 森・里・川・海のつながりや地域の伝統文化の存続に配慮しつつ自然を活かした地域づくりを推進する
    • 行動目標2-3 気候変動緩和・適応にも貢献する自然再生を推進するとともに、吸収源対策・温室効果ガス排出削減の観点から現状以上の生態系の保全と活用を進める
    • 行動目標2-4 再生可能エネルギー導入における生物多様性への配慮を推進する
    • 行動目標2-5 野生鳥獣との軋轢緩和に向けた取組を強化する
  • 基本戦略3 ネイチャーポジティブ経済の実現
    • 状態目標3-1 生物多様性の保全に資するESG投融資を推進し、生物多様性の保全に資する施策に対して適切に資源が配分されている状態
    • 目標3-2 事業活動による生物多様性への負の影響の低減、正の影響の拡大、企業や金融機関の生物多様性関連リスクの低減、及び持続可能な生産形態を確保するための行動の推進が着実に進んでいる
    • 状態目標3-3 持続可能な農林水産業が拡大している
    • 行動目標3-1 企業による生物多様性への依存度・影響の定量的評価、現状分析、科学に基づく目標設定、情報開示を促すとともに、金融機関・投資家による投融資を推進する基盤を整備し、投融資の観点から生物多様性を保全・回復する活動を推進する
    • 行動目標3-2 生物多様性保全に貢献する技術・サービスに対する支援を進める
    • 行動目標3-3 遺伝資源の利用に伴うABSを実施する
    • 行動目標3-4 みどりの食料システム戦略に掲げる化学農薬使用量(リスク換算)の低減や化学肥料使用量の低減、有機農業の推進などを含め、持続可能な環境保全型の農林水産業を拡大させる
  • 基本戦略4 生活・消費活動における生物多様性の価値の認識と行動(一人一人の行動変容)
    • 状態目標4-1 教育や普及啓発を通じて、生物多様性や人と自然のつながりを重要視する価値観が形成されている
    • 状態目標4-2 消費行動において、生物多様性への配慮が行われている
    • 状態目標4-3 自然環境を保全・再生する活動に対する国民の積極的な参加が行われている
    • 行動目標4-1 学校等における生物多様性に関する環境教育を推進する
    • 行動目標4-2 日常的に自然とふれあう機会を提供することで、自然の恩恵や自然と人との関わりなど様々な知識の習得や関心の醸成、人としての豊かな成長を図るとともに、人と動物の適切な関係についての考え方を普及させる
    • 行動目標4-3 国民に積極的かつ自主的な行動変容を促す
    • 行動目標4-4 食品ロスの半減及びその他の物質の廃棄を減少させることを含め、生物多様性に配慮した消費行動を促すため、生物多様性に配慮した選択肢を周知啓発するとともに、選択の機会を増加させ、インセンティブを提示する
    • 行動目標4-5 伝統文化や地域知・伝統知も活用しつつ地域における自然環境を保全・再生する活動を促進する
  • 基本戦略5 生物多様性に係る取組を支える基盤整備と国際連携の推進
    • 状態目標5-1 生物多様性の情報基盤が整備され、調査・研究成果や提供データ・ツールが様々なセクターで利活用されるとともに、生物多様性を考慮した空間計画下に置き、多様な空間スケールで様々な主体の連携が促進されている
    • 状態目標5-2 世界的な生物多様性保全に係る資金ギャップの改善に向け、生物多様性保全のための資金が確保されている
    • 状態目標5-3 我が国による途上国支援による能力構築等が進み、その結果が各国の施策に反映され、生物多様性の保全が進められている
    • 行動目標5-1 生物多様性と社会経済の統合や自然資本の国民勘定への統合を含めた関連分野における学術研究を推進するとともに、強固な体制に基づく長期的な基礎調査・モニタリング等を実施する
    • 行動目標5-2 効果的かつ効率的な生物多様性保全の推進、適正な政策立案や意思決定、活動への市民参加の促進を図るため、データの発信や活用に係る人材の育成やツールの提供を行う
    • 行動目標5-3 生物多様性地域戦略を含め、多様な主体の参画の下で統合的な取組を進めるための計画策定支援を強化する
    • 行動目標5-4 生物多様性に有害なインセンティブの特定・見直しの検討を含め、資源動員の強化に向けた取組を行う
    • 行動目標5-5 我が国の知見を活かした国際協力を進める

~NEW~
内閣府 令和5年第3回経済財政諮問会議
▼資料1 参考資料(成長と分配の好循環)(柳川議員提出資料
  • 「新しい資本主義」の経済学的意義
    • 持続的経済成長実現のため、安定的なマクロ経済運営の下、経済政策を効果的に活用し、政府が供給サイドに働きかけ、民間投資を喚起する取組が世界的に重要視されてきている。
    • その背景として、人への投資、GX、経済安全保障など、外部効果が大きく、過少投資となりやすい分野が、今後の成長のカギとなっていることがあげられる。
    • G7サミットでは、GXや経済安全保障など各国が共通して直面する課題を軸に、政府が供給サイドに働きかける「新しい資本主義」の重要性とこうした取組への国際連携の必要性を訴え、G7間での政策協調を進める契機にすべき。
    • 我が国においては、適切なポリシーミックスの下、これまでの需要創出策から転換し、こうした分野にリソースを集中していくべき。また、施策の手段は、最も効果的かつ持続的に成果が上げられるよう、補助金(歳出)だけでなく、税制、規制改革等の手段を適切に組み合わせるべき。
    • 施策の実施にあたっては、ワイズスペンディング等適切な施策を実現するため、事前のインパクト評価(EBPM)、事後の検証とその結果に基づく臨機応変な政策調整(PDCA)を徹底すべき
  • 「成長と分配の好循環の実現」の着実な推進に向けて
    • 成長と分配の好循環の実現には、成長の果実が賃金・所得として幅広く国民に還元されるとともに、社会課題の解決を通じた包摂的成長(Inclusive Growth)の実現により、国民生活の安心・安定を高め、好循環の持続性を高めていくことが重要。
    • そうした観点からは、人への投資が特に重要。ただしリスキリングなどの教育訓練分野のみならず、転職円滑化、働き方や雇用慣行改革など包括的な教育・労働市場改革を粘り強く進める必要。
    • こうした観点から、「成長と分配の好循環」の総合的な進捗状況について、従来のGDP、雇用・物価などマクロ経済の動きのみならず、成長・分配の両面から、多面的な経済主体の動きを定期的に確認してはどうか。
    • まずは、好循環の進捗を、以下のようないくつかの指標で、量的・質的観点からチェックし、その結果を施策にフィードバックすることで、好循環を持続・拡大すべき。
    • 成長
      • 一人当たり実質GDP・・・成長について、人口増減要因を省いた効果を確認
      • ウェルビーイング・・・経済社会の質を示す
    • 分配
      • 賃金・・・雇用者への分配を見ることで、一人当たり実質GDP成長率や労働生産性変化と比較
      • 中間層の所得割合・・・所得分布の偏り(格差)を評価
  • 「新しい資本主義」の経済学的意義
    • 過去のサプライサイド政策は、小さな政府・市場による経済活性化。他方、減税や市場任せでなく政府が一定の役割を果たすことが「モダン」の意義。政府が戦略を持って将来の成長に向けた取組を進めるべき。
    • 新しい資本主義は、社会的に望ましい価値を促進しながら、潜在成長率を引き上げる試み。MSSEよりも、スタートアップやGX等の政策アジェンダは総合的。
    • 米国モデルは、古典的産業政策であり多額の資金が必要。財政的な余裕がない日欧では、民間資金を上手く統合すべき。新しい資本主義の特徴は、GDPから所得にフォーカスしていること。
    • 我が国の状況は米国より欧州に近く、欧州のSocial Capitalismの方が近いのではないか。
    • 今後強化すべき分野・取組
    • 企業の異常な過剰貯蓄を、政府が明確な方向を示しながら呼び水となって、将来の課題解決や成長に資する投資に誘発させることが最大のポイント。
    • これまでの需給ギャップをどう埋めるかという議論からサプライサイドに政策目標をシフトして、生産性向上や技術革新、スタートアップ増加、労働参加率上昇などを目標とすべき。
    • 持続的成長のためには、技術進歩と無形資産の蓄積が効果的であり、無形資産の中では人が身に付けた技能が一番重要。
    • 規制緩和により、スタートアップやIT事業者・異業種などの新たな担い手からの新規参入を促し、新規性のあるイノベーションを発生させ、生産性を向上させるべき。
    • 人への投資や社会資本のマネジメントは、市場任せでは上手くいかない。新しい資本主義の特性は、人への投資。中小企業における人への投資の促進や個人ごとに異なるニーズへの対応を考えるべき。
    • バイデン流の環境改善のための公共投資や補助金政策は、相対的に経済規模の小さい日本では非効率であり、炭素税の導入が効果的。
    • 具体的施策の期待される効果を提示するとともに、事後に施策の費用対効果を検証すべき
  • 「人への投資」のための取組
    • 成長と分配の好循環の実現には、賃金の上昇が必要。名目・実質賃金、労働生産性、労働分配率、労働参加率などを政策運営中でチェックしていくべき。
    • 成長と分配の好循環の実現に必要で重要な要素は、配偶者や高齢世帯などへのリスキリングと就労促進による家計所得の向上。日本には、男女格差是正やデジタル活用、高齢社会への対応に潜在力あり。
    • 政府が、基礎研究への助成に加え、幼児教育を中心に良質な基礎教育を全ての子供に提供することが重要。
    • 転職が一般化する中で、終身雇用に基づかない新たな技能の蓄積のシステムを模索すべき。
    • 生産性の高い企業への労働者の移動の円滑化や転職者への思い切った支援により、労働市場の流動化を進め、労働分配率や生産性の高い企業のシェアを向上させるべき。
    • 都合の良い時間に働ける正社員の枠を思い切って拡大させることで、女性や非正規労働者の賃金を向上させるべき。
    • サービス産業の労働生産性を向上させるためには、有形資産投資を増やすことで資本装備率を上げることや、正規労働者・非正規労働者の差がない形で人への投資の支援を受けられるようにすることが必要。
  • 成長力強化に向けた取組
    • 高齢化が進む中でマクロの資金余剰は縮小することが予想される。対内直接投資が海外直接投資に比べて少ないこともデフレ要因。
    • 重要物資の生産拠点の空洞化への対応が重要。生産拠点の国内回帰や対内直接投資の促進に加え、エネルギーの自給率向上や、規制緩和による一次産業の生産性向上を通じた自給率向上を進めるべき。
    • 政府は古典的な中小企業支援政策から移行し、高い技術を有する中堅・中小企業の設備投資や研究開発投資、輸出の促進を支援するなど、成長企業支援にフォーカスした政策を積極的に導入すべき。
    • ベンチャー等の増加には、資金支援だけでなく、セーフティネットの充実にも取り組むべき。
▼資料7 持続的な成長と分配のためのマクロ経済政策(清滝信宏氏提出資料)
  • 新しい資本主義の経済的な意義
    • 市場経済は充実した社会資本により国民生活に安定と幸福をもたらす
    • 企業や個人の私的利益の追求は、公共の利益に貢献してこそ正当化され持続する
    • 社会資本には、制度資本、公共資本、自然資本がある 教育と医療は最も大事な制度資本 公共資本は拡大より維持が重要
    • どのように社会資本を充実させるかは、歴史的背景と国民の選択に依存
  • 持続的な成長と分配のためには教育と技能の蓄積が重要
    • すべての子供が良質の基礎教育を受けることは、高等教育や成人教育の支援より、生活水準の持続的向上に結びつく
    • 転職が一般化するなか、企業は終身雇用に基づかない新たな技能の蓄積のシステムを模索すべき。技能の蓄積は、民間の主導で行うのが効率的
    • 分配で一番大切なのは弱者を保護することで、富裕層・中間層の間の再配分ではない
    • 幼児に良質な医療と教育を提供する→少子高齢化対策としても有効
    • 老齢者に介護と年金を通じてセイフティネットを提供する
  • 日本の実情に応じた政策で成長と分配を持続させる
    • 日本経済の相対的規模が縮小するなか、開放経済のメリットを活かすことが重要
    • 日本の企業や人が海外に進出するとともに、海外の企業や人が日本に来ることが必要
    • バイデン流の環境改善のための公共投資や補助金政策は、相対的に経済規模の小さい日本では非効率
    • 政府は基礎研究を助成するとともに、炭素税を通じて地球環境の持続に貢献する

~NEW~
金融庁 「気候変動リスク・機会の評価等に向けたシナリオ・データ関係機関懇談会」(第3回)議事次第
▼資料3 日本取引所グループ資料
  • 公募ESG債に関し、発行体・評価機関・証券会社等のウェブサイトに点在する情報を集約・一元化し、発行当事者(発行体、主幹事証券会社)等の市場関係者の利便性及び視認性(公衆縦覧的機能)を向上
  • 「環境データを可能な限り自動的・電子的かつ継続的にデイリーベースで記録し、日々開示する仕組み」を構築することにより、発行会社・投資家双方の課題を解決。将来的にはサステナビリティ・リンク・ボンドへの適用など、複雑な計算を要する金融商品を低コストで運用できる可能性
  • 投資家向け閲覧WEB画面ではグリーン性指標のダウンロードが可能。投資家は本ウェブサイトから、いつでも好きなタイミングでデータを取得することができる
  • DATAZORA社と協働し、東証上場会社各社のウェブサイト上で開示されているESG関連情報の掲載URL等を収集して、投資家や株主等が一元的に情報検索・閲覧を行うことができるウェブサイト「JPX上場会社ESG情報WEB(ベータ版)」を公開
    1. 開発の背景
      • ESG報告書(統合報告書・CSR報告書等)は約1,000社の東証上場会社が任意で作成・開示しているが、TDnetを通じた任意開示は400社程度に留まる
      • その他、何らかの形で上記以外のESG関連情報を約3,800社が開示
      • 一元的に全社の情報を収集できるサイトが存在しないために、投資家等は各上場会社のウェブサイトを個別に確認せざるを得ず、情報収集に多大なコストと手間がかかる
      • 他の開示情報と同様、掲載ファイルをよりデジタルな形で取得したいというニーズも存在
    2. JPX上場会社ESG情報WEBの利用後の想定
      • 上場会社は追加的な作業が不要でESG情報の発信が可能
      • URL/表題/公表日付等が一覧表示されるため、投資家等はESG情報収集の手間を省くことが可能(無償)
      • 更に細かい情報をデジタルな形で取得したい利用者に向けては、有償サービスを提供

~NEW~
金融庁 無登録で暗号資産交換業を行う者について(Bitget Limited)
  • 無登録で暗号資産交換業を行う者について、事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係16.暗号資産交換業者関係Ⅲ-1-6(2)②に基づき、本日、警告を行いましたので、下記のとおり公表いたします。
    • 業者名等:Bitget Limited
    • 代表者 不明
    • 所在地:シンガポール共和国
    • 内容等:インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの
    • 備考:インターネット上で暗号資産取引を行っている「Bitget」を運営している。
      • ※上記は、インターネット上の情報に基づいて記載しており、「業者名等」「所在地」は、現時点のものでない可能性があります。

~NEW~
金融庁 無登録で暗号資産交換業を行う者について(MEXC Global)
  • 無登録で暗号資産交換業を行う者について、事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係16.暗号資産交換業者関係Ⅲ-1-6(2)②に基づき、本日、警告を行いましたので、下記のとおり公表いたします。
    • 業者名等:MEXC Global
    • 代表者 不明
    • 所在地:シンガポール共和国
    • 内容等:インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの
    • 備考:インターネット上で暗号資産取引を行っている「MEXC」を運営している。
      • ※上記は、インターネット上の情報に基づいて記載しており、「業者名等」「所在地」は、現時点のものでない可能性があります。

~NEW~
金融庁 無登録で暗号資産交換業を行う者について(Bybit Fintech Limited)
  • 無登録で暗号資産交換業を行う者について、事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係16.暗号資産交換業者関係Ⅲ-1-6(2)②に基づき、本日、警告を行いましたので、下記のとおり公表いたします。
    • 業者名等:Bybit Fitech Limited
    • 代表者 Ben Zhou
    • 所在地:Macdonald House 40A Orchard Road, Singapore
    • 内容等:インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの
    • 備考:インターネット上で暗号資産取引を行っている「Bybit」を運営している。
      • ※上記は、インターネット上の情報に基づいて記載しており、「業者名等」「所在地」は、現時点のものでない可能性があります。

~NEW~
金融庁 無登録で暗号資産交換業を行う者について(Bitforex Limited)
  • 無登録で暗号資産交換業を行う者について、事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係16.暗号資産交換業者関係Ⅲ-1-6(2)②に基づき、本日、警告を行いましたので、下記のとおり公表いたします。
    • 業者名等:Bitforex Limited
    • 代表者 Jason Luo
    • 所在地:セーシェル共和国
    • 内容等:インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの
    • 備考:インターネット上で暗号資産取引を行っている「Bitforex」を運営している。また、所在地について「香港」「シンガポール」とする資料が確認されている。
      • ※上記は、インターネット上の情報に基づいて記載しており、「業者名等」「所在地」は、現時点のものでない可能性があります。

~NEW~
金融庁 「AIやICT技術を活用した経営改善支援の効率化に向けた調査・研究」に係る最終報告書の公表
▼「AIやICT技術を活用した経営改善支援の効率化に向けた調査・研究」に係る最終報告書の公表
  • エグゼクティブサマリー
    • 本調査・研究は、AI等のデジタル技術を活用して、業況悪化の兆候が見られるような経営改善支援が必要な先を発見し、早期の経営改善支援等を行うことで、事業者の経営改善・事業再生を促していくことを目指すため令和4年4月に開始した
    • 当該目的を達成するため現在の経営改善支援実務の課題に基づき「AI技術を活用した新業務フロー案」を策定し、新業務フロー案を実現するため、(1)AIモデルの開発、(2)金融機関との実証事業、(3)金融機関とのワークショップ、という流れで事業を行うこととした
    • また、事業の実効性を高めるため、学術経験者・実務家・AI専門家などを委員とした「AIを活用した経営改善支援に係る研究会(AI活用研究会)」を開催し、当該研究会での意見を参考に検討を進めた
    • AIモデルの開発では、経営改善が必要となる先(業績が悪化する先)を早期発見すること及び経営改善の可能性が高い企業を発見することいった「モデル開発コンセプトの確定」、それを実現するための、「モデル母集団の定義」・「教師ラベルの定義」・「アルゴリズムの選定」を行い、本調査・研究で開発するAIモデルの要件定義を行った
    • 同時に、AIモデル開発に必要なデータを確保するため4つの共同研究先からの協力を得て、策定した要件定義通りのAIモデルの開発が可能となった
    • 開発するAIモデルが本調査の目的を達成し得るよう、AIモデル開発計画の策定、AIモデルの評価指標の設定やデータクレンジング、説明変数の作成等を実施した
    • それぞれの開発コンセプトごとにAIモデルを開発した結果、概ね実務適用可能な水準のモデル精度が実現した
    • また、AIモデルの解釈性や説明力の向上のため、研究会において出力結果のあり方についても検討し、経営改善支援の実務に組み込むことが可能なAI出力イメージの具体化が実現した
    • その後、開発したAIモデルが実際の金融機関データにおいても有効に機能するか確認するため、横浜銀行・栃木銀行・浜松いわた信用金庫、大東京信用組合の4機関の協力を得て、実際の金融機関データを用いたAIモデルの検証(実証事業)を実施し、結果に対する意見も伺ったところ、概ね実務に適用可能な精度レベルをクリアしており、本調査にて採用したアプローチが有効であることが立証された
    • あわせて、本モデルを実務適用に結びつけるため、上記4機関とワークショップを実施した。ワークショップでは、AIモデルを活用することで、定量基準での支援先の選定や支援先の捕捉範囲の拡大により、支援業務が効率的・効果的に行える可能性があるとの示唆が得られた
    • 一方、導入にあたっては、既存業務やシステム、既存モデルとの親和性や、導入にかかるコスト等を鑑みながら、規程類などの体制整備も行うことが必要との意見も聞かれたため、まずは、本部等の部署でトライアル的に導入し、精度検証を繰り返しながら、導入範囲を少しずつ拡大していくというアプローチが有効であるとの意見も聞かれた
    • 上記の研究結果や課題を踏まえ、次年度以降は実際の金融機関での実用化やモデルの高度化に向けて、さらなる調査・研究を進めていく予定である

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警察庁 家庭用ルーターの不正利用に関する注意喚起について
  • サイバー攻撃事案の捜査の過程で、家庭用ルーター(以下「ルーター」という。)がサイバー攻撃に悪用され、従来の対策のみでは対応できないことが判明したことから、警察では、複数の関係メーカーと協力し、官民一体となって注意喚起いたします。
    1. 使用された手法
      • 今回確認された手法は、一般家庭で利用されているルーターを、サイバー攻撃者が外部から不正に操作して搭載機能を有効化するもので、一度設定を変更されると従来の対策のみでは不正な状態は解消されず、永続的に不正利用可能な状態となってしまう手法です。
    2. 推奨する対応
      • 従来の対策である「初期設定の単純なIDやパスワードは変更する」「常に最新のファームウェアを使用する」「サポートが終了したルーターは買換えを検討する」に加え、新たな対策として、「見覚えのない設定変更がなされていないか定期的に確認する」をお願いします。
      • 具体的には、ルーターの管理画面で次の事項を定期的に確認し、問題があった場合には、その都度是正するようお願いします。
        1. 見覚えのない「VPN機能設定」や「DDNS機能設定」、「インターネット(外部)からルーターの管理画面への接続設定」の有効化がされていないか確認する。
        2. VPN機能設定に見覚えのないVPNアカウントが追加されていないか確認する。
        3. 見覚えのない設定があった場合、ルーターの初期化を行い、ファームウェアを最新に更新した上、機器のパスワードを複雑なものに変更する。
          • ※ルーターの設定の詳細については、取扱説明書やメーカーのホームページを確認してください。
      • また、メーカーのサポートが終了したルーターは、機器の脆弱性を改善するためのファームウェアの更新が行われず、さらにセキュリティのリスクが高まるので、買換えの検討をお願いします

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警察庁 令和4年における組織犯罪の情勢
  • 六代目山口組と神戸山口組の対立抗争の激化を受け、令和2年1月、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴力団対策法」という。)に基づき、特に警戒を要する区域(以下「警戒区域」という。)等を定めて両団体が「特定抗争指定暴力団等」に指定された後も、両団体の対立抗争は継続していることから、両団体の特定抗争指定の期限を延長するとともに、警戒区域を見直し、情勢に応じた措置を講じている。
  • こうした中、六代目山口組と、神戸山口組から離脱した池田組との間で対立抗争が発生し、令和4年12月、両団体を「特定抗争指定暴力団等」に指定した。
  • 今後も引き続き、市民生活の安全確保に向け、必要な警戒や取締りの徹底に加え、暴力団対策法の効果的な活用等により事件の続発防止を図るとともに、各団体の弱体化及び壊滅に向けた取組を推進していくこととしている。
  • さらに、工藤會については、平成24年12月に「特定危険指定暴力団等」に指定し、以降1年ごとに指定の期限を延長しているところ、令和4年12月には10回目の延長を行った。
  • これまで工藤會に対する集中的な取締り等を推進してきた結果、主要幹部を長期にわたり社会隔離するとともに、その拠点である事務所も相次いで閉鎖されるなどした。そうした中、令和3年8月には、福岡地方裁判所において、工藤會総裁に対する死刑等の判決が出されるなど、工藤會の組織基盤等に相当の打撃を与えている。
  • 今後も、未解決事件の捜査をはじめとした取締りや資金源対策を強力に進めるとともに、工藤會による違法行為の被害者等が提起する損害賠償請求訴訟等に対する必要な支援や離脱者の社会復帰対策を更に推進していくこととしている。
  • このほか、暴力団排除の取組を一層進展させるため、暴力団排除に取り組む事業者に対する暴力団情報の適切な提供や保護対策の強化等に取り組んでいる
    • 暴力団構成員及び準構成員等(以下、この項において「暴力団構成員等」という。)の数は、平成17年以降減少し、令和4年末現在で2万2,400人注1となっている。このうち、暴力団構成員の数は1万1,400人、準構成員等の数は1万1,000人となっている。
    • また、主要団体等注2(六代目山口組、神戸山口組、絆會及び池田組並びに住吉会及び稲川会。以下同じ。)の暴力団構成員等の数は1万6,100人(全暴力団構成員等の71.9%)となっており、このうち暴力団構成員の数は8,500人(全暴力団構成員の74.6%)となっている
    • 準暴力団とは、暴力団のような明確な組織構造は有しないものの、これに属する者が集団的又は常習的に暴力的不法行為等を行っている、暴力団に準ずる集団である。近年、準暴力団やこれに準ずる集団(以下「準暴力団等」という。)に属する者が、暴力団等犯罪組織と共存共栄しながら、特殊詐欺等の違法な資金獲得活動を活発化させている実態がみられるほか、こうして得た資金を元手に、性風俗、芸能(AV等)、スカウト等に進出し、マネー・ローンダリングを行ったり、特殊詐欺の人材供給源となっている実態もうかがえる。
    • 警察では、準暴力団等の動向を踏まえ、繁華街・歓楽街対策、特殊詐欺対策、組織窃盗対策、暴走族対策、少年非行対策等の関係部門間における連携を強化し、準暴力団等に係る事案を把握等した場合の情報共有を行い、部門の垣根を越えた実態解明の徹底に加え、あらゆる法令を駆使した取締りの強化に努めている。
    • 事例
      1. 暴行を加えて緊縛等した逮捕監禁致傷等事件(令和4年8月、警視庁、福岡)
        • 五代目工藤會傘下組織組員は、自らがリーダーとなっている集団のメンバーらとともに、令和4年5月、知人の男性を車両後部座席に乗車させ、同男性の顔面等を殴るなどの暴行を加えて負傷させるとともに、同男性の両手首等を結束バンド等で緊縛し、同男性の目等を粘着テープで塞ぎ、同車からの脱出を不能にした。さらに、これらの暴行等により反抗を抑圧されている男性から腕時計等を強取した事件について、同年8月までに、同組員ら5人を逮捕監禁罪等で逮捕した。
      2. 親族を装って高齢者から現金をだまし取った特殊詐欺事件(令和4年10月、長野)
        • 暴力団と関係を有する集団のメンバーである男らが、令和2年10月、高齢者に対し、親族を装って株取引の損失補填のために現金が至急必要である旨のうそを言って現金を要求し、これを信じた高齢者から現金300万円をだまし取った事件について、令和4年10月までに、同男ら3人を詐欺罪で逮捕した。
      3. 暴力団を名乗り集団で凶器を使用した傷害事件(令和4年5月、大阪)
        • 凶器準備集合等の事件を起こしたことがある集団のメンバーである男らが、令和4年1月、路上においてトラブル関係にあった男性を取り囲み、自らが暴力団組員であると称するなどして脅した上で催涙スプレーを噴射し、さらに、金属製ポールで身体を複数回殴るなどの暴行を加えて負傷させた事件について、同年5月までに、同男ら6人を傷害罪で逮捕した。
      4. 美人局による恐喝事件(令和4年8月、群馬)
        • 暴力団と関係を有する集団のメンバーである男らが、知人の女と援助交際を行ったなどと因縁をつけて男性から現金を脅し取ろうと考え、令和4年3月、群馬県内の駐車場において、同男性に対し「人の彼女になに手を出してんだよ」「警察呼ぶか」「示談するにしても100万円以上だぞ」などと言って現金を要求し、同男性から現金約25万円を脅し取った事件について、同年8月、同男ら4人を恐喝罪で逮捕した。
    • 総会屋及び会社ゴロ等(会社ゴロ及び新聞ゴロをいう。以下同じ。)の数は、令和4年末現在、920人と近年減少傾向にある
    • 社会運動等標ぼうゴロ(社会運動標ぼうゴロ及び政治活動標ぼうゴロをいう。以下同じ。)の数は、令和4年末現在、4,620人と近年減少傾向にある
    • 近年、暴力団構成員等(暴力団構成員及び準構成員その他の周辺者をいう。以下同じ。)の検挙人員は減少傾向にあり、令和4年においては、9,903人である。主な罪種別では、覚醒剤取締法違反(麻薬特例法違反は含まない。以下同じ。)が2,141人、詐欺が1,424人、傷害が1,142人、窃盗が847人、恐喝が453人で、前年に比べそれぞれ844人、131人、211人、161人、3人減少している。
    • 暴力団構成員等の検挙人員のうち、構成員は2,129人、準構成員その他の周辺者は7,774人で前年に比べいずれも減少している。
    • また、暴力団構成員等の検挙件数についても近年減少傾向にあり、令和4年においては、16,834件である。主な罪種別では、窃盗が5,482件、覚醒剤取締法違反が3,224件、傷害が1,012件、恐喝が352件で、前年に比べそれぞれ530件、1,288件、107件、39件減少している一方、詐欺が1,986件で、前年に比べ53件増加している。
    • 近年、暴力団構成員等の検挙人員のうち、主要団体等の暴力団構成員等が占める割合は約8割で推移しており、令和4年においても、8,003人で80.8%を占めている。なかでも、六代目山口組の暴力団構成員等の検挙人員は4,089人と、暴力団構成員等の検挙人員の約4割を占めている。
    • 六代目山口組は平成27年8月末の分裂後も引き続き最大の暴力団であり、その弱体化を図るため、六代目山口組を事実上支配している弘道会及びその傘下組織に対する集中した取締りを行っている。令和4年においては、六代目山口組直系組長等12人、弘道会直系組長等9人、弘道会直系組織幹部(弘道会直系組長等を除く。)30人を検挙している。
    • 令和4年においては、対立抗争に起因するとみられる事件は17件発生している。これらは、六代目山口組と神戸山口組との対立抗争に関するもの及び六代目山口組と池田組との対立抗争に関するものであり、銃器を使用した事件が住宅街で発生するなど、地域社会に対する大きな脅威となっている。
    • 暴力団等によるとみられる銃器発砲事件は、令和4年においては6件発生し、これらの事件による死者は2人で、負傷者は1人である。暴力団等によるとみられる銃器発砲事件は、依然として市民の身近な場所で発生しており、地域社会の大きな脅威となっている。
    • 暴力団からの拳銃押収丁数は、令和4年においては、34丁と前年に比べ増加しており、組織別でみると、六代目山口組が17丁(割合50.0%)、稲川会が4丁(同11.8%)、住吉会が2丁(同5.9%)、神戸山口組が1丁(同2.9%)、その他が10丁(同29.4%)となっている。依然として、暴力団が拳銃を自宅や事務所以外の場所に保管するなど、巧妙に隠匿している実態がうかがえる。
    • 令和4年における暴力団構成員等に対する組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)の加重処罰関係の規定の適用状況については、組織的な犯罪の加重処罰について規定した第3条違反の検挙事件数は4件であり、組織的な犯罪に係る犯人蔵匿等について規定した第7条違反の検挙事件数は1件であった。
    • 暴力団構成員等の検挙状況を主要罪種別にみると、暴力団構成員等の総検挙人員に占める詐欺の割合は、過去10年にわたり10%前後で推移している。令和4年においては、14.4%と過去10年で最も高い割合であり、詐欺による資金獲得活動が定着化している状況がうかがえる。特に、近年、暴力団構成員等が主導的な立場で特殊詐欺に深く関与し、有力な資金源の一つとしている実態が認められる。その他、金融業、建設業、労働者供給事業、風俗営業等に関連する資金獲得犯罪が行われており、依然として多種多様な資金獲得活動を行っていることがうかがえる。
    • 令和4年における暴力団構成員等に係る組織的犯罪処罰法のマネー・ローンダリング関係の規定の適用状況については、法人等事業経営支配について規定した同法第9条違反事件数が1件、犯罪収益等隠匿について規定した同法第10条違反事件数が43件、犯罪収益等収受について規定した同法第11条違反事件数が18件である。また、同法第23条に規定する起訴前の没収保全命令の適用事件数は19件である。
    • 近年、暴力団が資金を獲得する手段の一つとして、詐欺、特に特殊詐欺を行っている実態が認められる。
    • 暴力団は、暴力団を利用する企業と結託するなどして、金融業、建設業等の各種事業活動に進出し、暴力団の威力を背景としつつも一般の経済取引を装い、様々な犯罪を引き起こしている。
    • 令和4年における暴力団構成員等、総会屋、会社ゴロ等及び社会運動等標ぼうゴロによる企業対象暴力及び行政対象暴力事犯の検挙件数は566件となっており、このうち、企業対象暴力事犯は168件、行政対象暴力事犯は398件となっている。また、総会屋、会社ゴロ等及び社会運動等標ぼうゴロの検挙人員は77人、検挙件数は50件である。依然として暴力団構成員等が、企業や行政に対して威力を示すなどして、不当な要求を行っている実態がうかがえる。
    • 令和4年における暴力団等に係る金融・不良債権関連事犯の検挙事件数は8件であり、企業融資等に関する融資詐欺事件といった融資過程におけるものが7件、債権回収過程におけるものが1件(強制執行妨害目的財産損壊等事件)であった。
    • 令和4年における中止命令の発出件数は、877件と前年に比べ11件増加している。態別では、資金獲得活動である暴力的要求行為(暴力団対策法第9条)に対するものが570件と全体の65.0%を、加入強要・脱退妨害(同法第16条)に対するものが97件と全体の11.1%を、それぞれ占めている。暴力的要求行為(同法第9条)に対する中止命令570件を条項別にみると、不当贈与要求(同条第2号)に対するものが361件、みかじめ料要求(同条第4号)に対するものが37件、用心棒料等要求(同条第5号)に対するものが124件となっている。また、加入強要・脱退妨害(同法第16条)に対する中止命令の発出件数を条項別にみると、少年に対する加入強要・脱退妨害(同条第1項)が7件、威迫による加入強要・脱退妨害(同条第2項)が81件、密接交際者に対する加入強要・脱退妨害(同条第3項)が9件となっている。団体別では、住吉会に対するものが279件と最も多く、全体の31.8%を占め、次いで六代目山口組175件、稲川会123件、二代目東組22件の順となっている。
    • 近年、再発防止命令の発出件数は減少傾向にあり、令和4年においては32件と前年に比べ5件減少している。形態別では、資金獲得活動である暴力的要求行為(暴力団対策法第9条)に対するものが24件と全体の75.0%を占めているほか、準暴力的要求行為(同法第12条の5)に対するものが3件となっている。
    • 令和4年における損害賠償請求等の妨害についての防止命令の発出件数は9件である。団体別では、神戸山口組に対するものが4件、六代目山口組に対するものが3件、稲川会に対するものが2件となっている。
    • 令和4年における縄張に係る禁止行為についての防止命令の発出件数は3件である。団体別では、六代目山口組に対するものが2件、稲川会に対するものが1件となっている。
    • 令和4年における暴力行為の賞揚等についての禁止命令の発出件数は57件である。団体別では六代目山口組に対するものが53件、工藤會及び道仁会に対するものがそれぞれ2件となっている。
    • 令和4年における事務所使用制限命令の発出件数は5件である。団体別では、六代目山口組及び池田組に対するものがそれぞれ2件、工藤會に対するものが1件となっている。
    • 令和4年における命令違反事件の検挙件数は3件である。形態別では、再発防止命令違反が2件、中止命令違反が1件となっている。
    • 平成23年10月までに全ての都道府県において暴力団排除条例が施行されており、各都道府県は、条例の効果的な運用を行っている。なお、市町村における条例については、令和4年末までに46都道府県内の全市町村で制定されている。
    • 各都道府県においては、条例に基づいた勧告等を実施している。令和4年における実施件数は、勧告38件、指導3件、中止命令10件、再発防止命令4件、検挙14件となっている。
    • 警察においては、都道府県暴力追放運動推進センター(以下「都道府県センター」という。)、弁護士会民事介入暴力対策委員会(以下「民暴委員会」という。)等と連携し、暴力団員等が行う違法・不当な行為の被害者等が提起する損害賠償請求等に対して必要な支援を行っている。
    • 警察においては、都道府県センター、民暴委員会等と連携し、住民運動に基づく暴力団事務所の明渡請求訴訟等について、必要な支援を行っている。
    • 都道府県センターでは、暴力団が関係する多種多様な事案についての相談を受理し、暴力団による被害の防止・回復等に向けた指導・助言を行っている。令和4年中の暴力団関係相談の受理件数は4万2,005件であり、このうち警察で1万7,601件、都道府県センターで2万4,404件を受理した。
    • 都道府県センターでは、都道府県公安委員会からの委託を受け、各事業所の不当要求防止責任者に対し、暴力団等からの不当要求による被害を防止するために必要な対応要領等の講習を実施している。令和3年度中に実施された不当要求防止責任者講習の開催回数は1,415回、同講習の受講人数は延べ5万5,898人であった。
    • 都道府県センターは、適格都道府県センターとして国家公安委員会の認定を受けることで、指定暴力団等の事務所の使用により生活の平穏等が違法に害されていることを理由として、当該事務所の使用及びこれに付随する行為の差止めを請求しようとする付近住民等から委託を受け、当該委託をした者のために自己の名をもって、当該事務所の使用及びこれに付随する行為の差止めの請求を行うことができることとなる。平成26年7月までに全ての都道府県センターが適格都道府県センターとしての認定を受けている。
    • 令和4年中、警察及び都道府県センターが援助の措置等を行うことにより暴力団から離脱することができた暴力団員の数については、約360人となっている。また、令和4年中、警察、都道府県センター、関係機関・団体等から構成される社会復帰対策協議会を通じて就労した者の数については、26人となっている。令和4年2月には、警察庁において、暴力団から離脱した者の預貯金口座の開設に向けた支援策を策定した。同支援策により口座開設に至った件数は、令和4年12月末までに、7件となっている。
  • 令和4年における薬物情勢の特徴としては、以下のことが挙げられる。
    • 薬物事犯の検挙人員は、近年横ばいが続く中、1万2,142人と前年より減少した。このうち、覚醒剤事犯の検挙人員は6,124人と前年より大幅に減少し、第三次覚醒剤乱用期のピークであった平成9年の1万9,722人から長期的に減少傾向にある。
    • 大麻事犯の検挙人員は、平成26年以降増加が続いていたが、令和4年は5,342人と過去最多であった前年を下回った。営利犯検挙人員は、近年横ばいが続く中、1,028人と前年より増加した。このうち、暴力団構成員等によるものは減少し、外国人によるものは増加した。
    • 覚醒剤事犯の営利犯検挙人員は450人と前年よりやや減少したものの、暴力団構成員等の同人員は4割以上を占めている。また、大麻事犯の営利犯検挙人員は、近年増加傾向がみられるところ、436人と前年より増加した。このうち、暴力団構成員等は105人、外国人は40人であった。
    • 薬物別総押収量は、覚醒剤が289.0キログラム、乾燥大麻は289.6キログラムといずれも前年より大きく減少した一方、大麻濃縮物が74.0キログラムと前年より大幅に増加した。
  • 以上のとおり、営利目的の覚醒剤事犯に占める暴力団構成員等の割合が高いことや、外国人が営利目的で敢行した薬物事犯が増加している現状から、依然として、その背後にある暴力団や外国人犯罪組織等と薬物事犯との深い関与がうかがわれるところ、引き続き、密輸入・密売関連事犯等の営利犯の検挙による薬物供給網の遮断に取り組むこととしている。
  • また、大麻事犯の検挙人員は、過去最多を記録した前年に続く高い水準にあり、引き続き、厳正な取締りに加え、若年層による乱用防止を主な目的として、インターネット上での違法情報・有害情報の排除や広報啓発活動を推進することとしている
    • 覚醒剤事犯の検挙人員の35.7%(2,186人)を暴力団構成員等が占める。組織別では、六代目山口組、神戸山口組、絆會、池田組、住吉会及び稲川会の主要団体等で、覚醒剤事犯に係る暴力団構成員等の全検挙人員の76.3%を占めている
    • 大麻事犯の検挙人員の12.1%(648人)を暴力団構成員等が占めている。組織別では、六代目山口組、神戸山口組、絆會、池
    • 田組、住吉会及び稲川会の主要団体等で、大麻事犯に係る暴力団構成員等の全検挙人員の75.2%を占めている。
    • 暴力団構成員等による覚醒剤事犯の営利犯検挙人員は191人と覚醒剤事犯の全営利犯検挙人員(450人)の42.4%を占めている。また、暴力団構成員等による覚醒剤密売関連事犯の検挙人員は150人と、覚醒剤密売関連事犯の全検挙人員(280人)の53.6%を占めており、依然として、覚醒剤密売等による犯罪収益が暴力団の資金源として定着している状況がうかがえる。
    • 暴力団構成員等による大麻事犯の営利犯検挙人員は105人と同検挙人員全体(436人)の24.1%を占めている。また、暴力団構成員等による営利目的大麻栽培事犯の検挙人員は27人と同事犯検挙人員全体(85人)の31.8%を占めており、大麻の密輸入・密売のみならず、栽培への一定の暴力団の関与もうかがわれる。
    • 外国人による覚醒剤事犯の営利犯検挙人員は97人で、覚醒剤事犯の全営利犯検挙人員(450人)の21.6%を占めている。国籍・地域別では、最多はベトナム14人、次いで中国13人、ナイジェリア9人となっている。違反態様別では、密輸入事犯が76人(構成比率78.4%)、密売関連事犯が21人(同21.6%)となっている。
    • 外国人による大麻事犯の営利犯検挙人員は40人で、大麻事犯の全営利犯検挙人員(436人)の9.2%を占めている。国籍・地域別では、最多はベトナム17人、次いでブラジル11人、韓国7人となっている。違反態様別では、密売関連事犯が18人(構成比率45.0%)、密輸入事犯が15人(同37.5%)、栽培事犯が7人(同17.5%)となっている。
    • 覚醒剤の密売関連事犯の検挙人員は280人で、このうち暴力団構成員等は150人(構成比率53.6%)となっており、覚醒剤密売に係る犯罪収益が暴力団の資金源となっている実態がうかがわれる。また、外国人は21人(同7.5%)と前年よりやや減少した。
    • 大麻の密売関連事犯の検挙人員は305人で、このうち暴力団構成員等は61人(構成比率20.0%)となっており、その割合は覚醒剤の密売関連事犯に比べて低いものの、大麻密売に係る犯罪収益も暴力団の資金源となっている状況がうかがわれる。また、外国人は18人(同5.9%)と前年より減少した。
    • 薬物密輸入事犯の検挙件数は294件と前年より大幅に増加した。薬物事犯別では、覚醒剤事犯は129件、麻薬及び向精神薬事犯は104件といずれも前年より増加した一方、大麻事犯は61件と前年より減少した。また、薬物密輸入事犯の検挙人員に占める外国人の割合は54.0%、MDMA等合成麻薬では86.7%と非常に高く、薬物押収量の多寡や検挙実態などから、同事犯に海外の薬物犯罪組織が深く関与していることがうかがわれる。
    • 密輸入事犯における覚醒剤の押収量は282.1キログラムと前年より大幅に減少した。電子たばこ用等の大麻濃縮物の押収量は70.2キログラムと大幅に増加した。また、前年に引き続き乾燥大麻の押収量13.9キログラムを大幅に上回った。
    • 覚醒剤の密輸入事犯の検挙件数は129件と前年より大幅に増加した。検挙人員については、暴力団構成員等は37人、外国人は81人といずれも増加した。国籍・地域別では、最多が日本94人で、次いでベトナム13人、中国13人となっている。
    • 態様別では、航空機利用による覚醒剤の携帯密輸入事犯が43件と前年より大幅に増加した。また、国際宅配便が66件、国際郵便が15件、事業用貨物が5件となっている。
    • 仕出国・地域別では、最多がマレーシア13件(構成比率10.1%)で、次いで南アフリカ12件(同9.3%)、タイ10件(同7.8%)となっている。
    • 覚醒剤の密輸入事犯の検挙件数は、前年より大幅に増加しており、態様別では、国際宅配便利用の占める割合が51.2%と引き続き高くなっている。また、航空機利用による携帯密輸入の占める割合も33.3%と高くなっている。こうした状況の背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴った入国制限の実施とその後の制限緩和が影響したものと推認される。また、国内における根強い覚醒剤需要の存在に加え、国際的なネットワークを有する薬物犯罪組織が国内外に存在し、国内における覚醒剤取引を活発化させていることがあると推認される。押収量については、比較的小口の密輸入事犯が多かった影響により、前年より大幅に減少している。
    • 大麻の密輸入事犯の検挙件数は61件と前年より減少した。
    • このうち、電子たばこ用等の大麻濃縮物の密輸入事犯は32件(構成比率52.5%)と昨年に引き続き半数を上回っている。検挙人員については、暴力団構成員等は17人(同23.0%)と前年より増加した一方、外国人は31人(同41.9%)と前年よりやや減少した。国籍・地域別では、最多が日本43人(同58.1%)で、次いでアメリカ12人(16.2%)、ベトナム9人(同12.2%)となっている。
    • 仕出国・地域別では、最多がアメリカ36件(構成比率59.0%)で、次いでベトナム7件(同11.5%)、カナダ4件(同6.6%)となっている。アメリカの36件のうち、大麻濃縮物の密輸入検挙件数が25件を占めており、これは、同物件の密輸入検挙件数全体の78.1%を占める。
    • 大麻密輸入事犯の検挙件数は61件と前年よりやや減少した。密輸入事犯による押収量は、乾燥大麻が4.8%にとどまる一方、大麻濃縮物では94.9%を占めている。
    • 薬物事犯の検挙人員は、近年横ばいで推移している中、1万2,142人と前年より減少した。薬物事犯別では、覚醒剤事犯が6,124人(構成比率50.4%)と平成28年以降減少し続けている一方、大麻事犯は5,342人(同44.0%)と過去最高を記録した昨年から僅かに減少した。暴力団構成員等の検挙人員は2,915人(同24.0%)で、検挙人員及び薬物事犯に占める割合はともに減少傾向にある。外国人の検挙人員は977人(同8.0%)と前年よりやや減少している一方、MDMA等合成麻薬やコカイン等の麻薬及び向精神薬事犯の検挙人員は207人(同30.8%)で、昨年に引き続き、同人員に占める割合が高い。
    • 薬物別の押収量は、覚醒剤が289.0キログラム、乾燥大麻が289.6キログラムとそれぞれ前年より減少した一方、大麻濃縮物は74.0キログラム、大麻樹脂は5.6キログラムとそれぞれ大幅に増加した。また、主な麻薬では、MDMAが7万4,747錠、コカインが41.8キログラムとそれぞれ前年より増加した。
    • 薬物犯罪収益隠匿罪の検挙事件数は15件と前年より大幅に増加し、最近5年間で最多となっている。同収受罪の検挙事件数は2件と前年より減少した。
    • 覚醒剤事犯の検挙人員は6,124人と前年より大幅に減少した。同検挙人員は、第三次覚醒剤乱用期のピークであった平成9年の1万9,722人から長期的に減少傾向にあり、平成30年以降連続して1万人を下回っている。なお、同検挙人員のうち、暴力団構成員等は2,186人(構成比率35.7%)、外国人は459人(同7.5%)となっている。人口10万人当たりの年齢層別検挙人員は、20歳未満が1.6人、20歳代が6.1人、30歳代が9.5人、40歳代が11.2人、50歳代が7.9人、60歳以上が1.8人であり、最多は40歳代で、次いで30歳代となっている。
    • 大麻事犯の検挙人員は、平成26年以降増加が続いていたが、令和4年は5,342人と過去最多であった前年をやや下回った。大麻の種類別の検挙人員は、乾燥大麻に関する検挙人員は4,169人(構成比率78.0%)と前年よりやや減少し、大麻濃縮物に関する検挙人員は617人(同11.5%)と前年より増加した。また、大麻事犯の検挙人員のうち、暴力団構成員等は648人(同12.1%)、外国人は311人(同5.8%)となっている。人口10万人当たりの年齢層別検挙人員でみると、近年、30歳代以上が横ばいで推移し、その他の年齢層においては増加傾向で推移していたが、令和4年は、50歳代以上の年齢層が引き続き横ばいで推移し、その他の年齢層では、それぞれ減少した。最多は、昨年に引き続き20歳代で、次いで20歳未満、30歳代となっており、これらの年齢層で同検挙人員の87.9%を占めている
  • 大麻乱用者の実態
    • 令和4年10月から同年11月までの間に大麻取締法違反(単純所持)で検挙された者のうち911人について、捜査の過程において明らかとなった大麻使用の経緯、動機、大麻の入手先を知った方法等は次のとおりである(図表1で対比した平成29年については、平成29年10月から同年11月までの間に大麻取締法違反(単純所持)で検挙された者のうち535人について取りまとめたもの。)。
      1. 大麻を初めて使用した年齢
        • 対象者が初めて大麻を使用した年齢は、20歳未満が52.1%、20歳代が33.0%と、30歳未満で85.1%を占める(最低年齢は12歳(4人))。
        • 初回使用年齢層の構成比を平成29年と比較すると、20歳未満が36.4%から52.1%に増加しており、若年層の中でも特に20歳未満での乱用拡大が懸念される。
      2. 大麻を初めて使用した経緯、動機
        • 大麻を初めて使用した経緯は、「誘われて」が最多であり、20歳未満が80.2%、20歳代が70.8%と、特に若年層において誘われて使用する割合が高い。
        • 使用した動機については、いずれの年齢層でも「好奇心・興味本位」が最多で、特に30歳未満では約6割を占めるなど顕著である。また、同年齢層では、次いで「その場の雰囲気」が多く、比較的多い「クラブ・音楽イベント等の高揚感」、「パーティー感覚」と合わせてみると、若年層では、身近な環境に影響を受けて享楽的に大麻を使用する傾向がうかがわれる。
        • 30歳以上では、「ストレス発散・現実逃避」や「多幸感・陶酔効果を求めて」といった、薬理効果を求める動機が比較的多数を占めた。
      3. 大麻使用時の人数
        • 大麻使用時の人数については、年齢が低いほど、複数人で使用する割合が高い傾向にあり、このことからも、30歳未満の乱用者の多くが、知人等の他人を含む身近な環境に影響を受けて大麻を使用する傾向がうかがわれる。
      4. 大麻の入手先(譲渡人)を知った方法
        • 検挙事実となった大麻の入手先(譲渡人)を知った方法は、30歳未満で「インターネット経由」が3分の1以上を占め、そのほとんどがSNSを利用していた。
        • 他方、「インターネット以外の方法」では、全ての年齢層で「友人・知人」から大麻を入手しているケースが半数程度に上り、30歳未満では半数を超える。
      5. 大麻に対する危険(有害)性の認識
        • 大麻に対する危険(有害)性の認識は、「なし(全くない・あまりない。)」が79.5%(前年比2.5ポイント上昇)で、覚醒剤に対する危険(有害)性の認識と比較すると、昨年に引き続き著しく低い。また、大麻に対する危険(有害)性を軽視する情報の入手先についても、引き続き、「友人・知人」、「インターネット」が多く、年齢層が低いほど「友人・知人」の占める割合が大きい傾向にある。
        • 「令和3年における組織犯罪の情勢」に掲載した「大麻乱用者の実態」では、30歳未満の大麻乱用者の多くが大麻使用に関して身近な環境に影響されている実態がうかがわれたが、令和4年も、大麻を使用し始めた経緯や動機、使用時の状況、入手先、危険(有害)性に関する誤った認識の形成等多くの面で、身近な環境に影響されている実態が改めて裏付けられた。
        • また、大麻に対する危険(有害)性の認識を有さない者の割合が前年(77.0%)から僅かに上昇し、引き続き全体の8割近くを占めている。
        • 昨年に引き続き、少年等若年層の周辺環境を健全化させるための総合的な施策が求められるとともに、大麻の供給源となる組織的な栽培・密売を厳正に取り締まり、SNS等における違法・有害情報の排除や大麻の危険(有害)性を正しく認識できるような広報啓発等を推進することが重要である。
        • 危険ドラッグ事犯の検挙状況は、近年、検挙事件数及び検挙人員の減少傾向が続いていたが、令和4年は、260事件、279人とそれぞれ前年より増加した。適用法令別では、指定薬物に係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器法」という。)違反が前年より大幅に増加し、麻薬及び向精神薬取締法違反も僅かに増加した。危険ドラッグ事犯のうち、暴力団構成員等によるものは7事件7人、外国人によるものは31事件33人、少年によるものは19事件20人となっている。
        • 危険ドラッグ事犯のうち、危険ドラッグ乱用者の検挙人員は264人(構成比率94.6%)となっている。
  • 令和4年における銃器情勢の特徴としては、以下のことが挙げられる。
    • 銃器発砲事件数は9件と前年とおおむね横ばいであり、このうち暴力団構成員等によるものは6件と過半数を占めた。
    • 拳銃押収丁数は、長期的に減少傾向にあるところ、令和4年は321丁で、このうち暴力団からの押収丁数は34丁といずれも前年より増加した。
    • 以上のとおり、銃器発砲事件数はおおむね横ばいで推移したものの、暴力団による銃器発砲事件が依然として発生し、更には暴力団からの拳銃押収丁数が増加に転じるなど、引き続き、平穏な市民生活に対する重大な脅威となっていることから、暴力団の組織防衛の強化による情報収集の困難化や拳銃隠匿方法の巧妙化に適切に対応し、暴力団の組織的管理に係る拳銃の摘発に重点を置いた取締りを強化するとともに、インターネット上に流通する銃器に関する情報の収集に努めるなど、関係機関と連携した活動等により総合的な銃器対策を推進していくこととしている。
    • インターネットのオークションサイトや掲示板等を端緒として押収した拳銃の押収丁数は41丁で、前年より増加した。
  • 来日外国人犯罪の検挙件数・人員については、最近5年間はほぼ横ばい状態で推移してきたが、令和4年は、令和3年に引き続き、検挙件数・人員とも減少している。
  • このような中、来日外国人による犯罪は、日本人によるものと比べて多人数で組織的に行われる傾向がうかがわれ、出身の国・地域別に組織化されている場合が多くみられる。
  • 令和4年中の来日外国人による刑法犯の検挙件数に占める共犯事件の割合は37.5%と、日本人(13.0%)の約2.9倍になっている。また、形態別にみると、2人組は17.7%、3人組は7.8%、4人組以上は2.9%となっている。罪種等別にみると、窃盗犯のうち、住宅対象の侵入窃盗では34.7%と、日本人(11.8%)の約2.9倍、万引きでは46.7%と、日本人(2.6%)の約18.0倍になっている。
    • 来日外国人で構成される犯罪組織についてみると、出身国や地域別に組織化されているものがある一方で、より巧妙かつ効率的に犯罪を実行するため、犯罪ごとに様々な国籍の構成員が離合集散を繰り返すなど、組織の多国籍化もみられる。このほか、面識のない外国人同士がSNSを通じて連絡を取り合いながら犯行に及んだ例もみられる。
    • また、犯罪行為や被害の発生場所等の犯行関連場所についても、日本国内にとどまらず複数の国に及ぶものがある。特に近年は、他国で敢行された詐欺事件による詐取金の入金先口座として日本国内の銀行口座を利用し、詐取金入金後にこれを日本国内で引き出してマネー・ローンダリングを行うといった事例があるなど、世界的な展開がみられる。
  • 犯罪インフラとは、犯罪を助長し、又は容易にする基盤のことをいう。来日外国人で構成される犯罪組織が関与する犯罪インフラ事犯には、地下銀行による不正な送金、偽装結婚、偽装認知、不法就労助長、旅券・在留カード等偽造等がある。
  • 不法就労助長、偽装結婚及び偽装認知は、在留資格の不正取得による不法滞在等の犯罪を助長しており、これを仲介して利益を得るブローカーや暴力団が関与するものがみられるほか、最近5年間では、在留資格の不正取得や不法就労を目的とした難民認定制度の悪用が疑われる例も発生している。偽造された旅券・在留カード等は、身分偽装手段として利用されるほか、不法滞在者等に販売されることもある。また、地下銀行は、不法滞在者等が犯罪収益等を海外に送金するために利用されている。
  • 最近5年間の犯罪インフラ事犯の検挙状況をみると、不法就労助長は、昨今の人手不足を背景とし、就労資格のない外国人を雇い入れるなどの事例が引き続きみられるが、検挙件数・人員は減少傾向で推移している。旅券・在留カード等偽造は、就労可能な在留資格を偽装するために利用されており、平成28年以降、増加傾向にあったが、令和4年は、令和3年と比べ、減少した。偽装結婚は、日本国内における継続的な就労等を目的に「日本人の配偶者等」等の在留資格を取得するための不正な手段であり、令和4年は、令和3年に比べ、減少した。地下銀行は、最近5年間の検挙件数は10件前後で推移している。また、偽装認知は3件前後で推移しており、令和4年の検挙はなかった。
    • 来日ベトナム人による犯罪の検挙は、来日外国人犯罪全体の総検挙件数の41.8%、総検挙人員の35.9%(刑法犯については検挙件数の41.9%、検挙人員の31.5%、特別法犯については、検挙件数の41.8%、検挙人員の40.8%)を占め、総検挙件数・人員ともに最も多くなっている。
    • ベトナム人の在留者は、最近5年間、「技能実習」や「留学」の在留資格で入国する者が増加しており、一部の素行不良者がSNS等を介して犯罪組織を形成するなどしている。
    • ベトナム人による犯罪は、刑法犯では窃盗犯が多数を占める状況が一貫して続いており、手口別では万引きの割合が高い。近年、ベトナム人同士のけんか等に起因した殺人や賭博における金の貸し借りに起因したベトナム人グループ内の略取誘拐、逮捕監禁等の事案の発生もみられる。また、特別法犯では入管法違反が多数を占める状況が続いており、「技能実習」等の在留資格を有する者が、在留期間経過後、就労目的で不法に残留し、又は偽造在留カードを入手して正規滞在者を装うなどの事案が多くみられる。
    • 来日中国人による犯罪の検挙は、来日外国人犯罪全体の総検挙件数の22.2%、総検挙人員の21.0%(刑法犯については検挙件数の23.0%、検挙人員の22.7%、特別法犯については検挙件数の21.1%、検挙人員の19.1%)を占め、総検挙件数・人員ともにベトナムに次いで多くなっている。
    • 中国人犯罪組織は、地縁、血縁等を利用したり、稼働先の同僚等を誘い込むなどしてグループを形成する場合が多い。また、中国残留邦人の子弟らを中心に構成されるチャイニーズドラゴン等の組織も存在し、首都圏を中心に勢力の拡大を図りつつある傾向がみられる。
    • また、近年、中国人犯罪組織がSNS等で中国人等の在留者をリクルートし、犯罪の一部を担わせている例も散見される。偽造在留カード事犯では、かつては中国国内にあった製造拠点が日本国内に置かれ、中国国内の指示役の指示に基づき、リクルートされた中国人等の在留者が様々な国籍の偽造在留カードを日本国内で製造するといった事案が確認されている。指示役は中国国内に在留していることから、摘発されても同様の手口で中国人等の在留者をリクルートして新たな製造等の拠点を設けるなど、高度に組織化されている傾向がみられる。

~NEW~
内閣官房 我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議
▼配布資料
  • 物流は国民生活や我が国経済を支える社会インフラであり、物流業界の営業収入の合計は約29兆円(全産業の2%)、従業員数は約226万人(全就業者数の3%)。
  • 国内貨物のモード別輸送量はトンベースで自動車が9割超、トンキロベースでは自動車が約5割、内航海運が約4割、鉄道が5%程度。
  • トラックドライバーを全産業を比較すると、年間労働時間は約2割長く、年間所得額は約1割低く、有効求人倍率は約2倍。
  • トラックドライバーの長時間労働の主な要因としては、長時間の運転時間、荷待ち時間、荷役作業等が挙げられる。
  • 平成30年6月改正の「働き方改革関連法」に基づき、自動車の運転業務の時間外労働についても、法施行(平成31年4月)の5年後(令和6年4月)より、年960時間(休日労働含まず)の上限規制が適用される。併せて、厚生労働省がトラックドライバーの拘束時間を定めた「改善基準告示」(貨物自動車運送事業法に基づく行政処分の対象)により、拘束時間等が強化される。
  • 具体的な対応を行わなかった場合、2024年度には輸送能力が約14%(4億トン相当)不足する可能性。その後も対応を行わなかった場合、2030年度には輸送能力が約34%(9億トン相当)不足する可能性。
  • 一般消費者については、現状、宅配貨物の再配達は12%発生。事業者については、物流危機に対して問題意識を持っているのは8割である一方、取組を実施しているのは約5割にとどまる。
  • 検討の方向性
    1. 荷主・物流事業者間等の商慣行の見直し
    2. 物流の標準化やDX・GX等による効率化の推進
    3. 荷主企業や消費者の行動変容を促す仕組みの導入

~NEW~
内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議
  • 今後の進め方
    • 昨年6月に閣議決定したデジタル田園都市国家構想基本方針に基づき、地方におけるデジタル実装を加速化し、デジタル田園都市国家構想を実現していくための5か年間の中期計画として「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を昨年12月に閣議決定。
    • 「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す総合戦略を着実に実行していくため、
      1. 総合戦略に位置付けた施策の取組状況について、特に地域ビジョンの実現に向けた施策間連携や地域間連携に係る取組状況等は重点的にフォローアップを行うとともに、
      2. 具体化に向けて検討中の施策(デジタルライフライン全国総合整備計画等)等とあわせて、当面の重点検討課題を毎年夏に整理しつつ、政府内で検討を進め、年末に改訂を行う総合戦略(閣議決定)に位置付ける。
    • さらに、KPIの達成状況等については、2025年度中に中間検証を行い、人口や一極集中の状況、社会経済情勢の変化も踏まえつつ、総合戦略の改訂を行う
  • デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)の主な活用分野
    1. 行政サービス
      • 書かない窓口
      • 【デジ田交付金(TYPE1)】・R3補正71団体導入・R4補正147団体導入
      • 【Digi田甲子園】・夏北海道北見市、神奈川県横須賀市
    2. 地域交通
      • オンデマンド交通
      • 【デジ田交付金(TYPE1)】・R3補正31団体導入・R4補正31団体導入
      • 【Digi田甲子園】・夏:静岡県小山市
    3. こども政策
      • 母子健康手帳アプリ
      • 【デジ田交付金(TYPE1)】・R3補正12団体導入・R4補正15団体導入
      • 【Digi田甲子園】・夏:宮城県丸森町・冬:母子モ株式会社
    4. 遠隔医療
      • オンライン診療
      • 【デジ田交付金(TYPE1)】・R3補正8団体導入・R4補正11団体導入
      • 【Digi田甲子園】・夏:三重県多気町・冬:札幌医科大学
    5. 地域防災力
      • 避難所DX(マイナカード活用)
      • 【デジ田交付金(TYPE1等)】・R4補正18団体導入
  • デジタル田園都市国家構想総合戦略の全体像
    • テレワークの普及や地方移住への関心の高まりなど、社会情勢がこれまでとは大きく変化している中、今こそデジタルの力を活用して地方創生を加速化・深化し、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す。
    • 東京圏への過度な一極集中の是正や多極化を図り、地方に住み働きながら、都会に匹敵する情報やサービスを利用できるようにすることで、地方の社会課題を成長の原動力とし、地方から全国へとボトムアップの成長につなげていく。
    • デジタル技術の活用は、その実証の段階から実装の段階に着実に移行しつつあり、デジタル実装に向けた各府省庁の施策の推進に加え、デジタル田園都市国家構想交付金の活用等により、各地域の優良事例の横展開を加速化。
    • これまでの地方創生の取組も、全国で取り組まれてきた中で蓄積された成果や知見に基づき、改善を加えながら推進していくことが重要。
    • まち・ひと・しごと創生総合戦略を抜本的に改訂し、2023年度から2027年度までの5か年の新たな総合戦略を策定。デジタル田園都市国家構想基本方針で定めた取組の方向性に沿って、各府省庁の施策の充実・具体化を図るとともに、KPIとロードマップ(工程表)を位置付け。
    • 地方は、地域それぞれが抱える社会課題等を踏まえ、地域の個性や魅力を生かした地域ビジョンを再構築し、地方版総合戦略を改訂。地域ビジョン実現に向け、国は政府一丸となって総合的・効果的に支援する観点から、必要な施策間の連携をこれまで以上に強化するとともに、同様の社会課題を抱える複数の地方公共団体が連携して、効果的かつ効率的に課題解決に取り組むことができるよう、デジタルの力も活用した地域間連携の在り方や推進策を提示。

~NEW~
消費者庁 住環境における高齢者の安全等に関する調査
▼住環境における高齢者の安全等に関する調査報告書(本体)
  • 現在の住宅の居住年数は、「10年以上20年未満」(37.4%)が最も多い。また、「30年以上」居住している人は32.4%である。住宅の形態は、「持家(一戸建て)」(62.4%)が最も多く、次いで「持家(分譲マンション等の集合住宅)」(29.5%)が多い。
  • 同じ住宅に居住する家族の人数(回答者も含む)について、「2人」(58.0%)が最も多く、次いで「1人」(20.1%)が多い(図3)。また、その内訳は、「配偶者・パートナー」(71.9%)が最も多く、次いで「子(子の配偶者・パートナーを含む)」(22.4%)が多い。「同居者はいない」と回答した人は、19.5%である。
  • 同じ住宅に「10年以上」居住している人は、全体の9割を占めており、「30年以上」(46.8%)が最も多い。また、全体の95.3%が「持家(一戸建て)」に居住している。
  • 同居する家族の人数は、「2人」(44.4%)が最も多く、次いで「1人」(23.4%)が多い。また、「配偶者・パートナー」(61.4%)と居住する人が最も多く、次いで「子(子の配偶者・パートナーを含む)」(32.7%)、「同居している人はいない」(22.8%)が多い。
  • けがをした・しそうになった人のうち、最も多い場所は「階段」(72人)、次いで「風呂場・脱衣所・洗面所・トイレ」(48人)、「庭(ベランダを含む)・駐車場」(45人)が続く。
  • けがをした・しそうになった経験の詳細について、場所として最も多い「階段」では、「段差で足を踏み外した」(38人)が最も多く、次いで「転んだ、つまずいた、すべった」(19人)が多い。「風呂場・脱衣所・洗面所・トイレ」及び「庭(ベランダを含む)・駐車場」での経験については、「転んだ、つまずいた、すべった」が最も多い(30人、26人)。
  • 消費者協会調査の結果では、全体の25.7%が自宅でけがをした・しそうになった経験があると回答している。けがをした・しそうになった場所では、「階段」(29.5%)が最も多く、「玄関(勝手口を含む)」(22.7%)、「庭(ベランダを含む)・駐車場」(18.2%)と続く。
  • ネットアンケートの結果では、製品を使用している際にけがをした・しそうになった経験は、全体的に少なかった。けがをした・しそうになった経験がある人のうち、最も多い製品は「脚立・踏み台」(72人)、次いで「敷物(カーペット・玄関マット・キッチンマット等)※電気カーペットを除く」(33人)、「こんろ(ガス・電気)」(24人)が続く。
  • けがをした・しそうになった経験がある人が多い「脚立・踏み台」で起こったことの詳細については、「高さのあるところから落ちた」(26人)が最も多く、次いで「段差で足を踏み外した」(21人)が多い。
  • 消費者協会調査では、けがをした・しそうになった経験(製品)についての問は設けていなかったが、自由記述での回答にて、製品に関連するけがの経験等についての内容がみられた。ネットアンケートの回答で多く挙がった「脚立・踏み台」や、「履物」に関連する回答があった。
  • ネットアンケートの結果では、自宅の設備について、「問題がある、改善したいと感じている点はない」(59.8%)人が半数以上を占める。問題がある、改善したい点については、「浴室や脱衣所が寒い」(18.5%)と回答した人が最も多く、次いで「部屋や廊下との境界に段差がある」(14.9%)、「階段や廊下、浴室に手すりがない」(10.3%)と続く。
  • 消費者協会調査では、自宅の設備の問題点、改善したい点について、アンケートでは自由記述での回答を求めたところ、95人が何らかの回答を記載しており(「特になし」、「今のところない」等は除く)、そのうち64人が転倒・転落事故に関係し得る内容を記載していた。
  • ネットアンケートの結果では、自宅で利用している事故防止に関する設備や製品、サービスについては、「浴室や脱衣所の暖房器具」(28.9%)が最も多く、次いで「歩行や立ち座りを補助する手すり」(22.9%)、「足元を照らす照明器具」(19.9%)、「火を使わない電気調理器(IH調理器等)」(19.9%)が多い。一方で、「特に利用している設備や製品、サービスはない」と回答している人は36.4%である。
  • けがを防ぐために行っていることとして、「よくしている」及び「ときどきしている」を合わせたもので最も多いのは、「動ける範囲で、こまめに体を動かすようにしている。」(76.0%)である。次いで、「製品を買ったときは、取扱説明書を読んでから使用している。」(68.9%)が多い。
  • 消費者協会調査でも同様に、けがをしないように既に対策していること、日頃から気をつけていることについてアンケート及びヒアリングにて質問したところ、主に転倒・転落の対策について、けがをしないように環境を整備している内容がみられた。また、行動する際の心掛けに関する内容や、けがをしにくい体づくりに取り組むという内容もみられた。
  • ネットアンケートの結果では、「この中で特に変化を感じることはない」人は13.0%であり、全体の8割以上の人が、以前と比べて自身の身体について何らかの変化があったと感じている。「小さな文字は老眼鏡がなければ見づらくなった」(61.5%)人が最も多く、次いで「暗い場所では物が見づらくなった」(40.9%)、「重いものを持つことが苦手になった」(34.8%)が多い。
  • 消費者協会調査では、自身の身体の変化について感じることを自由記述で回答を求めたところ、148人(全体の86.5%)が何らかの回答を記載しており(「特になし」、「ない」等は除く)、ネットアンケートと同様の結果が得られた。視覚に関する内容は56人、体の痛みや動かしにくさに関する内容は119人が記載していた。
  • 転倒・転落
    • ネットアンケートの結果では、けがをした・しそうになった場所は、「階段」や「庭(ベランダを含む)・駐車場」が多い。「階段」では、「段差で足を踏み外した」、「転んだ、つまずいた、すべった」経験が多く、転倒・転落につながる経験が多く挙げられた。「庭(ベランダを含む)・駐車場」でも同様に、「転んだ、つまずいた、すべった」経験があるとの回答がみられた。
    • また、製品別でけが等の経験を質問したところ、「脚立・踏み台」で経験した人が多く、「高さのあるところから落ちた」、「段差で足を踏み外した」等、転落につながる回答が多くみられた。次いで、「敷物(カーペット・玄関マット・キッチンマット等)※電気カーペットを除く」でのけが等の経験も次いで多く挙げられた。加えて、消費者協会調査では、「履物」を着用している際のけが等の経験に関する回答もみられ、転倒に関連するけがの経験等が多く挙げられた。
    • 本調査ではさらに、自宅で利用している事故防止に関する設備や製品、サービスの有無を質問したところ、転倒・転落事故防止に関する設備として「歩行や立ち座りを補助する手すり」を利用している人が22.9%で、それ以外の設備等を利用している人は20%未満であった。また、けがを防ぐために「動ける範囲で、こまめに体を動かすようにしている」人(「よくしている」と「ときどきしている」と回答した人の合計)は75%以上である一方、「床に物を置かないようにしている」、「高いところに物を置かないようにしている」人は、全体の半数程度であった。
    • 東京消防庁によると、高齢者の日常生活中の事故の中で最も多いのが「ころぶ」(転倒)事故であり、毎年多くの高齢者が「ころぶ」事故によるけがで救急搬送されている。次いで「落ちる」(転落)事故が多いことも挙げられており、「ころぶ」、「落ちる」事故の件数を足し合わせると、高齢者が救急搬送された事故のうち、9割を占めることが示されている。
    • また、年齢が高くなるにつれて、年齢ごとの人口に占める「ころぶ」、「落ちる」事故による救急搬送人員の割合も増加していることが記されている。また、消費者庁が医療機関ネットワーク事業を通じて取得した事故情報を分析した結果によると、65歳以上の高齢者が自宅で転倒した事案のうち、危害の症状別では「擦過傷、挫傷、打撲傷」に次いで「骨折」の件数が多く、骨折した場合は要入院が76%、要通院が22%となることが示されている。転倒による骨折が原因で介護が必要となることもあるため、転倒・転落事故の危険性は、高齢者本人やその家族等の支援者に十分に認識される必要がある。
    • 消費者庁の注意喚起情報では、転倒事故防止のためのアドバイスとして、以下の5点のポイントを示している。
      1. 個人に合った適度な運動を続け、体の機能の低下を防ぐ。
      2. 浴室や脱衣所には、滑り止めマットを敷く。
      3. ベッドから起き上がるときや体勢を変えるときは慎重に。
      4. 段差のあるところや階段、玄関には、手すりや滑り止めを設置する。
      5. 電源コードが通り道にこないように、電気製品を置く
  • 溺水
    • 温度変化による急激な血圧の変動により、脳内の血流量が減って意識を失ったり、長時間熱い風呂に入ることによる体温上昇で意識障害を起こしたりする、いわゆる「ヒートショック」によって溺水事故が発生することが懸念されている。東京消防庁によると、「おぼれる」(溺水)事故により救急搬送された高齢者の98.4%が、入院が必要とされる中等症以上であることが示されており、溺水が重篤な症状を引き起こす事故であることが示唆されている。
    • 今回の調査では、溺水に関する経験等の回答はほとんど得られなかった。このような結果に至った背景として、東京消防庁の救急搬送データから、「おぼれる」事故による救急搬送人員は、「ころぶ」、「落ちる」事故等と比べて多くはないこと、また、溺水事故が発生した場合は入院を要する以上の重篤な症状を引き起こす可能性が高いため、調査対象者のうち実際に溺水事故を経験した人が少ないことが考えられる。また、「ヒートショック」の対策となり得る「浴室や脱衣所の暖房器具」を利用している人は28.9%に留まり、「入浴前に脱衣所や浴室を暖めている」人は、「よくしている」と「ときどきしている」人を合わせても半数に満たない。この結果については、ほとんどの調査対象者が溺水事故を経験していないことから、対策を講じることに意識があまり向けられていないことが考えられる。溺水事故は、死亡を含め重篤な状況に陥る可能性が極めて高く、特に未然防止の対策が必要である。
    • 消費者庁では例年、高齢者の事故について注意喚起を行っている。令和4年は、浴室での溺水事故について大きく取り上げており、高齢者に多いとされているヒートショックについてのコラムや、部屋間の寒暖差に関係する住宅の断熱性についての参考情報を掲載している。また、入浴前及び入浴時の注意ポイントとして、以下の8点を挙げている。
      1. 脱衣所や浴室を暖める。断熱性の向上と暖房設備の導入も検討を。
      2. こまめな水分補給をする。
      3. 食後すぐの入浴や、飲酒後、服薬後の入浴は避ける。
      4. 入浴する前に同居者に一声掛けて、意識してもらう。
      5. 湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にする。
      6. 湯温や部屋間の温度差、入浴時間など普段意識しにくい部分について、温度計やタイマーを活用して見える化する。
      7. 浴槽から急に立ち上がらないようにする。
      8. 浴槽内で意識がもうろうとしたら、気を失う前に湯を抜く。

~NEW~
消費者庁 消費者教育の推進に関する基本的な方針(基本方針)について
▼消費者教育の推進に関する基本的な方針(令和5年3月28日閣議決定) 概要
  • 消費者教育の推進に関する法律(平成24年12月施行)第9条に基づき、内閣総理大臣及び文部科学大臣が案を作成。消費者教育推進会議及び消費者委員会からの意見聴取等を経て、閣議で決定。(平成25年6月に決定し、平成30年3月に変更)
  • 基本方針=消費者教育の担い手(国、地方、消費者団体、事業者等、消費者自身)にとっての指針。
  1. 消費者教育の推進の意義
    • 消費者を取り巻く現状と課題
      • 消費者の多様化(高齢化、成年年齢引下げ、孤独・孤立の顕在化 等)
      • デジタル化の進展(商品取引・サービス利用形態、情報取得・発信の変化 等)
      • 持続可能な社会実現に向けた気運の高まり(食品ロス削減、カーボンニュートラル、プラスチック資源循環、サステナブルファッション 等)
      • 自然災害等の緊急時対応(コロナ禍における不確かな情報の拡散 等)
    • 消費者の自立支援=合理的意思決定ができ、被害に遭わない+より良い市場とより良い社会の発展のために積極的に関与する消費者の育成(消費者市民社会の形成に参画)→SDGsの達成にも不可欠
    • 消費者のぜい弱性への対応、個人のWell-being向上の観点
  2. 消費者教育の推進の基本的な方向
    • 今期の基本方針における基本的視点
      • 「教えられる」だけでなく、消費者による自ら及び相互に「学ぶ」「考える」「行動する」ことを促進
      • 消費者の多様化等を踏まえたきめ細やかな対応
      • デジタル化への対応
      • 消費者市民社会の一員としての行動を促進
    • 体系的推進のための取組の方向
      • 幼児期から高齢期までライフステージに応じた体系的・継続的な実施⇒広く社会で、消費者の継続的な学びと考える力の獲得を支援することが重要
      • 行動経済学や心理学の知見も踏まえ、先ずは消費者が自身を知ることを促す観点も重要
      • 消費者の多様な特性(年齢、性別、障がいの有無、国籍など)に応じたアプローチ⇒不安をあおって契約させる商法(霊感商法)等、被害に遭いやすい手口・手法等について注意喚起、若年者等が相談しやすいメールやSNS等による消費生活相談の支援、多様な高齢者の実態やデジタル化を踏まえた一層の工夫、など
      • デジタル化に対応した消費者教育の推進⇒トラブルを回避する知識、批判的思考力、適切な情報収集・発信能力の重要性の高まり
      • ポータルサイトでの情報提供・連携促進、最新のトラブル事例や教材の提供による担い手支援
      • 消費者市民社会構築に向けた多角的な視点の情報提供⇒社会的課題を自分事として捉え、消費行動により課題解決ができるよう積極的に情報提供
      • デジタルを活用した消費者自らの情報収集、相互へ伝え合う活動の促進
      • 緊急時には、不確かな情報に基づく行動への注意喚起、適切な意見の伝え方等、合理的判断をするために必要な情報を提供
    • 他の消費生活に関連する教育との連携推進(金融経済教育・法教育・情報教育・環境教育・食育・主権者教育等)
  3. 消費者教育の推進の内容
    1. 学校
      • 成年年齢引下げを踏まえつつ、学習指導要領の趣旨や内容の周知・徹底
      • 外部講師の活用の促進
      • デジタル教科書等に対応した教材提供
      • 教科横断的な実践等好事例の周知
      • 消費者教育の次世代の担い手育成の視点
      • 学生主体による啓発活動等の取組事例の収集・提供
      • マルチ等消費者被害に遭いやすい類型・手法の知識の提供
      • 教員養成課程や現職教員研修等における消費者教育に関する内容の充実
      • 国民生活センター等の教員向け研修の活用を推進
      • 地方公共団体や関係団体との連携の枠組みを構築
      • 消費者教育推進地域協議会への参画を促進
    2. 地域社会
      • 消費生活センターが啓発活動やコーディネート機能を担うよう体制整備
      • 社会教育施設等の活用
      • 見守りネットワーク、消費生活協力員・協力団体等の仕組みを活用した推進
      • 誰一人取り残されないデジタル化への対応
      • 消費者団体・NPO等による消費者教育
      • 地域で活動する団体の情報提供等の支援
      • 国民生活センター、消費生活センター、社会教育施設等の担い手育成拠点化のための、情報提供、消費生活相談員の資質向上に向けた支援
    3. 家庭
      • 保護者が正しい知識を身に付け、普段から子供と家庭内で話すことで消費者被害を予防
      • 家庭内で高齢者と情報共有、連携
      • 優良事例の提供、消費者月間等を活用した周知啓発により消費者の自主的な相互の学びの取組を支援
    4. 職域
      • 事業者のニーズも踏まえつつ、事業者による従業員への消費者教育の意義、メリットを整理
      • 事業者向け消費者教育プログラムの開発
      • 積極的に取り組む事業者の奨励
      • 消費者教育としての、事業者による消費者への情報提供、商品サービスの開発・提供
      • 積極的な情報提供としての「出前講座」、「出前授業」の充実に期待
  4. 関連する他の消費者施策との連携
    • 食品と放射能に関する理解増進
    • 事故・トラブル情報の迅速的確な分析・原因究明 など
  5. 今後の消費者教育の計画的な推進
    • KPIの検討・設定
      • 実態調査や関係省庁のデータ等をいかしつつ、適切な指標を検討
      • 地方公共団体の推進計画での設定も促す
    • 都道府県、市町村の地域の特性に応じた推進計画策定等の推進・支援
    • 社会経済情勢の変化等に対応するため必要に応じ基本方針の変更を検討

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国民生活センター なくならない 乳幼児による加熱式たばこの誤飲に注意
  • 乳幼児が加熱式たばこのたばこ葉の入ったスティックやカプセルを誤飲する事故が後を絶ちません。
  • 最近では、誘熱体として金属片が内蔵されたスティックを誤飲する事故も発生しています。
  • スティック等の多くは、乳幼児の口腔内に収まる大きさであり、子どもの目に付くところや手の届くところに放置すると誤飲のおそれがあります。また、使用前のスティック等1本分のたばこ葉には、吐き気をもよおす可能性がある量のニコチンが含まれています。
  • 医療機関ネットワークには、6歳未満の乳幼児が加熱式たばこのスティック等を誤飲したという事故情報が2017年度以降の約6年間に112件寄せられています(2022年10月31日までの伝送分)。
    • 事例1
      • 子どもが茶色いものを嘔吐し、涙目になっていることに気付いた。吸い口は折れて吐き出してあり、たばこ葉の入った部分はぐちゃぐちゃに吐き出してあった。父親は、吸い終わったたばこを本体に挿したままソファの座面に置いていたとのことで、子どもが本体から抜いて口に入れたと思われる。
      • 金属片がなくなっていることに気付き、顔色が真っ青になっていたため緊急外来を受診。レントゲンで胃内に金属片を認めた。
      • 経過観察後帰宅。金属片は翌朝自然排出された。
      • なお、母親は金属片が入っていることは知らなかったようである。(受診年月:2022年6月、10カ月・男児)
    • 事例2
      • 母親とキッチンにいた子どもが、床にあった開いたままのごみ袋から加熱式たばこの吸い殻を取り出して、1.5㎝程度かじっていた。父親が喫煙者で、いつも吸い殻をそのままごみ袋に捨てていた。
      • 嘔吐などはなかったが、4時間ほど経過観察し、翌日、状態の確認のため再受診した。(受診年月:2018年4月、11カ月・女児
    • 事例3
      • たばこの吸い殻を入れたものを子どもが飲んでしまった。誤飲した後はむせて、飲んだものを吐いたが、心配になり2時間後に受診し、経過観察を行った。(受診年月:2021年9月、2歳5カ月・男児)
  • 医療機関ネットワークに寄せられた事故情報112件について調べてみました。年齢や月齢など事故が発生しやすい時期はあるのでしょうか。また、どういった場所で発生しているのでしょうか。
    • 9~11カ月が46件(41.1%)と最も多く、6~14カ月で全体の8割以上(93件、83.0%)を占めていました。
    • 寝返りをうつ、ハイハイをする、つかまり立ちをするようになると事故が発生しています。
    • テーブル・机の上に置いていたものを誤飲した、ごみ箱やごみ袋の中にあった吸い殻を誤飲したという事例が多くありました。飲料の缶などに廃棄された、吸い殻を飲み残しの飲料と一緒に誤飲したという事例もありました。
    • 事故情報から、テーブルや机、台や棚の上など少々高さのあるところに置かれていても事故が発生していました。子どもの手が届く範囲は、1歳児では台の高さが50㎝の場合、台の手前から40㎝までとされています。
  • 乳幼児の手や目が届かない場所に保管・廃棄するようにしましょう。
  • スティック等を誤飲した場合には、直ちに医療機関を受診しましょう。
    • もし、スティック等を口にしてしまったら、口の中にたばこ葉がある場合は、できる限り取り除いてください。
    • 万が一、誤飲した場合は、水や牛乳などは飲ませずに、スティック等のパッケージを持って直ちに医療機関を受診しましょう。水や牛乳などを飲ませると、水分にニコチンが溶け出し、ニコチンが吸収されやすくなってしまいます。
  • どのようなタイプの加熱式たばこを吸っているのかを周囲の方も把握しておきましょう。
    • 最近では、誘熱体として金属片が内蔵されたスティックも販売されています。
    • ご家庭など、乳幼児がいる環境に喫煙者がいる場合は、日頃からどのような銘柄、タイプの加熱式たばこを吸っているのかを周囲の方も把握しておきましょう。

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国民生活センター サンプルのはずが意図せぬ定期購入に
  • 内容
    • 新聞の折込広告で通常の半額の「拡大鏡」を見つけ、販売業者に注文の電話をした。その際「目に良いサプリメントのサンプルを送る」と言われた。後日拡大鏡とサプリメントが届いたが、同封の「明細書兼請求書」には、拡大鏡が「プレゼント」、サプリメントが約3千円と記載されていた。その後2カ月連続、同じサプリメントが届いたので、おかしいと思い「明細書兼請求書」を改めて確認すると「1年定期」と記載があった。注文した覚えはない。(80歳代)
  • ひとこと助言
    • 新聞広告の通販やテレビショッピングなどの電話注文時に、別の商品やサンプル等を勧められ承諾したところ、そちらが主契約の定期購入になっていたという相談が寄せられています。
    • たとえサンプルであっても注文品以外のものを勧められたら、興味がなければきっぱり断り、興味を持った場合も、定期購入になっていないか等の詳細を確認し、説明が理解できなければ断りましょう。
    • 商品到着後は、明細書などで定期購入契約になっていないか確認することが大切です。意図せず定期購入になっていたら、すぐに、販売業者に申し込んでいないことを伝えましょう。
    • 困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
厚生労働省 「副業・兼業に取り組む企業の事例について」を公表しました~副業・兼業に取り組む11社の事例を紹介~
▼副業・兼業に取り組む企業の事例について
  • 副業・兼業の解禁状況
    • ヒアリングを実施した企業(11社)においては、いずれも副業・兼業の実施にあたり、事前に届出や許可申請を行うことをルールとして定めていた。
    • ヒアリングを実施した企業においては、多くが雇用による副業・兼業を解禁していた(9社)が、非雇用による副業・兼業に限り解禁している企業も見られた(2社)。
    • また、他に本業のある人材(副業・兼業人材)を、貴重な人材の確保の機会などと捉え、雇用による副業・兼業人材の受入れに意欲的な企業も見られた(2社)。
  • 副業・兼業の解禁の背景、副業・兼業の捉え方
    • 副業・兼業の解禁の背景は、企業によってさまざまであり、「多様な働き方を認める」という趣旨のものが多く見られたが、中には、「社員のニーズ」、「トップダウン」、「ボトムアップ」といったものも見られた。
    • 副業・兼業により、「新たな人脈やスキルを獲得し、労働者の成長につなげてほしい」、「主体的なキャリア形成をしてもらいたい」などとして、副業・兼業を積極的に推進したいと考える企業もあれば、「自由な時間の過ごし方の選択肢の1つとして、副業・兼業の機会を提供している」、「副業・兼業は自己実現の手段」などとして、副業・兼業を実施するか否かは労働者の自由に委ね、積極的な推進を行うものではないと考える企業も見られた。
    • 副業・兼業の解禁は、多様な人材から選ばれる企業になる上でも重要という考え方を持つ企業も見られた。
  • 副業・兼業の解禁状況(制度)
    • ヒアリングを実施した全ての企業で、本業に支障のある副業・兼業、競業や利益相反に当たる副業・兼業などを原則禁止と定めており、副業・兼業の実施にあたっては申請書または誓約書の提出を求め、人事部等で審査、承認等を行っていた。
    • 申請書への記載事項としては、副業・兼業先での業務内容や、実施期間、実施形態(雇用または非雇用)、実施時間数(時間
  • 帯、頻度を含む)などが多く見られた。
    • 自社での業務を本業としてもらいたいと強く考えている企業にあっては、副業・兼業を許可制とし、自社での勤務に影響が出ないよう、副業・兼業の実施時間や頻度等について厳しく審査を行っている企業も見られた。
    • 同業他社での副業・兼業であっても、一律禁止とはせずに、承認の可否を業務の内容から判断している企業も見られた。
    • 社内の業務に必要な能力形成を優先するため、勤続年数についての要件を設けている企業も見られた。
  • 労働時間等の管理の工夫(管理モデル)
    • 雇用による副業・兼業を認めている企業では、原則どおり労働者からの定期的な自己申告に基づき、労働時間を通算管理している企業もあったが、労働時間管理の負担を軽減するため管理モデルを導入している企業も複数(4社)見られた。
    • 管理モデルを導入している企業では、いずれも社内ルールにおいて、副業・兼業の労働時間管理は管理モデルによることを原則としており、導入にあたっては、労働者と副業・兼業先で管理モデルの導入や副業・兼業先における労働時間の上限設定について話し合っていた。(企業の人事部等からは副業・兼業先に接触していない。)
    • 管理モデルを導入している企業では、副業・兼業先の労働時間と自社の時間外労働の時間を通算して、単月100時間未満、複数月平均で80時間以内となるよう、副業・兼業先における労働時間の上限を、1か月20時間~35時間(21時間が1社、30時間が2社、35時間が1社)とすることを求めていた。
    • 管理モデルを導入している場合も、労働者の健康確保のため、一定の期間ごとに労働時間の実績を確認している企業(2社)もあった。
  • 労働時間等の管理の工夫(原則的な方法)
    • 雇用による副業・兼業を認めている企業では、管理モデルを導入していない企業(5社)でも、全ての企業で「自社における時間外労働の時間と副業・兼業の実施時間の合計80時間以内」、「副業・兼業先での労働時間30時間以内」などの副業・兼業の実施時間の上限に関するルールを設けていた。
    • 管理モデルによらずに労働時間を通算することとしている企業では、副業・兼業先における労働時間を、1か月に1度自己申告させているケース、都度自己申告させているケースが見られた。
  • 労働時間等の管理の工夫(健康管理)
    • 非雇用による副業・兼業の場合であっても、多くの企業(8社)で副業・兼業の実施時間に上限を定めていた。
    • 非雇用による副業・兼業の場合であっても、副業・兼業の実施実績について、定期的な自己申告による報告を求めている企業も複数(5社)見られた。
    • このほか、健康確保のための取組として、本業での労働時間と副業・兼業の時間を通算して医師の面接指導の対象としている企業も見られた。

~NEW~
厚生労働省 第10回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料
▼資料1-1 自殺の動向について
  • 令和4年の自殺者数は21,881人となり、対前年比874人(約4.2%)増。男女別にみると、男性は13年ぶりの増加、女性は3年連続の増加となっている。また、男性の自殺者数は、女性の約2.1倍となっている。
  • 自殺対策基本法では3月を「自殺対策強化月間」と位置付けており、「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現に向けて相談事業や啓発活動を集中的に実施。電話やSNSによる相談支援体制の拡充や、自殺者が増加している中高年層やこども・若者を中心に、ポスターや動画による相談の呼びかけなどを行っている。
▼資料1-2 令和4年の「児童生徒の自殺」について
  • 令和4年の児童生徒(小中高生)の自殺者数のうち、高校生が68.9%を占めた。性別を問わず、自殺者数は「高校生(全日制)」が多く、自殺死亡率は「高校生(定時制・通信制)」が高かった。特に「女子高生(定時制・通信制)」の自殺死亡率が高く「女子高生(全日制)」の4.6倍、全国の自殺者(全世代)の1.9倍に上った。自殺者数では、「男子高生(全日制)」が最も多く、高校生全体の45.5%を占めた。
  • 「高校生(定時制・通信制)」のうち、自殺未遂歴「あり」の割合は38%で、全国の自殺者(全世代)の1.9倍に上った。自傷行為歴と自殺未遂歴、あるいはそのいずれかが「あり」は、「高校生(定時制・通信制)」において48%で、「高校生(全日制)」の2.2倍に上った。
  • 「女子高生(定時制・通信制)」の26%は、自殺で亡くなる「1ヶ月以内に自殺未遂」をしており、自殺未遂歴「あり」の割合が半数を占めた。
  • 「女子小中学生」の11%は、自殺で亡くなる「1ヶ月以内に自傷行為」をしていた。
  • 男子は女子と比較して、「自傷行為歴」と「自殺未遂歴」のいずれにおいても「あり」の割合が低かった。
  • 児童生徒が自殺で亡くなる時間帯を集計したところ、比較的、放課後の時間帯(14~19時)に多いことが分かった。ただし、学期中と休暇中においては特徴が異なっている可能性もあり、更に掘り下げた分析が必要である。

~NEW~
厚生労働省 厚生労働省を名乗るフィッシングサイトへの注意喚起について
  • 今般、厚生労働省を装ったフィッシングサイトを確認しました。
  • 具体的には、国民健康保険の被保険者のスマートフォン等に「【厚生労働省】重要なお知らせ、必ずお読みください。」、「督促状で指定した期限までに未納の国民健康保険料が納付されない場合、財産の差押えを行います。」などと記載したSMS(ショートメッセージサービス)が送信される事案が確認されています。
  • 当該SMSは、厚生労働省をかたり、当該サイトに誘導するものですが、国民健康保険料(税)の督促状や納付のお知らせ等を厚生労働省から、直接、被保険者に対しお知らせすることはありません。
  • このような不審なSMSを受信した場合には、当該サイト等にアクセスしたりせず、警察庁のウェブサイト「フィッシング110番」から各都道府県警察のフィッシング専用窓口に通報をお願いします。
▼フィッシング110番

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経済産業省 ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します(輸出貿易管理令の一部を改正)
  • ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、今般、主要国が講ずることとした措置の内容を踏まえ、ロシアへの輸出禁止措置を実施するために令和5年3月31日(金曜日)に閣議決定された輸出貿易管理令の一部を改正する政令を公布・施行します。
    1. 概要
      • ウクライナを巡る国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、令和5年2月28日(火曜日)に、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)によるロシアの産業基盤強化に資する物品の輸出禁止措置を導入することが閣議了解されました。これを踏まえ、当該措置を導入するため、本日、輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)の一部を改正する政令が閣議決定されました。当該措置は令和5年4月7日(金曜日)より実施します。
      • これに併せ、本日、関連する省令等を改正することにより、規制対象となる具体的な貨物を定め運用面の整備を行います。
    2. 輸出禁止措置の追加対象貨物の概要
      • 鉄鋼
      • 鉄鋼製品
      • アルミニウム及びその製品
      • ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品及び附属品(例)建設機械(油圧ショベル、ブルドーザー等)、航空機用・船舶推進用エンジン、鍛造機等
      • 電気機器及びその部分品(例)電子機器(電気回路等)、航行用無線機器、発電機等
      • 輸送用の機械及びその部分品の一部
      • 航空機及び宇宙飛行体並びにこれらの部分品及び附属品(例)無人航空機等
      • 光学機器、写真用機器、測定機器、検査機器、精密機器並びにこれらの部分品及び附属品(例)光ファイバー・光ファイバーケーブル、双眼鏡、航空測量等に特に設計した写真機等
      • 玩具、縮尺模型等
        • ※規制対象となる貨物の詳細は、関連の省令・通達に定められています。貨物の該否の確認にあたっては、必ず貿易管理課HPに掲載されている法令等を確認ください。
    3. 今後の予定
      • 令和5年3月31日(金曜日)公布
      • 令和5年4月7日(金曜日)施行

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経済産業省 「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定しました~本戦略の実現に向けた次のアクションを始動します~
  • 経済産業省は、2023年3月31日に、「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定しました。また、本戦略の実現に向けた今後のアクションとして、(1)産官学CEパートナーシップを今夏(6から7月頃)に立ち上げます。加えて、(2)動静脈連携の加速に向けた制度整備の検討を今夏(6から7月頃)から開始します。
  • 背景
    • 経済産業政策の新機軸の一つに、「成長志向型の資源自律経済の確立」が位置付けられています。その「成長志向型の資源自律経済の確立」に向けて、2020年5月に策定した「循環経済ビジョン2020」を踏まえ、資源循環経済政策の再構築等を通じた国内の資源循環システムの自律化・強靱化と国際市場獲得を目指し、総合的な政策パッケージである「成長志向型の資源自律経済戦略」を2022年度中に策定することとしていました。
    • 本戦略の検討のために、2022年10月3日に「成長志向型の資源自律経済デザイン研究会」と「資源自律経済戦略企画室(通称:資源自律経済デザイン室)」を立ち上げ、同研究会において半年に亘って議論を重ね、この度、「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定しました。
  • 成長志向型の資源自律経済戦略の概要
    1. 成長志向型の資源自律経済の確立に向けた問題意識
      • 資源制約・リスク:資源枯渇、調達リスク増大
      • 環境制約・リスク:廃棄物処理の困難性、カーボンニュートラル実現への対応の必要性
      • 成長機会:経済活動への影響
    2. サーキュラーエコノミーへの非連続なトランジション
      • リニアエコノミーVSサーキュラーエコノミー
        • リニアエコノミー:大量生産・大量消費・大量廃棄の社会システム(動脈産業の活動を静脈産業がカバーする一方通行の関係)
        • サーキュラーエコノミー:市場のライフサイクル全体で、資源の効率的・循環的な利用(再生材活用等)とストックの有効活用(製品のシェアリングや二次流通促進等)を最大化する社会経済システム
      • サーキュラーエコノミーに転換しないリスク
        • 潜在成長率の低下や世界のビジネスからの排除
      • サーキュラーエコノミーを通じた「新しい成長」
        • 関連市場規模:世界全体では2030年4.5兆ドル、2050年25兆ドル、日本国内では2020年50兆円、2030年80兆円、2050年120兆円
    3. 成長志向型の資源自律経済の確立に向けた総合パッケージ
      • 競争環境整備(規制・ルール)
        • 4R(3R+Renewable)政策の深堀り
        • リコマース(Re-commerce)市場の整備
        • 海外との連携強化
      • サーキュラーエコノミー・ツールキット(政策支援:GX先行投資支援策「資源循環分野において、今後10年間で約2兆円以上の投資」)
        • サーキュラーエコノミー投資支援
        • DX化支援
        • 標準化支援
        • スタートアップ・ベンチャー支援
      • サーキュラーエコノミー・パートナーシップの立ち上げ(産官学連携)
        • ビジョン・ロードマップ策定
        • 協調領域の課題解決
        • サーキュラーエコノミーのブランディング
  • 本戦略の実現に向けた次のアクション
    1. 「産官学CEパートナーシップ」の立ち上げ【今夏(6から7月頃)】
      • サーキュラーエコノミー(Circular Economy:CE)への非連続なトランジションを実現するに当たっては、個社ごとの取組だけでは経済合理性を確保できないことから、関係主体の連携による協調領域の拡張が必須。
      • 自治体、大学、企業・業界団体、関係機関・関係団体等が参画するパートナーシップを立ち上げ。
      • パートナーシップの「名称」と「ロゴ」については公募予定
      • ビジョン・ロードマップ策定、CE情報流通プラットフォーム構築についての検討を皮切りに、その他の個別テーマ(標準化、マーケティング、プロモーション、国際連携、技術検討等)についても順次検討を実施。
    2. 動静脈連携の加速に向けた制度整備【今夏(6から7月頃)】
      • 現在の資源循環に係る政策体系は、3R(Reduce, Reuse, Recycle)を前提としており、特に静脈産業に焦点を当てた政策が中心であることから、「動静脈連携(動脈産業と静脈産業の有機的な連携)」を基本とするサーキュラーエコノミー型に政策体系を刷新することが必須。
      • 「GX実現に向けた基本方針(令和5年2月10日閣議決定)」を踏まえ、動静脈連携による資源循環を加速し、中長期的にレジリエントな資源循環市場の創出を目指して、「資源循環経済小委員会(※現在の「廃棄物・リサイクル小委員会」を改組予定)」を立ち上げ、3R関連法制の拡充・強化の検討を開始。
      • 検討項目は、①資源有効利用促進法(3R法)の対象品目の追加、②循環配慮設計の拡充・実効化、③表示制度の適正化、④リコマース(Re-commerce)市場の整備、⑤効率的回収の強化を中心に検討を実施。

~NEW~
経済産業省 国内初!自動運転車に対するレベル4の認可を取得しました
  • 2021年度よりRoAD to the L4プロジェクトにて自動運転移動サービスの実現に向けた実証実験を実施してきましたが、福井県永平寺町で使用する車両について、令和4年3月30日、国内で初めて運転者を必要としない自動運行装置(レベル4)としての認可を受けました。
  • 概要
    • 2021年度より経済産業省と国土交通省が共同で進めてきた「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(以下、「RoAD to the L4」)」にて、自動運転移動サービスの実現に向けた実証実験を実施してきましたが、福井県永平寺町で使用する車両について、本年3月30日付けで、道路運送車両法に基づくレベル4※の自動運行装置として、国内で初めて認可されました。
    • ※特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。
  • 経緯
    • 経済産業省・国土交通省では、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ(令和4年6月7日)」にも掲げられている「2022年度目途で鉄道廃線跡等における遠隔監視のみの自動運転移動サービスを開始」という目標達成に向けて、RoAD to the L4を進めてきました。
    • 具体的には、「遠隔監視のみ(レベル4)で自動運転サービスの実現に向けた取組(テーマ1)」を、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、「産総研」)と民間事業者(株式会社ソリトンシステムズ、三菱電機株式会社、ヤマハ発動機株式会社)とで組織されたコンソーシアムに委託し、福井県永平寺町において遠隔型自動運転システムを用いた自動運転車の技術・サービスの実証実験を進めてきました。
    • この度、本実証実験において使用する車両について、レベル4としての自動運行装置に関する申請を産総研が国土交通省中部運輸局に行ったところ、3月30日に国内で初めて認可されました。
    • 今後は、本年4月1日の施行を予定している改正道路交通法における特定自動運行に係る許可制度を活用し、レベル4での技術・サービス実証実験を実施する予定です。
  • 認可を受けた自動運行装置(名称:ZEN drive Pilot Level 4)
    • 今回認可を受けた自動運行装置を使用し、改正道路交通法における特定自動運行に係る許可制度を活用することで、車内にも遠隔地にも運転者が不在となり、運転の負担が無くなることになります。具体的には、
    • これまでは、緊急時等の対応を想定し、運転を引き継ぐこととなる運転者の配置が必要であったが、今後は、自動運行装置が自動運転車両の周囲の状況を判断し、発進・停止等の運転作業や、緊急時等の自動停止等を実施するため、運転者の配置が不要となるなどです。
    • なお、今回の認可を受けた自動運行装置は、車両が電磁誘導線上にあること、悪天候等でないことなど、国土交通省が付与した特定条件(走行環境条件)の範囲内で自動運行を行うものとなり、最大速度12km/hで走行します。

~NEW~
経済産業省 『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』を改訂しました
  • 経済産業省は、中長期の企業価値向上に対応する役員報酬プランの導入を促すため、『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』を作成・公表しています。今回は、2022年7月に改訂を行った「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」(以下「CGSガイドライン」という。)の内容を踏まえ、従業員に自社株報酬を付与する場合のQ&Aの追加を中心として、改訂を行いました。
  • 背景
    • 経済産業省は、我が国企業が収益力(「稼ぐ力」)や中長期的な企業価値の向上に向け、迅速かつ果断な意思決定を行えるよう、企業のコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。こうした取組のひとつとして、中長期の企業価値向上に対応する役員報酬プランの導入を促すため、『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』を2017年4月に作成・公表し、その後も法令改正等に応じて改訂を行っています。
  • 手引の概要および今回の改訂のポイント
    1. 「攻めの経営」を促す役員報酬の概要
      • 役員にインセンティブ報酬の導入を促進する政策的意義や、平成29年度以降の税制改正における措置の概要等を説明しています。今回、CGSガイドラインの改訂を踏まえ、当該内容にかかる部分を中心として更新を行いました。
    2. 株式報酬、業績連動報酬に関するQ&A
      • 企業が株式報酬、業績連動報酬を導入する際の参考となるよう、類型ごとにポイント等を解説しています。今回、CGSガイドラインの改訂を踏まえ、幹部候補である従業員等に自社株報酬を付与する場合の論点等について、新たに記載を追加しました。主な改訂箇所は以下の通りです。
        • 退職時に支払われることとなる株式報酬の社会保険料の算定対象への該当性についての記載等を追加(Q13)
        • 「第5従業員に対する株式報酬の付与に関するQ&A」の新設(Q78からQ83)
    3. 株主総会報酬議案(例)
      • 役員に対して株式報酬を付与する際に必要となる株主総会に付議する報酬議案について、一例を示しています。
    4. 譲渡制限付株式割当契約書(例)
      • 「特定譲渡制限付株式」を付与する際に会社と役職員の間で締結する契約書について、一例を示しています。今回、CGSガイドラインの改訂を受け、従業員に株式を発行する場合の譲渡制限付株式割当契約書(例)を追加しました。
    5. 株式報酬規程(例)
      • 事後交付型の株式報酬制度を導入する際に会社が定める株式報酬規程について、一例を示しています。今回、CGSガイドラインの改訂を受け、従業員に株式を発行する場合の株式報酬規程(例)を追加しました。
    6. 関係法令
      • 法人税法、所得税法、金融商品取引法の関連条文(法律、政令、省令、府令)を掲載しています。直近の改正を踏まえてアップデートを行いました。
▼「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-(2023年3月時点版)

~NEW~
経済産業省 令和4年中小企業実態基本調査(令和3年度決算実績)速報を取りまとめました
  • 中小企業庁は、中小企業の財務情報、経営情報等を把握するため、業種横断的な実態調査として、中小企業実態基本調査を毎年行っています。この度、「令和4年中小企業実態基本調査(令和3年度決算実績)速報」を取りまとめました。
  • 中小企業実態基本調査の概要
    • 中小企業庁は、中小企業の財務情報、経営情報等を把握するため、業種横断的な実態調査として、中小企業実態基本調査を毎年行っており、今回で19回目の実施となります。
    • 本調査は、「建設業」、「製造業」、「情報通信業」、「運輸業,郵便業」、「卸売業」、「小売業」、「不動産業,物品賃貸業」、「学術研究,専門・技術サービス業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」及び「サービス業(他に分類されないもの)」の合計11産業に属する中小企業から調査対象約11万社を抽出して行っています。
    • 今回の調査では、有効回答45,186社(有効回答率41.1%)を基に推計しています。
  • 速報のポイント
    • 1企業当たりの売上高は1.8億円(前年度比5.0%増)、1企業当たりの経常利益は871万円(同31.4%増)。
    • 法人企業の1企業当たりの付加価値額は0.9億円(前年度比9.6%増)。
    • 1企業当たりの従業者数は9.2人(前年度比-0.8%減)。
    • 設備投資を行った法人企業の割合は22.3%(前年度差0.1ポイント増)。新規リース契約を行った法人企業の割合は11.7%(同0.5ポイント増)。
    • 社長(個人事業主を含む。)について、年齢別構成比が最も高いのは70歳代(27.0%)、在任期間別構成比が最も高いのは30年以上(30.5%)。
▼別紙 令和4年中小企業実態基本調査速報(要旨)(令和3年度決算実績)

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経済産業省 「情報セキュリティサービス基準第3版」を公表しました
  • 経済産業省は、情報セキュリティサービスの利用者が当該サービスを安心して利用できる環境を醸成するべく、「情報セキュリティサービス基準」を改訂し、「機器検証サービス」を追加した第3版を公表しました。
  • 背景
    • 経済産業省では、情報セキュリティサービスの利用者が当該サービスを安心して利用ができ、調達時に参照できるような仕組みの提供を目的として、「情報セキュリティサービス基準」及び「情報セキュリティサービスに関する審査登録機関基準」を平成30年2月に公表しました。
    • 当該基準は初版公表から5年以上が経過、また令和4年1月には第2版を公表し、一定の企業において活用されてきているところ、当該基準に基づく情報セキュリティサービス審査登録制度のより一層の普及を図るべく、「情報セキュリティサービス普及促進に関する検討会」を開催し、「情報セキュリティサービス基準」の改訂を検討しました。
    • 経済産業省において、検討会における有識者やパブリックコメントでのご意見等を踏まえて、現行の「情報セキュリティサービス」4サービス(情報セキュリティ監査サービス、脆弱性診断サービス、デジタルフォレンジックサービス及びセキュリティ監視・運用サービス)に、「機器検証サービス」を追加した「情報セキュリティサービス基準」の第3版を公表することとしました。
  • 「情報セキュリティサービス基準」の改訂の概要
    • 「情報セキュリティサービス」に、IoT機器をはじめとするネットワーク通信機能を持つ機器及びその機器に対してネットワークを通じて操作・管理・データ処理等を行うアプリケーションから構成されるシステム(IoTシステム)に対して行う、機器検証、Webアプリケーション脆弱性診断、プラットフォーム脆弱性診断のサービスを「機器検証サービス」として追加しました。「機器検証サービス」の登録申請の募集は、2023年度第3回(9月目処)から開始予定です。
    • また、「機器検証サービス」の追加に伴い、「情報セキュリティサービスにおける技術及び品質の確保に資する取組の例示」も第2版を公表しました。
▼情報セキュリティサービス基準 第3版
▼情報セキュリティサービスにおける技術及び品質の確保に資する取組の例示 第2版

~NEW~
経済産業省 日米重要鉱物サプライチェーン強化協定の署名
  • 3月28日、ワシントンD.C.の米国通商代表部において、冨田浩司駐米国日本国特命全権大使とキャサリン・タイ米国通商代表(H.E. Ambassador Katherine Tai, United States Trade Representative)との間で、「重要鉱物のサプライチェーンの強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(日米重要鉱物サプライチェーン強化協定)の署名が行われ、この署名により同協定が発効しました。
  • この協定は、今後も電気自動車のバッテリーの大幅な需要拡大が見込まれる中、その生産に不可欠な重要鉱物を確保することが喫緊の課題となっていることも踏まえ、そのような重要鉱物について、持続可能で衡平なサプライチェーンの確保に向けた協力の強化を通じ、米国のインフレ削減法の目的の達成に資するとともに、日米、更には同志国との連携による強靱なサプライチェーンの構築を目指すためのものです。
▼協定本文(和)

~NEW~
総務省 労働力調査(基本集計) 2023年(令和5年)2月分結果の概要
  • 就業者
    • 就業者数は6667万人。前年同月に比べ9万人の増加。7か月連続の増加
    • 雇用者数は6012万人。前年同月に比べ7万人の増加。12か月連続の増加
    • 正規の職員・従業員数は3568万人。前年同月に比べ9万人の減少。2か月ぶりの減少。非正規の職員・従業員数は2102万人。前年同月に比べ29万人の増加。13か月連続の増加
    • 主な産業別就業者を前年同月と比べると、「宿泊業,飲食サービス業」、「建設業」、「サービス業(他に分類されないもの)」などが増加
  • 就業率(就業者/15歳以上人口×100)
    • 就業率は60.5%。前年同月に比べ0.3ポイントの上昇
    • 15~64歳の就業率は77.9%。前年同月に比べ0.3ポイントの上昇
  • 完全失業者
    • 完全失業者数は174万人。前年同月に比べ6万人の減少。20か月連続の減少
    • 求職理由別に前年同月と比べると、「勤め先や事業の都合による離職」が9万人の減少。「自発的な離職(自己都合)」が2万人の増加。「新たに求職」が2万人の増加
  • 完全失業率(完全失業者/労働力人口×100)
    • 完全失業率(季節調整値)は2.6%。前月に比べ0.2ポイントの上昇
  • 非労働力人口
    • 非労働力人口は4163万人。前年同月に比べ52万人の減少。12か月連続の減少
  • 男女別就業者数
    • 就業者数は6667万人。前年同月に比べ9万人(0.1%)の増加。7か月連続の増加。男性は3668万人。9万人の減少。女性は2999万人。18万人の増加
  • 従業上の地位別就業者数
    • 自営業主・家族従業者数は622万人。前年同月に比べ3万人(0.5%)の減少
    • 雇用者数は6012万人。前年同月に比べ7万人(0.1%)の増加。12か月連続の増加。男性は3261万人。12万人の減少。女性は2751万人。18万人の増加
  • 雇用形態別雇用者数
    • 正規の職員・従業員数は3568万人。前年同月に比べ9万人(0.3%)の減少。2か月ぶりの減少
    • 非正規の職員・従業員数は2102万人。前年同月に比べ29万人(1.4%)の増加。13か月連続の増加
    • 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は37.1%。前年同月に比べ0.4ポイントの上昇
  • 就業率
    • 就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合)は60.5%。前年同月に比べ0.3ポイントの上昇
    • 15~64歳の就業率は77.9%。前年同月に比べ0.3ポイントの上昇。男性は83.5%。0.1ポイントの低下。女性は72.1%。0.7ポイントの上昇
    • 20~69歳の就業率は79.7%。前年同月に比べ0.6ポイントの上昇
  • 男女別完全失業者数
    • 完全失業者数は174万人。前年同月に比べ6万人(3.3%)の減少。20か月連続の減少
    • 男性は105万人。前年同月に比べ3万人の減少。女性は69万人。前年同月に比べ3万人の減少
  • 求職理由別完全失業者数
    • 完全失業者のうち、「勤め先や事業の都合による離職」は26万人と、前年同月に比べ9万人の減少、「自発的な離職(自己都合)」は72万人と、前年同月に比べ2万人の増加、「新たに求職」は47万人と、前年同月に比べ2万人の増加
  • 年齢階級別完全失業者数
    • 男性の完全失業者数は、「35~44歳」、「45~54歳」及び「55~64歳」の年齢階級で、前年同月に比べ減少
    • 女性の完全失業者数は、「25~34歳」、「45~54歳」及び「55~64歳」の年齢階級で、前年同月に比べ減少

~NEW~
総務省 「インターネットトラブル事例集(2023年版)」の公表
  • 総務省は、インターネットに係る実際に起きた最新のトラブル事例を踏まえ、その予防法等をまとめた「インターネットトラブル事例集(2023年版)」を作成しましたので公表します。
  • 総務省では、インターネットに係る実際に起きた最新のトラブル事例を踏まえ、その予防法等をまとめた「インターネットトラブル事例集」を毎年更新しています。
  • 「インターネットトラブル事例集(2023年版)」では、ニュース等でも大きく取り上げられているいわゆる「闇バイト」を始めとした様々なトラブル事例と、その解決に向けたヒントをこども向けに分かりやすくマンガ等を用いて解説しています。また、保護者や教職員の方にもご活用いただけるよう、こどもの年齢に合ったネット利用環境、小中高生のICT利活用、成年年齢の引下げに当たって学んでおきたいこと等の内容に関する参考資料も収録しています。
  • 「インターネットトラブル事例集(2023年版)」の内容は、「上手にネットと付き合おう!~安心・安全なインターネット利用ガイド~」にもスマートフォン等の様々な媒体で閲覧しやすい形で掲載しています。また、授業等で御活用いただくための教職員用の参考資料も作成していますので、ぜひご覧ください。
  • 掲載ページは以下のとおりです。
▼1.「上手にネットと付き合おう!~安心・安全なインターネット利用ガイド~」
▼2.インターネットトラブル事例集 ダウンロードページ

~NEW~
総務省 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ(第4回)配布資料
▼資料2 特定電気通信役務提供者に対する削除請求権の創設について(京都大学大学院 橋本佳幸教授)
  1. 削除請求権を創設することの法技術的な可否
    • 人格的利益を違法に侵害するインターネット上の投稿に関して、プロバイダに対する削除請求権を法律に規定することが、民法の理論にも整合するか。
    • プロバイダ責任制限法に、次のような送信防止措置請求権の規定を置くことができる。
      • 「特定電気通信による情報の流通によって自己の権利又は法律上保護される利益を侵害される者は、……特定電気通信役務提供者に対し、当該情報の不特定の者に対する送信を防止する措置を講ずることを請求することができる。」
    • 従来、差止請求権としてプロバイダに対する削除請求権が認められてきたものを確認して明文化する。
    • プロバイダ責任制限法3条は、このような削除請求権(削除義務)を前提とするものと解される。
    • 従来、人格権に基づく差止請求権または特別法上の差止請求権としてプロバイダに対する削除請求が認められてきたものを、確認して明文化するものであること
    • インターネット上の「情報の流通」によって侵害される権利・法益
      1. 著作権・商標権・信用・営業秘密…特別法上の差止請求権
      2. 名誉、プライバシー、名誉感情など…人格権に基づく差止請求権
        • 2に関して……「個人のプライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益は、法的保護の対象となるというべきであり、このような人格的価値を侵害された者は、人格権に基づき、加害者に対し……侵害行為の差止めを求めることができる」(最判令和4年6月24日)
    • プロバイダに対する削除請求権(差止請求権)の要件に関して、判例は、違法な侵害以上のものを要求しない。
      • 最決平成29年1月31日は、検索事業者に対する検索結果からの削除請求につき、「明らか」要件を立てる。
      • 最判令和4年6月24日は、ツイートの削除請求につき、要求しない。
    • プロバイダ責任制限法3条の責任制限の規定は、上記の削除請求権(削除義務)を前提とするものと解されること
      • 3条1項は、権利侵害情報についてプロバイダが送信防止措置を講じなかった場合に、被害者に対する損害賠償責任を制限する。次の1、2を満たす場合に限り責任を負う。
        1. 当該情報の流通を知っていること……一般的監視義務の否定
        2. 当該情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があること
      • 3条2項は、非権利侵害情報についてプロバイダが送信防止措置を講じた場合に、発信者に対する損害賠償責任を制限する。次の3の場合には責任を負わない。
        1. 当該情報の流通によって他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったとき
      • 2、3の規律は、プロバイダが権利侵害情報の削除義務を負うこと(上記の削除請求権)を不文の前提として、プロバイダが権利侵害情報該当性(=削除義務)の判断を誤った場合の責任を制限するもの。
  2. 炎上の場面における請求権を創設することの可否
    • 多数の者によって大量・集中的に侮辱的な投稿がされた場面(炎上事案)では、大量の侮辱的な投稿を全体として捉えれば、社会通念上許される限度を超えた違法な侮辱がある。他方で、各投稿を個別に見たときには、違法な侮辱に当たらないものも多い。
    • 被害者は、プロバイダに対し、個別には違法でない投稿も含め、各投稿の削除を請求することができるのか。
    • 大量の侮辱的な投稿が全体として帯びる違法性に着目した理論構成による削除請求が考えられる。
      1. 大量の投稿によって被害者が受忍限度を超える侮辱を受け、侵害が違法な程度に達している。
      2. プロバイダは、違法な侵害状態を解消すべき作為義務を負う。
      3. 被害者は、プロバイダに対し、削除等の方法による侵害状態の解消を請求することができる。また、プロバイダは、侵害状態を放置するときは損害賠償責任を負う。
  3. 送信予防措置請求権を創設することの可否
    • あるアカウントから繰り返し多数の権利侵害情報が投稿される場合に、プロバイダに対する送信予防措置請求として、アカウントの停止・凍結等の請求を認めることができるか。
    • 差止請求権には、㋐侵害の停止と㋑侵害の予防がある。
    • インターネット上の情報の流通に関して、㋑を一般的に肯定すべきではない。
    • 問題場面に限れば、㋐でも対応することができる。
      • 権利侵害となる投稿を反復する行為を1個の継続的な侵害とみて、その停止の請求を認める。
      • 侵害の停止請求は、「停止に必要な措置」を含みうる(著作権法112条2項、不正競争防止法3条2項参照)。
      • 被害者は、プロバイダに対して、投稿の反復を停止させるのに必要な措置として、アカウントの一時停止や削除を請求することができる。
  4. 削除請求権に関連して意見照会の規定を設けることの要否
    • プロバイダが削除請求を受けた場合について、発信者への意見照会を義務づける手続的な規定を置くべきか。
    • プロバイダ責任制限法6条は、プロバイダが発信者情報の開示請求を受けた場合に「当該開示の請求に応じるかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない」とする。削除請求を受けた場合についても、同様とすべきか。
    • 発信者情報開示の場合は、いったん開示されれば原状回復ができないため、発信者に対する意見照会が義務づけられる。削除の場合は、発信者情報の開示の場合ほどに慎重な手続は必要ない。
    • 意見照会を義務づける場合には、権利侵害性が明白な投稿につき、迅速に削除措置を講じることの妨げとなりうる。
  5. 損害賠償責任の責任制限の範囲を変更することの可否
    • 繰り返し多数の権利侵害情報を投稿するアカウントのモニタリング義務
      • 検討アジェンダ
        • 繰り返し多数の権利侵害情報を投稿するアカウントに対象を限定した上で、これを継続的にモニタリングすることを義務づける。
        • 当該のアカウントによる投稿については、プロバイダ責任制限法3条1項2号「情報の流通を知っていた」とみなす。
    • その種のアカウントに限ってであれ、発信情報の監視を義務づけることには、慎重であるべき。
      1. 表現の自由に対する萎縮効果
      2. プロバイダにとっての負担
    • 一定の信頼性を有する機関から削除要請を受けた場合
      • 検討アジェンダ
        • 「公平中立な立場からの削除要請等の法的位置づけや、要請を受けたプラットフォーム事業者に求められる対応を明確化すること」「例えば、応答義務を課すことや、要請された投稿を削除した場合の免責を定めること」「例えば、応答義務を課すことや、要請された投稿を削除した場合の免責を定めること」
      • 権利侵害情報について、プロバイダが、信頼性のある機関から削除要請を受けたにもかかわらず、誤って削除しなかった場合には、3条1項2号「他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある」として、プロバイダの責任を肯定する。
      • 非権利侵害情報について、プロバイダが、信頼性のある機関から削除要請を受けたがために、誤って削除した場合には、3条2項1号「他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があった」として、プロバイダの責任を否定する。
    • 一定の信頼性を有する機関から削除要請を受けた場合
      • プロバイダが当該機関の判断(権利侵害情報であるとの判断)に従うべきものとするための基盤、あるいは当該機関の判断を信頼することが許されるための基盤が、欠けている。→責任範囲を変更すべきでない。
    • ある投稿が権利侵害情報に該当するか否かの判断
      1. 判断の基礎となるべき事実の把握
      2. 違法な侵害といえるかどうかの法的評価
    • 権利侵害情報かどうかを判断するための基礎事実
      • 重要な基礎事実を(プロバイダではなく)当該機関が保有している状況でなければ、上記の「基盤」が存在しない。
    • 違法な侵害といえるかどうかの法的評価
      • 法的評価は裁判所が行う。裁判所以外の機関がした評価に従うべき、あるいは信頼してよい理由はない。
▼資料3 プロバイダに対する削除請求権に関する規定の創設について-法的技術的観点からの検討(東京大学大学院 森田宏樹教授)
  • 実体法上の請求権としての削除請求権の創設の可能性
    • 特定電気通信役務提供者(プロバイダ責任制限法3条)ホスティング・サービス・プロバイダ一般を対象とする
    • 削除請求権を明文化することについてニーズがあることを前提として、法技術的観点からの当否の検討 もっとも、どのようなニーズに応えるかによって規定の内容も変わってくる
  • 2つのアプローチ
    1. 被侵害法益の観点からのアプローチ
      • 判例法において認められている差止請求権としての削除請求権を、その根拠となる権利または利益ごとに明文化するアプローチ
      • 削除請求権の明文化のニーズ
        • 人格権に基づく差止請求権としての削除請求権という権利の存在を認識している国民は約3割にすぎないとの指摘
      • 民法の一般法理がプロバイダとの関係でも妥当することを確認する法律の規定
        • 差止請求権について法律の規定がない場合についてのみ、明文化するもの人格権または人格的利益に基づく削除請求権
      • 問題点
        • 判例が認める権利・利益以外については、引き続き解釈に委ねられる。
        • 人格権ないし人格的利益といっても、具体的な法益には多様なもの含まれるから、違法な侵害の具体的な要件を一般的に定めることは困難である。
        • プロバイダ責任制限法が損害賠償責任について採用する「分野横断的(horizontal)アプローチ」と整合的なのか
    2. プロバイダの行為義務の観点からのアプローチ
      • 「技術的媒介者(intermédiaire technique)」としてのプロバイダ:間接侵害
        • プロバイダは、いかなる場合に侵害主体と評価することができるのか。投稿を削除しないことが違法な侵害と評価されるためには、「条理上の作為義務」が認められることを要する:プロバイダの行為不法の観点
        • 一般的監視義務の不存在の原則(プロバイダ責任制限法3条1項1号・2号) EU情報社会サービス指令(2000/31)の考え方の立法化 EUデジタルサービス法(2022/2065)における原則の維持 プロバイダ責任制限法3条1項1号・2号が定める要件のもとで、削除請求権を規定するのであれば、現行法の解釈とも整合的であり適切な方向
        • 分野横断的アプローチ:法益による限定は必要ない プロバイダが削除しなければ損害賠償責任を負う場合であれば、原則として、
        • 削除義務を認めても問題ない。現行民法709条の文言に合わせれば、「他人の権利又は法律上保護される利益が侵害されていること」
      • 削除請求の態様との関係
        • 裁判上の削除請求
          • 裁判所が判決により権利・利益の違法な侵害について要件充足を認定することにより、当然に1号・2号の要件が充足される。
        • 裁判外の削除請求
          • 裁判外の通知により与えられた情報から、権利・利益の違法な侵害の要件充足を認識することができる場合(1号)
          • 権利・利益の違法な侵害があることを蓋然的に示す重要な事実を認識しているにもかかわらず、一定の調査・確認を行わない場合(2号)「当該関係役務提供者が当該情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知ることができた・・・と認めるに足りる相当の理由があるとき」
          • 権利者による通知と「信頼される第三者」による通知とを問わない。
      • ホスティング・サービス・プロバイダに対する削除請求権の射程
        • 検索事業者
          • 最決平成29年1月31日(民集71巻1号63頁)「検索結果の提供は検索事業者自身による表現行為という側面を有する」
        • オンライン・プラットフォームに関する特則
          • プラットフォームの規模と対象となる権利・利益に応じた特別な責任制度の可能性
          • EUのデジタル単一市場著作権指令(2019/790)17条
          • 著作権侵害に関するコンテンツ共有サービス提供者(online content-sharing service provider)の責任制度
          • サービス提供者自体を送信主体と定めたうえで、一定の要件を充たす場合に免責されるとするもの:直接侵害として、原則と例外が逆転
      • 削除請求権に関連する検討課題
        • 送信「予防」措置請求権の実現の可能性
          • 権利・利益を侵害する情報が繰り返し投稿される場合における削除義務の実効性
          • プロバイダが既に認識している侵害と同一または同等の侵害と評価されるものか
        • 削除請求に関して発信者の意見照会を行う規定の要否
          • 権利・利益の違法な侵害があることを蓋然的に示す重要な事実を認識しており、発信者に照会することにより要件充足を確認できる場合は、2号に包摂可能
        • いわゆる炎上の場合における削除請求権を創設することの可否
          • 複数の者により大量に誹謗中傷の投稿が反復継続してされた場合
          • 複数の者の行為の主観的・客観的な関連共同性から、行為全体を違法な侵害行為と捉えることができるか

~NEW~
国土交通省 ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.4.0」を公表~ドローン物流の社会実装を推進します~
  • 国土交通省では、レベル4飛行(ドローンの有人地帯における補助者なし目視外飛行)の解禁を受けて、ドローン物流の社会実装をより一層推進していくため、「過疎地域等におけるドローン物流ビジネスモデル検討会」において、レベル4飛行も対象にした「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドライン4.0」を取りまとめました。
  • 背景
    • トラックドライバー不足が深刻化する中、物流機能の維持は、ユニバーサルサービスの観点から非常に重要な課題であり、特に過疎地域等においては、輸配送の効率化のためにドローンを活用した荷物等の配送が期待されています。
    • 国土交通省では、2021年6月に、ドローン物流サービスにこれから着手する主体を対象にした手引きとして、導入方法や配送手段などに関する具体的な手続き等を「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドライン」に整理しました。
    • 2022年3月には、これまでの国内でのドローン物流の取組をまとめた事例集を追加し、「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドライン3.0」として取りまとめました。
    • 2022年12月には、改正航空法が施行し、レベル4飛行が可能となったことを受けて、「過疎地域等におけるドローン物流ビジネスモデル検討会」において、レベル4飛行も対象とした「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドライン4.0」に改定しました。
    • なお、本ガイドラインの内容は、今後の状況の変化を踏まえ、適時適切に見直しを実施する予定です。
  • ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドライン4.0の主な内容
    • 改定したガイドラインの内容については、以下のページからご覧ください。
▼過疎地域等におけるドローン物流ビジネスモデル検討会

~NEW~
国土交通省 「MaaS 関連データの連携に関するガイドライン」を改訂しました!~データ連携・利活用の高度化を後押し~
  • MaaSの取組みが全国で進む中、そのサービス高度化のためには、参画する事業者間においてデータを連携し利活用することが益々重要になっていることを踏まえ、データ連携の高度化の意義や具体的方法等を明らかにするべく、「MaaS関連データの連携に関するガイドライン」の3.0への改訂を行いました。
  • MaaSにより提供されるサービスの向上のためには、参画する事業者等の間におけるデータの連携が不可欠となります。
  • MaaSの取組みが全国で進展する中、交通分野におけるデータ連携の更なる高度化を図るため、令和4年6月に開催した「交通分野におけるデータ連携の高度化に向けた検討会」において、予約・決済情報等のチケットに関するデータや、リアルタイムに変化する運行情報等の動的なデータの連携・利活用の高度化を推進するための方向性等について取りまとめを行いました。
  • そして、今般、同検討会の取りまとめ内容等の「MaaS関連データの連携に関するガイドライン」への反映について、本年3月16日に開催した「令和4年度MaaS関連データ検討会」において有識者等から専門的な知見を頂いた上で、利用者及び事業者の双方にとって有益な情報を盛り込んだ同ガイドラインの改訂版(「MaaS関連データの連携に関するガイドライン3.0」)を策定しました。
  • 全国各地でMaaSに取り組む地方自治体や民間事業者等の方々に、このガイドラインを参照・活用いただくことにより、円滑なデータ連携を促進し、MaaSの高度化を図っていきます。
▼MaaS 関連データの連携に関するガイドラインVer.3.0(概要)

~NEW~
国土交通省 テレワーカーの割合は、昨年度からわずかに減少もほぼ同水準を維持!~令和4年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します~
  • 国土交通省では、テレワーク関係府省※と連携して、テレワークの普及促進に取り組んでおり、今後の促進策に役立てることを目的として、「テレワーク人口実態調査」を毎年実施しています。
  • 今年度調査における雇用型テレワーカーの割合は、昨年度調査からわずかに減少し、26.1%となりました。※:内閣官房、内閣府、デジタル庁、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省
  • 調査結果の概要
    • 雇用型就業者のテレワーク実施状況
      • 雇用型就業者のテレワーカー(雇用型テレワーカー)の割合は、全国で26.1%(0.9ポイント減)であった。
      • 勤務地域別でみると、首都圏は2.3ポイント減少したが、昨年度と同様の4割の水準を維持している。一方で、地方都市圏は0.3ポイント増加したものの17.5%にとどまり、依然として首都圏との差は大きい。
      • 雇用型テレワーカーのうち、テレワークの継続意向がある者の割合は、約87%と高い水準であった。
      • 継続意向がある理由としては、「時間の有効活用」が約40%と最も多く、次いで「通勤の負担軽減」が約33%となっている。
      • また、継続意向がある雇用型テレワーカーに、テレワーク実施希望頻度を調査したところ、約6割が、現状を上回る頻度でのテレワークの実施を希望している。
      • 日数としては、現状の実施頻度の平均は週1.8日だったが、希望は週2.9日であった。
    • 企業規模別の特徴
      • 勤務先の企業規模(従業員数)別にテレワーカーの割合をみると、昨年度同様、企業規模が大きいほどその割合が高く、企業規模が小さいほど低い傾向が見られる。
      • 一方で、企業規模「20~99人」以上の各企業規模帯で昨年度より減少したが、企業規模「1~19人」では昨年度と比べてわずかに増加した。企業規模「1~19人」について、圏域別に昨年度と比べると、首都圏、中京圏、地方都市圏で増加がみられる。
      • 企業規模別に、勤務先のテレワーク環境整備に対する取組の有無をみると、企業規模が大きくなるほど、環境整備に取り組む割合が増加する傾向となっている。
      • 企業規模によるテレワーク環境の差が最も大きかったのは、「セキュリテイ対策が施されたノートPC・通信機器の貸与」(「1000人以上」33.8%、「1~19人」14.0%)であった。
    • 職種別の特徴
      • 職種別に比較した場合、テレワーカー割合の高い6職種※1では、テレワーカー割合は、昨年度から微減したものの、4割台を維持している。
      • また、テレワーカー割合の低い5職種※2では、引き続き、割合が高い6職種との差が約34ポイントと大きい。
      • テレワーカー割合の高い6職種について、職種毎にみると、昨年度と比べて、管理職や研究職等では割合が増加している一方、営業職や事務職等では減少しており、テレワークしやすい職種においても動向に違いが生じている。

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