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  • 森林・林業白書(林野庁)/誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するWG(総務省)/こども未来戦略会議(内閣官房)/経協インフラ戦略会議(首相官邸)/ものづくり白書(経産省)

危機管理トピックス

森林・林業白書(林野庁)/誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するWG(総務省)/こども未来戦略会議(内閣官房)/経協インフラ戦略会議(首相官邸)/ものづくり白書(経産省)

2023.06.05
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更新日:2023年6月5日 新着33記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 企業会計審議会第10回会計部会 議事次第
  • 証券監督者国際機構(IOSCO)による市中協議文書「暗号資産・デジタル資産に関する勧告案」の公表について
内閣官房
  • こども未来戦略会議(第5回)議事次第
  • ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議
  • デジタル田園都市国家構想実現会議(第13回)議事次第
  • 医療DX推進本部(第2回)
  • 花粉症に関する関係閣僚会議(第2回)議事次第
首相官邸
  • 食料安定供給・農林水産業基盤強化本部(第4回) 議事次第
  • 第56回 経協インフラ戦略会議 議事次第
  • 観光立国推進閣僚会議 第20回配布資料
国民生活センター
  • 【「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?(No.3)】テレビショッピングなどをみて電話で注文したら、意図せず「定期購入」に!?-「サンプル」「おまとめコース」などを勧められても要注意!-
  • 18歳・19歳の消費者トラブルの状況-成年年齢引下げから1年-
  • なくならない乳幼児による加熱式たばこの誤飲に注意
厚生労働省
  • 第8回今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会
  • 2023年度第1回雇用政策研究会資料
  • 「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を6月20日から実施します~薬物乱用防止のためのキャンペーンと国連支援募金運動を全国各地で実施~
  • 6月は「外国人労働者問題啓発月間」です 「誰もが活躍できる職場づくりを進めよう ~外国人雇用はルールを守って適正に~」が今年の標語です
  • 「令和4年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)を本日閣議決定
経済産業省
  • 2023年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)
  • “イノベーション循環”が新たな価値を生み、持続可能な産業を創る 研究開発・イノベーション小委員会の提言を取りまとめました
  • 「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を策定しました
  • 「DX銘柄2023」「DX注目企業2023」「DXプラチナ企業2023-2025」を選定しました!
国土交通省
  • ビジネスジェットを利用する高付加価値旅行者の誘客促進を目指します!~観光目的の外国籍ビジネスジェットの運航許可に関する申請期限短縮について~
  • 全国10箇所で無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業を行います!~ドローン物流の社会実装を推進します~
  • 「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和4年度)」の結果を公表
  • 新型コロナ感染症の影響下における生活行動調査(第三弾)~人々の活動場所が新型コロナ感染症流行前に戻ってきていることを確認~
  • ハザードマップポータルサイトのリニューアルについて~地図上の災害リスクを文字で伝える ユニバーサルデザイン化~

~NEW~
警察庁 令和5年4月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
  • 令和5年1月~4月の特殊詐欺全体の認知件数は6,204件(前年同期4,733件、前年同期比+31.1%)、被害総額は123.2憶円(100.2憶円、+23.0%)、検挙件数は2,094件(1,822件、+14.9%)、検挙人員は680人(619人、+9.9%)
  • オレオレ詐欺の認知件数は1,391件(1,055件、+31.8%)、被害総額は38.0憶円(31.7憶円、+20.2%)、検挙件数は654件(473件、+38.3%)、検挙人員は290人(232人、+25.0%)
  • 預貯金詐欺の認知件数は832件(710件、+17.2%)、被害総額は10.6憶円(8.5憶円、+25.7%)、検挙件数は418件(421件、▲0.7%)、検挙人員は133人(158人、▲15.8%)
  • 架空料金請求詐欺の認知件数は1,550件(804件、+92.8%)、被害総額は40.1憶円(29.6憶円、+35.6%)、検挙件数は71件(42件、+69.0%)、検挙人員は31人(30人、+3.3%)
  • 還付金詐欺の認知件数は1,460件(1,219件、+19.8%)、被害総額は16.6憶円(13.6憶円、+22.1%)、検挙件数は370件(231件、+60.2%)、検挙人員は63人(37人、70.3%)
  • 融資保証金詐欺の認知件数は73件(34件、114.7%)、被害総額は1.0憶円(0.9憶円、14.5%)、検挙件数は5件(6件、▲16.7%)、検挙人員は6人(3人、+100.0%)
  • 金融商品詐欺の認知件数は52件(7件、+642.9%)、被害総額は5.5憶円(0.8憶円、+574.4%)、検挙件数は8件(0件)、検挙人員は12人(6人、+100.0%)
  • ギャンブル詐欺の認知件数は7件(16件、▲56.3%)、被害総額は0.2憶円(1.6憶円、▲84.3%)、検挙件数は0件(6件)、検挙人員は0人(4人)
  • キャッシュカード詐欺盗の認知件数は808件(885件、▲8.7%)、被害総額は10.5憶円(13.6憶円、▲22.8%)、検挙件数は560件(643件、▲12.9%)、検挙人員は136人(148人、▲8.1%)
  • 組織的犯罪処罰法違反の検挙件数は79件(27件、+192.6%)、検挙人員は33人(6人、+450.0%)、口座開設詐欺の検挙件数は237件(244件、▲2.9%)、検挙人員は135人(128人、+5.5%)、盗品等譲受け等の検挙件数は2件(0件)、検挙人員は1人(0人)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は896件(1,021件、▲12.2%)、検挙人員は695人(809人、▲14.1%)、携帯電話契約詐欺の検挙件数は36件(33件、+9.1%)、検挙人員は37人(32人、+15.6%)、携帯電話不正利用防止法違反の検挙件数は5件(5件、±0%)、検挙人員は4人(2人、+100.0%)
  • 被害者の年齢・性別構成について、特殊詐欺全体では男性(31.8%):女性(68.2%)、60歳以上89.9%、70歳以上70.8%、オレオレ詐欺では男性(18.3%):女性(81.7%)、60歳以上98.7%、70歳以上96.2%、架空料金請求詐欺では、男性(62.4%):女性(37.6%)、60歳以上72.5%、70歳以上44.0%、融資保証金詐欺では男性(77.3%):女性(22.7%)、60歳以上15.2%、70歳以上3.0%、)特殊詐欺被害者全体に占める高齢被害者(65歳以上)の割合について、特殊詐欺全体 82.7%(男性28.6%、女性71.4%)、オレオレ詐欺 98.0%(18.3%、81.7%)、預貯金詐欺 99.5%(9.9%、90.1%)、架空料金請求詐欺 58.7%(65.6%、34.4%)、還付金詐欺 81.4%(35.7%、64.3%)、融資保証金詐欺 4.5%(66.7%、33.3%)、金融商品詐欺 30.8%(37.5%、62.5%)、ギャンブル詐欺 14.3%(100.0%、0.0%)、キャッシュカード詐欺盗 99.5%(12.2%、87.8%)

~NEW~
林野庁 令和4年度 森林・林業白書 概要
▼全文
  • 気候変動による山地災害の激甚化・形態変化
    1. 気候変動による大雨等の増加
      • 近年は、年間の短時間強雨の発生頻度が増加しているほか、線状降水帯の発生等により期間中の総降水量が増加する傾向もみられる状況
      • IPCC第6次評価報告書(2021年)においても、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」とされ、地球規模で大雨等の極端現象の頻度と強度が増加すると予想
    2. 山地災害の激甚化・形態変化とその対応方針
      • 近年の気候変動に伴い、1箇所当たりの災害規模が増大傾向にあるなど山地災害が激甚化するとともに発生形態も変化
      • 2021年3月、「豪雨災害に関する今後の治山対策の在り方に関する検討会」において、近年の気候変動の影響を受けた山地災害の特徴と、これに対して重点的に取り組むべき治山対策の方向性について、以下の通り取りまとめ
        • 表層よりもやや深い層からの崩壊の発生
          • 表層崩壊防止機能が高まり山地災害の発生件数が減少傾向となる一方で、多量の雨水が森林土壌の深い層まで浸透することで表層よりもやや深い層からの崩壊が発生
          • これに対し、リモートセンシング技術の有効活用による対策・監視箇所の抽出や、筋工・柵工等の設置により雨水の分散・排水を図るなど、崩壊発生を抑制する斜面補強対策を推進
        • 渓流の縦横侵食量の増加
          • 渓流の流量が増加することにより、渓流の縦・横方向ともに侵食量が増えて土砂の流出量の増加や渓流沿いの立木が流木化するリスクの高まりが懸念
          • これに対し、集落近接地では土石流の衝撃にも対応できる断面の厚い治山ダムを設置する、集落等から遠い区域では比較的規模の小さい治山ダムを階段状に設置して渓流の侵食を防止するなど、渓流の状況に応じてタイプの異なる治山ダムを配置し渓流全体を安定化
          • 流木の発生に対しては、流木捕捉式治山ダムの設置、渓流域の危険木の除去や林相転換等を実施
        • 線状降水帯の発生等による山地災害の同時多発化
          • 線状降水帯が発生した地域において、山地災害が同時多発的に発生することが懸念
          • これに対し、土石流等の発生危険度が特に高い地区において治山対策の実施率を高めるとともに、既存施設をかさ上げするなどにより有効に活用
        • 洪水被害・流木災害の激甚化
          • 大雨の激化・頻発化により洪水被害の激甚化が懸念。また、土砂・流木による河川の通水の阻害にも対策が必要
          • これに対し、浸透能・保水力を有する森林土壌を保持するため、保安林整備と筋工等を組み合わせた対策を推進。また、流木の発生・流出を抑える対策や治山ダム群の整備を推進
  • 気候変動等に対応したこれからの治山対策
    • 国土強靱化基本計画等での位置付け
      1. 防災・減災、国土強靱化に向けた取組
        • 「国土強靱化基本計画」(2018年12月閣議決定)において事前防災・減災のための山地災害対策を強化すると位置付け。同時に閣議決定された「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づき、特に緊急的な対策が必要となる箇所において治山施設の設置、流木対策等を実施
        • 2020年には、引き続き強靱な国土づくりを進めるため、激甚化する風水害等への対策等の推進を重点対策とする「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が閣議決定。治山事業においては、山地災害危険地区や重要インフラ周辺等において治山施設の整備強化等を実施
      2. 森林・林業基本計画での位置付け
        • 2021年6月に閣議決定された「森林・林業基本計画」及び「全国森林計画」において、効果的な治山事業等の推進のため、「豪雨災害に関する今後の治山対策の在り方に関する検討会とりまとめ」を踏まえ、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」等に基づきながら、流域治水と連携しつつ、山地災害危険地区等におけるきめ細かな治山ダムの配置などによる土砂流出の抑制、森林整備や山腹斜面への筋工等の組合せによる森林土壌の保全強化、渓流域における危険木の伐採と林相転換等による流木災害リスクの軽減、海岸防災林等の整備強化による津波・風害の防備を重点的に実施していくことを位置付け
    • 具体的な取組
      1. 国土強靱化のための治山対策の推進
        • 「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」において、山地災害危険地区注のうち特に緊要性の高い地区について、2025年度に80%まで向上させることを目標に設定し、集中的に対策を実施
        • 「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」により施工した箇所が、その後の大雨で土砂流出を抑制するなど、各地で効果を発揮
      2. 流域治水との連携
        • 気候変動の影響による水害の激甚化・頻発化等を踏まえ、あらゆる関係者が協働して流域全体で水害を軽減させる「流域治水」を国土交通省ほか関係省庁等が連携して推進。2021年3月には全ての一級水系等で流域治水プロジェクトが策定・公表され、その全てにおいて森林整備・治山対策も位置付け
        • 森林の保水力向上のため筋工等の設置や間伐等を実施するとともに、河川を閉塞させないよう土砂・流木の流出抑制対策を実施
      3. 治山施設の長寿命化対策
        • 老朽化した既存施設を補修するとともに機能強化して有効活用するなどにより、効率的な事前防災対策を推進
      4. 新たな技術を活用した効果的・効率的な取組
        • 復旧事業量の増加や厳しい現場条件に対応して、安全かつ効率的に事業を実施するため、3Dレーザスキャナ、航空レーザ、ドローン、ICTバックホウ等を活用
      5. 山地災害に関する情報の提供
        • 災害発生の早期発見・対応のため、遠隔システム等により山地災害危険地区を監視し、情報を都道府県・市町村等に提供
        • 地域における避難体制の整備等の取組と連携して、山村地域の住民に対する山地災害危険地区の地図情報の提供、防災講座等を実施
  • 森林・林業施策全体で進める災害に強い地域づくり
    • 森林の有する国土保全機能をはじめとする多面的機能を発揮させるため、森林計画制度の下、重視すべき森林の機能に応じたゾーニングや伐採造林届出制度等により、適正な森林施業を確保
    • 森林所有者の経営への関心の薄れ、森林の所有者不明等により間伐や再造林等の森林整備が進んでいない状況にあるため、森林整備事業等による支援、造林コストの低減に向けた技術の開発・普及、森林経営管理制度等による森林の集積・集約化等を実施
    • 現在、災害に強い路網の整備が進められており、豪雨等による災害時に、被災した国道や市町村道の代替路として孤立集落の発生抑止・解消にも貢献
    • 治山対策・森林整備による森林の維持・造成は、気候変動による山地災害や洪水の激甚化に対する適応策であるとともに、二酸化炭素の吸収源となって気候変動の緩和に貢献
    • 治山対策等による森林の機能の維持・向上は、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)やグリーンインフラの考え方にも符合。森林は防災・減災を含めて国民に様々な恩恵をもたらす「緑の社会資本」となっており、森林・林業施策全般による適切な整備・保全は持続可能な地域づくりに貢献
  • 国際的な取組の推進
    1. 持続可能な森林経営の推進
      • 2020年の世界の森林面積は41億ha(陸地面積の31%)で、アフリカ、南米等の熱帯林を中心に依然として減少傾向
      • 我が国は、国連森林フォーラム(UNFF)、モントリオール・プロセス等の国際対話に積極的に参画し、持続可能な森林経営に向けた取組を推進
      • 持続可能な森林経営がされていることを認証する森林認証は、国際的なFSC認証とPEFC認証、我が国独自のSGEC認証(2016年にPEFC認証と相互承認)等が存在。我が国の認証森林の割合は1割程度であり、認証面積は増加傾向
    2. 地球温暖化対策と森林
      • 2050年カーボンニュートラル等の実現に向け、「地球温暖化対策計画」(2021年10月閣議決定)では、2030年度の我が国の温室効果ガス排出削減目標を46%(2013年度総排出量比)、森林吸収量の目標を約2.7%に設定
      • この目標の達成に向け、間伐やエリートツリー等も活用した再造林等の森林整備、木材利用の推進等の森林吸収源対策を着実に実施する必要
      • 開発途上国の森林減少及び劣化に由来する排出の削減等(REDD+)の取組や、「気候変動適応計画」(2021年10月閣議決定)等に基づく適応策を推進
    3. 生物多様性に関する国際的な議論
      • 2022年12月に開催されたCOP15の第二部において、2030年までの新たな生物多様性に関する世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択
    4. 我が国の国際協力
      • JICAを通じた技術協力や、資金協力等の二国間協力、国際機関(FAO、ITTO)を通じたプロジェクトの実施等の多国間協力等により、生産国における持続可能な森林経営や木材利用拡大、合法性・持続可能性が確保された木材等の流通体制の構築、気候変動対策、生物多様性の保全、山地災害対策等の推進に貢献

~NEW~
デジタル庁 デジタル臨時行政調査会(第7回)
▼資料1アナログ規制の一掃に向けた取組の進捗と デジタル臨調の今後の検討課題
  • 課題1:行政・民間分野における「デジタル完結」の加速化(行政手続関係)
    • マイナカード利用シーン拡大や事業者向け手続を含めた「行政手続のデジタル完結」のための制度課題の横断的な洗い出しと一括見直し
      • 本年3月から4月にかけて、年間1万件以上の申請手続等とそれに対応する処分通知等について調査・点検を実施。
    • 官民連携で実現する「民間分野のデジタル完結」
    • 2022~2025年度にかけて、600手続(申請・届出:約400手続、処分通知:約200手続)以上がオンライン化。(例:保育士の登録申請、宅地建物取引士の登録の申請、個人型年金加入申出、道路使用許可の申請、(自動車)保管場所の変更の届出、等)
    • 民間分野において、デジタル完結に向けた制度はあってもその利用が進んでいない等の課題あり。
    • 今後の取組方針
      • 行政手続のデジタル完結に向けて、一定の取組が進んでいる申請・届出のオンライン化とともに、申請に対する処分通知のオンライン化や手数料等のオンライン納付の推進が必要。(マイナポータルやe-Govを含め、システム面の検討も推進)
      • 民間分野の手続についても、官民連携のもとオンライン化を推進していく必要。
      • 年内目途に行政手続のデジタル完結に向けた工程表を策定するとともに、経済界とも連携し、民間分野の対応促進も検討し、デジタル完結に向けた取組を加速化。
      • さらに、オンライン利用率の向上についても、規制改革推進室とも連携しつつ、検討を推進。
    • 地方自治体が事務を行う手続の状況
      • 地方自治体における行政手続については、現在、例えば「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において自治体が優先的にオンライン化を推進すべき手続(59手続)とされているものについては、デジタル庁及び総務省により、関係府省庁と連携しガイドラインの作成等によりオンライン化を支援するなどの取組がされているところ。
      • 一方で、地方自治体が事務を行う手続について、地方自治体の事務であること等を理由に、各府省庁において手続のデジタル化や実態の把握が困難とするものが一定程度確認されていることから、上記の59手続に加え、地方自治体が事務を行う重要な手続についての実態把握が今後の課題。
    • 国の根幹である法令関係の制度・事務のデジタル完結を推進。(AI活用を含めた法制事務のデジタル化、法令データの整備・利活用の加速化、「デジタル法制局」の取組の推進)
    • 今年度から法制事務デジタル化及び法令データの整備・利活用に向けた調査・実証を着実に実施。対象データの拡充やAPIの機能拡張、ChatGPT等の大規模言語モデル(LLM)を用いたAI等を活用した法令立案作業の補助等の実現可能性を検証。検証を踏まえ、実装できるものから随時実装。
      • 国のインフラである法令データのベース・レジストリ(e-Gov法令検索で提供中)を拡充し、より多くの法令等データ(過去時点の法令/告示データ等)が公開され民間のリーガルテック等で容易にアクセス可能に。
      • 国家公務員の働き方改革、法制事務のBPR、法令案の誤り防止等を推進。
    • 昨秋の臨時国会提出予定法案からデジタル法制審査を試行実施し、アナログ規制に関係し得るとされた条項については、デジタル技術が活用できる旨を明確化する通知・通達の整備時期等と併せて点検結果を公表。デジタル規制改革推進の一括法案の成立後、各府省において継続的・自律的に、新規法令のデジタル原則適合性を確認し、点検結果をデジタル庁に提出。
    • 内閣府を中心に、本年年央までに検討・論点整理を終え、できるだけ早期に法案を国会に提出(将来的に紙の官報を廃止することを念頭に、今後の技術革新に対応できる技術中立性、長期保存・真正情報の提供、機械可読な官報データの提供、eLAWSとの連携などによる官報に関する事務のBPR等を考慮)
  • 課題2:AI時代の官民データ整備・制度対応
    • ベース・レジストリ等のデータ連携に関する制度の創設
    • 組織や制度の縦割りを打破し、法人番号等を徹底活用して行政機関間で情報をスムーズに共有することで、行政手続における届出等の省略(ワンスオンリー)や行政事務の効率化に加え、民間事業者の業務効率化や経済取引活性化を実現し、AIやデータを活用する社会の実現に寄与
    • 法人・不動産あわせて、合計約2,000億円のコストに対する削減に寄与
    • データクレンジングや安定的な提供にノウハウがある国立印刷局の知見の活用も検討
    • 今後の取組方針
      • 業務 商業登記情報から共有開始。共有するマスターデータの項目特定(年内に確定)
      • 法令 機関間の情報連携や変更手続等の省略を可能にするための制度的な措置(年内に結論)
      • システム 基幹システム更改を見据えた全体設計と移行期の速やかな提供(年内に工程表策定)
    • 官民データの適正かつ効果的な活用のための横断的取組の強化・加速化(国内外の状況を踏まえた、信頼性・相互運用性を確保したデータ流通のための仕組みの整備・具体化、準公共(医療、教育、防災、モビリティ等)分野でのデータ連携基盤整備の加速化、それにも資するオープンデータの取組強化)
    • デジタル分野の基準・標準整備等にノウハウがある独立行政法人情報処理推進機構(IPA)との連携強化を検討
    • AIを活用する観点での規制・制度の洗い出しと点検・見直し(経済界から寄せられた約1,900件の要望のうちAI・データ活用関連の約150件を精査・整理した上で、点検・見直し)
  • 課題3:国・地方のデジタル関係の共通的な基盤の構築
    • 国民にとっての利便性の向上、地方における業務負担の軽減等を図るため、(1)デジタル改革(国・地方の共通基盤システムの整備)に加え、(2)規制改革(ローカルルール見直し等)、(3)行政改革(国・自治体通じた業務見直し)の3つを連携して推進。
    • 現場ニーズを起点に、先進的な自治体と連携したモデル構築と横展開の徹底
    • 国・地方のシステム予算・調達面の課題への対応

~NEW~
内閣府 第16回規制改革推進会議 第58回国家戦略特区諮問会議 合同会議
▼資料1-1 規制改革推進に関する答申(案)(概要資料)
  • 内閣総理大臣の諮問を受け、規制改革項目の審議結果を取りまとめ。
  • 地方での社会課題の解決に資するという観点も踏まえつつ、イノベーションを阻む規制の改革に取り組み、スタートアップや新産業の創出、人手不足の解消、生産性の向上の実現を目指す
  • 各種手続の見直しによる生産性の向上
    • 行政手続の地域ごとのバラつきを是正するなど、国民・事業者の負担軽減を図り、生産性の向上を図る。
      1. ローカルルール等の見直しによる国民・事業者の負担軽減
        1. 「ローカルルール」の見直しの推進
          • 事業者の業務効率化を阻害する地域毎の手続(様式・運用等)の差異(ローカルルール)につき、改革の基本的考え方を整理し、見直しを加速
          • 「保育所入所時の就労証明書」につき、全地方公共団体で標準様式を原則使用とする法令上の措置を講ずるなど、個別分野の見直しを推進
        2. 地方公共団体への公金納付のデジタル化
          • いずれの地方公共団体に対しても「eLTAX」によりオンライン納付が可能となるよう検討
      2. 医療データ等の利活用促進
        1. 医療等データの利活用法制等の整備
          • 適切な診療・ケアや医学研究、創薬等のため、必ずしも同意に依存しない医療等データ利活用法制等の検討
        2. NDBの利活用の容易化
          • 医療政策の研究等のため、NDB(レセプト等のDB)のデータの提供を迅速化・円滑化(申請から利用開始まで平均390日→原則7日)
        3. 公的統計の調査票情報の円滑な二次的利用によるEBPM等の実現
          • 公的機関の保有する統計の調査票情報の提供を迅速化・円滑化(6年度までに平均1週間以内、遅くとも4週間での提供を実施)
  • スタートアップや新産業の創出
    • イノベーションと安全の両立に配慮しつつ、AI等の新技術活用に向けた環境整備を行い、スタートアップや新産業の創出を支援。
      1. AI等の新技術の活用に向けた環境整備
        • 契約書の自動レビューサービスの利活用に向けた環境整備
          • 契約書の自動レビューサービスの提供と弁護士法との関係について、予測可能性を高めるため、ガイドラインを作成・公表
        • プログラム医療機器(SaMD)の開発・市場投入の促進
          • 臨床現場における使用を早期に可能にするため、二段階承認制度を導入する方向で検討
      2. イノベーションと安全の確保との両立
        • 新たな空のモビリティ(無操縦者航空機)の推進
          • 機体性能や運用条件を勘案した安全基準の適用等、運用の柔軟化に向けた検討を実施
        • 建設用3Dプリンターや環境配慮型コンクリートの社会実装
          • 安全性を確保した上で、新たな工法やそれらに適応した材料の認定の在り方について、デジタル時代を踏まえて検討を実施
      3. 海外活力の取込みを通じた成長の実現
        • 海外起業人材の活躍に資する制度見直し
          • 特定の在留資格の保有者について、入国後すぐに居住者口座又は居住者と同等の預金口座の開設が可能となるよう、ビジネス環境を改善
  • 「人」への投資による人材の質的量的向上
    • 社会の「人」への投資を促進し、「人」が生み出す付加価値を向上させ、人口減少・人手不足という供給制約の打破を目指す。
      1. 働き方の見直しや専門能力の最大活用
        • 医療関係職種間のタスク・シフト/シェア
          • 看護師が行い得る業務の明確化、特定行為研修制度の改善
          • 24時間対応薬局、一定の場合の訪問看護ステーションへの薬剤配置、在宅での円滑な点滴交換等を検討
        • 外国人材の受入れ・活躍促進
          • 在留資格「特定技能」の対象分野の追加
          • 専修学校卒業生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」取得に係る要件緩和
      2. 教育現場の課題解決とイノベーションの両立
        • 大学等に対する「事後型の規制・制度」の充実等
          • 大学設置基準における教育課程等に係る特例制度の活用促進
        • 初等中等教育における課題解決と教育イノベーションの両立
          • 教員等の適切な役割分担による働き方改革の実現、教育コンテンツの質・量の充実とアクセスの改善
  • 地方の社会課題の解決に向けた取組
    • 地方での社会課題解決を通じて地方の活性化を図るとともに、これらを先進事例として、地方を起点とした改革の展開を図る。
      1. 子育て環境の整備に向けた取組
        • 里帰り出産を行う妊産婦の支援
          • 伴走型相談支援の制度化と里帰りの妊産婦に関する自治体・医療機関の情報連携による切れ目のない支援の実現
      2. 地域における課題解決に向けた取組
        • 身近な場所におけるオンライン診療の受診の円滑化等
          • デジタルデバイスに明るくない高齢者等の医療の確保の観点から、都市部を含め、医師非常駐の診療所を開設可能とすることを検討
        • 適切な水産資源管理の推進・改正漁業法(漁業権)の運用改善
          • 漁獲量の8割をTAC魚種にすることに取り組むとともに、太平洋クロマグロの漁獲や流通に係る監視や制度の在り方も含め、再発防止や管理強化を検討・措置
          • 未利用漁場の有効活用の促進、漁協の組合員資格要件の柔軟な運用
      3. 持続可能な物流の実現
        • ラストワンマイル配送に係る制度見直し
          • 担い手や輸送能力の確保、効率性向上に向け、貨客混載等の規制改革を実施
        • 新たな空のモビリティ(無操縦者航空機)の推進(再掲)
  • (参考)GXの推進
    • カーボンニュートラルに向けた再エネ・省エネ等の推進
      • EV普及のための充電器の整備(ロードマップの策定や集合住宅での設置促進等)
      • 住宅におけるエネルギーマネジメントの円滑化(住宅内機器の接続性向上に向けた標準規格の制度設計の在り方の検討等)
      • 電力市場における公正競争環境確保に向けた方策の検討
        • ※「再生エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」において別途議論を行っている。

~NEW~
消費者庁 「令和4年度における景品表示法の運用状況及び表示等の適正化への取組」の公表について
  • 概況
    • 消費者庁は、景品表示法違反被疑事件について調査を行い、違反する事実があると認められたときは、措置命令の名宛人となるべき者に対し、予定される措置命令の内容等を通知し、弁明書及び証拠書類等を提出する機会を付与し、弁明の内容等を踏まえて措置命令を行っている。
    • また、措置命令を行うに足る事実が認められなかった場合であっても、景品表示法に違反するおそれがあるときは、関係事業者に対し、是正措置を採るよう指導している。
    • さらに、消費者庁は、景品表示法第5条第1号又は第2号の規定に違反する事実があると認められたときは、所定の要件に従い、課徴金納付命令の名宛人となるべき者に対し、措置命令の場合と同様に弁明の機会を付与し、弁明の内容等を踏まえて課徴金納付命令を行っている。
    • 令和4年度における調査件数は、前年度から繰越した85件、年度内に新規に着手した189件の合計274件である。同年度における処理件数は、措置命令が41件、課徴金納付命令が17件、指導が112件のほか、都道府県等による処理が適当として都道府県等に移送したものが8件、公正競争規約により処理することが適当として当該公正競争規約を運用している公正取引協議会等に移送して同協議会等が処理したものが14件などの合計200件である。
    • 措置命令の件数については、令和2年度は33件、令和3年度は41件、令和4年度は41件となっている。
    • 令和4年度に処理したもののうち、公正取引委員会事務総局地方事務所・支所等が行った調査の結果を踏まえて消費者庁が行ったものは、措置命令4件(近畿中国四国事務所、近畿中国四国事務所中国支所、九州事務所、沖縄総合事務局)、指導32件である。
  • 課徴金納付命令等の状況
    • 令和4年度においては、15名の事業者に対して17件の課徴金納付命令を行い、3億441万円の課徴金の納付を命じた。
    • なお、令和4年度に認定された実施予定返金措置計画はなかった。
    • これまでに認定された返金措置は、一般消費者の被害回復を支援する観点等から、当庁ウェブサイトに掲載している
  • 景品表示法と健康増進法との一体的な執行
    • 国民の健康志向の高まりから、いわゆる健康食品が広く普及している中、インターネット等を利用した広告・宣伝が活発に行われている。このような広告・宣伝の中には、虚偽・誇大広告や不当表示に当たるおそれのあるものも見受けられ、これら虚偽・誇大広告等に対する厳正な法執行が求められている。
    • 消費者庁では、景品表示法及び健康増進法に基づくより効果的な法執行を行うため、表示対策課及びヘルスケア表示指導室において、「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」等の周知に引き続き力を入れるとともに、令和4年度に、インターネット上の食品の虚偽・誇大広告の監視を行い、健康増進法第65条第1項の規定に違反するおそれのある804事業者に対して、表示の改善指導を行ったことを公表した。
    • 令和4年度においては、健康食品に関して、景品表示法に基づく措置命令8件(後記(6)参照)のほか、健康増進法第65条第1項(誇大表示の禁止)に違反するおそれがある事案について、12件の指導を行った。
  • 新型コロナウイルスへの予防効果等を標ぼうする不当表示等への対応
    • 令和2年以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、同ウイルスへの効果等を標ぼうする表示が見られたことを踏まえ、それらの表示の適正化に積極的に取り組んでいる。
    • 新型コロナウイルス予防効果や消毒、除菌等に対する消費者の関心が依然として高い中、新型コロナウイルスの感染予防を標ぼうする健康食品及び空間除菌用品の表示について措置命令を行っている。令和4年度においては、新型コロナウイルスの感染予防効果や消毒、除菌等の効果に関する不当表示について、計4件の措置命令を行っている。
    • そのほか、厚生労働省と合同で公表した新型コロナウイルスの抗原定性検査キットの購入における注意点(令和3年10月公表)について、新型コロナウイルス感染症に関する一般用抗原定性検査キットが医薬品医療機器等法の規定に基づき承認を得て、製造販売されることになったことを踏まえ、令和4年9月に見直しを行い、消費者へ改めて注意喚起を行った
  • 上記以外の令和4年度における特徴的な事案
    • 令和4年度においては、前記(4)の他にも、近年、社会的な関心が高まっている持続可能な開発目標(SDGs)に関連して、プラスチック製品の生分解性能に関する不当表示について、計10件の措置命令を行っている。また、広告等の表示物において、「No.1」、「第1位」、「トップ」、「日本一」等と強調する、いわゆるナンバーワン表示に関する不当表示について、計2件の措置命令を行っている

~NEW~
総務省 「プラットフォームサービスに関する研究会 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ 今後の検討の方向性(案)」についての意見募集
▼プラットフォームサービスに関する研究会 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ 今後の検討の方向性(案)
  • 本WGの検討の背景
    • 誹謗中傷をはじめとするインターネット上の違法・有害情報の流通は引き続き社会問題であり、その対策は急務である。総務省の違法・有害情報相談センターに寄せられる相談件数は、令和4年度も5,745件1となっており、依然として高止まりしていることから、違法・有害情報の流通は引き続き深刻な状況であると考えられる。
    • これまで、その対策として、総務省では、「インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ」に基づき、プロバイダ責任制限法の改正による発信者情報開示請求に係る裁判手続の迅速化(令和4年10月施行)や、ICTリテラシー教育の充実、相談対応の充実等に取り組んできた。また、法務省においては、刑法改正による侮辱罪の法定刑の引き上げ(令和4年7月施行)等の取組を行ってきた。その後、発信者情報開示の裁判の受付件数や侮辱罪の検挙件数が増加しており、これらの取組は、加害者に対する損害賠償請求や罰則の適用等を通じて、誹謗中傷等の被害の救済や抑制に貢献していると考えられる。
    • しかし、被害者からは、投稿の削除に関する相談が多く、相談件数全体の約3分の2を占めている状況であり、被害者による投稿の削除を迅速に行いたいという希望への対応の検討が必要である。
    • 投稿の削除のためには、(1)プラットフォーム事業者等を相手方とする裁判手続(典型的には仮処分)による削除と、(2)プラットフォーム事業者が定める利用規約等に基づく裁判外での削除の2つの手段が存在する。しかしながら、(1)裁判手続による削除は、被害者にとって金銭的、時間的に利用のハードルが高く、利用数が少ない状況となっている。一方、(2)事業者の利用規約等に基づく裁判外での削除は、金銭的、時間的なコストも低く、一般的に利用されている。
    • このため、誹謗中傷等の情報の流通による被害の発生の低減や早期回復を可能とするためには、事業者による判断が可能な情報であれば、裁判上の法的な手続と比較して簡易・迅速な対応が期待できるという観点からも、プラットフォーム事業者の利用規約に基づく自主的な削除が迅速かつ適切に行われるようにすることが必要である。
    • 一方で、プラットフォーム事業者の利用規約に基づく削除については、利用規約の内容が日本の法令や被害実態を十分には考慮していない、削除の申請窓口が分かりにくいといった課題があり、必ずしも十分には機能していない場合があると考えられる。
    • 本WGにおいては、このようなプラットフォーム事業者の利用規約に基づく迅速かつ適切な自主的な削除を実現するため、事業者の責務、削除等の基準の策定・公表等の違法情報の流通低減のための枠組み、自主的な削除を促す観点から送信防止措置請求権の明文化等について検討した。
  • プラットフォーム事業者の誹謗中傷等を含む情報の流通の低減に係る責務
    • 不特定の者が情報を発信しこれを不特定の者が閲覧できるサービス(以下、本「今後の検討の方向性」においては、このようなサービスを指して「プラットフォーム」といい、このようなサービスを提供する者を「プラットフォーム事業者」という。)については、情報交換や意見交換の交流の場として有効であるものの、誰もが容易に発信し、拡散できるため、違法・有害情報の流通が起きやすく、それによる被害及び悪影響は即時かつ際限なく拡大し、甚大になりやすい。また、誹謗中傷等を含む情報の削除等に関する責務が法的に明確に位置づけられていないため、プラットフォーム事業者の中には削除対応等の取組が不十分である者もあるとの指摘もある。
    • このようなプラットフォームを提供する事業者については、誹謗中傷等を含む情報が現に流通している場を構築し広く一般にサービスを提供していること、投稿の削除等を大量・迅速に実施できる立場にあること、利用者からの投稿を広く募り、それを閲覧しようとする利用者に広告を閲覧させることなどによって収入を得ていることなどから、個別の情報の流通及びその違法性を知ったときやその違法性を知るに足る相当の理由があるときは、表現の自由を過度に制限することがないよう十分に配慮した上で、プラットフォーム事業者は迅速かつ適切に削除を行うなどの責務を課すべきと考えられる。
    • この責務の対象とする事業者の範囲については、全てのプラットフォーム事業者とすること、違法・有害情報が流通した場合の被害の大きさ(拡散の速度や到達する範囲、被害回復の困難さ等)、事業者の経済的活動(特に新興サービスや中小サービスに生じる経済的負担の問題)や表現の自由に与える影響、削除等の社会への影響等を踏まえ、一部の者に限定することなど、さらに検討することが適当である。
    • なお、その際、内外無差別の観点から、海外事業者に対して国内事業者と等しく責務が課されるようにすることが適当である。
    • また、この責務の対象となる情報の範囲については、誹謗中傷等の権利侵害情報とするか、個別の行政法規(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、職業安定法等)に抵触する違法情報も対象に含めるかなど、さらに検討することが適当である
  • 削除指針
    • プラットフォーム事業者は、自ら利用規約及びポリシーを定めて削除等を実施している。
    • しかしながら、プラットフォーム事業者の利用規約等に基づく削除等に関する本研究会におけるヒアリング結果や被害者等からの指摘によれば、削除等の基準が必ずしも明らかではない事業者も存在すると考えられる。特に、海外事業者については、ポリシーがグローバルに適用される前提で作成されていることもあり、削除等の基準等が日本の法令や被害実態に則していない、日本における削除等の基準等が不透明であるとの指摘がある。
    • このため、利用者にとっての透明性、実効性の観点から、削除等の基準について、海外事業者、国内事業者を問わず、1.の責務を踏まえた「削除指針」を策定し、公表させることとするべきである。その際、海外事業者については、例えば、グローバルなポリシーとは別に、日本の法令や被害実態に則した「削除指針」を策定、公表させることを含めて、「削除指針」の形式や内容については、引き続き検討することが必要である。
    • 「削除指針」の策定、公表に当たっては、日本語で、利用者にとって、明確かつ分かりやすい表現が用いられるようにするとともに、日本語の投稿に適切に対応できるものとすることが適当である
  • 措置申請窓口の明示
    • プラットフォーム事業者は、現在、被害者等が削除等の申請等を行うための窓口やフォームを設置し、申請等を受け付けている。
    • しかしながら、これらの窓口については、被害者等から、所在がわかりにくいとの指摘や、日本語での申請が困難、十分な理由の説明ができないなどの指摘がある。
    • このため、プラットフォーム事業者に、削除申請の窓口や手続の整備を求めるべきである。その際、被害者等が削除等の申請等を行うにあたって、日本語で受け付けられるようにすること(申請等の理由を十分に説明できるようにすることを含む。)や、申請等の窓口の所在を明確かつ分かりやすく示すこと等を義務づけることについて検討することが必要である。
  • 申請に対する対応状況の透明化
    • プラットフォーム事業者は、削除等の実施に係る申請等を受けた場合に、必ずしも、申請等を受け付けたか、その申請等に応じたかといったことを当該申請等を行った者(以下「申請者」という。)に対して通知していない。
    • このため、申請者は、プラットフォーム事業者における認識の有無が分からず、また、申請等に対する対応状況や削除等が実施されなかった場合に、申請方法が悪かったのか、証拠が不十分だったのか等を申請者において把握することが困難であり、異議申立等が困難との指摘がある。
    • このようなことから、プラットフォーム事業者が当該申請等の受付に関する通知に対して返答を行うことやその全ての判断について理由を説明させること等が考えられるが、申請件数が膨大となり得ることも前提にさらに検討することが適当である。その際には、例えば、一定の要件を満たす申請があった場合に限って、申請者に対してかかる事項を通知する等の方策が実現可能かについても検討することが適当である。
  • 標準処理期間
    • 現在、プラットフォーム事業者の中で申請に対する標準処理期間を定めているものは確認されていないが、標準処理期間を定めることによって、迅速に審査し、対応を判断することが期待される
    • しかしながら、プラットフォーム事業者が措置を実施に要する期間をあらかじめ示すことについては、事業者が自ら定めた期間を遵守することだけにとらわれ、的確な判断をしなくなること等といった問題が生じるとの指摘がある。
    • このため、標準処理期間を定めさせることについて、メリットやデメリットを十分に踏まえて慎重に検討することが適当である。
  • 運用状況の公表
    • プラットフォーム事業者においては、削除等の取組について、各社が独自に透明性レポートを公表しているほか、本研究会における発表を行っている。
    • しかしながら、プラットフォーム事業者の削除等の取組状況については、昨年本研究会において実施したヒアリング結果や被害者等からの指摘によれば、その運用状況は必ずしも明らかではないと考えられる。
    • このため、諸外国の取組も踏まえつつ、事業者の取組や削除指針に基づく削除等の状況を含む運用状況の公表について検討することが適当である。
  • 運用結果に対する評価
    • プラットフォーム事業者各社は、削除等の取組状況とその評価と改善について、独自に透明性レポートを公表しているほか、本研究会においても発表を行っている。
    • しかしながら、プラットフォーム事業者の利用規約等に基づく削除等に関する本研究会におけるヒアリング結果からは、必ずしも全ての事項が明らかにされてはおらず、その評価と改善については、そもそもその運用状況に関する公表事項が限定的であるため、外部の評価が困難であるとの課題がある。
    • このため、運用結果に対する自己評価について、柔軟性と裁量を一定程度保ったうえで、義務づけの可否や、義務づける場合の自己評価の客観性や実効性を高める方法等について、検討することが適当である。
    • 検討に当たっては、外部からの検証可能性を確保することが必要であるものの、評価の結果に関する情報を前述の運用状況と併せて公表することで利用者や被害者の利益を害さないようにすることが適当である。
  • 取組状況の共有
    • 本研究会では、これまで、個別のプラットフォーム事業者や個別のサービスのみならず、日本の利用者に関連する違法・有害情報の全体の流通状況を俯瞰するとともに、プラットフォーム事業者をはじめとする各ステークホルダーにおける取組状況の共有を行ってきた。
    • こうした違法・有害情報の全体の流通状況やプラットフォーム事業者をはじめとする各ステークホルダーにおける取組状況については、継続的かつ専門的に把握することが重要であり、そのための場の在り方を含め、具体的な方策について検討することが適当である。
  • 個別の違法・有害情報に関する罰則付の削除義務
    • 違法・有害情報の流通の低減のために、プラットフォーム事業者に対して、大量に流通する全ての情報について、包括的・一般的に監視をさせ、個別の違法・有害情報について削除等の措置を講じなかったことを理由に、罰則等を適用することを前提とする削除義務を設けることも考えられる。
    • しかしながら、このような個別の情報に関する罰則付の削除義務を課すことは、この義務を背景として、罰則を適用されることを回避しようとするプラットフォーム事業者によって、実際には違法情報ではない疑わしい情報が全て削除されるなど、投稿の過度な削除等が行われるおそれがあることや、行政がプラットフォーム事業者に対して検閲に近い行為を強いることとなり、利用者の表現の自由に対する制約をもたらすおそれがあること等から、慎重であるべきと考えられる。
  • 違法情報の流通の網羅的な監視
    • プラットフォーム事業者に対し、違法情報の流通に関する網羅的な監視を法的に義務づけることは、違法情報の流通の低減を図るうえで有効とも考えられる。
    • しかしながら、行政がプラットフォーム事業者に対して検閲に近い行為を強いることとなり、また、事業者によっては、実際には違法情報ではない疑わしい情報も全て削除するなど、投稿の過度な削除等が行われ、利用者の表現の自由に対する実質的な制約をもたらすおそれがあるため、慎重であるべきと考えられる。
    • なお、プラットフォーム事業者が、自主的に監視をすることは、妨げられないと考えられる。
  • 繰り返し多数の違法情報を投稿するアカウントの監視
    • インターネット上の権利侵害は、スポット的な投稿によってなされるケースも多い一方で、そのような投稿を繰り返し行う者によってなされているケースも多く、違法情報の流通の低減のために有効との指摘がある。
    • しかしながら、プラットフォーム事業者に対し、特定のアカウントを監視するよう法的に義務付けることは、「①違法情報の流通の網羅的な監視」と同様の懸念があるため、慎重であるべきと考えられる。
    • なお、プラットフォーム事業者が、自主的に監視をすることは、妨げられないと考えられる。
  • 繰り返し多数の違法情報を投稿するアカウントの停止・凍結等
    • 繰り返し多数の違法情報を投稿するアカウントへの対応として、アカウントの停止・凍結等を行うことを法的に義務づけることも考えられるが、このような義務付けは、ひとたびアカウントの停止・凍結等が行われると将来にわたって表現の機会が奪われる表現の事前抑制の性質を有しているため、慎重であるべきと考えられる。
    • なお、プラットフォーム事業者が、利用規約等に基づいて、自主的にアカウントの停止・凍結等をすることは、妨げられないと考えられる。
  • 権利侵害情報に係る送信防止措置請求権の明文化
    • 人格権を侵害する投稿の削除を求める権利は、判例法理によって認められているため、一定の要件の下で、権利侵害情報の送信防止措置を請求する権利を明文化することも考えられるが、被害者が送信防止措置を求めることが可能であると広く認知される等のメリットがある一方、権利の濫用や過度な削除が行われるおそれ等のデメリットも考慮して慎重に検討を行う必要がある
  • 権利侵害性の有無の判断を伴わない削除(いわゆるノーティスアンドテイクダウン)
    • プラットフォーム事業者において権利侵害性の有無の判断が困難であることを理由に、外形的な判断基準を満たしている場合、例えば、プラットフォーム事業者において、被害を受けたとする者から申請があった場合には、原則として一旦削除する、いわゆるノーティスアンドテイクダウンを導入することが考えられる。
    • しかしながら、既に、プロバイダ責任制限法3条2項2号の規定により発信者から7日以内に返答がないという外形的な基準で、権利侵害性の有無の判断にかかわらず、責任を負うことなく送信防止措置を実施できることや、内容にかかわらない自動的な削除が表現の自由に与える影響等を踏まえれば、ノーティスアンドテイクダウンの導入については、慎重であるべきと考えられる。
  • プラットフォーム事業者を支援する第三者機関
    • プラットフォーム事業者の判断を支援するため、公平中立な立場からの削除要請を行う機関やプラットフォーム事業者が違法性の判断に迷った場合にその判断を支援するような第三者機関を法的に整備することが考えられる。
    • これらの機関が法的拘束力や強制力を持つ要請を行うとした場合、これらの機関は慎重な判断を行うことが想定されることや、その判断については最終的に裁判上争うことが保障されていることを踏まえれば、必ずしも、裁判手続(仮処分命令申立事件)と比べて迅速になるとも言いがたいこと等から、上述のような第三者機関を法的に整備することについては、慎重であるべきと考えられる。
  • 裁判外紛争解決手続(ADR)
    • 裁判外紛争解決手続(ADR)については、憲法上保障される裁判を受ける権利との関係や、裁判所以外の判断には従わない事業者も存在することも踏まえれば、実効性や有効性が乏しいこと等から、ADRを法的に整備することについては、慎重であるべきと考えられる。
    • なお、プラットフォーム事業者が、自主的にADR機関を創設し利用することは、妨げられないと考えられる。
  • 相談対応の充実
    • インターネット上の違法・有害情報に関する相談対応の充実を図ることは、突然被害に遭った被害者を支援する上で、極めて重要である。特に、相談のたらい回しを防ぎ、速やかに迅速な相談を図る観点からは、違法・有害情報相談機関連絡会(各種相談機関ないし削除要請機関が参加している連絡会)等において、引き続き、関連する相談機関間の連携を深め、相談機関間の相互理解による適切な案内を可能にすることや知名度の向上を図ることが適当である。
  • DMによる被害への対応
    • プラットフォームサービスに付随するDM機能においても、誹謗中傷等の権利侵害をはじめとして多くの問題が発生しており、DMなどの一対一の通信についても発信者情報開示請求を可能とすべきとの意見があった。
    • しかしながら、現行の発信者情報開示制度は、情報が拡散され被害が際限なく拡大するおそれがあることに着目して不特定の者に受信されることを目的とする通信を対象とする規定となっているものであり、根本的な見直しを必要とする事情等があるか否かについて、生じる被害の法的性質も考慮しながら、引き続き状況の把握に努めることが適当である。
  • 特に青少年にまつわる違法・有害情報の問題
    • 違法・有害情報が未成年者に与える影響を踏まえて、未成年者のデジタルサービス利用の実態(未成年者におけるプラットフォームサービスの利用実態、青少年保護のための削除等の実施状況や機能、サービス上の工夫等)を把握したうえで、必要な政策を検討すべきとの指摘があった。この点については、諸外国における取組のほか、我が国における関連する機関や団体等における検討状況について、引き続き把握及びその対策の検討に努めることが適当である。
  • その他炎上事案への対応
    • 個々の投稿に違法性はないものの全体として人格権を侵害している投稿群の事案(いわゆる「炎上事案」)に対応するニーズも存在する。
    • このような投稿は被害に甚大な影響を与えており、こうした事案への対処は、慎重に検討することが必要である

~NEW~
金融庁 企業会計審議会第10回会計部会 議事次第
▼資料1 事務局説明資料「国際会計基準に関する対応」
  • 我が国におけるIFRSを巡る環境変化
    1. 我が国におけるIFRS任意適用企業の拡大
      • 2013年、「当面の方針」を公表以降、「IFRS任意適用企業数」及び「全上場企業の時価総額に占める割合」は増加したものの、直近において伸び率は鈍化傾向がみられる。
      • 「当面の方針」公表時(2013年5月末時点):IFRS任意適用企業数(予定企業含む)は20社、全上場企業の時価総額に占める割合は約7%
      • 現在(2023年5月19日時点):IFRS任意適用企業数(予定企業・非上場企業を含む)は277社、全上場企業の時価総額に占める割合は約46%
    2. 我が国における会計基準に係る議論 等
      • 我が国においては、4つの会計基準(日本基準、IFRS、米国会計基準、JMIS)が並存している状態は大きな収斂の中での一つのステップと位置付けている一方で、昨今では、IFRSを任意適用した企業のうち日本基準等への再変更を検討している企業がある。
      • 我が国におけるのれんに係る会計処理について、経済団体の一つである経済同友会(2022年4月)が公表した提言において、のれんの規則的償却が収益を圧迫し、スタートアップ企業のM&Aの阻害要因になり得るなどとして、規則的償却を見直していくべきという主張がされている。
    3. 国際的な会計基準に係る議論の変化 等
      • ASBJ、日本経済団体連合会、日本公認会計士協会、日本証券アナリスト協会は、IASBのディスカッション・ペーパーに対して、いわゆる「too little, toolate」問題(減損損失の認識の十分性及び適時性に課題があり、貸借対照表にのれん残高が積み上がる問題)への対応として、のれんの償却の再導入を求めるコメントレターを提出したものの、のれんの会計処理については米国財務会計基準審議会(FASB)及びIASBにおいて、我が国の会計基準と収斂しない方向で暫定決定がなされた。
      • 2022年6月、FASBはのれんに関するプロジェクトについて、優先順位を下げ、基準開発から除外することを暫定決定。
      • 同年11月、IASBにおいては、のれんの会計処理について非償却(減損のみ)を継続することを暫定決定
  • ご議論いただきたい事項
    1. IFRSへの対応のあり方
      • 2013年、企業会計審議会が「当面の方針」を公表して以降、約10年が経過し、我が国におけるIFRS任意適用企業の拡大及び国際的な動向(のれんの動向等)の変化などが見られる。「当面の方針」の今後の取り扱いについてどのように考えるか。
    2. IFRS任意適用企業の拡大促進
      • IFRS任意適用企業の拡大促進について、どのように考えるか。
      • IFRS任意適用企業の拡大促進をする場合には、どのような取り組みが考えられるか。
    3. IFRSに関する国際的な意見発信
      • 国際的な意見発信について、のれん、その他の包括利益(OCI)のリサイクリング、基本財務諸表等に関して積極的に行ってきた。特に、のれんは、従来より、いわゆる「too little, toolate」問題への対応として、償却再導入の意見発信を行ってきたところであるが、現状、「too little, toolate」問題について、どう考えるか。仮に、「too little, toolate」問題について対応すべき課題と認識している場合、どのような対応策や意見発信が考えられるか。
    4. 日本基準の高品質化
      • 日本基準の高品質化のために、どのような取り組みが考えられるか。
      • IFRSとのコンバージェンスを継続する場合には、留意すべき事項はあるか。
    5. 国際会計人材の育成
      • 我が国の国際会計人材の裾野を広げること、IASBなど国際機関で活躍する人材や国際会議等において積極的に議論できる人材などを育成するために、どのような取り組みが考えられるか。
    6. その他
      • 現在、4つの会計基準(日本基準、IFRS、米国会計基準、JMIS)が並存している状態について、将来的に会計基準が収斂していく過程での一つのステップとしての位置付けているが、一度、会計基準を変更した企業が他の会計基準(元の会計基準を含む)に変更する際は合理的な理由がない限りは認められないと考えられるが、その程度についてどのように考えるか。
      • 上記のほか、IFRSに関する対応について、検討すべき点はないか。

~NEW~
金融庁 証券監督者国際機構(IOSCO)による市中協議文書「暗号資産・デジタル資産に関する勧告案」の公表について
▼IOSCOメディアリリース(仮訳)
  • IOSCOはグローバルな暗号資産規制について基準を策定
    • 証券市場のグローバルな基準設定主体である証券監督者国際機構(IOSCO)は、本日、暗号資産規制に関して、世界中の法域に向けた詳細な勧告案の市中協議文書を公表した。
    • 暗号資産規制に係る国際基準を改善することを目的とした主要なイニシアティブの一環として、IOSCOは、顧客がどのように保護されるべきか、および暗号資産取引が公開市場で適用される基準をどのように満たすべきかを定めた。
    • IOSCO代表理事会のJean-Paul Servais議長は、「5月13日のG7財務大臣・中央銀行コミュニケで改めて認識されたように、暗号資産取引の特徴とも言える規制上の不確実性に終止符を打つ時が来た。本日の市中協議文書は、IOSCO代表理事会の全会一致の支持を得ており、規制上のリスク分析、情報共有及び組織能力の構築に集中的に取り組んできた期間の成果である。これは、投資家保護および市場の公正性といった極めて明確かつ直接的なリスクに対処する上での転換点となるであろう。
    • IOSCOは、世界の証券市場の95%以上を規制する130の当局から構成されており、効果的で国際的に整合性のある勧告を行う上で最適な立場にある。IOSCO代表理事会による強力な支持は、規制のアービトラージリスクを制限するための、すべてのIOSCOメンバーによる勧告の適時実施を確保するものだ。グローバルな枠組みを通じてこれらの市場を監督しつつ、加盟当局間の協力を強化することは、投資家をより良く保護し、不法行為者を確実に抑止することに貢献する」と述べた。
    • 勧告を作成するために設置されたIOSCOの代表理事会直下の会議体である、フィンテックタスクフォースのLIM Tuang Lee議長は、「IOSCOの市中協議文書における勧告案は、本質的にクロスボーダーな性質を持つ暗号資産市場に対する規制上・監督上の期待とガードレールを設定するものである。暗号資産関連業者は、許容されるべきでない利益相反に対処する必要があり、また、顧客資金・資産が慎重かつ説明責任ある形で扱われるべきという顧客の権利について、より真剣に考慮する必要がある。暗号資産市場において投資家保護と市場の公正性が維持されることを確実にするため、規制当局は国境を越えて、さまざまな法域と協力し、暗号資産市場における投資家保護と市場の公正性の維持を確実にする時が来ている」と述べた。
    • IOSCOは、本勧告案に関する市中協議を開始しており、年末までに最終化することを目指している。その後各法域が、現在の規制枠組みを点検し、基準を遵守していることを確保し、ギャップがあれば速やかに是正することを期待する。

~NEW~
内閣官房 こども未来戦略会議(第5回)議事次第
▼資料1 「こども未来戦略方針」案
  • 「日本のラストチャンス」2030年に向けて
    • 少子化は、我が国が直面する、最大の危機である。
    • 2022年に生まれたこどもの数は79万9,728人となり、統計を開始した1899年以来、最低の数字となった。1949年に生まれたこどもの数は約270万人だったことを考えると、こどもの数はピークの3分の1以下にまで減少した。
    • しかも、最近、少子化のスピードが加速している。出生数が初めて100万人を割り込んだのは2016年だったが、2019年に90万人、2022年に80万人を割り込んだ。このトレンドが続けば、2060年近くには50万人を割り込んでしまうことが予想されている。
    • そして、少子化は、人口減少を加速化させている。2022年には78万人の自然減となった。今後も、100万人の大都市が毎年1つ消滅するようなスピードで人口減少が進む。
    • 現在、日本の総人口は1億2,500万人だが、このままでは、2050年代に1億人、2060年代に9千万人を割り込み、2070年に8,700万人程度になる。わずか50年で、我が国は人口の3分の1を失う恐れがある。
    • こうした急速な少子化・人口減少に歯止めをかけなければ、我が国の経済・社会システムを維持することは難しく、世界第3位の経済大国という、我が国の立ち位置にも大きな影響を及ぼす。人口減少が続けば、労働生産性が上昇しても、国全体の経済規模の拡大は難しくなるからである。今後、インド、インドネシア、ブラジルといった国の経済発展が続き、これらの国に追い抜かれ続ければ、我が国は国際社会における存在感を失う恐れがある。
    • 若年人口が急激に減少する2030年代に入るまでが、こうした状況を反転させることができるかどうかの重要な分岐点であり、2030年までに少子化トレンドを反転できなければ、我が国は、こうした人口減少を食い止められなくなり、持続的な経済成長の達成も困難となる。2030年までがラストチャンスであり、我が国の持てる力を総動員し、少子化対策と経済成長実現に不退転の決意で取り組まなければならない。
    • 今回の少子化対策で特に重視しているのは、若者・子育て世代の所得を伸ばさない限り、少子化を反転させることはできないことを明確に打ち出した点にある。もとより、結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであることは大前提である。その上で、若い世代の誰もが、結婚や、こどもを生み、育てたいとの希望がかなえられるよう、将来に明るい希望をもてる社会を作らない限り、少子化トレンドの反転は叶わない。
    • このため、政府として、若者・子育て世代の所得向上に全力で取り組む。新しい資本主義のもと、賃上げを含む人への投資と新たな官民連携による投資の促進を進めてきており、既に、本年の賃上げ水準は過去30年間で最も高い水準となっているほか、半導体、蓄電池、再生エネルギー、観光分野等において国内投資が活性化してきている。まずは、こうした取組を加速化することで、安定的な経済成長の実現に先行して取り組む。その上で、経済成長の果実が若者・子育て世代にもしっかり分配されるよう、最低賃金の引上げや三位一体の労働市場改革を通じて、物価高に打ち勝つ持続的で構造的な賃上げを実現する。
    • 次元の異なる少子化対策としては、(1)構造的賃上げ等とあわせて経済的支援を充実させ、若い世代の所得を増やすこと、(2)社会全体の構造や意識を変えること、(3)全てのこども・子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援すること、の3つを基本理念として抜本的に政策を強化する。
    • こうした若者・子育て世代の所得向上と、次元の異なる少子化対策を、いわば「車の両輪」として進めていくことが重要であり、少子化対策の財源を確保するために、経済成長を阻害し、若者・子育て世代の所得を減らすことがあってはならない。
    • 少子化対策の財源は、まずは徹底した歳出改革等によって確保することを原則とする。全世代型社会保障を構築する観点から歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用などを行う。このことによって、実質的に追加負担を生じさせないことを目指していく。
    • その際、歳出改革等は、国民の理解を得ながら、複数年をかけて進めていく。
    • このため、経済成長の実現に先行して取り組みながら、歳出改革の積上げ等を待つことなく、2030年の節目に遅れることのないように、前倒しで速やかに少子化対策を実施することとし、その間の財源不足は必要に応じてこども特例公債を発行する。
    • 以上のとおり、経済を成長させ、国民の所得が向上することで、経済基盤及び財源基盤を確固たるものとするとともに、歳出改革等による公費と社会保険負担軽減等の効果を活用することによって、国民に実質的な追加負担を求めることなく、少子化対策を進める。少子化対策の財源確保のための消費税を含めた新たな税負担は考えない。
    • 繰り返しになるが、我が国にとって2030年までがラストチャンスである。全ての世代の国民一人ひとりの理解と協力を得ながら、次元の異なる少子化対策を推進する。これにより、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もがこどもを持ち、安心して子育てができる社会、こどもたちがいかなる環境、家庭状況にあっても、分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会の実現を図る
  • こども・子育て政策の課題
    • こども・子育て政策については、過去30年という流れの中で見れば、その政策領域の拡充や安定財源の確保に伴い、待機児童が大きく減少するなど一定の成果はあったものの、少子化傾向には歯止めがかかっていない状況にある。
    • 少子化の背景には、経済的な不安定さや出会いの機会の減少、仕事と子育ての両立の難しさ、家事・育児の負担が依然として女性に偏っている状況、子育ての孤立感や負担感、子育てや教育にかかる費用負担など、個々人の結婚、妊娠・出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っているが、とりわけ、こども・子育て政策を抜本的に強化していく上で我々が乗り越えるべき課題としては、以下の3点が重要である。
      • 若い世代が結婚・子育ての将来展望が描けない
        • 若い世代において、未婚化・晩婚化が進行しており、少子化の大きな要因の一つとなっていると指摘されている。
        • 若い世代(18~34歳の未婚者)の結婚意思については、依然として男女の8割以上が「いずれ結婚するつもり」と考えているものの、近年、「一生結婚するつもりはない」とする者の割合が増加傾向となっている。さらに、未婚者の希望するこども数については、夫婦の平均理想こども数(2.25人)と比べて低水準であることに加えて、その減少傾向が続いており、直近では男性で1.82人、女性で1.79人と特に女性で大きく減少し、初めて2人を下回った。
        • また、雇用形態別に有配偶率を見ると、男性の正規職員・従業員の場合の有配偶率は25~29歳で30.5%、30~34歳で59.0%であるのに対し、非正規の職員・従業員の場合はそれぞれ12.5%、22.3%となっており、さらに、非正規のうちパート・アルバイトでは、それぞれ8.4%、15.7%にまで低下するなど、雇用形態の違いによる有配偶率の差が大きいことが分かる。また、年収別に見ると、いずれの年齢層でも一定水準までは年収が高い人ほど配偶者のいる割合が高い傾向にある。
        • 実際の若者の声としても、「自分がこれから先、こどもの生活を保障できるほどお金を稼げる自信がない」、「コロナ禍で突然仕事がなくなったり、解雇されたりすることへの不安が強くなった」などの将来の経済的な不安を吐露する意見が多く聞かれる。また、「結婚、子育てにメリットを感じない」との声や、「子育て世帯の大変な状況を目の当たりにして、結婚・出産に希望を感じない」との声もある。
        • このように、若い世代が結婚やこどもを生み、育てることへの希望を持ちながらも、所得や雇用への不安等から、将来展望が描けない状況に陥っており、若い世代の所得の持続的な向上につながる幅広い施策を展開するとともに、Ⅲ.で掲げる「こども・子育て支援加速化プラン」(以下「加速化プラン」という。)で示すこども・子育て政策の強化を早急に実現し、これを持続していくことが必要である。あわせて、25~34歳の男女が独身でいる理由について、「適当な相手に巡り合わない」とする割合が最も高くなっていることも踏まえた対応も必要である。さらに、幼少期から10代、20代のうちに、こどもと触れ合う機会を多く持つことができるようにすることが重要である。
      • 子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がある
        • 「自国はこどもを生み育てやすい国だと思うか」との問いに対し、スウェーデン、フランス及びドイツでは、いずれも約8割以上が「そう思う」と回答しているのに対し、日本では約6割が「そう思わない」と回答している。また、「日本の社会が結婚、妊娠、こども・子育てに温かい社会の実現に向かっているか」との問いに対し、約7割が「そう思わない」と回答している。
        • 子育て中の方々からも「電車内のベビーカー問題など、社会全体が子育て世帯に冷たい印象」「子連れだと混雑しているところで肩身が狭い」などの声が挙がっており、公園で遊ぶこどもの声に苦情が寄せられるなど、社会全体の意識・雰囲気がこどもを生み、育てることをためらわせる状況にある。
        • こどもや子育て世帯が安心・快適に日常生活を送ることができるようにするため、こどもや子育て世帯の目線に立ち、こどものための近隣地域の生活空間を形成する「こどもまんなかまちづくり」を加速化し、こどもの遊び場の確保や、親同士・地域住民との交流機会を生み出す空間の創出などを行っていく必要がある。
        • また、全世帯の約3分の2が共働き世帯となる中で、未婚女性が考える「理想のライフコース」は、出産後も仕事を続ける「両立コース」が「再就職コース」を上回って最多となっているが、実際には女性の正規雇用における「L字カーブ」の存在など、理想とする両立コースを阻む障壁が存在している
        • 女性(妻)の就業継続や第2子以降の出生割合は、夫の家事・育児時間が長いほど高い傾向にあるが、日本の夫の家事・育児関連時間は2時間程度と国際的に見ても低水準である。また、こどもがいる共働きの夫婦について平日の帰宅時間は女性よりも男性の方が遅い傾向にあり、保育園の迎え、夕食、入浴、就寝などの育児負担が女性に集中する「ワンオペ」になっている傾向もある。
        • 実際の若者の声としても「女性にとって子育てとキャリアを両立することは困難」「フルタイム共働きで子育ては無理があるかもしれない」といった声が挙がっている。
        • 一方で、男性についてみると、正社員の男性について育児休業制度を利用しなかった理由を尋ねた調査では、「収入を減らしたくなかった(39.9%)」が最も多かったが、「育児休業制度を取得しづらい職場の雰囲気、育児休業取得への職場の無理解(22.5%)」「自分にしかできない仕事や担当している仕事があった(22.0%)」なども多く、制度はあっても利用しづらい職場環境が存在していることがうかがわれる。
        • こうしたことから、こども・子育て政策を推進するに当たっては、今も根強い固定的な性別役割分担意識から脱却し、社会全体の意識の変革や働き方改革を正面に据えた総合的な対策をあらゆる政策手段を用いて実施していく必要がある。
      • 子育ての経済的・精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在する
        • 夫婦の平均理想こども数、平均予定こども数は2000年代以降、ゆるやかに低下してきており、直近では、平均理想こども数は2.25人、平均予定こども数は2.01人となっている。理想のこども数を持たない理由としては、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」という経済的理由が52.6%で最も高く、特に第3子以降を持ちたいという希望の実現の大きな阻害要因となっている。
        • また、妻の年齢別に見ると、35歳未満では経済的理由が高い傾向にあるが、35歳以上の夫婦では、「ほしいけれどもできないから」といった身体的な理由が高い。また、いずれの世代も「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」が高い。
        • これまでのこども・子育て政策の中では、保育対策にかなりの比重を置いてきたが、0~2歳児の約6割はいわゆる未就園児であり、こうした家庭の親の多く集まる子育て支援拠点が行った調査によれば、拠点を利用する前の子育て状況として「子育てをしている親と知り合いたかった」、「子育てをつらいと感じることがあった」、「子育ての悩みや不安を話せる人がほしかった」など、「孤立した育児」の実態が見られる。
        • 一方で、在宅の子育て家庭を対象とする「一時預かり」、「ショートステイ」、「養育訪問支援」などの整備状況は、未就園児1人当たりで見ると一時預かりは年間約2.86日、ショートステイは年間約0.05日、養育支援訪問は年間約0.1件など、圧倒的に整備が遅れている。
        • 実際の若者の声としても「教育費が昔より高くなっているので、経済的負担を考えると1人しか産めなさそう」「住居費などの固定費に対してお金がかかる」といった負担感のほか、「親の所得でこどもへの支援の有無を判断すべきではない」といった子育て世帯の不公平感を指摘する声もある。
        • さらに、子育て家庭が負担感を抱えている現状については、若い世代が子育てに対してネガティブなイメージを持つことにもつながっており、「こどもがいると今の趣味や自由な生活が続けられなくなる」「こどもを育てることに対する制度的な子育て罰が存在する」などといった指摘の背景ともなっていると考えられる。
        • このうち、教育費の問題については、こどもを安心して任せることのできる質の高い公教育を再生することが、次代を担うこどもたちの健やかな育成はもとより、若い世代の所得向上に向けた取組の基盤となりうるほか、基礎的な教育に係る子育て家庭の負担軽減にもつながる。このため、公教育の再生に向けた取組を着実に進めていくことが重要である。
        • また、学校給食費の無償化の実現に向けて、まず、学校給食費の無償化を実施する自治体における取組実態や成果・課題の調査、全国ベースでの学校給食の実態調査を速やかに行い、1年以内にその結果を公表する。その上で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等も含め課題の整理を丁寧に行い、具体的方策を検討する
  • 3つの基本理念
    • 我々が目指すべき社会の姿は、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もがこどもを持ち、安心して子育てができる社会、そして、こどもたちが、いかなる環境、家庭状況にあっても分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会である。こうした社会の実現を目指す観点から、こども・子育て政策の抜本的な強化に取り組むため、今後、こども未来戦略会議において策定する「こども未来戦略」(以下「戦略」という。)の基本理念は、以下の3点である。
      • 若い世代の所得を増やす
        • 第一に、若い世代が「人生のラッシュアワー」と言われる学びや就職・結婚・出産・子育てなど様々なライフイベントが重なる時期において、現在の所得や将来の見通しを持てるようにすること、すなわち「若い世代の所得を増やす」ことが必要である。
        • このため、こども・子育て政策の範疇を越えた大きな社会経済政策として、最重要課題である「賃上げ」に取り組む。新しい資本主義のもと、持続的な成長を可能とする経済構造を構築する観点から、「質の高い」投資の促進を図りつつ、「成長と分配の好循環」(成長の果実が賃金に分配され、セーフティネット等による暮らしの安心の下でそれが消費へとつながる)と「賃金と物価の好循環」(企業が賃金上昇やコストを適切に価格に反映することで収益を確保し、それが更に賃金に分配される)という「2つの好循環」の実現を目指す。
        • また、「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となり、働き方が大きく変化する中で、労働者の主体的な選択による職業選択、労働移動が、企業と経済の更なる成長につながり、構造的賃上げに資するものとなるよう、リ・スキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化という三位一体の労働市場改革を加速する。
        • さらに、賃上げの動きを全ての働く人々が実感でき、将来への期待も含めて、持続的なものとなるよう、L字カーブの解消などを含め、男女ともに働きやすい環境の整備、「同一労働同一賃金」の徹底と必要な制度見直しの検討、希望する非正規雇用の方々の正規化を進める。
        • こうした施策を支える基盤として、多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットを構築するため、週所定労働時間20時間未満の労働者に対する雇用保険の適用拡大について検討し、2028年度までを目途に実施する。また、いわゆる106万円・130万円の壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大や最低賃金の引上げに取り組むことと併せて、被用者が新たに106万円の壁を超えても手取りの逆転を生じさせないための当面の対応を本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む。
        • また、全国どの地域に暮らす若者・子育て世代にとっても、経済的な不安なく、良質な雇用環境の下で、将来展望を持って生活できるようにすることが重要であり、引き続き、地方創生に向けた取組を促進する。特に、地方において若い女性が活躍できる環境を整備することが必要であり、地方における分厚い中間層の形成に向けて、国内投資の拡大を含め、持続的に若い世代の所得が向上し、未来に希望を感じられるような魅力的な仕事を創っていくための取組を支援していく。
        • こうした取組と併せて、Ⅲで掲げる「加速化プラン」において、ライフステージを通じた経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組、こども・子育て支援の拡充、共働き・共育てを支える環境整備などを一体として進め、若者・子育て世帯の所得を増やすことで、経済的な不安を覚えることなく、若者世代が、希望どおり、結婚、妊娠・出産、子育てを選択できるようにしていく。
      • 社会全体の構造・意識を変える
        • 第二に、少子化には我が国のこれまでの社会構造や人々の意識に根差した要因が関わっているため、家庭内において育児負担が女性に集中している「ワンオペ」の実態を変え、夫婦が相互に協力しながら子育てし、それを職場が応援し、地域社会全体で支援する社会を作らなければならない。
        • このため、これまで関与が薄いとされてきた企業や男性、さらには地域社会、高齢者や独身者を含めて、皆が参加して、社会全体の構造や意識を変えていく必要がある。こうした観点から、「加速化プラン」においては、こどもまんなか社会に向けた社会全体の意識改革への具体策についても掲げることとする。
        • また、企業においても、出産・育児の支援を投資と捉え、職場の文化・雰囲気を抜本的に変え、男性、女性ともに、希望どおり、気兼ねなく育児休業制度を使えるようにしていく必要がある。この点については、特に、企業のトップや管理職の意識を変えることが重要である。同時に、育児休業制度自体についても、多様な働き方に対応した自由度の高い制度へと強化するとともに、職場に復帰した後の子育て期間における「働き方」も変えていく必要がある。特に、女性の地方から東京圏への流出が続いている現状を踏まえ、全国の中小企業を含めて、女性が活躍できる環境整備を強力に進めていくという視点が重要である。
        • 働き方改革は、長時間労働の是正により夫婦双方の帰宅時間を早め、育児・家事に充てる時間を十分に確保することや、各家庭の事情に合わせた柔軟な働き方を実現すること等につながる。また、子育て家庭にとってのみならず、事業主にとっても、企業の生産性向上や労働環境の改善を通じた優秀な人材の確保といった効果があることに加えて、延長保育等の保育ニーズの減少を通じて社会的コストの抑制効果が期待されるものでもある。さらに、価値観・ライフスタイルが多様となる中で、子育てに限らない家庭生活における様々なニーズや、地域社会での活動等との両立が可能となるような柔軟で多様な働き方が普及することは、全ての働く人にとってメリットが大きい。このため、特に、働き方改革の実施に課題のある中小企業の体制整備に向けた取組を強力に後押ししていくことが必要である。
        • 育児休業を取りやすい職場づくりと、育児休業制度の強化、この両方があって、子育て世帯に「こどもと過ごせる時間」を作ることができ、夫婦どちらかがキャリアを犠牲にすることなく、協力して育児をすることができる。このため、働き方改革の推進とそれを支える育児休業制度等の強化など、「加速化プラン」で掲げる具体的な施策について、官民挙げて強力に取り組んでいくこととする。
      • 全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する
        • 第三に、様々なこども・子育て支援に関しては、親の就業形態にかかわらず、どのような家庭状況にあっても分け隔てなく、ライフステージに沿って切れ目なく支援を行い、多様な支援ニーズにはよりきめ細かい対応をしていくこと、すなわち「全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援すること」が必要である。
        • これまでも保育所の整備、幼児教育・保育の無償化など、こども・子育て政策を強化してきたが、この10年間で社会経済情勢は大きく変わるとともに、今後、取り組むべきこども・子育て支援の内容も変化している。
        • 具体的には、経済的支援の拡充、社会全体の構造・意識の改革に加え、こども・子育て支援の内容についても、以下などが必要となっている。
          • 親が働いていても、家にいても、全ての子育て家庭を等しく支援すること
          • 幼児教育・保育について、量・質両面からの強化を図ること、その際、待機児童対策などに一定の成果が見られたことも踏まえ、量の拡大から質の向上へと政策の重点を移すこと
          • これまで比較的支援が手薄だった、妊娠・出産時から0~2歳の支援を強化し、妊娠・出産・育児を通じて、全ての子育て家庭の様々な困難・悩みに応えられる伴走型支援を強化すること
          • 貧困の状況にある家庭、障害のあるこどもや医療的ケアが必要なこどもを育てる家庭、ひとり親家庭などに対してよりきめ細かい対応を行うこと
        • こうした観点から、こども・子育て支援に関する現行制度全体を見直し、全てのこども・子育て世帯について、親の働き方やライフスタイル、こどもの年齢に応じて、切れ目なく必要な支援が包括的に提供されるよう、「加速化プラン」で掲げる各種施策に着実に取り組むとともに、「総合的な制度体系」を構築することを目指していく。
        • また、「総合的な制度体系」を構築する際に重要なことは、伴走型支援・プッシュ型支援への移行である。従来、当事者からの申請に基づいて提供されてきた様々な支援メニューについて、行政が切れ目なく伴走する、あるいは支援を要する方々に行政からアプローチする形に、可能な限り転換していくことが求められる。
        • さらに、制度があっても現場で使いづらい・執行しづらいという状況にならないよう、「こども政策DX」を推進し、プッシュ型通知や、デジタル技術を活用した手続等の簡素化、データ連携などを通じ、子育て世帯等の利便性向上や子育て関連事業者・地方自治体等の手続・事務負担の軽減を図る。なお、こうした「こども政策DX」に積極的に取り組むとともに、関係データの連携、そのデータの利活用を図ることは、後に掲げるPDCAの推進のためにも重要と考えられる。
        • また、全国それぞれの地域社会において、地域の実情に応じた包括的な支援が提供されるよう、国と地方自治体が連携して、こども・子育て支援の強化を図っていく必要がある。その際には、地域ごとの多様なニーズに対して、幼児教育・保育事業者はもとより、企業やNPO・NGO、ボランティア団体、地域住民などの多様な主体の参画の下で、それぞれの地域が有する資源を最大限に活用しながら、こども・子育て世帯を地域全体で支えるための取組を促進していくことが重要である。

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内閣官房 ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議
▼行動計画2年目(2022年4月から2023年3月末)の実施状況報告
  • 「ビジネスと人権」に関する行動計画(以下、「行動計画」という。)の第4章では、行動計画の実施状況を、毎年、関係府省庁連絡会議1において確認することとしている。行動計画2年目(2022年4月から2023年3月末まで)2の政府の主な取組は、以下のとおり。
    1. 行動計画推進のための枠組みにおける議論
      • 「ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議」(以下、「関係府省庁会議」という。)並びに同会議決定の下、外務省が開催することとされる「ビジネスと人権に関する行動計画推進円卓会議」(以下、「円卓会議」という。)及び「ビジネスと人権に関する行動計画推進作業部会」(以下、「作業部会」という。)において、以下の議論を行った。
        1. 2022年6月、第4回関係府省庁会議を開催し、「ビジネスと人権」に関する行動計画に係る「1年目レビュー政府報告」を承認した。また、経済産業省から、人権デュー・ディリジェンスに関する業種横断的なガイドラインの策定作業の進捗状況について説明した。
        2. 7月、第2回作業部会を開催し、政府から上記ガイドライン案の作業状況、行動計画85施策3と指導原則の関連性の設定に係る作業方針、「ステークホルダー共通要請事項」への対応について説明し、意見交換を行った。
        3. 8月、第5回関係府省庁会議において、経済産業省からガイドライン案について説明した。法務省から、特定技能制度・技能実習制度の見直しに関し、法務大臣が勉強会を通じて把握した課題・論点や今後の検討の方向性について説明した。
        4. 同月、第3回円卓会議を開催し、政府から上記ガイドライン(案)について作業状況を報告し、意見交換を行った。
        5. 9月、第6回関係府省庁会議を開催し、パブリックコメントを経た上記ガイドライン案を「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」として正式に決定した。
        6. 2023年2月、第4回円卓会議及び第3回作業部会(合同会合)を開催し、ガイドラインに関するステークホルダーの意見を踏まえた考え方の共有、今後のガイドライン実施の在り方を中心に、継続的な対話を実施した。
    2. 政府による取組
      • 行動計画では、「ビジネスと人権」に関して、今後政府が取り組む85項目の施策が記載されている。これらの項目について行動計画2年目に各府省庁で実施した取組は別添のとおりであるが、そのうち特に進展した取組を列挙すると次のとおりである。
        • 人権を尊重する企業の責任を促すための政府による取組
          • 行動計画2年目は、特に、国内外のサプライチェーンにおける取組及び「指導原則」に基づく人権デュー・ディリジェンスの促進に関する各種施策が進展した。上述のとおり、2022年9月、政府として「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を策定・発表し、各府省庁は企業へのガイドラインの普及・啓発活動に取り組んだ。例えば、メール・イベント等を通じた業界団体・関係団体等への周知、セミナーの開催、後援あるいは参加を通じた周知・説明、二国間協議や国際会議等での発信、省庁ウェブサイトへの掲載、好事例の紹介、パンフレットの作成・配布等、様々な手段を通じて、普及・啓発活動を積極的に展開した。
          • 外務省では、海外にサプライチェーンをもつ企業を念頭に、海外4か国においてセミナーを開催し、日本企業や日本企業の進出先国の取引先企業に向けて人権デュー・ディリジェンスの実施に関する情報提供を行った。加えて、国連開発計画(UNDP)への拠出を通じて、17か国におけるサプライチェーン上の人権課題調査や企業への人権デュー・ディリジェンス研修を実施するとともに、13か国の政府に対して行動計画策定・実施を支援(2002年度案件)した。
          • 経済産業省では、ガイドライン周知のため国内外でセミナーを実施し、中小企業を含めた産業界の意識向上・取組の促進を図った。また、国際労働機関(ILO)への拠出を通じ、日本企業が行うアジア諸国における海外取引先企業に対する人権デュー・ディリジェンスの実施を支援し、好事例集の作成や企業等における専門人材の育成を推進すべく、事業を実施中である。厚生労働省においても、ILOへの任意拠出を通じ、アジア・太平洋地域を中心として、労働安全衛生や、児童労働など「ビジネスと人権」上の課題とされる事案の解消に資するような技術協力を実施し、労働者のディーセントワークの促進に貢献している。
        • 人権を保護する国家の義務に関する取組
          • 中谷総理補佐官は、2022年9月にバンコク(タイ)で開催された「ビジネスと人権地域フォーラム」及び11月にジュネーブで開催された「ビジネスと人権フォーラム」に出席して我が国の「ビジネスと人権」に関する取組を対外的にアピールしたほか、各国による取組を一層進展させることを訴えた。また、9月にハノイ(ベトナム)、2023年2月にダッカ(バングラデシュ)を訪問して、先方政府や現地所在日本企業との間でサプライチェーンにおける人権尊重の取組の推進や「ビジネスと人権」行動計画の策定支援に向けた意見交換を実施した。
          • また、関係府省庁において、経済主体の一つである政府自身としても率先垂範して人権尊重の取組を進めていく観点から、公共調達における人権尊重の取組を進め、企業における人権尊重の取組を推進するための仕組み作りに着手した。
        • 救済へのアクセスに関する取組
          • 改正公益通報者保護法が2022年6月に施行され、事業者に内部公益通報対応体制の整備が義務付けられたところであり(中小規模の事業者については努力義務)、消費者庁では事業者の取るべき措置などについて周知啓発を行っている。
          • 現在、OECD責任ある企業行動作業部会の場で、OECD多国籍企業行動指針の改定作業が行われているが、同指針に基づき設置される国別連絡窓口(NCP)の強化は一つの大きな論点となっており、日本としても積極的に同作業部会における議論に貢献した。また、2022年7月、日本NCPの手続手引を改訂し、日本NCPが知見を有する有識者から助言・補助を得られるように、新たな関連規定を盛り込んだ。
        • 横断的事項
          • 行動計画2年目の期間中、1年目に引き続き、特定技能制度及び技能実習制度について、各界の有識者から御意見を幅広く伺い、問題点を把握するため、法務省において「特定技能制度・技能実習制度に係る法務大臣勉強会」が開催された。また、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)及び出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)の附則に基づき、技能実習制度及び特定技能制度の検討が求められていることから、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議(以下「関係閣僚会議」という。)の下、両制度の施行状況を検証し、課題を洗い出した上、外国人材を適正に受け入れる方策を検討し、関係閣僚会議に対して意見を述べることを目的として、2022年11月に技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議の開催が決定され、行動計画2年目期間中には4回の会議が開催された。また、JICAの側面支援を通じて、2022年5月、企業が参加可能な国内の外国人労働者の課題解決に向けたマルチステークホルダーによるプラットフォーム(責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム:JP-MIRAI)のパイロット事業が始動した。この事業の一環として、会員企業の相談窓口・救済メカニズムの構築を支援している。
    3. 小括
      • 上述のとおり、行動計画2年目においては、国内外のサプライチェーンにおける取組、「指導原則」に基づく人権デュー・ディリジェンスの促進、公共調達、外国人材の受入れ・共生等に関する取組が特に進展した。
      • 国内外の様々なレベルにおいて「ビジネスと人権」についての関心が高まる中で、政府ととしては、関連する国際的な動向及び日本企業の取組状況の把握に努める一方で、引き続き、行動計画に記載された各種施策を着実に実施し、国際社会を含む社会全体の人権の保護・促進、日本企業の国際的な競争力及び持続可能性の確保・向上、SDGsの達成への貢献を目指していく

~NEW~
内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議(第13回)議事次第
▼資料1-1 当面の重点検討課題(案)の概要
  • 「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す「デジタル田園都市国家構想」を実現するためには、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」(令和4年12月23日閣議決定)に基づく施策を着実に実行していくことが重要。
  • このため、総合戦略に基づく施策の取組状況について年末に向けフォローアップを行うとともに、今般、下記の通り整理した、施策の深化・具体化や新規施策に関する当面の重点検討課題に基づき、政府内で検討を進め、年末に改訂を行う総合戦略に位置付け、その実現を図ることとする。
  • デジタル実装の優良事例を支えるサービス/システムの横展開の加速化
    • 関係府省庁が連携して、重点的に取り組むべきデジタル実装の優良事例を支えるサービス/システムを整理した上で、効果的・効率的に横展開を推進
    • 行政サービス分野について、
      • 「書かないワンストップ窓口」について、「窓口DXSaaS」機能をガバメントクラウド上で提供
      • 自治体の取組における窓口業務改革(BPRを含む。)に対する人的・財政的支援の充実 等
    • 防災分野について、
      • 防災DXサービスマップを公表するなど、ベストリファレンスのカタログ化を先行実施
    • 医療・健康・子育て、公共交通、教育等の主要分野の優良事例を支えるサービス/システムについて、
      • 今夏を目途にベスト・リファレンスのカタログ化
      • 2023年末を目途に標準的な要件・機能等を整理し、モデル仕様書として作成・公表
      • マイナンバーカードの利活用促進プランの取りまとめ
      • 将来的にDMP(デジタルマーケットプレイス)との連携・活用 等
  • モデル地域ビジョンの実現支援策の強化・地方創生の先進事例の横展開の推進
    • モデル地域ビジョンの施策間連携や地域間連携の取組み状況を難滅に向けてフォローアップし、財政上の優遇措置や地方支文部局や創生人材支援制度等を買う長した伴走支援等の拡充
    • 地方版総合戦略の策定状況等の継続的なフォローアップ、施策効果の分析・進捗度評価に向けた支援の実施
    • デジタル田園都市国家構想交付金も活用しつつ、地方創生の先進事例の横展開を丁寧に支援
  • 重要施策分野等に関する施策の充実
    • 共創による交通活性化
    • 地方創生スタートアップ
    • こども政策
    • 教育DX
    • 建築・都市のDX
    • 観光DX
    • デジタル技術を活用した地域防災力の向
    • 物流DX
    • インフラDX
    • 中心市街地の活性化・地方都市の再生等
    • 空き家対策の推進等
    • まちづくりGX
    • 地域の魅力ある文化資源の活用
  • 人の流れの創出・拡大の強化
    • 地方への人の流れを重層的で力強いものにし、東京圏への過度な一極集中を是正
  • デジタル田園都市国家構想の機運醸成
    • 構想の実現に向け、官民含めた全国的な機運醸成
  • デジタルライフライン全国総合整備計画の策定
    • 「実証から実装へ」「点から線や面へ」の移行を目指し、中山間地域から都市部に至るまで、デジタル実装の前提となるインフラ整備を強力に推進
  • デジタルとリアルが融合した地域生活圏の形成推進
    • 本年夏に新たな国土形成計画を策定し、「地域生活圏」の形成を推進
  • デジタル田園都市国家インフラ整備計画の実行
    • 4月に改訂したデジタル田園都市国家インフラ整備計画の着実な実行
  • デジタル推進委員の取組の充実
    • 継続的にきめ細やかなサポートができるよう、デジタル推進委員の相談体制の充実
  • 地方公共団体におけるアナログ規制の見直し
    • アナログ規制の見直しを通じた地方におけるデジタル実装の支援
  • 地域におけるWell-being指標の活用促進
    • 地域におけるWell-being指標の活用促進を強化

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内閣官房 医療DX推進本部(第2回)
▼資料2 医療DXの推進に関する工程表(案)概要
  • 基本的な考え方
    • 医療DXに関する施策の業務を担う主体を定め、その施策を推進することにより、(1)国民のさらなる健康増進、(2)切れ目なく質の高い医療等の効率的な提供、(3)医療機関等の業務効率化、(4)システム人材等の有効活用、(5)医療情報の二次利用の環境整備の5点の実現を目指していく
    • サイバーセキュリティを確保しつつ、医療DXを実現し、保健・医療・介護の情報を有効に活用していくことにより、より良質な医療やケアを受けることを可能にし、国民一人一人が安心して、健康で豊かな生活を送れるようになる
  • マイナンバーカードの健康保険証の一体化の加速等
    • 2024年秋に健康保険証を廃止する
    • 2023年度中に生活保護(医療扶助)でのオンライン資格確認の導入
  • 全国医療情報プラットフォームの構築
    • オンライン資格確認等システムを拡充し、全国医療情報プラットフォームを構築
    • 2024年度中の電子処方箋の普及に努めるとともに、電子カルテ情報共有サービス(仮称)を構築し、共有する情報を拡大
    • 併せて、介護保険、予防接種、母子保健、公費負担医療や地方単独の医療費助成などに係るマイナンバーカードを利用した情報連携を実現するとともに、次の感染症危機にも対応
    • 2024年度中に、自治体の実施事業に係る手続きの際に必要な診断書等について、電子による提出を実現
    • 民間PHR事業者団体やアカデミアと連携したライフログデータの標準化や流通基盤の構築等を通じ、ユースケースの創出支援
    • 全国医療情報プラットフォームにおいて共有される医療情報の二次利用について、そのデータ提供の方針、信頼性確保のあり方、連結の方法、審査の体制、法制上あり得る課題等の論点について整理し検討するため、2023年度中に検討体制を構築
  • 電子カルテ情報の標準化等
    • 2023年度に透析情報及びアレルギーの原因となる物質のコード情報について、2024年度に蘇生処置等の関連情報や歯科・看護等の領域における関連情報について、共有を目指し標準規格化。2024年度中に、特に救急時に有用な情報等の拡充を進めるとともに、救急時に医療機関において患者の必要な医療情報が速やかに閲覧できる仕組みを整備。薬局との情報共有のため、必要な標準規格への対応等を検討
    • 標準型電子カルテについて、2023年度に必要な要件定義等に関する調査研究を行い、2024年度中に開発に着手。電子カルテ未導入の医療機関を含め、電子カルテ情報の共有のために必要な支援策の検討
    • 遅くとも2030年には、概ねすべての医療機関において、必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す
  • 診療報酬改定DX
    • 2024年度に医療機関等の各システム間の共通言語となるマスタ及びそれを活用した電子点数表を改善・提供して共通コストを削減。2026年度に共通算定モジュールを本格的に提供。共通算定モジュール等を実装した標準型レセコンや標準型電子カルテの提供により、医療機関等のシステムを抜本的に改革し、医療機関等の間接コストを極小化
    • 診療報酬改定の施行時期の後ろ倒しに関して、実施年度及び施行時期について、中央社会保険医療協議会の議論を踏まえて検討
  • 医療DXの実施主体
    • 社会保険診療報酬支払基金を、審査支払機能に加え、医療DXに関するシステムの開発・運用主体の母体とし、抜本的に改組
    • 具体的な組織のあり方、人員体制、受益者負担の観点を踏まえた公的支援を含む運用資金のあり方等について速やかに検討し、必要な措置を講ずる

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内閣官房 花粉症に関する関係閣僚会議(第2回)議事次第
▼資料1 花粉症対策の全体像(案)(概要)
  • はじめに
    • 花粉症は未だ多くの国民を悩ませ続けている社会問題
    • 省庁の縦割りを排し、様々な対策を効果的に組み合わせて実行していくことが重要。また、息の長い取組が必要。
    • 今後10年を視野に入れた施策も含めて、花粉症という社会問題を解決するための道筋を示す
  • 花粉症の実態と人工林の将来
    • 花粉発生源となるスギ人工林(20年生超)は431万ha
    • 医療費(花粉症を含むアレルギー性鼻炎)→保険診療:約3,600億円、市販薬:約400億円
    • 「発生源対策」の取組を集中的に進めて花粉量の削減を加速化
  • 花粉症対策の3本柱
    1. 発生源対策
      • 10年後には花粉発生源のスギ人工林を約2割減少させることを目指す。スギ人工林由来の花粉が約2割減少すれば、花粉量の多かった今シーズンであっても平年並みの水準まで花粉量を減少させる効果が期待できる。また、将来的(約30年後)には花粉発生量の半減を目指す
      • スギ人工林の伐採・植替え等の加速
        • スギ人工林の伐採を約5万ha/年→(10年後)約7万ha/年まで増加させるとともに、花粉の少ない苗木や他樹種による植替え等を推進
        • 花粉発生源となるスギ人工林の減少スピードを約2倍に(「花粉発生源スギ人工林減少推進計画(略称:スギ伐採加速化計画)」)
      • スギ材需要の拡大【林野庁・国土交通省】
        • 住宅分野でのスギ材製品への転換促進、木材活用大型建築の新築着工面積の倍増等
        • スギ製材・合板・集成材等のJAS材の増産に向けた加工流通施設の国内整備の支援、国産材の利用割合の低い横架材等について輸入材を代替可能な製品を製造する技術の普及等、安定供給体制の構築
        • JAS規格・建築基準の合理化
        • 国産材を活用した住宅に係る表示の仕組みの構築(花粉症対策への貢献度を明示)
        • 建築物に係るライフサイクルカーボンの評価方法の構築(3年を目途)
        • 住宅生産者による花粉症対策の取組の見える化 等
        • 需要を1,240万㎥→(10年後)1,710万㎥(470万㎥増)に拡大
      • 花粉の少ない苗木の生産拡大【林野庁】
        • 国・自治体等における苗木生産体制の短期的かつ集中的な整備
        • 10年後には花粉の少ないスギ苗木の生産割合をスギ苗木全体の9割以上に引上げ
      • 林業の生産性向上及び労働力の確保【林野庁】
        • 労働力の大幅な減少が見込まれる中、
        • 高性能林業機械の導入支援等により生産性を向上
        • 外国人材の受入れ拡大、新規就業者の確保・育成、処遇の改善、農業など他産業との連携、地域おこし協力隊との連携等により、労働力の減少に歯止めをかけ、10年後も現在と同程度の林業人材を確保
        • 年内に「林業活性化・木材利用推進パッケージ」(仮称)を策定【林野庁・国土交通省】
    2. 飛散対策
      • スギ花粉飛散量の予測
        • 精緻化されたデータを民間事業者に提供すること等により、民間事業者が実施する予測の精度向上を支援
        • スギ雄花花芽調査の強化(34都府県→全国に拡大、調査地点数の倍増)等【環境省・林野庁】
        • 航空レーザー計測によるスギ人工林の分布、森林地形等の情報の高度化、それらのデータの公開の推進【林野庁】
        • スーパーコンピューターやAIを活用した、花粉飛散予測に特化した詳細な三次元の気象情報の提供【気象庁】
        • 花粉飛散量の実測データの提供、画像解析を活用した花粉飛散量の測定手法の開発【環境省】
        • 花粉飛散量の標準的な表示ランクの設定・周知【環境省】
      • スギ花粉の飛散防止
        • 効果的・効率的な散布技術の開発、薬剤の改良を進めるなど、スギ花粉の飛散防止剤の開発を促進し、5年後に実用化の目処を立て、速やかに実行することを目指す【林野庁】
    3. 発症・曝露対策
      • 花粉症の治療
        • 診療ガイドライン改訂や対症療法等の医療・相談体制の整備を推進【厚生労働省】
        • アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法等)の開始時期等について、医療機関等における適切な情報提供や集中的な広報を実施【厚生労働省】
        • 学会等を通じた医療機関等への協力要請
        • 実施医療機関のリスト化・周知
        • オンライン診療可能な医療機関の周知
        • 森林組合等への協力要請や企業への要請等に着手⇒舌下免疫療法の治療薬を25万人分/年→(5年以内)100万人分/年に増産【厚生労働省】
        • 治療法・治療薬の開発に資する大学や国立研究機関等での研究開発等を支援【文部科学省・厚生労働省】
      • 花粉症対策製品など
        • 花粉対策に資する商品に関する認証制度について、関連業界と連携し、消費者への認知拡大、認証取得製品(網戸、衣服等)の拡大・普及の推進【経済産業省】
        • スギ花粉米の実用化に向け臨床研究等を実施【農林水産省】
      • 予防行動
        • 花粉への曝露を軽減するための花粉症予防行動について、自治体、関係学会等と連携して広く周知【環境省・厚生労働省】
        • 花粉曝露を軽減する柔軟な働き方等、企業等による従業員の花粉曝露対策を推進する仕組みの整備【経済産業省】

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首相官邸 食料安定供給・農林水産業基盤強化本部(第4回) 議事次第
▼資料2 食料・農業・農村基本法の見直しの方向(「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」)
  • 国際的な食料生産の不安定化、我が国の農業従事者の減少、農業をめぐる国際的な議論の変化を踏まえ、平時からすべての国民の食料安全保障を確保するため、食料・農業・農村基本法を見直し。この見直しの方向性について、「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」で取りまとめ
  • 平時からの国民一人一人の食料安全保障の確立
    1. 食料安全保障の定義
      • 食料安全保障を国民一人一人がいつでも食料を容易に入手可能な状態にすることと定義し、平時からの食料安全保障を確保。
    2. 輸入リスクの軽減に向けた食料の安定供給の強化
      • 小麦・大豆、加工・業務用野菜、米粉用米等の国内農業生産の増大や飼料、肥料等の生産資材の確保を図るとともに、輸入の安定確保や備蓄の有効活用等も重視。
    3. 海外市場も視野に入れた産業に転換
      • 輸出拡大により農業・食品産業の生産基盤を確保。
    4. 適正な価格形成に向けた食料システムの構築
      • 持続可能な食料システムの構築に向けて、できる品目から、生産から加工・流通・販売までの各段階で適正な価格形成の実現。
    5. 全ての国民が健康的な食生活を送るための食品アクセスの改善
      • 買い物弱者等や、経済的理由により十分な食料を入手できない者も健康な食生活が送れるよう地域の食品事業者による供給体制を整備。
  • 環境等に配慮した持続可能な農業・食品産業への転換
    • 環境と調和のとれた食料システムの確立
      • 環境負荷低減等を行う持続的な農業を主流化。
      • 農業生産、加工、流通、小売を含む食料システム全体でグリーン化。
  • 人口減少下でも持続可能で強固な食料供給基盤の確立
    1. 急激な農業者の減少下で食料供給を行える農業の確立
      1. 人口減少下でも生産を維持する供給基盤の確立
        • 農村の人口が急減する中で、離農する経営体の農地の受け皿となる経営体等(担い手)の育成・確保。
        • 農業法人等の経営基盤の強化。
        • 地域の話合いを基に、担い手に加え、多様な農業人材も参加して地域の農地を保全・管理し、持続的な生産につなげる。
      2. スマート農業などによる生産性の向上
        • スマート技術の活用により生産性を向上し、食料供給を確保。
        • 農業経営体を経営・技術等でサポートするサービス事業体の育成・確保。
      3. 家畜伝染病・病害虫、防災・減災等への対応強化、知的財産の保護 等
    2. 農村人口減少の中での農村集落機能の維持
      1. 農村コミュニティの維持
        • イノベーションによるビジネス創出や情報基盤整備等により都市から農村への移住、関係人口の増加等を図る。
      2. 農村インフラの機能確保
        • 集落機能の低下が懸念される地域においても、農業生産に不可欠な農業水利施設等の維持管理を図る。
  • 平時からの食料安全保障の確保ー食料・農業・農村基本計画の見直し
  • 不測時の食料安全保障の強化-政府の体制整備

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首相官邸 第56回 経協インフラ戦略会議 議事次第
▼資料 「インフラシステム海外展開戦略2025」追補の全体像
  • インフラ海外展開を取り巻く環境変化に対応するため、デジタル技術の活用等や、現地パートナーやスタートアップとの連携、相手国ニーズに応じた提案型アプローチが求められている。こうした取組や、国内外での人への投資を進め、バリューチェーンを俯瞰した総合的な提案につながる施策を実施していく
  • 重点戦略1:DX等新たな時代の変革への対応の強化
    1. 海外におけるサプライチェーン等のリスクへの対応力強化
      1. JBIC法改正を通じた日本企業のサプライチェーンの強靱化支援(2023年4月成立)
        • これまでグローバル投資強化ファシリティの創設や先進国政令の改正を通じてサプライチェーンの強靱化等を支援
        • 今般、JBIC法の改正を通じて日本の産業の国際競争力の維持・向上に資するサプライチェーンの強靱化をさらに推進
      2. NEXIの融資保険の対象事業拡大による本邦企業の資金調達の円滑化(2023年省令改正)
        • サプライチェーン強靱化、脱炭素、スタートアップの海外展開支援等に向けたNEXIの国内融資への保険提供を可能に
      3. デジタル技術を活用したサプライチェーン高度化の促進
        • ASEAN地域における、サプライチェーン全体の見える化に向けた企業間のデータ共有・連携を支援
        • サプライチェーンの強靱化に向けた製造工程の自動化に関する取組を支援
    2. デジタル変革による価値創造と中堅・中小、スタートアップ支援
      • 公的金融と民間投資の連携等を通じた中堅・中小、スタートアップ支援
        • JBIC法改正を通じたスタートアップや中堅・中小企業等日本企業の更なるリスクテイクの後押し
        • ICT海外展開パッケージ支援事業に「地方枠」を設け、地方企業の取組を支援
        • JICT支援基準の改正を踏まえ、ICTサービス事業への支援やファンドへのLP出資を通じてスタートアップから地方の中小企業までを含む幅広い企業の海外展開を促進
        • 中小機構、日本公庫及びNEXIによる「海外ビジネス支援パッケージ」構築を通じた支援強化
        • スタートアップ育成5か年計画や新規輸出1万者支援プログラムを通じた支援
      • 国内海外双方向での事業展開を見据えた先進イノベーション技術への支援
        • ASEAN、南西アジア、中南米、島嶼国でのデジタル技術による課題解決型事業の共創を促すアジアDX実証
        • JETROのJ-Bridgeによるスタートアップを含む日本企業と海外企業との協業・連携支援
        • スタートアップ等、日本企業と海外企業との新たな取引の創出・拡大を目指すNEXIによる貿易保険の新たな枠組みであるSEEDスキームを創設
      • デジタル技術の特性を踏まえたソフトインフラ等の海外展開
        • ブロックチェーンやデジタル通貨等を活用した貿易プラットフォーム・金融インフラの海外展開
        • アジアやアフリカにおけるスマート農業技術の海外展開
        • ASEAN・インド等での相互協力によるスマートシティの海外展開
    3. 国際連携の推進、国際標準化への対応と戦略的活用
      • 国際連携の推進
        • オープンでセキュアな5G(Open RAN)の展開に向けた国際連携や実証
        • 責任あるAIとAIガバナンスの相互運用性の促進に向けたG7や同志国間の連携強化
        • 健康長寿社会の実現に向けた、「アジア・アフリカ健康構想」による医療分野の研究開発や新産業創出等の推進
      • 国際標準化への対応と戦略的活用
        • 日本式のコールドチェーン物流サービス規格、海外向け車両の標準仕様(STRASYA)をアジア諸国へ展開
        • 地上デジタル放送日本方式の海外展開 ※日本方式採用国は日本を含め20カ国・7億人(2023年1月)
  • 重点戦略2:脱炭素社会に向けたトランジションの加速
    • 脱炭素社会の実現に向けた国際連携の枠組み
      • アジア・ゼロエミッション共同体構想(AZEC)の実現
        • アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)等を通じて民間資金と公的資金(OOF及びODA)を最適に組み合わせつつ、アジアの多様かつ現実的なトランジションを支援し、クリーンエネルギープロジェクトの組成(水素やアンモニアのサプライチェーン構築含む)を加速
        • JBICやNEXIと各国の政府系企業等とのMOU締結を通じ、現地及び日本からのエネルギートランジション投資を加速
      • 市場メカニズムに関する国際連携の拡大(パリ協定6条実施パートナーシップ)
        • JCM(二国間クレジット制度)プロジェクトの大規模化(大規模再エネ、水素、CCS等)、アジア企業の排出量把握を促進する取組、民間JCMガイダンス普及、外部機関の活用等による実施体制強化、農業分野のメタン削減等アジア開発銀行と連携した案件創出等により、JCMの一層の活用拡大
        • 「パリ協定6条実施パートナーシップセンター」等による各国の6条実施能力の構築支援を通じた「質の高い炭素市場」の推進
        • 2025年を目途にJCMのパートナー国を30カ国程度に拡大させるため、関係国との協議を加速
      • 公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)等の推進
        • パートナー国政府等とのエンゲージメント、再エネ等への投資のための支援を推進
        • ADBのエネルギー・トランジション・メカニズム(ETM)を通じて、アジア地域のエネルギー移行を推進
    • 我が国の脱炭素技術等の海外展開支援
      1. 脱炭素社会の実現に向けたトランジション協力
        • 我が国のカーボンニュートラル政策・制度、次世代脱炭素技術の紹介と導入の検討支援、パリ協定に基づく長期戦略やマスタープラン作成支援、GX長期研修プログラム等の人材育成支援、パワープール(アフリカで国際連系線を拡張し域内でクリーン・エネルギーを共有するもの)構築に向けた制度整備等を実施
        • クリーン・シティ・パートナーシップ・プログラム(C2P2)に基づき、G7、MDBs等とも連携し、都市間連携等を通じた国・地方協働モデルと脱炭素ドミノ(決意・コミットメント、実行)の輪を拡大
        • 途上国の現地日系企業のサプライチェーン全体での排出量把握・情報開示等を支援
        • G7や同志国及び世銀と連携し途上国を支援する、「RISE(Resilient and Inclusive Supply-chain Enhancement)」の枠組みを通じ、特定国に過度に依存するクリーンエネルギー製品の供給網多様化を推進
        • NEXIの「LEADイニシアティブ」や、JOGMECとの連携、保険の適用対象拡大により、水素やアンモニア、CCS等の新技術分野の取組を貿易保険で支援
      2. 気候変動適応策と緩和策を両立した対策の推進
        • 熊本水イニシアティブを踏まえた、ダム、下水道、農業用施設等の「質の高いインフラ」整備促進、水害リスク評価、人材育成
        • 日ASEANみどり協力プラン(2022年10月)に基づき、脱炭素技術等をアジアモンスーン地域で実装促進
        • 緑の気候基金(GCF)等を通じた支援AI/IoT等での予測・解析技術等による水害リスク評価
  • 重点戦略3:FOIPを踏まえたパートナーシップの促進
    1. グローバル・サウスにおける重点地域への取組
      • ASEAN各国に引き続き重点を置き、太平洋島嶼国や南アジアとの協力を強化
        • 日ASEAN友好協力50周年を見据えた日ASEAN連結性イニシアティブの刷新
        • 太平洋島嶼国に対する再生エネルギー導入支援
        • 太平洋島嶼国における有志国連携イベントの開催やビジネス共創促進事業による案件組成
        • 我が国の技術とインドにおける現地企業との連携による5G(Open RAN)の導入に向けた取組
    2. 絶えず変化する国際環境への迅速・柔軟な対応
      • ロシアによるウクライナ侵略等の予見困難な事態への対応
      • カントリーリスク・地政学リスクの高まりに対応した相談窓口の設置・活用
      • JBICやJETRO、NEXI等を通じたウクライナ及び周辺国における日本企業等への支援を推進
      • JBIC法改正を通じて、国際金融機関がウクライナの復興等のために行うウクライナの民間セクター向けの貸付けをJBICによる債務保証の対象に追加
    3. ハード面とソフト面の整備を組み合わせたより質の高い協力
      • 「オファー型協力」を通じた能動的協力による戦略性強化
        • 日本の強みを活かした魅力的な協力メニューを相手国との対話・協働を通じて積極的に提案。民間企業、市民社会、国際機関等の様々な主体が連携して、ODAとその他公的資金など様々なスキームを有機的に組み合わせて相乗効果を高める
      • G20を通じた質高インフラ投資の実践促進
        • 昨年7月、G20財務大臣会議で質高インフラ投資指標集を承認。JICA案件等への指標集適用を通じた原則の推進
    4. 共創による多層的な連結性の強化
      1. 人づくり・技術移転を含めた共創による連結性の強化
        • 新たな日ASEAN連結性イニシアティブの下、連結性強化に資する人材育成を引き続き支援
        • 50年の友好協力を通じて培った信頼を原動力とした日ASEAN経済共創ビジョン策定の推進
        • 途上国の行政官及び民間人材の長期研修を受け入れる新たなイニシアティブの立ち上げ
      2. 民間企業との一層の連携強化
        • 2030年までにアジア太平洋地域に対する750億ドル以上のインフラ支援の実施
        • 途上国のスタートアップ支援のための民間資金動員型無償資金協力の創設
        • JBIC法改正を通じて、経済安全保障を確保しつつ、成長分野の民間企業の展開を後押し
        • IFAD(国際農業開発基金)への拠出等を通じた食料等の安定調達に向けた案件発掘や投融資等の支援の強化
      3. 同志国との連携強化
        • 日米、日英、日米豪印等によるOpen RAN、海底ケーブルに関する協力の推進
        • 米豪との連携によるベトナムにおけるVCFF(Vietnam Climate Finance Framework)の立ち上げ
        • グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)の推
  • 展開手法の多様化
    1. コアとなる技術の確保
      • 重要分野における技術展開の推進
        • 需要が急速に高まりつつあるデータセンター整備・運営への企業参画を後押し(インド・ウズベキスタン等)
        • 交通ソフトインフラ分野において、官民協議会(JAST)の活用等を通じ、スタートアップを含む技術と意欲ある企業の実証・調査・展開を支援
      • 我が国・相手国双方が必要とする本邦・現地人材の育成・交流
        • 日ASEAN友好協力50周年を踏まえ、日ASEAN若手起業家100人ネットワークを構築
        • 高度外国人材の確保・定着のための伴走型支援や、中小企業の海外ビジネス中核人材の育成、インフラ分野におけるグローバル人材の採用・育成支援等を通じ海外ビジネスの実現・拡大を支援JETROの外国人材活躍支援パッケージ
        • 相手国におけるO&M事業の円滑な実施に向けて、O&Mを担う質の高い現地人材の育成を支援※フィリピン鉄道訓練センター向け技術協力 等
    2. 売り切りから継続的関与へ
      • PPP事業への参画の積極的かつきめ細やかな支援
        • トランズアクション・アドバイザリー(調達支援)や法制度整備を通じ、我が国企業が強みを有する分野におけるPPPインフラ整備を最上流から伴走支援(インドネシア廃棄物発電事業等)
        • PPPプラットフォーム等の政府間枠組みを活用し、現地社会課題の解決に向けた政府間での議論を基に具体的案件を形成(バングラデシュ)
      • 現地の社会課題を解決する相手国に寄り添った支援
        • 現地社会課題対応型インフラ・システム海外展開支援事業等を通じ、老朽化インフラの補修・更新、メンテナンス等、日本企業の技術・ノウハウ展開を、相手国に寄り添った形で積極支援
        • インフラメンテナンス国民会議・海外市場展開フォーラム等のプラットフォームを通じ、インフラメンテナンス分野における企業の海外展開に資する調査・セミナー・人材育成等を実施
        • インフラ整備と我が国に強みのあるO&Mをパッケージにした具体的案件受注の推進
  • 質高インフラに向けた官民連携の推進
    • 官民一体となったプラットフォームや政府系機関の活用促進
    • JASCAを通じ、スマートシティに係る会員企業の技術・ノウハウの紹介や相手国とのマッチング機会を提供
    • 環境インフラ海外展開プラットフォームや在外公館の環境ビジネス調整担当官を通じ、環境インフラ海外展開に取り組む企業・自治体等を後押し
    • 在外公館インフラアドバイザーによる現地インフラ事業の情報収集及び企業等への情報提供の強化 ※13在外公館で実施(2022年度)
    • 相手国政府とのパイプや固有の技術・知見を有する我が国政府系機関による中堅・中小、スタートアップ企業への伴走型支援、現地政府機関等と連携した川上段階からの事業参画機会の創出、公的信用力や技術・知見を活用した事業参入の促進等企業の海外展開支援を積極的に推進

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首相官邸 観光立国推進閣僚会議 第20回配布資料
  • 新時代のインバウンド拡大アクションプラン概要(案)
    • 【観光立国推進基本計画(第4次)の目標】(1)訪日外国人旅行消費額:早期5兆円達成/(2)訪日外国人旅行者数:2025年までに3200万人(2019年水準)超え
    • これまでの「外国人観光客を呼び込む」という観点から更に視野を広げて、インバウンド需要をより大きく効果的に根付かせる方策を検討・取りまとめ
    • 以下3分野における約80の施策によって、国際的な人的交流を伴う取組の深化と掘り起しにより、インバウンドの着実な拡大を図る
  • ビジネス分野(40施策)
    • モノの流れだけでなくヒトの動きを促すことに注力し、日本を舞台とするビジネス交流の拡大を図りながら、国際的なビジネスネットワークの結節点として新たな価値の創造・発信と世界経済におけるプレゼンス向上を図る。
      1. 投資拡大の機会を捉えたビジネス交流の促進
        • ビジネス交流拡大にも資する国内投資の拡大や開発拠点の整備・海外企業経営者層等の招へい・ビジネスマッチング拡大、国内外のスタートアップ・エコシステムのネットワーク強化等
      2. 国際金融センターの我が国における拠点化
      3. 外国人に対する粒子線治療等の医療の提供
      4. ビジネスマッチング等を通じた海外企業関係者等との交流拡大
        • 世界的なVC等の招へいイベント開催
      5. 国際会議、国際見本市等の積極的な開催・誘致
        • ジャパンモビリティショーや東京クリエイティブサロン等のグローバル化促進によるビジネス交流の拡大
        • 外資系企業や日本の大手企業等、グローバルに事業展開を行う企業会議の日本開催の促進
      6. 産業資源の活用による新たなビジネス交流需要の獲得
        • 地域に眠るデザイン資源や、企業の倉庫に眠るアート等を発掘・可視化等を行い、ビジネスインバウンド客向けの延泊・地方送客のための新市場を創出
      7. 人的交流の促進
        • 国際的なリモートワーカー(デジタルノマド)呼び込みのためのビザ・在留資格などについて本年度中の制度化
        • 訪日プロモーションにおけるJNTO海外事務所と在外公館の連携強化
    • ビジネス目的での訪日外国人旅行消費額を2割増加(7,200億円(R1)⇒8,600億円(R7))
    • 国際会議の開催件数(※教育・研究分野等で行われるものを含む)・・・アジア1の開催国として不動の地位,世界5位以内(R12)
    • 展示会・見本市への外国人参加者数を2割増加(139千人(R1)⇒167千人(R7))
  • 教育・研究分野(13施策)
    • 大学等の研究力の強化、海外の研究拠点の呼び込み、国際学会の積極的な開催・誘致を図り、日本の大学や研究機関のレベルアップと国際頭脳循環の推進を図る。留学生の受入れ促進や教育の国際化により、教育分野の人的交流を促進する。
      • グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の推進
        • 海外トップ大学等とも連携した、研究機能とインキュベーション機能を兼ね備えたグローバル拠点の創設
      • 世界トップレベルの研究人材の交流促進
        • 10兆円規模の大学ファンドによる国際卓越研究大学への支援や、地域の中核大学・特定分野の強みを持つ大学の強化による、研究環境の整備
        • 世界トップレベルの研究水準を誇る国際研究拠点の形成、国際共同研究に対する戦略的・機動的な支援による、国際頭脳循環の推進
      • 留学生等の積極的な受入れ
        • 各国の学生の留学を巡る諸情報の収集・分析、リクルーティングや広報の強化、高校生の国際交流の促進、大学の国際化の推進等により、2033年までに外国人留学生受入数40万人を実現
      • 国際学会の積極的な開催・誘致
        • 国際卓越研究大学における国際学会開催数等の評価、海外のトップ研究者との国際共同研究の支援
        • 国際学会等の開催に向けた支援、関係省庁間の連携
        • 重要な学会等国際会議の主催者等への助成
    • 海外からの研究者の受入れ数を2割増加(13千人(R1)⇒16千人(R7))
    • 科学技術・自然・医療・社会分野等に係る国際会議への外国人参加者数を2割増加(155千人(R1)⇒186千人(R7))
  • 文化芸術・スポーツ・自然分野(25施策)
    • 文化芸術の国際発信強化とグローバル展開をビジネスの観点を取り入れつつ戦略的に進めるとともに、スポーツ産業の拡大に向けてビジネスの視点での施策を展開するほか、自然体験を楽しむ特色ある取組を全国各地で創出する。
      • 海外向けコンテンツビジネスの育成・発展
        • 個別の作品を超えて作家ごとの海外展開等を行う仲介者への支援や翻訳家の育成等によるコンテンツの海外展開支援
        • 官民連携によるトップアーティストの発掘、グローバルレベルでのキャリアを積む場への参加等の育成支援
        • メディア芸術分野振興の中核となる国際拠点整備
        • 先進的なデジタル技術を活用したコンテンツ創出支援等による映像コンテンツ産業の海外展開推進・デジタル化
        • 海外に開かれた文化芸術拠点となる国際的なアートフェアの誘致等の拡大
      • スポーツコンテンツビジネスの国際展開・スポーツツーリズムの推進
        • バーチャル空間等の先端技術の活用によるスポーツ環境の向上、スポーツと他産業との連携による事業創出の推進
        • プロスポーツ団体によるスポーツイベントを活用した観戦ツアー・競技体験・交流会等の特別なコンテンツの提供等
        • 海外の道場と繋ぐオンライン稽古やミニ武道体験等、武道等に着目したスポーツツーリズムを契機とした地方誘客の促進
      • ナイトタイム等におけるコンテンツの充実
        • 美術館・博物館の早朝・夜間開館をはじめとした文化資源の活用、特別な体験の提供
      • 国際会議・国際見本市等の積極的な開催・誘致
        • 世界遺産をはじめとする文化財の抜本的活用の促進
      • 少数限定の宿泊体験・体験型コンテンツの提供
        • 民間提案による国立公園利用の魅力向上に向けた複数国立公園における具体的事業構想の検討、先端モデル地域の決定
    • 世界のアート市場における我が国の売上額シェアを7位に引き上げ(ランク外(R1)⇒7位(R7))
    • スポーツ目的の訪日外国人旅行者数を2割増加(229万人(R1)⇒270万人(R7))

~NEW~
国民生活センター 【「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?(No.3)】テレビショッピングなどをみて電話で注文したら、意図せず「定期購入」に!?-「サンプル」「おまとめコース」などを勧められても要注意!-
  • 通信販売での「定期購入」に関する相談が全国の消費生活センター等に引き続き多く寄せられています。「テレビショッピングをみて、紹介されていた商品を購入するため販売業者に電話したところ、当該商品と一緒に別の商品を勧められた。別の商品は断り、当該商品だけを購入したはずなのに、後日、当該商品と一緒に、断ったはずの別の商品も届き、『定期購入』だった」、「新聞広告で商品が割引価格で販売されているのを見て、販売業者に電話したところ、『複数月試さないと効果がない。おまとめコースの方が価格が安くなる』と説明されて、複数月分がまとめて1回限り届くものだと思って注文したところ、複数月分の商品が定期的に届く『定期購入』だった」という相談が、60歳以上の高齢者でみられます。
  • 相談事例
    • 新聞折込広告の商品の注文のために電話したら、サプリメントの購入を勧められ、サンプルだけ受け取るはずが「定期購入」になっていた
      • 近くに住んでいる高齢な義母から次のような相談を受けた。どうしたらよいか。
      • 約3カ月前に、義父が、「拡大鏡」が今なら通常価格の半額で販売されているという新聞折込広告を見て、義母が注文するために販売業者に電話した。その際、販売業者から「目に良いサプリメントがあるのでサンプルを送る」と言われた。後日、拡大鏡とサプリメント1袋が届いた。一緒に届いた「明細書兼請求書」では、拡大鏡が「プレゼント」、サプリメントが「約3,000円」と記載されていておかしいと思った。その約1カ月後、販売業者から以前と同じサプリメントが届き、さすがにおかしいと思い、販売業者に電話で連絡したが、混みあってつながらなかった。さらに1カ月後、また同じサプリメントが届いた。「明細書兼請求書」を改めて確認すると、「1年定期」と記載がある。このままでは今後もサプリメントが届いてしまう。どうしたらよいか。サプリメントの「定期購入」を注文した覚えはない。(2022年3月受付 80歳代 女性 ※相談者:50歳代 女性)
    • テレビショッピングで見た商品を注文するために電話したところ、複数月分の商品の購入を勧められ、承諾したら複数月のおまとめコースの「定期購入」になっていた
      • 3カ月程前、テレビショッピングで「漢方薬」の広告を見て、販売業者に注文のため電話したところ、「3カ月は飲まないと効果があらわれない」との説明があったため、お試しのつもりで3箱を約1万4,000円で注文した。その後、3箱届き、コンビニ後払いで代金を支払った。
      • しかし、2日前、販売業者から同じ商品3箱分が再び届き、初めて定期購入であることが分かった。明細書には2回目の代金は約1万7,000円と記載されていた。すぐに販売業者に問い合わせたところ、「変更やキャンセルについては次回お届け予定日の10日前までに解約の電話を入れないと応じられない」と言われた。2箱飲んだところであまり効果が感じられず、胃に違和感も感じたため、最後の1箱は飲むのを止めていたのに、追加で3箱届いてもこれ以上は飲めないし、効き目も感じられない商品に高額な代金を支払いたくない。3回目は昨日キャンセルしたが、電話で注文した際に、「定期購入」であることは聞いてなかったので納得できない。2回目の3箱分は返品するので、代金は支払いたくない。(2022年7月受付 70歳代 男性)
  • 相談事例からみる問題点
    • 消費者がテレビ・ラジオショッピングや新聞広告で紹介されていた商品を購入するために販売業者に電話すると、別の商品や複数月分の商品の購入を勧められる。
    • 別の商品や複数月分の商品を勧められて、1回限りの購入のつもりが、意図せず「定期購入」になっていた。
    • 高齢者の相談がみられ、高齢者本人が「定期購入」に関する説明を理解できていなくても契約を結んだことになっている。
  • 消費者へのアドバイス
    1. 電話注文時に販売業者から「定期購入」を勧誘されても、理解できなければきっぱり断りましょう
      • 電話注文時に販売業者から、別の商品や複数月分の商品を勧められても、興味がなければきっぱりと断りましょう。
      • 興味を持った場合でも、すぐに注文せず、「定期購入」になっていないかなどをよく確認し、内容が十分に理解できない場合はきっぱり断りましょう。
      • いったん電話を切ってから慎重に検討することもお勧めします。
      • 「通信販売」には、クーリング・オフがありませんが、2023年6月1日に特定商取引法の改正施行令が施行され、新聞広告やテレビCM、ウェブページ等をきっかけに消費者から電話注文した際に、事前に触れられていない商品を勧誘された場合は、「電話勧誘販売」に
    2. 高齢者の家族や周りの方の見守りが重要です。意図せず「定期購入」の契約になってしまい、困っていることがないか気を配りましょう
      • 高齢者が「定期購入」をうまく解約できずに放置してしまっている場合は、家族などが解約を手助けしましょう。
    3. 電話注文時の勧誘で、不要な商品を購入したり、意図しない「定期購入」の契約を結ばないようにご注意ください
      • テレビ・ラジオショッピングや新聞広告を見て、販売業者に電話で注文する時は、「定期購入」の勧誘に注意してください。
    4. 不安に思った場合や、トラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう
      • 高齢者の消費者トラブルの場合、家族やホームヘルパー、地域包括支援センターなどの職員からでも消費生活センター等に相談することができます。
  • テレビ・ラジオショッピングや新聞広告等での電話注文時の心構え
    • ※以下は、電話注文時に販売業者から「定期購入」を勧められるケースを想定したものです。
      1. 電話注文する前
        • テレビ・ラジオショッピングや新聞広告等で紹介されていた商品の名称や価格を確認しましょう。
      2. 電話注文する時
        • 別の商品の購入を勧められることがあります。
        • 複数月分の商品の購入を勧められることがあります。
        • 「定期購入」の契約を勧められることがあります。
        • 興味がなければきっぱりと断りましょう。
        • 興味を持った場合でも、すぐに注文せず、「定期購入」になっていないかなどをよく確認し、内容が十分に理解できない場合はきっぱり断りましょう。
        • いったん電話を切ってから慎重に検討することもお勧めします。
      3. 電話注文の電話を切る時
        • 「定期購入」の契約を申し込んでいないかを確認しましょう。断ったのに「定期購入」の契約になっている場合は改めてきっぱり断りましょう。
      4. 商品が到着した時
        • 商品が到着したら、「納品書」などで「定期購入」の契約になっていないかを確認しましょう。
        • 意図せず「定期購入」の契約になっていたら、すぐに販売業者に連絡し、「定期購入」の契約は申し込んでないことを伝えましょう。

~NEW~
国民生活センター 18歳・19歳の消費者トラブルの状況-成年年齢引下げから1年-
  • 2022年4月1日の成年年齢引下げから1年が経過しました。以下では18歳・19歳の消費者トラブルの状況をまとめました。
  • 18歳または19歳の相談件数は、2017年度以降は8,000~11,000件台で推移しており、2022年度に寄せられた契約当事者が18歳または19歳の相談件数は9,907件である。
  • 商品・役務等別でみると、2021年度に比べて20歳代の相談の特徴としてみられる「美(び)」(「脱毛エステ」「医療サービス」など)と「金(かね)」(「他の内職・副業」など)に関する相談が18歳・19歳でも多く寄せられている。
  • 特に「脱毛エステ」については、特定事業者の倒産や返金遅延トラブルに関する相談もあり、大幅に件数が増加している。
  • 2022年度における相談の傾向(商品・役務等別上位10位)
    • 1位「脱毛エステ」
      • 「体験で店舗へ行ったところ、全身脱毛の説明をしつこくされて契約してしまった」「解約の電話をしているが繋がらず、メールを送っても返事がない」「契約した脱毛サロンが倒産したが、請求が続いている」などの相談が寄せられています。
    • 2位「商品一般」
      • 「身に覚えのない商品が届いた」という相談や架空請求についての相談が多く寄せられています。
    • 3位「出会い系サイト・アプリ」
      • 「SNSで知り合った異性に誘導されて出会い系サイトに登録したが、やり取りや個人情報交換のためにポイント代を次々と求められた」という相談のほか、「異性の悩みを聞いて報酬を得る仕事に興味を持ち、サイトに登録して悩みを聞き始めた。報酬を受け取るために費用がかかるとのことで課金したが、報酬が受け取れず支払いを求められ続ける」という相談もみられます。
    • 4位「他の内職・副業」
      • 主に転売ビジネスやアフィリエイト内職などの相談が寄せられています。インターネット検索やSNS広告などをきっかけとして副業サイトに登録しているケースが多く、「簡単に稼げるという広告を見て登録したところ、高額なサポートプランを勧誘された」という相談が寄せられています。
    • 5位「賃貸アパート」
      • 管理会社のサポートに不満があるという相談、退去時の原状回復トラブルについての相談が寄せられています。
    • 6位「他の健康食品」
      • 定期購入に関する相談が多く、「お試しと思ってインターネットでダイエットサプリを注文したところ、定期購入だった」「初回で解約できることを確認してダイエットサプリの定期購入を申し込んだ。1回目を受け取った後、解約の電話をするが繋がらない」という相談が寄せられています。
    • 7位「医療サービス」
      • 美容医療に関する相談が多く、クリニックで行われる脱毛についての相談がみられます。「料金が高額で、支払いが不安」という相談が寄せられています。
    • 8位「役務その他サービス」
      • 様々なサービスに関する相談が寄せられており、起業や稼ぎ方を指南するサポート契約の相談がみられます。
    • 9位「アダルト情報」
      • 「スマートフォンでサイトを見ていたら、突然、登録完了画面が表示された」という相談が多く寄せられています。
    • 10位「脱毛剤」
      • 6位の「他の健康食品」と同様に、「お試しのつもりで注文したところ定期購入だった」という相談が多く寄せられています。
  • トラブル防止のポイント
    • 安さや気軽さ、メリットを強調した広告に注意!
    • 契約をせかす勧誘や借金を促す勧誘に注意!
    • 契約はその後のことを考えて慎重に検討する!不安があれば周りに相談する!
    • 契約後、クーリング・オフや契約の取消しができる場合がある。
    • トラブルにあったら、早めに消費生活センター等に相談する。

~NEW~
国民生活センター なくならない乳幼児による加熱式たばこの誤飲に注意
  • 内容
    • 事例 保護者が洗濯している間、子どもを部屋にわずかな時間ひとりで待たせていたところ、ごみ箱に捨ててあった加熱式たばこの吸い殻をつかみ口に入れていた。すぐに口の中の吸い殻は出したが、心配になったため受診した。(当事者:10カ月)
  • ひとことアドバイス
    • 「加熱式たばこ」は、たばこ葉等を燃焼させずに電気的に加熱し、霧状化したニコチン等を吸入するたばこ製品で、吸い殻をごみ箱に捨てても火災の危険はないとされています。その一方で、たばこ葉が入ったスティック等を乳幼児が誤飲する事故が後を絶ちません。
    • 使用前後のスティック等は、乳幼児の手が届かない場所に保管し、乳幼児の見えないところに廃棄しましょう。
    • 乳幼児が誤飲した場合には、水や牛乳などを飲ませず、直ちに医療機関を受診するようにしましょう。
    • 最近では、誘熱体として金属片が内蔵されたスティックも販売されています。乳幼児がいる環境に喫煙者がいる場合は、日頃からどのような銘柄、タイプの加熱式たばこを吸っているか周囲の方も把握しておきましょう。

~NEW~
厚生労働省 第8回今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会
▼資料2 報告書(案)
  • はじめに
    • 日本は、令和4年の出生数が80万人を下回り過去最低となる見込みであるなど、少子化の深刻さが増している。加えて、2040年(令和22年)頃には団塊ジュニア世代が65歳以上となり高齢者人口がピークを迎え、高齢化比率が増していくとともに、人口減少が加速していく。このような中で、社会経済の活力を維持・向上させるためには、生産性の向上を図るとともに、多様な人材が活躍できる環境整備のため、その置かれた状況や希望に対応することが重要である。
    • その一つとして、男女ともに働き方を見直していくことが必要となっている。子育て中も含めた女性の意欲・能力を活かすことがますます必要となっている。日本の女性の年齢層別労働力率について、いわゆる「M字カーブ」は、全体が上方にシフトし、台形型に近づきつつある。一方で、日本の女性の年齢層別労働力率を就業形態別に見ると、配偶者のいる女性について、25~29歳における「正規の職員・従業員」の割合が近年上昇してきたが、25~29歳でピークとなった後に減少する「L字カーブ」が見られ、年齢が上昇していくにつれ、「パート・アルバイト」等の非正規雇用で働く者の割合が増加していく。
    • 出産・育児を機に離職をせずに就業を継続できるための環境整備はもとより、就業を継続した場合にも望むキャリアを形成していくことが可能となることが求められる。また、出産・育児により一度離職した場合にも、再び労働市場へ参加し、その能力を最大限に発揮できることも求められる。
    • そのためには、仕事と育児の両立支援制度を充実していくとともに、国際的に比較しても女性に偏りがちな育児・家事の負担を男女でシェアしていくため、男性の育児への参加を進めていくことが求められる。また、このような取組を進めることは、育児に関わる時間を増やしていきたいと考えている男性の希望にも応えることができるものである。
    • こういった、男女ともに、育児とキャリア形成への希望がかなうように働き方を見直していくことは、少子化対策にも資するものである。また、企業においても、今後の子育て世代となる若年層の希望に応える取組を充実させることは、企業の魅力向上による人材確保にもつながり、また、労働者が育児期にも活躍することでスキルの向上・キャリア形成が見込まれると考えられる。
    • また、家族の介護や看護による離職者は年間約10万人となっているが、家族の介護を理由とした離職者には、勤務先の支援体制に問題があったケースや、介護保険制度の利用方法が分からなかったケースなど、多様な事情がその背景にある。要介護者の家族にとっては、希望に応じて就業が継続でき、企業においても、豊富な技能や経験をもつ年齢層の労働力の確保に資するものであることから、引き続き仕事と介護の両立支援制度等の活用を促進していくことが重要である。
    • 以上より、育児、介護をはじめとした労働者の家庭責任や私生活における希望に対応しつつ、労働参加を進めていくことが、社会全体にとって求められる。
    • これまで、育児・介護休業法については累次の改正を行ってきたが、平成28年及び平成29年の一部改正法の施行後5年が経過し、改正法の附則に基づき施行状況について検討を加える必要がある。また、改正法の附帯決議においても、仕事と育児の両立支援制度、仕事と介護の両立支援制度について検討することとされている。さらに、次世代育成支援対策推進法が令和6年度末に期限を迎える。加えて、「全世代型社会保障構築会議報告書」(令和4年12月16日)、「こども・子育て政策の強化について(試案)」(令和5年3月31日)においても、仕事と育児の両立支援に関する提言がなされている。
    • 以上のような状況を踏まえ、本研究会では、企業や労働組合、当事者団体・支援団体のヒアリングを行いつつ、両立支援に必要な制度の見直しや環境整備の在り方について検討を行い、今般、その結果を取りまとめた。
  • 仕事と育児の両立に係る現状を踏まえた制度的な課題
    1. 男性の育児休業のさらなる取得促進
      • これまでの育児・介護休業法の累次の改正により、育児休業制度は拡充してきたが、女性労働者に育児休業の利用や育児負担が偏っており、キャリア形成上の課題が生じていることから、男性の育児休業取得促進に向けてさらに取り組むことが必要である。
    2. 子の年齢に応じた残業をしない働き方や柔軟な働き方、休暇のニーズへの対応
      • 残業をしない働き方や、出社や退社時間の調整、テレワークによる柔軟な働き方に関するニーズは男女ともに3歳以降から小学校就学前の間も見られるのに対して、所定外労働の制限(残業免除)は現在3歳になるまでに限られ、テレワークの導入については育児・介護休業法上規定されていない。
      • 子の看護休暇制度について、現行制度が小学校就学以降の子を対象としていないことや、休暇の取得事由が限定されていることなど
    3. 多様な状況にある子や親に関するニーズへの対応
      • 障害児や医療的ケア児を養育する場合のニーズなど、多様な状況にある子や親の事情に応じた両立支援の在り方について、現在の育児・介護休業法では必ずしも十分に対応できていないという指摘もある。
  • 仕事と介護の両立に係る現状を踏まえた制度的な課題
    • 介護離職を防止するための仕事と介護の両立支援制度の効果的な利用促進
      • 介護休業、介護休暇を始め、一定の両立支援の仕組みが整っている状況にあるが、それらの制度が勤務先で利用できなかったり、制度の趣旨が理解されないままかえって両立が困難となっていたりする状況をさらに改善し、介護離職を防止していくことが必要である。
      • そのためには、介護に直面し、当事者となっている労働者のみならず、今後介護に直面する労働者も、両立支援制度や介護保険制度の仕組みについて理解を深め、自らの状況に応じた両立に向けて準備しておけるようにすることや、勤務先の事業主や上司も、制度への理解を深めていく必要がある。職場での両立支援制度や介護保険制度に関する周知の在り方や、円滑に仕事と介護を両立できるような雇用環境整備の推進について検討することが必要である。
      • なお、どのような介護を望むかについては、あらかじめ家族で話し合っておくことが望ましい。そのためには、受けられる介護サービスの内容や両立支援制度の趣旨についても、様々な年代において理解されることが必要であることから、政府においては、引き続き制度の周知を行うことが望まれる。
  • 今後の両立支援制度の検討に当たっての基本的な考え方
    1. 育児中の女性を含む多様な人材が活躍し、また、働く人の希望に応えていくために両立支援制度の在り方を検討していくに当たっては、固定的な性別役割分担意識を見直し、男女がともに望むキャリア形成を実現していくことが重要である。
      • 働く側のニーズには変化が見られ、例えば、若い世代を中心として、夫婦で育児・家事を分担することが自然だという考え方が広まりつつある中で、女性のキャリア形成に対する希望、男性の育児に積極的に関わりたいという希望に応えていくことが必要である。
    2. ワーク・ライフ・バランスの実現に向けては、企業における働き方改革をより一層推進し、職場全体で長時間労働が是正されることが不可欠である。さらに、職場全体で柔軟な働き方を選ぶことや帰宅時間のコントロールができるようになることも重要である。
      • そのためには、職場の誰もが休みやすい職場の体制を構築していくことが重要である。多能工化・兼任化を進めることや、業務をチームでシェアすることなどの取組が効果的と考えられる。
      • こうした取組を進めることにより、育児・介護はじめ、病気の治療、地域活動、学び直し、副業・兼業、趣味の充実等、様々なライフイベントへの対応が可能となる。こうした状況を早期に実現することが極めて重要である。
      • 両立支援制度は、その利用者の業務や責任の範囲が限定されがちになることで、長期的なキャリア形成に影響を及ぼすという問題もあり、通常の働き方をしながら育児・介護を含む様々な事情に対応できる職場であることが重要である。
      • したがって、働き方改革をより一層推進していくことで、特別な両立支援制度のみに頼らなくても、通常の働き方を継続しながら、仕事と様々なライフイベントを両立させていくということを目指す方向に見据えて取り組んでいくことが必要である。
    3. しかしながら、育児・介護に対する責任と仕事の両立を図るためには、特に負担の大きい時期には、休業や短時間勤務など、労働参加を一時的に減らす特別な両立支援制度も、性別にかかわらず気兼ねなく使えることが重要である。
      • そして、その時期を越えたあとは、柔軟な働き方を活用できればフルタイムで働きながら仕事と育児・介護を両立できることから、そのような働き方を促進するための両立支援制度やキャリア形成支援の在り方が求められる。
    4. また、コロナ禍においては、働き方や家族のケアへの考え方に大きな影響を与えた。特に、コロナ禍で一定の広がりが見られたテレワークは、通勤時間の削減などのメリットがあり、柔軟な働き方の一つとして広く認識されるようになった。
      • 今後、働き方の選択肢として職場への定着が進めば、育児・介護が必要な状況においても、有用な働き方となると考えられ、積極的に活用を促進していくことが望ましい。
      • 加えて、仕事と育児・介護の両立としてテレワークの活用を考えるに当たっては、就業に集中できる環境の整備やテレワーク中の健康管理など、利用の際の課題にも留意することが重要である。
  • 両立支援のための政策手段の考え方
    • 今後の仕事と育児・介護の両立支援の充実のために必要な政策の在り方について検討するに当たっては、個々の目的に沿った適切な政策手段を選択していくことが必要である。
      1. まず、育児・介護休業法に規定される育児休業や介護休業などの私法上の強い権利(形成権)や、所定労働時間の短縮措置などの措置義務等については、企業の規模や業種・職種を問わず、全ての事業主に適用される最低基準として設けられている。このため、法律上の要件も厳密に決められている。
      2. 一方で、企業の労使の現場では、事業主が法を上回る措置をとることが可能であり、また、育児・介護休業法令の中でも、厳密な要件を定めずに、労働者に対する配慮を広く求めるものもある。
        • 本研究会におけるヒアリングでも、トップダウンでの経営判断や、労使間のコミュニケーションの充実により、現場にあわせた様々な労使の創意工夫を確認した。これらの両立支援制度の充実は、育児・介護の事情を抱える労働者の継続就業や、キャリア形成への配慮のみならず、全ての労働者の働き方の見直しや、企業の魅力向上による人手不足の解消など、各企業が直面する諸課題に対応することになる。ヒアリングにおいても、両立支援制度への積極的な取組や、国などから受けた認証・表彰などが採用面での効果を発揮しているという事例が紹介された。
        • これらの労使の取組を後押しする枠組みとして、次世代育成支援対策推進法による事業主行動計画の策定や「くるみん」などの認定制度がある。
        • また、企業自ら積極的な取組を進めていくという社会的な機運を醸成するため、令和3年育児・介護休業法の改正により、常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対して男性の育児休業の取得の状況の公表が義務付けられた。
      3. さらに、特に大企業と比較して経営体力が弱く、労務管理や代替要員の確保などに必要なコストに負担感のある中小企業を中心として、両立支援等助成金による事業主の費用面での支援や、労務管理の専門家による相談支援などにより、就業環境整備に取り組む事業主の支援が行われている。

~NEW~
厚生労働省 2023年度第1回雇用政策研究会資料
▼【資料4】雇用政策研究会における議論等について
  • 労働者の職業選択に資する労働市場の基盤整備
    1. 総論
      • 産業構造が変化する中、労働者が成長分野を把握しながら希望する職業を選択し、また自身のライフプランに合わせて、適切な職場を選択できることが求められる。労働者の自律的なキャリア形成を支援するため、どのような労働市場基盤整備が必要か。
    2. 自律的なキャリア形成を支える労働市場の見える化
      • これまで「人的投資」に関する情報の開示や女性活躍推進法の改正による男女の賃金の差異の情報公表などが行われてきたが、更に職業選択に資するような情報を整備するために、今後、どのような労働市場情報を整理し、活用していくべきか。
      • 自身のキャリアプランに合わせて、内部労働市場だけでなく、外部労働市場も活用し、キャリアアップをしていくためには、他の企業等へ移るときに必要なスキルや職務などが明確化され、開示されていることが求められる。スキルや職務を整理し、外部労働市場におけるキャリアラダーを構築していくためには、どのような取組が必要か。
      • 雇用情勢に関する情報については、有効求人倍率等のハローワークを通じて把握する情報などの提供が政府によって行われているところであるが、民間の職業紹介事業者と協力した更なる雇用情勢の把握と、情報提供の在り方について、どのような対応が考えられるか。
    3. キャリア形成のサポート機能の充実
      • 今後、自律的なキャリア形成を促進していくため、労働者の適切な職場選択を支援し、より充実したサポートする体制が求められる。ハローワーク、キャリア形成・学び直し支援センター、そして民間を通じた支援について、どのような対応が必要か。
      • ハローワークでは、オンラインを活用したサービスを展開しており、地域の身近な相談機関として機能強化を図ってきた。キャリアコンサルティング機能の強化も含め、今後、どのような取組が必要か。
      • 地方部においては、人手不足が深刻であり、より地域経済におけるハローワークの果たすべき役割は大きい。地方自治体との連携も含め、地域の事情に応じた、公的サービスの在り方についてどのようなことが考えられるか。
  • 労働生産性向上に資する人的資本投資等
    1. 総論
      • 日本社会全体で人的資本投資が低迷している中、企業を通じた人的資本投資をより効率的なものにしつつ、また個人主体の人的資本投資もより充実させていく必要がある。労働生産性を向上させ、賃金上昇につなげていくという労働分配の在り方を含めて、どのような人的資本投資の取組が必要か。
      • 生成AIのような新たなAIの普及により、今後、求められるスキル・タスクが変化していくことが想定される。時代の変化に合わせた人的資本投資を進めていくために、どのような取組が必要か。
    2. 企業による人的資本投資の在り方
      • 人手不足が深刻化する中、企業が事業の継続性を確保しつつ、産業構造の変化に対応した新規事業を行っていくためには、企業側と労働者側のキャリアの擦り合わせを通じた、効率的・効果的な人的資本投資を行っていく必要がある。労働市場の流動性を一定程度確保しながら、こうした企業の人的資本投資への取組を促進していくためには、どのようなインセンティブ付けを行っていく必要があるか。
      • コロナ禍を契機として、様々なサービスのオンライン化が進んでおり、今や企業が自社のサービスを展開する上で、IT人材は、オプショナルなもののではなく、必要不可欠な人材となっている。これまで日本企業においては、コスト削減のために、IT技術を活用する傾向にあったが、これからは経営・企画といった分野においてIT技術を積極的に活用し、付加価値の高いサービスを生み出していくことが必要があり、そうしたITを活用した事業を展開できる人材育成に取り組んでいく必要がある。こうした企業の取組を推進していくためには、どのような支援が必要か(例:在職型出向等を活用した、より実践的な人的資本投資の機会の充実等)。
    3. 個人による人的資本投資の促進
      • 個人の人的資本投資については、個人が明確な目的がないまま能力開発等を行うことは望ましくなく、効果的・効率的な個人の人的資本投資を推進していくためのサポート体制が求められる。キャリアコンサルタントの更なる活用や、キャリアコンサルタントの質の向上を図っていくために、どのような対応が必要となるか。
  • ウェルビーイングの向上に向けた多様なキャリア形成・働き方
    1. 総論
      • 子育て・介護といったライフイベントの際に、自身のキャリア形成を中断せざるを得ない環境もあったが、近年では制度面での整備が進むことによって一定程度の改善がみられている。一方、価値観が多様化する中、制度的な枠組みだけでは、解決出来ない課題も引き続き存在することから、社会全体の働き方の改善等を進めていくことが重要であり、そのためにどのような取組が必要か。
    2. 子育て世代・女性の働き方
      • 女性については、M字カーブの解消がみられるなど一定程度の改善がみられたものの、現在においてもL字カーブの課題などが存在している。コロナ禍では、テレワークが進展する中においても、女性の家事の負担が大きいなどの課題もみられた。女性のL字カーブの解消に当たっては、特に、子育て期における女性の継続就業が課題であることから、男性の育児休業取得など、育児への関わりを増やすための支援等が重要ではないか。
      • 企業における女性の活躍については、課長・部長等での登用は十分に進んでいない状況にあり、より多くの女性の更なる活躍に向け、職場環境や働き方の改善に向けた企業の取組を進めていくためには、どのような対応が必要か。
    3. 介護と仕事の両立
      • 高齢化が進展する中、介護保険等による制度的な支援もあるものの、現役層が介護に携わる機会も増えている中で、施設だけでなく働きながら在宅で介護サービスを利用することのニーズや重要性も高まっており、こうした現状に合わせて、仕事と介護の両立に向けた環境整備や、労働者の働き方についても改善していく必要がある。介護を機会としたキャリアの中断がおきないよう、企業内での柔軟な働き方を促進していくためには、どのような取組・支援が必要か。
    4. 労働者の希望に添った柔軟な働き方等
      • 人手不足が深刻化する中にあっては、人材確保のため、企業は労働者の希望を沿ったキャリア形成支援を行っていく必要がある。また時には、労働者のライフイベントにあわせて、ポジションや職務の変更を選択できる柔軟な人事制度の構築も必要となってくる。副業・兼業やフリーランスなども含め、柔軟な働き方を促進していくために、どのような取組・支援が求められるか。
      • テレワーク等の新たな働き方が進展する中、企業は労働者を支援しながら、メンタル面も含め、無理なく働き続ける職場づくりを行っていく必要がある。こうした企業の取組を促進していくために、どのような対応が必要か。
  • 人口減少に備えた労働供給量の確保等
    • 総論
      • 日本の人口が今後減少していく中では、希望する女性・高齢者の更なる活躍を促していくことが求められる。加えて、IT技術や機械の活用による省力化を促進し、労働生産性を高めていくことが重要であり、そのためにどのような取組が必要か。
      • また、各産業において、働き手が減少することに対応した取組が行われているところ、その取組も踏まえた議論が必要ではないか。
    • 女性・高齢者等の労働供給量の確保
      • 近年では、女性や高齢者の労働参加が進み、労働力率の上昇もみられてきた。一方、多くは非正規雇用労働者といった形での労働参加に限られており、希望する女性・高齢者の更なる労働参加を促すため、賃金も含めた処遇の改善を図っていく必要があるのではないか。
      • 加えて、柔軟な働き方や多様な働き方を更に充実させることによって、誰もが子育て・介護等と両立しながら、働ける環境作りが必要なのではないか。
      • また、女性・高齢者の労働参加のハードルを低くする観点からも、就職に向けた支援・訓練等が必要ではないか。
      • 制度的な要因で、労働参加が阻害されることがないよう、中立的な制度設計、もしくは政策的な対応が必要なのではないか。
      • 外国人労働者について、安心して長く働ける環境作りを行っていく必要があるのではないか。
  • 非正規雇用対策・セーフティネットの強化
    • 総論
      • 人的資本の蓄積を通じた非正規雇用労働者の雇用の安定や、雇用形態にかかわらず活躍出来るための方策、多様な働き方を効果的に支えるセーフティネットとしての雇用保険制度の在り方について、今後、どのような取組が必要か。
    • セーフティネットの在り方等について
      • コロナ禍では、雇用調整助成金や求職者支援制度の活用を通じて、雇用維持に向けた支援や、生活支援を受けながら、訓練を受けられる環境づくりを行った。今後、産業構造の変化に合わせて、どのような運用が求められるか。
      • 希望する非正規雇用労働者の正規化や、同一労働同一賃金の徹底をはじめとした非正規雇用対策の更なる推進に加えて、週20時間未満で働く方などの雇用のセーフティネットについて、どのような対応が必要か

~NEW~
厚生労働省 「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を6月20日から実施します~薬物乱用防止のためのキャンペーンと国連支援募金運動を全国各地で実施~
  • 6月26日は国連の「国際麻薬乱用撲滅デー」(*)です。これを踏まえ、厚生労働省、都道府県および(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、6月20日(火)から7月19日(水)までの1カ月間、「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を実施します。この運動は、国民一人一人の薬物乱用問題に関する認識を高めるため、正しい知識の普及、広報啓発を全国的に展開するもので、平成5年から毎年行っています。
  • 日本における薬物情勢は、依然として覚醒剤が薬物事犯の半数を占めているものの、大麻の検挙者数が増加しており、令和4年の大麻事犯検挙者数も過去最多を更新した昨年に続く高い水準です。特に、若年層の大麻乱用が顕著で、30歳未満が大麻検挙者の約7割を占めています。よって、増加が懸念される若年者の大麻の乱用防止に重点を置きつつ、薬物乱用が疑われる時は一人で悩まずに近隣の相談窓口で相談し適切な治療・支援につながるよう啓発していきます。
  • 厚生労働省、都道府県、(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、警察庁をはじめとする関係機関や日本民営鉄道協会などの民間団体に協力を呼びかけ、官民一体となった薬物乱用防止普及運動を積極的に展開していきます。
    • ※国連が1987年にウィーンで開催した「国際麻薬閣僚会議」の終了日である6月26日を、「国際麻薬乱用撲滅デー」とすることが決定。国連加盟各国では、麻薬撲滅に向けた様々な取り組みを行っています。
  • 「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」概要
    • 実施期間:令和5年6月20日(火)から7月19日(水)まで
    • 実施機関:
      • 主催 厚生労働省、都道府県、(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター
      • 協賛 国際連合(国連薬物犯罪事務所)、
      • 後援 警察庁、こども家庭庁、総務省、法務省、最高検察庁、外務省、財務省税関、文部科学省、経済産業省、国土交通省、海上保安庁 関係団体44団体
    • 国連支援募金:(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、国連や関係団体の協賛、関係省庁の後援により国連支援募金運動を行います。この募金運動を通じて、地球規模での薬物乱用防止に関する理解と認識を高めるとともに、寄せられた善意の募金は、開発途上国で薬物乱用防止活動に従事する民間団体(NGO)の活動資金として国連に寄付されるほか、国内の啓発事業にも役立てられます。

~NEW~
厚生労働省 6月は「外国人労働者問題啓発月間」です 「誰もが活躍できる職場づくりを進めよう ~外国人雇用はルールを守って適正に~」が今年の標語です
  • 厚生労働省は、6月1日からの1か月間を「外国人労働者問題啓発月間」とし、「誰もが活躍できる職場づくりを進めよう~外国人雇用はルールを守って適正に~」を今年の標語に、外国人労働者問題に関する積極的な周知・啓発活動を行います。
  • 外国人労働者の就労状況を見ると、派遣・請負の就労形態での雇用が多く、雇用が不安定な場合や、労働・社会保険関係法令が遵守されていない事例などが見られます。
  • この状況を受け、現在、政府は一丸となって外国人材の受入れ・共生のための取組みを推進しており、外国人の雇用について、さまざまな対策を実施しています。
  • 厚生労働省では、この月間を通して、事業主団体などの協力のもと、事業主を対象に労働条件などルールに則った外国人の雇用や外国人労働者の雇用維持・再就職援助などについて積極的な周知・啓発活動を行っていきます。

~NEW~
厚生労働省 「令和4年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)を本日閣議決定
  • 「令和4年度 ものづくり白書」のポイント(厚生労働省担当パート)
    • 第1部 第2章 就業動向と人材確保・育成
      • 第1節 ものづくり人材の雇用と就業動向
        • 製造業の就業者数は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受け減少したが、2021年は1,045万人、2022年は1,044万人と横ばい。また、若年就業者数は2012年以降、ほぼ横ばい。
        • 中小企業における産業別従業員数過不足DIをみると、製造業は2020年に新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受け過剰に転じたが、それ以降不足に転じ、2022年には全産業と同水準のマイナス19.3と新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する以前の水準近くに戻っている。
        • 製造業における高齢就業者数は、20年間で32万人増加。
        • 製造業における女性就業者数は、20年間で91万人減少。
        • 製造業における正規の職員・従業員の割合は、全産業の正規の職員・従業員の割合に比べて15.1ポイント高くなっている。
      • 第2節 ものづくり人材の能力開発の現状
        • 製造業における計画的なOJTを実施した事業所の割合は、正社員は全産業よりもやや高い水準で推移。正社員以外は、直近の2020年度から2021年度はほぼ横ばいで推移。
        • 製造業におけるOFF-JTを実施した事業所の割合は、正社員は全産業とほぼ同水準で推移。正社員以外は、直近の2020年度から2021年度にかけて上昇。
        • 製造業における自己啓発を行った労働者の割合は、正社員、正社員以外ともに、2019年度から2021年度にかけて上昇。
        • 製造業における能力開発や人材育成に関する問題点の内訳(2021年度)としては、「指導する人材が不足している」とした事業所が6割を超える。
      • 第3節 ものづくり企業におけるデジタル化に対応した人材の確保・育成
        • ものづくり企業におけるデジタル技術について、「活用している」とした企業は増加傾向。
        • デジタル技術活用企業における、デジタル技術の活用に向けたものづくり人材確保の取組としては、「自社の既存の人材に対してデジタル技術に関連した研修・教育訓練を行う」が最も多い。
        • デジタル技術活用企業は、未活用企業に比べ、人材育成・賃上げ等に力を入れている割合が高い。
        • デジタル技術未活用企業における、デジタル技術を活用しない理由は、「導入・活用に関するノウハウが不足しているため」と回答した企業が5割以上。
        • ものづくり企業におけるデジタル技術の導入・活用に向けた人材育成について、先進的な事例を紹介。
    • 第2部 第2章 ものづくり産業における労働者の確保等に係る施策
      • ものづくり産業における労働者の確保等に係る厚生労働省の施策について、企業の取組事例とともに紹介。

~NEW~
経済産業省 2023年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)
▼2023年版ものづくり白書(概要)
  • 製造業を取り巻く環境の変化
    • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、ロシアによるウクライナ侵攻など、事前の予測が困難な事象が相次いで発生し、我が国製造業も、調達先の把握や生産拠点の変更・拡充といった、サプライチェーンの強靱化が課題となっている。
    • 世界的に気運が高まる脱炭素や人権保護の実現には、企業の枠を越えたサプライチェーン全体での取組が必要である。
    • これらの実現に向けて、デジタル技術による事業者全体の取組の可視化・連携が重要である。
  • グリーントランスフォーメーション(GX)に関する各国政府の動向
    • エネルギー価格の高騰等を受け、欧米各国は、発電部門や産業部門等における巨額の脱炭素関連投資の支援や、新たな市場やルール形成に着手するなど、脱炭素に向けた取組を加速させている。
    • 我が国政府も、2022年から「GX実行会議」を立ち上げ、今後10年を見据えた取組の方針をとりまとめた。
  • 製造事業者にとってのGXの重要性の高まり
    • 欧州バッテリー規則案をはじめ、世界で脱炭素に関する市場ルールの形成が進んでいる。我が国企業においても、こうしたルールに対応していく必要があり、脱炭素への取組の重要性が高まっている。
    • また、製造事業者に対する脱炭素への要請が高まっており、サプライチェーン高度化・強靭化に向けた取組が進んでいる。
  • DXに関するドイツの取組状況
    • ドイツ政府は、「Industry4.0」の国際展開を進め、ドイツ企業が持つDXやGXによる全体最適化等の、高度な製造技術を活用した市場獲得の支援を行っている。
    • 具体的には、自動車業界の国際的なデータ連携基盤構想である「Catena-X」の始動や、フラウンホーファー研究機構等のASEAN地域への展開に取り組んでいる。
  • 製造業のビジネス環境の変化
    1. デジタル化・標準化による水平分業の進展
      • 従来、製造業では設計・開発・製造・販売等の機能を自社で垂直統合的に確保。日本はすり合わせに強み。
      • 標準化・デジタル化の進展により、製品設計のみならず、生産ライン設計や現場のオペレーションも形式知化され、これらの生産機能を外部に提供するビジネスも登場するなど、水平分業が進展。参入障壁が下がり、新規参入が加速。
    2. サプライチェーンの見える化・ダイナミック化
      • 取引関係は既存の企業間で固定的。
      • 平時においては高い生産性を発揮。
      • 一方で、顧客のニーズにスピーディに応える、あるいは災害等の有事において調達先を動的に変えていくためには、個社やグループを超えたデータ共有を通じた最適化を図っていくことが必要。
      • また、SDGsの観点からも、サプライチェーン全体でCO2排出量や人権保護等の情報を把握していくことが必要。
      • 具体例:VinFast(自動車業界)
      • ベトナム最大の企業グループであるVinは、2017年に国内初となる自動車メーカー「VinFast」を立ち上げ。
      • 自動車製造に関わる基盤技術を有していなかったが、従来の約半分の期間で実際の自動車生産にこぎつけ、2022年末には、アメリカのEV市場への参入を果たした。
      • 急速な発展の要因は、サービス事業者(Siemens)によって標準化・デジタル化された、大手自動車メーカーの工場ライン・生産技術の導入や、トップエンジニアの招へいによる品質管理の徹底などにある。
  • 海外企業のデジタル化・標準化による水平分業の進展
    • 製造に関わる全ての工程を標準化・デジタル化し、サービスとして製造事業者に販売する事業者(サービス事業者)が登場。製品の企画から販売、保守・管理まで、一気通貫のソリューションを提供し、製造業の全体最適化を支援。
    • また、こうしたサービスを通じて、顧客からデータを収集し、更なる自社サービスの改善を図るエコシステムを作り上げている。
  • 我が国におけるDXの状況と課題
    • 2022年のデジタル競争力ランキング※の総合順位は、過去最低の29位(評価対象63か国・地域中)であり、分野別では、「ビッグデータの活用と分析」、「企業の敏捷性」等※※で、最下位であった。
    • また、我が国製造事業者は、企業間の生産プロセスや流通状況、CO2の見える化に関する企業間のデータ連携について、必要性を認識している一方で、実際に着手できている企業の割合は小さい。
  • 我が国製造業の足下の状況 業績動向
    • 製造業の業況は、2022年上半期から原材料価格の高騰等の影響で悪化し、企業の景況感は低調となっている。
    • 営業利益は、2021年から回復に転じ、2022年も、営業利益が増加傾向となっている。
  • 我が国製造業の足下の状況 生産
    • 鉱工業生産指数は、諸外国で社会・経済活動の正常化の動きが進んだこと等を受け、2022年夏頃から回復基調にあったが、2022年秋頃になると、国内・海外需要の減少等を受けて低下。
    • 事業に影響を及ぼす社会情勢の変化に対する企業の認識は、昨年度と比較して、原材料価格の高騰、半導体や部素材不足に加え、エネルギー価格の高騰、為替変動等が大きくなっている。
  • 我が国製造業の足下の状況 価格転嫁
    • 原材料価格の高騰の中で、「価格転嫁(販売先に対する値上げ要請、消費者価格の値上げ)」が事業に大きく影響した企業が全体の4割を占めている。
    • 原材料高騰分の価格転嫁は、約7割の企業で進んでいるが、高騰分のうち、価格転嫁できている金額は、50~60%とする回答が最も多い。
    • 原材料価格やエネルギー価格が高騰している中、サプライチェーン全体でコスト上昇分を適切に価格転嫁できるよう、政府として、価格転嫁の促進、賃上げ対策に向けた取組を実施。
  • 企業の資金繰り・資金調達の状況
    • 資金繰り判断は、2020年第2四半期の悪化から、製造業では改善傾向にあったが、2022年第2四半期から、大企業・中小企業ともに悪化傾向にある。
    • 2022年第1四半期から短期借入金による資金調達が増加している。2022年第4四半期は、内部調達等の減少により資金調達額が減少している。
  • 生産拠点の移転動向
    • 生産拠点の移転は、特に中国・ASEAN諸国との間で多い。中国については国内への回帰が新規移転を上回った一方で、ASEAN諸国では新規移転の方が多く見られる。
    • 直近1年間での生産拠点の移転の動向については、新型コロナウイルス感染症対応に向けた国内生産体制の強化、為替変動による円安メリットの享受といった理由から、国内回帰を進める動きがみられる。
  • 経済安全保障の重要性の高まりと我が国政府の取組
    • 先進国の中では、経済安全保障の重要性が高まっている。
    • 我が国では、2022年に経済安全保障推進法が成立し、重要物資の安定的な供給の確保等に向けて、蓄電池、半導体、永久磁石、工作機械・産業用ロボット等の11物資を、「特定重要物資」として指定。国内生産基盤の強化を含め、安定供給確保に向けた取組に着手している。
  • 設備投資の動向
    • 製造業の設備投資額は、2020年前半に大きく落ち込んだ後、増加傾向が続いている。
    • 有形固定資産の設備投資の目的は、設備の更新・拡大が多い一方で、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大した2020年と比較して2022年には脱炭素関連やシステム・DX投資が伸びている。
  • IT投資の動向
    • 広義の投資における優先度において、国内有形固定資産投資、研究開発、人材育成・人的投資の優先度が高いことに加え、情報化投資は年々優先度が増している。
    • 2019年度、2020年度ともにROA(総資産営業利益率)の上位10%に属する企業群は、2020年度は2015年度比でソフトウェアをはじめとする無形固定資産投資額が約8割増加している。
  • 我が国製造業の特徴
    • 我が国製造業は、200超の品目で世界シェア60%以上を獲得し、特に部素材系の品目に強みを有する。
    • 反面、売上高の大きい最終製品の売上高・世界シェアは、米国より低い傾向にある。
  • 製造業をめぐる新しい国際的な潮流
    • 世界経済フォーラムは、2020年より世界最先端工場「Global Lighthouse」を選出しており、132のうち日本企業は2拠点。
    • 選出に当たり、経済的効率性だけでなく、デジタル技術を活用したサプライチェーン全体での最適化を通じ、生産性の向上・市場ニーズに応じた柔軟な生産の実現や、環境負荷の低減等が図られているかどうかが重要視されている。
    • DXやGXによる全体最適化の達成が、製造事業者の先進性の評価軸となる、国際的な潮流が生まれている。
  • 我が国企業の脱炭素への取組状況
    • 我が国製造業では、大企業の約9割、中小企業の約5割が脱炭素への取組に着手している。
    • このうち約3割が脱炭素への取組によるメリットを感じていないが、かかったコストを上回る利益を得るためには、脱炭素の取組をきっかけに、DXや新ビジネスを開拓するなど、事業戦略の見直しを行うことが重要。
  • サステナブルファイナンスの拡大
    • 2016年から2020年にかけて、世界の運用総額に占めるESG投資の割合は増加。
    • 我が国においても、サステナビリティ課題に資する金融の活用が拡大。例えば、JFEホールディングス(株)は、トランジション・ボンドを300億円発行し、カーボンニュートラルに向けた製鉄プロセスの転換を目指す。
  • 「SX銘柄」の創設によるサステナブル投資の促進
    • 経済産業省と(株)東京証券取引所は、気候変動や人権への対応等を通じて企業価値向上に取り組む先進的企業を「SX銘柄」として選定・表彰する制度の創設に向けて検討を行っている。
    • 世界にもアピールすることで、日本株全体への再評価と海外投資家からのマネー流入も狙う。
  • ものづくり人材の雇用と就業動向
    • 製造業の就業者数は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受け減少したが、2021年は1,045万人、2022年は1,044万人と横ばい。また、若年就業者数は2012年以降はほぼ横ばい。
    • 中小企業における産業別従業員数過不足DIをみると、製造業は2020年に新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受け過剰に転じたが、それ以降不足に転じ、2022年には全産業と同水準のマイナス19.3と新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する以前の水準近くに戻っている。
    • 製造業における高齢就業者数は、20年間で32万人増加。
    • 製造業における女性就業者数は、20年間で91万人減少。
    • 製造業における正規の職員・従業員の割合は、全産業の正規の職員・従業員の割合に比べて15.1ポイント高くなっている。
  • ものづくり人材の能力開発の現状
    • 製造業における計画的なOJTを実施した事業所の割合は、正社員は全産業よりもやや高い水準で推移。正社員以外は、直近の2020年度から2021年度はほぼ横ばいで推移。
    • 製造業におけるOFF-JTを実施した事業所の割合は、正社員は全産業とほぼ同水準で推移。正社員以外は、直近の2020年度から2021年度にかけて上昇。
    • 製造業における自己啓発を行った労働者の割合は、正社員、正社員以外ともに、2019年度から2021年度にかけて上昇。
    • 製造業における能力開発や人材育成に関する問題点の内訳(2021年度)としては、「指導する人材が不足している」とした事業所が6割を超える。
  • ものづくり企業におけるデジタル化に対応した人材の確保・育成
    • ものづくり企業におけるデジタル技術について、「活用している」とした企業は増加傾向。
    • デジタル技術活用企業における、デジタル技術の活用に向けたものづくり人材確保の取組としては、「自社の既存の人材に対してデジタル技術に関連した研修・教育訓練を行う」が最も多い。
    • デジタル技術活用企業は、未活用企業に比べ、人材育成・賃上げ等に力を入れている割合が高い。
    • デジタル技術を活用していない企業における、デジタル技術を活用しない理由は、「導入・活用に関するノウハウが不足しているため」と回答した企業が5割以上。
  • ものづくり産業における労働者の確保等に係る施策
    1. 公的職業訓練(ハロートレーニング)による人材育成
      • 国や都道府県に設置される公共職業能力開発施設のほか、民間教育訓練機関を活用して職業訓練を実施。
      • 2022年12月より、民間教育訓練機関による離職者向けの職業訓練において、デジタル分野のコース設定を促進。
      • WEBデザイン等の資格取得を目指す訓練コースや、企業実習を組み込んだデジタル技術の訓練コースの委託費等の上乗せ措置を実施。
      • デジタル分野のeラーニングコースにおいて、パソコン等の貸与に要した経費に対し委託費等を支給。
    2. 生産性向上人材育成支援センターによる中小企業の生産性向上に向けた人材育成支援
      • (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が、中小企業等の労働生産性向上に向けた人材育成の支援を目的として、全国87ヵ所に設置。
      • 民間機関等を活用し、企業別の課題に合わせたオーダーメイド型の訓練など、生産性向上支援訓練を提供。2022年度からは、「中小企業等DX人材育成支援窓口」を設け、中小企業等からの「デジタル人材育成の悩み」等の相談への対応や、DXに対応した訓練を拡充。
    3. 企業によるものづくり人材の育成に対する支援
      • 雇用する労働者に対して職業訓練を計画に沿って実施した事業主に「人材開発支援助成金」を支給し、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成。2022年度からは、「人への投資促進コース」や「事業展開等リスキリング支援コース」を創設。
    4. 各種技能競技大会等の実施
      • 各種技能競技大会(技能五輪国際大会、技能五輪全国大会、全国障害者技能競技大会(アビリンピック)、若年者ものづくり競技大会、技能グランプリ)の開催や卓越した技能者(現代の名工)の表彰を実施。
    5. 若年技能者人材育成支援等事業
      • ものづくり分野で優れた技能等を有する熟練技能者を「ものづくりマイスター」として認定し、企業等に派遣して若年技能者等に実技指導を実施(「ものづくりマイスター」制度)。
  • 教育・研究開発 DX等成長分野を中心とした人材育成
    • 数理・データサイエンス・AI教育のモデルカリキュラムや各大学等の取組を全国へ普及・展開させるためのコンソーシアム活動や、大学院教育におけるダブルメジャー等を推進。
    • 産業人材育成を担う専門高校においては、絶えず進化する最先端の職業人材育成システムを構築し、成果モデルを示すことで、全国各地で地域特性を踏まえた取組を加速。
    • DX等成長分野を中心としたリカレント教育を推進するため、大学等に対し、産業界や社会のニーズを満たすプログラムの開発・実施に向けた支援を実施。
  • 教育・研究開発 ものづくり人材を育む教育・文化芸術基盤の充実
    • 我が国の競争力を支えるものづくりの次世代を担う人材を育成するため、ものづくりへの関心・素養を高める小学校、中学校、高等学校における特色ある取組の実施や、大学における工学系教育改革、高等専門学校における人材育成など、ものづくりに関する教育の一層の充実が必要。
    • 大学における工学関係学科、高等専門学校、専門高校(工業に関する学科)、専修学校においては、我が国のものづくりを支える高度な技術者などを多数輩出している。
    • 人生100年時代に対応するため、社会人の学び直しなど生涯現役社会の実現に向けた取組が必要。社会人向けの実践的な教育プログラムの充実や学習環境の整備に取り組む。
    • 我が国の女性研究者の割合は年々増加傾向にあるものの、先進諸国と比較すると依然として低い水準。女性がものづくりや理数系分野への関心を高めることができるような取組や、女性研究者などが自らの力を最大限に発揮できるような環境整備を実施。
    • 文化財の持続可能な保存・継承体制の構築を図るための5か年計画(2022年度~2026年度)として、「文化財の匠プロジェクト」を推進。令和4年12月には、本プロジェクトについて、文化財修理に不可欠な原材料のリスト化や支援の充実、中堅・若手技術者等の意欲を高めるような表彰制度の創設、国指定文化財の長期的な修理需要予測調査の推進などについて新たに位置づける改正を実施。
  • 教育・研究開発 Society5.0実現のための研究開発
    • Society5.0の実現に向け、第6期科学技術・イノベーション基本計画に基づき、総合知やエビデンスを活用しつつ、バックキャストにより政策を立案し、イノベーションの創出により社会変革を進めていく。
    • 革新的な人工知能、ビッグデータ、IoT、マテリアル、光・量子技術、環境・エネルギーなどの未来社会の鍵となる先端的研究開発を推進。

~NEW~
経済産業省 “イノベーション循環”が新たな価値を生み、持続可能な産業を創る 研究開発・イノベーション小委員会の提言を取りまとめました
  • 産業構造審議会産業技術環境分科会研究開発・イノベーション小委員会では、日本の課題解決と持続的発展を実現するためには、新たな価値を生み、次の産業を創る「イノベーション循環」が必要であるとの視点に立って議論を行い、提言として「イノベーション循環を推進する政策の方向性」を取りまとめました。
  • 提言では、①イノベーションの担い手として「スタートアップ・ファースト!」や「人材の多様性を高める」こと、②イノベーションのプロセスとして「挑戦と失敗を増やす」ことや「市場の創造を集中支援」すること、さらには③社会課題を解決する「ミッション志向型への政策転換」やデジタルイノベーションを支える「計算基盤・汎用技術の強化」を今後の政策の重点と位置付けました。
  • 背景等
    • 地球環境問題、高齢化、地政学的リスク等の世界的課題や、デジタル化による産業構造の転換など、日本を取り巻く環境は急速に変化しています。産業構造審議会産業技術環境分科会の下に設置された「研究開発・イノベーション小委員会(委員長:梶原ゆみ子 富士通株式会社執行役員EVP CSuO)」では、こうした環境変化の中で、イノベーションによる成長と経済社会課題(ミッション)解決を促すための方策を検討してきました。
    • 本小委員会では、「イノベーション」を「単線的に成長するリニアな絵姿」ではなく、「人材や技術、資金が最も力を発揮する機会・場を求め、新陳代謝を伴いながら、事業を生み出し、市場を創造していく『イノベーション循環』」として捉え、その好循環を促すための要素や課題、あるべき経済社会の姿、政策の方向性を議論してきました。
    • 公表される資料は、本小委員会での議論、検討から得られた示唆とともに、具体的な政策の在り方を提言として取りまとめたものです。
  • 取りまとめの構成(イノベーション循環の推進に向けた政策の重点)
    • イノベーション循環をめぐる3つの論点と課題
      • 本小委員会では、イノベーション循環の実現に向けたポイントとなる論点として、以下の3点に着目しました。
        1. イノベーションの担い手
          • 世界的に見て、イノベーション創出の担い手として特に存在感を増しているのが、研究開発を社会課題解決につなぐ「ディープテック・スタートアップ」です。しかしながら、日本では、未だ成功例が少なく、人材や資金不足など様々な面でディープテック・スタートアップの成長を促すエコシステムが構築されていません。また、イノベーションの原動力となる人材については、主要国で唯一研究者が増えておらず博士人材も少ないこと、研究人材と企業・経営人材の連携が進んでいないことなどの課題があります。多様な人材が挑戦し、活躍し、円滑に移動できる環境を構築する必要もあります。
        2. イノベーション・プロセスの課題
          • イノベーションを生むためには、その段階に応じた課題解決が必要です。例えば、研究開発段階においては、スタートアップの研究開発が少なく、企業の研究開発費も固定化しているといった課題があります。事業化段階では、新技術が新たな市場を創り、競争優位を獲得していくための事業戦略、資本政策に加え、標準化・ルール形成への取組も求められます。
        3. 経済社会課題(ミッション)を実現するイノベーション
          • 急速に変化する環境の中で持続的なイノベーションを生むためには、社会・経済の変革を伴う政策転換が必要です。例えば、「炭素中立型社会の実現」というミッションについて「2050年カーボンニュートラル」という目標設定を行い、システム思考で課題解決を目指す「ミッション志向型」イノベーション政策が求められています。
    • イノベーション循環推進に向けた政策提言
      • こうした認識に基づいて、本小委員会では、6つの政策提言を行いました。経済産業省では、今後、これらの政策提言を具体化し、イノベーション循環を促す政策転換によって、日本の持続的な成長へとつなげていきます。
        1. スタートアップ・ファースト!
          • イノベーション循環の担い手であるスタートアップのエコシステムを形成するため、ディープテック・スタートアップの支援を研究開発期から事業開発・成長期にまで拡大し、成功事例を創出します。また、事業会社からのカーブアウトに向けた研究開発や事業化を後押しします。
        2. イノベーション・プロセスの課題
          • 多様な人材が力を発揮できるよう、研究者と企業とのマッチングや博士人材の支援を行います。また、研究開発から生じるアウトカム(収益)に優遇税率を適用する「イノベーションボックス制度」を検討します。
        3. 挑戦と失敗を増やす
          • 失敗を恐れず野心的な目標への挑戦を促すため、ムーンショット型研究開発事業等において「失敗」を積極評価する新たな仕組みやKPI導入などを行います。
        4. 市場創造への集中支援
          • 市場を創造するリスクテイクに官民の資源を集中投入します。具体的には、グリーンイノベーション基金で導入した規制・制度との一体支援や経営戦略との連携、標準化・ルール形成の組込などを更に推進するとともに、その他の国の研究開発プロジェクトにも横展開することで、事業化・社会実装を促進します。
        5. ミッション志向型イノベーション政策への転換
          • 「ミッション志向型イノベーション政策」として、「グリーン・トランスフォーメーション」や「資源循環」、「経済安全保障」といった経済社会課題(ミッション)実現につながるイノベーション政策を体系的に検討し、研究開発事業等の政策立案や評価見直しなどを行っていきます。
        6. 計算基盤/汎用技術の強化
          • デジタルイノベーションを支える計算基盤や汎用技術を強化します。具体的には、AI基盤の整備や量子技術の産業化推進、先端技術開発の重点化などに取り組みます。

~NEW~
経済産業省 「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を策定しました
  • 「物流の2024年問題」への対応を加速することを目的として、経済産業省、農林水産省、国土交通省の連名で、発荷主事業者・着荷主事業者・物流事業者が早急に取り組むべき事項をまとめた「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を策定しました。
  • 背景・趣旨
    • 2024年4月に、トラックドライバーの長時間労働の改善に向け、トラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間となります。他方で、物流の適正化・生産性向上について対策を講じなければ、2024年度には輸送能力が約14%不足し、さらに、このまま推移すれば2030年度には約34%不足すると推計されています(いわゆる「物流の2024年問題」)。
    • こうした中で、政府においては、本日、「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」において、「物流革新に向けた政策パッケージ」を取りまとめ、同「政策パッケージ」に基づく施策の一環として、経済産業省、農林水産省、国土交通省は、発荷主事業者・着荷主事業者・物流事業者が早急に取り組むべき事項をまとめた「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン(以下「ガイドライン」という。)」を策定いたしました。
  • ガイドラインのポイント
    • ガイドラインでは、発荷主事業者及び着荷主事業者に対して、荷待ちや荷役作業等にかかる時間を把握した上、それらの時間を2時間以内とし、これを達成した場合には1時間以内を目標に更なる時間の短縮に努めることや、物流への負担となる商慣行の是正や、運送契約の適正化について定めています。
    • 経済産業省においては、関係省庁等と連携し、ガイドラインの策定をはじめ、「物流革新に向けた政策パッケージ」の着実な実行に取り組んでまいります。
    • 事業者の皆様におかれましては、国民生活・経済を支える物流機能を維持していくため、ガイドラインに示す事項に取り組んでいただくようお願いします。

~NEW~
経済産業省 「DX銘柄2023」「DX注目企業2023」「DXプラチナ企業2023-2025」を選定しました!
  • 経済産業省は、東京証券取引所及び独立行政法人情報処理推進機構と共同で「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」を選定し、本日、「DX銘柄2023」選定企業32社(うち、DXグランプリ企業2社)、「DX注目企業」19社、さらに、「DXプラチナ企業2023-2025」3社を発表しました。これらの企業は、単に優れた情報システムの導入やデータの利活用にとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革及び経営の変革に果敢にチャレンジし続けている企業として選定され、デジタル技術を最大限に活用した活躍が期待されています。併せて、選定された企業の取組を紹介するレポートを公開しました。
  • DX銘柄について
    • DX銘柄とは、東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定することで、目標となる企業モデルを広く波及させ、経営者の意識改革を促すとともに、幅広いステークホルダーから評価を受けることで、DXの更なる促進を図るものです。DX銘柄に選定された企業は、単に優れた情報システムの導入、データの利活用をするにとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革及び経営の変革に果敢にチャレンジし続けている企業です。また、企業の競争力強化に資するDXに向けた取組を強く後押しするため、銘柄選定企業の中から“デジタル時代を先導する企業”として「DXグランプリ企業」を発表します。さらに、今年度から新たに、特に傑出した取組を制度開始当初から継続している企業を「DXプラチナ企業2023-2025」として選定します。これら企業のさらなる活躍を期待するとともに、こうした優れた取組が他の企業におけるDXの取組の参考となることを期待します。
  • DX調査回答項目(評価項目)
    • Ⅰ.ビジョン・ビジネスモデル
    • Ⅱ.戦略
    • Ⅱ-1 組織づくり・人材・企業文化に関する方策
    • Ⅱ-2 ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策
    • Ⅲ.成果と重要な成果指標
    • Ⅳ.ガバナンスシステム
  • 選定企業一覧
    1. DXグランプリ企業2023(業種順)
      • DX銘柄2023選定企業32社の内、特に優れた取組を行った企業として2社を選定しました。
    2. DX銘柄2023(業種順 証券コード順)※DXグランプリ企業を除く
      • デジタル技術を前提として、ビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「DX」に取り組む企業を、DX銘柄として30社選定しました。(※DXグランプリ企業を除く)
    3. DX注目企業2023(業種順 証券コード順)
      • 「DX銘柄」に選定されていない企業の中から、特に企業価値貢献部分において、注目されるべき取組を実施している企業について、DX注目企業として以下の19社を選定しました。
    4. DXプラチナ企業2023-2025
      • 従来のグランプリ企業、銘柄企業、注目企業に加え、特に傑出した取組を制度開始当初から継続している企業として3社を選定しました。
      • DXプラチナ企業選定要件
        • 3年連続でDX銘柄に選定されていること
        • 過去にDXグランプリに選定されていること

~NEW~
国土交通相 ビジネスジェットを利用する高付加価値旅行者の誘客促進を目指します!~観光目的の外国籍ビジネスジェットの運航許可に関する申請期限短縮について~
  • 国土交通省では、高付加価値旅行者(いわゆる富裕層)の誘客促進のため、観光目的の外国籍ビジネスジェット(プライベートジェット)の運航の許可に関する航空局への申請期限について「10日前まで」から「3日前まで」に短縮し、受入環境整備の取組を進めます。
  • 航空法施行規則(昭和27年運輸省令第56号)において、外国籍ビジネスジェットが本邦内に飛行する場合等における許可の申請期限について定めているところ、国土交通大臣がその事情を考慮してやむを得ないと認めるときは、所定の期限を超えても申請できることとされています。
  • 今般、ビジネスジェットの利用環境の改善を図り、高付加価値旅行者の誘客を促進するため、観光目的の外国籍ビジネスジェットに係る航空局への許可の申請期限について、所定の期限を超えても申請できるよう、制度の改正を行います。
  • 主な特例措置の概要
    1. 海外から日本へ旅客を有償運送するための申請
      • (現状)10日前まで→(改正後)3日前まで
    2. 指定空港(※)以外の空港において離着陸するための申請(チャーター機・自家用機いずれも必要)
      • (現状)10日前まで→(改正後)3日前まで
        • ※指定空港:外国籍の航空機の運航に際し、国土交通大臣の個別の許可を要しない空港(36空港)

~NEW~
国土交通省 全国10箇所で無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業を行います!~ドローン物流の社会実装を推進します~
  • 令和5年2月21日付けで無人航空機等を活用したラストワンマイル実証事業を公募しておりましたが、今般、実証事業を決定いたしました。ドローン物流の社会実装が促進され、地域社会においてより一層活用される将来像を目指し、実証事業を実施してまいります。
  • 本事業は、過疎地域等における課題を解決するため、レベル4飛行に対応したドローン物流やドローンの離発着前後の配送を担う自動配送ロボット等と連携した物流等を
  • 社会実装する際に必要となる事項を検証することを目的とした先導的な実証事業です。
  • 全体スケジュール:
    • 6月中 実証事業の開始
    • 1月末まで 実証事業の終了
    • 3月末まで 成果報告

~NEW~
国土交通省 「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和4年度)」の結果を公表
  • 国土交通省では、建設業の働き方改革を推進するにあたって、特に民間工事における取組を強化していくこととしており、工期設定等の実態について調査を行う「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和4年度)」を実施しました。今般、その結果をとりまとめましたので、公表いたします。
  • 主な調査結果
    • 注文者から提案された工期について、「妥当な工期の工事が多かった」と回答した建設企業が59%と最も多かったものの、「妥当な工期」における実際の現場閉所率は、「4週4閉所」や「4週6閉所」が多く、「4週8閉所以上」は19%にとどまった。
    • 最終的な工期の設定では、「注文者の意向を優先することとし、協議は依頼しないことが多い」の回答が22%を占めており、請負階層別に見ると、下請企業で特にその割合が高い傾向にあった。また、「注文者と協議を行うが、受注者の要望は受け入れられないことが多い」と回答した建設企業のうち、「4週4閉所(未満)」が56%を占めた。
    • 建設工事従事者の残業時間については、技術者の場合は13%、技能者の場合は5%の建設業者が月当たり平均残業時間45時間超となった。特に完成工事高が50億円以上の建設企業においては、技術者の平均残業時間45時間超との回答が35%を占めている。

~NEW~
国土交通省 新型コロナ感染症の影響下における生活行動調査(第三弾)~人々の活動場所が新型コロナ感染症流行前に戻ってきていることを確認~
  • 国土交通省では、新型コロナ危機を踏まえた今後のまちづくりを検討するため、前回調査(令和4年3月)に続き、市民の日常的な行動や意識がどのように変化してきているのか、全国の大都市を中心としたアンケート調査を実施しました(サンプル数約12,000)。
  • 結果概要
    • 調査の結果、買い物や外食、娯楽といった人々の活動場所の傾向は、新型コロナ流行前 の傾向に概ね戻ってきていることや、在宅勤務を実施する人は、勤務時間が短く、余暇の時間が長い傾向にあること、さらに人々の求める都市施策として、「ゆとりある屋外空間の充実」や「自転車や徒歩で回遊できる空間の充実」へのニーズが引き続き高いことが確認されました。
  • 調査結果
    1. 活動場所の傾向が新型コロナ感染症流行前と同水準に
      • 活動別の最も頻繁に訪れた場所の割合について、令和2年4月の緊急事態宣言の際に変化したものの、それ以降徐々に新型コロナ感染症流行前の傾向に戻ってきており、令和4年12月時点では、新型コロナ感染症流行前と同水準となった。また、外出に対する自粛意識が落ち着き、各活動を実施する人の割合が新型コロナ感染症流行前の割合に戻ってきている
    2. 在宅勤務の実施者は余暇の時間が長い傾向
      • ある特定の調査日において、在宅勤務のみ実施した人は、職場勤務のみ実施した人と比べて、勤務時間が短く、余暇の時間が長い。
      • 一方、通勤と在宅勤務を併用した人は、仕事の時間が長く、余暇の時間が短い。
    3. 都市に求める取り組みとして、屋外空間や回遊空間へ高いニーズ
      • 「公園、広場、テラスなどゆとりある屋外空間の充実」「自転車や徒歩で回遊できる空間の充実」への要望は、R2年度調査、R3年度調査から引き続き高い割合。

~NEW~
国土交通省 ハザードマップポータルサイトのリニューアルについて~地図上の災害リスクを文字で伝える ユニバーサルデザイン化~
  • 全国の災害リスク情報などをまとめて閲覧することができるWebサイト「ハザードマップポータルサイト」をリニューアルし、誰でも簡単に災害リスクが理解できるよう改良しました。
  • 全国の災害リスク情報や防災に役立つ情報をまとめて閲覧することができる「ハザードマップポータルサイト」のリニューアルを行い、「重ねるハザードマップ」で住所入力や現在地検索するだけで、その地点の災害リスクや災害時にとるべき行動が文字で表示される機能を追加し、本日運用開始しました。
  • これは「ハザードマップのユニバーサルデザインに関する検討会」の議論を踏まえたものであり、必要な情報がマップだけでなくテキスト情報で表示されることにより、音声読み上げソフトを使用すれば視覚障害者の方にも利用可能になるなど、命に関わる情報を誰もが容易に把握できるようになります。
  • また、トップページの構成を音声読み上げソフトに対応させるなど、Webアクセシビリティに配慮して変更しました。

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