危機管理トピックス

暗号資産:FATF 基準の実施状況(金融庁)/ G7ジェンダー平等大臣共同声明(内閣府)/通商白書(経産省)/国土交通白書(国交省)

2023.07.03
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更新日:2023年7月3日 新着29記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 金融活動作業部会(FATF)による「暗号資産:FATF基準の実施状況についての報告書」の公表について
  • 金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポートについて
  • 「顧客本位の業務運営を確保するための環境整備に関する調査」の公表について
  • 「脱炭素等に向けた金融機関等の取組みに関する検討会報告書」の公表について
  • 「インパクト投資等に関する検討会報告書」の公表について
内閣官房
  • GX実行会議(第6回)
内閣府
  • 男女共同参画局 G7栃木県・日光男女共同参画・女性活躍担当大臣会合結果(2023年6月)
  • 第406回 消費者委員会本会議
消費者庁
  • 株式会社ドミノ・ピザジャパンに対する景品表示法に基づく措置命令について
  • 通信販売業者【株式会社LIT】に対する行政処分について
  • 訪問販売業者【株式会社日本トラストホーム】に対する行政処分について
  • 「一度に体質を改善し、追加費用は不要」などとダイエット希望者を勧誘し、痩身効果をうたうお茶等を次々販売する事業者に関する注意喚起
  • 製品安全誓約(日本国)
国民生活センター
  • 危険! 海水浴でフロートが沖に流される
  • 国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(令和5年度第1回)
厚生労働省
  • 令和4年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
  • 2023年度第2回雇用政策研究会資料
  • 令和4年 労使間の交渉等に関する実態調査 結果の概況
経済産業省
  • 海外現地法人四半期調査(2023年1月から3月期)の結果を取りまとめました ~現地法人売上高1.3%減2期連続のマイナス 中国の輸送機械で28.5%減
  • 「令和5年版通商白書」を取りまとめました
  • 「防衛装備に係る事業者の下請適正取引等の推進のためのガイドライン策定に向けた有識者検討会」を開催しました
  • 社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント」及び「社外取締役向けケーススタディ集」を作成しました
総務省
  • 電気通信事業者による特殊詐欺に利用された固定電話番号等の利用停止等スキームの改定
  • 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に対する意見募集
  • AIネットワーク社会推進会議(第24回)AIガバナンス検討会(第20回)合同会議
  • サイバーセキュリティタスクフォース(第44回)
  • 富士通株式会社に対する通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保に係る措置(指導)
国土交通省
  • 「民間投資による良質な都市緑地の確保に向けた評価のあり方検討会」 中間とりまとめを公表
  • 国土交通省 「令和5年版国土交通白書」を公表します~デジタル化で変わる暮らしと社会~

~NEW~
金融庁 金融活動作業部会(FATF)による「暗号資産:FATF基準の実施状況についての報告書」の公表について
▼暗号資産:FATF基準の実施状況についての報告書 仮訳
  • 金融活動作業部会(FATF)がマネロン・テロ資金供与対策(AML/CFT)に関する国際基準を暗号資産及び暗号資産交換業者に適用拡大してから4年が経過した。暗号資産活動の重要性と規模という点で極めて重要な暗号資産市場の一部では、AML/CFT規制が導入され、又は施行途上である。しかし、改訂後のFATF基準に照らして審査された法域の75%が一部適合又は不適合に過ぎないことは、深刻な問題である。また、金融セクターの他のほとんどの業態に履行面で遅れをとっている。なおFATFは、不備も残るものの、一部の民間セクター・プレーヤーがトラベルルール遵守ツール改善に向けて連携しており、業界のコンプライアンス向上への意欲を示していることを確認している。このような背景から、本レポートは、トラベルルールを含む暗号資産及び暗号資産交換業者に関するFATF基準の実施状況に関する4回目のレビュー1と、暗号資産分野における新たなリスク及び市場の動向に関する最新情報を提供する。
  • 主な調査結果
    • FATFによる暗号資産及び暗号資産交換業者に関する基準(勧告15)の採択から4年が経過し、一部の法域は規制を導入しているものの、世界的な実施状況は相対的に芳しくなく、基準の履行は他のほとんどの金融セクターに遅れをとっている。暗号資産及び暗号資産交換業者に関する基準が採択されて以来実施された、98件のFATFの相互審査報告書及びフォローアップ報告書によれば、4分の3の法域(75%、98件中73件)が、FATF基準の要求事項に対し、一部適合又は不適合である。
    • 各法域は基本的な要件を満たすことに苦慮し続けている。2023年3月に実施した勧告15の実施に関する調査での151の回答法域(2022年の回答は98)のうち、3分の1以上(151法域中52)がリスク評価を実施していない。相互審査報告書及びフォローアップ報告書の結果によれば、73%の法域(98法域中71)が適切なリスク評価を実施していない。調査回答法域のほぼ3分の1(151法域中45)は、暗号資産交換業者セクターを規制するかどうか、またどのように規制するかをまだ決めていない。回答法域の60%(151法域中90)が暗号資産及び暗号資産交換業を許可すると決定している一方、11%(151法域中16)が暗号資産交換業者を禁止することにしたと報告している。相互審査及びフォローアップの結果によると、暗号資産交換業者を効果的に禁止することは困難であり、このアプローチをとっている法域のうち1つだけが、FATF基準の要求事項にほぼ適合していると評価されている。さらに、暗号資産交換業者を禁止するという決定が、どの程度まで徹底したリスク評価の結果であるのかも不明である。
    • 複数の法域はトラベルルールの実施を十分に進めておらず、暗号資産や暗号資産交換業者は、悪用されやすい状況に置かれている。調査回答法域の半数以上(暗号資産交換業者を禁止している国を除く135法域中73)は、トラベルルールの実施に向けた措置を講じておらず、このグループには、FATFの調査に回答しなかった54法域がさらに含まれる可能性が高いため、現実にはさらに大きくなると予想される。暗号資産/暗号資産交換業者を高リスクと評価し、禁止アプローチをとらない法域の3分の2(38法域中25)は、トラベルルールを実施する法律を未だ成立させていない。調査以降、いくつかの進展があり、状況は進展している。例えば、欧州連合(EU)は、暗号資産交換業者に対する規制の枠組みを確立し、トラベルルールを実施する3法律を可決した。これにより、トラベルルールを実施するための法律または規制を可決した法域の数は58となり、2022年以降、より大きな進展があったものであるが、世界的な基準遵守は依然として満足のいくものではない。トラベルルールを導入している法域であっても、監督や執行の水準は低く、暗号資産交換業者に対して、トラベルルール遵守に重点を置いた指摘や指導・処分を発出したり、行政対応やその他の監督措置を取ったりしているのは、わずか21%(62法域中13)である。
    • 現在、民間セクターは、暗号資産交換業者がトラベルルールを実施するための様々な技術的ツールを提供している。しかし、これらのツールは一般に、FATFのトラベルルール要件全てを完全に準拠しているわけではない。相互運用性はFATF基準の下でのトラベルルール実施の前提条件ではないが、トラベルルール遵守ツール間の相互運用性の向上については、昨年来、限定的な進展しかみられない。一部の法域や民間セクター・プレーヤーは、トラベルルール違反に対する法執行がこの分野の進展を後押しするために必要なステップになると考えている。
    • 最近の国連等の報告によれば、北朝鮮によるランサムウェア攻撃や制裁逃れを含む不正な暗号資産関連活動が大量破壊兵器拡散の資金調達にもたらす脅威について、深刻な懸念が示されている。この活動により、最近では弾道ミサイル(大陸間弾道ミサイルを含む)の前例のない数の発射が可能になった。資金調達の規模(2017年以降、DeFi(Decentralized Finance)アレンジメントから盗まれたものを含む、12億米ドル相当の盗まれた暗号資産)と拡散金融の深刻な結果の双方を鑑みるに、これは重大な脅威である。テロ資金調達の大部分は依然として法定通貨を使用して行われているものの、ISIL、アルカイダ、過激派右翼グループによる資金調達など、暗号資産は、テロ資金供与リスクの増大ももたらしている。
    • 暗号資産エコシステム全体の一部分ではあるが、分散型金融(DeFi)や個人間(peer-to-peer:P2P)取引を含むアンホステッド・ウォレットは、制裁対象者による乱用を含め、マネロン、テロ資金供与、拡散金融のリスクをもたらす。これらのリスクを低減するうえでの課題として、一部の法域は、DeFiアレンジメントにおける暗号資産交換業者の義務に責任を負う具体的な自然人又は法人の特定、P2P取引を含むアンホステッド・ウォレット取引に関連する不正金融リスクの評価、データギャップの解消などを挙げている。暗号資産エコシステムが発展し、暗号資産交換業者がAML/CFTのための統制を導入していくにつれ、DeFi及びP2P取引がもたらすリスクは増大する可能性がある。これは、暗号資産が広く受容され、法定通貨に換金することなしに支払いに使われることがより一般的になることで、より課題となる。暗号資産及び暗号資産交換業者に関するFATF基準の実施に加え、法域及び民間セクターの双方は、こうしたリスクを監視し、アプローチを共有し、こうしたリスクを軽減するための課題を特定する取り組みを強化すべきである。
  • 公共セクター及び民間セクターへの提言
    • 各国は暗号資産及び暗号資産交換業者に関するFATFの要求事項を実施するために迅速に行動することが肝要である。以下の提言は、本報告書の所見に基づき、各法域が早急に取るべき行動と、FATF及び暗号資産コンタクトグループ(VACG)の次のステップを明らかにするものである。
  • 公共セクターへの提言
    • リスク評価、軽減措置、認可・登録
      • 暗号資産及び暗号資産交換業者のリスクをまだ評価していない法域は、FATFの2021年改訂ガイダンス及び暗号資産に関するコミュニティ・ワークスペースを含む利用可能なリソースを活用してリスクを特定し、特定された規制及び監督上の課題に対処するための措置を含む、リスク軽減措置を講じるべきである。
      • 暗号資産や暗号資産交換業者を許可している法域も、暗号資産交換業者を禁止している法域も、暗号資産交換業者へのモニタリング・監督と、違法な暗号資産交換業者への制裁を含むコンプライアンス違反に対する執行を、開始又は継続すべきである。
      • 暗号資産に関連するテロ資金供与及び拡散金融の脅威の増大に鑑み、各法域は、勧告15の完全な実施を確保し、その他のリスクに応じた措置(例えば、サイバーセキュリティの強化)を採用することを含め、これらのリスクを軽減するための早急な措置をとるべきである。
      • 各法域は、DeFiアレンジメントの不正金融リスクを評価し、DeFiアレンジメントが自国のAML/CFTの枠組みにどのように適合するかを検討し、DeFiアレンジメントのリスクを軽減するために、自法域の経験、事例及び残された課題をFATFのグローバル・ネットワークと共有すべきである。
      • 各法域は、P2P取引を含むアンホステッド・ウォレットに関連するリスクを評価・モニタリングし、データ収集やリスク評価の方法論・知見、リスク軽減の実践を含む経験を共有することが奨励される。
    • トラベルルールの実施
      • トラベルルールを実施するための法律/規制をまだ導入していない法域は、早急に導入すべきである。
      • トラベルルールを導入している法域は、違反に対する効果的な監督や執行などを通じて、トラベルルールを速やかに運用すべきである。
      • 勧告16や勧告13に沿った取引相手のデューディリジェンスを促進するため、各法域は、その法域で登録又は認可されている暗号資産交換業者に関する情報を保持し、公表することが強く奨励される。
      • 法域は、全てのFATFの要求事項を満たすトラベルルール遵守ツールの採用を促進するために、暗号資産関連サービスセクターとのエンゲージメントを検討することができるだろう。これには、不足点になりうる事項を特定し、完全な遵守の重要性を印象づけるために、ツール提供者と関与することも含まれる。
  • 民間セクターへの提言
    • 暗号資産交換業者及びトラベルルール遵守ツールの提供者は以下を行うべきである。
      • トラベルルール遵守ツールがFATFの要件に完全に準拠していることを確認するため、自社のトラベルルール遵守ツールを見直し、不足点があれば速やかに対処すること。
      • ツール間の相互運用性を可能にする技術的進歩を通じて、又は、相互運用可能な一連のツールを通じて取引が行われるような関係を構築することによって、トラベルルール遵守ツールの相互運用性を世界的に向上させること。
    • 暗号資産に関連するテロ資金供与及び拡散金融の脅威が増大していることを踏まえ、民間セクター、特に暗号資産交換業者は、勧告15に沿った適切なリスクの特定及び軽減措置を確実に実施すべきであり、また、その他のリスクに応じた措置(サイバーセキュリティ対策など)を採用すべきである。
    • 民間セクターは、DeFi及びP2P取引を含むアンホステッド・ウォレットに関連するものを含め、暗号資産エコシステム全体のリスクを引き続きモニタリング・評価し、これらのリスクを軽減するための措置を講じるべきである。また、共通のリスク理解を確保するために、必要に応じて規制当局と協議すべきである。
  • 次のステップ
    • FATFにおいても、この分野の活動を継続していく。2023年2月、FATFは勧告15の実施を改善するため、2024年6月までのロードマップを採択した。FATFとその傘下の暗号資産コンタクトグループ(VACG)は、勧告15への準拠を促すため、引き続きアウトリーチを実施し、キャパシティの乏しい法域に支援を提供していく。2024年前半に、FATFは、FATF加盟国及び暗号資産関連サービスの活動が著しく重要なその他の法域が、勧告15の実施に向けたステップ(リスク評価の実施、暗号資産交換業者を規制する法律の制定、監督上の検査の実施等)を示す表を公表する予定である。加えて、FATF及びVACGは、DeFi及びP2Pを含むアンホステッド・ウォレットに関する知見、経験及び課題を引き続き共有し、FATFの更なる作業が必要となり得る進展がないか、この分野における市場動向を監視していく。

~NEW~
金融庁 金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポートについて
▼「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート(主なポイント)」
  • 事業者支援の取組みの後押し
    1. 事業者支援態勢構築プロジェクト
      • 地域の関係者が連携・協働し、事業者の実情に応じたきめ細やかな支援を推進するため、財務局が経済産業局と連携し、都道府県ごとの事業者の支援にあたっての課題と対応策を関係者間で共有する「事業者支援態勢構築プロジェクト」を推進
      • 各地域が抱える課題に応じた具体的な取組み事例が見られ、事業者支援に向けた地域の関係者間の態勢構築・連携強化が進展
      • プロジェクトを踏まえ取り組まれた具体的な事例
        • 県庁所在地以外においても商工団体と金融機関や支援機関の連携を深めるべきとの問題意識を踏まえ、県内各地域で、商工会議所の経営指導員と官民金融機関の営業店職員等を対象に、現場の取組みや地域課題についての意見交換会を開催
        • 事業承継に関する主な相談相手が顧問税理士であり、税理士を起点とした支援機関の連携強化が重要になるとの認識から、税理士会や自治体、経済産業局と連携し、事業承継・引継ぎ支援センター、官民金融機関等が、税理士に対し、事業承継支援に関する業務や態勢、具体的事例等を紹介する説明会を開催
    2. 事業者を取り巻く状況 ~企業アンケート調査(2023年2-3月実施)~
      • 実質無利子・無担保融資の借入状況と返済の意向のほか、原材料費高騰及び為替変動の影響と対応状況について確認
    3. 地域金融機関の事業者支援を後押しする取組み
      • 地域金融機関の事業者支援能力の向上を後押しするため、AI技術の活用により、担当先それぞれが抱える課題に応じた優先順位付けを行うためのAIモデルの構築に向けた調査・研究を実施し、構築した汎用モデルの配布を開始
      • 現場職員が事業者支援の適切な初動対応を行うため、業種別に基礎的な着眼点を整理した『業種別支援の着眼点』を公表
    4. 金融検査マニュアル廃止後の引当方法の見直し・開示の状況
      • 金融機関が自ら認識した信用リスクをより的確に引当に反映する事例を把握するため、地域銀行100行に対して、引当に関するアンケート調査(2022年9月期基準)を実施
      • また、2022年3月期の有価証券報告書の引当開示の内容を分析し、開示の進展や時勢の反映が見られた特徴的な事例を「銀行の引当開示の状況」として取りまとめ、2022年12月に公表
    5. 事業成長担保権の検討を通じた事業性融資の促進
      • 金融庁では、事業性に着目した融資を促進する観点から、事業成長担保権の制度化に関する検討を進め、より使いやすい制度を実現するため、金融機関との意見交換や、米国・英国の類似する制度・実務慣行に関する委託調査(2023年3月公表)を実施
      • 米国・英国における全資産担保を活用した融資実務慣行の特徴
        • 米国・英国においては、将来取得する資産も含めた全ての資産に対する担保権の設定(全資産担保)が認められ、事業から生み出されるキャッシュフローに着目した融資が行われている
        • 中小企業向け融資においても、財務コベナンツを活用し、実効的なモニタリングと事業者との緊密なコミュニケーションを実現。キャッシュフロー等が一定の水準を下回らないよう求められ、金融機関と事業者との対話の契機と位置付けられることが一般的
        • 多様な担保権実行等において、事業を一体として処分する方法が整備され、債務者の状況に応じて、事業を継続した形での対応を柔軟に行うことが可能
  • 新たな支援ニーズへの対応
    1. 地域金融機関に期待するサービスなど ~企業アンケート調査(2023年2-3月実施)~
      • 企業が地域金融機関に期待している支援と実際に提供を受けたサービス等を確認
    2. 経営人材マッチング支援の促進
    3. 地域金融機関による取引先へのデジタル化支援
      • デジタル化支援の取組状況について把握するため、金融機関及び支援を受けた取引先企業にヒアリングを実施
      • デジタル化支援とその他の経営課題に関する支援の関係性について、組織体制における位置づけに着目し、支援の特徴や課題(収益性の確保や業務フローの工夫など)を整理
  • 地域金融機関のガバナンス・人的資本
    1. 地域金融機関のガバナンス
      • 中長期的なビジョンを踏まえた意思決定の仕組みを確保するため、取締役会が知識・経験・能力を全体としてバランス良く備え、多様性と適正規模を確保するとともに、取締役会において自由闊達で建設的な議論・意見交換が行われることが重要
        1. 取締役会の構成
          • 社外取締役の候補者を銀行の研修講師に招くなどし、能力や意欲を事前に確認することで、候補者の適格性を評価する
          • 特定の出身母体から社外取締役が慣例的に選出されている
          • 社外取締役や女性取締役の割合など、形式を確保することのみが主眼となっている
        2. 取締役による議論の活性化
          • 業務執行に関する経営会議等に社外取締役がオンラインでアクセスし、いつでもコメントできるようにする
          • グループ内における複数の銀行の社外取締役間で意見交換を行う場を設ける
          • 社外取締役への事前の情報提供や説明が不足している
          • 社外取締役が発言しても、その場で表面的な受け止めが示されるのみで、その後の対応についてフィードバックを行っていない
    2. 地域金融機関の人的資本
      • 従来のビジネスモデルを前提とした人材制度を踏襲するのではなく、これからの経営戦略に即した採用・育成・配置等の人事戦略の策定・実行と、多様な行員がそれぞれの能力を最大限発揮できる職場環境の整備が重要
  • 地域活性化・課題解決の後押し
    1. Regional Banking Summit(Re:ing/SUM)
      • [テーマ]『地域とともに“金融のチカラ”で創造する未来』
      • 地域金融機関を中心に多様な関係者が幅広いテーマを議論
      • 2023年2月20日よりオンライン配信を実施
    2. 地域主導の課題解決
      • 地域課題解決支援チーム及び地域金融支援室が、地域の相談に応じて、課題解決の実現を支援
      • 環境省とは、地域経済社会の活性化に向けて協働する「持続可能な地域経済社会の活性化に向けた連携チーム」(2021年3月発足)を通じて、今事務年度も各地で連携
    3. 霞が関ダイアログ
      • 各府省庁と連携し、それぞれの施策を地域の関係者に発信し対話する取組み(今事務年度は計5回開催)

~NEW~
金融庁 「顧客本位の業務運営を確保するための環境整備に関する調査」の公表について
▼(別添)PDF顧客本位の業務運営を確保するための環境整備に関する調査
  • 証券大手5社の回答者のうち、認知ができない顧客は約4割。認知ができれば個社の評価はできる顧客が大宗を占めるが、複数社の評価にはまた壁があることが伺われた。
  • そもそも必要な情報を知らない顧客が7割で、ここの改善が急務である。
  • それぞれの壁を乗り越えられる割合は、個社は評価できる顧客で平均4割強、複数社評価できる顧客で平均8割前後。複数評価ができるようになるための壁が厚いことが見て取れる。
  • 業種別にみると、銀行の顧客の重要度や満足度のスコアが高いなどの分布の特徴はあるが、概ねどの業種でも複数社評価できる顧客は全ての項目のスコアが一定以上である。
  • ネット証券の複数社評価できる顧客は、大手証券の顧客と比較してスコアが全体的に低い。
  • 業種別にみると証券の不満率がやや高めだが、おおむね各業種複数社評価できる顧客の各評価基準に対する不満率は10%程度。ただし、同程度の満足度でも不満率に差がある項目が存在。
  • 金融事業者のホームページやオウンドメディアが最もよく利用され、次点として担当者のアドバイスやインターネット上のニュース・報道・記事が利用されている
  • 評価基準が金融サービスの特性や担当者の有無に影響を受けることや、ESG指標の評価ロジックを踏まえると、業種・業態別の情報開示が適切であると考えられる
  • “認知・評価できている”顧客は、原則に紐づく全ての評価基準を重要視している。網羅的に情報提示し、顧客自身の「顧客本位」による評価基準の取捨選択を促す。
  • 本調査で明らかになった、顧客の主体的な行動のために解決すべき「認知」の“壁”と「評価」の“壁”をクリアすることが選択メカニズムを機能させるカギとなる。
    • 金融事業者は「顧客本位の業務運営」の推進・定着に取組んでおり、関連する情報も開示を進めている。
    • その中で、顧客にとっては金融事業者の取組状況を正しく理解する「認知」の“壁”があり、金融事業者の選択に重要な評価基準を分かりやすく伝える必要がある。
    • また、「評価」に関する“壁”を越えるための、評価基準に対する顧客の評価結果の見える化と、複数の金融事業者横断で、優劣を判断するための材料を提供することが顧客の主体的な行動に繋がる。
  • 顧客と金融事業者の仲立ちをする第三者機関がハブとなり、顧客の評価が金融事業者の取組み強化を促進する、好循環を創出する。
    • 金融取引のために業種・業態・個社を比較する顧客への情報提示には、業種や個社との利害関係がない高い独立性と、評価基準・方法を運用していく高度な専門性が求められる。
    • また、一方的な評価や改善指導ではない、強制力を持たない第三者機関等が仲立ちをすることで、金融事業者としての自主的な行動が促される。
    • さらに、顧客において多面的な評価を可能にするためには、多様な評価基準・評価方法を運用する複数の第三者機関等によるメカニズムの構築が望まれる。
  • 本調査で仮説検証した、評価基準・方法について、第三者機関によるアンケート調査運用で、恒常的に金融業界の「顧客本位の業務運営」の状況を見える化する。
  • 顧客アンケート結果をもとにした「顧客本位の業務運営」の取組状況の見える化は、手法論として限界があることを踏まえた上で、周知・定着を図る必要がある。

~NEW~
金融庁 「脱炭素等に向けた金融機関等の取組みに関する検討会報告書」の公表について
▼(参考1)PDF脱炭素等に向けた金融機関等の取組みに関する検討会報告書概要
  • 脱炭素への移行に向けた世界的取組みが加速する中で、企業と対話を行い資金供給を行う金融機関の役割が高まっている。一方で、金融機関が脱炭素に向けた戦略を検討し、企業と対話を行う際の実務的課題や留意点等は国際的にも模索の途上。金融庁の検討会で昨秋より議論を行い、6月27日、検討会としての報告書を取りまとめ・公表。
  • 報告書では、脱炭素への移行には、金融機関における継続的・実効的な対話(エンゲージメント)が重要である点を指摘し、移行の戦略と進捗を理解・促進する観点から、以下を金融機関への提言(ガイド)として提示
  • 金融機関の移行のとらえ方
    • 移行は中長期に及ぶもので事業上の影響が大きく、進捗状況の理解が必要
    • 一方、画一的な指標はなく、現在一般的な「排出量×投融資量」(ファイナンスド・エミッション)のほか、様々な定量・定性的指標を併せて総合的に捉えるべき
  • GHG排出量データの整備
    • 排出量データは企業だけでなく取引先も含めて集約が必要
    • 現在は排出量データの様式やプラットフォームが統一されておらず、共通プラットフォームの整備も検討が必要
  • パスウェイと排出目標(経路)との適格性
    • 金融機関の移行戦略には、地球規模の目標から逆算した排出の期待値(パスウェイ)と、これを踏まえた金融機関・企業の排出目標(経路)が必要
    • 排出経路は企業ごとに、業種・地域・戦略等を加味して判断が重要。事業性を十分理解することが必要
  • アジア諸国向けの投融資拡大/トランジションファイナンスの促進
    • GXは全世界で取組むことが必要ながら、アジアは地理的・経済的な特殊事情も多く、資金が足りていない。日本の経験を生かす余地も存在
    • アジア向け投融資によるファイナンスド・エミッションの増減を丁寧に説明しつつ、多排出設備の置き換えや早期廃止を進めてくことが重要。カーボンクレジット創出も一案
  • リスクマネーの供給
    • GXには、融資だけでなく個人投資を含む投資資金の誘導も重要
    • 現在は選択肢が限定的であり、官民の協調によるブレンデッドファイナンス、資本性のあるESG商品、ESG投資信託、脱炭素目線からのインパクト投資等を普及していくことが重要
  • 地域の脱炭素促進
    • GXの実現には、大企業だけでなくサプライチェーンを成す地域全体での取組みも必須だが、地域企業では相対的に取組みに遅れ
    • 啓発セミナー、支援策の紹介、地域金融機関の人材育成の支援等が必要
  • 本報告書は、金融機関による企業への働きかけを中心としているものの、こうした支援には、政府等による後押しや連携、情報発信等が不可欠。そのため、金融機関への提言だけでなく、関連地方支分部局も含めた政府等への提言を併せて提示
  • CO2排出量のデータ整備に関する取組み
    • サプライチェーン・ファイナンスも活用した金融機関による「見える化」の促進
    • データの標準化、共通化やプラットフォームの構築、様式の統一
    • グローバルな連携、企業データの充実
  • トランジションファイナンスの推進・環境整備
    • 分野別技術ロードマップの充実(国際的な認知向上、排出量の試算等)
    • アジアにおける脱炭素の取組みの拡大
      • 金融機関や事業会社等が情報・課題を共有する場の設置
      • 多排出設備の除却に伴うカーボンクレジットの発行にかかる検討
    • グローバル化を踏まえたカーボンバジェットの状況把握・管理
  • リスクマネーの供給に向けた取組み
    • リスクマネー供給に向けた金融商品の多様化
      • グリーンやトランジションに資する優先株や劣後債の発行促進
      • ESG投信の普及に向けた検討
    • 脱炭素目線からのインパクト投資の推進
    • ブレンデッドファイナンスの推進
  • 地域の中小・中堅企業における脱炭素の促進(第7章)
    • 財務局等におけるセミナーの開催(中小・中堅企業への浸透や地域金融機関同士の連携)
    • 地域金融機関を通じた支援策の普及
      • カーボンニュートラルに関する施策集の作成
      • 地域金融機関への説明会の開催等も通じた情報提供の充実

~NEW~
金融庁 「インパクト投資等に関する検討会報告書」の公表について
▼(参考1)PDFインパクト投資等に関する検討会報告書概要
  • 脱炭素や少子高齢化等の社会・環境課題の重要性が高まる中で、課題解決に資する技術開発や事業革新に取り組む企業の支援は喫緊の課題となっている。インパクト投資は「社会・環境的効果」(インパクト)と投資収益の双方を企図する投資として、国際的にも推進の重要性が指摘されている。
  • 金融庁が2022年10月に設置した「インパクト投資等に関する検討会」では、「インパクト投資」の基本的意義等について議論を進め、投資の要件、推進のための施策等と併せて取りまとめ、6月に報告書として公表。
  • 一般的なESG投資
    • 企業のESGの取組みを総合的に評価し投資比率等を決定、又は特定業種等を投資先から除外
  • インパクト投資
    • 投資により実現を図る具体的効果を特定・コミットし、これを実現する技術革新等を進める企業に投資
    • 効果実現の意図
    • 投資で効果と収益を実現
    • 効果の測定・管理
    • 社会性と収益性と両立するイノベーション
  • 「インパクト投資」の推進により、新たな発想・創意工夫で、社会・環境課題への対応を通じ成長・事業創造を図るスタートアップを含む企業等への事業支援を促す。
  • 日本が中心となってインパクト投資を推進するよう、インパクト投資の基本的指針を策定する。また、投資家や企業等が参加し、事業評価に関するデータ整備や人材育成等を促進するための対話の場(コンソーシアム)を立ち上げる。加えて、日本政策投資銀行や自治体の推進策と協働し、投資実績の蓄積を図る。
  • 投資等の基盤(インフラ)整備として、金融庁において、インパクト投資の「基本的指針」を策定(10月まで意見募集)。さらに、官民の多様な関係者が集う「コンソーシアム」を設置。コンソーシアムを軸として、以下の施策について、更に検討していくことが考えられる。
    1. データ・指標・事例の整備
      • 社会・環境課題や、インパクト測定のためのデータ・指標(KPI)、投資事例等について集約・共有
    2. 事業評価の人材、ノウハウの形成
      • 事業評価の人材育成・ノウハウ形成を図るほか、事業に応じた多様な金融手法の在り方について、議論・検討
    3. 投資の実案件形成
      • 投資家とスタートアップ企業等のマッチング
      • 日本政策投資銀行や自治体と連携した実績の蓄積
    4. 地域における創業企業等の支援
      • 各地域の投資法人、経済・金融団体、大学、自治体や地域活性化に取り組む団体等と連携し、関係者間の対話や課題収集を進める
      • 知財・無形資産を含む事業全体に対する担保制度の早期創設、売上高に応じて返済するなど出資と融資の中間的な金融手法の活用等
    5. 国際的な整合性・連携
      • 国際的な事業評価に係るデータベースとの整合性確保・接続、投資実績の蓄積等により、海外資金の呼び込み
  • 「社会・環境的効果」(インパクト)と「収益性」の双方の実現を図る「インパクト投資」の基本的な考え方等を「基本的指針案」として取りまとめ。最終化に向けて、市中協議を実施し、国内外の市場関係者に能動的に発信・対話を行う
    • 目的:インパクト投資の基本的な考え方とプロセス等について共通理解を醸成
    • 対象:投資対象(業種、規模、上場・非上場、営業地域等)・投資主体(金融機関、投資家等)・アセットクラス(エクイティ、デット等)の別に関わらず対象
    • 位置付け:黎明期・成長期である市場特性を踏まえて、幅広い創意工夫を促すよう、原則的・一般的な記載
    • インパクト投資に必要な要件:
      • 意図
        • 投資が実現する効果と収益性双方を明確化し、戦略を策定
        • 投資の負の効果も特定し軽減を図る
      • 追加性
        • 投資が行われない場合と比べて、「効果」と「収益性」を創出・実現
        • 資金面・非資金面での支援の実施
      • 特定・測定・管理
        • 客観性のある指標等を通じ、「効果」や「収益性」を定量・定性的に測定・管理
        • 投資先との継続的な対話を通じ効果の実現を促進
      • 新規性等の支援
        • 市場や顧客に変化をもたらし又は加速し得る新規性・優位性を見出し支援
        • 新規性・潜在性を引き出す対話を通じ、市場の開拓・創出・支持の実現につなげる

~NEW~
内閣官房 GX実行会議(第6回)
▼資料1 我が国のグリーン・トランスフォーメーション実現に向けて(西村GX実行推進担当大臣兼経済産業大臣提出資料)
  • 世界各国でのGX投資に向けた政策競争が激化。中長期にわたる政府支援へのコミット、初期投資だけでない生産量に比例した形での投資促進策、サプライチェーン上の各段階に対するきめ細やかな支援による国内投資の促進、排出量取引制度等の規制・制度的措置の有効活用など、様々な工夫が講じられた投資促進策が存在。
  • 気候変動対策やエネルギー安全保障に対して、10年間で総額50兆円程度の支援策を決定。サプライチェーンの各段階への支援策や、生産量に応じた税額控除など、世界的に見ても特徴的な支援措置を講じるなど、日本だけでなく、EU企業の投資判断に大きな影響を及ぼし始めている。
  • 米国のインフレ削減法では、設備投資時における当該投資額に対する減税(税額控除)との選択制という形で、投資後の生産量に応じた税額控除も措置(設備投資額を上回る税メリットを得られる可能性)。さらに、税額控除額の20年繰越・売却による現金化も認められ、将来の税務上の損益見通しが難しい法人にも投資インセンティブを付与。
  • EUの「グリーン・ディール産業計画」(2023年2月)
    • 予測可能で簡素な規制環境
      • 簡素で迅速な許認可制度を導入し、関連技術の基準策定を進めるため、ネット・ゼロ産業法(NetZero Industry Act)を提案。
      • 重要技術の活用に必要な原材料へのアクセスを確保するため、供給源の多様化等を図る重要原材料法(Critical Raw Materials Act)を提案。
      • 安価な再エネを消費者に提供するため、電力市場の改革を提案。
    • 資金へのアクセスの迅速化
      • 各加盟国の資金:各国におけるグリーン関連の政府補助制度導入に関するEUの規制を緩和し、政府補助の拡大を可能とするため、関連枠組み・規則を改正する。
      • EUの資金:短期的にはREPowerEU, Invest EU, Innovation Fundといった既存の基金の利用を促進。中期的対策としては欧州主権基金の設置を提案(2023年夏までに発表)。
    • 能力開発
      • 就労者のグリーン移行に関連する能力向上を支援するため、ネットゼロ産業アカデミーを設立し、重点産業(原材料、水素、太陽光等)における能力開発・向上プログラムを展開する。
      • 能力開発に対する官・民の投資を促進・連携させるための策を講じる。なお、既存の各種EU基金も能力開発のために活用可能。
    • 開かれた貿易
      • グリーン移行に関連する貿易を効果的に進めるべく、他国との間で自由貿易協定(FTA)等の協力関係構築を更に進める。
      • 重要原材料の消費国と産出国が協働してグローバルな製品供給を確保できるよう、重要原材料クラブの立ち上げを検討するほか、ネット・ゼロ技術の世界的な利用促進のためクリーン技術・ネットゼロ産業パートナーシップについても検討する。
  • 2023年3月、欧州委員会は、「グリーン・ディール産業計画」に基づき、EU域内のネット・ゼロ産業の製造容量に関する目標設定、導入に向けた規制整備や許認可の迅速化等を定めた「ネット・ゼロ産業法案」と、グリーン・デジタル分野等の重要原材料に関する支援、サプライチェーンのモニタリング、リサイクル義務等を定めた「重要原材料法案」を公表。なお、「ネット・ゼロ産業法案」の冒頭では、提出理由の一つとして日本のGX経済移行債が挙げられている。
  • 韓国は、投資・研究開発税制において、新成長・源泉技術、国家戦略技術に高い控除率を設定し、メリハリをつけた支援を実施。企業規模や投資対象の技術毎に異なる控除率を設定し、効果的に投資を促進。本年5月の政府発表によれば、「国家戦略技術」として水素関連技術やEV関連システム等を追加。
  • カナダ2023年予算案(気候変動対策・エネルギー関連)(2023年3月議会提出)
    • エネルギー分野における大きな柱は以下の3分野に対する投資減税。
      • 水素製造装置
      • 蓄電池を含むクリーン電力生産設備
      • 重要鉱物の抽出・処理・リサイクルに係る設備
    • 米国同様、税制措置の期間はいずれも10年と長期間にわたり、予見性を提供する設計。
    • 実勢賃金要件、及び、見習い雇用者要件を満たせば+10%の税額控除を提供。
  • 「GX実現に向けた基本方針」及び関連2法の成立によって、「成長志向型カーボンプライシング構想」等を具体化。「GX推進法」に基づき、「GX推進戦略」を定めることが必要であり、速やかに定め、政策を実行していくことが必要。具体的には、昨年末に「GX実行会議」において取りまとめられ、パブリックコメントも踏まえて修正を行った上で閣議決定した「GX実現に向けた基本方針」を、必要な時点修正を行った上で、7月中を目途に「GX推進戦略」として位置づけ、速やかに実行段階に移ることでよいか。(なお、法律上「GX推進戦略」で定めることとされている事項は、既に同「基本方針」に盛り込まれている。)また、同「基本方針」に明記された通り、GXの分野は今後大きな変化が想定されることから、官民でのGX投資の進捗状況、グローバルな動向や経済への影響、技術開発の動向なども踏まえて進捗評価を定期的に実施し、それを踏まえて必要な見直しを効果的に行っていく。(こうした進捗評価と見直しは、GX推進法に基づき2年以内に法制上の措置を講じる際にも行う。)
  • 20兆円規模の投資促進策については、「GX実現に向けた基本方針」において、以下の要件が定められており、これを踏まえて、施策を実行していく。加えて、投資支援策の内容は、GX経済移行債のフレームワークに基づく国際認証・レポーティングが必要になることや、分野・財ごとの分析に基づく「勝ち筋」を具体化することも踏まえて、検討していくことが重要。
    • 資金調達手法を含め、企業が経営革新にコミットすることを大前提として、技術の革新性や事業の性質等により、民間企業のみでは投資判断が真に困難な事業を対象とすること
    • 産業競争力強化・経済成長及び排出削減のいずれの実現にも貢献するものであり、その市場規模・削減規模の大きさや、GX達成に不可欠な国内供給の必要性等を総合的に勘案して優先順位を付け、当該優先順位の高いものから支援すること
    • 企業投資・需要側の行動を変えていく仕組みにつながる規制・制度面の措置と一体的に講ずること
    • 国内の人的・物的投資拡大につながるもの※を対象とし、海外に閉じる設備投資など国内排出削減に効かない事業や、クレジットなど目標達成にしか効果が無い事業は、支援対象外とすること
  • 150兆円超のGX投資実現のためには、民間企業の予見可能性を高めることが鍵。このため、主要分野におけるGX実現に向けた「道行き」について、必要に応じて見直しを行った上で、規制・制度と一体的に支援策を講じていくこととし、次年度の予算要求なども実施。併せて、分野横断的なGXの推進に向けた検討も必要。
  • 岸田政権の「成長志向型カーボンプライシング構想」の実現・実行に呼応する形で、民間企業の国内GX投資が始動・拡大。蓄電池分野では、蓄電池産業戦略で定めた、2030年に150GWh/年の製造能力確立の目標に向けて、約8,600億円の民間投資が開始。GX経済移行債約3,300億円により、約2.2兆円の経済効果が見込まれる。今後、(1)GX経済移行債を活用した更なる投資、(2)上流資源を有するカナダ・豪州・米国等とのサプライチェーン構築・強化、(3)人材育成拠点の創設(関西における産官学連携)などの施策を実現・実行。
  • 鉄鋼分野では、生産プロセスの脱炭素化(エコプロセス)による自身の排出量の削減と、ユーザの排出量削減に貢献する省エネ製品(エコプロダクト)による成長市場の獲得の双方を追求。生産プロセス転換として、鍵となる水素還元製鉄技術の早期実用化に向けた開発投資と、足元のトランジションに向けた電炉転換投資を並行させる必要。世界的に双方の取組が加速化。G7での合意を受け、我が国主導でのグリーン鉄市場とそのバリューチェーンの形成に向けた取組が始動。今後、ルール形成に加え、最終製品の販売・購入等を通じた消費者の行動変容が鍵。
  • 国内カーボンプライシング導入とGX移行債等の法整備を受け、政府支援を前提に、鉄鋼各社は、電炉転換などの国内投資の検討を本格化していくことを表明。その投資規模は、今後10年だけでも3兆円以上、さらに、2050年までには10兆円以上となる見込み。これを実現するプロセス転換に伴うコスト増は、最終的には、顧客から環境価値の対価として回収することになるため、グリーン鉄市場とそのバリューチェーンが形成されるよう、官民一体となって国際的な市場ルール整備に取り組む。
  • 住宅分野では、2030年度以降の新築住宅でのZEH水準の省エネ性能確保やストック性能向上のため、省エネ性能の高い住宅の新築や省エネ改修に対する支援等の強化が進む。高断熱窓への改修費用を補助する先進的窓リノベ事業により、内窓の受注は昨年同時期に比べて5倍程度まで拡大。日本の窓の性能は諸外国に比べて劣っていたが、住宅ストックの性能向上に向けた需給両面の行動変容を加速。
  • 水素の世界市場は拡大する中、欧米を中心として、クリーン水素製造や水素ハブ等に巨額の投資。技術や市場の成熟度に鑑みると、アジアの中核は日本であり、ここから世界の水素市場獲得を狙う。
  • 我が国の水素社会実現に向けては、目下各国で進行中の水素・アンモニアサプライチェーンの構築に留まらず、燃料電池や部素材、輸送技術等の日本が強みとする技術を活かした産業の世界展開を図る、「水素産業戦略」により、日本の水素産業競争力を強化。
  • 再生可能エネルギーの最大限の導入に向け、今後10年間で国産次世代型太陽光の量産体制の構築や浮体式も含めた大規模洋上風力の案件形成など、次世代再生可能エネルギー技術の社会実装を目指す。
  • 軽量で柔軟性を有しており、建築物の壁面など、地域の理解が得られやすい場所に、設置が可能であり、シリコンを使用せず、主な原料であるヨウ素の生産量は日本が世界シェア30%(第2位)を占めている。技術開発企業では、技術開発が進み、社会実装に向け、ユーザーと連携した実証の取組を加速化している状況。量産技術の確立、生産体制整備、需要の創出を三位一体で進め、2030年を待たずにGW級の量産体制を構築し、早期の社会実装を目指す
  • GX経済移行債(今年度分の発行限度額として約1.6兆円を予算に計上)については、統合発行に限らず、国際基準に準拠し、国際認証を取得した上で今年度から発行すべく、関係府省連絡会議を中心に、検討を加速。GX経済移行債の発行により、脱炭素と経済成長・産業競争力強化の同時実現に資する民間投資を強力に後押しし、今後10年で150兆円を超えるGX投資を実現していく。さらに、トランジション・ファイナンスへの注目が集まる中、我が国が、世界で前例のない、国によるトランジション・ボンド(GX経済移行債)を発行し、国内外の民間によるトランジション・ファイナンスを一層拡大していくことが期待される。
  • GXの実現に向けては、電化+電源の非化石化が重要。加えて、我が国のCO2排出の約3割を占める素材産業は、エネルギー使用量に占める熱利用向けの比率(熱需要比率)が高い水準にあり、世界規模で見てもこうした産業部門の排出削減が重要であることから、熱需要等の脱炭素化も極めて重要。他方、そのためには新技術が必要であり、実際の削減に至るまでに長い期間と膨大なコストを要するため、優先的に取り組むことが重要。従って、再エネ・電化など現に排出ゼロ・低排出な取組を対象とした「グリーンファイナンス」だけでなく、製鉄業における水素還元製鉄技術をはじめ、現在は多排出だが新技術開発等により段階的な排出削減を進める取組も対象とする「トランジション・ファイナンス」が重要。
  • 海外でも、トランジション・ファイナンスに対する注目が集まり、G7広島サミットでは、G7として初めて、トランジション・ファイナンスの重要性について確認された。また、例えばブラックロック(資産運用会社)会長兼CEOラリー・フィンク氏は、投資家に向けた年次書簡において、トランジション・ファイナンスの重要性を強調。国・産業によって脱炭素に向けた移行速度は異なるとした上で、着実な移行に向けたトランジション・ファイナンスは最も魅力的な投資機会の一つと指摘。
  • GX投資は完工リスク・操業リスク、需要変動リスク等、様々なリスクを伴う。特に、資金量が膨大かつ収益化まで長期間かかる案件は、民間だけではファイナンスに限界。欧米では、公的機関が債務保証、出資、ハンズオン支援等を強化。我が国でも、例えば、民間金融からのデット・エクイティ調達促進に向け、GX推進機構による債務保証、出資等を検討・実施していく。これまでリスクマネー供給の役割を果たしてきた政府出資(産業投資を活用した官民ファンド)は、補助金などの支援策(政府へのリターンが見込まれない)を代替し得るもの。産業投資を財源とした政府出資は収支相償が前提であり、収益化までの時間がかかるGX分野においては、活用余地に限界あり。⇒GX経済移行債を財源とした新たな出資・メザニンファイナンス等も検討
  • 150兆円超のGX投資実現、さらには世界の気候変動対策への貢献に向けては、世界のCO2排出量の過半を占めるアジアをはじめとする国際展開戦略が大変重要。アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)、G7での合意を踏まえた削減貢献量等のグローバルなルール形成などを通じて、国内外の民間資金投入も加速させていくべきではないか。
  • 排出削減と経済成長を共に実現していくためには、GX分野における革新技術や関連事業の国際展開が大変重要。特に、世界全体の排出量の半分以上を占め、今後高い経済成長が見込まれるアジアへの展開が鍵。(2050年までに経済規模は今の約3倍)「アジア・ゼロエミッション共同体」(AZEC)構想を実現していくことにより、世界の脱炭素化にも貢献していく。
  • 「公正な移行(Just Transition)」は、持続可能な形で気候変動に対応するという概念。G7広島サミット成果文書では、GX等の構造変化に対応しつつ公正な移行を確保するための人への投資の重要性が強調された。我が国としては、令和4年10月に閣議決定された総合経済対策等も踏まえ、「人への投資」の支援を5年で1兆円のパッケージへと抜本強化している。また、GX推進法においてGXの実現に際する基本理念の一つとして「公正な移行」を掲げており、移行先となる成長産業や良質な雇用機会の実現に向けてGXを推進するとともに、公正な移行を後押ししていく。具体的には、在職者のキャリアアップのための転職支援、企業による社員のリスキリング支援等を通じて、新たなスキルの獲得とグリーン分野を含む成長分野への円滑な労働移動を同時に進める。
  • 我が国産業競争力の強みの一つはサプライチェーンにある。競争力を維持・強化する中でカーボンニュートラルを実現するため、大企業のみならず中堅・中小企業も含めたサプライチェーン全体でのGXの取組が不可欠。このため、以下の施策を中心とし、中堅・中小企業を取り残すことなく、社会全体のGXに向けた取組を推進する。
    • 事業再構築補助金のグリーン成長枠、ものづくり補助金のグリーン枠を創設。さらに、補助上限額引上げや要件緩和等を実施するとともに、省エネ補助金では複数年の投資計画に対応。加えて、事業再構築補助金も活用し、自動車の電動化進展に伴い需要が減少する自動車部品サプライヤーの「攻めの業態転換・事業再構築」を後押しする、「ミカタ」プロジェクトを実施。
    • また、排出量等の見える化(測る)支援、省エネ診断の拡充、プッシュ型支援に向けた中小企業支援機関のGX関連人材の育成、GX関連施策の情報発信強化等も推進。
    • 脱炭素化の取組も含む下請中小企業振興法の「振興基準」の周知徹底、「パートナーシップ構築宣言」の更なる拡大等により、中小企業を含むサプライチェーン全体での取組を促進。
  • GX関連分野における日本の技術ポテンシャルは大きい一方で、約4割の企業が社内に多くの技術を死蔵し、技術の有効活用ができていないとの評価あり。世界では、GX分野のスタートアップによる新たな価値の創出が進んでおり、GX実現の鍵の一つはスタートアップ。他方、「Global Cleantech 100」に選ばれる日系スタートアップが未だ輩出されていないなど、国内における同分野のスタートアップは数・規模ともに強化していく必要。

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内閣府 男女共同参画局 G7栃木県・日光男女共同参画・女性活躍担当大臣会合結果(2023年6月)
▼G7ジェンダー平等大臣共同声明(日光声明)
  • ジェンダー平等は、人権の基本であり、平和で豊かで持続可能な世界のために必要な基盤である。あらゆる多様性を持つ女性と女児の安全と社会のあらゆる分野における完全、平等かつ意義ある参加、全ての人権の完全かつ平等な享受を達成することは、社会の活力と結束、民主的安定に寄与する。
  • G7は、ジェンダー平等を実現し、あらゆる多様性を持つ女性と女児、そしてLGBTQIA+の人々の社会のあらゆる分野における完全、平等かつ意義ある参加を確保することに努めてきた。また、G7は、多様性、人権及び尊厳が、尊重、推進そして保護され、全ての人が、ジェンダー、性別、年齢、民族、障害、性的指向、ジェンダーアイデンティティ、性表現などの交差する特性に関わらず、あらゆる形態の暴力や差別から解放された活力ある生活を享受できる社会の実現を目指してきた。
  • しかし、2023年現在、完全なジェンダー平等を実現した国はない。さらに、戦争や紛争、気候変動や生物多様性の喪失、民主主義制度の弱体化、グローバルな不平等の拡大、新型コロナウイルス感染症の長期的な健康・経済・社会面での影響など、近年の複合的な危機により、ジェンダー平等社会の実現に向けた課題はより一層困難さを増している。
  • 女性と女児の権利と生活は、世界中で脅威にさらされている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックなどの危機は、あらゆる多様性を持つ女性と女児に不均衡な悪影響を及ぼした。
  • ウクライナでは、現在も続いているロシアの違法な侵略戦争により、紛争に関連した性的・ジェンダーに基づく暴力が急増した。イランでは、女性と女児に対する人権侵害が増加している。アフガニスタンでは、タリバーンが女性と女児を公的生活から排除している。スーダンでは、医療施設の破壊や紛争に関連した性的暴力の増加が報告されており、女性と女児に長く続く影響を与えることになるだろう。LGBTQIA+の人々の権利と安全は、多くの国々で脅威にさらされている。さらに、テクノロジーによって促進されるジェンダーに基づく暴力は、多くの女性と女児、そしてLGBTQIA+の人々の安全と幸福を脅かし続けている。世界中で、ジェンダー平等と全ての女性と女児のエンパワーメントに対するバックラッシュの潮流が高まっている
  • パンデミックの経験から、役員や管理職のジェンダーバランスを含め、多様な人材が働く組織は危機に対してより強靱であること、そして、職場の多様性が企業の成長にとって重要な要素であることが明らかになった。同様に、我々は、若い女性や障害を持つ女性など、多様な背景を持つ人々の視点を、政策立案プロセスや公的生活に取り入れることの重要性を認識する。対応策は、最も影響を受ける人々に対して交差的なアプローチを採用すると、最も効果的なものとなる。我々は、あらゆる多様性を持つ女性と女児の多様なニーズに対応した重点的な施策を発展させるためにジェンダー別のデータ収集を強化していく。
  • 役員及び管理職における女性の代表性は、拡大されるとともに、支援される必要がある。女性のリーダーシップのパイプラインを確立し改善するとともに、企業に女性の参加とリーダーシップの向上を奨励する措置を講じるべきである。柔軟な働き方や、パートタイムで役員や管理職として働く選択肢を促進することで、これらの役職に占める女性の割合を増やすことに貢献できる。給与の公平性と透明性に関する政策は、同一労働同一賃金または同一価値労働同一賃金を支援するための有効な解決策となり得る。
  • 部門・職業分離については、女性が多く、かつ過小評価されている職業を正当に評価し公正に処遇することに加え、成長分野や伝統的に報酬の高い分野への女性の労働移動を促進することが重要である。女性の労働移動を促進するためには、教育や、アップスキリングやリスキリングを含むスキル習得の機会へのアクセスを改善する必要がある。社会経済が急速に変化しているため、女性が特定の産業でキャリアアップしたり、デジタル分野や気候分野などの成長分野に参入したりすることができるよう、スキルや能力を開発・向上させる機会を増やす必要がある。ジェンダーに関わらず、誰もが平等にデジタルの発展の恩恵を受けることができるよう、デジタル・ジェンダー格差を是正するための努力が必要であることに留意する必要がある。我々は、デジタル政策や新たな技術を設計・開発・導入するプロセスにおいてジェンダーの視点を取り入れるとともに、デジタル技術のあらゆる側面におけるガバナンスと意思決定において、女性が完全、平等かつ意義ある参加者となることを確保するよう努力すべきである。我々は、ジェンダーに基づく固定観念・偏見を取り除き、STEM分野における職業への一層の理解とアクセスを促進することで、あらゆる多様性を持つ女性と女児がSTEM分野での職業を検討することができるよう働きかけることにコミットする。
  • 起業や個人事業に従事する女性の数は増えている。こうした働き方は、より伝統的な職場よりも柔軟な労働環境を提供することができる。女性の起業家精神の向上は、現代の緊急課題に対する革新的な解決策に貢献するものである。我々は、全ての女性と女児が起業家としてのリーダーシップに挑戦し成功するようエンパワーする女性の起業家精神に関するG7原則を再確認する。あらゆる多様性を持つ女性が自らの事業を起こし、成長させることを支援するため、知識、教育、訓練、ネットワーク、資本へのアクセスを大幅に改善する必要がある。
  • あらゆる多様性を持つ女性の仕事と雇用における安全・安心は、機会への平等なアクセスを確保するために不可欠である。我々は、職場におけるジェンダーに基づく暴力やハラスメントを防止し対応する施策を推進し、職場における差別を永続させる家父長的構造に対処することにコミットする
  • オンライン上の暴力、ハラスメント、偽情報、女性差別者によるヘイトスピーチは、ここ数年激化している。サバイバー、被害者、サバイバーや被害者を支援する主体に対する報復や繰り返される被害は、特に重大かつ深刻なものとなっている。ジャーナリスト、人権擁護者、政治家、アドボケーターを含む、公的生活におけるあらゆる多様性を持つ女性と女児は、人工知能などの情報通信技術(ICT)やデジタル機器の使用によって助長されるジェンダーに基づく暴力である、「テクノロジーに助長されるジェンダーに基づく暴力」(TFGBV)を経験するリスクが高まっている。これらのテクノロジーの使用率が高いため、思春期の世代や若者も、テクノロジーに助長されるジェンダーに基づく暴力を経験するリスクが高くなっている。オンライン上のジェンダーに基づく暴力に対処するためには、法律に違反する内容を報告・削除する効果的なプロセスを確立し、適切な場合にはプラットフォーム企業を含む加害者に責任を負わせるなどの対策を検討する必要がある。あらゆる多様性を持つ女性と女児の孤独や孤立に注意を払い、対策を講じることも必要である。
  • 我々は、「女性・平和・安全保障(WPS)」アジェンダに対する我々が共有する確固たるコミットメントと、その平和、安全保障、防災(DRR)の達成への貢献を改めて表明する。我々は、女性が安全で、生活のあらゆる分野に完全、平等、かつ有意義に参加することができるということは、同時に我々全員がより安全・安心で、より良い生活を享受することができることであると認識する。安全保障上の課題の予防と解決、暴力的過激主義やテロリズムへの対抗、強靱なコミュニティの構築に女性や女性団体が貢献しているにも関わらず、紛争の予防と平和・安全保障の構築を目的とした意思決定機関やプロセスに、女性は常に十分には参加できていない。女性は変革の担い手である。あらゆるレベルにおける意思決定の役割への女性の完全、平等かつ意義ある参加を増やすことは、政府の正統性や、紛争や自然災害を効果的に管理する能力を高め、強靱な民主主義をもたらすことになる。我々は、あらゆる多様性を持つ女性の危機管理、紛争予防・解決、平和構築における完全、平等かつ意義ある参加とリーダーシップを引き続き促進する。
  • 我々は、完全なジェンダー平等を達成するために努力するとともに、ジェンダー、性別、年齢、民族、障害、性的指向、ジェンダーアイデンティティ、性表現など交差する特性を考慮しながら、あらゆる多様性を持つ女性と女児をさらにエンパワーすることにコミットする。我々は、全ての女性、女児、LGBTQIA+の人々の人権と尊厳が完全に尊重され、促進され、保護される社会の実現に向けた努力を継続する。我々は、ジェンダー平等に対するバックラッシュと戦うことにコミットする

~NEW~
内閣府 第406回 消費者委員会本会議
▼【資料1-1】SNSを利用した詐欺行為等に関する調査・対策等を求める意見書(消費者問題対策委員会提出資料)
  • 意見の趣旨
    • 総務省、消費者庁及び内閣府消費者委員会に対し、以下の点につき調査するよう求める。
      • ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。特に利用者の登録時に本人確認を十分に実施していないもの。)が詐欺行為や消費者被害(以下「詐欺行為等」という。)の誘引手段として使用されている実態
      • SNS事業者による本人確認の実態及びその記録の保管状況
      • SNS利用者を特定する情報について、弁護士法第23条の2に基づく照会がなされた場合のSNS事業者の対応状況
    • 総務省に対し、上記1記載の調査を踏まえ、SNSを詐欺行為等のツールとして利用させないための被害予防及び被害回復に向けた実効性のある対策を講じるよう求める。
    • 消費者庁及び内閣府消費者委員会に対し、上記1記載の調査を踏まえ、総務省が上記2記載の実効性ある対策を速やかに講じるべく、総務省に対する適切な働きかけ又は意見表明を実施するよう求める。
  • 意見の理由
    • スマートフォンの普及に伴い、LINE、Facebook、Twitter、Instagram等の様々なSNSが登場し、普及した。SNSを利用する個人の数は増加の一途をたどっており、その結果、SNSは、デジタル社会においては生活に不可欠なコミュニケーションツールとして、生活インフラとなっている。
    • 他方で、SNS事業者による本人確認規制等が不十分であるためか、SNSが詐欺行為等に使用される事件が多発し、多くの事案において被害回復がなされないままとなっている。
    • さらに、近年、新型コロナウイルス感染症拡大によって社会のデジタル化が急速に進行しており、日常の消費生活においてもデジタルツールが担う役割が増えたため、今後、SNSを利用した詐欺行為等により被害を受ける利用者も増加し続けると考えられる。
    • 本意見書は、今後、各関係機関において、速やかにこのような実態を調査した上で、SNSを詐欺行為等のツールとして利用させないための実効性のある対策を講じることを求めるとともに、SNS事業者に対して、被害回復のための加害者の特定に資する適切な対応を進言することを検討する必要がある点について詳述する。
      1. SNSが関わる消費者トラブルが多発していること
        • 令和4年版消費者白書によると、SNSに関連する消費生活相談件数は、2017年が15,709件、2018年が18,881件、2019年が25,119件、2020年が40,484件、2021年が50,406件と急増し、2017年と2021年を比較すると、5年間で3倍以上の件数となっている。
        • SNSに関連する相談としては、(1)SNSの広告が契機となるケース、(2)SNSでの勧誘が契機となるケース、(3)SNSで知り合った相手との個人間取引のケースなどがみられる。
        • 特に、(2)については、SNSでの勧誘が契機となって、情報商材や転売ビジネス、副業、投資等のもうけ話を持ち掛けられ、高額な契約をしてしまうケース等があり、看過できない。
        • 情報商材全体の消費生活相談件数は、2018年をピークに減少傾向にあるが、他方で、SNSに関連する情報商材の消費生活相談件数は、2018年以降、約3,000件であり、横ばい状態となっている。情報商材に関する事案に対して、消費者庁や独立行政法人国民生活センター(以下「国民生活センター」という。)では、注意喚起を実施しているものの、いまだ多くの被害が発生し続けている。
      2. 特に若者世代のSNS関連の消費生活相談件数は増加傾向にあること
        • 前述のとおり、SNSに関連する消費生活相談件数は、全体として増加傾向にある。特に、15歳から29歳の世代の若者(以下「若者世代」という。)についての相談件数は増加の一途をたどっており、2017年が5,733件、2018年が6,721件、2019年が9,783件、2020年が12,717件、2021年が13,490件と増加し続けている。全体の相談件数のうち若者世代が占める割合は、2017年が約36.6%、2018年が約35.5%、2019年が約38.9%、2020年が約31.4%、2021年が約26.8%となっており、いずれの年でも一番の割合を占めている。2021年に限ってみると、日本における総人口は1億2538万人であり、そのうち若者世代は1818万2000人であるから、総人口における若者世代の比率は約14.5%しかない。それにもかかわらず、若者世代におけるSNSに関連する消費者生活相談件数が年齢層別でみると一番多いことに鑑みれば、特に若者世代がSNSに関連した消費者被害に遭っていることがうかがえる。
        • これは、若者世代のSNS利用率が高く、1日に1時間以上使用する者が約8割を占めていることから、SNS上で広告に触れたり、SNSを介して人と交流をもったりする機会が、他の年齢層と比較して多いことが理由であると考えられる。
        • そして2022年4月、民法上の成年年齢が18歳に引き下げられたことからすると、今後も、若者世代の消費者被害は増加し続けると考えられる。
      3. LINE等が詐欺行為等に多用されていること
        • そして、これらの被害のうち、現在、LINEが詐欺行為等のツールとして利用されている事案が非常に多い。最初の入口としては、ネット上の広告や他のSNS、マッチングアプリ等であったとしても、多くの事案においてLINEでのやり取りへと誘導され、LINEの通話ないしトークで勧誘を受けて、被害に遭うケースが多発している。
        • LINE株式会社(以下「LINE社」という。)が提供する「LINE」の国内月間アクティブユーザー数は2022年6月末時点で月間9200万人にも上り、日本の人口の70%以上とされている10。その上LINEは、かつて詐欺行為等に主に利用されてきたツールである携帯電話等と同様の機能(音声・ビデオ通話、文字でのやり取り、写真やPDF等のデータの添付が可能)を有しているため、LINEが詐欺行為等に利用されている事案が多くなるのも当然である。
        • このことは、LINE社が、自社のHP上で公表している捜査機関からの照会に対する情報開示の状況についてのレポートからもみてとれる。
        • すなわち、2016年から2022年までのレポートのうち、日本の捜査機関がLINE社に対してした開示請求の要請件数についてみると、LINEが何らかの犯罪に利用されたと捜査機関が認知した件数が非常に多く、減少していないことが分かる。
        • さらに、2017年から2022年までの同レポートによれば、LINE社が捜査機関からの要請に対応した事案のうち、かつて高い割合を占めていた「児童被害」に関連する情報開示請求が占める割合は減少傾向であるのに対し、「金銭被害」の割合は増加傾向であることが分かる。
        • このように、LINE社の公表データからも、LINEが詐欺行為等に利用されている実態が見てとれる。
      4. 携帯電話等に代わり、SNSが犯罪ツールとして用いられるようになっていること
        • かつて犯罪ツールの主流であった携帯電話について
          • かつて、振り込め詐欺等の特殊詐欺や生活経済事犯等において、匿名で契約された携帯電話が多用され、多くの被害を生み出していた。
          • これを受けて、2006年4月に携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認及び携帯音声役務の不正な利用の防止に関する法律(以下「携帯電話不正利用防止法」という。)が施行され、携帯電話事業者に契約者の本人確認を身分証明書等の公的な本人確認書類で行うことが義務付けられた。
          • その後、2008年12月施行の改正により、レンタル携帯電話業者等が規制対象に加えられるなどした。
          • さらに、本人確認義務がなかった電話転送サービスが詐欺行為等のツールとして利用されるようになると、電話転送サービスについても、2013年4月施行の犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯罪収益移転防止法」という。)改正により、本人確認義務が課せられるようになった。このように、犯罪ツールの主流であった携帯電話等は、取締法規によって本人確認規制が強化され、生活経済事犯等においては、犯罪ツールとしての有用性が以前より低くなっている。
        • SNSが詐欺行為等に利用されていることについて
          • 他方で、2017年以降、SNSを利用した組織的詐欺等事件や、エステ契約に係る詐欺事件、暗号資産(仮想通貨)投資名下の詐欺事件、金融商品取引法違反事件や出資法違反等事件17、連鎖販売取引契約締結の勧誘に係る特定商取引法違反事件18など、SNSを利用した詐欺行為等が目立ってきている。
          • 詐欺行為等に及ぶ者たちは、本人確認規制が強化され匿名性を維持できづらくなった携帯電話だけでなく、本人確認が不十分で、匿名性を維持したまま勧誘可能なSNSを重要なツールとして用いるようになっていると考えられる。
  • SNS事業者による利用時における本人確認の状況
    1. SNS事業者による本人確認が不十分であることについて
      • 以下、日本国内で利用率が上位のSNS事業者の本人確認の状況について言及する。
        1. LINE
          • 日本国内で最大規模のSNSであるLINEの個人アカウントにおける本人確認の状況は、以下のとおりである。
            • 住所、氏名(実名)、生年月日の登録が不要であること
              • LINEアカウントの新規登録をする場合、住所、氏名(実名)、生年月日等個人情報の入力は不要であり、公的な本人確認書類による確認もない。また、新規登録の際にアカウントのユーザー名の入力は必要であるものの、これは任意に設定することができるため、実名である必要はない。
            • 電話番号の入力及びSMS認証について
              • LINEの新規登録をする場合には、2020年4月上旬頃までは、Facebookログインによる新規登録が認められていたが、それ以降、電話番号の入力及びSMS(ショートメッセージサービス)による個人認証(以下「SMS認証」という。)などが必要となった。
              • SMS認証は、一定の本人確認機能を有するものであるが、必ずしもLINEの新規登録希望者と当該携帯電話を所持している契約者の一致を保証するものではない。さらにLINEでは、登録された電話番号が他者に表示されることはないため、LINEの利用者は、相手方の電話番号を知ることはできず、相手方が任意的に登録した名前とプロフィール画像しか知り得ない。
            • 小括
              • このように、LINEの新規登録においては、2020年4月上旬頃以降、新規登録を行うには電話番号の登録及びSMS認証が必要となったものの、新規登録の際の本人確認が、必ずしも十分とはいえない。
        2. Twitter
          • 新規登録をする際、「名前(ユーザーネーム)、電話番号またはメールアドレス、生年月日」、「Googleアカウント」又は「Apple ID」が必要である。
          • 名前等を登録する場合、電話番号又はメールアドレスを入力し、個人認証を行うが、名前は、利用者が任意的に入力することができるため、実名である必要はないし、生年月日についても任意的に入力することができ、公的な本人確認書類の提出も求められないため、事実である必要はない。
          • さらに、メールアドレスによる登録の場合、SMS認証等を回避する方法もあるばかりか、メールアドレスは複数保有することができるため、一人で複数のアカウントを新規登録することも可能である。
          • Googleアカウント又はApple IDによる登録の場合、Twitter上では、電話番号又はメールアドレスによる個人認証すら不要である。
          • このように、Twitterの新規登録の際の本人確認は不十分である。
        3. Instagram
          • 新規登録する際、最初に携帯電話番号又はメールアドレスを入力し、個人認証を行う。
          • その後、プロフィールの登録において、名前、ユーザーネーム等を入力する。しかし、名前及びユーザーネームは登録希望者が任意的に入力することができるため、実名である必要はない。また、非公開情報として、メールアドレスや電話番号、性別等の個人情報を入力することも可能であるものの、必須ではない。
          • 2019年12月以降、犯罪の防止を目的として、新規登録希望者はアカウントの登録時に、既に登録している利用者は、アプリ作動時に、生年月日の入力ないし追加が求められるようになったものの、これらも任意的に入力するのみであり、公的な本人確認書類の提出は求められないため、事実である必要はない。
          • さらに、メールアドレスによる登録の場合、SMS認証を回避する方法もあるばかりか、メールアドレスは複数保有することができるため、一人で複数のアカウントを新規登録することすら可能である。
          • このように、Instagramの新規登録の際の本人確認は不十分である。
        4. Facebook
          • 新規登録する際、普段使用している名前、生年月日、性別、携帯電話番号又はメールアドレスを登録するが、他のSNSサービス同様、公的な本人確認書類の提出が求められるわけではなく、メールアドレスによる登録の場合、SMS認証を回避する方法もあり、新規登録の際の本人確認は不十分である。
        5. 小括
          • 以上のように、本人確認が不十分である実態は、利用率の高い多くのSNS事業者に共通している。
    2. SNS事業者に対する本人確認の法規制が不十分であること
      • 現在の取締法規上、以下のとおり、SNS事業者に対し、本人確認義務を課す規定は存在しないと考えられる。
        1. 電気通信事業法
          • LINE社を含むSNS事業者は、電気通信事業法に規定される電気通信事業者として電気通信事業の届出を行っている。
          • しかしながら、同法上、電気通信事業者に本人確認義務は課されていない。
        2. 携帯電話不正利用防止法
          • 携帯電話不正利用防止法は、「携帯音声通信事業者」に対し本人確認義務を課している(第3条第1項、第2条第3項)。
          • しかしながら、LINE等のSNSは、携帯電話の無線回線を利用して音声を送受信しているのではなく、インターネット回線によるデータ通信を音声に転換するアプリケーションソフトを利用して音声通話を行う仕組みであるから、「携帯音声通信」には該当しない(同法第2条第1項)。
          • そのため、LINE社等のSNS事業者は「携帯音声通信事業者」に該当せず、同法に基づく本人確認義務は課されていない。
        3. 犯罪収益移転防止法
          • 犯罪収益移転防止法は、電話受付代行業者や電話転送サービス事業者等を特定事業者として定めている(第2条第2項第44号)。そして、特定事業者に対し、本人特定事項等の取引時確認義務(同法第4条)や取引時確認記録の作成及び保存(同法第6条)、疑わしい取引の届出(同法第8条)を課している。
          • しかしながら、前述のとおり、LINE等のSNSは電話回線を利用しない通話であるため、同法の特定事業者には該当しないと解され、本人確認義務は課されないと解されている。
        4. 小括
          • SNS事業者自身による本人確認が不十分であるのは、そもそもSNS事業者に対する本人確認の法規制が不十分であることにも原因があると考えられる。
  • LINEについては特に被害の回復が困難であることについて
    • 被害回復の必要性と弁護士会照会制度
    • 詐欺行為等の加害者が利用するLINEのアカウントを特定できる情報が、被害者のLINEメッセージ画面から確認できないこと
    • LINE社が弁護士会照会への報告に極めて消極的であること
    • 詐欺行為等に関与した加害者がLINEアカウントを削除することで、報告がなされない可能性があること
    • 照会に対する報告をしても通信の秘密を侵害するおそれはないこと
  • 結語
    1. 調査及び実効性ある対策の検討をする必要があること
      • 詐欺行為等を行う者は、被害者と複数回にわたって連絡を取る必要があることから、自らの匿名性を維持できるツールは必要不可欠である。
      • そのため、かつては匿名で契約された携帯電話や本人確認義務のなかった電話転送サービスを用いるなどされていたが、携帯電話不正利用防止法の成立・改正や犯罪収益移転防止法改正により本人確認規制が強化されて、ツールとしての有用性が相当程度失われた。
      • そこで、詐欺行為等に及ぶ者たちは、携帯電話等だけでなく、本人確認が不十分で匿名性を維持できるSNSに有用性を見出し、現在、LINE、FacebookやInstagram等が詐欺行為等のツールとして利用され、多くの事案において被害回復がなされないままになっていると思われる。
      • よって、総務省、消費者庁及び内閣府消費者委員会は、まず、これらのより正確な実態を把握するための調査をした上で、SNSを詐欺行為等のツールとして利用させないための実効性ある対策を検討する必要がある。
    2. 考えられる実効性のある対策について
      • SNSを詐欺行為等のツールとして利用させないための実効性のある対策として、以下のような措置が考えられる。
        1. SNS事業者による適切な本人確認・本人確認記録の保管
          • 携帯電話や電話転送サービスにおいて本人確認義務を導入したことに
          • よって詐欺防止への一定の抑止効果が認められたという実績を踏まえ、SNS登録時(登録済みアカウントにあっては、今後の利用継続時)における本人確認を適切に行わせることが考えられる。具体的には、SNS事業者は、必要に応じて、利用者の電話番号のみならず氏名・住所・生年月日等を公的な本人確認書類によって確認することが望ましいが、少なくとも電話番号の登録及びSMS認証を確実に実施することが不可欠である。
          • また、詐欺行為等に関与した加害者を特定するための契約者情報について、弁護士会照会がなされたとしても、SNS事業者が同情報を早期に削除して、調査不可能として報告を拒絶してしまえば、同照会の意味がない。
          • そこで、犯罪収益移転防止法が定めるように、たとえ加害者がSNSのアカウントを削除したとしても、SNS事業者が同加害者の特定情報を直ちに削除することのないよう、本人確認記録の適切な保管等を行わせる必要がある。
          • 本人確認等規制の方法としては、取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律の第3条において、取引デジタルプラットフォーム提供者の努力義務が定められていることなどが参考になる。同条では、取引デジタルプラットフォーム提供者は、(1)消費者が販売業者等と円滑に連絡できるための措置、(2)消費者からの苦情に係る事情の調査等、表示の適正確保に必要な措置、(3)販売業者に対して、所在情報を始め、その特定のために必要な情報(身元確認情報)を提供させることなどの措置を講ずるよう努めなければならないとしている。
        2. 被害者が加害者のアカウントを特定する情報を容易に確認できるようにすること
          • SNSを用いた詐欺行為等を行う者らについて、加害者を特定し、民事訴訟等により法的責任を追及することも被害救済と被害予防のために必要な措置であり、そのためには、被害者が、詐欺行為等に関与した加害者のアカウントを特定し得る情報を容易に確認できる仕様にすることが望ましい。具体的には、被害者からのSNS事業者に対する通報や、被害者が依頼した弁護士からの通知等に基づき、LINEのID等の加害者アカウントを特定し得る情報を開示する等、加害者のアカウントの特定を容易にするような適切な措置が講じられる必要がある。
        3. 弁護士会照会に対して適切に報告すべきことを周知徹底すること
          • 詐欺行為等に関与した加害者を特定するための契約者情報について、弁護士会照会がなされた場合、照会先に報告義務があることを踏まえ(前掲・最判平成28年10月18日)、照会先であるSNS事業者は、事案及び照会事項に応じて適切に報告をしなければならず(電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン参照)、一律ないし原則報告拒絶の対応は許されない点を、総務省及び業界団体を通じて周知徹底させる必要がある。
          • また、SNS事業者の規約・プライバシーポリシー等において、弁護士会照会に対し、報告(情報開示)がなされる場合があることを明記することも検討されるべきである。
    3. まとめ
      • SNSを詐欺行為等のツールとして利用させないための実効性のある対策を講じ、安心安全なSNSの利用環境を整えることは、利用者を詐欺行為等の危険性から保護し、被害回復に資するのみならず、危険性のあるSNSから利用者が遠ざかることを回避し、信頼性のあるSNS事業者の利益にも資するものと考える。
      • よって、意見の趣旨記載のとおり、各関係機関において、速やかに実態を調査の上、適切な対策を講じること等を求め、本意見書を提出する。

~NEW~
消費者庁 株式会社ドミノ・ピザジャパンに対する景品表示法に基づく措置命令について
  • 消費者庁は、本日、株式会社ドミノ・ピザジャパンに対し、同社が供給する料理に係る表示について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第2号(有利誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。
    • 違反行為者の概要
      • 名称 株式会社ドミノ・ピザジャパン(法人番号5010001140979)
    • 措置命令の概要
      1. 対象料理
        • 「ドミノ・ピザ」と称する別表1「店舗名」欄記載の店舗において供給する別表2-1ないし別表3-12「対象料理」欄記載の各料理(以下これらを併せて「本件料理」という。)
      2. 対象表示
        • (ア) 表示の概要
          • 表示媒体
            • 別表4「店舗名」欄記載の店舗の店頭で配布した同店舗に係るチラシ
            • 別表5「店舗名」欄記載の店舗の配達エリア内に所在する住宅等に投函により配布した同店舗に係るチラシ
            • 別表6「店舗名」欄記載の店舗の配達エリア内に所在する住宅等に配達された日刊新聞紙に折り込んだ同店舗に係るチラシ
          • 表示期間
            • 別表4ないし別表6「表示期間」欄又は「配布年月日」欄記載の期間又は日
          • 表示内容(別紙1ないし別紙21)
            • 例えば、「札幌北1条西店」と称する店舗の店頭で配布した同店舗に係るチラシにおいて、令和4年10月3日から同年11月6日までの間、「アメリカン」と称する料理について、「\お持ち帰り/半額 \毎日、いつでも、どのピザでも、好きなだけ/ お持ち帰り」、「\お持ち帰り/半額 Ⓜ¥950(税込) Ⓡ¥1249(税込) Ⓛ¥1550(税込)」及び「デリバリー Ⓜ¥1900(税込) Ⓡ¥2499(税込) Ⓛ¥3100(税込)」と表示するなど
              • 別表4「店舗名」欄記載の店舗の店頭で配布した同店舗に係るチラシにおいて、同表「表示期間」欄記載の期間に、別表2-1ないし別表2-9「対象料理」欄記載の料理について、同各表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより
              • 別表5「店舗名」欄記載の店舗の配達エリア内に所在する住宅等に投函により配布した同店舗に係るチラシにおいて、同表「表示期間」欄記載の期間に、別表2-1ないし別表2-9「対象料理」欄記載の料理について、同各表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより
              • 別表6「店舗名」欄記載の店舗の配達エリア内に所在する住宅等に配達された日刊新聞紙に折り込んだ同店舗に係るチラシにおいて、同表「配布年月日」欄記載の日に、別表3-1ないし別表3-12「対象料理」欄記載の料理について、同各表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより
            • あたかも、チラシに表示された価格又は同価格からクーポンによる割引を適用した価格(以下これらを併せて「表示価格」という。)で本件料理の提供を受けることができるかのように表示していた。
        • (イ)実際
          • 実際には、別表1「店舗名」欄記載の店舗に対して、令和4年10月3日から令和5年4月23日までの間、本件料理を注文した場合(令和4年10月3日から同年11月6日までの間及び同年12月23日から令和5年4月23日までの間に、電話又は店頭において注文した場合を除く。)には、「サービス料」と称して、「お持ち帰り」又は「デリバリー」と称する表示価格に、同価格に同表「料率」欄記載の料率を乗じて得た額が、299円を上限として加算されるものであった。
      3. 命令の概要
        • 前記2アの表示は、前記2イのとおりであって、それぞれ、本件料理の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。
        • 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
        • 今後、同様の表示を行わないこと。

~NEW~
消費者庁 通信販売業者【株式会社LIT】に対する行政処分について
  • 消費者庁が特定商取引法に基づく行政処分を実施しましたので公表します。あわせて、チラシ「通信販売における”最終確認画面”について」を公表します。
  • 詳細
    • 消費者庁は、ヘアケア用品及びサプリメントを販売する通信販売業者である株式会社LIT(本店所在地:東京都目黒区)(以下「LIT」といいます。)(注)に対し、令和5年6月27日、特定商取引法第15条第1項の規定に基づき、令和5年6月28日から令和5年12月27日までの6か月間、通信販売に関する業務の一部(広告、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。(注)同名の別会社と間違えないよう会社所在地なども確認してください。
    • あわせて、消費者庁は、LITに対し、特定商取引法第14条第1項の規定に基づき、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築することなどを指示しました。
    • また、消費者庁は、LITの代表取締役である中村智紀(なかむら とものり)に対し、特定商取引法第15条の2第1項の規定に基づき、令和5年6月28日から令和5年12月27日での6か月間、LITに対して前記業務停止命令により業務の停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含みます。)の禁止を、同条第2項の規定に基づき、同期間、特定関係法人である株式会社LIT INNOVATIONにおいて行っている前記業務禁止命令の範囲と同一の業務の停止を、それぞれ命じました。

~NEW~
消費者庁 訪問販売業者【株式会社日本トラストホーム】に対する行政処分について
  • 処分の原因となる事実
    • 日本トラストホームは、以下のとおり、旧法及び特定商取引法の規定に違反する行為をしており、東北経済産業局は、訪問販売に係る取引の公正及び役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認定した。
      1. 書面の交付義務に違反する行為(記載不備)(旧法第5条第1項及び特定商取引法第5条第1項)
        • 日本トラストホームは、少なくとも令和3年6月から同年10月までの間に、営業所等以外の場所である消費者宅において、本件役務提供契約を締結したとき、本件役務の提供を受ける消費者に対し、本件役務提供契約に係る書面を交付したが、当該書面に、当該役務提供契約に係る役務の対価の支払の時期及び方法を記載していなかった。
        • また、日本トラストホームは、少なくとも令和4年10月から同年12月までの間に、営業所等以外の場所である消費者宅において、本件役務提供契約を締結したとき、本件役務の提供を受ける消費者に対し、本件役務提供契約に係る書面を交付したが、当該書面に、書面を受領した日から起算して8日を経過するまでは、消費者が、書面又は電磁的記録により本件役務提供契約の申込みの撤回又は解除を行うことができることを記載していなかった。
      2. 役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項につき不実のことを告げる行為(旧法第6条第1項)
        • 日本トラストホームは、少なくとも令和3年7月、本件役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、消費者宅1階の屋根について、実際には、瓦のずれという当該屋根の修繕を必要とする不具合が生じていないにもかかわらず、当該消費者に対し、「1階の屋根の瓦もずれているから、ラバーロック工法で直したほうがいい。」などと、あたかも当該消費者宅の屋根瓦について、修繕を必要とする不具合が生じているかのように告げた。
  • 処分の内容
    • 日本トラストホームは、旧法第5条第1項及び特定商取引法第5条第1項に規定する書面の交付義務に違反する行為(記載不備)並びに旧法第6条第1項の規定により禁止される役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項につき不実のことを告げる行為をした。かかる行為は、旧法及び特定商取引法に違反するものであることから、日本トラストホームは、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築(法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)し、これを日本トラストホームの役員及び従業員に周知徹底すること。
    • 日本トラストホームは、旧法に規定する訪問販売及び訪問販売により、本件役務提供契約を締結しているところ、令和3年7月1日から令和5年6月26日までの間に日本トラストホームとの間で本件役務提供契約を締結した全ての相手方に対し、以下のア及びイの事項を、東北経済産業局のウェブサイト(https://www.tohoku.meti.go.jp/)に掲載される、日本トラストホームに対して本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令和5年7月27日までに文書により通知し、同日までにその通知結果について東北経済産業局長宛てに文書(通知したことを証明するに足りる証票及び通知文書を添付すること。)により報告すること。
      • なお、令和5年7月11日までに、契約の相手方に発送する予定の通知文書の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ東北経済産業局長宛てに文書により報告し承認を得ること

~NEW~
消費者庁 「一度に体質を改善し、追加費用は不要」などとダイエット希望者を勧誘し、痩身効果をうたうお茶等を次々販売する事業者に関する注意喚起
  • 「一度に体質を改善し、追加費用は不要」などとダイエット希望者を勧誘し、痩身効果をうたうお茶等を次々販売する事業者に関する注意喚起を行いました。
  • 詳細
    • 令和3年9月以降、SNS等の広告を経由して「永遠にリバウンドしません」、「一度に体質を改善し、追加費用は不要」などのLINEメッセージによる勧誘により、痩身効果をうたうお茶、錠剤等(以下「本件製品」といいます。)を購入したが、実際には、「体質改善には追加料金は一切ありません。しかし、脂肪を溶かすことと体質を改善することは別で、別料金が必要」、「脂肪を溶かして体外に排出すると体重は毎日0.4~0.6キロの速度で低下する」などとして、次々と本件製品を追加購入させられたなどという相談が、各地の消費生活センター等に数多く寄せられています。
    • 消費者庁が調査を行ったところ、LINEのアカウント名として、「ビューティーカイロ●」、「食育健康アドバイザー」、「オンラインダイエット指導‐廣瀬●●」、「体質改善ダイエット‐上嶋●●」、「吉沢●●」及び「佐藤●●」を使用していた事業者が、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(不実告知及び断定的判断の提供)を行っていたことを確認したため、消費者安全法(平成21年法律第50号)第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。
    • また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。
  • 消費者庁が確認した事実
    • 不実告知
      • 本件6アカウントを使用していた事業者は、本件製品を販売するに当たり、LINEメッセージにおいて、あたかも、本件製品を一度購入し、数十日間摂取等すれば追加費用を支払うことなく痩身効果が得られるかのように消費者を勧誘していましたが、実際には、痩身効果を得るためには本件製品を追加購入する必要があるとして、消費者に追加費用を支払わせていました。
    • 断定的判断の提供
      • 本件6アカウントを使用していた事業者は、本件製品を販売するに当たり、LINEメッセージにおいて、遠にリバウンドしない、ダイエット成功後もリバウンドする心配はないなどと得られた減量効果が維持されることが確実である旨説明して消費者を勧誘していましたが、体重の増減については個人の食生活、運動の状況等の事情に左右されるものであり、不確実なものでした。
  • 消費者庁から皆様へのアドバイス
    • SNSのメリットとデメリットを認識し、正しく使いましょう
      • SNSは、コミュニケーションの場であったり、トレンド情報等が簡単に手に入る場であったりする反面、その使い方次第では、思わぬ被害に遭うケースがあります。
      • 例えば、SNSのアカウント名は、実在する事業者名が無断で使用されることがあるほか、アカウント名の変更も容易ですので、本件6アカウント以外のアカウント名にも注意が必要です。実在の人物や企業の名前を騙った偽アカウントや架空アカウントによる言葉巧みな嘘のメッセージを信じることで、金銭的被害や個人情報の流出等の被害に遭う場合があります。
      • アカウント名が実在する事業者名であっても安心せず、実在の事業者と取扱品目は同じか、事業者のウェブサイトから登録できるSNSアカウントとアイコン画像が同じかなどを慎重に確認するようにしましょう。また、SNSでの一対一のやり取りでは、相手のペースに流されずに、疑問があれば質問し、時にはキッパリと断ったりブロックしたりすることも必要です。
    • 食品を購入する際、SNS等を通じてのやり取り等で不審な点があると感じた場合は、購入することに慎重になりましょう
      • 本件製品を摂取した消費者の中には、本件製品を摂取した時期に下痢等の症状が出たという事例が確認されています。食品は、摂取することで健康を害するおそれもあることから、SNSを通じて食品を購入する際は特に注意が必要です。
      • SNSを通じて、食品の購入に関する勧誘を受けた際、相手方とのやり取りにおいて以下に該当する事項がある場合は、購入することに慎重になりましょう。
        • 相手方の実体、素性が不明であること(SNS上では、実在の人物や企業の名前を騙った偽アカウントや架空アカウントが存在し、必ずしも相手方の実体が判然としないことがあります。)
        • 「永遠にリバウンドしません」等と確証が持てないはずの事項について断定的な説明をしていること
        • 「食事制限や運動は不要」、「あなたの都合で〇キロ痩せることができる」といったように、簡単に痩身効果が得られるかのような説明をしていること
        • 原材料が不明であること
  • 被害に遭ったらあきらめずにすぐに「188(いやや!)」へ電話してみましょう
    • 消費生活センター等では、消費者から相談を受け、トラブル解決のための助言や必要に応じてあっせんを無料で行っています。

~NEW~
消費者庁 製品安全誓約(日本国)
  • 日本版「製品安全誓約」とは、OECD(経済協力開発機構)が公表した「製品安全誓約の声明」を踏まえ、関係省庁と主要なオンラインマーケットプレイス(OM)を運営する事業者により策定したものです。製品安全誓約は、OM上において出品・販売される、リコール製品や安全ではない製品がもたらす、生命・身体に及ぼすリスクから消費者をこれまで以上に保護することを目的とした、製品安全に係る法的枠組みを越えた「官民協働の自主的な取組」です。
▼日本国製品安全誓約
  1. 規制当局等のウェブサイトから、リコール製品や安全ではない製品に関連する情報を定期的に確認し、これらの製品を特定した場合は適切に対処する。
  2. 規制当局からリコール製品や安全ではない製品に関連する情報の通知又は出品削除要請ができるよう、専用の窓口を提供する。
  3. 規制当局から出品削除要請を受けてから2営業日以内に、要請を受けたリコール製品や安全ではない製品の出品を削除する。また、規制当局に対して、実施した措置とその結果を通知する。
  4. 規制当局から情報提供の要請があった場合には、リコール製品や安全ではない製品のサプライチェーンを合理的な範囲で特定し対応する。
  5. 規制当局からの情報提供の要請に係る対応及びリコール製品や安全ではない製品の出品削除を実施するための内部管理体制を構築・維持する。
  6. 誓約の署名者に対して、リコール製品や安全ではない製品が出品されていることを消費者が直接通知できる手段を提供する。通知があった場合は、署名者が構築した処理プロセスに基づき、5営業日以内に適切な対応を行う。
  7. 販売者が日本の製品安全関連法令を遵守する措置を実施するため、販売者に対して、規制当局等が提供する製品安全に関連する情報を共有するなど、法令に係る知識を習得できる合理的な機会を提供する。
  8. 規制当局や販売者と協力し、リコール製品や安全ではない製品に関連する各事業者や規制当局の措置について、消費者に情報提供する。
  9. 必要に応じ、出品禁止製品、リコール製品や安全ではない製品の販売を阻止又は制限するための制度を構築・維持する。
  10. 規制当局と協力し、リコール製品や安全ではない製品の販売を意図的に繰り返すなどをする悪質な販売者に対して、適切な措置を講ずる。
  11. 既に出品削除されたリコール製品や安全ではない製品の再出品を阻止するための適切な措置を講ずる。
  12. リコール製品や安全ではない製品の検出や出品削除の水準を向上させるための新技術やイノベーションの活用を積極的に検討する。

~NEW~
国民生活センター 危険! 海水浴でフロートが沖に流される
  • 内容
    • 事例1:子どもが動物型のフロートに乗り、きょうだいがそのフロートをつかんで泳いで遊んでいた。徐々に水深が深くなり足がつかなくなったため、きょうだいがフロートから手を離した。その後、フロートが沖合に流され浜に戻れなくなった。(当事者:8歳)
    • 事例2:子どもがフロートに乗り、そのそばを保護者が遊泳していたところ、突風で沖に流されて岸に戻れなくなった。(当事者:6歳)
  • ひとことアドバイス
    • 海で遊ぶときは、保護者は遊具に乗った子どもから目や手を離さないようにしましょう。
    • 水に浮いているものは風の影響を受けやすく、風に押されると予想以上に沖に流されてしまいます。風が強い日は使用を控えましょう。
    • 遊泳可能な海水浴場で使用しましょう。また、フロートのサイズが大きすぎると、乗ったときに水面に足がつかないため、水を漕ぐことができず、自力で岸に戻ることが難しくなります。フロートの対象年齢を確認しましょう。
    • ライフジャケットを正しく着用させましょう。

~NEW~
国民生活センター 国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(令和5年度第1回)
  • 実施状況(平成30年度~令和5年4月末日)
    • 平成30年度累計申請件数 177件
    • 令和元年度累計申請件数 204件
    • 令和2年度累計申請件数 166件
    • 令和3年度累計申請件数 136件
    • 令和4年度累計申請件数 142件
    • 令和5年度累計申請件数 7件
  • 結果の概要
    • 紛争解決委員会(第59回会合、5月26日開催)での審議を踏まえ、結果の概要を公表。
      • コンサルタント契約の解約に関する紛争(29)
      • コンサルタント契約の解約に関する紛争(30)
      • 通信販売の定期購入に関する紛争(61)~(63)
      • エステティックサービスの返金に関する紛争(18)
      • 住宅リフォーム工事の解約に関する紛争(11)
      • コンサルタント契約の解約に関する紛争(28)
      • 出張配管洗浄サービスの料金に関する紛争(33)
      • オンラインカウンセリングの解約に関する紛争(1)(2)
      • クレジットカードの不正利用に関する紛争(57)
      • 住宅設備の設置工事に関する紛争(4)
      • 学習塾の中途解約に関する紛争(3)
      • クレジットカードの不正利用に関する紛争(58)
      • スポーツジムの中途解約に関する紛争(6)
      • 出張配管洗浄サービスの料金に関する紛争(34)
      • 葬儀代に関する紛争
      • 結婚式と披露宴の解約に関する紛争(42)
      • 通信販売の定期購入に関する紛争(64)~(67)
      • FXトレードシステムに関する紛争(11)
      • 着物の解約に関する紛争(4)
      • スポーツジムの中途解約に関する紛争(7)

~NEW~
厚生労働省 令和4年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
  • 脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
    • 請求件数は803件で、前年度比50件の増加。うち死亡件数は前年度比45件増の218件。
    • 支給決定件数は194件で前年度比22件の増加。うち死亡件数は前年度比3件減の54件。
    • 業種別の傾向
      • 業種別(大分類)
        • 請求件数は「運輸業,郵便業」172件、「卸売業,小売業」116件、「サービス業(他に分類されないもの)」111件の順で多い。
        • 支給決定件数は「運輸業,郵便業」56件、「建設業」30件、「卸売業,小売業」26件の順に多い。
      • 業種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「運輸業,郵便業」のうち「道路貨物運送業」133件、50件が最多。
    • 職種別の傾向
      • 職種別(大分類)
        • 請求件数は「輸送・機械運転従事者」155件、「サービス職業従事者」130件、「販売従事者」92件の順で多い。
        • 支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」57件、「専門的・技術的職業従事者」27件、「サービス職業従事者」27件の順に多い。
      • 職種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「輸送・機械運転従事者」のうち「自動車運転従事者」144件、57件が最多。
    • 年齢別の傾向
      • 請求件数は「50~59歳」303件、「60歳以上」283件、「40~49歳」164件の順で多い。
      • 支給決定件数は「50~59歳」67件、「40~49歳」58件、「60歳以上」49件の順に多い。
    • 時間外労働時間別(1か月又は2~6か月における1か月平均)の傾向
      • 支給決定件数は、「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」25件が最も多い。
      • また、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「60時間以上~80時間未満」45件が最も多い。
  • 精神障害に関する事案の労災補償状況
    • 請求件数は2,683件で前年度比337件の増加。うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件増の183件。
    • 支給決定件数は710件で前年度比81件の増加。うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件減の67件。
    • 業種別の傾向
      • 業種別(大分類)
        • 請求件数は「医療,福祉」624件、「製造業」392件、「卸売業,小売業」383件の順で多い。
        • 支給決定件数は「医療,福祉」164件、「製造業」104件、「卸売業,小売業」100件の順に多い。
      • 業種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「医療,福祉」のうち
        • 「社会保険・社会福祉・介護事業」327件、85件が最多。
    • 職種別の傾向
      • 職種別(大分類)
        • 請求件数は「専門的・技術的職業従事者」699件、「事務従事者」566件、「サービス職業従事者」373件の順で多い。
        • 支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」175件、「事務従事者」109件、「サービス職業従事者」105件の順に多い。
      • 職種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」442件、74件が最多。
    • 年齢別の傾向
      • 請求件数は「40~49歳」779件、「30~39歳」600件、「50~59歳」584件の順で多い。
      • 支給決定件数は「40~49歳」213件、「20~29歳」183件、「30~39歳」169件の順に多い。
    • 時間外労働時間別(1か月平均)の傾向
      • 支給決定件数は「20時間未満」が87件で最も多く、次いで「100時間以上~120時間未満」が45件。
    • 出来事(※)別の傾向
      • 支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」147件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」89件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」78件の順に多い。
        • ※「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの。
  • 裁量労働制対象者に関する労災補償状況
    • 令和4年度の裁量労働制対象者に関する脳・心臓疾患の支給決定件数は3件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者であった。また、精神障害の支給決定件数は8件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者であった。
    • 複数業務要因災害(※)に関する脳・心臓疾患の決定件数は12件(うち支給決定件数4件)で、精神障害の決定件数は10件(うち支給決定件数2件)であった。
      • ※事業主が同一でない二以上の事業に同時に使用されている労働者について、全ての就業先での業務上の負荷を総合的に評価することにより傷病との間に因果関係が認められる災害。

~NEW~
厚生労働省 2023年度第2回雇用政策研究会資料
▼【資料3】 2023年度第2回雇用政策研究会 論点等
  • これまでの雇用政策研究会における女性・両立支援等に関する議論について
    • 男女均等の推進(男女雇用機会均等法の施行(1986年~)など)
      • 女子の労働力率は、昭和50年代以降高まりをみせているが、特に既婚女子の労働力率も上昇するなど女子のライフサイクルに占める職業生活の比重は高まってきている。今後においても、就業形態の多様化、就業意欲の増大等に加え、昭和61年4月に施行された男女雇用機会均等法の浸透に伴って、女子の職場進出は一段と活発化していくものとみられる。(昭和63(1988)年1月雇用政策研究会)
    • 両立支援制度の整備(育児休業法の施行(1991年~)など)
      • 女性が家庭責任を重く担っている現状においては、育児休業制度の確立や介護休業制度の普及促進など職業生活と家庭生活の調和を図るための施策を充実していくことが女性の継続就業の支援という点からも大切である。こうした制度を有効なものとするためにも、保育施設や介護施設の整備、育児・介護等の施設やサービスに関する情報の提供とともに、休業者の代替要員の確保への支援を行っていくことが求められる。(平成4(1992)年3月雇用政策研究会)
    • 少子化対策としての両立支援施策の充実(少子化対策基本法の施行(2003年~)など)
      • 女性の能力が十分に発揮されているとはいえない状況を解消するため、実質的な男女の均等の確保を実現し、女性が活躍する領域を拡大するためのポジティブ・アクションを含めた対策の強化を通じ、男女の機会均等施策を強化する。また、結婚や出産を機に仕事を辞める女性も少なくないが、就業継続を希望する女性は増加しており、子育てで離職した者の再就業希望も多い。このため、女性がライフサイクルを通して、意欲と能力に応じた働き方ができるよう、妊娠・出産がハンディにならず安心して働き続けることができ、また、子育て等との両立を可能とするための働き方の見直し、保育の充実等の環境の整備を図る。また、出産・子育て等により離職しても、その能力を活かした再就職・再就業を可能とするための支援を強化する。なお、子育て等との両立を可能とするための働き方の見直しは、女性だけでなく男性も含めて行う。(平成17(2005)年7月雇用政策研究会)
    • 更なる女性活躍に向けた取組と働き方改革の広がり(女性活躍推進法の施行(2015年~)・長時間労働の是正など)
      • 女性の社会参画をより一層促進する観点からも、育児等への男性の主体的な参画を促すことが必要であり、男女ともに長時間労働を強いられることがないような社会的機運を醸成していくことが必要である。次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針の内容に、所定外労働の削減の取組や男性の育児休業取得促進の取組を進めることが重要である旨が盛り込まれており、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく行動計画策定指針の内容にも、長時間労働の是正などの働き方の改革に向けた取組が盛り込まれているところである。こうした法律の趣旨が社会全体に深く浸透し、取組が広がっていくことが求められる。(平成27(2015)年12月雇用政策研究会)
    • コロナ禍における非労働力化した女性への対応・テレワークの広がり(2020年~)
      • 新型コロナウイルス感染症が社会経済活動や雇用・失業情勢に様々な影響を及ぼす中で、「新型コロナウイルス感染症の影響により対応の加速が求められる課題」と「新型コロナウイルス感染症の影響により新たに顕在化した課題」に分け、アフターコロナを見据えた今後の政策の具体的な方向性を提起。(令和2(2020)年12月雇用政策研究会)
        • 「対応の加速が求められる課題」として、テレワーク等のデジタル技術を活用した働き方の推進を挙げており、テレワークの実施などの働き方の変化が仕事より生活を重視する意識の変化を通じて家事・育児に関する家庭内分業の在り方を見直すきっかけとなり、女性の家事・育児に関する過剰な負担の適正化が図られ、結果として、男女間格差が縮小することも期待されることを指摘。
        • 「新たに顕在化した課題」として、具体的には、「宿泊業,飲食サービス業」「小売業」などでは、パート・アルバイトとして就労する女性の非正規雇用労働者が多いといった産業特性などを反映し、相対的には女性の非正規雇用労働者に強い影響が生じており、また、女性が不本意に非労働力人口化した状態も続いているとの課題を挙げた上で、マザーズハローワーク等における子育て中の女性等を対象とした担当者制による職業相談・職業紹介等の支援に加え、子育て中の女性等が仕事と家庭の両立を図りやすいテレワークが可能な求人といったように、女性求職者の様々なニーズを踏まえた求人開拓を行う等、早期再就職を支援することで、不本意な非労働力人口化を防ぐことが重要であると指摘。
      • テレワークの浸透・ウェルビーイングへの取組を通じた人材確保(2022年~)
        • コロナ禍のような不測の事態やグローバル化の更なる進展、急速な技術進歩やデジタル化による産業構造の変化に柔軟に対応でき、かつ回復力を持つ、持続可能な労働市場(しなやかな労働市場)の構築に向けた仕組み作りが必要であることを指摘。特に、非労働力化した方々の労働市場への復帰や、テレワーク等の柔軟な働き方の下での家事、子育て、介護等も含む生活時間と仕事時間の両立の難しさや家庭内での男女間の格差の顕在化等が課題となる中で、ウェル・ビーイングへの取組が人材確保と労働供給の増加につながる仕組みを作るために、以下の政策の方向性を提示。(令和4(2022)年7月雇用政策研究会)
          • テレワークなどの柔軟な働き方であっても、労働者のウェル・ビーイングを高めることができるよう、先進的な企業の取組の横展開やテレワークガイドラインの周知などにより、ライフステージに合わせた働き方が可能な社会の実現に向けた取組が求められる。
          • コロナ禍を契機に非労働力化した女性や高齢者に対して、ハローワークを通じた伴走型のアウトリーチ支援を行う。
          • 再就職した方々が子育てをしながら働くことができる両立環境の整備や再就職後には継続就業者と同様なキャリア形成をし、活躍できる環境を整える
  • ご議論いただきたい内容
    • 論点(ウェルビーイングの向上に向けた多様なキャリア形成・働き方 ~女性活躍・両立支援~)
      • 子育て世代・女性の働き方
        • 男女ともに、出産・育児を機に離職をせずに就業を継続できるための環境整備はもとより、就業を継続した場合にも望むキャリアを形成していくことが可能となることが求められる。こうした雇用環境・労働市場を構築していくためには、中長期的な視点からどのような対応が必要か。
        • 企業における女性の活躍については、課長・部長等での登用は十分に進んでいない状況にあり、より多くの希望する女性の更なる活躍に向け、職場環境や働き方の改善に向けた企業の取組を進めていくためには、どのような対応が必要か。
      • 介護と仕事の両立
        • 高齢化が進展する中、介護保険等による制度的な支援もあるものの、現役層が介護に携わる機会も増えている中で、施設だけでなく働きながら在宅で介護サービスを利用することのニーズや重要性も高まっており、こうした現状に合わせて、仕事と介護の両立に向けた環境整備や、労働者の働き方についても改善していく必要がある。介護を機会としたキャリアの中断が起きないような職場環境を整備するために、どのような取組・支援が必要か。
      • ウェル・ビーイングへの取組が人材確保と労働供給の増加につながる仕組み
        • 時間外労働を前提としたフルタイム勤務が常態化している職場を改善し、育児・介護といったライフイベントに応じて、柔軟な働き方を選択できる職場環境を構築していくことが重要。
        • こうした取組は、個々人のウェル・ビーイングを向上させるだけでなく、企業の人材確保や社会全体での労働供給の増加にも資することが期待される。
      • 主な施策例
        • 長時間労働の是正
        • 柔軟な働き方の実現(短時間勤務、テレワーク、フレックスタイム制)
        • 育児休業取得状況の公表等の情報整備
        • 子の看護休暇制度の改善
        • 両立支援制度の周知広報
        • 介護準備期間としての介護休業制度の利用促進
        • 介護休暇や所定労働時間の短縮措置等(選択的措置義務)の活用促進

~NEW~
厚生労働省 令和4年 労使間の交渉等に関する実態調査 結果の概況
▼概況
  • 使用者側との労使関係の維持についての認識をみると、「安定的に維持されている」51.9%(令和3年調査59.0%)、「おおむね安定的に維持されている」37.6%(同33.8%)であり、「安定的」と認識している労働組合は89.5%(同92.9%)、「どちらともいえない」7.1%(同5.0%)、「やや不安定である」1.5%(同1.4%)、「不安定である」1.0%(同0.6%)となっている。
  • 事業所に正社員以外の労働者がいる労働組合について、労働者の種類別に「組合加入資格がある」をみると、「パートタイム労働者」42.0%(令和3年調査37.3%)、「有期契約労働者」40.9%(同41.5%)、「嘱託労働者」38.2%(同39.6%)、「派遣労働者」5.0%(同6.6%)となっている。また、労働者の種類別の「組合員がいる」についてみると、「パートタイム労働者」34.5%(同30.0%)、「有期契約労働者」32.4%(同32.9%)、「嘱託労働者」30.4%(同29.9%)、「派遣労働者」0.9%(同2.2%)となっている。
  • 過去1年間(令和3年7月1日から令和4年6月30日の期間)に、正社員以外の労働者に関して使用者側と話合いが持たれた事項(複数回答)をみると、「正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件」66.2%(令和3年調査71.2%)が最も高く、次いで「同一労働同一賃金に関する事項」55.2%(同61.3%)、「正社員以外の労働者(派遣労働者を含む)の正社員への登用制度」38.7%(同36.7%)などとなっている。「正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件」を事項別にみると、「賃金に関する事項」52.9%(同57.5%)が最も高くなっている。
  • 過去3年間(令和元年7月1日から令和4年6月30日の期間。以下同じ。)において、「何らかの労使間の交渉があった」事項をみると、「賃金・退職給付に関する事項」72.6%(令和2年調査74.9%)、「労働時間・休日・休暇に関する事項」70.0%(同74.1%)、「雇用・人事に関する事項」60.4%(同61.0%)などとなっている。事項別に「何らかの労使間交渉があった」組合のうち、「使用者側と話合いが持たれた」割合をみると「賃金額」89.8%、「賃金制度」88.0%、「職場環境に関する事項」86.1%などとなっている。また、「何らかの労使間の交渉があった」結果、「労働協約の改定がなされた又は新たに労働協約の規定が設けられた」とする割合を事項別にみると、「育児休業制度、介護休業制度、看護休暇制度、介護休暇制度」42.2%(同37.5%)が最も高く、次いで「休日・休暇(育児休業制度、介護休業制度、看護休暇制度、介護休暇制度を除く)」34.9%(同32.7%)、「賃金額」32.6%(同37.1%)、「退職給付(一時金・年金)」32.6%(同30.5%)などとなっている。
  • 過去3年間において、使用者側との間で行われた団体交渉の状況をみると、「団体交渉を行った」68.2%(令和2年調査70.5%)、「団体交渉を行わなかった」30.7%(同29.4%)となっている。「団体交渉を行った」労働組合について、交渉形態(複数回答)をみると、「当該労働組合のみで交渉」85.4%(同85.3%)が最も高く、次いで「企業内上部組織又は企業内下部組織と一緒に交渉」11.8%(同12.4%)、「企業外上部組織(産業別組織)と一緒に交渉」3.2%(同4.4%)などとなっている。
  • 過去3年間に団体交渉を行った労働組合について、団体交渉の1年平均交渉回数をみると、「1~2回」36.7%(令和2年調査30.9%)が最も高く、次いで「3~4回」31.5%(同34.5%)、「5~9回」21.8%(同23.9%)などとなっている。
  • 過去3年間に団体交渉を行わなかった労働組合について、その主な理由をみると、「上部組織又は下
  • 部組織が団体交渉を行うことになっているから」50.7%(令和2年調査57.5%)が最も高く、次いで「団体交渉を行う案件がなかったから」20.2%(同17.7%)、「労使協議機関で話合いができたから」17.7%(同18.8%)となっている。
  • 過去3年間において、労働組合と使用者との間で発生した労働争議の状況をみると、「労働争議があった」3.5%(令和2年調査2.7%)、「労働争議がなかった」95.5%(同97.2%)となっている。また、過去3年間に「労働争議がなかった」労働組合について、その理由(複数回答 主なもの3つまで)をみると、「対立した案件がなかったため」54.3%(令和2年調査55.8%)が最も高く、次いで「対立した案件があったが話合いで解決したため」38.1%(同34.7%)、「対立した案件があったが労働争議に持ち込むほど重要性がなかったため」11.7%(同12.5%)となっている。
  • 労使間の諸問題を解決するために今後最も重視する手段をみると、「団体交渉」49.8%(令和2年調査50.7%)が最も高く、次いで「労使協議機関」43.3%(同44.9%)、「苦情処理機関」1.7%(同0.9%)、「争議行為」0.7%(同0.9%)となっている。
  • 労働組合と使用者(又は使用者団体)の間で締結される労働協約の締結状況をみると、労働協約を「締結している」94.5%(令和2年調査93.1%)、「締結していない」4.7%(同6.8%)となっている。また、「労働協約を締結している」労働組合について、その締結主体をみると、「当該労働組合において締結」61.0%が最も高く、次いで「上部組織において締結」26.6%、「当該労働組合及び上部組織双方において締結」8.1%となっている。

~NEW~
経済産業省 海外現地法人四半期調査(2023年1月から3月期)の結果を取りまとめました ~現地法人売上高1.3%減2期連続のマイナス 中国の輸送機械で28.5%減
  • 経済産業省では、日本企業の国際展開や、海外での業況を把握することを目的に、日本企業の製造業海外現地法人の海外事業活動に関する調査を実施し、四半期毎に公表しています。この度、2023年1月から3月期の調査結果を取りまとめました。
  • 日本企業の海外現地法人における売上高(2023年1月から3月期、ドルベース)は、前年同期比-1.3%と2期連続の減少となりました。北米は増加したものの、アジアが減少し、特に中国は輸送機械で28.5%減となるなど、同-24.0%と2期連続の減少となりました。
  • 結果概要
    • 売上高
      • 売上高(全地域合計)は、前年同期比-1.3%と2期連続の減少となりました。化学、電気機械などが減少となりました。
      • 地域別(北米、アジア、欧州)にみると、構成比の高いアジア(構成比48.3%)は、中国の輸送機械などの減少により、前年同期比-11.8%と2期連続の減少となりました。北米(同30.8%)は、輸送機械などの増加により、同16.6%と3期連続の増加、欧州(同11.8%)は同2.6%と6期ぶりの増加となりました。
    • 設備投資額
      • 設備投資額(全地域合計)は、前年同期比4.4%と3期連続の増加となりました。輸送機械、電気機械などが増加となりました。
      • 地域別にみると、アジア(構成比51.4%)は、前年同期比6.3%と3期連続の増加となりました。北米(同27.6%)は、同-1.8%と2期ぶりの減少、欧州(同11.7%)は、同-6.3%と4期連続の減少となりました。
    • 従業者数
      • 従業者数(全地域合計)は、前年同期比-1.3%と2期連続の減少となりました。電気機械、はん用等機械などが減少となりました。
      • 地域別にみると、アジア(構成比66.9%)は、前年同期比-2.9%と2期連続の減少となりました。北米(同14.6%)は、同4.9%と5期連続の増加、欧州(同9.9%)は、同0.2%と13期ぶりの増加となりました。

~NEW~
経済産業省 「令和5年版通商白書」を取りまとめました
▼通商白書の概要
  • 岐路に立たされる世界経済
    • 減速感を強める世界経済
      • 世界経済は、ロシアによるウクライナ侵略による不確実性の高まりやインフレの高進、金融引締めの加速により減速感を強めている。
      • 欧米を中心とした急速な金融引き締めは、通貨価値の下落、金利上昇を通じてグローバル・サウスを中心に債務リスクが上昇。
      • 世界は、米→中へ貿易大国の変化を経験。米中対立に加え、ロシアのウクライナ侵略等により世界経済は不透明化。しかし、相互経済依存が進む今日、完全なデカップリングは世界経済に大きな損失。グローバル・サウスは中立を維持することで、自国の利益を確保。
      • 近年、経済依存関係を武器化する経済的威圧に係る事案が増加。WTOが機能不全に陥る中、欧米諸国では対応の検討を加速。
    • 世界経済の機能回復に向けた課題
      • 足下の世界的なインフレは供給不足による側面が強い。設備投資等による供給力強化や生産性向上、サプライチェーン強靭化が重要。
      • 貿易の開放は生産性の上昇を通じて経済成長につながる一方、貿易相手国の不確実性は自国の貿易に負の影響。ただし、自由・民主主義・人権・法の支配といった基本的価値を尊重する貿易相手ほど、不確実性の高まりによる貿易損失効果が小さい。
      • 分断の危機に瀕する世界経済の機能回復に向け、ルールベースの国際貿易秩序の再構築、有志国との信頼できるサプライチェーンの構築、グローバルサウスとの連携強化の取組を同時に進めていくことが重要。
  • 世界が難局を迎える中で我が国が取るべき対応
    • 我が国を取り巻くグローバル・バリューチェーンの強靭化
      • 地政学や経済安全保障上のリスクは、既に企業意識に大きく影響。日本企業が最も重視する投資先は、中国からASEANへ。インドを重視する企業も増加。国内回帰の機運も高まっている。
      • コロナ禍でサプライチェーンの脆弱性が露呈。サプライチェーン全体の実態把握には取引先とのデータ連携が重要。データ連携を通じたサプライチェーンの統合的な管理実現のための基盤整備を加速。
      • 半導体等の重要物資のサプライチェーンの混乱は世界に大きな影響。国内製造拠点の強化を含め、有志国間の連携を強化してく必要。
    • グローバルな成長の取り込みによる成長力の強化
      • 過去最大の貿易赤字の大宗は鉱物性燃料の輸入価格の上昇による。貿易構造強靱化の観点からも、化石燃料の依存低減は重要課題。
      • 円安は輸出の好機である一方、約3割の品目で収益増につなげられず。ただし、価格設定の見直しにより収益が改善される可能性。
      • 企業の海外展開は収益、雇用、賃金、生産性のみならず、地域の輸出促進の観点からも国内経済に貢献。
      • 「企業の海外展開」と「内なる国際化」を、ともに強力に推進していくことが重要。
  • 世界経済は、ロシアによるウクライナ侵略による不確実性の高まりやインフレの高進、金融引締めの加速により減速感を強めている。
  • 20世紀初頭から、自由貿易と保護主義が約20年毎に台頭し、貿易量のシェア1位は英国、米国、中国と変遷。デカップリングの進行は世界経済の成長の大きな下押しリスク。グローバル・サウスは中立の立場をとることで、自国の利益を確保する構図に。
  • WTO紛争解決システムとルールに基づくガバナンスの危機
    • 上級委員会の不在が長期化する中、上訴することで紛争案件を事実上の塩漬け状態とする「空上訴」が、既に19件積み重なっている。
    • 紛争解決システムの利用件数は、機能停止前の半分以下に減少(毎年平均で約20件程度から、2020年は5件、2021年は9件、2022年は8件に。)し、ルールの執行への信任が失われつつある懸念。
    • 日本がWTOに訴えたケースについても、既に3件が「空上訴」され、事実上の塩漬け状態。
  • 近年、EUは経済的威圧行為や市場歪曲的措置に対して、独自に対抗できる措置を相次いで公表。欧州委員会の提案に基づき、理事会・欧州議会の審議を経て順次、実行に移されている。
    • 施行済み
      • 改訂通商紛争執行規則(空上訴対抗規定)
        • WTOの紛争解決手続きで上級委員会への「空上訴」を行った国や、FTAの仲裁手続きで仲裁人の選任等を妨害し、紛争解決をブロックした国に対し、EU独自の判断で対抗措置を発動できる制度。2021年2月に施行済み。
      • 国際調達措置(IPI)
        • EU企業に対して政府調達市場を制限している国に対して、欧州委員会が調査を行い、二国間交渉で解決が得られない場合はその国の企業によるEU域内の政府調達を制限できる制度。インフラ事業については1500万ユーロ、物品・サービス調達については500万ユーロ以上の案件に適用。2022年8月に施行済み。
      • 外国補助金規則(FSR)
        • 域外国の補助金を受けた企業によるEUの政府調達や企業統合等がEU域内市場への歪曲性が高いとみなされた場合、欧州委員会が是正措置等を課したり調達契約を禁止することができる制度。2023年1月に施行され、移行期間を経て7月から適用。
    • 理事会・欧州議会で審議中
      • 反威圧措置案(ACI)
        • EU又は加盟国に対する非EU諸国による威圧に対して、貿易・投資等の政策措置を迅速に制定することで、威圧の抑止やその影響打消しを図る制度。2021年12月に欧州委員会が提案し、2023年3月に暫定合意。
  • 足下の世界的なインフレは供給不足による側面が強い。設備投資等による供給力強化や生産性向上、サプライチェーン強靭化が重要。
  • 労働者一人当たり資本ストックの変化率が高いほど、また、全要素生産性が高いほど、インフレ率は低い傾向にある。
  • ルールベースの国際貿易秩序を重視するOECD諸国では、貿易開放による生産性上昇が顕著。自由・民主主義・人権・法の支配といった基本的価値が反映された世銀のガバナンス評価が高い国相手の貿易では、不確実性の高まりによる貿易損失効果は小さい。
  • EU等の主要国は、産業政策をテコとした、WTOを補完する独自措置を整備。また、各国は有志国との間で、信頼できるサプライチェーン構築のため、合意作りに取り組み始めている。
  • 日本はこれらの取組を踏まえ、ルールベースの国際貿易秩序の再構築、有志国との信頼できるサプライチェーンの構築、グローバルサウスとの連携強化の取組、を同時に進めていく。
  • 我が国企業は、中国に対して、地政学的リスクや経済安全保障上のリスクを強く認識。投資先として中国を重視する企業も以前と比べ減少する一方、ASEAN・インドを重視する企業が増加。サプライチェーン強靱化に向けた課題では、国内調達・生産・販売強化も強く課題として認識。
  • 北海道に次世代半導体の製造拠点の構築を決定したRapidusや九州・熊本のJASMに限らず、全国各地で、それぞれの地域特性を活かした半導体の設計・製造拠点を整備していく。半導体に限らず、蓄電池についても、地域の産業クラスターを背景に、世界をリードする拠点の整備を進める。また、コンピューティングも、国内の拠点を連携させ、世界的なコンピューティングハブを目指す。
  • 我が国は、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき、輸出管理等を実施。外為法に基づく輸出規制は、(1)リスト規制と(2)キャッチオール規制から構成されており、これらの規制に該当する技術の提供や貨物の輸出は、経済産業大臣の事前許可が必要。
  • コロナ禍でサプライチェーンの脆弱性が露呈。サプライチェーン全体の実態把握には取引先とのデータ連携が重要。データ連携を通じたサプライチェーンの統合的な管理実現のための基盤整備を加速。
  • 国際収支の安定的な黒字を維持する観点から、投資収益を維持しつつも、貿易収支・サービス収支の改善が必要。
  • 過去最大の貿易赤字の大宗は化石燃料の輸入価格の上昇による。貿易構造強靱化の観点からも、鉱物性燃料の輸入依存低減は重要課題。
  • 円安は輸出の好機である一方、約3割の品目で円安を円建て輸出収益の増加につなげられず。円建て輸出収益が減少した品目のうち、ドル単価が下落した品目はドル単価の引上げで、ドル単価が上昇した品目はドル単価の引下げで収益が改善する可能性がある。
  • 企業のグローバル化は、収益、雇用、投資、賃金、生産性のみならず、地域の輸出促進の観点からも国内経済に貢献。
  • 国内需要の制約に直面する中小企業にとって、輸出による外需獲得は成長実現の好機。これまで輸出をしたことがない中小企業・地域企業でも、その準備や具体的な商談・輸出を速やかに進められるよう、「新規輸出1万者支援プログラム」等を通じて万全の支援を実施。
  • スタートアップ投資はイノベーションを通じて経済成長を促進。一方、我が国のスタートアップ投資は対GDP比で見ると主要国と比べ低水準。スタートアップ育成5か年計画の実行により、2027年度までに10兆円規模のスタートアップ投資を目指す。
  • 海外展開を通じ、(1)海外投資・進出を起点とした製品・サービスの貿易促進の好循環の創出、(2)イノベーション創出、生産性・競争力の向上、(3)有志国やグローバル・サウスなどの国際関係強化への貢献といった効果が期待される。このため、これらの視点に立った取組の推進が重要。
  • 外国企業への調査によれば、研究開発拠点としての日本を高く評価。先進国間での比較では、日本は、インフラ、市場規模、社会の安定性、消費者の所得水準等が「強み」である一方、英語、事業活動コスト、税率等に課題。これらの課題への対応を含め、生産性・イノベーション向上、所得・投資の好循環を産み出すための「内なる国際化」を進めることが重要。

~NEW~
経済産業省 「防衛装備に係る事業者の下請適正取引等の推進のためのガイドライン策定に向けた有識者検討会」を開催しました
  • 令和4年12月に閣議決定された国家安全保障戦略は、我が国の防衛生産・技術基盤を、防衛力そのものと位置づけ、その強化は必要不可欠であるとされています。
  • 防衛生産・技術基盤は、大企業のみならず、中堅から中小及び小規模企業に至るまで多くの企業が参画し、直接の取引先やその先の取引先も含めて、長く、複雑な防衛産業のサプライチェーンにより構成されています。日本の防衛生産・技術基盤の強化のためには、防衛産業のサプライチェーンを構成する取引事業者全体により、企業価値を最大化していくことが重要です。
  • そのため、防衛産業を構成する取引事業者全体での企業価値の最大化を通じた防衛生産・技術基盤の強化を図るため、日本の防衛産業の取引の特徴や下請取引等について有識者及び業界団体を参加者とする検討会を設置し、意見を求めることを通じて、経済産業省及び防衛装備庁が協力して、防衛産業の特徴に配慮した、「防衛産業の下請適正取引等の推進のためのガイドライン」(仮称)を整備することを目指しています。
▼資料4.防衛産業の実態
  • 防衛力の中核は、「装備品」と「自衛隊員」。
    • 高度な装備品を保有し、それを適時適切に運用することで初めて、自衛隊は任務遂行が可能となる。
  • 装備品のライフサイクル(1)技術研究、(2)開発、(3)生産、(4)維持・整備等、(5)能力向上・機齢延伸等、(6)用途廃止の各段階を防衛産業が担っており、防衛力の中核たる装備品と防衛産業は一体不可分。
  • 防衛力の抜本的強化のためには、我が国の防衛産業における装備品等の開発・生産の基盤の維持・強化がますます重要に。
  • 防衛関連企業の防衛需要依存度
    • プライム企業を主体とする防衛装備品生産企業の防衛需要依存率は約4%程度(令和3年度調査。令和2年度調査では約3%程度)
    • 大手防衛関連企業では、防衛需要依存率は10%以下を中心に幅広く分布
    • 比較的小規模な企業の中には、防衛需要依存率が50%を超える企業も存在
  • 企業努力を反映する適正な利益の確保
    • 防衛事業は、高度な機能・性能や保全措置が求められ、多大な経営資源の投入が必要。魅力化は不可欠。
    • 他方、防衛事業の利益は、企業から「契約履行中のコスト上昇等によって圧迫され、適正に得られていない」等という声が散見。かかる状況を踏まえ、企業の努力を反映した利益の在り方へと改善。
▼資料5.防衛装備に係る事業者の下請適正取引等の推進のためのガイドライン策定に向けて
  • 取引適正化に向けた施策ツール
    • サプライチェーンが形成される中、中小企業と大企業は、同じ目標に向かって取り組む「イコールパートナー」。得られた利益は適正に分かち合い、共存共栄を図るべき。
    • 他方、下請中小企業は、大企業などの親事業者との関係で非常に弱い立場にあり、一方的な価格の押しつけや買いたたきなどのしわ寄せに直面。
    • 企業間のしわ寄せ防止や適正な価格転嫁の実現のため、下請代金法等の執行や相談体制の構築、業界への働きかけで、取引の適正化を進める。
      • 法律の厳正な執行
        • 下請代金法(規制法。下請代金の減額、支払遅延等を禁止。立入検査、改善指導、公取委への措置請求等を実施。)
        • 下請振興法(望ましい取引のあり方(振興基準)を策定・公表し、親事業者等に指導・助言等を実施。)
      • 実態把握・相談対応
        • 下請Gメン(R3:120名→R4:300名)によるヒアリング(年間約4千件→年間約1万2000件)
        • 知財Gメンによるヒアリング
        • 全国47都道府県の下請かけこみ寺による相談対応(年間約10,000件)
      • 業界への働きかけ
        • 業種別ガイドライン(20業種)自主行動計画(23業種・57団体)
        • 価格交渉促進月間(9月、3月)
        • 取引先との共存共栄を発注側企業の経営者が宣言するパートナーシップ構築宣言(25,000社超)
  • 下請適正取引等の推進のためのガイドライン~目的と策定業種~
    • 「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」は、下請事業者と親事業者との間で、適正な下請取引が行われることにより、我が国産業の競争力の維持・向上(親事業者と下請事業者の”win-win”の取引関係の構築)が図られることを目指し、国が策定したガイドライン。
    • 下請法等で問題となりうる行為の例示や、各業界の特性に応じたベストプラクティス事例の例示が主な内容。
      • 策定業種
        • 経済産業省所管業種(13業種)
          • 素形材、自動車、産業機械・航空機等、情報通信機器、繊維、情報サービス・ソフトウェア、広告、建材・住宅設備産業、鉄鋼、化学、紙・紙加工品、印刷、アニメーション制作業
        • 国土交通省所管業種(3業種)
          • 建設業、トラック運送業、造船業
        • 総務省所管業種(1業種)
          • 放送コンテンツ
        • 農林水産省所管業種(3業種)
          • 食品製造業・小売業、水産物・水産加工品、養殖業
  • 中小企業政策審議会 取引問題小委員会(3月17日)
    • 中政審 取引問題小委において、中小企業庁から、「取引適正化のための自主行動計画」を策定した業界団体(約50)に対し、下請Gメンが収集した取引情報(約1万件/年)に基づき、業種ごとに、取引上の課題を指摘したところ。
    • 審議会において、中小企業庁より各業界団体に対し、下請Gメンが聴取した問題事例を交えつつ、以下の課題・改善点を指摘。
      • 各業界団体の「自主行動計画」において、まだ記載されていない事項について、新たに明記すること
      • 自主行動計画に記載はあるが、守られていない可能性がある事項について、遵守・徹底すること
    • 委員/業界団体からは、「指摘を受け止める」との声あり。
    • 加えてトラック業界等からは「荷主としての立場となる業界には、適正な運賃水準となるよう配慮いただきたい」との業界横断的な課題についても要請あり。
    • 今後について、事務局(中企庁)から、「中小企業庁からの指摘や、委員や団体からの意見等も踏まえ、自主行動計画の改善や徹底を、各業界を担当する各省庁を通じて依頼する」旨を発言。

~NEW~
経済産業省 社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント」及び「社外取締役向けケーススタディ集」を作成しました
  • 経済産業省は、社外取締役の質の向上に向けて、社外取締役向けの研修やトレーニングの活用の後押しを図るため、「社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント」及び「社外取締役向けケーススタディ集」を作成しました。
    • 背景・趣旨
      • 経済産業省は、コーポレート・ガバナンス・システム研究会(第3期)(以下「本研究会」という)の議論を踏まえ、2022年7月に「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」の改訂を行い、戦略を実行する経営陣の「執行機能の強化」と、経営陣を規律づける「ガバナンスの強化」を進めることを促しています。
      • 本研究会の議論においては、社外取締役の数が増加する中で、社外取締役の質の向上がコーポレートガバナンス改革の実質化の鍵となることから、取りまとめに当たっては、「研修コンテンツの充実化」が今後の検討課題と位置づけられています。
      • こうした背景を受け、今般、経済産業省では、社外取締役の質の向上に向けて、社外取締役向けの研修やトレーニング(以下「研修等」という)の活用の後押しを図るため、社外取締役の研修等に関する実態調査(研修等の実施機関や企業へのヒアリング調査及び社外取締役へのアンケート調査)を実施し、その調査結果を踏まえて、「社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント」及び「社外取締役向けケーススタディ集」を作成しました。
      • 研修等の活用を通じて、社外取締役の質をより一層高め、社外取締役がその責務や期待される役割を果たせるよう、これらを活用して頂きたいと考えています。
    • 概要
      • 社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント
        • 主に社外取締役やその候補者と、上場企業の関係者を対象に、社外取締役向けの研修等の活用についての理解を広げることを目的として作成したものです。
        • 社外取締役やその候補者が研修等を活用する際や、企業が社外取締役向けの研修等の活用方法や支援体制を検討する際に参照されることを想定しています。
      • 社外取締役向けケーススタディ集
        • 社外取締役やその候補者向けの研修コンテンツの充実を図ることを目的として作成したものです。
        • 社外取締役が取締役会や各種委員会で直面するであろう場面と課題を提示し、社外取締役として求められる行動や留意すべき点等について、「ケース設例」、「解説・回答例」、「補足情報」に分けて記載しています。
        • なお、ケーススタディを題材とする研修等での活用だけではなく、実際に取締役会や各種委員会で課題に直面したときに社外取締役としてどう振る舞うかを考える際に参照されることも想定しています。
    • 関連資料
▼社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント
  1. 社外取締役が、一般的に社外取締役に期待される役割・機能に加え、企業が自身に特に期待する役割・機能を理解すること。企業が、それぞれの社外取締役に期待する役割・機能、期待しない役割・機能を明確にし、社外取締役にも共有・伝達すること。
  2. 企業や社外取締役が、研修・トレーニングの必要性・有益性を認識し、社外取締役の資質等の習得・向上のための手段のひとつとして、研修・トレーニングを活用すること。
  3. 企業が、社外取締役の相互評価や第三者機関の活用等による社外取締役の評価・フィードバックを行い、社外取締役はそれを自身を省みる機会として活用すること。
  4. 研修・トレーニングを実施・受講する際は、研修テーマに応じて座学やグループワーク・ケーススタディを使い分ける等、より効果的になるよう実施・受講形態を工夫すること。
  5. 社外取締役の自社に対する理解を深めるため、就任前・就任時だけでなく就任期間中においても、自社に対する理解を促進させる取組を企業が継続的に行うこと。
  6. 社外取締役が、実際の取締役会等での経験だけではなく、ケーススタディや他社の社外取締役との意見交換・事例共有等の情報交換を通じて適切な振る舞いを身につけること。
  7. 全上場企業・全社外取締役に共通するミニマム・スタンダードとして必要な基本的な知識・スキルの習得と、自身に特に期待される役割・機能に応じた知識・スキルの向上のための継続的な自己研鑽の双方を行うこと。
  8. 企業が、社外取締役が研修・トレーニングをためらいなく受講できるよう、社外取締役に対して受講の機会の提供や斡旋、費用の負担等の支援策を充実させること。
▼社外取締役向けケーススタディ集
▼参考資料1社外取締役への研修等に関する企業へのヒアリング結果
▼参考資料2社外取締役に対する研修等に関するアンケート調査結果

~NEW~
総務省 電気通信事業者による特殊詐欺に利用された固定電話番号等の利用停止等スキームの改定
  • 総務省は、悪質な電話転送サービス事業者が保有している「在庫番号」の利用を一括して制限する対策を実施するため、電気通信事業者による特殊詐欺※に利用された固定電話番号等の利用停止等スキームの改定について、一般社団法人電気通信事業者協会及び一般社団法人日本ユニファイド通信事業者協会に通知しました。
    • ※特殊詐欺(被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振り込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪をいう。以下同じ。)
  • 背景
    • 警察から特殊詐欺に利用された固定電話番号の利用停止等の要請があった場合における電気通信事業者の対応について、令和元年9月に一般社団法人電気通信事業者協会に対して、令和4年11月に一般社団法人日本ユニファイド通信事業者協会に対して、総務省から通知を行い、警察からの要請に基づく利用停止等の対策を行ってきたところです。
    • 昨今の情勢を受け、令和5年3月17日に犯罪対策閣僚会議において「SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン」が決定されました。本プランの決定を踏まえ、悪質な電話転送サービス事業者の保有する固定電話番号等(在庫番号)の利用を一括して制限することができるよう、本スキームの改定を行うものです。
  • スキームの概要
    • 固定電話番号等の利用停止等
      • 都道府県警察は、特殊詐欺に利用された固定電話番号等を認知後、電気通信事業者に対し、当該固定電話番号等の利用停止等を要請する。
      • 当該電気通信事業者は、都道府県警察から要請があった固定電話番号等の利用停止等を行った上、警察庁に対し、当該利用停止等を行った固定電話番号等の契約者(卸先電気通信事業者を含む。)の情報を提供する。
    • 新たな固定電話番号等の提供拒否
      • 警察庁は電気通信事業者に対し、一定の基準を超えて利用停止等の要請の対象となった契約者の情報を示すとともに、同契約者に対する新たな固定電話番号等の提供拒否を要請する。
      • 電気通信事業者は、警察庁から要請のあった者から固定電話番号等の追加購入の申し出があった場合には、一定期間、その者に対する新たな固定電話番号等の提供を拒否する。
    • 悪質な電話転送サービス事業者の保有する固定電話番号等(在庫番号)の利用停止
      • 警察庁は電気通信事業者に対し、一定の要件を満たす場合には、悪質な電話転送サービス事業者の保有する固定電話番号等を一括して利用停止等を行うよう要請する。
      • 電気通信事業者は、警察庁から要請のあった者に対して提供している固定電話番号等について、利用停止等を行う。

~NEW~
総務省 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に対する意見募集
  • 総務省は、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律施行規則(平成17年総務省令第167号)の一部を改正する省令案に関する意見募集について、令和5年6月28日(水)から同年7月31日(月)までの間、意見を募集します。
  • 意見募集対象
    • 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律施行規則(平成17年総務省令第167号)の一部を改正する省令案(別紙1PDFのとおり)
  • 概要
    • 近年、特定IP電話番号(050)を使用した通話を可能とするアプリケーション・ソフトウェアを提供し、移動端末設備(スマートフォンやタブレット端末等)において通話することを可能とするもの(いわゆる050アプリ電話)により特殊詐欺が行われる事態が数多く発生しています。こうした事態を受けて政府全体において取りまとめられた特殊詐欺への対策パッケージ(「SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン」(令和5年3月17日犯罪対策閣僚会議決定))においても、「特殊詐欺の犯行には、匿名での架電を可能とする様々な通信手段が利用されているところ、総務省、警察庁等の関連省庁が連携して施策を推進することにより、こうしたサービスの悪用防止対策を更に強化する」こととされたところです。
    • これを受け、いわゆる050アプリ電話についても、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(平成17年法律第31号)に基づく役務提供契約締結時の本人確認義務の対象とするため、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律施行規則(平成17年総務省令第167号)について、所要の改正を行うことから、本案について広く意見を募集するものです。

~NEW~
総務省 AIネットワーク社会推進会議(第24回)AIガバナンス検討会(第20回)合同会議
▼資料2-2 AIに関する暫定的な論点整理(要旨)
  • はじめに
    • 生成AIの可能性
      • 生成AIの登場は、内燃機関の発明・IT革命と同じく、幅広く生活の質を向上させる「歴史の画期」となる可能性。また、生産性の向上・情報アクセスの改善など、諸課題の解消も期待される。
    • 生成AIと日本の親和性
      • 我が国は、(1)研究・技術水準の高さ、(2)ロボット・AIへの肯定的イメージ、(3)労働人口急減、(4)デジタル化への高いニーズ、(5)きめこまやかさ・創造性など、生成AIとの親和性が高く、大きなチャンス。
    • いま戦略を検討することの重要性
      • 我が国に、AIの勃興とともに再び成長の機運が見えており、諸外国の後塵を拝さないよう、今こそ大胆な戦略が必要。
      • 政府は、人々がAIがもたらす社会変化に対して安心感を持ち、各プレイヤーが予見可能性を持てるようリスクに対応すべき。また、企業・研究者が存分に活動できるインフラ整備を行うべき。
    • これまでの政策と論点整理の関係、論点整理の意義
      • 政府は、これまで「AI戦略2022」や「人間中心のAI社会原則」などを定めてきた。この論点整理は、従来の基本戦略・理念は維持しつつ、急激な技術変化やG7広島サミットで合意されたビジョンと目標(「我々が共有する民主的価値に沿った、信頼できるAI」)等を踏まえ、AI戦略会議の構成員が有識者として、生成AIを中心に課題と方向性などを整理したもの。
  • 基本的な考え方
    • 国際的なルール構築に向けた主導的役割の発揮
      • AIに国境はなく、国際的な共通理解・ルールづくり・相互運用性が重要。我が国は、「広島AIプロセス」などを通じ、議論をリードすべき。
    • リスクへの対応と利用
      • 生成AIの開発・提供・利用を促進するためにも、生成AIの懸念やリスクへの適切な対応を行うべき。いわば、「ガードレール」の設置が必要。
    • 多様な関係者を巻き込んだ迅速かつ柔軟な対応
      • 政府は、広島AIプロセスなどの検討スケジュールも踏まえつつ、マルチステークホルダーを巻き込んだ、迅速かつアジャイルの対応が求められる。
  • リスクへの対応
    • リスク対応の基本方針
      • まずはAI開発者・提供者・利用者等が自らリスクを評価し、ガバナンス機能を発揮する。
      • 必要に応じ、政府を含む多様な関係者によるリスク対応の枠組みを検討・実施する。
      • 既に表面化しつつあるリスクのうち、既存の法制度やガイドライン等を前提に対処できるものは、周知徹底など早急に対応する。
      • 既存の法制度・体制等では対応できない可能性がある場合は、諸外国の検討なども参考に対応を検討すべき。
      • 将来生じ得るリスクについては、そのリスク把握に随時努める。
    • 透明性と信頼性
      • AI開発者・提供者には、現行法令やガイドラインに則り、積極的な情報開示を求めたい。
      • 政府は、主要なAI開発者・提供者に対して、透明性・信頼性の確保を直接働きかけることも検討すべき。
      • 生成AIの普及を踏まえ、既存のガイドラインに関して、必要な改定などを検討する必要がある。その際、諸外国における検討とも協調し、第三者認証制度や監査制度等も参考とすべき。
      • 顕在化したリスクを低減するような技術の研究開発・普及を奨励することも望ましい。
    • 懸念されるリスクの具体例と対応
      • 機密情報の漏洩や個人情報の不適正な利用のリスク
      • 犯罪の巧妙化・容易化につながるリスク
      • 偽情報などが社会を不安定化・混乱させるリスク
      • サイバー攻撃が巧妙化するリスク
      • 教育現場における生成AIの扱い
      • 著作権侵害のリスク
      • AIによって失業者が増えるリスク
  • AIの利用
    • 生成AIは、デジタル化を加速させ、我が国全体の生産性向上のみならず、様々な社会課題解決に資する可能性がある。
    • AI利用を加速するため、医療や介護・行政・教育・金融・製造等のデータ連携基盤の構築・DFFT構想の具体化・人材育成・スタートアップの事業環境整備を進めるべき。
    • 政府機関が一体となって、機密情報漏洩のリスクなどに配慮しつつ、率先して生成AIの利用可能性を追求することが重要。
    • 幅広い世代が生成AIの恩恵を享受できるよう、スキル・リテラシーを身に付けることが大切。
  • AI開発力
    • 生成AIに関する基盤的な研究力・開発力を国内に醸成することが重要。政府は、AI開発におけるインフラとも言うべき、計算資源とデータの整備を行うことが最も重要。
    • 計算資源を活用するための電力調達が課題。地方のデータセンターの活用を含め、電力を有効活用する方策の検討が必要。
    • 開発に用いることのできる日本語を中心とするデータの整備・拡充を進めるべき。
    • また、生成AI自体の開発は、市場原理を最大限尊重した、民間活力を十分活用した従来型ではない開発促進策が期待される。世界からトップ人材が集まる研究環境の構築も期待される。
  • その他
    • 安全保障に関わる論点については、情報管理上の必要性に応じて、専門部署による議論に委ねる。
    • 従来型のAIとの適材適所による使い分けも念頭に置くべきである。
    • 政府は、AI戦略会議・AI戦略チームを軸に、各省協力しながら政策を立案・推進していく必要がある。
    • AI戦略会議は、「広島AIプロセス」に対しても貢献していく。
    • 政府が本論点整理を踏まえた政策を実現するに際しては、広く国民や事業者からの意見を聴くことが重要である

~NEW~
総務省 サイバーセキュリティタスクフォース(第44回)
▼資料44-3 「ICTサイバーセキュリティ総合対策2023」(案)の概要
  • サイバーセキュリティに関する政策動向
    • 国家安全保障戦略の策定(2022/12)
    • 経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に係る基本方針の策定(2023/4)
  • サイバーセキュリティ全般を巡る動向
    • サイバー攻撃リスクの拡大(安全保障を巡る状況の緊迫化等)
    • 情報通信ネットワークへの依存度の更なる高まり
  • 今やサイバー空間は、あらゆる主体が利用する公共空間となり、サイバー攻撃も政府機関や重要インフラのみならず、あらゆる主体が標的となっていることを踏まえれば、平時から官民を挙げて我が国全体としてサイバーセキュリティを強化していくことが重要。
    • 情報通信ネットワークの安全性・信頼性の確保
      • 総合的なIoTボットネット対策の推進(NOTICEの延長・拡充、フロー情報の分析によるC&Cサーバの検知に関する実証等)
      • 情報通信分野におけるサプライチェーンリスク対策(SBOM導入可能性の検討、スマートフォンアプリ検証等)
      • トラストサービスの普及(タイムスタンプの認定制度の必要な見直しの検討、eシールの認定制度創設を含めた検討等)
    • サイバー攻撃への自律的な対処能力の向上
      • 今年度から本格運用を開始するCYNEX(サイバーセキュリティ統合知的・人材育成基盤)の活動強化
      • CYNEXを活用した「政府端末情報を活用したサイバーセキュリティ情報の収集・分析に係る実証事業(CYXROSS)」の開始
      • NICTが実施する実践的サイバー防御演習(CYDER)について、重要インフラ事業者への提供拡大やオンライン演習の改良等、演習規模の拡大を検討するとともに、サイバー安全保障分野における人材育成への活用等を推進
      • 2025年大阪・関西万博に向けた、サイバー防御演習(CIDLE)の推進
    • 国際連携の推進
      • 日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)の拡充(プログラムの充実、有志国との連携強化等)
      • 大洋州島しょ国向けのセキュリティ人材育成支援プロジェクトの立ち上げを検討
    • 普及啓発の推進
      • テレワークセキュリティガイドライン・チェックリストの一層の周知と、ガイドライン類の改正を検討
      • 地域SECUNITYにおける先進的な取組の横展開の推進等更なる強化支援
      • こどもや高齢者に向けたサイバーセキュリティの普及啓発の強化
  • 情報通信ネットワークの安全性・信頼性の確保
    • 総合的なIoTボットネット対策の推進
      • サイバー攻撃の大規模化・巧妙化・複雑化を踏まえ、DDoS攻撃のように情報通信ネットワークの機能に支障を生じさせるような大規模サイバー攻撃に対応するため、総合的なIoTボットネット対策を講じていく
    • その他情報通信ネットワークにおけるサイバーセキュリティ対策の推進
      • 悪性Webサイトの検知技術・共有手法の実装可能性検証及びISPにおけるネットワークセキュリティ技術の導入及び普及促進に関する調査を引き続き実施する。また、広く普及が進むクラウドサービスや5Gサービス等におけるサイバーセキュリティの確保に加え、これらを横断する課題としてのサプライチェーンリスク対策等の取組を強化する。
    • トラストサービスの普及
      • 既に整備した国によるタイムスタンプに係る認定制度等を引き続き適切かつ確実に運用・普及啓発するとともに、政府におけるデータ戦略、特にトラストを確保する枠組みの実現に向けた検討の動向を踏まえ、各種トラストサービスの普及に向けた取組を推進する。
  • サイバー攻撃への自律的な対処能力の向上
    • CYNEX(サイバーセキュリティ統合知的・人材育成基盤)等の推進
      • 我が国の企業を支えるセキュリティ技術が過度に海外に依存する状況を回避・脱却し、サイバー攻撃への自律的な対処能力を高めるため、国内でのサイバーセキュリティ情報生成や、人材育成を加速するエコシステムを構築する。
    • 研究開発の推進
      • 安全保障の観点を含む我が国をとりまく現下の課題認識に基づき、サイバーセキュリティに係る実践的な研究開発を推進する。その際、Beyond 5Gや耐量子計算機暗号、AI等の中長期的な技術トレンドを視野に入れ、IoT機器を様々な方法で悪用するサイバー攻撃等、変性する脅威に対抗する柔軟な取り組みが求められる。
    • 人材育成の推進
      • 人材不足に起因したインシデントの発生や被害の拡大が相次ぎ、サイバーセキュリティ人材の育成が喫緊の課題となっていることからNICTナショナルサイバートレーニングセンターにおいて実施する実践的サイバー防御演習(CYDER)や万博向けサイバー防御講習(CIDLE)等の人材育成の取組を拡充することが求められる。
  • 国際連携の推進
    • サイバー空間は国境を越えて利用される領域であり、サイバーセキュリティの確保のためには国際連携の推進が必要不可欠であることから、各国政府・民間レベルでの情報共有や国際標準化活動に積極的に関与する。また、世界全体のサイバーセキュリティのリスクを低減させる等の観点から開発途上国に対する能力構築支援を行うとともに、国内企業のサイバーセキュリティ分野の国際競争力向上を図る取組も推進する。
    • G7デジタル技術大臣宣言、安全で強靱なデジタルインフラの構築に向けたG7アクションプラン及び2023年5月の日米豪印首脳会合共同声明を踏まえ、引き続き、情報の自由な流通の確保を基本とする考えの下、当該理念を共有する国を中心に、能力構築支援や国際標準化の分野における連携強化のため二国間・多国間の関係性構築を推進
    • 情報共有自動化等に向けた日米ISAC間連携の継続
    • EUをはじめとする他の国・地域のISAC関連組織との連携促進
    • ASEAN地域における民間レベルでの脅威情報共有基盤を活用したワークショップの検討等
    • オンライン・オンサイトで受講可能なプログラム拡充
    • 有志国との第三者連携や国内企業との連携の強化
    • 研修等への参加者のすそ野拡大
    • ASEAN以外のインド太平洋地域における能力構築支援の検討
    • 5Gセキュリティ等の我が国の取組について、国際標準化等の可能性について継続的に検討
    • 「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の理念に整合しない動きに対して、必要な連携を強化
    • 我が国における成功事例の海外展開や日本の製品・サービスの海外プロモーションを推進
  • 普及啓発の推進
    • ”Cybersecurity for ALL”の観点から、事業者であれば地域や事業・業種を問わず、個人であれば世代を問わず、サイバーセキュリティ対策の穴を作らないよう、ターゲットの課題と特性に合わせた普及啓発を推進する
    • 「テレワークセキュリティガイドライン」(2021年5月改定、第5版)及び「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)」(2022年5月改定、第3版)の一層の周知
    • 実態調査結果を踏まえたガイドライン類の改定検討
    • 地域の取組への支援を継続するとともに、先進的な取組について、他地域への横展開を推進
    • 「サイバー攻撃被害に係る情報の共有・公表ガイダンス」について、関係省庁と連携しつつ、所管事業者等に対して、普及啓発を推進
    • 「e-ネットキャラバン」について、サイバーセキュリティの普及啓発に資する取組内容の充実を検討
    • 「デジタル活用支援推進事業」について、サイバーセキュリティに関する講座の利活用に向けた検討

~NEW~
総務省 富士通株式会社に対する通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保に係る措置(指導)
  • 総務省は、本日、富士通株式会社(代表取締役社長 時田 隆仁)に対し、同社において発覚した通信の秘密の漏えい事案に関し、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保の徹底を図るとともに、再発防止策を含む対策等を早急に講じ、その実施結果を報告するよう、文書により指導しました。
  • 経緯等
    • 富士通株式会社からの報告により、同社が提供する企業向けネットワークサービス「FENICS」において、ネットワーク機器に対して外部から不正侵入を受け、令和4年3月から同年11月までの間に、複数回にわたって、同サービスを利用して通信を行った顧客の通信情報が外部に流出した事案が発覚しました。
  • 措置の内容等
    • 本事案は、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第4条第1項に規定する通信の秘密の漏えいがあったものと認められることから、総務省は本日付けで同社に対し、
      • 再発防止策を早急に講じること
      • 同事案の影響範囲の把握を速やかに完了させ、利用者への十分な支援等の対応を行うとともに、二次被害が発覚した場合にも適切な対応を行うことを徹底すること
      • 通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保の在り方について、全社的な体制に構造的な問題がないか等を検証の上、再発防止に向けて、経営陣の関与の強化や、社内のセキュリティ意識の向上のための実効的な措置を講じること
        について、文書による指導を行いました。
  • 総務省は、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保を図るため、引き続き、必要な指導・監督に努めてまいります。

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国土交通省 「民間投資による良質な都市緑地の確保に向けた評価のあり方検討会」 中間とりまとめを公表
▼中間とりまとめ(概要版)
  • 今般、都市緑地の確保に繋がる取組の評価のあり方について議論・検討を行うことを目的に国土交通省に設置された「民間投資による良質な都市緑地の確保に向けた評価のあり方検討会」(座長:柳井重人千葉大学大学院園芸学研究院教授)において、これまでの議論・検討の結果が「中間とりまとめ」としてとりまとめられましたので、公表します。
  • 背景
    • 都市を取り巻く社会情勢の変化のうち、気候変動対策、生物多様性の確保、Well-beingの向上について、これらの課題解決に向けた積極的な対応が求められている。
  • 方向性
    • グリーンインフラとして多様な機能を有し、課題解決に大きな役割を果たす都市緑地の質・量の確保を官民で連携して一層推進する必要がある。
    • 特に、ESG投資等の世界的な広がりを踏まえると、市場の中で緑地確保が進むよう民間投資を誘導する観点がより広い効果の発現をもたらす上でも重要である。その際、良質な緑地の確保のインパクト等が見える化されると、投資家や消費者等に選択されやすくなり、資金の流れの創出が期待される。その手段として良質な緑地を確保する取組の評価・認証制度の構築が重要である。
  • 制度の枠組み
    • 制度の安定性や統一性を確保しつつ、国際的な目標との整合等を図るため、国が評価機関をオーソライズした上で、当該機関が個別の事業者の取組を評価・認証する枠組みが有効である。
    • 評価にあたっては、「気候変動対策」、「生物多様性の確保」、「Well-beingの向上」の3つの視点とともに、緑地の機能を継続的・安定的かつ最大限発揮するための「マネジメント・ガバナンス」、「土地・地域特性の把握・反映」の視点や、これらを通じて「地域の価値向上」を目指すことが重要である。

~NEW~
国土交通省 国土交通省 「令和5年版国土交通白書」を公表します~デジタル化で変わる暮らしと社会~
▼【資料1】令和5年版国土交通白書 概要
  • 直面する課題とデジタル化の役割
    • 近年、デジタル化は急速に進展しており、国際社会や企業活動、そして一人ひとりのライフスタイルに至るまで、そのありようを変化させている。また、人口減少による地域の足の衰退や担い手不足、気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化、脱炭素化等が大きな課題となっている。
    • 技術の進歩は、これまでも私たちの生活や経済社会を大きく変革してきたが、デジタル化の特性を踏まえて効果的に取り込むことにより、直面する課題を解決し、豊かな暮らしと社会を実現することが重要である。
    • このような中、デジタル庁の発足、デジタル田園都市国家構想総合戦略の策定等、政府はデジタル化の取組みを進めており、とりわけ、国民の生命・財産を守る防災、日々の生活に密着した交通・まちづくり、暮らしや社会を支える物流・インフラ、そして行政手続のデジタル化など、「国土交通分野のデジタル化」は、持続可能で活力ある豊かな暮らしと社会を形作る上で必要不可欠であり、その取組みの加速化にあたって、同分野のデジタル化の動向や今後の展望について考察することが肝要である。
    • こうした背景を踏まえ、「デジタル化で変わる暮らしと社会」をテーマとし、国土交通分野のデジタル化の動向について現状を俯瞰するとともに、同分野のデジタル化により実現を図る豊かな暮らしと社会の展望について考察する。
    • 我が国では人口減少・少子高齢化が進行しているとともに、地域の足を支える乗合バスは、特に人口減少が進展する三大都市圏以外で、輸送人員の減少、収支の悪化といった厳しい状況にある。このままの状況が続けば、暮らしを支える生活サービス提供機能の低下・喪失のおそれがある。
    • デジタル化による生活サービス提供機能の維持・向上により、暮らしを支えていくことが求められる。
    • 我が国経済は、成長を維持しているものの近年伸び悩んでおり、例えば、実質GDPの成長率については、他の主要先進国と比べ緩やかに推移している。
    • 近年、AI、IoT、ロボット、センサなどのデジタル技術の開発・実装が世界的に進展し、生産や消費といった経済活動を含め経済社会のあり方が大きく変化しつつある中、デジタル化を通じ、新たな付加価値・イノベーションの創出を図り、経済成長の維持・向上を図ることが期待される。
    • 建設業及び運輸・郵便業の労働生産性は、全産業平均より低い水準で推移しているとともに、我が国の就業者はここ20年で急速な高齢化が進行しており、今後、国土交通分野の業種においても担い手不足の深刻化が懸念される。
    • 生産年齢人口が減少する一方、女性・高齢者の就業率上昇により、就業者数は増加している中、機械化・自動化等により効率化を図り、デジタル化による生産性向上や働き方改革の促進により、担い手不足の解消を図ることが求められる。
    • 近年、災害の激甚化・頻発化により、甚大な被害が発生しているとともに、今後、気候変動に伴い災害リスクが更に高まっていくことが懸念される中、ハード・ソフト一体となった防災・減災対策が重要である。また、我が国は、人口の約3割が65歳以上の高齢社会であり、災害による被害を受けやすい要配慮者を含め、ひとり一人のニーズに応じたきめ細やかな対応が課題である。
    • 激甚化・頻発化する自然災害に対し、デジタル化を通じた防災・減災対策や情報提供の高度化により対応していくことが期待される。
    • 我が国は、2030年度に温室効果ガス46%削減(2013年度比)や2050年カーボンニュートラルの実現を目指し取組みを加速化しており、消費エネルギーの削減が課題である。
    • デジタル技術を活用することで、消費エネルギーの削減や再生可能エネルギーの普及・拡大を図ることが求められる。
    • デジタル社会形成に向けては、2019年に発足したデジタル庁を中心として、世界の趨勢を踏まえつつ、国や地方自治体、民間企業などの関係者が連携し、行政手続のデジタル化やIT人材の確保等の取組みを推進していくことが求められている。
  • デジタル実装の現在地と今後への期待
    • 地方における仕事や暮らしの向上に資する新たなサービスの創出、持続可能性の向上、Well-beingの実現等のため、デジタル化の恩恵を国民や事業者が享受できる社会を目指す「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けた取組みを推進していくことが重要である。
    • 社会課題の解決に向けて、AI、ドローン、ロボット、自動運転技術といったデジタル技術の動向を踏まえつつ、デジタル化の特性を踏まえ、効果的に取り込んでいくことが重要である。
    • デジタル化に対する人々の捉え方について、年代により差異があることがうかがえる。
    • デジタル化により可能となる暮らしの実践状況と今後の意向について、暮らしに身近なサービスに対するデジタル活用の意向がうかがえる。
    • デジタル化による社会課題の解決に対する人々の期待度と満足度について、期待度は全分野で5割を超えており、特に「行政手続のDX」、「防災分野のDX」等では期待度が7割以上と高かった。一方で、期待度に比べて満足度はいずれの項目においても5割を下回り、今後取組みの余地があることがうかがえる。
    • 都市規模別で見ると、期待度が最も高かった行政手続について、大都市ほど期待度も満足度も高い傾向となり、都市規模による差異がみられた。
    • 我が国は、あらゆる分野でのデジタル化を政府一体となって進めており、このうち特に、国土交通省においても、行政手続のデジタル化推進とともに、防災、交通、まちづくり、物流、インフラの分野において、暮らしと社会を支える取組みを一層推進している。
    • 公共交通の維持困難化や、物流分野・インフラ分野における担い手不足等の社会課題に対して、デジタル技術を活用した解決への期待度が高いことがうかがえる。
    • 取り組むべき施策の優先度については、調査項目すべてについて、優先度が高いと思うと答えた人の割合が6割を超えた。
    • 近年、デジタル化が急速に進展する中、防災、交通・まちづくり、物流・インフラ、そして行政手続など、「国土交通分野のデジタル化」の一層の推進を図るべく、第2章第1節では、国土交通省のデジタル化施策の方向性について整理する。
    • デジタル化施策の推進にあたっては、個々人の多種多様な環境やニーズを踏まえ、利用者目線できめ細かく対応し、誰もがデジタル化の恩恵を享受できる「人に優しいデジタル化」に向けて取り組んでいく。特に、防災、交通など、国民生活に密着した分野のデジタル化を中心に、個人のニーズに応じた最適なサービスが提供されるよう取り組んでいく。
  • 国土交通省のデジタル化施策の方向性
    • 災害が激甚化・頻発化する中、従来の対応のみでは限界があり、情報分野での取組みが必要不可欠。
    • 平時・発災前・発災後のあらゆるフェーズでデジタル化に取り組み、地域の災害リスクに応じた対応やきめ細かな防災・減災対策、防災情報の提供・避難支援など、防災分野で国民一人ひとりの状況に応じた人に優しいデジタル化を一層推進していく。
    • まちづくりが新たな価値を生み出すためのプラットフォームとして役割を果たすため、従来のまちづくりの仕組みそのものを変革し、新たな価値創出や課題解決を実現する、デジタル・トランスフォーメーションが必要。
    • スマートシティの取組みや3D都市モデルの構築とともに、新技術やデータ利活用を促進し、人間中心のまちづくりの実現に向けて取り組んでいく。
    • これまで増加する交通需要に対応する効率的な交通システムを進めてきた一方、交通サービスの維持・確保が困難となる地域が増加。デジタル化は交通事業に変革を促し、行政の制度や規制のあり方が問われている。
    • MaaSや自動運転などの社会実装により、地域公共交通ネットワークの「リ・デザイン」(再構築)を推進していく。
    • 物流業界では、トラックドライバーへの時間外労働の上限規制適用を控え、担い手不足が今後更に深刻化することが懸念されるほか、カーボンニュートラルへの対応も求められており、生産性の向上が喫緊の課題。
    • 物流施設における機械化・自動化やドローン物流の実用化、物流・商流データ基盤の構築や物流標準化を推進していく。
    • 社会ニーズや要請に対する施策展開を従来の「常識」にとらわれず柔軟に対応していくことが重要である。
    • 陸海空のインフラ整備・管理など社会資本整備の担い手として国民の安全・安心を守るとともに、より高度で便利な行政サービスを提供すべく、関係者との連携・協調によりインフラ分野のデジタル化を推進していく。
    • 国土交通省は、国土交通行政のデジタル化を推進するとともに、国土交通分野における諸施策の総合的かつ効果的な推進を目指し、横断的な取組みを行っている。
    • デジタル技術の飛躍的な進展を活用し、事業改革・業務改善を通じて国土交通行政の諸課題に対応するべく「国土交通DX」を推進していく。
  • 新しい暮らしと社会の姿
    • 国土交通分野のデジタル化の一層の推進を図ること等により、一人ひとりのニーズにあったサービスが受けられ、住む場所や時間の使い方が選択できるよう取り組むとともに、「持続可能で活力ある豊かな暮らしと社会」を実現することが重要である。ここでは、「国民意識調査」の結果を紹介しつつ、デジタル化による暮らしと社会の変化とともに、新しい暮らしと社会の姿について将来を展望する。
    • 実現が望まれる将来の暮らしと社会としては、世代を問わず期待の高かった災害リスク管理等の安全・安心への取組みや一人ひとりのニーズにあったサービス、住む場所や時間の使い方を選択できる社会に向けた取組みを加速させるとともに、次世代を担う若者からの期待度が高い仮想空間の活用にも取り組み、デジタル技術を最大限活用したより良い社会の実現を図っていくことが重要である。
    • デジタル化は時間と空間の制約を取り払うこともあり、デジタル化により時間の使い方が変化するとともに、居住地に対する人々の潜在ニーズが顕在化し、これまでとは違った社会移動が生じる可能性も考えられる。
    • デジタル技術の発達により、住む場所の選択肢が増え、多様な暮らし方ができる社会が実現した場合、これまでとは違った社会移動が生じる可能性も考えられる。
    • 「国民意識調査」で示された人々の社会移動の希望を加味し、国立社会保障・人口問題研究所「地域別将来推計人口」をもとに簡易なシミュレーションを行ったところ、県庁所在地や中核市での居住に対する潜在ニーズがうかがえた。
    • デジタル技術の発達により住む場所の選択肢が増えた場合、県庁所在地や中核市での居住希望を持つ人は、その他の市部・町村部に加え、関東圏・近畿圏の市部等の居住者にも一定数存在していることがうかがえた。
    • デジタル化が進んだ将来の居住地選定において、日常生活の利便性や生活コストの安さが重視されていることがうかがえる。
    • 生活コストの安さについては、三大都市圏より地方圏の方が優位にあることがうかがえる。
    • デジタル化は、時間と空間の制約を取り払うこともあり、地域が直面する課題を解決する可能性を飛躍的に増大させるとともに、データ収集、アイデアや手法の共有を容易にする力を持っている。今後、国民や政策ニーズの変化に迅速に対応すべく、効果的にデータを収集・活用し、デジタル化により暮らしやすさを実現していくことが求められる。
    • 人口減少が進む地方において、デジタル技術を活用し、生活サービス提供の効率化等を図るとともに、これまでは場所や時間の制約で実現できなかった生活サービスの実現可能性を高めるなど、リアルの地域空間の生活の質の維持・向上を図ることが期待される。
    • 持続可能で活力ある地域づくりを目指すにあたっては、地域が主体となって、自らの地域ビジョンを描き、そこに向けた地域活性化の取組みを進めていくことが重要である。
    • 仮想空間では、各人がどこにいても実際に一つの場所にいるかのような体験ができることなどの特徴がある。例えば、メタバースはインターネット上の仮想空間であり、利用者はアバターを操作して他者と交流するほか、仮想空間上での商品購入等の試験的なサービスも行われており、メタバースを活用したサービスの市場規模は拡大傾向にある。
    • また「Project PLATEAU」では、まちづくりや地域活性化・観光等の様々な分野において、都市のデジタルツインによるメタバース空間を活用したソリューションを開発している。
    • メタバースによって新たな市場が創出、拡大していくことは新たなサービスの創出への機会となる。一方で、メタバースによって、時間や空間の制約が取り払われ、仮想空間において価値が生み出され、移動をせずとも目的を達成できるようになることは、現実空間や移動の価値について再定義が求められているとも考えられ、その特性を捉えていくことが必要である。
    • 今までリアルで対応しなければいけなかったものも、デジタル仮想空間上で対応すれば、わざわざ移動する必要がない将来における考え方として、国民の多くは、仮想空間では代替できないリアルに対する価値を認識していることがうかがえる。
    • 仮想空間の充実により、例えば自宅にいながら仕事・買い物などが可能となり、物理的な障害に制約されず活動できるとともに、移動を余儀なくされる機会が減少することも考えられる一方、人との交流や現地の状況を五感で感じるなど、リアルに対する価値が存在し、「現地に行く」ための移動需要は存続することが予想される。
    • 仮想空間の活用により、移動時間の短縮など効率化のみならず、物理的制約のために普段訪れることのできない観光地や商業施設を体験することなどが可能となることや、旅行意欲・消費意欲が誘発されて交流人口の拡大が図られるなど、多様な効果も考えられる。
    • 物理的制約のために連携できなかった主体とコミュニケーションを図ることが可能となり、創造的な製品・サービスの開発も期待される。
    • 仮想空間と現実空間とを高度に融合させたシステムを前提として、新しい価値を創出していくことが可能となる。仮想空間と現実空間の相互作用により、新たなサービスが創出され、より暮らしやすい社会の実現が図られることが考えられる。
    • デジタル仮想空間と人々の接点となる新たなヒューマンインターフェースの開発・実装等と相まって、都市のデジタルツインの構築・利活用を図ることなどにより、人々の活動・体験の高度化・多様化を支える環境づくりが重要である。行政やデベロッパーなどの開発側と住民を結ぶ実用的なコミュニケーションツールの開発や活用が期待される。
    • 3D都市モデルを活用したオープンイノベーションの促進に向けた足元の動きなど、仮想空間の活用に向けて進められている取組みが見られる。
    • 我が国の社会課題の解決に資するデジタル化が加速した新しい暮らしと社会の姿について、一人ひとりのニーズにあったサービスが受けられ、人に優しいデジタル化が図られるとともに、私たちの暮らしや社会がより豊かになる側面に焦点を当てて展望。
    • 新しいライフスタイルについて、デジタル活用により、働き方や余暇の過ごし方、デジタル化との付き合い方など、暮らしの様々な側面でこれまでにない新しいライフスタイルの選択肢が提供されている。
    • デジタル化により、インフラメンテナンスや物流が変化し、産業のあり方が変わるとともに、デジタルツインや3Dモデルなどの活用により、新しいサービスや体験等が可能となり、これまでにない革新的な取組みが展開され、Well-beingが向上している。

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