危機管理トピックス

総合経済対策の策定について(内閣府)/労働条件明示のルール改正(厚労省)/過労死等防止対策白書(厚労省)

2023.10.16
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更新日:2023年10月16日 新着16記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • バーゼル銀行監督委員会による議事要旨及び「2023年の銀行を巡る混乱に関する報告書」の公表について
  • 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
内閣官房
  • デジタル行財政改革会議(第1回)議事次第
  • 花粉症に関する関係閣僚会議(第3回)議事次第
首相官邸
  • 食料安定供給・農林水産業基盤強化本部 食料安定供給・農林水産業基盤強化本部(第5回)議事次第
  • 認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議
国民生活センター
  • 屋根工事の点検商法のトラブルが増えています-典型的な勧誘トークを知っておくことで防げます!-
  • 【20代トラブル急増中!18・19歳も!】転売チケットトラブル
厚生労働省
  • 11月は「過労死等防止啓発月間」です~過労死等防止対策推進シンポジウムや過重労働解消キャンペーンなどを実施~
  • 第62回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
  • 令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます
  • 「令和5年版 過労死等防止対策白書」を公表します~睡眠と疲労、うつ傾向及び主観的幸福感などの関係について調査分析~
国土交通省
  • 安全に取り組む優良な貸切バス事業者を新たに認定しました~ 安全な貸切バスを選ぶことができます!~
  • 「リスク管理型の水資源政策の深化・加速化について」提言

~NEW~
内閣府 令和5年第13回経済財政諮問会議
▼資料1 総合経済対策の策定について(経済財政政策担当大臣提出資料)
  • コストカット型経済から脱却し、新たなステージへ移行する歴史的チャンス
    • 設備投資に続き、物価や一人当たり賃金が上昇し、賃金と物価の好循環が生じつつある。
    • バブル崩壊後30年来のコストカット型経済から脱却できる歴史的チャンスを迎えている。
  • 「新たなステージ」に向けた総合経済対策の役割
    • コストカット型経済から、活発な設備投資や賃上げ、人への投資による経済の好循環、熱量あふれる「新たなステージ」への変革に向け、総合経済対策でスタートダッシュを行う。
    • 総合経済対策の役割
      • 足元の物価高から国民生活を守る。今こそ、成長の成果を国民に適切に還元する。
      • 長年続いたコストカット型経済から、活発な設備投資や賃上げ、人への投資による経済の好循環、熱量あふれる新たなステージに移行するチャンスであり、経済対策でスタートダッシュ。
      • 目指すべき
      • 人口減少を乗り越え、新技術や生産性が牽引する高い成長力
      • 「成長と分配の好循環」による適度な物価上昇とそれを上回る賃金上昇 など
  • 第1の柱 足元の急激な物価高から国民生活を守る
    • 継続する物価高が国民生活を圧迫。
    • 電気・ガス、ガソリン、食料品など身近な品目の物価上昇が大きく、賃金は上昇しているものの、低所得世帯を中心に、回復を実感しにくい状況。
    • 物価高による生活圧迫は、消費を抑制し、景気を下振れさせるリスクに。
    • リスクが顕在化すれば、動き始めた経済の好循環が後戻りしかねない。
    • 足元の急激な物価高から国民生活を守る。今こそ、成長の成果を国民に適切に還元する。
    • 景気下振れリスクに対応し、動き始めた経済の好循環の流れを戻さず、コストカット型経済に後戻りさせない
  • 第2の柱 地方・中堅中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長の実現
    • 30年ぶりの高い賃上げを中堅・中小企業や地方に浸透させ、一過性に終わらせない。
    • 今春は、業績改善がなくても賃上げに踏み切った中小企業も多く、生産性向上を伴う構造的な賃上げが課題。
    • 地方や中小サービス産業を中心に、人手不足が深刻化。インバウンド需要の取りこぼしなど地方の成長の制約に。
    • 地方・中堅中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する。
    • <検討中の施策例>
      • 賃上げ税制の減税制度の強化の検討
      • リ・スキリング支援等を含め、構造的賃上げに向けた労働市場改革
      • 中小・小規模企業の賃上げ・人手不足解消のため、省人化・省力化投資の簡易で即効性のある支援
      • 農林水産品の輸出拡大、海外市場開拓 等
  • 第3の柱 成長力の強化・高度化に資する国内投資の促進
    • GDPギャップが解消に向かう中、日本経済の潜在成長力の強化が課題。
    • 人手不足の顕在化、世界需要の取りこぼしなど、供給制約が成長の足かせに。
    • 潜在成長力を高めないと、海外ショックやインフレに脆弱な経済となるおそれ。
    • 新技術イノベーションの社会実装、フロンティア開拓等を通じた生産性向上、成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進。海外需要を取り込める高い成長力を実現する。
    • <検討中の施策例>
      • 長期投資が不可欠な戦略分野の投資促進に向けた減税制度創設の検討
      • 無形資産投資を後押しする、特許権等の知的財産から生じる所得に関する減税制度創設の検討
      • 宇宙・海洋等先端技術開発や技術実証、商業化支援 イノベーションを牽引するスタートアップ等の支援 等
  • 第4の柱 人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動・推進
    • 人口減少・少子高齢化の下、人手不足が常態化。
    • 地方の生活インフラを支える行政・公的サービス、物流、教育、医療・介護など、労働力人口の減少に対応する社会変革が急務。
    • デジタル技術の活用を徹底し、地方の活性化や行政・公的サービスの提供の高度化・効率化を推進する。
    • 人手不足下における国民・企業の創意工夫・事業意欲を後押しするなど、様々な手法で社会課題にきめ細かく対応する。
    • <検討中の施策例>
      • デジタル田園都市国家構想の全国展開
      • 公共サービス・行政手続きのデジタル改革
      • 教育・医療・介護等のDX改革
      • 人手不足対策
      • 認知症対策 等
  • 第5の柱 国民の安全・安心の確保
    • 気候変動の影響等により、線状降水帯による豪雨や記録的大雨が相次ぐなど、自然災害の激甚化・頻発化が顕著。
    • 厳しさを増す外交・安全保障環境の変化、こども・若者の性被害防止など、国民の安全・安心の確保に対し、改めて向き合う必要。
    • 相次ぐ災害に屈しない国土づくりを進めるとともに、厳しさを増す外交・安全保障環境の変化に対して適切に対応を講じるなど、国民の安全・安心の確保に向けて万全を期す。
    • <検討中の施策例>
      • 防災・減災、国土強靱化の機動的な推進
      • ALPS処理水の処分に関する風評影響や生業継続に対する不安等への対応
      • 自衛隊の対処能力強化、戦略的海上保安体制の強化
      • こども・若者の性被害防止のための緊急対策
      • 花粉症対策 等
▼資料2 総合経済対策による新たなステージへの移行(有識者議員提出資料)
  • 新たな経済対策によって、「持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済」への新たなステージに移っていく必要がある。
    • 低物価・低賃金・低成長に象徴される、従来の「コストカット型経済」ではなく、企業収益と賃金・資産所得の拡大に支えられて「成長と分配の好循環」へ。
    • その循環エコシステムを支える源泉は、「社会課題の解決」。脱炭素やエネルギー問題、高齢社会と健康・活力、女性活躍、共助社会の構築等への対応が、新しいビジネスフロンティアを拡大。
    • 持続的賃上げと適度で安定的な物価上昇の下、国民生活の安定と可処分所得の拡大。賃金や生涯所得に加え、人々のやる気、希望、社会の豊かさ(ウェルビーイング)を広げ、「明日は今日よりも良くなる」社会を実現させる。
    • そのために、民間のグローバル展開、イノベーション創造、活発な新陳代謝に重点を置き、政府はインフラ投資、DX、人材、環境等の外部性のある分野等、民間だけでは対応が難しい分野に投資し、民間活動を支える。
    • GDPギャップが解消に向かう中、物流のボトルネック解消や半導体のような地方における投資、エネルギー安全保障や食料安全保障にかかわる投資をはじめ、特に2~3年以内に供給力強化に資する施策に資源を集中させる。減税や制度改革を活用した民間投資促進、質の高い労働供給の拡大、消費につながる所得拡大策についてデジタル化を加速しながら推進。その際、各種の施策を中長期の計画の中で位置付け、企業の予見可能性を高め、民間投資を喚起することが重要。
    • できる限り早期に、国民が安心した将来を見通せる全世代型社会保障を構築する。
  • 総合経済対策に求められる役割と変革期間の対応
    • 物価高と需要抑制のリスク、中国経済をはじめとする世界経済の鈍化へのリスクといった短期的課題への対応。物価対策は、経済・物価動向を注視しつつ、厳しい状況の方々をきめ細かく重点的に支援。その際、激変緩和策という趣旨を明確化し、平時を見据えたものに。
    • 新しいフロンティア、ライフスタイル・働き方について、社会変革の大きなうねりを引き起こすための、社会実装の加速・見える化、政策総動員による効果最大化(参考参照)。
  • (参考)社会変革により実現すべき将来像と必要な施策
    • 賃上げ、投資拡大等の様々な社会課題は相互に連関しており、日本の経済社会の姿を俯瞰して将来像を構想した上で、取り組むべき施策を検討することが重要。例えば以下の課題に対して、予算・税制・制度をパッケージとして取り組むことで、社会変革を実現すべき。
  • 構造的賃上げ
    • 【課題】過去30年間で最大の賃上げ率だが、「物価高に負けない賃上げ」には至っていない。
    • 【将来像】持続的賃上げが実現、可処分所得・生涯所得の見通しが高まり、「明日は今日よりも良くなる」社会を実感できる。
    • 【施策例】賃上げ税制の強化(税)、補助金や公共調達での賃上げ企業の支援(予算・制度)、三位一体の労働市場改革(制度)。
  • 投資の拡大
    • 【課題】コストカット型経済の下、企業は内部留保を拡大し、国内投資を抑制し、設備は老朽化。
    • 【将来像】今後の競争力を左右する戦略分野を中心に、企業の活発な国内投資が促され供給力が高まる。地方を中心に質の高い雇用が生まれるともに、競争力が確保される。
    • 【施策例】日本経済の競争力・生産性向上に向けた、投資促進に関する予算・税制・規制改革。
  • 自動運転等の新技術の社会実装
    • 【課題】自動運転等の様々な新技術の開発が進展したが、社会実装・普及段階に至っていない。
    • 【将来像】自動運転車の普及・専用レーンの設置に加え、各地における充電設備や物流拠点の整備により、物流効率化や地域・中小企業活性化につなげる。こうした「新技術の社会実装+α」の社会変革を各分野で実現。
    • 【施策例】自動運転専用レーンや充電設備の整備支援(予算)、自動運転に係る規制改革(制度)。
  • 人手不足の解消
    • 【課題】生産年齢人口が減少する中で、人手不足が課題。特に物流・建設・医療では、2024年問題による人手不足の深刻化が懸念。
    • 【将来像】省力化投資・規制改革等によって、労働生産性を高め、2024年問題を乗り越える。
    • 【施策例】企業の省力化投資の促進(予算)、人手不足対応のための規制改革(制度)。
  • 公的インフラのマネジメント
    • 【課題】地方の公的インフラ(道路・橋・上下水道・公民館等の施設)が老朽化。地方の財政難・人材難により、公的インフラのマネジメントが効率的になされていない。
    • 【将来像】生産年齢人口が減少し、インフラ管理の担い手が不足する中で、インフラ管理の広域化、民間活力の活用等により、効率的なマネジメントを実現。
    • 【施策例】ウォーターPPPの加速(上下水道一体コンセッション、PFI等を要件化した改修支援)(予算・制度)。

~NEW~
総務省 消費者保護ルールの在り方に関する検討会(第50回)
▼資料1-3消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2023(概要)
  • 第1章 令和元年改正電気通信事業法(消費者保護ルール関係)の施行状況と評価
    • 電気通信事業者・販売代理店の勧誘の適正化
      • 事業者・販売代理店の勧誘の適正化についての制度改正は、通信市場全般の苦情等の動向を踏まえると一定の効果が出ているものと評価できるため、現時点において、直ちに追加の制度改正を講じる必要性は低い。
      • しかしながら、一定数の苦情は未だに継続していることを踏まえると、引き続き、これらの不適切事例についての執行強化や事業者のさらなる自主的取組を促すことで法遵守の徹底を図るべき。
      • 加えて、定期的なモニタリングを続け、事業者・販売代理店の勧誘の適正化等の苦情の動向、新たな苦情の動向を把握し、必要に応じて執行の工夫、追加の制度改正を検討するべき。
    • 販売代理店への届出制度の導入
      • 総務省による販売代理店の情報等の把握及び法執行等の円滑化という観点から効果が出ていること、利用者による情報の把握に有効であることから、届出制度そのものを抜本的に見直す必要はない。
      • 一方で、これまでに明らかになった課題(一部販売代理店のリテラシー不足、代理店起因の相当数の苦情、変更届出等の不徹底、行政の維持管理コストの増大)等を踏まえ、代理店指導監督義務のうち、デジタル化が進む中での電気通信事業者の代理店に必要な能力等の具体化や委託状況を把握するための措置の徹底、また、届出情報の公表内容に例えば「媒介等の業務に係る電気通信役務」及び「媒介等の業務に係る電気通信役務を提供する電気通信事業者」の情報を加える等、制度・運用面での改善を図る必要がある。
    • 利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがある行為の禁止
      • 省令による禁止行為の追加については、令和4年夏に関係省令が施行されたところであり、施行の状況や苦情の動向の把握を続けるべき。
      • 所要の額を超える金額を請求することを禁止する規定(施行規則第22条の2の13の2第2号)の既往契約への適用に係る経過措置について、実態を検証し、必要に応じて所要の措置を講じるべき。
  • 第2章 「「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」を踏まえた取組に関する提言」関係
    • MNOの販売代理店における業務の適正性の確保
      • 総務省は、適合性の原則に反する、類似の違反行為を販売代理店が広汎に行っていることが認められる場合等については、携帯電話事業者各社の指導等措置義務(事例に応じた媒介等業務の適切かつ確実な遂行を確保するための措置を講じる等)が適切に講じられているかが問題になりうることをガイドライン等で明示すべき。
      • 携帯電話事業者各社は、販売代理店の業務状況、利用者からの苦情等を定期的に把握して、実態の改善のために必要な対応を講じ、指導等措置義務が充足されているかを定期的に確認すべき。その他、携帯電話事業者各社と販売代理店間の実質的なコミュニケーション改善のために、携帯電話事業者各社は協議の仕組みの更なる改善(例:情報共有の更なる前倒し、携帯各社の施策に反映された意見の代理店等への共有、意見集約の仕組みのさらなる改善等)を検討すべき。
      • 全携協は、業界団体として積極的な役割を果たす余地がないか検討すべき。
      • 上記について、対応の状況を事後的に検証し、実態の改善状況、更なる深掘りの必要性について検討する。
    • 苦情相談の処理における体制の強化
      • 各事業者団体において、「苦情相談処理体制の在り方に関するタスクフォース」報告書を踏まえた検討会提言等に基本的に沿う形で検討等がなされており、まずは各事業者団体における取組の状況及び効果を注視し、今後、期待する効果が得られるか、中立的かつ透明なプロセスでの効果検証を行うことが今後必要である。更に、事例の蓄積と効果の検証を通じ、電気通信分野の苦情相談処理体制のあるべき姿を見出すことが期待される

~NEW~
金融庁 バーゼル銀行監督委員会による議事要旨及び「2023年の銀行を巡る混乱に関する報告書」の公表について
▼議事要旨(仮訳)
  • バーゼル銀行監督委員会(以下「バーゼル委」)は、2023年の銀行を巡る混乱に関する報告書を公表。
  • 気候関連金融リスクおよび銀行の暗号資産エクスポージャーに関する開示の枠組みについて市中協議を行うことに合意。
  • グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)の2023年選定結果を承認。
  • バーゼル委は、10月4日、5日にスイス・バーゼルで会合を開催し、最近の市場動向やグローバルな銀行システムにおけるリスクについて状況把握(ストックテイク)を行うとともに、さまざまな政策・監督上の取組みについて議論した。
  • グローバルな銀行システムにおけるリスクと脆弱性
    • バーゼル委は、最近の経済及び金融市場の動向に照らして、グローバルな銀行システムの見通しについて議論した。金利上昇は、銀行の資金利鞘と関連収益を支える可能性がある一方で、長期にわたる低金利の時代に蓄積した脆弱性を露呈する可能性がある。こうした脆弱性には、債務者の債務返済比率の上昇に関連する潜在的な信用損失や、銀行預金者の金利感応度から生じるリスクが含まれる。
    • 加えて、銀行は幅広い経路を通じてノンバンク金融仲介(NBFI)セクターにエクスポージャーを有している。銀行および監督当局は、オペレーショナル・レジリエンスの確保を含め、今後進展する見通しに常に警戒する必要がある。この点に関して、バーゼル委は、「オペレーショナル・レジリエンスのための諸原則」および改訂された「健全なオペレーショナル・リスク管理のための諸原則」の実施状況について、監督上のニューズレターを今後公表する予定である。
  • 2023年の銀行を巡る混乱
    • 2023年3月に発生した銀行を巡る混乱は、その規模と範囲において、世界金融危機(GFC)以降で最も深刻なシステム全体に亘る銀行のストレスであった。これを受け、バーゼル委は本日、混乱の原因、規制・監督上の対応、及び得られた初期的な教訓を評価した報告書を公表する。
    • 本報告書の調査結果を踏まえ、バーゼル委は、以下を含む一連のフォローアップ作業に取り組んでいる。
    • 監督の実効性を強化するための作業を優先し、グローバルなレベルで追加的なガイダンスに値する可能性のある論点を特定する。
    • 流動性リスクや銀行勘定の金利リスクなど、バーゼル枠組みの特定の要素が最近の混乱の間に意図したとおりに機能したか否かを評価するために、実証的根拠に基づく追加的なフォローアップの分析作業に取り組み、政策オプションを探求する必要性を中期的に評価する。
    • このフォローアップ作業は、バーゼル委の上位機関である中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループによって最近再確認されたように、バーゼルⅢ基準を完全かつ整合的に、可能な限り早期に実施するという要請に完全に沿うものである。
  • グローバルなシステム上重要な銀行
    • バーゼル委は、G-SIBsの年次選定の結果を承認した。この結果は金融安定理事会(FSB)に提出され、後日、FSBは2023年のG-SIBsリストを公表する予定である。
  • 気候関連金融リスク
    • バーゼル委は、気候関連金融リスクに対する銀行のエクスポージャーに関する第三の柱の開示枠組みについて市中協議を行うことに合意した。バーゼル委は、提案された枠組みに関する市中協議文書を11月までに公表する。
  • 暗号資産
    • バーゼル委は、銀行の暗号資産エクスポージャーに関連する一連の開示要件について市中協議を行うことに合意した。これらの開示は、2022年12月に公表された暗号資産エクスポージャーに関する健全性基準を補完するものである。市中協議文書は近日中に公表される予定である。
  • 金融のデジタル化
    • デジタル化と金融技術の進展は、銀行サービスの提供を含め、金融システムに引き続き影響を及ぼしている。バーゼル委メンバーは、ノンバンク仲介者を通じた銀行サービスの提供(BaaS)を含む、この分野におけるいくつかの動向について意見交換を行った。バーゼル委は、金融のデジタル化の進展と、それが銀行や監督当局に与える示唆に関する報告書を、来年半ばまでに公表する予定である。

~NEW~
金融庁 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
▼主要行等
  • 銀行代理業における法令等の遵守を確保する業務に係る責任者等について
    • 政府においては、「デジタル原則」(2021年12月閣議決定)や「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」(2022年6月デジタル臨時調査会決定)を踏まえ、「人の介在(対面、常駐、資格者配置、拠点設置、目視、立入等)を見直し、点検等の遠隔実施、自動化・機械化等の最大限のデジタル化を基本とすること」としている。
    • これに関して、銀行等代理業において、法令等遵守に係る責任者や、その指揮をする統括責任者の営業所等ごとへの配置を求めているが、「デジタル原則」を踏まえ、適切に業務を遂行することが出来る限りにおいて情報通信技術を利用する方法により業務に従事すること(テレワークを想定。)が可能である旨を明確化し、業界団体宛てに周知したので、各金融機関においては、提携する銀行等代理業者への周知をお願いしたい。
  • 金融行政方針の公表について
    • 2023年8月29日、2023事務年度の金融行政方針を公表した。これは、事務年度ごとに、金融庁として進める施策の方向性を明らかにするものであり、本事務年度においては、4本柱で構成している。
    • 基本的にこれまでの金融庁の行政の考え方や課題意識を踏まえたものとなっていると考えている。
    • 金融庁としては、各金融機関と課題認識等を共有し、建設的な対話を行うことが重要であり、この金融行政方針は、その点で良い材料になると考えている。
    • 金融庁では、今後、本方針等に関する説明会を各地域で開催する予定であるが、行政方針の内容で不明な点、懸念点、提言したい点があれば、気楽に問合せ等をしていただきたい。
  • 業態横断的なモニタリング方針等について
    • 8月末に2023事務年度の金融行政方針を公表した。その中で、業態横断的なモニタリング方針等についても記載しているので、確認いただきたい。
    • 金融庁としては、各項目について、データ分析や金融機関との対話を通じ、深度あるモニタリングを実施していきたいと考えている。効率的な運営に配意するので、協力をお願いしたい。
    • (参考)例えば、以下などに取り組む旨を記載している。
      1. 金融機関の持続可能なビジネスモデルの構築に向け、金融機関の経営戦略を確認するとともに、営業基盤、財務基盤、ガバナンスや信用・市場・流動性等の各種リスク管理態勢(ストレス時の対応プロセスを含む)、内部監査等について対話等を通じたモニタリングを行い、それぞれの状況に応じて経営基盤の強化を促す。
        • 国内外の金融政策・金利動向を含め、グローバルな金融経済情勢等の動向を注視し、その動向が金融システムの安定に与える影響について分析を行う。
      2. 金融機関による顧客本位の業務運営の確保に向け、顧客の最善の利益に資する商品組成・販売・管理等を行う態勢が構築されているかについてモニタリングを行う。
        • 特に、(ア)リテールビジネスへの経営陣の関与状況、(イ)顧客本位に基づく持続可能なビジネスモデルの構築状況、(ウ)「取組方針」の質の改善と営業現場への定着状況・動機付け、(エ)業界規則等を踏まえた仕組債への対応状況、販売実績や苦情に照らして留意すべき高リスクの金融商品の販売・管理態勢、(オ)実効性ある検証・牽制態勢を含めたPDCAの実践状況といった点について、重点的にモニタリング。
      3. マネロンガイドラインで求めている実効的な態勢整備を金融機関が2024年3月までに完了するよう、業界団体と連携し、フォローアップを行う。・特に、規程類の整備を含め、実効的な取組の前段階となる部分において進捗に遅れが見られる金融機関には、集中的にモニタリングを行い、期限を意識した着実な対応を促す。また、2024年4月以降の態勢の有効性検証等のため、検査・監督体制のあり方について検討を進める。
        • 「SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン」等を踏まえつつ、他省庁等と連携して、金融機関における防犯対策の強化や本人確認手法の見直し等について検討を行う。
      4. 経営陣のリーダーシップの発揮状況を含め、金融機関におけるサイバーセキュリティ管理態勢の実効性について検証し、その強化を促す。特に、定期的な脆弱性診断・ペネトレーションテスト等を通じた自社対策の有効性の検証や、演習等を通じたインシデント対応能力の検証が適切に行われているか、把握された課題について計画的に対策を講じているか、といった点について、重点的にモニタリング。
        • サイバーセキュリティ管理態勢の成熟度を評価する点検票に基づく自己評価の実施を地域金融機関、保険会社及び証券会社に求め、自律的な態勢の強化を促す。
        • 金融庁が主催する金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習(Delta Wall Ⅶ)を通じ、金融業界全体の事態対処能力の向上を促す。
      5. 経済安全保障推進法の円滑な制度開始(2024年春)に向けて、政令等の整備、関係機関との連携、「基幹インフラ制度に関する相談窓口」の運営等を通じた関係事業者との丁寧な対話を進める。
      6. 金融機関のシステムについて、重大な顧客被害が発生した場合又は発生するおそれがある場合、機動的に金融機関のシステムリスク管理態勢(外部委託先の管理態勢を含む)を検証し、必要に応じて改善を促す。
        • リスクの高いシステム統合や更改については、あらかじめ金融機関のプロジェクト管理の実効性を検証する。
        • 大手金融機関を中心に、ITレジリエンスについて実態把握や対話を行う。
      7. 金融機関との対話等においては、金融機関の役職員の心理的安全性の確保に努める。また、金融機関や新規参入希望者からの法令解釈に関する問い合わせ等に対しては、可能な限り、迅速で明確な回答に努める。
  • フィッシング対策の強化について
      • 2023年上半期において、フィッシングによるものとみられるインターネットバンキングによる預金の不正送金被害が急増している。
        • ※1 被害件数は過去最多の2,322件、被害額は約30億円(8月4日時点)。
        • ※2 主な手口として、銀行を騙ったSMS等のフィッシングメールを通じて、インターネットバンキング利用者を銀行のフィッシングサイト(偽のログインサイト)へ誘導し、インターネットバンキングのIDやパスワード、ワンタイムパスワード等の情報を窃取して預金の不正送金を行った事例が見られる。
      • こうした状況を踏まえ、8月8日に警察庁と連名で、金融庁ウェブサイト等により、一般の利用者に向けて注意喚起を行った。
        • ※3 「フィッシングによるものとみられるインターネットバンキングに係る不正送金被害の急増について(注意喚起)」(https://www.fsa.go.jp/ordinary/internet-bank_2/10.pdf)。なお、金融庁ウェブサイトでの注意喚起と合わせて、金融庁公式Twitterにおいても継続的に注意喚起を実施。なお、2022年9月と2023年4月にも同様の注意喚起を実施。
  • サイバーセキュリティの強化について
    • 金融業界全体のインシデント能力向上のため、2023年も10月にサイバーセキュリティ演習(Delta Wall Ⅶ)を実施予定。
    • 参加金融機関においては、経営層も積極的に参加いただき、インシデント発生時の意思決定、サイバー攻撃の検知・顧客対応・業務復旧など、コンティンジェンシープランの実効性について確認いただきたい。
  • 経済安全保障推進法に基づく内閣府令の公表等について
    • 経済安全保障推進法で規定された「特定社会基盤役務の安定的な提供の確保」に関する制度(2024年春制度開始)では、「特定社会基盤事業者」が、「特定重要設備」の導入や、他の事業者に委託して特定重要設備の「重要維持管理等」(※1)を行う場合に、主務大臣に計画書を事前届出することを求めている。
      • (※1) 特定重要設備の機能を正常な状態に保つため、その保守点検、機器の修理・部品の交換、プログラムの更新等を行うことや、その運用、制御等を行うこと。
    • 先般、「特定社会基盤事業者の指定基準」及び「特定重要設備」に関する内閣府令(案)の意見公募を行った(※2)ところであるが、近く、「重要維持管理等」及び各種手続等に関する内閣府令(案)の意見公募も予定している。
      • (※2) 6月15日開始、7月14日締切、8月9日に結果等を公表。
    • 金融庁としては、円滑な制度開始に向けて、金融機関との間で丁寧な対話に努めていく所存であり、引き続き協力いただきたい。なお、金融庁を含む関係省庁は、特定重要設備の導入等に関する事前相談を受け付け、対象事業者を含む関係事業者等との恒常的な意思疎通を行うことを目的に、「相談窓口」を設置している。各金融機関においては、こちらも積極的に活用いただきたい。
  • マネロン対策等に係る広報について
    • 金融庁は、7月より、金融機関による継続的顧客管理の重要性・必要性を訴求した国民向けインターネット広告の配信(ユーチューブ広告やバナー広告)を開始した。配信期間は2024年3月中旬までを予定している。
    • 各金融機関におかれては、例えば、金融庁ウェブサイトに掲載されているURLのQRコードリンクを顧客宛ての確認書面に記載するなど、顧客に対しての説明・案内の際に積極的に活用いただきたい。
    • 今後も、より多くの一般利用者にマネロン対策等について理解と協力をいただけるよう、引き続き広報に力を入れていきたい。
  • マネロン等リスク管理態勢の整備について
    • マネロン等リスク管理態勢の整備については、2024年3月末の態勢整備期限に向けて、取組を進めていただいていると承知している。
    • 期限まで残り半年となる中、マネロンガイドラインに記載の「対応が求められる事項」の全項目について適切に対応いただくよう改めてお願いする。
    • また、これまでに整備された管理態勢については、継続的な検証等により、その実効性や効率性を高めていくことが重要であり、FATF第5次審査も見据えつつ、各行の取組を進めていただきたい。
  • 特殊詐欺事案対策の検討状況について
    • 特殊詐欺事案に対しては、3月の犯罪対策閣僚会議で決定した「緊急対策プラン」に基づき、現在、警察庁をはじめとする関係省庁と業界団体において、具体策の策定に向け検討を行っている。※「SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン」
    • 緊急対策プランには、預貯金口座の不正利用防止対策の強化など、金融機関の実務に大きな影響がある項目も含まれており、金融庁としては、具体策の検討に当たって、犯罪抑止効果と顧客利便とのバランスを確保することが重要であるものと認識している。
    • 今後も、関係する業界団体と意見交換を行い、具体策の策定に向け、丁寧な調整を行っていきたいと考えている。
▼日本損害保険協会
  • 損保業界における不適切事案を踏まえた対応について
    • 保険金の不正請求や価格調整行為といった、損害保険業界においては顧客の信頼を失うような事案が立て続けに起こっており、国民全体から厳しい目を向けられている。金融庁としても大変遺憾であり、現在、報告徴求命令や立入検査などを通じて実態把握を進めているところ、保険契約者保護に欠ける問題が認められた場合には、法令に基づき厳正に対応していく。
    • 一方、損害保険業界が国民からの信頼を取り戻していくためには、個社としての取組みだけでは不十分であり、業界全体としての対応も必要である。
    • 損害保険協会におかれては、金融庁とも十分に連携の上、信頼回復に向けた取組みの後押しをお願いしたい。
  • 金融行政方針の公表について
    • 2023年8月29日、2023事務年度の金融行政方針を公表した。
    • 損害保険について申し上げると、先ほど申し上げた昨今の不適切事案への対応のほか、
      • 近年の自然災害の頻発・激甚化を踏まえた持続可能なビジネスモデルの構築及び有効な対応策の策定
      • グループ・グローバルのガバナンスの高度化の促進
      • 経済価値ベースのソルベンシー規制の円滑
        などが記載されている。
    • 金融庁としては、これらの措置を着実に進めていくことで、我が国保険業・保険市場の健全な発展に貢献したいと考えているところ、保険会社の皆様にも引き続きご協力をお願いしたい。
    • 保険会社には、法令遵守、保険契約者の保護が厳しく求められる。また、保険代理店との適切な関係の構築、管理が必要であることも言うまでもない。昨今の不適切事案については、不適切な行為の全体像やその原因の究明を徹底して行い、その上で、保険契約者の保護に欠ける問題が認められた場合には、法令等に基づき厳正に対応していくとともに、有効な再発防止策の策定及び実施に取り組む。
    • また、保険会社には、少子高齢化や自然災害の頻発・激甚化、自動車保険市場の縮小等の中長期的な事業環境の変化を見据え、デジタル化を活用した効率的な業務運営や顧客ニーズの変化に即した商品開発等を通じて、持続可能なビジネスモデルを構築することが求められている。
    • 保険会社の海外進出及び子会社の設立等が進む中、グループ・グローバルのガバナンスの高度化を進めることが重要である。これらの取組の着実な進展を、海外当局とも連携しつつ、対話を通じて促していく。
    • 資産運用の状況を含めた財務の健全性については、金融市場の動向を踏まえ、モニタリングを行っていく。くわえて、経済価値ベースのソルベンシー規制の円滑な導入に向けて、具体的な検討を進めていく。
    • 自然災害への対応については、近年の自然災害の頻発・激甚化による保険金支払いの増加等により、火災保険料率が上昇傾向にある。こうした中で、自然災害に対する備えとしての機能をより適切に発揮していくため、損害保険会社に対して、統合的リスク管理(ERM)の高度化、顧客ニーズやリスク実態等を踏まえた補償内容・保険料率の見直し、防災・減災のサポート等に向けた対応を促していく。
    • あわせて、財務局と連携し、顧客本位の業務運営の更なる推進に向けた損害保険業界における取組を促していく。
    • 生命保険会社については、営業職員による不適切事案が継続的に発生している状況を踏まえ、生命保険協会と連携しつつ、営業職員管理態勢の高度化に向けたフォローアップを行う。また、公的保険制度を踏まえた保険募集の推進を行っていく。
    • 少額短期保険業者については、財務局と連携し、監督指針の見直しを踏まえたモニタリングの高度化を進める。さらに、少額短期保険業者に対し、財務の健全性や業務の適切性を確保するための態勢整備を引き続き促していく。

~NEW~
内閣官房 デジタル行財政改革会議(第1回)議事次第
▼資料4 デジタル行財政改革について
  • 新たな時代環境
    • 生産年齢人口の減少(2020年:約7,500万人⇒2040年:約6,200万人、▲約1,300万人減少)
    • 少子高齢化(高齢化率:2020年:28.6%⇒2040年:34.8%)
    • 地域の人口密度の低下により公共サービス等(公共サービスに加えて公共性が高い民間の事業を含む)の生産性が低下し、必要な公共サービス等の提供が困難になることが想定
    • 個人のニーズの多様化
    • AI・5G・クラウドなどデジタル技術の進展
  • 急激な人口減少社会に対応するため、利用者起点で我が国の行財政のあり方を見直し、デジタルを最大限に活用して公共サービス等の維持・強化と地域経済活性化を図り、社会変革を実現することが必要。
  • これにより、一人ひとりの可能性を引き出し、新たな価値と多様な選択肢が生まれる豊かな社会を目指す
  • デジタル行財政改革の基本的考え方
    • 地域を支える公共サービス等に関し、システムの統一・共通化等で現場負担を減らすとともに、デジタルの力も活用してサービスの質も向上。
    • あわせて、デジタル活用を阻害している規制・制度の徹底的な見直しを進め、社会変革を起動。
    • EBPMの手法も活用し、KPIや政策効果の「見える化」を進め、予算事業を不断に見直し。
    • これらによって、デジタルの力を活用して、豊かな社会・経済、持続可能な行財政基盤等を確立する。
  • デジタル行財政改革会議を司令塔とする一体的な推進体制
    • デジタル行財政改革会議は、規制改革・デジタル改革・行政改革・デジタル田園都市国家構想及び各府省庁の改革の司令塔。
    • 総理のリーダーシップの下で方針決定を行い、デジタル行財政改革を国・地方を通じて一体的かつ強力に推進。
  • 取組方針(1)~主な改革への取組に着手
    • 「人口減少・高齢化・過疎化・人手不足への対応」、「経済成長・スタートアップ支援」、「行政の効率化・不便の解消」の観点から、主な改革への取組に着手。その成果を活かし更に展開。
    • 教育
      • デジタル教育環境の自治体間格差
      • 教師の不足・長時間勤務
      • 児童生徒のニーズ・特性の多様化
      • デジタル教材の共通利用基盤構築、GIGA端末・校務支援システムの活用促進(更新時の広域での統一・共同調達)、多様な人材活用による教師不足への対応、オンライン教育の活用、EdTechベンチャー活用 等
    • 交通
      • 地域交通の担い手不足
      • 移動の足が不足
      • 自動運転・ドローンの活用の遅れ
      • タクシー・バス等のドライバーの確保、不便の解消に向けた地域の自家用車・ドライバーの活用、自動運転・ドローン配送の事業化(インフラ整備・手続簡素化等)、移動関係の需給の可視化基盤 等
    • 介護等
      • 介護等の人材不足
      • 介護・医療等におけるデジタル技術の活用の遅れ
      • 制度の持続可能性
      • デジタル技術の活用の加速化(ICT導入支援、介護報酬・人員配置、運営協働化・大規模化、伴走支援、人材育成等)、介護の効果の計測、医療アプリ・機器・システムの開発促進、オンライン診療の拡充・展開、医療・介護テックベンチャーの活用 等
    • 子育て・児童福祉
      • 子育て世代等の負担
      • サービスの質の確保
      • プッシュ型子育て支援、保育DXによる保育現場の負担軽減(ICT導入支援等)、児童福祉等の相談窓口のマルチチャネル化、施設・自治体・国のデータ連携/AI活用相談支援、子育てアプリベンチャー等の活用、地域の関係者が連携し、妊産婦が安心して出産・子育てをできる環境の整備 等
    • 防災
      • 避難所等における多様なニーズの把握と対応
      • マイナンバーカードを活用した発災時対応のためのインフラ、要配慮者等を含む被災者対応の高度化(多様な民間ITソリューションを利用可能とする基盤整備、調達改革)、防災テック等ベンチャーの活用 等
    • インバウンド・観光
      • 外国人が利用するサービス改善
      • 観光客増加に対応した手続の総点検、インバウンドの利便性向上、外国人による金融機関の利用や少額の外国送金の円滑化、訪日外国人の民間医療保険加入の在り方 等
    • スタートアップ
      • スタートアップの成長促進 スタートアップ設立円滑化のための公証人による定款認証に関す
  • 利用者起点での「課題発掘対話」の開始 有識者からあげられた主な課題
    • 「デジタル環境を整える」
      • 校務のデジタル化に自治体間格差がある
      • 自治体によりクラウド活用を制約するルールが存在
    • 「デジタル環境を使う」
      • 教師の勤務環境が厳しすぎて改善が必要
      • 配慮が必要なこどもに教師が向き合う時間が足りない
      • AIでは代替できない能力の育成に手が回らない
      • デジタル教材活用の意欲・ノウハウにバラツキ
    • 「効果を測る」
      • 業務が可視化されておらず非効率業務が解消されない
      • デジタル端末の活用実績を高めていくことが必要
      • 議論の前提となる教育効果などのデータが不足
  • 取組方針(2)~国・地方等のデジタル基盤の統一化・共通化の加速
    • 国・地方等のデジタル基盤の統一化・共通化を加速し、低コストで多様なサービスを提供可能に
  • 取組方針(3)~EBPMや「見える化」による予算事業の政策効果向上
    • 事業に適切なKPIを設定し、EBPM手法も活用して、政策効果を向上。
    • DX推進に関するEBPMの手法を確立し、政策効果の可視化や不断の見直しにつなげる。
    • 予算の総額やタイトルに注目が集まり、内容や執行時・執行後の効果の検証が不十分
      • 行政事業レビューシートにIDを付して、データベース化やダッシュボード化などを進め、更なる「見える化」を推進。
    • 政策立案が当局の知識経験や関係者の声に依存し、データ活用が不十分。
      • 不十分なKPI設定や期限設定の改善などを通じて、コロナ以降に拡大した事業・基金を見直し、政策効果を向上。
    • DX関係の事業について、効果がわかりにくく、実証どまりで、好事例が全国展開しづらい。
      • DX関係の事業について、政策の各段階(デジタル基盤の構築・活用、成果発現)において、進捗管理や効果測定、事業見直しなどを行う手法を確立し、政策効果を高める。
  • 目指す社会に向けて早期に着手する主な施策
    • デジタル行財政改革が目指す社会課題の解決に向けて、規制・制度改革等と組み合わせてデジタル技術の社会実装等を進めるための支援策等を検討。
    • 交通:自動運転・ドローンの事業化、AIオンデマンド交通
    • 介護等:事業所のデジタル活用による生産性向上支援(ICTの導入、経営の協働化等)
    • 子育て:保育ICT導入支援
    • 教育:GIGA端末の更新・活用支援等
    • 防災:防災アプリの活用
    • 社会変革につながるような取組:デジタル田園都市国家構想交付金による支援
    • 自治体標準化・ガバメントクラウド移行の推進
    • デジタルマーケットプレイス(スタートアップ等の調達多様化等)
    • ベースレジストリの整備(法人、不動産等)
    • デジタル認証・署名アプリの整備(マイナンバーカードによる本人確認の汎用モバイルアプリ等)

~NEW~
内閣官房 花粉症に関する関係閣僚会議(第3回)議事次第
▼資料1 花粉症対策 初期集中対応パッケージ(案)(概要)
  • 未だ多くの国民を悩ませ続けている花粉症問題の解決に向け、来年の花粉の飛散時期を見据えた施策のみならず、今後10年を視野に入れた施策も含め、花粉症解決のための道筋を示す「花粉症対策の全体像」を取りまとめ(本年5月30日)。
  • 来年の花粉の飛散時期が近づく中、「花粉症対策の全体像」に基づき、発生源対策、飛散対策及び発症・曝露対策について、「全体像」の想定する期間の初期の段階から集中的に実施すべき対応を本パッケージとして取りまとめ、その着実な実行に取り組む。
  • 発生源対策
    • スギ人工林の伐採・植替え等の加速化【林野庁】
      • 本年度中に重点的に伐採・植替え等を実施する区域を設定し、次の取組を実施
      • スギ人工林の伐採・植替えの一貫作業の推進
      • 伐採・植替えに必要な路網整備の推進
      • 意欲ある林業経営体への森林の集約化の促進
    • スギ材需要の拡大【林野庁・国土交通省】
      • 木材利用をしやすくする改正建築基準法の円滑な施行(令和6年4月施行予定)
      • 本年中を目処に、国産材を活用した住宅に係る表示制度を構築
      • 本年中を目処に、住宅生産者の国産材使用状況等を公表
      • 建築物へのスギ材利用の機運の醸成、住宅分野におけるスギ材への転換促進
      • 大規模・高効率の集成材工場、保管施設等の整備支援
    • 花粉の少ない苗木の生産拡大【林野庁】
      • 国立研究開発法人森林研究・整備機構における原種増産施設の整備支援
      • 都道府県における採種園・採穂園の整備支援
      • 民間事業者によるコンテナ苗増産施設の整備支援
      • スギの未熟種子から花粉の少ない苗木を大量増産する技術開発支援
    • 林業の生産性向上及び労働力の確保【林野庁】
      • 意欲ある木材加工業者、木材加工業者と連携した素材生産者等に対する高性能林業機械の導入支援
      • 農業・建設業等の他産業、施業適期の異なる他地域や地域おこし協力隊との連携の推進
      • 外国人材の受入れ拡大
  • 飛散対策
    • スギ花粉飛散量の予測
      • 来年の花粉飛散時期には、より精度が高く、分かりやすい花粉飛散予測が国民に提供されるよう、次の取組を実施
      • 今秋に実施するスギ雄花花芽調査において民間事業者へ提供する情報を詳細化するとともに、12月第4週に調査結果を公表【環境省・林野庁】
      • 引き続き、航空レーザー計測による森林資源情報の高度化、及び、そのデータの公開を推進【林野庁】
      • 飛散が本格化する3月上旬には、スーパーコンピューターやAIを活用した、花粉飛散予測に特化した詳細な三次元の気象情報を提供できるよう、クラウド等を整備中【気象庁】
      • 本年中に、花粉飛散量の標準的な表示ランクを設定し、来年の花粉飛散時期には、この表示ランクに基づき国民に情報提供されるよう周知【環境省】
    • スギ花粉の飛散防止
      • 引き続き、森林現場におけるスギ花粉の飛散防止剤の実証試験・環境影響調査を実施【林野庁】
  • 発症・曝露対策
    • 花粉症の治療
      • 花粉飛散時期の前に、関係学会と連携して診療ガイドラインを改訂【厚生労働省】
      • 舌下免疫療法治療薬について、まずは2025年からの倍増(25万人分→50万人分)に向け、森林組合等の協力による原料の確保や増産体制の構築等の取組を推進中【厚生労働省・林野庁】
      • 花粉飛散時期の前に、飛散開始に合わせた早めの対症療法の開始が有効であることを周知
      • 患者の状況等に合わせて医師の判断により行う、長期処方や令和4年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方について、前シーズンまでの治療で合う治療薬が分かっているケースや現役世代の通院負担等を踏まえ、活用を積極的に促進【厚生労働省】
    • 花粉症対策製品など
      • 本年中を目処に、花粉対策に資する商品に関する認証制度をはじめ、各業界団体と連携した花粉症対策製品の普及啓発を実施【経済産業省】
      • 引き続き、スギ花粉米の実用化に向け、官民で協働した取組の推進を支援【農林水産省】
    • 予防行動
      • 本年中を目処に、花粉への曝露を軽減するための花粉症予防行動について、自治体、関係学会等と連携した周知を実施【環境省・厚生労働省】
      • 「健康経営優良法人認定制度」の評価項目に従業員の花粉曝露対策を追加することを通じ、企業による取組を促進中【経済産業省】

~NEW~
首相官邸 食料安定供給・農林水産業基盤強化本部 食料安定供給・農林水産業基盤強化本部(第5回)議事次第
▼資料1 食料安定供給・農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージ(案)
  • 岸田政権が掲げる「農林水産物・食品の輸出促進」、「農林水産業のグリーン化」、「スマート農林水産業等による成長産業化」、「食料安全保障の強化」の4本柱について、緊急的に取り組むべき対策を取りまとめ。
  • 今後、本パッケージの取りまとめ内容が確実に実施されるよう、経済対策へ反映させ、年末までを目途に食料安全保障強化政策大綱の改訂を行うものとする。
  • 農林水産物・食品の輸出促進
    1. 品目団体によるオールジャパンの輸出力の強化
      • 輸出の拡大に向けて、品目団体の認定数を早急に増やし、生産から販売までの事業者が一体となって行う輸出促進に係る規格の統一、プロモーション、海外市場調査といった取組を支援
    2. 輸出先国において販路開拓を推進する官民連携の体制の強化
      • 主要な輸出先である8か国・地域において、在外公館、JETRO海外事務所等から構成される「輸出支援プラットフォーム」の活動を強化し、現地の小売業者と組んだマーケットインによる輸出の取組を支援
    3. 食料供給基盤を支える輸出産地の形成
      • 海外の規制・ニーズに対応した輸出産地の形成への支援、輸出向けHACCP等対応施設の整備への支援、輸出等に取り組むスタートアップ企業への投資促進等
    4. 知的財産権の保護・活用
      • 優良品種の海外流出を防止するための海外における品種登録出願の推進や、海外における模倣品の監視等
  • 農林水産業のグリーン化
    1. みどりの食料システム戦略の加速化
      • 2030年までの化学肥料の使用量20%低減等の目標に向けて、化学肥料・農薬の使用低減などグリーンな栽培体系への転換や有機農業の拡大に向けたオーガニックビレッジの創出、省エネ施設の導入、バイオマスの地産地消等を支援
    2. 堆肥・下水汚泥資源など国内資源の活用
      • ペレット化と広域流通に向けた支援、飼料・堆肥の相互供給の強化に向けた耕畜連携等への支援
  • スマート農林水産業による成長産業化
    1. 経営・技術等でサポートする事業体の育成・確保
      • 経営体を支えるサービス事業体に対する機械導入への支援等
    2. スマート技術に適した生産・流通方式への変革
      • スマート技術に適した栽培方法への転換支援、水産資源管理の推進等のためのICT活用への支援 等
  • 食料安全保障の強化
    • 過度な輸入依存からの脱却に向けた構造転換
      • 小麦、大豆、加工・業務用野菜等の生産拡大
        • 畑地化・団地化による小麦・大豆の本作化への支援、野菜の一次加工の強化等に向けた支援
      • 粗飼料、養殖飼料用魚粉等の生産拡大
        • 飼料・堆肥の相互供給の強化に向けた耕畜連携等への支援、養殖飼料用魚粉の供給体制の構築等に向けた支援
      • 堆肥・下水汚泥資源など国内資源の活用
        • ペレット化と広域流通に向けた支援、飼料・堆肥の相互供給の強化に向けた耕畜連携等への支援)
      • 米粉の利用拡大
        • 米粉の利用拡大に向けた米粉商品の開発、米粉・米粉製品の製造能力の強化等への支援
      • 食品原材料の国産切替え
        • 原材料の安定調達と産地の育成に向けた食品製造事業者等と産地との連携により、国産原材料への切替え促進
    • 生産者の急減に備えた生産基盤の構造転換
      • 将来の生産者の減少に備えた経営構造の確立
        • 農業者が急速に減少する中で、農地を集約し地域の農業を担う経営体の機械等への追加投資の負担軽減等への支援
      • 省力化に対応した基盤の整備・保全
        • ほ場の大区画化、水利施設の省力化や集約・再編等
      • 経営・技術等でサポートする事業体の育成・確保(再掲)
        • 経営体を支えるサービス事業体に対する機械導入への支援等
    • 国民一人一人の食料安全保障の確立に向けた食料システムの構造転換
      • 地域の食品アクセスの確保に向けた環境整備
        • フードバンク・子ども食堂等への未利用食品・政府備蓄米の供給などの地域ぐるみでの課題解決の取組への支援
      • 食品ロス削減
        • 3分の1ルールなど商慣習の見直しの取組の推進、企業による食品ロス削減の取組の開示の推進等
      • 安定的な輸入の確保
        • 穀物等の海外の集荷・港湾施設への投資促進、野菜種子の採種適地の確保等への支援

~NEW~
首相官邸 認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議
  • 令和5年10月12日、岸田総理は、総理大臣官邸で第2回認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議を開催しました。
  • 会議では、有識者ヒアリング及び意見交換が行われました。
  • 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
    • 本日は会議への御協力、誠にありがとうございました。高齢者の5人に1人の方が認知症の方となる時代を迎えつつあります。支えられる側としての見守る、支援する対象としての認知症の方々、といった考え方にとらわれることなく、若年性認知症の方も含め認知症の方が生きがいと役割、尊厳と希望を持って暮らす社会を構築していかねばなりません。支える、支えられるという関係を超え、支え合う関係として人と人、人と地域がつながる姿を、お話を伺った先進的な自治体の取組が示しています。まずは、共生社会の実現を推進するための認知症基本法の施行準備に向けた都道府県・市町村の取組を支援してまいります。認知症の方御本人と一緒になって、地域づくりを進めてまいります。
    • 研究開発の最前線のお話もお伺いしましたが、レカネマブの薬事承認によって認知症治療は画期的な進歩を遂げたとはいえ、まだ一里塚に過ぎません。早期発見・早期介入の実証プロジェクトを推進し、早期発見・早期介入、検査・医療サービスが円滑に提供される体制の整備を目指すとともに、更なる治療薬の研究開発を推進してまいります。このため、認知症・脳神経疾患研究開発イニシアティブに早期に着手し、その際、本日もお話があった神経回路の再生・修復等による治療法などムーンショット型の研究開発に挑戦してまいります。
    • 独居高齢者の更なる増加が見込まれる中、高齢者の生活上の課題への取組が重要です。このため、内閣官房に省庁横断型の調整チームを立ち上げ、厚生労働省が始めた実態把握調査でも、関係府省の参画を得た検討会を近く設置いたします。こうした体制とともに、身寄りのない方々を含め、高齢者等への住まいの確保、入院時や入居時等の身元保証の課題、さらには消費者被害の防止に取り組んでまいります。
    • 前回の会議で私が示した、認知症施策の推進や『幸齢社会』の実現のために緊急的に取り組むべき施策について、今申し上げたとおり進めることとし、今般の経済対策に盛り込み、速やかに実行してまいります。
    • 認知症の方御本人・御家族等の関係者の方を交え、本日も貴重な御意見を伺うことができました。一つ一つの意見を大切に積み重ねながら、年末に取りまとめを行うべく、今後とも構成員の皆様方には忌憚(きたん)なく御意見をお聞かせいただければと思っております。どうぞ御協力をお願い申し上げます。

~NEW~
国民生活センター 屋根工事の点検商法のトラブルが増えています-典型的な勧誘トークを知っておくことで防げます!-
▼報告書本文
  • 全国の消費生活センター等に寄せられる「屋根工事の点検商法」に関する相談が増加しています。
  • 点検商法とは、「近所で行う工事の挨拶に来た」などと言って突然訪問し、「屋根瓦がずれているため点検してあげる」と言って点検した後、「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」などと不安をあおって工事の契約をする手口です。
  • 2022年度の屋根工事の点検商法に関する相談件数は過去5年で最も多くなり、2018年度の約3倍になっています(図)。また、契約当事者の8割超が60歳以上で、特に高齢者に注意してほしいトラブルです。悪質な業者は巧妙なトークで消費者に近づき、本来消費者が望んでいない高額の屋根工事を契約させています。
  • そこで、屋根工事の点検商法について、最近の相談事例や典型的な勧誘トークを紹介し、注意喚起します。
  • 年度別相談件数:2018年度は923件、2019年度は1,157件、2020年度は1,824件、2021年度は2,352件、2022年度は2,885件、2023年度は8月31日までで1,346件です。
  • 点検商法の相談全体に占める屋根工事の相談割合:2018年度は16.2%、2019年度は20.1%、2020年度は26.0%、2021年度は31.6%、2022年度は35.4%、2023年度は8月31日までで35.9%です。
  • 相談事例
    • 【事例1】「屋根瓦がずれているのが見えた」と来訪した業者との契約をクーリング・オフしたい。
    • 【事例2】実家の父がずれた瓦の写真を見せられ修理工事の契約をしたがキャンセルできるか。
    • 【事例3】屋根や外壁、床下等の修繕を次々と勧誘され契約した。
    • 【事例4】「近所で工事している」と言うので点検を依頼したが、近所の工事はうそだった。
    • 【事例5】ドローンで撮影したという写真を見せられ契約したが解約したい。
  • 相談事例からみる勧誘トーク
    • 訪問・点検のきっかけとなるトーク
      • 「近くで工事をしている者です」
      • 「工事の挨拶に来ました」
      • 「お宅の瓦がずれているのが見えましたよ」
      • 「屋根が浮いているみたいですね。無料で点検してあげます」
      • 「近所をドローンで撮影していたら屋根が傷んでいるのが見えました」
      • 「知り合いに業者がいないなら見てあげますよ」
    • 消費者の不安をあおるトーク
      • 「このままだと台風が来たら雨漏りしますよ」
      • 「瓦が飛んで近所の人にも迷惑がかかってしまいます」
      • 「すぐに直さなければ大変なことに…」
      • 「ドローンで見るとこんなに傷んでいます」
    • 消費者の負担が軽くなると思わせるトーク
      • 「この場で契約するなら特別に安くしますよ」
      • 「通常より大幅に割り引いた価格です」
      • 「保険金を使って修理すればいいじゃないですか」
      • 「保険申請の手続きもしてあげます」
    • 次々に違う工事やサービスを勧誘するトーク
      • 「外壁も傷んでいて工事が必要だ」
      • 「シロアリがいたので駆除しなければ」
  • 消費者へのアドバイス
    • 突然訪問してきた業者には安易に点検させないようにしましょう。
    • 屋根工事はすぐに契約せず、十分に検討したうえで契約しましょう。
    • 保険金を利用できるというトークには気をつけましょう。
    • クーリング・オフ等ができる場合もあります。
    • 少しでも不安を感じたら、すぐに消費生活センター等に相談しましょう。
      • ※消費者ホットライン「188(いやや!)」番
        • 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
      • ※公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
        • 住宅のリフォーム工事に関するトラブルや工事費用等に関する相談を受け付けています。
        • 「住まいるダイヤル」:0570-016-100/03-3556-5147
  • 身近な高齢者を守るために
    • 消費生活センター等への相談は、家族やホームヘルパー、地域包括支援センターなどの職員からでも可能です。高齢者の消費者トラブルを防ぐためには、不審な人間が出入りしていたり、困った様子がうかがえたりしないか等、日頃から高齢者の生活や言動、態度などを見守り、身近にいる周りの方が変化にいち早く気づくことがとても重要です。身近な高齢者がトラブルにあっているのではないかと気づいた場合は、できるだけ早く相談してください。

~NEW~
国民生活センター 【20代トラブル急増中!18・19歳も!】転売チケットトラブル
  • 相談事例
    • 【事例1】転売仲介サイトと気づかず、高額なライブチケットを購入してしまった
      • 検索サイトで「○○(女性歌手)ライブ」と検索し、一番上に表示されたサイトにアクセスした。画面に制限時間のカウントダウンが表示されたので、急いでチケット2枚、約4万円をクレジットカードで支払った。購入後、このサイトを調べたら、海外の転売仲介サイトだったことが分かった。ライブのチケットを購入したのは今回が初めてで、あせってしまった。本当にチケットが届くのかどうかも怪しいので、キャンセルしたい。(2022年4月受付 20歳代 女性)
    • 【事例2】SNSで知り合った個人からチケットを譲り受けるためコード決済サービスで代金を送金した直後、連絡が取れなくなった
      • SNSで個人からチケットを譲り受けるために、1枚約2万5,000円で2枚の合計約5万円をコード決済サービスで代金を送金した。不安だったので、あらかじめ相手の住所、氏名、電話番号の個人情報を聞き、事前に電話をかけ相手と話をして確認を取ったうえで代金を送金した。ところが、送金をした直後にSNSをブロックされ、連絡が取れなくなった。返金をしてほしい。(2023年5月受付 10歳代 男性)
  • トラブル防止のポイント
    • チケットは公式の販売サイトから購入する
      • チケットは、興行の主催者、主催者より正式に販売許可を得たプレイガイド、ファンクラブ、アーティスト公式ホームページなどの正規販売ルートから購入しましょう。チケットが定価で購入できるだけでなく、公演が延期や中止になったときには、払い戻しなどの補償を受けられる場合があります。Web検索をする際は、検索結果に表示されたサイトが転売仲介サイトでないか、利用規約や運営事業者の所在地・連絡先などが明示されているかを確認してから利用しましょう。
    • 転売仲介サイトを利用する場合は、事前に購入予定のチケットの公式ホームページを確認する
      • コンサートやイベントの公式ホームページには、チケットの転売禁止や、転売サイトから購入したチケットだと判明した場合は入場できないことなどのルールが記載されています。転売仲介サイトでチケットを購入する前に公式ホームページの情報を確認するようにしましょう。
    • チケットの不正転売は絶対にしない
      • チケットのうち、特定興行入場券の要件を満たすチケットについて不正転売をおこなった場合、チケット不正転売禁止法違反として、1年以下の懲役や100万円以下の罰金が科されることがあります。不正転売は絶対にしないようにしましょう。チケットを譲りたい場合は、公式のリセールサービス(チケットを購入した公演にやむを得ず行けなくなった場合に、そのチケットを希望する人に定価にてチケットを再販できるサービス)を利用しましょう。
    • 少しでも不安に思ったら早めに消費生活センター等に相談する
      • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番
      • 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
  • チケット不正転売禁止法
    • 特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(チケット不正転売禁止法)では、特定興行入場券を、業として、興行主等の販売価格(定価)を超える価格で、転売すること(不正転売)の禁止等が定められています。
  • 特定興行入場券とは
    • 特定興行入場券とは、以下のいずれの要件をも満たす映画、演劇、演芸、音楽、舞踊その他の芸術及び芸能又はスポーツの入場券のことです。
      • 不特定又は多数の者に販売され、
      • 開催日時および場所が指定され、
      • 入場資格者又は座席が指定され、
      • 販売時に入場資格者又は購入者の氏名及び連絡先を確認する措置を講じその旨が券面に表示され、
      • 興行主の同意のない有償譲渡を禁止しその旨が券面に表示される入場券

~NEW~
厚生労働省 11月は「過労死等防止啓発月間」です~過労死等防止対策推進シンポジウムや過重労働解消キャンペーンなどを実施~
  • 厚生労働省では、11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取組を行います。この月間は、「過労死等防止対策推進法」に基づくもので、過労死等を防止することの重要性について国民の自覚を促し、関心と理解を深めるため、毎年11月に実施しています。
  • 月間中は、国民への周知・啓発を目的に、各都道府県において「過労死等防止対策推進シンポジウム」を行うほか、「過重労働解消キャンペーン」として、長時間労働の是正や賃金不払残業などの解消に向けた重点的な監督指導やセミナーの開催、一般の方からの労働に関する相談を無料で受け付ける「過重労働解消相談ダイヤル」などを行います。
  • 「過労死等」とは・・・
    • 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
    • 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
    • 死亡には至らないが、これらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害
  • 「過重労働解消キャンペーン」概要
    1. 労使の主体的な取組を促します
      • 過重労働解消キャンペーンの実施に先立ち、使用者団体や労働組合に対し、厚生労働大臣名による協力要請を行います。
    2. 労働局長によるベストプラクティス企業との意見交換を実施します
      • 都道府県労働局長が管内企業の経営トップとの意見交換により、長時間労働削減に向けた積極的な取組事例を収集・紹介します。
    3. 重点監督を実施します
      • 長時間労働が行われていると考えられる事業場等に対して重点的な監督指導を行います。
    4. 過重労働相談受付集中期間を設定します
      • 11月1日(水)から11月7日(火)を過重労働相談受付集中期間とし、都道府県労働局及び労働基準監督署において、過重労働に係る相談と労働基準関係法令違反が疑われる事業場の情報を積極的に受け付けます。
      • また、労働条件相談ほっとラインでも、平日17:00~22:00、土日祝日9:00~21:00に相談をお受けします。
        • ※11月4日(土)、5日(日)は、労働条件相談ほっとラインのみの受付となります。
    5. 特別労働相談を実施します
      • 11月3日(金・祝日)に下記相談窓口にて電話による特別労働相談を実施します。
        • 過重労働解消相談ダイヤル
          • [電話番号]:0120(794)713(フリーダイヤル なくしましょう 長い残業)
          • 令和5年11月3日(金・祝日)9:00~17:00
            • ※労働基準監督官が相談に対応します。
        • 労働条件相談ほっとライン【委託事業】
          • [電話番号]:0120(811)610(フリーダイヤル はい!労働)
          • 令和5年11月3日(金・祝日)9:00~21:00
    6. 過重労働解消のためのセミナーを開催します
      • 企業における自主的な過重労働防止対策を推進することを目的として、10月~1月に、オンライン又は会場開催により、「過重労働解消のためのセミナー」(委託事業)を実施します。(無料でどなたでも参加できます。)
▼専用ホームページ

~NEW~
厚生労働省 第62回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼(参考資料1-2)いわゆる「年収の壁」への当面の対応について
  • はじめに
    • 「こども未来戦略方針~次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて~」(令和5年6月13日閣議決定)では、持続的な成長を可能とする経済構造を構築する観点から「成長と分配の好循環」(成長の果実が賃金に分配され、セーフティネット等による暮らしの安心の下でそれが消費へとつながる)等の実現を目指すこととされている。
    • 今年は30年ぶりの高い水準での賃上げであった。また、地域別最低賃金額の全国加重平均は1004円となり、政府目標1000円を達成した。
    • こうした中、中小企業・小規模事業者も含め賃上げしやすい環境の整備に取り組むとともに、フルタイム労働者だけではなく、短時間労働者にもこのような賃上げの流れを波及させていくためには、本人の希望に応じて可能な限り労働参加できる環境が重要である。
    • 併せて、我が国では、2040年にかけて生産年齢人口が急減し、社会全体の労働力確保が大きな課題となる。既に、企業の人手不足感は、コロナ禍前の水準に近い不足超過となっており、人手不足への対応は急務である。
    • 本人の希望に応じて可能な限り労働参加できる環境づくりは、こうした人手不足への対応にもつながるものである。
  • 現状と課題解決の方向性
    • 労働者の配偶者で扶養され社会保険料の負担がない層のうち約4割が就労している。その中には、一定以上の収入(106万円または130万円)となった場合の、社会保険料負担の発生や、収入要件のある企業の配偶者手当がもらえなくなることによる手取り収入の減少を理由として、就業調整をしている者が一定程度存在する。
    • こども未来戦略方針においても、「いわゆる106万円・130万円の壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに引き続き取り組む。」、「こうした取組と併せて、人手不足への対応が急務となる中で、壁を意識せずに働く時間を延ばすことのできる環境づくりを後押しするため、当面の対応として、(中略)支援強化パッケージを本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む。」とされている。
    • このため、当面の対応として、本年10月から、
      • 106万円の壁への対応(1キャリアアップ助成金のコースの新設 2社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外)
      • 130万円の壁への対応(3事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)
      • 配偶者手当への対応(4企業の配偶者手当の見直し促進)
        を進め、年収の壁を意識せずに働くことのできる環境づくりを後押しするとともに、さらに、制度の見直しに取り組む。
    • このほか、設備投資等により事業場内最低賃金の引上げに取り組む中小企業等に対する助成金(業務改善助成金)の活用も促進する。
  • 具体策
    • 106万円の壁への対応
      • キャリアアップ助成金のコースの新設
        • 短時間労働者が、被用者保険に加入して働き続けることは、当該労働者の処遇改善や本人のキャリアアップにつながり得るとともに、当該労働者が就業調整をせず働くことで企業の人材確保にもつながる。実際、企業独自に年収の壁を超える際の労働者負担分の保険料の補助を実施することを契機として、短時間労働者の業務の幅が広がり、より基幹的な労働者として活躍し、企業の生産性向上につながった例も存在する。
        • このため、キャリアアップ助成金を拡充し、短時間労働者が新たに被用者保険の適用となる際に、労働者の収入を増加させる取組を行った事業主に対して、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースを含め、一定期間助成(労働者1人当たり最大50万円)を行うこととする。
        • 助成対象となる労働者の収入を増加させる取組には、賃上げや所定労働時間の延長のほか、被用者保険の保険料負担に伴う労働者の手取り収入の減少分に相当する手当(社会保険適用促進手当)の支給も含めることとする。また、支給申請に当たって、提出書類の簡素化など事務負担を軽減する。
      • 社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外
        • 短時間労働者への被用者保険の適用を促進する観点から、被用者保険が適用されていなかった労働者が新たに適用となった場合に、事業主は、当該労働者に対し、給与・賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給することができることとする。
          • ※当該手当などにより標準報酬月額・標準賞与額の一定割合を追加支給した場合、キャリアアップ助成金の対象となり得る。
        • また、被用者保険の適用に係る労使双方の保険料負担を軽減する観点から、社会保険適用促進手当については、被用者保険適用に伴う労働者本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、当該労働者の標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮しないこととする。
          • ※同一事業所内において同条件で働く他の労働者にも同水準の手当を特例的に支給する場合には、社会保険適用促進手当に準じるものとして、同様の取扱いとする。
    • 130万円の壁への対応
      • 事業主の証明による被扶養者認定の円滑化
        • 被用者保険の被扶養者の認定に当たっては、認定対象者の年間収入が130万円未満であること等が要件とされているが、一時的に収入が増加し、直近の収入に基づく年収の見込みが130万円以上となる場合においても、直ちに被扶養者認定を取り消すのではなく、総合的に将来収入の見込みを判断することとしている。
        • 被扶養者認定においては、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等を確認することとしているところ、一時的な収入の増加がある場合には、これらに加えて、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明を添付することで、迅速な認定を可能とする。
    • 配偶者手当への対応
      • 企業の配偶者手当の見直し促進
        • 収入要件がある配偶者手当の存在が、社会保障制度とともに、就業調整の要因となっている。その見直しに向けては、労働契約法や判例等に留意した対応が必要であるとともに、企業等が見直しの必要性・メリット・手順等の理解を深めることが必要。
        • このため、令和6年春の賃金見直しに向けた労使の話合いの中で配偶者手当の見直しも議論され、中小企業においても配偶者手当の見直しが進むよう、見直しの手順をフローチャートで示す等わかりやすい資料を作成・公表する。
        • 収入要件のある配偶者手当が就業調整の一因となっていること、配偶者手当を支給している企業が減少の傾向にあること等を各地域で開催するセミナーで説明するとともに、中小企業団体等を通じて周知する。

~NEW~
厚生労働省 令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます
▼リーフレット 2024年4月から労働条件明示のルールが変わります
  • 労働条件明示の制度改正のポイント
    • 全ての労働者に対する明示事項
      • 就業場所・業務の変更の範囲の明示【労働基準法施行規則第5条の改正】
        • 全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇い入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の範囲」についても明示が必要になります。
    • 有期契約労働者に対する明示事項等
      • 更新上限の明示【労働基準法施行規則第5条の改正】
        • 有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約2の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要になります。
      • 更新上限を新設・短縮する場合の説明【雇止め告示の改正】
        • 下記の場合は、更新上限を新たに設ける、または短縮する理由を有期契約労働者にあらかじめ(更新上限の新設・短縮をする前のタイミングで)説明することが必要になります。
          • 最初の契約締結より後に更新上限を新たに設ける場合
          • 最初の契約締結の際に設けていた更新上限を短縮する場合
    • 無期転換後の労働条件の明示【労働基準法施行規則第5条の改正】
      • 「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごと※3に、無期転換を申し込3むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が必要になります
    • 無期転換後の労働条件の明示【労働基準法施行規則第5条の改正】
      • 「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件の明示が必要になります。
      • 均衡を考慮した事項の説明【雇止め告示の改正】
        • 「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の賃金等の労働条件を決定するに当たって、他の通常の労働者(正社員等のいわゆる正規型の労働者及び無期雇用フルタイム労働者)とのバランスを考慮した事項(例:業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲など)について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならないこととなります。

~NEW~
厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」を公表します~睡眠と疲労、うつ傾向及び主観的幸福感などの関係について調査分析~
  • 政府は、本日、過労死等防止対策推進法に基づき、「令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」(令和5年版 過労死等防止対策白書)を閣議決定しました。
  • 「過労死等防止対策白書」は、過労死等防止対策推進法の第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書です。8回目となる今回の白書の主な内容は以下のとおりです。
  • 厚生労働省では、「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会」の実現に向け、引き続き過労死等防止対策に取り組んでいきます。
▼全体版
  • 我が国の労働者1人当たりの年間総実労働時間は、長期的には緩やかに減少しており、令和4年は、前年と同じ時間であった。総実労働時間を所定内労働時間、所定外労働時間の別にみると、所定内労働時間は長期的に減少傾向が続いている一方、所定外労働時間は、平成22年以降増加傾向であったが、平成26年及び平成27年をピークとして減少傾向に転じており、令和2年に大きく減少した後、令和3年と令和4年は前年を上回った。
  • 一般労働者とパートタイム労働者の別にみると、令和4年の一般労働者の総実労働時間は4年連続で2,000時間を下回って1,948時間となり、またパートタイム労働者の総実労働時間は4年連続で1,000時間を下回って955時間となった。なお、パートタイム労働者比率の増加傾向が継続していることから、労働者1人当たりの年間総実労働時間の中長期的な減少は、パートタイム労働者比率の増加の寄与もあると考えられる
  • 主要産業別にみると、「運輸業,郵便業」、「建設業」、「製造業」及び「情報通信業」の労働時間が全産業平均よりも長くなっている。また、「運輸業,郵便業」及び「製造業」の労働時間は前年に続き増加している。
  • 総務省「労働力調査」で月末1週間の就業時間別の雇用者の割合の推移をみると、1週間の就業時間が60時間以上である雇用者の割合は、平成15、16年の12.2%をピークとして減少傾向にあるが、令和4年は5.1%と前年より0.1ポイント増加した。また、月末1週間の就業時間が60時間以上である雇用者数は298万人と前年より約8万人増加した。
  • 月末1週間の就業時間が60時間以上の就業者の割合の推移を性別、年齢層別にみると、男性については、平成27年以降、40歳代の割合が最も高く、令和4年は10.8%となった。一方、女性については、20歳代の割合が最も高く、令和4年で2.6%となった。月末1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合について性別、年齢層別にみても、40歳代の男性の割合が高く、令和4年は10.3%であった。
  • 「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和3年7月30日閣議決定。以下「大綱」という。)において数値目標の対象とされている、月末1週間の就業時間が40時間以上である雇用者のうち、その就業時間が60時間以上である雇用者の割合をみると、平成15年をピークとして、長期的には緩やかな減少傾向を示しており、令和4年は8.9%と3年連続で10%を下回った。なお、大綱において、令和7年までに、週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とすることを目標としている。
  • 就業者について、月末1週間の就業時間が40時間以上である就業者のうち、その就業時間が60時間以上である就業者の割合の推移を性別、年齢層別にみると、就業者全体に占める割合(月末1週間の就業時間が40時間以上である就業者以外も含む。)と同様、男性については、平成27年以降、40歳代の割合が最も高くなっている。また、女性については、60歳以上の割合が最も高くなっている。
  • 厚生労働省「就労条件総合調査」により、年次有給休暇の状況をみると、取得日数は、平成9年から平成19年まで微減傾向が続き、平成20年以降増減しながらも微増傾向にあり、令和3年は10.3日と、3年連続で10日を上回った。また、取得率は、平成12年以降5割を下回る水準で推移していたが、平成29年には5割を上回り、令和3年は58.3%と、前年より1.7ポイントの増加となった。
  • 労働者1人当たりの平均年次有給休暇取得率を企業規模別にみると、平成22年以降は規模が大きいほど、年次有給休暇の取得率は高い傾向にある。また、平成26年以降、すべての企業規模で増加傾向となっており、「1,000人以上」では平成31年以降60%を超え、それ以外の企業規模でも、平成31年以降50%を超えている。
  • 勤務間インターバル制度(終業時刻から次の始業時刻までの間に一定時間以上の休息時間を設けること)について、制度を導入している企業(就業規則又は労使協定等で定めているもの)の割合は、令和4年で5.8%と前年の4.6%から1.2ポイントの増加となった。一方、「制度を知らない」と回答した企業は全体で17.1%であった。また、制度の導入の予定はなく、検討もしていない企業のうち、導入していない理由として「制度を知らなかったため」と回答した企業の割合は、令和4年で21.3%であった。制度の導入の予定はなく、検討もしていない企業のうち、導入していない理由として「制度を知らなかったため」と回答した企業の産業別割合をみると、「建設業」、「生活関連サービス業,娯楽業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「運輸業,郵便業」の順に高く、「金融業,保険業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「学術研究,専門・技術サービス業」の順に低い。さらに、令和3年と令和4年の「制度を知らなかったため」と回答した企業を産業別に比較すると、「卸売業,小売業」、「サービス業(他に分類されないもの)」及び「鉱業,採石業,砂利採取業」以外の業種では、その割合が増加している。なお、大綱において、令和7年までに勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を5%未満とすること、同制度を導入している企業割合を15%以上とすることを目標としている
  • 仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、令和4年は82.2%であった。大綱では、第14次労働災害防止計画(以下「14次防」という。)において新たな数値目標が設定された場合には、その目標の達成に向けた取組を推進するとされているところ、令和5年3月に14次防が策定され、令和9年までに自分の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み又はストレスがあるとする労働者の割合を50%未満とすることを目標として取り組むこととしている
  • 「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる」とした労働者のうち、その内容をみると、「仕事の量」(36.3%)が最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」(35.9%)、「仕事の質」(27.1%)となっている
  • 現在の自分の仕事や職業生活でのストレスについて「相談できる人がいる」とする労働者の割合は91.4%となっており、「相談できる人がいる」とする労働者が挙げた相談相手は、「家族・友人」(68.4%)が最も多く、次いで「同僚」(68.0%)となっている。また、家族・友人等を除き、職場の事業場外資源(事業場外でメンタルヘルス対策の支援を行う機関及び専門家)を含めた相談先がある労働者の割合は79.8%である。
  • メンタルヘルス対策の取組内容をみると、「ストレスチェックの実施」(63.1%)が最も多く、次いで「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施」(53.6%)となっている。
  • 我が国の自殺者数は、平成10年以降14年間連続して3万人を超えていたが、平成22年以降は減少傾向にある。しかしながら、令和4年は21,881人と前年より874人の増加となった。勤務問題を原因・動機の1つとする自殺者の数は、令和4年は2,968人となっている。また、令和4年の原因・動機別の自殺者数及び自殺者総数に対する割合は、健康問題が12,774人(58.4%)、家庭問題が4,775人(21.8%)、経済・生活問題が4,697人(21.5%)であり、勤務問題はこれに次ぐ。
  • 勤務問題を原因・動機の1つとする自殺者数の推移を年齢層別にみると、令和4年は、「40~49歳」(27.5%)、「50~59歳」(25.1%)、「30~39歳」(18.2%)、「20~29歳」(17.4%)の順となっている。
  • 業務における過重な負荷により脳血管疾患又は虚血性心疾患等(以下「脳・心臓疾患」という。)を発症したとする労災請求件数は、平成14年度に800件を超えて以降、700件台から900件台前半の間で推移しており、令和4年度は803件で、前年度より50件の増加となった。労災支給決定(認定)件数は、平成14年度に300件を超えて、平成19年度に392件に至ったが、近年は減少傾向にあったところ、令和4年度は194件で、前年度より22件の増加となっている。なお、令和4年度において、新型コロナウイルス感染症に関連(請求人が業務で新型コロナウイルス感染症に関連する出来事などがあったと申し立てたもの。)する脳・心臓疾患の労災支給決定(認定)件数は3件であった。
  • 業務における強い心理的負荷による精神障害を発病したとする労災請求件数は、増加傾向にあり、令和4年度は2,683件で、前年度より337件の増加となっている。労災支給決定(認定)件数は、平成24年度以降500件前後で推移していたところ、令和2年度に600件を超え、令和4年度は710件となり、前年度より81件の増加となっている。なお、令和4年において、新型コロナウイルス感染症に関連(請求人が業務で新型コロナウイルス感染症に関連する出来事などがあったと申し立てたもの。)する精神障害の労災支給決定(認定)件数は18件であった。
  • 令和4年度は、労災支給決定(認定)事案、労災不支給決定(業務外)事案、メディア業界の労災支給決定(認定)事案、教育・学習支援業の労災支給決定(認定)事案(地方公務員等の公務災害事案は含まない)のうち精神障害事案について分析した。
    • 労災支給決定(認定)事案の傾向は、脳・心臓疾患事案、精神障害事案ともに、昨年までの結果から大きな変化はみられず、発症時年齢階層は、脳・心臓疾患事案では50歳代が最も多く、次いで40歳代であった。精神障害事案では40歳代が最も多く、次いで30歳代、29歳以下と続いていた。都道府県別では、脳・心臓疾患事案、精神障害事案ともに、大都市部を抱える都道府県に多くみられる傾向はあるものの、脳・心臓疾患事案は東京と大阪が突出しているのに比べ、精神障害事案は東京のみ突出し、大阪と神奈川が僅差となっているなど、若干の違いがみられた。
    • 労災不支給決定(業務外)事案は、平成28年度以来の分析であるが、総じて、脳・心臓疾患事案、精神障害事案ともに、各年度で大きな変化はみられなかった。
      • 脳・心臓疾患事案について、業種別にみると、平成28年度の分析では「建設業」が最も多く、次いで「運輸業,郵便業」であったが、令和4年度の分析では「運輸業,郵便業」が最も多く、次いで「建設業」であった。発症前の時間外労働時間数の平均は、いずれも30時間を下回っていた。なお、労災不支給決定(業務外)事案には、労働者性が認められなかったもの、対象疾病でなかったもの、労災請求の時効を迎えていたものが含まれる。
      • 精神障害事案について、業種別にみると、平成28年度の分析では、「製造業」が最も多く、次いで「卸売業,小売業」と「医療,福祉」が同数で2番目に多かったが、令和4年度の分析では「製造業」が最も多く、次いで「医療,福祉」、「卸売業,小売業」の順に多かった。また、「運輸業,郵便業」は、平成28年度の分析では5番目に多かったが、令和4年度の分析では4番目となっていた。出来事をみると、男性はおおむね同様の割合で推移しているものの、女性は「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」の割合が増加傾向であった。
    • メディア業界の労災支給決定(認定)事案は、近年、脳・心臓疾患事案は減少傾向であるが、精神障害事案は増加傾向となっていた。発症時年齢でみると、29歳以下の若年層での精神障害事案が最多となっている。業種別では「広告」が最も多く、次いで「映像」であった。職種別では「販促・広告制作」が最も多く、次いで「画像・映像制作」、「デザイナー」、「ディレクター・現場指揮」、「アシスタント」であった。精神障害事案の出来事をみると、男女とも「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が最も多かった。
    • 教育・学習支援業の労災支給決定(認定)事案のうち精神障害事案をみると、総数は各年おおむね10件前後で推移し、男女別では、近年は女性が男性より多くなっていった。教員・非教員の別では、近年は教員が非教員より多かった。教員の内訳では、高等学校教員が最も多く、次いで大学教員及び学習塾講師であった。出来事をみると、男性は「上司とのトラブルがあった」、女性は「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が最も多かった。また、男女の合計で最も多かった「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」の内容を見ると、男女ともに上司による「暴言」が最も多く、また、女性では、生徒からの「暴力」や生徒家族からの「暴言(クレーム)」もみられた。
  • 以上の労災支給決定(認定)事案及び労災不支給決定(業務外)事案の分析結果も踏まえて、それぞれの業界及び業所管官庁が中心となり、業界特有の労働環境等に合わせた過労死等防止対策を検討、実施していくことが必要である
  • 男女別にハラスメント等の経験をみると、男女とも「上司から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が最も多く、男性5.0%、女性6.6%であった。次いで「上司とのトラブルがあった」が、男性4.5%、女性4.1%であった。
  • カスタマーハラスメントの経験を業種別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が5.6%で最も多く、次いで「生活関連サービス業、娯楽業」が3.9%、「複合サービス事業」が3.7%であった。

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国土交通省 安全に取り組む優良な貸切バス事業者を新たに認定しました~ 安全な貸切バスを選ぶことができます!~
  • 貸切バス事業者安全性評価認定委員会において新たに102者が認定され、貸切バス全事業者の半数以上(57.3%)の2,036者が認定事業者となりました。
  • 公益社団法人日本バス協会において実施している「貸切バス事業者安全性評価認定制度」に基づき、安全確保への取組状況が優良な貸切バス事業者が新たに認定されました。
  • 認定の概要
    • 認定年月日 令和5年9月29日(金)
    • 新規認定事業者 102者【全て一ッ星★】
    • 全認定事業者 2,036者(2,065者(前年比1.5減))
      • 三ッ星★★★ 915者(761者(〃20.2%増))
      • 二ッ星★★ 344者(434者(〃20.8%減))
      • 一ッ星★ 777者(870者(〃10.7%減))
  • 認定事業者及び制度の概要
    • 「認定事業者一覧」及び「貸切バス事業者安全性評価認定制度の概要」は別添のとおり。
    • 詳細は、日本バス協会ホームページをご覧ください。
      https://www.bus.or.jp/safety/

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国土交通省 「リスク管理型の水資源政策の深化・加速化について」提言
▼「リスク管理型の水資源政策の深化・加速化について」提言 概要
  • 社会のニーズ
    • 人口減少、産業構造の変化、気候変動等による農業用水需要の変化に応じた水供給
    • 2050年カーボンニュートラルに向けた水力発電の推進
    • 上下水道施設の集約・再編・動植物の生息環境の維持や良好な河川景観の形成
    • 地下水の適正な保全と利用
    • 大規模災害・事故時の最低限の水の確保
    • 水災害の激甚化
    • 頻発化への対応 等
  • 将来の水資源政策
    • 治水、利水、環境、エネルギー等の観点から、流域のあらゆる関係者が水に関して一体的に取り組む、総合的な水のマネジメントへの政策展開を目指す
    • まずはその第一歩として、リスク管理型の水資源政策の深化・加速化により、顕在化する気候変動や社会情勢の変化等のリスクに速やかに対応
  • 流域のあらゆる関係者が連携した既存ダム等の有効活用等による総合的な水のマネジメントの推進
    • 水需給バランス評価等を踏まえた流域のあらゆる関係者が連携した枠組みの構築
      • 流域のあらゆる関係者が有機的に連携し、流域の総合的な水のマネジメントの推進を図るため、関係者間のより円滑な調整を可能にするための枠組みの構築が必要
      • 水需給バランス評価手引きの作成
      • 流域のあらゆる関係者が連携した情報共有等を図る枠組みの構築
        • 流域の水運用を含めた水道の集約・再編の検討
        • 水系管理の観点から流域における増電の検討
    • 気候変動リスク等を踏まえたダム容量等の確保・運用方策の検討
      • 既存ダム等を最大限かつ柔軟に有効活用する方法について速やかに検討する必要。その際、水力発電の推進と洪水調節との両立なども併せて一体的に検討する必要。
      • 気象予測技術を活用し、多目的な用途に柔軟に活用できるダム容量等を確保・運用する方策
        • その際、事前放流をより効果的に行うための放流機能の強化等の施設整備
        • 観測の強化、気象・水象予測技術の高度化
        • 不特定容量の活用の検討
      • 気候変動による渇水リスクの検討の加速化
  • 大規模災害・事故による水供給リスクに備えた最低限の水の確保
    • 施設機能の保全に万全を期すとともに、不測の大規模災害・事故時においても最低限の水を確保できるよう、平時から検討を進め備えを強化する必要
    • 大規模堰等において、施設管理者と利水者が連携し、大規模災害・事故による水供給リスクに備えた応急対応を検討
      • 利水者において、最低限の水供給の目標設定、浄水場間の水融通などを検討
      • 必要に応じて、流域のあらゆる関係者が平時より連携・協力し、緊急的な水融通などを検討
    • 上記を実施したとしても被害が想定される場合、投資効果も考慮した施設のリダンダンシー確保を検討
    • パイロット的な検討を進め、他施設でも検討できるよう、検討手順等を示すガイドラインを作成
  • 水資源政策の深化・加速化に向けた重要事項
    • デジタル技術の活用の推進
      • 遠隔操作等の導入によるダムや堰等の管理の高度化、省力化
      • デジタル技術の活用による水管理の効率化、維持管理・更新の効率化
      • 気象予測の渇水対応への活用
    • 将来の危機的な渇水等に関する広報・普及啓発
      • エンドユーザーにおける渇水リスク、持続可能な水利用や節水の重要性などの認知度向上
        • 受益地域と水源地域の相互理解・交流の推進
      • 渇水の生活や社会経済活動への影響について、効果的な手法による広報・普及啓発
    • 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた水インフラの取組の推進
      • 徹底した省エネルギー化に向けて、水インフラの管理運営においては、2050年カーボンニュートラルの観点から施設・設備の更新、施設の集約・再編を検討

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