危機管理トピックス
更新日:2025年11月25日 新着27記事
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――
金融庁
- 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
- 金融安定理事会による本会合議事要旨の公表について
- 証券監督者国際機構(IOSCO)による最終報告書「ネオブローカー」の公表について
内閣府
- 第475回 消費者委員会本会議
- 「環境教育に関する世論調査」(速報)
国民生活センター
- 通販で宅配荷物の置き配 上手に利用するために!
- コンセントに挿すだけで使える据置型Wi-Fiルーターが“実質無料”?-途中で解約するとルーター本体代金の支払いが必要に-
- 2025年11月号【No.159】(2025年11月17日発行)
- フィッシング啓発キャンペーン
- ネットショッピング「欠品のため○○ペイで返金します」詐欺に引き続きご注意を!
厚生労働省
- 第87回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
- 「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」について
経済産業省
- 関西電力送配電株式会社から報告徴収命令に対する回答を受領しました
- 「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドライン」を改定しました
- 経済安全保障と独占禁止法に関する事例集を公表し、セミナーを開催します
総務省
- 総務省における物品等の契約に係る指名停止措置について
- 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会(第7回)配付資料
- AIセキュリティ分科会(第5回)
- 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第12回)
国土交通省
- 主要都市の地価は7期連続で全地区において上昇~令和7年第3四半期地価LOOKレポート~
- 違法な「白トラ」への規制が令和8年4月1日から強化されます~「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」等を閣議決定~
- 改正マンション関係法の施行に伴う関係政令を閣議決定~令和8年4月1日の施行にあたって必要な規定の整備を行います~
- 「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」を閣議決定
- 「科学漫画サバイバル」を読んで住まいの耐震化を考えよう!~「巨大地震のサバイバル 住まいの耐震編」を小学校に配布します~
- 令和7年度「年末年始の輸送等に関する安全総点検」の取組を実施します~輸送機関等における事故やテロの防止対策実施状況等の点検~
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内閣官房 第1回人口戦略本部
▼ 参考資料1 社会保障改革の推進について(内閣総理大臣指示)(令和7年11月17日)
- 社会保障は国民一人ひとりが、その夢や希望の実現を諦めることなく、安心して働き、暮らしていくための基盤です。
- しかし、近年、人口減少の本格化、少子高齢化の進展に加え、物価上昇という新たな社会経済局面を迎える中で、安心して必要なサービスを受けていただく体制を確保するための対応が求められると同時に、社会保障関係費の急激な増加に対する危機感や、現役世代を中心とした過度な負担上昇に対する問題意識が高まっています。
- このため、給付と負担の在り方などについて、すべての世代を通じて納得感が得られる社会保障の構築に向けた国民的な議論を進めつつ、当面の対応が急がれる課題については、早急に議論を進め、結論を得ていく必要があります。
- 関係閣僚におかれましては、これまでの取組も踏まえつつ、さらなる社会保障改革の推進に向けて、次の取組を進めるようお願い申し上げます。
- 第一に、給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について、
- 税・社会保険料負担で苦しむ中・低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取りが増えるよう、財務大臣、総務大臣、厚生労働大臣、全世代型社会保障改革担当大臣は、関係閣僚と連携し、給付付き税額控除の制度設計を進めてください。
- また、給付付き税額控除は、受益と負担に関わる課題であり、社会保障の在り方にも大きく関わるものであることから、全世代型社会保障改革担当大臣は、関係閣僚と連携し、社会保障制度における給付と負担の在り方について、給付付き税額控除の制度設計を含め、政府・与党のみならず、野党も交えた丁寧な国民的議論を進めるための枠組みとして、国民会議を早期に設置するよう、調整を進めてください。
- 第二に、当面の対応が急がれる課題については、上記と並行して、迅速に議論を進め、結論を得ていく必要があります。
- 社会保障サービスの担い手確保、経営の安定を図るため、厚生労働大臣は、関係閣僚と連携し、総合経済対策における前倒し対応に続き、次期診療報酬改定等において、保険料負担の抑制努力を継続しつつ、賃上げ、物価高を適切に反映させ、経営の改善や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながる的確な対応を実施してください。
- また、持続可能な社会保障制度のための改革を実行し、現役世代の保険料負担を抑えていくため、厚生労働大臣は、関係閣僚と連携し、慢性疾患の方や低所得の方等の負担に配慮しつつ、政党間合意を踏まえたOTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しや金融所得の反映などの応能負担の徹底等に係る具体的な制度設計、高額療養費制度の見直しをはじめとする全世代型社会保障構築のための「改革工程」に掲げられた医療・介護保険制度改革の着実な実現に向けた議論を進めてください。
- 政党間合意を踏まえ、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指し、以上について、年末までに結論を得た上で、来年度予算案や制度改正に反映させてください。
- すべての世代が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいく。こうした取り組みが、今を生きる私たちの、将来世代に対し果たすべき責任と考えています。
- 全世代型社会保障改革担当大臣を中心に、関係各位の一層の努力をお願い申し上げます
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復興庁 第44回復興推進会議[令和7年11月18日]
▼ 資料 復興加速化への取組
- 産業の復旧・復興状況
- 岩手県、宮城県の総生産は、概ね震災前の水準まで回復した。
- 福島県の総生産については、12市町村(特に4町(浪江町、富岡町、大熊町、双葉町))の回復は、依然として低い水準にとどまる。
- 原子力災害被災地域は、地域によって復興の段階が様々。それぞれの地域の実情を踏まえながら、着実に取組を進める。
- 事故収束
- 廃炉について、令和6年11月及び令和7年4月に、燃料デブリ試験的取出しに成功。また、令和7年7月に、燃料デブリ大規模取出しに向けた工程の一部が具体化された。
- ALPS処理水について、令和5年8月に海洋放出を開始。これまでのモニタリング結果やIAEAによる評価から安全であることが確認されている。政府としてALPS処理水の処分が完了するまで全責任を持って取り組む。
- 環境再生
- 除去土壌等の輸送、仮置場の原状回復、県外最終処分に向けた減容・復興再生利用の推進及び理解醸成活動。
- 令和6年12月に設置された閣僚会議の下、令和7年5月に、県外最終処分の実現に向けた復興再生利用等の推進に関する基本方針を決定。令和7年8月、当面5年間のロードマップを決定。官邸に続き霞が関の中央官庁における復興再生土の利用を推進。
- 帰還・移住等の促進
- 令和2年3月時点で、帰還困難区域を除く全ての地域で避難指示解除、帰還に向けた生活環境の整備。
- 帰還困難区域のうち「特定復興再生拠点区域」は、令和5年11月までに、全てで避難指示を解除。
- 帰還困難区域のうち「特定帰還居住区域」においては、これまでに大熊町、双葉町、浪江町、富岡町、南相馬市及び葛尾村が「特定帰還居住区域復興再生計画」を作成し、国が認定。順次、除染等の避難指示解除に向けた取組を実施。
- 福島国際研究教育機構(F-REI)の取組の推進
- 創造的復興の中核拠点として「福島国際研究教育機構」(F-REI:エフレイ)を令和5年4月に設立。
- F-REIでは研究開発等の取組を推進。令和7年度から敷地造成の工事に本格的に着手。
- 福島イノベーション・コースト構想を軸とした産業集積等、事業者再建
- 浜通り地域等における新産業創出に向け、廃炉等の重点分野における拠点整備・実証等の推進。
- 令和7年6月、「福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真」を改定。
- 農林水産業の再建
- 営農再開の加速化(農地の大区画化・利用集積、高付加価値産地の形成等の推進)。
- 漁業の本格的な操業再開、水産加工業の販路の開拓、森林・林業の再生等に向けた支援。
- 風評払拭・リスクコミュニケーションの推進
- 令和5年9月に、関係省庁の連名で「水産業を守る」5本柱の政策パッケージを取りまとめ。
- 令和7年10月、風評対策タスクフォースにおいて情報発信等施策パッケージ(追補版)を取りまとめ
- 地震・津波被災地域は、住まいの再建や復興まちづくり等が概ね完了。一方で、心のケア等の中長期的な課題について適切に取り組む。
- 被災者支援
- 災害公営住宅等への移転など復興のステージに応じて、切れ目のない支援を実施。
- 心のケアや被災した子どもに対する支援等の中長期的取組が必要な課題については、政府全体の施策も活用して対応。
- 住まいとまちの復興
- 高台移転による宅地造成、災害公営住宅の整備が完了。復興道路・復興支援道路が全線開通し、被災した鉄道も全線運行再開。
- 土地区画整理等による造成宅地や移転元地の活用について、地域の個別課題にきめ細かく対応して支援。
- 産業・生業の再生
- 生産設備は概ね復旧。
- 被災地の中核産業である水産加工業の売上げ回復に向け、販路開拓等を支援。
- 福島国際研究教育機構(F-REI)の取組
- 福島国際研究教育機構は、世界に冠たる「創造的復興の中核拠点」を目指すものとして令和5年4月に創設。
- 福島ならではの優位性を発揮できる5つの研究分野について、研究体制の構築等を行っているところ。これまでに約50の外部への委託研究とともに、15テーマのエフレイ直営研究グループを立ち上げ、研究を実施。(10.1現在)
- 本施設については、本年春に敷地造成に本格的に着手しており、令和12年度までの順次供用開始を目指す。
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金融庁 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
▼ 主要行等
- 2025事務年度の金融行政方針、監督・検査の方針について
- 2025事務年度の金融行政の基本的な方針を示した「金融行政方針」を2025年8月29日に公表した。
- 本方針に掲げた内容を含め、2025事務年度の主要行等に対する監督・検査の方針等について、2点御説明する。
- 監督・検査に係る体制の見直し等
- 2025事務年度、金融庁は、従来の監督各課と横断モニタリング部局を、より一体的・効果的に運用するほか、主要行等と証券会社の監督は同一の審議官に担当させ、大手金融グループ全体を俯瞰した監督・検査を実施する体制とした。
- 具体的には、まず、大手銀行グループに対するモニタリングを担当する大手銀行モニタリング参事官を、銀行第一課長の指揮下に置くことで、銀行監督とモニタリングの一体的な運用をすることとする。
- さらに、大手銀行グループ全体を俯瞰する観点から、銀行第一課が中心となって証券課等の関係課室ともよく連携し、グループ全体のビジネスやガバナンスに影響を与えるような情報が、銀行第一課長に集約される体制とした。
- こうした体制の下で、銀行毎のリスクプロファイルに基づき、対応すべき課題に優先順位を付け、関係課室のリソースを柔軟に投じることで、オンサイトの立入検査を含め、より実効性のある監督・検査を計画的に実施していく。
- 多数の金融機関が共通して直面しているリスクや課題に関しては、金融庁より、これまで同様、様々な発信をすることになるが、金融機関の対応がより円滑なものとなるよう、発信に際しては、その位置付けが当局として特にお願いしたい要請なのか、一般的な注意喚起なのか、参考にしていただければよい情報提供なのかなど、性格を明確にすることに留意したい。性格が分からないなどの疑問やお気づきのことがあれば、金融庁に直接御連絡いただきたい。
- なお、監督局は、2026年度、「銀行・証券監督局」に再編することを目指しているが、こうした方針となったのも、大手金融グループの実態と、グループベースで監督の高度化を図っていく必要性を踏まえたものである。いずれにせよ、各金融機関に対する当局の接触の仕方等が、こうした体制の見直しにより、従来から大きく変わるものではないと考えている。
- 監督・検査の着眼点
- 大手金融グループのモニタリングの2025事務年度の重点事項としては、足もと、「金利ある世界」への移行や各国の通商政策など、経済・市場環境の変化が見られる中、
- これらの変化がビジネス及び各種リスクに与える影響について、どのように分析しているか、
- それらの分析・リスク認識を踏まえた、資本の活用方法や今後の戦略について確認する。
- また、近年、買収や出資によりグループ構造が複雑化する中で、買収・出資の段階に応じた、グローバル拠点を含むグループ全体の管理に課題がないか、についても確認していく。
- こうした点について、経営陣や社外取締役を含む各階層との対話を通じて、グループ・グローバルガバナンスが実効的なものとなっているか確認したい。
- また、これまでと同様、取引先等の実態把握の状況を含む信用リスクの管理態勢や、市場リスク、マネロン等の業態横断テーマも確認していく方針である。
- 大手金融グループのモニタリングの2025事務年度の重点事項としては、足もと、「金利ある世界」への移行や各国の通商政策など、経済・市場環境の変化が見られる中、
- 特定回収困難債権買取制度の活用促進について
- 2011年5月の預金保険法改正により、債務者又は保証人が暴力団員である等の特定回収困難債権、いわゆる反社債権の買取りを預金保険機構が行う「特定回収困難債権買取制度」が導入された。
- 制度開始以降、2025年6月末までに、金融機関101先から累計331件、約81億円の債権買取を決定しており、多くの金融機関に本制度を積極的に活用していただいているものの、近年は活用実績が低調であり、また、未だに活用実績がない金融機関も存在している。
- 各金融機関においては、引き続き反社会的勢力との関係遮断に努めていただくとともに、仮に、反社債権の保有が判明した場合には、積極的に本制度の活用を検討していただきたい
- インターネットバンキングの利用を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の強化に係る要請文について
- 預貯金口座の不正利用等防止に関しては、各金融機関において対策を進めていただいているところだが、特殊詐欺等の金融犯罪被害は足元高止まりしている状況にある。
- 特に、振込を悪用した特殊詐欺等においては、被害額の過半(注)がインターネットバンキングを利用した振込によるものであり、こうした手口へのさらなる対策の強化が急務である。
- こうした状況を踏まえ、2024年8月に警察庁と連名で要請した「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」に関して、インターネットバンキングの利用申込時及び利用限度額引き上げ時の確認等を追加し、改めて対策の強化を要請した。
- 金融機関においては、要請内容も踏まえ、金融犯罪対策に関して、引き続き主体的・積極的な取組をお願いしたい。
- (注)2025年上半期のインターネットバンキングを悪用した振込型詐欺の被害額(暫定値)
- 特殊詐欺:220.2億円(振込型全体の被害額 369.8億円)
- SNS型投資詐欺:200.1億円(振込型全体の被害額 266.4億円)
- SNS型ロマンス詐欺:97.3億円(振込型全体の被害額 142.1億円)
- 金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習(Delta Wall 2025)について
- 金融業界全体のインシデント能力向上のため、2025年も10月にサイバーセキュリティ演習(DeltaWall(デルタウォール)2025)を実施予定である。
- 参加予定の金融機関においては、IT/サイバーセキュリティ担当部署だけではなく、経営層も積極的に参加していただきたい。また、演習が終わった後は、演習で得られた教訓を活かし、自社のサイバーインシデントマニュアルを改訂するなど、具体的な対応につなげていただきたい。具体的には、経営者が適切な意思決定を行えたか、組織として顧客対応、業務復旧などのコンティンジェンシープランが有効であったかなどを振り返り、できなかったことを可視化し、改善するにはどうすればよいか、体制、業務プロセス、予算、人材を含めて考えていただきたい。
- 金融行政方針の公表について
- 2025年8月29日、2025事務年度の金融行政方針を公表した。これは、金融庁が各事務年度において、重点的に実施する施策を明確化するものである。
- 2025年金融行政方針は、要点を絞った記載としており、この方針に掲げた施策だけでなく、これまで継続的に取り組んできた施策も着実に実施していく。
- 金融行政方針を端緒として、各金融機関と課題認識等を共有し、かみ合ったコミュニケーションに繋げていきたい。金融庁の施策について、御不明な点、御懸念の点、御提言したい点があれば、お気軽にお問合せいただきたい。
- 公益通報窓口等
- 近年、金融サービスを悪用した詐欺等や、金融機関や金融市場に関わる不祥事や不正が相次ぐ中、2025事務年度の金融行政方針でも触れたとおり、金融機関や金融市場の公正性・安全性に対する信頼を回復することが重要である。
- 金融庁では、公益通報窓口及び相談窓口を設け、いわゆる内部告発や金融サービスに関する情報を受け付けている。寄せられた情報については、金融機関のモニタリングに役立ててきたところであるが、今後もより一層活用していきたい。
- 他方、金融機関の公正性に対する信頼の回復は、そもそも金融機関自身の主体的取組によるべきものである。各金融機関においては、引き続き顧客本位の業務運営の徹底やそれを前提とした職員教育、職員の士気の維持向上に努めていただきたい。
▼ 全国信用組合中央協会
- 顧客口座・アカウントの不正アクセス等への対策の強化について
- 証券口座への不正アクセス事案は、証券業界に限らず、金融業界の信頼を揺るがしかねないものであり、早急にログイン認証の強化、ウェブサイト及びメールの偽装対策の強化、不審な取引等の検知の強化、取引上限の設定、手口や対策に関する金融機関間の情報共有の強化、顧客への注意喚起の強化などの対策を進める必要がある。
- こうした状況を踏まえ、金融庁は、警察庁と連携し、上記内容を盛り込んだ「顧客口座・アカウントの不正アクセス・不正取引対策の強化」に関する要請文を2025年7月28日に発出した。
- 不正アクセス対策強化の取組状況については、金融庁として、モニタリングしていく。
- 犯罪収益移転防止法施行規則の改正について(非対面の本人確認方法の見直し
- 偽変造された本人確認書類により開設された架空・他人名義の預貯金口座等が詐欺等に利用されていることを踏まえ、「国民を詐欺から守るための総合対策 2.0」(2025年4月22日)や「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(2025年6月13日)において、非対面の本人確認方法をマイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化する旨の方針が示されている。
- これを踏まえ、2025年6月24日、犯罪収益移転防止法施行規則が改正され、非対面での本人確認方法のうち、本人確認書類の偽変造によるなりすまし等のリスクの高い方法が廃止されることが決まった。なお、対面での本人確認方法についても、マイナンバーカード等のICチップ情報の読み取りを義務付ける方向で警察庁において検討が行われている。
- 偽造身分証での口座開設・不正利用への対策としてきわめて効果が高いことから、本改正の施行日は2027年4月1日となっているが、各金融機関においては、施行日を待たず、可及的速やかな対応をお願いしたい。
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金融庁 金融安定理事会による本会合議事要旨の公表について
▼ プレス・リリース(FSB全体会議、2026年の作業計画を策定)*翻訳
- 世界の金融安定を守る中心的役割を担う金融安定理事会(FSB)は、2025年11月18日から19日にかけてサウジアラビアのリヤドで会合を開きました。メンバーは、世界の金融システムの脆弱性、新興市場および発展途上国(EMDE)が直面する課題、2026年の優先事項、実施支援のための追加作業について議論しました。また、規制・監督の近代化、ステーブルコイン、非銀行金融仲介(NBFI)に関する新たな取り組みを開始し、国境を越えた決済の改善を促進するための管轄権および地域行動計画の策定も呼びかけました。
- 金融システムの脆弱性
- メンバーは厳しい世界経済の見通しについて議論しました。全体会議では、持続的な成長を支える財政の安定性が極めて重要な役割であることが認識されました。この文脈で、メンバーは6月の会合以降の金融システムの脆弱性の進化について議論し、主要リスクと課題に焦点を当てました。彼らは、特にAI関連証券における歴史的に伸びた資産評価と、急激な市場調整の可能性を強調しました。特にリスクの高い企業にとって借入条件が引き締められる可能性も、不透明な世界経済見通しを踏まえて懸念材料でした。経済成長の鈍化、支出の増加、高齢化といった要因により、世界的な政府債務の増加は、金融の回復力に悪影響を及ぼす可能性があります。メンバーは、非銀行機関が政府債務市場においてますます重要な参加者となっているが、高レバレッジ取引戦略の活用は、ポジションの急速な解消が起きた場合に国境を越えた市場の変動性や不安定さを増幅させる可能性があると指摘しました。また、EMDEに特有のリスクについても議論し、彼らが直面する特有の課題と、これらのリスクに効果的に対処し続ける重要性を強調しました。
- 本会議のメンバーはプライベートクレジット市場についても議論しました。民間市場が信用へのアクセスを改善していることを認めつつも、その急速な成長、複雑さ、透明性の相対的な欠如、銀行業界や金融システム全体とのつながりの拡大に注目し、金融安定性に対する潜在的リスクを評価するために慎重な監視が必要だと指摘しました。
- 全体会議では、暗号資産とステーブルコイン、そして広範な金融システムとの相互関係の拡大を引き続き注視することを求めました。ステーブルコインは支払い速度と効率を向上させる可能性がありますが、複数の管轄区域にまたがるステーブルコイン発行者に伴うランリスクや規制上の課題など、継続的な注意が必要な脆弱性も生じさせます。
- また、主要な金融機関や技術提供者での業務の混乱がシステム全体に重大な影響を及ぼす可能性があることも指摘しました。
- FSB作業プログラム
- 全体会議では、米国G20議長国向けの主要な成果物を含む2026年のFSB業務計画が承認されました。
- 多くの法域が、自国の法域における金融規制と監督の近代化を検討または開始しています。全体会議では、FSBがこれらのイニシアチブを検討し、世界的なアプローチの整合を支援できる場所を検討すべきだと合意しました。
- 2026年のその他の重点分野は以下の通りです:
- 暗号資産とステーブルコイン
- FSBが10月にG20に提出したFSBグローバル・レギュラー・フレームワークのテーマ別ピアレビューでは、ステーブルコインの急速な成長と伝統的な金融セクターからの関心の高まりが強調されました。また、規制の断片化に関連する課題も指摘しました。メンバーは、暗号資産セクターが成長を続ける中で、管轄区域が規制枠組みを調整し、金融の安定を優先し、マネーロンダリング防止やテロ資金供与対策に取り組む必要性を強調しました。脆弱性に加え、メンバーはステーブルコインの最新の動向、イノベーション、ユースケース、政策対応について議論し、FSBがステーブルコインの金融安定性への影響、規制の断片化に対処する基盤を築き、協力強化を促進するための取り組みを検討しました。メンバーは、国際機関、標準化機関、金融活動タスクフォース(FATF)間の調整と協力の重要性に言及しました。
- 実施監視レビュー
- 本会議は、元FSB議長ランダル・K・クオールズが主導する実施戦略的レビューの第2段階に進むことを決定しました。
- 国境を越えた支払い
- 全体会議では、国境を越えた支払い強化のためのG20ロードマップの進捗について議論されました。10月に発表された最新の進捗報告書は、G20の目標が2027年末の期限までに達成される可能性は低いと警告しました。メンバーはEMDEを含む特定の課題に対応するための管轄および地域行動計画の策定を求め、改善を推進するために民間セクターとの継続的な連携の必要性を強調しました。
- ノンバンク金融仲介(NBFI)
- 全体会議では、NBFIセクターのレジリエンス強化に向けたFSBの取り組みについて議論されました。議員たちは、政府債担保レポ市場の脆弱性と、レポと国債市場の関連性に関する報告書を検討しました。全体会議では、オープンエンドファンドによる流動性管理およびNBFIレバレッジに関するFSBの勧告の実施を促進するさらなる取り組みを支持しました。後者には、非銀行機関がプライムブローカーカウンターパーティに対して開示を強化するための業界との協力も含まれます。全体会議では、非銀行データタスクフォースの下で、主権債券市場におけるレバレッジド取引戦略に関するデータギャップの解消の進展が必要であると指摘しました。
- メンバーはまた、脆弱性や相互関係のさらなる評価、データギャップの解消を含む民間信用に関する取り組みの選択肢についても議論しました。
- 解決
- 2023年の銀行混乱は、危機対応を強化するために異なる当局間の連携の必要性を浮き彫りにしました。メンバーはFSBの危機準備活動の戦略的見直しの提案を検討し、FSBがこの分野で効果的に活動を主導できることの重要性を強調しました。すべての分野での解決基準の実施監視の継続的な取り組みが、2026年のFSBの解決に関する取り組みの基盤となります。銀行セクターにとって、全体会議では、FSBの解決枠組みの効果的な実施における資金調達が依然として課題であると指摘しました。この問題は、越境ベイルインの実行効果を高めることとともに、2026年にも取り組む予定です。
- 保険
- 全体会議では、FSBが国際保険監督者協会のホリスティックフレームワーク評価を活用した経験を歓迎しました。これは、グローバルにシステム的に重要な保険会社の年次特定ではなく、メンバーは、解決計画基準に従う保険会社の年次リストの公表および保険会社の回収および解決計画要件に関する協議報告書を承認しました。
- 暗号資産とステーブルコイン
- 結論
- FSB議長のアンドリュー・ベイリー総裁は次のようにコメントしました。「この全体会議はFSBにとって重要な一歩となります。メンバーは、金融安定性の脆弱性のパターンの変化に対応し、イノベーションの導入を進め、経済成長を促進する安定した金融環境を確保することにFSBの活動を集中させることに合意しました。2026年の業務課題は厳しいものですが、市場の脆弱性を綿密に監視し、推奨事項の実施を世界中で確実に行うことに引き続きコミットしています。」
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金融庁 証券監督者国際機構(IOSCO)による最終報告書「ネオブローカー」の公表について
- 証券監督者国際機構(IOSCO)は、令和7年(2025年)11月12日、最終報告書「ネオブローカー」(原題:Neo-brokers)を公表しました。
- 本報告書において、ネオブローカーとは、魅力的な顧客インターフェースの活用、ソーシャルメディアの利用、オンライン専用の投資サービスの提供を特徴とするビジネスモデルを通じてサービスを提供するブローカーであるとされています。
- 本報告書は、ネオブローカーが投資家保護措置を含む証券規制を遵守して運営する、より透明で説明責任のある環境を証券規制当局が醸成することを支援するために、一連の勧告を指針として提案しています。
▼ プレス・リリース(IOSCO、ネオブローカーに関する最終報告書を公開) *翻訳
- 国際証券監督者機構(IOSCO)は本日、ネオブローカーに関する最終報告書(以下「報告書」)を公開しました。
- 「ネオブローカー」とは、魅力的な顧客インターフェースの活用、ソーシャルメディアの利用、オンライン専用の投資サービスの提供というビジネスモデルを特徴とする証券会社のサブセットです。これらは通常、ほとんどまたは全く人とのやり取りを伴わずにサービスを提供し、提供されるサービスは取引執行サービスだけに限定されることが多いです。
- ネオブローカーは投資家に新たな機会を提供し、しばしば低コストで運営されます。しかし、新興のネオブローカーのビジネスモデルがもたらす課題に対応するため、報告書では証券規制当局がネオブローカーの運営において、証券規制や投資家保護措置を遵守しながら、より透明で責任ある環境を促進するのに役立つ一連の勧告を提案しています。
- 本報告書では、IOSCO加盟国およびネオブローカーに対して5つの推奨事項を示しています:
- 小口投資家に対して誠実かつ公正に行動すること – ネオブローカーは、小口投資家に対して誠実、公正かつ専門的に行動すべきです。
- 小口投資家への手数料及び料金の適切な開示と広告 – ネオブローカーは、取引を行う際に発生する可能性のある重要な手数料について、小口投資家に対して公正で、明確かつ簡潔な情報提供を行うべきです。
- 補助的サービス – ネオブローカーが主要な取引執行サービスに加えて補助的サービスを提供する場合、ネオブローカーは以下を行うべきです:
- 小口投資家に対して、各サービスから得られる会社の重要な収益源と、それに関連する利害の衝突の種類(該当する場合)を開示すること;
- 補助的サービスを提供する前に、小口投資家の同意を得ること。
- 注文フローの対価(PFOF)のような手数料に関連しない取引収益 – ネオブローカーは、PFOFが顧客の注文に対する最善執行に与える影響を考慮すべきです。
- ITインフラ – ネオ・ブローカーは、投資家がプラットフォームを効果的に利用できなくなる可能性のある障害に迅速に対処できる強固なシステムを整備していることを確認する必要があります。
- この報告書は、IOSCOのリテール投資家オンライン安全ロードマップの最終マイルストーンであり、リテール投資家保護に対する新たな課題にスポットライトを当てた1年の締めくくりとなります。
- 「ネオ・ブローカーはデジタルプラットフォーム、低コストの取引モデル、新たな形の投資家エンゲージメントを通じて、小口投資の環境を再形成しています。この報告書は、進化するビジネスモデルがもたらすリスクと機会を規制当局に明確に示すとともに、透明性の強化、利害関係の管理、デジタル化が進む市場環境におけるリテール投資家の保護を実践的に支援するための推奨事項を提供します。」- ジャン=ポール・セルヴェ、IOSCO理事会会長
- 「今日の変化する人口動態および経済環境の中で、個人投資家の金融市場へのアクセスを広げることは重要であり、ネオブローカーはその面で前向きな役割を果たすことができます。しかし、彼らのビジネスモデルは、商品やサービスが投資家の最善の利益に沿わない場合にリスクをもたらす可能性があります。IOSCOの勧告は、これらのリスクを軽減し、投資家保護を確保する方法について明確な指針を提供しています。」- IOSCO市場仲介業者規制委員会(C3)委員長 ジェームズ・アンドロニス
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内閣府 第475回 消費者委員会本会議
▼ 【資料1】 AIセーフティーとリスクマネジメントについて(国立研究開発法人産業技術総合研究所 妹尾氏)
- 生成AI品質マネジメントガイドライン第1版
- 生成AIシステムの開発者/提供者が対象
- 他社製の生成AIモデルを再利用部品として使う
- 生成AIシステムの用途を決める立場にある
- キーメッセージ
- 生成AIシステムの用途が品質目標を決める
- 生成AIモデルの外側で品質を作りこむ
- 適切な情報が開示されているモデルを選ぶ
- 扱っていないこと
- 生成AIモデルの品質マネジメント
- 生成AIの悪用に起因するリスク
- 品質の良い生成AIが引き起こすリスク
- 生成AIシステムの開発者/提供者が対象
- 生成AIの発展と消費者にかかわる課題~サービス開発者/提供者だけでは解決できない~
- 生成AIの生成物とフェイク、著作権の問題
- 有名人フェイク動画、肖像権や著作権の保護
- 生成AIと教育界
- 論文入試は廃止の傾向。授業のレポート提出課題。
- 残存リスクテイクのサービス提供者と消費者との分担
- 生成AIの機能と既存社会システムの不適合
- 生成AIの発展による新たな機能と消費者/社会制度の追随
- 推論、数学、Agentic AI、Webサービス入出力処理、決裁代行、ロボット制御
- 生成AIと人間との役割分担、人間のキャリアパス
- 事故・問題の検知、モニタリング
- 自動化の進展⇒おかしなことが起こっていても、人間には分からない可能性
- Human in the Loopの設計
- 消費者も含めた役割分担が求められる
- 生成AIの生成物とフェイク、著作権の問題
- AIエージェント(エージェンティックAI)
- 目標だけ与えると、計画策定から実行管理までをAIエージェントが行う。
- 利用者の経験がない分野の知識処理や複合業務を効率よく実行できる可能性。
- ホワイトカラーの仕事をかなり代替できるかもしれない。
- スケーラビリティー、即時対応性などで、人間を大幅に超える能力を発揮する可能性。
- 社会システムとの不整合の可能性
- AI依存症、社会の準備を超えるAI活
- リスクマネジメントと社会コンセンサス
- AIの品質マネジメント:100%の品質保証は不可能
- どこまでやればいいかの指針策定と社会コンセンサスの醸成(応用依存)
- 残存リスク対応:提供者と消費者の役割分担
- 自動車の例
- 残存リスクはゼロにはできない・・・リスク<利便性
- 死亡者数の推移 1万6千人(1970)⇒2.6千人(2023)
- 20世紀初頭から現在まで、事故発生⇒対応 のサイクルでリスク対応してきた。
- 交通ルール、信号・歩道などインフラ整備、教育など
- 国や都市によってリスクの分担方法が異なる。
- NYでは、車優先の街づくり、日本では歩行者保護優先。
- リスク分担について、社会としてポリシーを定めてから、具体的ルールを作ることが重要
- 残存リスクはゼロにはできない・・・リスク<利便性
- 生成AIの発展による新たな機能と消費者/社会制度の追随
- 20世紀初頭に、いきなりフェラーリや大型トレーラー、空飛ぶ車などが次々と登場しているような状況
- 事故⇒対応のサイクルだけでは、災害級の事件が続発する恐れ。
- 今後でてくるであろう新規機能を先読みして対応できる仕組みづくりが重要
- AI開発サイドだけではなく、利用者(消費者)と連携した議論が必要
- 自動車の例
- 生成AIの機能と既存社会システムの不適合
- 消費者個々が正しく利用しても社会システムとして問題が起こる例
- 旅行予約の例
- 1週間の出張予約
- キャンセルポリシーを理解して、費用負担のない範囲で対象エリアすべてのホテルを予約
- 予約済ホテルと他の旅程を考慮して旅程を決定
- 残りのホテルをすべてキャンセル
- 多数の利用者がこれをやると旅行業界が麻痺
- 現在の旅行に関する社会システムが生成AIによる予約を想定していないため。
- 蕎麦屋の出前注文電話も可能
- アルゴリズムトレード
- 専門家だけではなく、素人も簡単に実現可能。
- 生成AIと人間との役割分担、人間のキャリアパス
- 生成AIが人間のキャリア形成初期の技術獲得機会を奪う
- Auditorの例
- 若年層の仕事、経験を積む機会を奪う
- 下部分のAIへの置き換えが進むとAIの間違いの指摘が困難に
- ホワイトカラーの仕事の大半が同様の課題を抱える
- Human in the Loopの設計が重要
- 生成AIに関する最近の話題
- ハルシネーション、ブルシットとガスライティング
- ハルシネーション:事実誤認、文脈との矛盾、質問との乖離
- ブルシット:その場しのぎ、迎合、美辞麗句、量で勝負、打ち切り
- ガスライティング:言い訳、脅迫的説得、責任転嫁
- 後者2つはファインチューニング、強化学習によるアラインメントの副作用と考えられる。
- 表象工学による欺瞞分析
- AIの内部状態の分析による「ウソ発見器」
- 上記の生成AIのふるまいを検出できる可能性
- ベンチマーキング:実用上の生成AI評価のためのテストデータ準備
- 提供者による共同作業が提案されているが、消費者と連携した活動が重要
- ハルシネーション、ブルシットとガスライティング
~NEW~
内閣府 「環境教育に関する世論調査」(速報)
- 環境保全と経済の関係について、あなたの考えに最も近いものはどれですか。 (○は1つ)
- 環境保全の取組を進めることは経済発展に繋がる 38.5%
- 保全の取組は、必ずしも経済発展を阻害しない 32.3%
- 経済発展に多少悪影響が出ても取組を進めるべき 17.3%
- 環境保全は後回しにしても経済発展を優先すべき 4.3%
- 環境保全と経済発展は、あまり関係がない 4.7%
- その他 0.7%
- 無回答 2.2%
- あなたは、これまでに、環境保全や持続可能な社会の構築、環境と社会、経済とのつながりについて、どのようなことを学習しましたか。(○はいくつでも)
- 食品の食べ切りなど、食品ロスを減らすこと 77.8%
- 冷暖房の管理など、電気やガスの消費量の削減 72.4%
- 長く使えるものやリサイクルしやすい製品を購入 30.6%
- 製品の購入や買替に際して、省エネ型機器を購入 24.0%
- 周囲の人との会話の中で環境について話題にする 18.4%
- 省エネ住宅への建替又は購入などをしている 14.3%
- 環境ラベルの製品や環境負荷低減の農作物を購入 11.8%
- 環境保全活動や環境に関するイベントに参加 11.4%
- 選挙に際し候補者が環境保全を重視するか考慮 9.1%
- 環境保全活動に取り組む団体や企業に対して支援 1.9%
- その他 1.0%
- 環境に配慮した生活習慣や行動は行っていない 3.6%
- 無回答 0.4%
- 環境に配慮した生活習慣や行動を行う理由は何ですか。(○はいくつでも)
- 将来世代のためにより良い環境を残すことは必要 68.1%
- 今の地球環境の状況に危機を感じているから 63.8%
- 幼少期からの生活習慣や価値観であるから 36.6%
- 自然の豊かさを感じる体験をしたから 19.8%
- 自然災害を経験したから 13.1%
- 学校で環境に関する教育を受けたから 9.8%
- 身近な人が環境に配慮した行動をしているから 9.1%
- 所属する企業・機関の理念や規則にあるから 6.8%
- その他 1.3%
- 無回答 2.8%
- あなたにとって、環境に配慮した生活習慣や行動を行うことが難しい理由は何ですか。 (○はいくつでも)
- 経済的な余裕がないから 38.0%
- どのような基準で取り組めばよいかの情報が不足 36.0%
- 地球環境の状況に関する情報の真偽が分からない 22.3%
- 時間的な余裕がないから 22.2%
- 選択できる製品やサービスが少ないから 13.4%
- 自分の行動が環境保全に貢献するとは思えない 10.3%
- 身近な人が環境に配慮した行動を行っていない 5.1%
- 環境に配慮した行動を行う必要性を感じないから 2.1%
- その他 2.3%
- 特に難しさを感じていない 16.1%
- 無回答 3.2%
- あなたは、ご自身の環境に関する生活習慣や行動に対する姿勢に影響を与えているのはどんなことだと思いますか。(○はいくつでも)
- テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、書籍 59.3%
- 家庭での教育 44.5%
- 学校での教育 37.3%
- SNSでの投稿や動画等のインターネット情報 32.8%
- 身近な友人・知人の考えや行動 25.8%
- 自然体験 24.4%
- 町内会や自治会、サークルなどの地域活動 14.6%
- 職場での教育や研修 13.4%
- 公民館や動物園などの社会教育施設での学習 11.2%
- シンポジウムやセミナーなどのイベント 4.7%
- その他 1.4%
- 無回答 0.6%
- あなたが、今後、環境問題や環境と社会、経済とのつながりなど環境に関する学習をする場合、どのような場所や方法で学習したいと思いますか。(○はいくつでも)
- テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、書籍 56.9%
- SNSでの投稿や動画等のインターネット情報 35.5%
- 自然体験やリサイクル工場などでの社会体験 34.5%
- 公民館や動物園などの社会教育施設での学習 21.2%
- 地域での自主的な集まりや地域活動 19.2%
- 職場での教育や研修 15.5%
- 大学などの学校での社会人向け公開講座や授業 12.7%
- シンポジウムやセミナーなどのイベント 8.9%
- 民間事業者が提供する講座や資格試験 7.4%
- その他 0.8%
- 学習したいと思わない 4.4%
- 無回答 0.5%
~NEW~
国民生活センター 通販で宅配荷物の置き配 上手に利用するために!
- 内容
- 事例1
- ネットで注文した商品が置き配で配達完了したという通知が届いた。自宅の玄関先に荷物が置いてある証拠の写真が添付されていた。配達完了時間から1時間以内に玄関に取りに行ったところ、荷物がなかった。業者の連絡先が分からない。(60歳代)
- 事例2
- ネット通販サイトで置き配を指定して注文したが商品が届かない。配送業者から置き配の写真が送られてきたが、自宅ではない。問い合わせ方法が分からない。(70歳代)
- 事例1
- ひとこと助言
- ネット通販で商品を注文する際に、初期設定が置き配になっている場合があります。意図せず置き配を選択していないか、注文前によく確認しましょう。
- 置き配を利用する場合は、注文前に利用規約をよく読み、誤配、盗難などがあった場合の補償の有無やその場合の連絡先を把握しておきましょう。
- 宅配業者からの配達完了通知などで到着を確認したら、早めに引き取りましょう。
- 玄関先などの指定した場所に置くことで配達を完了する「置き配」は、ネット通販を中心に、急速に普及していますが、誤配、盗難などのリスクもあります。メリットとデメリットを理解して利用しましょう。
- 困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。
~NEW~
国民生活センター コンセントに挿すだけで使える据置型Wi-Fiルーターが“実質無料”?-途中で解約するとルーター本体代金の支払いが必要に-
- 機器をコンセントに挿すだけでインターネットが利用できる、いわゆる「据置型Wi-Fiルーター」は工事不要で設置できるため、手軽にネット環境を整えたい場合の選択肢になっています。
- その一方で、全国の消費生活センター等には「無料と言われて契約してしまった」「解約したら高額なルーター本体の代金を請求された」「電波状況が悪くつながらない」といったトラブルが寄せられており、相談に占める契約当事者70歳以上の割合が増加傾向にあります。
- そこで、据置型Wi-Fiルーターに関する相談の特徴や消費者へのアドバイスを整理し、注意を呼びかけます。
- 相談事例
- 「実質無料」と言われ契約したが、通信料金がかかると聞いていなかったので解約したところ、ルーター本体の代金を請求された。
- 料金が発生すると説明もなく、自宅にはすでにインターネット環境があるのに不要な契約をさせられていた。
- 通信速度が速くなると言われ契約したが、通信が不安定でつながりにくい。
- スマートフォンの使い方を聞きに行っただけなのに、よくわからない箱を2つ渡され、2台分の据置型Wi-Fiルーターの契約をさせられていた。
- 電話勧誘を受けたが説明書面が交付されず、勧誘時に説明された料金と後日届いた契約書面の料金が異なる。
- 相談事例からみる問題点
- 据置型Wi-Fiルーターの本体代金や通信料金が発生することを消費者に正しく認識させていない。
- 消費者の利用実態や適合性に考慮した確認が不十分なまま契約を締結している。
- 電話勧誘において、契約前の説明書面が交付されないまま契約している場合がある。
- 通信速度について、消費者に誤解を与えかねない説明がされている。
- 消費者へのアドバイス
- 家族も含め、自宅のインターネット環境の有無やネットの使い方などを確認し、どのくらいデータ量を使っているのか認識しておきましょう。
- 契約前に、新たに据置型Wi-Fiルーターを契約することで月額の請求合計金額がいくらになるのかだけでなく、契約それぞれの通信料金やルーター本体代金、解約時に発生する料金についても確認しましょう。
- 契約後にキャンセル・解約したいと思った場合は、すぐに契約先事業者に申し出ましょう。
- 不安に思った場合やトラブルになった場合には、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。
~NEW~
国民生活センター 2025年11月号【No.159】(2025年11月17日発行)
▼ 1 不正ログインの脅威と対策-巧妙化するフィッシングに対応する方法とは?
- 不正ログインとは、第三者が不正に入手したIDおよびパスワードを使用し、正規の利用者になりすましてインターネットサービス等に不正にログインする行為を指します。不正アクセスと呼ばれることもありますが、本稿では「不正ログイン」という用語を使い、その手口と対策について解説します。
- 不正ログイン被害の現状
- 独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)の「情報セキュリティ安心相談窓口」(以下、安心相談窓口)には、不正ログインによるSNSアカウントの乗っ取り被害の相談が数多く寄せられています。SNSアカウントの乗っ取りとは、Instagram等のアカウントに不正ログインされ、不正ログインした相手にパスワードを変えられて、アカウントの所有者がログインできなくなることです。乗っ取られたアカウントから、不審な商品やサービスを宣伝する投稿をされてしまうことがあります。この場合、自分のアカウントが不審な投稿のために悪用されていることを目の当たりにしながら、それを止めることができません。そのため、被害者にとって精神的な苦痛(被害)になります。こうした中、IPAでは「安心相談窓口だより」にて不正ログインの注意喚起を行いました。
- また、証券口座に不正ログインされ、不正な株の取引をされるという被害が大きな問題になっています。この手口では、「アカウントの悪用」による金銭的被害が発生していると言えます。このように、不正ログインによるアカウントの悪用は、さまざまな被害をもたらします。
- 不正ログインの手口
- ID・パスワード認証への攻撃
- SNS等の会員制のインターネットサービスを利用するためにログインする際には、まず利用したいサービスに利用者本人であることを証明する手続きが必要です。この手続きを「認証」と呼びます。従来の認証では、ログインしたいサービスに、IDとパスワードを入力します。パスワードは、本人しか知らない秘密の合い言葉のようなものです。パスワードを使ってサービスに対して利用者本人であることを証明します。
- IDは、サービスが利用者を識別するための会員番号のようなものです。会員番号の代わりにメールアドレスや携帯電話番号が使われることが多く、これは本人しか知らない秘密の情報ではありません。そのため、ID・パスワードを使用した認証方式では、パスワードが利用者本人であることを証明する唯一の秘密の情報です。
- また、パスワードは部屋の鍵のようなものとも言えます。鍵が1つしかない場合、それを盗まれると不正ログインを許してしまうことになります。ID・パスワード認証では、この「鍵が1つしかない」という点が弱点です。不正ログインを行う攻撃者(悪者)は、この弱点を悪用するためにパスワードを盗もうとします。では、どのようにしてパスワードを盗むのでしょうか?代表的な手口として、以下のものがあります。
- パスワードを構成するすべての文字の組み合わせを試す「総当たり攻撃」
- パスワードでよく使われる言葉などを集めた専用の辞書を利用する「辞書攻撃」。“password123”のような、単純な単語と数字の組み合わせをパスワードに使っていると、この手口の被害に遭う可能性があります
- 漏えいしたパスワードのリストを使った「リスト型攻撃」。同じパスワードを複数のサービスで使い回していると、この手口の被害に遭う可能性があります
- 実在する事業者(銀行、証券会社、ネットショップ等)をかたる、偽のメールやSMS(ショートメッセージ)のURLリンクをクリックさせ、本物そっくりの偽サイトに誘導してパスワードを入力させる「フィッシング」
- ID・パスワード認証への攻撃
- 不正ログインの対策
- 安全なパスワードの設定
- (1)総当たり攻撃や②辞書攻撃への対策は、パスワードを簡単に探り当てることができないようにすることです。そのためには、パスワードは「できるだけ『長く』、『複雑』にし、複数のサービスで『使い回さない』ようにする」必要があります。これを「安全なパスワード」と呼びます。また、「パスワードを使い回さない」ことによって、(3)リスト型攻撃の対策にもなります。
- ID・パスワード認証のリスク
- 「安全なパスワード」の設定によって、代表的な攻撃手段(1)(2)(3)の対策ができました。しかし、(4)フィッシングに対しては有効な対策になりません。フィッシングはパスワードそのものを盗む攻撃であるため、どれだけ「長く」、「複雑」なパスワードを設定しても不正ログインを防ぐことができません。フィッシングは、不正ログインにつながる最大の脅威です。
- ID・パスワードの認証のリスクに対応した「多要素認証」
- 多要素認証では、利用者本人であることを証明する情報を複数持てるようにしています。部屋の鍵が複数あるようなものです。何者かが、鍵を1つ盗んでも部屋に入ることができないようにすることが、フィッシングの対策になります。
- 多要素認証の例として、パスワードに加えて、ログインごとに変わるその場限りの「ワンタイムパスワード」を使用する方法があります。ワンタイムパスワードは、SMSを使ってスマートフォンに送信する方法や、スマートフォンの認証アプリを使用して生成する方法があります。
- パスワードは自身が記憶するものですが、ワンタイムパスワードは自身の持ち物であるスマートフォンに表示されます。これは、利用者本人であることを証明するために、「自分だけが知っている記憶を根拠にする」ことに加えて、「自分だけの持ち物を根拠にする」という要素を加えたことを意味します。このように、利用者本人を証明する際の根拠となる認証要素を複数使う方法を「多要素認証」と呼びます。
- この方法を使うと、パスワードとスマートフォンの2つが鍵となり、2つを同時に盗まれない限り不正ログインができません。そのため、パスワードを盗むフィッシングの対策になります。
- SMSを使用した多要素認証では、「記憶」と「持ち物」という認証要素を使いました。これ以外に、「本人自身を示すもの」である「指紋」や「顔」を認証要素として使用することもあります
- 多要素認証を破る「リアルタイムフィッシング」攻撃の出現
- リアルタイムフィッシングでは、不正ログインを行う攻撃者が、偽サイトに入力させたID・パスワードをその場で抜き取って正規サイトに入力します。被害者に多要素認証のワンタイムパスワード(OTP)が届くと、それを偽サイトに入力させて、すぐにその抜き取ったワンタイムパスワードを正規サイトに入力します。
- このように、認証情報を盗み、その場で不正ログインに悪用するため、リアルタイムフィッシングと呼ばれています。リアルタイムフィッシングを使われると、ワンタイムパスワードを使用した多要素認証を破られてしまいます。
- フィッシングのリスクに対応したパスキー
- リアルタイムフィッシングは、誘導された偽サイトに、パスワードとワンタイムパスワードの両方を入力させられ、それらを盗まれることで発生します。そのため、パスワードを使用しないこと、偽サイトに認証情報を送信できないようにすることが対策となります。パスキーは、これを実現した新しい認証方式です。
- パスキーでは、利用者本人を証明する情報として、パスワードの代わりに「電子署名」というものを使います。電子署名は偽造ができない「署名・捺印」のようなものです。。この電子署名はスマートフォンで作成します。加えて、電子署名を第三者が勝手に作成できないようにするために、スマートフォンの生体認証(顔認証や指紋認証)で所有者の確認を行った上で電子署名を行います。また、電子署名は事前に登録した正規サイトにしか送信されないようになっています。誤って偽サイトにアクセスしても、偽サイトに電子署名が送られることはありません。そのため、パスキーはリアルタイムフィッシングを含むフィッシングの対策になります。
- 安全なパスワードの設定
- 不正ログインの被害に遭わないためのポイント(まとめ)
- パスキーを使用したパスワードレス認証
- パスキーが現時点で最も安全な認証方式であるため、パスキーが使えるサービスでは設定することを推奨します。ただし、パスキーは普及の途上にあり、すべてのサービスが対応しているわけではありません。利用しているサービスでパスキーが使えない場合は、次項の「安全なパスワードと多要素認証」を設定してください。
- また、パスキーに対応しているサービスであっても、ID・パスワード認証を併用している場合があります。この場合もパスキーに加えて「安全なパスワードと多要素認証」の設定を推奨します。
- 安全なパスワードと多要素認証の設定
- 「長く」、「複雑」で、複数のサービスで「使い回さない」安全なパスワードの設定を行うことを習慣にしてください。加えて、多要素認証の設定を行ってください。IPAでは、パスワードは「数字・英大文字・英小文字を組み合わせて15文字以上」にすることを推奨しています。
- 現状では、ID・パスワード認証も多く残っているため、安全なパスワードの設定は依然として重要です。使い回さない安全なパスワードと多要素認証を設定していれば、フィッシング等でパスワードを盗まれても、他のサービスに不正ログインされるリスクを回避できます。
- IPAでは、「長く」、「複雑」で「使い回さない」パスワードの作り方として「チョコっとプラスパスワード」という方法を提唱しています。パスワードを作る際の参考にしてください。
- フィッシングやマルウェアに注意
- フィッシングは、不正ログインにつながる最大の脅威です。また、悪意あるウェブサイトやメール等で、認証情報を盗むマルウェア(不正なプログラム)にパソコンを感染させる手口も報告されています。
- こうした手口に対しては、メールの添付ファイルの開封、不審なメールやSMSのURLリンクを安易にクリックしないことが基本的な対策となります。
- パスキーを使用したパスワードレス認証
~NEW~
国民生活センター フィッシング啓発キャンペーン
- フィッシングに注意!メールのリンク先から安易にクレジットカード番号を入力してはいけません!
- 官民11団体共同「フィッシング啓発キャンペーン」メールのリンク先から安易にカード番号を入力してはいけません!
- 国民生活センターは、日本クレジットカード協会(以下「JCCA」)が実施する「フィッシング啓発キャンペーン」に参画しています。
- 日本国内では、フィッシング詐欺の手口は日々巧妙化しており、2024年のクレジットカード不正利用被害額は約555億円(前年比+14億円)と過去最悪を更新しています。特に、番号盗用による非対面取引での不正利用被害額は全体の約93%を占めています。
- こうしたフィッシング詐欺の被害を防止するため、今回、JCCAを含む官民11団体が、連携してWEB動画を中心とした啓発キャンペーンを展開しています。
- キャンペーンメッセージ
- フィッシングにご注意を。
- メールのリンク先から安易にクレジットカード番号を入力してはいけません。
- フィッシングサイトでクレジットカード番号を入力してしまったら、カード会社に連絡を。
▼ 【動画】JCCA公式YouTubeチャンネル
▼ 今すぐチェック!フィッシングを学んで防ぐ!(JCCA)
- フィッシングとは?
- フィッシングとは、クレジットカード会社や、大手有名企業などを詐称した電子メールを送りつける、偽の電子メールから偽のホームページに接続させる等の方法で、クレジットカード番号、アカウント情報(ユーザーのID、パスワード)、住所、氏名、口座番号等の個人情報を詐取する行為のこと。
- フィッシングの手口とは?
- 典型的な手口としては、クレジットカード会社、大手ECサイト、電力会社からのお知らせのふりをしたメールをユーザに送りつけます。「情報確認のため」 などと称して巧みにリンクをクリックさせ、あらかじめ用意した本物のサイトにそっくりなフィッシングサイトにユーザを誘導します。そこでクレジットカード番号や口座番号などを入力するよう促し、入力された情報を盗み取ります。
- 最近ではお知らせの文面だけでなく、「個人情報の漏えい」、「不正アクセス検知」、「取引の停止」等、切迫感を煽り、フィッシングサイトへ誘導させようとするものも多数確認されています。
- お知らせのふりをしたフィッシングメール
- クレジットカード会社、大手ECサイト、電力会社を名乗り、件名に「重要」、「要確認」など不安や焦りを感じさせる表現が使われているのが特徴です。
- SMSを悪用したフィッシングメール代表例
- 電子メールでのフィッシングサイトへの誘導だけでなく、携帯電話の電話番号宛に送信可能なSMS を悪用し、宅配業者、電力会社、銀行をかたって本物そっくりの偽サイトへ誘導、または不正アプリのインストールへ誘導される事例も多数確認されています。
- お知らせのふりをしたフィッシングメール
- フィッシング被害にあわないために
- フィッシングメールや偽サイト等によりクレジットカード情報を含む個人情報が不正に盗まれ、通販サイト等でクレジットカードが不正利用される被害が後を絶ちません。
- 不審なメールを受けた場合、不審なサイトに誘導された場合には個人情報の入力や送信はしないでください。
- フィッシング対策5ヶ条
- 第1条 パソコンやモバイル端末は安全に保ちましょう。
- フィッシング対策やスパムメール対策用のソフトウエアを使えば、危険なサイトにアクセスしたときや、
- 怪しいメールを受け取ったときに警告が表示されます。
- また、インターネットブラウザには、最新の修正プログラムを導入しておきましょう。
- 第2条 不審なメールに注意しましょう。
- 銀行やクレジットカード会社が、メールを通じてお客さまの口座番号やクレジットカード番号、
- IDやパスワードを確認することはありません。
- 第3条 電子メールにあるリンクはクリックしないようにしましょう。
- メール本文中のリンクはフィッシングサイトに誘導される危険があります。
- URLを直接入力して、サイトを開くようにしましょう。
- 第4条 不審なメールやサイトは報告しましょう。
- 本物ではないと思われるメールを受け取ったり、フィッシングサイトを発見したら、
- 「フィッシング対策協議会」に報告してください。
- 第5条 銀行やクレジットカード会社の連絡先リストを作りましょう。
- 怪しいメールやフィッシングサイトを見つけた際に問い合わせる電話番号や、メールアドレスを控えておきましょう。
- 少しでもおかしいな・・・と思ったら、すぐに連絡して確認すれば安心です。
- 第1条 パソコンやモバイル端末は安全に保ちましょう。
- そのメール本物ですか?
- 偽メールや偽サイトを通じ、カード情報や個人情報を盗み取られる被害が多発しています。
- フィッシング対策協議会と共同で、注意点をまとめたツールを作成させていただきました。
- ご一読の上、周囲の方々にも気を付けるように情報共有をお願いいたします。
~NEW~
国民生活センター ネットショッピング「欠品のため○○ペイで返金します」詐欺に引き続きご注意を!
- #ネットショッピングで購入した商品が#欠品なので#○○ペイで#返金すると言われたら#詐欺を疑って!→188に相談!
- 相談事例
- 在庫切れのため返金すると言われ、指示されたとおりに○○ペイのアプリで手続きしたら相手に送金していた
- 探していた商品をインターネットで検索したところ、他のショップより安く売っていたので注文した。「本日中に振り込めば割引する」とあったので、その日のうちに注文確認メールに記載されていた外国人と思われる個人名義の口座に2万円を振り込んだ。翌日ショップからメールが来て、「在庫切れのため返金する。○○ペイで返金するのでLINEにこのアカウントを友達登録して」とあったので指定されたアカウントを友達登録した。その後、LINEの無料通話機能で話しながら、指示されたとおりに○○ペイのアプリの「送る」ボタンを押した。再び「送る」ボタンを押すよう指示されたが、おかしいと思い確認したところ、2万円を送金したことになっていた。(2025年10月受付 40歳代 男性)
- 返金すると言われ画面共有しながら指示に従ったら相手の銀行口座に送金していた
- インターネットでDVDを検索し、他より安価で販売されているサイトを見つけた。代金6,000円は先払いだったので、○○ペイで支払った。その後、サイトから「商品が欠品となったため返金したい。○○ペイで返金手続をするので、LINEで当方のアカウントを追加してください」と書かれたメールが届いた。指示されたとおり、LINEで手続きしたが返金されない。サイトから改めて「出品者に直接返金させるので、出品者のアカウントを追加してください」とメッセージが届いた。アカウントを追加した後、片言の日本語で話す出品者からLINEの無料通話機能で電話がかかってきた。画面の共有機能を利用しながら、出品者の指示に従って作業したところ、出品者が指定する銀行口座に13万円送金していた。(2025年10月受付 20歳代 女性)
- ○○ペイで返金すると言われ画面共有しながら手続きを行ったので銀行口座の暗証番号を相手に知られてしまった
- インターネット通販で衣類を購入し、商品代金1万円を銀行振込した。今日、「欠品になったので○○ペイで返金する」と言われ、LINEの友達登録をした。その後、LINEの通話で相手から○○ペイのコード決済アプリで銀行口座を登録するよう言われ、画面の共有機能を利用して相手に指示されるままに手続きを行った。その後、やり取りの途中で怪しいと思ったので、画面共有を終了したが、途中までの手続きの過程を全て見られているため、相手に銀行口座の暗証番号等の情報を見られている。どうしたらよいか。(2025年9月受付 50歳代 男性)
- 在庫切れのため返金すると言われ、指示されたとおりに○○ペイのアプリで手続きしたら相手に送金していた
- 消費者へのアドバイス
- 「○○ペイで返金します」と言われたら詐欺を疑ってください!
- インターネット通販で購入した商品代金等の返金の際に、LINEの友達登録や画面共有するよう促されたり、「○○ペイで返金します」と連絡が来たりした場合は、相手の指示には従わず、最寄りの消費生活センターに相談してください。また、画面共有は口座や暗証番号等の情報を知られてしまう可能性があるため、指示されても画面共有はしないようにしましょう。
- もし被害に遭ってしまった場合は、すぐにコード決済サービス事業者に申し出るとともに、警察に相談してください。
- 通販サイトを利用する際は、販売業者の所在地や連絡先、販売責任者名など販売業者の情報をしっかり確認しましょう。
- 返金詐欺の被害に遭わないためにも、そもそもインターネット通販のトラブルに遭わないことが肝要です。以下のようなサイトは、詐欺サイトである恐れがありますので、事前にチェックするようにしましょう。
- サイト内の日本語が正しく表記されていない。
- 市場では希少なものがこのサイトでは入手可能となっている。
- 価格が通常より安い、大幅に値引きされている。
- 支払方法が銀行振込や電子マネーに限定されている。
- 振込先の銀行口座の名義が個人名である。
- キャンセル、返品、返金のルールがどこにも記載されていない。
- サイト上に事業者の名称、住所、電話番号が明確に表記されていない。
- 返金詐欺の被害に遭わないためにも、そもそもインターネット通販のトラブルに遭わないことが肝要です。以下のようなサイトは、詐欺サイトである恐れがありますので、事前にチェックするようにしましょう。
- 不安な場合は消費生活センター等に相談しましょう
- 対応がわからない場合や、不安な場合はお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください。
- 「○○ペイで返金します」と言われたら詐欺を疑ってください!
~NEW~
厚生労働省 第87回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼ 資料1 職場におけるカスタマーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案
- 職場におけるカスタマーハラスメントの内容
- 職場におけるカスタマーハラスメント:職場において行われる(1)顧客等の言動であって、(2)その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるものであり、(1)から(3)までの要素を全て満たすもの。
- なお、顧客等からの苦情の全てが職場におけるカスタマーハラスメントに該当するわけではなく、客観的にみて、社会通念上許容される範囲で行われたものは、いわば正当な申入れであり、職場におけるカスタマーハラスメントには当たらない。
- また、障害者から労働者に対して、障害者差別解消法で禁止されている不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁の除去を必要としている旨の意思を表明すること自体は、職場におけるカスタマーハラスメントには当たらず、同法に基づき、その実施に伴う負担が過重でないときは、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないことに留意が必要。
- 加えて、職場におけるカスタマーハラスメントには、店舗及び施設等において対面で行われるもののみならず、電話やSNS等を用いて行われるものも含まれる。
- 「職場」:事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所。当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれる。取引先の事務所、取引先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等であっても、当該労働者が業務を遂行する場所であればこれに該当する。
- 「労働者」:いわゆる正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者の全て。派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者についても、労働者派遣法第47条の4の規定により、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者を雇用する事業主とみなされ、法第33条第1項及び第34条第2項の規定が適用されることから、労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣労働者についてもその雇用する労働者と同様に、3の配慮及び4の措置を講ずることが必要。なお、法第33条第2項、第36条第2項及び第37条第2項の労働者に対する不利益な取扱いの禁止については、派遣労働者も対象に含まれるものであり、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者もまた、当該者に派遣労働者が職場におけるカスタマーハラスメントの相談を行ったこと等を理由として、当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒む等、当該派遣労働者に対する不利益な取扱いを行ってはならない。
- 「顧客等」:顧客(今後商品の購入やサービスの利用等をする可能性がある潜在的な顧客も含む。)、取引の相手方(今後取引する可能性のある者も含む。)、施設の利用者(駅、空港、病院、学校、福祉施設、公共施設等の施設を利用する者をいい、今後利用する可能性のある者も含む。)その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者。例えば、以下の者等が含まれる。
- 事業主が販売する商品の購入やサービスの利用をする者
- 事業主が掲載している広告の内容等に関し問い合わせをする者
- 取引先の担当者
- 企業間での契約締結に向けた交渉を行う際の担当者
- 施設の利用者及びその家族
- 施設の近隣住民
- 「その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えた」言動:社会通念に照らし、当該顧客等の言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、又は手段や態様が相当でないもの。
- この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、当該言動の行為者とされる者(以下「行為者」という。)との関係性等)を総合的に考慮することが適当。また、「言動の内容」及び「手段や態様」に着目し、総合的に判断することが適当であり、「言動の内容」、「手段や態様」の一方のみが社会通念上許容される範囲を超える場合でもこれに該当し得ることに留意が必要。加えて、社会通念上許容される範囲を超えるかどうかの判断に当たっては、事業主又は労働者の側の不適切な対応が当該言動の原因や背景となっている場合もあることにも留意が必要。
- 社会通念上許容される範囲を超えた言動の典型的な例としては、以下のものがあるが、個別の事案の状況等によって判断が異なる場合もあり得ること、また、限定列挙ではないことに十分留意し、4(2)ロにあるとおり広く相談に対応するなど、適切な対応を行うようにすることが必要。
- <言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの>
- (そもそも要求に理由がない又は商品・サービス等と全く関係のない要求)
- 性的な要求や、労働者のプライバシーに関わる要求をすること。
- (契約等により想定しているサービスを著しく超える要求)
- 契約内容を著しく超えたサービスの提供を要求すること。
- (対応が著しく困難な又は対応が不可能な要求)
- 契約金額の著しい減額の要求をすること。
- (不当な損害賠償要求)
- 商品やサービス等の内容と無関係である不当な損害賠償要求をすること。
- (そもそも要求に理由がない又は商品・サービス等と全く関係のない要求)
- <手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えるもの>
- (身体的な攻撃(暴行、傷害等))
- 殴る、蹴る、叩く等の暴行を行うこと。
- 物を投げつけること。
- わざとぶつかること。
- つばを吐きかけること。
- (精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の強要等))
- 店舗の物を壊すことをほのめかす発言やSNSへ悪評を投稿することをほのめかす発言によって労働者を脅すこと。
- インターネット上へ労働者のプライバシーに係る情報の投稿をすること。
- 労働者の人格を否定するような言動を行うこと。相手の性的指向・ジェンダーアイデンティティに関する侮辱的な言動を行うことを含む。
- 土下座を強要すること。
- 盗撮や無断での撮影をすること。
- 労働者の性的指向・ジェンダーアイデンティティ等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の者に暴露すること又は当該労働者が開示することを強要する若しくは禁止すること。
- (威圧的な言動)
- 大きな声をあげて労働者や周囲を威圧すること。
- 反社会的な言動を行うこと。
- (継続的、執拗な言動)
- 不必要な質問を執拗に繰り返すこと。
- 当初の話からのすり替え、揚げ足取り、執拗な責め立てをすること。
- 電子メール等を不必要に繰り返し送りつけること。
- (拘束的な言動(不退去、居座り、監禁))
- 長時間に渡る居座りや電話で労働者を拘束すること。
- 「労働者の就業環境が害される」:当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること。
- この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当。
- なお、当該言動の頻度や継続性は考慮するが、強い身体的又は精神的苦痛を与える態様の言動の場合は、1回の言動でも、当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じ、就業環境を害する場合があり得る。
- (身体的な攻撃(暴行、傷害等))
- <言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの>
- 事業主等の責務
- 事業主の責務
- 法第34条第2項の規定により、事業主は、職場におけるカスタマーハラスメントを行ってはならないことその他職場におけるカスタマーハラスメントに起因する問題(以下「カスタマーハラスメント問題」という。)に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の事業主が雇用する労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる同条第1項の広報活動、啓発活動その他の措置に協力するように努めなければならない。なお、職場におけるカスタマーハラスメントに起因する問題としては、例えば、労働者の意欲の低下などによる職場環境の悪化や職場全体の生産性の低下、労働者の健康状態の悪化、休職や退職などにつながり得ること、これらに伴う経営的な損失等が考えられる。
- また、事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)は、自らも、カスタマーハラスメント問題に対する関心と理解を深め、他の事業主が雇用する労働者に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならない。
- 労働者の責務
- 法第34条第4項の規定により、労働者は、カスタマーハラスメント問題に対する関心と理解を深め、他の事業主が雇用する労働者に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる4の措置に協力するように努めなければならない。
- 事業主の責務
- 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容
- 事業主は、職場におけるカスタマーハラスメントを防止するため、雇用管理上次の措置を講じなければならない。
- ただし、職場におけるカスタマーハラスメント対策を講ずる際は、消費者法制により定められている消費者の権利や、障害者差別解消法において、障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供義務が定められていることに留意する必要があり、同法に基づく「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」に即して主務大臣が各所掌分野ごとに定める事業者が適切に対応するために必要な指針、内閣府がホームページ等に掲載する合理的配慮の提供等に係る障害特性に応じた事例等(以下「対応指針等」という。)も参考にして、顧客等との建設的対話を重ねるなど、事案に応じて適切に対応することが必要。
- また、各業法等によりサービス提供の義務等が定められている場合やサービスが途絶すると顧客等の生命や心身の健康に重大な影響が及ぶ場合等があることに留意して適切に対応することが必要。
- 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
- 事業主は、職場におけるカスタマーハラスメントに関する方針の明確化、労働者に対するその方針の周知・啓発として、次の措置を講じなければならない。
- その際、職場におけるカスタマーハラスメントの発生の原因や背景には、商品・サービス・接客等における問題や顧客等とのコミュニケーションの不足などもあると考えられる。そのため、職場においてこれらを幅広く解消していく取組を進めることも、職場におけるカスタマーハラスメントの防止の効果を高める上で重要であることに留意が必要。
- 職場におけるカスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
- また、職場におけるカスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を顧客等に周知・啓発することも、被害の防止に当たっては効果的と考えられる。
- (事業主の方針等を明確化し、労働者に周知・啓発していると認められる例)
- 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に職場におけるカスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を記載し、配布等すること。なお、トップメッセージとして当該方針を広く社内に発信することも考えられる。
- 職場におけるカスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を労働者に対して周知・啓発するため、ロにおいて定める職場におけるカスタマーハラスメントへの対処の内容と併せて研修、講習等を実施すること。
- 職場におけるカスタマーハラスメントの内容及びあらかじめ定めた職場におけるカスタマーハラスメントへの対処の内容を、管理監督者を含む労働者に周知すること。
- 対処の内容については、職場におけるカスタマーハラスメントが発生し、その場で労働者から管理監督者等に報告があった際は、当該管理監督者等が直ちに適切な対応を行うことが必要な場合もあることを踏まえ、その内容を定めること。
- また、当該事業所において発生しやすい職場におけるカスタマーハラスメントの例や、商品・サービス・接客等における問題や顧客等とのコミュニケーションの不足などが職場におけるカスタマーハラスメントの発生の原因や背景となり得ることを併せて周知することも考えられる。
- 対処の内容の例としては、次のようなものがある。ただし、次の例は限定列挙ではなく、各事業主が、労働者の状況等の実態に応じた対処の内容を定めること。
- 労働者から管理監督者等に直ちに報告し、その場の対応の方針について指示を仰ぐこと。
- 可能な限り労働者を一人で対応させないこと。また、必要に応じて当該労働者に代わって管理監督者等が対応すること。
- 顧客等とのやり取りを録音・録画すること。なお、録音・録画に当たっては個人情報保護法等を遵守し、顧客等の個人情報を適切に取り扱うこと。
- 労働者から十分な説明を行った上で、なお繰り返しの要求が続く場合には、一定の時間の経過をもって退店を求めたり、電話を切ったりすること。
- 暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については、警察へ通報すること。
- 現場対応が困難な場合においては、本社・本部等へ情報共有を行い、指示を仰ぐこと。
- 法的な手続が必要な場合には、法務部門等と連携し、弁護士へ相談すること。
- (対処の内容等を定め、労働者に周知していると認められる例)
- 職場におけるカスタマーハラスメントへの対処の内容を定め、当該規定と併せて、職場におけるカスタマーハラスメントの内容を労働者に対して周知すること。
- 顧客等への対応に関するマニュアル等に、職場におけるカスタマーハラスメントの内容及び職場におけるカスタマーハラスメントへの対処の内容を記載し、労働者に対して周知すること。
- 職場におけるカスタマーハラスメントの内容及び職場におけるカスタマーハラスメントへの対処の内容を労働者に対して周知するための研修、講習等を実施すること。
- 職場におけるカスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
- その際、職場におけるカスタマーハラスメントの発生の原因や背景には、商品・サービス・接客等における問題や顧客等とのコミュニケーションの不足などもあると考えられる。そのため、職場においてこれらを幅広く解消していく取組を進めることも、職場におけるカスタマーハラスメントの防止の効果を高める上で重要であることに留意が必要。
- 事業主は、職場におけるカスタマーハラスメントに関する方針の明確化、労働者に対するその方針の周知・啓発として、次の措置を講じなければならない。
- 相談(苦情を含む。以下同じ。)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 事業主は、労働者からの相談に対し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応するために必要な体制の整備として、次の措置を講じなければならない。
- なお、相談に対応する担当者として、労働者の上司に当たる管理監督者等を定めることも考えられる。
- 相談への対応のための窓口(以下「相談窓口」という。)をあらかじめ定め、労働者に周知すること。なお、職場における他のハラスメントの相談窓口と一体的に設置をすることも考えられる。
- (相談窓口をあらかじめ定めていると認められる例)
- 相談に対応する担当者をあらかじめ定めること。
- 相談に対応するための制度を設けること。
- 外部の機関に相談への対応を委託すること。
- (相談窓口をあらかじめ定めていると認められる例)
- 相談窓口の担当者が、相談に対し、その内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、相談窓口においては、被害を受けた労働者(以下「被害者」という。)が萎縮するなどして相談を躊躇する例もあること等も踏まえ、相談を行った労働者(以下「相談者」という。)の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも配慮しながら、職場におけるカスタマーハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、その発生のおそれがある場合や、職場におけるカスタマーハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすること。例えば、放置すれば就業環境を害するおそれがある場合等が考えられる。
- (相談窓口の担当者が適切に対応することができるようにしていると認められる例)
- 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、その内容や状況に応じて、相談窓口の担当者と関係部門とが連携を図ることができる仕組みとすること。
- 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、あらかじめ作成した留意点などを記載したマニュアルに基づき対応すること。
- 相談窓口の担当者に対し、相談を受けた場合の対応についての研修を行うこと。
- (相談窓口の担当者が適切に対応することができるようにしていると認められる例)
- 相談への対応のための窓口(以下「相談窓口」という。)をあらかじめ定め、労働者に周知すること。なお、職場における他のハラスメントの相談窓口と一体的に設置をすることも考えられる。
- 職場におけるカスタマーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
- 事業主は、職場におけるカスタマーハラスメントに係る相談の申出があった場合において、その事案に係る事実関係の迅速かつ正確な確認及び適正な対処として、次の措置を講じなければならない。
- 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。なお、行為者が、他の事業主が雇用する労働者又は他の事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)である場合には、必要に応じて、他の事業主に事実関係の確認への協力を求めることも含まれる。
- (事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例)
- (1)ロにおいて定める対処の内容を踏まえ、管理監督者等がその場で事実関係を確認し対応すること。
- 相談窓口の担当者、関係部門又は専門の委員会等が、相談者から事実関係を確
- 認すること。その際、相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも適切に配慮すること。
- また、必要に応じて、周囲の労働者からも事実関係を聴取したり、録音・録画等の客観的な証拠を確認したりする等の措置を講ずること。なお、録音・録画等の客観的な証拠を確認するに当たっては個人情報保護法等を遵守し、顧客等の個人情報を適切に取り扱うこと。
- 加えて、必要かつ可能な場合には行為者からも事実関係を聴取することも考えられる。
- 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが、確認が困難な場合などにおいて、法第37条に基づく調停の申請を行うことその他中立な第三者機関に紛争処理を委ねること。
- (事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例)
- 職場におけるカスタマーハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと。
- (措置を適正に行っていると認められる例)
- (1)ロにおいて定める対処の内容を踏まえ、事案の内容や状況に応じ、管理監督者等が被害者に代わって対応すること、被害者と行為者を引き離すこと等の措置を講ずること。また、あわせて、暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については警察へ通報すること。
- 事案の内容や状況に応じ、行為者に対応する担当者の変更又は複数人で対応すること、被害者と行為者を引き離すための配置転換、管理監督者又は事業場内産業保健スタッフ等による被害者のメンタルヘルス不調への相談対応等の措置を講ずること。
- また、あわせて、暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については警察へ通報することや、法的な手続が必要な場合には法務部門等と連携し、弁護士へ相談することも考えられる。
- 法第37条に基づく調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を被害者に対して講ずること。
- (措置を適正に行っていると認められる例)
- 改めて職場におけるカスタマーハラスメントに関する方針を周知・啓発し、必要な場合には、職場におけるカスタマーハラスメントの発生の原因や背景となった商品・サービス・接客等における問題や顧客等とのコミュニケーションの不足などの改善を図る等の再発防止に向けた措置を講ずること。その際、必要に応じて、接客等における慣行の見直しなどの職場環境の改善や組織風土の見直しを行うことも考えられる。
- あわせて、必要に応じて事案の内容や対応経緯を記録し、個人情報の取扱いに留意して関係部門に共有し、再発防止に活用することも考えられる。
- なお、職場におけるカスタマーハラスメントに係る言動の行為者が、他の事業主が雇用する労働者又は他の事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)である場合には、必要に応じて、他の事業主に再発防止に向けた措置への協力を求めることも含まれる。
- また、職場におけるカスタマーハラスメントが生じた事実が確認できなかった場合においても、同様の措置を講ずること。
- (再発防止に向けた措置を講じていると認められる例)
- 職場におけるカスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針及び職場におけるカスタマーハラスメントへの対処の内容を、
- 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に改めて掲載し、配布等すること。
- また、職場におけるカスタマーハラスメントの発生を契機として、職場におけるカスタマーハラスメントの原因や背景となった商品・サービス・接客等における問題や顧客等とのコミュニケーションの不足などが把握された場合には、その問題等そのものの改善を図ること。
- 労働者に対して職場におけるカスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針及び職場におけるカスタマーハラスメントへの対処の内容を周知・啓発するための研修、講習等を改めて実施すること。
- また、職場におけるカスタマーハラスメントの発生を契機として、職場におけるカスタマーハラスメントの原因や背景となった商品・サービス・接客等における問題や顧客等とのコミュニケーションの不足などが把握された場合には、その問題等そのものの改善を図ること。
- 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。なお、行為者が、他の事業主が雇用する労働者又は他の事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)である場合には、必要に応じて、他の事業主に事実関係の確認への協力を求めることも含まれる。
- 事業主は、職場におけるカスタマーハラスメントに係る相談の申出があった場合において、その事案に係る事実関係の迅速かつ正確な確認及び適正な対処として、次の措置を講じなければならない。
- 職場におけるカスタマーハラスメントへの対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置
- 事業主は、職場におけるカスタマーハラスメントの抑止のための措置として、労働者に対し過度な要求を繰り返すなど特に悪質と考えられるものへの対処の方針をあらかじめ定め、管理監督者を含む労働者に周知するとともに、当該方針において定めた対処を行うことができる体制を整備しなければならない。
- なお、特に悪質と考えられるものへの対処の例としては次のようなものがあるが、当該方針に記載する対処の内容を検討するに当たっては、各業法等による定めがある場合等、業種・業態等により必要な対応が異なる場合があることに留意しつつ、それぞれの状況に応じた方針を定めることが効果的。
- 暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については、警察へ通報すること。
- 行為者に対して警告文を発出すること。
- 法令の制限内において行為者に対して商品の販売、サービスの提供等をしないこと。
- 行為者に対して店舗及び施設等への出入りを禁止すること。
- 民事保全法に基づく仮処分命令を申し立てること。
- (措置を講じていると認められる例)
- (1)ロの措置を実施する際に、併せて、職場におけるカスタマーハラスメントのうち、特に悪質と考えられるものへの対処の方針を定め、労働者に対して周知すること。加えて、当該対処を講ずることができるよう、関係部門間の連携等の体制を整備すること。
- (1)から(4)までの措置と併せて講ずべき措置
- (1)から(4)までの措置を講ずるに際しては、併せて次の措置を講じなければならない。
- 職場におけるカスタマーハラスメントに係る相談者等の情報は当該相談者等のプライバシーに属するものであることから、相談への対応又は当該カスタマーハラスメントに係る事後の対応に当たっては、相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に対して周知すること。なお、相談者等のプライバシーには、性的指向・ジェンダーアイデンティティ等の機微な個人情報も含まれる。
- (相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じていると認められる例)
- 相談者等のプライバシーの保護のために必要な事項をあらかじめマニュアルに定め、相談窓口の担当者が相談を受けた際には、当該マニュアルに基づき対応するものとすること。
- 相談者等のプライバシーの保護のために、相談窓口の担当者に必要な研修を行うこと。
- 相談窓口においては相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じていることを、社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に掲載し、配布等すること。
- (相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じていると認められる例)
- 法第33条第2項、第36条第2項及び第37条第2項の規定を踏まえ、労働者が職場におけるカスタマーハラスメントに関し相談をしたこと若しくは事実関係の確認等の事業主の雇用管理上講ずべき措置に協力したこと、都道府県労働局に対して相談、紛争解決の援助の求め若しくは調停の申請を行ったこと又は調停の出頭の求めに応じたこと(以下「カスタマーハラスメントの相談等」という。)を理由として、解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。
- (不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者にその周知・啓発することについて措置を講じていると認められる例)
- 就業規則その他の職場における職務規律等を定めた文書において、カスタマーハラスメントの相談等を理由として、労働者が解雇等の不利益な取扱いをされない旨を規定し、労働者に周知・啓発をすること。
- 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に、カスタマーハラスメントの相談等を理由として、労働者が解雇等の不利益な取扱いをされない旨を記載し、労働者に配布等すること。
- (不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者にその周知・啓発することについて措置を講じていると認められる例)
- 職場におけるカスタマーハラスメントに係る相談者等の情報は当該相談者等のプライバシーに属するものであることから、相談への対応又は当該カスタマーハラスメントに係る事後の対応に当たっては、相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に対して周知すること。なお、相談者等のプライバシーには、性的指向・ジェンダーアイデンティティ等の機微な個人情報も含まれる。
- (1)から(4)までの措置を講ずるに際しては、併せて次の措置を講じなければならない。
- 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
- 事業主は、職場におけるカスタマーハラスメントを防止するため、雇用管理上次の措置を講じなければならない。
- 他の事業主の講ずる雇用管理上の措置の実施に関する協力
- 法第33条第3項の規定により、事業主は、当該事業主が雇用する労働者又は当該事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)による他の事業主の雇用する労働者に対する職場におけるカスタマーハラスメントに関し、他の事業主から、事実確認等の雇用管理上の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、次の措置を講ずるよう努めなければならない。
- 事業主は、他の事業主からの協力の求めに応ずるように努めなければならない。
- また、同項の規定の趣旨に鑑みれば、事業主が、他の事業主から雇用管理上の措置への協力を求められたことを理由として、当該事業主に対し、当該事業主との契約を解除する等の不利益な取扱いを行うことは望ましくない。
- 事業主は、他の事業主からの協力の求めに応じて、労働者へ事実関係の確認等を行うに当たっては、これに協力した労働者に対して、解雇その他不利益な取扱いを行わない旨を定め、労働者に周知・啓発することが望ましい。
- 加えて、事実関係の確認により、職場におけるカスタマーハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、事業主は、就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書における規定等に基づき、行為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずることが望ましい。
- 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関し行うことが望ましい取組の内容
- 事業主は、職場におけるカスタマーハラスメントの原因や背景となる要因を解消するため、次の取組を行うことが望ましい。
- なお、取組を行うに当たっては、労働者が自社の商品やサービスをよく理解し、顧客等への対応力の向上を図ることは、職場におけるカスタマーハラスメントの被害者になることを防止する上で重要であることや、顧客等からの社会通念上許容される範囲で行われる正当な申入れについては、職場におけるカスタマーハラスメントには該当せず、労働者が、こうした正当な申入れを踏まえて真摯に業務を遂行する意識を持つことも重要であることに留意することが必要。
- 労働者が自社の商品やサービスをよく理解し、顧客等への対応力の向上を図るために研修等の必要な取組を行うこと。
- (顧客等への対応力の向上を図るために必要な取組例)
- 接客についての研修、商品やサービスについての研修、顧客等からの苦情への対応についての研修等の実施や資料の配布等により、労働者の顧客等への対応力等の向上を図ること。
- (顧客等への対応力の向上を図るために必要な取組例)
- 労働者が顧客等への理解を深めるために必要な取組を行うこと。
- (労働者が顧客等への理解を深めるための取組例)
- 消費者の心理や障害特性についての資料の配布や研修等の実施により、労働者の顧客等への理解を深めること。なお、障害特性に応じた対応については、4に記載した対応指針等を参考にすることが考えられる。
- 事業主は、4の措置を講じる際に、必要に応じて、労働者や労働組合等の参画を得つつ、アンケート調査や意見交換等を実施するなどにより、その運用状況の的確な把握や必要な見直しの検討等に努めることが重要。なお、労働者や労働組合等の参画を得る方法として、例えば、労働安全衛生法第18条第1項に規定する衛生委員会の活用なども考えられる。
- 職場におけるカスタマーハラスメントは、業種・業態等によりその被害の実態や必要な対応も異なると考えられることから、業種・業態等における被害の実態や業務の特性等を踏まえて、それぞれの状況に応じた必要な取組を進めることも、被害の防止に当たっては重要。また、同じ業種・業態等の複数の事業主が一体となって取組を行うことも考えられる。
- 労働者が取引の相手方に対して職場におけるカスタマーハラスメントに係る言動を行う場合もあることから、3の事業主及び労働者の責務の趣旨に鑑みれば、事業主は、当該事業主が雇用する労働者が、他の事業主が雇用する労働者に対する言動についても必要な注意を払うよう配慮するとともに、事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)自らと労働者も、他の事業主が雇用する労働者に対する言動について必要な注意を払うよう努めることが望ましい。
- こうした責務の趣旨も踏まえ、事業主は、4(1)イの職場におけるカスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針の明確化等を行う際に、他の事業主が雇用する労働者に対する言動について、職場におけるカスタマーハラスメントを行ってはならない旨の方針を併せて示すことが望ましい。
- (労働者が顧客等への理解を深めるための取組例)
- 労働者が自社の商品やサービスをよく理解し、顧客等への対応力の向上を図るために研修等の必要な取組を行うこと。
- 事業主が職場において行われる自らの雇用する労働者以外の者に対する顧客等の言動に関し行うことが望ましい取組の内容
- 事業主は、4(1)イの職場におけるカスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針の明確化等を行う際に、職場における当該事業主が雇用する労働者以外の者(他の事業主が雇用する労働者及び個人事業主等の労働者以外の者)に対する顧客等の言動についても、同様の方針を併せて示すことが望ましい。
- また、これらの者から職場におけるカスタマーハラスメントに類すると考えられる相談があった場合には、その内容を踏まえて、4の措置も参考にしつつ、必要に応じて適切な対応を行うように努めることが望ましい
▼ 資料3 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの内容
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメント:事業主が雇用する労働者による性的な言動により求職者等の求職活動等が阻害されるもの。
- なお、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントには、同性に対するものも含まれる。また、被害を受けた者の性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、当該者に対する求職活動等におけるセクシュアルハラスメントも、本指針の対象となる。
- 「求職活動等」:求職者が行う求職活動や求職者に類する者が行う職業の選択に資する活動を指し、例えば以下のものが含まれる。なお、SNS 等のオンラインを介したものやオンライン上で行われるものも含まれる。また、事業主が雇用する労働者が通常就業している場所で行われるものに限らない。
- (求職活動等の例)
- 企業の採用面接への参加
- 企業の就職説明会への参加
- 企業の雇用する労働者への訪問
- インターンシップへの参加
- 教育実習、看護実習等の実習の受講
- (求職活動等の例)
- 「労働者」:いわゆる正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者の全て。
- 派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者についても、労働者派遣法第47条の2の規定により、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者を雇用する事業主とみなされ、法第13条第1項及び第14条第2項の規定が適用されることから、労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣労働者についてもその雇用する労働者と同様に、3の配慮及び4の措置を講ずることが必要。なお、第13条第2項、第23条第2項及び第24条第2項の労働者に対する不利益な取扱いの禁止については、派遣労働者も対象に含まれるものであり、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者もまた、当該者による求職者等からの相談への対応に派遣労働者が協力した際に事実を述べたこと等を理由として、当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒む等、当該派遣労働者に対する不利益な取扱いを行ってはならない。
- 「性的な言動」:性的な内容の発言及び性的な行動を指し、この「性的な内容の発言」には、性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報を意図的に流布すること等が、「性的な行動」には、性的な関係を強要すること、必要なく身体に触ること、わいせつな図画を配布すること等が、それぞれ含まれる。
- また、当該言動を行う者には、事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)も想定されるため、これらの者による「性的な言動」についても必要に応じて適切な対応を行うように努めることが望ましい。
- 「求職活動等におけるセクシュアルハラスメント」:求職活動等において行われる求職者等の意に反する性的な言動により求職者等の求職活動等が阻害され、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該求職者等が求職活動等を行う上で看過できない程度の支障が生じることであって、その状況は多様であるが、典型的な例として、次のようなものがある。
- 個室で実施する一対一の説明会において、労働者が求職者等の腰、胸等に触ったため、当該求職者等が苦痛に感じてその求職活動等の意欲が低下していること。
- 企業が実施するインターンシップにおいて、労働者が求職者等に対して性的な冗談やからかいを意図的かつ継続的に行ったため、当該求職者等が苦痛に感じてインターンシップ中の活動が手につかないこと。
- 面接中、面接官を務める労働者から性的な事実に関する質問を受け、求職者が苦痛に感じてその求職活動等の意欲が低下していること。
- 求職者等が労働者への訪問を行った際、当該労働者に性的な関係を求められ、当該求職者等が苦痛に感じてその求職活動等の意欲が低下していること。
- インターンシップ中に労働者が求職者等を執拗に私的な食事に誘い、当該求職者等が苦痛に感じてその求職活動等の意欲が低下していること。
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメント:事業主が雇用する労働者による性的な言動により求職者等の求職活動等が阻害されるもの。
- 事業主等の責務
- 事業主の責務
- 法第14条第2項の規定により、事業主は、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを行ってはならないことその他求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに起因する問題(以下「求職活動等におけるセクシュアルハラスメント問題」という。)に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が求職者等に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる同条第1項の広報活動、啓発活動その他の措置に協力するように努めなければならない。なお、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに起因する問題としては、例えば、求職者等の健康状態の悪化や、求職活動等の停止などにつながり得ることが考えられ、また、事業主が社会的信用を失うことなどの経営的な損失等が考えられる。
- また、事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)は、自らも、求職活動等におけるセクシュアルハラスメント問題に対する関心と理解を深め、他の事業主が雇用する労働者に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならない。
- 労働者の責務
- 法第14条第4項の規定により、労働者は、求職活動等におけるセクシュアルハラスメント問題に対する関心と理解を深め、求職者等に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる4の措置に協力するように努めなければならない。
- 事業主の責務
- 事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容
- 事業主は、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを防止するため、雇用管理上次の措置を講じなければならない。
- 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
- 事業主は、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに関する方針の明確化、労働者及び求職者等に対するその方針の周知・啓発として、次の措置を講じなければならない。
- なお、周知・啓発をするに当たっては、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの防止の効果を高めるため、その発生の原因や背景について労働者の理解を深めることが重要。その際、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの発生の原因や背景には、性別役割分担意識に基づく言動もあると考えられ、こうした言動をなくしていくことがセクシュアルハラスメントの防止の効果を高める上で重要であることに留意することが必要。
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの内容及び求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
- (事業主の方針を明確化し、労働者に周知・啓発していると認められる例)
- 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書において、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針を規定し、当該規定と併せて、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの内容及び性別役割分担意識に基づく言動がセクシュアルハラスメントの発生の原因や背景となり得ることを、労働者に周知・啓発すること。
- 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの内容及び性別役割分担意識に基づく言動がセクシュアルハラスメントの発生の原因や背景となり得ること並びに求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針を記載し、配布等すること。
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの内容及び性別役割分担意識に基づく言動がセクシュアルハラスメントの発生の原因や背景となり得ること並びに求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針を労働者に対して周知・啓発するための研修、講習等を実施すること。
- (事業主の方針を明確化し、労働者に周知・啓発していると認められる例)
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る性的な言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
- (対処方針を定め、労働者に周知・啓発していると認められる例)
- 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書において、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る性的な言動を行った者に対する懲戒規定を定め、その内容を労働者に周知・啓発すること。
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る性的な言動を行った者は、現行の就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書において定められている懲戒規定の適用の対象となる旨を明確化し、これを労働者に周知・啓発すること。
- (対処方針を定め、労働者に周知・啓発していると認められる例)
- 求職活動等に関するルールをあらかじめ明確化し、これを労働者及び求職者等に周知・啓発すること。
- (求職活動等に関するルールをあらかじめ明確化し、労働者及び求職者等に周知・啓発している例)
- 労働者に対しては、面談時間及び場所の指定並びにやり取りに用いるSNSの種類の指定その他の求職者等と面談等を行う際の規則を定め、周知・啓発するための研修、講習等を実施すること。
- また、求職者等に対しては、上記規則を踏まえ、面談等に関する留意事項をホームページやパンフレット等の広報手段を用いて周知等すること。
- なお、労働者に対する周知・啓発に当たっては、2の求職活動等以外の場面における求職者等に対する言動に必要な注意を払うよう、併せて周知することも考えられる。
- (求職活動等に関するルールをあらかじめ明確化し、労働者及び求職者等に周知・啓発している例)
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの内容及び求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
- 相談(苦情を含む。以下同じ。)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 事業主は、求職者等からの相談に対し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応するために必要な体制の整備として、次の措置を講じなければならない。
- 相談への対応のための窓口(以下「相談窓口」という。)をあらかじめ定め、求職者等に周知すること。
- なお、求職者等は人事担当者への相談をためらうことも想定されることから、相談窓口の担当者として人事担当者以外の者を指定することも考えられる。
- (相談窓口をあらかじめ定めていると認められる例)
- 相談に対応する担当者をあらかじめ定めること。
- 相談に対応するための制度を設けること。
- 外部の機関に相談への対応を委託すること。
- (求職者等に周知していると認められる例)
- 求職者等に対し、パンフレット、ホームページ等によって、相談窓口を周知すること。
- 相談窓口の担当者が、相談に対し、その内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、相談窓口においては、被害を受けた求職者等(以下「被害者」という。)が萎縮するなどして相談を躊躇する例もあること等も踏まえ、相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも配慮しながら、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、その発生のおそれがある場合や、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすること。例えば、放置すれば求職活動等を阻害するおそれがある場合や、性別役割分担意識に基づく言動が原因や背景となってセクシュアルハラスメントが生じるおそれがある場合等が考えられる。
- (相談窓口の担当者が適切に対応することができるようにしていると認められる例)
- 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、その内容や状況に応じて、相談窓口の担当者と人事部門とが連携を図ることができる仕組みとすること。
- 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、あらかじめ作成した留意点などを記載したマニュアルに基づき対応すること。
- 相談窓口の担当者に対し、相談を受けた場合の対応についての研修を行うこと。
- (相談窓口の担当者が適切に対応することができるようにしていると認められる例)
- 相談への対応のための窓口(以下「相談窓口」という。)をあらかじめ定め、求職者等に周知すること。
- 事業主は、求職者等からの相談に対し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応するために必要な体制の整備として、次の措置を講じなければならない。
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
- 事業主は、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る相談の申出があった場合において、その事案に係る事実関係の迅速かつ正確な確認及び適正な対処として、次の措置を講じなければならない。
- 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
- (事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例)
- 相談窓口の担当者、人事部門又は専門の委員会等が、相談を行った求職者等(以下「相談者」という。)及びセクシュアルハラスメントに係る性的な言動の行為者とされる者(以下「行為者」という。)の双方から事実関係を確認すること。
- その際、相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも適切に配慮すること。また、相談者と行為者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合には、第三者からも事実関係を聴取する等の措置を講ずること。
- 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが、確認が困難な場合などにおいて、法第24条に基づく調停の申請を行うことその他中立な第三者機関に紛争処理を委ねること。
- (事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例)
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと。
- (措置を適正に行っていると認められる例)
- 事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者を引き離すための対応、行為者の謝罪又は人事担当者による被害者への相談対応等の措置を講ずること。
- (措置を適正に行っていると認められる例)
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、行為者に対する措置を適正に行うこと。
- (措置を適正に行っていると認められる例)
- 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書における求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに関する規定等に基づき、行為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずること。あわせて、事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者を引き離すための対応、行為者の謝罪等の措置を講ずること。
- 法第24条に基づく調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を行為者に対して講ずること。
- (措置を適正に行っていると認められる例)
- 改めて求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに関する方針を周知・啓発する等の再発防止に向けた措置を講ずること。
- なお、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントが生じた事実が確認できなかった場合においても、同様の措置を講ずること。
- (再発防止に向けた措置を講じていると認められる例)
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針及び求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る性的な言動を行った者について厳正に対処する旨の方針を、社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に改めて掲載し、配布等すること。
- 労働者に対して求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに関する意識を啓発するための研修、講習等を改めて実施すること。
- 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
- 事業主は、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る相談の申出があった場合において、その事案に係る事実関係の迅速かつ正確な確認及び適正な対処として、次の措置を講じなければならない。
- (1)ら(3)までの措置と併せて講ずべき措置
- (1)から(3)までの措置を講ずるに際しては、併せて次の措置を講じなければならない。
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る相談者・行為者等の情報は当該相談者・行為者等のプライバシーに属するものであることから、相談への対応又は当該セクシュアルハラスメントに係る事後の対応に当たっては、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者及び求職者等に対して周知すること。
- (相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じていると認められる例)
- 相談者・行為者等のプライバシーの保護のために必要な事項をあらかじめマニュアルに定め、相談窓口の担当者が相談を受けた際には、当該マニュアルに基づき対応するものとすること。
- 相談者・行為者等のプライバシーの保護のために、相談窓口の担当者に必要な研修を行うこと。
- 相談窓口においては相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じていることを、社内報、パンフレット、ホームページ等広報又は啓発のための資料等に掲載し、社内に配布及び社外に発信等すること。
- (相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じていると認められる例)
- 法第13条第2項、第23条第2項及び第24条第2項の規定を踏まえ、労働者が事実関係の確認等の事業主の雇用管理上講ずべき措置に協力したこと、都道府県労働局に対して相談、紛争解決の援助の求め若しくは調停の申請を行ったこと又は調停の出頭の求めに応じたこと(以下「求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに関する事実関係の確認等」という。)を理由として、解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。
- (不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者にその周知・啓発することについて措置を講じていると認められる例)
- 就業規則その他の職場における職務規律等を定めた文書において、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに関する事実関係の確認等を理由として、当該労働者が解雇等の不利益な取扱いをされない旨を規定し、労働者に周知・啓発をすること。
- 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに関する事実関係の確認等を理由として、当該労働者が解雇等の不利益な取扱いをされない旨を記載し、労働者に配布等すること。
- (不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者にその周知・啓発することについて措置を講じていると認められる例)
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る相談者・行為者等の情報は当該相談者・行為者等のプライバシーに属するものであることから、相談への対応又は当該セクシュアルハラスメントに係る事後の対応に当たっては、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者及び求職者等に対して周知すること。
- (1)から(3)までの措置を講ずるに際しては、併せて次の措置を講じなければならない。
- 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
- 事業主は、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを防止するため、雇用管理上次の措置を講じなければならない。
- 事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関し行うことが望ましい取組の内容
- 事業主は、求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを防止するため、前項の措置に加え、次の取組を行うことが望ましい。
- 求職活動等を行う大学生や専門学校生が所属する教育機関が設置する相談窓口の担当者等の求職者等の関係者から求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る相談に関する情報提供があった場合には、連携し、適切な対応を行うことが望ましい。
- 事業主は、求職者等から、顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者による求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに類すると考えられる相談があった場合には、その内容を踏まえて、前項の措置も参考にしつつ、必要に応じて適切な対応を行うように努めることが望ましい。
- 事業主が求職活動等におけるパワーハラスメントに類する行為等に関し行うことが望ましい取組の内容
- 3の事業主及び労働者の責務の趣旨に関連し、求職活動等におけるパワーハラスメントに類する行為、求職活動等における妊娠、出産等に関するハラスメントに類する行為及び求職活動等における育児休業等に関するハラスメントに類する行為(以下「求職活動等におけるパワーハラスメントに類する行為等」という。)について、事業主は、当該事業主が雇用する労働者の求職者等に対する言動についても必要な注意を払うよう配慮するとともに、事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)自らと労働者も、求職者等に対する言動について必要な注意を払うよう努めることが望ましい。
- こうした責務の趣旨も踏まえ、事業主は、4(1)イの求職活動等におけるセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化等を行う際に、求職活動等におけるパワーハラスメントに類する行為等についても、同様の方針を併せて示すことが望ましい。
- また、求職者等から、求職活動等におけるパワーハラスメントに類する行為等に関すると考えられる相談があった場合には、その内容を踏まえて、4の措置も参考にしつつ、必要に応じて適切な対応を行うように努めることが望ましい。
- その際、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針2(7)に規定される職場におけるパワーハラスメントに該当すると考えられる例を踏まえ、求職者等の性的指向・ジェンダーアイデンティティに関する侮辱的な言動を行うこと、求職者等の性的指向・ジェンダーアイデンティティ等の機微な個人情報について、当該求職者等の了解を得ずに他の者に暴露すること又は当該求職者等が開示することを強要する若しくは禁止すること等についても、必要に応じて適切な対応を行うように努めることが望ましい。
- 事業主は、求職者等から、顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者による求職活動等におけるカスタマーハラスメントに類すると考えられる相談があった場合には、その内容を踏まえて、4の措置も参考にしつつ、必要に応じて適切な対応を行うように努めることが望ましい
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厚生労働省 「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」について
▼ ゲノム医療施策に関する基本的な計画について_概要
- 目標:個人の権利及び利益を尊重しながらゲノム医療を推進することで、国民の健康に寄与することを目指す。
- 国民の適切な理解と啓発
- 国民への適切な教育及び啓発によりゲノム医療に対する理解を促進。生命倫理への配慮、不当な差別等への対応の確保によりゲノム医療の更なる発展に繋げる。
- 分野別施策
- 差別等への適切な対応の確保
- 生命倫理への適切な配慮の確保
- 教育及び啓発の推進
- 医療等の提供体制の構築
- ゲノム医療の拠点となる医療機関の整備、連携体制の構築、相談支援体制の整備とともに、医療従事者等への教育・啓発、人材育成を通じ、安心かつ安全で質の高いゲノム医療を実現する。
- 分野別施策
- ゲノム医療の提供の推進
- 検査の実施体制の整備
- 相談支援に係る体制の整備
- ゲノム情報の適正な取扱いの確保
- 医療以外の目的で行われる核酸に関する解析の質の確保
- 人材の確保
- 研究開発の推進
- 研究開発のための基盤整備等を行うとともに、ゲノム情報の適正な利活用を促進。ゲノム医療の発展に資する研究開発を推進する。
- 分野別施策
- ゲノム医療の研究開発の推進
- 情報の蓄積及び活用に係る基盤の整備
- 相談支援に係る体制の整備
- ゲノム情報の適正な取扱いの確保
- 人材の確保
- 国民の適切な理解と啓発
- 良質かつ適切なゲノム医療を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
- 関係者等の連携協力の更なる強化
- 地方公共団体によるゲノム医療施策の策定及び実施
- 必要な財政措置の実施と予算の効率化・重点化
- 基本計画の評価・見直し(5年を目途)
- ゲノム医療施策に関する基本的な計画 分野別施策
- 国民の適切な理解と啓発
- 差別等への適切な対応の確保
- ゲノム情報による不当な差別等の事例を収集・共有し、防止に係る対策を実施・周知。【厚、個、金、法】
- 労働分野や保険分野におけるゲノム情報による不当な差別等への対応に関するQ&Aを周知。内容の追記等を継続的に検討。【厚、金】
- ゲノム情報による不当な差別等を受けた者が相談できる窓口や救済制度を周知。【厚、個、金、法】
- 生命倫理への適切な配慮の確保
- ゲノム医療の新技術に伴う生命倫理の課題を踏まえ、必要に応じて関係法令の見直し等を検討。【厚、こ、文、経】
- 関係学会と連携し、遺伝情報改変技術等に係る課題への対応や、NIPT等の出生前検査の臨床研究等について検討。【厚、こ、文、経】
- 教育及び啓発の推進
- 国民全体にゲノム医療への関心と理解を深めるための啓発資料を作成、教育・啓発を行う。【厚、文】
- 差別等への適切な対応の確保
- 医療等の提供体制の構築
- ゲノム医療の提供の推進
- 必要な患者等がゲノム医療にアクセスしやすい体制を整備。【厚】
- エキスパートパネルの効果的かつ効率的な運用方法について継続的に検討。【厚】
- 患者が適切な治療を選べるよう、ドラッグ・ラグ及びドラッグ・ロスの解消に向けた取組を推進。【厚】
- ゲノム医療の提供方法等に関し、患者・市民視点の意見を反映する取組を促進。【厚】
- 検査の実施体制の整備
- 検査の質向上のため、精度管理や施設認定、人員体制を検討。【厚】
- 相談支援に係る体制の整備
- 必要な患者や家族がアクセスしやすい相談体制を整備。【厚】
- ゲノム情報の適正な取扱いの確保
- ゲノム情報と臨床情報の利用促進策を検討、医療従事者・研究者等に情報の適正な取扱いを周知。【厚、個、文、経】
- 医療以外の目的で行われる解析の質確保
- 医療以外の遺伝子検査サービスに係る関係法令の取扱いを整理、ゲノム情報の取扱い方法を周知。【厚、経】
- 人材の確保
- 関係学会と連携し、ゲノム医療の専門人材の確保や医療従事者のゲノム医療への理解を深めるための啓発を行う。【厚】
- 養成過程を通じて医療従事者のゲノム医療に係る知識の向上を図る。【文、厚】
- ゲノム医療の提供の推進
- 研究開発の推進
- ゲノム医療の研究開発の推進
- ゲノム解析やオミックス解析等の新技術、それらを用いたAMED研究を支援。【厚、文】
- ゲノム研究に患者・市民視点の意見を反映させる取組を促進。【厚】
- 情報の蓄積及び活用に係る基盤の整備
- 大規模バイオバンクの整備、国際連携を検討。【内、文、厚】
- 試料やゲノム情報等の適切な保管・管理方法を検討し、利活用を促進。【内、文、厚】
- 相談支援に係る体制の整備
- ゲノム研究の対象者が十分な説明を受けて参加の意思決定ができるよう徹底。【厚、こ、文、経】
- ゲノム研究の対象者が必要な相談支援を受けられるよう、相談体制を整備。【厚、こ、文、経】
- 人材の確保
- 関係学会と連携し、ゲノム研究の専門人材確保策を検討。【厚、文】
- ゲノム情報の適正な取扱いの確保
- ゲノム情報と臨床情報の利用促進策を検討、医療従事者・研究者等に情報の適正な取扱いを周知。【厚、個、文、経】
- ゲノム医療の研究開発の推進
- 国民の適切な理解と啓発
~NEW~
経済産業省 関西電力送配電株式会社から報告徴収命令に対する回答を受領しました
- 経済産業省は、本年10月24日(金曜日)に関西電力送配電株式会社(以下「関西電力送配電」という。)に対して、電気事業法第106条第3項に基づく報告を求めていたところ、本日、同社から回答を受領しました。
- 背景
- 経済産業省は、本年10月24日(金曜日)、関西電力送配電子会社の株式会社かんでんエンジニアリング(以下「かんでんエンジニアリング」という。)が、一般送配電事業に係る工事において警備費用の積み増し発注等を行っていた不適切事案が発覚したことを踏まえ、関西電力送配電に対して、電気事業法第106条第3項の規定に基づき、本事案の発生原因、再発防止策、子会社における発注・契約の運営体制、法令等遵守の観点から懸念がある他の類似事案の有無等について報告するよう求めました。
- 本日、関西電力送配電より、経済産業省に対して報告書が提出されたため、これを受領しました。
- 報告内容の概要
- 本事案の原因及び再発防止策
- 発生原因
- かんでんエンジニアリング社内における業務フローの形骸化
- 社内監査部門の脆弱性、縦割り構造による閉鎖性
- 現場でのコンプライアンス意識不足
- 再発防止策
- かんでんエンジニアリングにおける業務フローの見直し
- 社内調達部門による検収等の審査強化
- 組織風土・内部統制の改革推進といった多面的観点での対策
- 関西電力送配電子会社及び発注先に対する、再発防止等の監督及びフォロー
- 発生原因
- 子会社における発注・契約の運営体制
- 調達等審査委員会による発注の適切性・透明性のチェック
- 関西電力グループ全体でのコンプライアンス意識の醸成・徹底
- 本事案の原因及び再発防止策
- 法令等遵守の観点から懸念がある他の事案について
- 関西電力送配電および子会社等における類似の事案について、事実認定内容に応じ、厳正な処分を実施
~NEW~
経済産業省 「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドライン」を改定しました
- 経済産業省は、分散型リソースを束ねて供給力や調整力として活用する事業の普及拡大に向けて、「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドライン」を改定しました。
- 「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドライン」について
- 「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス※に関するガイドライン」(以下「ERABガイドライン」という。)は、ディマンドリスポンス(DR)により生じた電力量を電力会社が調達してその対価を支払う取引(ネガワット取引)等、ERABの関係者が参考とすべき基本的指針を示したものです(2015年3月に策定し、2016年9月、2017年11月、2019年4月及び2020年6月に改定)。
- 今回の改定の経緯及び内容について
- 2023年度の「次世代の分散型電力システムに関する検討会」(以下「検討会」という。)や「電力・ガス基本政策小委員会」において、需給調整市場における低圧リソースの活用及び機器個別計測を2026年度から開始する方針が決定されました。また、2024年度に開始した容量市場に関して、事業者間の連携ルールやフォーマットの標準化等の要望が関係事業者より寄せられました。
- こうした状況を踏まえ、検討会において、ERABガイドライン改定の検討を行い、ERABガイドライン(案)を取りまとめ、2025年9月12日(金曜日)~10月11日(土曜日)に意見募集を行いました。
- 本日開催された検討会において、意見募集結果を踏まえたERABガイドライン(案)を報告し、ERABガイドライン(改定版)を取りまとめました。
- 今回の主な改定事項は、以下のとおりです。
- 機器個別計測の概要及び活用
- 機器個別計測を活用できるケースを記載しました。
- 低圧リソース及び機器個別計測に適したベースライン
- 低圧リソースをERABで活用する際の適切なベースラインを記載しました。
- 機器個別計測で必要となる便益調整の定義等
- 機器個別計測において生じる便益調整の概念とその精算方法を記載しました。
- 供給元小売電気事業者との連携時における標準フォーマット
- アグリゲーターと供給元小売電気事業者間の情報連携における課題に対する対応を記載しました。
- 機器個別計測の概要及び活用
~NEW~
経済産業省 経済安全保障と独占禁止法に関する事例集を公表し、セミナーを開催します
- 安全保障環境が複雑化する中で、重要物資の供給途絶、技術移転強要等の我が国の自律性・不可欠性を喪失するリスクに対応するため、サプライチェーン全体や同業他社の企業間連携(例:海外企業からの買収提案や技術提供に関する情報交換、重要原材料の共同調達、競争力強化のための事業再編)が一層重要となっています。一方、産業界からは、独占禁止法のカルテル規制や企業結合規制への抵触の懸念が指摘されていました。このため、産業界から寄せられた、経済安全保障の観点から想定される15の事例について、情報交換、共同行為、企業結合の3つのカテゴリーに分けて、独占禁止法上の考え方を取りまとめ、「経済安全保障と独占禁止法に関する事例集」として公表します。
- 本事例集では、経済産業省と国土交通省が事例を提供し、それに対し公正取引委員会が独占禁止法上の考え方を示しました。
- 本事例集を踏まえてご相談等がありましたら、公正取引委員会だけでなく経済産業省にご相談いただくことも可能です。
- 本事例集の検討経緯については関連資料をご確認ください。
▼ 経済安全保障と独占禁止法に関する事例集
- 業務提携・買収提案に関する情報交換
- 海外事業者により、サプライチェーン上重要な部品・素材メーカーに対する業務提携(他国への生産拠点の移転や技術供与等) や買収の提案がなされたところ、国内メーカー間で、又は所管省庁や業界団体を通じて、海外事業者からの当該提案の事実に関して情報交換を行う事例。
- 経済安全保障上の観点:業務提携や買収に伴う、我が国メーカーの優位技術流出・国内生産基盤毀損を防ぐ必要がある。
- 独占禁止法上の考え方
- 海外事業者から業務提携や企業結合の提案を受けた事業者が、当該提案がなされた事実について、他の事業者、所管省庁又は業界団体との間で情報交換・共有することは、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 流出を防ぐべき技術範囲に関する情報交換
- 日本が優位性を持つ技術について、国内メーカー間で、又は所管省庁や業界団体を通じて、当該技術分野における海外流出を防ぐべき技術の範囲に関して情報交換を行う事例。
- 経済安全保障上の観点:仮に1社でも技術提供すると、日本の技術優位性や国際競争力が低下する可能性があるため、あらかじめ業界内で守るべきコアコンピタンスに関する認識合わせをしておく必要がある。
- 独占禁止法上の考え方
- 重要な技術やノウハウを有する事業者が、海外事業者への流出を防ぐべき重要な技術やノウハウの種類又は用途について、他の事業者、所管省庁又は業界団体との間で情報交換・共有すること自体は、通常、独占禁止法上問題とならない。
- なお、事業者間で、共同して技術やノウハウの内容又は水準について取り決めることにより、技術や製品をめぐる競争に悪影響を及ぼす場合には、技術制限カルテルとして独占禁止法上問題となるおそれがある。
- アンチダンピング申請に関する情報交換
- 海外事業者が廉価販売を実施している製品のアンチダンピング措置の共同申請について、当該製品の国内メーカー間で具体的に進めるか決まっておらず、まだ弁護士へ委任していない検討段階において、共同申請を進めるか否かを確認するための情報交換を行う事例。
- 経済安全保障上の観点:ダンピングによる国内事業者への損害を取り除き、国内事業者の競争力を保つためにはアンチダンピング申請は重要であり、事業者間で共同申請の実施を決定するためのスムーズな情報共有が必要である。
- 独占禁止法上の考え方
- アンチダンピング措置の共同申請に関する検討状況について、事業者間で情報交換・共有することは、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 市場が縮小する事業の集約化に関する情報交換
- 脱炭素化の実現に向けて、製品Xから排出量を低減した製品Yへの事業転換が進められつつある業界において、製品Yに転用できない製品Xの部品(α部品、β部品)は将来的な供給過多が予測されるため、事業者の体力があるうちに事業譲渡等の集約化を図るべく、生産を維持することが必要と見込まれる数量、事業が今後直面しうる課題、操業継続に関する意向等について、事業者間で情報交換を行う事例。
- 経済安全保障上の観点:製品Xの部品は日本が技術優位性・国際競争力を持ち、海外事業者が技術獲得を狙う分野であり、技術優位性・国際競争力を維持するには国内企業間での集約化が望ましい。
- 独占禁止法上の考え方
- 将来の生産数量等の重要な競争手段に関する情報交換であっても、事業の集約化の検討に当たり当該情報が合理的に必要な範囲のもので、かつ、必要な情報遮断措置が講じられる場合には、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 他方で、必要な情報遮断措置が講じられることなく、重要な競争手段に関する情報交換によって、将来の生産数量等に関する事業者間の暗黙の了解又は共通の意思が形成される場合には、独占禁止法上問題となるおそれがあることに注意する必要がある。
- 本件の情報交換に当たり留意すべき事項としては、生産者を誰にするかといった調整やすみ分けが生じないような工夫が必要であることや、競争者に関する情報を社内で共有する際には必要な情報遮断措置(クリーンチームの設置等)を講じることが挙げられる。
- 市場が縮小する事業の集約化に関する情報交換
- 将来的に需要減少が想定されている事業分野について、需給の均衡がとれている現段階において、事業者間で将来の需要予測・供給予測に基づいたプラント等の共同廃棄又は統合について情報交換する事例。
- 経済安全保障上の観点:将来的に需要減少が想定されている事業分野においては、海外事業者による競争圧力に対抗し、国内産業基盤を維持することが重要であり、国内事業者間でプラント等の共同廃棄又は統合を行うための情報を交換する必要がある。
- 独占禁止法上の考え方
- 将来の生産数量等の重要な競争手段に関する情報交換であっても、プラント等の共同廃棄や統合の検討に当たり当該情報が合理的に必要な範囲のもので、かつ、必要な情報遮断措置が講じられる場合には、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 他方で、必要な情報遮断措置が講じられることなく、重要な競争手段に関する情報交換によって、将来の生産数量等に関する事業者間の暗黙の了解又は共通の意思が形成される場合には、独占禁止法上問題となるおそれがあることに注意する必要がある。
- 重要原材料の調達に関する情報交換及び共同調達
- 事業に不可欠な重要原材料について、(1)国際情勢の著しい変化等の外的ショックにより国内メーカーの調達途絶が顕在化した場合又はその蓋然性が高いと政府が認め企業に情報提供した場合に/(2)平時から国内メーカーが調達途絶リスクに備える必要がある場合に、国内メーカー間で当該原材料の代替調達先や調達品のスペック等に関する情報交換及び共同調達を検討・実施する事例。
- 経済安全保障上の観点:海外依存度の高い原材料の供給途絶のリスクに備え、事業者で連携して代替調達先を確保することが重要である。
- 独占禁止法上の考え方
- (重要原材料の調達途絶が顕在化した緊急時の情報交換・共同調達)〔前記(1)〕
- 国際情勢の著しい変化等の外的ショックにより、震災時と同程度の調達途絶が発生した緊急時の場合又は震災時と同程度の調達途絶が発生する蓋然性が客観的に高い切迫した状況にあると政府全体で判断した場合の対応として、経済安全保障の確保を目的に、重要原材料の不足が深刻な期間に限り、事業者の間で、調達数量、調達先等の必要な情報に限って情報交換を行い、安定調達のために必要な共同調達を行う場合には、原則として独占禁止法上問題とならない。
- なお、重要原材料の著しい不足が解決された後は、本件共同調達を直ちに終了する必要がある。
- (重要原材料の調達途絶リスクに備えた情報交換) 〔前記(2)〕
- 将来の調達数量等の重要な競争手段に関する情報交換であっても、重要原材料の調達途絶リスクの検討に当たり当該情報が合理的に必要な範囲のもので、かつ、必要な情報遮断措置が講じられる場合には、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 他方で、必要な情報遮断措置が講じられることなく、重要な競争手段に関する情報交換によって、将来の調達数量等に関する事業者間の暗黙の了解又は共通の意思が形成される場合には、独占禁止法上問題となるおそれがあることに注意する必要がある。
- (重要原材料の調達途絶リスクに備えた共同調達) 〔前記(2)〕
- 重要原材料の調達市場における参加事業者の購入シェアが低い場合や、製品販売市場における参加事業者の市場シェア又は製造コストに占める重要原材料の調達コストの割合が低い場合、製品販売市場における需要者が対抗的な交渉力を有しているなど需要者からの競争圧力が強い場合等には、原則として独占禁止法上問題とならない。
- なお、本件の共同調達に当たり留意すべき事項としては、共同調達への参加が強制である場合には、独占禁止法上問題となるおそれがあることに注意する必要がある。
- 供給が限られる製品等の川下市場への配分
- 事業に不可欠な重要原材料について、国際情勢の著しい変化等の外的ショックにより調達途絶リスクに接した場合に、代替調達先から共同調達した原材料を使用した製品(調達途絶前の生産量に比して、共同調達後の生産量が過少)を国内下流メーカーに配分して供給する事例。
- 経済安全保障上の観点:国際情勢の著しい変化等の外的ショックにより調達途絶が発生した場合、国内サプライチェーンにおいて川下で供給途絶や生産量の偏りが発生しないよう効率的に配分することが重要である。
- 独占禁止法上の考え方
- 国際情勢の著しい変化等の外的ショックにより、震災時と同程度の調達途絶が発生した緊急時の場合の対応として、経済安全保障の確保を目的に、重要原材料の不足が深刻な期間に限り、所管省庁が直接又は業界団体を通じて決定した配分で事業者が供給先に配分を行う場合には、原則として独占禁止法上問題とならない。
- なお、重要原材料の著しい不足が解決された後は、本件配分を直ちに終了する必要がある。
- 競争力を維持・確保するための共同行為
- グローバル市場における競争に晒される中、国内事業者単独では、生産効率の維持等の対応ができない状況において、国内競合事業者が共同で営業・設計・調達等を行うとともに、各事業者がその製品の製造を分担して行う事例。
- 経済安全保障上の観点︓共同で営業・設計・調達等を行うことで生産効率を向上させ、国内事業者の競争力を維持・確保することが必要である。
- 独占禁止法上の考え方
- (1)共同事業の内容(製品の価格等の重要な競争手段にどのような影響を与えるか)、(2)共同事業に参加する事業者の市場シェア(世界市場か国内市場か)、(3)共同事業の態様(参加や利用を強制するものでないかなど)を総合的に勘案し、競争の実質的制限とならないと評価できる場合、独占禁止法上問題とならない。
- 寡占市場における企業結合
- 経済安全保障上重要な物資を製造する国内企業数が限定的であるところ、海外企業からの買収提案がなされた場合に、我が国の自律性・不可欠性を保持するため、国内企業間で企業結合する事例。
- 経済安全保障上の観点︓我が国メーカーの優位技術流出・国内生産基盤毀損を防ぐ必要がある。
- 独占禁止法上の考え方
- 世界全体で地理的範囲が画定される場合は、当事会社を含む国内企業3社の世界市場シェア合計が1割程度という状況を踏まえると、セーフハーバー基準に該当する。
- 国内で地理的範囲が画定される場合でも、当事会社の国内市場シェア合計が2割以下という状況を踏まえると、セーフハーバー基準に該当する可能性がある。セーフハーバー基準に該当しない場合でも、セーフハーバー基準を僅かに上回る程度であり、国内企業からの競争圧力も十分に働くと認められることから、競争に与える影響は大きくないと評価できるため、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 市場が縮小する事業に関する統廃合
- 将来的に需要減少が想定されている事業分野において、需給の均衡がとれている現段階において、企業間で将来の需要予測・供給予測に基づいたプラント等の共同廃棄又は統合を行う事例。
- 経済安全保障上の観点:将来的に需要減少が想定されている事業分野においては、海外企業による競争圧力に対抗し、国内産業基盤を維持することが重要であり、国内企業間でプラント等の共同廃棄又は統合を行うための情報を交換する必要がある。
- 独占禁止法上の考え方
- 海外企業の競争圧力に対抗しなければならないほど海外製品が販売されているという状況を踏まえると、輸入圧力が働く場合が多く、当該輸入圧力が十分大きいと認められる場合は、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 輸入圧力が働くことのみで独占禁止法上問題とならないと判断できないとしても、(1)当事会社の地位及び競争者の状況、(2)隣接市場からの競争圧力、(3)需要者からの競争圧力などを総合的に勘案し、競争の実質的制限とならないと評価できる場合、独占禁止法上問題とならない。
- 過剰供給市場におけるポートフォリオ調整
- 海外企業が過剰供給によって廉価製品を販売することで市場シェアを伸ばしていく中で、国内企業個社では、生産効率の維持等の対応ができない状況において、国内企業間で業務提携又は事業譲渡等により、ポートフォリオを相互調整する事例。
- 経済安全保障上の観点:ポートフォリオを相互調整することで生産効率を向上させ、国内企業の競争力を維持・確保することが必要である。
- 独占禁止法上の考え方
- 海外企業の競争圧力に対抗しなければならないほど海外製品が販売されているという状況を踏まえると、輸入圧力が働く場合が多く、当該輸入圧力が十分大きいと認められる場合は、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 輸入圧力が働くことのみで独占禁止法上問題とならないと判断できないとしても、(1)当事会社の地位及び競争者の状況、(2)隣接市場からの競争圧力、(3)需要者からの競争圧力などを総合的に勘案し、競争の実質的制限とならないと評価できる場合、独占禁止法上問題とならない。
- 事業の安定性・持続性を考慮した業界再編
- 事業に不可欠な重要原材料について、国際情勢の著しい変化等の外的ショックによる調達途絶が顕在化した状況において、当該原材料を使用した製品Xの製造事業を有する国内企業が、製品Xの①製造事業及び②リサイクル事業の双方を有する国内競合他社と企業結合を行う事例
- リサイクル事業を有する企業とリサイクル事業を有さない企業との企業結合
- 重要原材料の調達途絶が発生すると、製造事業の継続は不可能となる一方、リサイクル事業の継続は可能
- 独占禁止法上の考え方
- 調達途絶の影響により、企業結合がなければ近い将来に市場から退出する蓋然性が高いことが明らかであり、競争を実質的に制限することとなるおそれが小さいと評価できる(いわゆる破綻企業の考え方が適用される)可能性がある。
- 破綻企業の考え方が適用される状況ではないとしても、当事会社の事業能力が弱いと認められるほか、(1)当事会社の地位及び競争者の状況、(2)隣接市場からの競争圧力、(3)需要者からの競争圧力、 ④輸入圧力などを総合的に勘案し、競争の実質的制限とならないと評価できる場合、独占禁止法上問題とならない。
- 競争力を維持・確保するための統合・合併
- グローバル市場における競争状況の中、国内企業が単独では生産効率の維持等の対応ができない状況において、国内企業間で新たに設立する会社が一括して製品の営業・設計・調達を行うとともに、各社が分担して製品の製造を行う事例
- 独占禁止法上の考え方
- 造船業(外航船)については、国境を越えて地理的範囲が画定される場合がほとんどであるが、海外に有力な競争者が存在し競争に与える影響は大きくないと評価できる場合には、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 舶用工業については、国境を越えて地理的範囲が画定され海外に有力な競争者が存在するなど競争に与える影響は大きくないと評価できる場合には、通常、独占禁止法上問題とならない。国内で地理的範囲が画定される場合には、供給先である造船市場における競争が活発であることから、需要者(造船会社)からの競争圧力が働くと考えられるほか、(1)当事会社の地位及び競争者の状況、(2)隣接市場からの競争圧力、(3)輸入圧力などを総合的に勘案し、競争の実質的制限とならないと評価できる場合、独占禁止法上問題とならない。
- 国内で寡占的な複数事業者の統合・合併
- グローバル市場における競争状況の中、国内企業が単独では生産効率の維持等の対応ができない状況において、国内で寡占状態にある2社が企業結合を行う事例
- 独占禁止法上の考え方
- 造船業(外航船)については、国境を越えて地理的範囲が画定される場合がほとんどであるが、海外に有力な競争者が存在し競争に与える影響は大きくないと評価できる場合には、通常、独占禁止法上問題とならない。
- 舶用工業については、国境を越えて地理的範囲が画定され海外に有力な競争者が存在するなど競争に与える影響は大きくないと評価できる場合には、通常、独占禁止法上問題とならない。国内で地理的範囲が画定される場合には、供給先である造船市場における競争が活発であることから、需要者(造船会社)からの競争圧力が働くと考えられるほか、①当事会社の地位及び競争者の状況、②隣接市場からの競争圧力、③輸入圧力などを総合的に勘案し、競争の実質的制限とならないと評価できる場合、独占禁止法上問題とならない。
- 他社との共同研究開発の制限
- 国内事業者A社の技術を基にA社とB社で共同研究開発を実施するにあたり、契約期間中及び契約期間終了後技術情報が陳腐化するまでの一定期間は、B社がA社以外の事業者(特に海外事業者)との間で当該分野における共同研究開発を行わない旨合意する事例。
- 経済安全保障上の観点︓技術や当該研究の過程で得た情報が海外事業者へ流出することを避け、技術優位性・国際競争力を維持することが重要である。
- 独占禁止法上の考え方
- 経済安全保障の確保を目的に、共同研究開発終了後の合理的期間に限って、同一又は極めて密接に関連するテーマの第三者との研究開発を制限することは、背信行為の防止又は権利の帰属の確定のために必要と認められる場合には、原則として独占禁止法上問題とならない。
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総務省 総務省における物品等の契約に係る指名停止措置について
- 総務省は、以下の事業者に対して、本日、物品等の契約に係る指名停止措置を行いました。
- 対象事業者
- HL株式会社
- 指名停止の期間
- 令和7年11月20日から令和8年2月19日まで
- 指名停止の理由
- HL株式会社は、令和7年4月23日付で当省統計局と契約した「調査区対応付・隣接調査区等検索ツールの開発業務の請負」の履行に当たり、同局からの度重なる連絡及び確認行為に対し、「対応可能」等の返答を繰り返すなど、同社の過失及び不誠実な対応により契約に定める期限までに履行を完了せず、同期限超過後に納入された成果物についても仕様どおりに動作せず、検査結果が不合格であったため、同局は、10月29日付で同社との契約解除に至ったものである。
- これは、総務省における物品等の契約に係る指名停止等措置要領に定める「所属担当官が締結した物品等の契約の履行に当たり、過失により契約履行を粗雑にしたと認められるとき(かしが軽微であると認められるときを除く。)」(別表1第2号)及び「業務に関し不正又は不誠実な行為をし、契約の相手方として不適当であると認められるとき」(別表2第11号)に該当するため。
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総務省 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会(第7回)配付資料
▼ 資料7-2-1 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会 取りまとめ案 概要
- 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会は、民間放送事業者において、広告によって成り立つ民間放送事業の存立基盤を失いかねないばかりか、放送に対する国民の信頼を失墜させる事案が生じたことを踏まえ、2025年6月から11月までに7回開催。
- 放送事業者が「放送に携わる者の職責」を現代的にアップデートし続け、放送が今後とも社会的役割を果たし続けることができるよう、ガバナンス確保に関する取組として、基本的な考え方(目的、対象、方針)及び具体的内容(事案の未然防止、事案の発生後の対応、フォローアップ)について、提言。
- ガバナンス確保に関する取組の基本的な考え方
- 取組の目的・対象
- 放送は、時代の変化に応じ、国民の知る権利に奉仕し続けることが必要。このためには、放送事業者の信頼性・事業の継続性の確保が必要。
- 放送事業者は、一般の株式会社に求められるガバナンスの確保は前提として、人権尊重・コンプライアンス確保を中心とした取組を不断に実施。
- このうち、芸能事務所・番組出演者に関するものは、NHKと民間放送の二元体制の下、放送業界全体として取組。
- さらに、新たな事業への展開等、放送の将来像を念頭に置いた前向きな取組を進め、放送の社会的価値の一層の発揮を図ることが重要。
- 取組の方針
- ガバナンス確保は、番組編集の自由の維持は当然の前提とした上で、一義的には自主自律の下で、実効性のある取組を推進。
- まずは事業主体である各放送事業者が推進。加えて、業界団体は、放送業界全体としての信頼性を確保するために積極的に役割を遂行。
- 行政としても、現実に民放事業の存立基盤が失われかねない脆弱性が顕在化したことを踏まえれば、自主自律に十分配慮して番組内容への介入にならない範囲で、放送事業者の健全な事業の継続性を確保するために必要な役割を果たすことが適当。
- ガバナンス確保に関する取組の具体的内容
- 放送事業者・業界団体の取組
- 事案の未然防止(平時の取組)
- 各放送事業者はガバナンス確保のための体制整備を実施。
- 業界団体は、業界全体を底上げし信頼性を確保するため、ガバナンス確保のための指針を策定し、取組の具体例、留意事項や、公表事項のフォーマットを提示。
- 各放送事業者は、指針の取組状況を自ら定期的に評価し、結果を公表。業界団体は、各放送事業者の取組状況や評価の取りまとめ・確認、ベストプラクティスの共有、助言等を実施。
- 自己評価に客観性を担保するため、第三者の意見を聴き、その結果を反映する仕組みが必要。
- 事案の発生後の対応
- 事案の発生した放送事業者が自ら対応するとともに、業界団体も対応。※例えば、事案の内容や対応の報告を求めることや、助言を行うこと、事案の内容・性質、対応等に応じて業界団体のルールに基づいて処分を行うこと等
- 事案の未然防止(平時の取組)
- 行政の役割
- 事案の未然防止(平時の取組)
- 基幹放送普及計画を通じて、ガバナンス確保を促し、放送事業者による自発的な体制整備を確認することを検討。
- 自主自律の観点から、体制整備の促進が目的であり、放送事業者の個別具体的なガバナンス体制への介入にならないよう慎重に検討することに留意。
- 事案の発生後の対応
- 事業者・業界団体の対応を見極めた上で、インターネット上での偽・誤情報の問題等が顕在化している中で、放送が信頼性の高い情報発信などの社会的役割を果たし続けることができるよう、以下の事項について検討。その際、制裁ではなく経営基盤の持続可能性を確保するためであること、番組内容への介入にならないよう慎重に制度設計することに留意。
- 経理的基礎が脅かされるおそれのある重大な事案の場合には、適時に一定の基準に基づく報告を義務付けること、
- 特に必要な場合には、免許時に条件を付すこと(例:経理的基礎が脅かされている状況の解消に必要な措置の報告や実行を求める)
- 事案の未然防止(平時の取組)
- 放送事業者・業界団体の取組
- フォローアップ
- 外部からのチェック機能が働くよう、官民が連携してフォローアップする仕組みを整備。実効性を確認しつつ、必要に応じて取組の充実等の見直し。
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総務省 AIセキュリティ分科会(第5回)
▼ 資料5-1 AIセキュリティ分科会取りまとめ骨子・論点整理(案)
- ガイドライン案の位置づけ
- 「AI事業者ガイドライン」(総務省・経済産業省)で示された共通指針、「AIセーフティに関する評価観点ガイド」(AISI)で示された「AIセーフティにおける重要要素」及び「AIセーフティ評価の観点」を踏まえ、AIの「セキュリティ確保」に関するものを取り扱うこととする。
- AIの「セキュリティ確保」として、「不正操作による機密情報の漏えい、AIシステムの意図せぬ変更や停止が生じないような状態」に対する脅威への対策を主な対象とする。
- この観点から、脅威への技術的対策例を整理する
- 対象とするAI
- 社会実装が進み、脅威が顕在化し始めている大規模言語モデル(LLM)及びLLMを搭載したシステムを主な対象とする。
- 画像等の入力データを取り扱うマルチモーダルなLLM(VLM)が多く登場しつつあり、このようなLLMに対しては画像識別AI(CNN)に対する攻撃手法を転用できるケースがあることを踏まえ、CNNへの脅威及び対策例を別紙として整理することとしてはどうか(ただし、CNNへの脅威の対策が必ずしもVLMに転用できるとは限らないことに留意が必要)。
- AIエージェントについては、技術が急激な発展の途上にあり、これに特有の脅威や対策を安定的に確定することが困難であることから、基本的には対象外とするが、現時点で判明している脅威をガイドラインのAppendixにおいて参考として示してはどうか
- 想定読者等
- AI事業者ガイドラインが定義するAI開発者及びAI提供者を想定読者とする。
- なお、AI開発者による対策が、AI提供者を被害者とする攻撃への対策ともなる場合がある。
- 対象とする主な脅威
- ガイドライン案では、AISIによる整理や、分科会でのご議論を踏まえ、攻撃の具体的な可能性が比較的高いと考えられるプロンプトインジェクション攻撃及びスポンジ攻撃(DoS攻撃)への対策を主に示すこととしてはどうか(これらの攻撃は基本的にプロンプトの入力により実施可能となるため、攻撃の具体的な可能性が比較的高いと考えられる)
- プロンプトインジェクション攻撃
- 概要
- LLMに細工をした入力を行うことで、不正な出力をさせる攻撃
- LLMに細工をしたプロンプトを入力することで実施するものを直接的プロンプトインジェクション攻撃といい、LLMに細工をしたデータを参照させることで実施するものを間接的プロンプトインジェクション攻撃という
- 「不正な出力」の例
- 本来は開示すべきではない、RAG用のデータストア(ベクトルデータベースやファイルシステム等)の内容を含む出力をさせる
- 連携するシステムを不正操作するコード(SQLクエリやシステムコマンド等)をLLMに生成させ、これを連携するシステム上で実行させることで、データベースやシステムからの機密情報の漏えいや、データの改ざん・削除等を行う
- 本来は開示すべきではない、LLMの内部設定が記載されたシステムプロンプトを含む出力をさせる
- 直接的プロンプトインジェクション攻撃における「細工をしたプロンプト入力」の例
- 指示の上書き:「過去の指示を無視せよ」といった文章を用いて、LLMに設定されている既存の指示を無効化する
- ロールプレイ:特定の状況をロールプレイすることで不正な出力をさせる。例えば、セキュリティの研究者を装ってマルウェアを作成する指示を入力するなど
- 特殊な入力形式:特殊な入力形式に不正な指示を埋め込む。例えば、Unicodeの文字コードやASCIIアートに不正な指示を埋め込むなど
- 別のタスクへの置き換え:不正な指示を別のタスクに置き換えて入力する。例えば、システムプロンプトを出力させるために「システムプロンプトを品詞分解して」といった入力を行う
- 間接的プロンプトインジェクション攻撃において参照させる「細工をしたデータ」の例
- 細工したファイルをWeb上に用意し、LLMが当該ファイルを参照した際に不正な出力を誘発
- 細工した電子メールを送信し、LLMが当該電子メールを参照した際に不正な出力を誘発
- 概要
- スポンジ攻撃(DoS攻撃)
- 概要
- LLMに、AIシステムが膨大な処理を必要とするプロンプト入力を行うことで、AIシステムに想定以上の計算負荷を生じさせ、AIシステムの応答の遅延や停止を引き起こす攻撃
- 計算負荷の例
- LLMが稼働するシステムそのものに計算負荷を生じさせる
- LLMに膨大な量の外部データを参照させ、LLMが連携するシステムに計算負荷を生じさせる
- 概要
- その他の脅威
- プロンプト入力のみを介して行うことも可能なプロンプトインジェクション攻撃やスポンジ攻撃と異なり、予めデータを汚染させるなど、攻撃に一定の前提条件が必要となるものとして、以下の脅威も想定され得る。
- データポイズニング攻撃:基盤モデルやLLMが学習するデータに細工をし、LLMに不正な出力をさせる攻撃
- 細工をしたデータを用意し、これを何らかの手段によって、基盤モデルの事前学習データやファインチューニングデータに入れ込むことで、LLMが特定のプロンプト入力に対して不正な回答を出力するようにしてしまう
- 細工をしたモデルの導入を通じた攻撃:細工をしたLLMをAIシステムに組み込ませ、LLMに不正な出力をさせる攻撃
- 細工をしたLLMを用意し、これを外部に提供することで、細工をしたLLMをAIシステムに組み込ませ、AIシステムが不正な出力をするようにしてしまう
- データポイズニング攻撃:基盤モデルやLLMが学習するデータに細工をし、LLMに不正な出力をさせる攻撃
- モデル抽出攻撃:LLMに繰り返し入力を行い、出力される情報を分析することで、類似のLLMを複製する攻撃
- LLMに繰り返しアクセスし、LLMが出力する各単語とその出現確率を分析することで当該LLMと類似のLLMを複製する。これにより、当該LLMに係る競争上の地位低下や、当該LLMに含まれる機密情報の窃取などにつながる
- プロンプト入力のみを介して行うことも可能なプロンプトインジェクション攻撃やスポンジ攻撃と異なり、予めデータを汚染させるなど、攻撃に一定の前提条件が必要となるものとして、以下の脅威も想定され得る。
- 脅威への対策の位置づけ
- AIに対する脅威のリスクを低減するため、現時点で取り得るとされる一般的な対策例を整理し、提示するもの。これらの対策例を実装した場合においても、AIの性質上、脅威を生じさせる要因等を完全に排除することは困難である点について留意が必要。
- また、対策例は、単独の実施により脅威を生じさせる要因を排除することは困難な場合があることを前提に、複数の対策を講じることでリスクを低減していくことを想定している。AI開発者・提供者それぞれにおいて、対策を適切に講じリスクを低減していくことが重要だと考えられる。
- AI開発者における対策
- AI開発者における主な対策は、LLMが外部への意図しない出力を行わないようにする安全基準等の学習による頑健性の向上を挙げることができるのではないか。
- これは、AIセキュリティの確保よりも広範な「AIセーフティ」の確保のために用いられているものであり、AIセーフティの確保を目的としてこの対策を講じることが、AIセキュリティの確保にもつながるものと言えるのではないか。
- ただし、AIセキュリティの確保の観点では、悪意ある攻撃者は、一般ユーザによる入力よりも巧妙な入力等を用いて、意図しない出力を行わせることも想定される。このため、LLMの開発目的・用途に応じ、想定される脅威によっては、より高度な対策や、より重層的な対策が必要となり得ることに留意が必要ではないか。
- AIセーフティの確保の達成度合いを確認するためのツールやデータセットとして、例えば以下のものがあり、活用してくことが有用ではないか。このうち、AISI「AIセーフティ評価ツール」については、セキュリティ確保に関するデータセットも含まれている。また、現在、AISI・NIIにおいて、LLMの安全性ベンチマークを構築する取組が進められている。
- AISI「AIセーフティ評価ツール」
- NII「AnswerCarefully」
- また、NICTにおいて、プロンプトインジェクション等の攻撃に対する基盤モデルの安全性を評価するための研究や、LLM同士の議論や関連情報を確認できる技術を応用して評価用プロンプトを自動生成し、能動的にAIの信頼性を評価可能な評価基盤の構築が進められている。
- AI提供者における対策
- システムプロンプトによる頑健性の向上等
- システムプロンプトに制約事項やセキュリティ上の注意事項などを設定することで、LLMが意図しない出力を行わないようにする
- システムプロンプトには、出力を意図しない機密情報(例:APIキー)等を直接記述することを避け、LLMが必要に応じて参照できるよう別個に管理することも重要
- ガードレール等による入出力や外部参照データの検証
- 入力プロンプトの検証
- LLMに入力されるプロンプトに意図しない出力を行わせる指示が含まれていないか検証し、そのような指示を検知した場合には、応答を拒否したり、フィルタリングや変換を行い、無効化する
- 外部参照データの検証
- 例えばWebサイトや外部のデータベースなど、外部データを参照する場合には、これらに意図しない出力を行わせる指示が含まれていないか検証し、そのような指示を検知した場合には、フィルタリングや変換を行い、無効化する
- LLMに、入力プロンプトと外部参照データを明確に区分させ、外部参照データに高い注意を払わせる
- 出力の検証
- 出力を意図しない情報が出力に含まれていないか検証し、検知した場合には応答を拒否する
- 単語の出現確率など、攻撃者に悪用され得る情報を応答から除外するとことで、モデル抽出攻撃への対策となる
- オーケストレータやRAG等の権限管理
- LLMや連携システムを操作するオーケストレータに係る権限を必要最小限とすることで、LLMが攻撃を受けた場合の被害拡大を抑制する(最小権限の原則)
- RAG用のデータ及びデータストアへの参照権限をユーザや役割に応じて適切に設定する
- 入力プロンプトの検証
- システムプロンプトによる頑健性の向上等
- AI開発者・提供者に係るその他の基本的な対策等
- AIシステムのセキュリティを確保するためには、LLMに特有の脅威への対応だけでなく、情報システムのセキュリティ確保に必要とされる基本的な対策を行うことが重要ではないか。対策としては、例えば、監査ログの保存によるトレーサビリティの確保や、システムへの膨大なアクセスによる攻撃を抑制するためのレートリミットの導入、開発環境における開発者の適切な権限管理、システムの構成要素のセキュリティに係る信頼性の確認などが考えられるのではないか。
- AIシステムの用途・目的や提供条件などにより、監査ログの保存の可否や、保存されたログを参照することができる者の範囲等は異なり得ることに留意が必要。
- システムの構成要素のセキュリティに係る信頼性の確認に関して、AI提供者は、基盤モデルの作成者が開示している情報等を踏まえ、セキュリティに係る信頼性を確認することが重要ではないか※。また、開発・提供するシステムの目的・用途に応じて、ファインチューニングデータなどAIが学習するデータについて、出力を意図しない機密情報を用いないことや、データの出所・加工履歴等により信頼性を確認することが重要な場合もあるのではないか。
- この際、「AI開発者における対策」で言及したツールやデータセットを用いて検証することも考えられるのではないか。
- これらの対応の一部は、2で示した「その他の脅威」への対策にも資すると考えられるのではないか。
- なお、対策については継続的な見直しが必要と考えられるが、見直しのタイミングは、基盤モデルに係る変更があった段階や、AIモデルが新たな学習をした段階などが考えられるため、具体的頻度を一律に示すことは困難ではないか。見直しに当たっては、高頻度での実施が望ましい場合もあり得る中で、コストとの関係も考慮しつつ、AIシステムの目的・用途に応じてその頻度や内容を決定していくべきではないか。
- AIサービスの想定事例に応じた脅威・対策
- プロンプトインジェクション攻撃やスポンジ攻撃から、AIシステムのセキュリティを確保するに当たっては、AIシステムにおけるデータの流れ、主に想定される脅威・対策を明らかにすることが必要と考えられる。
- そのため、サービスの公開範囲や、RAG・外部システム連携の有無といった特徴も踏まえつつ、AIサービスの想定事例をいくつか示し、主な脅威・対策を示してはどうか。(次頁以降)
- これにより、読者において提供しようとするAIシステムに即して、想定される主な脅威や講じ得る対策を一定程度、具体的に検討することができるのではないか。
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総務省 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第12回)
▼ 資料12-1ICTサービスの利用環境を巡る諸問題について~不適正利用対策をめぐる環境変化と新たな対策について~(事務局)
- 上限契約台数 考え方(案)
- 上限契約台数の制限については、業界ルールの進展が一定程度図られたことが認められるものの、今後、多くの事業者への更なる浸透を図るとともに、利用者視点から一定の予見可能性の確保が望ましいこと等を考えると、総務省として制度面から事業者の自主的な取組を後押しする環境を整備する必要があるのではないか。
- 例えば、一定台数を超えるの契約を利用者が求めた場合に、利用目的やSIMの種別を踏まえ、事業者として提供拒否ができることについて、法令上の措置を含め、明確化の観点からルール化すること等、所要の環境整備を迅速に進めていくことが適当ではないか。
- 総務省において、上記ルール化等を通じて事業者の更なる自主的な取組を促進するとともに、事業者において、不正契約を防止するための契約時の対応強化に一層取り組むべきではないか。また、取組状況を受けて必要になる場合には、犯罪との因果関係を踏まえながら、名義人が契約したSIMの実際の使用者を把握する方法を含めた検討や、一層のルール化を含む対策の強化(例:一律の上限契約台数制限)についても検討すべきではないか。
- フィッシングメール対策
- フィルタリングの判定技術の向上や迷惑メール判定におけるAIの活用等、メールのフィルタリングの精度の一層の向上を積極的に図ること。また、迷惑メールのフィルタリング強度を適切に設定するなどして、高度化するフィッシングメールに対応可能なメールフィルタリングを目指すこと。
- なりすましメール対策として有効なDMARCの導入やDMARCポリシーの設定(隔離、拒否)を行うこと。送信側だけでなく受信側についても、適切なDMARCポリシーに基づく処理やレポート送信を設定すること。また、ドメインレピュテーション、BIMI、踏み台送信対策等の更なる対策の導入を積極的に検討していくこと。
- 提供しているフィッシングメール対策サービスについて、様々な利用者層に向けた一層の周知・啓発を行うこと。
▼ 資料12-2「敵」を知る 生成AIにより崩壊した言語壁と日本を狙う詐欺メールの急増(日本プルーフポイント株式会社 増田氏)
- 年末から相次ぐ日本への異様なDDoS攻撃
- 攻撃ボリュームは過去最大規模
- レイヤ3/4 (Syn/Ack/UDP/GRE Fllod) とレイヤ7 (HTTP/HTTPS) のDDoSが時間によって切り替わる
- 経路にCDNがないIPアドレス直打ちでオリジンサーバーを直接攻撃
- 攻撃元は世界中に分散(英国、香港、日本、シンガポールなど)(参考:アカマイテクノロジーズ社)
- レイヤ3/4についてはMiraiボットネット活用の疑い(参考:トレンドマイクロ社)
- 通常のリフレクションDDoSと比較するとコストをかけた柔軟性の高い洗練されたDDoS攻撃しかも犯行声明がない
- 日本へのスキャンも急増
- 2025年10月:全世界のメール攻撃のうち80%が日本をターゲットに
- グローバルで合計712の新種のメール攻撃キャンペーンを観測
- うち136の攻撃キャンペーンが日本をターゲット
- ボリューム数TOP10のうち8つが日本を標的にしたキャンペーン
- CoGUIフィッシングキットを用いた攻撃が急増
- 多要素認証をすり抜けるAiTMであるEvilginxも使われている
- 多要素認証導入の影響で攻撃者が戦術を変更
- CoGUIでは、情報送信時にAPIエンドポイントを用いていたが、新種のCoAceVではWorksocket APIを使うように
- さらにCoAceVとも異なる新種も現れており、JSコードは似通っているものの、ユーザープロファイルのために、ネットワーク通信方式が変更されている(6/4現在)
- 今、日本が狙われる理由 AIによって変わる攻撃先
- DDoSは単なる陽動作戦であり、DDoSで注意をそらしている間に、本丸の攻撃(ランサムウェア、内部への侵入)を展開している可能性
- AIにより言語の壁が消失したことにより、日本への攻撃が可能に
- 防御が薄くなった日本企業の知的財産は価値が高く、日本人の個人情報はアンダーグラウンドで高値で売れる
- 不気味なDDoSのタイミングと合わせると、外国政府主導による軍事的/戦略的な攻撃である可能性:
- 中国による台湾有事を見据えての準備攻撃、ロシアへの経済制裁に対する報復・・・
- 外国政府インシデント対応プロセス、ネットワーク機器やサーバーの冗長構成などの技術詳細、システム切り替えのタイミングの把握する準備活動である可能性
- DDoSは単なる陽動作戦であり、DDoSで注意をそらしている間に、本丸の攻撃(ランサムウェア、内部への侵入)を展開している可能性
- メールはただのやりとりのツールではない 今やSSO(シングル・サイン・オン)のIDとしてあらゆるシステムの入口に
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国土交通省 主要都市の地価は7期連続で全地区において上昇~令和7年第3四半期地価LOOKレポート~
- 主要都市の高度利用地等における地価動向※は、利便性や住環境の優れた地区におけるマンション需要が堅調であったことに加え、店舗・ホテル需要も堅調に推移したことなどにより、7期連続で住宅地及び商業地の全地区において上昇(住宅地は14期連続、商業地は7期連続)となった。
- 令和7年7月1日から同10月1日の間の変動率
- 特徴
- 前回と同様、全80地区において上昇となった。横ばい、下落の地区はなかった。
- 変動率区分(上昇・横ばい・下落の区分)別に見ると、「上昇(3~6%)」が5地区、「上昇(0~3%)」が75地区となった。
- 住宅地では、14期連続で22地区全てにおいて上昇となり、変動率区分に変化はなかった。全体的に緩やかな上昇傾向が続いている。
- 商業地では、7期連続で58地区全てにおいて上昇となり、変動率区分に変化はなかった。全体的に緩やかな上昇傾向が続いている。
- 主な要因
- 住宅地では、利便性や住環境の優れた地区におけるマンション需要に引き続き堅調さが認められたことから、上昇傾向が継続した。
- 商業地では、再開発事業の進展や国内外からの観光客の増加もあり、店舗・ホテル需要が堅調であったこと、また、オフィス需要も底堅く推移したことなどから、上昇傾向が継続した。
- 地価LOOKレポート(主要都市の高度利用地地価動向報告)とは
- 国土交通省が、主要都市の高度利用地等を対象に、四半期毎の地価動向を調査し、先行的な地価動向を明らかにするもの。調査対象は全国80地区で、内訳は以下のとおり。
- 調査結果の詳細は、以下のHPで公開。調査対象内訳:東京圏35地区、大阪圏19地区、名古屋圏8地区、地方圏18地区
▼ 主要都市の高度利用地地価動向報告~地価LOOKレポート~
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国土交通省 違法な「白トラ」への規制が令和8年4月1日から強化されます~「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」等を閣議決定~
- 本年6月に公布された「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」(令和7年法律第60号。以下「改正法」という。)のうち、違法な白トラに係る荷主等への規制や委託次数の制限等に関する規定の施行期日を、令和8年4月1日と定める政令等が、本日閣議決定されました。
- 背景
- 改正法の一部の規定については、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされているところ、今般、その施行期日を定めるとともに、施行に伴い必要な規定の整備を行います。
- 概要
- 貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令
- 改正法のうち下記事項について、令和8年4月1日より施行することとします。
- 違法な白トラの利用に係る荷主等への規制
- 荷主等が、白ナンバーのトラックで有償貨物運送を行う者(以下「違法な白トラ事業者」という。)に運送委託を行った場合に、新たに処罰の対象となります。
- 荷主等が、違法な白トラ事業者に運送を委託している等の疑いがある場合には、国土交通大臣から当該荷主等に要請等を行うことができます。
- 委託次数の制限
- 貨物自動車運送事業者及び貨物利用運送事業者に対して、再委託の回数を2回以内までとする努力義務が課されます。
- 貨物利用運送事業者への書面交付義務等の準用
- 現行では貨物自動車運送事業者にのみ課されている運送契約締結時の書面交付義務等の規定が、貨物利用運送事業者にも新たに課されます。
- 違法な白トラの利用に係る荷主等への規制
- 改正法のうち下記事項について、令和8年4月1日より施行することとします。
- 貨物自動車運送事業法施行令の一部を改正する政令
- 1(3)に関する荷主・運送事業者間での調整を電磁的方法で行うための手続に係る規定を、貨物利用運送事業者にも準用します。
- スケジュール
- 公布:令和7年11月27日(木)
- 施行:令和8年4月1日(水)
- 貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令
~NEW~
国土交通省 改正マンション関係法の施行に伴う関係政令を閣議決定~令和8年4月1日の施行にあたって必要な規定の整備を行います~
- 令和7年5月に公布された「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第47号)の施行に必要な規定の整備を行う政令が、本日、閣議決定されました。
- 背景
- 「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)が、令和7年5月30日に公布されました。
- 今般、改正法の施行にあたって必要な規定の整備を行うための政令を制定します。
- 概要
- 改正法のうち、以下の内容は令和8年4月1日に施行されます。
- 建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)関係
- 建物更新決議等の新たな多数決による決議の創設
- マンションの建替え等の円滑化に関する法律関係
- 法律名の「マンションの再生等の円滑化に関する法律」への変更
- 区分所有法の建物更新決議、再建決議、一括建替え等決議に対応したマンション再生事業の規定の整備(権利変換の対象への隣接地・底地の権利の追加を含む。)
- 区分所有法の建物敷地売却決議、建物取壊し敷地売却決議、敷地売却決議に対応したマンション等売却事業の規定の整備
- 区分所有法の取壊し決議に対応したマンション除却事業の規定の整備
- 独立行政法人住宅金融支援機構法関係
- 独立行政法人住宅金融支援機構によるマンションの更新等に必要な資金の貸付けの制度の創設
- これらの改正に伴い、マンションの建替え等の円滑化に関する法律施行令(平成14年政令第367号)や独立行政法人住宅金融支援機構法施行令(平成19年政令第30号)等の政令について、所要の規定の整備を行います。
- 建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)関係
- 改正法のうち、以下の内容は令和8年4月1日に施行されます。
~NEW~
国土交通省 「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」を閣議決定
- 本日、「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました。本改正により、船舶から発生する窒素酸化物の放出量をより低減する基準及び船舶燃料油中の硫黄分濃度をより低減する基準が適用される海域に、カナダ北極海排出規制海域及びノルウェー海排出規制海域が追加されます。
- 背景
- 海洋汚染防止条約(マルポール条約)附属書VIでは、船舶に設置される原動機から発生する窒素酸化物の放出量に係る基準及び船舶で使用される燃料油中の硫黄分濃度の基準について定めています。
- 今般、国際海事機関において同条約附属書VIの改正案が採択され、当該窒素酸化物の放出量及び当該硫黄分濃度について、一般海域に比べてより低減する基準が適用される海域に、カナダ北極海排出規制海域及びノルウェー海排出規制海域が追加されました。これを受け、我が国においても当該改正内容を国内担保するため、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令(昭和46年政令第201号)について所要の改正を行います。
- 概要
- 船舶から発生する窒素酸化物の放出量をより低減する基準及び船舶燃料油中の硫黄分濃度をより低減する基準が適用される海域に、カナダ北極海排出規制海域及びノルウェー海排出規制海域を追加します。
- スケジュール
- 公布:令和7年11月27日(木)
- 施行:令和8年3月1日(日)
~NEW~
国土交通省 「科学漫画サバイバル」を読んで住まいの耐震化を考えよう!~「巨大地震のサバイバル 住まいの耐震編」を小学校に配布します~
- 日本国内いつどこで起こってもおかしくない大地震。国土交通省では、国民一人ひとりの生命や財産を守るため、所有者による住宅の耐震化を推進しているところです。
- このたび、小学生向けの「科学漫画サバイバル」とタイアップしたブックレット「巨大地震のサバイバル 住まいの耐震編」を作成しました。全国の希望する小学校に配布します。
- 「巨大地震のサバイバル 住まいの耐震編」について
- 漫画と解説
- 既刊の「巨大地震のサバイバル」のストーリーを通じて、地震への対応や住まいの耐震化についての基礎知識が身につきます。
- ワークシート「住まいの耐震調査員になろう!」
- 実際の住まいの耐震性を簡易にチェックしていくワークシートを通じて、耐震化の必要性について家族で話し合うきっかけを提供します。
- 漫画と解説
- 配布方法
- 小学校単位で応募を受け付けます(応募は学校関係者に限定させていただきます)
- 12月中旬までに、応募いただいた小学校に送付予定です。
- 応募は以下のURLからお願いします。https://t.asagaku.com/MDE0MzMx
- 「科学漫画サバイバル」シリーズについて
- 株式会社朝日新聞出版が発行する、小学生支持率1(「小学生が選ぶこどもの本総選挙」の第2回、第3回、第4回において、「シリーズ」部門第1位)の科学漫画です。シリーズ累計発行部数は1,500万部を突破。昆虫、恐竜、人体、植物、宇宙、深海、異常気象、大気汚染、地震、食糧危機エネルギー危機、AIなど、科学に関するあらゆるテーマをカバーし、2025年11月までに58テーマ全92巻を発行しています。
~NEW~
国土交通省 令和7年度「年末年始の輸送等に関する安全総点検」の取組を実施します~輸送機関等における事故やテロの防止対策実施状況等の点検~
- 国土交通省では、多客繁忙期である年末年始に、陸・海・空の輸送機関等が安全対策の実施状況等を自主点検することにより、公共交通の安全を図るとともに、輸送機関等の安全に対する意識を高めることを目的とする「年末年始の輸送等に関する安全総点検」の取組を実施します。
- 期間
- 令和7年12月10日(水) ~ 令和8年1月10日(土)
- 実施内容
- 各輸送機関等(鉄軌道交通、自動車交通、海上交通、航空交通、利用運送業、気象業務)が、安全管理・安全対策等の実施状況、関係法令等の遵守状況、施設等の点検整備状況、テロ対策及び感染症対策の実施状況等を自主点検します。
- 今年度の総点検においては、以下の4点を特に留意して行います。
- 運輸
- 安全管理(特に乗務員の健康状態、過労状態の確実な把握、乗務員に対する指導監督体制)の実施状況
- 自然災害、事故等発生時の乗客等の安全確保のための通報・連絡・指示体制の整備・構築状況
- 危機管理
- サイバー空間を含むテロ防止のための警戒体制の整備状況や乗客等の安心確保のための取組、テロ発生時の通報・連絡・指示体制の整備状況及びテロ発生を想定した訓練の実施状況
- 新型インフルエンザ等の対応マニュアル、事業継続計画の策定状況、対策に必要な物資等の備蓄状況及び職場における感染防止対策の周知・徹底状況などの感染症対策の実施状況
- 運輸
- また、国土交通省は、各輸送機関等に適切な点検を行うよう指導するほか、期間内に現地確認を実施します。


