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危機管理トピックス

犯罪収益移転危険度調査書(令和3年)(警察庁 犯罪収益移転防止対策室)/令和3年度サイバーセキュリティ政策会議(警察庁)/追加接種(3回目接種)についてのお知らせ(厚労省)/これからの労働時間制度に関する検討会 第7回(厚労省)

2021.12.20
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更新日:2021年12月20日 新着20記事

お金を数える男性の手元
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

警察庁
  • 犯罪収益移転防止対策室 犯罪収益移転危険度調査書(令和3年)
  • 令和3年度サイバーセキュリティ政策会議について
  • 犯罪統計資料(令和3年1~11月分)
  • Javaライブラリ「Apache Log4j」の脆弱性(CVE-2021-44228)を標的とした攻撃の観測について
消費者庁
  • 二酸化塩素による空間除菌を標ぼうする商品の製造販売業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について
  • デジタルプラットフォーム事業者が運営するショッピングモールサイトにおいてカシミヤが含まれるとうたう偽表示商品の販売業者に関する注意喚起
  • 電力・ガス自由化をめぐるトラブル速報!No.18「電力・ガスの契約に関する相談が多く寄せられています」
  • スケートボード類での事故-転倒することを前提に安全保護具の着用と場所選びを-
  • 「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律施行令(案)」等に関する意見募集について
国民生活センター
  • 消費者問題に関する2021年の10大項目
  • 染毛剤の使用前には必ずパッチテストを!
厚生労働省
  • 追加接種(3回目接種)についてのお知らせ
  • 第63回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
  • 第6回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料
  • これからの労働時間制度に関する検討会 第7回資料
総務省
  • 2021年(令和3年)科学技術研究調査結果
  • 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和3年度第2四半期(9月末))

~NEW~
金融庁 金融審議会「資金決済ワーキング・グループ」(第4回)議事次第
▼資料1 資金決済ワーキング・グループ報告(案)
  • マネー・ローンダリング等の犯罪については、一般に、その対策が十分でない銀行等が狙われる等の指摘がある。こうした観点から、各銀行等における単独での取組みに加え、銀行等が業界全体としてAML/CFTの底上げに取り組むこと意義がある。また、銀行等によるAML/CFTの実効性向上は、詐欺等の犯罪の未然防止や犯罪の関与者の捕捉に直結するほか、被害者の損害回復にも寄与するものであり、利用者保護の観点からも重要な意義を有する。
  • 銀行等によるAML/CFTについては、顧客管理と取引フィルタリング・取引モニタリングを組み合わせることで実効性を高めることが重要である。具体的には、各銀行等において、AML/CFTの基盤となる預金口座等に係る継続的な顧客管理を適切に行うこととあわせて、リスクベース・アプローチの考え方の下、一般にリスクが高いとされる為替取引に関する「取引フィルタリング」「取引モニタリング」について、システムを用いた高度化・効率化を図っていく必要がある。
  • これらの業務の中核的な部分を共同化して実施する主体(以下「共同機関」)の具体的業務内容としては、FATF審査の結果や共同化による実効性・業務効率向上の観点を踏まえ、銀行等の委託を受けて、為替取引に関して、以下の1・2の業務を対象とすることが考えられる。
    1. 顧客等が制裁対象者に該当するか否かを照合し、その結果を銀行等に通知する業務(取引フィルタリング業務)
    2. 取引に疑わしい点があるかどうかを分析し、その結果を銀行等に通知する業務(取引モニタリング業務)
  • なお、通常は、1の業務は、銀行等における制裁対象者との取引の未然防止の観点から、2の業務は、銀行等が行った取引について犯収法に定める疑わしい取引の届出の要否を判断する観点から、それぞれ行われることになるものと考えられる。
  • 犯収法等に基づくAML/CFTの履行義務は各銀行等に対して課されている。各銀行等はそれぞれの経営判断に基づき共同機関を利用することができるが、この場合、委託元の銀行等は、他の委託先と同様に、銀行法等に基づき、委託先である共同機関の業務の適正性を管理・監督することが求められ、当局は、委託元の銀行等の管理・監督を通じて、共同機関の業務の実施状況等を把握することとなる。
  • この点、共同機関が多数の銀行等から委託を受け、その業務の規模が大きくなる場合、銀行等による共同機関に対する管理・監督に係る責任の所在が不明瞭となり、その実効性が上がらないおそれがあるほか、共同機関の業務は、AML/CFT業務の中核的な部分を担うものであり、共同機関の業務が適切に行われなければ、日本の金融システムに与える影響が大きいものとなり得る、と考えられる。
  • このような場合を念頭に置いて、一定以上の規模等の共同機関に対する業規制を導入し、当局による直接の検査・監督等を及ぼすことで、その業務運営の質を確保する制度的手当てを行う必要があると考えられる。こうした対応は、金融のデジタル化の進展や、マネー・ローンダリング等の手口の巧妙化を踏まえ、国際的にもより高い水準が求められるAML/CFTの適切な実施にも資するものと考えられる。
  • 共同機関が、各銀行等から提供を受けた個人データを、各銀行等から委託された業務の範囲内でのみ取り扱い、各銀行等別に分別管理する(他の銀行等のものと混ぜない)、各銀行等の取引等を分析した結果(個人データを含む)は、委託元の各銀
  • 行等にのみ通知する(他の銀行等と共有しない)場合には、一般論として、銀行等の行為は「利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託することに伴って当該個人データが提供される場合」に該当すると考えられ、銀行等は、あらかじめその利用者の同意を得ることなく、当該個人データを共同機関に提供することができると考えられる。
  • 共同機関が、ある一つの銀行等からの委託を受けて、当該銀行等の利用者の個人情報を機械学習の学習用データセットとして用いて、当該銀行等のために生成した学習済みパラメータ(重み係数)を、共同機関内で共有し、他の銀行等からの委託を受けて行う分析にも活用する場合には、一般論として、当該パラメータと特定の個人との対応関係が排斥されている限りにおいては、「個人情報」にも該当しないと考えられ、銀行等は、あらかじめその利用者の同意を得ることなく、当該パラメータを共同機関内で共有し、他の銀行等の分析に活用することができると考えられる。
  • このように、共同機関においては、業規制等に基づく適切な規制・監督等の下で、各銀行等から共同機関に提供される個人情報は、分別管理し、他の銀行等と共有しない、さらに、共同化によるメリットの一つである分析の実効性向上を図る観点から、これに資するノウハウを特定の個人との対応関係が排斥された形(個人情報ではない形)で共有する、ことにより、個人情報の保護を適切に図りつつ、プライバシーにも配慮した形で、共同化によるAML/CFTの実効性向上等との適切なバランスが確保されるものと考えられる。
  • 分散台帳を利用した金融サービスに関しては、送金・決済の分野において、近年、法定通貨と価値の連動等を目指すステーブルコインを用いた取引が、米国等で急速に拡大している。こうしたステーブルコインのユースケースを見ると、暗号資産取引の一環として使われているケースが多いと考えられる。こういった取引に関しては、顧客から受け入れた資金を適切に保全していない事業者が存在するという指摘や、現時点では、ビットコイン等の暗号資産と同様にパーミッションレス型の分散台帳上で流通しており、FATF等において、マネー・ローンダリング等のリスクが高いという指摘がなされている。一方で、パーミッション型の分散台帳を用いて、こうした利用者保護上の問題点やAML/CFTの課題に対応し得る形で、証券決済や企業間決済での利用を目指して実証実験等が行われている。こうした動きを踏まえ、将来的には幅広い分野で送金・決済手段として用いられる可能性も指摘されている。
  • 国際的には、Facebook社(当時)を中心としたリブラ構想(2019年6月公表)以後、G20及び金融安定理事会(FSB)、FATF等の国際基準設定主体において、いわゆるグローバル・ステーブルコインへの対応について議論が行われている。欧州連合(EU)では、2020年9月にステーブルコインを含む暗号資産の規制案が公表され、米国でも、2021年11月に大統領金融市場作業部会(PWG)が決済用ステーブルコイン(Payment stable coins)の発行者を、銀行を始めとする預金保険対象の預金取扱金融機関に限定する等の規制方針等を示した報告書を公表している。
  • いわゆるステーブルコインについて明確な定義は存在しないが、一般的には、特定の資産と関連して価値の安定を目的とするデジタルアセットで分散台帳技術(又はこれと類似の技術)を用いているものをいうものと考えられる。ステーブルコインと称するものには様々な仕組みのものがあり得る。こうしたステーブルコインのうち、法定通貨と価値の連動を目指すもの53については、既存のデジタルマネーと類似した機能を果たすと考えられ、我が国においてこれを発行・償還する行為には、銀行業免許又は資金移動業登録が必要である。
  • 一方、現行のデジタルマネーに関する我が国の法制度は、単一の主体によるサービス提供を想定しており、現在、米国等で発行・流通しているステーブルコインのように発行者と仲介者を別主体とするスキームに対する適用関係が明確でない。
  • 民間の発行するデジタルマネーに関して過不足ない制度整備を検討することは、利用者保護やAML/CFTの観点から必要な対応を行うことに加えて、民間事業者が、近年の関連する制度整備とあわせ、決済の効率化等に向けた様々の取組みを試行できる環境を整備する意義があると考えられる。
  • 国内における決済サービスの提供状況を見ると、全銀システム(内国為替取引取扱高)は2,927兆円、資金移動業者(国内送金取扱高)は1.2兆円、前払式支払手段(発行額)は25.8兆円となっている。また、国際的に検討が進む中央銀行デジタル通貨(CBDC)は民間デジタルマネーと共存が前提となっている。今回の制度整備によって、こうした決済サービスの利便性向上等に向けた取り組みにつながることが期待される。
  • デジタルマネー類似型は、分散台帳等を用いて「発行者」と「移転・管理を行う者」(以下「仲介者」)が分離した形態でサービスが提供されることが一般的であるが、全体としてみると、既存のデジタルマネーと同様に、社会で幅広く使用される電子的な送金・決済手段(以下「電子的支払手段」)としての機能を果たし得ると認められる。他方、既存のデジタルマネーは現時点では「発行者」と「仲介者」は同一であるが、将来的には「発行者」と「仲介者」を分離するモデルを模索する動きが広がる可能性もある。このため、「同じビジネス、同じリスクには同じルールを適用する(same business, same risk, same rule)」との考え方に基づき、法制度の検討に当たっては対象を「デジタルマネー類似型」に限定するのではなく、既存のデジタルマネーについても「発行者」と「仲介者」が分離し得ることを前提に検討を行う必要があると考えられる。
  • 電子的支払手段を発行・償還する行為は、現行法上、為替取引に該当し、銀行業免許又は資金移動業登録が求められる。米国及びEUにおいても、既存の銀行等が単一法定通貨建てのステーブルコインの発行者となるよう規制案の方向性が示されている。発行者の機能(発行、償還、価値安定の仕組みの提供)に関しては、利用者の発行者に対する償還請求権が明確に確保され、発行者又は仲介者の破綻時において利用者の償還請求権が適切に保護されることが重要である
  • 仲介者の機能に関して、暗号資産取引における暗号資産交換業者同様、取り扱う電子的支払手段に係る情報提供や適切なAML/CFT対応のほか、これらの前提となる適切な体制整備等(システム対応等含む)が確保されるべきと考えられる。さらに、海外発行のものを含め、利用者保護等の観点から、利用者財産の管理や情報提供等、必要な規律を及ぼすとともに、利用者保護等の観点から支障を及ぼすおそれのある電子的支払手段は取り扱わないこととすべきと考えられる。
  • 海外に所在する者が発行する電子的支払手段を仲介者が取り扱うことに関しては、発行者の破綻時等に利用者資産が適切に保護され、実務において利用者が円滑に償還を受けられることが重要となる。こうした観点から、現時点においては、基本的に、国内において発行者の拠点や資産保全等がなされることが求められると考えられる。それ以外の方策については、今後の諸外国における規制・監督体制の整備状況や実務上の観点等も踏まえ、引き続き、検討することが考えられる。
  • 特にAML/CFTの観点からの要請については、システム仕様等技術的に対応することにより実効的な対応が可能となると考えられる。そのための水準を満たす方法について、FATFでの議論を踏まえつつ、例えば、発行者及び仲介者のシステム仕様等を含めた体制整備において本人確認されていない利用者への移転を防止すること、本人確認されていない利用者に移転した残高については凍結処理を行うことといった事項を求めることを検討することが考えられる
  • 大規模に利用される又はクロスボーダーで決済等に使われ得る電子的支払手段に関しては、その発行・償還の金融市場への影響等を含め、金融システムの安定等へ与える影響が大きくなり得ることから、より高い規律が求められることとなる。また、プラットフォーマーを含む大規模な事業者による市場の寡占等の可能性を念頭においた議論も行う必要がある。
  • 日本銀行を含む各国の中央銀行がCBDCに関する実証実験等を行っている。その制度設計に当たっては、G7から公表された「リテール中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する公共政策上の原則」も踏まえ検討する必要がある。その際、金融システムの安定や利用者保護の観点からは、主として以下の論点について検討を行う必要があると考えられる。
    • 民間金融機関の金融仲介機能への影響や金融危機時等における影響などに対処すること
    • 民間の決済サービスとの共存によるイノベーションの促進の観点から、民間の創意工夫を促す柔軟な設計を検討すること
    • 利用者保護の観点等から権利義務関係を明確に規定すること
    • AML/CFTの要請に適切に対応すること
    • プライバシーへの配慮や個人情報保護との関係を整理すること
    • クロスボーダー決済等で使用される可能性を考慮すること
▼資料2-1 事務局説明資料
  • 前払式支払手段(IC型・サーバ型)には、価値の移転等が可能なもの(電子移転可能型)が存在。電子移転可能型のうち、高額のチャージや価値移転・譲渡が可能なもの(高額電子移転可能型)もあり、近年では、数千万円のチャージが可能なサービスも提供されている。クレジットカード事業者や資金移動業者等と異なり、犯収法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)上の本人確認義務がないため、契約開始時においてリスクの高い取引に当たらないことを確認することが困難。
  • 番号通知型(狭義)に準ずるもの(いわゆる国際ブランドの前払式支払手段)は、同ブランドのクレジットカードと同様の機能を提供。クレジットカードに指摘される危険度と同様の危険度(マネロンリスク)があると考えられる。
  • 電子移転可能型前払式支払手段の発行と資金移動業を併せ行う電子マネー発行業者において、前払式支払手段のサービスから犯収法上の本人確認を経て資金移動業のサービスに移行しようとした利用者の中に、反社会的勢力と評価される者がおり、サービスの利用を停止した事例もある(事例は残高譲渡型で確認)。事業者等による本人確認等を行わない場合、反社会的勢力による前払式支払手段の悪用を防ぐことは困難であると考えられる。
  • 犯罪収益移転危険度調査書において、金融機関等による疑わしい取引の届出として、(1)架空名義・借名で締結した疑いが生じた取引、(2)暴力団等に係る取引、(3)取引の態様が不自然なもの等が、主に報告されている。契約開始時等の本人確認・その後の疑わしい取引の届出等によりマネロンリスクに対応している。
  • 疑わしい取引の届出受理件数(国家公安委員会・警察庁が受理したもの)は増加傾向。背景として、社会全体のコンプライアンス意識の向上に伴う監視態勢の強化や、研修会等の効果が指摘されている。
  • 疑わしい取引の届出受理件数(国家公安委員会・警察庁が受理したもの)を業態別にみると、預金取扱機関が最も多く、次いでクレジットカード事業者、貸金業者の順となっている。
  • 各特定事業者の業界団体では、その会員等に対し、ガイドブック・社内規程モデル等の作成・配布や研修会の実施など、マネー・ローンダリング対策を業界として向上させる取組みが継続的に行われている。
  • マネロン上のリスクが特に高い「高額のチャージや移転が可能なもの」(「高額電子移転可能型」)の発行者に対し、資金決済法において業務実施計画の届出を求めるとともに、犯収法に基づく本人確認等の規律の適用を検討する。同一の機能・リスクに対しては同一のルールという考え方に基づき、機能が類似する資金移動業者・クレジットカード事業者に関する現行制度や利用実態等を踏まえ、高額の考え方は、以下の通りとすることが考えられる。1回当たり譲渡額等が一定額(例:10万円超)、1か月当たり譲渡額等の累計額が一定額(例:30万円超)
  • [高額電子移転可能型前払式支払手段の定義](以下のア~オの全ての要件を満たす前払式支払手段)
    1. 第三者型前払式支払手段(電子機器その他の物に電磁的方法により記録されるものに限る)
    2. 電子情報処理組織を用いて移転することができるもの(1残高譲渡型、2番号通知型(狭義)及び3これに準ずるもの)
    3. アカウント(発行者が前払式支払手段に係る未使用残高を記載し、又は記録する口座をいう)において管理されるもの
    4. 上記3のアカウントは繰り返しのチャージ(リチャージ)が行えるものに限る
    5. 次の1~5に掲げる場合の区分に応じ、当該区分に定める要件のいずれかに該当するもの。
      1. 残高譲渡型の場合
        他のアカウントに移転できる額が一定の範囲を超えるもの(例:1回当たりの譲渡額が10万円超、又は、1か月当たりの譲渡額の累計額が30万円超のいずれかに該当)
      2. 番号通知型(狭義)の場合
        メール等で通知可能な前払式支払手段(ID番号等)によりアカウントにチャージする額が一定の範囲を超えるもの(例:1回当たりのチャージ額が10万円超、又は、1か月当たりのチャージ額の累計額が30万円超のいずれかに該当)
      3. 上記2に準ずるものの場合
        アカウントへのチャージ額・利用額が一定の範囲を超えるもの(例:1か月当たりのチャージ額の累計額、1か月当たりの利用額の累計額のいずれもが30万円超)

      ※ただし、上記1~3のいずれかに該当するものであっても、アカウントに係る未使用残高の上限額が一定額以下のもの(例:30万円以下)は、対象外(高額電子移転可能型前払式支払手段には該当しない)。

  • 残高譲渡型のサービスについて、計数の提供を受けた4社の合計でみると、月間合計件数は約23万件、月間合計金額は約8億円となっており、1件あたり1万円未満の譲渡が9割弱となっている。

~NEW~
経済産業省 「日本探査協会」を名乗る組織に御注意ください
  • 「日本探査協会」を名乗る組織に関する問合せが複数寄せられておりますが、経済産業省との関わりは一切ございませんので、御注意ください。
  • 最近、「日本探査協会」を名乗る組織が、経済産業省からの委託事業として電柱の検査に係る実施権利を持ちかけて金銭を要求している等の問合せが複数寄せられておりますが、当該組織と経済産業省との関わりは一切ございません。また、経済産業省が電柱の調査・点検・検査の事業を委託しているという事実もございません。
  • 不審な連絡があった場合には、以下のお問合せ先に事実関係を御確認いただくとともに、お近くの警察署に情報を提供いただくよう、お願いします。
    • 製造産業局 産業機械課
      • 電話:03-3501-1511(内線 3820~3824)/03-3501-1691(直通)/03-3501-6394(FAX)
    • 産業保安グループ 電力安全課
      • 電話:03-3501-1511(内線 4921~4929)/03-3501-1742(直通)/03-3501-8486(FAX)

~NEW~
国土交通省 宅配便の再配達率が微増~令和3年10月の宅配便の再配達率は約11.9%~
  • 国土交通省では、トラックドライバーの人手不足が深刻化する中、再配達の削減を図るため、宅配ボックスや置き配をはじめ多様な方法による受取を推進しており、これらの成果を継続的に把握すること等を目的として、宅配便の再配達率のサンプル調査を年2回(4月・10月)実施しています。
  • 令和3年10月の宅配便再配達率は約11.9%で、前年同月(約11.4%)と比べて約0.5%ポイント増、本年4月(約11.2%)と比べて約0.7%ポイント増となりました。
  • これは本年9月の新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の解除に伴い、在宅時間が減少したこと等が影響したものと考えられます。
  • 近年、多様化するライフスタイルとともに電子商取引(EC)が急速に拡大し、宅配便の取り扱い個数が増加している一方、宅配便の再配達はCO2排出量の増加やドライバー不足を深刻化させるなど、重大な社会問題の一つとなっています。
  • 国土交通省では、こうした問題に対応するため「総合物流施策大綱」において宅配便の再配達率の削減目標(2020年度10%程度→2025年度7.5%程度)を設定し対策に取り組んでおり、この対策の成果を継続的に把握し、施策の進捗管理を行うことを目的として、宅配便の再配達率のサンプル調査を実施しております。
  • 国土交通省では、引き続き再配達の発生状況を継続的に把握するとともに、民間事業者や関係省庁と連携しながら、宅配ボックスの活用や置き配の普及・促進等に向けた施策を進め、引き続き宅配便の再配達削減に取り組んでいくこととしています。

~NEW~
警察庁 犯罪収益移転防止対策室 犯罪収益移転危険度調査書(令和3年)
▼犯罪収益移転危険度調査書(令和3年)概要版
  • 我が国の環境
    1. 地理的環境
      • 我が国は、北東アジアと呼ばれる地域にある島国で、他国との間での人の往来や物流は海空港を経由して行われ、全国の海空港では、テロの未然防止や国際犯罪組織等による密輸阻止等の観点から出入国管理や税関手続等を行っている。
    2. 社会的環境
      • 我が国の令和2年10月1日時点の総人口は1億2,622万7千人であり、10年前と比較して1.4%減少した。
      • 令和2年10月1日時点の総人口に占める65歳以上人口の割合は過去最高の28.8%となり、10年前と比較して5.8ポイント増加し、他の先進諸国と比較しても最も高い水準にある。
      • 今後、総人口が減少する中で65歳以上人口が増加することにより、高齢化は更に進展していくものと推定される。
    3. 経済的環境
      • 我が国は、世界経済の中で重要な地位を占めており、アメリカ、中国に次ぐ世界第3位の経済規模を誇る。また、グローバルな金融の中心として高度に発達した金融セクターを有しており、世界有数の国際金融センターとして相当額の金融取引が行われている。
      • グローバル化し高度に発展した我が国の経済的環境は、マネー・ローンダリング等を企図する国内外の者に対して、マネー・ローンダリング等を行うための様々な手段・方法を提供することとなる。
    4. 犯罪情勢等
      • 刑法犯認知件数の総数については、令和2年は前年に引き続き戦後最少を更新した。刑法犯認知件数に占める高齢者の被害件数の割合は、平成21年以降増加傾向にある。
      • サイバー犯罪については、令和2年中の検挙件数は過去最多となった。警察庁が国内で検知した、サイバー空間における探索行為等とみられるアクセスの件数も増加の一途をたどっている。
      • 国際テロ情勢としては、世界各地でテロ事件が発生するとともに、海外で邦人や我が国の関連施設等の権益がテロの被害に遭う事案も発生しており、我が国に対するテロの脅威は継続しているといえる。
  • マネー・ローンダリング事犯等の分析(主体)
    1. 暴力団
      • 暴力団は、経済的利得を獲得するために反復継続して犯罪を敢行し、巧妙にマネー・ローンダリングを行っており、我が国におけるマネー・ローンダリングの大きな脅威となっている。
    2. 特殊詐欺の犯行グループ
      • 近年、我が国においては、特殊詐欺の認知件数と被害額が高い水準にある。令和2年中の被害(認知件数 13,550件、被害総額 約285億円)は大都市圏に集中しており、東京・神奈川・千葉・大阪・兵庫・埼玉・愛知の7都府県で、認知件数全体の71.0%を占めている。
      • 特殊詐欺の犯行グループは、預貯金口座、携帯電話、電話転送サービス等の各種ツールを巧妙に悪用し、組織的に詐欺を敢行するとともに、詐取金の振込先として架空・他人名義の口座を利用するなどし、マネー・ローンダリングを敢行している。
      • 自己名義の口座や、架空・他人名義の口座を、遊興費や生活費欲しさから安易に譲り渡す者等がおり、マネー・ローンダリングの敢行をより一層容易にしている。
    3. 来日外国人犯罪グループ
      • 外国人が関与する犯罪は、その収益の追跡が困難となるほか、その人的ネットワークや犯行態様等が一国内のみで完結せず、国境を越えて役割が分担されることがあり、巧妙化・潜在化をする傾向を有する。
      • 来日外国人による組織的な犯罪の実態として、中国人グループによるインターネットバンキングに係る不正送金事犯、ベトナム人グループによる万引き事犯、ナイジェリア人グループによる国際的な詐欺事犯等に関連したマネー・ローンダリング事犯等の事例がみられる。
  • マネー・ローンダリング事犯等の分析(手口)
    1. 窃盗
      • 犯行形態
        • 窃盗は、暴力団や来日外国人犯罪グループ等の犯罪組織によって反復継続して実行され、多額の犯罪収益を生み出す事例がみられる。令和2年中における窃盗の被害総額は約502億円となっている。
      • 手口例
        • ヤードに持ち込まれた自動車が盗難品であることを知りながら買い取り、保管するもの
        • 侵入窃盗で得た多額の硬貨を他人名義の口座に入金し、その後相当額を引き出して、事実上の両替を行うもの
        • 盗んだ高額な金塊を会社経営の知人に依頼して、金買取業者に法人名義で売却させるもの
        • 中国人グループ等が不正に入手したクレジットカード情報を使って、インターネット上で商品を購入し、配送先に架空人や実際の居住地とは異なる住所地を指定するなどして受領するもの
    2. 詐欺
      • 犯行形態
        • 特殊詐欺をはじめとする詐欺は、国内外の犯行グループ等によって反復継続して実行されており、架空・他人名義の預貯金口座を利用したり、法人による正当な取引を装ったりするなどして、多額の犯罪収益を生み出している。令和2年中における詐欺の被害額は約640億円となっている。
      • 手口例
        • 外国人が帰国する際に犯罪グループに売却した個人名義の口座が特殊詐欺の振込先に悪用されたもの
        • 特殊詐欺の収益の振込先にするために実態のない法人を設立して法人名義の口座を開設して悪用したもの
    3. 電子計算機使用詐欺
      • 犯行形態
        • インターネットバンキングに係る不正送金事犯に関しては、その被害の多くが、SMSや電子メールにより、金融機関を装ったフィッシングサイトへ誘導し、そこで入手したID・パスワード等を用いて被害者の銀行口座から不正に送金されたものと考えられる。
        • 特殊詐欺については、暴力団の関与が認められる。また、インターネットバンキングに係る不正送金事犯については、国際犯罪組織の関与が認められ、犯罪組織が多額の犯罪収益を獲得するために、それらの犯行を行っている実態が認められる。
      • 手口例
        • 特殊詐欺でだまし取ったキャッシュカードを使用してATMを操作し、被害者名義の口座から犯人が管理する他人名義の口座に送金上限額を不正に振り込むもの
        • 中国に存在する犯罪組織が日本の金融機関に不正アクセスを行い、他人名義口座に不正送金させて中国人犯罪グループによって引き出すもの
        • 暗号資産ウォレットサービスのサーバへの不正行為により得た暗号資産を、犯人が管理する分散型暗号資産取引所の匿名アカウントに移転するもの
    4. 出資法/貸金業法違反
      • 犯行形態
        • 無登録で貸金業を営み、高金利で貸し付けるなどのいわゆるヤミ金融事犯等が認められる。その態様には、多重債務者の名簿に記載された個人情報を基にダイレクトメールを送り付けるなど、非対面の方法によって金銭を貸し付けて、他人名義の口座に振り込ませて返済させるもの等がある。
        • 近年では、貸金業の登録を受けずに「給与ファクタリング」等と称して、個人が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うものもある。
        • 令和2年中のヤミ金融事犯の検挙状況をみると、被害金額は43億円を超えるなど、多額の犯罪収益を生み出している。また、暴力団が反復継続してヤミ金融を営み、有力な資金源としている実態が認められる。
      • 手口例
        • 他人名義、架空の事業者名義等で開設した私書箱に返済金を送付させるもの
        • 借受人との間で架空の販売契約を結び、これを後払い決済することで返済金を入手するもの
    5. 入管法違反
      • 犯行形態
        • 外国人が正規の出入国者、滞在者、就労資格保持者等を装う目的で在留カードを偽造するもの、偽造された在留カードを所持等するもの、就労資格のない外国人を不法に就労させ、又は不法就労をあっせんする不法就労助長等がみられる。不法就労助長には、犯人が外国人から旅券等を取り上げるなどして監視下に置き、就労させた人身取引事犯もみられる。
        • 令和2年中の入管法違反の検挙件数は6,534件で前年比10.8%増加しており、また偽造在留カード所持等の検挙件数は790件で、計上が開始された平成25年以降で最多となっている。
      • 手口例
        • 偽造在留カード販売代金を他人名義の口座に振り込ませたもの
        • 暴力団員が不法就労助長で得た犯罪収益と知りながら、みかじめ料として現金を収受したもの
    6. 常習賭博/賭博場開帳等図利
      • 犯行形態
        • 花札賭博、野球賭博、ゲーム機賭博のほか、オンラインカジノ賭博といった様々なものが認められ、これらの賭博事犯には暴力団が直接的又は間接的に深く関与しており、暴力団にとって有力な資金源となっている実態が認められる。令和2年中には、賭博場開帳等図利事件に関し、売上金等である現金約1億5,860万円について起訴前没収保全命令が発せられた事例がある。
      • 手口例
        • オンラインカジノによる賭博事犯において顧客から支払われる賭け金を借名口座に振り込ませるもの
        • 野球賭博等において配当金を他人名義の口座に振り込ませて受け取るもの
        • 賭博事犯によって得られた犯罪収益を、情を知らない税理士等を利用して正当な事業収益を装って経理処理するもの
    7. 風営適正化法/売春防止法違反
      • 犯行形態
        • 暴力団が違法な風俗店等の経営者等と結託するなど、暴力団が直接的又は間接的に関与している事例がみられ、風俗店等の経営が暴力団の資金源となっている実態が認められる。また、不法滞在等している外国人が違法に風俗店等で稼働している事例や、暴力、脅迫等を用いて売春を強要された人身取引事犯もみられる。
      • 手口例
        • 違法風俗店等に女性をあっせんした見返りとして自己名義の口座に収益を振り込ませるもの
        • 暴力団員が売春による収益を親族名義の口座に振り込ませるなどして収受するもの
    8. 薬物事犯
      • 犯行形態
        • 覚醒剤事犯については全薬物事犯の6割以上を占め、依然として覚醒剤の密輸・密売が多額の犯罪収益を生み出していることがうかがわれる。令和2年中の覚醒剤事犯の検挙人員の4割以上を暴力団構成員等が占めており、覚醒剤の密輸・密売に暴力団が深く関与している状況が続いている。
        • 大麻事犯については、全薬物事犯の3割以上を占め、その割合は平成25年以降増加しており、特に若年層を中心に検挙人員の増加が顕著である。大麻の密売等にも暴力団が関与している状況が続いている。
        • 近年では、暴力団が海外の薬物犯罪組織と結託するなどしながら、覚醒剤の流通過程にも深く関与していることが強くうかがわれ、覚醒剤密輸入事犯の洋上取引においては、令和元年、約587キログラムを押収した事件で暴力団構成員等や台湾人らを検挙している。令和2年中の薬物密輸入事犯については、航空機を利用した携帯密輸入が減少し、国際宅配便や郵便物を利用した密輸入の占める割合が高くなっている。
      • 手口例
        • 手渡しや郵送により覚醒剤の密売を行っていた密売人が、代金を他人名義の口座に振込入金させたもの
        • 宅配便等により大麻等の密売を行っていた密売人が、代金を他人名義の口座に振込入金させたもの
  • マネー・ローンダリング事犯等の分析(疑わしい取引の届出)
    • 令和2年中の疑わしい取引の届出受理件数を届出事業者の業態別にみると、銀行等が31万9,812件で届出全体の74.0%と最も多く、次いでクレジットカード事業者(2万9,138件、6.7%)、貸金業者(2万5,255件、5.8%)の順となっている。
    • 令和2年中に都道府県警察の捜査等において活用された疑わしい取引に関する情報数は32万5,643件であった。
  • 取引形態、国・地域及び顧客属性の危険度
    1. 取引形態と危険度
      1. 非対面取引
        • 情報通信技術の発展、顧客の利便性を考慮した特定事業者によるサービス向上、新型コロナウイルス感染症への感染防止対策等を背景に、インターネット等を通じた非対面取引が拡大している。
        • 非対面取引においては、特定事業者は、取引の相手方や本人確認書類を直接観察することができないことから、本人確認の精度が低下することとなり、対面取引に比べて、本人確認書類の偽変造等により本人特定事項を偽り、又は架空の人物や他人になりすますことを容易にする。
        • 実際、非対面取引において、他人になりすますなどして開設された口座がマネー・ローンダリングに悪用されていた事例があること等から、非対面取引は危険度が高いと認められる。
      2. 現金取引
        • 我が国における現金流通状況は、他国に比べて高い状況にある。
        • 現金取引は、流動性及び匿名性が高く、現金を取り扱う事業者において、取引内容に関する記録が正確に作成されない限り、犯罪収益の流れの解明が困難となる。
        • 実際、他人になりすますなどした上で、現金取引を通じてマネー・ローンダリングを行った事例が多数存在すること等から、現金取引は危険度が高いと認められる。
      3. 外国との取引
        • 外国との取引においては、法制度や取引システムの相違等から、国内取引に比べて移転された資金の追跡が困難になる。
        • 実際、外国との取引を通じてマネー・ローンダリングが行われた事例が存在することから、外国との取引はマネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
        • 適切なマネー・ローンダリング等対策が執られていない国・地域との間で行う取引や多額の現金を原資とする外国送金取引等は危険度が高いと認められる。
    2. 国・地域と危険度
      • イラン及び北朝鮮との取引は、マネー・ローンダリング等に悪用される危険度が特に高いと認められる。
      • イラン及び北朝鮮のほかにも、FATFは、マネー・ローンダリング等への対策に重大な欠陥を有し、かつ、それに対処するためのアクションプランを策定した国・地域に対し、提案された期間内における迅速なアクションプランの履行を要請していることから、当該国・地域との取引であって、FATFが指摘する欠陥が是正されるまでの間になされるものは、危険性があると認められる。
    3. 顧客の属性と危険度
      1. 反社会的勢力
        • 暴力団、準暴力団をはじめとする反社会的勢力は、財産的利益の獲得を目的に、様々な犯罪を敢行しているほか、企業活動の仮装・悪用をした資金獲得活動を行っている。このような犯罪行為又は資金獲得活動により得た資金の出所を不透明にするマネー・ローンダリングは、反社会的勢力にとって不可欠であり、反社会的勢力によって行われている実態があることから、反社会的勢力との取引は危険度が高いと認められる。
      2. 国際テロリスト(イスラム過激派等)
        • 国際連合安全保障理事会決議を受けて資産凍結等の措置の対象とされた者の中に、日本人や我が国に居住している者の把握はなく、また、現在まで、日本国内において、国際連合安全保障理事会が指定するテロリスト等によるテロ行為は確認されていない。
        • しかしながら、FATFは、令和元年に公表したレポートにおいて、国内でテロやテロ資金供与の事例がない場合であっても、それをもってテロ資金供与リスクが低いと直ちに結論付けることはできず、国内で資金が収集され、海外に送金される可能性を排除すべきではないと指摘している。
        • また、我が国においても、特定事業者が提供する商品・サービスが、事業者の監視を免れて悪用され得ること等の懸念があることを認識すべきであり、特にイスラム過激派等と考えられる者との取引は、テロ資金供与の危険度が高いと認められる。
      3. 非居住者
        • 非居住者との取引は、居住者との取引に比べて、特定事業者による継続的な顧客管理の手段が制限される。また、非対面で取引が行われる場合や外国政府等が発行する本人確認書類等が用いられる場合は、匿名性も高まり、マネー・ローンダリング等が行われた際に資金の追跡が一層困難となることから、非居住者との取引は危険度が高いと認められる。
      4. 外国の重要な公的地位を有する者
        • 外国の重要な公的地位を有する者が、マネー・ローンダリング等に悪用し得る地位や影響力を有すること、その本人特定事項等の十分な把握が制限されること、腐敗対策に関する国ごとの取組に差があること等から、外国の重要な公的地位を有する者との取引は危険度が高いと認められる。
      5. 法人(実質的支配者が不透明な法人等)
        • 法人は、その財産に対する権利・支配関係を複雑にすることができ、法人の実質的な支配者は、自らの財産を法人に帰属させることで、自らが当該財産に対する権利を実質的に有していることを容易に隠蔽することができる。このような法人の特性により、特に実質的支配者が不透明な法人に帰属させられた資金を追跡することは困難となる。
        • 実際、詐欺等の犯罪収益の隠匿手段として、実質的支配者が不透明な法人の名義で開設された口座が悪用されていた事例があること等から、実質的支配者が不透明な法人との取引は危険度が高いと認められる。
  • 商品・サービスの危険度
    1. 預金取扱金融機関が取り扱う商品・サービス
      • 預金取扱金融機関は、口座をはじめ、預金取引、為替取引、貸金庫、手形・小切手等様々な商品・サービスを提供している。一方、これらの商品・サービスは、その特性から、マネー・ローンダリング等の有効な手段となり得るものであり、これらの悪用により、犯罪収益の収受又は隠匿がなされた事例があること等から、これらの商品・サービスは、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。また、国際金融市場としての我が国の地位や役割、金融取引量の大きさ、マネー・ローンダリング等に悪用された取引等の統計上の数値等を踏まえると、マネー・ローンダリング等に悪用される危険度は、他の業態よりも相対的に高いと認められる。
        • 令和2年中に検挙された犯罪収益等隠匿事件における隠匿等の手口の多くは、他人名義の口座への振込入金であり、口座を提供する預金取扱金融機関は、口座譲渡を防ぐこと及び事後的に不正な取引を検知する措置を行うことについて継続的な対応が求められる。
    2. 保険会社等が取り扱う保険
      • 資金の給付・払戻しが行われる蓄財性の高い保険商品は、犯罪収益を即時又は繰延べの資産とすることを可能とすることから、マネー・ローンダリング等の有効な手段となり得る。
      • 実際、売春防止法違反に係る違法な収益を蓄財性の高い保険商品に充当していた事例があること等から、蓄財性の高い保険商品は、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    3. 金融商品取引業者等及び商品先物取引業者が取り扱う有価証券の売買の取次ぎ等
      • 金融商品取引業者等及び商品先物取引業者は、顧客が株式投資、商品先物取引等を行うための商品・サービスを提供しており、マネー・ローンダリング等を企図する者は、犯罪収益をこれらの商品・サービスを利用して様々な権利等に変えるとともに、犯罪収益を利用してその果実を増大させることができる。
      • また、金融商品取引業者の中には、ファンドに出資された金銭を運用するものもあるが、組成が複雑なファンドに犯罪収益を原資とする金銭が出資されれば、その原資を追跡することが著しく困難になることから、金融商品取引業者等及び商品先物取引業者を通じて行われる投資は、マネー・ローンダリング等の有効な手段となり得る。
      • 実際、詐欺や業務上横領によって得た犯罪収益を株式や商品先物取引に投資していた事例があること等から、金融商品取引業者等及び商品先物取引業者を通じて行われる投資は、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    4. 信託会社等が取り扱う信託
      • 信託は、委託者から受託者に財産権を移転させ、当該財産に登記等の制度がある場合にはその名義人も変更させるとともに、財産の属性及び数並びに財産権の性状を転換する機能を有している。また、信託の効力は、当事者間で信託契約を締結したり、自己信託をしたりするのみで発生させることができるため、マネー・ローンダリング等を企図する者は、信託を利用すれば、当該収益を自己から分離し、当該収益との関わりを隠匿することができる。
      • 近年、信託が悪用されたマネー・ローンダリング事犯の検挙事例は認められないものの、このような特性から、信託については、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    5. 貸金業者等が取り扱う金銭貸付け
      • 貸金業者等による貸付けは、犯罪収益の追跡を困難にすることができること等から、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
      • 架空の人物等をかたって融資詐欺を行い、その詐取金をあらかじめ開設していた架空名義の口座に入金させる事例も認められ、犯罪収益を生み出すために悪用される危険性も認められる。
    6. 資金移動業者が取り扱う資金移動サービス
      • 資金移動サービスは、為替取引を業として行うという業務の特性、海外の多数の国へ送金が可能なサービスを提供する資金移動業者の存在、高額の為替取引を行うことが可能となる第一種資金移動業の存在等を踏まえれば、マネー・ローンダリング等の有効な手段となり得る。
      • 実際、前提犯罪と無関係の第三者を利用したり、他人の本人確認書類を利用して同人になりすましたりするなどして海外に犯罪収益を移転していた事例や悪意のある第三者が不正に入手した預金者の口座情報等を基に、当該預金者の名義で資金移動業者のアカウントを開設し、銀行口座と連携した上で、銀行口座から資金移動業者のアカウントへ資金の入金(チャージ)をすることで不正な出金を行った事例も認められていること等から、資金移動サービスは、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
      • 資金移動業における年間送金件数・取扱金額が共に増加していること、在留外国人の増加等による利用の拡大が予想されること、賃金の資金移動業者の口座への支払(ペイロール)や全国銀行データ通信システム(全銀システム)への参加資格を資金移動業者にも拡大することについての議論も進められていること等を踏まえると、資金移動サービスがマネー・ローンダリング等に悪用される危険度は、他業態と比べても相対的に高まっているといえる。
    7. 暗号資産交換業者が取り扱う暗号資産
      • 暗号資産は、利用者の匿名性が高く、その移転が国境を越えて瞬時に行われるという性質を有するほか、暗号資産に対する規制が各国において異なることから、犯罪に悪用された場合には、その移転を追跡することが困難となる。
      • 実際、その匿名性を悪用し、不正に取得した暗号資産を暗号資産交換業者を介して換金し、他人名義の口座に振り込ませていた事例があること等から、暗号資産は、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
      • さらに、暗号資産取引が世界規模で拡大し、それを取り巻く環境も急激に変化していることも考慮に入れると、暗号資産がマネー・ローンダリング等に悪用される危険度は、他の業態よりも相対的に高いと認められる。加えて、預金取扱金融機関がマネー・ローンダリング等対策を強化していることを背景として、マネー・ローンダリング等を行おうとする者が、預金取扱金融機関が取り扱う商品・サービスのほかに、暗号資産取引を用いる事例も認められる。こうした事情も暗号資産の危険度を高めることとなる。
      • 暗号資産取引を取り巻く環境の急激な変化に対して、適時適切な危険度の低減措置を行っていくことは容易ではないことから、暗号資産交換業者には、あらかじめ高水準の措置を行うことが求められる。こうした措置が不十分な場合には、暗号資産交換業者は危険度を適切に低減させることができなくなり、危険度は依然として高い状態となる。
    8. 両替業者が取り扱う外貨両替
      • 外貨両替は、犯罪収益を外国に持ち出して使用する手段の一部になり得ること、一般に現金(通貨)による取引であることや、流動性が高く、その保有や移転に保有者の情報が必ずしも伴わないこと等から、マネー・ローンダリング等の有効な手段となり得る。
      • 実際、海外で得た犯罪収益である外貨を、情を知らない第三者を利用するなどして日本円に両替していた事例があること等から、外貨両替は、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    9. ファイナンスリース事業者が取り扱うファイナンスリース
      • 近年、ファイナンスリースが悪用されたマネー・ローンダリング事犯の検挙事例は認められないものの、ファイナンスリースは、賃借人と販売者が共謀して実態の伴わない取引を行うことが可能であること等の特性から、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    10. クレジットカード事業者が取り扱うクレジットカード
      • クレジットカードは、現金で得られた犯罪収益を、クレジットカードを利用することにより別の形態の財産に変えることができること、クレジットカードを第三者に交付して商品等を購入させることにより事実上の資金移動が可能であること等から、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    11. 宅地建物取引業者が取り扱う不動産
      • 不動産は、財産的価値が高く、多額の現金との交換を行うことができるほか、通常の価格に金額を上乗せして対価を支払うなどの方法により容易に犯罪収益を移転することができることから、マネー・ローンダリング等の有効な手段となり得る。
      • 実際、売春や詐欺により得た収益が不動産の購入費用に充当された事例等が把握されていること等から、不動産は、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
      • また、近年では、資産の保全又は投資を目的として不動産が購入される場合も多く、国内外の犯罪組織等が犯罪収益の形態を変換する目的で不動産取引を悪用する危険性もある。
    12. 宝石・貴金属等取扱事業者が取り扱う宝石・貴金属
      • 宝石及び貴金属は、財産的価値が高く、運搬が容易で、世界中で換金が容易であるとともに、取引後に流通経路・所在が追跡されにくく匿名性が高く、特に金地金については現金取引が中心であること等から、マネー・ローンダリング等の有効な手段となり得る。
      • 実際、他人になりすますなどし、犯罪により得た現金で貴金属等を購入した事例があること等から、宝石及び貴金属は、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    13. 郵便物受取サービス業者が取り扱う郵便物受取サービス
      • 郵便物受取サービスは、詐欺、違法物品の販売を伴う犯罪等において、犯罪収益の送付先として悪用されている実態がある。本人特定事項を偽り当該サービスの役務提供契約を締結することにより、マネー・ローンダリング等の主体や犯罪収益の帰属先を不透明にすることが可能となるため、郵便物受取サービスはマネー・ローンダリング等の有効な手段となり得る。
      • 実際、架空名義で契約した郵便物受取サービス業者宛てに犯罪収益を送付させ、これを隠匿した事例があること等から、郵便物受取サービスは、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    14. 電話受付代行業者が取り扱う電話受付代行
      • 近年、電話受付代行業者が悪用されたマネー・ローンダリング事犯の検挙事例は認められないものの、電話受付代行は、顧客がその事業に関して架空の外観を作出してマネー・ローンダリング等の主体や犯罪収益の帰属先を不透明にすることを可能とするなどの特性から、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    15. 電話転送サービス事業者が取り扱う電話転送サービス
      • 電話転送サービスは、顧客が事業に関して架空の外観を作出してマネー・ローンダリング等の主体や犯罪収益の帰属先を不透明にすることを可能としており、特殊詐欺の犯罪収益を隠匿するなどのマネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
    16. 法律・会計専門家が取り扱う法律・会計関係サービス
      • 法律・会計専門家は、法律、会計等に関する高度な専門的知識を有するとともに、社会的信用が高いことから、その職務や関連する事務を通じた取引等はマネー・ローンダリング等の有効な手段となり得る。
      • 実際、犯罪収益の隠匿行為等を正当な取引であると仮装するために、法律・会計関係サービスを利用された事例があること等から、法律・会計専門家が、「宅地又は建物の売買に関する行為又は手続」、「会社等の設立又は合併等に関する行為又は手続」、「現金、預金、有価証券その他の財産の管理又は処分」といった行為の代理又は代行を行うに当たっては、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があると認められる。
  • 今後の取組
    • 本調査結果を踏まえ、今後、所管行政庁は、特定事業者に法令上の義務の履行を徹底させる取組を継続するとともに、所管する業態や特定事業者におけるマネー・ローンダリング等のリスクを的確に把握し、当該リスクに応じた指導・監督等を深化させていく必要がある。また、所管行政庁は、取組が低調な特定事業者に対して、行政指導も含めた適切な指導・監督を行うとともに、疑わしい取引の届出、体制整備等のマネー・ローンダリング等対策に関しての業界全体の底上げを図るために、業界団体等と連携して、特定事業者に取組に必要な情報や対応事例等を提供した上、所管する業態のマネー・ローンダリング等対策への取組の定着度を引き続き把握していく必要がある。
    • 特定事業者は、法令上の義務を履行することは当然のことながら、法令違反等の有無を形式的に確認するだけでなく、疑わしい取引の届出を行う場合に該当しないか留意するほか、引き続き、自らの業務の特性とそれに伴うリスクを包括的かつ具体的に想定して、直面するリスクを特定し、実質的な対応を行う必要がある。特に、マネー・ローンダリング等に悪用される危険度が、他の業態よりも相対的に高い又は高まっていると認められている商品・サービスについては、それぞれのリスクに応じた実質的なマネー・ローンダリング等対策を適切に行い、危険度の低減措置を確実に図る必要がある。
    • FATF第4次対日相互審査報告書の公表を契機として、政府一体となってマネー・ローンダリング等対策を強力に進めるべく、令和3年8月に警察庁及び財務省を共同議長とする「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議」が設置されるとともに、今後3年間の行動計画が策定・公表をされた。この行動計画は、マネー・ローンダリング等対策や拡散金融対策に関する法整備や執行面での改善を目指すもので、具体的には、国のリスク評価書の刷新、金融機関等の監督強化、実質的支配者情報の透明性向上、マネー・ローンダリング罪の起訴率の向上のためのタスクフォースの設置やこれを踏まえた捜査・訴追の実施、NPOの悪用防止等が掲げられている。今後、調査書で特定されたリスクを踏まえ、行動計画を着実に実施していくことが重要である。また、FATFの勧告を踏まえた法整備の検討を着実に行うため、内閣官房に「FATF勧告関係法整備検討室」が設置された。
    • さらに、国全体としてマネー・ローンダリング等対策の一層の推進を図るためには、所管行政庁や特定事業者等が連携して、国民にマネー・ローンダリング等対策について周知し、その重要性を理解してもらい、特定事業者等が行うマネー・ローンダリング等対策のための措置について協力を得る必要がある。そのためにも、所管行政庁及び特定事業者は、様々な手段・方法により、国民に対する広報活動を継続的かつ強力に推進していく必要がある。
    • 今後、経済活動のグローバル化や新たな技術の普及等により、犯罪収益やテロ資金の流れがますます多様化することが見込まれる。このような中で、犯罪収益の移転やテロ資金供与の防止を効果的に行い、引き続き国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与するためには、所管行政庁及び特定事業者が、上記のそれぞれの役割を十分に理解した上で、本調査書の内容や国内外の情勢変化を踏まえ、官民一体となってマネー・ローンダリング等対策に取り組んでいく必要がある。

~NEW~
警察庁 令和3年度サイバーセキュリティ政策会議について
▼実空間とサイバー空間とが融合したデジタル社会の安全・安心の確保
  • 近年のIoT、人工知能などの情報通信技術の発達や社会のデジタル化の進展により、今や我々の社会経済活動の多くはサイバー空間を通じて非対面・非接触で行われるものへと大きく移るなど、サイバー空間は、実空間の社会・経済の重要な機能を広く代替し得る空間となったといっても過言ではない。そのような中、金融機関等を装ったSMS等を用いてフィッシングサイトへ誘導する手口等によりインターネットバンキングに係る不正送金被害が引き続き大きな被害が生じているほか、病院がランサムウェアの被害を受けて診療業務に支障が生じるなど、日常生活に影響を受け、国民は大きな不安を抱えている。このようにサイバーセキュリティの位置付けも転換点を迎えており、重要インフラだけでなく、まさに一人一人の国民をどのように守っていくのかということが問われているのではないだろうか。
  • 深刻な脅威に対処するためには、これまで分散していた警察庁内のリソースを一元化して効果的な対処体制を構築することや、的確な事案の全容把握と捜査・対策の調整、さらには海外治安機関等と連携した国際捜査の推進等が不可欠である。殊に、近年の
  • 重大サイバー事案の捜査等においては、次のような特性が顕著となっている。
    • 国家性:海外治安機関等との国際共同オペレーションや特定の国家の帰責性を解明するための捜査等においては、捜査主体が国を代表する立場を有し、事象によっては国自体も捜査主体となり得ることが必要となること。
    • 無地域性:攻撃者等の所在地と被害発生地との地理的なつながりが希薄であり、被害も容易に拡散するほか、捜査を要する地域も散在していること。
    • 対処リソース集約の必要性:事案解明のためには高度な技術力や態勢構築を要するが、リソースが全国に散在する状態では対応が困難又は非効率であり、これらを集約することが必要となること。
  • 警察庁が令和2年に実施した犯罪情勢に関するアンケート調査によると、サイバー犯罪に遭うことへの不安感を持っているとの回答は約75%に上っている。これは、日本について誇りに思うこととして長年にわたり最上位に「治安のよさ」があげられている状況4とは実に対照的な結果となっている。国民がこうした不安感を抱える一方で、不安感が必ずしも個人レベルでの具体的な対策の実施に十分に結びついていないなど5、個人がそれぞれ有するサイバーセキュリティに対する意識や知識には大きなギャップが存在していることもうかがわれる。
  • いつでも、実空間のどこからでも、誰でも(どんなモノでも)サイバー空間につながり、活動できる、カバレッジ100%を前提とした社会においては、これまでの地理的・時間的な制約を越え、日常生活から国家機能まであらゆる場面で実空間とサイバー空間との高度な融合が更に進展する可能性がある。経済発展と社会的課題の解決を両立するSociety5.0は現実のものとなりつつある。
  • 実空間とサイバー空間とが融合した社会においては、「21世紀の石油」とも呼ばれるデータが新たな価値を創出する Data Driven Economy を通じて、例えば以下のような形で人々に多大な恩恵をもたらすと期待されている。
    • 職人技等個人あるいは集団の内面に根付き、その継承・再現には長期間にわたる修練が必要であるなど、広範な活用が困難であった価値(暗黙知等)をデータ化し、普遍化・活用することが可能となり、より高品質なサービスを広く提供する
    • 多様なデータがIoT機器等を通じて実空間にフィードバックされることで新たな製品・サービス(予防保守、自動運転、事業計画策定等)を創出する
    • 登録された個人情報等に基づく柔軟かつ個人毎にカスタマイズされたサービスの提供等により生活の質が向上する
  • データの価値の高まりは、データが窃取・破壊された場合の被害を今までになく拡大させることは確実である。また、サイバー空間を飛び交う情報の量や機器の計算処理能力は、早晩、あらゆる場面で人間の認知判断能力を遥かに超えるものとなりかねず、巧妙な欺罔行為の横行など、サイバー空間に参画する人間の誤認や判断の誤りが様々な事態を招く可能性がある。さらに、デジタルサービスやサプライチェーンの相互連鎖の進化は、発生し得るサイバー事案の影響範囲の見通しや事案の解明・対策をさらに困難なものとしかねない。このように、サイバー事案が発生した際の潜在的な被害の内容や影響範囲等が、これまでと比較して別次元といえるレベルにまで高まり、国民生活の安全・安心は大きなリスクにさらされるという脆弱性も有することとなる。
  • また、中学、高校等の卒業名簿が振り込め詐欺グループの架電先の選定に悪用された例などはこれまでも確認されているが、サイバー空間においても同様の情報の悪用が想定される。一例を挙げると、今後、攻撃者がSNSへの投稿等のサイバー空間上のデータを収集・分析し、攻撃対象となる者の出身小学校やペットの名前など、本人しか知り得ないはずの情報を推測・把握することで、知識認証(IDやパスワード、秘密の質問への回答といった本人のみが知る情報を用いて利用者を認証する方式)を不正に突破するなどのリスクが広範に発現する可能性もある。このように、既に広範に流出し、又は公開されているデータ自体にAIなどの情報通信技術を用いた高度な分析・加工が施されることにより新たなリスクの要因となることや、相互連鎖が進化するデジタルサービス等において当該データが新たな目的で悪用されるなどのリスクにも留意すべきである。
  • データの信頼性は、様々な機器の制御や企業活動がデータに依存することとなる中で社会経済活動にとって死活問題となる。例えば、入力されるデータを不正なものにすり替えられるとライフラインを支える制御機器、自動運転車、遠隔手術ロボット等を誤作動させることで人命に関わる重大事故が発生するおそれがあり得るし、データ汚染により事業計画や操業判断を混乱させられると、事業者にとっては企業存続にかかわるほどの経済的損害が発生するおそれも生じる。
  • また、AIに関しては、学習データに不正なデータを混入させ、特定の入力データを攻撃者が意図したものとして誤って認識させるバックドア攻撃と呼ばれる手法が存在する。このような手法が用いられると、入退室認証に画像認識カメラが使用されていた場合に本来権限を持たない者が認証を突破して入退室してしまったり、特定の者が認識された場合に遠隔手術機器に誤作動を起こさせ危害を加えるなどといったことも生じるおそれがある。
  • デジタル化の進展は、サイバー空間上を流通する個人の嗜好・行動履歴等の膨大なデータや情報通信技術を悪用する機会を犯罪者側にも与えることとなる。例えば先に述べた既存の脅威に関して、サイバー空間上の膨大な情報と合わせて機械学習等を悪用することで、実在する人物をサイバー空間上で高精度に再現することが可能となり、個々の標的が持つ属性・背景を踏まえた内容によるフィッシング詐欺、特殊詐欺、ビジネスメール詐欺、標的型メール攻撃等が可能となる。また、内容の巧妙化に加え、機械学習により現実の人物を模した映像・音声を生成するディープフェイク等の技術が組み合わさることで、視覚的・聴覚的にも高度な欺罔手段が機械的に量産することが可能となれば、特殊詐欺(現在欺罔手段の大半を占める電話だけでなく、テレビ電話等にも進出可能になる)等の脅威が爆発的に拡大する可能性もある。
  • 偽情報の流布は、インターネット上に限った問題ではなく、これまでも人々の口コミ等で真偽が不明で信頼性の低い情報が拡散される事例は存在したが、SNS等が有する情報流通の特性である情報の拡散されやすさ、価値観の似た者同士で交流・共感することで特定の意見等が増幅され影響力を持つ「エコーチェンバー」、利用者が好ましいと思う情報ばかりが選択的に提示されることで思想的に社会から孤立する「フィルターバブル」等が一因となってインフォデミックと呼ばれるほどの大きな問題として顕在化していると考えられる。また、情報発信の当事者が必ずしも意図せぬ形で混乱が助長される場合も多いとされる。他方で、当該特性を悪用し、意図的に偽情報や偏向した情報を広く流布させることにより何らかの不正な利益を得たり、世論を誘導するなどの社会的混乱を生じさせようとする行為も行われ得る点にも十分注意を払うべきである。
  • デジタルサービスの相互連鎖の拡大やサプライチェーンの複雑化は、ひとたびサイバー事案が発生した場合の影響範囲を飛躍的に拡大させてしまうというリスクを内在している。例えば、国民生活や産業分野におけるIoT機器の普及により、あらゆるモノがインターネットに接続される社会に確実に近づきつつあるが、このことは同時にサイバー攻撃が直接的に国民生活や産業のあらゆる場面に影響を与えることを意味している。広範に普及するIoT機器の所有者等によるセキュリティ対策が十分に行われず脆弱性が放置されれば、膨大な数のIoT機器の乗っ取りによるDDoS攻撃に悪用されるなど、ますます多様な観点からリスク要因を捉える必要が生じている。また、重要インフラ事業者の有する制御システムへのサイバー攻撃が当該重要インフラサービスの供給等に支障を与えることとなれば、当然に国民生活への影響は重大なものとなる。実際に、複雑に入り組んだサプライチェーンの連鎖やサービス連携の発達等に伴い、通信等のインフラへの障害やサイバー攻撃の影響が広範に拡大する状況が見受けられる。
  • サービスが複雑に連携する中で、連携サービスの全体を通じてどのように本人確認がなされ、どのようなセキュリティ対策がとられているかといった全体像が不透明となり、想定外の被害が生じるおそれもある。今後、新技術の普及や、デジタル化によるサプライチェーン等の一層の複雑化とそれに伴うブラックボックス化により、事故やサイバー攻撃等の影響範囲も格段に広がり、かつ、影響がどこに発現するのか把握することが困難となることが予想される。
  • 実空間においては、少年の健全な育成を阻害するおそれのある行為や環境が条例等により規制され、一部の施設への青少年の深夜入場が規制されたり、有害図書等の青少年への販売が禁止されるなど、子供・若者の健全育成のための枠組みが多角的・複層的に存在する。これに対し、サイバー空間では、例えばSNSアプリの利用等が保護者等の判断に委ねられているといった状況も見られる。今後、子供・若者のデジタル社会への参画が更に加速していく中、デジタル社会における青少年の健全な育成が課題となる。
  • メタバースは、従前の多人数参加型のオンラインゲームのように、限定された空間の中で一定の制限の下で活動するものではなく、アバター(仮想空間上における利用者の分身)がその空間の中で自由に活動し、他者との交流の場となり、様々な領域のサービスやコンテンツが取引され消費される場ともなるものとされている。その普及により既に顕在化している、あるいは顕在化しつつある様々なリスクの
  • 深刻化や拡大につながることも想定される。例えば、ディープフェイクのように現実の人物等を模擬するものとは異なり、元来電子データに過ぎないアバターの外形を複製することは容易であり、本人確認等がますます困難となるほか、なりすまし等の被害の拡大や、事後追跡可能性への支障が想定される。また、将来的には、実空間で行われていた取引や会議などの重要な活動がサイバー空間上に進出するという現状をさらに踏み越え、サイバー空間が実空間以上に重要な役割を担うこと、例えばメタバース内でのサービスの利用や「通貨」の流通により実空間を上回る経済圏が形成されることなども考えられる。そのような新たな形態の社会においては、現時点では想定し得ない新たな恩恵とともに、リスクも次々と生じ得る。
  • サイバー空間は、従来から地政学的緊張を反映した国家間の競争の場の一部となっているが、近年はサイバー攻撃の脅威の増大が見られる。国家の関与が疑われるサイバー攻撃として、政府機関や先端技術保有企業等の情報窃取、軍事的・政治的目的の達成に向けての影響力行使、外貨の獲得等を目的としたものが発生している。このように脅威が増大する中、今や、サイバー空間をめぐる情勢は、有事とは言えないまでも、最早純然たる平時とも言えない様相を呈していると評されるに至っている。また、直接的なサイバー攻撃以外にも、サイバー空間に関する基本的価値の相違や、国際ルール等をめぐる対立が顕在化している。さらには、安全保障の裾野が経済・技術分野にも拡大する中で、技術覇権争いも顕在化している。
  • サイバー空間上の犯罪者集団による脅威が世界的に高まっている。令和3年(2021年)5月に発表された米企業の調査27によると、世界における漏えい・侵害に係る攻撃者の種類として「犯罪組織」が全体の約8割を占めると言われている。ランサムウェアに関しては、実際に市民生活に多大な影響を及ぼした事例も多数発生している。さらに、攻撃手段となるマルウェアの耐解析機能(解析を妨害、遅延等させる機能)も高度化している。捜査機関やセキュリティベンダーによる解析を阻害するため、ソースコード改変によるパターンマッチング29の回避といったものだけでなく、文字列の暗号化や解析環境の検知といった様々な機能を搭載し、難易度を質・量両面で高めており、解析に基づく対策の実施に要する時間の増大、ひいては被害の拡大につながっている。
  • 犯罪者集団による攻撃が悪質・巧妙化していることに加え、一部のフォーラムサイト等では攻撃ツールの売買等がなされ、一定程度の技量があれば、特別な専門知識がなくても誰でもサイバー攻撃を行うことができる犯罪インフラ(犯罪を助長し、又は容易にする基盤)が構築されている。さらには、直接的な攻撃に関連するものだけでなく、例えばVPNやプライベートプロキシ等匿名化の手段の提供、窃取したクレジットカード情報が有効であるかの検証、マネー・ローンダリングの実行等を担うものも存在し、これらが広範につながり、ある種のエコシステムを形成しているとの指摘もある。
  • 政策課題
    • サイバー空間と実空間とが融合した新たな社会においては、犯行手口やその被害・影響がサイバー空間の中だけにとどまらず、脅威のレベルがこれまでとは次元の違うレベルまで高まる。このことに鑑み、新組織は、サイバー空間の安全・安心のみならず、既存の組織と連携し、実空間と公共空間としてのサイバー空間とが融合したデジタル社会全体の安全・安心を見据えた組織として確立することが必要である。
    • 組織を実効的に機能させるためには、有為な人材をいかに集め、育成し、活躍させるかが鍵となることは言を俟たない。一方、高度専門人材をはじめとする有為な人材は、地方においても重要な役割を担っており、単に新組織に人材を集中させることは適切ではない。この状況に対処するためには、有為な人材層の拡充はもとより、その機動的な活用のための環境を実現する取組が必要である。
    • 我が国では、サイバー犯罪条約を締結する等捜査共助に係る枠組みは一定程度整備が進む一方、捜査共助等を通じた国際照会の回答に長時間を要することなどにより国際捜査が十分に進展しないケースも多く存在するほか、継続的に国際捜査に携わる捜査主体が存在しないことなどにより国際共同オペレーションへの参画が低調な状況にある。海外治安機関等との関係では、相手機関に協力を求める場面のみならず、日本側が相手機関側からの協力要請に応じることも含めてギブ・アンド・テイクの原則に留意して互恵的な関係を構築することが重要な鍵となる。また、組織と組織の間の継続的な関係構築のみならず、それぞれの組織に所属し捜査等に携わる実務者レベルでの信頼関係を構築することも同様に重要となる。上記のような状況を踏まえ、中長期的観点から、実務者レベルでの顔の見える関係の構築や、我が国警察の強みを生かした情報の収集・分析・提供等での地道な貢献を通じて海外治安機関等との強固な信頼関係を構築する取組が必要である。
    • 攻撃者優位とも言われるサイバー空間の環境改善に正面から取り組み、安全確保を図るためには、関係国等と連携した具体的な取組が必要である。強固な信頼関係を構築した上で国際共同オペレーションに参画することは、国内外の犯罪インフラの壊滅、犯罪者集団の検挙、実態解明に資するものとなる。加えて、国際共同オペレーションに加わり、継続的に検挙や実態解明を進めていくことで、攻撃者に日本への攻撃をためらわせる抑止効果も期待できること、また、捜査の結果として攻撃者の特定等に至ることができれば、我が国の国益の追求はもとより、重要な国際貢献ともなることにも留意すべきである。また、サイバー空間が、地政学的緊張を反映した国家間の競争の場の一部となっている観点を踏まえ、国際共同オペレーションを、法の支配、自由、民主主義といった価値観を共有する国家や国際機関と連携して幅広く進めていくことが重要である。
    • 暗号資産の匿名性を悪用したランサムウェア身代金要求、SMSを介した配送状況の連絡に擬態したフィッシング等、新たな技術・サービスは時として犯罪者に悪用され、犯罪インフラとして機能している。また、SMS認証の不正な代行に見られるように、当初は安全と考えられ広く活用されるようになった技術が、制度の抜け穴を突いて悪用され、犯罪インフラとなる事態は、新たな技術・サービスが次々と生まれる社会ではさらに多発することが予想される。制度設計、サービス設計、技術開発、研究等をそれぞれ担う者が協働し、人々に恩恵をもたらす新たな技術・サービスが犯罪インフラと化すことがないよう対策を進める必要がある。
  • 誰もがインターネットを利用するようになり、インターネットバンキングやキャッシュレス決済サービスの悪用により経済的損失を受ける事案やインターネット上の誹謗中傷により精神的苦痛を受ける事案等も多く発生しており、適切な対策が求められている。特に、現在も多くの被害が確認されている以下の事例について、引き続き対応の強化を図る。
    • インターネットバンキング及びキャッシュレス決済サービスをめぐるサイバー犯罪の対策については、金融機関・資金移動業者等への犯行手口に基づく注意喚起の実施、不正な送金先口座の凍結検討依頼等を進める。
    • SMS認証の不正な代行については、被害実態について関連する業界団体等との情報共有を進めるとともに、SMS機能付きデータSIM契約時の本人確認義務付けの必要性についても検討を進める。
    • インターネット上の誹謗中傷に係る相談に際し、その内容に応じて、関係する部署が連携して対応し、指導・助言、法務局人権擁護担当、違法・有害情報相談センター等の専門機関の教示等、相談者の不安等を解消するために必要な措置を講じるほか、刑罰法令に触れる行為が認められる場合には、捜査機関として適切に事件に対処する。
    • キャッシュレス決済サービスの普及に伴い、様々なサービスにクレジットカード情報がひも付けられることにより、クレジットカード不正利用の被害額が増加傾向にあることから、eコマース(電子商取引、EC)に関連するクレジットカードの不正利用事案に関し、関係団体等と連携して被害実態の把握に努めるほか、被害実態を踏まえた有効な対策の在り方について検討を進める。
    • 知的財産に関しては、政府全体の議論を踏まえつつ、現在捜査の妨げとなっている様々な課題について検討・対策を進め、取締りや被害防止に取り組みつつ、内閣府等関係機関との連携に努める。

~NEW~
警察庁 犯罪統計資料(令和3年1~11月分)
  • 令和3年1~11月の刑法犯総数について、認知件数521,144件(前年同期566,466件、前年同期比▲8.0%)、検挙件数は244,648件(258,144件、▲5.2%)、検挙率46.9%(45.6%、+1.3P)
  • 窃盗犯の認知件数は351,049件(385,179件、▲8,9%)、検挙件数は149,797件(158,432件、▲5.5%)、検挙率は42.7%(41.1%、+1.6P)
  • 万引きの認知件数は79,394件(79,708件、▲0.4%)、検挙件数は58,549件(57,703件、+1.5%)、検挙率は73.7%(72.4%、+1.3P)
  • 知能犯の認知件数は32,481件(30,861件、+5.2%)、検挙件数は17,396件(16,632件、+4.6%)、検挙率は53.6%(53.9%、▲0.3P)
  • 詐欺の認知件数は29,464件(27,555件、+5.2%)、検挙件数は14,982件(13,979件、+4.6%)、検挙率は50.8%(50.7%、+0.1P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数は65,201件(67,062件、▲2.8%)、検挙人員は53,358人(56,416人、▲5.4%)
  • 入管法違反の検挙件数は4,499件(6,353件、▲29.2%)、検挙人員は3,287人(4,655人、▲29.4%)、迷惑防止条例違反の検挙件数は7,927件(7,035件、+12.7%)、検挙人員は6,038人(5,739人、+5.2%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は2,338件(2,492件、▲6.2%)、検挙人員は1,895人(2,015人、▲6.0%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は335件(583件、▲42.5%)、検挙人員は126人(128人、▲1.6%)、不正競争防止法違反の検挙件数は71件(123件、▲42.3%)、検挙人員は73人(66人、+10.6%)、銃刀法違反の検挙件数は4,734件(4,961件、▲4.6%)、検挙人員は4,066人(4,376人、▲7.1%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は836件(942件、▲11.3%)、検挙人員は472人(482人、▲2.1%)、大麻取締法違反の検挙件数は6,213件(5,368件、+15.7%)、検挙人員は4,926人(4,525人、+8.9%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は10,386件(10,854件、▲4.3%)、検挙人員は7,027人(7,590人、▲7.4%)
  • 来日外国人による重要犯罪・重要窃盗犯 国籍別 検挙人員 対前年比較について、総数582人(510人、+14.1%)、ベトナム217人(94人、+130.9%)、中国91人(84人、8.3%)、ブラジル41人(53人、▲22.6%)、フィリピン32人(25人、+28.0%)、インド17人(17人、±0%)、スリランカ16人(13人、+23.1%)、韓国・朝鮮16人(26人、▲38.5%)
  • 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別 検挙件数・検挙人員 対前年比較 総数について、検挙件数は11,133件(12,310件、▲9.6%)、検挙人員は6,239人(7,009人、▲11.0%)
  • 暴行の検挙件数は656件(812件、▲19.2%)、検挙人員は621人(788人、▲21.2%)、傷害の検挙件数は1,041件(1,285件、▲19.0%)、検挙人員は1,249人(1,515人、▲17.6%)、脅迫の検挙件数は342件(420件、▲18.6%)、検挙人員は337人(383人、▲12.0%)、恐喝の検挙件数は356件(400件、▲11,0%)、検挙人員は424人(535人、▲20.7%)、窃盗犯の検挙件数は5,525件(6,150件、▲10.2%)、検挙人員は922人(1,101人、▲16.3%)、詐欺の検挙件数は1,650件(1,430件、+15.4%)、検挙人員は1,383人(1,115人、+24.0%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)主要法令別 検挙件数・検挙人員 対前年比較 総数について、検挙件数は6,570件(7,290件、▲9.9%)、検挙人員は4,457人(5,327人、▲16.3%)
  • 暴力団排除条例違反の検挙件数は38件(49件、▲22.4%)、検挙人員は87人(114人、▲23.7%)、銃刀法違反の検挙件数は108件(155件、▲30.3%)、検挙人員は79人(124人、▲36.3%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は130件(165件、▲21.2%)、検挙人員は46人(56人、▲17.9%)、大麻取締法違反の検挙件数は1,101件(1,027件、+7.2%)、検挙人員は697人(699人、▲0.3%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は4,181件(4,747件、▲11.9%)、検挙人員は2,761人(3,286人、▲16.0%)、麻薬等特例法違反の検挙件数は269件(322件、▲16.5%)、検挙人員は218人(248人、▲12.1%)

~NEW~
警察庁 Javaライブラリ「Apache Log4j」の脆弱性(CVE-2021-44228)を標的とした攻撃の観測について
  • 概要
    • Javaでログ出力に使われるライブラリ「Apache Log4j」の脆弱性(CVE-2021-44228)に関する情報が、The Apache Software Foundationから公表されています。
    • 12月10日以降、当該脆弱性を標的とした攻撃を観測しています。
  • 影響を受けるシステム
    • Apache Log4j-core 2.15.0より前の2系のバージョン
  • 対策
    • Javaで開発されているプログラムを利用している場合は、Apache Log4jの利用の有無の確認及び各プログラムの公式ウェブサイトのアップデート情報の確認をすることを推奨します。
    • 脆弱性の影響を受けるバージョンを利用されている場合は、公開している情報を確認し、速やかに対策を適用することを推奨します。
    • Webアプリケーションファイアウォール等のシグネチャによる検知や防御の回避を試みているパケットを観測しています。シグネチャ検知による回避策以外の対策も適用することを推奨します。

~NEW~
消費者庁 二酸化塩素による空間除菌を標ぼうする商品の製造販売業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について
  • 消費者庁は、令和3年12月16日、二酸化塩素による空間除菌を標ぼうする商品の製造販売業者2社(以下「2社」といいます。)に対し、2社が供給する商品に係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。
  • 表示内容
    • 大木製薬
      • 例えば、本件商品について、令和2年9月1日から令和3年10月31日までの間、商品パッケージにおいて、「空間除菌」、本件商品を首から下げている人物の画像、「二酸化塩素のパワーで ウイルス除去・除菌ウイルオフ ストラップタイプ」等と表示するなど、「対象商品」欄記載の商品について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、同表「使用方法」欄記載のとおり対象商品を使用すれば、対象商品から発生する二酸化塩素の作用により、同表「場所」欄記載の場所において、身の回りの空間に浮遊するウイルスや菌が除去又は除菌される効果等の同表「効果」欄記載のとおりの効果が得られるかのように示す表示をしている又は表示をしていた。
    • CLO2 Lab
      • 例えば、本件商品について、令和2年7月1日以降、商品パッケージにおいて、「室内空間の菌・ウイルス・悪臭を除去!」等と表示するなど、「対象商品」欄記載の商品について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体・表示箇所」欄記載の表示媒体・表示箇所において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、同表「使用方法」欄記載のとおり対象商品を使用すれば、対象商品から発生する二酸化塩素の作用により、同表「場所」欄記載の場所において、室内空間に浮遊する菌又はウイルスが除菌又は除去される効果等の同表「効果」欄記載のとおりの効果が得られるかのように示す表示をしている又は表示をしていた。
  • 実際
    • 前記の表示について、消費者庁は、景品表示法第7条第2項の規定に基づき、2社に対し、それぞれ、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、2社から資料が提出された。しかし、当該資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。
    • なお、2社は、それぞれ、前記の表示について、「対象商品」欄記載の商品について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄又は「表示媒体・表示箇所」欄記載の表示媒体又は表示媒体・表示箇所において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示している又は表示していたが、当該表示は、それぞれ、一般消費者が前記の表示から受ける各対象商品の効果に関する認識を打ち消すものではない。
  • 命令の概要
    1. 2社は、それぞれ、別表3-1及び別表3-2「対象商品」欄記載の商品について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄又は「表示媒体・表示箇所」欄記載の表示媒体又は表示媒体・表示箇所において、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく行っている同表「表示内容」欄記載のとおり表示している行為を速やかに取りやめること。
    2. 前記の表示は、それぞれ、各対象商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。
    3. 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
    4. 今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく、前記の表示と同様の表示を行わないこと。

~NEW~
消費者庁 デジタルプラットフォーム事業者が運営するショッピングモールサイトにおいてカシミヤが含まれるとうたう偽表示商品の販売業者に関する注意喚起
  • デジタルプラットフォーム事業者が運営するショッピングモールサイトにおいてカシミヤが含まれるとうたう偽表示商品の販売業者に関する注意喚起を行いました。
  • 詳細
    • デジタルプラットフォーム事業者が運営する大手ショッピングモールサイトにおいて、カシミヤが全く含まれていないストールについて、カシミヤが含まれているかのように広告を行い、販売する事業者がいるとの情報が消費者庁に寄せられました。
    • 消費者庁が調査したところ、この大手ショッピングモールサイトにおいて、カシミヤが全く含まれていないにもかかわらずカシミヤが含まれているとうたうストール(以下「本件商品」といいます。)を販売する事業者を確認(虚偽の広告・表示)したことから、消費者安全法第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。
    • また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。

~NEW~
消費者庁 電力・ガス自由化をめぐるトラブル速報!No.18「電力・ガスの契約に関する相談が多く寄せられています」
  • 消費者庁は、国民生活センター及び経済産業省電力・ガス取引監視等委員会と連名で電力・ガス自由化をめぐるトラブル速報!No.18「電力・ガスの契約に関する相談が多く寄せられています」を公表します。
  • 詳細
    • 平成28年に電力の小売全面自由化が、平成29年にはガスの小売全面自由化が行われ、その後、電気は5年半、ガスは4年半が経過しました。
    • 国民生活センター及び各地の消費生活センター等並びに経済産業省電力・ガス取引監視等委員会には、消費者の皆様からの相談が引き続き寄せられています。
    • これを踏まえ、消費者の皆様への注意喚起・トラブルの再発防止の観点から、相談事例などを紹介するとともに、消費者の皆様へのアドバイスを提供いたします。
    • また、消費者庁においては、この分野で消費者を欺罔する勧誘については、特定商取引法に基づき厳正に処分等を行ってまいります。

~NEW~
消費者庁 スケートボード類での事故-転倒することを前提に安全保護具の着用と場所選びを-
  • スケートボードは東京2020オリンピックで初めて正式種目に採用され、改めて注目を集めています。また、スケートボードに似た2輪の遊具は、近年小学生を中心に遊ばれています。
  • 一方で、スケートボード類が関係する事故の情報が、医療機関から11年間で230件寄せられており、半数近い105件で骨折、92件で頭や顔に何らかのけがを負っていました。約4分の3に当たる173件が小学生の年代(6~12歳)で発生しています。
  • スケートボード類は、車輪が付いた板の上に立つため、もともと不安定であり、遊んでいて転ぶことは避けられません。その際に、手をついて腕を骨折したり、頭に衝撃が加わって脳に損傷が生じるなど、重大なけがが発生することがあります。
  • スケートボード類に限らず、遊びやスポーツには一定のけがを負うリスクがありますが、スケートボード類でどのようなけがが発生するか十分に知った上で、けがを最小限にする事前の準備が大切です。
    1. 遊ぶ前にはスケートボード類を点検・整備し、ヘルメットとプロテクターを着用して準備体操をしてから遊びましょう
    2. 禁止された場所や車・人通りの多い道路では滑走しないでください。路面の凹凸や傾斜、濡れ、障害物がない、平らで広い場所を選びましょう
    3. 保護者は、子どもと一緒に乗り方のルールなどを理解し、乗る際の装備・場所・時間等を子どもと決めましょう。特に幼い子どもが遊ぶ際はそばで見守りましょう
  • もしもの時には、
    • 重篤な症状の場合は、ためらわずに救急車を呼びましょう。
    • 軽症に見える場合でも、脳震盪が疑われるときは、遊ぶことを直ちに止めて、ひとりで過ごすことは避けてください。

~NEW~
消費者庁 「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律施行令(案)」等に関する意見募集について
▼取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律第3条第3項に基づき取引デジタルプラットフォーム提供者が行う措置に関して、その適切かつ有効な実施に資するために必要な指針(案)
  • 本指針は、取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律(令和3年法律第32号。以下「本法」という。)第3条第3項に基づき、同条第1項及び第2項に規定する取引デジタルプラットフォーム提供者が行う措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めたものである。
  • 本法の対象には規模や態様において様々な取引デジタルプラットフォーム提供者が含まれるところ、本法第3条第1項に基づいて講ずるよう努めなければならない措置について、取引デジタルプラットフォーム提供者は、主体的かつ継続的に創意工夫を発揮し、その事業運営の実態に応じて適切かつ有効な措置を講ずることが期待されている。このような観点から、本指針では、本法第3条第1項各号ごとに、その「趣旨・目的・基本的な取組」を記載した上で「望ましい取組の例」を示している。「望ましい取組の例」は、いわゆるベストプラクティスとして取引デジタルプラットフォーム提供者が参照することができる具体的な取組を例示するものであり、取引デジタルプラットフォーム提供者においてはこれらの取組を参照することでより容易に一定レベルの措置を講ずることができるようになると考えられる。
  • 取引デジタルプラットフォームを利用して行われる通信販売に係る取引では、販売業者等が行う通信販売に係る販売条件等の表示に疑義がある場合や、紛争の解決のために必要であるにもかかわらず、消費者が販売業者等と連絡をすることができない等の問題が発生している。取引デジタルプラットフォームは、取引デジタルプラットフォーム提供者が販売業者等に共通のシステムを提供するなど、消費者と販売業者等との間だけではなく、取引デジタルプラットフォーム提供者と販売業者等との間にも契約関係があるという、直販サイトにはない特色があることから、取引デジタルプラットフォーム提供者が、消費者と販売業者等とが円滑に連絡を取るための環境を整えることが、このような問題の発生を防止し、通信販売に係る取引の安全を確保するための取組として重要である
  • 当該措置については、取引デジタルプラットフォーム提供者が自ら連絡手段を提供する場合と利用規約等により連絡先の表示を義務付ける等して販売業者等に連絡手段を提供させる場合とが想定されるが、いずれにせよ、基本的な取組として、以下が求められる。
  • 連絡先や連絡手段が、消費者が容易に認識することができるような文字の大きさ・方法をもって、容易に認識することができるような場所に示されていること
  • 消費者が合理的な期間にわたり、社会通念に照らして相当な時間帯において、必要に応じ販売業者等と連絡が取れるようにすること
  • 望ましい取組(ベストプラクティス)の例
    • 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第11条の販売業者等の氏名・住所等の表示義務の遵守に資するため、取引デジタルプラットフォーム内に販売業者等向けの特定商取引法第11条の表示義務に関する専用ページを設ける。
    • 販売業者等が、特定商取引法第11条の規定により取引デジタルプラットフォームの「場」に連絡先を掲載しない場合は、消費者からの請求があり次第、連絡先を記載した書面を遅滞なく交付し、又は連絡先を記録した電磁的記録を遅滞なく提供する旨の表示をするよう徹底する。
    • 販売業者等に対して、連絡先に加え、対応可能日時も記載するよう義務付ける。
    • 取引デジタルプラットフォーム提供者が、自ら構築した専用のメッセージ機能を提供する。
    • 販売業者等が表示する連絡先が連絡手段として現に機能していることを確認するため、取引デジタルプラットフォーム提供者が定期的なパトロールを実施する。
    • 消費者からの情報受付窓口を設置して販売業者等への連絡の可否に関する情報を収集する。
    • 消費者からの連絡に対して、一定期間販売業者等から返信がない場合は取引デジタルプラットフォーム提供者が回答を促す。
    • 消費者から、販売業者等への連絡手段が機能しないとして取引デジタルプラットフォーム提供者に問合せがあった場合の内部的な標準処理期間を設ける。
  • 取引デジタルプラットフォームにおける販売条件等の表示の適正化は、第一義的には当該表示を行った販売業者等が担うべきものである一方、消費者は取引デジタルプラットフォーム提供者を信用して取引に入っていることから、取引デジタルプラットフォーム提供者にも商品の販売条件等の表示の適正に関し一定の役割を果たすことが期待される。もっとも、全ての販売条件等の表示の適正化を取引デジタルプラットフォーム提供者に求めることは困難であるところ、消費者が苦情の申出を行いやすい仕組みを設けるとともに、消費者から苦情の申出を受けた場合において、取引デジタルプラットフォーム提供者が、当該苦情に係る事情の調査を行うこと等を基本的な取組として、当該表示の適正を確保するために必要と認められる措置を講ずることが求められる。
  • 望ましい取組(ベストプラクティス)の例
    • 購入した商品等に関する苦情であれば注文(取引完了)確認画面又はメールに、購入前の商品等に関する苦情であれば商品ページごとに苦情申出のためのリンクを貼る等、消費者にとって分かりやすい場所、分かりやすい方法で受け付けられるようにする。
    • 申出を受け付けた旨及び当該申出への対応について申出を行った消費者に対し回答する。
    • 苦情の申出の受付を購入後に限定せず、疑義情報の通報という形式等により購入前の苦情の申出も受け付ける。
    • 特に商品の安全性や知的財産権の侵害等のリスクが高い商品等について、製造業者、ブランドオーナー、権利者等にスムーズに照会できる仕組みを整える。
    • 商品の販売等に関し監督官庁がある場合に、当該監督官庁との連絡担当者の配置やホットラインの設置等により、円滑な連絡体制を構築する。
    • 利用規約に基づき状況に応じた比例的な制裁を行う。
    • 違反の状況等の記録を蓄積し、利用規約の改定等の予防措置の改善に活用する。
    • 法令違反に該当するものに加えて、公序良俗違反やトラブルにつながりかねない出品等についても取引デジタルプラットフォーム提供者のポリシーに基づいて禁止する。
    • 販売禁止対象商品・禁止行為のリストは、可能な限り具体的なものとする(例えば、「法令に違反するもの」といったレベルではなく「○○法の規格基準に適合していないもの」「○○に関し効果・効能をうたうもの」等)。
    • 消費者が「何が販売禁止対象商品・禁止行為であるのか」を把握できるよう、専用ページ等により周知する。
    • 特に消費者の生命・身体に危険が及ぶような商品・役務について、必要に応じ、事前審査を行う、商品説明に取扱いに当たっての注意表示の記載を求め、当該記載がない商品は削除等の措置を行う等、不適正な販売条件等の表示をあらかじめ防止するための仕組みを導入する。
  • 取引デジタルプラットフォームを利用して行われる通信販売に係る取引においては、販売業者等が虚偽の氏名又は名称、住所を表示しつつ、消費者被害をもたらす事案が発生している。このような被害の発生を防止し、取引デジタルプラットフォーム上の取引の安全を確保するためには、取引デジタルプラットフォームは、消費者が販売業者等との取引に入る前に、取引デジタルプラットフォーム提供者が販売業者等の情報をあらかじめ確認しておけるという、直販サイトにはない特色があることから、取引デジタルプラットフォーム提供者が保有している販売業者等を特定する情報の真正性を担保することがこのような被害の発生を防止し、通信販売に係る取引の安全を確保するための取組として重要である。このような状況を踏まえ、本号は、取引デジタルプラットフォーム提供者が、販売業者等に対し、必要に応じて、取引デジタルプラットフォーム提供者に登録されている販売業者等を特定する情報を裏付ける資料等の提供を求めるなど、販売業者等の特定に資する情報の提供を求める措置を求めるものである。
  • 当該措置の基本的な取組としては、取引デジタルプラットフォーム提供者が、販売業者等に対し、本法第3条第1項第1号及び第2号が求める措置を実施する過程や、第5条の開示請求への対応などにおいて、販売業者等の表示について問題のおそれのある事例に接した場合に、販売業者等の特定に資する情報の提供を求めることが求められる。
  • また、上記のような場合に、必要な情報をより円滑に求めることができるよう、・アカウント登録時に、販売業者等の特定に資する情報の提供を求めること・日常的な監視活動を通じてそのような情報について疑わしい事例に接した場合に販売業者等に対し裏付けの資料を求めることなどが期待される。
  • なお、「販売業者等の特定に資する情報」とは、販売業者等の身元の特定につながり得るあらゆる形式の情報を意味する。
  • 望ましい取組(ベストプラクティス)の例
    • アカウント登録に当たり、法人であれば当該法人自らの法人番号又は登記事項証明書等、個人事業主であれば当該個人自らの住民票や事業証明書等の情報及び公的書類の提出を受ける。
    • 販売業者等の氏名又は名称が、登録された銀行口座の名義と一致しているか確認する。
    • 商品の販売等に許認可等が必要である場合には、許認可等を受けた旨の証明書の提出を受ける。
    • 取引の過程において登録情報と異なる情報に接したときは、個別に事実確認を行い、正しい情報の記載を求める
  • 本法第3条第2項は、取引デジタルプラットフォーム提供者は、取引デジタルプラットフォームを利用する消費者に対し、同条第1項の規定に基づき講じた措置の概要及び実施の状況その他の内閣府令で定める事項を開示すると規定しているところ、開示の基本的な考え方は次のとおりである。なお、各取引デジタルプラットフォーム提供者は、取引デジタルプラットフォームを取り巻く環境の変化等を勘案し、必要に応じて開示内容について検討を加え、開示内容に変更すべき点がある場合には変更を加えた上で開示を行うことが期待される。
    1. 開示の内容
      1. 消費者が販売業者等と円滑に連絡が取れるようにするための措置については、どのような連絡手段を設けているのか、連絡手段が機能しているかどのように確認しているのか、連絡手段が機能しない場合にどのように対応しているのかなどについて開示することが考えられる。
      2. 消費者から苦情の申出を受けた場合の販売条件等の表示の適正を確保するための措置については、消費者からの苦情申出の方法、不適正な表示に対する対応を行っている旨及びその概要などを開示することが考えられる。
      3. 販売業者等の特定に資する情報の提供を求める措置については、販売業者等を特定する情報の真正性を確保するために行っている取組の内容を開示することが考えられる。
    2. 開示の場所
      • 上記1の開示の場所については、消費者による合理的な取引デジタルプラットフォームの選択に資する観点から、各取引デジタルプラットフォーム上の「ご利用ガイド」や「ヘルプ」といったタイトルのページに開示することが考えられるほか、消費者がより選択しやすいとの観点からは、事業者団体のホームページなどで各取引デジタルプラットフォーム提供者の措置を比較しやすい形で表示することも考えられる。そのような場合には、消費者の合理的な選択に資するという観点から、当該取組内容が掲載されているホームページのリンク先などを自社のホームページやアプリなどで開示するなどの措置を講ずることが望ましいと考えられる。

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国民生活センター 消費者問題に関する2021年の10大項目
  • 国民生活センターでは、毎年、消費者問題として社会的注目を集めたものや消費生活相談の特徴的なものなどから、その年の「消費者問題に関する10大項目」を選定し、公表しています。
  • 2021年は、新型コロナウイルス感染症をきっかけとした「ワクチン接種」や「おうち時間」に関連したトラブルがみられ、また、特定商取引法や預託法の改正が注目を集めました。
  • 2021年の10大項目
    • 「優先接種」「予約代行」コロナワクチン関連の便乗詐欺発生
    • 「おうち時間」でオンラインゲーム 子どものゲーム課金トラブル
    • 成年年齢引き下げに向けた啓発活動が活発化
    • やけどや誤飲、窒息死亡事故も 繰り返される子どもの事故
    • 高齢者の消費者トラブル 自宅売却や予期せぬ“サブスク”の請求も
    • 被害回復へ初めての終結案件 消費者団体訴訟制度
    • 特定商取引法・預託法改正
    • 詐欺的な定期購入・送り付け商法への対策強化、販売預託取引が原則禁止に
    • 消費者トラブルのグローバル化とともに 越境消費者相談スタートから10年
    • 「消費生活相談のデジタル化」 検討はじまる
    • 「訪日観光客消費者ホットライン」多言語サイト開設

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国民生活センター 染毛剤の使用前には必ずパッチテストを!
  • 内容
    • インターネット通販で購入した白髪染めを使用したところ、かゆみがあり、しばらくすると目が充血し、腫れて開かなくなった。下唇も腫れ、両腕と頭皮に湿疹が出た。病院に行き、処方された薬を飲んだら1週間ほどで改善した。再度使用すると、また同じ症状が出た。(60歳代 男性)
  • ひとこと助言
    • ヘアカラーリング剤の中でも白髪染めなどの酸化染毛剤は、主成分によりアレルギー性の皮膚炎を起こしやすい傾向があります。
    • 初めてのアレルギー症状が軽かった場合でも、治まった後に再度使用すると、だんだん症状が重くなり、重篤な症状が現れるケースもあります。染毛剤を使用する際は、必ず毎回パッチテスト(皮膚アレルギー試験)を行いましょう。
    • これまで染毛剤で異常を感じたことのない人でも、使い続けるうちに突然アレルギーを発症することがあります。かゆみ、赤み、痛みなどの異常を感じた場合は、使用をやめ、医療機関を受診してください。

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厚生労働省 追加接種(3回目接種)についてのお知らせ
  1. 接種が受けられる時期
    • 接種を行う期間は、令和3年12月1日から令和4年9月30日までの予定です。
  2. 接種の対象
    • 新型コロナワクチンの追加接種(3回目接種)の対象は、以下を全て満たす方全員です。
      • 2回目接種を完了した日から、原則8か月以上経過した方
      • 18歳以上の方
      • 日本国内での初回接種(1回目・2回目接種)又は初回接種に相当する接種(※1)が完了している方
      • 次の方が、初回接種に相当する接種を受けた方となります。ただし、日本で薬事承認されている、ファイザー社ワクチン、武田/モデルナ社ワクチン、アストラゼネカ社ワクチンのいずれかを接種している場合に限ります。
        1. 海外で2回接種した方
        2. 海外在留邦人等向け新型コロナワクチン接種事業で2回接種した方
        3. 在日米軍従業員接種で2回接種した方
        4. 製薬メーカーの治験等で2回接種した方
  3. 特に接種をお勧めする方
    • 高齢者、基礎疾患を有する方などの「重症化リスクが高い方」
    • 重症化リスクが高い方の関係者・介助者(介護従事者など)などの「重症化リスクが高い方との接触が多い方」
    • 医療従事者などの「職業上の理由などによりウイルス曝露リスクが高い方」
  4. 接種ワクチンと接種対象年齢
    • 1回目・2回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを使用します。
    • ファイザー社のワクチン:18歳以上の方が対象です。
    • 武田/モデルナ社のワクチン:18歳以上の方が対象です。なお、追加接種では、初回接種の半量を接種します。
    • 妊娠中の方、授乳中の方、新型コロナウイルスに感染したことがある方にとってもワクチン接種はメリットがあるため、接種をご検討ください。詳しくはQ&Aをご覧ください。
  5. 接種が受けられる場所
    • 原則として、住民票所在地の市町村(住所地)の医療機関や接種会場で接種を受けていただきます。インターネットで、ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場を探すには、接種総合案内サイト「コロナワクチンナビ」をご覧ください。そのほか、市町村からの広報などをご確認ください。
    • なお、やむを得ない事情で住所地でのワクチン接種ができない方は、住所地以外で受けていただくことができる場合があります。具体的な手続きは、「コロナワクチンナビ:住所地外接種届について」をご覧ください。
    • 【住所地以外でワクチン接種を受けていただくことができる方の例】
      1. 入院・入所中の医療機関や施設でワクチン接種を受ける方
      2. 通所による介護サービス事業所等の利用者で、その事業所等で行われるワクチン接種を受ける方
      3. 基礎疾患で治療中の医療機関でワクチン接種を受ける方
      4. 副反応のリスクが高い等のため、医師の判断により、体制の整った医療機関での接種が必要な方
      5. 市町村外の医療機関からの往診により、在宅でワクチン接種を受ける方
      6. 災害による被害にあった方
      7. 都道府県等の設置する大規模接種会場等で接種を受ける方(会場毎の対象地域にお住まいの方に限ります)
      8. 職域接種でワクチン接種を受ける方
      9. お住まいが住所地と異なる方
      10. (1)~(8)の方については、住所地外接種の手続きは不要です。
  6. 接種を受けるための手続き
    • 以下のような方法で接種を受けることになります。
      1. 市町村から追加接種用の「接種券」と「新型コロナワクチン追加(3回目)接種のお知らせ」が届きます。
      2. ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場をお探しください。
      3. 電話やインターネットで予約をしてください。
      4. ワクチンを受ける際には、市町村より郵送される「封筒の中身一式」と「本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など)」を必ずお持ちになってください。
      5. 当日は、速やかに肩を出せる服装でお越しください。

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厚生労働省 第63回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約0.7と、昨年の夏以降で最も低い水準が続いているが、直近の今週先週比は1.17と増加傾向が続いている。また、療養者数、重症者数や死亡者数も低い水準が続いている。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(11/28時点)で0.96と1を下回る水準が続き、首都圏では1.01、関西圏では0.90となっている。
  • 今後の見通しと必要な対策
    • オミクロン株は、11月24日に南アフリカからWHOへ最初に報告されて以降、多くの国で感染例が報告され、複数の国ではいわゆる市中感染も確認されている。12月15日までに、海外から入国する際の検疫などの水際でコロナ陽性が判明した方のうち32名については、ゲノム解析でオミクロン株の感染が確認された。オミクロン株については、ウイルスの性状に関する実験的な評価や疫学的な情報は限られているが、感染性・伝播性の高さ、再感染のリスク、ワクチンや治療薬の効果への影響などが懸念されている。
    • また、重症度についても十分な知見が得られていない。水際措置におけるオミクロン株対策への重点化に加え、国内のサーベイランス体制の強化のため、全ての陽性者に対する変異株PCRスクリーニングの実施や、全ゲノム解析の強化、特に渡航歴のある陽性者に対する全ゲノム解析など実施が必要。引き続き、WHOや諸外国の動向や、臨床、疫学及びウイルス学的な情報を収集・分析するとともに、国立感染症研究所におけるオミクロン株の感染性、重症度、ワクチン効果に与える影響などの評価も踏まえ、適切に対応していくことが必要。また、国内でオミクロン株による感染が発生した場合、オミクロン株感染例と同一空間を共有した者については、マスクの着用の有無や接触時間に関わらず、幅広な検査の対象としての対応を行うことが推奨される。
    • 全国の新規感染者数は非常に低い水準となっており、新規感染者が確認されない日が継続している地域もある。一方、感染伝播が未だに継続している地域があることに加え、一部の地域では、事業所や社会福祉施設、小学校等でのクラスターや感染経路不明事案の発生による一時的な増加も見られる。また、都市部のみならず幅広い地域で夜間滞留人口が増加している。特に東京の夜間滞留人口は、昨年10月末に記録した最高水準まで増加している。年末に向けて気温が低下し、屋内での活動が増えるとともに、忘年会、クリスマスやお正月休み等の恒例行事により、普段会わない人々との交流が増え、さらに社会経済活動の活発化が想定されるため、今後の感染者数の動向に注視が必要。
    • ワクチンの2回接種完了者は全国民の約78%となり、12~19歳でも約73%が2回接種済となった。接種率をさらに高めるため、未接種者へのワクチン接種を進めることも必要であり、自治体においては、ワクチン接種に至っていない方への情報提供を進めることが求められる。あわせて、12月から開始している追加接種を対象者のうち希望する者に対して着実に実施していくことも必要。
    • 感染伝播は継続しており、今後の感染拡大にも注意が必要。従って、ワクチン接種者も含め、マスクの正しい着用、手指衛生、ゼロ密や換気といった基本的な感染対策の徹底を継続することが必要であり、これは、オミクロン株でも推奨されている。飲食の際は、第三者認証適用店を選び、飲食時以外はマスクを着用すること、また、外出の際は、混雑した場所や感染リスクの高い場所を避けることが必要。特に、帰省や旅行等は日常では生じない接触が生じる機会となること等を踏まえ、発熱等の症状がある場合は県をまたぐ移動は控えることが必要。また、軽度の発熱、倦怠感などの症状でも積極的に受診し、検査につなげることも重要。

~NEW~
厚生労働省 第6回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料
▼資料1 これまでのご意見のとりまとめ
  1. 地域レベルの実践的な取組への支援を強化する
    • 個別の自治体ではデータの分析は難しいことから、JSCPからの自治体別データ提供、研修のオンライン開催は自治体としては大変ありがたい。(中山構成員)
    • 現状分析は必要だが、現場でやるのは大変。JSCPのデータ分析支援は非常に助かっている。(松本構成員)
  2. 国民一人ひとりの気づきと見守りを促す
    • 自殺は追い込まれた末の死であることが浸透していない。もっと広報すべき。(田中構成員)
  3. 自殺総合対策の推進に資する調査研究等を推進する
    • ICTの活用による集積データを活用した個々の政策評価も実施すべき。(伊藤構成員)
    • 大綱について、各省から報告があったが、何が有効な策なのか、エビデンスに基づいた政策となるように定量的な報告があるとわかりやすい。整理した上で取り組むことが重要。(江澤構成員)
    • 個別の自治体ではデータの分析は難しいことから、JSCPからの自治体別データ提供、研修のオンライン開催は自治体としては大変ありがたい。(中山構成員)
    • 現状分析は必要だが、現場でやるのは大変。JSCPのデータ分析支援は非常に助かっている。(松本構成員)
    • 女性の自殺の原因は健康問題が多いという結果になっているが、背景には家庭や経済、仕事等様々な要因が重なり合っている可能性があると考えられるので、今後の分析を深めていただきたい。(江澤構成員)
    • 若者の自殺が増えたことにより、身近に自殺者が出るという経験をしてしまった若者が増えたのではないかと思う。自殺した人の周りの人が自殺者の属性から、どういった層に影響するのかを順に追っていくなど、丁寧に分析する必要がある。(山口構成員)
    • 子どもが自殺した事件で「いじめ」が自殺の原因であると因果関係を認めた判決が出たが、判決の中で、「自殺は本人が自らの意思で選択した行為」であるとしており、また、自殺した子どもや親にも落ち度があるとして、加害者の損害賠償額を減額している。その理由の一つに、青少年の自殺は、大人と比べて精神障害との関連性が低いという認定があり、平成19年2月開催の第5回自殺総合対策の在り方検討会の資料において、「青少年の自殺の特徴として、大人と比べ、精神障害との関連性は低い」としている。これは前提となる医学的知見が誤っているのではと考えており、前提となる医学的知見が間違っていると対策が根本的に間違うことになるため、専門家の知見が活用されるべき。(生越構成員)
    • コロナ陽性者と自殺者数の逆相関について、陽性者が増大する時期は人流の抑制を強化する時期でもあるため、自殺者数との関連性があるのか、コロナ対策(人流抑制等)の影響についても検討すべき。関係があるのであれば、コロナ対策への提言も必要。(中山構成員)
  4. 自殺対策に係る人材の確保、養成及び資質の向上を図る
    • いのちの電話では、フリーダイヤルを増設したことについてメディアで取り上げられた結果、ボランティアの応募が増えて現在1,100人が研修中となっている。こうした取組みへの参加を促すことも大切。(佐合構成員)
  5. 心の健康を支援する環境の整備と心の健康づくりを推進する
    • スクールカウンセラーの配置は進んでいるが、いじめや担任の無理解はまだまだ問題としてあるため、子どもの自殺は減っていない。カウンセリング室に行くことがいじめの原因にもなり得るから利用できない実態もあるので、プライバシーを守れる仕組みが必要。学校外の相談場所を整備する必要がある。また、精神科的なスクリーニング検査も必要かもしれない。(松井構成員)
  6. 適切な精神保健医療福祉サービスを受けられるようにする
    • 思春期の子どもを専門とする精神科医を政策的に育成することが必要。現状は紹介しても1ヶ月以上待つことが多い。(松井構成員)
    • 大綱の取組があり、11年連続で自殺者数が減少してきたことは評価している。その中で昨年増えた子どもの自殺増については、子どもを専門的に診る精神科医の不足、女性の自殺増については日頃のコミュニケーション機会が喪失したことが原因と考えている。児童精神科医の拡充が必要だろう。(三木構成員)
    • かかりつけ医の話に付随して、コロナ禍でより精神科にかかりにくい状況にあったと思うので、かかりつけ精神科医の推進を大綱上、位置づけて欲しい。精神科にかかりやすいシステムが必要ではないか。(三木構成員)
    • 絶望感からなんとか救済するために早めに相談いただく必要があるが、精神科の偏見が多く受診はハードルが高い。これまでの相談場所が受診勧奨するなど精神科につなぐための相談機関等があると良い。受診を勧めるための広報活動も必要。(松井構成員)
    • 自殺者のうちで精神疾患を経験をしている割合が高いものの、過半数は医療にかかっていないため、かかりつけ医を含めて、いかに地域医療が見る体制を作れるか議論が必要。(江澤構成員)
  7. 社会全体の自殺リスクを低下させる
    • 社会福祉法改正により、断らない相談支援体制づくりや孤立解消のための地域づくりが目標に掲げられているが、今後、自殺対策とどう連動していくのか具体策が乏しいと感じている。それぞれ自治体の担当部局も違うので、具体策を示して欲しい。(朝比奈構成員)
    • 孤立を防ぐ対策が必要。引きこもりを含め、アウトリーチの対策を強化していく必要がある。ワンストップの信頼できる相談窓口を充実させ、NPO等の支援団体につなぐ仕組みを作ることが重要。(山脇構成員)
    • 他施策との関連はしっかりと考える必要があり、特に孤立対策との連携は重要。政府が連携の枠組みを示すことによって、現場で関係部署同士が連携しやすくなるので、今回の大綱の見直しにおいても、自殺対策と他の関連施策との連携の枠組みを示すべき。(根岸構成員)
    • 再犯防止の取組をしていて、自殺にカウントされない路上死等をしていることもあるのではないかと感じている。この人たちも視野に入れていくべき。(朝比奈構成員)
    • 救済活動等についてのさらなる広報活動の充実をお願いしたい。(松井構成員)
    • 子どもたちの孤独感が高まっているような社会環境に加え、ネット上で、自殺の手段が書かれた書籍が販売されていたり、簡単に方法が調べられたり、自殺を肯定するような動画配信があったりと子どもたちが自殺リスクを高める危険な情報に曝露されている。WHOの報道や映像作成等のガイドラインについて一方的な周知だけでなく、対話を進められるような取り組みも必要。(伊藤構成員)
    • 著名人の自殺が起きた時に、どのような具体的な対策ができるのか。(江澤構成員)
    • 自殺サイトへのアクセス者の対応等、ネット被害の強化も必要。(江澤構成員)
    • 前回の大綱制定後に座間事件があって、SNS相談が始まったので、現大綱には盛り込まれていない。自治体との連携や今後の発展も含めて、大綱に盛り込む必要がある。(根岸構成員)
    • 個別事例の積み重ねで発展するものだと思うので、SNS相談で自殺を防げた事例があったら共有して欲しい。個々の分析の積み重ねが重要。(江澤構成員)
    • 高齢者はコロナ禍における社会的孤立や、精神面・ADLの低下等も懸念されるので議論が必要。(江澤構成員)
    • コロナ禍の影響は非正規労働者を直撃したため、雇用不安の解消が必要(山脇構成員)
  8. 遺された人への支援を充実する
    • 遺族支援の記載が大綱上少ない。(田中構成員)
    • 遺族支援という観点で大綱を見ると、予防の観点に比べて記述が少ない。予防と遺族支援が連動することが求められる。(山口構成員)
    • 特に若者の自殺について、友人が自殺して遺された経験をした子ども達をどう支援していくのか、自殺予防の教育の在り方を広い視点で、文科省に考えて欲しい。(山口構成員)
    • いじめが起きると学校に第三者構成員会が設置されるが、児童の心情を害する調査が行われているため、留意が必要。(生越構成員)
    • プライバシー保護の観点から、補助事業、交付金や公金を使って行うイベントをする際の主催者向けの注意事項やガイドラインのようなものを今後作成するべき。(根岸構成員)
    • 事故物件を掲載しているサイトについて、基本は賃貸借物件が対象だが、個人所有住宅の事件もアップしており、購入後も公開されている。プライバシー侵害、名誉の問題ではないかと考えるため、対応について議論が必要。(生越構成員)
    • 鉄道の問題について、ゲート設置については取組を評価するが、警察側が、例えば御遺族に対して法的支援に関する情報をお伝えすることで遺族支援ができないか。また、鉄道会社の損害賠償請求について曖昧な部分が多く、人件費を請求できるか等は整理されていない実態があるため、ガイドライン等の整備ができないかと考えている。(生越構成員)
    • 研究ついでの遺族支援はやめて欲しい。希望しない人もいる。しっかりと情報を聞く前に承諾を得て、承諾を得られた方のみデータを活用するようにして欲しい。また、情報提供の範囲を絞るべき。(田中構成員)
    • 警察の強引な事情聴取、自殺したご遺体の検案料の高さ、事故物件の損害賠償請求など、数多くの問題があるため、省庁横断的な対策が必要。(田中構成員)
  9. 民間団体との連携を強化する
    • 多機関協働の支援を実現するためにも自治体と民間の相談窓口のネットワーク機能を充実する必要がある。全国的に日頃から情報交換ができるといい。(中山構成員)
  10. 子ども・若者の自殺対策を更に推進する
    • 若者の自殺増は、コロナ禍のステイホームが一部の人を追い込んだものと考えられる。特に10代後半の子どもで家庭基盤が脆弱な者に対する政策が脆弱。現在も居場所づくり支援などを実施しているが、児童福祉として具体性をもった取組の強化が必要。(朝比奈構成員)
    • 福岡県スクールカウンセラーをやっていて、緊急支援で学校に入ることがあるが、今の高校・中学の2年生は進学してから2年間コロナ禍で、学校行事や部活などが思うようにできず、クラスで何かをするという経験がないため、横のつながりがない。感情の出し方が薄く、これまでと異なる印象。こういった生徒達の心のケアは強化する必要がある。(向笠構成員)
    • DVが増加している一方、児童虐待が減少しているデータがあり、子どもたちの訴えが届きにくい環境になっているのではと思われる。(江澤構成員)
    • 前回有識者会議にて、文科省より自殺予防教育の周知は行っているという回答をもらったが、先生への周知だけでなく、生徒への周知の仕方までも含めた具体策をもって行って欲しい。(向笠構成員)
    • スクールカウンセラーの配置は進んでいるが、いじめや担任の無理解はまだまだ問題としてあるため、子どもの自殺は減っていない。カウンセリング室に行くことがいじめの原因にもなり得るから利用できない実態もあるので、プライバシーを守れる仕組みが必要。学校外の相談場所を整備する必要がある。また、精神科的なスクリーニング検査も必要かもしれない。(松井構成員)
    • 「子どもの自殺危機対応チーム」の取組も進めていければと思う。自殺対策については学校だけでは対応が難しい。学校だけではなく、専門家のアドバイスが効果的。協力を得ながら実施する視点も必要。(松本構成員)
    • 自殺者数と「学校行きたくない」検索数との相関があるとのことだが、学校が危機的状況にあると思われるので、いじめ対策も含めた踏み込んだ対策が必要。(江澤構成員)
  11. 勤務問題による自殺対策を更に推進する
    • 働き方改革やワークライフバランスの推進に取り組んできており、コロナ禍でニューノーマルな働き方が増えてきている現在も、法令遵守の基本が大事。(明石構成員)
  12. 現大綱の柱以外でのご指摘
    • 女性対策の強化が必要。非正規労働者は女性が中心である。また、コロナ禍でDVも増加しており、NPOとの連携も含めた相談窓口の充実が必要。(山脇構成員)
    • 女性の自殺増の原因で表面上は健康問題が多く、背景には色々な問題があると思うが、どの問題でも「絶望感」が自殺リスクを高めていると考えているので、ハローワークや保健所で経済的な問題と同時に精神的なフォローをするなど更なる支援が必要。(松井構成員)
    • 周産期に関して、若い女性に対しての支援がまだ不足しているのではないか、コロナ禍ではSNS相談なり電話相談なりができると良い。(三木構成員)
    • コロナの後遺症に苦しむ方は脱力感等を感じてはたらけない人もいる、自殺のハイリスクであると思うので、対応が必要。(三木構成員)
    • コロナ禍の影響は非正規労働者を直撃したため、雇用不安の解消が必要(山脇構成員)
    • コロナ陽性者と自殺者数の逆相関について、個人的には陽性者が増大する時期は人流の抑制を強化する時期でもあるため、自殺者数との関連性があるのか、コロナ対策(人流抑制等)の影響についても検討すべき。関係があるのであれば、コロナ対策への提言も必要。(中山構成員)
    • 福岡県スクールカウンセラーをやっていて、緊急支援で学校に入ることがあるが、今の高校・中学の2年生は進学してから2年間コロナ禍で、学校行事や部活などが思うようにできず、クラスで何かをするという経験がないため、横のつながりがない。感情の出し方が薄く、これまでと異なる印象。こういった生徒達の心のケアは強化する必要がある。(向笠構成員)
▼資料2 見直しに向けた検討の視点
  • 見直しに向けた検討の視点 ※自殺の動向や課題について、前回の会議でのご意見を踏まえて事務局において整理したもの。
    • 令和2年に増加した女性の自殺について、どのような取組が必要か。
    • 増加傾向にある児童・生徒の自殺について、どのような取組が必要か。
    • 自殺防止に関する相談体制の拡充を進めているが、質や量の観点から大幅な拡充は難しい課題があるが、どのような対策が考えられるか。
    • 電話やSNSによる相談窓口を設けてきたが、その情報を必要とする方に届けるために、どのような取組が必要か。
    • 自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐための対策について、どのような取組が必要か
    • 遺された方々への支援について、どのような取組が必要か。
    • インターネット上の自殺関連情報対策、自殺報道への対応について、どのような取組が必要か。
    • その他、検討することが必要な点はあるか。

~NEW~
厚生労働省 これからの労働時間制度に関する検討会 第7回資料
▼資料3-2 これまでの構成員の主なご意見
  • 総論(制度の意義等)
    • 個々の労働者が自らの知識、技術や創造的な能力を活かして具体的な成果に反映させていくことが求められる業務における、自由度の高い働き方に対応した制度の在り方という視点で考えていくことが必要。そのような自由度の高い働き方は、適切な制度の下で行われると、働く側、企業・事業者双方にメリットがあるのではないか。
    • 裁量労働制のほかに、管理監督者あるいは高度プロフェッショナル制度、フレックスタイム制、事業場外労働に対しても、例えば、テレワークみたいなものを視野に入れると、その他の裁量的な働き方との関わりはそれなりに深いので、そのような制度も視野に入れた上で全体として内容的にも適切で、全体的な整合性の取れた制度を考えるという視点が大事ではないか。
    • 裁量労働制の位置づけを労働時間制度の全体の中で考えていく必要があるのではないか。労働法上の位置づけや整理とは別に、企業の立場からすると、裁量労働制は様々な労働時間管理の中の一つのオプションであり、どういう人にこの裁量労働制を使ってほしいのか、フレックスタイム制度よりもさらに自由度の高い働き方であるなど、労使に対して裁量労働制の位置づけを分かりやすく示す必要があるのではないか。
    • 裁量労働制の趣旨としては、労働者自身の健康状態に合わせることができる、また、家庭の事情などに合わせることができるという意味で、マイペースを大事にする労働者にとっても魅力的な制度ではないか。
    • 労使ともに裁量労働制の本来の趣旨をちゃんと理解し、きちんと使っているところと、少し逸脱してしまっているところがあるのではないか。本来の裁量労働の働き方とは違う働き方を強いられている人たちに対して、何らかの支援、ある種の歯止めをかけていく必要があるのではないか。
    • 働き過ぎによる健康被害の防止という点はしっかり確保する、その中で効率性の高い働き方を実現していく、濫用的な使い方に適切な規制をかけるといった点などが重要ではないか。メリットがあること、大きなデメリットを生じさせないようにするというところを意識することが必要ではないか。
    • 対象になる労働者に関する要件、裁量性の要件が特に重要ではないか。自由度が十分に発揮できなくなる可能性なども視野に入れた上で裁量性の要件を考えるとともに、健康確保措置の在り方、賃金等についての額や決め方なども検討の対象ではないか。
    • 手続に関しては、集団的な合意の枠組み、個別的な同意の枠組み、記録の作成・保存、関係する様々なものの行政機関への届出、周知などが課題ではないか。
    • 今後は、コロナ前には想定していなかった大きな変化が現在の労働市場に起こっていることを踏まえた上で、どのような法制度の整備が必要になるかを考えていく必要があるのではないか。
  • 労働時間
    • 健康を害するような労働時間にならないように、そういうことが起こらない制度を基本に考えていくことが大切ではないか。
    • みなし時間制度、とりわけ、裁量労働制のみなし時間制度の場合は、実労働時間ではなくてみなし労働時間制を取ることによって、自由度の高い働き方を認めようという考え方から導入されたことは念頭に置くべきではないか。
  • 健康・福祉確保措置
    • 労働者の健康確保については、労働者自身も、正しい知識、認識、自律的な行動が必要ではないか。
    • 健康確保を行っていくことと労働生産性の向上は必ずしも背反しないのではないか。
  • 処遇・評価
    • 労働意欲、モラルといったものも労働者の健康と関連するということが分かっており、例えば、一生懸命頑張っているが十分な評価が得られないといったことが心身の不調が発生するストレス要因になることが示されている。健康問題に関わることとして、正当な評価がなされるかどうかという視点もあるのではないか。
    • 本来割増賃金を支払うべき労働時間を経営側が減らしたいというときに、裁量労働制が使われているという実態も一部あるようであり、その点をどう考えるのかも課題の一つではないか。
    • 裁量労働制の特別手当というものがどういう趣旨の手当なのかという整理が必要ではないか。
    • 裁量労働制の労働者の不満の内容が、みなし時間と実働で乖離があり、その分の割増賃金をもらっていないということなのか、そうでないのかということが重要ではないか。
    • 裁量労働制の理解の仕方がいろいろと違っているようだ。時間外手当の簡便な払い方を可能とする制度だと理解して、実働時間に対する時間外労働は幾らとなるかを逐一チェックすることなくざっくり決めることを許容する制度と受け取る向きもある。これは実働時間に比例して割増賃金が支払われるべきことを前提としているが、もともと裁量労働制を導入したときには、時間比例で賃金を支払うのが合理的でない働き方に対して、時間の縛りを取り払ったほうが労使双方にとってよい制度となるのではないかという議論であった。裁量労働というのはどういう目的の制度なのかということを改めて確認する必要があるのではないか。
  • 集団的労使コミュニケーション
    • 自由度の高い柔軟な働き方の導入過程について、この導入過程をうまく進めないと、そのあとで柔軟な働き方を現場で実践するのは難しいのではないか。裁量労働制に関しても、経営にとっては生産性が向上する、労働者にとってはワーク・ライフ・バランスが実現するといった双方にとってのメリットは指摘されているが、そもそも裁量労働制を何のために導入するのかというところが、労使の間できちんと合意できていないといけないのではないか。
  • 導入後の運用
    • 労働時間管理の重要なところは職場での運用段階ではないか。実際に職場も変わるし、取引先も変わる、仕事の内容も変わっていくという中で、事前の想定とは違った状態になったときにそれをチェックできる、それに気づいて是正していく仕組みが必要ではないか。例えば裁量労働制であれば、当初想定されていた裁量が実現できていない、あるいは想定していた労働時間を超えているなど、そういったことを把握したら放置せず、適用対象から除外する、そして問題を解決したらまた戻すなど、運用段階でのチェックとその改善策が必要ではないか

~NEW~
総務省 2021年(令和3年)科学技術研究調査結果
▼結果の要約
  • 科学技術研究費の動向
    • 2020年度の科学技術研究費の総額は,19兆2365億円(対前年度比1.7%減)で,4年ぶりの減少
    • 国内総生産(GDP)に対する研究費の比率は,3.59%と前年度に比べ0.08ポイント上昇
    • 2020年度の研究費を研究主体別にみると,企業が13兆8608億円(研究費全体に占める割合72.1%),大学等が3兆6760億円(同19.1%),非営利団体・公的機関が1兆6997億円(同8.8%)
  • 研究者数の動向
    • 2021年3月31日現在の研究者数は,89万500人(対前年度比1.1%増)で,5年連続で増加し,過去最多
    • 研究者1人当たりの研究費は,2160万円(対前年度比2.8%減)で,2年連続の減少
    • 女性研究者数(実数)は,16万6300人(対前年度比4.6%増)で過去最多,研究者全体に占める割合は17.5%(前年度に比べ0.6ポイント上昇)と過去最高

~NEW~
総務省 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和3年度第2四半期(9月末))
  • 移動系通信(注:契約数については、特段の記載がない限り、グループ内取引調整後の数値。)
    1. 移動系通信(携帯電話・PHS・BWA)
      • 移動系通信(携帯電話、PHS及びBWA。以下同じ。)の契約数:1億9,847万(前期比+0.8%、前年同期比+4.2%:単純合算では2億7,569万)
      • 携帯電話の契約数:1億9,785万(前期比+0.9%、前年同期比+4.6%)
      • 3.9-4世代携帯電話(LTE)の契約数:1億4,633万(前期比▲2.2%、前年同期比▲8.1%)、5世代携帯電話の契約数:2,922万(前期比+30.2%、前年同期比+2,843万)
      • PHSの契約数:49万(前期比▲14.5%、前年同期比▲59.9%)
      • BWAの契約数:7,727万(前期比+1.7%、前年同期比+4.9%)
      • 移動系通信の契約数における事業者別シェア:
        • NTTドコモ:36.8%(前期比、前年同期比とも▲0.1ポイント、MVNOへの提供に係るものを含めると42.0%)
        • KDDIグループ:27.0%(前期比▲0.1ポイント、前年同期比▲0.6ポイント、MVNOへの提供に係るものを含めると30.6%)
        • ソフトバンク:21.0%(前期比▲0.1ポイント、前年同期比▲0.5ポイント、MVNOへの提供に係るものを含めると25.3%)
        • 楽天モバイル:2.1%(前期比+0.2ポイント、前年同期比+1.5ポイント)
    2. MVNO((1)の内数)
      • MVNOサービス※の契約数:2,619万(前期比+0.8%、前年同期比+2.3%)
      • 移動系通信の契約数に占める比率:13.2%(前期比±0ポイント、前年同期比▲0.2ポイント)
        • ※MNOが、同じグループに属する他のMNOの提供する移動通信サービスを利用して提供するものを除く。
  • 固定系通信
    1. データ系通信
      • 固定系ブロードバンドサービスの契約数:4,335万(前期比+0.6%、前年同期比+3.3%)
      • 固定系超高速ブロードバンドサービス※1の契約数:4,059万(前期比+1.1%、前年同期比+5.1%)
      • FTTHの契約数:3,599万(前期比+1.3%、前年同期比+5.6%)
      • FTTHの契約数における事業者別シェア(設備設置事業者別〔卸電気通信役務※2の提供に係るものを含む。〕):
        • NTT東日本・西日本(以下「NTT東西」という。):64.0%(前期比▲0.2ポイント、前年同期比▲1.0ポイント)
        • KDDIグループ:11.4%(前期比▲0.1ポイント、前年同期比▲0.5ポイント)
        • オプテージ:4.4%(前期比±0ポイント、前年同期比▲0.2ポイント)
      • FTTHの契約数における事業者別シェア(サービス提供主体別):
        • NTT東西:19.8%(前期比▲0.5ポイント、前年同期比▲2.3ポイント)
        • NTTドコモ:20.0%(前期比±0ポイント、前年同期比+0.1ポイント)
        • KDDIグループ:9.6%(前期比±0ポイント、前年同期比▲0.1ポイント)
        • ソフトバンク:11.8%(前期比+0.1ポイント、前年同期比+0.6ポイント)
      • FTTHの契約数のうち、卸電気通信役務を利用して提供される契約数は1,935万。このうち、NTT東西の卸電気通信役務を利用して提供される契約数は1,591万であり、FTTHの契約数に占める比率は44.2%(前期比+0.3ポイント、前年同期比+1.3ポイント)
        • 1 FTTH及び通信速度下り30Mbps以上のCATVインターネット(同軸・HFC)の合計。
        • 2 電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信役務。
    2. 音声系通信
      • 固定電話の契約数:5,237万(前期比▲0.4%、前年同期比▲1.7%)
      • 固定電話の契約数におけるNTT東西のシェア:64.8%(前期比▲0.1ポイント、前年同期比▲0.7ポイント)
      • IP電話の利用番号数:4,504万(前期比+0.5%、前年同期比+0.9%)、このうち、0ABJ番号の利用数は3,580万(前期比+0.2%、前年同期比+1.0%)
      • IP電話に係る0ABJ番号の利用数における事業者別シェア:
        • NTT東西:52.5%(前期比+0.1ポイント、前年同期比±0ポイント)
        • KDDIグループ:32.1%(前期比▲0.1ポイント、前年同期比▲0.8ポイント)

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