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  • マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)(金融庁)/第94回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/アジャイル・ガバナンスの概要と現状(経産省)/責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン(案)に対する意見募集(経産省)

危機管理トピックス

マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)(金融庁)/第94回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/アジャイル・ガバナンスの概要と現状(経産省)/責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン(案)に対する意見募集(経産省)

2022.08.15
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更新日:2022年8月15日 新着37記事

マネー・ローンダリングのイメージ画像

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

首相官邸
  • 基本方針
  • NPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議における岸田内閣総理大臣一般討論演説
法務省
  • 法制審議会 第2回会議(令和4年8月9日開催)
  • 法制審議会 第1回会議(令和4年7月27日開催)
金融庁
  • 夏季の長期休暇において実施いただきたい対策について(注意喚起)
  • 「マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)」の改訂版公表について
  • 自然災害ガイドライン(コロナ特則含む)に関する注意喚起について
国民生活センター
  • PIO-NETにみる2021年度の消費生活相談の概要
  • 2021年度の越境消費者相談の概要-越境消費者センター(CCJ)で受け付けた相談から-
  • 2021年度訪日観光客消費者ホットラインに寄せられた相談のまとめ
  • 老人ホームなどの入居権を譲ってという電話は詐欺です
  • SNSやマッチングアプリ、友人・知人からの誘いをきっかけとした暗号資産のトラブル-その話、うのみにしないで-
  • 指の消毒剤 噴霧するときは気を付けて!
  • “推し”に会えない!?転売チケットの購入トラブルが急増中!
厚生労働省
  • 厚生労働省 第94回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年8月10日)
  • 第93回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年8月3日)
  • 令和4年度第1回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(ペーパーレス) 資料
経済産業省
  • 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
  • 「アジャイル・ガバナンスの概要と現状」報告書を取りまとめました
  • 責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン(案)に対する意見募集について
  • カルタヘナ法に基づく行政処分を行いました
  • 第3回 コロナ禍を踏まえたデジタル・ガバナンス検討会
  • 「東京GXウィーク」を開催します
  • 日野自動車(株)の排出ガス・燃費性能試験における不正行為について事実関係の究明等の指示等を行いました
総務省
  • 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和4年1月1日現在)
  • 「ICTサイバーセキュリティ総合対策2022」(案)に対する意見募集の結果及び「ICTサイバーセキュリティ総合対策2022」の公表
  • 販売代理店の業務の適正性確保に向けた指導等の措置の実施及び苦情相談の処理における体制の強化に向けた取組に係る要請
  • 特定利用者情報の適正な取扱いに関するワーキンググループ(第4回)
  • KDDI株式会社及び沖縄セルラー電話株式会社に対する電気通信事故に関する適切な対応についての指導
国土交通省
  • 「統計品質改善会議」の設置について
  • ANAウイングス株式会社に対する厳重注意について
  • 働きやすい職場認証制度」二つ星を新たに導入します!~バス、タクシー、トラック事業者のより高い水準への移行を促進~
  • 日本式コールドチェーン物流サービス規格の世界初の認証取得について~JSA-S1004 認証証書授与式が開催されました~
  • バイオ燃料を使用した実証試験を実施します~船舶の更なる脱炭素化の実現・バイオ燃料の利用促進に向けて~

~NEW~
関東財務局 ペッツベスト少額短期保険株式会社に対する行政処分について
  • 行政処分の内容
    • 保険業法第272条の26第1項第4号(業務停止命令)
      • 令和4年8月11日から令和4年10月10日までの間(ただし、当社の保険金等支払の正常化が図られ、その状況が業務改善命令(令和4年6月10日付)に基づく報告により確認される場合には、それまでの間)、少額短期保険業に係る業務のうち新契約の募集及び締結並びに契約更新にかかる業務(当局が保険契約者等の保護の観点から必要とされる業務として個別に認めたものを除く。)を停止すること。
  • 処分の理由
    • 以下に掲げる当社の状況は、保険業法第272条の26第1項第4号に規定する「法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき」及び「第272条の2第2項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき」に該当すると認められる。
      1. 保険金等支払遅延の発生について
        • 当社は、普通保険約款(ペット医療保険(ペットネーム:獣医師がつくったペットのための医療保険)及び新ペット医療保険(ペットネーム:セレクトBEST)(以下、これらを「当該保険」という。)に係る普通保険約款)において、保険金の請求書及び必要書類を受領した日から、その日を含めて原則15営業日以内に、必要な確認を行ったうえで、保険金等を支払う旨を定めている。
        • こうしたなか、当社において、当該保険に関し、保険金等支払遅延(調査が必要な請求等を除き、普通保険約款に定める期日以内に保険金等の支払が行われていないものをいう。以下同じ。)の発生が認められたことから、当局は、保険業法第272条の22第1項に基づき、令和3年12月1日付及び令和4年3月15日付並びに令和4年5月25日付で、その発生原因や解消策について報告を求めた。
        • これに対し、当社は、当局あてに提出した報告において、保険契約者等からの保険金請求に対する査定手続き等に対応するための人員不足及び保険収支の悪化等により保険金等支払遅延が発生しているとしたうえで、人員の確保による保険金等支払管理態勢の構築、あわせて、外部からの資金調達を行うことにより保険金等支払遅延の早期解消を図るとしたが、その後においても適切に査定を進めるための十分な態勢の構築に至っていないほか、当該資金調達が不調に終わったこと等により、支払遅延を解消することなど適切な改善は為されなかった。(当該保険にかかる保険金等支払遅延は、令和4年4月末時点で3,641件(支払必要見込額約2億円)。)
      2. 令和4年6月の行政処分と当社の対応について
        • 上記(1)の状況は、保険金等の支払管理について重大な問題があり、少額短期保険業を的確に遂行するに足りる人的構成を有しないおそれがあるほか、保険業法第272条の2第2項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反する状況と認められたことから、当局は、令和4年6月10日、保険業法第272条の26第1項第4号に基づき新契約の募集及び締結並びに契約更新にかかる業務の停止を命ずるとともに、保険業法第272条の25第1項に基づく業務改善命令において、保険金等の支払遅延を令和4年7月24日までに解消することのできる改善策及び支払計画を策定し実行すること等を命じたところである。
        • これに対し、当社は、第三者割当増資等による外部からの資金調達により支払資金を確保し、令和4年7月24日までに保険金等支払遅延の解消を図るとした業務改善計画を策定し、令和4年6月24日付で当局に提出したものの、計画終期となる令和4年7月24日においても保険金等の支払遅延は解消されておらず、令和4年8月1日付の当社報告によれば、令和4年7月24日時点において、依然として4,080件(保険金支払必要予定額:約2億円)の保険金等支払遅延が認められるなど、業務改善命令に基づく業務改善計画が未達となっている。さらに、業務改善計画で実行するとしていた外部からの資金調達も実現していないことから、現状、支払遅延を確実に解消する見通しが立たない状況となっている。

~NEW~
警察庁 令和4年6月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
  • 令和4年1月~6月における特殊詐欺全体の認知件数は7,491件(前年同期6,806件、前年同期比+10.1%)、被害総額は148.8憶円(130.1億円、+14.4%)、検挙件数は2,881件(3,064件、▲6.0%)、検挙人員は1,061人(1,103人、▲3.8%)
  • オレオレ詐欺の認知件数は1,695件(1,423件、+19.1%)、被害総額は49.7憶円(39.5億円、+25.8%)、検挙件数は752件(639件、+17.7%)、検挙人員は408人(323人、+26.3%)
  • 預貯金詐欺の認知件数は1,062件(1,379件、▲23.0%)、被害総額は12.1憶円(18.5憶円、▲34.6%)、検挙件数は653件(1,121件、▲41.7%)、検挙人員は246人(368人、▲33.2%)
  • 架空料金請求詐欺の認知件数は1,167件(995件、+17.3%)、被害総額は39.5憶円(31.1憶円、+27.0%)、検挙件数は87件(128件、▲32.0%)、検挙人員は53人(63人、▲15.9%)
  • 還付金詐欺の認知件数は2,054件(1,736件、+18.3%)、被害総額は23.8憶円(19.7憶円、+20.9%)、検挙件数は356件(242件、+47.1%)、検挙人員は71人(51人、+39.2%)
  • 融資保証金詐欺の認知件数は58件(87件、▲33.3%)、被害総額は1.1憶円(1.4憶円、▲23.9%)、検挙件数は18件(11件、+63.6%)、検挙人員は16人(8人、+100.0%)
  • 金融商品詐欺の認知件数は13件(18件、▲27.8%)、被害総額は0.9憶円(1.1憶円、▲11.9%)、検挙件数は4件(6件、▲33.3%)、検挙人員は9人(8人、+12.5%)
  • ギャンブル詐欺の認知件数は26件(38件、▲31.6%)、被害総額は2.1憶円(1.1憶円、+86.2%)、検挙件数は9件(1件、+800.0%)、検挙人員は8人(1人、+700.0%)
  • キャッシュカード詐欺盗の認知件数は1,398件(1,117件、+25.2%)、被害総額は19.4憶円(17.6憶円、+10.6%)、検挙件数は999件(911件、+9.7%)、検挙人員は240人(279人、▲14.0%)
  • 口座開設詐欺の検挙件数は347件(340件、+2.1%)、検挙人員は184人(201人、▲8.5%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は1,457件(1,066件、+36.7%)、検挙人員は1,149人(837人、+37.3%)、携帯電話契約詐欺の検挙件数は40件(90件、▲55.5%)、検挙人員は42人(79人、▲46.8%)、携帯電話不正利用防止法違反の検挙件数は6件(12件、▲50.0%)、検挙人員は3人(11人、▲72.7%)、組織犯罪処罰法違反の検挙件数は59件(63件、▲6.3%)、検挙人員は10人(14人、▲28.6%)
  • 被害者の年齢・性別構成の特殊詐欺全体について、60歳以上91.8%、70歳以上73.3%、男性(25.6%):女性(74.4%)、オレオレ詐欺について、60歳以上98.3%、70歳以上96.0%、男性(19.6%):女性(80.4%)、融資保証金詐欺について、60歳以上14.3%、70歳以上0%、男性(89.8%):女性(10.2%)、特殊詐欺被害者全体に占める高齢被害者(65歳以上)の割合について、特殊詐欺 87.5%(男性22.8%、女性77.2%)、オレオレ詐欺 97.9%(19.3%、80.7%)、預貯金詐欺 98.4%(10.6%、89.4%)、架空料金請求詐欺 50.3%(53.9%、46.1%)、還付金詐欺 90.0%(29.7%、70.3%)、融資保証金詐欺 8.2%(100.0%、0.0%)、金融商品詐欺 30.8%(75.0%、25.0%)、ギャンブル詐欺 50.0%(61.5%、38.5%)、交際あっせん詐欺 0.0%、その他の特殊詐欺 37.5%(100.0%、0.0%)、キャッシュカード詐欺盗 98.7%(12.8%、87.2%)

~NEW~
会計検査院 雇用調整助成金等及び休業支援金等の支給に関する事後確認の実施について」
▼報告のポイント
  • 雇用調整助成金等及び休業支援金等の事後確認(処置要求) 3億1719万円(指摘金額)
    1. 厚生労働省による事後確認の概要等
      • 厚生労働省は、雇用調整助成金等及び休業支援金等の支給の迅速化のために支給決定の際に行う審査(事前審査)の迅速化等を行う一方で、適切な支給を確保するために、支給後に不正受給の有無等の確認(事後確認)に取り組む
      • 厚生労働本省は、不正受給への対応を強化するために、各労働局に対し、令和3年10月、雇用調整助成金等の支給を受けた事業主の事業所を訪問して行う実地調査に取り組むことなどとする通知を発出
    2. 検査の結果
      • 労働局が実地調査を実施できる対象には限りがあるなどの事情を踏まえつつ、事後確認が適切に実施されているかなどに着眼して、2、3両年度に支給決定された雇用調整助成金等及び休業支援金等を対象として検査
      • データが十分に活用されておらず、雇用調整助成金等と休業支援金等を重複して支給している事態(重複支給)の有無に関する事後確認が適切に行われていない等(指摘金額1億6133万円)
      • データが十分に活用されておらず、休業支援金等について二重に支給している事態(二重支給)の有無に関する事後確認が行われていない等(同2271万円)
      • 実地調査の対象とする事業主の範囲がリスクの所在等を踏まえて設定されておらず、対象範囲外の事業主に雇用調整助成金等の不正受給が見受けられている(同1億3315万円)
    3. 要求する処置
      • 保有するデータを活用するなどして重複支給の有無を事後確認することなどとして、それらの具体的な方法を策定すること等
      • 保有するデータを活用するなどして二重支給の有無を事後確認することとして、その具体的な方法を策定すること等
      • リスクの所在等に十分に留意して実地調査の対象とする事業主の範囲を設定することとする見直しを行い、リスクの程度を適切に評価することにより付した優先度に基づき実地調査の対象とする事業主を選定することとして、その具体的な方法を策定すること
  • 検査の結果(1)
    • データが十分に活用されておらず、重複支給の有無に関する事後確認が適切に行われていないなどの事態
    • 厚生労働省が保有するデータの分析により重複支給の可能性があるものを抽出可能
    • 本院が実際にデータを分析。その結果、1億0017万円の重複支給(指摘金額1億6133万円)
    • また、重複支給と関連して別に、雇用調整助成金の不正受給5227万円、休業支援金の不正受給838万円(指摘金額1億6133万円)
    • 要求する処置:保有するデータを活用するなどして重複支給の有無を事後確認することなどとして、それらの具体的な方法を策定すること等
  • 検査の結果(2)
    • データが十分に活用されておらず、休業支援金等について二重支給の有無に関する事後確認が行われていないなどの事態
    • 厚生労働省が保有するデータの分析により二重支給の可能性があるものを抽出可能
    • 本院が実際にデータを分析。その結果、2271万円の二重支給(指摘金額2271万円)
    • 要求する処置:保有するデータを活用するなどして二重支給の有無を事後確認することとして、その具体的な方法を策定すること等
  • 検査の結果(3)
    • 実地調査の対象とする事業主の範囲がリスクの所在等を踏まえて設定されておらず、対象範囲外の事業主に雇用調整助成金等の不正受給が見受けられている事態
    • カテゴリーⅢ(実地調査の対象範囲外の事業主のうち不正受給のリスクが相対的に高い事業主)から66事業主を抽出して検査 ⇒ 6事業主が計1億3315万円を不正受給(雇用している労働者はいないのに雇用したとするなど)
    • 9労働局による実地調査により不正受給が判明した割合 5.7%
    • 本院の検査により不正受給が判明した割合 9.0%
    • カテゴリーⅢにも不正受給が見受けられていて、カテゴリーⅢについても実地調査の対象に含めるようにしないと、不正な支給申請を行うリスクが想定される事業主が取り込まれないことになる
    • 要求する処置:リスクの所在等に十分に留意して実地調査の対象とする事業主の範囲を設定することとする見直しを行い、リスクの程度を適切に評価することにより付した優先度に基づき実地調査の対象とする事業主を選定することとして、その具体的な方法を策定すること

~NEW~
首相官邸 基本方針
  • 我が国は、内政も外交も幾重にも重なり合う多くの課題に直面している。この難局を乗り越えていくためには、国民の声を丁寧に聞きながら、国民の「信頼と共感」を得る政治を行わなければならない。
  • このことを肝に銘じながら、二度にわたる国政選挙において国民から頂いた信任を力に変え、「難局突破」と「政策断行」に邁進していく。
  • 特に、以下の6点に力を入れる。
    1. 新型コロナウイルス対策・感染症危機対応
      • 病床の確保、高齢者施設における療養体制の支援、検査体制の強化、治療薬の確保など、医療体制を維持・強化しながら、ワクチン接種を更に促進し、引き続き最大限の警戒を保ちつつ、社会経済活動の回復に向けた取組を進める。
      • 平時から必要な医療提供体制を確保し、有事に確実に機能することを担保するとともに、ウイルスの特性を踏まえた感染拡大防止策や医療保健体制の見直しを進める。
      • 次の感染症危機に備え、感染の初期段階から、より迅速かつ効果的に対策を講じるため、司令塔機能や医療保健体制を強化する。
    2. 世界的な物価高騰などのリスクへの対応
      • 世界的な物価高騰に対しては、地域の実情に応じたきめ細かな支援や、物価上昇のほとんどを占めるエネルギーや食料に集中した対策などを切れ目なく講じるとともに、エネルギー安定供給や、懸念される世界的景気減速などのリスクに対し、機動的に対応できるよう万全の構えで臨み、国民生活や事業活動を守り抜く。
    3. 新しい資本主義の実現
      • 人への投資、科学技術・イノベーション、スタートアップ、脱炭素、デジタル化などの社会的課題に官民の投資を集め、力強い成長を実現させるとともに、持続的な賃上げや全世代型社会保障制度の実現を図ることで、成長と分配の好循環を実現し、持続可能で包摂的な経済社会を創り上げる。
    4. 国民を守り抜く、外交・安全保障
      • 「力」により現実が決まるという状況を断固として拒否し、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜き、ロシアによるウクライナ侵略により終わりを告げたポスト冷戦期の次の時代の国際秩序を作り上げるために貢献していく。
      • そのために、日米同盟を基軸とし、「自由で開かれたインド太平洋」を強力に推進するなど、同盟国・同志国との関係強化や、大国間の競争から距離を置こうとする国々との関係強化などに取り組む。
      • また、グローバルガバナンスについて、安保理改革を含む国連の機能強化や、「核兵器のない世界」に向けた現実的なアプローチを推進する。
      • 同時に、一段と厳しさを増す我が国の安全保障環境に対応するため、新たな国家安全保障戦略等の検討を加速し、防衛力を抜本的に強化する。
      • 「すべての拉致被害者を必ず取り戻す」との決意の下、拉致問題の完全解決に向けて、政府一体となって、総合的に取り組む。
    5. 危機管理の徹底
      • 万一、大規模な自然災害やテロなど、国家的な危機が生じた場合、国民の生命と財産を守ることを第一に、政府一体となって、機動的かつ柔軟に全力で対処する。
      • そのために、「常に最悪を想定し」平素から準備に万全を期す。
    6. 東日本大震災からの復興・国土強靱化、「強い沖縄経済」の実現
      • 東北の復興なくして日本の再生なしとの強い思いの下、被災者に寄り添い、被災者支援、農業・生業の再生、福島の復興・再生に全力を尽くすとともに、災害に強い地域づくり・国土強靱化を一層推進する。また、本土復帰から50年を迎えた沖縄について、「強い沖縄経済」の実現に向け、振興策を総合的・積極的に推進する。

~NEW~
首相官邸 NPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議における岸田内閣総理大臣一般討論演説
  • スラウビネン議長、私は、今回のNPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議に強い危機感を持って、やって参りました。外務大臣として参加した2015年会議の決裂以降、国際社会の分断は更に深まっています。特に、ロシアによるウクライナ侵略の中で核による威嚇が行われ、核兵器の惨禍が再び繰り返されるのではないかと世界が深刻に懸念しています。
  • 「核兵器のない世界」への道のりは一層厳しくなっていると言わざるを得ません。しかし、諦めるわけにはいきません。被爆地広島出身の総理大臣として、いかに道のりが厳しいものであったとしても、「核兵器のない世界」に向け、現実的な歩みを一歩ずつ進めていかなくてはならないと考えます。そして、その原点こそがNPTなのです。
  • NPTは、軍縮・不拡散体制の礎石として、国際社会の平和と安全の維持をもたらしてきました。NPT体制を維持・強化することは、国際社会全体にとっての利益です。この会議が意義ある成果を収めるため、協力しようではありませんか。我が国は、ここにいる皆様と共に、NPTの守護者として、NPTをしっかりと守り抜いてまいります。「核兵器のない世界」という「理想」と「厳しい安全保障環境」という「現実」を結びつけるための現実的なロードマップの第一歩として、核リスク低減に取り組みつつ、次の5つの行動を基礎とする「ヒロシマ・アクション・プラン」にまずは取り組んでいきます。
  • まず、核兵器不使用の継続の重要性を共有すべきであることを訴えます。ロシアの行ったような核兵器による威嚇、ましてや使用はあってはなりません。長崎を最後の被爆地にしなければなりません。
  • 次に、透明性の向上です。これは、あらゆる核軍縮措置の基礎です。核兵器国に対し、核戦力の透明性の向上を呼びかけます。とりわけ、核兵器用核分裂性物質の生産状況に関する情報開示を求めます。これはFMCT(核兵器用核分裂性物質生産禁止条約)の交渉開始に向けたモメンタムを得る上で重要な一歩であると考えます。
  • 第三に、核兵器数の減少傾向を維持することです。世界の核兵器数は、冷戦期のピークから大きく減少しましたが、今なお1万数千発の核兵器が残されています。「核兵器のない世界」に歩みを進める上で、この減少傾向を継続することは極めて重要です。全核兵器国の責任ある関与を求めます。この観点から、一層の削減に向けた米露間の対話を支持し、また、核軍縮・軍備管理に関する米中間での対話を後押しします。CTBT(包括的核実験禁止条約)やFMCTの議論を、今一度呼び戻します。CTBTの発効を促進する機運を醸成すべく、9月の国連総会に合わせて、私は、CTBTフレンズ会合を首脳級で主催します。また、FMCTの交渉の早期開始を改めて呼びかけます。
  • 第四に、核兵器の不拡散を確かなものとし、その上で、原子力の平和的利用を促進していくことです。北朝鮮による新たな核実験が行われる懸念もある中、日本は、国際社会と協力して、北朝鮮の核・ミサイル問題に取り組んでいきます。また、イラン核合意の遵守も実現されておらず、日本は、対話の進展に向けて積極的に貢献していきます。原子力の平和的利用は、原子力安全と共に進めるべきものです。この度のロシアによる原子力関連施設への攻撃は決して許されるものではありません。日本は、2011年の事故の教訓を基に、被災地復興や廃炉に関連する様々な課題に取り組みます。国際原子力機関始め国際社会と協力し、内外の安全性基準に従った透明な取組を進めます。
  • 第五に、各国の指導者等による被爆地訪問の促進を通じ、被爆の実相に対する正確な認識を世界に広げていきます。この観点から、グテーレス国連事務総長が8月6日に広島を訪問することを歓迎します。また、国連に1千万ドルを拠出して「ユース非核リーダー基金」を設け、未来のリーダーを日本に招き、被爆の実相に触れてもらい、核廃絶に向けた若い世代のグローバルなネットワークを作っていきます。「核兵器のない世界」に向けた国際的な機運を高めるため、各国の現・元政治リーダーの関与も得ながら、「国際賢人会議」の第一回会合を11月23日に広島で開催します。また、2023年には被爆地である広島でG7サミットを開催します。広島の地から、核兵器の惨禍を二度と起こさないとの力強いコミットメントを世界に示したいと思います。
  • 私は一羽の折り鶴を折って、ここに持ってまいりました。広島平和記念公園の「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子さんが折り続けた折り鶴は、今や世界中で平和と「核兵器のない世界」を祈る象徴となっています。志を同じくする世界中の皆様と共に「核兵器のない世界」に向けて歩みを進めてまいります。

~NEW~
法務省 法制審議会 第2回会議(令和4年8月9日開催)
  • これまでの会議の議論を踏まえ、要綱(骨子)について審議がなされた。
  • 引き続き、採決が行われ、諮問第123号については、要綱(骨子)のとおり法整備をするのが相当である旨法制審議会(総会)に報告することが決定された。
  • 要綱(骨子)
    • 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第十三条第一項各号に掲げる財産は、不動産若しくは動産又は金銭債権でないときも、これを没収することができるものとすること

~NEW~
法務省 法制審議会 第1回会議(令和4年7月27日開催)
▼配布資料4 犯罪収益等の没収・追徴に関する近時の裁判例の概要
  1. 暗号資産が「金銭債権」に当たらないと判示した事例
    1. 事案の概要
      • 不正に流出した暗号資産について、被告人が、その情を知りながら収受したという犯罪収益等収受の事案。
    2. 第一審判決(令和3年3月30日・東京地方裁判所)
      • 第一審は、暗号資産につき、特段の判断を示すことなく、「本件犯行によって被告人が収受した暗号資産を没収することができないことから、その価額を追徴することになる」旨量刑の理由において判示したのみで、検察官の求刑どおり、追徴を言い渡した。
    3. 控訴審判決(令和3年8月4日・東京高等裁判所)
      1. 控訴審における争点
        • 弁護人は、控訴審において、被告人が収受した暗号資産が組織的犯罪処罰法16条所定の「没収することができない」財産に当たるという点について立証が尽くされていないのに原判決が追徴を言い渡した点に事実誤認があるとして争った。
      2. 判決要旨
        • 控訴審は、前記争点について、以下のとおり判示し、原判決に誤りはないと判断した。
          • そもそも暗号資産とは、資金決済に関する法律2条5項で定義される財産的価値であって、法定通貨と異なる単位によって表示される通貨類似の機能を有するデジタル的な価値の表象であり、不動産又は動産でないことはもとより、金銭債権でもないから、組織的犯罪処罰法13条1項の没収可能な財産には当たらず、同法16条1項によりその価額を追徴できることは明らかである。
  2. 暗号資産移転請求権が「金銭債権」に当たらないと判示した事例
    1. 事案の概要
      • 不正に流出した暗号資産について、被告人が、その情を知りながら収受したという犯罪収益等収受の事案。なお、被告人は収受した暗号資産の一部を暗号資産交換業者を利用して管理しており、捜査段階においては、被告人が暗号資産交換業者に対して有する暗号資産移転請求権を「仮想通貨等債権」として特定し、これを対象とする没収保全をしていた。
    2. 第一審判決(令和3年3月24日・東京地方裁判所)
      • 第一審は、前記「仮想通貨等債権」を金銭債権と認めて、没収を言い渡した(没収の可否が争点となったものではないため、この点について具体的理由の判示はなし。)。
    3. 控訴審判決(令和4年6月23日・東京高等裁判所)
      1. 控訴審における争点
        • 控訴審においては、被告人が暗号資産交換業者に対して有する暗号資産移転請求権(前記「仮想通貨等債権」)が「金銭債権」に該当するか否かが争点の1つとなった。
      2. 【判決要旨】
        • 以下のとおり判示し、被告人が暗号資産交換業者に対して有する暗号資産移転請求権(前記「仮想通貨等債権」)を金銭債権として没収した原審を破棄した。
          • 暗号資産は、通貨である日本銀行券や貨幣とは異なり、日本国内での強制通用力がなく、その移転を目的とする債権は、組織的犯罪処罰法13条1項にいう没収可能な金銭債権には当たらない。
          • 組織的犯罪処罰法16条1項により追徴することができるとされており、暗号資産の移転を目的とする債権が金銭債権に当たらないと解したとしても、妥当性を欠く結果とはならない。
          • 民事執行の実務においては、暗号資産の移転を請求する権利は、民事執行法上の金銭債権(民事執行法155条、民法402条)ではなく、その他の財産権(民事執行法167条1項)であるとされているから、組織的犯罪処罰法においても金銭債権ではないと解することは、こうした取扱いと整合する。
  3. 電子マネー利用権が「金銭債権」に当たらないと判示した事例(1)
    1. 事案の概要
      • 本件は、被告人が、他の共犯者と共謀の上、架空のコンテンツ利用料等を請求して、被害者からAmazonギフト券番号の教示を受けて、財産上不法の利益を得たという詐欺の事案。
    2. 判決要旨(平成31年1月23日・横浜地方裁判所)
      • 本件各犯行により被告人らが得た財産上の利益(電子マネー利用権)について「(組織的犯罪処罰法)13条1項1号の犯罪収益であり、犯罪被害財産であるが、不動産、動産及び金銭債権のいずれでもなく、没収することができない」と判示し、追徴を言い渡した。
  4. 電子マネー利用権が「金銭債権」に当たらないと判示した事例(2)
    1. 事案の概要
      • 本件は、被告人2名が、他の共犯者と共謀の上、架空のサイト利用料金等を請求して、被害者からnanacoギフトカードのギフトIDやWebMoneyギフトカードのプリペイド番号の教示を受けて、財産上不法の利益を得るなどしたという組織的詐欺の事案。
    2. 判決要旨(令和3年9月1日・東京地方裁判所)
      • 本件各犯行により被告人らが得た「nanacoギフトカード利用権及び…(中略)…WebMoneyギフトカード利用権は、いずれも、組織的犯罪処罰法13条1項1号の犯罪収益であり、組織的犯罪処罰法13条2項1号の犯罪被害財産であるが、…(中略)…これらの財産は、不動産若しくは動産若しくは金銭債権でないか、既に費消され、又は他の財産と混和しているが、その混和先を特定することができないから、これを没収することができ(ない)」と判示し、追徴を言い渡した。
  5. 不動産・動産・金銭債権以外の財産が没収された事例(1)
    1. 事案の概要
      • 被告人が、氏名不詳者と共謀の上、覚醒剤等の規制薬物の有償譲渡行為と薬物その他の物品を規制薬物として譲り渡す行為を併せてすることを業としたという麻薬特例法違反等の事案。
    2. 判決要旨(平成29年3月14日・東京地方裁判所立川支部)
      • 被告人がX社に対して有する金地金及びプラチナ地金の引渡請求権(金地金債権、プラチナ地金債権)を没収した。
        1. 主文(没収に関する部分)
          • 「X社に対する被告人名義の金地金債権のうち金地金0.85054グラムに相当する部分、同社に対する被告人名義のプラチナ地金債権のうちプラチナ地金27.99112グラムに相当する部分…(中略)…を没収する。」
  6. 不動産・動産・金銭債権以外の財産が没収された事例(2)
    1. 事案の概要
      • 上場会社Aの代表取締役であった被告人が、他社との業務提携及びこれに伴う第三者割当増資という重要事実について業務執行の決定をするや、知人(B及びC)名義で自社の株式を買い付けたという金融商品取引法違反(内部者取引)の事案。被告人は、重要事実の公表後に株価が上昇した株式を売却して相当額の利益を得たり、含み益のある株式を相当数保有したりしていた。
    2. 判決要旨(平成31年2月26日・東京地方裁判所)
      • 被告人がY証券会社に開設されたB名義の証券口座で管理していた振替株式及びZ証券会社に開設されたC名義の証券口座で管理していた振替株式を没収した。
        1. 主文(没収に関する部分)
          • 「Y証券会社に開設されたB名義の証券口座にあるA社の株式4400株及びZ証券会社に開設されたC名義の証券口座にあるA社の株式1万4200株を没収する。
▼配布資料5 FATF(金融活動作業部会)対日相互審査報告書(2021年8月)の概要について
  • 勧告4(Confiscation and provisional measures(没収及び保全措置))
    • 「各国は、権限ある当局が、善意の第三者の権利を侵害することなく、次に掲げるものを凍結又は差押え、及び没収することを可能とするため、法的措置を含め、ウィーン条約、パレルモ条約及びテロ資金供与防止条約に規定されているのと同様の措置をとるべきである:(a)洗浄された財産、(b)資金洗浄若しくは前提犯罪から得た収益、又はこれらの犯罪に使用された若しくは使用を企図された犯罪供用物、(c)テロリズム、テロ行為若しくはテロ組織に対する資金供与から得た収益、又はこれらの犯罪に使用され、使用を企図され、若しくは使用のために配分された財産、又は(d)これらの価値に相当する財産。当該措置には、(a)没収の対象となる財産を特定し、追跡し、評価する権限、(b)当該財産の取引、移転又は処分を防止するため、凍結、差押えなどの暫定的な措置をとる権限、(c)没収の対象となる財産を凍結、差押え若しくは回復する国家の権能を侵害する行為を防止又は無効化する措置をとる権限、及び(d)捜査のためにあらゆる適切な措置をとる権限が含まれるべきである。各国は、国内法の原則に一致する限りにおいて、刑事上の有罪判決がなくても当該収益又は犯罪供用物を没収することを認める措置(有罪判決に基づかない没収)や、被告人に、没収の対象として申し立てられた財産の合法的な起源を示すよう要求する措置を採用することについて検討すべきである。」
  • 勧告 38(Mutual legal assistance: freezing and confiscation(法律上の相互援助:凍結及び没収))
    • 「各国は、外国の要請に応じて、洗浄された財産、資金洗浄、前提犯罪及びテロ資金供与から得た収益、これらの犯罪の実行において使用された若しくは使用を企図された犯罪供用物、又はこれらの価値に相当する財産を特定し、凍結し、差し押さえ、没収するための迅速な行動をとる権限を有することを確保すべきである。この権限には、国内法の基本原則に反しない限り、有罪判決に基づかない没収手続及び関連する保全措置に基づく要請に応じることができる権限が含まれるべきである。各国は、これらの財産、犯罪供用物又は相当する価値の財産を管理するための有効なメカニズムを有するとともに、没収財産の分配を含む差押え及び没収手続の調整のための取極めを有するべきである。」

~NEW~
金融庁 夏季の長期休暇において実施いただきたい対策について(注意喚起)
  • サイバー攻撃被害のリスクの高まりを踏まえ、今年4月には、関係府省庁の連名にて「春の大型連休に向けて実施いただきたい対策について(注意喚起)」等の注意喚起を発出しましたが、その後も、ランサムウェアによるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業・団体等で続いています。また、エモテットと呼ばれるマルウェアへの感染を狙う攻撃メールについては、知り合いのメールアドレスをそのまま使い正規のメールであると信じ込ませたり、業務上の正規のメールの返信を装ったりするなど巧妙化が進み、国内の企業・団体等へ広く感染の被害が広がっていると考えられます。今年6月には、ウェブブラウザに保存されたクレジットカード情報を窃取する機能も確認され、今後、攻撃の多様化、悪質化による被害の深刻化のおそれがあります。さらに、ブロードバンドルータ、無線LANルータ、監視カメラ用機器類、コピー機をはじめとするネットワークに接続された機器・装置類がマルウェアに感染したことに起因する攻撃通信が、引き続き増加傾向にあります。また、脆弱性が公表されてから悪用されるまでの時間が短くなっているとの報告もあります。
  • このように依然として厳しい情勢の下での長期休暇においては、休暇中の隙を突いたセキュリティインシデント発生の懸念が高まるとともに、長期休暇後に電子メールの確認の量が増えることで偽装のチェックなどがおろそかになるといった感染リスクの高まりが予想されます。さらに、長期休暇中は、通常と異なる体制等により、対応に遅延が生じたり、予期しない事象が生じたりすることが懸念されます。
  • こうした長期休暇がサイバーセキュリティに与えるリスクを考慮し、別紙の対策を参考に、適切な管理策によるサイバーセキュリティの確保についてご検討をお願いいたします。
  • あわせて、不審な動き等を検知した場合は、早期対処のために速やかに所管省庁、セキュリティ関係機関に対してご連絡いただくとともに、警察にもご相談ください。
  • セキュリティ対策の実施に関する責任者における実施事項
    1. 長期休暇期間前の対策
      • 長期休暇期間中のセキュリティインシデント発生時の対処手順及び連絡体制の確認
      • 長期休暇期間中ではセキュリティインシデントをリアルタイムで認知しづらく対応が遅れがちとなる。そのため、セキュリティインシデントに即応できるよう長期休暇期間中の監視体制を確認し、必要に応じ、システムアラート、各種ログ等の監視体制を強化すること。
      • セキュリティインシデントを認知した際に迅速かつ円滑に対応することができるよう、セキュリティインシデントを認知した際の対処手順(事業継続計画等)の内容を再度確認すること。
      • セキュリティインシデントを認知した際における連絡体制(情報セキュリティインシデントを認知した際における対応等の決定権者及び担当者等の連絡先、連絡が取れなかった場合の予備の連絡先)が最新の情報に更新されていることを確認すること。
      • システムベンダ(保守業者を含む)、回線業者、外部サービス提供者、データセンタ事業者等のサポート窓口の営業状況、連絡先(夜間・休日等の通常営業時間帯以外の連絡先を含む。)等を確認すること。
      • 情報システムを利用する職員等に対して、セキュリティインシデントを認知した場合の報告窓口を周知すること。
    2. 利用機器・外部サービスに関する対策
      • 外部からの不正アクセスを防止する観点から、機器(サーバ、パソコン等、通信回線装置、特定用途機器(防犯カメラなど)等)のファームウェアを最新のものにアップデートすること。また、長期休暇期間中に使用しない機器の電源を落とすこと。また、機器に自動起動機能を設定している場合は、長期休暇期間中の設定の要否を検討すること。
      • この機に使用しない外部サービスの無効化の要否を検討すること。
    3. ソフトウェアに関する脆弱性対策の実施
      • 脆弱性対策の状況を確認し、必要に応じてセキュリティパッチの適用やソフトウェアのバージョンアップを行うとともに、直ちに実施することが困難な場合はリスク緩和策を講ずること。休暇期間中に公表された重要な脆弱性情報について遅滞なく確認、対応の検討が行われる体制としておくこと。
      • セキュリティパッチの適用やソフトウェアのバージョンアップについて、やむを得ず長期休暇期間前に実施できない場合、長期休暇期間明け直後は業務システムへのアクセス集中が予想されることから、事前に実施時期のスケジュールを検討すること。
    4. バックアップ対策の実施
      • システムの不具合やランサムウェア等の不正プログラムによるデータ破壊に備えて、重要なデータや機器設定ファイルに対するバックアップ対策を実施するとともに、最新のバックアップが確実に取得されていること、バックアップデータから実際に復旧できることを確認すること。また、バックアップデータはネットワークから切り離し、変更不可とするなどの対策を検討すること。
    5. アクセス制御に関する対策
      • この機にアクセス権限の確認、多要素認証の利用、不要なアカウントの削除等により、本人認証を強化するとともに、個々の利用者にパスワードが単純でないか確認させること。
      • インターネット等外部ネットワークからアクセス可能な機器については、外部からの管理機能、ポート(例えば、ファイル共有サービス等によく利用される137(TCP/UDP)、138(UDP)、139(TCP)、445(TCP/UDP)、リモートデスクトップ等で利用される3389(TCP)など)、プロトコルを必要なものに限定するなど、不要なポートやプロトコルを外部に開放していないか確認すること。
    6. 職員等への注意喚起の実施
      • 情報システムを利用する職員等に対して、後述する<情報システムを利用する職員等における実施事項>を含む長期休暇期間に伴うサイバーセキュリティ確保の観点から留意すべき事項について、注意喚起を実施すること。
  • 長期休暇期間明けの対策
    1. サーバ等における各種ログの確認
      • サーバ等の機器に対する不審なアクセスが発生していないか、VPN、ファイアーウォール、監視装置等ログやアラートで確認すること。もし何らかの不審なログが記録されていた場合は、早急に詳細な調査等の対応を行うこと。
    2. ソフトウェアに関する脆弱性対策の実施
      • 長期休暇期間中における脆弱性情報を確認し、必要に応じてセキュリティパッチの適用やソフトウェアのバージョンアップを行うとともに、直ちに実施することが困難な場合はリスク緩和策を講ずること。
    3. 不正プログラム感染の確認
      • 長期休暇期間中に持ち出しが行われていたパソコン等に、不正プログラムに感染していないか、不正プログラム対策ソフトウェア等で確認を行うこと。
    4. 長期休暇期間中に電源を落としていた機器に関する対策
      • 長期休暇期間中に電源を落としていた機器は、不正プログラム対策ソフトウェア等の定義ファイルが最新の状態となっていないおそれがあることから、端末起動後、最初に不正プログラム対策ソフトウェア等の定義ファイルを確認し、最新の状態になっていない場合は更新作業を実施してから、利用を開始すること。
  • 情報システムを利用する職員等における実施事項
    1. 長期休暇期間前の対策
      1. 利用機器に関する対策
        • 外部からの不正アクセスを防止する観点から、長期休暇期間中に使用しない機器の電源を落とすこと。
      2. 機器やデータの持ち出しルールの確認と遵守
        • 長期休暇期間中に端末や外部記録媒体等の持ち出し等が必要な場合には、組織内の安全基準等に則った適切な対応(持ち出し・持ち込みに関する内規の遵守等)を徹底すること。
        • 許可を得て持ち出した機器の不正プログラム感染や、紛失、盗難による情報漏えい等の被害が発生しないように管理すること。
    2. 長期休暇期間明けの対策
      • 電子メールの確認を行う前に、利用機器のOSおよびアプリケーションに対する修正プログラムの適用や不正プログラム対策ソフトウェア等の定義ファイルの更新等を実施すること。
      • 電子メールの確認を行う際は、不審な添付ファイルを開いたり、リンク先にアクセスしたりしないこと。

~NEW~
金融庁 「マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)」の改訂版公表について
▼新旧対照表
  • 【Q】例えば、NRAにおける「商品・サービスの危険度」の項目に記載のある商品・サービスを提供する者に対して、サービスを提供している場合、自らの直面するリスクを「包括的かつ具体的」に「検証」する場合の留意点について教えてください。
    • 【A】NRAにおける「商品・サービスの危険度」の項目に記載のある商品・サービスを提供する者に関する顧客属性としてのリスクの特定・評価について、NRAに記載されている商品・サービスを提供していることのみをもって一律に高リスクと判断することなく、NRAに記載の「商品・サービスの危険度」の記載のうち、「危険度の要因」、「危険度の低減措置」等の記載等や、実際の顧客の取引等を考慮して、リスクの特定・評価を行う必要があるものと考えます。また、こうした顧客の顧客リスク評価を行う場合には、当該顧客のビジネスモデルや取引内容を踏まえ、実施する必要があるものと考えます。
  • 【Q】包括的かつ具体的な検証に当たっては「自らの営業地域の地理的特性」、「事業環境」や「経営戦略」を考慮するとありますが、具体的に何が求められているのでしょうか。
    • 【A】「自らの営業地域の地理的特性」については、当該地域の地理的な要素の特性を意味しています。例えば、自らの営業地域が、貿易が盛んな地域に所在するといった場合や、反社会的勢力による活発な活動が認められる場合、反社会的勢力の本拠が所在している場合に、当該地域のリスクに関する独自の特性を考慮する必要があると考えます。実際に地理的特性を考慮してリスクを検証する際には、例えば、貿易が盛んな地域に自らの営業地域が存在している場合、貿易や水産物等を取り扱うなどの取引先が多いと考えられますので、顧客の取扱商品や輸出・輸入先の把握を通じた経済制裁等への対応等、地域的特性から精緻に検証し、リスク項目を洗い出すことが必要になるものと考えます。「事業環境」については、マネロン・テロ資金供与に関する規制の状況、競合他社のマネロン・テロ資金供与対策の動向等、自らの事業に関する要素を考慮した上で、リスクを検証する必要があると考えます。例えば、競合他社が参入する場合(基本的には、自らの競合他社が参入する場合)には、新たな競合他社の参入により、競争の激化やサービスの変化、取引量の増減等によるマネロン・テロ資金供与の固有リスクが変化する可能性があります。したがって、例えば、新たな競合他社の参入により市場全体のマネロン・テロ資金供与に関するリスクが影響を受ける場合には、新たに検証すべきリスク項目がないかについて、年に1回程度予定されている定期的なリスク評価書の改訂を待つのではなく、可能な限り早い段階で洗い出す必要があると考えます。なお、顧客が海外との取引を行っている場合、その相手先の国・地域のマネロン・テロ資金供与リスクも踏まえた顧客リスク評価を行うことが求められています。「経営戦略」については、収益の倍増、新規顧客の獲得強化、海外の金融機関の買収等様々なものが考えられますが、自らが経営戦略上の重点分野として設定した事項について、当該経営戦略を推し進めた場合に、どのような形で自らの提供する商品・サービス等がマネロン・テロ資金供与に利用され得るかといったことを検証する必要があると考えます。
  • 顧客が仮想口座を介して実質的に第三者の資金を移転させるような場合には、当該利用状況を踏まえたリスク低減措置を講ずることが必要となるものと考えます。また、他業態の事業者と提携して新たな商品・サービスを提供する場合に、例えば、当該他業態の事業者の取引時確認の結果に依拠する場合には、当該他の事業者のマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢の有効性を確認することが必要となるものと考えます。さらに、提携先等これらの実質的支配者を含む必要な関係者を確認し、反社会的勢力でないか、あるいは制裁対象者でないかといったことを検証することが必要となるものと考えます。
  • 【Q2】リスクを特定するための包括的かつ具体的な検証における、第1線及び第2線の連携・協働の方法に関する留意点を教えてください。
    • 【A】第1線の職員は、顧客の取引先や顧客の商流等の情報、商品・サービスの利用実態等に精通していると考えられるため、実務に即して具体的にリスク項目を特定するためには、商品・サービスや顧客等の実態をよく把握している第1線が保有している情報を活用することが必要であると考えられます。その方法としては、第2線において、商品・サービスの性質や、顧客の属性等、リスクの特定のために必要な情報(非対面性、外国との取引が見込まれるか、現金の受入の有無、蓄財性、高リスク顧客の利用が見込まれるかなど)を整理した上で、該当する性質が、各商品・サービスや顧客に妥当するか否かなどを、第1線が精査した上で第2線に還元する方法や、第1線において自らが取り扱う商品・サービスや顧客属性等の情報を整理した上で第2線に提供する方法が考えられます。なお、これらの役割分担の前提条件として、第2線は、第1線に対して、マネロン・テロ資金供与リスクの特定の方法について、商品・サービス、取引形態、国・地域、顧客属性等に即した適切な研修等を実施し、第1線がリスクの特定をはじめとするリスクベースのマネロン・テロ資金供与リスク管理手法を理解している必要があると考えます。
  • これらの連携の前提条件として、第2線は、第1線に対して、マネロン・テロ資金供与リスクの評価の方法について、商品・サービス、取引形態、国・地域、顧客属性等に即した適切な研修等を実施し、第1線がリスクの評価をはじめとするリスクベースのマネロン・テロ資金供与リスク管理手法を理解している必要があると考えます。
  • サンプルチェック等の結果、疑わしい取引の参考事例等に該当するにもかかわらず届出が行われていない取引が一定数認められた場合等には、本来届出を行うべき取引が検知されない、又は検知されたものの提出に至っていない可能性があるため、このような場合には、疑わしい取引の届出を行うための態勢について、第3線が検証を行うこともあり得ます。
  • 「信頼に足る証跡」は申告の真正性を裏付ける公的な資料又はこれに準じる資料を意味しています。本人確認事項の調査に当たっては、犯収法施行規則第7条に定める本人確認書類のほか、経歴や資産・収入等を証明するための書類等が考えられますが、調査する事項に応じ、その他の書類等についても活用することが考えられます。例えば、株主名簿、有価証券報告書、法人税確定申告書の別表等を徴求することや公証人の定款認証における実質的支配者となるべき者の申告制度や実質的支配者リスト制度を活用することなども考えられます。具体例としては、生命保険金の支払時において、受取人が団体である場合には、株主名簿や有価証券報告書等の証跡を取得するなどにより、その実質的支配者の調査を実施することが考えられます。ただし、信頼に足る証跡を求める場合には、必要に応じて複数の資料を検証することが必要であるものと考えます。また、取引目的の調査に当たっては、例えば、取引目的が商取引であれば、取引先との取引履歴や、同取引に関する契約書等を徴求することが考えられます。なお、犯収法令上定められた項目については、犯収法令上定められた方法、書類に従い確認を行った上で、リスクに応じて、追加的に証跡を取得することについて判断することとなります。
    • (注1)法人設立時の定款認証において、公証人に実質的支配者となるべき者を申告させる制度のことを指します(2018年11月30日に改正公証人法施行規則の施行により開始)。
    • (注2)登記所が株式会社からの申出によりその実質的支配者に関する情報を記載した書面を保管しその写しを交付する制度のことを指します(2022年1月31日に商業登記所における実質的支配者情報一覧の保管等に関する規則の施行により開始)。
  • 国内外の制裁に係る法規制等の遵守については、例えば、国際連合安全保障理事会(以下「国連安保理」といいます。)決議等で指定される経済制裁対象者については、外国為替及び外国貿易法第16条及び第21条等に基づき、同決議等を踏まえた外務省告示が発出された場合に、直ちに該当する経済制裁対象者との取引がないことを確認し、取引がある場合には資産凍結等の措置を講ずるものとされています。さらに、国際的な基準等(注)を踏まえると、外務省告示の発出前においても、国連安保理決議で経済制裁対象者が追加されたり、同対象者の情報が変更されたりした場合には、遅滞なく自らの制裁リストを更新して顧客等の氏名等と照合するとともに、制裁リストに該当する顧客等が認められる場合には、より厳格な顧客管理を行い、同名異人か本人かを見極めるなどの適切かつ慎重な対応が必要と考えています。さらに、国連安保理における決議を経ることなく、特定の国・地域から特定の国・地域に対して経済制裁が行われることもあり得るため、取引に関係する者や物品・サービスが特定の国・地域の制裁対象に関係していないか、慎重な確認が必要となる場合もあることに留意が必要であるものと考えます。
  • 在留期間の定めのある在留外国人についても、リスクベースで、顧客リスクに応じて顧客管理を実施していただく必要があるものと考えます。そして、在留外国人の場合を含め、将来口座の取引の終了が見込まれる場合には、当該口座が売却され、金融犯罪に悪用されるリスクを特定・評価し、適切なリスク低減措置を講ずる必要があります。在留期間の定めのある外国人顧客については、リスク低減措置として、在留期間を確認の上、顧客管理システム等により管理し、顧客の在留期間満了前において、当該顧客が在留期間を更新しない場合は在留期間満了前に口座を解約すること、及び当該顧客が在留期間を更新する場合は更新後の在留期間を届け出ることを改めて要請する必要があります。在留期間の更新が確認された場合には再度顧客管理システムへの登録を行う一方、更新が確認できないなどリスクが高まると判断した場合には、取引制限を実施するなどのリスク低減措置を講ずることが考えられます。いずれにしても、自らの直面するリスクを踏まえ在留期間の定めのある顧客の管理方法を決定する必要があり、リスクベースの適切な検討を経ることなく、在留期間満了前に以上のような要請を実施しないこととすることは、適切ではないものと考えます。特別永住者や永住者については、このような在留期間に基づくリスク自体はないものと考えられますが、他の顧客と同様に顧客リスク評価は必要になります。なお、在留カードを所持している在留外国人が、在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請(以下「在留期間更新許可申請等」といいます。)を行った場合において、当該申請に係る処分が在留期間の満了の日までになされないときは、当該処分がされる時又は在留期間の満了の日から二か月が経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は、引き続き従前の在留資格をもって我が国に在留できることとされているところ、在留期間更新許可申請等を行った場合、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中であることが記載されます(オンラインによる申請の場合を除く。)。リスクに応じた対応を検討する場合には、こうした制度の存在に留意することが必要と考えます。
  • 2016年10月に施行された改正犯収法施行規則に定める方法により、本人特定事項(実質的支配者を含む)、取引目的及び職業等を確認することができていない顧客については、時機を捉えて、同規則に定める方法で確認することが考えられます。
  • 継続的な顧客管理については、リスクが低いと判断した顧客も含む全ての顧客をその対象とすることが求められますが、全ての顧客に一律の時期・内容で調査を行う必要はなく、顧客のリスクに応じて、調査の頻度・項目・手法等を個別具体的に判断していただく必要があります。顧客との店頭取引やインターネット取引等、各種変更手続等の際に顧客が金融機関等のホームページ等にアクセスする場合のほか、定期又は随時に顧客を訪問するなどの場合に、こうした機会を捉えて、マネロン・テロ資金供与対策に係る情報も確認されているのであれば、そのような実態把握をもって、継続的な顧客管理における顧客情報の確認とすることも考えられます。ただし、高リスク顧客の中には、営業実態の把握や実地調査、顧客に対して対面で確認することが必要な場合もあることから、リスクに応じた対応が必要であることに留意すべきと考えます。
  • 【Q】「顧客リスク評価を見直し、リスクに応じたリスク低減措置を講ずること」に関して、顧客が調査に応じることができない場合においては、どのように顧客リスク評価を見直すことが考えられますか。
    • 【A】調査に応じてもらえない場合や、郵送物が届出住所に到達しない場合には、そうした事実や、取引履歴データ等も踏まえて、例えば、顧客リスク評価を高リスクとすることが考えられます。定期的に情報を更新することが必要な顧客について、取引履歴データ等を踏まえて顧客リスク評価の見直しを検討する場合には、各金融機関等において、調査に応じてもらえない顧客であることや、郵送物が届出住所に到達しない顧客であること等について、適切に判断できるだけの検証を行うことが必要となるものと考えます。また、高リスク顧客の中には、営業実態の把握や実地調査、顧客に対して対面で確認することが必要な場合もあり得るため、顧客リスク評価の見直しの方法についても、リスクに応じて検討・判断することが必要であるものと考えます。なお、高リスク顧客に限らず、特に届出住所宛ての郵送物が届かない顧客については、本人特定事項の一部が不明であることとなります。特に、こうした状態の顧客のうち連絡を取ることもできず、かつ、口座も不稼働状態となっていない場合には、届出住所宛ての郵送物が届かない状態を解消するための施策を優先的に講ずることが必要であると考えられます。
  • 実際にリスク遮断を行うに当たっては、適切な調査を行い、当該調査の過程及び結果を適切に保存した上、金融機関等において適切な手続を経ることが必要と考えられます。また、リスク遮断の内容についても、個々の顧客の事情・特性・取引関係やリスク管理に必要な情報のうち収集できないもの等に応じて整理をすることが必要と考えられます。こうした調査、記録の保存、手続、リスク遮断の内容については、適切に規程等に定めることが必要と考えられます。
  • 抽出基準の有効性の検証に当たっては、捜査機関等から凍結要請のあった口座の取引についてアラートが生成されていなかった場合に、その理由を検証し、必要に応じて抽出基準を見直すことも考えられます。
  • 疑わしい取引の検知に際しては、システムによる検知のほか、顧客から取引の申込を受け付ける職員等の気づきも重要となるため、疑わしい取引の届出を実施した取引の分析結果や疑わしい取引の事例等を職員等に定期的に還元するなどして、職員等が不審・不自然な取引等を検知し、本部に報告することができるような態勢の構築が必要であるものと考えます。
  • 顧客による送金の資金原資が、第三者の資金を基にしている場合には、当該顧客の業務実態や取引目的等を調査した上で、リスクに応じて当該顧客のマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢を検証するなど、リスクに応じた対応が必要となると考えます。
  • 【Q】「送金人及び受取人」の「情報が欠落している場合等にリスクに応じた措置を講ずること」とありますが、どのような措置が想定されているのでしょうか。
    • 【A】例えば、送金人や受取人の情報が欠落した海外送金等について、取引実行前に仕向金融機関等に対して、欠落した情報の内容を確認することなどが考えられます

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金融庁 自然災害ガイドライン(コロナ特則含む)に関する注意喚起について
▼【ご注意ください】登録支援専門家への報酬を自然災害ガイドライン(コロナ特則含む)の利用者が支払うことは一切ありません!
  • 最近、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」(「同ガイドラインを新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則」含む。以下「自然災害ガイドライン」という。)を利用するための支援を実施するという団体に対して多額の報酬を支払った事案が発生しているようです。
  • 自然災害ガイドラインに関する業務は、登録支援専門家の委嘱や報酬支払いなど、一般社団法人東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関(以下「運営機関」という。)のみが行っています。
  • また、自然災害ガイドラインは、基本的には利用者ご自身で申し出ることができる仕組みとなっております。
  • そして、自然災害ガイドラインを利用することになれば、弁護士等の登録支援専門家による手続支援を無料で受けることができ、利用者が登録支援専門家に報酬を支払うことはございません。(登録支援専門家以外の方の支援も受けて手続きを行うことも可能ですが、その際の費用は利用者ご自身の負担となります。)
  • 最近、あたかも金融庁及び運営機関の委託を受けて事業を行っているかのような表示をしているウェブサイトが見受けられますが、金融庁及び運営機関とはまったく関係はございませんので、十分にご注意ください。
  • 上記のケースに限らず、不審に思った場合は、安易に個人情報等を伝えたり、現金を振り込まず、まずは、金融庁やお住まいの地域の弁護士会、お借入れしている金融機関等にご相談ください。
  • (ご参考)金融庁のLINE公式アカウント「金融庁コロナサポート!」では、新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者・個人の皆様を支援するための情報等を発信しています。

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国民生活センター PIO-NETにみる2021年度の消費生活相談の概要
  • この概要は、「全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET:パイオネット)(注)」によって収集した2021年度の消費生活相談情報をまとめたものです(対象データは、2022年5月末日までにPIO-NETに登録された苦情相談)。
  • 当該情報の詳細については、「消費生活年報2022」にまとめ、2022年10月に国民生活センターホームページ上に掲載する予定です。
  • (注)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。2008年度以降は、消費生活センター等からの経由相談は含まれていません。
  • 2021年度の傾向と特徴
    • 2021年度の相談件数は843,664件で、2020年度(942,463件)に比べ約10万件減少した。これは、2020年度と比べ「架空請求」の相談、新型コロナ関連の相談等が減少したためである。
    • 「架空請求」の相談は、2019年度は10.9万件、2020年度は2.8万件、2021年度は1.8万件と大幅に減少した。
    • 2020年度と比較して増加が目立ったものとして、SNSやインターネット上の広告をきっかけとしたインターネット通販での定期購入のトラブルがみられる「化粧品」、電話勧誘販売で契約した海産物が代引配達で届き受け取ったがクーリング・オフしたいなどの相談が目立つ「魚介類全般」、SNS上の割引セールの広告から代引配達で注文したら偽物が届いたというインターネット通販のトラブルがみられる「かばん」、「アクセサリー」、還付金詐欺と思われる電話がかかってきたというトラブルがみられる「他の保健・福祉サービス」、マッチングアプリ等をきっかけに投資を勧められたというトラブルがみられる「外国為替証拠金取引」がある。
    • 70歳以上の相談の割合は22.9%と依然として全年代で最も多く、20歳代、70歳以上の割合がやや増加している。
    • 販売購入形態別では、「通信販売」の割合が最も高く、2013年度以降同様の傾向にある。2021年度は38.5%で、「インターネット通販」「定期購入」に関する相談が多くみられる。
    • 契約購入金額は合計金額3,483億円、平均金額79万円であり、既支払金額は合計金額1,271億円、平均金額35万円であり、2020年度に比べ、合計金額、平均金額ともに増加した。
    • 販売方法・手口別にみると、増加傾向にある「代引配達」ではかばんや洋服の他、魚介類などの海産物に関する相談、「フィッシング」によるクレジットカード情報の詐取に関する相談、「点検商法」「保険利用可能トーク」では70歳以上の高齢者から訪問販売で屋根工事や修理サービスなどの高額な契約をしたという相談、「訪問購入」では70歳以上の高齢者からアクセサリーに関する相談がみられる。

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国民生活センター 2021年度の越境消費者相談の概要-越境消費者センター(CCJ)で受け付けた相談から-
  • この概要は、2021年度に国民生活センター越境消費者センター(CCJ)に寄せられた越境消費者取引に関する相談情報をまとめたものです。当該情報の詳細については、「消費生活年報2022」にまとめ、2022年10月に国民生活センターホームページ上に掲載する予定です。
  • 2021年度の傾向と特徴
    • 2021年度にCCJに寄せられた越境消費者相談の件数は4,809件で、2020年度の4,625件から微増した。
    • 相談者の年代を見ると、2020年度同様、「40歳以上」が最も多く、「20歳代」「30歳代」「40歳代」がそれぞれ約20%を占める。
    • 取引類型は、2020年度同様、「電子商取引(オンラインショッピング)」によるものがほとんど(99.9%)である。
    • 決済手段は、「クレジットカード」が約50%で最多だが、その割合が年々減少する一方、デビットカードや暗号資産(仮想通貨)等の決済手段割合が増加し、多様化している。
    • 「金融機関振込」や、「その他」に含まれる暗号資産(仮想通貨)は、相談が多く寄せられた投資詐欺の資金送金手段としても使われた。
    • トラブル類型は、「解約トラブル」が47.5%と過半数近くを占める。次いで、「詐欺・模倣品トラブル」が多い(17.5%)が、このうち「模倣品到着」は減少した。
    • 商品・サービス別に見ると、「趣味用品」の割合が2020年度の12.0%から16.3%に増加した。一方、「航空券」は11.6%から6.5%に減少し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による欠航・返金トラブルの件数は落ち着いた。
    • 相手方事業者の所在地は、2020年度同様、「アメリカ」(21.9%)、「中国」(12.7%)、「イギリス」(10.5%)、「香港」(10.1%)の順となっており、この4カ所で過半数(55.2%)を占める。

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国民生活センター 2021年度訪日観光客消費者ホットラインに寄せられた相談のまとめ
  • 国民生活センターでは、日本を訪れた外国人観光客が、日本滞在中に消費者トラブルにあった場合に相談できる電話相談窓口として「訪日観光客消費者ホットライン(Consumer Hotline for Tourists)」(以下、「訪日窓口」とする)を2018年12月に開設しました。この窓口では、三者間通訳サービスを利用して、英語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、フランス語、日本語の計7カ国語で相談を受け付けています。
  • 以下では、2021年度に訪日窓口に寄せられた相談のまとめを報告します。
  • 当該情報の概要については、「消費生活年報2022」にまとめ、2022年10月に国民生活センターホームページ上に掲載する予定です。
  • 2021年度の傾向と特徴
    • 2021年度の相談件数は90件で、そのうち訪日観光客からの相談が10件、在日外国人からの相談が69件、在外外国人からの相談が10件、その他(不明)からの相談が1件であった。新型コロナウイルス感染症拡大防止政策の影響により、訪日観光客からの相談件数は激減した。

~NEW~
国民生活センター 老人ホームなどの入居権を譲ってという電話は詐欺です
  • 内容
    • 介護施設運営会社を名乗る人から「市内に介護施設ができ、市内在住者のあなたには入居権がある」と電話があった。「必要ない」と断ると「他市に住む女性に権利を譲ってあげてほしい」と言われたので承諾した。後日、弁護士を名乗る人から電話があり「あなたは入居するつもりがないのに申し込んだので犯罪だ。違反金600万円支払わないと逮捕され拘置所に入ることになる」と言われた。お金を用意したがだまされているのではないか。(80歳代 女性)
  • ひとこと助言
    • 実在する企業名などを名乗り「高齢者施設の入居権を譲ってあげてほしい」などと持ち掛ける不審な電話がかかってきたという相談が、寄せられています。このような電話は詐欺です。相手にせずすぐに電話を切ってください。
    • 話を聞いてしまうと、さまざまな口実で金銭を要求されます。一度支払ってしまうと取り戻すことは困難です。不安に感じても、話をうのみにせず、絶対にお金を払わないでください。
    • 少しでも疑問や不安を感じた場合には、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
国民生活センター SNSやマッチングアプリ、友人・知人からの誘いをきっかけとした暗号資産のトラブル-その話、うのみにしないで-
  • 全国の消費生活センター等には暗号資産(仮想通貨)に関する相談が多数寄せられており、2021年度の相談件数は6,350件になっています(注)。国民生活センターでは、これまでも暗号資産に関する高齢者の契約トラブルや、実態不明な投資話への注意喚起を行ってきましたが、最近の相談事例をみると「SNSやマッチングアプリで知り合った相手に勧誘されて送金したが、出金できなくなった」など、SNSやマッチングアプリをきっかけとしたトラブルが目立っています。また、友人や知人から「暗号資産でもうかる。人を紹介すれば紹介料も入る」と勧誘されお金を預けたが、出金できない、返金されないといったケースもみられます。
  • そこで消費者トラブル防止のために相談事例を紹介し、消費者への注意喚起を行います。
    • (注)「暗号資産」と称しているが、取引の実態が不明なケースもある。
  • 相談事例
    1. SNSで知り合った外国人女性から指示されたアプリ内で暗号資産の取引をした。出金を希望したら、高額な費用を請求された
      • 画像投稿のSNSで外国人女性と知り合った。無料通話アプリのIDを交換し、頻繁に連絡を取り合うようになった。暗号資産への投資でもうけられると勧められ、指示に従って国内の暗号資産交換業者に自身の口座を開設し、330万円をクレジットカードで決済し入金した。暗号資産の取引をやったことはなかったが、女性の指示に従い、海外業者のアプリをスマホにダウンロードした。アプリ内に自身の口座を開設し、国内の暗号資産交換業者の口座から全額送金した。
      • 利益が出たので引き出したいと女性に伝えたところ、税金や保証金を立て続けに請求され、合計約170万円をクレジットカードで支払った。さらに、「残高の8%の50万円を手数料として払うように。これが最後であり、全て国際基金の規定に基づいての請求だ。支払えば約600万円を口座に入金する」と連絡があった。業者のアプリに運営業者情報は書かれていない。女性の連絡先は携帯電話番号と無料通話アプリのIDのみである。どうしたらよいか。(2021年11月受付 50歳代 男性)
    2. 同僚に暗号資産のAI投資でもうかると誘われお金を手渡した。同僚に返金を求めても返金されず、連絡も取れない
      • 職場の同僚に「AIが判断して暗号資産に投資するシステムでもうかっている。一緒にやらないか」と誘われたあと、セミナーでも契約を促された。資金がないと言うと「消費者金融で借りてもすぐに返せる」と2つの消費者金融で借金するよう指示された。60万円を借りてそのまま同僚に手渡した。最初は預けた60万円が運用で増えている画面をスマホで見られたが、最近ログインできず見られなくなった。同僚に「やめたい。返金してほしい」と伝えると「暗号資産に変えて返金する」等と言われたあと、返事が来なくなり、連絡が取れない。誰かを勧誘すると紹介料がもらえるという話は聞いていたが、自分は誰も入会させていない。返金してほしい。(2021年12月受付 20歳代 男性)
  • 消費者へのアドバイス
    • 暗号資産の投資を勧める相手からの勧誘をうのみにしないでください
    • 暗号資産交換業の登録業者か確認し、無登録業者とは取引しないでください
    • 取引内容やリスクが十分に理解できなければ契約しないでください
    • 不安に思った場合や、トラブルに遭った場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう
      • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。

~NEW~
国民生活センター 指の消毒剤 噴霧するときは気を付けて!
  • 内容
    • 事例:スーパーに置いてあったスタンド型の手指用アルコール消毒剤を父親が使用したとき、近くにいた娘が突然「目が痛い」と言った。すぐにタオルで拭き、その後何ともなかったが、寝る前に目を痛がったため病院で受診した。(当事者:2歳 女児)
  • ひとことアドバイス
    • 店舗などの入口に設置された消毒剤には、自動噴霧式や足踏み式のものもあります。子どもの身長によっては顔の高さで噴霧され、顔や目にかかることがあるため、使うときには、子どもが近くにいないことを確認し、ノズルの高さや向きに注意しましょう。
    • 子どもの手に使用する場合も必ず大人がスプレーしましょう。
    • 目に入った場合は、目をこすらないように注意してすぐに水やぬるま湯で洗い、痛みや充血がある場合は医療機関で受診しましょう。

~NEW~
国民生活センター “推し”に会えない!?転売チケットの購入トラブルが急増中!
  • 自分の好きなアーティストやグループ(=“推し”)を応援することは“推し活”といわれ、若い世代では、コンサートやライブなどのイベントにお金をかける人の割合が高くなっています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年よりコンサートやスポーツ観覧などの中止や延期、規模縮小などが相次ぎましたが、感染防止対策を講じたうえで開催されているイベントもみられます。
  • これに伴い、全国の消費生活センター等に寄せられる、興行チケットのインターネットにおける転売に関する相談が増加傾向にあります。特に20代の若い世代を中心に、ライブチケットを購入しようとしたところ、転売仲介サイトやSNSを利用してトラブルにあう事例が目立っています。
    • (注)インターネット等で行う取引(個人間売買を含む)における、コンサート、スポーツ観覧、観劇、映画鑑賞、イベント等のチケットの転売に関する相談件数(インターネットオークション、フリマサービスも含む)。
  • 相談事例
    • 【事例1】転売仲介サイトと気づかず、高額なライブチケットを購入してしまった
    • 【事例2】転売仲介サイトで購入したチケットでは入場できないことにあとから気づいた
    • 【事例3】SNSで知り合った個人にライブチケット代金を振り込んだ後、連絡が取れなくなった
  • 相談事例からみる特徴と問題点
    • 検索結果の上部に表示された転売仲介サイトの広告を、公式チケット販売サイトと誤認してしまう
    • 転売仲介サイトであることがわかりやすく表示されていない
    • チケットの残り枚数や制限時間のカウントダウンが表示され、購入を急かされる
    • 転売禁止のチケットが販売されている
    • SNSで知り合った相手との個人間取引はリスクを伴う
  • 消費者へのアドバイス
    • チケットは公式の販売サイトから購入しましょう
    • 転売仲介サイトを利用する場合は、購入するチケットの転売が禁止されてないか確認しましょう
    • チケットの不正転売はしないようにしましょう
    • 不安に思った場合や、トラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう

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厚生労働省 第94回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年8月10日)
▼資料1 直近の感染状況の評価等
  • 感染状況等の概要
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約1,194人となり、今週先週比は1.05と増加幅は減少してきているが、感染者数の増加が継続している。一部地域では今週先週比が1以下となったが、全国的にはこれまでで最も高い感染レベルが継続している。
    • 新規感染者数の増加に伴い、療養者数も増加が継続し、病床使用率は、ほぼ全国的に上昇傾向が続いている。また、医療提供体制においては救急搬送困難事案の増加や医療従事者の欠勤などが見られ、コロナだけでなく一般医療を含め医療提供体制に大きな負荷が生じており、今後の深刻化が懸念される。
    • また、重症者数や死亡者数も増加傾向が続き、今後の動向に注意が必要。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(7/24)で1.03と1を上回る水準となっており、首都圏では1.01、関西圏では1.03となっている。
  • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値
    • 北海道 新規感染者数は約865人(札幌市約1,021人)、今週先週比は1.15。30代以下が中心。病床使用率は3割強。
    • 北関東 茨城、栃木、群馬では新規感染者数は約982人、912人、885人、今週先週比は1.25、1.05、1.09。茨城、栃木、群馬では30代以下が中心。病床使用率について、茨城では6割強、栃木では約6割、群馬では6割弱。
    • 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は約1,540人、今週先週比は0.97。30代以下が中心。病床使用率は5割強、重症病床使用率は6割強。埼玉、千葉、神奈川の新規感染者数は約1,135人、1,038人、1,037人、今週先週比は1.01、1.00、0.94。病床使用率について、埼玉では7割弱、千葉では9割強、神奈川では約8割。
    • 中京・東海 愛知の新規感染者数は約1,324人、今週先週比は1.07。30代以下が中心。病床使用率は約8割。岐阜、静岡、三重の新規感染者数は約1,133人、1,106人、1,104人、今週先週比は1.20、1.19、1.17。病床使用率について、岐阜、三重では6割弱、静岡では8割強。
    • 関西圏 大阪の新規感染者数は約1,596人、今週先週比は1.01。30代以下が中心。病床使用率は約7割、重症病床使用率は4割強。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山の新規感染者数は約1,202人、1,370人、1,347人、1,116人、1,227人、今週先週比は1.02、1.03、1.09、1.09、1.30。病床使用率について、滋賀、和歌山では7割強、京都では約5割、兵庫、奈良では6割強。
    • 九州 福岡の新規感染者数は約1,577人、今週先週比は0.97。30代以下が中心。病床使用率は7割強。佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の新規感染者数は約1,344人、1,302人、1,504人、1,201人、1,553人、1,441人、今週先週比が1.04、1.24、1.03、1.09、1.15、1.05。病床使用率について、佐賀、大分では約5割、長崎では6割強、熊本では7割弱、宮崎では5割弱、鹿児島では7割強。
    • 沖縄 新規感染者数は約2,262人と全国で最も高く、今週先週比は0.96。30代以下が中心。病床使用率は8割強、重症病床使用率は3割強。
    • 上記以外 青森、新潟、福井、島根、広島、高知の今週先週比は95、1.12、0.94、1.16、1.41、1.36。島根の新規感染者数は約908人。病床使用率について、青森では5割強、新潟では7割強、石川、岡山、広島では6割強。
  • 感染状況等と今後の見通し
    1. 感染状況について
      • 新規感染者数について、一部地域では今週先週比が1以下となったが、全国的には全ての都道府県で前回の感染拡大を大きく超え、これまでで最も高い感染レベルが継続している。沖縄県は他の地域よりも高い感染レベルが継続しており、病床使用率からも厳しい状況にある。
      • また、高齢者施設における集団感染の急増と病床のひっ迫により実質的に施設内療養者が増加している。さらに、全国的に感染者及び濃厚接触者の急増により、医療機関や福祉施設だけでなく、社会活動全体への影響も生じている。
      • 全国の年代別の新規感染者数は、夏休みに入り10代を中心に若年層で減少に転じたが、重症化リスクの高い高齢者を含む50代以上で増加が継続している。これまでの傾向と同様、新規感染者の急増から遅れて重症者・死亡者が増加しており、特に死亡者は第6波のピークに近いレベルまで急上昇しており、今後死亡者はさらに増加することが懸念される。
      • 今後の感染状況について、発症日のエピカーブや大都市における短期的な予測などでは、一部地域ではピークを越えつつあるとの予測もあり、実際に新規感染者数が減少に転じた地域も出てきているが、いまだに多くの地域で新規感染者数は増加している。また、いったん減少あるいは高止まり傾向がみられた地域でも急激に増加している地域がある。増加の要因としては、夏休みやイベントによる接触機会の増加の影響もあると考えられる。今後もお盆の人の動きに伴う影響も懸念され、医療提供体制への影響も含め最大限の警戒感をもって注視していく必要がある。
      • 感染者増加が継続する要因としては、 ①ワクチンの3回目接種と感染により獲得された免疫は徐々に減衰していること、 ②夏休みやお盆等の影響等もあり、接触の増加等が予想されること、③オミクロン株のBA.5系統に置き換わったと推定されること等によると考えられる。
      • 新規感染者の感染場所について、自宅が増加傾向にあり、学校等では夏休みの影響が想定され減少傾向にある。また、20-60代で事業所(職場)の割合が増加している(大都市部では積極的疫学調査が重点化され、感染経路の十分な把握がされていないことに留意が必要)。
    2. 感染の増加要因と抑制要因について
      • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
        1. ワクチン接種等
          • 3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、重症化予防効果に比較し、感染予防効果はより減弱が進むことが明らかになっている。また、これまでの感染により獲得した免疫についても、今後同様に減弱が進むことが予想される。
        2. 接触パターン
          • 夜間滞留人口について、全体的には横ばい傾向で、首都圏、中部圏、関西圏及び沖縄県では減少あるいは横ばい傾向で推移した。また、学校などの夏休みが10代中心の若年層の新規感染者の減少に影響したと考えられる。
        3. 流行株
          • BA.2系統の流行から、現在BA.5系統が主流となり、置き換わったと推定される。BA.5系統は、感染者数がより増加しやすいことが示唆され、免疫逃避が懸念されるため、感染者数の増加要因となりえる。
        4. 気候要因
          • 気温の上昇により屋内での活動が増える時期であるが、冷房を優先するため換気がされにくい場合もある。
    3. 医療提供体制の状況について
      • 全国的には、外来診療検査体制の負荷が増大するとともに、病床使用率についてはほぼ全国的に増加が続き、多くの地域で5割を超えている。特に千葉、神奈川、静岡、愛知、沖縄では、8割を超えて厳しい状況。重症病床使用率も一部地域では5割を超えている。また、自宅療養者・療養等調整中の数もほとんどの地域で増加が継続し、一部地域では急増している。
      • 沖縄県を含め全国的に、医療従事者の感染が増加していることによる医療提供体制への負荷が生じている。また、介護の現場でも、施設内療養が増加するとともに、療養者及び従事者の感染の増加により厳しい状況が続いている。
      • 検査の陽性率は高止まりが継続し、症状がある人など必要な方に検査が適切に受けられているか懸念がある。
      • 救急搬送困難事案については、多くの地域で非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに増加が続いているが、一部の地域においては感染者数の増加にも関わらず事案数が頭打ちの傾向も見られ、その原因については十分な分析が必要である。また、猛暑日が続き、熱中症による救急搬送の増加にも十分な注意が必要である。
  • 必要な対策
    1. 基本的な考え方について
      • 感染が拡大している中で、日本社会が既に学んできた様々な知見をもとに、感染リスクを伴う接触機会を可能な限り減らすことが求められる。また、社会経済活動を維持するためにも、それぞれが感染しない/感染させない方法に取り組むことが必要。
      • そのために、国、自治体は、日常的な感染対策の必要性を国民に対して改めて周知するとともに、感染防止に向けた国民の取組を支援するような対策を行う。また、今後重症者や死亡者を極力増やさないよう感染者を減らす努力を行うとともに、医療提供体制の強化及び医療機関や保健所の更なる負担軽減について、これまで以上に取り組む必要。
    2. ワクチン接種の更なる促進
      • 「オミクロン株対応ワクチン」による追加接種について、初回接種を終了した者を対象として、本年10月半ば以降の実施に向けた準備を進めることが必要。
      • 4回目接種については、重症化予防を目的として、高齢者施設等における接種が進められてきた。引き続き、対象者(60才以上の高齢者及び60才未満の重症化リスクのある者等)の早期接種に向けて取り組む必要。また、足下の感染拡大を踏まえ、重症化リスクが高い方が多数集まる医療機関・高齢者施設等の従事者に対象が拡大された。
      • 3回目接種については、初回接種によるオミクロン株に対する感染予防効果や重症化予防効果の経時的な減弱が回復されることが確認されている。現在の感染状況を踏まえると、できるだけ早い時期に初回接種及び3回目接種を検討するよう促進していくことが必要。
      • 小児(5~11歳)の接種について、今般、オミクロン株流行下での一定の知見が得られたことから、予防接種・ワクチン分科会において、小児について接種の努力義務を課すことが妥当とされた。
    3. 検査の活用
      • 第17回新型コロナ分科会における提言に基づき、国と自治体は検査ができる体制を確保し、検査の更なる活用が求められる。
        1. 高齢者
          • 高齢者施設等の従事者への頻回検査(施設従事者は週2~3回程度)の実施が必要。
          • 地域の実情に応じて、高齢者施設等の利用者への節目(例:帰省した親族との接触等が想定されるお盆等)での検査の推奨。
        2. 子ども
          • 地域の実情に応じて、クラスターが発生している場合には、保育所・幼稚園等の教職員・保育士への頻回検査の実施が必要。
          • 自治体や学校等の判断で、健康観察を徹底し、何らかの症状がある者等には検査を行い、部活動の大会や修学旅行などへの参加を可能としながら、集団感染を防止することが必要。
        3. 若者等全体
          • 大人数での会食や高齢者と接する場合(特にお盆・夏休みの帰省での接触)の事前検査をさらに推奨。
          • 有症状者が抗原定性検査キットで自ら検査を行い、陽性の場合に健康フォローアップセンター等で迅速に健康観察を受けられる「発熱外来自己検査体制」整備の更なる推進が必要。
          • この取組を進めるためにも国が抗原定性検査キットの買上げ・都道府県配布や、調整支援を行うなど、流通含め安定的な供給が重要。
    4. 効果的な換気の徹底
      • 第17回新型コロナ分科会における提言に基づき、エアコン使用により換気が不十分になる夏場において、効果的な換気方法の周知・推奨が必要(エアロゾルを考慮した気流の作り方、気流を阻害しないパーテーションの設置等)。
    5. 保健医療提供体制の確保
      • 更なる感染拡大に備え、国の支援のもと、都道府県等は、以下の病床や発熱外来等のひっ迫回避に向けた対応が必要。
      • 確保病床等の即応化や、病床を補完する役割を担う臨時の医療施設等の整備
      • 入院治療が必要な患者が優先的に入院できるよう適切な調整、高齢者施設等における頻回検査等の実施や医療支援の更なる強化
      • 後方支援病院等の確保・拡大、早期退院の判断の目安を4日とすることの周知など転院・退院支援等による病床の回転率の向上
      • 病室単位でのゾーニングによる柔軟で効率的な病床の活用等の効果的かつ負担の少ない感染対策の推進
      • 有症状者が抗原定性検査キットで自ら検査を行い、陽性の場合に健康フォローアップセンター等で迅速に健康観察を受けられる「発熱外来自己検査体制」整備の更なる推進
      • 抗原定性検査キットの供給体制の強化及び発熱外来を経ない在宅療養の仕組みの先行事例の把握・周知
      • また、受診控えが起こらないよう配慮の上、例えば無症状で念のための検査のためだけの救急外来受診を控えることについて、地域の実情に応じて地域住民に周知。併せて、体調悪化時などに不安や疑問に対応できるよう、医療従事者等が電話で対応する相談窓口を周知するとともに、こうした相談体制を強化
      • 治療薬を適切・早期に投与できる体制の構築・強化
      • 救急搬送困難事案の増加傾向への対応。コロナ患者以外の患者受入体制の確認とともに、熱中症予防の普及啓発、熱中症による救急搬送が増えていることを注意喚起。
      • 職場・学校等において療養開始時に検査証明を求めないことの徹底
      • 保健所業務がひっ迫しないよう、入院調整本部による入院調整や業務の外部委託・一元化などの負担軽減を更に推進
    6. サーベイランス等
      • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討を速やかに進めることが必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視の継続が必要。
    7. 基本的な感染対策の再点検と徹底
      • 以下の基本的感染対策の再点検と徹底が必要。
        • 不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気の徹底などの継続・咽頭痛、咳、発熱などの症状がある者は外出を控える
        • 3密や混雑、大声を出すような感染リスクの高い場面を避ける・医療機関の受診や救急車の利用については目安を参考にする
        • 飲食はできるだけ少人数で、飲食時以外はマスクを着用する
        • できる限り接触機会を減らすために、例えば、職場ではテレワークの活用等の取組を再度推進するなどに取り組む
        • イベントや会合などの主催者は地域の流行状況や感染リスクを十分に評価した上で開催の可否を含めて検討し、開催する場合は感染リスクを最小限にする対策の実施が必要
    8. 参考:オミクロン株とその亜系統の特徴に関する知見
      1. 感染性・伝播性
        • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
      2. 感染の場・感染経路
        • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
      3. 重症度
        • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、限られたデータであること等を踏まえると、今後もさまざまな分析による検討が必要。
        • 前回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高く、例えば、感染する前から高齢者施設に入所している利用者が感染し、基礎疾患の悪化等の影響で死亡するなど、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されている。高齢の感染者や基礎疾患を有する感染者の基礎疾患の増悪や、心不全や誤嚥性肺炎等の発症にも注意が必要。
      4. ウイルスの排出期間
        • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降に排出する可能性が低くなることが示され、無症状者では、診断日から8日目以降は排出していないことが示されている。
      5. ワクチン効果
        • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する感染予防効果や発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。4回目接種については、重症化予防効果は6週間減衰しなかった一方、感染予防効果は限定的であり、短期間しか持続しなかったと報告されている。
      6. オミクロン株の亜系統
        • 世界におけるBA.5系統の占める割合が増加しており、BA.5系統はBA.2系統と比較して感染者増加の優位性が示唆されている。世界的には、BA.5系統へ置き換わりつつある中で、陽性者数が増加傾向となっている。BA.5系統はBA.1系統やBA.2系統に比して既存免疫を逃避する傾向が示されているが、感染力に関する明確な知見は示されていない。なお、東京都のデータに基づき算出されたBA.5系統の実効再生産数は、BA.2と比較して約1.27倍とされた。また、民間検査機関の全国の検体では約1.3倍と推計された。
        • WHOレポートでは、複数の国から集積した知見によると、BA.5系統に関して、既存のオミクロン株と比較した重症度の上昇は見られないとしている。一方で、国内の実験室内のデータからは、BA.5系統はBA.1及びBA.2系統よりも病原性が増加しているとする報告があるが、臨床的には現時点では確認されていない。また、BA.5系統の形質によるものかは不明であるが、BA.5系統中心に感染者数が増えている国では、入院者数・重症者数が増加していることに注意を要する。国内のゲノムサーベイランスによると、BA.5系統の検出割合が増加しており、置き換わったと推定される。
        • また、本年6月以降インドを中心に報告されているBA.2.75系統は国内で検出されているが、他の系統と比較した感染性や重症度等に関する明らかな知見は海外でも得られていない。これらのウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要。

~NEW~
厚生労働省 第93回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年8月3日)
▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
  • 感染状況等の概要
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約1,137人となり、今週先週比は1.16と増加幅は減少してきているが、感染者数の増加が継続している。全国的にこれまでで最も高い感染レベルを更新し続けている。
    • 新規感染者数の増加に伴い、療養者数も増加が継続し、病床使用率は、ほぼ全国的に上昇傾向が続き、医療提供体制に大きな負荷が生じている。また、重症者数や死亡者数も増加傾向が続き、今後の動向に注意が必要。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(7/17)で1.17と1を上回る水準となっており、首都圏では1.16、関西圏では1.19となっている。
  • 地域の動向※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値
    1. 北海道 新規感染者数は約753人(札幌市約920人)、今週先週比は1.52。30代以下が中心。病床使用率は3割弱。
    2. 北関東 茨城、栃木、群馬では新規感染者数は約788人、871人、814人、今週先週比は1.49、1.28、1.18。茨城、栃木、群馬では30代以下が中心。病床使用率について、茨城では4割強、栃木では5割強、群馬では5割弱。
    3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は約1,595人、今週先週比は1.11。30代以下が中心。病床使用率は5割強、重症病床使用率は5割強。埼玉、千葉、神奈川の新規感染者数は約1,125人、1,039人、1,106人、今週先週比は1.21、1.17、1.26。病床使用率について、埼玉では6割強、千葉では6割弱、神奈川では8割強。
    4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は約1,240人、今週先週比は1.10。30代以下が中心。病床使用率は6割弱。岐阜、静岡、三重の新規感染者数は約947人、932人、944人、今週先週比は1.25、1.05、1.29。病床使用率について、岐阜では5割弱、三重では4割強、静岡では7割強。
    5. 関西圏 大阪の新規感染者数は約1,576人、今週先週比は1.01。30代以下が中心。病床使用率は約6割、重症病床使用率は4割弱。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山の新規感染者数は約1,178人、1,334人、1,238人、1,020人、944人、今週先週比は1.64、1.29、1.17、1.24、1.22。病床使用率について、滋賀では6割強、京都では5割弱、兵庫では約6割、奈良では6割弱、和歌山では7割強。
    6. 九州 福岡の新規感染者数は約1,623人、今週先週比は1.10。30代以下が中心。病床使用率は8割弱。佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の新規感染者数は約1,292人、1,053人、1,464人、1,099人、1,351人、1,367人、今週先週比が1.05、1.26、1.00、1.04、1.23、1.21。病床使用率について、佐賀、長崎では5割強、熊本では6割強、大分では約5割、宮崎では4割強、鹿児島では8割弱。
    7. 沖縄 新規感染者数は約2,353人と全国で最も高く、今週先週比は1.04。30代以下が中心。病床使用率は7割強、重症病床使用率は4割強。
    8. 上記以外 青森、新潟、福井、島根、岡山、広島の今週先週比は0.97、1.54、1.61、0.81、1.39、1.35。島根の新規感染者数は約785人。病床使用率について、青森、高知では5割強、新潟では6割弱、広島では6割強。
  • 感染状況等と今後の見通し
    1. 感染状況について
      • 新規感染者数について、全国的にこれまでで最も高い感染レベルを更新し続けており、全ての都道府県で前回の感染拡大を大きく超え、感染拡大が継続している。沖縄県は他の地域よりも高い感染レベルが継続しており、病床使用率からも厳しい状況にある。また、全国的に感染者及び濃厚接触者の急増により、医療機関や福祉施設だけでなく、社会活動全体への影響も生じている。
      • 全国の年代別の新規感染者数は、夏休みに入り10代は減少に転じたが、重症化リスクの高い高齢者を含めてほとんどの年代で増加が継続している。これまでも新規感染者の急増から遅れて重症者・死亡者が増加する傾向にあり、すでに重症者・死亡者数の増加が始まっており、今後の推移が懸念される。
      • 今後の感染状況について、発症日のエピカーブや大都市における短期的な予測などでは、一部地域ではピークを越えつつあるとの予測もあり、実際に新規感染者数が減少に転じた地域も出てきているが、いまだにほとんどの地域で新規感染者数は増加している。また、今後夏休みによる接触機会の増加やお盆の人の動きに伴う影響も懸念され、医療提供体制への影響も含め最大限の警戒感をもって注視していく必要がある。
      • 感染者増加が継続する要因としては、(1)ワクチンの3回目接種と感染により獲得された免疫は徐々に減衰していること、(2)夏休みやお盆等の影響等もあり、接触の増加等が予想されること、(3)オミクロン株のBA.5系統に置き換わったと推定されること等によると考えられる。
      • 新規感染者の感染場所について、自宅が増加傾向にあり、学校等では夏休みの影響が想定され減少傾向にある。また、20-60代で事業所(職場)の割合が増加している(大都市部では積極的疫学調査が重点化され、感染経路の十分な把握がされていないことに留意が必要)。
    2. 感染の増加要因と抑制要因について
      • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
        1. ワクチン接種等
          • 3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、重症化予防効果に比較し、感染予防効果はより減弱が進むことが明らかになっている。また、これまでの感染により獲得した免疫についても、今後同様に減弱が進むことが予想される。
        2. 接触パターン
          • 夜間滞留人口について、全体的には横ばい傾向となっているが、東京、神奈川、愛知、大阪など大都市部では、ハイリスクな深夜帯を含めて足下で増加している地域も見られる。
        3. 流行株
          • BA.2系統の流行から、現在BA.5系統が主流となり、置き換わったと推定される。BA.5系統は、感染者数がより増加しやすいことが示唆され、免疫逃避が懸念されるため、感染者数の増加要因となりえる。
        4. 気候要因
          • 気温の上昇により屋内での活動が増える時期であるが、冷房を優先するため換気がされにくい場合もある。
    3. 医療提供体制の状況について
      • 全国的には、外来診療検査体制の負荷が増大するとともに、病床使用率についてはほぼ全国的に増加が続き、大都市を始めほぼ3割を超え、5割を超える地域も増加している。また、自宅療養者・療養等調整中の数もほとんどの地域で増加し、一部地域では急増している。
      • 特に沖縄県では、病床使用率の上昇が継続し、7割を超えて厳しい状況にあり、全国的にも、医療従事者の感染が増加していることによる医療提供体制への負荷が生じている。また、介護の現場でも、施設内療養が増加するとともに、療養者及び従事者の感染の増加により厳しい状況が続いている。
      • 検査の陽性率が上昇し、症状がある人など必要な方に検査が適切に受けられているか懸念がある。
      • 救急搬送困難事案については、多くの地域で非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに急増が続いているが、一部の地域においては事案数が頭打ちになっているもその原因については十分な分析が必要であり楽観視はできない。また、猛暑日が続き、熱中症による救急搬送の増加にも十分な注意が必要である。
  • 必要な対策
    1. 基本的な考え方について
      1. 感染が急拡大している中で、日本社会が既に学んできた様々な知見をもとに、感染リスクを伴う接触機会を可能な限り減らすことが求められる。また、社会経済活動を維持するためにも、それぞれが感染しない/感染させない方法に取り組むことが必要。
      2. そのために、国、自治体は、日常的な感染対策の必要性を国民に対して改めて周知するとともに、感染防止に向けた国民の取組を支援するような対策を行う。また、今後重症者や死亡者を極力増やさないよう感染者を減らす努力を行うとともに、医療提供体制の強化について、これまで以上に取り組む必要。
    2. ワクチン接種の更なる促進
      • 4回目接種については、感染予防効果が限定的であるため、重症化予防を目的として、高齢者施設等における接種が進められてきたが、足下の急速な感染拡大を踏まえ、医療従事者及び高齢者施設等の従事者に対象が拡大された。
      • 3回目までの接種については、接種率が低い年代・地域に対して、積極的な広報を行うなど引き続き接種促進を図ることが必要。
    3. 検査の活用
      • 第17回新型コロナ分科会における提言に基づき、国と自治体は検査ができる体制を確保し、検査の更なる活用が求められる。
        1. 高齢者
          • 高齢者施設等の従事者への頻回検査(施設従事者は週2~3回程度)の実施が必要。
          • 地域の実情に応じて、高齢者施設等の利用者への節目(例:帰省した親族との接触等が想定されるお盆等)での検査の推奨。
        2. 子ども
          • 地域の実情に応じて、クラスターが発生している場合には、保育所・幼稚園等の教職員・保育士への頻回検査の実施が必要。
          • 自治体や学校等の判断で、健康観察を徹底し、何らかの症状がある者等には検査を行い、部活動の大会や修学旅行などへの参加を可能としながら、集団感染を防止することが必要。
        3. 若者等全体
          • 大人数での会食や高齢者と接する場合(特にお盆・夏休みの帰省での接触)の事前検査をさらに推奨。
          • 有症状者が抗原定性検査キットで自ら検査を行い、陽性の場合に迅速に健康観察を受けられる発熱外来自己検査体制の整備が必要
          • 上記の取組を進めるためにも、国が抗原定性検査キットの買い上げ・都道府県配布や、調整支援を行うなど、流通含め安定的な供給が重要。
    4. 効果的な換気の徹底
      1. 第17回新型コロナ分科会における提言に基づき、エアコン使用により換気が不十分になる夏場において、効果的な換気方法の周知・推奨が必要(エアロゾルを考慮した気流の作り方、気流を阻害しないパーテーションの設置等)。
    5. 保健医療提供体制の確保
      • 更なる感染拡大に備え、国の支援のもと、都道府県等は、以下の病床や発熱外来等のひっ迫回避に向けた対応が必要。
      • フェーズ引上げによる確保病床等の即応化や、病床を補完する役割を担う臨時の医療施設等の整備
      • 入院治療の対象者について、入院治療が必要な患者が優先的に入院できるよう適切な調整
      • 高齢者施設等における集中的実施計画に基づく検査等及び高齢者施設等における医療支援の更なる強化
      • 後方支援病院等の確保・拡大、療養解除基準を満たした患者の転院調整、早期退院の判断の目安を4日とすることの周知など転院・退院支援等による病床の回転率の向上
      • 病室単位でのゾーニングによる柔軟で効率的な病床の活用の推進
      • 有症状者が抗原定性検査キットで自ら検査を行い、陽性の場合に迅速に健康観察を受けられる発熱外来自己検査体制の整備
      • 抗原定性検査キットの供給体制の強化及び発熱外来を経ない在宅療養の仕組みの先行事例の把握・周知
      • 治療薬を適切・早期に投与できる体制の構築・強化
      • 救急搬送困難事案の増加傾向への対応。コロナ患者以外の患者受入体制の確認とともに、熱中症予防の普及啓発、熱中症による救急搬送が増えていることを注意喚起。また、自宅・宿泊療養中の方にはコールセンターなど相談窓口の活用を呼びかけるとともに、医療機関への受診や救急車の利用の目安について周知
      • 職場・学校等において療養開始時に検査証明を求めないことの徹底
      • 保健所業務がひっ迫しないよう、入院調整本部による入院調整や業務の外部委託・一元化などの負担軽減を更に推進
    6. サーベイランス等
      • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討を速やかに進めることが必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視の継続が必要。
    7. 基本的な感染対策の再点検と徹底
      • 以下の基本的感染対策の再点検と徹底が必要。
        • 不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気の徹底などの継続
        • 3密や混雑、大声を出すような感染リスクの高い場面を避ける
        • 飲食はできるだけ少人数で、飲食時以外はマスクを着用する
        • 咽頭痛、咳、発熱などの症状がある者は外出を控える
        • 医療機関の受診や救急車の利用については目安を参考にする
        • 接触機会を減らすために、職場ではテレワークの活用等の取組を再度推進する
        • イベントや会合などの主催者は地域の流行状況や感染リスクを十分に評価した上で開催の可否を含めて検討し、開催する場合は感染リスクを最小限にする対策の実施が必要
    8. 参考:オミクロン株とその亜系統の特徴に関する知見
      1. 感染性・伝播性
        1. オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
      2. 感染の場・感染経路
        • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
      3. 重症度
        • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、限られたデータであること等を踏まえると、今後もさまざまな分析による検討が必要。前回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高く、例えば、感染する前から高齢者施設に入所している利用者が感染し、基礎疾患の悪化等の影響で死亡するなど、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されている。高齢の感染者や基礎疾患を有する感染者の基礎疾患の増悪や、心不全や誤嚥性肺炎等の発症にも注意が必要。
      4. ウイルスの排出期間
        • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降に排出する可能性が低くなることが示され、無症状者では、診断日から8日目以降は排出していないことが示されている。
      5. ワクチン効果
        • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する感染予防効果や発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。4回目接種については、重症化予防効果は6週間減衰しなかった一方、感染予防効果は限定的であり、短期間しか持続しなかったと報告されている。
      6. オミクロン株の亜系統
        • 世界におけるBA.5系統の占める割合が増加しており、BA.5系統はBA.2系統と比較して感染者増加の優位性が示唆されている。世界的には、BA.5系統へ置き換わりつつある中で、陽性者数が増加傾向となっている。BA.5系統はBA.1系統やBA.2系統に比して既存免疫を逃避する傾向が示されているが、感染力に関する明確な知見は示されていない。なお、東京都のデータに基づき算出されたBA.5系統の実効再生産数は、BA.2と比較して約1.27倍とされた。また、民間検査機関の全国の検体では約1.3倍と推計された。
        • WHOレポートでは、複数の国から集積した知見によると、BA.5系統に関して、既存のオミクロン株と比較した重症度の上昇は見られないとしている。一方で、国内の実験室内のデータからは、BA.5系統はBA.1及びBA.2系統よりも病原性が増加しているとする報告があるが、臨床的には現時点では確認されていない。また、BA.5系統の形質によるものかは不明であるが、BA.5系統中心に感染者数が増えている国では、入院者数・重症者数が増加していることに注意を要する。国内のゲノムサーベイランスによると、BA.5系統の検出割合が増加しており、置き換わったと推定される。
        • また、6月以降インドを中心に報告されている2.75系統は国内で検出されているが、他の系統と比較した感染性や重症度等に関する明らかな知見は海外でも得られていない。これらのウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要。

~NEW~
厚生労働省 令和4年度第1回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(ペーパーレス) 資料
▼資料1 改正医薬品医療機器等法について
  • 改正の趣旨
    • 緊急時において、安全性の確認を前提に、医薬品等の有効性が推定されたときに、条件や期限付の承認を与える迅速な薬事承認の仕組みを整備するとともに、オンライン資格確認を基盤とした電子処方箋の仕組みを創設し、その利活用を促すため、所要の措置を講ずる。
  • 改正の概要
    1. 緊急時の薬事承認【医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律】
      • 緊急時の迅速な薬事承認を可能とするため、以下の仕組みを新たに整備する。
        1. 適用対象となる医薬品等の条件
          • 国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康被害の拡大を防止するために緊急に使用されることが必要な医薬品等について、他に代替手段が存在しない場合とする。
        2. 運用の基準
          • 安全性の確認を前提に、医薬品等の有効性が推定されたときに、薬事承認を与えることができることとする。
        3. 承認の条件・期限
          • 有効性が推定された段階で承認を行うことから、承認に当たっては、当該承認の対象となる医薬品等の適正な使用の確保のために必要な条件及び短期間の期限を付すこととする。
        4. 迅速化のための特例措置
          • 承認審査の迅速化のため、GMP調査、国家検定、容器包装等について特例を措置する。
    2. 電子処方箋の仕組みの創設【医師法、歯科医師法、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律等】
      • 医師等が電子処方箋を交付することができるようにするとともに、電子処方箋の記録、管理業務等を社会保険診療報酬支払基金等の業務に加え、当該管理業務等に係る費用負担や厚生労働省の監督規定を整備する。
  • 施行期日
    • 1については、公布の日(5月20日)。2については、令和5年2月1日までの間において政令で定める日。
  • 電子処方箋に関する法改正事項
    1. 処方箋関連規定との調整【医師法及び歯科医師法】
      • 医師法及び歯科医師法では、医師等は患者等に処方箋を交付しなければならないとされているため、医師等が社会保険診療報酬支払基金等に電子処方箋を提供した場合は、患者等に対して処方箋を交付したものとみなす規定を設ける。
    2. 電子処方箋管理業務に係る支払基金等の業務規定の整備【地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律】
      • 電子処方箋に係る社会保険診療報酬支払基金等の業務(電子処方箋管理業務)として、患者が電子処方箋の内容を閲覧することができるようにするとともに、患者等の求めに応じて、薬局に対して電子処方箋を提供する等の規定を設けた(社会保険診療報酬支払基金は特別民間法人であり、業務内容を法定する必要がある。)。
      • あわせて、電子処方箋管理業務に係る医療保険者等の費用負担に係る規定等を整備する。
    3. 個人情報保護法の規定との関係の整理【地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律】
      • 電子処方箋に含まれる個人情報の第三者提供や要配慮個人情報の取得について、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律において、電子処方箋を、医師等が社会保険診療報酬支払基金等に提供し、社会保険診療報酬支払基金等は当該提供を受けた電子処方箋を薬局に提供すること等を規定することで、患者の本人同意を都度取得せずとも、医師等や薬剤師等の限定された関係者間における情報共有を可能とする。
    4. 関係者の連携及び協力規定【地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律】
      • 医療機関及び薬局について、電子処方箋管理業務が円滑に実施されるよう、連携協力に係る規定を設ける。

~NEW~
経済産業省 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
  • 経済産業省は、「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を実施し、日本の電子商取引市場の実態等について調査し取りまとめました。
    1. 調査結果概要
      1. 国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)
        • 令和3年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、20.7兆円(前年19.3兆円、前々年19.4兆円、前年比7.35%増)に拡大しています。また、令和2年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は372.7兆円(前年334.9兆年、前々年353.0兆円、前年比11.3%増)に増加しました。
        • なお、令和元年における日本国内BtoC-EC市場規模は19.4兆円、日本国内BtoB-EC市場規模は350.0兆円であったところ、令和3年における日本国内のBtoC-EC及びBtoB-EC市場規模は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が強まる前の令和元年における市場規模を超したと評価できます。
          • ※令和2年には新型コロナウイルスの感染症拡大の対策として、外出自粛の呼びかけ及びECの利用が推奨された結果、物販系分野の大幅な市場規模拡大につながった一方、主として旅行サービスの縮小に伴い、サービス系分野の市場規模が大幅に減少しました。その結果、物販系分野の大幅な伸長分とサービス系分野の大幅な減少分が相殺され、令和2年の日本国内BtoC-EC市場規模全体としては、前年より830億円の減少となりました。
        • また、EC化率※1は、BtoC-ECで8.78%(前年比0.7ポイント増)、BtoB-ECで35.6%(前年比2.1ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。
          • 物販系分野
            • 物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「食品、飲料、酒類」(2兆5,199億円)、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆4,584億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆4,279億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆2,752億円)の割合が大きく、これらの上位4カテゴリー合計が2兆円を突破するとともに、物販系分野の73%を占めています。
            • 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の影響で令和2年には物販系分野のBtoC-EC市場規模の大幅な拡大が見られたところ、令和3年は消費者の間で徐々に外出機会が回復したにも関わらず、物販系分野のBtoC-EC市場規模が引き続き増加しています。これは、ECの利用が消費者の間で徐々に定着しつつあることの証左と考えられます。令和3年における物販系分野のBtoC-EC市場規模は令和2年に比べると伸びが鈍化していますが、我が国の個人消費における物品購入が概ね横ばいで推移していることを鑑みると、物販系分野のBtoC-EC市場規模の成長率は高いと評価できるでしょう。
            • EC化率については、「書籍、映像・音楽ソフト」(46.20%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(38.13%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(28.25%)において高い値となっています。
          • サービス系分野
            • サービス系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「旅行サービス」(1兆4,003億円)が大きな割合を占めています。令和2年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で「旅行サービス」、「飲食サービス」、「チケット販売」の市場規模が前年比で大きく縮小したところ、令和3年は「チケット販売」の市場規模が回復しました。
          • デジタル系分野
            • デジタル系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「オンラインゲーム」(1兆6,127億円)が大きな割合を占めています。令和2年の伸び率より鈍化しているものの、「オンラインゲーム」、「有料動画配信」、「電子出版(電子書籍・電子雑誌)」市場拡大の背景には、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた巣ごもり消費が背景にあると考えられます。
      2. 国内電子商取引市場規模(CtoC)
        • 近年、ECチャネルの一つとして個人間EC(CtoC-EC)が急速に拡大していることを踏まえ、平成28年から、CtoC-EC市場規模※2推計を実施しています。
        • 令和3年のCtoC-ECの市場規模は2兆2,121億円(前年比12.9%増)と推計されました。市場規模拡大の背景には、BtoC-EC市場同様、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響で、インドアで楽しむエンタメ・ホビー用品の購入が増加したことが挙げられます。
      3. 日本・米国・中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模
        • 令和3年において、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも増加しました。なお、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆1,382億円(前年比9.7%増)、米国事業者からの越境EC購入額は2兆5,783億円(前年比11.5%増)であり、昨年に引き続き増加しています。
    2. 電子商取引に関する市場調査について
      • 本調査は、電子商取引市場動向や利用者実態を調査したものであり、平成10年度から毎年実施し、今回で24回目となります。
      • 日本国内のBtoC-EC、BtoB-EC、CtoC-ECの市場規模に加え、越境ECの消費者向け市場動向(日本、米国及び中国相互間)について、調査を実施しております。
        • ※本調査におけるEC化率とは、全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合を指します。EC化率の算出対象は、BtoC-ECにおいては物販系分野とし、BtoB-ECにおいては業種分類上「その他」以外とされた業種としています。本調査の詳細については、以下の資料を併せて御参照ください。
        • ※CtoC取引は個人間に留まるものではなく、実際にはBtoB、BtoCの取引も含まれていることには留意が必要であり、本市場規模はそれらも含む数値となっています。

~NEW~
経済産業省 「アジャイル・ガバナンスの概要と現状」報告書を取りまとめました
▼日本語版「アジャイル・ガバナンスの概要と現状」報告書
  • イノベーションに対するガバナンス(Governance OF Innovation)
    • Society5.0の基盤となるサイバー・フィジカルシステムの特徴を考えると、イノベーションに対するガバナンスの必要性は、従来以上に増している。
    • サイバー空間が形成されたのはSociety4.0(情報社会)の時代であるが、ここでは、サイバー空間とフィジカル空間との結節点として人間が存在していた。例えば、預金残高や借入履歴が電磁データで記録されるようになっても、融資の判断を行うのは人間であったし、レントゲン写真が電子カルテの形式で保存されるようになっても、それを読影して診断を下すのは人間の医師であった。こうした社会では、意思決定に基づきシステムを操作するのはあくまでも人間であり、システムに求められるのは、その道具として人間に与えられたミッションを忠実にこなすという意味での信頼性や、想定可能なトラブルが起きても耐えられるという意味での安全性などであった。
    • これに対し、Society5.0を構成するAIなどの技術は、人間に代わって自律的な決定を行ったり、人間の意思決定や状態に直接介入したりすることが想定される。例えば、膨大なデータと多層構造のアルゴリズムによって、人間には理解できず、かつ人間よりも短時間かつ高精度で融資が貸倒れとなる確率を計算したり、医用画像から患部の疑いを指摘したりすることが可能になってきている。また、システムの自律的な判断結果に基づいて自動的に融資を拒否するという判断を金融機関が行ったり、手術ロボットの自律的な判断により人体の特定の範囲が切除されたりする場合のように、人の手が介在しないまま機械の判断結果を実現させることも、理論的・技術的には既に可能になっている場合も多い。
    • このように、システムの自律化が進むSociety5.0においては、人間の指示に従うシステムが備えるべきとされてきた信頼性や安全性といった要件だけでなく、これまで人間自身が担ってきたプライバシー、公平性、持続可能性等などの価値を、システムを運用する中で実現していく必要が生じる。その際、必ずしも定量化できない価値をどのように定義するのか、その価値をシステムの設計の中にどのように埋め込むのか(「バイ・デザイン」のアプローチ)、さらにそのシステムの管理者にどのような義務を課すのか、といった点が検討されなければならない。
    • 加えて、Society5.0においては、スマートシティにおける決済システムやモビリティ管制システムのように、独立して機能する複数のシステムを、動的に連携させて利用するシステム(システム・オブ・システムズ)の果たす役割が一層拡大していく。こうした複雑なシステムは、結果の予見可能性や統制可能性が著しく限定的になるため、その中でどのように上述のような価値の実現を確保していくかということや、システムの判断ミスによる損害に対して誰がどのように責任を負うのか、といった検討も必要となる。
    • 昨今では、ビジネスシーンにとどまらず、日常触れる情報の検索から、購入する商品やサービスの選択、人とのつながり、そして民主的決定に至るまで、我々の行動は自律的で複雑なデジタルシステムに一層依存するようになってきている。こうした時代においては、イノベーションに対するガバナンス(Governance OF Innovation)が従来以上に求められている。
  • イノベーションによるガバナンス(Governance BY Innovation)
    • 従来のように人間がガバナンスを行う場合、そのスピードや精度は、人間の能力という限界に規定される。しかし、近時の高度に発達したデータ収集やデータ分析技術を前提とすれば、より効率的で精度が高いガバナンスを実施することができると考えられる。
    • 例えば、インフラや工場等の点検業務において、目視点検のかわりにセンサーでデータを取得し、リアルタイムで検査すれば、点検者に生じる身体の危険を避けると共に、より正確な点検を常時行うこともできるであろう。また、動画サイトプラットフォームでは、日々寄せられる大量の著作権侵害通報に対して、AIが自動的に権利侵害の有無を判定しているが、こうしたAIによる大量の処理の適切性を判断するためには、やはりAIの力を借りる必要があると考えられる。
    • デジタルシステムによって精緻で大量の情報処理が可能となるSociety5.0においては、このように、「イノベーションによるガバナンス」(Governance BY Innovation)という視点も非常に重要である。
  • ガバナンスのゴールの多様化と相対化
    • 高度で複雑なシステムが人間社会や自然環境に与える影響が拡大するのに伴って、我々がガバナンスによって実現すべき「ゴール」の種類も多様化している。政府であれ、企業であれ、目指すべきゴールは単純な経済成長のみではなく、サステナビリティ、循環経済、環境といった公的価値への貢献や、人権、自己決定権、多様性、包摂性といった人間の本質的価値への配慮が求められるようになっている。
    • さらに、例えば「安全性」というゴールについては、古典的には「許容できないリスクが存在していないこと」と定義されており、構成が単純で、かつ変化を予測可能なシステムにおいては、設計の段階でリスクを分析し、安全対策によってリスクを管理することができた(セーフティ・バイ・デザイン)。一方、AIを搭載するシステムのように、リスクを事前に完全に予測することが困難なシステムや、学習によって動作が変化しうるシステムでは、設計段階だけでなく、システムを利活用する運用段階においても、繰り返しリスクを管理し、安全を担保する考え方が主流となっていくと考えられる。
  • 法規制によるガバナンス
    • 伝統的な法規制モデルとは、政府がビジネスモデルを業界ごとに区切り、一律の詳細な行為義務を課し、監督をした上で、行為義務に違反した者には制裁を科すというモデルであった。しかし、こうしたモデルには、以下のような限界がある。
      1. ルール形成に関する課題
        • 技術やビジネスモデルの変化が速く複雑で、伝統的な業界の壁も容易に乗り越えられるSociety5.0においては、ビジネスモデル単位で具体的な行為義務を定めることが困難であり、仮にそれを定めたとしても、すぐに時代遅れとなってしまう。また、ゴールの多様化に伴い、法目的を一律に定めることも難しくなってきている。
      2. モニタリングに関する課題
        • リアルタイムでセンサーから収集されたデータなど、モニタリングに必要な様々な情報が取得できるようになっている反面、どのような手法や指標を用いてモニタリングを行うかを一律に定めることが難しい。
      3. エンフォースメントに関する課題
        • 様々なシステムが相互運用され、相互に影響しあった結果として問題が発生した場合や、AIなどの機械による自律的な判断によって事故が生じた場合に、誰が責任を負うべきかについて明らかにすることが難しい。
      4. 法適用の地理的範囲に関する問題
        • 国境を越えてつながっているサイバー空間を起点とする社会においては、一国の政府がルールを定め、それを執行するだけでは、十分に自国民の利益を保護することが難しい。
      5. 法執行主体の組織に関する課題
        • Society5.0においては、複数の分野横断的な機能が組み合わさって提供されることが一般的である。例えば、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)を実装するためには、交通だけでなく、電波・通信、決済、プライバシーデータの利活用といった様々な機能が組み合わされる必要があり、これらの統合的なガバナンスを、従来の縦割りの官庁組織において迅速に実施することは難しい。
        • このように、法規制によるガバナンスモデルが困難に直面している背景には、Society5.0において、従来の産業の壁や国境を含めたあらゆる境界が相対化してきていることや、その上で官民の間での情報の非対称性が拡大している(民間の方が圧倒的に多くの情報を有するようになっている)ことが挙げられる。そのため、法規制やそれを所管する官庁組織の中に、企業や個人・コミュニティといった民間の持つ情報を幅広く取り込み、制度を横断的かつ迅速にアップデートすることができるような仕組みが求められる。
  • 主体:マルチステークホルダー
    • 社会の変化の加速と複雑化に伴う情報の非対称性の増大や、価値観の多様化を考えると、企業、政府、個人・コミュニティといった様々なステークホルダーが、それぞれの持つ情報と価値観の下に自主的なガバナンスを行いつつ、透明性と対話を通じて他のステークホルダーとの間での信頼を醸成する、協働的なガバナンスを行っていくことが重要であると考えられる。そこでは、各ステークホルダーに、以下のような役割が求められる。
  • 企業
    • マルチステークホルダー型のガバナンスモデルにおいて、中心的な役割を担うのは、サービスや商品の提供を通じて価値創出に貢献している企業である。企業には、自らのミッション・ビジョン・バリューなどを定義した上で、ルール形成やモニタリング、問題解決等に積極的に関与すると共に、ステークホルダーに対して自らのガバナンスを説明し、対話を通じてアカウンタビリティを尽くすことが求められる。
  • 政府
    • 政府は、ルール形成やモニタリング、執行等を一手に担うモデルから脱却し、企業をはじめとするステークホルダーが適切なルール形成を行うよう、関係者を集めて議論を促進したり、企業が適切なモニタリングや情報提供を行うようなインセンティブ付けを行ったりするファシリテーターの役割を求められるようになる。また、サイバー空間のインフラにあたる、信頼の基盤を構築することも政府の重要な役割である。
  • 個人・コミュニティ
    • 個人やコミュニティは、消極的な受益者にとどまらず、ガバナンスの参加者として、社会に向けて積極的に自らの価値観や評価を発信することで、民主主義の実質化に資することが期待される。そのために、自ら積極的に質の高い情報に触れると共に、様々な価値の相互関係を理解した上で広い視野に基づく意見形成を行うことが重要となる。
    • ここに述べたのは各ステークホルダーの基本的な役割であって、実務上のステークホルダーの連携の仕方には、様々な形があり得る。例えば、政府自身がサービスの提供者となる場合には、政府自身に(2)で述べたようなコミットメントが求められる。また、マルチステークホルダーの協働の在り方としては、企業・政府・個人などで相互に連携してガバナンスを行うことが求められる場面があるのはもちろんのこと、企業間や政府の省庁間といった同一カテゴリー内のステークホルダー間で連携してカバナンスを行うことが求められる場面もある。
  • 手順:アジャイル
    • 不確実性の増加する社会においては、事前に正しいルールや責任の所在を定めておくことが困難であるため、失敗を許容しつつ、社会全体で継続的に学習し、ガバナンスの仕組みを迅速にアップデートし続けることが求められる。そこで、2報告書では、以下のような二重サイクル(アジャイル・ガバナンス・サイクル)のモデルを提示した。
    • ガバナンスの起点は、図の頂点にある「ゴール設定」、及びその前提となる「環境・リスク分析」である。技術や社会の変化の速度が速いSociety5.0においては、あらかじめルールを詳細に記述するモデルではなく、様々な「ゴール」をステークホルダーで共有していくモデルが必要となるためである。各ガバナンスの主体(公的主体であるか民間主体であるかを問わない。)は、自らの達成すべき複数のゴールとそのバランスを、実現可能性も踏まえながら設定することを求められる。
    • このような環境・リスク、ゴール、及び後述する現在のガバナンスへの「評価」を踏まえて、次に、各ガバナンスの主体は、当該環境下でゴールを達成するための「システムデザイン」を行う。ここでの「システム」とは、技術(AI技術、暗号化技術等)、ルール(法律、企業の利用規約等)、及び組織(モニタリング体制、紛争処理体制等)、並びにそれらの相互間の作用などをも含む包括的なガバナンスシステムを意味する。
    • デザインされたシステムを「運用」する段階においては、各ガバナンスの主体が、ゴール、ガバナンスシステム、及びその運用状況について、対外的に透明性を確保し、アカウンタビリティを尽くすことが求められる。デジタル社会におけるガバナンスは、マルチステークホルダーの水平的な関係性の上に成り立つため、各主体が自身のガバナンスの在り方を適切に開示することが極めて重要である。
    • 運用開始後は、図の内側と外側の2つのサイクルを回す必要がある。内側のサイクルは、現在のシステムで当初設定したゴールが達成されているかどうかを「評価」し、不十分であればシステムを改善していくサイクルである。この「システムデザイン→運用→評価」という小さなサイクルは、概ねPDCA(Plan-Do-Check-Act)に相当する。他方、外側のサイクルは、システムの運用開始後も、常に外部環境やリスクの変化を分析し、必要に応じてゴールも見直すというサイクルである。デジタル社会においては、環境やリスク、ゴールが常に変化していくことから、一度分析したこれらの要素についても、継続的に見直し続けることが必要である。なお、ここでいう環境やリスクには、規制など社会的制度の変更も含まれる。
    • このように、アジャイル・ガバナンスのモデルとは、PDCAを内包しつつも、その前提となる環境分析やゴール設定を常に見直しつづけると共に、外部に対する透明性やアカウンタビリティを確保するモデルであるといえる。
  • 構造:マルチレイヤー
    • 上記のようなマルチステークホルダーによるアジャイルなガバナンスを実現するためには、個々の主体が行うガバナンスを、都度調査しなくても信頼できるような仕組みが必要である。そのために、様々な機能の重要な結節点に、信頼の基盤(トラストアンカー)を設置することが望ましい。
    • このことは、Society5.0のサービスにおける構造とも密接に関係している。Society5.0においては、独立して機能する複数のシステム同士が、地理的制約や業界の壁を越えて動的に相互接続されていく(システム・オブ・システムズ)。例えば、鉄道、バス、タクシー等のモーダル間の連携を行うMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)は、大まかに分類するだけでも、(1)身元確認、(2)マッチング、(3)決済といった複数の横断的な機能の上に、運行という個別のサービスが接続されることで成立する。さらに、これをスマートシティの文脈にまで拡張すると、エネルギーや医療など他の事業分野との連携も求められることになる。
    • こうした様々なレイヤーの重要な機能について、信頼の基盤が構築され、そこに接続する主体に一定の認証などが与えられることで、拡張性を持つ分散型のガバナンスが可能になると考えられる。そして、このような信頼の基盤をマルチステークホルダーで協調的に構築していくことによってこそ、個々の主体の利益が最大化されるというのが、0の特徴である。

~NEW~
経済産業省 責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン(案)に対する意見募集について
▼責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン(案)
  • 人権尊重の意義
    • 人権尊重への取組は、企業が直面する経営リスクを抑制することに繋がる
    • 企業がその人権尊重責任を果たすことの結果として、企業は、企業経営の視点からプラスの影響を享受することが可能となる。
  • 「人権」とは
    • 国際的に認められた人権をいう。国際的に認められた人権には、少なくとも、国際人権憲章で表明されたもの、及び、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に挙げられた基本的権利に関する原則が含まれる。
    • 具体的には、企業は、例えば、強制労働や児童労働に服さない自由、結社の自由、団体交渉権、雇用及び職業における差別を受けない自由、居住移転の自由、人種、障害の有無、宗教、社会的出身、ジェンダーによる差別を受けない自由等への影響について検討する必要がある
    • 国際的に認められた人権であるかどうかにかかわらず、各国の法令で認められた権利や自由を侵害してはならず、法令を遵守しなければならないことは当然であることに留意が必要
  • 取組の概要
    • 企業は、その人権尊重責任を果たすため、人権方針の策定、人権デュー・ディリジェンス(以下「人権DD」という。)の実施、自社が人権への負の影響を引き起こし又は助長している場合における救済が求められている。
      1. 人権方針(各論3)
        • 人権尊重責任に関する約束の表明(国連指導原則16・各論3)
      2. 人権DD(各論4)(国連指導原則17)
        • 負の影響の特定・評価(国連指導原則18・各論4.1)
        • 負の影響の防止・軽減(国連指導原則19・各論4.2)
        • 取組の実効性の評価(国連指導原則20・各論4.3)
        • 説明・情報開示(国連指導原則21・各論4.4)
      3. 救済(各論5)
        • 負の影響から生じた被害への対応(国連指導原則22・各論5)
  • 「負の影響」の範囲
    • 本ガイドラインにおいて、「負の影響」には、下表の3類型がある。すなわち、企業は、自ら引き起こしたり(cause)、又は、直接・間接に助長したり(contribute)した負の影響に加えて、自社の事業・製品・サービスと直接関連する(directly linked)人権への負の影響についても、人権DDの対象とする必要がある。
    • また、実際に生じている負の影響だけでなく、潜在的な負の影響も人権DDの対象となる。人権への負の影響が実際に生じると、その被害の回復は容易ではなく、不可能な場合もあることから、事前に負の影響を予防すること、そして、実際に負の影響が生じてしまった場合にはその再発を予防することが重要である。
  • 「ステークホルダー」
    • 「ステークホルダー」とは、企業の活動により影響を受ける又はその可能性のある利害関係者(個人又は集団)を指す。
    • ステークホルダーの例としては、例えば、取引先、自社・グループ会社及び取引先の従業員、労働組合・労働者代表、消費者のほか、市民団体等のNGO、業界団体、人権擁護者22、周辺住民、投資家・株主、国や地方自治体等が考えられる。
    • 企業は、その具体的な事業活動に関連して、影響を受け又は受け得る利害関係者(ステークホルダー)を特定する必要がある。
  • 救済(各論5参照)
    • 救済とは、人権への負の影響から生じた被害を軽減・回復すること及びそのためのプロセスを指す。後記5のとおり、企業による救済が求められるのは、自社が人権への負の影響を引き起こし又は助長している場合であるが、企業の事業・製品・サービスが人権への負の影響と直接関連するのみであっても、企業は、負の影響を引き起こし又は助長している他企業に対して、影響力を行使23するように努めることが求められる。
  • 人権尊重の取組にあたっての考え方
    1. 経営陣によるコミットメントが極めて重要である
      • 人権尊重の取組は、採用、調達、製造、販売等を含む企業活動全般において実施されるべきであるから、人権尊重責任を十分に果たすためには、全社的な関与が必要になる。したがって、企業トップを含む経営陣が、人権尊重の取組を実施していくことについて約束するとともに、積極的・主体的に継続して取り組むことが極めて重要である。
    2. 潜在的な負の影響はいかなる企業にも存在する
      • いかなる企業においても、人権への潜在的な負の影響は常に存在し、人権尊重への取組を行っても全てを解消することは困難である。このため、各企業は、潜在的な負の影響の存在を前提に、いかにそれらを特定し、防止・軽減するか検討すること、また、その取組を説明していくことが重要である。
      • 負の影響を正確に特定するには、後記2.2.3のステークホルダーとの対話や後記5.1の苦情処理メカニズムが有用である。
    3. 人権尊重の取組にはステークホルダーとの対話が重要である
      • ステークホルダーとの対話は、企業が、そのプロセスを通じて、負の影響の実態やその原因を理解し、負の影響への対処方法の改善を容易にするとともに、ステークホルダーとの信頼関係の構築を促進するものであり、人権DDを含む人権尊重の取組全体にわたって実施することが重要である。
      • 本ガイドラインにおいては、それぞれの項目でステークホルダーとの対話について具体的な取組方法やその例について言及している。なお、ステークホルダーは、前記2.1.2.3のとおり、取引先や労働組合・労働者代表等の様々な主体を含む。
    4. 優先順位を踏まえ順次対応していく姿勢が重要である
      • 企業には、国連指導原則をはじめとする国際的なスタンダードを踏まえ、(1)自社・グループ会社及びサプライヤー等に対して、(2)国際的に認められた人権について、(3)企業が引き起こし又は助長する負の影響だけでなく、自社の事業・製品・サービスと直接関連する負の影響も含めて、人権尊重の取組を実施していくことがその最終目標として求められている。
      • しかし、多くの企業にとって、人的・経済的リソースの制約等を踏まえると、全ての取組を直ちに行うことは困難である。
      • そこで、企業は、人権尊重の取組の最終目標を認識しながら、まず、より深刻度の高い人権への負の影響から優先して取り組むべきである。深刻度の高い負の影響が複数存在する場合には、まず、自社及び直接契約関係にある取引先26において、自社が引き起こし又は助長している負の影響に優先的に対応することも考えられるが、その場合には、間接的な取引先や自社の事業等と直接関連するにすぎない負の影響へと対応を広げていく必要がある。
      • 人権尊重の取組に唯一の正解はなく、各企業は、自らの状況等を踏まえて適切な取組を検討する必要がある。このことは、優先順位付けに限らず、人権尊重の取組全般において重要な姿勢である。
    5. 各企業は協力して人権尊重に取り組むことが重要である
      • 前記のとおり、全ての企業には、その規模や業種等にかかわらず、人権尊重責任があるが、それぞれの企業が人権尊重に取り組む際に、自社のサプライヤー等に対して一定の取組を要求することも想定される。
      • その際、企業は、直接契約関係にある企業に対して、その先のビジネス上の関係先における人権尊重の取組全てを委ねるのではなく、共に協力して人権尊重に取り組むことが重要である。
      • なお、企業が、製品やサービスを発注するに当たり、その契約上の立場を利用して取引先に対し一方的に過大な負担を負わせる形で人権尊重の取組を要求した場合、下請法や独占禁止法に抵触する可能性がある。人権尊重の取組を取引先に要請する企業は、個別具体的な事情を踏まえながらも、取引先と十分な情報・意見交換を行い、その理解や納得を得られるように努める必要がある。
  • 取組みの具体例(抜粋)
    • 自社工場の労働者に対して、人権への負の影響(例:危険な作業環境下での労働)が生じていないか定期的にアンケート・ヒアリング等を行う。その際、労働者が自らの回答を使用者に見せることなく提出することができるよう配慮する。
    • サプライヤーに対してCSR調達方針の説明会を実施するとともに、年1回の自己評価アンケートへの回答を依頼し、その結果を踏まえてサプライチェーンにおける人権や環境といった項目のリスクについて調査を実施する。その際、自己評価アンケートをサプライヤーに適切に理解してもらい、また、サプライヤーからの(形式的なものでなく)実質的な回答の提出を受けるべく、自己評価アンケートの実施にあたりサプライヤーとの対話の機会を持つ。
    • 現地住民の土地収用を伴う事業について融資を実施する場合には、現地住民との対話を含め、その事業が現地住民に与える可能性のある負の影響を特定・評価する。
    • 紛争等の影響を受ける地域において現地企業と合弁事業を実施していたが、強化された人権DDを実施した結果、その現地企業が、広範に市民に対して武力を行使して人権侵害を行っている反政府組織と密接な関係にあり、合弁事業の収益がその反政府組織による人権侵害行為の大きな資金源になっていることが判明したため、撤退によるステークホルダーへの影響を十分に考慮・検討した上で、合弁事業を解消する。
    • 紛争等の影響を受ける地域において現地企業と共同で情報サービスを提供していたところ、紛争等の当事者が現地企業に対して、その事業によって得られた情報の提供を強制したことを受け、強化された人権DDを実施し、自社の事業における人権への負の影響について改めて評価を行う。
    • 児童労働が発覚したサプライヤーに対して、雇用記録の確認や、児童がサプライヤーにおいて雇用された原因の分析を行い、その結果を踏まえて、更に徹底した本人確認書類のチェック等の児童の雇用を防ぐための適切な管理体制の構築を要請する。また、貧困故に就労せざるを得なかったその児童に就学環境改善支援を行っているNGOに協力する。
    • サプライヤーに対して、サプライヤー行動規範の内容に基づくアセスメント(自己評価)を依頼し、提出された回答の評価を行う。そのうえで、評価が低かった項目についてサプライヤーとコミュニケーションを取り、一緒に改善していく方法について協議する。
    • 海外サプライヤーの工場における実地調査により、現地国の労働法に違反する過度の長時間労働が常態化していたことが確認されたことから、そのサプライヤーに対して深刻な懸念を表明するとともに、法令違反の状況を直ちに改善するように要請する。また、そのような要請にもかかわらず同様の法令違反を繰り返す場合には、慎重に検討した上でなお適切な場合には、取引を停止する。
    • 海外の融資先企業が強制労働や児童労働の人権への負の影響を引き起こしていることが確認された場合には、その負の影響を引き起こしている行為の停止及び再発防止を求めるとともに、一定期間経過してもなお対応がなされない場合には、融資停止によるステークホルダーへの負の影響の有無・内容について十分に考慮した上で、融資契約期間満了後の新規の貸付けを行わないこととする。
    • 自社において性別を理由とした差別が行われているとの苦情が寄せられたことから、自社の労働組合に依頼して、自社における差別に関する懸念について情報提供を受けるとともに、労使間の対話を通して、差別が今後生じないための予防策を検討・実施する。
    • 企業が、国内外のサプライヤーの従業員も使用できるホットラインを設置していたところ、海外に所在する特定のサプライヤーにおいて、職場での特定の人権侵害に関する相談が多かったことを踏まえ、そのサプライヤーの経営陣への注意喚起、苦情処理委員会の設置を要請する。
  • 技能実習生に関する指摘例(抜粋)
    • 技能実習生を含む外国人に対して、脆弱な立場の労働者における人権課題一般(例:外国人であることのみを理由とした賃金差別)や、新型コロナウイルス影響下での労働環境の変化等について、ヒアリング等の調査を実施し、特定された課題に対応する。また、調査に当たっては、対象者にとってコミュニケーションが容易な言語を用いる。
    • 法律によって明示的に禁止されているにもかかわらず、自社内において、技能実習生の旅券(パスポート)を保管したり、技能実習生との間でその貯蓄金を管理する契約を締結していたりしたことが発覚したため、社内の他部門はもちろん、サプライヤーに対しても、そうした取扱いの有無を確認するとともに、それらが違法であることを周知し、取りやめを求める
    • サプライヤーが、技能実習生に技能実習に係る契約の不履行について違約金を定める契約の締結を強要したり、旅券(パスポート)を取り上げたりしている不適切な状況が確認されたことから、そのサプライヤーに対して事実の確認や改善報告を求めたが、十分な改善が認められなかったため、実習先変更や転籍支援を行う監理団体に対して連携・情報提供するとともに、そのサプライヤーからの今後の調達を行わないこととする。
    • 技能実習生を受け入れている企業は、悪質な仲介業者が介在していないかや不適正な費用を技能実習生が負担していないか等を、監理団体と連携しながら技能実習生本人や現地の送出機関に対して確認する。特に、ベトナム社会主義共和国から技能実習生を受け入れている企業は、日本政府がベトナム政府との間で合意した技能実習生等の送り出しに関するプラットフォームの運用が開始された際には、送出機関が同プラットフォームを活用することを促す。
    • 自社において、技能実習生との合意に基づかない家賃や光熱水費の天引きが行われていたり、夜間労働に係る割増賃金の支払いが適切に行われていなかったりしたことが発覚したことを受け、天引きについて丁寧な説明を実施した上で技能実習生の自由意思に基づく承諾を得るとともに、未払金を即座に支払う。
  • 「企業の規模、業種等にかかわらず、日本で事業活動を行う全ての企業は、…人権尊重の取組に最大限努めるべき」(本ガイドライン1.3)とのことであるが、当社は国際的な事業を行っていないにもかかわらず、「ビジネスと人権」に関する国際スタンダードに則り人権尊重の取組を行う必要があるか。あるとすればそれはなぜか。
    • 本ガイドラインは、日本で事業活動を行う全ての企業を対象としており、国際的な事業を行っていなくても対象である。
    • 各国政府とともに日本政府が支持する国連指導原則等が示すとおり、企業には人権尊重責任があり、企業が尊重すべき人権には、国際的な事業に限られず、自社内や国内事業におけるステークホルダーの人権も含まれる。したがって、例えば自社の直接の取引先が全て国内企業であり、国際的な事業を行っていない企業であっても、国際スタンダードに則った人権尊重の取組に最大限努めるべきである。
    • なお、企業は、海外企業と直接の取引がなくても、間接的には何らかの形で、サプライチェーンを通じて繋がっていると考えられる。そのため、取引先から人権尊重の取組を求められることが増えており、こうした要請に適切に応えていくためにも、国連指導原則をはじめとする国際スタンダードに則った取組の実施に努めるべきである。
  • 人権尊重の取組の対象には、「サプライヤー等」(サプライチェーン上の企業及びその他のビジネス上の関係先)(本ガイドライン1.3)も含まれるとのことであるが、2次取引先以降の、直接の取引関係にはないサプライヤー等における負の影響も、防止・軽減の対象としなければならないのか。どこまでのサプライヤー等を対象としなければならないのか。
    • 企業は、直接の取引関係になくても、(1)自社が引き起こす負の影響、(2)自社が助長する負の影響、及び、(3)自社の事業・製品・サービスと直接関連する負の影響について、防止・軽減すること((3)については防止・軽減に努めること)が求められる。したがって、2次取引先以降における(1)~(3)の負の影響も全て対象になる。
    • もっとも、全ての直接・間接の取引先における負の影響について直ちに取組を行うことは困難であることから、まずは、より深刻度の大きい人権への負の影響から優先して取り組むべきである。優先度の高い負の影響が複数存在する場合には、まず、自社及び直接契約関係にある取引先において、自社が引き起こし又は助長している負の影響に優先的に対応することも考えられるが、その場合には、間接的な取引先や自社の事業等と直接関連するのみの負の影響へと対応を広げていく必要がある。
    • なお、防止・軽減の対象とすべき負の影響は、企業が人権DDにおいて特定した負の影響だけでなく、例えば、苦情処理メカニズムを通じてステークホルダーから提起された懸念を通じて特定された負の影響も当然含まれる。
  • 負の影響の特定・評価に必要な「関連情報の収集」(本ガイドライン4.1.2.3)のための「現地取引先の調査」の例として、現地調査も挙げられているが、常に現地調査を実施する必要があるか。
    • 本ガイドライン4.1.2.3のとおり、収集する情報の種類等によって適切な方法は異なり得るが、常に現地調査を実施する必要があるわけではない。もっとも、例えば、工場における労働環境の確認を行うためには、現地に赴かなければ確認しづらいことも多く、現地調査が最も効果的な方法の一つであると考えられる。
    • 他方、現地調査の実施が望ましいと考えられる場合であっても、現実的に実施が困難な場合も考えられ、このような場合には、書面調査や、現地のステークホルダーとのオンラインでの対話等を実施することが考えられる。また、現地調査の実施が現実的に可能な場合であっても、大きな負担を伴うこともあるため、例えば、深刻度が高く優先的に対応すべき負の影響について実施することなども考えられる。また、現地の専門家に、監査の実施や自社による現地訪問時のサポートを依頼することで、現地に赴くことに伴う負担を軽減することも考えられる。ただし、その場合であっても、全てを委ねることは極力避けることが望ましい。
  • 取引停止は最後の手段として検討される(本ガイドライン4.2.1.3)とのことであるが、例えばサプライヤーにおいて深刻な人権への負の影響が確認された場合、(レピュテーション・リスクなど)経営リスクの増大を防止するためにそのサプライヤーとの取引を停止するべきか。
    • 人権尊重の取組は、経営リスクの低減を目的とするものではなく、あくまでも、人権への負の影響を防止・軽減することを目的とするものである。したがって、経営リスクの増大を抑制するために取引停止を行うことは、人権尊重の取組における基本的な考え方に合致しない。
    • 直ちに取引を停止すると、自社と人権への負の影響との関連性はなくなるものの、その負の影響自体はなくならず、注視の目が届きにくくなったり、取引停止に伴い相手企業の経営状況が悪化して従業員の雇用が失われる可能性があったりするなど、人権への負の影響がさらに深刻になる可能性もあることに留意する必要がある。

~NEW~
経済産業省 カルタヘナ法に基づく行政処分を行いました
  • 経済産業省は、8月9日、株式会社リコー(法人番号:2010801012579)に対して遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号。以下「カルタヘナ法」という。)第14条第1項に基づき、遺伝子組換え生物等の使用等に関する適切な措置を講じることを命じましたのでお知らせいたします。
  1. 処分内容
    • カルタヘナ法第14条第1項に基づき、以下の措置を講じること。
      • 包括確認制度における拡散防止措置の確認や包括確認制度で使用する供与核酸の基準該当性の判断を適切に行うため、遺伝子組換えを実施する事業所における遺伝子組換え生物等の安全な取扱いについて検討する委員会(以下「安全委員会」という。)における使用前の承認体制を整えるとともに、制度内容についての従業員への周知を徹底すること。
      • 包括確認制度に基づき包括的に確認を受けた全ての遺伝子組換え生物等について使用実績等を漏れなく経済産業省に報告するよう社内体制を整えること。
      • カルタヘナ法第13条第1項の規定に基づく大臣確認に係る手続きについて、従業員への教育の徹底等、法令遵守体制の整備を行うこと。
    • 以上の措置に係る対策について、この措置命令を行った日の翌日から起算して60日を経過する日までに経済産業大臣まで書面で報告すること。経済産業省において報告書の内容を確認し受領するまでの間に、遺伝子組換え生物等の使用等をする場合、包括申請の対象であるか否かにかかわらず、個別に経済産業大臣の確認を受けること。
  2. 処分の理由となる法令違反事項
    • 株式会社リコーからの報告等に基づき、以下(1)から(4)までの事実が認められた。
      1. 平成30年1月11日付通知「包括申請における拡散防止措置の確認について」(20171220商局第1号。以下「本通知」という。)第4(2)に規定する、生産前の安全委員会における審議が行われていない遺伝子組換え微生物が17株存在していた。
      2. 本通知第1(2)に規定する、包括申請の対象範囲でない供与核酸を組み込んだ遺伝子組換え微生物6株について、担当者が包括確認の範囲に含まれると誤認し、個別に経済産業大臣の確認を受けなかった。
      3. 本通知第4(3)に規定する、使用実績等に係る経済産業省への報告につき、2020年度より前に製作していた遺伝子組換え微生物4株について、2020年度の使用実績を記載した「包括確認申請手続の利用に係る遺伝子組換え生物等の使用実績報告書」に記載していなかった。
      4. カルタヘナ法第13条第1項の規定に基づく経済産業大臣の確認を受ける前に使用した遺伝子組換え微生物が7株存在した。なお、このうち6株は(2)に該当する遺伝子組換え微生物であり、残り1株は独立行政法人製品評価技術基盤機構の技術的な評価を受けた遺伝子組換え微生物であった。

~NEW~
経済産業省 第3回 コロナ禍を踏まえたデジタル・ガバナンス検討会
▼資料3 事務局説明資料
  • 「デジタルガバナンス・コード2.0」改訂のポイント
    1. デジタル人材の育成・確保
      • デジタル人材の育成・確保をDX認定の認定基準に追加
      • 経営戦略と人材戦略を連動させた上でのデジタル人材の育成・確保の重要性を明記(「人材版伊藤レポート2.0」との連携)
    2. SX/GX
      • DXとSX/GXとの関係性を整理
    3. 「DXレポート2.2」の議論の反映
      • 企業の稼ぐ力を強化するためのデジタル活用の重要性を指摘
      • 経営ビジョン実現に向けたデジタル活用の行動指針を策定する必要性を記載
    4. 「DX推進ガイドライン」との統合
      • DX推進施策体系を「デジタルガバナンス・コード」に一本化。これまでガイドラインに紐づけていたDX推進指標は、新たにコードに紐づけ
  • 組織づくり・人材・企業文化に関する方策
    1. 基本的事項
      • 企業は、デジタル技術を活用する戦略の推進に必要な体制を構築するとともに、組織設計・運営の在り方について、ステークホルダーに示していくべきである。その際、人材の育成・確保や外部組織との関係構築・協業も、重要な要素として捉えるべきである。
    2. デジタル技術を活用する戦略において、特に、戦略の推進に必要な体制・組織及び人材の育成・確保に関する事項を示していること。
      • 望ましい方向性
      • デジタル戦略推進のために各人(経営層から現場まで)が主体的に動けるような役割と権限が規定されている。
      • 社外リソースを含め知見・経験・スキル・アイデアを獲得するケイパビリティ(組織能力)を有しており、ケイパビリティを活かしながら、事業化に向かった動きができている。
      • 自社のデジタル戦略推進のために必要なデジタル人材の定義と、その確保・育成/評価の人事的仕組みが確立されている。
      • 人材育成・確保について、現状のギャップとそれを埋める方策が明確化されている。
      • リスキリングやリカレント教育など、全社員のデジタル・リテラシー向上の施策が打たれている。その中では、全社員が目指すべきリテラシーレベルのスキルと、自社のDXを推進するための戦略を実行する上で必要となるスキルとがしっかりと定義され、それぞれのスキル向上に向けたアプローチが明確にされている。
      • 経営トップが最新のデジタル技術や新たな活用事例を得た上で、自社のデジタル戦略の推進に活かしている。
      • 組織カルチャーの変革への取組み(雇用の流動性、人材の多様性、意思決定の民主化、失敗を許容する文化など)が行われている。
      • 経営戦略と人材戦略を連動させた上で、デジタル人材の育成・確保に向けた取組が行われている。
    3. 取組事例
      • DXの推進をミッションとする責任者(Chief Digital Officerとしての役割)、CTO(科学技術や研究開発などの統括責任者、Chief Technology Officer )、CIO(ITに関する統括責任者、Chief Information Officer)、データに関する責任者(Chief Data Officer)が、組織上位置付けられ、ミッション・役割を含め明確に定義され任命されている(他の役割との兼任も含む)。
      • スキルマトリックス等により、経営層(経営者及び取締役・執行役員等)のデジタルに関係したスキルの項目を作成し、ステークホルダーに向け公表している。
      • 取締役会や経営会議等の場において、取締役会や経営会議等の場において、経営トップが最新のデジタル技術や新たな活用事例に関する情報交換を定期的に行うとともに、自社の戦略への落とし込みについて自ら主体的に検討を行っている。
      • DXを推進する、組織上位置付けられた専任組織がある。
      • DX推進を支える人材として、どのような人材が必要かが明確になっており、確保のための取組を実施している(計画的な育成、中途採用、外部からの出向、事業部門・IT担当部門間の人事異動等)。
      • DXの推進にあたり、オープンイノベーション、社外アドバイザー・パートナーの活用、スタートアップ企業との協業など、これまでのIT分野での受発注関係と異なる外部リソースの活用を実施している。
      • DX推進のための予算が一定の金額または一定の比率確保されている。それは他のIT予算と別で管理されており、IT予算の増減による影響を受けないようになっている。
      • 全社員が、デジタル技術を抵抗なく活用し、自らの業務を変革していくことを支援する仕組み(教育・人事評価制度等)がある。
      • DXの推進にあたり、新しい挑戦を促すとともに、継続的に挑戦し、積極的に挑戦していこうとするマインドセット醸成を目指した、活動を支援する制度、仕組みがある。
      • デジタルに関する専門知識を身につけた社員が、その知識を活用し、より実践的なスキルを身につけられるような人材配置の仕組みがある。
      • 自社のデジタル人材育成・確保に関する考え方が、外部に対しても効果的にアピールされている。
      • 社員一人ひとりが、仕事のやり方や行動をどのように変えるべきかが分かるような、経営ビジョンの実現に向けたデジタル活用の行動指針を定め、公開している。
  • デジタルガバナンス・コード前文(改訂案)
    • あらゆる要素がデジタル化されていくSociety5.0に向けて、ビジネスモデルを抜本的に変革(DX※:デジタルトランスフォーメーション)し、新たな成長を実現する企業が現れてきている。一方、グローバルな競争の中で、競合する新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例(デジタルディスラプション)も現れてきている。
    • こうした時代変化の中で、持続的な企業価値の向上を図っていくためには、
      1. ITシステムとビジネスを一体的に捉え、新たな価値創造に向けた戦略を描いていくこと
      2. デジタルの力を効率化・省力化を目指したITによる既存ビジネスの改善にとどまらず、新たな収益につながる既存ビジネスの付加価値向上や新規デジタルビジネスの創出に振り向けること
      3. ビジネスの持続性確保のため、ITシステムについて技術的負債となることを防ぎ、計画的なパフォーマンス向上を図っていくこと
      4. 必要な変革を行うため、IT部門、DX部門、事業部門、経営企画部門など組織横断的に取り組むこと
        が重要であり、企業全体の組織構造や文化の改革、中長期的な投資を行う観点から、経営者の関与が不可欠なものである。
    • 一方で、我が国企業で本格的なDXの取組は遅れており、レガシーシステムがいまだ足かせとなっている企業や、ビジネスモデルの変革に取り組むものの、変革の入り口で足踏みしている企業も多い。
    • また、企業のDXを進める能力を無形資産と捉えた、経営者とステークホルダーの対話も十分に行われていない。
    • こうした背景の中で、経営者に求められる企業価値向上に向け実践すべき事柄を「デジタルガバナンス・コード」として取りまとめていくこととする。企業がDXの取組を自主的・自発的に進めることを促すとともに、特に、経営者の主要な役割として、ステークホルダーとの対話を捉え、対話に積極的に取り組んでいる企業に対して、資金や人材、ビジネス機会が集まる環境を整備していく。
    • なお、対象は、上場・非上場や、大企業・中小企業といった企業規模、法人・個人事業主を問わず広く一般の事業者とする。また、ステークホルダーという用語は、顧客、投資家、金融機関、エンジニア等の人材、取引先、システム・データ連携による価値協創するパートナー、地域社会等を含む。
      • (※)DXの定義は次のとおりとする。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
  • DXとSX/GXの関係性
    • 近年その重要性が指摘されているSX(※1)やGX(※2)については、これらをさらに効果的かつ迅速に推進していくために、DXと一体的に取り組んでいくことが望まれる。
      • (※1)「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」(企業の稼ぐ力の持続的向上に向けた「長期の時間軸」を前提にした経営、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティの時間軸を同期化し、社会課題を企業経営に時間軸を踏まえて取り込んでいく取組み、不確実性に備えるため企業と投資家と継続的な対話によるレジリエンスの強化等)
      • (※2)「カーボンニュートラルにいち早く移行するための挑戦を行い、国際ビジネスで勝てるような「企業群」が、自ら以外のステークホルダーも含めた経済社会システム全体の変革(GX:グリーントランスフォーメーション)」(経済産業省「GXリーグ基本構想」抜粋

~NEW~
経済産業省 「東京GXウィーク」を開催します
  • 気候変動への対応は、全世界が共に取り組むべき喫緊の課題です。とりわけ、パリ協定の目標達成に向けて、できる限り早期に世界全体でカーボンニュートラルを実現することが重要です。
  • 他方、各国がおかれた経済的・地理的事情は様々であり、実効的な排出削減に向けた取組を進めていくためには、画一的なアプローチではなく、多様な実態を踏まえて、幅広い技術やエネルギー源を活用した「トランジション」を加速化していくことが不可欠です。加えて、これまでの技術の延長線上にはない革新的なイノベーションの創出と社会実装を進めながら、途上国に対しては脱炭素化に向けたエンゲージメントを行っていくことが重要です。
  • 各国閣僚や各分野をリードする世界の有識者、指導者を招き、産業革命以来の化石燃料依存の経済・社会、産業構造から、クリーンエネルギー中心の経済・社会、産業構造へ転換しつつ、排出削減を経済の成長・発展につなげるGX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向け、「東京GXウィーク」を開催いたします。
  • 本年秋、経済産業省は以下の会議を、「東京GXウィーク」として一体的に開催します。
    1. 第2回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合
      • アジア等新興国において経済成長とカーボンニュートラルを同時実現するためには、各国の事情を考慮し、あらゆるエネルギー源・技術を活用した、多様かつ現実的なエネルギートランジションが必要です。こうした考え方について、4月に開催のAGGPM官民フォーラムでの議論も踏まえて参加国間でさらに議論を深め、G20やCOP27といった会合を見据えながら国際社会にも発信していく予定です。
    2. 第4回カーボンリサイクル産学官国際会議
      • 本会議では、世界のカーボンニュートラル実現のキーテクノロジーであるカーボンリサイクルについて、我が国の取組の進捗等を発信するとともに、広島県・大崎上島のカーボンリサイクル実証研究拠点の稼働というタイミングに合わせて、世界の産・学・官の叡智を結集し、社会実装に向けた課題等についてのインテンシブな議論を行います。これにより、国際連携の更なる強化を目指します。
    3. 第5回水素閣僚会議
      • 水素閣僚会議は、水素の利活用をグローバルな規模で推進し、関係各国が歩調を合わせ一層の連携を図る場として、2018年に世界で初めて日本で開催され、本年は5回目の開催となります。本年度は、エネルギー情勢の変化を踏まえ、エネルギー安全保障への対応や水素の取組への国・地域レベルでの関与促進、水素利活用促進のための支援の在り方等について、議論を深める予定です。
    4. 第2回燃料アンモニア国際会議
      • 地球温暖化対策に有効な燃料アンモニアの安定的、低廉で柔軟性のあるサプライチェーン・市場を構築していくために、国家の垣根を越えた関係者の国際連携基盤を構築すべく、燃料アンモニア関係国・企業・関係機関による国際会議を開催いたします。同会議の中では、燃料アンモニアの国際的な認知向上とともに、需給拡大に向けた取組の方向性について、サウジアラビア等の潜在的な供給国も巻き込みながら議論を深化させていきます。
    5. 第11回LNG産消会議
      • LNG産消会議は、世界のLNG市場の発展に向けて、生産国・消費国が一堂に会して議論する世界最大規模のLNG関連の国際会議であり、今年で11回目の開催となります。本年は、国際エネルギー情勢が大きく変動する中で、気候変動対応のみならず、エネルギーの安定供給の観点からますます注目が集まるLNGについて、今後の市場見込みや官民に求められる対応等に関し、議論を深める予定です。
    6. 第2回アジアCCUSネットワークフォーラム
      • アジアCCUSネットワークは、アジア全域でのCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)活用に向けた知見の共有や事業環境整備を目指す国際的な産学官プラットフォームとして、昨年6月に立ち上げられました。第二回目となる本フォーラムでは、この一年間の歩みを振り返るとともに、参加国間でのパネルディスカッション等を通じて、アジア全域でのCCUSネットワークの実現に向けた共通ルール作りやプロジェクト形成に向けた議論を深める予定です。
    7. 第4回TCFDサミット
      • 気候変動対策を強力に推進するため、金融の重要性が一層増す中、気候変動関連の情報開示の枠組みとしてG20の要請で設立されたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が目的とする気候関連財務情報の開示を企業等に義務化する動きが国際的に進んでいます。
      • 今回のTCFDサミットでは、産業界・金融界のリーダーとともに、国際的な共通ルールを踏まえた開示の質の向上、炭素中立実現に向けた重要な手段であるトランジションやイノベーションの取組が投資家に適格に評価され、資金供給が促されるよう開示の在り方を議論し、ファイナンスが企業のカーボンニュートラル実現を後押しするための流れを加速させていきます。
    8. 第9回ICEF
      • イノベーション創出を加速するアクションに焦点を当て、「多様化はイノベーションの源泉」との認識を共有したうえで、様々な国・地域、技術の専門家等のステークホルダーによる議論の深化を図ります。我が国としても、エネルギーの需要・供給両面のみならず、二酸化炭素除去技術、重要鉱物なども取り上げ、我が国発のイノベーション・アクションの成果を発信していきます。
    9. 第4回RD20(リーダーズ・セッション)
      • カーボンニュートラルの実現に向けたイノベーション創出に繋げるため、クリーンエネルギー技術分野におけるG20の研究機関のリーダーを集め、各国研究機関のアライアンス強化、国際的な共同研究開発の展開等について議論します。リーダーズ・セッションでは、低炭素社会に向けた地球規模の連携について研究機関のリーダーによるハイレベルな議論を行うとともに、活動のさらなる具体化に向けて通年の活動を行うInitiativeとしての体制構築も目指します。
    10. 第1回国際GX会合(GGX)
      • 世界全体でのグリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けて、グリーン市場の設計、グリーン製品の評価尺度や基準、貿易ルールといった重要な課題について、各国によるイニシアチブとも連携しながら、議論を深めていきます。本会合は、今回、新しく開催するものです。

~NEW~
経済産業省 日野自動車(株)の排出ガス・燃費性能試験における不正行為について事実関係の究明等の指示等を行いました
  • 本日、日野自動車(株)より、同社における排出ガス・燃費性能試験における不正行為について、同社の調査結果の報告を受けました。
  • この報告の中で、令和4年3月4日に報告があった以外にも、過去に生産していたものを含め、トラック・バス用エンジン及び建設機械等向けのエンジンについて、型式指定申請時に不正行為等があった旨、一部は排出ガス基準や燃費のカタログ値を満たしていない旨の報告がありました。
  • このような事態は、自動車及び建設機械等のユーザーの信頼を損なうものであり、今回更なる不正行為等が明らかになったことは極めて遺憾です。
  • これを踏まえ、経済産業省は、同社に対し、(1)事実関係の究明、(2)顧客・取引先への適切な対応、(3)十分な対外説明、(4)原因の徹底究明・再発防止策の実施を改めて指示し、事実関係については速やかに報告するよう求めました。
  • また、該当エンジンを搭載した建設機械等を製造・販売した建設機械等メーカーに対しては、オフロード法(特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律)の趣旨に則り、ユーザーへの丁寧な対応を行うよう指導しました。
    1. 日野自動車からの報告概要
      • 同社の特別調査委員会の調査等により、個別エンジンについて以下が判明。
        1. 現行生産エンジン14機種のうち12機種について、排出ガス長距離耐久試験に係る不正
          • うち4機種(うち建設機械等用3機種)は基準不適合、うち8機種(うち建設機械等用4機種)は基準適合
        2. 生産終了エンジンについて、燃費試験、排出ガス長距離耐久試験に係る不正
          • 燃費性能については、うち4機種がカタログ値に未達、うち5機種がカタログ値は達成
          • 排出ガス性能の基準適合性は、多くの機種を対象に調査を継続中
          • 同社は、基準不適合が判明したエンジン及びそれを搭載した車両の生産を自主的に停止した。また、基準不適合ではないものの認証プロセスにおける不正行為が判明したエンジン及びそれを搭載した車両の出荷については、国土交通省の指導に従い同社として適切に対応する。
          • 同社は、特別調査委員会の調査結果及び提言を踏まえ、再発防止対策を徹底していく。
    2. 経済産業省の対応
      1. 日野自動車からの報告を踏まえ、同社に対し改めて以下4点を指示するとともに、事実関係については速やかに報告するよう求めました。
        • 事実関係の究明
        • 情報提供など顧客・取引先への適切な対応
        • 問題の経緯や今後の対応についての十分な対外説明
        • 原因の徹底究明、再発防止策の実施
      2. 建設機械等メーカーに対し、該当エンジン搭載済みの建設機械等について、オフロード法の趣旨に則り、ユーザーへの丁寧な対応や説明に努めるよう指導しました。
      3. 生産停止に伴うサプライヤー等への影響を速やかに調査し、必要な対策について検討を行います。

~NEW~
総務省 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和4年1月1日現在)
▼資料1 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント(令和4年1月1日現在)
  • 人口総計 1億2,592万7,902人(▲72万6,342人、▲0.57%)
  • 日本人住民 1億2,322万3,561人(▲61万9,140人、▲0.50%)
  • 外国人住民 270万4,341人(▲10万7,202人、▲3.81%)
    • 日本人住民の人口は、平成21年をピークに13年連続で減少
    • 現行調査開始(昭和43年)以降、平成18年に初めて減少し、平成20年、21年と増加したが、平成22年から13年連続で減少
    • 外国人住民の人口は、2年連続で減少
    • 調査開始(平成25年)以降、平成26年に減少し、平成27年から6年連続で増加したが、令和3年から2年連続で減少
  • 自然増減数(出生者数-死亡者数)
    1. 日本人住民の自然増減数は、▲62万9,703人
      • 自然減少数は14年連続で拡大し、調査開始(昭和54年度)以降最大
      • 調査開始(昭和54年度)以降、自然増加数は縮小傾向で推移し、平成17年度には自然減少に転じた。平成18年度に自然増加に戻ったものの、平成19年度に再び自然減少に転じた後、14年連続で自然減少数は拡大
      • 出生者数は、81万2,036人。減少傾向にあり、調査開始(昭和54年度)以降最少
      • 死亡者数は、144万1,739人。増加傾向にあり、前年は減少になったが、令和3年は調査開始(昭和54年度)以降最多
    2. 外国人住民の自然増減数は、+1万205人
      • 自然増加数は拡大傾向にあったが、令和3年は前年より縮小
      • 出生者数は、1万8,286人。増加傾向にあったが、令和3年は前年より減少
      • 死亡者数は、8,081人。増加傾向にあり、調査開始(平成24年度)以降最多
  • 社会増減数(転入者数等-転出者数等)
    1. 日本人住民の社会増減数は、+1万563人で、前年より大幅に縮小
      • 転入者数は、491万4,155人で、調査開始(昭和54年度)以降最少
      • 転出者数は、493万7,305人で、前年より増加
    2. 外国人住民の社会増減数は、△11万7,407人で、令和2年から2年連続で社会減少
      • 国外からの転入者数は、12万1,751人で、国外への転出者数等は、23万7,307人
  • 人口増加・自然増加・社会増加
    • 人口増加 1団体(沖縄県) +186人、+0.01%
    • 自然増加 1団体(沖縄県) +1,077人、+0.07%
    • 社会増加 5団体 増加数1位 神奈川県 +24,944人 増加率1位 埼玉県 +0.28%
    • 都道府県において、平成30年~令和4年の対平成29年人口増減率について、令和4年でプラスとなっているのは3都県。3都県とも5年間プラスまた、直近5年連続での自然増加は沖縄県のみ、社会増加は6都府県
  • 人口増減率、自然増減率、社会増減率
    • 人口増減率 市区部▲0.52%(88.8%がマイナス団体) 町村部▲1.14%(91.0%がマイナス団体)
    • 自然増減率 市区部▲0.46%(95.2%がマイナス団体) 町村部▲0.85%(95.3%がマイナス団体)
    • 社会増減率 市区部▲0.07%(72.9%がマイナス団体) 町村部▲0.03%(75.5%がマイナス団体)
  • 人口増加、自然増加、社会増加の1位
    • 人口増加数 市区部 埼玉県さいたま市(+7,637人) 町村部 広島県府中町(+834人)
    • 人口増加率 市区部 千葉県流山市(+2.10%) 町村部 東京都利島村(+7.10%)
    • 自然増加数 市区部 東京都中央区(+1,017人) 町村部 福岡県粕屋町(+279人)
    • 自然増加率 市区部 東京都中央区(+0.60%) 町村部 福島県檜枝岐村(+0.77%)
    • 社会増加数 市区部 埼玉県さいたま市(+9,756人) 町村部 広島県府中町(+775人)
    • 社会増加率 市区部 千葉県流山市(+1.92%) 町村部 東京都利島村(+6.77%)
  • 三大都市圏の人口
    • 総計の人口は、6,615万3,265人で、2年連続で減少。人口割合は、52.53%で、10年連続で全国人口の50%を上回る。
    • 日本人住民の人口は、6,426万4,479人で、4年連続で減少。人口割合は、52.15%で、16年連続で全国人口の50%を上回る。
    • 外国人住民の人口は、188万8,786人で、2年連続で減少。人口割合は、69.84%で、10年連続で全国人口の約70%を占める。
    • 東京圏の日本人住民の人口は、0.10%減で調査開始以降初めて減少
  • 年齢階級別人口
    • 日本人住民の年少人口は、1,479万5,894人で、調査開始(平成6年)以降毎年減少
    • 生産年齢人口は、7,269万2,237人で、平成7年を除き、毎年減少
    • 老年人口は、3,573万5,422人で、調査開始(平成6年)以降毎年増加(平成27年から年少人口の2倍以上に)

~NEW~
総務省 「ICTサイバーセキュリティ総合対策2022」(案)に対する意見募集の結果及び「ICTサイバーセキュリティ総合対策2022」の公表
▼別紙2 ICTサイバーセキュリティ総合対策2022
  • 電気通信事業者による積極的サイバーセキュリティ対策の推進
    1. サイバー攻撃に対する電気通信事業者の積極的な対策の推進
      • 2022年度に実施する、電気通信事業者による積極的なサイバーセキュリティ対策に関する実証事業については、以下のとおり、成果を踏まえて新たな内容を盛り込みつつ、2023年度も引き続き実証事業を継続することが適当である。
      • フロー情報分析によるC&Cサーバ検知の手法については、検知精度の高度化を図るとともに、検知結果の電気通信事業者間の共有の実証を行う。
      • 悪性Webサイトの検知技術・共有手法については、悪性Webサイト情報の収集・分析を継続するとともに、収集・分析結果を実際のセキュリティサービス等に活用した際の効果検証を行う。
      • RPKI、DNSSEC、DMARC等のネットワークセキュリティ技術については、我が国では広く電気通信事業者等に普及するには至っていない状況にあるところ、実証事業によって、技術的な観点にとどまらない普及の方策等を検討する。
      • また、通信の秘密に配慮しつつ、より迅速な電気通信事業者によるサイバー攻撃対策を実現するために、今後、既存の法的整理に関する現状及び課題や諸外国における法制度の状況を整理した上で、制度改正の必要性も含め検討を行うことが適当である。
    2. 電気通信事業者におけるガバナンス確保
      • 電気通信事業ガバナンス検討会等における議論を踏まえ、第208回国会で成立した「電気通信事業法の一部を改正する法律」について、必要な下位法令の整備を行う
  • 情報通信分野におけるサプライチェーンリスク対策
    1. 5Gセキュリティガイドラインの普及等
      • 2022年4月に公表した「5Gセキュリティガイドライン第1版」について、国内の5Gオペレータへの普及を図り、5Gネットワークのセキュリティの確保を進めるべきである。その際、オペレータ等によるデューデリジェンスを促し、ベンダーをはじめとする5G技術サプライヤを含め、5Gサービスのサプライチェーン全体のセキュリティ確保に取り組むことが適当である。また、ITU-TSG17における標準化対象の一つとして、同ガイドラインをベースとした勧告化の提案を進めていくべきである。さらに、NICTに構築された5Gセキュリティ検証環境については、今後もNICTや我が国の産業界において活用がなされるよう、検討を進めていくことが重要である。これらの推進に当たっては、国際的にも進展の見られる基地局設備のインターフェースのオープン化や基地局設備自体の仮想化(いわゆるOpenRANやvRAN)、コアやMECを含めたクラウド(IaaS)利用も念頭に置くことが適当である。
    2. 5Gのセキュリティの促進のための政策的措置
      • 引き続き5Gの制度面において、サイバーセキュリティ上のサプライチェーンリスク対策等の安全性・信頼性等が確保された5Gの導入促進を行うことが必要である。
    3. 情報通信分野におけるSBOM導入の可能性の検討等
      • ApacheLog4jなど広く利用されているソフトウェアの構成部品の脆弱性への対処が重要となる中、ソフトウェア製品の構成部品を管理して脆弱性に迅速に対応することを可能とする仕組みであるSBOM(SoftwareBillofMaterials)について、情報通信分野における導入の可能性を検討していくことが適当である。また、広く普及する通信用アプリケーション等に関する利用上の注意の在り方を検討していくことが適当である。
  • IoTにおけるサイバーセキュリティの確保
    • NOTICEやNICTER注意喚起等の既存の取組を継続するとともに、NOTICEについては、2022年度からhttp/httpsに関する注意喚起を開始し、またリフレクション攻撃に悪用されるおそれのあるIoT機器への対処について、今後、検知された機器数等の予備調査の結果を踏まえた上でISPと調整し、早急に開始する。依然としてIoT機器を狙ったサイバー攻撃が多い現状に鑑みると、NOTICEやNICTER注意喚起について、注意喚起対象の増減要因の詳細分析や調査対象ポートの拡大等の調査の詳細化・高度化の検討を行うのに並行して、NOTICEが2年後に実施期限を迎えることも踏まえつつ、IoT機器などの脆弱性調査・注意喚起等の更なる対応について、制度や国による予算支援の必要性の検討が必要である。
    • 各ISPから利用者への注意喚起に関しては、電子メールだけでなく郵送・架電・往訪等による効果的な注意喚起を継続することが求められる。IoT機器の利用者(回線契約者)に対する注意喚起に加えて、IoT機器を設置・運用する事業者(SIer等)やマンションインターネット事業者等に対しても、積極的な注意喚起を行うことが必要である。
    • また、各ISPからの注意喚起だけではなく、IoT機器製造事業者との連携や、IoT機器利用者への一般的な周知広報等を活用した注意喚起を通じて、IoT機器のセキュアな設定(パスワード設定、ファームウェア更新等)についてのきめ細かな注意喚起を進めることや、ソフトウェア脆弱性等を有するIoT機器(例:VPN機器、サポート期限切れ機器等)を特定し、直接的な注意喚起を行う手法について検討を進めることが適当である。
    • これらの検討に当たっては、IoT機器の設計・製造・販売段階で、製造事業者におけるIoT機器のセキュリティ・バイ・デザインの考え方を十分に浸透させ、新たに接続される脆弱なIoT機器を増やさない取組や、IoT機器利用者が、利用する機器の脆弱性を自主的に確認できるようにサポートする方法を検討するなど、利用者目線に立った取組を検討することが今後重要である。
    • また、法令に基づく技術基準に加え、民間団体がセキュリティ要件のガイドラインを策定し、当該要件に適合したIoT機器に対して適合していることを示すマークを付す認証(Certification)の仕組みを構築している。このような任意の認証がより広範に普及するなど民間においても自主的な取組が進むことが期待される。
  • クラウドサービスにおけるサイバーセキュリティの確保
    • 引き続き、「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン」の普及促進を図るとともに、クラウドサービスの設定ミスを防止するための取組の検討については、「クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン(仮称)」として、広く意見募集を行った後、2022年中に策定・公表した上で、今後、特に利用者に向けて、分かりやすく啓発していくことが重要である
    • また、ISMAPについては、セキュリティ上のリスクの小さい業務・情報を扱うシステムが利用するクラウドサービスに対する仕組みとして、影響度が低いと評価される業務・情報に用いられるSaaSを対象とするISMAP for LowImpact Use(ISMAP-LIU、仮称)を2022年中に策定するなど、政府機関における安全なクラウドサービスの利用促進に向けて、制度の充実化及び見直しに継続して取り組む必要がある。
  • スマートシティにおけるサイバーセキュリティの確保
    • 「スマートシティセキュリティガイドライン(第2.0版)」について、引き続き、国内における普及促進及び国際的な制度調和に向けた海外の政府機関との意見交換の取組を行う。また、スマートシティの先進自治体や都市OSベンダー等の関係者との意見交換を通じて、国内外のスマートシティセキュリティに関するベストプラクティスなども参考としながら、随時必要な見直しを行っていくことが適当である。
  • ICT-ISACを通じた情報共有
    • 2021年度まで実施した上記の総務省実証事業の成果を含め、高度化された情報共有基盤の有効活用により、より迅速なサイバーセキュリティ対策が取られるよう、関係者による取組や利用の普及を促進することが必要である。
    • ICT-ISACにおける情報共有基盤を用いた脅威情報の共有については、引き続き、活性化を促していく必要がある。また、脆弱性の深刻度の自動的な評価技術については、システムの有効活用も含め、ICT-ISACを中心とした利用普及を促進していくべきである。
    • さらに、同一の情報共有基盤で脅威情報と脆弱性情報を取り扱うことによりサイバーセキュリティ対策の高度な自動化を行うコンセプトについては、その社会実装に向け、今後、実際に提供されている脆弱性情報データベースやソフトウェア資産管理ツール側との連携が求められる。総務省としても、SBOMの今後の普及動向も踏まえつつ、本件実証事業の関係者と脆弱性情報データベースやソフトウェア資産管理ツールの関係者との連携状況を引き続きフォローしていくべきである。
  • 放送設備におけるサイバーセキュリティ対策
    • 今後とも、放送法施行規則等の制度を着実に運用していくとともに、放送設備のIP化・クラウド化等の技術動向も踏まえ、放送における可用性確保の重要性を考慮した上で更なるサイバーセキュリティ対策の必要性を検討することが必要である。
  • Beyond5G・6Gに向けたサイバーセキュリティの検討
    • 5Gに関しては、イに挙げた既存施策を着実に実施する。その上で、来るBeyond5G・6Gにおいて開発・採用される技術について、多様な通信サービスを安全かつ安定的に信頼して利用できるよう、セキュリティ・バイ・デザインの考え方が反映されることが重要である。サイバー空間に関する将来動向を把握し、新たな研究開発要素も含め、国として推進すべきセキュリティ面での取組を検討することが適当である。この点、特に、情報通信アーキテクチャに関する国際的な議論の動向の主体的把握に努めるとともに、将来のサイバー空間のガバナンスやルールに、我が国が掲げる価値観が反映されるよう積極的に関与していくことが適当である。こうした観点から、インターネット・コミュニティとの連携等を進め、主要な国際標準化団体等における関連する議論の動向を把握するとともに、そうした議論への我が国からの参加や国内における議論の活性化を促進していくべきである。なお、我が国が掲げる「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の在り方と必ずしも整合的ではないと考えられる国際標準の提案は、既存のインターネットのTCP/IP等のアーキテクチャに内在する脆弱性の存在を強調し、それを解決するための案として主張される場合もある。その一方、アの実証事業でも念頭に置くRPKIやDNSSEC、DMARCのように、既存のインターネットのアーキテクチャを前提に、そこに内在する脆弱性を緩和するための技術の標準化も進んでいる。国際場裡における議論に効果的に対応していくためには、これら技術のメカニズムや効果、国内外の普及状況等を踏まえた関与が求められる。
  • トラストサービスの普及
    • 引き続き、これまでに整備した国による認定制度を適切かつ確実に運用するとともに、政府におけるデータ戦略、とりわけトラストを確保する枠組みの実現に向けた検討の動向を踏まえながら、各種トラストサービスの普及に向けた取組を行う。具体的には、改ざんの有無等を簡便に確認することができ、業務効率化や生産性の向上、ひいてはDXの推進に寄与することが期待されるトラストサービスの普及に向け、民間における取組を支援するほか、eデリバリー(電子的な配達証明付き内容証明郵便に相当)等データ流通の信頼性の確保に向けた検討を行うことが適当である。

~NEW~
総務省 販売代理店の業務の適正性確保に向けた指導等の措置の実施及び苦情相談の処理における体制の強化に向けた取組に係る要請
  • 総務省は本日、株式会社NTTドコモ(代表取締役社長 井伊 基之)、KDDI株式会社(代表取締役社長 高橋 誠)(注:正しくははしごだか)及びソフトバンク株式会社(代表取締役社長執行役員兼CEO 宮川 潤一)、楽天モバイル株式会社(代表取締役社長 矢澤 俊介)並びに一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会(会長 金治 伸隆)に対して、携帯電話の販売代理店の業務の適正性確保に向けた指導等の措置の改めての実施について、一般社団法人電気通信事業者協会(会長 島田 明)及び一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟(理事長 渡辺 克也)に対して、苦情相談の処理における体制の強化に向けた取組に係る措置の実施について、それぞれ要請を行いました。
  • 「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」(主査:新美 育文 明治大学名誉教授)では、昨年9月に取りまとめた「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」に即して検討を行い、本年7月に「「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」を踏まえた取組に関する提言」(以下「提言」という。)を取りまとめました。本日、総務省では、提言を踏まえて、下記の2点について、関係事業者等に対して要請を行いました。
    1. 販売代理店の業務の適正性確保に向けた指導等の措置について
      • 全国に約8,000ある大手携帯電話事業者の店舗(いわゆる「キャリアショップ」※)は、携帯電話サービスの契約やアフターサービスを扱う利用者にとって最も身近な窓口となっています。※携帯電話事業者の直営店もあるが、その大半は販売代理店が運営。
      • 特に、携帯電話事業者は様々な料金プランやオプションを提供していることから、利用者が自らのニーズに合った内容の契約を選択することは容易ではなく、利用者が対面で説明やサポート等を受けることができるキャリアショップは大きな役割を果たしています。このため、総務省では、昨年5月に、携帯電話事業者等に対して、業務の適正性確保に関する要請を実施したところです。
      • 提言では、総務省が今年実施した調査(本年4月25日公表)において、昨年の要請以降も未だに広く不適切な行為が行われ、かつ、こうした行為は、行為者の判断に基づき行われるケースは少なく、MNOや販売代理店の営業目標、店長等の指示といった外的な圧力に起因して行われるケースが大半を占めていることが伺える結果となったことに言及しています。
      • また、総務省が昨年9月に設置した「携帯電話販売代理店に関する情報提供窓口」に寄せられた情報では、携帯電話事業者が設定する現行の手数料や評価の体系では、利用者の利益よりも契約の獲得を優先せざるを得ないといった声や、目標値が高すぎるといった声があったことにも言及しています。
      • その上で、提言では、携帯電話事業者各社及び販売代理店において実施してきた様々な取組では十分といえないこと、携帯電話事業者が販売代理店に示す契約獲得等の目標値や出張販売に係る課題について指摘しています。
      • このため、指摘を踏まえ、本日、総務省では、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社及び楽天モバイル株式会社に対して、販売代理店の業務の適正かつ確実な遂行を確保するために講じている措置について、必要に応じて見直しや強化を図るとともに、販売代理店に対し、不適切な行為が行われないようにするため、販売代理店が適合性の原則に則って契約を締結することが十分促される仕組みにするなど、必要な措置を講じるよう要請を行いました。また、一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会に対して、加盟各社への対応等を行うよう要請を行いました。
    2. 苦情相談の処理における体制の強化に向けた取組について
      • 苦情相談の処理における体制の強化については、昨年9月に「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」(主査:新美 育文 明治大学名誉教授)において取りまとめた「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」を受けて同検討会の下に「苦情相談処理体制の在り方に関するタスクフォース」を設置し、本年6月に、事業者団体の自主的な取組という形で新たな苦情相談処理体制の試行的取組を実施し、その状況や効果・課題等を検討会において継続的に検証することが適当であるなどの内容の報告書をとりまとめたところです。
      • 本年7月の提言において、関係団体はこのタスクフォースの報告書を踏まえた対応をすべき旨の指摘がされたことを踏まえ、本日、総務省では、一般社団法人電気通信事業者協会及び一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟に対して、苦情相談の処理における体制の強化に向けた取組を行うよう要請を行いました。

~NEW~
総務省 特定利用者情報の適正な取扱いに関するワーキンググループ(第4回)
▼資料4-1 特定利用者情報の適正な取扱いに関するワーキンググループ取りまとめ案
  • 特定利用者情報を適正に取り扱うべき電気通信事業者
    • 特定利用者情報の適正な取扱いに関する規制の対象者は、より多くの電気通信事業者とすることが望ましいが、利用者の利益に及ぼす影響が限定的である電気通信役務のみを提供する電気通信事業者については規制による負担の増加等にも一定の配慮をする必要がある。
    • 極めて大多数の国民が利用している電気通信役務ではその取り扱う特定利用者情報も極めて多くなること、電気通信役務の対価として利用者から料金の支払を受ける有料の電気通信役務は情報の適正な取扱いに対して利用者からの期待がより一層高いと考えられること、無料の電気通信役務は1人が同一のサービスで複数のアカウントを利用する場合も少なくないこと等も考慮し、対象となる電気通信役務の基準としては、以下とすることが考えられる。
      • 電気通信役務の対価として利用者から料金の支払を受けない無料の電気通信役務に関しては、利用者数(契約締結者又は利用登録によりアカウントを有する者の数)1,000万人以上を有する電気通信役務
      • 電気通信役務の対価として利用者から料金の支払を受ける有料の電気通信役務に関しては、利用者数(契約締結者又は利用登録によりアカウントを有する者の数)500万人以上を有する電気通信役務
    • また、「利用者数」は、諸外国の制度や電気通信事業者の算定負担等も考慮し、前年度末(3月末)時点における月間アクティブ利用者数10(一月当たりの当該電気通信役務の提供を受けた契約締結者又は利用登録によりアカウントを有する者の数。以下同じ。)の年平均値とすることが考えられる。
    • なお、参議院における電気通信事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を踏まえ、当該基準の対象外となる電気通信事業を営む者にも、ガイドライン等により特定利用者情報の適正な取扱いを推奨していくことが適当である。
  • 検索情報電気通信役務
    • 新たに電気通信事業者としての規律の対象となる検索情報電気通信役務に関しては、特に影響が大きい電気通信役務に対象を限定する観点から、以下のどちらにも該当する電気通信役務とすることが適当である。なお、検索サービスの利用者数に関しては、スマートフォンではログインをした状態で検索サービスを使用することが一般的であるため、登録アカウント数を代替的に用いることが適当である。
      • 前年度末(3月末)時点における月間アクティブ利用者数の年平均値が1,000万人以上である電気通信役務
      • (利用者に公開されている全てのウェブサイトの検索が可能な)分野横断的な検索サービスを提供する電気通信役務
  • 媒介相当電気通信役務
    • 新たに電気通信事業者としての規律の対象となる媒介相当電気通信役務としては、これまでの電気通信事業法の規律の対象となる電気通信事業の考え方との近似性・連続性にも配慮し、以下のいずれにも該当する電気通信役務とすることが適当である16。
    • 前年度末(3月末)時点における月間アクティブ利用者数の年平均値が1,000万人以上である電気通信役務
      • 主としてコミュニケーションに係る情報を実質的に媒介する電気通信役務。ただし、付随的に上記役務の機能を提供する電気通信役務及び商取引に関する情報のみを扱う電気通信役務は、対象外とする。
  • 規律対象者の指定に際して報告を求める内容
    • 規律対象者の指定に際して、書面又は電磁的な方法により報告を求める内容としては、以下とすることが適当である。
      • 電気通信事業者並びに検索情報電気通信役務及び媒介相当電気通信役務の要件(利用者数に係るものを除く。)に該当する電気通信役務を提供する第三号事業を営む者は、毎年度、報告年度経過後1月以内に、当該報告年度の月間アクティブ利用者数の年平均値が、無料の電気通信役務にあっては900万以上、有料の電気通信役務にあっては450万以上である電気通信役務を提供している場合は、その利用者の状況(該当する電気通信役務と利用者数)
      • 利用者数の報告は、利用者数が閾値(又は閾値に近い数)に達したかどうかどうかを把握すれば足りるため、これらの閾値等に達した場合(及び下回った場合)にのみ報告を求めることとする。
      • 具体的には、まず「(1)無料の場合900万以上1,000万未満(有料の場合450万以上500万未満)」又は「(2)無料の場合1,000万以上(有料の場合500万以上)」のいずれかに該当する者は、その旨を報告することとする。その後、(1)に該当する者は、「(1)→(2)」又は「(1)→(3)無料の場合900万未満(有料の場合450万未満)」となった場合((2)に該当する者は、「(2)→(1)」又は「(2)→(3)」になった場合)にその旨を、(3)に該当する者は、「(3)→(1)」又は「(3)→(2)」になった場合にその旨を報告することとし、それ以外の場合は、報告を不要とする。
      • また、報告する電気通信役務については、報告対象となる電気通信事業者がどのような電気通信役務の区分ごとに報告すればよいか判断が難しいこと、現行法に基づき総務省に提出している電気通信役務は、4Gと5Gを異なる電気通信役務として整理するなど細分化されていることを踏まえ、電気通信役務の区分を予め明確化するため、電気通信役務の代替性も考慮し、以下の区分で報告することが考えられる
  • 特定利用者情報
    • 特定利用者情報は、通信の秘密に加え、利用者(契約締結者又は利用登録によりアカウントを有する者)を識別できる情報であって、「データベース等を構成する情報」が適当である。具体的には、利用者を識別することができる情報の集合物であって、利用者を識別することができる情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの等とする。
  • 情報取扱規程
    • 電気通信事業者による自主的かつ実効的なガバナンスを確保する観点から、情報取扱規程に記載すべき事項として、以下とすることが適当である。
      1. 特定利用者情報の安全管理に関する事項
        • 組織的安全管理措置(例:責任者の設置、漏えい等事案に対応する体制等報告連絡体制、マニュアル整備、自己点検・監査等)
        • 人的安全管理措置(例:研修の実施、誓約書の提出等)
        • 物理的安全管理措置(例:入退室管理、機器の持ち込み制限、盗難・紛失防止措置等)
        • 技術的安全管理措置(例:アクセス管理、不正アクセスやDDoS攻撃等サイバー攻撃への対策等)
        • 外的環境の把握体制(例:諸外国の法的環境の把握体制等)
      2. 特定利用者情報の委託先の監督に関する事項
        • 委託先の選定方法(例:自らが講ずべき安全管理措置と同等の措置が確実に実施されることの確認方法等)
        • 委託契約において記載する特定利用者情報の取扱いに関する事項(例:安全管理措置、秘密保持、再委託の条件、委託契約終了時の特定利用者情報の取扱い、契約内容が遵守されなかった場合の措置、その他の特定利用者情報の取扱いに関する事項等)
        • 委託先(再委託先、再々委託先等を含む。)における特定利用者情報の取扱状況の把握に関する体制及び方法(例:定期的監査、監査結果を踏まえた委託契約の見直し、再委託先における情報の取扱状況の把握方法等)
      3. 情報取扱方針の策定及び公表に係る体制に関する事項(例:方針の策定組織等)
      4. 特定利用者情報の取扱状況の評価に係る体制及び方法に関する事項
        • 評価実施体制及び評価結果の反映体制
        • 評価事項、評価頻度及び評価方法
      5. 従業者の監督に係る体制及び方法に関する事項(例:アクセス管理の体制、教育研修等の内容・頻度等)
        • また、電気通信事業者が情報取扱規程を策定する上での参考となるように、総務省において具体的な記載事例等を示した記載マニュアルを策定することが望ましい。
        • なお、グローバル企業において、日本の利用者情報に限定した情報取扱規程を策定することが困難な場合も想定されることから、上記が含まれる前提で、企業集団全体として情報取扱規程の策定を行うことも許容することが適当である。また、「2.8特定利用者情報の取扱状況の評価」で後述するが、特定利用者情報を適正に取り扱うべき電気通信事業者として総務大臣から指定を受けた電気通信事業者は、毎事業年度、情報取扱規程の遵守状況や社内外の環境変化等について評価することが想定されるが、当該評価結果に基づき情報取扱規程の変更を行った場合は、新法第27条の6第2項に基づき、遅滞なく変更の届出を行うことが必要となると考えられる
  • 情報取扱方針
    • 公表する情報が多くなるほど、利用者にとって分かりにくくなるおそれも考慮し、利用者が安心で信頼できる電気通信役務を確保する観点から、必要最低限の事項として、ホームページにおいて、利用者が理解しやすい分かりやすい記載により、以下を記載した情報取扱方針を策定することが適当である。なお、分かりやすい記載としては、例えば、全ての情報を一覧表示せず、アコーディオン方式で整理し、利用者が必要とする情報のみを表示することができるようにすることや挿絵・図表を活用することなどが適当である。また、既にプライバシーポリシーを定めている場合、既存のものに必要事項を追記して対応することで問題ないと考えられる。
      1. 取得する特定利用者情報の内容に関する事項
        • 直接取得する特定利用者情報の項目
        • 特定利用者情報の取得方法
      2. 特定利用者情報の利用の目的及び方法に関する事項(※)
        • 特定利用者情報の利用目的(具体的利用例を含む。)
      3. 特定利用者情報の安全管理の方法に関する事項(※)
        • 安全管理措置の概要
        • 外国に所在する第三者に特定利用者情報の取扱いを委託する場合は、委託先(再委託先を含む。)の所在国の名称
        • 外国に所在するサーバーに特定利用者情報を保存する場合は、サーバーの所在国の名称(保存する可能性がある国の名称を含む。)
        • 委託先の所在国及びサーバーの所在国に関して、電気通信事業者に対し政府の情報収集活動への協力義務を課すことにより、電気通信事業者が保有する特定利用者情報について政府による情報収集が可能となる制度の存在
      4. 利用者からの相談等に応ずる営業所等の連絡先(※)
      5. 特定利用者情報の漏えいに係る事案(指定を受けている期間に発生したものであって過去10年の間(指定を受けている期間が10年よりも短い場合は、当該指定を受けている期間)に発生したものに限る。)の内容及び時期
        • なお、上記で(※)を記載した事項については、個人情報保護法第32条第1項において、本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置かなければならない事項(保有個人データの利用目的、保有個人データの安全管理のために講じた措置、保有個人データの取扱いに関する苦情の申出先等)とされている。
  • 特定利用者情報の取扱状況の評価
    • 特定利用者情報の取扱状況に関する評価については、以下の事項・観点とすることが適当である。
      1. 前事業年度における情報取扱規程及び情報取扱方針の遵守状況
      2. 前事業年度における、社会情勢、技術革新、外国の法的環境の変化、サイバー攻撃のリスクその他の外部環境の変化による影響
      3. 前事業年度における、事故その他の内部環境の変化による影響
        • なお、グローバル企業において、日本の利用者情報に限定した評価の実施の困難さも想定され、企業集団で取り扱う日本以外の国の利用者情報を含めた全体の評価を行うことも許容することが考えられる
  • 特定利用者情報統括管理者
    • 特定利用者情報の取扱い責任者である特定利用者情報統括管理者の要件としては、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にあることに加え、「利用者に関する情報の取扱いに関する安全管理又は法令等に関する業務、若しくはこれらの業務を監督する業務に3年以上従事した経験(他業種を含む。)を有すること又は同等以上の能力を有すると認められること」を要件とすることが考えられる。なお、CIO、CISO、個人情報保護管理者等を設置している場合は、必要となる職務を追加して対応することも問題ない。
  • 特定利用者情報の漏えい報告
    • 利用者の数が1,000人を超える特定利用者情報の漏えいが発生した場合には、利用者の利益に及ぼす影響が相当程度大きく、電気通信役務の信頼にも関わる事態であると考えられることから、特定利用者情報のうち、通信の秘密以外の情報については、報告対象となるデータベース等を構成する利用者の数が1,000人を超える特定利用者情報の漏えいが発生した場合に報告を求めることが適当である。ただし、外国政府による事業者に対する政府の情報収集活動への協力義務を課す制度(特定利用者情報に係る利用者の権利利益に重大な影響を及ぼす可能性のある制度に限る。)に基づき、電気通信事業者の保有する特定利用者情報が取得された場合は、1,000人以下であっても報告対象とすることが考えられる
    • なお、当該特定利用者情報の漏えい報告については、報告に当たっての事業者の負担を考慮しながら運用されることが適当である。

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総務省 KDDI株式会社及び沖縄セルラー電話株式会社に対する電気通信事故に関する適切な対応についての指導
▼別紙2 KDDI株式会社に対する指導内容
  • 貴社の提供する携帯電話の音声伝送役務及びデータ通信役務(以下「携帯電話サービス」という。)については、令和4年7月2日から同年7月4日までの間、電気通信役務の一部の提供を停止させた事故が生じたところ、当該事故は、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第28条及び電気通信事業法施行規則(昭和60年郵政省令第25号)第58条に規定する報告を要する重大な事故に該当するものである。
  • 当該事故は、緊急通報を取り扱う音声伝送役務に関する事故であることに加え、貴社の報告によれば、61時間25分の間、音声伝送役務(影響を受けた利用者数:約2,278万人(推計))及びデータ伝送役務(影響を受けた利用者数:765万人以上(推計))が利用しづらい事象を生じさせており、携帯電話サービスが国民生活の重要なインフラとなっている状況を踏まえれば、社会的影響は極めて大きいものと認められる。
  • 特に、当該事故により、約2日半にわたって緊急通報を含む役務の利用に支障を来したことから、一般の利用者に加え、物流・交通・金融・公共等の分野のサービスや貴社が回線を提供するMVNOにも多大な影響が生じた。
  • このような重大な事故の発生は、利用者の利益を阻害し、かつ、社会・経済活動に深刻な影響を及ぼすものであることから、同様の事故を発生させないよう厳重に注意するとともに、再発防止の観点から、下記事項を確実に実施するよう指導する。
  1. 当該事故は、貴社の報告によれば、全国中継網におけるコアルータのメンテナンス作業において誤った作業手順書を用いたことで、ルーティングにおいて重大な誤設定を発生させたことに起因する。よって、同様の事故の再発防止の観点から、重要な電気通信設備のメンテナンス等を実施する際は、作業手順書管理ルール及び作業承認手法の見直し、切り戻し設定時間の基準見直し、作業リスク評価及び作業抑制の基準見直し等、事前の準備を徹底すること。
  2. 当該事故においては、コアルータのルーティングの誤設定により、端末や設備から大量に信号の再送が繰り返され、全国のVoLTE交換機と加入者データベースが短時間で輻輳状態になったものであり、自動的な輻輳制御が機能しなかった。よって、輻輳が大規模化した問題の再発防止の観点から、VoLTE交換機へのより詳細な輻輳検知ツールの開発、輻輳制御の設計見直し等に取り組むこと。
  3. 当該事故においては、一部のVoLTE交換機が輻輳によって壊れたバックアップファイルを読み込み異常状態で起動したことで位置登録要求信号の再送が繰り返され、さらに、加入者データベースにおいてセッション情報のデータ不一致が発生するなど、複数の異常状態が継続したために、復旧作業に長時間を要した。よって、影響が長期化した問題の再発防止の観点から、輻輳発生時の復旧手順の見直し、VoLTE交換機の輻輳解消ツールの開発等により、複雑な輻輳状態を考慮した復旧手順の確立に取り組むこと。
  4. 携帯電話サービスが国民生活の重要なインフラとなっている状況を踏まえ、事故発生時においては、障害の状況、緊急通報等への影響やその代替手段、復旧の見通し等、利用者等が必要とする情報を適時にできるだけ具体的に分かりやすく提供できるよう、周知広報の内容・頻度等を改善するとともに、利用者等への情報伝達手段の多様化を図ること。また、事故発生時の緊急通報機関等の関係機関や法人顧客等への連絡体制を抜本的に強化し、連絡を徹底すること。
  5. 同様の事故の再発防止のため、当該事故における教訓を業界全体で共有することが不可欠であることから、事故の発生原因、措置状況、再発防止策等の詳細について、他の携帯電話事業者に説明し、情報共有する機会を早急に設けること。あわせて、4に記載された事故発生時の周知広報・連絡体制等の改善に関して、業界全体としてのルールの策定に向けて率先して取り組むこと。
  6. 貴社の報告は、当省総合通信基盤局電気通信事業部の「電気通信事故検証会議」が行う検証の対象とするが、同会議の分析・検証の結果、貴社の追加的な再発防止策が必要となった場合には、当該再発防止策についても併せて取り組むこと。
  7. 1~6の実施状況については、令和4年11月10日までに、同年10月末時点における具体的な実施状況を報告するとともに、当分の間、3か月ごとに実施状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。また、今後、事故原因等に関して新たな事実等が判明した場合には、速やかに報告すること。
    • (注)7の報告内容については、非公表とすることにつき正当な理由がある部分を除き公表することがあるため、非公表を希望する部分がある場合は、理由とともに明示されたい

~NEW~
国土交通省 「統計品質改善会議」の設置について
  • 国土交通省では、本年1月に「再発防止・検証タスクフォース」を設置し、建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る再発防止を検討してまいりました。
  • 本日開催いたしました「再発防止・検証タスクフォース」(第6回)において、再発防止のための「国土交通省統計改革プラン」が策定され、その中で「統計専門家の参画を得て、「統計品質改善会議」(仮称)を設置し、統計の誤り・その他再発防止等の共有や、統計の品質改善について審議・検討する」こととされました。
  • これを受け、国土交通省では所管する統計の作成プロセスを審議し、統計の品質改善を図ることにより、所管統計の有用性及び信頼性の確保・向上を目指すことを目的に、新たに「統計品質改善会議」を設置しました。(詳細につきましては、下記リンク先の「報道発表資料」をご覧ください。)
  • 国土交通省では、統計の専門家からアドバイスをいただきながら、引き続き、国土交通省所管の統計の信頼確保に向けて、取組を進めてまいります。

~NEW~
国土交通省 ANAウイングス株式会社に対する厳重注意について
  • ANAウイングス株式会社において、以下のとおり客室乗務員に不適切な行為が認められましたので、国土交通省航空局は本日付けで同社に対して別添のとおり厳重注意を行い、必要な再発防止策を検討の上、令和4年8月31日までに報告するよう指示しましたのでお知らせします。
  • 事案の概要
    • 客室乗務員2名(以下、CA[1]、CA[2])は、乗務前日に過度の飲酒を行い、令和4年7月29日ANA632便(岩国空港発-東京国際空港行)の乗務前アルコール検査においてCA[1]が【0.10mg/リットル】以上の数値が複数回検知され、検査不合格となった。
    • 当該CA[1]とCA[2]は、飛行勤務開始12時間前を超えて飲酒し、両者とも推定飲酒量が4ドリンクを超えていた。
    • 上記は、航空法第104条第1項に基づく認可規程である同社の運航規程に違反するものである。
    • また、CA[1]は1回目のアルコール検査で、アルコールが検知した後に行われる会社からの確認において、上記の状況を隠し、虚偽報告を行い2回目、及び3回目のアルコール検査が行われていたこと、CA[2]もその状況を認識していながら会社への申告を行わなかった。
    • CA[1]、[2]と同席して飲酒をしていたもう1人の客室乗務員(以下、CA[3])については、飛行勤務開始12時間前までに飲酒を終え、推定飲酒量も4ドリンク未満であった。
    • なお、CA[3]もCA[2]と同様に、会社への申告を行わなかった。
  • 国土交通省航空局は、同社において再発防止が確実に図られ安全運航のための体制が維持されるよう、引き続き厳格に指導監督を行ってまいります。

~NEW~
国土交通省 働きやすい職場認証制度」二つ星を新たに導入します!~バス、タクシー、トラック事業者のより高い水準への移行を促進~
  • 自動車運送事業者による働き方改革の取組(職場環境の改善努力)を「見える化」した「働きやすい職場認証制度」について、認証を取得した事業者のより高い水準への移行を促すため、これまでの「一つ星」に加えて、新たに「二つ星」を導入し、12月16日より申請受付を開始します。
    1. 背景
      • 国土交通省では、自動車運送事業(トラック・バス・タクシー事業)の運転者不足に対応するための総合的な取組みの一環として、令和2年度に「働きやすい職場認証制度」を創設しました。
      • これまでは、「一つ星」のみ申請を受け付けておりましたが、「一つ星」認証を取得した事業者のより高い水準への移行を促すため、新たに「二つ星」を導入することとしました。
      • 本制度を通じ、職場環境改善に向けた各事業者の取組みを「見える化」 することで、求職者のイメージ刷新を図り、運転者への就職を促します。併せて、更なる改善の取組みを促すことで、より働きやすい労働環境の実現や安定的な人材の確保が期待できます。12月16日より、「一つ星」を既に取得している事業者を対象に、「二つ星」申請及び「一つ星」継続申請の受付を行い、更なる本制度の普及により自動車運送事業者の働き方改革を推進してまいります。
      • なお、「三つ星」についても、来年度に導入することとしました。詳細については、追ってお知らせします。
    2. 概要
      1. 対象
        • 自動車運送事業者(トラック事業者、バス事業者(乗合、貸切)、タクシー事業者)
      2. 審査要件
        • [1]法令遵守等、[2]労働時間・休日、[3]心身の健康、[4]安心・安定、[5]多様な人材の確保・育成、[6]自主性・先進性等の6分野について、基本的な取組要件を満たせば、認証を取得可能。※[6]は二つ星のみ。一つ星では参考点として点数化。
      3. 認証手続き
        • 国土交通省の指定を受けた一般財団法人日本海事協会(ClassNK)が認証実施団体として申請受付、審査及び認証手続きを実施。
      4. 料金
        • 審査料:55,000円(税込)/1申請あたり ※インターネットによる電子申請の場合、33,000円(税込)に割引。電子申請による一つ星の継続申請の場合、16,500円(税込)に割引。
        • 登録料:66,000円(税込)/1申請あたり
      5. 認証結果等の活用(これまでの実績)
        • 厚生労働省と連携し、ハローワークにおける求人票への認証マークの表示や、認証事業者と求職者のマッチング支援を実施。また、求人エージェント等の認定推進機関の協力を得て、「求人サイトに認証事業者の特集ページの掲載」、「設備改修工事の料金割引」等も実施中。
  • スケジュール(予定)
    • 【二つ星新規・一つ星継続認証】
      1. 申請受付期間:令和4年12月16日~令和5年2月15日
      2. 認証事業者の公表:令和5年6月以降順次
        • (参考)一つ星新規認証のスケジュールは次のとおり。
          1. 申請受付期間:令和4年9月16日~11月15日
          2. 認証事業者の公表:令和5年3月以降順次

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国土交通省 日本式コールドチェーン物流サービス規格の世界初の認証取得について~JSA-S1004 認証証書授与式が開催されました~
  • マレーシアにおいてコールドチェーン物流事業を運営するTASCO YUSEN GOLD COLD SDN BHD(TYGC)社が、我が国の民間規格であるJSA-S1004の認証を世界で初めて取得したことを受け、2022年7月28日(木)に「JSA-S1004 認証証書授与式」が開催されました。
  • ASEAN等における経済成長や食生活の多様化等によるコールドチェーン需要の高まりを踏まえ、国土交通省では、2020年6月に一般財団法人日本規格協会より発行された
  • 日本式コールドチェーン物流サービス規格「JSA-S1004※」のASEANでの普及に取り組んでいます。
  • 今般、郵船ロジスティクス株式会社のマレーシア法人傘下のコールドチェーン物流会社であるTYGC社が、2022年7月28日(木)にJSA-S1004の認証を世界で初めて取得したことを受け、
  • マレーシアにおいて同規格の認証証書授与式が開催され、一般財団法人日本海事協会よりTYGC社に同規格の証書が授与されました(別紙参照)。
  • 国土交通省では、引き続き同規格の国際的な普及等を通じて、我が国の質の高いコールドチェーン物流サービスの訴求を図り、我が国物流事業者の国際競争力強化と海外展開を支援していきます。
    • ※JSA-S1004 正式名称:「コールドチェーン物流サービス-低温保管サービス及び低温輸送サービスに関する要求事項」
    • 日ASEAN交通連携の枠組みのもと、2018年11月に開催された日ASEAN交通大臣会合にて承認された「日ASEANコールドチェーン物流ガイドライン」をベースに作成された日本の民間規格であり、BtoBの低温保管・輸送サービスを対象としている。
    • ASEAN諸国での普及を前提として日本語と英語の2カ国語で作成され、倉庫事業者及び運送事業者が低温保管・輸送作業を行うに当たって考慮すべき事項が盛り込まれている。
▼ 郵船ロジスティクス株式会社 報道発表
▼ 一般財団法人日本海事協会 報道発表

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国土交通省 バイオ燃料を使用した実証試験を実施します~船舶の更なる脱炭素化の実現・バイオ燃料の利用促進に向けて~
  • 国土交通省は、船舶の更なる脱炭素化の実現に向けた取り組みの一つとして、バイオ燃料を使用した実船試験を実施し、その結果から得られる技術的留意点などを現在策定中の「船舶によるバイオ燃料取り扱いに関するガイドライン」に反映します。
  • 我が国では、2050年カーボンニュートラルに向けて、あらゆる分野において、これまで以上に省エネ・省CO2に向けた取組の強化を図っており、内航海運分野においても、昨年末に「内航カーボンニュートラル推進に向けた検討会」のとりまとめを公表し、「内航海運への代替燃料の活用等に向けた先進的な取組の支援」等を進めています。
  • バイオ燃料は、現在使用しているディーゼル機関をそのまま又は小規模な改造を行うことで使用することができ、CO2排出削減を図ることができることから、本とりまとめにおいて、既存船における省CO2対策のひとつとして「バイオ燃料の活用促進」を掲げており、先月「船舶におけるバイオ燃料取り扱いガイドライン策定検討会」を立ち上げ、内航海運事業者等の関係者が安全かつ円滑にバイオ燃料を取り扱うことを可能とするガイドラインの策定に向けた検討を開始しています。
  • 今般、低硫黄C重油とバイオ燃料を混合した燃料を使用する実船試験を行うことで、バイオ燃料の混焼を行う場合の技術的課題(燃焼性、混合安定性、部品腐食など)の有無を把握し、その結果を「船舶におけるバイオ燃料の取り扱いに関するガイドライン」に反映します。 本ガイドラインは、今年度内にとりまとめることを予定しています。
  • 実船試験の概要
    1. 期間 令和4年8月7日(日)~令和4年9月6日(火)
    2. 航路 中部~四国・九州及び東北・関東の港間
    3. 使用船舶 船種:自動車運搬船 全長/幅:165m/27.6m総トン数:12,687
    4. 実証内容 燃焼性、混合安定性、部品腐食など ※バイオ燃料と低硫黄C重油による混焼

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