• ホーム
  • SPN JOURNAL Online
  • 連載コラム
  • 国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議(内閣官房)/第8回 景品表示法検討会(消費者庁)/第105回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/動画版「令和4年版 労働経済の分析」(厚労省)/薬物乱用対策推進地方本部全国会議(厚労省)

危機管理トピックス

国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議(内閣官房)/第8回 景品表示法検討会(消費者庁)/第105回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/動画版「令和4年版 労働経済の分析」(厚労省)/薬物乱用対策推進地方本部全国会議(厚労省)

2022.11.14
印刷

更新日:2022年11月14日 新着21記事

ミーティングの様子

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • FTX Japan株式会社に対する行政処分について
  • FATF声明の公表について
  • 「監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会」(第7回)議事次第
  • 「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案の公表について
  • 金融審議会「事業性に着目した融資実務を支える制度のあり方等に関するワーキング・グループ」(第2回)議事次第
  • アクセスFSA(金融庁広報誌)
内閣官房
  • 国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議(第3回)
  • 新しい資本主義実現会議(第12回)
消費者庁
  • 第6回 ステルスマーケティングに関する検討会
  • 第8回 景品表示法検討会
厚生労働省
  • 第105回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
  • 動画版「令和4年版 労働経済の分析」を公開します~労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題などをスライドと音声で分かりやすく紹介
  • 第182回労働政策審議会労働条件分科会(資料)
  • 薬物乱用対策推進地方本部全国会議
経済産業省
  • 住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案が閣議決定されました~新たな住宅の省エネ化支援制度案の概要~
  • 「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」及び「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整理及び経過措置に関する政令」が閣議決定されました
  • スタートアップ支援機関プラットフォーム「Plus」に7機関が参加しました~全16機関で連携したスタートアップ支援に向けて

~NEW~
警視庁 経済安全保障 狙われる日本の技術
  • 技術情報等の流出防止対策の重要性について
    • 日本の企業、研究機関等が保有する高度な技術情報等は諸外国から情報収集活動の対象になっています。そのため、機微な技術情報等を保有していれば、組織の規模にかかわらず、合法・非合法を問わず狙われる可能性があります。社会全体でデジタル化が加速される中、情報の持出しがかつてよりも容易になっています。
    • 技術情報等の流出の影響は、自社の損失だけでなく、取引先をはじめとする関連企業にも及ぶ上、日本の技術的優位性の低下を招くなどして、日本の独立、生存及び繁栄に影響を与えかねません。また、流出した技術情報等が軍事転用され、世界の安全保障環境に懸念を与えるおそれもあります。
  • 経済安全保障に係る警察の取組
    • 警察では、産学官連携による技術情報等の流出防止対策を推進するとともに、関係機関との連携を緊密にし、流出に対する取締りを強化することで、先端技術を含む技術情報等の流出を効果的に防止しています。
  • ドラマ「PRIDE×ORDER 警視庁公安部presents 狙われる日本の技術」
    • 企業の誇り(PRIDE)と警察の秩序(ORDER)の物語
    • 技術流出の防止に向けて、警視庁公安部が初めて描き出す日常に潜む脅威。新たな技術の開発に熱を注ぐSE(のん)は技術流出防止のために活動する警察官(筧利夫 かけいとしお)と共に、迫り来る罠から企業を守れるのか。前・中・後編の全3編のドラマです。
▼第1話「前編」PRIDE×ORDER 警視庁公安部presents 狙われる日本の技術
▼第2話「中編」PRIDE×ORDER 警視庁公安部presents 狙われる日本の技術
▼第3話「後編」PRIDE×ORDER 警視庁公安部presents 狙われる日本の技術
  • 過去の技術情報流出事例から見た不審な動向等の具体例
    • 展示会や商談以外の場で技術情報等の提供依頼を受けた
    • 何度か一緒に食事等をしたら、技術情報等の提供を求められるようになった
    • 会社の話をしたら、商品や商品券、現金等の謝礼を提示された
    • 会社のサーバに特定の従業員から、大量のアクセスがある又は業務上関係のないデータへのアクセスがある
      など、皆さんが不審な動向や情報等を少しでも把握された場合は、遠慮なく警察に対して相談等を行っていただきますようお願いします。

~NEW~
国民生活センター “推し”に会えない可能性も! 転売チケットの購入トラブル
  • 内容
    • 事例 息子と夫が、男性歌手のコンサートに行くことになった。チケットは定価1枚1万2千円程度とのことだったが、購入後、息子から2枚で約3万8千円だと聞いた。高すぎると思い確認すると、息子は転売仲介サイトで購入していたことが分かった。検索サイトで検索結果の一番上に表示されたので、正規のサイトだと思ったようだ。男性歌手の公式サイトには「転売仲介サイトで購入したチケットと判明した場合は入場できない」と書かれていた。(当事者:高校生 男性)
  • ひとことアドバイス
    • 「○○(歌手の名前) ライブ」などと検索すると、検索結果ページの上部に、転売仲介サイトの広告が表示されることがあります。公式チケット販売サイトだと勘違いしやすいため、注意しましょう。
    • 転売チケットでは、入場できない可能性があります。また、公演が中止や延期になった際の払い戻しなども困難な場合があります。
    • チケットのうち、特定興行入場券の要件を満たすチケットについて不正転売をおこなった場合、チケット不正転売禁止法違反として罰せられる場合があります。不正転売は絶対にしてはいけません。チケットを譲りたい場合は、公式のリセールサービスを利用しましょう。
    • 困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
総務省 「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」の募集開始
▼実施要領(別紙)
  • 総務省では、平成29年度より、サイバーセキュリティ対応の現場において優れた功績を挙げている個人・団体を「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」により表彰しています。この度、今年度の同賞の受賞者の募集を開始しますので、お知らせします。
  • 目的
    • 近年、サイバー空間と実空間の一体化により社会に豊かさがもたらされる一方で、悪意ある主体がサイバー空間を利用することによるリスクも増大しています。サイバーセキュリティの確保は、安心安全な国民生活や、社会経済活動の力強い発展の観点から、極めて重要な課題となっています。
    • そこで、総務省では、平成29年度より、サイバーセキュリティ対応の現場において優れた功績を挙げられ、今後も更なる活躍が期待される個人又は団体(チーム)を「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」により表彰し、広く周知することで、我が国におけるサイバーセキュリティ意識の向上を図り、もってサイバーセキュリティの確保につなげることを目的としています
  • 募集対象者
    • サイバーセキュリティ対応の現場において、サイバーセキュリティ向上の観点から優れた功績を挙げられ、今後も更なる活躍が期待される個人又は団体(チーム)とします。
    • なお、応募・推薦時点までの過去1年間において、法令等に関して重大な違反がないことを要します。また、暴力団、暴力団員、右翼団体、その他これに準ずる者(以下「反社会的勢力等」という。)、又は資金提供その他を通じて反社会的勢力等の維持、運営、経営に協力もしくは関与する等、反社会的勢力等との何らかの交流、関与を行っていると判断される方並びに公序良俗に反する事業を行っている方のご応募・推薦はお断りいたします。
  • 審査方法
    • 有識者で構成される選考委員会を開催し、本公募及び選考委員からの推薦に基づき同選考委員会で審議を行った上で、総務省が選定します。(3者程度選出する予定)
  • 審査項目
    1. 実績:サイバーセキュリティの現場における十分な実績※があること(実務経験5年程度以上を目安とする。)
      • (例)
        • 他の組織へのモデルケースとなる組織内のサイバーセキュリティ対策の実施体制の整備(セキュリティポリシー等の策定・運用・点検、情報システムの構築・運用・保守、組織内におけるサイバーセキュリティの教育)
        • 被害未然防止若しくは被害軽減又は再発防止に大きく寄与したサイバーインシデントへの対処 等
        • サイバーセキュリティに関する普及啓発や人材育成への貢献
    2. その他特筆すべき事項

~NEW~
国土交通省 改正建築物省エネ法等の一部を施行し、省エネ対策の加速化を推進します~「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」の一部の施行期日を定める政令及び施行に必要な規定の整備を行う政令を閣議決定~
  • 本年6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)」の一部の施行期日を定める政令及び施行に必要な規定の整備を行う政令が、本日、閣議決定されました。
    1. 背景
      • 本年6月、建築物の省エネ性能の一層の向上を図る対策の抜本的な強化等のための「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)が公布されました。改正法においては、住宅トップランナー制度(大手事業者による段階的な性能向上)の拡充、採光規制の合理化、省エネ改修や再エネ設備の導入に支障となる高さ制限等の合理化などに係る規定について、公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされています(※)。
      • 今般、これら規定の施行期日を定めるとともに、施行に必要な政令の整備を行います。
        • ※原則全ての新築住宅・非住宅への省エネ基準適合の義務付け等のその他の改正については、公布の日から2年又は3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされており、今後、施行に必要な政令等の整備を行う予定です。
    2. 政令の概要
      1. 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令
        • 令和5年4月1日から施行することとする。
      2. 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令
        1. 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律施行令
          • 新たに住宅トップランナー制度の対象とする分譲マンション事業者については、年間1,000戸以上の住戸を供給する事業者とすることとする。
        2. 建築基準法施行令
          • 住宅の居室に必要となる採光上有効な窓等の面積のその床面積に対する割合は、1/7以上を原則としつつ、照明設備の設置により、1/10までの範囲内とすることができることとする。
    3. スケジュール
      • 公布:令和4年11月16日(水)
      • 施行:令和5年4月1日(土)

~NEW~
金融庁 FTX Japan株式会社に対する行政処分について
▼関東財務局 金融監督第1課 FTX Japan株式会社に対する行政処分について
  1. FTX Japan株式会社(本社:東京都千代田区、法人番号:7010401115356、以下「当社」という。)は、投資者に明確な理由を説明することなく、親会社であるFTX Trading Limitedの方針であるとして、再開の日程を明示しないまま、取引に係る証拠金(法定通貨及び暗号資産)の出金(出庫)を停止している一方、投資者からの財産の受入れや投資者との暗号資産取引を継続しているところである。
    • こうした中、FTX Trading Limitedについて信用不安となっている旨の報道がなされており、当社との資本・取引関係を踏まえれば、速やかに投資者の新たな取引を停止させるとともに、当社の資産が国外の関連会社等に流出し、債権者及び投資者の利益が害されるといった事態を招かぬよう、万全を期する必要がある。
    • よって当社のこうした状況は、金融商品取引法第29条の4第1項第1号へに定める「金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていると認められない者」に該当すると認められることから、同法第52条第1項に基づく業務停止命令を発出するものである。また、当該状況は、「公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められることから、同法第56条の3に基づく資産の国内保有命令、並びに同法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出するものである。
  2. 以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第56条の3の規定に基づき、下記(3)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
    1. 業務停止命令
      • 令和4年11月10日から令和4年12月9日までの間、店頭デリバティブ取引に関する業務(顧客の決済取引等当局が個別に認めたものを除く)及び店頭デリバティブ取引に係る証拠金等の預託を新たに受ける業務を停止すること(当社において投資者から預託を受けている証拠金等を速やかに返還できる態勢となったことを、当局が認めた場合を除く)。
    2. 資産の国内保有命令
      • 令和4年11月10日から令和4年12月9日まで、各日において、貴社の貸借対照表の負債の部に計上されるべき負債の額(保証債務の額を含む)から非居住者に対する債務の額を控除した額に相当する資産を国内において保有すること。
    3. 業務改善命令
      1. 投資者の正確な把握及び投資者の預託を受けた資産の正確な把握を行うこと。
      2. 投資者から預託を受けた資産について保全を図るとともに、会社財産を不当に費消する行為を行わないこと。
      3. 投資者間における公平に配慮しつつ、投資者の保護に万全の措置を講じること。
      4. 投資者の資産保全について、投資者への周知徹底を適切に行うとともに、投資者への適切な対応に配慮すること。
      5. 上記1)から4)に関する業務改善計画を令和4年11月16日までに書面で提出すること。
    4. 業務改善計画の実施完了までの間、1か月毎の進捗・実施状況を翌月10日までに、書面により報告すること。
▼関東財務局 金融監督第6課 FTX Japan株式会社に対する行政処分について
  1. 行政処分の内容
    1. 業務停止命令(法第63条の17第1項)
      • 令和4年11月10日から令和4年12月9日までの間(ただし、当社において利用者から預かった法定通貨及び暗号資産を速やかに返還できる態勢の整備が図られ、その状況が当局において確認される場合には、それまでの間)、暗号資産交換業に関する業務(預かり資産の管理及び利用者の決済取引等当局が個別に認めたものを除く)及び当該業務に関し新たに利用者から財産を受け入れる業務を停止すること。
    2. 業務改善命令(法第63条の16)
      • 利用者の正確な把握及び利用者から預かった資産の正確な把握を行うこと。
      • 利用者から預かった資産について保全を図るとともに、会社財産を不当に費消する行為を行わないこと。
      • 利用者間における公平に配慮しつつ、利用者の保護に万全の措置を講じること。
      • 利用者の資産保全について、利用者への周知徹底を適切に行うとともに、利用者への適切な対応に配慮すること。
    3. 上記(2)に関する業務改善計画を令和4年11月16日までに書面で提出すること。
    4. 業務改善計画の実施完了までの間、1ヶ月毎の進捗・実施状況を翌月10日までに、書面で報告すること。
  2. 処分の理由
    • 当社は、利用者に明確な理由を説明することなく、親会社であるFTX Trading Limitedの方針であるとして、再開の日程を明示しないまま、利用者に対する預かり資産(法定通貨及び暗号資産)の出金(出庫)を停止している一方、利用者からの財産の受入れや利用者との暗号資産取引を継続しているところである。
    • こうした中、FTX Trading Limited について信用不安となっている旨の報道がなされており、当社との資本・取引関係を踏まえれば、速やかに利用者の新たな取引を停止させるとともに、当社の資産が国外の関連会社等に流出し利用者の利益が害されるといった事態を招かぬよう、万全を期する必要がある。
    • 当社において上記のとおり利用者財産の返還を停止している状況は、法第63条の5第1項第4号に定める「暗号資産交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない」状況に該当すると認められることから、法第63条の17第1項第1号に基づく業務停止命令を発出するものである。また、当該状況は、「暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるとき」に該当するものと認められることから、法第63条の16の規定に基づく業務改善命令を発出するものである。

~NEW~
金融庁 FATF声明の公表について
▼《行動要請対象の高リスク国・地域》2022年10月21日(仮訳)
  • 対象となる国・地域から生じるリスクに見合った厳格な顧客管理措置の適用が要請される国・地域 ミャンマー
    • 2020年2月、ミャンマーは戦略上の欠陥に対処することにコミットした。ミャンマーのアクションプランは2021年9月に履行期限が到来した。
    • 2022年6月、FATFは、ミャンマーに対し2022年10月までにアクションプランを速やかに完了させるよう強く求め、それが適わない場合は、FATFは、ミャンマーとの業務関係及び取引に厳格な顧客管理を適用するよう加盟国・地域に要請し、全ての国・地域に強く求めることとした。アクションプランの履行期限を1年過ぎても進展がなく、アクションプランの大半の項目が対応されていないことを踏まえると、FATFは、手続きに沿ってさらなる行動が必要となり、加盟国・地域及び他の国・地域に対し、ミャンマーから生じるリスクに見合った厳格な顧客管理の適用を要請することを決定した。厳格な顧客管理措置を適用する際は、各国は、人道支援、合法的なNPO活動及び送金のための資金の流れが阻害されないようにする必要がある。
    • ミャンマーは、不備に対応するため下記を含めたアクションプランを実施する取組を続けるべきである。
      1. 重要な分野における資金洗浄リスクについて理解を向上したことを示すこと
      2. オンサイト・オフサイト検査がリスクベースであること、及び「フンディ」を営む者が登録制であり監督下にあることを示すこと
      3. 法執行機関による捜査において金融インテリジェンス情報の活用を強化したことを示すこと、及び資金情報機関(FIU)による対策の執行のための分析及び分析情報の配信を増やすこと
      4. 資金洗浄が同国のリスクに沿って捜査・訴追されることを確保すること
      5. 国境を越えて行われた資金洗浄の事案の捜査を国際協力の活用で行っていることを示すこと
      6. 犯罪収益、犯罪行為に使用された物、及び/又はそれらと同等の価値の財産の凍結・差押え、及び没収の増加を示すこと
      7. 没収されるまでの間、差し押さえた物の価値を保つために、差し押さえた資産を管理すること
      8. 拡散金融に係る対象者を特定した金融制裁の実施を示すこと
    • FATFは、ミャンマーに対し、資金洗浄・テロ資金供与の欠陥に完全に対応するよう取り組むことを強く求め、同国がアクションプランを完全に履行するまでは、行動要請対象国のリストに引き続き掲載される。

~NEW~
金融庁 「監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会」(第7回)議事次第
▼資料1 事務局資料
  • 現行コードにおける大規模な監査法人に限定した記載内容を削除し、上場企業等の監査を担う監査法人における組織的な運営の姿を念頭に策定していることを「前文」に明記することとする。
  • 上場企業等の監査を担う共同監査事務所や公認会計士個人については、コードにおける「監査法人」を「監査事務所」に読み替えて適用されることや、以下の点を「前文」に明記することとする。
    • 共同監査事務所及び公認会計士個人についても、コンプライ・オア・エクスプレインの手法により、実質的な組織運営の実践状況を説明する必要があることを明記してはどうか。
    • 上場会社監査を担う個人会計事務所については、日本公認会計士協会において、中小監査事務所の育成支援の一環として、監査法人への移行を進めていくことが期待される旨を明記してはどうか。
  • コンプライ・オア・エクスプレインの在り方や考え方を「前文」に明記することとする。
    • 形だけのコンプライよりも、コンプライしない理由や、必要に応じて将来的なコンプライの方向性を十分かつ具体的に説明することが望ましいことを明記してはどうか。
    • コンプライする場合は真に実質を伴ったものであるかを十分かつ具体的に説明すべきであることを明記してはどうか。
    • 指針については、監査法人の規模・特性等を踏まえて原則を適切に履行するためのものであることを「前文」に明記することとする。
    • 法令で定められている事項や品質管理基準で要求されている事項について、コードへの記載は必要最小限に留めることとする。
    • 監査法人が説明すべき6つの観点の開示項目の一覧性を高める観点から、品質管理システムの状況等に関する情報については、法令で開示が義務づけられているが、「原則5」において、監査法人が説明すべき項目として明記してはどうか。
  • 「各監査法人が自らの特性・業務内容等を踏まえて適切な体制を整備し、本原則の適用状況に関する説明内容が各法人の実態を伴ったものにすることが必要である。また、このことが担保されるよう、日本公認会計士協会が、これまでの自主規制における知見・ノウハウを活用し、職業専門家団体としての十分な指導・監督機能を発揮していくことが期待される」旨を「前文」に明記することとする。
  • 上場企業等の監査を担う監査法人には、より一層高い組織としての監査の品質の確保が求められることを「原則1」の考え方に明記することとする。
  • 上場会社監査を担う中小監査法人が、社会からの期待を踏まえて、自主的・自律的に取り組めるように、「各原則」の考え方や「各指針」に目的や必要性を明記することとする。
  • 「各原則・指針」において、形式的な経営機関や監督・評価機関の設置は必須としないことを明確にすることとする。
  • 特別な機関を設置せずに経営機能や監督・評価機能を確保している場合は、その合理性を説明することを「原則2」と「原則3」に明記することとする。
  • 監督・評価機能を担う独立第三者に期待する要件を開示することを「原則3」に明記することとする。
  • 上場企業等の監査を担う監査法人における経営機関等の役割について、以下の点を「原則2」の考え方に明記することとする。
    • 経営機関等の役割は、無限責任監査法人と有限責任監査法人のいずれの形態であっても、適切に果たされるべきであること。
    • 経営機関等の役割として、監査品質に対する資本市場からの信頼に大きな影響を及ぼし得るような重要な事項について、監査人としての適正な判断が確保されるための組織体制の整備及び当該体制を活用した主体的な関与等が社会から期待されていること。
  • 財務上及び業務上の意思決定に対して重要な影響力を有するグローバルネットワークやグループ法人との間で経営上の重要な契約の締結や取引を行う場合に、それらの概要を市場参加者に説明していくことは、情報開示に基づく市場規律を通じて、監査品質の向上へのインセンティブの強化にもつながってくることが考えられるため、組織としての監査の品質の確保の観点からも重要であることを「原則1」の考え方に明記することとする。
  • グローバルネットワークやグループ法人との関係性や位置づけ(上記の重要な契約等を含む)について、各監査法人がどのような在り方を念頭に組織的運営を行っているのかを明らかにすべき旨を「原則1」に明記するとともに、市場参加者にとって有益な情報として開示すべき旨を「原則5」に明記することとする。
  • 法人の業務における非監査業務の位置づけについての考え方に加えて、利益相反や独立性の懸念に対し、具体的にどのような姿勢で対応を講じているかを明らかにすべき旨を「原則1」に明記するとともに、市場参加者にとって有益な情報として開示すべき旨を「原則5」に明記することとする。
  • 市場参加者にとって有益な情報として、各監査法人が中長期的に目指す姿やその方向性を示すKPIの開示を求めることを「原則5」に明記することとする。
  • 市場参加者にとって有益な情報として、各監査法人におけるテクノロジーの進化に対応するIT基盤の実装化や積極的なテクノロジーの活用に向けた対応状況(サイバーセキュリティ対策を含む)に関する開示を求めることを「原則5」に明記することとする。
  • 市場参加者にとって有益な情報として、各監査法人における、規模・業務内容等に照らした多様かつ必要な構成員の確保状況や、研修・教育も含めた人材育成方針に関する開示を求めることを「原則5」に明記することとする。
  • 監査法人の業務運営で留意すべき点として、構成員が業務と並行して十分に能力開発に取り組むことができる環境を整備することを「原則4」に明記することとする。
  • 市場参加者にとって有益な情報として、特定の監査報酬に左右されない財務基盤の確保状況に関する開示を求めることを「原則5」に明記することとする。
  • 市場参加者にとって有益な情報として、各監査法人における海外進出企業活動への対応状況に関する開示を求めることを「原則5」に明記することとする。
  • 監査法人の規模・業務内容等を踏まえて開示すべきであることを「原則5」に明記することとする。
  • 市場参加者との対話により組織的な運営を改善すべきであることについては既に規定済み。

~NEW~
金融庁 「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案の公表について
  • 金融庁では、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案を以下のとおり取りまとめましたので、公表します。
    • 主な改正内容
      • 本年6月に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告(以下「WG報告」)において、「サステナビリティに関する企業の取組みの開示」、「コーポレートガバナンスに関する開示」などに関して、制度整備を行うべきとの提言がなされました。
    • 当該提言を踏まえ、今般、有価証券報告書及び有価証券届出書(以下「有価証券報告書等」)の記載事項について、以下の改正を行います。
      1. サステナビリティに関する企業の取組みの開示
        1. サステナビリティ全般に関する開示
          • サステナビリティ情報の「記載欄」の新設(企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」)第二号様式「第二部 第2【事業の状況】」及び同様式 記載上の注意「(30-2)サステナビリティに関する考え方及び取組」等)
            • 有価証券報告書等に、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄を新設し、「ガバナンス」及び「リスク管理」については、必須記載事項とし、「戦略」及び「指標及び目標」については、重要性に応じて記載を求めることとします。
            • また、サステナビリティ情報を有価証券報告書等の他の箇所に含めて記載した場合には、サステナビリティ情報の「記載欄」において当該他の箇所の記載を参照できることとします。
          • 将来情報の記述と虚偽記載の責任及び任意開示書類の参照(企業内容等の開示に関する留意事項について(以下「開示ガイドライン」))
            1. サステナビリティ情報をはじめとした将来情報の記載について、将来情報に関する経営者の認識及びその前提となる事実や仮定等について合理的な記載がされる場合や、将来情報について社内で適切な検討を経た上で、その旨が、検討された事実や仮定等とともに記載されている場合には、記載した将来情報と実際の結果が異なる場合でも、直ちに虚偽記載の責任を負うものではないことを明確にすることとします。
            2. また、サステナビリティ情報や取締役会等の活動状況の記載については、その詳細な情報について、任意開示書類を参照することができることを明確化し、また、任意開示書類に明らかに重要な虚偽があることを知りながら参照する等、当該任意開示書類の参照自体が有価証券報告書等の重要な虚偽記載等になり得る場合を除けば、単に任意開示書類の虚偽をもって直ちに虚偽記載等の責任を問われるものではないことを明確化することとします。
        2. 人的資本、多様性に関する開示(開示府令第二号様式 記載上の注意「(29) 従業員の状況」、「(30-2)サステナビリティに関する考え方及び取組」及び開示ガイドライン)
          • 人材の多様性の確保を含む人材育成の方針や社内環境整備の方針及び当該方針に関する指標の内容等について、必須記載事項として、サステナビリティ情報の「記載欄」の「戦略」と「指標及び目標」において記載を求めることとします。
          • また、女性活躍推進法等に基づき、「女性管理職比率」、「男性の育児休業取得率」及び「男女間賃金格差」を公表している会社及びその連結子会社に対して、これらの指標を有価証券報告書等においても記載を求めることとします。
          • なお、これらの指標を記載するに当たって、任意で追加的な情報を記載することが可能であること、サステナビリティ記載欄の「指標及び目標」における実績値に、これらの指標の記載は不要であることを明確化することとします。
        3. サステナビリティ情報の開示における考え方及び望ましい開示に向けた取組み(「記述情報の開示に関する原則」)
          • WG報告で提言されたサステナビリティ情報の開示についての期待等を踏まえて、サステナビリティ情報の開示における考え方及び望ましい開示に向けた取組みを取りまとめました。なお、主な内容は、以下のとおりです。
            • 「戦略」と「指標及び目標」について、各企業が重要性を判断した上で記載しないこととした場合でも、当該判断やその根拠の開示が期待されること
            • 気候変動対応が重要である場合、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」の枠で開示することとすべきであり、GHG排出量について、各企業の業態や経営環境等を踏まえた重要性の判断を前提としつつ、Scope1・Scope2のGHG排出量については、積極的な開示が期待されること
            • 「女性管理職比率」等の多様性に関する指標について、連結グループにおける会社ごとの指標の記載に加えて、連結ベースの開示に努めるべきであること
          • サステナビリティ情報については、現在、国内外において、開示の基準策定やその活用の動きが急速に進んでいる状況であるため、サステナビリティ情報の開示における「重要性(マテリアリティ)」の考え方を含めて、今後、国内外の動向も踏まえつつ、本原則の改訂を行うことを予定しています。
      2. コーポレートガバナンスに関する開示(第二号様式 記載上の注意「(54)コーポレート・ガバナンスの概要」、「(56)監査の状況」及び「(58)株式の保有状況」 等)
        • 取締役会や指名委員会・報酬委員会等の活動状況(開催頻度、具体的な検討内容、出席状況)、内部監査の実効性(デュアルレポーティングの有無等)及び政策保有株式の発行会社との業務提携等の概要について、記載を求めることとします。
        • なお、WG報告の提言のうち、「重要な契約」の開示については、引き続き具体的な検討が必要なため、別途改正を行うこととします。
      3. その他
        • EDINETが稼働しなくなった際の臨時的な措置として代替方法による開示書類の提出を認めるため、「開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する内閣府令」の改正を行います。
        • 施行・適用について(予定)
        • 改正後の規定は公布の日から施行する予定です。なお、改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の規定は、令和5年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用予定です。

~NEW~
金融庁 金融審議会「事業性に着目した融資実務を支える制度のあり方等に関するワーキング・グループ」(第2回)議事次第
▼資料2 事務局説明資料
  • 現行の融資実務の課題
    • 金融機関は、事業の価値創造を支え、企業・経済の持続的成長に貢献することが求められている。
    • 資金余剰により、貸倒れリスクが低い事業者の資金調達環境は一定の改善が見られたが、スタートアップや事業承継、再生などの局面にある事業者が行うミドルリスクの資金調達は、依然として課題がみられる。
    • 事業者が、スタートアップや事業承継、再生などの局面にあっても、最適な方法で資金を調達するためには、その事業性に基づく借入れを含め、幅広い選択選択肢が存在することが重要である。
    • あわせて、金融機関が、不動産担保や経営者保証に過度に依存せず、企業の事業性に着目した融資に取り組みやすくするよう、環境を整備することが重要である。
  • 現行の担保法制の課題と新たな目指すべき姿
    • 事業性に基づいて資金を調達するためには、業況が安定している大企業や不動産担保設定がされているなど信用リスクが低い場合を除き、金融機関と債務者との間で事業状況の相互理解(モニタリング)が必要となる。
    • 事業全体に対する担保権は、これまでの学術的な研究において、金融機関がモニタリングを行う費用を負担することを合理的なものとするために必要な制度として、説明されている。
    • 事業成長担保権の導入を含め、金融機関が、不動産担保や経営者保証に過度に依存せず、事業性に基づく融資に取り組みやすくすることで、事業者が、金融機関から成長資金等を調達できる環境の整備を目指す。
  • 事業成長担保権は、事業計画等を明確にする事業者と、当該事業計画等に基づき事業の将来性を理解し、事業者の実態を継続的に把握することができる金融機関との間において、利用されることが想定される。
  • 米国の上場企業の資金調達構造を確認した実証研究によれば、
    • 信用格付けBBB以上の企業は、主に無担保融資と株式発行によって資金を調達する一方、
    • BB以下の企業は、担保付(全資産担保含む)や無担保の融資等を複数組み合わせて資金を調達
  • 米国市場においては、無形資産(人的資本や知的財産資本の量や質、ビジネスモデル、将来の競争力に対する期待等)に対する評価が大宗を占めるようになってきている。日本市場では、依然として有形資産に対する評価の比率が高く、無形資産によるプレミアムが少ない。
  • 新規融資でも経営者保証が外れている割合は低く、民間金融機関では3割程度。依然として、借入金のある中小企業の約7割が経営者保証の提供を行っている。
  • 起業関心層が考える失敗時のリスクとして、「借金や個人保証を抱えること」と回答した者は約6割。創業時に民間金融機関から借入れをした者のうち、経営者保証による個人保証を付与した者は約5割
  • 経営者保証が経営に与えるマイナスの影響として、「前向きな投資や事業展開が抑制されてしまう」という評価が多い。
  • 2025年までに平均引退年齢(70歳)を超える中小企業経営者(245万人)のうち、約半分(127万人)が後継者未定となっている。後継者候補はいるが承継を拒否しているケースの約7割が、経営者保証を理由に承継を拒否している。
  • 現状は保証や担保による融資を利用している中小企業でも、事業性を評価した、担保や保証によらない融資を希望する意見が多い。
  • 日本の労働生産性は他のOECD加盟諸国と比較して低い。
  • ロシアによるウクライナ侵略等に伴うエネルギー・原材料供給の低下、国際物流の停滞等により、肥料・エネルギー・食料・金属・鉱物・貴金属などの価格が上昇している。

~NEW~
金融庁 アクセスFSA(金融庁広報誌)
▼第231号 2022年11月4日 発行より 最近のヤミ金融の動向~ヤミ金融との関わりを持たないために知って欲しいこと~
  1. はじめに
    • 皆さまは、「ヤミ金融」をご存知でしょうか?ドラマ化もされた「闇金ウシジマくん」という有名な漫画もあるので、何となく「怖い金貸し」というイメージを持っている人は多いと思います。
    • 本来、貸金業(反復継続してお金を貸すこと)を行うには、行政庁に登録して、違法な高金利を取っていないか、違法な取立てを行っていないか、などの観点で行政庁の監督を受ける必要がありますが、ヤミ金融業者は、行政庁の登録・監督を受けずに、違法に貸金業を行っています。上限金利や取立てに関する規制(貸金業法等)をそもそも守るつもりがないので、お金に困っている人を探して、返済が難しそうな場合でも法定の上限金利を優に超える高金利を取る上に、「返さないと個人情報をネット上に晒すぞ」と脅すなど、ひどい取立てを行うことにより回収します。
    • このため、ほとんどの方は、ヤミ金融業者からはお金を借りたくないし、何の関わりも持ちたくない、とお考えになるだろうと思います。本稿は、そんな方たちのために、最近のヤミ金融の動向を知っていただき、「そんなつもりはなかったのに、ヤミ金融からお金を借りてしまっていた(個人情報を渡してしまった)。」といったことがないように、最近のヤミ金融の動向を紹介するものです。できるだけ多くの人にお読みいただき、ヤミ金融による消費者被害が1件でも少なくなることを願っております。
  2. ヤミ金融業者は減っている?
    • 20年ほど前、返済しきれないほどの借金を抱えてしまう「多重債務者」の増加が、深刻な社会問題となったことから、これを解決するため、2006年、借り過ぎ・貸し過ぎを防止するための規制を設ける、上限金利を低くするなど、貸金業法等が抜本的に改正されました。
    • また、貸し手への規制に加えて、政府を挙げて借り手対策も行うため、多重債務改善プログラムが決定され、以下を行うこととされました。
      1. 丁寧に事情を聞いてアドバイスを行う相談窓口の整備・強化
      2. 借りられなくなった人に対する顔の見えるセーフティネット貸付けの提供
      3. 多重債務者発生予防のための金融経済教育の強化
      4. ヤミ金融の撲滅に向けた取締りの強化
    • これらの取組みにより、多重債務者の数は、約171万 人(2007年 3 月 末 )から約10万 人(2022年3月末)に減少しました。また、金融庁等に寄せられたヤミ金融に関する苦情相談の件数は、ここ10年で10分の1以下に減少しているとともに、無登録・高金利事犯の検挙事件数も、この10年で3分の1程度に減少しています。これらの情報を踏まえると、少なくとも、昔ながらの、皆さんがイメージしているヤミ金融業者は、減少傾向にあるのではないかと思われます。
    • しかし、ヤミ金融業者は、手を変え品を変え、ヤミ金融ではないように装って、インターネットやSNSにはびこっていると言われています。以下に、皆さまに気をつけてほしい手口を紹介します。
  3. 最近のヤミ金融の手口
    1. SNS個人間融資
      • 皆さまは、TwitterやInstagramを利用しているでしょうか?最近の若い人はほとんど利用しているのではないかと思います。これらのSNS上で、「お金貸します」、「個人融資」などと検索すると、ものすごい数(数万~数十万)の書込がヒットします。これらの書込をしている人は、可愛いキャラクターをアイコンにしたり、「個人でやってるので気軽に連絡ください」などと言って安心させてきますが、そのほとんどはヤミ金融です。個人間でお金の貸し借りを行う場合であっても、反復継続する意思をもって金銭の貸付けを行うことは、貸金業法上の「貸金業」に該当し、行政庁への登録が必要です。
      • ヤミ金融対策として、金融庁でもこれらの書込をチェックしていますが、確認した範囲では全てが法定の上限金利を大幅に超える、違法な貸付けを行おうとするものでした。また、お金を借りるために運転免許証の画像等を提供させられるので、個人情報が悪用されるおそれがあります。ひどい場合だと、お金を貸すことの担保として裸の画像を送らせる事例も確認されています。
      • 金融庁では、Twitter及びInstagramにおいて個人間融資の勧誘を行っている悪質な書込に対し、金融庁公式アカウントから直接返信することで、個別にも注意喚起を行っています。
      • 皆さまにおかれては、まずは収入の範囲内で生活することを心がけていただき、お金を借りる必要が生じた場合には、絶対にヤミ金融は利用せず、正規の貸金業者等を利用してください。なお、正規の貸金業者は、以下のサイトの検索サービス(無料)で確認できます。
    2. 商品売買等を装った貸付け
      • 最近のヤミ金融業者は、様々な手法を駆使して、一見して金銭の貸付けでないよう装うことがあります。代表的なのは、「後払い現金化」や「先払い買取現金化」と呼ばれている手法で、これらはいずれも、商品売買を装っていますが、実際に行っているのは、まずお金に困っている人に対して様々な名目で金銭を交付し、その後、利息相当の金銭を加えて返還させるものです。
      • 実際に貸金業に該当するかどうかは、個別具体的な実態を踏まえて判断する必要がありますが、商品売買を装っていても、その経済的な実態が貸付けであれば、貸金業に該当するおそれがあります(無登録で貸金業を行うと、違法なヤミ金融業者ということになります。)。怪しい業者は、絶対に利用しないでください。
      • また、上記以外にも、ファクタリングを装って貸付け(偽装ファクタリング)を行うヤミ金融業者もいますので、こちらも注意が必要です。※ファクタリングとは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。最近では、ヤミ金融業者が、ファクタリングを装って、債権を担保とした違法な貸付けを行っている事案(いわゆる「偽装ファクタリング」)が確認されています。
  4. 最後に
    • ヤミ金融の最近の動向について、皆さんはご存知でしたでしょうか?上記3.に記載したものがヤミ金融のおそれがあることを知っていないと、ヤミ金融には関わりたくないと思っていたのに、つい連絡を取ってしまうということがあるかもしれませんので、気をつけていただくとともに、周りの方にも教えてあげてください。
    • また、お金に困ってると、ヤミ金融と知っていても、目先の現金欲しさについ手を出してしまいそうになるかもしれませんが、過酷な取立てや違法な高金利により、あなたの生活が破たんするおそれがありますので、ヤミ金融は絶対に利用しないでください。借金返済に困ってヤミ金融を利用したくなってしまった場合は、まず、多重債務相談窓口(以下URL)に相談してください。
    • なお、浪費癖やギャンブル依存により、つい借金してしまうという方には、貸付自粛制度といって、自らを自粛対象者とする旨を日本貸金業協会に対して申告することにより、ご本人が貸金業者に対し金銭の貸付を求めてもこれに応じないこととするよう求めることもできますので、こちらの制度の活用もご検討ください(具体的な手続きについては以下URL参照)。
    • 金融庁は、ヤミ金融による消費者被害を1件でも多く予防するため、今後も、ヤミ金融の注意喚起に関する周知・啓発を積極的に行ってまいります

~NEW~
内閣官房 国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議(第3回)
▼資料1 議論の整理(佐々江座長提出資料)
  1. 防衛力の強化
    1. 目的・理念、国民の理解
      • 防衛力強化の目的は、新たな危機の時代に、我が国の積極的平和主義を貫き、国際社会の平和と安定に貢献することにある。国民が「我がこと」と受け止め考えるよう、防衛力強化の目的を正面から伝えるメッセージが必要であり、世論の理解を得る努力が大変重要。
      • 自衛隊だけでは国は守れない。自衛隊が強くなければ国は守れない。
      • 自衛隊が強くなければ国を守れないという点に関しては、自衛隊をどこまで強くしなければならないかを示す必要。台湾有事において、国と国民をきちんと守れる防衛力をつくる必要があるということを、国民に明らかにすべき。そのための道筋、あるいはそれに向かっての国民の負担をどうすべきか、年末の三文書の見直しに向けて国民に説明することが大事。
      • 具体的な脅威となる存在の能力に着目をした防衛力の整備をするという意味で、言わば脅威抑止型の防衛力をつくるという点を、国民に対して分かりやすく説明することが重要。
      • 自分の国は自分たちで守るとの考えを明確にしていくことが必要であり、同盟国からの信頼を得る第一歩となる。
    2. 防衛力強化の必要性〔内容・規模〕
      • 我が国周辺の安全保障環境は厳しさを一段と増しており、防衛力強化を政府全体として総合的に検討することが急務。
      • 戦闘領域が宇宙、サイバー、電磁波といった分野にも広がるなど、戦い方が大きく変容している中、陸海空の各自衛隊がそれぞれ必要とする装備品を調達するのではなく、5年後や10年後における戦い方を見据えて、他国による侵攻の抑止や阻止、排除に資する防衛力を総合的に強化していくという視点が必要。
      • 国力として防衛力を総合的に高めていくにあたっては、同盟国や同志国との連携や補完関係を踏まえたグランドデザインが必要。防衛力整備の7つの柱について、各々の分野で我が国としてどこまで備えが必要か。同盟国による補完や装備品の調達・運用に関する実効性も視野に入れて、どのように防衛力を高めていくのか。
      • 三文書について、それぞれの文書の性格の明確化が必要。国家安全保障戦略においては、とりわけ、非防衛あるいは非自衛隊部分で何が重要かということについて整理する必要。エネルギー、食料、サイバーといった分野、それぞれに安全保障の課題があり、各政策分野を統合するような形で国家安全保障戦略を考えることが必要。
      • 電力・通信インフラが攻撃される事態に、自衛隊以外の部分も含めてどのように対処するのかという計画を持っていないと抑止力にならない。
      • 実際に抑止が破られた場合、日本にとって一番の脆弱性は、日本社会が、ミサイルが降ってくる状態に耐えられるかどうかということ。たとえ反撃能力があり、敵基地攻撃能力を持っても、現在ウクライナが受けているような攻撃を受けることを前提に、国民防護についてきちんとした計画を持つことが必要。
      • アジア・太平洋におけるパワー・バランスが大きく変わる中、日本の能力について、打撃能力を含め、増強が抑止力の維持・発展のために不可欠である。
      • 反撃能力について、能力を保有すること自体を議論するというのはもう遅く、むしろ、その能力をどのようにして発動するのかが重要。これは他国の領域にあるアセットを攻撃するという非常に重大な決断になるので、発動について、例えば国会承認など政治レベルにその発動の権限を付与するなどの議論が必要。
      • 反撃能力が必要であるが、弾薬等の一番ベースになる部分については、最初の大綱が1976年に制定されたときからずっと言われているが、未整備となっている。
      • スタンドオフミサイルは国産の改良に数年以上かかり、2027年までに間に合わない可能性もある。国産の改良を進めるのは重要だが、当面は外国製のミサイルの購入を進めることも検討対象。
      • リアルな実戦・継戦防衛力があってこそ、リアルな対処力と抑止力も期待できる。リアルな実戦・継戦防衛力の要は、自衛隊に常設統合司令部と常設統合司令官を設置することである。
      • 防衛力整備の7つの柱のうち、持続性・強靱性が非常に重要。自衛隊は装備と人で構成されており、それぞれが最大限持続的に能力を発揮できる体制をつくらなければならない。防衛装備品について、自衛隊のニーズに従って研究開発から製造、修理、さらに弾薬の補給まで、実際に実行しているのは全て防衛産業。日本は工廠を持っていないので、防衛産業は防衛力そのものと考えて、従来のように調達契約の対価を支払うだけでなく、より積極的に育成・強化を図っていく必要。
      • 防衛産業の育成・強化は不可欠。企業が防衛部門から撤退するというケースが出ており、競争力のある国内企業がなければ、優れた装備品などを国産化することは不可能。特にこれから強化しなければならないサイバー部門に民間企業が人や資金を投入しやすい環境をつくるのも国の責務。
      • 防衛産業の育成も重要。日本は武器を輸出することを制約してきた。この制約をできる限り取り除いて、民間企業が防衛分野に積極的に投資するような環境をつくることが必要。
      • 防衛産業の強化について、企業努力が報われる枠組みを整えることで、防衛産業に携わる企業が成長事業として取り組める環境を整備する必要がある。また、自律的な成長を可能にする観点から、買い手が日本政府だけという構造から脱却し、政府として海外に市場を広げる方策についても議論すべき。
      • 装備の生産やデュアルユース分野を含めた技術開発を担う基盤の強化は欠かせない。商慣行の見直し等を通じて、サプライチェーンの再構築に取り組むべき。
      • 防衛産業を国力の一環と捉えなおして、自由で開かれたインド太平洋の安全保障環境の整備につなげるといった大きな視点に立ち、防衛装備品の輸出拡大を、日本の安全保障の理念と整合的に進めていくための対策が検討されるべき。
      • 自衛隊員は、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努める。つまり、職務遂行するときに、自分の命をかけることをあらかじめ宣誓している唯一の公務員である。その給与体系が今と同じままで良いのか、議論すべき。
      • 危険を顧みず職務に従事することが求められている自衛隊員の処遇改善にも取り組むべき。
      • 5年以内に抜本的に防衛力を強化するということなので、戦略性・実現性の観点から優先順位をつけて着実に成果を上げる必要。
      • 防衛費を増額するというのは非常に重要だが、スクラップ・アンド・ビルドをしっかりと行うべき。縦割りというものではなくて、運用統合ということが、防衛力の最も重要な転換になるが、その際にガバナンス・イノベーションが必要になる。それなしには、単なる足し算でしかない。ガバナンス・イノベーションを入れることで掛け算になる。
      • 実現性は国民の理解を得ながら防衛力を強化していく上で欠かせない要件。その観点から、防衛予算を国会で決議されたとおりに執行する実現性が求められる。費用対効果をしっかりと吟味することも重要。既存の装備品のスクラップ・アンド・ビルドを行いつつ、予算を確実に執行して、それによって防衛力を強化して国民の信頼を一層高めるといった、望ましい循環を作っていく必要。そのために政府一丸となって取り組んでいく必要。
      • 防衛力強化は、東アジアの軍事的不均衡を解消し、十分な抑止力を確保し、それによって国民の生命と安全を守る、そして、地域の平和と安定を維持するためのものであり、中途半端な防衛力強化に資さないようなことではなく、この5年間で必要な予算を付け、防衛力強化をやり切ることが最重要。
      • 「国力に見合った防衛力」という言い方がよくあるが、確かに国力を超えた防衛力は持続性がないし、長続きはしない。しかし、場合によっては、特に、抑止力が大きく崩れていくなど、急を要する非常に根本的な状況変化が起こるというようなときは、ある意味では国力を超えた突破力の防衛力が必要になる。そういうことも含めて、極めて動的なダイナミックな国力観ということで見ていく必要。
      • 国力に応じた防衛力という議論ではなく、今の緊急的な情勢の中でジャンプしていく努力が必要。
      • 防衛費の増額や財源について、内容を見える化して、丁寧に国民に説明する必要。防衛力は今後5年間で抜本的に強化すべきだが、同時に10年後といった長期間での強化策の内容や規模を見える化するということも、国民の理解を得る上で必要。防衛装備品の購入は複数年度に分けて支払われるため、契約と支出の時期がずれるという特徴がある。そのため、予算と後年度負担を一体として分かりやすく国民に提示し、理解を求めていくことが必要。
      • 防衛予算をGDPの何%にするかといった数字ありきではなく、国民生活の安全や経済活動の安定を守るために何が必要か、外交や経済力も含めた総合的な防衛力について、本質的な議論が必要。
      • 人や科学技術など未来への投資、エネルギーの安定供給など、総合的な国力を強くしながら防衛力の持続的な強化を可能にする必要。その意味で財政支出も全体最適の視点での検討が一層重要。
      • 防衛関係支出については、NATO基準GDP比2%を機械的に追い求めるのではなく、真に実効的な防衛力、抑止力に資する支出内容の検討、また、NATO加盟国とは異なる日本の国情に即した検討が必要。
      • 研究開発費を包含した、防衛力を測る物差しが必要。NATO基準を参考にしつつ、日本の課題解決に適した、海上保安庁と海上自衛隊の連携強化にも資する新たな基準を持つことが検討されて良い。
      • 海上保安庁の法執行活動の死活的重要性を明確に認識する必要。法執行機関の間の連携を図ることは、「海の平和」のグレーゾーン化(軍事化と武器化)に対する抑止効果を持つ。そのための「アジア海洋安全保障支出」を海洋国家基準として打ち出すべき。
      • NATO基準を巡って、予算配分について防衛省か海上保安庁かという議論があると聞くが、防衛省も海上保安庁もいずれも強化が必要という議論が必要。
      • NATO基準に関しては、日本の固有の事情に配慮すると同時に、我が国の努力を国際的に公正に評価されるものとするべく、NATO基準と大きく乖離しないものとすべき。
  2. 縦割りを打破した総合的な防衛体制の強化
    1. 総論
      • 自衛隊だけでは国は守れないという点に関しては、尖閣であれば海上保安庁、あるいはサイバーであれば警察、総務省等々や更には民間企業が対応している。全ての関係者が整合性ある対応を取っていくことが必要。また、科学技術やインフラ整備など自衛隊だけでは実施できない政策は多くある。これらの政策を整合性ある形で実施するためには政府の司令塔機能、特に内閣官房の機能を強化する必要がある。
      • 先端的で原理的な技術の多くはマルチユースであり、また、公共インフラは、有事に国民を守る重要な機能を担うこととなる。こうした実態を踏まえれば、これらは軍用と民生に分けず、国力としての防衛力という観点で一体として運用すべき。他省庁や民間企業が管理・所有する研究成果やインフラ機能を国として最大限活用するべく、省庁間、官民の連携体制を構築することは必要な措置。
      • 研究開発や公共インフラの予算については、防衛省の具体的ニーズを踏まえながら、関係省庁が連携して、そういう予算が国防のために効果的に活用される仕組みを作る必要。
      • 公共インフラや研究開発における新しい制度、スキームについては、防衛省の具体的なニーズは何か、7項目の中で、本当に研究開発分野でプライオリティーの高いものを特定し、優先順位をつけていくべき。また、防衛省がマッチングの段階でニーズをはっきりと説明して、国民に分かるようにしていくことが重要。
      • サイバーについて、ハイブリッド戦では、相手方は分からないように様々なところにサイバー攻撃を仕掛けてくる。被害を受けたインフラ等々で関係省庁が分かれてしまうと非効率なので、民間も含めて一体となって対応できるような革新的な体制を考えるべき。
      • 「国家サイバー力」を向上させることが必要であり、首相直属のサイバーセキュリティ担当部局を設置すべき。
      • 諸外国との連携も不可欠で、国際的な人道支援やODAの活用が必要。
      • 国力としての防衛力、あるいは抑止力は、いわゆる自衛隊を中心とした軍事的な力だけではなく、外交への投資も重要。開発協力も含めて拡充をすることが、防衛の負担を減らすことになる。
    2. 研究開発
      • 最先端の科学技術の進展の速さは、これまでの常識を遥かに超えており、基礎研究の成果がすぐに実用技術で展開されるようなケースが増えている。
      • 先端的で原理的な技術は、ほとんどが民生でも防衛・安全保障でも、いずれにも活用できる。言い換えれば、民生用基礎技術、防衛用の基礎技術といった区別は、原理的には無意味ではないか。このような観点から、防衛力強化に当たっては、防衛の研究者だけでなく、民間やアカデミアの最先端の研究者の協力が必須。
      • 基礎科学研究への投資は、防衛力強化だけでなく、経済力の強化という視点からも重要。
      • 科学技術を中心とした研究開発、それをさらに社会実装して、市場化して、イノベーションを起こしてといった連携が重要。
      • アメリカにはDARPA(ダーパ、国防高等研究計画局)のような組織があるが、我が国の経済安全保障は、DARPA的な側面があるので、このことも十全に利用しながら、我が国における科学技術と安全保障の問題を考えていく必要。
      • 西側の先進国は、先端技術を守る、先端技術の軍事転用を進めるという2点で協力体制を築いて、それを強化しつつある。日本がこうした多国間の研究開発ネットワークに加わるには、セキュリティクリアランスの制度化や、サイバーセキュリティの確保が欠かせない。機密保持のためにも、オフキャンパスの研究機関は必要。
      • 日本版DARPAに当たる研究機関も必要。防衛省が関与して、民生技術を取り込んで、先端領域での成果や橋渡しをする仕組みができれば、国力としての防衛力は向上する。防衛に資する研究に予算を分厚く配分するといった運用も必要。
      • 研究開発について、縦割りを打破して、政府と大学、民間が一体となって防衛力の強化につながる研究を進める仕組みづくりは早急に取り組むべき問題。科学技術関係予算は約4兆円あるが、そのうち防衛省は約1,600億円と僅かで、文部科学省の2兆円の約8%にすぎない。これまでの慣例にとらわれることなく、役所の枠を超えて目標を高く掲げて研究開発に取り組むべき。
      • 研究開発に関しては、防衛省以外の省庁の予算で取り組まれているものや、民間企業が行っているものの中にも、防衛力の強化に資するものがあるはず。省庁間、官民の連携を深め、国を挙げて取り組む体制を検討すべき。
      • 防衛に結びつく研究開発の促進や、宇宙・サイバー・電磁波など、新しい分野への対応は、省庁の縦割りを超えて政府全体で取り組む姿勢が不可欠。研究開発予算の策定に安全保障の観点を取り込む仕組みづくりを含め、確実に成果を上げる体制をどう作り上げるかが重要。
      • 研究開発予算について、司令塔となるCSTIのメンバーに防衛大臣は入っておらず、科学技術予算と防衛問題は政府部内で制度的に遮断されている。今のままで研究開発予算を防衛費に含めるように予算区分を変更しても、防衛力の強化には結びつかない。政府内に新たな仕組み、ほかの省庁の予算であっても防衛省が関与できる仕組みをつくる必要。縦割りを廃して省庁横断で調整できる会議体の設置なども考えられる。
      • 宇宙、サイバー、AIなど、科学技術は経済発展の基盤と同時に防衛力の基盤にもなっている。縦割りでなく、防衛省以外の他省庁計上の予算について、総合的な防衛体制の構築に資するよう、安全保障分野におけるニーズとシーズをマッチングさせる政府横断的な枠組みの構築を検討すべき。
      • 科学者を安全保障上のコンテクストにどのように参画してもらうのかが課題。
      • AIやサイバーなど最先端の科学技術のところに対しては、最先端の研究者等を入れて議論することが必須。研究開発の枠組みを作るだけではなく、その中に適切な人をアサインしないと機能しない。また、国民に対して、現下の状況、今日のような切迫した議論が行われている状況を丁寧に説明していくことが重要。
      • 我が国においては、デュアルユースをはじめ、科学技術者が、アカデミアにおいては、安全保障領域に参画する際、大学内部に特別な空間を作るか、大学の外に安心して研究できる場を作ることが考えられる。
      • アメリカでは、防衛産業と国の在り方が密接につながっており、そこに間違いなくアカデミアの人々は関わっている。アカデミアと防衛技術との関係については、相当慎重に、国民と一緒に共に考えながら、コンセンサスを作っていくことが極めて重要であり、かつ、CSTIのやるべき仕事。
    3. 公共インフラ
      1. 防衛に関連する分野は多岐に渡る。公共インフラ投資も安全保障を目的にもっと活用すべき。台湾有事の際も、拠点となる南西諸島の空港や港湾などの既存インフラは安全保障上の資産になり得る。有事を見越した備えを平時から政府全体で取り組むことを、この会議で示していくべき。
        • 港や空港を有事の際に活用するルールづくりも喫緊の課題。有事の際にシェルターなど国民の命を守る施設の整備も平時から進める必要。このためには地方と住民の理解と協力が不可欠であり、地方自治体の意識改革は、防衛力強化の重要な課題。
        • インフラについては、まさに自衛隊のニーズを反映する仕組みが必要。他方で、公共の港とか空港でなかなか自衛隊がアクセスさせてもらえない現状があり、改善を国全体として図っていくことが必要。
      2. 公共インフラについて、自衛隊の港湾あるいは空港使用について抵抗感のある自治体もある。新しいスキームの検討においては、そうした地元がどのようにすれば協力的になってもらえるかという視点も必要。
  3. 経済財政の在り方
    1. 有事と経済財政
      • 有事を想定した防衛力強化には、持続的な経済、財政基盤強化と国民の意識の共有が大変重要。
      • 日本の一番の脆弱性は、金融・財政が有事にもつのかどうかという点。有事の際にどのようなリスクが発生するのか、それに日本はどう耐え得るのか、日本経済をどのように維持するのか、議論すべき。
      • 経済の海外依存度の高い日本は、資源確保と国際的な金融市場の信認が一層重要。日本はエネルギー自給率が低く、エネルギー安定確保や経済安全保障面の努力が一層重要。貿易赤字が続き、成熟した債権国としての地位も長期的に盤石ではなくなっており、資金調達を海外投資家により依存せざるを得ない事態に備える必要。昨今の英国政府の大型減税策が大幅なポンド安を招いたが、既に公的債務残高GDP比が高い日本は、そのリスクを認識する必要。
      • 財政状態が金融資本市場に与える影響にも注意が必要。昨今の英国における国債市場の混乱等を見ても、マーケットの怖さは常に意識しておくべき。グローバルな金融情勢が不透明感を強める中、経済制裁のツールとして金融を活用するケースが増えており、金融資本市場に強いストレスがかかった際、日本経済の安定を維持できる財政余力がなければ、国力としての防衛力がそがれかねない。
      • 有事における海外からの資金や資源などの安定調達が、日本にとり死活的に重要なことは明らか。もし、有事に物が手に入らない、円安進行でインフレが止められないといった事態になれば、国民生活がさらなる危機の渦中に追いやられ、国民の一体性が保てなくなりかねず、そうしたリスクを避ける備えは重要。
    2. 財源の確保
      • 防衛費は恒常的なものであり、やはり財源についてはしっかりとしたものが必要であるというのが前提。
      • 財源の確保について、恒常的な歳出である防衛費については国債に頼らず恒久財源を確保すべきである。我が国が直面する数ある政策課題の中でも、防衛力の強化が喫緊の課題ということであれば、まずはほかの歳出を削減して財源を捻出していくことを検討すべき。その上で、追加的な財源を検討する際には、防衛力強化の受益が広く国民全体に及ぶことを踏まえて、その費用も国民全体で広く負担するというのが基本的な考え方であり、国民の理解が必要。
      • 財源については、無駄を取り除く歳出改革の取組を一層進めるとともに、現在の世代の負担が必要。ただし、負担能力に配慮しながら具体的な道筋をつける必要があり、持続的な経済成長実現と財政基盤確保という視点に立った検討が重要。
      • 国民各層の負担能力や現下の経済情勢への配慮は必要。また、国民の理解を得るには、透明性の高い議論と、目に見える歳出の効率化は不可欠。
      • 財源については、つなぎ国債は良いとしても、恒久的な財源の確保が必要。既存の歳出の削減と併せて具体的な議論が急務。
      • 防衛力の強化は単年度の話ではなく継続して取り組む課題。必要な財源を安定して確保していかなければならない。自分の国は自分で守るのだから、財源を安易に国債に頼るのではなく、国民全体で負担することが大変必要。
      • 第二次大戦時の軍事費調達のため、多額の国債が発行され、終戦直後にインフレを招いた歴史があり、その過程で、国債を保有していた国民の資産が犠牲になったことも忘れてはならない。
      • 防衛力強化には、今を生きる世代全体で負担を分かち合っていく必要。最前線に立つ自衛隊の方々にだけ頑張れと言い、自分たちは負担せず、将来世代に先送るのでは、真の防衛力とは言えない。
      • 国を守るのは自らの責任であるという国家としての当事者意識と、国を守るのは国民全体の仕事だという国民としての当事者意識を肝に銘じておく必要がある。防衛費の増大を国民に求めるに当たっては、国民に当事者意識を持って受け止めてもらい、財源に関しては幅広く負担してもらうことが大切。
      • 日本はそもそもOECD諸国と比べ、GDPに占める政府の租税収入の割合は非常に低く、租税負担が少ない国という特徴がある。他方、現下の国際情勢の下で、国を守るために投資が必要となっているため、もともと低いものを増やさせてもらう必要があることを、率直に国民に対して説明し、理解を求めることが必要。
      • 我が国の所得税など直接税は、明治時代以降、安全保障環境の緊迫化などと密接に関連して創設され、第二次大戦後に安定的税制確立を目指し改正されるなど、国民の理解を得て歳入増の努力を重ねてきた歴史とも言える。
      • 既存の歳出の見直しは当然だが、国を守るのは国全体の課題であるので、防衛費の増額には幅広い税目による国民負担が必要なことを明確にして、国民の理解を得るべき。
      • 財源の一つとしての法人税については、成長と分配の好循環の実現に向け、多くの企業が国内投資や賃上げに取り組んでいる中、こうした企業の努力に水を差すことのないよう、議論を深めていくべき。

~NEW~
内閣官房 新しい資本主義実現会議(第12回)
▼資料2 論点
  • 新しい資本主義を実現し、持続的な成長と分配の好循環を達成するため、労働市場改革として、(1)労働者に成長性のある企業・産業への転職の機会を与える企業間・産業間の失業なき労働移動の円滑化、(2)リスキリング(成長分野に移動するための学び直し)のための人への投資、(3)これらを背景にした構造的な賃金引上げ、の3つの課題を同時解決していく必要があるのではないか。
  • コストプッシュ型で物価が上昇する中、春季労使交渉に向けての短期においては、物価上昇率をカバーする賃上げが必要ではないか。
  • 企業間の労働移動が円滑である国ほど、国の労働生産性が高くなることが確認されている。我が国において構造的に賃金引上げを行うためにも、労働者の立場に立って企業間・産業間で労働移動したい方は円滑にそれが可能となる労働市場を作り上げるべきではないか。この際、同一企業内にとどまる労働者についても、企業間の労働移動が円滑である国ほど、生涯における賃金上昇率が高くなることに留意すべきではないか。
  • すなわち、労働移動が円滑であれば、企業側も雇用している人材について賃金やエンゲージメント(従業員の企業に対する愛着心や思い入れ)を高めることで、労働市場において競争力を保つ努力を図ることになるのではないか。
  • 労働移動の円滑化を考える場合には、労働者本人の意思を尊重する制度とすることがまず重要ではないか。
  • 労働者本人の意思を尊重するためには、労働者本人が十分な情報を得られることが前提であり、一般の方が転職やキャリアアップについて率直に相談でき、転職までを一気通貫で支援する仕組みを官民協力して作り上げる必要があるのではないか。
  • リスキリングを推進していくためには、その内容についても、企業・産業を超えて広く活用可能性があるスキルであれば職探しの真剣度が高くなることに留意すべきではないか。
  • 労働移動の円滑化度が高い労働市場の方が労働者のスキルや教育などが賃金に反映されやすく、同一のスキル水準についての格差是正が図りやすいことに留意すべきではないか。
  • 日本の在職者向けの学び直し支援策は企業を通じた支援が全体の75%を占め、個人への直接支援は全体の25%を占めるに過ぎない。リスキリング支援を考える場合に、政府が支援を行う場合でも、個人に直接支援を行う支援策を拡充すべきではないか。そうでないと、企業間・産業間の労働移動が困難になるのではないか。併せて、リスキリングを条件に労働者を受け入れる企業には支援を検討すべきではないか。
  • 我が国の場合、非正規労働者の正社員化などのキャリアアップを考えていくことは重要である。労働移動の円滑化にあたっても、このような視点を持つべきではないか。
  • 経験者採用(中途採用)を進めていくためには、個々の企業の実態に応じてではあるが、賃金制度の見直しの必要があるのではないか。
  • 個々の企業の実情に応じて、年功賃金から日本型の職務給への移行等の賃金の在り方を検討すべきではないか。
  • デンマークなどでは労働市場の柔軟性と安全性を兼ね備えた雇用戦略として「フレキシキュリティ」が唱えられている。財政制度や教育制度が異なり、そのままの政策を我が国に導入することは難しいが、“労働移動の円滑性”と“リスキリングの際の労働者のリスクの低減”を両立する、フレキシキュリティという視点を我が国の政策にも反映していく必要があるのではないか。
  • 日本の労働政策は、失業された方に対する支援に重点を置いてきているが、北欧諸国では受講者の7割が有職者といった被雇用者でありながらのリスキリングが盛んである。在職者のうちからリスキリングを行うといった取組が重要ではないか。
  • 労働移動円滑化のため、副業に人材を送り出す企業又は副業の人材を受け入れる企業を支援すべきではないか。
  • 日本の労働政策では、在職者のままで、兼業・副業を進めるという観点が弱いが、産業構造の転換に伴い成長産業へ円滑に労働移動を行う、あるいはスタートアップに円滑に労働移動を行うことを考えると、兼業・副業の促進を労働政策の重点事項として位置づけるべきではないか。

~NEW~
消費者庁 第6回 ステルスマーケティングに関する検討会
▼資料2 指定告示(案)及び運用基準の方向性(案)について(事務局説明資料)
  • 指定告示(案)
    • 事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該事業者の当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの
  • 趣旨・告示指定の要件との関係
    • 不当表示として規制する表示は、事業者が自己の供給する商品又は役務に係る表示(事業者の表示)であるにもかかわらず、一般消費者が、そのことを判別することができないことによって、一般消費者を誤認させるおそれがあるもの。
    • 一般消費者は、事業者の表示であれば、ある程度の誇張・誇大が含まれることはやむを得ないと考え、商品選択の上でそのことを考慮に入れる一方、事業者の表示であるにもかかわらず、そのことを判別できない場合、一般消費者は当該事業者の表示ではないと考えてしまう、又は、そのおそれがあることにより、商品選択における自主的かつ合理的な選択を阻害されるおそれ。
    • 一般消費者が誤認するおそれがあることが問題であることを踏まえると、事業者の表示である旨を一般消費者が判別できる場合は、不当表示には該当しないものと整理。
  • 「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示」(事業者の表示)となるかについては、事業者の表示と認められる実態があるかどうかによって判断を行うことになる。事業者の表示と認められる実態があるものについて
    • 事業者の表示には、事業者が自ら行う表示のほか、事業者の表示と認められる実態がある場合には、事業者が第三者をして行わせる表示も含まれる。
    • 事業者が第三者をして行わせる表示の例としては、SNSを使った投稿、ECサイトのレビュー投稿、アフィリエイトプログラムを用いた広告表示等が含まれる。
    • 事業者が投稿者に対して表示内容を明示的に指示していない場合であっても、事業者の表示と認められる実態がある場合には、事業者が「表示内容の決定に関与した事業者」となり、事業者の表示となる。(東京高裁平成20年5月23日(株)ベイクルーズによる審決取消請求事件)
    • 事業者が明示的に表示を行うことを指示していない場合であっても、事業者と投稿者との関係性の実態を踏まえ、事業者の表示であると認められる実態がある場合は、事業者の表示となる。
    • 事業者の表示と認められる実態にあるかどうかについては、事業者が投稿者に対して支払う「対価」についても考慮されるところ、「対価」については、金銭又は物品に限らず、その他の経済上の利益(イベント招待等のきょう応)など、対価性を有するものが含まれる。
    • 事業者の従業員が行った表示であっても、事業者の表示と認められる実態があれば、事業者の表示となる。
  • 「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示」(事業者の表示)となるかについては、事業者の表示と認められる実態があるかどうかによって判断を行うことになる。事業者の表示と認められる実態がないものについて
    1. 一般消費者や著名人が自らの嗜好など、自主的な意思によって、特定の商品又は役務の推奨に関する投稿を行う場合は、通常、事業者の表示と認められる実態がないことから、事業者の表示とはならない。
      • 事業者ではない第三者(一般消費者や著名人等)が特定の商品又は役務の推奨投稿を行う場合事業者の表示と認められる実態がないものについて
      • 例えば、事業者が不特定多数者に対してお試しの商品や役務の配布・提供を行った結果、これらを受けた不特定多数者による投稿は、通常、事業者の表示と認められる実態にはないことから、事業者の表示とはならない(特定少数者であっても、特定少数者の自主的な意思によって自由に投稿できる場合も同様。)。
      • ただし、例えば、当該投稿に当たって事業者が対価を提供している場合や、事業者と投稿者との間に当該投稿のみならず、その前後において事業者との関係性がある場合は、これらの実態を踏まえて、事業者の表示と認められるかを判断する。
      • また、事業者との関係性があるかどうかの判断に当たっては、過去あるいは将来の時点において、関係性が存在した、または今後存在するかどうかの実態も踏まえて判断する。関係性があったかどうかの期間の判断については、これまでの関係性の状況や商品又は役務の特性等から合理的に判断する(例えば、過去の関係性がどの程度の長さであったのか、推奨する商品が特定の季節のみに販売数量が増えるかなど)。
    2. 媒体が事業者の指示に左右されず、自主的な意思で企画、編集、制作した表示
      • 正常な商慣習における取材活動に基づく記事の配信、書評の掲載、番組放送等においては、通常、事業者の表示と認められる実態になく、事業者の表示とはならない
      • ただし、正常な商慣習を超えた取材活動等である実態が認められる場合(事業者が媒体に対して、通常考えられる範囲の取材協力費を大きく超えるような金銭等の提供、通常考えられる範囲を超えた謝礼の支払等が行われる場合)であって、事業者の表示と認められる実態にある場合は、この限りではない。
  • 「一般消費者が当該事業者の当該表示であることを判別することが困難である」かどうかについては、一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっているかどうかを表示内容全体から判断することになる。一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっていないものについて
    1. 一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっていないとは、(1)「当該表示が記載されていない場合」と(2)「当該表示が不明瞭な方法で記載されている場合」に分けられる。
    2. (1)「当該表示が記載されていない場合」とは、例えば、以下の場合があげられる。
      • 「当該表示が記載されていない場合」とは、事業者の表示であることが全く記載されていない場合である
      • アフィリエイトプログラムを利用した広告(アフィリエイト広告)には事業者の表示であることを記載せず、アフィリエイトサイトからの遷移先の当該商品又は役務のページに事業者の表示であることを記載している場合における当該アフィリエイト広告
    3. (2)「当該表示が不明瞭な方法で記載されている場合」とは、例えば、以下の場合があげられる。
      • 「当該事業者の当該表示であること」を部分的にしか表示していない場合
      • 一般消費者が事業者の表示であることを判別し難い「文言の使用」、「位置に表示すること」、「大きさで表示」する場合
      • 「当該事業者の当該表示であること」の表示が他の情報に紛れ込んでいる場合
  • 「一般消費者が当該事業者の当該表示であることを判別することが困難である」かどうかについては、一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっているかどうかを表示内容全体から判断することになる。一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっているものについて
    1. 一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっていると認められるためには、例えば、以下の文言を使用することが考えられる。
      • 「広告」、「宣伝」、「プロモーション」、「PR」
      • ただし、上記文言を使用していたとしても、表示内容全体から判断して一般消費者にとって事業者の表示であると認められない場合もあり得ることに留意することが必要。
    2. 以下のような、一般消費者にとって事業者の表示であることが社会通念上明らかであるものについては、通常、一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっているものといえる。
      • テレビ・ラジオのCMのように厳格に広告と番組が切り離されているもの、新聞紙の広告欄のように「広告」等と記載されているもの、雑誌のように商品又は役務を紹介することを目的としているもの
      • 事業者自身のウェブサイト、事業者自身のSNSのアカウント、特定の商品又は役務を特集するウェブサイトを通じた発信
      • ただし、以下のような場合はこの限りではない。
      • 当該事業者の当該表示ではないと一般消費者が誤認するおそれがあるような場合(例えば、事業者の公式ウェブサイト上で第三者の意見を述べているように見えて、事業者の表示である場合)

~NEW~
消費者庁 第8回 景品表示法検討会
▼【資料】関係者等ヒアリングにおいて出された御意見及び今後の検討の方向性(案)
  • 事業者の自主的な取組の促進(確約手続の導入)
    1. 「確約手続」とは
      • 行政機関が、調査開始後に、違反の疑いのある行為の概要等について調査対象事業者に通知し、この通知を受けて調査対象事業者が違反の疑いのある行為を排除するための措置の計画を作成・申請し、行政機関が当該計画を十分・確実なものとして認定すれば行政処分が行われないこととなる手続
    2. 【確約制度導入についての賛成意見】
      • 迅速により多くの事案が是正され消費者への被害回復に繋がるのであれば、期待。(消団連)
      • 善良な事業者であれば、迅速な不当表示の是正・早期の被害拡大防止・被害回復につながる。(全相協)
      • 不当表示の多様性、事例の悪質性の程度に即した形で、事業者の自主的な取組によって迅速的に対応し得る。(佐藤教授)
    3. 確約制度導入に当たっての留意点等
      1. 執行体制の強化等
        • 措置命令などの執行力が弱まることのないよう、執行体制の強化を求める。(消団連)
        • 確約措置不実施への対応として独禁法が定める「取消し」以下の措置と同様の制度の導入による担保は不可欠。(岩本教授)
      2. 基準の明確化等
        • 確約手続を行う基準の明確化や、確約計画による実効性の確保を求める。(消団連)
        • 確約計画認定の総合的評価を行うに当たり、a)事業者の違反歴の有無、b)コンプライアンス体制の整備の程度、c)新製品、新規参入の際の表示及びd)一般的に、不当表示の基準は理解しにくいことを考慮すべき。(佐藤教授)
        • 確約手続をとる事件(例えば、認定された確約計画が真摯に履行されると見込まれる事件、違反の認定が容易でない事件など)と、そうでなく命令が目指される事件を、どのように選別するかが鍵。確約計画に必ず返金計画を盛り込ませることは難しいのではないか。(白石教授)
      3. 事業者の公表について
        • 公表されることが前提となると、措置命令等と同等の事実上の制裁を受けることになり、積極的に利用しようというインセンティブにはつながらない。(日本通信販売協会)
        • 事業者名の公表について、一定の政策的配慮を行うことによって、事業者の利用の促進を図ることを検討するべき。(佐藤教授)
      4. 自主返金について
        • 確約手続においても事業者が自主的に返金する制度を導入することを要望。(全相協)
        • 消費者に対する返金措置の実施を盛り込むことにより、「一般消費者の利益の保護」に資する制度設計の可能性を検討する必要がある。(岩本教授)
        • 返金を確約手続の必須事項とすることには反対。返金については個々の事例ごとに判断すべき。(日本通信販売協会)
        • 確約計画の認定においては、「一般消費者の利益の確保」及び再発防止策の有効性の視点が必要。とりわけ、消費者被害の早期回復の実現を図る観点からは、消費者への返金計画の認定に当たり、返金開始の時期、網羅性、返金手段の相当性、確実性等が検討事項になる。(佐藤教授)
      5. 違反行為を認定しないことによる効果に留意
        • 同種事案に関する抑制効果が限定的になるという懸念がある。違法性認定がない場合、企業は被害回復について限定的に捉える傾向があることに留意。同様の行為を行う他事業者への波及的効果や、措置命令を参考とする適格消費者団体の活動に支障が生ずる恐れがある。(消費者支援機構関西)
        • 従前の表示広告活動によって当該事業者や商品・サービスに対して生じた誤認惹起的効果を十分に除去する必要がある。(消費者支援機構関西)
      6. 制度設計に当たっては以下の諸条件が満たされる必要があると考える。
        • (1)現行課徴金算定率(対象商品・役務等の総売上高の3%)の引上げを伴うこと、(2)措置命令と課徴金納付命令では対応困難な事例(法執行に長期間を要する場合を含む。)において適切かつ効果的な解決を導くことができる場合や、措置命令等によっては実現不可能な柔軟な解決策をとることによって不当表示の排除及び抑止が効果的に行われる場合であること、(3)上記「柔軟な解決策」の内容としては、被害回復が中核に据えられること、(4)同制度の対象となった違反被疑事実、及び確約計画が詳細に公表されること、(5)上記(4)について広く意見募集が行われること。(日弁連)
        • 事業者の自主的な取組を促進するため、確約手続を導入してはどうか
        • 導入に当たっての検討事項 確約手続を導入する場合には、独占禁止法の確約手続きに関する運用方針を参考にしつつ、景品表示法の目的達成のために必要かつ十分な措置となる観点から、手続の対象となる事案、返金措置の位置付け、認定された確約計画の公表、確約計画が履行されなかった場合の対応等を明確化する必要があるのではないか
  • 返金措置の促進(電子マネー等の活用など)
    1. 返金措置の促進についての賛成意見
      • 自主返金(返金制度)制度の利用が促進されるよう、制度の改善を求める。(消団連)
      • 柔軟化自体には基本的に賛成。とりわけ少額被害については回復方法の柔軟化の必要性は高く、かつ被害回復を促進することで、事業者に違法な活動による利益をできる限り残さないことが望ましい。(消費者支援機構関西)
      • 表示を信じた消費者の被害回復が部分的にでもされるよう、事業者が自主的に返金しやすい仕組みを作ることを要望する。(全相協)
      • 自主返金実施のハードルを下げるために、現行の手続要件・実施要件の緩和、代替寄付制度の導入が検討されるべき。(日弁連)
      • 電子マネー等の活用による効果的・柔軟な返金の方策を検討することに異論はない。(岩本教授)
      • 電子マネーでの入金など、迅速性・確実性を確保する上で有効な手段を用いるべき。(佐藤教授)
    2. 返金措置の促進に当たっての留意点等
      1. 違反行為を行った事業者の囲い込みに利用されないこと
        • 返金方法としてのポイント制の導入が違反行為を行った事業者の囲い込みに利用されないよう、少なくとも当該事業者又は関連企業の範囲でのみ利用可能なポイントは不可とし、相当広範囲な事業者に共通して決済に利用されているプラットフォームのポイントである必要がある。(日弁連)
      2. 返金措置の実施の義務化等
        • 事業者による返金措置の実施を義務化し、返金措置が実施されない場合等に課徴金として徴収するなど、現行の課徴金制度と実質的に一体化した返金措置の検討が必要。(岩本教授)
      3. 検討の方向性(案)
        1. 返金措置について一律の義務化は困難であるが、自主的な返金を促進するため、電子マネー等の金銭以外の支払手段も可能としてはどうか。
        2. 導入に当たっての検討事項
          • 電子マネー等の支払手段も可能とする場合には、消費者保護の観点から、現金と同様の価値代替性を有する決済手段に限定する必要があるのではないか。
  • 違反行為に対する抑止力の強化
    1. 違反行為に対する抑止力の強化についての賛成意見
      • 少なくとも景表法違反行為が同時に不実告知等の取消事由に該当する可能性が高い類型については、課徴金の料率を引き上げるべき。(消費者支援機構関西)
      • 違反行為を繰り返した事業者に対する課徴金の算定<割り増し、加算など>の導入は必要。(岩本教授・佐藤教授)
      • 課徴金算定率を大幅に引き上げることにより、不当表示の事前抑制が実効性を持つようになり、自主返金制度の利用率の向上も期待される。算定率を10%に引き上げ、また、繰り返し違反行為を行うなど悪質性の高い場合にはさらに高い算定率を適用して、抑止力を高める必要がある。(全相協)
      • いわゆる裾切り額の廃止についても、併せて検討すべき。(岩本教授)
      • 課徴金制度の強化による抑止力強化の方策としては、独禁法上の不当な取引制限を参考にすると、(1)裾切(規模基準)の見直し、(2)算定期間の見直しと推定規定の整備、(3)算定基礎の見直し(グループ企業の対応)、(4)繰り返し違反に対する割増算定率といった方策が考えられる。(日弁連)
    2. 違反行為に対する抑止力の強化に当たっての留意点等
      1. 会社法人を変えて繰り返し違反を行う悪質な事業者への対応
        • 景表法の対象は中小事業者が多く、特に悪質事業者は過去の例からも、悪質行為を社名や代表者を変えて繰り返すのが常道であり、課徴金の割増しが抑止効果を高めるか疑問。措置命令の文面を工夫し、グループ内会社や関係者が新たに設立した会社であっても適用しうるような不作為命令とし、違反行為を繰り返した場合には措置命令違反を適用するような毅然とした法執行がなければ悪質事業者による違反行為は減らないのではないか。(日本通信販売協会)
      2. 売上額の推計規定の活用
        • 独占禁止法で売上額の推計規定を導入した背景には、同法における課徴金対象期間の上限が10年に伸びたため、違反行為事業者が過去の帳簿書類等を保存していない確率が高まったという事情がある。景品表示法でも、事実報告・資料提出が行われず課徴金の計算の基礎となるべき事実を把握できないなどの事態が生じているようであれば、活用できる規定と思われる。(白石教授)
      3. 業務停止等の措置命令の強化が必要
        • 業務停止等のより強力な行政上の措置(措置命令の強化)が、直罰導入に先行して検討される必要があると思われる。(岩本教授)
      4. 繰り返し違反行為者を措置命令違反に問うことについて
        • 措置命令の主文で違反行為繰り返し禁止を命令し、繰り返した場合に措置命令違反とするというアイデアは貴重。この点、(1)今回の違反行為と全く関係のない次回の非違行為を今回の措置命令の主文に書くことができるかという問題、(2)脱法的な会社設立等をどれほどカバーし得るかという問題がある。(白石教授)
    3. 検討の方向性(案)
      • 違反行為に対する抑止力を強化するため、①一定期間内に違反行為を繰り返し行った事業者に対しては、通常より高い算定率を用いて課徴金額を算出する規定及び②違反行為を行った事業者が消費者庁の調査に応じず資料を提出しないなど、売上額等の課徴金の計算の基礎となるべき事実を把握することができない場合に備え、課徴金の計算の基礎となるべき事実を把握できない期間に係る推計規定を整備してはどうか。
      • 名称を変えて繰り返し違反を行うような悪質事業者に対応する観点から、実質的な違反行為者と目される役員等の自然人に供給主体性・表示主体性が認められる場合には、当該役員等を「事業者」と認定して措置命令及び課徴金納付命令の対象とするなどの運用上の工夫をしてはどうか。
      • 景品表示法は、商品等の取引に関連する不当な表示による顧客の誘引を防止することを目的としており、業務そのものの停止等を命じることは困難ではないかと考えられるが、措置命令の内容については、未然防止の観点から事案に応じて工夫してはどうか。
      • 課徴金制度導入後、これまでのところ、課徴金制度導入の契機となったメニュー偽装表示問題のような、算定率の引上げ・裾切り額の変更を必要とするような大きな社会的事件(立法事実)は、生じていない
  • 国際化への対応(海外等に所在する事業者への執行の在り方など)
    1. 国際化への対応についての意見
      • 社会のデジタル化、国際化の進展に対応した法律・制度とすることを求める。(消団連)
      • 海外に所在する事業者に対しても適切に対応を行う体制整備を要望する。(全相協)
      • 海外法人を対象として命令書の送付規定や海外当局に対する情報提供規定についての実効性のある法整備について異論はない。(岩本教授)
    2. 検討の方向性(案)
      • 国際的な不当表示事案に対処するため、(1)措置命令書の送達規定及び(2)海外当局に対する情報提供の規定を整備してはどうか
  • 買取りサービスに係る考え方の整理
    1. 買取りサービスに係る考え方の整理についての賛成意見
      • 景品表示法の対象として、「買い取りサービス」に関する表示にも対応できるよう、早急に見直すことを求める。(消団連)
      • 買取りサービスは「取引」に含まれないとする運用の見直しを要望する。(全相協)
      • 「有償取引」のみを景表法の「取引」と見る考え方は狭く、「無償取引」まで広げた考え方に拡充する必要があると思われる。「買い取りサービス」を「取引」に含めることについて異論はない。(岩本教授)
    2. 買取りサービスに係る考え方の整理に当たっての留意点等
      1. 「買取りサービス」を供給しているとの考え方について
        • 「買取りサービスを売っている」とみるアイデアは、「自己の供給する商品又は役務」が違反要件とされていることを踏まえた上での優れたアイデアと考えられ、例えば「8千円で買い取る」という行為は、「本来は1万円のものを8千円で買い取ることで、買取りサービスを2千円で売っている」とも表現できる。しかし、常にその論法を採用できるかというと簡単ではないかもしれず、根本的には、「供給する」だけでなく「供給を受ける」も対象としなければ、課題を解決できないのではないかと思われる。(白石教授)
      2. 「労働」への対応について
        • 仮に「供給を受ける」を不当表示規制の対象とするとすれば、労働をめぐる買う側(企業)の不当表示行為をどのように受け止めるか、を考えておく必要がある。(白石教授)
      3. 課徴金の算定方法について
        • 「供給を受ける」を規制対象とし、購入額に算定率を乗じて課徴金額を得るという計算方法を採用すると、事業者が買いたたけば買いたたくほど課徴金額が安くなることになるが、独占禁止法も購入カルテルに係る課徴金額は購入額に算定率を乗ずる方法を採用している。(白石教授)
    3. 検討の方向性(案)
      • 買取りサービスが「自己の供給する商品又は役務の取引」に含まれることを明確化するため、運用基準の記載を見直してはどうか。
  • 課徴金の対象の拡大
    1. 課徴金の対象の拡大についての賛成意見
      • 課徴金納付命令の措置となる対象範囲(5条3号、原産国に関する不当な表示)を広げるよう求める。(消団連)
      • 景表法の適用取引の拡大等について、早急に進めるべき。(消費者支援機構関西)
      • 指定告示(5条3号)を、執行力、特に課徴金納付命令の面で別扱いする根拠はきわめて乏しい。(岩本教授)
    2. 課徴金の対象の拡大に当たっての留意点等
      • 法第5条第3号違反について
        • 法第5条第3号に基づく告示の対象となっている表示の中にはいくつかの類型がある。第1類型は、優良誤認表示又は有利誤認表示と構成し直せるようなものであり、この類型については現行法でも課徴金を課すことは可能。第2類型は、おとり広告のように、結果として売られる商品役務ではないものについての表示を問題にするものであり、法第5条第1号・第2号に該当するとして構成し直すことは難しく、また、誤認の生じた商品役務に係る売上額が零であることが多いため、現行の課徴金計算の規定のままでは対応が難しい。(白石教授)
    3. 検討の方向性(案)
      • 法第5条第3号は、優良誤認・有利誤認の補完的規定と位置付けられており、実際にも法第5条第3号の違反件数は、課徴金制度導入後も依然として低い水準で推移していることから、現段階においては課徴金の対象とする具体的な必要性(立法事実)は認められないのではないか
  • 刑事罰の活用
    1. 刑事罰の活用についての賛成意見
      • 直罰規定の導入に賛成。違法・不当な広告により大量の消費者を誘引し、行政や適格団体から指摘を受けると事業を終了し、事実上サンクションを免れようとする事業者が存在する。(消費者支援機構関西)
    2. 検討の方向性(案)
      • 他法令の表示規制における行政措置と罰則規定の関係なども参照しつつ、直罰規定の導入について検討を進めてはどうか。
  • ダークパターン
    1. ダークパターンの検討を進めることについての賛成意見
      • インターネットによる広告表示は、文字だけではなく、表示される場所、時間やタイミングなどによっても誤認する確率が高いため、悪質な誘導をする表示に対して取締りがされるよう早期の検討を求める。(全相協)
      • 対応すべき優先度の高い行為から検討を進めることを求める。(消団連)
      • 当団体に寄せられた情報の中にも、現行法上の違法性の根拠(景表法5条や特商法上の誇大広告等)に直ちに該当するか疑わしいものが散見される。早急な検討と対応が必要。(消費者支援機構関西)
      • 新たな類型の指定告示事項として取り込むことが可能かどうかについて、検討を進めるべき。(日弁連)
      • 景表法の枠組だけではなく、消費者契約法、特定商取引法等の消費者関係法のほか、刑法などの諸分野との問題把握を行い、対策の検討を進展させる必要があると思われる。(岩本教授)
    2. ダークパターンの検討を進めるに当たっての留意点等
      • 現行法の適用について ステルスマーケティングやダークパターンについて、これらの言葉の意味次第ではあるが、現行法の優良誤認表示・有利誤認表示と構成できるものが存在するのではないかと思われる。(白石教授)
    3. 検討の方向性(案)
      • いまだ国際的な定義も不明確であり、今後の国際的な議論状況や理論的な研究の深まり等を引き続き注視していくこととしてはどうか。

~NEW~
厚生労働省 第105回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
▼資料1 直近の感染状況の評価等
  • 感染状況等の概要
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約338人となり、今週先週比は1.40と増加傾向となっており、地域差もみられる。また、今後、社会経済活動の活発化による接触機会の増加等が感染状況に与える影響に注意が必要。
    • 病床使用率は全国的に上昇傾向にあり、重症者数は増加傾向にあるが、死亡者数は横ばいとなっている。
  • 感染状況等と今後の見通し
    1. 感染状況について
      • 新規感染者数について、全国的に増加傾向となっており、すべての地域で今週先週比が1を上回っている。一方で、現時点では今夏の感染拡大時より急激な増加にはなっていない。
      • 現在の感染状況には地域差があり、北海道では今夏の感染拡大のピークに迫るほど高い水準にあり、東北、北陸・甲信越、中国地方では多くの増加がみられる。一方、首都圏や九州・沖縄では10万人あたりで全国を下回っている。また、高齢者施設と医療機関の集団感染は一部継続している。
      • 全国の年代別の新規感染者数は、人口あたりでは10代を始めとして若い世代ほど多くなっている。また、新規感染者数が多い地域では、特に10代以下の増加が大きい。高齢者の新規感染者数も増加し、重症者数も増加傾向にあり、死亡者数は横ばいとなっている。
      • 本年1月以降の小児等の死亡例に関する暫定報告にあるように、小児感染者数の増加に伴う、重症例、死亡例の発生に注意が必要である。また、小児の入院者数の動向にも注意が必要。
    2. 今後の見通しについて
      • 今後の感染状況について、大都市における短期的な予測などでは、地域差や不確実性はあるものの、増加傾向が続き、今夏のような感染拡大につながる可能性がある。今後、社会経済活動の活発化による接触機会の増加等が感染状況に与える影響にも注意が必要。
      • 季節性インフルエンザは現時点で低い水準にあるが、新型コロナウイルス感染症との同時流行を含め今後の推移に注意が必要。
    3. 感染の増加要因・抑制要因について
      1. ワクチン接種および感染による免疫等 ワクチン接種と自然感染により獲得した免疫は、経時的に低下していると考えられる。また、60代以上では、20-40代と比較してワクチンの接種率は高いが、感染による免疫獲得は低く、高齢者層での感染拡大が懸念される。
      2. 接触パターン 夜間滞留人口について、地域差がみられるが、足元では概ね横ばい傾向で推移している。今後、年末に向けて、社会経済活動の活発化による接触機会の増加等が懸念される。
      3. 流行株 国内では現在BA.5系統が主流となっている。BQ.1系統やBQ.1.1系統(BA.5.3系統の亜系統)など、海外で感染者数増加の優位性が指摘されている系統について、今後、さらに割合が増加する可能性があり、注視が必要。
      4. 気候・季節要因 現在は比較的換気を行いやすい気候条件であるが、今後の気温の低下により、換気がされにくい場合もある。また、冬に向かって呼吸器ウイルス感染症が流行しやすくなる。
    4. 医療提供体制等の状況について
      • 全国的には、病床使用率は上昇傾向にあり、感染者数が多い地域などでは3割を上回っている。重症病床使用率は低い水準にあるが、今後、新規感染者数のさらなる増加に伴う影響に注意が必要。
      • 介護の現場では、施設内療養や、療養者及び従事者の感染がみられる。
      • 救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに、全国的には足元で増加傾向となっており、地域によっては高いレベルのところもみられる。
  • 必要な対策
    1. 基本的な考え方について
      • 再度の感染拡大や、季節性インフルエンザの同時流行にも対応できるよう、限りある医療資源の中でも高齢者・重症化リスクの高い方に適切な医療を提供するための保健医療体制の強化・重点化を進めていくことが必要。
      • 国民ひとりひとりの自主的な感染予防行動の徹底をお願いするとともに、保健医療体制の強化・重点化を進めていくことにより、高齢者等重症化リスクの高い者を守るとともに、通常医療を確保する。
      • 国、自治体は、日常的な感染対策の必要性を国民に対して改めて周知するとともに、感染防止に向けた国民の取組を支援するような対策を行う。
    2. ワクチン接種の更なる促進
      • 「オミクロン株対応ワクチン」について、初回接種を完了した全ての12歳以上の者に対する接種を進めることが必要。
      • 4-5対応型ワクチンの接種も開始されたが、BA.1対応型ワクチンとBA.4-5対応型ワクチンいずれも従来型ワクチンを上回る効果が期待されるため、いずれか早く打てるワクチンの接種を進めることが必要。最終接種からの接種間隔については、5か月から3か月に短縮されたことを受け、接種を希望するすべての対象者が年内にオミクロン株対応ワクチンの接種を完了するよう呼びかける。
      • 未接種の方には、できるだけ早い時期に初回接種を検討していただくよう促していく。
      • 小児(5~11歳)の接種については、初回接種とともに追加接種を進める。
      • 小児(6か月~4歳)の初回接種が薬事承認され、特例臨時接種に位置づけられたことを踏まえ、初回接種を進める。
    3. 検査の活用
      • 第17回新型コロナ分科会における提言に基づき、国と自治体は検査ができる体制を確保し、検査の更なる活用が求められる。
      • 高齢者施設等について、従事者への頻回検査(施設従事者は週2~3回程度)を実施する。
      • 有症状者が抗原定性検査キットで自ら検査を行い、陽性の場合に健康フォローアップセンター等で迅速に健康観察を受けられる体制整備の更なる推進が必要。
      • OTC化されインターネット販売もされている抗原定性検査キットについて、一層利活用を進める。
    4. 保健医療提供体制の確保
      • 国の支援のもと、都道府県等は、主に以下の病床や発熱外来等のひっ迫回避に向けた対応が必要。
      • 確保病床等の即応化や、病床を補完する役割を担う臨時の医療施設等の整備に加え、宿泊療養施設や休止病床の活用など、病床や救急医療のひっ迫回避に向けた取組
      • 入院治療が必要な患者が優先的に入院できるよう適切な調整、高齢者施設等における頻回検査等の実施や医療支援の更なる強化
      • 後方支援病院等の確保・拡大、早期退院の判断の目安を4日とすることの周知など転院・退院支援等による病床の回転率の向上
      • 病室単位でのゾーニングによる柔軟で効率的な病床の活用等の効果的かつ負担の少ない感染対策の推進
      • オンライン診療等の活用を含めた発熱外来の拡充・公表の推進、「発熱外来自己検査体制」整備の更なる推進
      • 受診控えが起こらないよう配慮の上、例えば無症状で念のための検査のためだけの救急外来受診を控えることについて、地域の実情に応じて地域住民に周知。併せて、体調悪化時などに不安や疑問に対応できるよう、医療従事者等が電話で対応する相談窓口を周知するとともに、こうした相談体制を強化
      • 職場・学校等において療養開始時に検査証明を求めないことの徹底 3
    5. 新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応
      • 同時流行下に多数の発熱患者等が生じる場合も想定し、各地域の実情に応じて、発熱外来の強化や発熱外来がひっ迫する場合に備えた電話診療・オンライン診療の強化と治療薬の円滑な供給、健康フォローアップセンターの拡充と自己検査キットの確保、相談体制の強化等を進める。
      • 都道府県は、地域の実情に応じた外来医療体制の強化等の体制整備の計画を策定する。
      • また、国民各位への情報提供と、重症化リスク等に応じた外来受診・療養への協力や抗原定性検査キット・解熱鎮痛薬の早めの準備の呼びかけなどに取り組む。
      • 併せて、感染した場合にもできる限り重症化を防ぐため、新型コロナとインフルのワクチンについて、接種対象者への接種を進める。
      • なお、感染者数が膨大となり医療のひっ迫が生じる場合や、ウイルスの特性に変化が生じ病原性が強まる等の場合には、住民や事業者に対する感染拡大防止や医療体制の機能維持に関する更なる協力の要請・呼びかけや、行動制限を含む実効性の高い強力な感染拡大防止措置等が考えられ、状況に応じた対応を行うことが必要。
    6. サーベイランス等
      • 発生届の範囲の限定、届け出項目の重点化、多くの感染による検査診断・報告の遅れ、受診行動の変化などにより、現行サーベイランスの精度の低下が懸念され、発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討を速やかに進めることが必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視の継続が必要。
    7. 効果的な換気の徹底
      • 第17回新型コロナ分科会における提言に基づき、屋内での換気が不十分にならないよう、効果的な換気方法の周知・推奨が必要(エアロゾルを考慮した気流の作り方、気流を阻害しないパーテーションの設置等)。
    8. 基本的な感染対策の再点検と徹底
      以下の基本的感染対策の再点検と徹底が必要。

      • 場面に応じた不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気の徹底などの継続
      • 3密や混雑、大声を出すような感染リスクの高い場面を避ける
      • 飲食はできるだけ少人数で、飲食時以外はマスクを着用する
      • 咽頭痛、咳、発熱などの症状がある者は外出を控える
      • 医療機関の受診や救急車の利用については目安を参考にする
      • 自宅などにおいて抗原定性検査キット・解熱鎮痛薬を準備する
      • できる限り接触機会を減らすために、例えば、職場ではテレワークの活用等の取組を再度推進するなどに取り組む
      • イベントや会合などの主催者は地域の流行状況や感染リスクを十分に評価した上で開催の可否を含めて検討し、開催する場合は感染リスクを最小限にする対策を実施する
      • 陽性者の自宅療養期間について、短縮された期間中は感染リスクが残存することから、自身による検温などの体調管理を実施し、外出する際には感染対策を徹底すること。また、高齢者等重症化リスクのある方との接触などは控えるよう求めることが必要。
      • 症状軽快から24時間経過後または無症状の場合の、食料品等の買い出しなど必要最小限の外出の許容について、外出時や人と接する時は必ずマスク着用、人との接触は短時間、移動に公共交通機関は利用しないなど、自主的な感染予防行動の徹底が必要。
  • 参考:オミクロン株とその亜系統の特徴に関する知見
    1. 感染性・伝播性 オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
    2. 感染の場・感染経路 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
    3. 重症度等 オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、限られたデータであること等を踏まえると、今後もさまざまな分析による検討が必要。
      • 前回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、感染する前から高齢者施設に入所している利用者が感染し、基礎疾患の悪化等の影響で死亡するなど、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されている。また、新型コロナ発生当初からデルタ株流行期までは、典型的な新型コロナ感染によるウイルス性肺炎によって重篤な呼吸不全を発症する事例が多かったが、オミクロン株流行期には、入院前からの基礎疾患の悪化や入院中の別の合併症の発症など、肺炎以外の疾患が死亡の主たる要因との報告がある。
      • 今回の感染拡大では、前回に引き続き、昨年夏の感染拡大のときよりも重症化率の減少や、入院患者に占める高齢者の割合が上昇している。さらに、今回の感染拡大における死亡者は、前回の感染拡大と比べ、人工呼吸・ネーザルハイフローの使用率やステロイドの処方率が下がっている。
      • 小児等の感染では内因性死亡が明らかとされた死亡例において、基礎疾患のなかった症例も死亡しており、痙攣、意識障害などの神経症状や、嘔吐、経口摂取不良等の呼吸器症状以外の全身症状の出現にも留意が必要といった実地調査結果の暫定報告がなされている。
      • ウイルスの排出期間 国内データによれば発症後10日目までは感染リスクが残存し、発症後7日目までが感染力が高く、5日間待機後でもまだ3分の1の患者が感染性のあるウイルスを排出している状態。8日目(7日間待機後)になると、多くの患者(約85%)は感染力のあるウイルスを排出しておらず、当該ウイルスを排出している者においても、ウイルス量は発症初期と比べ7日目以降では6分の1に減少したとの報告がある。
    4. ワクチン効果 初回免疫によるオミクロン株感染に対する感染予防効果や発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。4回目接種については、重症化予防効果は6週間減衰しなかった一方、感染予防効果は短期間しか持続しなかったと報告されている。
    5. オミクロン株の亜系統 引き続き、世界的にBA.5系統が主流となっているが、スパイクタンパク質に特徴的な変異を有するオミクロンの亜系統、及び組換え体が複数報告されている。欧州及び米国から多く報告されているBQ.1系統、BQ.1.1系統(BA.5.3系統の亜系統)、インドやシンガポールなどを中心に報告されているXBB系統(BJ.1系統(BA.2.10系統の亜系統)とBM.1.1.1系統(BA.2.75.3系統の亜系統)の組換え体)等、感染者数増加の優位性が指摘されている亜系統もある。欧米では、BQ.1系統やBQ.1.1系統の占める割合が増加している国もあり、今後、さらに割合が増加することが見込まれているが、現時点では感染者数の顕著な増加は確認されていない。また、WHO等によると、これらの変異株について、免疫逃避から感染者数増加の優位性につながっている可能性は指摘されているが、これまでに得られた情報によると、感染性や重症度等が高まっていることは示唆されていない。新たなこれらの亜系統や組換え体の特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要。

~NEW~
厚生労働省 動画版「令和4年版 労働経済の分析」を公開します~労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題などをスライドと音声で分かりやすく紹介
▼動画版「令和4年版 労働経済の分析」
  • 厚生労働省は、今年9月に公表した「令和4年版 労働経済の分析」(労働経済白書)をより多くの方にご覧いただくことを目的に、動画版を作成し、本日11月9日より公開します。
  • 労働経済白書は、雇用、労働時間などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書で、今回で73回目の発表となります。
  • 動画版は、4つの章で構成し、2021年の労働経済の推移と特徴や、労働者の主体的なキャリア形成に向けた課題などを、スライドと音声で分かりやすく説明しています。動画版「令和4年版 労働経済の分析」は、厚生労働省のウェブサイトや厚生労働省YouTubeチャンネルでご覧いただけます。
  • 動画版の構成
    • 第1章:労働経済の推移と特徴
      • 新型コロナウイルス感染症の影響下における雇用情勢の推移、労働時間・賃金等の動向
    • 第2章:我が国の労働力需給の展望と労働移動の動向
      • 我が国の労働力需給の展望、日本経済の成長と労働移動
    • 第3章:主体的な転職やキャリアチェンジの促進において重要な要因
      • キャリア見通しや自己啓発等が転職活動への移行へ及ぼす影響、雇用形態や役職が転職の実現に及ぼす影響、転職先を選ぶ理由と職種間移動をした場合の仕事の満足度や賃金増加の有無
    • 第4章:主体的なキャリア形成に向けた課題
      • キャリアコンサルティングや自己啓発の促進、公共職業訓練の効果と課題

~NEW~
厚生労働省 第182回労働政策審議会労働条件分科会(資料)
▼資料No.1-1 労働時間制度に関する検討の論点について
  • 裁量労働制について 労使委員会の導入促進と労使協議の実効性向上
    1. 労使委員会の導入促進と労使協議の実効性向上
      • 使用者は労使協議の当事者に対し、裁量労働制の実施状況や賃金・評価制度の運用実態等を明らかにすることや、労使協議の当事者は当該実態等を参考にしながら協議し、みなし労働時間の設定や処遇の確保について制度の趣旨に沿った運用になっていないと考えられる等の場合には、これらの事項や対象労働者の範囲、業務量等を見直す必要があること等を明確にすることが適当ではないか。
      • 企画型について、労使委員会委員に対し、決議の内容を指針に適合したものにするよう促すとともに、指針の趣旨の正しい理解を促す観点から、行政官庁が委員に対し適切に働きかけを行うことも考えられるのではないか。
      • 専門型においても、労使委員会の活用を促していくことが適当ではないか。
      • 過半数代表者や労使委員会の労働者側委員の選出手続の適正化、過半数代表者等に関する好事例の収集・普及を行うことが適当ではないか。併せて、労使委員会の実効性向上のための留意点を示すことが適当ではないか。
    2. 苦情処理措置
      • 苦情処理措置については、本人同意を取る際の事前説明時等に苦情申出の方法等を積極的に対象労働者に伝えることが望ましいことを示すことが適当ではないか。
      • 例えば、労使委員会に苦情処理窓口としての役割を担わせるなど、労使委員会を通じた解決が図られるようにすることや、苦情に至らないような内容についても幅広く相談できるような体制を整備することを企業に求めることが適当ではないか。
    3. 行政の関与・記録の保存等
      • 企画型が制度として定着してきたことを踏まえ、現行では6か月以内ごとに1回行わなければならないこととされている定期報告について、その負担を減らすことが適当ではないか。
      • その際、行政による監督指導に支障が生じないよう、健康・福祉確保措置の実施状況に関する書類の保存を義務付けることが適当ではないか。
      • 手続の簡素化の観点から、企画型の労使委員会決議・専門型の労使協定の本社一括届出を認めることが適当ではないか。

~NEW~
厚生労働省 薬物乱用対策推進地方本部全国会議
▼資料2 第五次薬物乱用防止五か年戦略フォローアップ概要<薬物乱用対策推進会議>
  • 令和3年の薬物情勢
    • 薬物事犯の検挙人員は、14,408人(▲159人/▲1.1%)と前年より減少した。うち、覚醒剤事犯の検挙人員は、7,970人(▲684人/▲7.9%)と6年連続で減少し、3年連続で1万人を下回っている。一方、大麻事犯の検挙人員は、5,783人(+523人/+9.94%)と8年連続で増加し、過去最多を更新した。
    • 覚醒剤の押収量は998.7kg(+174.3kg/+21.14%)、乾燥大麻の押収量は377.2kg(+78.1kg/+26.1%)と、いずれも前年より増加した。一方、コカインの押収量は15.1kg(▲806.6kg/▲98.1%)、MDMA等錠剤型合成麻薬の押収量は80,623錠(▲25,685錠/▲24.1%)と前年より減少した。
    • 薬物密輸入事犯の検挙件数は、286件(前年同値)、検挙人員は367人(+37人/+11.2%)と、前年より検挙人員が増加した。
    • 30歳未満の検挙人員は、覚醒剤事犯は前年より増加し、また大麻事犯は8年連続で増加して過去最多を更新し、大麻事犯全体の検挙人員の68.0%(+1.3P)となった。
    • 覚醒剤事犯の再犯者率は、66.9%(▲1.6P)と15年ぶりに減少した。
    • 危険ドラッグ事犯の検挙人員は、164人(+5人/+3.1%)と前年より増加した。
  • 目標1 青少年を中心とした広報・啓発を通じた国民全体の規範意識の向上による薬物乱用未然防止
    • 薬物の専門知識を有する各関係機関の職員等が連携し、学校等において薬物乱用防止教室を実施したほか、各種啓発資料の作成・配付を行った。〔文科・警察・法務・財務・厚労〕
    • 乱用の拡大が懸念される若年層に対し、薬物乱用の危険性・有害性に関する正しい知識を普及するため、新入社員等を対象とした薬物乱用防止講習や児童・保護者等を対象とした出前講座の実施、有職・無職少年を対象とした薬物乱用防止読本の作成・配布、政府広報としてインターネット広告やラジオ番組等による情報発信等の広報啓発活動を実施した。〔内閣府・警察・総務・文科・厚労〕
    • 各種運動、薬物乱用防止に関する講演、街頭キャンペーン等、地域住民を対象とした広報啓発活動を実施するとともに、ウェブサイトやリーフレット等の啓発資材に相談窓口を掲載し、広く周知した。〔内閣府・警察・消費者・法務・財務・文科・厚労〕
    • 海外渡航者が安易に大麻に手を出したり、「運び屋」として利用されることのないよう、法規制や有害性を訴えるポスターの活用を図ったほか、ウェブサイトやSNS等で注意喚起を実施した。〔警察・外務・財務・厚労〕
  • 目標2 薬物乱用者に対する適切な治療と効果的な社会復帰支援による再乱用防止
    • 「依存症対策総合支援事業」の実施により、依存症専門医療機関及び依存症治療拠点機関の選定を推進するとともに、「依存症対策全国拠点機関設置運営事業」により医療従事者の依存症治療に対する専門的な能力の向上と地域における相談・治療等の指導者となる人材の養成を実施した。〔厚労〕
    • 薬物事犯により検挙され、保護観察処分が付かない執行猶予判決を受けた者等、相談の機会が必要と認められる薬物乱用者に対して、再乱用防止プログラムの実施を強化するとともに、パンフレットを配布して全国の精神保健福祉センターや家族会等を紹介するなど相談窓口の周知を徹底した。〔厚労・警察〕
    • 薬物事犯者の処遇プログラムを担当する職員への研修等の実施により、職員の専門性向上を図るとともに、関係機関と連携し、薬物処遇と効果的な社会復帰支援を切れ目なく実施した。〔法務・厚労〕
    • 保健所、精神保健福祉センター、民間支援団体等と連携して家族会等を実施するとともに、再非行に走る可能性のある少年やその保護者に対し、積極的に指導・助言等の支援活動を行った。〔法務・厚労・警察〕
  • 目標3 薬物密売組織の壊滅、末端乱用者に対する取締りの徹底及び多様化する乱用薬物等に対する迅速な対応による薬物の流通阻止
    • 通信傍受、コントロールド・デリバリー等の捜査手法の効果的な活用に努め、薬物密売組織の中枢に位置する首領や幹部に焦点を当てた取締りを推進した結果、令和3年中、首領・幹部を含む暴力団構成員等3,899人を検挙した。〔警察・法務・財務・厚労・海保〕
    • 令和3年中、麻薬特例法第11条等に基づく薬物犯罪収益等の没収規定を51人に、同法第13条に基づく薬物犯罪収益等の追徴規定を226人にそれぞれ適用し、没収・追徴額の合計は約8億6,482万円に上った。〔法務〕
    • 迅速な鑑定体制を構築し、未規制物質や新たな形態の規制薬物の鑑定に対応するため、資機材の整備を行うとともに、薬物分析手法にかかる研究・開発を推進し、会議等を通じ関係省庁間で情報を共有した。〔警察・財務・厚労・海保〕
    • 大麻の乱用拡大や諸外国における大麻を使用した医薬品の上市等を踏まえ、医学、薬学、法学の有識者を構成員とする「大麻等の薬物対策のあり方検討会」を開催し、今後の薬物対策のあり方などについて基本的な方向性をとりまとめた。〔厚労〕
  • 目標4 水際対策の徹底による薬物の密輸入阻止
    • 関係機関間において緊密な連携を取り、捜査・調査手法を共有した結果、統一的な戦略の下に効果的、効率的な取締りが実施され、令和3年中、水際において、約1,138キログラムの不正薬物の密輸を阻止した。〔警察・財務・厚労・海保〕
    • 麻薬等の原料物質に係る輸出入の動向及び使用実態を把握するため、国連麻薬統制委員会(INCB)と情報交換を行うとともに、関係機関と連携し、麻薬等の原料物質取扱業者に対し、管理及び流通状況等にかかる合同立入検査等を実施した。〔厚労・経産・海保〕
    • 訪日外国人の規制薬物持ち込み防止のため、関係省庁のウェブサイト等での情報発信に加え、民間団体等に対して広報協力の働きかけを行うとともに、国際会議や在外関係機関を通じて広報・啓発を実施した。〔警察・財務・厚労・海保〕
  • 目標5 国際社会の一員としての国際連携・協力を通じた薬物乱用防止
    • 国際捜査共助等を活用し、国際捜査協力を推進するとともに、国際的な共同オペレーションを進めた結果、薬物密輸入事案を摘発した。〔法務、警察、財務、厚労、海保〕
    • 第64、65会期国連麻薬委員会(CND)通常会合、アジア太平洋薬物取締機関長会議(HONLAP)臨時会合等に出席し、参加各国における薬物取締状況や薬物の密輸動向及び取締対策等に関する情報を入手するとともに、国際機関や諸外国関係者等と積極的な意見交換を行い、我が国の立場や取組について情報共有を図った。〔警察・外務・財務・厚労・海保〕
  • 当面の主な課題
    • 令和3年の我が国の薬物情勢は、大麻事犯の検挙人員が8年連続で増加し、5年連続で過去最多を更新するなど、大麻乱用の拡大が継続して顕著であり、「大麻乱用期」であることが確実と言える状況である。特に、30歳未満の大麻事犯は、大麻事犯全体の68%を占めており、若年層における乱用が拡大している。一方で、諸外国において大麻に由来する医薬品が上市され、国際会議等においても大麻の医療用途等への活用が議論されている。こうしたことから、取締りのより一層の強化や若年層に焦点を当てた効果的な広報・啓発活動を推進するとともに、「大麻等の薬物対策のあり方検討会」において示された基本的な方向性を踏まえ、関連法令の制度改正に向けた議論を行っている。
    • また、我が国で押収される違法薬物の大半は水際で押収されており、今後も貨物等に隠匿して密輸入する事犯等の増加が懸念されることから、国内外の関係機関が連携を強化し、コントロールド・デリバリー捜査を積極的に活用するなど、徹底した水際対策を実施する必要がある。
    • 覚醒剤事犯の再犯者率は15年ぶりに減少したものの、依然として高い水準にあることから、関係省庁との連携を強化し、薬物乱用者に対する適切な治療・処遇と効果的な社会復帰支援をこれまで以上に推進する必要がある。
▼資料8 財務省・税関における取組状況<財務省>
  • 令和3年における不正薬物の押収量は、6年連続で1トン超え。
  • 覚醒剤の摘発件数は95件(前年同期比32%増)、押収量は約912kg(同12%増)と共に増加。
    • (参考1)押収した覚醒剤は、薬物乱用者の通常使用量で約3,040万回分、末端価格にして約547億円に相当。
  • 大麻樹脂等(大麻リキッドを含む)及びMDMAの押収量が増加。
    • (参考2)大麻樹脂等の押収量 R1:21kg、R2:76kg、R3:132kg
    • (参考3)MDMAの押収量 R1:6.1万錠、R2:9万錠、R3:12.7万錠
  • 令和4年上半期(1~6月)における不正薬物の摘発件数は増加し、押収量は減少した。
  • 航空貨物・国際郵便物からの不正薬物摘発件数が増加。令和4年上半期の航空貨物・国際郵便物の不正薬物摘発件数は、航空貨物が92件(前年同期比2倍)、国際郵便物が390件(同比10%増)となり、不正薬物全体の摘発件数の約9割を占めた。
  • 令和4年上半期の不正薬物の主な摘発事例
    • 事例1 国際郵便物
      • ベトナムから到着した国際郵便物(お茶の袋)に隠匿された覚醒剤約1kgを摘発した。(令和4年4月・東京税関)
    • 事例2 航空貨物
      • カナダから到着した航空貨物(ガラス製容器)に隠匿された大麻リキッド約3kgを摘発した。(令和4年5月・東京税関)
    • 事例3 航空貨物
      • マレーシアから到着した航空貨物(コーヒー袋・乾燥剤)に隠匿された覚醒剤約2kgを摘発した。(令和4年5月・大阪税関)
    • 事例4 航空貨物
      • アメリカから到着した航空貨物(レコードプレイヤー)に隠匿された大麻成分を含有する固形物約8kgを摘発した。(令和4年2月・東京税関)
    • 事例5 国際郵便物
      • ドイツから到着した国際郵便物(ナッツの袋等)に隠匿されたMDMA約2千錠を摘発した。(令和4年1月、2月・横浜税関)
    • 事例6 国際郵便物
      • 台湾から到着した国際郵便物に隠匿された指定薬物4本を摘発した。(令和4年1月・東京税関等)
  • 不正薬物等に対する厳格な検査と迅速な通関を両立するため、税関検査等において最先端技術を積極的に導入。
    1. 税関検査場電子申告ゲート(Eゲート)
      • ITを活用し、旅客の通関を自動化
        • 携帯品等申告書は、電子的提出が可能
        • 検査においても、事前情報等を活用
        • 顔認証による本人確認の実施
      • 全国7空港(成田、羽田、関西、中部、福岡、新千歳、那覇)に配備
    2. X線CTスキャン検査装置
      • 自動識別・画像解析機能を搭載
      • 要注意貨物(携帯品)を悉皆的・効率的に検査
    3. 国際郵便物税関検査装置
      • コンベア上にX線検査装置を配置し、X線検査を機械化・自動化
▼資料10 海上保安庁における薬物事犯の摘発状況と水際対策について<海上保安庁>
  • 令和3年において海上ルートによる薬物密輸事犯を6件摘発し、その押収量は、覚醒剤約486kg(1件鑑定中)、コカイン約2kgとなっている。
  • 覚醒剤の押収量は前年と比較すると倍増しており、一度に大量の覚醒剤を密輸する事犯が相次いで発生している状況で、その手口は、海上コンテナ貨物への隠匿によるもので、大口化・巧妙化の傾向が続いている。
  • その他の手口として、海上からの薬物密輸事犯については、過去5年間において小型船舶を利用した洋上瀬取りや訪日クルーズ船の外国人乗客による薬物等の国内持ち込み事犯も摘発している。
  • 近年においては、海上コンテナ貨物への隠匿による密輸事件はもとより、国内における違法薬物の所持・使用事犯の増加が懸念されていることに着目し、これら潜在事犯の摘発に向け、捜査体制を強化している。
  • 水際対策
    1. 国内外の関係機関との連携を強化
      • 合同捜査による取締りに加え、各種会議、研修等において、国内外の関係機関との連携強化や情報共有に努めている。
    2. 巡視船艇・航空機等を活用した監視・警戒及び広域捜査
      • 虞犯情報に基づき、巡視船艇・航空機等を使用した外航船舶等に対する監視や警戒のほか、コントロールド・デリバリー捜査等において航空機を投入し、捜査に活用している。
    3. 薬物仕出地とされる可能性の高い国から来航する船舶に対する重点的な立入検査・監視
      • 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、航空機利用客による違法薬物の密輸件数が減少し、海上貨物等への隠匿による違法薬物の密輸事件が懸念されることから、当該船舶等に対する重点的な立入検査や監視を実施している
▼資料12 薬物乱用防止対策<厚生労働省>
  • 大麻規制検討小委員会のとりまとめ(概要)
    1. 医療ニーズへの対応
      • 国際整合性を図り、医療ニーズに対応する観点から、大麻から製造され医薬品医療機器等法に基づく承認を得た医薬品について、その輸入、製造及び施用を可能とするべき。(大麻取締法第4条では、大麻から製造された医薬品の施用、交付、受施用を禁止していることから、当該第4条等の関係条項を改正)
    2. 薬物乱用への対応
      • 他の薬物の取締法規では所持罪とともに使用罪が設けられていることを踏まえ、大麻についても、医薬品の施用・受施用等を除き、その使用を禁止(いわゆる「使用罪」)するべき。その際、薬物乱用者に対する回復支援の対応を推進し、薬物依存症の治療等を含めた再乱用防止や社会復帰支援策も充実させるべき。
      • 従来の大麻草の部位による規制に代わり、成分に着目した規制を導入するべき。(麻薬及び向精神薬取締法の下での規制に移行)
      • 大麻に含まれる主な成分
        • テトラヒドロカンナビノール(THC)・・・幻覚等の精神作用を示す麻薬として規制すべき成分
        • カンナビジオール(CBD)・・・麻薬の性質がなく、医薬品の原料、食品やサプリメントとしても利用される成分(海外でも規制されていない)
    3. 大麻の適切な利用の推進
      • カンナビジオール(CBD)などの大麻由来製品の安全かつ適切な流通の確保のため、テトラヒドロカンナビノール(THC)の残留限度値を設定、明確化していくべき。その際、製造販売等を行う事業者が限度値適合性を担保することを基本とし、併せて、買い上げ調査等を含めた行政による監視指導等により対応するべき。
    4. 適切な栽培及び管理の徹底
      • 免許制度による適正な管理の下で、現行法の繊維又は種子を採取する目的に加え、新たな産業利用(CBD製品を含む)、医薬品原料の用途に向けた生産についても栽培の目的として追加するべき。
      • 現行用途及び新たな産業用途(医療用原料用途を除く)の大麻草の栽培について、0.2%のような海外の事例等を踏まえ、大麻草のTHC含有量の上限値を設定し、種子の管理により、上限値への適合性を確保するべき。
      • THC上限値以下の産業用途の大麻草(低THC大麻草)の栽培は、現行よりも栽培しやすい合理的な栽培管理規制や免許制度とするべき。
      • 欠格事由以外の免許基準も、統一的な免許・栽培管理基準として明確化していくべき。産業用途の大麻草の栽培は、適した免許権者(都道府県を含む)を検討するとともに、医薬品原料用途の栽培は、国による管理を基本とするべき。
  • 薬物乱用防止デジタル広報啓発事業(拡充)
    1. 現状・課題
      • 第五次薬物乱用防止五か年戦略(平成30年8月薬物乱用対策推進会議)において、「目標1 青少年を中心とした広報・啓発を通じた国民全体の規範意識の向上による薬物乱用未然防止」が掲げられている。
      • 令和2年の大麻の検挙者数は5,260人になり、うち6割以上を若年層が占めていることから、若年層における大麻汚染及び、覚醒剤事犯の検挙人員の再犯率も60%台の高水準を維持しており深刻な問題となっている。
      • 若年層の大麻汚染が広がるなか、令和2、3年度計画していた集会を伴う各種啓発運動・大会がコロナ禍により相次いで中止となり、憂慮すべき状況となっており、デジタルツールにより情報収集に長けた現代の若年層に対する新たな啓発広報が必要となっている。
      • スマートフォン等の普及により、手軽にインターネット、特にSNS等を利用して情報共有が容易になっており、不正薬物の取引形態の多様化及び巧妙化。
      • 以前のような暴力団員等の反社会的なコミュティに属さずとも(虞犯少年でなくても)、違法薬物が容易に手に入る環境になったことにより、違法薬物に対するハードルが低下。
      • 既存の啓発広報は、生涯経験率が諸外国より著しく低いことから効果が認められる一方、詳細な効果検証が難しいことから、新たな広報啓発が必要となっている。
    2. 事業目的
      • 昨今、インターネットの普及により、暴力団組員等の反社会的なコミュティに近しい家庭や環境に問題を抱える層でなくても、違法薬物に手を出しやすくなっていることから、現代社会における薬物使用予備軍(ハイリスク層)に対する啓発広報が求められる。現代のデジタル化による若年層のハイリスク層に対して、集会を伴う運動・大会やアナログ媒体(ポスター・リーフレット等)による啓発広報だけでは対象者に浸透しにくいことから、対象者を限定しデジタル広報により有効的な啓発広報を展開する。
    3. 事業内容
      1. 啓発対象者(ハイリスク層)の絞り込み
      2. 対象者に有効なコンテンツの作成
      3. 対象者に対して、薬物犯罪が近年増加しているツール(Twitter等)で配信
      4. 効果検証
    4. 令和3年度事業実績
      • 1ヶ月という短期間で、約1200万回ユーザーの手元で広告が示され、約8.4万人が自らの意思で能動的に啓発コンテンツに流入した。

~NEW~
経済産業省 住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案が閣議決定されました~新たな住宅の省エネ化支援制度案の概要~
  • 2050年カーボンニュートラルの実現に向け住宅の省エネ化の支援を強化するため、経済産業省、国土交通省及び環境省は、住宅の省エネ化を支援する新たな補助制度を創設するとともに、3省の連携により、各事業をワンストップで利用可能とします。
    1. 背景
      • ・10月28日に新たな経済対策が閣議決定され、家庭部門の省エネを強力に推進するため、窓のリフォームによる住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入などの住宅の省エネ化への支援を強化することとされました。
      • ・これを踏まえ、本日閣議決定された令和4年度補正予算案に、住宅の省エネ化への支援を強化するための新たな補助制度が盛り込まれました。(今回の措置は、国会で予算が成立することが前提となります。)
    2. 各事業の概要
      • 経済産業省、国土交通省及び環境省は、予算成立後に、住宅の省エネ化を支援する新たな補助制度を創設します。3省の連携によりワンストップで利用可能とするとともに、窓の断熱改修や高効率給湯器の設置、エコ住宅設備(高断熱浴槽等)の設置といった省エネリフォーム工事等への支援を実施します。
        1. 住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等【経済産業省・環境省】(1,000億円)
          • 補助金は、断熱改修工事を行う事業者の申請に基づき、住宅所有者に補助金全額が還元されることを条件に、当該事業者に対して交付。
          • 高断熱窓(熱貫流率(Uw値)1.9以下等、建材トップランナー制度2030年目標水準値を超えるもの等、一定の基準を満たすもの)への断熱改修工事に対して支援。
          • 工事内容に応じて定額交付。(補助率1/2相当等。1戸あたり最大200万円を交付)
        2. 高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金【経済産業省】(300億円)
          • 補助金は、エネルギー小売事業者、高効率給湯器の販売事業者、ハウスメーカー等による代理申請に基づき、給湯器導入者に対して交付。
          • 一定の基準を満たした高効率給湯器を導入する場合に支援。
          • 給湯器導入者に対して、機器ごとに設けられた定額を交付。
        3. こどもエコすまい支援事業【国土交通省】(1,500億円(新築住宅に係る分を含む))
          • 新築:高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得に対して支援/子育て世帯・若者夫婦世帯を対象とし、1戸あたり100万円の補助金を交付。
          • リフォーム:住宅の窓・壁等に対する一定の断熱改修や、一定のエコ住宅設備の設置等の省エネリフォームを行う場合に工事内容に応じた定額を支援/省エネリフォームや(1)(2)の工事を行う場合は、併せて行うバリアフリー化や子育て対応改修等に対しても工事内容に応じた定額を支援/すべての世帯を対象とし、原則最大30万円を交付。(子育て世帯・若者夫婦世帯の場合等に上限引き上げの特例あり)
          • 共通:補助金は、事業者の申請に基づき、住宅所有者に補助金全額が還元されることを条件に、当該事業者に対して交付。
    3. その他
      • 上記各事業とも、令和4年11月8日以降に契約(新築若しくはリフォーム工事に係る請負契約、新築分譲住宅に係る売買契約又は高効率給湯器の売買契約の締結等)を行い、申請する事業者が所定の手続きにより事務局(今後事業ごとに国が選定)の登録を受けた後に着工したものが対象。

~NEW~
経済産業省 「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」及び「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整理及び経過措置に関する政令」が閣議決定されました
  • 本日、「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」及び「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整理及び経過措置に関する政令」が閣議決定されました。これらの政令は、第208回国会において成立した「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律」(以下「改正法」といいます。)の一部の施行期日を定めるとともに、所要の規定を整理し、所要の経過措置を定めるものです。
    1. 政令の概要
      1. 「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」
        • 改正法の一部の施行期日について、改正法附則第1条第2号にて「改正法の公布の日から起算して6月以内の範囲内において政令で定める日」から施行する旨規定されておりますところ、当該規定の施行期日を令和4年11月14日と定めました。※改正法附則第1条第2号により施行される主な内容
          1. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部改正
            • 「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構」を「独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構」に改称する。
            • 機構の業務に、水素・アンモニア等の製造・液化・貯蔵等、CCS事業、国内におけるレアメタル等の選鉱・製錬に対する出資・債務保証等、洋上風力発電のための地質構造調査等を追加する。
          2. 電気事業法の一部改正
            • 発電事業の用に供する発電用の電気工作物の出力等の変更を事後届出制から事前届出制に改める。
            • 発電事業等の用に供する蓄電用の電気工作物を改正法の施行日以後も引き続き維持及び運用しようとするときは、施行日前に設置場所、出力及び容量等を経産大臣に届け出なければならないこととする。
      2. 「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整理及び経過措置に関する政令」
        • 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(新名称は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)の名称等が規定される、同機構法施行令その他の関係政令を整理するとともに、施行日前の蓄電用の電気工作物の届出に係る経済産業大臣の権限を経済産業局長に委任します。
    2. 今後の予定
      • 公布 令和4年11月11日(金曜日)
      • 施行 令和4年11月14日(月曜日)

~NEW~
経済産業省 スタートアップ支援機関プラットフォーム「Plus」に7機関が参加しました~全16機関で連携したスタートアップ支援に向けて
  • 経済産業省及びスタートアップ支援機関プラットフォーム「Plus」事務局は、昨日、「Plus拡大発足式」を開催し、新たに金融等の7機関がPlusに新規参加しました。今後は全16機関で知見やネットワークを共有し、起業に取り組む人々により幅広い施策を届けられるように取り組みます。
  • 2020年7月、政府系9機関はスタートアップ支援機関連携協定(通称「Plus “Platform for unified support for startups”」)を創設し、スタートアップからの相談に対応する一元的な窓口「Plus One」の開設等により、連携して日本のスタートアップ・エコシステムの形成に向けて取り組んできました。
  • この度、新たに金融等の7機関がPlusに参加することとなり、2022年11月10日(木曜日)、鈴木内閣府大臣政務官出席のもと、新たに参加する機関を迎えて拡大発足式を実施しました。
  • 今回の拡大によって、新規参加機関の専門領域における知見や、事業化確度を見極める投資目線が、Plusの取組を通じて各参加機関に共有されることや、Plus Oneで紹介できる支援メニューのレパートリーの拡大が期待されます。引き続き、Plusがより重要なプラットフォームとして機能し、起業に取り組む人々により幅広い施策を届けられるように取り組みます。
    1. Plus拡大発足式 開催概要
      • 日時 2022年11月10日(木曜日)18時30分から18時50分
      • 場所 Lab(東京都千代田区大手町一丁目6番1号)
      • 参加者
        • 鈴木英敬内閣府大臣政務官
        • 細田均内閣府地域経済活性化支援機構担当室次長
        • 福島秀生財務省政策金融課長
        • 吾郷進平スタートアップ創出推進政策統括調整官
        • 田中哲也大臣官房審議官(産業技術環境局担当)
        • 新規参加機関(下記)代表者
    2. Plus参加機関
      • 既存参加機関(9機関)
        • 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
        • 独立行政法人国際協力機構(JICA)
        • 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
        • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)
        • 独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)
        • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
        • 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
        • 国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)
        • 独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)
      • 新規参加機関(7機関)
        • 独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
        • 株式会社国際協力銀行(JBIC)
        • 株式会社日本貿易保険(NEXI)
        • 株式会社日本政策金融公庫(日本公庫)
        • 株式会社日本政策投資銀行(DBJ)
        • 株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)
        • 株式会社産業革新投資機構(JIC)

ページTOPへ

Back to Top