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  • 令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等(警察庁)/2023年版開発協力白書の公表(外務省)/多様な個人がバックグラウンドに関わらず包摂され、活躍できる労働市場の構築に向けて(厚労省)

危機管理トピックス

令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等(警察庁)/2023年版開発協力白書の公表(外務省)/多様な個人がバックグラウンドに関わらず包摂され、活躍できる労働市場の構築に向けて(厚労省)

2024.03.18
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更新日:2024年3月18日 新着28記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
  • FATF声明の公表について
警察庁
  • 令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
  • 不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況
消費者庁
  • メルセデス・ベンツ日本株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
  • 第2回 第5期消費者基本計画の策定に向けた有識者懇談会
国民生活センター
  • 子どものオンラインゲーム 無断課金につながるあぶない場面に注意!!
  • なくならない洗濯用パック型液体洗剤による事故-子どもだけでなく高齢者が誤って口に入れる事故も発生-
  • 「消費生活センターにおける対応困難者への対応の現況と課題調査」調査報告<結果・概要>
  • ふたが外れてコーヒーが噴出したコーヒーメーカー(相談解決のためのテストからNo.185)
  • 【10代20代も注意!】お試しネット通販トラブル
  • 不安をあおって契約させる 給湯器の点検商法に注意
厚生労働省
  • 第68回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
  • 第9回雇用政策研究会資料
経済産業省
  • 「健康経営銘柄2024」に53社を選定しました!
  • 「はばたく中小企業・小規模事業者300社」の授賞式を開催します
  • 産業サイバーセキュリティ研究会「サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会」の最終報告書の補完文書として「攻撃技術情報の取扱い・活用手引き」及び「秘密保持契約に盛り込むべき攻撃技術情報等の取扱いに関するモデル条文」を策定しました
  • IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築に向けた検討会の最終とりまとめを公表し、制度構築方針案に対する意見公募を開始しました
  • 「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂されました
  • サイバーセキュリティお助け隊サービスの新たな類型(2類)の創設に係るサービス基準の改定版を公開しました
  • 外国為替及び外国貿易法違反者に対し警告を行いました
総務省
  • 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第2回)
  • ICTサイバーセキュリティ政策分科会(第3回)
国土交通省
  • 今年春に引越をご予定の皆様へ~予約状況のお知らせ~
  • 「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する 特別措置法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定

~NEW~
公安調査庁 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づく再発防止処分の決定について
  • 公安調査庁長官は、いわゆるオウム真理教と同一性を有する「Aleph」について、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定に基づく再発防止処分の請求を行っていたところ、本日(令和6年3月11日)、公安審査委員会から、同処分を行う旨の決定書を受け取りました。
  • 公安審査委員会におかれては、厳正かつ慎重な審査の結果、三度目となる再発防止処分を決定したものと承知しており、同決定により、「Aleph」は、3月21日から6か月間、(1)当該団体が所有し又は管理する特定の土地又は建物の全部又は一部を使用することが禁止されるとともに、(2)金品その他の財産上の利益の贈与を受けることが禁止されることとなります。
  • このうち、(1)について、現在の再発防止処分期間中、「Aleph」の構成員が新たに不動産を確保するなど、「Aleph」が一部使用禁止施設以外の場所での活動を企図する動きが認められたことも踏まえ、不動産賃貸事業等を営む不報告の収益事業の運営拠点たる事務所が所在する2施設が一部使用禁止施設として追加されるとともに、不報告施設であり「Aleph」が実質的に経営する不報告の収益事業の事業所が所在する1施設についても、一部使用禁止施設として追加されました。引き続き、処分違反行為や処分潜脱の動きの把握に努め、これに対して厳正に対処してまいります。
  • また、(2)についても、引き続き、通常の取引活動や費用徴収であるかのように仮装して金品等の贈与を受けるなどの処分違反行為の把握に努め、同様に厳正に対処してまいります。
  • 公安調査庁としましては、引き続き、警察当局と緊密に連携を図りながら、再発防止処分の実効性を確保していくとともに、観察処分を適正かつ厳格に実施し、当該団体の活動実態を把握するなどして、公共の安全を確保し、松本・地下鉄両サリン事件等の被害者・遺族や地域住民を始め国民の皆様の不安感の解消・軽減に鋭意努めてまいる所存です。

~NEW~
外務省 2023年版開発協力白書の公表
  • 3月12日、「2023年版開発協力白書 日本の国際協力」を公表しました。
  • 外務省は、毎年、一年間の我が国の開発協力の実施状況をまとめた開発協力白書を公表しています。
  • 2023年版開発協力白書は、第I部で開発協力大綱の改定とG7広島サミットについて取り上げています。また、課題別の取組、地域別の取組、効果的・戦略的な開発協力の推進について取り上げ、その中では、ウクライナ及び周辺国に対する支援や民間企業やNGOなど多様な主体との連携等について紹介しています。
  • 一般の方が撮影した写真の特集や、公募したコラムを掲載し、ODAを題材として制作したテレビドラマやドキュメンタリー動画についても紹介する等、幅広く国民の皆様に親しみを持ってもらえるよう工夫しました。
  • 日本を含む世界全体は相互につながっており、開発協力を通じて、自由で開かれた秩序の下で、平和で安定し、繁栄した国際社会の構築に一層積極的に貢献していくことは、日本の国益に直結するものです。
  • 2023年版開発協力白書は、外務省のODAホームページに全文掲載されます。また、製本版白書は追って市販される予定です。
▼ (全文)2023年版開発協力白書
  • 世界は今、歴史の転換点にあります。ロシアによるウクライナ侵略、中東情勢、気候変動や感染症を始めとするグローバルな課題といった複合的な危機に直面している一方で、「グローバル・サウス」と呼ばれる開発途上国・新興国の重要性が増しています。
  • 日本は責任ある主要国として、全ての人が平和を享受できるよう、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を踏まえつつ、「人間の尊厳」が守られる安全・安心な世界を実現するための外交を推進していかなければなりません。
  • そのためには、外交の最も重要なツールの一つであるODAの一層戦略的・効果的な実施が重要です。2023年6月に開発協力大綱を8年ぶりに改定し、開発途上国の課題解決と同時に、対話と協働を通じた開発途上国との社会的価値の「共創」により、日本の社会経済面での成長等の国益実現にも資するようなODAを推進していくことを表明しました。
  • 2024年は、日本がODAを開始してから70年の節目に当たります。国際社会の平和と繁栄、日本の国益の双方の実現に貢献すべく、ODAの実施に当たり、次の3点に重点的に取り組みます。
  • 第一に、新しい時代における「質の高い成長」の実現のための取組の推進です。新たな開発協力大綱の下、日本の強みをいかした魅力的なメニューを提案するオファー型協力や民間資金動員型ODA等を開始し、官民が連携する形で開発途上国の質の高い成長を実現し、同時に日本の課題解決や経済成長につなげます。
  • 第二に、自由で開かれた世界の持続可能な発展に向けた貢献です。「自由で開かれたインド太平洋」のための新たなプランの推進に向けたODAの取組として、法制度整備支援や平和構築、連結性強化、強靱性・持続可能性等の実現に資する取組を進めます。また、力や威圧による一方的な現状変更の試みを許さず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に取り組む決意を力強く示すべく、日・ウクライナ経済復興推進会議の成果も活用し、ウクライナおよび周辺国への幅広い支援に引き続き取り組みます。さらに、ガザ地区における人道危機を始め、脆弱な状況下に置かれている人々への迅速な支援も実施していきます。
  • 第三に、複雑化・深刻化する地球規模課題への国際的取組の主導です。人間の安全保障の理念に立脚し、人類が共通して直面する課題やSDGs達成に向け、食料・エネルギー、気候変動・環境、国際保健、難民・避難民、女性・平和・安全保障(いわゆるWPS)等の分野にしっかり取り組みます。人間中心の開発協力によって日本が培ってきた国際的な信頼は、日本の外交力の源泉となる重要な資産です。こうした信頼に基づき、多様な課題を抱える脆弱国に寄り添い、「人間の尊厳」を守る、日本らしい、きめ細かな開発協力を進めます。その際には、二国間協力と国際機関への拠出を戦略的・機動的に活用し、強力かつ迅速な取組を実施していきます。
  • これらの取組を力強く進める上では、時代の変化を踏まえ、ODAの一層の戦略的・効果的な活用に加え、その基盤の拡充と強化を図っていくことも不可欠です。同時に、ODAは公的資金を原資とした、国民の理解と協力に支えられている外交ツールであることは言うまでもありません。ODAが国民の平和と安定を確保し、国民生活の維持や日本の経済成長に寄与していることを丁寧に説明していきます。そして、ODAの開発効果を最大化させるために、民間企業、公的金融機関、国際機関、NGO、地方自治体などとの連携を一層強化していきます。日本を含む世界全体は相互につながっており、開発協力を通じて、自由で開かれた秩序の下で、平和で安定し、繁栄した国際社会の構築に一層積極的に貢献していくことは、日本の国益に直結するものです。
  • 2023年版開発協力白書は、日本の開発協力の1年間の実施状況を国民の皆様にご報告するものです。開発協力の実施には、国民の理解と支持が不可欠であり、皆様からの声に耳を傾け、一層の戦略的・効果的な実施に努めていきます。本書が一人でも多くの方々に読まれ、日本の開発協力の取組や意義に対するご理解の一助となることを願っています。
  • サプライチェーンの強靱化・多様化、経済の多角化
    • 日本は開発途上国の輸出能力や競争力を向上させるため、開発途上国が貿易を行うために重要な港湾、道路、橋などの輸送網の整備、発電所・送電網など産業関連インフラの整備といったハード面での協力に加えて、貿易管理・税関に関する行政手続の円滑化に向けて、税関職員、知的財産権の専門家の教育などの貿易関連分野における技術協力といったソフト面からも、開発途上国の貿易・投資環境や経済基盤の整備に向けた協力を行っています。
    • こうした協力を通じて、開発途上国の経済的強靭性と経済安全保障を強化していくことは、開発途上国の質の高い成長を確保しつつ、日本経済への裨益という成長の好循環を確保していく上で喫緊の課題となっています。こうした観点も踏まえ、2023年5月のG7広島サミットにおいて、日本はサプライチェーンや基幹インフラの強靱化を含む経済的強靱性と経済安全保障の強化に関する議論を主導しました。議論の結果、G7首脳は、G7枠組を通じて包括的な形で協働し、連携していくことを確認し、この課題に関する包括的かつ具体的なメッセージとして「経済的強靭性及び経済安全保障に関するG7首脳声明」を発出しました。
    • その中で、「特に途上国の強靱性の構築を支援する」との強い意志を再確認しました。加えて、G7として、クリーン・エネルギー移行に必要不可欠な重要鉱物および再生エネルギー機器製造のサプライチェーンの強靱化に関する「G7クリーン・エネルギー経済行動計画」を発表し、「世界中のパートナーとの協力および支援を深化させることを目指す」ことで一致しました。
    • サプライチェーン強靱化に資するインフラ支援の一例を挙げると、インドネシアの西ジャワ州・パティンバン港において、円借款や技術協力を活用し、日本企業の協力の下で、2018年から港湾開発およびアクセス道路整備を進めています。2021年12月には日本企業が出資する現地企業による自動車ターミナルの本格運営が開始され、2022年4月以降には港の拡張工事が進められ、有料アクセス道路の整備も開始されるなど、物流改善等に向けた官民が連携しての協力が進展しています。
    • インドネシア、カンボジア、タイ、フィリピン、ベトナム、ラオスを対象にサプライチェーン強靱化、持続的な物流システムの構築およびフードバリューチェーン強化に関する研修を実施しており、2022年度には計246人の行政官等が参加しました。
    • インドネシアにおいては、2022年から、国境付近の離島6島で、水産施設の整備に加え、離島経済活性化のため水産物の高付加価値化や島外への流通等を整備するための技術協力を実施しています。
    • 開発途上国の貿易を促進するための協力としては、日本は開発途上国産品の日本市場への輸入を促進するため、最恵国待遇関税率より低い税率を適用するという一般特恵関税制度(GSP)を導入しています。特に後発開発途上国(LDCs)解説に対して特別特恵関税制度を導入し、無税無枠措置解説をとっています。また日本は、経済連携協定(EPA)解説や投資協定を積極的に推進しています。これらの協定により、貿易・投資の自由化(関税やサービス貿易障壁の削減・撤廃等)および海外に投資を行う企業やその投資財産保護を通じたビジネス環境の整備が促進され、日本企業の開発途上国市場への進出を後押しし、ひいては開発途上国の経済成長にも資することが期待されます。
    • 日本を含む先進国による支援をさらに推進するものとして、世界貿易機関(WTO)や経済協力開発機構(OECD)を始めとする様々な国際機関等において「貿易のための援助(AfT)」解説に関する議論が活発になっています。日本は、AfTを実施する国際貿易センター(ITC)などに拠出し、開発途上国が貿易交渉を進め、国際市場に参入するための能力を強化すること、およびWTO協定を履行する能力を付けることを目指しています。2023年には、日本はITCを通じて、アフリカの女性起業家に対する電子商取引の活用に向けた支援、ナイジェリアにおけるワクチンの生産および配布の拡大に向けた技術協力、ナイジェリアを中心とする西アフリカの政府、ビジネス支援機関(貿易振興機関・商工会議所等)、零細・中小企業に対する能力構築支援、ウクライナにおける避難民の就労および起業支援などを行っています。
    • 税関への支援に関しては、ASEAN諸国を中心に、日本の税関の専門的知識や技術などの共有を通じて、税関の能力向上を目的とした支援を積極的に行っています。タイでは2021年7月から「税関人材育成能力強化プロジェクト」を実施しています。世界税関機構(WCO)への拠出を通じて、WCOが有する国際標準の導入や各国のベスト・プラクティスの普及の促進を通じた、国際貿易の円滑化および安全確保の両立等のための能力構築支援活動に貢献しています。日本の税関出身のJICA長期専門家をASEAN6か国に派遣し、ニーズに応じた支援を実施するとともに、アフリカではJICA/WCO合同プロジェクトとして、各国税関で指導的役割を担う教官を育成するプログラム(マスタートレーナープログラム)を実施しています。このプログラムは、2021年からは太平洋島嶼国にも拡大して実施しています。
    • 開発途上国の小規模生産グループや小規模企業に対して、「一村一品キャンペーン」解説への支援も行っています。開発途上国へ民間からの投資を呼び込むため、開発途上国特有の課題を調査し、投資を促進するための対策を現地政府に提案・助言するなど、民間投資を促進するための支援も進めています。
  • 治安維持能力強化
    • 日本の警察は、その国際協力の実績と経験も踏まえ、治安維持の要となる開発途上国の警察機関に対し知識・技術の移転を行いながら、制度作り、行政能力向上、人材育成などを支援しています。
    • その一例として、2023年、警察庁は、インドネシアへ2001年から継続して専門家派遣、研修、技術協力プロジェクトを実施したほか、アジアやアフリカ、大洋州などの各国から研修員を受け入れ、日本の警察の在り方を伝えています。
  • テロ対策
    • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりテロを取り巻く環境も大きく変化しました。新型コロナ対策のための行動制限は、都市部でのテロを減少させましたが、人々の情報通信技術(ICT)への依存が高まり、インターネットやSNSを使った過激派組織による過激思想の拡散が容易になりました。もともと国家の統治能力が脆弱だった一部の地域では、新型コロナの感染拡大によってガバナンスが一層低下したことにより、テロ組織の活動範囲が拡大しています。新型コロナ対策のための行動制限の緩和に伴い、テロ攻撃が多発する可能性を指摘する声もあります。
    • 2023年、日本は、テロを取り巻く環境の変化に迅速に対応するため、パートナー国とのテロ対策協議の実施や、G7議長国としてG7ローマ・リヨン・グループ会合の国内開催等を通じて、各国との連携強化や情報交換を進めてきました。
  • 違法薬物対策
    • 日本は、国連の麻薬委員会などの国際会議に積極的に参加するとともに、2023年は国連薬物・犯罪事務所(UNODC)への拠出を通じて、東南アジア等の国々の関係機関との連携を図り、新規化合物を含む違法薬物の流通状況の監視や国境での取締能力の強化を行うほか、薬物製造原料となるけしの違法栽培状況の調査等を継続的に実施し、グローバルに取り組むべき課題として違法薬物対策に積極的に取り組んでいます。
    • また、警察庁では、アジア太平洋地域を中心とする関係諸国を招き、薬物情勢、捜査手法および国際協力に関する情報共有や協力体制の強化を図っています。
  • 人身取引対策
    • 日本は、人身取引に関する包括的な国際約束である人身取引議定書や、「人身取引対策行動計画2022」に基づき、人身取引の根絶のため、様々な取組を行っています。
    • 日本は国際移住機関(IOM)への拠出を通じて、日本で保護された外国人人身取引被害者に対して母国への安全な帰国支援や、被害者に対する精神保健・医療的支援、職業訓練などの自立・社会復帰支援を実施しています。日本は、二国間での技術協力、UNODCなどの国連機関のプロジェクトへの拠出を通じて、東南アジア等の人身取引対策・法執行能力強化に向けた取組に貢献しているほか、ロシアの侵略を受けて難民・避難民が多数発生しているウクライナおよびモルドバへの支援として国境管理強化と人身取引対策に協力しています。また、人の密輸・人身取引および国境を越える犯罪に関するアジア太平洋地域の枠組みである「バリ・プロセス」への拠出・参加などを行っています。
  • 国際的な資金洗浄(マネー・ローンダリング)やテロ資金供与対策
    • 国際組織犯罪による犯罪収益は、さらなる組織犯罪やテロ活動の資金として流用されるリスクが高く、こうした不正資金の流れを絶つことも国際社会の重要な課題です。そのため、日本としても、金融活動作業部会(FATF)などの政府間枠組みを通じて、国際的な資金洗浄(マネー・ローンダリング)やテロ資金供与の対策に係る議論に積極的に参加しています。世界的に有効な資金洗浄やテロ資金供与対策を講じるためには、FATFが定める同分野の国際基準を各国が適切に履行することにより、対策の抜け穴を生じさせない、といった取組が必要です。そのため、資金洗浄やテロ資金供与対策のキャパシティやリソースの不足等を抱える国・地域を支援することは、国際的な資金洗浄やテロ資金供与対策の向上に資することから、日本は、非FATF加盟国のFATF基準の履行確保を担うFATF型地域体の支援等を行っており、特にアジア太平洋地域のFATF型地域体(APG:Asia /Pacific Group on Money Laundering)が行う技術支援等の活動を支援しています。
  • 新型コロナウイルス感染症対策支援
    • 日本は、新型コロナの発生直後からこれまでに、二国間および国際機関経由で、総額約50億ドル規模の開発途上国支援を実施しました。開発途上国の経済・社会活動を下支えするため、また、保健・医療分野を含む財政ニーズに対処するため、新型コロナ危機対応緊急支援円借款の制度を創設し、2020年7月から2023年9月末までに23か国に対し、総額6,848億円の円借款を供与しました。
    • 新型コロナ収束のためには安全性、有効性、品質が保証されたワクチンや治療・診断への公平なアクセスの確保が重要との考えの下、日本はCOVAXファシリティ(COVID-19 Vaccine Global Access Facility)解説などの国際的な枠組みと協調しつつ、各国・地域に対するワクチン関連支援を実施してきました。また、ワクチンを接種現場まで届けるための「ラスト・ワン・マイル支援」では、コールド・チェーン体制の整備や医療関係者の接種能力強化などを行いました。
  • 三大感染症(HIV/エイズ、結核、マラリア)
    • SDGsの目標3.3として、2030年までの三大感染症の収束が掲げられています。日本は、グローバルファンドを通じた三大感染症対策および保健システム強化への支援に力を入れており、設立から2023年2月までに約43億ドルを拠出しました。さらに、2022年8月のTICAD 8および9月のグローバルファンド第7次増資会合において、岸田総理大臣は、今後3年間で最大10.8億ドルの拠出を行うことを表明しました。日本は、三大感染症への対策がより効果的に実施されるよう、グローバルファンドを通じた取組との相互補完的な支援として、保健システムの強化、コミュニティ能力強化や母子保健改善などの二国間協力も実施しています。
    • 二国間協力を通じたHIV/エイズ対策として、日本は、新規感染予防のための知識を広め、検査・カウンセリングを普及する取組を行っています。特にアフリカを中心に、2023年もJICA海外協力隊員が、より多くの人に予防についての知識や理解を広める活動や、感染者や患者のケアとサポートなどに精力的に取り組んでいます。
    • 結核に関しては、2021年改定版「ストップ結核ジャパンアクションプラン」に基づき、日本が結核対策で培った経験や技術をいかし、官民が連携して、2025年までの中間目標として結核による死亡を75%減少(2015年比較)させ、結核罹患率を50%減少(2015年比較、10万人当たり55症例未満)させることを目標に、開発途上国、特にアジアおよびアフリカにおける年間結核死者数の削減に取り組んでいます。
    • このほか、乳幼児が死亡する主な原因の一つであるマラリアについて、ミャンマーやソロモン諸島において、日本は、地域コミュニティの強化を通じたマラリア対策への取組を支援しています。またグローバルファンドへの拠出を通じ、世界的なマラリア対策も行っています。

~NEW~
首相官邸 「東日本大震災追悼復興祈念式」における内閣総理大臣追悼の辞
  • 東日本大震災の発生から、13年の歳月が流れました。
  • ここ福島県においても、かけがえのない多くの命が失われ、いまだ行方不明の方々もいらっしゃいます。巨大地震と大津波、そして、東京電力福島第一原子力発電所の事故は、多くの県民の皆様から、日々の暮らしを奪いました。
  • 最愛の御家族や御親族、御友人を失われた方々のお気持ちを思うと、今なお哀惜の念に堪えません。ここに改めて、衷心より哀悼の誠を捧(ささ)げます。
  • また、原発事故の影響により、いまだ多くの方々が、避難生活を余儀なくされています。ふるさとに帰還することのできない方々を始め、被災された全ての皆様に、改めて心からお見舞いを申し上げます。
  • 震災から13年がたち、地震・津波被災地域の復興は着実に進展しています。
  • 福島の原子力災害被災地域においても、避難指示が解除された地域で生活環境の整備や産業・生業(なりわい)の再生に向けた取組が進められています。帰還困難区域においても、昨年11月までに全ての特定復興再生拠点区域の避難指示が解除されました。また、今年度創設された「特定帰還居住区域」制度に基づき、本年2月までに、大熊町、双葉町、浪江町及び富岡町の「特定帰還居住区域復興再生計画」が認定されるなど、復興に向けた取組が着実に進んでいます。
  • それが、地元の皆様や、福島県及び各市町村を始めとする関係機関の皆様の、絶え間ない御努力・御尽力のたまものであることは、言うまでもありません。
  • 原子力災害からの復興に向けては、中長期的な対応が必要です。引き続き、国が前面に立って、復興の前提となる東京電力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉とともに、帰還に向けた生活環境の整備や産業・生業の再生支援に取り組んでまいります。昨年4月には、「創造的復興の中核拠点」を目指す福島国際研究教育機構(F-REI:エフレイ)が設立され、着実にその歩みを進めています。引き続き、福島の本格的な復興・再生、東北の復興に、全力を尽くしてまいります。
  • 我が国は、幾度となく、国難と言えるような災害に見舞われてきましたが、その度に、力を合わせて乗り越えてきました。今年1月に発生した能登半島地震では、ここ福島の方々からも、東日本大震災の経験・知見を踏まえた、温かく、心強い支援を頂いています。
  • 政府においても、震災の大きな犠牲の上に得られた教訓を風化させることなく、能登半島地震を始めとする自然災害への対応に活(い)かし、災害に強い国づくりを進めていくことを、改めて、ここに固くお誓いいたします。
  • 御霊の永遠に安らかならんことを改めてお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆様の御平安を心から祈念し、私の追悼の言葉といたします。

~NEW~
金融庁 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
▼ 主要行等
  • ロシア産原油等に係るプライス・キャップ制度のコンプライアンス強化について
    • ロシアによるウクライナ侵攻を受け、G7及びオーストラリアは、ロシアのエネルギー収入を減少させつつ、世界的なエネルギー市場の安定を確保するため、2022年12月以降、ロシア産原油及び石油製品(以下「原油等」という。)に係る当面の上限価格(プライス・キャップ)に合意。
    • この合意に沿って、我が国においても、外国為替及び外国貿易法に基づき、当該上限価格を超える価格で取引されるロシア産原油等については、海上輸送に関連するサービス(海上保険、貿易金融、海運、通関)の提供を禁止する措置を実施してきたところ。
    • 今般、上記措置(上限価格制度)のコンプライアンス強化のため、取引の契約期間等に合わせて入手していた原油等に係る宣誓書を、航海毎に入手すること、当局の求めに応じて原油等の取引に関連する付随費用の内訳を入手・提供することを求めることで合意した。
    • 当該合意を踏まえ、我が国においても、必要となる告示等の見直しを行うところ、2024年2月20日より適用となるため、各行においては、適切に対応いただきたい。
    • プライス・キャップ制度の運用上の留意点を整理した「ロシア産原油等に係る上限価格措置(プライス・キャップ制度)のQ&A」についても、今般の措置を踏まえ改定されているので、あわせて参照いただくとともに、不明な点は金融庁に照会いただきたい。
  • 顧客本位の業務運営について(外貨建一時払保険の販売・管理態勢等)
    • 2023事務年度、リテールビジネスへの経営陣の関与状況等とともに、個別のリスク性金融商品におけるプロダクトガバナンス態勢や販売・管理態勢等についてモニタリングを実施している。
    • 今般は、モニタリングを踏まえ、販売額の大きい外貨建一時払保険を念頭に、販売会社(銀行等)や組成会社(保険会社)における金融商品の販売・管理等態勢の改善に向け、取り組むべき事項を紹介したい。
    • 各社において真摯に検討いただくとともに、販売会社(銀行等)・組成会社(保険会社)で連携し、業界としての対応についても検討いただきたい。
    • 外貨建一時払保険は、保険商品であると同時に、資産運用商品でもあることから、他のリスク性金融商品と同様に、適切な販売・管理等態勢の構築が重要である。具体的には、
      • 組成会社(保険会社)において、商品組成段階で想定顧客層を明確に設定し、販売会社(銀行等)は、その想定顧客層に、顧客ニーズ等を踏まえて適切に販売することが求められる。
      • 組成会社(保険会社)・販売会社(銀行等)は、リスク・リターン・コストを十分に検証・把握した上で、他の金融商品との比較も含めた分かりやすい説明を顧客に対して行う必要がある。
      • その上で、組成会社(保険会社)は、募集人管理の観点から、販売会社における販売状況を適切に検証・管理することが求められており、販売会社(銀行等)においても、組成会社(保険会社)の管理・指導に基づき、適切に対応いただきたい。
    • 当該保険は、基本的には、長期運用を想定して組成されている商品であるが、金融庁における分析では、契約継続期間に関して4年で6割以上が解約・運用終了している等、商品組成時の想定と販売結果に齟齬がある。
    • 組成会社(保険会社)・販売会社(銀行等)間で協力しつつ、顧客の意向に基づき、ターゲット機能の適切な活用を含め、長期的な視点にも配慮した丁寧かつ適切なフォローアップを行うことが重要である。
    • 併せて、組成会社(保険会社)・販売会社(銀行等)は、顧客の最善の利益を追求する観点から、フォローアップも含めた適切な販売管理等が促されるよう販売手数料体系や業績評価体系を策定・整備するなど、適切な動機付けの検討も重要と考えている。
    • 金融庁としては、今後、更に実態把握を進めた上で、FDモニタリングレポート(公表時期:6月末~7月目途)(注)において、その他の課題も含めて、お示ししたい。 (注) モニタリングの中間報告の内容については、3月中を目途に公表予定。
  • サイバーセキュリティ演習(Delta Wall Ⅷ)の結果還元について
    • 2023年10月に実施した「金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習(Delta Wall Ⅷ)」の結果について、先般、参加金融機関に還元したところ。
    • まず、演習結果が不芳となった金融機関の経営陣においては、問題点が何かをよく確認いただき、コンティンジェンシープランの見直しをはじめとして、優先順位をつけて改善を進めていただきたい。加えて、改善の進捗を経営陣が確認し、遅延等があれば原因を特定し、問題を是正いただきたい。さらに、人員・予算不足が問題の背景にある場合はその是正を計画的に進めていただきたい。
    • また、今回の演習結果が良好であった金融機関においても、今回は一つのシナリオの下での演習に過ぎないので、最新の脅威動向を考慮して様々なシナリオを想定し、インシデント対応態勢の整備、検証を進めていただきたい。
    • さらに、演習へ非参加の金融機関に対しても、今後、協会を通じて、演習を通じて認められた業態に共通する課題や良好事例を還元する予定である。
    • 非参加金融機関においても、金融庁からの還元内容を参考にして、サイバーセキュリティの強化に取り組んでいただきたい。
  • 暗号資産交換業者あての不正送金対策の強化について
    • 近年、インターネットバンキングに係る不正送金事犯をはじめ、還付金詐欺や架空料金請求詐欺等をはじめとする特殊詐欺の被害金が、暗号資産交換業者の金融機関口座に送金される事例が多発している。
    • こうした状況を踏まえ、2024年2月6日に警察庁と連名で、全国銀行協会を含めた各業界団体等に対し、暗号資産交換業者あての不正送金対策の強化を要請した。各行においては、既に対策を実施している金融機関の事例も参考にしつつ、送金利用状況などリスクに応じ、利用者保護等のための更なる対策の強化に取り組んでいただきたい。
  • マネロン対策における法人向けの広報の強化
    • マネロン対策の基礎となる継続的顧客管理について、各金融機関において、ダイレクトメールの郵送等により顧客情報の取得・更新に取り組んでいるところと承知。
    • 金融庁はこれまで、金融機関の利用者に対してこうした取組への理解及び協力を求めるため、各種広報を実施してきたところであるが、特に中小零細事業者や個人事業主など、金融機関の顧客となる法人側の理解や協力が未だ十分ではないことから、苦情や協力拒否につながっており、金融機関の現場で負担になっているとの声も寄せられている。
    • このため、金融庁は警察庁と連携し、法人向けのチラシ・ポスターを作成し、関係各省庁の協力の下、日本商工会議所をはじめとした様々な業界団体を通じて配布を行い、中小零細企業や個人事業主に対するマネロン広報を2024年1月より展開している。
    • 法人向けチラシ・ポスターは金融庁ウェブサイトにも掲載し誰でも活用できるようにしており、各金融機関においても、このチラシ・ポスターを活用し、取引先企業にぜひとも周知していただきたい。
    • 一般の方に対して今後どのような広報活動を行っていくかについては、各協会とも連携しつつ検討をしているところ。官民一体となって戦略的かつ強力なマネロン広報を実施したいと考えており、引き続き協力をお願いしたい。
▼ 全国地方銀行協会/第二地方銀行協会
  • マネロン等対策に係る態勢整備の完了に向けて
    • 2023年3月末の「マネロンガイドラインに基づく態勢整備」の対応期限が目前に迫る中、対応未了項目がある各行においては、経営陣がリーダーシップを発揮いただき、3月末に向けての作業進捗管理を徹底し、対応の遅れが人員不足を原因としているなど、追加対応が必要な場合には、速やかに経営資源を割り当て、早急に対応を講じていただきたい。
    • 金融庁としても引き続き協会と連携し、各行の取組を最大限サポートしていく。各行においては、期限までに確実に態勢整備を完了するよう、引き続き取組を進めていただきたい。
    • 加えて、傘下に子会社・関連会社の銀行を有する持株会社・親会社にあっては、グループ全体として期限までに対応が完了するよう目配りいただきたい。
▼ 日本損害保険協会
  • 令和6年能登半島地震にかかる災害等に対する金融上の措置について
    • 冒頭、1月1日夕刻に発生した令和6年能登半島地震においてお亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げる。
    • 今回の地震に伴う災害等に対し、石川県、富山県、福井県及び新潟県に災害救助法が適用されたことを受け、適用地域を管轄する北陸財務局及び関東財務局より日本銀行との連名で「金融上の措置要請」を関係金融機関等に発出させていただいた。
    • 各社及び協会におかれては、対策本部の設置や、損害調査に係る体制構築や確立のための関係者への支援要請、保険金に関する災害便乗商法等への注意喚起の周知、など、迅速かつ適切な保険金の支払いに向け、被災者への丁寧な情報提供と合わせた取組を行っていただいているところと承知している。
    • 引き続き、被災者の声やニーズを十分に把握の上、きめ細かな対応を改めてお願いしたい。
  • 損害保険業界における不適切事案を踏まえた対応について
    • 保険料等の調整行為及び自動車保険における保険金不正請求に関し、2023年末より複数社に対して、業務改善命令の発出を行った。
    • これほど短期間に複数の業務改善命令を発出する事態となったことは極めて遺憾であり、こうした事態を二度と起こさぬよう、一連の業務改善命令を重く受け止め、抜本的な改善対応をとっていただきたい。
    • 金融庁としても、業務改善計画の進捗をしっかりと確認し、企業文化や経営のあり方にまで踏み込んで必要な改善が進んでいるか等について、丁寧にフォローするとともに、協会を中心に進められている業界としての取組とも連携しながら、制度や監督のあり方について、しっかりと必要な対応を検証していく。
  • ビジネスモデル対話について
    • ビジネスモデル対話については、国土強靭化をテーマに、2023年11月から12月にかけて火災保険の販売量が多い大手・中堅の損害保険会社と対話を実施し、主に、自然災害リスクに関する保険引受、損害サービスおよび防災・減災・早期復旧サービスの現状と課題について深度ある対話を行った。
    • 各社における好取組事例等、対話の結果については次期保険モニタリングレポート等でフィードバックを行う予定である。
    • 地震や風水災等の自然災害が頻発・激甚化する中で、災害保険の普及や防災・減災・早期復旧サービスの提供について、損害保険業界への社会的な期待が高まっている。これらの取組は火災保険の収益改善に加え、持続可能なビジネスモデルの確立にも繋がるものであり、各損害保険会社においては、自社の規模・特性・体力等に応じた不断の工夫を重ねていただきたい。
    • また、災害保険の普及に当たっては、統合的リスク管理(ERM)の視点に基づき資本・リスク・リターンのバランスを取った再保険手配や異常危険準備金の積立が必要であり、2023事務年度も4月以降にこれらのモニタリングを行う予定であるところ、引き続きのご協力をお願いしたい。

~NEW~
金融庁 FATF声明の公表について
▼ 行動要請対象の高リスク国・地域(仮訳)
  • 高リスク国・地域は、資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融の対策体制に重大な戦略上の欠陥を有する。高リスクと特定された全ての国・地域に関して、FATFは、厳格な顧客管理を適用することを加盟国・地域に要請し、かつ全ての国・地域に強く求める。そして、極めて深刻な場合には、各国・地域は、高リスク国・地域から生じる資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融のリスクから国際金融システムを保護するため、対抗措置の適用を要請される。このリストは対外的に、しばしばブラックリストと呼ばれる。すでにFATFの対抗措置の要請に服していることに鑑み、新型コロナウイルスのパンデミックに照らして、2020年2月以降、FATFはイラン及び北朝鮮に対するレビュープロセスを一時休止している。イランは自身のアクションプランの状態に重要な変更が無いことを2024年1月に報告した。高まる拡散金融リスクを考慮し、FATFは、これらの高リスク国・地域に対する対抗措置の適用を改めて要請する。
  • 対抗措置の適用が要請される国・地域
    • 北朝鮮(DPRK)
      • FATFは、DPRKが資金洗浄・テロ資金供与対策の体制における重大な欠陥に対処していないこと、及びそれによってもたらされる国際金融システムの健全性への深刻な脅威について、引き続き憂慮している。FATFは、DPRKが資金洗浄・テロ資金供与対策の欠陥に対して直ちにかつ意義ある対応を講じることを強く求める。さらに、FATFは大量破壊兵器の拡散や拡散金融に関連したDPRKの違法な行為によってもたらされた脅威について深刻に憂慮している。
      • FATFは、2011年2月25日の加盟国への要請を再確認するとともに、全ての国・地域が、DPRK系企業・金融機関及びそれらの代理人を含めたDPRKとの業務関係及び取引に対し、特別な注意を払うよう、自国の金融機関に助言することを強く求める。FATFは、強化された監視に加え、DPRKより生じる資金洗浄・テロ資金供与・大量破壊兵器の拡散金融リスクから金融セクターを保護するために、効果的な対抗措置を適用すること、及び適用される国連安保理決議に基づく、対象を特定した金融制裁を加盟国に要請し、かつ全ての国・地域に強く求める。各国・地域は、関連する国連安保理決議が要請するとおり、領域内のDPRK系銀行の支店、子会社、駐在員事務所を閉鎖、及びDPRK系銀行とのコルレス関係を終了するための必要な措置をとるべきである。
    • イラン
      • 2016年6月、イランは戦略上の欠陥に対処することにコミットした。イランのアクションプランは2018年1月に履行期限が到来した。2020年2月、FATFは、イランがアクションプランを完了していないことに留意した。
      • 2019年10月、FATFは、イランに本拠を置く金融機関の支店・子会社に対する強化した金融監督の実施、金融機関によるイラン関連の取引に係る強化した報告体制又は体系的な報告の導入、イランに所在する全ての支店・子会社に対して金融グループが強化した外部監査を行うことを・求めることを加盟国に要請し、かつ、全ての国・地域に強く求めた。
      • そして今、イランがFATF基準に従った内容でパレルモ条約及びテロ資金供与防止条約を締結するための担保法を成立させていないことに鑑み、FATFは勧告19に則し、対抗措置の一時停止を完全に解除し、効果的な対抗措置を適用するよう加盟国に要請し、かつ、全ての国・地域に強く求める。
      • イランは、アクションプランの全てを完了するまで、FATF声明における行動要請対象の高リスク国・地域にとどまる。イランがFATF基準に従った内容でパレルモ条約及びテロ資金供与防止条約を批准すれば、FATFは、対抗措置を一時停止するかどうかを含め、次のステップを決定する。同国がアクションプランにおいて特定されたテロ資金供与対策に関する欠陥に対処するために必要な措置を履行するまで、FATFは同国から生じるテロ資金供与リスク、及びそれが国際金融システムにもたらす脅威について憂慮する。
      • 2016年6月、FATFは、イランによる資金洗浄・テロ資金供与対策の戦略上の欠陥に対処するための高いレベルの政治的コミットメント、及びイランのアクションプランの履行に向けた技術的支援の要請の決定を歓迎した。2016年以降、イランは現金申告制度を制定し、テロ資金供与対策法の改正法及び資金洗浄対策法の改正法を制定し、資金洗浄対策法施行規則を採択した。
      • 2020年2月、FATFは、未だ完了していないアクションプラン項目が存在し、イランは、(1)「他国による占領を終焉させ、植民地主義、及び人種差別主義の根絶を図る」指定団体への適用除外の削除を含む、テロ資金供与の適切な犯罪化、(2)関連する国連安保理決議に沿ったテロリストの資産の特定及び凍結、(3)適切かつ強制力のある顧客管理制度の確保、(4)当局が無許可の資金移動業者を如何に特定し、制裁を課しているかについて証明すること、(5)パレルモ条約とテロ資金供与防止条約の批准と履行、及び司法共助の提供能力の明確化、(6)電信送金が送金人及び受取人の完全な情報を含んでいることを金融機関が証明することの確保、に完全に対処するべきであることに留意する。
      • 各国は、FATFによって求められた場合には、適切な対抗措置を講じることが可能であるべきである。また、各国は、FATFからの要請とは別に、対抗措置を講ずることができるべきである。かかる対抗措置は、リスクに対して効果的かつ整合的であるべきである。
      • 勧告19に関する解釈ノートには、各国が実施しうる対抗措置の例を記載している。
  • 対象となる国・地域から生じるリスクに見合った厳格な顧客管理措置の適用が要請される国・地域
    • ミャンマー
      • 2020年2月、ミャンマーは戦略上の欠陥に対処することにコミットした。ミャンマーのアクションプランは2021年9月に履行期限が到来した。
      • 2022年10月、アクションプランの履行期限を1年過ぎても進展がなく、アクションプランの大半の項目が対応されていないことを踏まえると、FATFは、手続きに沿ってさらなる行動が必要となり、加盟国・地域及び他の国・地域に対し、ミャンマーから生じるリスクに見合った厳格な顧客管理の適用を要請することを決定した。厳格な顧客管理措置を適用する際は、各国は、人道支援、合法的なNPO活動及び送金のための資金の流れが阻害されないようにする必要がある。
      • 2023年10月以来、ミャンマーは、リスクに応じて特定の指定非金融業者及び職業専門家の検査の優先順位を付けるための措置を講じたが、全体の進捗は引き続き遅れている。ミャンマーは、不備に対応するため下記を含めたアクションプランを実施する取組を続けるべきである。
        • 重要な分野における資金洗浄リスクについて理解を向上したことを示すこと
        • 「フンディ」を営む者が登録制であり監督下にあることを示すこと
        • 法執行機関による捜査において金融インテリジェンス情報の活用を強化したことを示すこと、及び資金情報機関(FIU)による対策の執行のための分析及び分析情報の配信を増やすこと
        • 資金洗浄が同国のリスクに沿って捜査・訴追されることを確保すること
        • 国境を越えて行われた資金洗浄の事案の捜査を国際協力の活用で行っていることを示すこと
        • 犯罪収益、犯罪行為に使用された物、及び/又はそれらと同等の価値の財産の凍結・差押え、及び没収の増加を示すこと
        • 没収されるまでの間、差し押さえた物の価値を保つために、差し押さえた資産を管理すること
        • 拡散金融に関連する、対象を特定した金融制裁の効果的な実施を確保するため、勧告7に関する技術的遵守状況の欠陥に対処すること
    • FATFは、ミャンマーに対し、資金移動業者(MVTS)のモニタリング及び監督が、正当な資金の流れに対する過度な審査を低減するために、文書化され、且つ資金洗浄・テロ資金供与リスクの健全な理解に基づいていることを示すことを含め、資金洗浄・テロ資金供与の欠陥に完全に対応するよう取り組むことを強く求める。
    • 同国がアクションプランを完全に履行するまでは、行動要請対象国のリストに引き続き掲載される。

~NEW~
警察庁 令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
  • 令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威については、ランサムウェア被害が依然として高水準で推移するとともに、クレジットカード不正利用被害が急増し、インターネットバンキングに係る不正送金被害が過去最多となり、インターネット上では児童ポルノや規制薬物の広告等の違法情報のほか、自殺サイトやいわゆる「闇バイト」の募集等の有害情報が氾濫するなど、極めて深刻な情勢が続いている。
  • 行政機関、学術研究機関、民間企業等に対する不正アクセスが確認されたほか、特定の事業者等に対する標的型メール攻撃が確認された。
  • 重要インフラ等の機能に障害を発生させ、社会経済活動に影響を及ぼすサイバー攻撃が発生した。
  • DDoS攻撃による被害とみられるウェブサイトの閲覧障害が複数発生し、一部の事案については、障害発生と同じ頃、SNS上でハクティビストや親ロシア派ハッカー集団からの犯行をほのめかす投稿が確認された。
  • 令和5年におけるフィッシングの報告件数は、フィッシング対策協議会によれば119万6,390件(前年比で23.5%増加)と過去最多であり、クレジットカード事業者等を装ったものが多くを占めた。
  • 一般社団法人日本クレジット協会によれば、令和5年1月から9月までのクレジットカード不正利用被害額は401.9億円(前年同期比で30.1%増加)であり、統計を取り始めた平成9年以降、最悪となった。
  • 令和5年におけるインターネットバンキングに係る不正送金事犯による被害は、発生件数が5,578件(前年比で391.0%増加)であり、過去最多となり、被害総額も約87.3億円(前年比で474.6%増加)であり、過去最多となった。
  • 令和5年におけるランサムウェアによる被害件数は197件(前年比で14.3%減少)であり、引き続き高い水準で推移している。手口としては、データの暗号化のみならず、データを窃取した上、企業・団体等に対し「対価を支払わなければ当該データを公開する」などと対価を要求する二重恐喝(ダブルエクストーション)が多くを占める。
  • 警察庁が検知したサイバー空間におけるぜい弱性探索行為等とみられるアクセス件数は、1日・1IPアドレス当たり9,144.6件(前年比で18.6%増加)と、平成23年以降、増加の一途をたどっており、海外を送信元とするアクセスが大部分を占めている。
  • インターネット上において、違法情報や、爆発物・銃砲等の製造方法等の情報が容易に入手できる状況にある。また、犯罪実行者募集情報が氾濫
  • しており、これらに応募した者等により実際に犯罪が敢行され、中には凶悪事件に発展する事例も出ているところである。
  • IHCの運用ガイドラインに基づき、令和5年2月15日から12月31日までの間、重要犯罪密接関連情報と判断し分析した情報は4,876件であり、3,379件(削除依頼を行う前に削除されたものを除く。)についてサイト管理者等に削除依頼を行った結果、2,411件(71.4%)が削除に至った。このうち、令和5年9月29日から12月31日までの間、犯罪実行者募集情報と判断し分析した情報は4,411件であり、2,979件(削除依頼を行う前に削除されたものを除く。)についてサイト管理者等に削除依頼を行った結果、2,136件(71.7%)が削除に至った。
  • 令和5年中におけるサイバー事案の検挙件数は、3,003件であった。
  • 令和5年中における不正アクセス禁止法違反の検挙件数は、521件(前年比で0.2%減少)であり、そのうち475件が識別符号窃用型で全体の91.2%を占める。
  • 令和5年、警察で把握した標的型メール攻撃の事例では、様々な手口が確認された。具体的には、メールの添付ファイルからフィッシングサイトへ誘導しようとするものや、実在する人物になりすましてメールを送り、複数回メールのやり取りを行い相手を信用させた後、相手の興味・関心を惹くファイル名を付けた不正プログラム(マルウェア)のファイルを送り、実行させるものなどが確認されている。
    • メール本文のリンクからファイルをダウンロードさせ、同ファイルを開くことで不正プログラムに感染させる標的型メールが部品加工メーカーに送信された。
    • 実在の組織になりすましてメールを送信し、添付ファイルを開くことで、実在するウェブサイトのログイン画面を装いID・パスワードの入力を求めるフィッシングサイトに誘導する標的型メールが確認された。
    • 知人になりすまして「論考を作成したので興味があれば送る」旨のメールを送りつけ、何度かやり取りした後、不正プログラムが仕掛けられた添付ファイルを送信する標的型メールが確認された。
  • フィッシングとは、実在する企業・団体等や官公庁を装うなどしたメール又はショートメッセージサービス(以下「SMS」という。)を送り、その企業等のウェブサイトに見せかけて作成した偽のウェブサイト(フィッシングサイト)を受信者が閲覧するよう誘導し、当該フィッシングサイトでアカウント情報やクレジットカード番号等を不正に入手する手口であり、インターネットバンキングに係る不正送金やクレジットカードの不正利用に使われている。
  • 令和5年におけるフィッシング報告件数は、フィッシング対策協議会によれば、119万6,390件(前年比で22万7,558件増加)であり、過去最多となった。また、フィッシングで多くを占めたのは、クレジットカード事業者、EC事業者をかたるものであった。
  • 令和5年におけるインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生件数は5,578件、被害総額は約87億3,130万円であり、それぞれ過去最多となっている。
  • さらに、インターネットバンキングに係る不正送金事犯において用いられたフィッシングの手口の内訳を見ると、電子メールによる誘導が53%、SMSによる誘導が21%である。
  • また、不正送金額の半額以上が暗号資産交換業者の金融機関口座に不正送金されている状況にある。
  • キャッシュレス決済等の普及に伴い、クレジットカード決済市場の規模が増加する一方、クレジットカード不正利用被害も多く発生している。一般社団法人日本クレジット協会(以下「日本クレジット協会」という。)で実施している国内発行クレジットカードの不正利用被害の実態調査によると、クレジットカード不正利用被害額は平成25年以降増加傾向にあり、令和5年1月から9月までの被害額は401.9億円で、統計を取り始めた平成9年以降、最悪となった。前年同期比(令和4年第3四半期(令和4年1月~同年9月))では30.1%増加しており、厳しい情勢にある。
  • 昨今フィッシングによるものとみられるインターネットバンキングによる不正送金事犯や特殊詐欺事犯において、暗号資産交換業者の金融機関口座が送金先となる被害が多発している状況を踏まえ、金融庁と連携し、一般社団法人全国銀行協会等に対して、暗号資産交換業者の金融機関口座に対して送金元口座名義人名と異なる依頼人名で行われる送金の拒否、暗号資産交換業者への不正な送金への監視強化等の、会員等における対策強化を要請するよう調整を進めた。(令和6年2月実施)
  • 令和5年上半期に、フィッシングによるとみられるインターネットバンキングに係る不正送金被害が急増したことなどを受け、令和5年7月、金融機関に対し、具体的な被害事例を基にしたフィッシング対策を講じるよう要請した。
  • また、令和5年8月、金融庁、一般社団法人全国銀行協会及び一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)と連携し、国民に対し、メールやSMSに記載されたリンクからアクセスしたサイトにID及びワンタイムパスワード・乱数表等のパスワードを入力しないよう注意喚起を行うほか、「サイバー警察局便り」を警察庁ウェブサイト及び警察庁SNSアカウントに掲載し、フィッシングの被害防止に関する広報啓発を実施した。
  • SIMスワップによる不正送金事案が増加していた状況を踏まえ、令和4年9月、総務省と連携し、携帯電話事業者に対して、携帯電話機販売店における本人確認の強化を要請し、令和5年2月までに、大手携帯電話事業者において同要請への対応を完了した。その結果、令和5年5月以降、SIMスワップによる不正送金の被害は確認されていない。
  • ランサムウェアとは、感染すると端末等に保存されているデータを暗号化して使用できない状態にした上で、そのデータを復号する対価(金銭又は暗号資産)を要求する不正プログラムである。手口としては、データの暗号化のみならず、データを窃取した上、企業・団体等に対し「対価を支払わなければ当該データを公開する」などと対価を要求する二重恐喝(ダブルエクストーション)が多くを占める。感染経路は、令和4年に引き続き、ぜい弱性を有するVPN機器等や強度の弱い認証情報等が設定されたリモートデスクトップサービスが多くを占めた。
  • 企業・団体等におけるランサムウェア被害として、令和5年に都道府県警察から警察庁に報告のあった件数は197件であり、令和4年上半期以降、高い水準で推移している。
  • ランサムウェアによる被害のほか、最近の事例では、企業・団体等のネットワークに侵入し、データを暗号化する(ランサムウェアを用いる)ことなくデータを窃取した上で、企業・団体等に対価を要求する手口(「ノーウェアランサム」)による被害が、新たに30件確認された。なお、「ノーウェアランサム」による被害件数は、令和5年におけるランサムウェア被害の報告件数(197件)には含まれない。
  • ランサムウェアによる被害(197件)のうち、手口を確認できたものは175件あり、このうち、二重恐喝の手口によるものは130件で74%を占めた。
  • ランサムウェアによる被害(197件)のうち、直接的な対価の要求を確認できたものは31件あり、このうち、暗号資産による支払の要求があったものは27件で87%を占めた。
  • ランサムウェアによる被害(197件)の内訳を企業・団体等の規模別に見ると、大企業は71件、中小企業は102件であり、その規模を問わず、被害が発生した。また、業種別に見ると、製造業は67件、卸売・小売業は33件、サービス業は27件であり、その業種を問わず、被害が発生した。
  • ランサムウェアの感染経路について質問したところ、115件の有効な回答があり、このうち、VPN機器からの侵入が73件で63%、リモートデスクトップからの侵入が21件で18%を占め、テレワーク等に利用される機器等のぜい弱性や強度の弱い認証情報等を利用して侵入したと考えられるものが約82%と大半を占めた。
  • 復旧に要した期間について質問したところ、136件の有効な回答があり、このうち、復旧までに1か月以上を要したものが28件あった。また、ランサムウェア被害に関連して要した調査・復旧費用の総額について質問したところ、118件の有効な回答があり、このうち、1,000万円以上の費用を要したものが44件で37%を占めた。
  • 被害に遭ったシステム又は機器のバックアップの取得状況について質問したところ、140件の有効な回答があり、このうち、取得していたものが132件で94%を占めた。また、取得していたバックアップから復元を試みた126件の回答のうち、バックアップから被害直前の水準まで復元できなかったものは105件で83%であった。
  • IHCの運用ガイドラインに基づき、令和5年2月15日から12月31日までの間、重要犯罪密接関連情報と判断し分析した情報は4,876件であり、3,379件(削除依頼を行う前に削除されたものを除く。)についてサイト管理者等に削除依頼を行った結果、2,411件(71.4%)が削除に至った。このうち、令和5年9月29日から12月31日までの間、犯罪実行者募集情報と判断し分析した情報は4,411件であり、2,979件(削除依頼を行う前に削除されたものを除く。)についてサイト管理者等に削除依頼を行った結果、2,136件(71.7%)が削除に至った。
  • 外国人が組織的に関与していることがうかがわれる例も確認されている。サイバー特別捜査隊では、このようなフィッシング事犯等の捜査及び実態解明を推進しているところ、その過程において、フィッシングを組織的に行う中国人グループ(以下「中国人フィッシンググループ」という。)の存在を認知した。このグループでは、フィッシングを容易にするようなエコシステムが構築されていることが判明している。具体的には、匿名性の高いSNS等を通じて中間的役割を担う指示役(以下「中間指示役」という。)や商品購入役等の募集・連絡を行っており、フィッシング実行役がフィッシングで認証情報等を窃取した後、中間指示役を通じて、スマートフォン決済サービスやクレジットカード情報を悪用した商品の不正購入、購入した商品の運搬、転売による換金を分担して行わせ、不正な利益を獲得している態様のものが確認された。また、フィッシング実行役は、匿名性の高いSNS等を通じ、フィッシングで窃取した情報の売買やフィッシングの指南等も行っているとみられる。このようなエコシステムは、他のフィッシング事犯等においても構築されているとみられており、サイバー特別捜査隊においては、引き続き、フィッシング事犯等の捜査及び実態解明に努めている。
  • 犯行グループによるフィッシングサイトやフィッシングメールは、極めて精巧に作成されており、真偽を判断することが極めて困難となっていることから、ウェブサービスの利用者においては、重要なサイトやよく使用するサイトはあらかじめブックマークしたURLからアクセスするなど、より慎重な対応が求められる。また、同一のID・パスワードを複数のウェブサービスにおいて使用している場合は、一度フィッシングにより情報を盗まれると、被害が急速に拡大するおそれがあるため、インターネットバンキング等の利用者はID・パスワード等の認証情報の使い回しを避けることで被害の拡大を防止することができる。

~NEW~
警察庁 不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況
  • 令和5年における不正アクセス行為の認知件数は6,312件であり、前年(令和4年)と比べ、4,112件(約186.9%)増加した。
  • 令和5年における不正アクセス行為の認知件数について、不正アクセス後に行われた行為別に内訳を見ると、「インターネットバンキングでの不正送金等」が最も多く(5,598件)、次いで「メールの盗み見等の情報の不正入手」(204件)、「インターネットショッピングでの不正購入」(93件)の順となっている。
  • 令和5年における不正アクセス行為の認知件数について、不正アクセス後に行われた行為別に内訳を見ると、「インターネットバンキングでの不正送金等」が最も多く(5,598件)、次いで「メールの盗み見等の情報の不正入手」(204件)、「インターネットショッピングでの不正購入」(93件)の順となっている。
  • 令和5年における不正アクセス行為の検挙件数について、手口別に内訳を見ると、「識別符号窃用型」が475件と全体の90%以上を占めている。
  • 令和5年に検挙した不正アクセス禁止法違反事件に係る被疑者の年齢は、「20~29歳」が最も多く(103人)、次いで「14~19歳」(73人)、「30~39歳」(53人)の順となている。なお、令和5年に不正アクセス禁止法違反で補導又は検挙された者のうち、最年少の者は11歳注10、最年長の者は61歳であった。
  • 令和5年に検挙した不正アクセス禁止法違反の検挙件数のうち、識別符号窃用型の不正アクセス行為(475件)について、その手口別に内訳を見ると、「利用権者のパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んで入手」が最も多く(203件)、次いで「識別符号を知り得る立場にあった元従業員や知人等による犯行」(68件)の順となっており、前年(令和4年)と比べ、前者は約0.88倍、後者は約1.66倍となっている。
  • 令和5年に検挙した不正アクセス禁止法違反の検挙件数のうち、識別符号窃用型の不正アクセス行為(475件)について、他人の識別符号を用いて不正に利用されたサービス別に内訳を見ると、「オンラインゲーム・コミュニティサイト」が最も多く(234件)、次いで「社員・会員用等の専用サイト」(82件)の順となっており、前年(令和4年)と比べ、前者は約1.00倍、後者は約0.79倍となっている。
  • 利用権者の講ずべき措置
    • パスワードの適切な設定・管理
      • 利用権者のパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだ不正アクセス行為が発生していることから、利用権者の氏名、電話番号、生年月日等を用いた推測されやすいパスワードを設定しないほか、複数のウェブサイトやアプリ等で同じID・パスワードの組合せを使用しない(パスワードを使い回さない)よう注意する。また、日頃から自己のパスワードを適切に管理し、不用意にパスワードを他人に教えたり、インターネット上で入力・記録したりすることのないよう注意する。
      • なお、インターネット上に情報を保存するメモアプリ等が不正アクセスされ、保存していたパスワード等の情報が窃取されたと思われるケースも確認されていることから、情報の保存場所についても十分注意する。
    • フィッシングへの対策
      • eコマース関係企業、通信事業者、金融機関、荷物の配送連絡等を装ったSMS(ショートメッセージサービス)や電子メールを用いて、実在する企業を装ったフィッシングサイトへ誘導し、ID・パスワード等を入力させる手口が多数確認されていることから、SMSや電子メールに記載されたリンク先のURLに不用意にアクセスしないよう注意する。
    • 不正プログラムへの対策
      • 通信事業者を装ったSMSからの誘導により携帯電話端末に不正なアプリをインストールさせ、当該アプリを実行すると表示されるログイン画面にID・パスワードを入力させる手口も確認されていることから、心当たりのある企業からのSMSや電子メールであっても、当該企業から届いたSMSや電子メールであることが確認できるまでは添付ファイルを開かず、本文に記載されたリンク先のURLをクリックしないよう徹底する。また、不特定多数が利用するコンピュータでは、ID・パスワード、クレジットカード情報等の重要な情報を入力しないよう徹底する。さらに、アプリ等のソフトウェアの不用意なインストールを避けるとともに、不正プログラムへの対策(ウイルス対策ソフト等の利用のほか、オペレーティングシステムを含む各種ソフトウェアのアップデート等によるぜい弱性対策等)を適切に講ずる。特に、インターネットバンキング、インターネットショッピング、オンラインゲーム等の利用に際しては、不正プログラムへの対策が適切に講じられていることを確認するとともに、ワンタイムパスワード等の二要素認証注12や二経路認証を利用するなど、金融機関、ショッピングサイト、ゲーム会社等が推奨するセキュリティ対策を積極的に利用する。
  • アクセス管理者の講ずべき措置
    • 運用体制の構築等
      • セキュリティの確保に必要なログの取得等の仕組みを導入するとともに、管理するシステムに係るぜい弱性の管理、不審なログインや行為等の監視及び不正にアクセスされた場合の対処に必要な体制を構築し、適切に運用する。
    • パスワードの適切な設定
      • 利用権者のパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだ不正アクセス行為が発生していることから、使用しなければならない文字の数や種類を可能な限り増やすなど、容易に推測されるパスワードを設定できないようにするほか、複数のウェブサイトやアプリ等で同じID・パスワードの組合せを使用しない(パスワードを使い回さない)よう利用権者に周知するなどの措置を講ずる。
    • ID・パスワードの適切な管理
      • ID・パスワードを知り得る立場にあった元従業員、委託先業者等の者による不正アクセス行為が発生していることから、利用権者が特定電子計算機を利用する立場でなくなった場合には、アクセス管理者が当該者に割り当てていたIDの削除又はパスワードの変更を速やかに行うなど、ID・パスワードの適切な管理を徹底する。
    • セキュリティ・ホール攻撃への対策
      • ウェブシステムやVPN機器のぜい弱性に対する攻撃等のセキュリティ・ホール攻撃への対策として、定期的にサーバやアプリケーションのプログラムを点検し、セキュリティパッチの適用やソフトウェアのバージョンアップを行うことなどにより、セキュリティ上のぜい弱性を解消する。
    • フィッシング等への対策
      • フィッシング等により取得したID・パスワード等を用いて不正アクセスする手口が多数確認されていることから、ワンタイムパスワード等の二要素認証や二経路認証の積極的な導入等により認証を強化する。また、フィッシング等の情報を日頃から収集し、フィッシングサイトが出回っていること、正規のウェブサイトであるかよく確認した上でアクセスする必要があることなどについて、利用権者に対して注意喚起を行う。

~NEW~
消費者庁 メルセデス・ベンツ日本株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
  • 消費者庁は、本日、メルセデス・ベンツ日本株式会社(以下「メルセデス・ベンツ日本」といいます。)に対し、同社が供給する普通自動車及び「AMGライン」と称するパッケージオプションに係る表示について、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出しました。
  • 景品表示法第8条第1項ただし書に該当しない理由
    • メルセデス・ベンツ日本は、本件5商品について、表示の裏付けとなる根拠を十分に確認することなく、課徴金対象行為をしていた。
  • 自主的報告による2分の1減額の適用について
    • メルセデス・ベンツ日本は、
    • 「GLA200d 4MATIC」と称する普通自動車について、不当景品類及び不当表示防止法施行規則(平成28年内閣府令第6号。)第9条に規定する報告書の提出を行ったが、当該報告書の提出は、課徴金対象行為に係る景品表示法第9条に規定する報告に該当するものとは認められない。
    • 「GLB200d」と称する普通自動車に係る「AMGライン」と称するパッケージオプションについて、課徴金対象行為に該当する事実を消費者庁長官に報告したところ、当該報告は景品表示法第9条ただし書の規定に該当しないため、課徴金の額を2分の1減額する。
  • 命令の概要(課徴金の額)
    • メルセデス・ベンツ日本は、令和6年10月15日までに、12億3097万円を支払わなければならない。

~NEW~
消費者庁 第2回 第5期消費者基本計画の策定に向けた有識者懇談会
▼ 【資料5】第5期消費者基本計画 骨子
  • 第1章 消費者・消費者政策のパラダイム・シフトの必要性
    • デジタル技術の飛躍(Web3、AI、5G、自動運転、ダークパターン、SNS等)
      • デジタル・非デジタルにおける消費者保護水準の格差
      • 消費者の取引環境の劇的な変化
    • 国際的な取引の普遍化(越境取引、インバウンド等)
      • 国や地域による法規制及び商慣行の違い
    • 社会構造の変化(高齢化、世帯構造の変化、物価等)
      • 少子高齢化の進行、家計の多様化
      • 物価や賃金に対する意識の変化
    • 国際協調への機運の高まり(エシカル消費、サステナブル経営等)
      • 持続可能かつ包摂性のある社会への転換
      • 経済活動における社会価値への注目
    • 激甚化、頻発化する国家危機の到来(自然災害、社会的なパンデミック等)
      • エネルギー・食料等の安定供給に関するリスクの高まり
      • 緊急時における消費行動の変化
  • 第2章 達成すべき消費者政策の基本的方針
    • 消費者が信頼できる公正な環境の確保
      • 優良な事業者が選ばれる環境づくりと悪質事業者の市場からの排除
      • 消費者被害の拡大防止、救済(安全・取引分野における包括的な規制と行政や司法の在り方、無登録・無許可業者への対応)
      • 消費者保護に向けた事業者の自主的なルール整備
      • 事後的な検証や修正も含めた官民対話型のルールづくり
      • 消費者と事業者の協働による取組(共感や応援を通じた好循環の
      • 実現、消費者と事業者の協力・連携と責任分担、カスタマーハラスメント対応)
    • 見抜ける消費者の増加・消費者力の成長
      • 全ての世代における「消費者力(気づく力、断る力、相談する力、周囲に働きかける力)」の実践と消費者市民社会の構築
      • 自ら学び行動する自立した消費者の醸成
      • デジタルスキル・リテラシーの向上
    • 持続可能で包摂的な社会の実現
      • 持続可能な消費と生産に資する経済・社会の仕組みづくり
      • 多様な消費者の特性を踏まえた対応の充実
  • 第3章 消費者政策の推進手法
    • 行政の取組
      • 消費者法制度における規律のベストミックス
      • 包括的かつ実効性の高い新たな規制手段の検討
      • 消費者被害の多様化・複雑化に伴う諸課題に対する実態把握(立法事実の整理)及び制度整備並びに関係省庁との連携
      • 国際動向も視野に入れたデジタルデバイドの解消に向けた支援
      • 消費者行政のDX(消費生活相談のデジタル化、地域の消費生活相談の機能維持、消費生活相談員の負担軽減や十分に力を発揮できる環境づくり)
      • 人口減少・高齢化やデジタル化の進展、地域の実情等を踏まえた地方公共団体における施策(消費生活相談、見守り活動等)の推進 等
    • 事業者の取組
      • デジタル化、高齢化、国際化、持続可能社会に対応した消費者とのコミュニケーションや情報伝達手段の多様化
      • デジタルデバイドを生まない分かりやすいインターフェース、ユニバーサルデザインに配慮した商品開発、プラットフォームの形成等
  • 第4章 消費者が直面する課題への取組
    • 取組の推進に当たって心がけるべきこと
      • 消費者基本計画におけるEBPM・PDCAの実践(5ヶ年計画、3年目点検)
      • SDGsで設定された国際指標との整合性確保、消費者が事業者と協働できる参加型・パートナーシップ推進型の目標設定
    • パラダイム・シフトを踏まえた消費者行政の方向性
      • デジタル技術の飛躍
        • 盛り込むべき事項のイメージ(例)
          • デジタル技術の導入による悪質商法や不当表示に関する情報収集・分析の強化
          • デジタル化に対応した消費者教育、消費者支援の推進 等
      • 国際的な取引の普遍化
        • 盛り込むべき事項のイメージ(例)
          • 越境取引における違法業者に対する対応の強化
          • 安全性の低い海外製品の輸入への対応
          • 国際的な動向を踏まえた食品表示への対応
          • 多言語化など外国人向け対応の強化 等
      • 社会構造の変化
        • 盛り込むべき事項のイメージ(例)
          • 悪質事業者に対する執行力の強化
          • 消費者団体訴訟制度の実効性向上
          • 消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)の施策の充実 等
      • 国際協調への機運の高まり
        • 盛り込むべき事項のイメージ(例)
          • 持続可能性に配慮した商品の認証等に係る取組の推進
          • 持続可能な社会の実現(脱炭素、循環経済 等)に資する製品・サービス等の普及 等
      • 激甚化、頻発化する国家危機の到来
        • 盛り込む事項のイメージ(例)
          • 緊急時における不確かな情報に基づく行動への注意喚起
          • 緊急事態に便乗した不当表示への迅速な対処 等
    • 消費者トラブルの解消、未然防止
      • 学校教育における消費者教育の推進
      • デジタル取引における更なる消費者保護の推進
      • キャッシュレス決済制度の透明化
      • 金融経済教育の推進
      • 様々な業界における商慣行の見直し(LPガス等)
      • こどもの事故防止
      • 法や執行体制の及んでいない事業者への対応(無登録・無許可業者、海外OTA等)
      • 独居高齢者を含めた高齢者・障がい者等の生活上の課題への対応等
    • 消費者政策における基本的施策の取組
      • 安全の確保
      • 消費者契約の適正化等
      • 計量・規格の適正化
      • 広告その他の表示の適正化等
      • 公正自由な競争の促進等
      • 啓発活動及び教育の推進
      • 意見の反映及び透明性の確保
      • 苦情処理及び紛争解決の促進
      • 高度情報通信社会の進展への的確な対応
      • 国際的な連携の確保
      • 環境の保全への配慮 等

~NEW~
国民生活センター 子どものオンラインゲーム 無断課金につながるあぶない場面に注意!!
  • 子どもが無断でオンラインゲームに課金してしまったという保護者からの相談が多く寄せられています。契約当事者が小学生・中学生・高校生(以下「小中高生」という)のオンラインゲームに関する2022年度の相談件数は4,024件で、契約購入金額の平均は約33万円と高額です。
  • 特に、スマートフォンやタブレット端末での小学生・中学生の無断課金に関する相談が目立ちます。そこで子どものオンラインゲーム無断課金が生じやすい場面と対策をまとめ、注意喚起します。
  • 相談事例
    • 【事例1】母親のスマホを母親のアカウントにログインした状態で小学生の娘に貸したところ、娘がアカウントのパスワードを変更して登録されたクレジットカードでゲーム課金してしまった。
    • 【事例2】日頃から、小学生の息子に母親の古いスマホを自宅のWi-Fiに繋げて使用させていた。課金には母親の指紋認証が必要な設定にしていたが、母親のアカウントにログインした状態であったため息子が自分の指紋を追加登録して約5万円ゲーム課金してしまった。
    • 【事例3】母親名義で契約し中学生の息子を利用者登録したスマホを息子に使用させていたところ、5カ月の間にキャリア決済で約5万円ゲーム課金してしまった。キャリア決済の上限額を引き下げることができるとは知らなかった。
    • 【事例4】中学生の息子が、息子のスマホで1年前から総額約55万円をゲームに課金していた。数年前に母親がゲーム課金以外の目的で息子のスマホにクレジットカード番号を入力したことがあったが、そのクレジットカード番号で息子はゲーム課金をしたようだ。
  • 保護者へのアドバイス
    • 保護者のスマホで遊ばせる場合は、保護者のアカウント(AppleやGoogle)は必ずログオフしましょう。
    • 保護者の古いスマホや子ども専用のスマホで遊ばせる場合は、子ども専用のアカウントを作成し、「ペアレンタルコントロール」機能を利用して保護者が管理しましょう。この機能で課金を承認制に設定できます。
    • スマホのアカウント決済とキャリア決済のそれぞれに、決済時の承認(パスワード、指紋認証、顔認証など)を設定しましょう。パスワードはお子さんが類推できない文字列で設定しましょう。
    • クレジットカードは保管場所に注意が必要です。また、子どものスマホにクレジットカード情報を入力した際は忘れずに削除してください。
    • キャリア決済は必要に応じ上限額を低くしましょう。子ども用のスマホを契約する際は特に注意が必要です。
    • 日頃から決済完了メールや明細を確認しましょう。
    • 子ども自身が考えて適切にゲームと付き合えるように子どもと一緒に行う対策も重要です。子どもが遊ぶゲームの課金の仕組みを一緒に確認したり、オンラインゲーム課金についてルールを決めたりしましょう。
    • 民法では、未成年者が保護者の同意なく契約した場合は取り消すことができます。ただし、子どもが保護者のアカウントでログインしたスマホで課金した場合は、アカウントの所有者である保護者が決済を行ったとみなされる場合もあります。
    • トラブルが生じた場合は、最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう。
      • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番
    • 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
  • 要望
    • 未成年者が保護者の承諾なくオンラインゲームの課金をしてしまう消費者トラブルを防止するため、オンラインゲーム事業者団体、アプリストア運営事業者に対し、要望を行いました。

~NEW~
国民生活センター なくならない洗濯用パック型液体洗剤による事故-子どもだけでなく高齢者が誤って口に入れる事故も発生-
  • 2015年3月、消費者庁と国民生活センターは、子どもが濃縮液体洗剤を水溶性フィルムに包んだ洗濯用パック型液体洗剤(以下、「パック型液体洗剤」とします。)を握ったりかんだりしているうちに破れてしまい、被害に遭う事故について注意喚起を行いました。しかし、その後もパック型液体洗剤を誤って口に入れた、フィルムが破れて目に入ったなどの事故が発生しています。
  • 医療機関ネットワークやPIO-NETには、子どもだけではなく高齢者による事故情報も寄せられています。また、これら以外にも、国内で同様な事故について複数の報告が見られました。
  • パック型液体洗剤による事故が引き続き発生しているため、再度、注意喚起します。
  • 医療機関ネットワーク及びPIO-NETに寄せられた情報
    • 医療機関ネットワーク
      • 保護者が入浴中、脱衣所で待たせていた子どもが、床に置いてあった洗濯用パック型液体洗剤の容器を開けて洗剤をなめていた。
      • 子どもが洗濯用パック型液体洗剤を触っていて、フィルムが破れてしまい、中身が左目に入ったため、受診した。
      • 認知症のある高齢者が、自宅の洗面所に置いてあった洗濯用パック型液体洗剤を1~2個食べてしまった。
      • 高齢者が柔軟剤入りの洗濯用パック型液体洗剤を1個、食べ物と思い誤って食べてしまい、救急搬送された。
    • PIO-NET
      • 保護者が洗面台の掃除をしていたところ、そばにいた子どもが急に泣き出したので、振り返ると、洗面台の下の棚に置いてあった洗濯用パック型液体洗剤を容器から取り出し、口に入れていた。
      • 洗濯用パック型液体洗剤が3個くっついていた。それぞれはがそうとしたとたん、フィルムが破れ、中身が目に入った。
      • 高齢者施設に入所していた高齢者が、洗濯用パック型液体洗剤を食べてしまい、救急搬送された。
  • 消費者へのアドバイス
    • パック型液体洗剤は、子どもだけでなく、不用意に触ってしまうおそれのある方の手の届くところには置かないようにしましょう。
    • パック型液体洗剤を使用したあとは、必ずふたなどをしっかり閉めて、子どもなどの手の届かない置き場所にすぐ戻すことを習慣にしましょう。
    • パック型液体洗剤をぬらさないよう気を付けましょう。
    • 子どもや高齢者などが誤って口に入れてしまい、洗剤などを飲み込んだ可能性がある場合や、目に入り、よく洗い流しても異常を感じる場合には、商品の成分が分かるパッケージなどを持って医療機関を受診しましょう。
    • 事業者への要望
    • パック型液体洗剤による子どもや高齢者など、不用意に手にしてしまうおそれのある方の事故の再発防止のため、手の届かないところで使用・保管するなどの啓発等を含めた、より一層の安全対策を推進するよう要望します。
    • 行政への要望
    • パック型液体洗剤による子どもや高齢者など、不用意に手にしてしまうおそれのある方の事故の再発防止のため、消費者への注意喚起、啓発を行うよう要望します。

~NEW~
国民生活センター 「消費生活センターにおける対応困難者への対応の現況と課題調査」調査報告<結果・概要>
  • 消費生活相談の現場では、さまざまな相談者に日々対応し、相談者が抱えている消費者トラブルについて聞き取り、事業者と相談者の間に立って助言やあっせん等をおこなっていますが、中には、相談員に対し攻撃的な態度をとる相談者や、一方的に話し続けて相談員の話を聞かないなど、円滑なコミュニケーションが取れず、相談員が相談対応に困難を感じるケースがみられます。
  • このような、いわゆる「対応困難者」への対応は、消費生活相談業務の遂行において大きな支障となっていると考えられます。そこで、消費生活センター等における対応困難者の相談対応について、(1)消費生活センター等を対象としたアンケート調査、(2)消費生活センター等で勤務したことのある消費生活相談員を対象としたアンケート調査を実施し、対応困難者への対応に関する現状等を調査し、報告書をまとめました。
  • 調査結果のポイント
    • 本調査では、「対応困難者」について、「消費生活センター等で実施している消費生活相談において、相談員により適切な相談対応(丁寧な説明等)を行っているにもかかわらず、社会通念から逸脱するような主張や要求(内容および態様)を止めようとしない相談者、また、自らの要求が通らないことに対する怒りを相談員や消費生活センターに向け、相談の継続が困難である相談者」と定義しています。なお、同等の内容を指す用語として「カスタマーハラスメント」がありますが、本調査において「対応困難」とされる行為の範囲は、カスタマーハラスメントよりも広くなっています。
      • 消費生活センター等を対象としたアンケート調査
        • 対応困難者の相談件数について、1カ月平均で「5件未満」と回答したセンターが全体の8割。
        • 対応困難者は、過剰要求や無理な対応を強要するタイプ、長時間あるいは執拗な主張を続けるタイプが多い。
        • 対応困難者の対応において困難を感じる点は、相談員や職員の時間がとられ本来業務ができなくなること、相談者がエスカレートしないよう気を遣って対応する必要があること、など。
        • 国や自治体等に対して希望する対応策として、7割のセンターが、対応困難者の対応を拒否できる明確な基準やガイドラインの策定、と回答。
        • センターの役割や業務内容を理解していない住民に対して、正しい理解と適切な利用のための啓発活動を望む回答も多く寄せられました。
      • 消費生活相談員を対象としたアンケート調査
        • 約9割の回答者が、対応困難者の相談件数は1カ月当たり平均で「5件未満」と回答。
        • 回答者のほとんどが対応困難者の対応を経験しており、また、自身が相談員として勤務を始めた頃と比べ、対応困難者からの相談が増えていると感じていました。
        • 9割以上の回答者が、対応困難者の対応にストレスを感じると回答。
        • 辛いこととして、多くの回答者が「一方的な主張に終始しコミュニケーションが取れなかった」こと、「長時間・長期間にわたって相談を終了できなかった」こと、また、発言の揚げ足を取られること、詰問や暴言、大声で怒鳴るなどの言葉による攻撃的な行為、を挙げていました。
        • 対応方法として、「消費生活相談として対応できる範囲を見きわめる」、「冷静な態度を心がける」、「言葉遣いに気を付ける」、との回答が多く、これらは、対応困難者に対して効果的だと感じた方法としても同様に挙げられていました。
        • 対応困難者への対応に関して、回答者が国や自治体等に希望することとして最も多かったのは、職員の理解や連携協力、組織対応を求めるものでした。
  • 課題と今後期待されること
    • 調査の結果、対応困難者への対応においては、対策マニュアルの活用、統一的なルールや基準の策定、安全な執務環境の整備、専門家との連携体制の整備、メンタルケアへの取組、研修の実施等について、さまざまな課題があることが分かりました。
    • 今後期待されることとして、自治体に対しては、センター内における職員と相談員の連携協力の推進、対応ルールやマニュアルの作成・活用、安全な執務環境の整備、弁護士や心理職等の専門家との連携体制の構築等が望まれます。
    • 国に対しては、全国的な判断基準やルールの策定や研修の実施等が望まれます。
    • 国や自治体において、ホームページ、広報誌、案内チラシなどで、センターの業務内容や役割等についてより一層周知広報すること、消費者教育や啓発について引き続きおこなっていくことが望まれます。
    • 本報告書が今後の消費生活センターにおける対応困難者対策の一助となれば幸いです。

~NEW~
国民生活センター ふたが外れてコーヒーが噴出したコーヒーメーカー(相談解決のためのテストからNo.185)
  • 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。
  • 依頼内容
    • 「コーヒーメーカーを使用中、ふたが外れて熱湯が吹き出した。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。
  • 調査
    • 当該品は、ガラス製サーバーの中央部のくびれた部分でパッキンにより上下に分離し、上端部にふたをして使用するサイホン式のコーヒーメーカーでした。
    • 相談者によると、抽出が始まった最中にふたが外れ、コーヒーが噴出したとのことでした。
    • 当該品のふたのロックに影響を及ぼす、ふた側のツメ及びガラスサーバー上端の縁周辺を確認したところ、破損は見られませんでした。
    • 当該品及び同型品を用いて、相談者の申し出内容を基に再現テストを実施しました。その結果、当該品ではサーバーの下部内の水が沸とうすると、熱湯がパイプを通って上部に移動するとともに、サーバーの下部内の水蒸気がパッキンの隙間から異音を上げながら徐々に上部に漏れることが確認されました。また、その際に発生した振動によってふたのロックが緩んで外れ、サーバーの下部内の水蒸気によりフィルター部等が押し上げられ、それらを押さえていたふたが外れ、コーヒーが噴出する現象が再現しました。なお、同型品では、ふたの緩みや外れは再現しませんでした。
  • 解決内容等
    • 依頼センターがテスト結果を輸入販売事業者に説明したところ、相談者には販売店から商品代金が返金され、輸入販売事業者からは、コーヒーメーカーのふたが外れにくい構造に変更するなどの対応を検討するとの連絡がありました。

~NEW~
国民生活センター 【10代20代も注意!】お試しネット通販トラブル
  • 【#ダイエット#サプリ#美容液】
    • SNSでおトクな広告
    • お試しのつもりでダイエットサプリの購入ボタンをクリック!
    • あれ?1回限りのはずなのに2回も3回も商品が送られてくる
    • しかも2回目以降は高額だし、支払えないかも
    • ⇒消費者ホットライン188に相談!
  • 相談事例
    • 全国の消費生活センター等には、以下のように、SNSの広告を見てお試しのつもりでダイエットサプリなどを注文したところ、購入回数の条件があるコースになっていたなど、通信販売での「定期購入」に関する相談が寄せられています。通信販売での「定期購入」のトラブルは中高年の占める割合が高くなっていますが、10歳代や20歳代でも多くみられます。
    • お試しのつもりでダイエットサプリを購入したが定期購入になっていた
      • SNSの広告からアクセスしたサイトでダイエットサプリを購入した。購入時の画面は保存していないが、いつでも解約できると書いてあったと記憶しており、定期購入だとは思わなかった。お試しで1袋だけ注文したつもりだったが、初回の商品が届きコンビニ後払いで代金1,000円を支払ったあと、2回目の商品が届いた。驚いてサイトの規約を確認し、事業者に電話をかけ解約を申し出ると「6回の購入が条件のコース」と言われ定期購入だとわかった。2回目の商品には約1万円の請求書が入っていたが、3回目以降はさらに金額が上がっていくようだ。解約したいがどうしたらよいか。(2023年10月受付 20歳代 女性)
    • サイトで美容液を購入したら定期購入になっていたが、2回目以降は支払えない
      • SNSの広告からアクセスしたサイトで美容液を購入した。定期購入にはしなかったはずだが、納品書に次回発送日の記載があり定期購入になっていることがわかった。注文時の画面は保存していない。初回の代金約1,000円はこれから支払おうと思っているが、2回目以降は支払えないので解約したい。私は未成年で、注文の時には自分の生年月日を入れて注文したが、購入することについて親には相談していない。解約したいことを事業者に連絡しようと思うが、高額な費用を請求されるかもしれないと思い不安だ。(2023年4月受付 10歳代 女性)
  • トラブル防止のポイント
    • インターネット通販では、注文する前に販売サイトや「最終確認画面」の表示をよく確認しましょう
      • 低価格であることを強調する広告を見て、1回だけのつもりで商品を注文していても、「定期購入」が条件となっていて、総額として数万円等、注文時に想定した以上の金額を支払うことになるケースがあります。中には、2回目から分量が多くなったり、高額になったりする場合もあります。必ず「最終確認画面※」で、定期購入が条件となっていないか、2回目以降の分量や代金などの販売条件を確認しましょう。
        • ※「最終確認画面」とは インターネット通販において、消費者がその画面内に設けられている申込みボタン等をクリックすることにより契約の申込みが完了することとなる画面を指します。
      • 「定期縛り無し」「いつでも解約可能」という表示をみると、ペナルティーなくいつでも解約できるような印象を持ってしまいますが、実際には、2回目以降を解約するときに違約金等を請求されるケースがあります。必ず「最終確認画面」で解約条件等を確認しましょう。また、「最終確認画面」を含め、契約条件が記載されている画面はスクリーンショットで保存しましょう。スクリーンショットの方法がわからない場合は、契約している通信事業者や携帯電話ショップなどに問い合わせるか、通信事業者の公式ホームページなどで確認してください。
    • 特定商取引法により申込みの意思表示を取り消すことができる場合があります
      • 特定商取引法では、販売業者等に、販売サイトの「最終確認画面」において、顧客が注文確定の直前段階で、分量、販売価格・対価、支払の時期・方法、引渡・提供時期、申込期間(期限のある場合)、申込みの撤回、解除に関することなどの契約の申込みの内容を確認できるように表示することを義務付けています。
      • 販売業者等がこれらの契約の申込みの内容について、表示しなかったり、不実の表示や消費者を誤認させるような表示を行ったりした場合、これにより誤認して申込みをした消費者は、申込みの意思表示を取り消すことができます。
    • 少しでも不安に思ったら早めに消費生活センター等に相談する
      • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番
      • 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。

~NEW~
国民生活センター 不安をあおって契約させる 給湯器の点検商法に注意
  • 内容
    • 数日前、いきなり業者が訪問し「ガス給湯器の点検に回っている」と言われたので話を聞いてしまった。業者は道路から給湯器を見た様子で「すぐに交換しなければ危ない」と言ってきた。最近交換したばかりなので不審に思ったが、もし不具合がありお風呂にも入れなくなったら大変だと思い、承諾してしまった。費用は約50万円だという。高額だし不審なのでこの契約をやめたい。(70歳代)
  • ひとこと助言
    • 点検を口実に訪問し、消費者の不安をあおるなどして新たに製品を購入させる手口です。安易に点検に応じないようにしましょう。
    • 点検後に製品の購入を勧められても、その場ですぐに契約しないようにしましょう。不安な場合、本当に交換が必要か契約先のガス事業者やメーカー等に相談しましょう。
    • 購入する場合は、複数社から見積もりを取ることが大切です。
    • 給湯器は、長期間の使用により重大な事故が起こる可能性もあります。業界団体等では、10年を目安に信頼できる事業者による点検や取り替えを推奨しています。
    • 契約してしまっても、クーリング・オフができる場合があります。困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
厚生労働省 第68回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼ 【資料2-2】雇用の分野における女性活躍推進等に係る閣議決定等関係資料
  • 雇用の分野における女性活躍推進等に係る閣議決定等
    1. 経済財政運営と改革の基本方針2023(令和5年6月16日閣議決定)(抄)
      • 女性版骨太の方針2023に基づき、L字カーブの解消に資するよう、女性活躍と経済成長の好循環の実現に向けて、プライム市場上場企業を対象とした女性役員に係る数値目標の設定やその達成を確保する仕組みの導入など女性登用の加速化、女性起業家の育成・支援等を進めるとともに、多様な正社員の普及促進や長時間労働慣行の是正、投資家の評価を利用した両立支援等の多様で柔軟な働き方の推進、仕事と家庭の両立に向けた男性の育児休業取得の促進やベビーシッター・家事支援サービス利用の普及、男女間賃金格差の更なる開示の検討、女性の視点も踏まえた社会保障制度・税制等の検討、非正規雇用労働者の正規化や処遇改善、女性デジタル人材の育成、地域のニーズに応じた取組の推進、就業支援や養育費の確保を含めたひとり親家庭支援など女性の所得向上・経済的自立に向けた取組を強化する。(略)
    2. 規制改革実施計画(令和5年6月16日閣議決定)(抄)
      • 企業による雇用関係情報の公開に関する方法等の見直し
        • 厚生労働省は、女性の活躍推進企業データベース、両立支援のひろば、職場情報総合サイト(しょくばらぼ)について、企業による更なる情報公表を促すため、これらの利用者像や利用実態等を把握し、その結果を企業等に周知するなど必要な措置を講ずる。
        • 厚生労働省は、労働者がより適切に職業選択を行うため、また、企業にとっては円滑な人材確保を図るため、企業に公表を推奨すべき情報等について検討し、開示の項目や方法を整理した職場情報の開示に関するガイドライン(仮称)を策定するなど、必要な措置を講ずる。
    3. 女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)(令和5年6月13日すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部決定)(抄)
      • 地方に多く存在する中小企業において女性活躍が進まない要因として、企業経営者等の無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の存在が挙げられるが、これを解消して行動の変容を促すため、中小企業を含む企業の経営者等に向けた研修用のコンテンツの開発・普及に取り組む。【厚生労働省】
      • 女性活躍を推進している企業の多くが抱えている「本人が現状以上に活躍したいと思っていない」「社内にロールモデルとなる女性社員が少ない」といった課題に対応するため、メンター制度の導入やロールモデルの育成、地域ネットワーク構築に関するマニュアル及び事例集を作成することで、女性労働者のキャリア形成支援を図る。【厚生労働省】
      • 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づく男女の賃金の差異に係る情報の公表について、常時雇用労働者301人以上の対象企業における適切な情報公表を推進し、各企業における課題の的確な把握・分析とその結果を踏まえた格差の是正に向けた取組を支援する。また、本年夏を目途に本制度の施行状況に係るフォローアップを行い、常時雇用労働者101人から300人の事業主への公表義務の対象拡大の可否について、必要な検討を行う。「女性の活躍推進企業データベース」の機能強化やコンテンツの充実等により、データベースのユーザビリティの向上を図り、更なる「見える化」を行う。【厚生労働省】
    4. 女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)(令和5年6月13日すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部決定)(抄)
      • 職場におけるハラスメントを防止するため、パンフレット等の作成・配布等により、テレワークやオンラインの場合も含め、ハラスメントを行ってはならない旨の周知を行うほか、中小企業を含む企業の経営者や人事労務担当者等を対象とする研修動画の配信や、12月の「ハラスメント撲滅月間」に集中的な広報・啓発を行う。
      • 男女雇用機会均等法等及びこれに基づく指針について、事業主が講ずべき措置の内容だけでなく、就職活動中の学生等への対応も含めた望ましい取組の内容を周知するとともに、非正規雇用労働者も含めて活用可能な外部相談窓口についての周知を徹底する。【厚生労働省】
      • 就職活動中の学生に対するセクシュアルハラスメントや教職員が学生に対して行うハラスメント等の防止のため、大学等の関係者が集まる各種会議等において、各大学における取組の好事例の発信や、相談窓口の周知等を一層強化する。【文部科学省、厚生労働省】
      • 女性の就業率が上昇する中、仕事と女性の健康課題等(月経関連症状、医学的に妊娠・出産に適した年齢など妊娠・出産に関すること、更年期症状等)との両立が課題となっている。
      • 働く女性の月経、妊娠・出産、更年期等、女性特有のライフイベントに起因する望まない離職等を防ぎ、女性が活躍し、健やかで充実した毎日を送り、安心して安全に働けるよう、事業主健診(労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断)に係る問診に、月経困難症、更年期症状等の女性の健康に関連する項目を追加するとともに、産業保健体制の充実を図る。(中略)加えて、生理休暇の名称の在り方を含め、生理休暇制度の普及促進のための方策について検討するとともに、更年期症状による体調不良時等に対応する休暇制度の導入状況に関する調査を実施し、その結果を踏まえた周知を行うことにより、女性が必要な休暇を取得できるよう環境整備を進める。(略)【内閣官房、厚生労働省、経済産業省、(人事院)】
      • 健康日本21(第三次)に「女性の健康」が盛り込まれたことも踏まえ、女性の健康に関する情報提供サイトの普及啓発を図るとともに、「女性の健康週間」の実施、ホームページやSNS等の様々なコンテンツを活用した情報発信や、好事例の横展開を図る。【文部科学省、厚生労働省】

~NEW~
厚生労働省 第9回雇用政策研究会資料
▼ 【資料4】これまでの研究会における議論の整理
  • 報告書「多様な個人がバックグラウンドに関わらず包摂され、活躍できる労働市場の構築に向けて」骨子
  • コロナ後の社会経済・労働市場の動向
    • 社会経済情勢・雇用情勢の変化
      • 足下では、物価高等の影響も懸念されるものの、人手不足感の高まりを受けて求人数はコロナ前を上回っており、今後は、雇用のミスマッチへの対応や人手不足対策の強化が求められている。
      • 生成AIの活用が進むことで、仕事内容が大きく変化する可能性もあり、新たなテクノロジーを踏まえた対応が求められる。
    • 2040年の労働市場に向けて
      • 総人口は、2070年に現在の7割に減少し、65歳以上人口がおよそ4割を占めるとされており、こうした人口変化は労働力の変化にも影響を与えることが想定される。
      • 経済成長と労働参加が同時に実現した場合には、2040年には労働力人口は6,791万人、就業者数は6,734万人となることが見込まれており、これまで以上に多様なバックグランドの方の労働参加を促すとともに、労働者一人ひとりの労働生産性の向上を図っていくことが重要となっている。
    • 社会経済情勢・雇用情勢の変化
      • コロナの5類への移行後、経済活動再開に向けた動きの中で、雇用情勢の改善がみられている。足下では、物価高等の影響も懸念されるものの、人手不足感の高まりを受けて求人数はコロナ前を上回っており、今後は、雇用のミスマッチへの対応や人手不足対策の強化が求められている。
      • また、技術革新について目を向けると、生成AIのような新たなテクノロジーの職場での活用も進んできており、更なる労働生産性の向上も期待される。一方、技術変化に伴うスキルやタスクの変化が今後も想定されることから、時代に合わせた人的資本投資等が必要となってくる。
      • 人手不足により労働市場がタイトとなっていることを契機に、労働条件の改善を通じた労働参加の促進や、テクノロジーの活用を通じた労働生産性の向上を図ることが重要。
    • 2040年の労働市場に向けて
      • 社人研の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、2070年には、総人口は現在の7割に減少し、65歳以上人口がおよそ4割を占めるとされており、こうした人口変化は労働力の変化にも影響を与えることが想定される。
      • 2023年度の労働力需給推計では、女性や高齢者の労働参加が想定を上回って進展したことをうけ、経済成長と労働参加が同時に実現した場合には、2040年には労働力人口は6,791万人、就業者数は6,734万人となることが見込まれている一方、一人あたり実質成長がゼロであり、労働参加も現状から進まない場合には、労働力人口は6,002万人、就業者数は5,768万人となることが想定されている。
      • 人口減少という構造的課題を抱える中、多様な個人がバックグラウンドに関わらず、また自身の希望に応じて自由に労働参加ができ、活躍できる労働市場の構築を図っていく必要がある。このためには、柔軟な働き方を可能とする環境整備を行っていくことに加えて、テクノロジーを活用した労働生産性の向上を図っていくことが求められる。
  • 多様なバックグラウンドの方の労働参加
    • 考え方
      • 人手不足が深刻化する中、より多くの人の労働参加・活躍を促していくことが重要であり、賃金や労働条件の改善を通じた労働参加へのインセンティブ向上や、企業内における多様な人材の活躍に向けた環境整備が重要である。特に、個人の希望やライフサイクルに合わせた柔軟な働き方を選択できるよう、職場環境の整備や雇用慣行の見直し等を図っていくことが求められる。
    • 柔軟な働き方の実現
      • 柔軟な働き方を実現していくためには、まずは「無限定な働き方が評価される」仕組みや基準を変えていく必要がある。これまで働き方改革を契機として長時間労働は減少傾向にあるが、こうした動きを継続することで、育児、介護、健康等の理由で、無限定な働き方が困難である人が所定内の時間で行った成果で公平に評価されることが重要である。
      • 制度面においても、短時間勤務制度やフレックスタイムの導入を進めるとともに、テレワークが行える環境整備等を行い、育児、介護、健康等の個々の事情に合わせて、働き方を選べる職場環境を整えることが重要である。柔軟な働き方が可能であるか否かについては、求職者の関心も高く、人材獲得の観点からも、企業のWLB制度への一層の取組とその見える化が重要である。また、人材獲得にあたっては、仕事を離れていた期間に関わらず、これまでの経験を適切に評価することが重要である。
    • ミドル・シニア世代も含む人材活用
      • 外部からの人材獲得が難しくなる中、企業内の人材活用も重要なテーマであり、企業は自社内の人材の掘り起こしや活用を行っていくことが求められる。
      • 特に、労働者自身の希望を踏まえたシニア人材の活用が重要であり、企業は労働者のエンゲージメントを高めながらミドル人材育成や再雇用者の活用について戦略的に取り組んでいくことが求められる。なお、事業者は、その際、実施可能な高齢者労働災害防止対策に積極的に取り組むよう努めることが求められる。
      • 社会全体においても、シルバー人材センター等を通じた多様な就労機会の提供や、地域の「小さな仕事」の紹介などを通じ、希望する高齢者が活躍できる環境整備を行っていくことが重要。
    • 性別に関わらず希望する働き方が実現できる環境整備
      • これまで育児休業等の両立支援制度の拡充を行ってきたが、制度整備だけでなく、男女共に実際に制度活用が行える環境整備が必要。特に、女性の希望する働き方の実現について、企業は、自社内での性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)やマミートラックを解消するため、女性管理職比率や男女の賃金差異といった指標でモニタリングする他、自社内での小さな労使コミュニケーション等を活用し、数値に現れない課題について洗い出しを行うことが重要である。企業内の慣行を変えていくためには、経営層の意識改革も重要であり、働き方の改善について経営層がメッセージを打ち出していくことも有用。さらに家庭内での家事負担の偏在が、就労に影響を与える可能性を踏まえ、そうした偏在の改善に向けた機運醸成が望まれる。
      • また、女性が特有の健康課題にも配慮した職場を実現していくことも今後重要となる。特に、管理層が女性の健康課題について理解を深め、フェムテック等を活用しながら必要な業務上の配慮を行うことが求められている。企業自身が、女性社員への配慮を十分に行うことは、企業価値を高めることに繋がる他、優秀な人材の獲得にも繋がることが期待される。
    • 個々の事情を乗り越えた労働参加に向けて
      • 就職を希望しているものの一歩を踏み出せない人への対応も重要である。特に、育児・介護等によって職場を離れていた期間が長い方については、これまでのスキル・経験の棚卸し、言語化ができるよう、キャリアコンサルタントによる伴走型の支援を行っていくことが求められる。
      • 生活の困窮、障害、雇用環境が厳しい時代に就職活動を行ったなど、特に手厚い支援を行う必要がある事情の方々には、自治体・NPO等と連携しながら、ハローワークによるアウトリーチも含めた伴走型支援を展開していくことが重要。
      • 就業を望む労働者が労働参加やより長い時間の就業を躊躇することがないよう、引き続きセーフティネットの在り方について、雇用に中立的な在り方から総合的に検討を進めていくことが必要。
    • 地域の人材不足への対応
      • 地域の人手不足対策は、地域の実情にあった処方箋をしていくことが重要。特に、人手不足が深刻化する中、雇用創出よりも、働き方改革やDX化の推進により企業の魅力を高めること、マッチングや地域の人材育成へのニーズが高まっている。
      • 人手不足が深刻化する地域では、東京圏をはじめとする都市部への人口集中が高まる中、地方への労働移動、UIJターンの促進を図ることや、テレワーク、副業・兼業などを通じて地域外との仕事のマッチングを図っていくことが求められる。
      • また、女性や高齢者などの潜在的な労働力の掘り起こしが重要であり、その際には、特に地域の中小・中堅企業において、労働条件・柔軟な働き方への対応などを抜本的に行っていくことが求められる。
    • 外国人労働者への対応
      • 人手不足の進展に伴い、幅広い分野において外国人材が活躍をしており、アジア諸国の中においても、日本での就労ニーズの高まりがみられている。適切な労働条件の下、日本が外国人材にとって魅力的な就労環境となるよう、引き続き雇用管理改善に取り組むことが重要。また、外国人材のスキル形成を図ることで、日本の労働市場での活躍はもちろんのこと、母国を戻った後でも日本での経験を用いて活躍できるように支援していくことが重要。
      • 特に、留学生の卒業後の就職・定着を促すため、関係機関、大学及び企業が連携しつつ、将来的なキャリアアップを見据えた支援が求められる。また、外国人材の包摂という観点から、生活支援も含めたサポートの強化が必要。
  • テクノロジーを活用した労働生産性の向上
    • 考え方
      • 足下では、生成AIの活用が進むなど、新たなテクノロジーが雇用にあたえる影響に注目が集まっている。生成AI・AI等の活用は、煩雑な業務から労働者を解放し、ウェルビーイングを高める効果が期待される一方、仕事内容(タスク)が大きく変わることも予想される。変化に取り残される人がないよう対応し、労働生産性向上のため活用を促進していくことが求められる。
    • 労使コミュニケーションの深化
      • 労使コミュニケーションを活性化させ、労使双方の納得感を高めながら、新たな技術の円滑な導入を行うことが重要。
      • 生成AI・AI等の活用促進のため、社内ポータル等を活用した社内コミュニケーションの深化を図ることや、地域単位、産業単位で情報共有の場を設けることで、技術革新等に対応できない企業や労働者を地域全体で支えることが重要。
    • モニタリング及び情報提供/マッチング機能の向上
      • 新たなテクノロジーの進展により、求められるスキル・タスクが大きく変わる可能性がある。政府はこうした変化を把握するとともに、job tag等において、職業に求められる知識・スキルなどについて広く情報提供を行うことが必要。
      • 技術変化に合わせて、外部労働市場のマッチング機能の向上が必要となる。ハローワークの就労支援機能の充実と、民間人材ビジネス等におけるHRテクノロジーを活用したサービス機能の向上等が期待される。
    • キャリア形成支援・職業訓練の充実
      • 技術変化に即した企業内での人材育成を強化していくと共に、労働者による自律的なキャリア形成を支援することが重要。
      • 加えて、産業界のニーズを踏まえた公的職業訓練の充実、デジタル人材育成のための「実践の場」開拓モデル事業、専門実践教育訓練給付における職業能力向上に資するAIを含むデジタル関係講座の拡大、人材開発支援助成金の活用促進、デジタルスキル標準等の速やかな更新等を通じて、デジタル人材の育成を推し進めていくことが重要。
    • ウェルビーイングの実現に向けたAIの活用促進
      • 生成AI・AI等についての高度な知識・スキルを有していない労働者であっても活用できるよう、ユーザーフレンドリーなユーザーインターフェースが今後開発されていくことが期待される。
      • 生成AI・AI等の効果的な活用が、社会全体で進むよう、生成AI・AI等の活用についての好事例を収集し、横展開していくことが重要。その際、AI等に関する各国の規制状況についても合わせて把握していくことが求められる。
    • テクノロジーに代替されないスキルの深化
      • 労使でのコミュニケーションを通じて、どのようなタスクを人間が担えば付加価値が高いのか、またどのようなタスクをテクノロジーが担えば効率的になるのかを日々検討し、人間が担う付加価値が高いスキル・タスクの深化を図っていくことが求められる。
  • 労働市場におけるインフラ整備等
    • 考え方
      • 社会経済情勢が目まぐるしく変化する中、同一企業内でのキャリア形成に加えて、自身が置かれた状況に応じて、企業外も含めた自律的なキャリア形成を行っていくことが可能な環境整備が求められる。
    • 労働市場の見える化
      • 自身の希望に合わせて職探しや職場探しが円滑に行えるよう、自身にあった職業をみつけられるjob tagや個々の企業の特徴がわかる「しょくばらぼ」といったデータベースの拡充・整備が求められる。
      • 特に、求職者は、ハローワークだけでなく、民間人材紹介ビジネスなど、様々なチャネルを活用した求職活動を行っていることを踏まえ、官民連携した労働市場の情報整備・公開が求められる。その際、職業能力検定等を活用した、キャリアラダーの構築についても検討を進めることが重要。
    • 人的資本投資
      • キャリア形成支援と合わせて、人的資本投資の機会の充実が求められる。企業は、社員の自律的なキャリア形成を支援し、かつ労働生産性の向上を図っていくために、研修プログラムを充実させていくことが望まれる。特に、中小企業では、自社内での研修プログラムを充実させつつ、人材開発支援助成金を活用しながら研修を実施していくことや、産業雇用安定センターを通じた在籍型出向を通じた越境学習を行える環境を整備することが求められる。
      • 企業外においても個人が自律的に学び直しができるよう、教育訓練給付の充実や求職者支援制度の活用促進等を行うことが求められる。
      • 労働者が職場選びの際に、自身のキャリア形成に有用な人的資本投資を行う企業かどうかわかるように、人的資本投資についての情報が広く開示されることが望まれる。
    • キャリア形成支援
      • 企業内でのキャリア形成では、企業側の人材配置戦略と労働者の希望するキャリアの擦り合わせが重要であり、労働者の希望に添った人材配置を行うことが望まれる。また、1on1の実施や労使・労労コミュニケーション、企業内キャリアコンサルティングの活用促進などを図ることで、離職(Exit)ではなく発言(Voice)を行える取組が重要である。
      • さらに、企業内での自律的なキャリア形成と企業側の人材配置を両立していく一つの方策として、職務を明確化した上での、社内公募制の活用等も考えられる。その際には、キャリアを見据えた学び直しの機会の提供なども重要となってくる。
      • 技術変化に即した企業内での人材育成を強化していくと共に、労働者による自律的なキャリア形成を支援することが重要。【再掲】
      • 加えて、産業界のニーズを踏まえた公的職業訓練の充実、デジタル人材育成のための「実践の場」開拓モデル事業、専門実践教育訓練給付における職業能力向上に資するAIを含むデジタル関係講座の拡大、人材開発支援助成金の活用促進、デジタルスキル標準等の速やかな更新等を通じて、デジタル人材の育成を推し進めていくことが重要。【再掲】
      • 企業外も含めたキャリア形成では、例えば、キャリア形成・学び直し支援センターやハローワークでのキャリア相談等の活用を通じ、労働者がキャリアの棚卸しができる機会の充実が求められる。
      • 就職を希望しているものの一歩を踏み出せない人への対応も重要である。特に、育児・介護等によってブランクが長い方については、家事・育児等も含めたこれまでのスキル・経験の棚卸し、言語化ができるよう、キャリアコンサルタントによる伴走型の支援を行っていくことが求められる。【再掲】

~NEW~
経済産業省 「健康経営銘柄2024」に53社を選定しました!
  • 経済産業省は、東京証券取引所と共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む上場企業を「健康経営銘柄」として選定しています。長期的な視点から企業価値の向上を重視する投資家に対して、魅力ある企業として紹介することを通じ、企業による健康経営の取組を促進することを目指しています。
  • 本日、第10回となる「健康経営銘柄2024」に、27業種から53社を選定しました。
  • 健康経営銘柄2024の選定について
    • 「令和5年度健康経営度調査」(企業等が従業員の健康管理を戦略的に行う健康経営の取組状況に関する調査)の回答結果をもとに、健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内の上場企業から、1業種1社※を基本として選定しました。
      • ※ 1業種1社に加えて、下記選定基準を加味した上で各業種の最高順位の企業の平均より優れている企業についても、健康経営銘柄として選定。
    • 主な選定基準
      • 重大な法令違反等がない。
      • 健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内である。
      • ROE(自己資本利益率)の直近3年間平均が0%以上または直近3年連続で下降していない企業を対象とし、ROEが高い企業には一定の加点を行う。
      • 前年度回答有無、社外への情報開示の状況についても評価し、一定の加点を行う。
  • 「健康経営銘柄2024」選定企業(27業種53社、業種順)
▼ 「健康経営銘柄2024」選定企業一覧

~NEW~
経済産業省 「はばたく中小企業・小規模事業者300社」の授賞式を開催します
  • 中小企業庁は、経済社会構造の変化に対応して事業変革や新規事業に挑戦し、地域経済や日本経済の成長への貢献が期待できるモデルとなる中小企業を、「事業再構築・生産性向上」、「海外展開」、「GX」、「DX」、「人への投資・環境整備」の5つの分野で優れた取組を行っている中小企業を「はばたく中小企業・小規模事業者300社」として選定し、3月14日(木曜日)に授賞式を開催します。
  • 齋藤経済産業大臣から代表事業者5社へ感謝状を授与する予定です。
  • 授賞式について
    • 日時:令和6年3月14日(木曜日)17:15から18:30
    • 場所:経済産業省講堂(東京都千代田区霞が関1丁目3番1号 地下2階)
  • 代表事業者の概要
    • 事業再構築・生産性向上分野
      • 株式会社アイル(長崎県)
      • 【規格外野菜を用いた地域活性化・新たな付加価値創出】
      • 株式会社アイルは、野菜シート「ベジート」の開発、製造・販売を行う事業者です。規格外として野菜が放置される現状を見て、20年以上前から規格外野菜の活用方法の研究開発を続けて商品化されました。野菜シートの新たな製品価値が国内外で認められ、その取引を拡大しています。
    • 海外展開分野
      • 株式会社山本製作所(広島県)
      • 【海外とのグローバル競争を通じて自社の強みを磨き上げ、成長を実現】
      • 株式会社山本製作所は、業務用洗濯機の専門メーカーです。同社は自社開発化を進め、ほぼ全てを社内で製造し、ユーザーからの多様なニーズに対応できる開発力・生産体制を構築することで滞りのない交換部品の供給力をもっています。顧客が長期間製品を利用できるとして、海外からも「フォーエバーマシン」と評価され、独自の価値を提供しています。
    • GX分野
      • 株式会社誠和(栃木県)
      • 【省エネ・電化・カーボンリサイクルを用いた環境制御によりGXを推進】
      • 株式会社誠和は園芸施設用の設備メーカーです。儲かる農業の実現のため、ハウス内の環境制御用設備の開発とともに、実証用農場を経営されています。高生産量と資源利用効率化を両立させる製品を提供し、省エネ等の技術開発やスマート農業技術の生産現場への普及に率先して取り組まれています。
    • DX分野
      • ベジクル株式会社(東京都)
      • 【デジタルを活用したクラウドサービスによる農産物流通への展開】
      • ベジクル株式会社は「アジアを代表する八百屋になる」を目指して東京都大田区に拠点を構える青果卸売業者です。webマーケティング、ITツールの活用を進め、受発注オペレーションの仕組みを構築、DX化を推進することで、顧客要望への迅速な対応を実現しています。
    • 人への投資・環境整備分野
      • 株式会社モリタ(宮崎県)
      • 【障がい者を積極的に雇用し、多様な人材の受け皿として地域経済にも貢献】
      • 株式会社モリタは産業機械や工作機械などの販売や、樹脂成形部品の製品製造を行う事業者です。近年は航空機分野への取引拡大を進めるとともに、主力製品であるドアミラーは自動車メーカーとの直接取引を開始するなど高い技術力を強みとしています。また身体障がいのある方を個性と捉えつつ、戦力として活躍してもらうなど人材の受け皿としても地域への貢献を実現されています。
      • なお、今般の選定にあたっては、全国中小企業団体中央会、日本商工会議所(海外現地日本人商工会議所を含む)、全国商工会連合会、日本政策金融公庫、商工中金、中小企業基盤整備機構、日本貿易振興機構、国際協力機構、国際協力銀行、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、情報処理推進機構、産業技術総合研究所及び経済産業局(在外大使館・領事館からの推薦も含む)からそれぞれ推薦をいただき、沼上幹選定委員長(早稲田大学ビジネス・ファイナンスセンター研究院教授)を中心とする外部有識者によって厳正に審査いただきました。
▼ 2023年度はばたく中小企業・小規模事業者300社一覧(リスト)

~NEW~
経済産業省 産業サイバーセキュリティ研究会「サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会」の最終報告書の補完文書として「攻撃技術情報の取扱い・活用手引き」及び「秘密保持契約に盛り込むべき攻撃技術情報等の取扱いに関するモデル条文」を策定しました
▼ サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会最終報告書概要
  • 情報共有の重要性と現状の課題
    • サイバー攻撃が高度化する中、単独組織による攻撃の全容解明は困難となっている。そのため、攻撃の全容の把握や被害の拡大を防止する等の観点からサイバー攻撃に関する情報共有は極めて重要。他方で、被害組織自らが情報共有を行うことについては、(1)被害組織側の調整コスト負担、(2)最適者が事案対応を行わない懸念、(3)処理コストのかかる情報共有、(4)被害現場依存の脱却の必要性などの課題が存在。
  • 本検討会における提言
    • 被害組織を直接支援する専門組織を通じた速やかな情報共有の促進が重要。これにより、(1)全体像の解明による被害拡大の防止や(2)被害組織のコスト低減などが実現できる。
    • 他方で、専門組織を通じた情報共有を促進するためには、(1)秘密保持契約による情報共有への制約、(2)非秘密情報からの被害組織の特定/推測の可能性の課題に対応をする必要がある。
    • このため、本検討会では、これらの課題を乗り越え、既存の情報共有活動の枠組みも活用しながら、更に円滑な情報共有を可能とするために、被害者の同意を個別に得ることなく速やかな情報共有が可能な情報の考え方を整理。具体的には、通信先情報やマルウェア情報、脆弱性関連情報等の「攻撃技術情報」から被害組織が推測可能な情報を非特定化加工した情報が対象となり得ると整理。
    • さらに、本報告書の提言を補完する観点から、「攻撃技術情報の取扱い・活用手引き(案)」についてもとりまとめ。本手引きでは、専門組織間で効果的な情報共有を行うために、どのような形で非特定化加工を行えばよいか、またどのように情報共有をおこなえばよいのかなど専門組織として取るべき具体的な方針について整理。
    • 加えて、円滑な情報共有を促進すべく、上記考え方についてユーザー組織と専門組織が共通の認識を持ち、専門組織が非特定化加工済みの攻撃技術情報を共有したことに基づく法的責任を原則として負わないことを合意するための秘密保持契約に盛り込むべきモデル条文案を提示。今後、本検討会の成果の周知・啓発に取り組む。
  • 今後の課題
    • 専門組織同士の情報共有促進だけでは解消されない今後の課題としては、(1)情報共有に向けた官民連携のあり方(行政機関への相談・報告のあり方や政府と民間事業者間の情報の共有など)、(2)サプライチェーンにおけるベンダ等の役割を挙げた

~NEW~
経済産業省 IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築に向けた検討会の最終とりまとめを公表し、制度構築方針案に対する意見公募を開始しました
▼ IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針案(概要説明資料)
  • 制度構築の背景・検討経緯
    • IoT機器の急増に加え、IoT機器を狙った攻撃も多く、IoT機器の脆弱性を狙ったサイバー脅威が高まってきているといえる。
    • 諸外国でもIoT製品のセキュリティ対策に関する制度検討が進んでおり、我が国のIoT製品がグローバルマーケットから弾き出されないよう、諸外国の取組状況を考慮する必要がある。
    • 我が国も、IoT製品のセキュリティ対策を支援するガイドライン等の発表を行ってきたが、IoT製品ベンダーの自主的な取組を求めるものであった。諸外国の取組も踏まえて、共通的な物差しで製品のセキュリティ機能を評価・可視化し、調達者が求めるセキュリティ水準のIoT製品を容易に選定できるようにし、適切なセキュリティ対策が講じられているIoT製品が広まる仕組みの構築が必要である。
    • こうした観点で制度の検討を行うため、経済産業省は、2022年11月より「IoT機器に対するセキュリティ適合性評価制度構築に向けた検討会」を開催し、2024年3月に最終とりまとめを公表した。最終取りまとめを踏まえ、制度構築方針案を作成した。
  • 目的と位置付け
    • IoT製品に対する適合性評価制度を国内で構築し、広く普及させ、そして社会に浸透させるためには、まずは調達者が自身を守るために、求めるセキュリティ水準のラベルが付与された製品を優先的に選択するようになることが必要不可欠である。そのうえで、IoT製品ベンダーの積極的なラベル取得を促すため、以下の三つを主目的として制度を構築する。
      1. 政府機関や企業等で調達する製品について、共通的な物差しでIoT製品のセキュリティを評価・可視化できるようにすることで、各組織の求めるセキュリティ水準を満たしたIoT製品の選定・調達を容易にする。
      2. 特定分野のシステムに組み込まれて調達・利用されるIoT製品に求められるセキュリティ要件を定め、必要な認証・ラベルを各業界団体等で指定できるようにすることで、当該特定分野において求められるセキュリティが確保されたIoT製品のみが採用されるようにする。
      3. 諸外国の制度と協調的な制度を構築し、相互承認を図ることで、IoT製品を海外に輸出する際に求められる適合性評価にかかるIoT製品ベンダーの負担を軽減する。
    • 本制度は、国内の既存制度と将来的な統合や棲み分け・連携の方針を合意しながら、任意制度として構築する。適合性評価を受けた製品に対してセキュリティ要件に応じたラベルを付与することで、製品の付加価値向上に繋げる。
    • 主目的1に関して、まずは政府機関等、重要インフラ事業者、地方公共団体等にラベル付与製品の選定を調達要件に含めることを働きかけ、それらのIoT製品ベンダーに本制度のラベルを取得することを促していき、制度が着実に広まる中で、民間の大企業の調達要件での活用、中小企業や消費者への普及を図る
  • 対象製品と適合性評価レベル
    • インターネットに直接接続されない製品も含め、インターネットプロトコルを使用する通信機能を持つ幅広いIoT製品を制度の対象とする。また、消費者向け、企業・産業向けを問わず対象とする。
    • IoT製品共通の最低限の脅威に対応するための基準(☆1)及びIoT製品類型ごとの特徴に応じた基準(☆2~☆4)を定め、求められるセキュリティ水準に応じた複数の適合性評価レベルを用いた制度とする。
  • セキュリティ要件・適合基準・評価手順
    • 実際のIoT製品(10製品)に対する適合性評価の実証結果も踏まえて、プレ委員会にて議論・策定した☆1(最も低レベルの基準)のセキュリティ要件・適合基準・評価手順の案を引き継ぎ、本制度の技術審議委員会で制度開始時に利用する☆1の適合基準等を定める。
    • ☆2以上のセキュリティ要件・適合基準・評価手順は、2024年度以降に優先度の高い製品類型を特定したうえで、関連する業界団体やワーキンググループと連携しながら、各適合基準検討WGを設置し、具体的な基準等に関して議論・検討を進めて定める。
    • セキュリティ要件は、本制度で対象となるIoT製品において求められ得る要件の全体(全体リスト)であるため、ETSI EN 303 645、NISTIR 8425、EU-CRA等の国内外のセキュリティ要件の集合関係を踏まえ、重ね合わせの関係にあるセキュリティ要件の全体リストを整理した。
    • セキュリティ要件の具体的な記載について、国際的に広く活用されているETSI EN 303 645の記載を参考にしつつ、プレ委員会で挙げられた意見を踏まえ、表現の見直しを行った。なお、今後も国際連携や国際標準の検討を見据え、表現やカテゴリ(大項目)の見直しを行っていく。
    • ☆1で考慮する脅威は、☆1で主に想定する守るべき資産、アタックサーフェスを踏まえ、プレ委員会で整理したものである。
    • 想定脅威に対して、☆1で必要なセキュリティ要件を全体のリストから抽出し、国内外の基準を参照して☆1の適合基準(評価手順としては16項目に集約)を作成している。
  • 適合性評価の主体
    • 制度を広く普及させるため☆1、☆2は自己適合宣言によるラベル付与とし、高い信頼性が求められる☆3以上は独立した第三者による評価を受ける第三者認証とする。
    • ☆1、☆2では、IoT製品ベンダーの自己評価に加え、有資格者(※1)や検証事業者(※2)、評価機関等への評価の委託も可能である。
    • ☆3以上では、ISO/IEC17025に基づく本制度の評価機関認定(※3)を受けた評価機関による評価を求める。
  • ラベルの意味合いと信頼性確保の仕組み
    • 本制度のラベルは、あくまで定められた適合基準への適合を示すものであり、ラベルが付与されているからといって、IoT製品のセキュリティが完全に確保されていることを保証するものではない。
    • 本制度は任意制度であるため、ラベルの表示義務は設けない。製品本体、パッケージ、マニュアル、パンフレット、Webサイト等に掲載する場合は、本制度のロゴ及びラベル付与製品毎の情報提供ページのURLを埋め込んだQRコードを掲載する。
    • 自己適合宣言の有効期限はラベル取得日を起点として最大2年間とし、その後ラベルを継続する場合は自己適合宣言を再度行う。
    • スキームオーナーはラベル付与製品に対して検査やサーベイランスを行える権利を有する。☆1では、コストの観点から定期的なサーベイランスは行わず、基準への適合に疑義が生じた場合に、必要に応じ、証跡提出の要求やサーベイランスの実施を行う。
  • 調達要件への反映に関する働きかけ
    • 政府機関等、重要インフラ事業者、地方公共団体におけるIoT製品調達時に、用途やそのリスクに応じて、本制度のラベル付与製品を選定・調達することを求めていくように、関係者と以下の方向性で調整を進める。
    • 調達時にラベル付与製品が普及しておらず、セキュリティ面以外での比較ができなくなることを避けるため、これらの組織で主に調達されるIoT製品を中心に、その関連団体に対して、本制度との連携や会員企業への積極的なラベル取得の働きかけの賛同を得る。
  • 特定分野のシステムに関する業界団体・WGとの連携
    • 製品単体で比較されず、特定分野のシステムに組み込まれて調達されるIoT製品について、以下の観点で検討優先度の高い特定分野のシステムを選定し、各システム全体のセキュリティを考えている業界団体やワーキンググループと連携し、各システムに組み込まれるIoT製品に求めるセキュリティ要件や☆2以上の適合基準をその必要性も含めて検討を検討する。
    • 意識しないままセキュリティ対策が十分でないIoT製品を利用している中小企業や消費者が多いと考えられる分野のシステム
    • インシデント発生時の社会的な影響が大きい重要インフラ分野のシステム
    • 各分野において、IoT機器を選定する立場の事業者又は当該IoT製品を製造するベンダーから、認証・ラベル制度の整備とその活用について一定割合以上の賛同が得られる場合(業界標準となり得ると判断される場合)、本制度として☆2以上の整備を進める。
    • 各特定分野のシステム全体のセキュリティガイドラインの作成や認証制度等の整備は、各業界団体やワーキンググループで検討し、本制度はオブザーバーの立場で連携する。
  • 諸外国制度との連携
    • 諸外国においても同様のIoT製品の適合性評価制度の検討が進んでいる。国内IoT製品ベンダーの負担を抑えるため、主要国制度の基準も参考にしながら本制度の基準を検討し、相互承認の調整を図る。
    • ☆1開始の正式案内時に制度が既に導入されているシンガポールと英国とは、案内時に相互承認の方向性を提示する予定。正式案内時に制度設計途中の見込みである欧米については、順次方向性を公表する。
  • 制度発展に向けた施策
    • IoT製品ベンダーへのラベル取得促進策
      • IoT製品ベンダーに対する制度に関する説明や、自己適合宣言時に参考となるドキュメント(ベストプラクティス、評価ガイド等)の提供
      • 自己評価を行う際に活用できる自動化ツールの提供
      • 各種補助金制度との連携や申請費用・第三者評価費用の割引キャンペーンの実施
      • 海外のIoT製品ベンダーへの本制度の普及
    • 調達者・利用者への制度普及促進策
      • IoT製品ベンダーや小売り事業者等と連携して、本制度の目的、ラベルの意味合い等を消費者に伝えることによるラベル付与製品の需要喚起
      • 各種補助金制度との連携等による中小企業・小規模事業者等の調達者への需要喚起
    • 評価機関・検証事業者への支援
      • 適切な能力及び体制を整備した事業者を「評価機関」として認定する制度の整備
      • 自己適合宣言における評価機関・検証事業者の活用促進
      • 自己適合宣言の評価に必要な能力や前提条件、想定工数等の提示
      • ラベル付与製品毎の情報提供ページへの第三者評価であることの掲載
      • 中小企業のIoT製品ベンダー向けに、評価機関・検証事業者に委託して自己適合宣言を実施する場合の補助金等の支援
    • リスクに対応するための資源の確保策
      • 事案が発生時に損害を広く分散するため、商品付帯方式サイバー保険との連携
      • 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップとの連携やSBOMの活用等による、ラベル付与製品に関わる脆弱性関連情報の適切な共有体制、早期対応の仕組みの構築
    • 制度全体の効率化
      • 審査から登録廃止に至る業務プロセスの効率化・簡素化

~NEW~
経済産業省 「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂されました
  • 令和6年3月14日に「クレジット取引セキュリティ対策協議会第11回本会議」が開催され、クレジットカード取引に関わる事業者が実施すべきセキュリティ対策を定めた「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂されました。
  • 「クレジットカード・セキュリティガイドライン」について
    • 「クレジットカード・セキュリティガイドライン」とは、安全・安心なクレジットカード利用環境を整備するため、クレジットカード会社、加盟店、PSP(※1)等のクレジットカード決済に関係する事業者が実施すべきクレジットカード情報の漏えい及び不正利用防止のためのセキュリティ対策の取組を取りまとめたものです。
    • 同ガイドラインは、割賦販売法に規定するセキュリティ対策義務の「実務上の指針」として位置づけられています。
      • ※1 Payment Service Providerの略。インターネット上の取引においてEC加盟店にクレジットカード決済スキームを提供し、カード情報を処理する事業者。
  • 主な改訂内容
    • クレジットカード情報保護対策
      • 2025年4月以降、全てのEC加盟店は、「セキュリティ・チェックリスト」記載のぜい弱性対策等のセキュリティ対策を実施することを求める。
      • アクワイアラー(※2)・PSPは、EC加盟店に対して「セキュリティ・チェックリスト」に記載されているセキュリティ対策を実施する必要性を周知する。
        • ※2 クレジットカード加盟店を開拓し、加盟店契約を締結する事業者。
    • 不正利用対策
      • 2025年3月末までの、原則全てのEC加盟店におけるEMV 3-Dセキュア導入に向けて、EC加盟店、アクワイラー・PSP、イシュアー(※3)それぞれの取組を記載
        • EC加盟店
          • EC加盟店は、EMV 3-Dセキュアの導入計画を策定し、早期の導入に着手する。
          • 不正利用が多発している加盟店は、EMV 3-Dセキュアの即時導入に着手する。
        • アクワイアラー・PSP
          • 不正利用が多発している加盟店のEMV 3-Dセキュアの即時導入着手など、不正利用発生リスクに応じた2025年3月末までのEMV 3-Dセキュアの導入計画の策定及び導入を働きかける。
          • EC加盟店と新規に加盟店契約する際は、2025年3月末までにEMV 3-Dセキュアを導入することを説明した上で契約する。
        • イシュアー
          • 自社カード会員に対してEMV 3-Dセキュアの登録を強く推進するための取組を行い、2025年3月末時点においてEC利用会員ベースで80%のEMV 3-Dセキュア登録を目指す。
          • 2025年3月末時点でEMV 3-Dセキュア登録会員ベースで100%の「静的(固定)パスワード」以外の認証方法への移行を目指す。
            • ※3 クレジットカードを発行する事業者。
▼ クレジットカード・セキュリティガイドライン[5.0版](改訂ポイント)

~NEW~
経済産業省 サイバーセキュリティお助け隊サービスの新たな類型(2類)の創設に係るサービス基準の改定版を公開しました
  • 近年、中小企業等においてもサイバー攻撃の脅威にさらされており、セキュリティ対策の実践が急務となっていることを踏まえ、経済産業省は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を通じて、セキュリティ対策に必要となる各種サービスを安価にワンパッケージで提供する民間のセキュリティサービスを登録し公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」制度を運用しています。
  • 今般、中規模以上の中小企業のニーズにも応えられるサービスとなるよう、経済産業省はIPAを通じて、同サービスにつき、現行のサービス(1類)の価格要件を緩和するなど要件を拡充等した新たな類型(2類)を創設することとしました。
  • 背景・趣旨
    • 近年、サイバー攻撃が高度化しており、サプライチェーンを構成する中小企業等においてもサイバー攻撃の脅威にさらされているところ、中小企業等においてもセキュリティ対策の実践が急務となっています。このため、経済産業省では、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を通じて、中小企業等のサイバーセキュリティ対策を支援するための相談窓口、システムの異常監視、事案発生時の初動対応支援及び簡易サイバー保険等のサービスをまとめて提供する民間のセキュリティサービスを登録する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」(以下「お助け隊サービス」という。)制度を2021年度より運用しています。
    • 同制度の運用開始から約2年が経過する中、お助け隊サービス提供事業者として42の事業者が登録され、2,000を超える中小企業等に対する支援が行われてきました。一方で、現行基準の価格範囲内(例えば、ネットワーク監視型であれば1万円/月という価格上限あり。)で提供できるスペックでは、一定規模の端末台数を有する企業への提供が困難であるなど、中規模以上の中小企業に対して十分なサービスが提供できないといった課題が見られたところ、中規模以上の中小企業のセキュリティ対策のニーズに応えるサービスを提供可能として同制度をより普及させるため、IPAにおいて有識者等からなるお助け隊サービス制度検討委員会を設置し、現行のお助け隊サービス(1類)を拡充等した新たな類型(2類)の創設について検討を実施しました。今般、当該検討の結果として、現行のお助け隊サービス(1類)を拡充等した新たな類型(2類)を創設し、そのために必要なお助け隊サービスの審査基準の改定を実施しました。
  • お助け隊サービスの新たな類型(2類)の概要
    • お助け隊サービスの新たな類型(2類)へ登録するための要件として、現行(1類)のお助け隊サービスの価格要件を緩和することにより監視対象端末の増加や異常監視の仕組みや機能の追加等のサービスの拡充を可能とした一方で、お助け隊サービス(1類)の提供事業者としての実績、重大サイバー攻撃に関する情報をIPAと共有すること等を新たに求めています。
    • また、お助け隊サービス提供事業者からIPAに共有された重大サイバー攻撃に関する情報は、IPA内で集約・分析等し、お助け隊サービス提供事業者へ情報共有することで、効果的に中小企業における被害拡大防止等を図っていくことを予定しています。
  • 今後の予定
    • 2024度中にIPAが改定されたサービス基準に沿ってお助け隊サービスの2類の適合性審査を開始する予定です。適合となった2類サービスはIPAへ登録され、お助け隊サービスのWebサイトにおいて公表されます。その公表をもって事業者による当該登録サービスの提供が順次開始される予定です。
▼ サイバーセキュリティお助け隊サービスの概要

~NEW~
経済産業省 外国為替及び外国貿易法違反者に対し警告を行いました
  • 経済産業省は、本日、塩出 悠介による外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」という。)違反事件に関し、厳正な輸入管理を求めることを主な内容とする警告を行いました。
  • 事案の概要
    • 塩出 悠介は、令和元年5月4日、北朝鮮を原産地とする酒類を、経済産業大臣の承認を受けずに、自身の手荷物として輸入しました。
  • 当省の対応
    • 本日、貿易経済協力局長名により、塩出 悠介に対し、今後、貿易関連法規に対する理解を深め、厳正な輸入管理を実施するよう求めることを主な内容とする警告を行いました。
    • 警告対象者
      • 塩出 悠介
  • 平成18年10月14日以降、外為法に基づく我が国独自の措置として、北朝鮮を原産地又は船積地域とする全貨物の輸入が禁止されています。

~NEW~
総務省 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第2回)
▼ 資料2-4 サイバー犯罪におけるSMSの不適正利用状況について(警察庁)
  • 「SMS認証代行」とは
    • SMS認証代行とは、ポイントの不正取得やフリマサイトにおける不正出品等に利用するサービスアカウントを不正取得するために、SMS認証を代行する手口
    • SMS認証を代行する者(認証代行者)は、通信事業者とSMS機能付きデータ通信契約を行い、当該契約に係る携帯電話番号や認証コードを認証代行を依頼した者(依頼者)に提供
    • 依頼者は、認証代行者から提供を受けた携帯電話番号、認証コードを悪用し、サービスアカウントを不正取得
  • SMS機能付きデータSIMカードにおける本人確認の強化
    • 警察庁及び総務省において、一般社団法人テレコムサービス協会MVNO委員会に対し、データ通信契約申込み受付時における本人確認手続の強化について検討依頼
    • 令和3年1月、一般社団法人テレコムサービス協会MVNO委員会において、データ通信契約申込み受付時における本人確認手続に関し申合せ
      • SMS機能付きデータ通信契約において、原則、携帯電話不正利用防止法と同一の本人確認方法による契約受付
      • SMS機能が付与されていないデータ通信契約については、社会環境の変化及び不正利用の発生状況を踏まえ、引き続き検討
    • 令和5年11月現在、23社において、SMS機能付きデータ通信契約において、携帯電話不正利用防止法と同一の本人確認方法による契約受付を実施
  • 警察における対策
    • 令和4年9月、京都府警察ほかで、SMS認証代行集中取締りを実施し、認証代行者及び依頼者(6人)をそれぞれ検挙
    • サイバーパトロールによりインターネット上でSMS認証代行の依頼者を募集する者を把握し捜査
      • 他人の本人確認書類を用いてSMS機能付きデータ通信契約を締結
      • インターネット上において、認証代行を募集し、これに応募した者に対して認証代行を実施
      • 認証代行以外にも、SMS機能付きデータ通信契約を不正契約し、特殊詐欺の実行犯に供与
▼ 資料2-5 SMSの不適正利用対策の方向性(案)について(事務局)
  • マルウェア感染端末からのSMS発信対策
    • マルウェア感染端末/回線の特定
    • マルウェア感染端末/回線の利用者への警告/注意喚起
    • マルウェア流通を防止する方策(OSでの対策等)の検討
    • スミッシングメッセージの申告/情報提供の推進
      • ⇒マルウェア感染端末/回線の特定及び利用者への警告/注意喚起の実施を進めてはどうか。スミッシングの申告受付が進んでいないことから、円滑に受け付けられる仕組みを構築してはどうか。
  • SMS配信者・受信者の不適正利用対策
    • SMS発信元の明確化/透明化
      • キャリア共通番号(0005番号)の普及/利用拡大
      • 「海外通信事業者から配信されるSMSへの対策
    • SMS機能付きデータ通信専用SIMカードの契約時の本人確認の現状の把握、更なる推進
    • SMS認証代行事業者への対処
    • SMS配信事業者、通信キャリア間の情報連携、自主的対策の促進
    • RCS(+メッセージ等)の活用推進

~NEW~
総務省 ICTサイバーセキュリティ政策分科会(第3回)
▼ 資料3-1 国際連携に係る取組状況
  • 最近のサイバーセキュリティに関する諸外国の主な動向
    • 2024年3月 「サイバー連帯法」とサイバーセキュリティ法(CSA)の改正
      • 欧州連合理事会は、理事会議長と欧州議会の交渉担当者が、「サイバー連帯法」とサイバーセキュリティ法(CSA)の対象を絞った改正に関する暫定合意に達したと発表した。サイバー連帯法の改正は、サイバーセキュリティの脅威およびインシデントの検出・認識を支援する等を目的としており、CSAの改正は、マネージドセキュリティサービスの認証スキーム等に言及する等、レジリエンスの向上となるもの。
    • 2024年3月 「サイバー危機管理のためのベストプラクティス」
      • 欧州連合サイバーセキュリティ機関(ENISA)は、危機管理強化を支援する「サイバー危機管理のためのベストプラクティス」を公表した。同書は、サイバー危機管理サイクルを4つのフェーズ(予防、準備、対応、復旧)に分類し、各段階で発生する問題への取組を示すもの。
    • 2024年1月 「サイバーセキュリティ認証スキーム」
      • 欧州委員会は、EUサイバーセキュリティ法(CSA)に沿って、初のサイバーセキュリティ認証スキームを採択したと公表した。スキームは、ハードウェアとソフトウェアを保護するため情報通信技術の製品をライフサイクルで認証するもので、NIS2指令の実施を促進する。
    • 2023年7月 「国家安全保障法案」成立
      • 英国の国家安全保障法案が両院を通過し、成立した。この新法は、英国のスパイ防止法を抜本的に見直し、法執行機関及び情報機関の活動をしやすくするという。加えて、英国の民主主義に不可欠な基本的権利を妨害する行為は違法となり、これらの権限は、偽情報やサイバー攻撃、選挙妨害等、あらゆる形態の悪質な活動にも適用される。
    • 2023年1月NTTがJCDCに参加
      • NTTがサイバーセキュリティとレジリエンスに対する米国政府の国際的取り組みをさらに強化するためのイニシアティブである共同サイバー防衛連携(Joint Cyber Defense Collaborative(JCDC))のメンバーに加入。
    • 2024年2月 「Cybersecurity Framework(CSF)」の第2.0版を公表
      • 米国国立標準技術研究所(NIST)は、「Cybersecurity Framework(CSF)」の第2.0版を公表した。CSFの第1.0版は2014年に公表され、サイバーセキュリティリスクを管理するライフサイクルの理解を提供してきた。今回の改定では、重要インフラ以外のあらゆる分野の組織に適用可能とし、また組織のガバナンスにも焦点を当てたという特徴を有する。
    • 日米豪印首脳会合(QUAD)
      • (2022年5月)「日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ」共同原則が公表された。
      • (2023年5月)「オープンRANセキュリティ報告書」及び「ソフトウェア・セキュリティに関する共同原則」が公表された。
    • 2024年3月 重要インフラ安全保障法2018(SOCI法)
      • 豪州内務省は、2024年以降の重要インフラ安全保障法2018(SOCI法)に基づくコンプライアンス規制態勢を見直すと公表した。SOCI法は、インシデント報告義務等、重要インフラ事業社に多くの義務を課しているが、事業者のコンプライアンスを効果的に向上させることを目指す。
  • 国際連携の推進
    • サイバー空間は国境を越えて利用される領域であり、サイバーセキュリティの確保のためには国際連携の推進が必要不可欠なため、各国政府・民間レベルでの情報共有や国際標準化活動に積極的に関与。
    • また、世界全体のサイバーセキュリティのリスクを低減させる等の観点から開発途上国に対する能力構築支援を行うほか、国内企業のサイバーセキュリティ分野の国際競争力向上を図る取組も推進。
      • 有志国との二国間連携の強化
        • 米英豪仏印等の有志国とのサイバー協議等の場を活用した情報発信、意見交換等の実施。
      • 多国間会合を通じた有志国との連携の強化
        • 日米豪印(Quad)上級サイバー会合、OECD/DPCデジタルセキュリティ作業部会、日ASEANサイバーセキュリティ政策会議等の多国間の枠組みを活用した情報発信、意見交換等の実施。IGFにおける議論。
      • ISAC(※)を通じた民間分野での国際連携の促進
        • ※Information Sharing and Analysis Center(情報共有分析センター)の略で、特定の産業界において、サイバー攻撃のインシデント情報等を収集・分析し、業界内で共有することを目的として、事業分野ごとに設立される組織。
        • 米・EU等のISACとの連携推進、ISP向け日ASEAN情報セキュリティワークショップ等の実施。
      • インド太平洋地域における開発途上国に対する能力構築支援
        • 日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)、大洋州島しょ国への能力構築支援の試行、世界銀行との連携等。
      • 国際標準化機関における日本の取組の発信及び各国からの提案への対処
        • 国際電気通信連合等における標準化活動への貢献(ITU-T SG17)(IoTセキュリティ、サイバーディフェンスセンター(CDC)、5Gセキュリテイ等)
      • 国内企業のASEAN地域等に向けた国際展開支援
        • 日本企業のサイバーセキュリティソリューション・製品等の国際展開を目的とした実証事業等の実施。CDCの普及。
  • サイバーセキュリティ分野における国際連携(近年の実績)
    • サイバー空間は国境を越えて利用される領域であり、サイバーセキュリティの確保のためには国際連携の推進が必要不可欠なため、各国政府・民間レベルでの情報共有や国際標準化活動に積極的に貢献。
    • 既存の枠組みを活用し、米国をはじめとする有志国等を中心に総務省のサイバーセキュリティ政策(IoTセキュリティ、5Gセキュリティ、能力構築支援等)に関する情報を発信。
  • サイバーディフェンスセンター(CDC)について
    • ITUにおいて議論されていたサイバーディフェンスセンター(CDC)が、2021年10月、ITU勧告1060(the Framework for creation and operation of a cyber defense centre)として発行された。
    • 本勧告には、日本発のサイバーセキュリティの知見として、政府や各省庁、民間セキュリティ団体の政策やノウハウが取り入れられている。
    • サイバーセキュリティ体制の構築が遅れている発展途上国を対象にCDCの普及展開活動を実施することにより、サイバーセキュリティ分野における我が国の国際的なプレゼンス向上を図る。
    • サイバーディフェンスセンター(CDC)とは
    • 組織活動がデジタル化するにつれ、情報システムへの脅威が、単にシステムへの被害を発生させるだけでなく、経営的な被害や、より物理的あるいは人的な被害までをも引き起こすようになったことを受け、組織全体のサイバーセキュリティリスクを俯瞰する存在が必要。
    • CDCはセキュリティポリシーに沿った組織のセキュリティを確保するため、セキュリティサービスをカタログ化・実施組織の選定及び目標スコアの設定を行い(構築:Build)、それらを短期・長期的なマネジメントによって運用(Management)、さらに定期的な評価(Evaluation)を行う。

~NEW~
国土交通省 今年春に引越をご予定の皆様へ~予約状況のお知らせ~
  • 今年春に引越をご予定の皆様に向けて、「3月~4月の引越予約状況」をとりまとめましたので、是非ご参考にして下さい。
  • 引越予約状況カレンダー(別紙)をご参考にして頂き、引き続き、混雑時期をできるだけ避けた早めのご依頼をお願い致します。特に、4月中旬以降は、比較的余裕がある状況ですので、是非、引越時期の分散(分散引越)に向けてご検討・ご協力をお願い致します。
  • 国土交通省としては、引き続き、経済団体等を通じて、引越時期の分散に向けた取組を実施していくとともに、本プレスリリースの内容についても、幅広く周知して参ります。
  • 分散引越をされた方々からの声
    • 『3月末の土日の引越と比べて、引越代金が安くなった』
    • 『会社の従業員の引越に係るコストを抑えることができた』
    • 『3月の最終週から引越時期をずらすことで、予約が取りやすくなった』
▼ 引越時期の分散に向けたお願い
  • 引越時期の分散について
    • 例年、引越事業においては、3月から4月にかけて依頼が集中しているため、国土交通省では、引越時期の分散に向けて昨年から経済団体等を通じて利用者の方々に呼びかけを行っているところです。
    • 引越時期の分散にご協力いただいた結果、一定程度引越時期の分散が進んでいるところですが、依然として3月・4月に依頼が集中しています。つきましては、本年の引越におかれましても、ピーク時期の引越を避けるなどのご協力・ご検討をお願い致します。
  • 国土交通省における新たな取組
    • 国土交通省では、引越時期の分散に向けて、新たに以下のような取組を実施します。
      • 経済団体等への要請_経済団体を通じて、民間企業の異動時期分散化の検討要請
      • 国土交通省職員の異動_4月期の人事異動に伴う引越を行う職員のいわゆる「赴任期間」の活用
      • その他_全国の地方運輸局における引越のトラブル等に関する情報提供窓口の設置

~NEW~
国土交通省 「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する 特別措置法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定
  • イラン産原油を輸送するタンカーを対象とした損害保険契約等に係る、保険金額の下限、担保上限金額の算定基礎金額及び納付金額を変更する政令改正が、本日閣議決定されました。
  • 背景
    • 平成24年7月以降、EUによる対イラン制裁で再保険の引き受けが禁じられたことから、イラン産原油を輸送するタンカーは、十分な保障契約の締結が困難となりました。
    • 我が国は、引き続きイラン産原油を輸入する必要があったことから、同年、「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法」を制定し、この状況に対応することとしました。
    • 具体的には、イラン産原油を輸送するタンカーを対象として、タンカー所有者と保険者が締結する特定損害保険契約及び特定賠償義務履行担保契約に基づき、政府がタンカー所有者との間で、交付金を交付する契約(特定保険者交付金交付契約)を締結できることとし、事故発生時の損害について、一定金額を上限に保険者に対して交付することとしています。
    • 損害保険契約の保険金額の下限、担保上限金額の算定基礎金額や政府への納付金額については、タンカーに係る保険契約の保険金額の国際的な水準等を勘案し同法施行令で定めているところ、令和6年4月1日以降の特定保険者交付金交付契約の締結のため、同法施行令を改正する必要があります。
  • 政令の概要
    • 特定損害保険契約の保険金額の下限の変更
      • 13億7,000万円(現行)→13億9,000万円
    • 特定賠償義務履行担保契約の担保上限金額の算定の基礎となる金額の変更
      • 1兆1,733億2,918万9千円(現行)→1兆2,235億1,245万9千円
    • 特定保険者交付金交付契約の納付金の金額の変更
      • 2,100万円(現行)→2,000万円
  • スケジュール
    • 公布:令和6年3月21日(木)
    • 施行:令和6年4月 1日(月)

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