危機管理トピックス

外交青書(外務省)/民間事業者の内部通報対応(消費者庁)/AI事業者ガイドライン(経産省)

2024.04.22
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更新日:2024年4月22日 新着30記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 「米独における保険募集にかかる規制に関する調査」の結果の公表について
  • 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第29回)議事次第
  • 「主要国のサステナビリティ情報等の開示・保証の動向に関する調査」報告書の公表について
内閣官房
  • 新しい資本主義実現会議(第26回)
  • グローバル・スタートアップ・キャンパス構想のランディングページを開設しました。
内閣府
  • 令和6年第4回経済財政諮問会議
  • 第1回 孤独・孤立対策推進本部 配布資料
消費者庁
  • 公益通報者保護制度検討会の開催について
  • 事業者による従業員向け消費者教育の推進
  • 民間事業者等における内部通報制度の実態調査の公表について
  • 行政機関における公益通報者保護法の施行状況調査の公表について
  • 公益通報者保護法に基づく是正指導の件数について
  • 公益通報者保護制度相談ダイヤルへの相談件数について
国民生活センター
  • ペダルなし二輪遊具による坂道の事故に注意
  • 国民生活
厚生労働省
  • 内部通報に係る調査の状況について
  • パンフレット仕事と不妊治療の両立
経済産業省
  • 「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」を取りまとめました
  • 「電力先物の活性化に向けた検討会」の結果を取りまとめました
  • ルール形成型の市場創出に取り組む企業を公表します
  • 経済安全保障推進法に基づくクラウドプログラムの安定供給確保に係る供給確保計画の認定等について
総務省
  • デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第16回)配付資料
  • コンビニ交付サービスにおける証明書誤交付に関する原因究明及び再発防止対策等の徹底について(指導)
  • LINEヤフー株式会社に対する通信の秘密の保護及び サイバーセキュリティの確保の徹底に向けた措置(指導)
  • デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第17回)配付資料 ※ワーキンググループ(第15回)合同開催
  • 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第3回)
国土交通省
  • 令和7年4月1日から省エネ基準適合の全面義務化や構造関係規定の見直しなどが施行されます!!
  • 公共工事の施工体制の点検結果を公表します!~令和5年度公共工事の施工体制の全国一斉点検の結果~

~NEW~
警察庁 令和6年2月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
  • 令和6年1~2月における特殊詐欺全体の認知件数は2,259件(前年同期2,816件、前年同期比▲19.8%)、被害総額は63.0憶円(61.7憶円、+2.0%)、検挙件数は850件(1,016件、▲16.3%)、検挙人員は299人(321人、▲6.9%)
  • オレオレ詐欺の認知件数は448件(597件、▲25.0%)、被害総額は19.9憶円(18.5憶円、+7.5%)、検挙件数は203件(316件、▲35.8%)、検挙人員は106人(129人、▲17.8%)
  • 預貯金詐欺の認知件数は267件(379件、▲29.6%)、被害総額は2.4憶円(5.3憶円、▲54.4%)、検挙件数は248件(210件、+18.1%)、検挙人員は検挙人員は80人(73人、+9.6%)
  • 架空料金請求詐欺の認知件数は579件(745件、▲22.3%)、被害総額は13.9憶円(20.1憶円、▲33.9%)、検挙件数は43件(28件、+53.6%)、検挙人員は22人(16人、+37.5%)
  • 還付金詐欺の認知件数は568件(669件、▲15.1%)、被害総額は7.9憶円(7.3憶円、+8.8%)、検挙件数は117件(181件、▲35.4%)、検挙人員は24人(33人、▲27.3%)
  • 融資保証金詐欺の認知件数は33件(32件、+3.1%)、被害総額は0.4憶円(0.5憶円、▲24.6%)、検挙件数は1件(1件、±0%)、検挙人員は0人(3人)
  • 金融商品詐欺の認知件数は99件(22件、+350.0%)、被害総額は15.2憶円(3.5憶円、+333.3%)、検挙件数は0件(0件)、検挙人員は1人(1人、±0%)
  • ギャンブル詐欺の認知件数は3件(5件、▲40.0%)、被害総額は0.1憶円(0.2憶円、▲68.8%)、検挙件数は0件(0件)、検挙人員は0人(0人)
  • キャッシュカード詐欺盗の認知件数は225件(362件、▲37.8%)、被害総額は2.7憶円(5.0憶円、▲46.4%)、検挙件数は237件(278件、14.7%)検挙人員は63人(66人、▲4.5%)
  • 組織的犯罪処罰法違反の検挙件数は58件(41件、+41.5%)、検挙人員は21人(12人、+75.0%)、口座開設詐欺の検挙件数は127件(117件、+8.5%)、検挙人員は49人(64人、▲23.4%)、盗品等譲受け等の検挙件数は0件(1件)、検挙人数は0人(0人)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は526件(447件、+17.7%)、携帯電話契約詐欺の検挙件数は26件(17件、+52.9%)、検挙人員は26人(23人、+13.0%)、携帯電話不正利用防止法違反の検挙件数は7件(1件、+600.0%)、検挙人員は1人(1人、±0%)
  • 被害者の年齢・性別構成について、特殊詐欺全体の男性(36.4%):女性(63.6%)、60歳以上は80.6%、70歳以上は60.1%、オレオレ詐欺の男性(23.2%):女性(76.8%)、60歳以上は89.5%、70歳以上は82.1%、融資保証金詐欺の男性(72.4%):女性(27.6%)、60歳以上は3.4%、70歳以上は82.1%、特殊詐欺被害者全体に占める高齢被害者(65歳以上)の割合について、特殊詐欺全体 71.5%(男性31.5%、女性68.5%)、オレオレ詐欺 86.6%(18.8%、81.2%)、預貯金詐欺 98.9%(9.5%、90.5%)、架空料金請求詐欺 47.8%(67.0%、33.0%)、還付金詐欺 75.8%(36.5%、63.5%)、融資保証金詐欺 0.0%、金融商品詐欺 28.3%(60.7%、39.3%)、ギャンブル詐欺 66.7%(100.0%、0.0%)、交際あっせん詐欺 0.0%、その他の特殊詐欺 11.1%(75.0%、25.0%)、キャッシュカード詐欺盗 97.8%(20.5%、79.5%

~NEW~
外務省 外交青書
▼ 令和6年版外交青書
  • G7広島サミット
    • G7広島サミットでは、分断と対立ではなく協調の国際社会の実現という大きなテーマの下、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くこと、また、G7を超えた国際的なパートナーとの関与を強化することという二つの視点を柱とし、G7による積極的かつ具体的な貢献を打ち出すことができました。また、インド太平洋が様々な議題に通底する重要なテーマとなりました。
    • G7首脳は、招待国・機関を交え、食料、開発、保健、気候変動・エネルギー、環境といった国際社会が直面する諸課題について議論を行い、いわゆるグローバル・サウスと呼ばれる途上国・新興国とも協力してこれらの課題に取り組んでいくことの重要性を確認しました。また、G7、招待国及びウクライナの首脳間で、世界の平和と安定に関する議論を行い、法の支配や、主権、領土一体性の尊重といった国連憲章の諸原則の重要性につき認を共有しました
  • ウクライナ情勢
    • G7広島サミットでは、G7首脳は厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していくことを確認し、「ウクライナに関するG7首脳声明」を発出しました。また、ウクライナのゼレンスキー大統領自身が関連するセッションに対面参加したほか、岸田総理大臣やその他の首脳と会談しました。
    • 12月6日のG7首脳テレビ会議では、冒頭にゼレンスキー大統領の出席も得て、岸田総理大臣から、中東情勢が緊迫化する中でも、G7がロシアによるウクライナ侵略への国際社会の対応を主導する姿勢は不変であることを強調するとともに、公正かつ永続的な平和を実現するため、G7は引き続き結束して対ロシア制裁とウクライナ支援を強力に推進していくとの決意を示しました
  • インド太平洋
    • G7広島サミットでは、岸田総理大臣から「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のための新たなプラン3について説明し、G7としてASEAN諸国や太平洋島嶼国を含むインド太平洋地域との協力を強化していくと述べました。G7首脳は、中国をめぐる諸課題への対応や、核・ミサイル問題、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
  • 食料安全保障
    • G7広島サミットでは、ロシアのウクライナ侵略が世界の食料安全保障に与えている悪影響も踏まえ、G7首脳は世界の食料安全保障を改善するための取組を継続することにコミットしました。また、G7と招待国の首脳は、共同で「強靱なグローバル食料安全保障に関する広島行動声明」を発出し、同声明に示された食料安全保障の危機への喫緊の対応と、強靱で持続可能かつ包摂的な農業・食料システムの構築に向けた中長期の取組をパートナー国と共にとることを約束し、国際社会におけるより広範な協力を呼びかけました。
    • 同声明に基づき、日本は6月に英国・ロンドンで「食料危機に関する輸入国及び輸出国間の対話」を国際穀物理事会と共催しました。その議論の成果文書を9月の国連ハイレベルウィークの機会に日本、イタリア、アラブ首長国連邦(UAE)及び国連食糧農業機関(FAO)が共催したハイレベルイベントで公表しました。
  • 経済的強靱性・経済安全保障
    • G7広島サミットでは、経済安全保障に関して、G7サミットでは初めて独立したセッションを設け、G7首脳は、(1)サプライチェーンや基幹インフラの強靱化、(2)非市場的政策・慣行や経済的威圧への対応強化、(3)重要・新興技術の適切な管理を含め、結束して対応していくことを確認しました。また、経済安全保障はG7が緊密な連携の下で取り組んでいくべき戦略的な課題であるとの認識の下、経済安全保障に関する取組について、G7枠組みを通じて包括的な形で協働し、連携していく意思を確認しました。とりわけ、経済的威圧に関しては、「経済的威圧に対する調整プラットフォーム」の立上げを確認しました。G7首脳は、G7として初めて、経済的強靭性や経済安全保障に関する包括的かつ具体的なメッセージを「経済的強靭性及び経済安全保障に関するG7首脳声明」として発出しました。さらに、クリーン・エネルギー移行のためのサプライチェーン強靱化に関する「G7クリーン・エネルギー経済行動計画」も発出しました。
    • こうした成果を踏まえ、10月28日、29日のG7大阪・堺貿易大臣会合では、経済的威圧についてG7として更なる前進を図っていくことで一致したほか、サプライチェーン強靱化に向けて、より広い国際社会との連携や民間セクターへの関与強化の必要性について一致しました。
    • また、12月6日のG7首 脳テレビ 会議では、岸田総理大臣から、非市場的政策・慣行や経済 的 威 圧への対 応、サプライチェーンや基幹インフラの強靱化、機微技術の管理などにおける連携強化が必要であり、広島サミットでの議論と「経済的強靱性及び経済安全保障に関するG7首脳声明」はその土台であるとして、この分野におけるG7としての今後の連携強化を呼びかけました。
  • 気候・エネルギー
    • G7広島サミットでは、G7首脳は「気候危機」とも呼ぶべき人類共通の待ったなしの課題である気候変動について、G7も太平洋島嶼国もアフリカやその他の地域の国々も一緒に取り組む必要があることを確認し、1.5℃目標*4達成のため、全ての主要経済国が2025年までに世界全体の温室効果ガス(GHG)排出量をピークアウトすることを求めました。また、エネルギー安全保障、気候危機、地政学リスクを一体的に捉え、再生可能エネルギーや省エネの活用を最大限進めつつ、経済成長を阻害しないよう、各国の事情に応じ、あらゆる技術やエネルギー源を活用する多様な道筋の下で、ネット・ゼロという共通のゴールを目指すことの重要性について、共通の認識を確認しました。
    • 加えて、気候資金の動員の重要性および気候変動に脆弱な国や人々への支援の必要性を確認しました。
    • さらに、G7首脳は、国際エネルギー機関(IEA)に対し、(1)エネルギー及び重要鉱物の供給やクリーン・エネルギー製造をいかに多様化するかの選択肢についての提言書の作成、(2)クリーン・エネルギー製造ロードマップの作成、(3)公的部門、金融、企業、研究及びスタートアップ企業の関係者を集めた国際的なフォーラムの開催を要請しました。この要請を受け、エネルギー及び重要鉱物の供給やクリーン・エネルギー製造をいかに多様化するかの提言書が12月にIEAから発表されました。
  • ジェンダー
    • 日本は、G7日本議長年を通じて、ジェンダー主流化の推進に向けて各課題に対する政策を一体的に扱うことの重要性を訴え、G7の関係閣僚会合においてもジェンダー平等及びあらゆる多様性をもつ女性及び女児のエンパワーメントについて議論が行われました。このように様々な政策分野にジェンダーの視点を取り入れるジェンダー主流化を更に前進させるために提唱されたのが「ネクサス・アプローチ」であり、G7広島首脳コミュニケにも明記されました。「ネクサス・アプローチ」は、政策間の有機的なつながりを重視するものです。
    • 政策を互いに連携・調整し、一体的に取り組むことが重要であり、これにより相乗効果が発揮され、ジェンダー平等の達成に向けた進捗が期待できるという考え方です。
    • G7広島サミットでは、岸田総理大臣から、ジェンダー主流化の推進に向けて「ネクサス」を作り出すことが重要であることを強調し、防災への適用を含む女性・平和・安全保障(WPS)アジェンダの促進、女性の経済的自立などを例に、様々な取組を有機的に連携させていくと発言しました。参加国・機関からは、これに賛同する発言がありました。
  • デジタル、AI
    • G7広島サミットでは、G7首脳は、生成AIや没入型技術(メタバースなど)に関する、G7の価値に沿ったガバナンスの必要性について確認したほか、生成AIに関する議論を行うための「広島AIプロセス」を立ち上げました。また、G7首脳は、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)具体化のための国際的枠組み(IAP)の設立を承認しました。
    • 12月1日のG7デジタル・技術大臣会合では、広島AIプロセスを通じて、「全てのAI関係者向けの広島プロセス国際指針」及び「高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際行動規範」を含む、「広島AIプロセス包括的政策枠組」が合意され、12月6日のG7首脳テレビ会議で承認されました。これは、AIについて世界で初めて関係者が遵守すべきルールを包括的に定めた画期的なものであり、急速に進展する生成AIのガバナンスについて、G7が効果的かつ迅速に対応できていることを世界に力強く示しました。
    • 同じくG7デジタル・技術大臣会合では、「DFFTの具体化に関するG7デジタル・技術閣僚声明」及びIAPの組織詳細についてまとめた附属書を採択し、IAPに関する取組の進捗を確認しました。
  • 日本のパレスチナ・ガザ地区における取組
    • 日本は、10月7日以降のパレスチナ・ガザ地区を巡る情勢を受け、国際機関を通じた緊急人道支援や補正予算による追加的な人道支援のほか、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じた同地区への物資支援を実施しています。
    • 11月8日には、第1弾としてテントや毛布などの支援物資をエジプトのエル・アリーシュ空港に輸送し、エジプト及びパレスチナ赤新月社などの協力によりガザ地区内に届けました。それらの物資はその後避難所で使用されています。12月1日には、第2弾として、包帯、ガーゼ、手術用グローブなどの医療消耗品を同空港に輸送し、エジプト及びパレスチナ赤新月社の協力によりガザ地区に届けました。この時は、在エジプト日本国大使館及びJICAの職員が、エジプト赤新月社への支援物資の引き渡しに立ち会ったほか、空港からラファハ検問所(エジプトとガザ地区の境界にある検問所)までの支援物資の搬送の流れや搬入のボトルネックについて現地調査を実施しました。届けられた医療消耗品は、ガザ地区内の病院や保健センターなどの医療施設に配布され、随時使用されています。
    • また、12月25日より(2024年1月下旬まで)JICAを通じて、ガザ地区における緊急人道支援・保健医療分野におけるニーズを調査するため、隣国のエジプト(カイロ)に医師などから構成される調査チームを派遣しました。同チームは、医療資源を適切に配分するために現地で緊急医療支援の調整に当たる世界保健機関(WHO)と連携し、日本の災害緊急援助のノウハウを活用した医療データ管理分野の調整業務支援を実施したり、エジプト保健省と協力してパレスチナの人々の緊急人道支援ニーズの確認をしました。
    • 日本は、ガザ地区の人道状況改善や事態の沈静化に向けて粘り強い外交努力を継続しつつ、関係諸国との協力の下、国際機関やJICAを通じた支援を引き続き行っていきます。
  • 経済安全保障を取り巻く動向
    • 近年、安全保障と経済を横断する領域で様々な課題が顕在化しており、安全保障の裾野が急速に拡大している。例えば、窃取され又は流出した先端的な民生技術が他国において軍事転用されるおそれ、外国政府の影響を受けたサプライヤーが情報通信など重要インフラ施設の安定的な運用を害するおそれ、重要な物資の他国への過度な依存に伴う供給途絶のおそれ、サプライチェーン上の優位性や自国市場の購買力を梃子に政治的目的を達しようと他国が講じる経済的威圧を受けるおそれなどが生じている。
    • 経済的手段に関連したこうした様々な脅威が生じていることを踏まえ、日本の平和と安全や経済的な繁栄などの国益を経済上の措置を講じて確保すること、すなわち経済安全保障の重要性が高まっている。2022年5月には、サプライチェーンの強靱化、基幹インフラの安全性と信頼性の確保、先端的な重要技術の開発支援、特許出願の非公開の四つを柱とする経済安全保障推進法が成立し、順次制度運用が開始されるなど、日本でも取組が加速している。同年12月に日本政府が新たに策定した「国家安全保障戦略」でも、経済的手段を通じた様々な脅威が存在していることを踏まえ、日本の自律性の向上、技術などに関する日本の優位性、不可欠性の確保などに向けた必要な経済施策に関する考え方を整理し、総合的、効果的かつ集中的に措置を講じていくことが記されている。また、経済安全保障の取組を強化・推進するため、2021年11月からは、内閣総理大臣を議長とし、外務大臣が構成員である経済安全保障推進会議が開催されている。
    • また、2023年6月に閣議決定した新たな「開発協力大綱」においては、開発の観点からもサプライチェーンの脆弱性によって多様な分野で負の影響が生じ得ることが明らかになったことを踏まえ、日本の開発協力の重点的取組の一つとして、開発途上国の経済社会の自律性・強靭性を強化するため、サプライチェーンの強靭化・多様化や経済の多角化、重要鉱物資源の持続可能な開発、食料の安定供給・確保などのための協力を推進していくことを掲げた。これらの取組は、開発途上国の持続的成長のみならず日本にとっても重要であり、これらの課題解決に資する人材育成・法制度整備、周辺インフラ整備などの支援に積極的に取り組んでいくこととしている。
  • 治安上の脅威に対する取組
    • 良好な治安を確保し、国民の生命などを守ることは、様々な社会経済活動の前提であり、国の基本的な責務である。科学技術の進展、新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という。)のまん延といった社会情勢の変化もあいまって急速に複雑化、深刻化している国際的なテロや組織犯罪といった治安上の脅威に効果的に対処するためには、国際社会全体が協力して取り組むことが不可欠である。
  • テロ及び暴力的過激主義対策
    • 2019年末以降、新型コロナの感染拡大により、人々の情報通信技術への依存が高まり、テロを取り巻く環境にも大きな影響があった。テロリストは、ガバナンスの脆弱化、貧困、人種・民族問題の顕在化による社会的分断など、新型コロナの流行を受けた社会の新たな状況にも適応しつつ、アジアを含む各地域でテロ活動を継続し、また、インターネット・SNSを使った過激思想の拡散あるいは勧誘行為、さらには、暗号資産などを使用しテロ資金獲得を図るといった傾向も顕著に見せるようになった。
    • 2023年10月、日本はG7議長国としてG7ローマ・リヨン・グループ会合27を東京で開催し、テロ・コンテンツ対策を含むオンライン・テロ対策に関する議論を深めるため、GIFCT(テロ対策に関するグローバル・インターネット・フォーラム)を招待した。
    • さらに、日本は、2016年のG7伊勢志摩サミットで取りまとめた「テロ及び暴力的過激主義対策に関するG7行動計画」に則り、これまで、テロ対処能力構築の取組として、国際刑事警察機構(インターポール)のデータベース活用促進やテロ資金対策を実施しているほか、テロの根本原因である暴力的過激主義を防止するため、対話などを通じた穏健な社会の促進や教育を通じた取組の実施、また、刑務所における更生支援のための取組を含む法執行機関の能力構築支援を実施してきた。これらに加えて、主に東南アジア地域におけるテロ及び暴力的過激主義対策を着実に推進するために、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)、インターポール、国連開発計画(UNDP)などの国際機関を通じ、各機関の強みをいかしたプロジェクトを実施している。
    • また、過去20年間にわたり継続して行っている取組として、インドネシア、マレーシア及びフィリピンからイスラム学校の教師を招へいし、宗教間対話、異文化交流、日本の教育の現場の視察などを行う交流を実施している。
    • 2020年、2021年と新型コロナにより実施を見送ったが2022年から同事業を再開した。異なる価値を受け入れる寛容な社会・穏健主義拡大への貢献のため、今後も継続して実施していく。
    • このほか、二国間・三国間テロ対策協議、日米豪印テロ対策作業部会などを通じて、テロ情勢に関する情報交換や連携の強化などを確認しつつ、実践的な協力を強化してきている。
    • さらに、テロ対策の要諦は情報収集であるとの認識に基づき、2015年12月、日本政府は国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)を設置し、政府一体となった情報収集を官邸の司令塔の下に行ってきている。海外における邦人の安全確保という重要な責務を全うするため、引き続きCTU-Jを通じた情報収集を更に強化し、テロ対策及び海外における邦人の安全確保に万全を期していく。
  • 腐敗対策
    • 持続的な発展や法の支配を危うくする要因として指摘される腐敗への対処に対する国際的な関心が高まる中で、日本は、贈収賄、公務員による財産の横領などの腐敗行為に対処するための措置や国際協力を規定した国連腐敗防止条約(UNCAC)の締約国として、同条約の効果的履行や腐敗の防止・撲滅のための国際協力の強化に向けた議論に積極的に参加している。9月には、UNCACレビューメカニズム(締約国間の相互審査)において、同条約上の犯罪化及び法執行(第3章)並びに国際協力(第4章)の規定に係る日本の実施状況に関する審査の結果についてのエグゼクティブ・サマリーが公表された。また、G20の枠組みで開催される腐敗対策作業部会の活動にも積極的に参加し、法執行関連の国際協力強化や腐敗防止に責任を有する当局の清廉性の促進など、腐敗対策の諸分野に関するハイレベル原則の策定に貢献した。
    • さらに2022年8月には、G20腐敗対策作業部会が設置されて以来2回目の開催となる閣僚会合に出席し、国際的な腐敗対策に係る枠組みを強化するための議論を経て、「G20閣僚会合成果文書及び議長総括」が採択された。そのほか、UNAFEIを通じて日本で汚職防止刑事司法支援研修を実施している。
    • OECD贈賄作業部会は国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約(外国公務員贈賄防止条約)の各締約国による履行状況の検証を通じて、外国公務員に対する贈賄行為の防止に取り組んでおり、日本も積極的に参加している。
  • マネー・ローンダリング(資金洗浄)・テロ資金供与対策
    • マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策については、国際的な枠組みである金融活動作業部会(FATF)が、各国が実施すべき国際基準を策定し、その履行状況について相互審査を行っている。また、近年、FATFは、大量破壊兵器の拡散につながる資金供与の防止対策にも取り組んでおり、北朝鮮による不正な金融活動の根絶を求めるFATF声明を発出している。
    • 日本は、設立時からのメンバー国として、これらの議論に積極的に参加している。なお、2021年6月のFATF全体会合において第4次対日相互審査報告書が採択され、同年8月末に公表された。この報告書で指摘された改善事項について、日本は着実に対応策を実行・準備している。
    • 加えて、日本は、テロ資金供与防止条約の締約国としてテロ資金対策を行っているほか、国連安保理タリバーン制裁委員会及び同ISIL及びアル・カーイダ制裁委員会の指定を受け、または、国連安保理決議第1373号30に基づく日本独自の対応として、テロリスト等に対する資産凍結などの措置を実施している。政府は、2023年10月7日のハマスなどによるイスラエルへのテロ攻撃を受けて、国連安保理決議第1373号に基づき、10月31日にハマス関係の9個人及び1団体を資産凍結などの措置の対象に指定した後、12月26日にはハマス関係の3個人を追加指定している。2023年12月末時点では、合計410個人及び120団体に対し資産凍結などの措置を実施している。
  • 人身取引対策・密入国対策
    • 日本は、手口が一層巧妙化・潜在化する人身取引犯罪に効果的に対処するため、「人身取引対策行動計画2022」に基づき、国内体制を強化し、また、開発途上国に対する支援にも積極的に取り組んでいる。例えば、2023年も、国際協力機構(JICA)を通じ、日本を含むアジア各国の関係者の人身取引対策(特に、予防、被害者保護・自立支援)に関する取組の相互理解及びより効果的な地域連携の促進を目的とする研修事業を引き続き実施した。さらに、2022年1月からJICAを通じたタイ政府に対する技術協力を実施しており、2023年8月にはメコン地域の人身取引対策関係者のネットワーク強化を目的とした人身取引対策のためのワークショップを開催した。また、同年3月からJICAを通じたカンボジア政府に対する技術協力を実施しており、関連機関による人身取引被害当事者への支援能力の向上を目指している。国際機関との連携としては、国際移住機関(IOM)への拠出を通じて2023年も継続して、日本で保護された外国人人身取引被害者の母国への安全な帰国支援及び帰国後に再被害に遭うことを防ぐための社会復帰支援事業を行った。また、UNODCが実施する東南アジア向けのプロジェクトへの拠出を通じ、法執行当局に対する研修を始めとする対応能力強化支援を実施した。
    • 日本は、人身取引議定書及び密入国議定書の締約国として、人身取引や移民の密入国対策のため、諸外国との連携を一層深化させている
  • 不正薬物対策
    • 日本は、UNODCと協力し、違法薬物の原料の生産や新たな合成薬物の製造、密輸などの取締りに関係する調査、分析情報の整備や連携ネットワークの維持拡大に貢献している。また、国境を越える国際的な薬物取締りの実地的な能力強化、薬物原料植物の違法栽培に代わる作物の生産などの支援及び取締り関連情報の整備を進めるとともに、薬物対策分野における地域ごとの開発課題を考慮しながら、世界各地に拡散する不正薬物の対策に取り組んでいる。
  • 外国人材の受入れ・共生をめぐる取組
    • 日本国内で少子高齢化や人口減少が進行しつつある中、中小・小規模事業者を始めとする各事業者の深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく特定技能制度が2019年4月に創設された。外務省は、法務省、厚生労働省及び警察庁と共に同制度の制度関係機関として、送出国との情報連携の枠組みなどを定める協力覚書の作成や同覚書に基づく二国間協議に参画しているほか、主要送出国の現地語による広報を行っている。
    • さらに、新たな外国人材の受入れ及び日本で生活する外国人との共生社会の実現に向けた環境整備については、政府一体となって総合的な検討を行うため「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」が設置されており、6月に「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」(令和5年度一部変更)及び「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和5年度改訂)」が決定された。また、外務省では、国際移住機関(IOM)との共催で「外国人の受入れと社会統合のための国際フォーラム」を毎年開催しており、受入れに係る具体的課題や取組について国民参加型の議論の活性化に努めている。

~NEW~
金融庁 「米独における保険募集にかかる規制に関する調査」の結果の公表について
▼ (別添)「米独における保険募集にかかる規制に関する調査」結果
  • 企業向け損害保険にかかる保険募集規制の特徴
    1. 募集行為全般にかかる規制
      1. 情報提供義務
        • 企業向け損害保険においては、企業と保険会社間の契約であることから、消費者保護のための情報提供義務等は課されていない。
      2. 不公正な取引の禁止
        • 禁止事項
          • 企業向け保険の販売に際しても自動車保険と同様に、保険会社、保険代理店、保険ブローカー等は、被保険者への保険料の割戻、特別の利益提供を行うことを禁止される。また、25米ドルを超える価値ある誘因物を提供すること、又は提供の申出を行うことも禁止している。本条の規定に違反した場合には、違反者は各違反につき合計500米ドルの罰金を支払わなければならない。
        • 反競争的行為の禁止
          • 企業向け保険に関して、共同保険となる場合には、保険会社間で調整が行われるおそれがあることから、ISCでは以下のとおり、反競争的行為を禁止している。
            • 保険会社は、保険事業を独占する又は企てる、若しくは独占のために他の者と共同若しくは共謀してはならない
            • 保険会社は、料率の課徴又は維持のために、他の保険会社等と協定を締結してはならない。ただし、例外として保険会社等は他の保険会社の間で統計情報を互いに交換することができる。
            • 保険会社は、取引を制限するために、他の保険会社等と協定を締結してはならない
            • 保険会社は、他の保険会社等との間で、競争を実質的に制限する効果を有する協定を締結してはならない
            • 保険会社による他の保険会社の資本株式、資産の取得、保有、又は他の保険会社との共同経営が、実質上競争を制限する効果を有する場合は、保険会社は、かかる取得、保有又は共同経営を行ってはならない
            • 保険会社は、保険の販売に関連して特定の者との取引を拒絶するために、他の保険会社等と協定を締結してはならない
            • 上記に違反して設定された保険料率については,保険監督官は手続に従って不承認としなければならず、各違反者には罰金が科せられる。保険監督官(法務長官を通じて)、及び禁止されている行為によって事業又は財産に損害を被った者は、同項の違反を差止める訴訟を提起することができる
            • 禁止されている行為に起因して自身の事業又は財産が損害を被った者は、訴訟を提起することができ、被害額の3倍に相当する額を回収することができる
    2. 利益相反にかかる規制
      • 保険会社と保険代理店の間の利益相反
        • 保険会社と保険代理店の関係
          • 前述のとおり、保険会社と保険代理店の間には、代理店契約が締結され、保険販売の代理権や各種の権限が付与される。
        • 保険会社から保険代理店への出向
          • 企業向け保険に関しても個人向け保険と同様、保険会社の社員による独立代理店への出向は、ほとんど実例がない模様である。その理由としては、特に保険会社から独立保険代理店へ従業員を出向させると、保険代理店がアクセスできる他の保険会社に関する営業秘密を出向者が閲覧できる弊害があるからである。
          • 例外として、保険会社が専属代理店を持つ場合、保険会社の管理体制に組込まれていため、弊害が少ないことから、保険会社から専属代理店への出向も行われている。
        • 保険会社と企業内保険代理店の関係
          • 我が国においては、企業内代理店(企業グループに属する保険代理店)から当該グループ企業が企業向け保険を契約する場合がある。これに対して、米国では、企業内代理店は一般的ではないと思料される。
      • 保険会社と企業との間の利益相反
        • 資本関係、株式の持ち合い(政策保有株式)による影響
          • 米国において、偶発的な株の持ち合いが発生することはあるものの、我が国のように取引関係を強化するために意図的に保険契約者たる顧客の株を持ち合う商慣行は見られない。
          • 保険会社が保険代理店や保険ブローカーに出資することはあるが、取引関係を強化する目的ではなく、健全な投資として妥当なリターンを期待する目的で投資を行うとのことである。
    3. 手数料にかかる規制及び開示
      1. 規制概要
        • 手数料に関する開示
          • ニューヨーク州においては、保険募集の際、保険契約者に対する保険プロデューサー(保険代理店又は保険ブローカー)の役割に加え、保険プロデューサーが手数料を受領するか否かを説明し、さらに求められた場合には、手数料の詳細を開示しなければならない。
        • 企業向け保険における保険代理店の手数料体系
          • 保険会社が、保険代理店に対して支払うコミッションは、契約で定められており、通常、保険料の2~8%の範囲であり、成果に応じて変動する。一般に、内容が複雑でリスクの説明が難しい商品を扱う保険会社では、コミッションが高く設定される傾向にある。この仕組みにより、契約金額に基づき、一定割合のコミッションを設定し、契約高が特定水準に達すると料率を引上げることが多く、保険代理店は特定の保険会社との取引を増やすインセンティブになる。
        • 企業向け保険における保険ブローカーの手数料体系
          • 保険契約者である企業が保険ブローカーに支払うフィーは、主にコンサルティングサービスに対するものである。保険ブローカーの保険契約の手配を含むサービスを提供したことに対する対価は、通常は一律料金又は時間料金で計算される。
          • 保険ブローカーは、通常、顧客企業と保険会社から二重に手数料を受領することはなく、一方から手数料を受領する。
      2. 手数料率をめぐるパワーバランス
        • 企業向け保険の場合において、保険会社間での競争が激しく、保険契約者である企業は手数料率設定に関して最も力を持たない。手数料率の価格決定権は主に保険会社にあり、規制の枠組内ではあるものの、広範な裁量権を持っている。また、企業向け保険に関しては、保険会社間の競争はあるものの、保険会社と保険代理店、保険ブローカーの間における手数料率の交渉においては、保険会社が有利な立場にあるようである。
    4. キャプティブ保険会社
      • 概要
        • キャプティブ保険会社とは、保険会社ではない企業等が自らのリスクを引受けさせるために設立し、自社や関連会社のリスクを補償させる保険会社である。
        • 企業は、キャプティブ保険会社を利用することで、自社に最適な形でリスクを受容することができ、最適な保険を手配することができる。また、保険代理店や保険ブローカーを介する必要がないことから、手数料の削減等にもつながるメリットがある。
      • キャプティブ保険会社の種類
        • 純粋なキャプティブ保険会社
          • 純粋なキャプティブ保険会社とは、産業被保険者(industrial insured)の子会社であり、産業被保険者が100%所有している、あるいは産業被保険者の法定子会社であって、親会社及び関連会社のリスクを補償する保険又は再保険の提供を主たる目的として、認可により成立するものである。
            • 「産業被保険者」とは、以下の被保険者を指す。
              • 純資産が1億米ドルを超える者
              • 純資産が1億米ドルを超える持株会社制度の一員であること
              • 都市交通局及びその法定子会社
              • ニューヨーク州及びその法定子会社の権限を有する者
              • 人口100万人以上の都市における者
        • 団体キャプティブ保険会社
          • 産業被保険者グループを構成する産業被保険者の危険を補償する保険又は再保険を提供することを主たる目的として、認可された国内保険会社を指す。

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金融庁 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第29回)議事次第
▼ 資料2 コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラムのフォローアップと今後の方向性について(案)
  • 総論
    • 課題
      • 他方で、企業及び投資家における取組みの具体的な内容に目を向けてみると、コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードへの対応が形式的なコンプライにとどまっているとの指摘や、各主体の間で取組みの質に大きな差があるとの指摘もある。また、こうした「差」のより具体的な要因として、企業の規模等に応じたエンゲージメントの担い手が不足しているとの指摘もある。
    • 今後の方向性(案)
      • 今一度、各コードがプリンシプルベースかつコンプライ・オア・エクスプレインのアプローチを採っている趣旨に立ち返り、すべての企業・投資家において、共通して必要となる対応に加え、各主体の規模や置かれた状況に応じ、きめ細かく必要な取組みを検討することが必要ではないか。こうした観点からは、各コードを形式的に遵守することより、むしろ丁寧にエクスプレインすることも重要ではないか。
      • また、こうしたコーポレートガバナンス改革の実質化に向けた取組みについて、各主体において検討・開示するのみならず、中長期的な企業価値の向上という目的に応じた成果を追求し、着実に実践に移すことが重要ではないか。
  • スチュワードシップ活動の実質化
    • 課題
      • チェックボックスを埋めるような形式的な対話が行われており、投資先の深い理解に基づく建設的な目的を持った対話や、双方向の対話が行われていないとの指摘がある。協働エンゲージメントについても、単に協働するのみならず、テーマを絞った意味のある対話が行われることが重要との指摘がある。また、対話の担当部門、議決権行使の担当部門、運用部門等が分離しており十分な連携が図られていないなど、対話と議決権行使を一体とした実効的なエンゲージメントが行われていないとの指摘がある。
      • そもそもスチュワードシップ・コードへの対応についてはその遵守状況が確認されていないため、実際の取組みを点検することが必要ではないかとの指摘がある。
    • 今後の方向性(案)
      • エンゲージメントを一層実効的なものとするため、上記の報告書による提言を踏まえ、協働エンゲージメントの促進や実質株主の透明性確保に向けてスチュワードシップ・コードを見直すことが考えられる。併せて、上記課題での指摘について、議決権行使と対話は点と線の関係にあり、議決権行使(点)に至るまでの対話の過程(線)で、どのような対話をすることが重要かという意識をもつことが重要であり、その点も踏まえてスチュワードシップ・コードを見直すことが考えられる。その際、スチュワードシップ・コードの見直しに際し留意すべき点や、他に見直しが必要と考えられる点は何か。
      • また、上記の課題の解決に向けて、望ましいエンゲージメントや望ましくないエンゲージメントについて、投資家・企業等の関係者の意見も踏まえ、具体的な事例や一定の目線を共有することが有用であると考えられるが、どうか。金融庁及び東証において実施されたヒアリングにおいては、例えば、投資家による他社事例の共有が社内へのフィードバックを含め自社の取組みを進めるにあたり参考となったとの意見や、一回限りではなく継続性のある議論が建設的な対話に資するとの意見があったが、どう考えるか。こうした視点も踏まえ、一層実効的なエンゲージメントの実現に向けて、スチュワードシップ・コードの遵守状況をどのように確認していくべきか。
  • 取締役会等の実効性向上(独立社外取締役の機能発揮)
    • 課題
      • 独立社外取締役の選任や、指名委員会・報酬委員会の設置が進む一方で、社外取締役や各委員会の議長・委員長が果たすべき役割の認識が共有されておらず、未だ取締役会が実効的には機能していないとの指摘がある。また、こうした社外取締役等の質の評価が実質的には行われていないとの指摘がある。
    • 今後の方向性(案)
      • 取締役会の実効性向上に向けては、今一度、関係者の役割や、取締役会において建設的な議論が行われているかについて確認することが重要であると考えられるが、どうか。具体的に、例えば、社外取締役、取締役会の議長、指名委員会・報酬委員会の委員長や取締役会事務局が真に果たすべき役割や機能について理解を共有するとともに、こうした役割や機能がより一層適切に発揮されるためには、どのような方策が考えられるか。
  • 収益性と成長性を意識した経営
    • 課題
      • 上記の要請を踏まえ、多くの上場企業において取組みが進められているとの評価があるが、一方で、国内外の投資家等からは、各企業の取組みの更なる進展を期待する声も寄せられている。例えば、要請を踏まえた対応について、緊張感を持って経営の重要課題と位置付ける企業と、形式的な対応に終始する企業に二極化しているとの指摘がある。
    • 今後の方向性(案)
      • 上記の指摘も踏まえ、継続して各企業の取組みの状況をフォローアップし、実質的な対応を促すことが必要と考えられるが、その際、特に留意が必要と考えられる点は何か。例えば、開示の状況を確認するのみならず、(以下でも指摘するとおり)開示の内容と実際の取組みの内容が乖離していないか、取締役会における議論や投資家との対話において具体的な議論が行われているか、こうした対応におけるリソースが確保されているか等について着目することなどが考えられるが、このほか考えられる点はあるか。
  • 情報開示の充実及びグローバル投資家との対話促進
    • 課題
      • 企業の情報開示は充実してきている一方、開示している内容と実際の取組みの内容が乖離しているとの指摘がある。また、情報開示のタイミングに関し、有価証券報告書の株主総会前の開示を含め、投資家が必要とする情報が効果的・効率的に提供される必要があるとの指摘がある。
      • また、プライム市場上場企業を中心として、更なる企業価値向上に向けては、グローバル投資家とも積極的に対話を行う必要があるとの指摘がある。
    • 今後の方向性(案)
      • 情報開示による透明性の向上が、市場からの信頼につながると考えられるが、企業における実質的な開示の充実に向けて留意すべき点は何か。
      • 今後、英文開示の義務化を踏まえた状況をフォローアップすることが必要であると考えられる。さらに、アクション・プログラムにおいて提示された取組みであるグローバル投資家の期待に自律的、積極的に応える企業群の「見える化」のため、一定の要件を満たす企業群について、資本収益性や市場評価、成長性等に関する指標や、独立社外取締役の選任状況等のコーポレートガバナンスの状況を示す具体的なリストを作成することが考えられる。こうした取組みを含め、グローバル投資家との対話の促進に向けてどのような取組みを進めていくべきか。
  • 市場環境上の課題の解決
    • 課題
      • 政策保有株式について、各社において縮減に向けた取組みが進められている一方、議決権行使の状況を含む実態を踏まえた開示等の適切な対応がなされていないとの指摘がある。特に保有目的について、純投資目的への変更についてはその理由の開示が求められていないことから、実態が不透明となっているとの指摘がある。その要因として、例えば、社内の関係者間(IR担当や営業担当等)で認識に差があるとの指摘もある。また、他方で形式的に売却することは必ずしも望ましくなく、発行会社の経営の支援等を通じて保有の合理性を説明し得るような場合もあるため、適切に検証を行う必要があるとの指摘がある。
    • 今後の方向性(案)
      • 従属上場会社について、少数株主保護に向け、上記の東証の要請も踏まえ、引き続き、各社において開示を含む取組みが進められることが重要と考えられるが、このほか必要と考えられる点は何か。
      • 政策保有株式について、今一度、コーポレートガバナンス・コードに照らした保有目的の適否の検証や開示が重要と考えられるが、そのあり方についてどう考えるか。
  • サステナビリティを意識した経営
    • 課題
      • サステナビリティを意識した経営を促すためには、「企業価値」の考慮にあたり、社会的価値と経済的価値を分けて考えるべきではなく、非財務情報と財務情報とのつながりを意識する必要があるとの指摘がある。また、サステナビリティを巡る課題への対応について、執行の問題と捉えられており、取締役会による監督の役割に関する認識が不足しているとの指摘もある。
      • このほか、ダイバーシティの確保に向けては、数値目標を達成するのみならず、必要な能力を有していることや、社内での人材育成が重要であるとの指摘がある。加えて、グローバル人材やジェンダーといった観点での多様性を意識するのみならず、これらを踏まえた「意見」の多様性を確保し、多様な観点から経営課題を議論することが、中長期的な企業価値の向上に資するとの指摘がある。
      • また、各社固有のコーポレート・カルチャーこそが企業価値を創出・維持する礎となるものであり、経営や対話にあたり常にコーポレート・カルチャーを意識することが中長期的な企業価値をさらに高めていくために重要との指摘がある。
    • 今後の方向性(案)
      • 中長期的な企業価値の向上に向けたサステナビリティを巡る課題への対応にあたっては、上記指摘のとおり、例えば、財務情報と非財務情報とのつながりを意識すること、取締役会による監督の役割、コーポレート・カルチャーを意識した経営や対話も重要であると考えられるが、このほか重要と考えられる点は何か。
      • ダイバーシティの確保に向けては、企業の特性や成長段階に応じ、多様性の確保や人材育成方針の策定を含め、人的資本への投資等に配意することが必要と考えられるが、このほか重要と考えられる点は何か。
      • また、企業経営が、パンデミックやサイバーセキュリティリスク、地政学リスクなどの様々なリスクに、サプライチェーン全体を通じてさらされる中、有事における「復元力」の発揮など、「レジリエンス」を意識した経営について、どう考えるか。

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金融庁 「主要国のサステナビリティ情報等の開示・保証の動向に関する調査」報告書の公表について
▼ (別添2)「主要国のサステナビリティ情報等の開示・保証の動向に関する調査」概要
  • 今回のサステナビリティ情報の開示についての調査対象国(米国、シンガポール、韓国、英国及びカナダ)においては、サステナビリティ情報開示の適用時期は、企業の規模に応じて段階的に適用される傾向にあることが確認された
  • 開示基準についてはISSB基準又はISSB基準を基に国内の特殊性を考慮した基準を使用する傾向がある
  • サステナビリティ情報の開示タイミングは、財務情報開示と同じであることが多い
  • 米国において、気候関連開示におけるセーフハーバールールが導入されたことが確認された

~NEW~
内閣官房 新しい資本主義実現会議(第26回)
▼ 資料1 基礎資料
  • 世界のコンテンツ市場規模の推移を見ると、日本は世界第3位。2021年は12.9兆円。中国は、2013年に日本を抜き世界第2位へ。2021年時点で日本の2倍の市場規模(27.2兆円)。
  • 世界のコンテンツ市場の規模は、石油化学産業、半導体産業よりも大きい。日本由来コンテンツの海外売上は、鉄鋼産業、半導体産業の輸出額に匹敵する規模。
  • 日本のコンテンツの海外売上のジャンル別の割合は、ゲームが59%、アニメが31%、出版が7%、映画・テレビが3%。
  • 日本はアニメ、家庭用ゲームの海外収入では中国、韓国に勝り、実写映像の海外収入では韓国を下回る。PC・スマートフォン向けゲームでは中国・韓国を下回る。
  • 創造性の研究で高名な米国のペリー・スミス教授(エモリー大学ビジネススクール)の研究では、アイディアの源を生み出す段階では、他者とのつながりにおいて、オープンで接触回数の少ない「弱いつながり」が有効。他方で、アイディアを作り込む段階では、組織内で接触回数の多い「強いつながり」が有効としている。我が国では、会社を中心とした「強いネットワーク」の人間関係には秀でているが、今後、革新的なコンテンツの創造活動を行っていくためには、我が国でも、オープンで広い人的ネットワークのエコシステムを形成する必要がある。
  • 世界のコンテンツ市場は、今後もデジタルコンテンツが成長を牽引する見通し。日本は、分野により、デジタル化に遅れ気味。
  • 映像による海外収入は、米国が一番大きく、144億ドル。日本の映像による海外収入は、9.7億ドルでアニメが8割。韓国の映像による海外収入は、8.7億ドルでテレビ番組が8割。
  • 世界興行収入が高い作品ほど、制作費が高い傾向が見られる。
  • アニメ制作会社の海外売上高は、増加傾向(651億円)。海外の地上波放送や有料チャンネル放送において、「ドラゴンボール」、「ポケットモンスター」等が継続して放送されていることが理由。
  • 日本各地にアニメの聖地巡礼地が存在。インバウンド観光客のうち聖地巡礼者数は115万人、アニメ関連グッズの購入額は350億円。潜在的な聖地巡礼者の需要は260万人と見込まれ、4,000億円の国内消費支出が期待されている。
  • テレビの東京キー局すべてにおいて、過去6年間で、広告収入が減少し、これと相関して、番組制作費も減少。
  • 世界のNetflixの会員数と売上高は年々拡大。2020年時点で世界売上は250億ドル。日本のテレビ局4局の制作費を合計しても、Netflixの制作費の4分の1。
  • 世界の音楽市場は縮小から2015年以降デジタル化(特にストリーミング)により反転し、286億ドルに。日本の音楽市場は、音楽ソフト(CD等)が66%、音楽配信(ストリーミング等)が35%であり、デジタル化が遅れている。
  • 音楽は、個人が製作・販売が可能な状況に変化しつつある。Spotifyで再生される音楽のうち、メジャーレコード会社の比率は減少しつつあり、音楽家個人による流通やこれに準ずる流通経路が拡大している。
  • 検索が可能なサブスクリプションサービス(月単位または年単位で定期的に料金を支払い利用するサービスの形式)の増加に伴い、発表日が意味をなさなくなってきている。CD自体は新譜が売上げの大半だったが、現在は旧譜(18か月以上前発表)が7割を占める状況(米国の場合) 。旧譜が充実した日本には有利であり、「日本ブランド」の確立の契機。他方で、旧譜については、我が国の慣行から、利用が難しいとの議論があり、契約の適正化が課題
  • 音楽市場のストリーミング化の裏側で、リアルな接触を求めて、世界のコンサート収益(スポンサー権利+チケット売上)は、コロナ期を除き年々増加。2023年~2030年の年平均成長率は4%と分析
  • 雑誌の販売金額は、1997年以降右肩下がりで、2022年には3分の1まで縮小。一方で電子出版の市場規模は、大きく増加。スマホで読める等の電子コミックの増加分が大半
  • メディアミックス展開がなされた原作の売上総合計は、日本の国内市場で、原作売上を1とした場合、最大7.95倍に達する。
  • キャラクターが誕生してからの累積収入(USドルベース)ランキングでは、世界のTOP25の約半分にポケモン、ハローキティ、マリオ等の日本発コンテンツがランクインしている。

~NEW~
内閣官房 グローバル・スタートアップ・キャンパス構想のランディングページを開設しました。
  • 今、世界には気候変動、環境汚染、感染症、少子高齢化というグローバルな社会課題が多数存在しています。
  • こうした社会に深く根差した課題を解決に導きながら経済成長のエンジンへと転換するために、「ディープテック」の研究を推し進め、新たなスタートアップの創出を目指すのが「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」です。
  • 2028年度以降、東京の都心(渋谷・目黒)にフラッグシップ拠点を設立し、世界から優秀な研究者や起業家、投資家を招き、知恵と資源を結集。
  • 研究開発から社会実装までをシームレスに実現することで、世界を舞台に活躍する日本発のスタートアップを生み出すことを目標にしています。
  • 世界の未来を創るため、国内外から集結した次世代のイノベーション人材が、これまでの価値観や既存の組織のルールにとらわれずに自由に活躍できる「実践の場」を提供します。
  • ディープテック分野に特化し、研究開発からビジネス展開までの支援をシームレスに実施。
  • 大学などの国内機関と世界トップクラスの海外研究機関との共同研究により生まれた最先端の研究成果をもとに、既存の産業構造を変えるスタートアップを世の中に生み出し、社会変革を起こします。
  • 日本から世界に挑戦するスタートアップを創出しながら、国内外のスタートアップ拠点とも連携し、世界が注目する新たな「グローバル・イノベーション・エコシステム」を日本国内に創り上げます。
  • 世界トップクラスの研究環境
    • Collaboration
      • 日本のみならず世界各地の研究機関からトップクラスの研究者を集め、日本人研究者と海外研究者によるディープテック分野の共同研究を行います。
    • Diversity
      • 研究成果をスタートアップ創出につなげるため、研究者のみならず、世界中から投資家や起業経験者などの人材を集めます。多様な人材がその能力を最大限発揮できるように英語を公用語とし、自由に意見をぶつけ合える環境を実現します。
    • Environment
      • 海外のトップクラスの研究機関並みの研究環境を整備するほか、既存のルールにとらわれずに自由な発想で若手が中心となって活躍できる環境を実現します。また、ここで活動するさまざまな人材が長期にわたって活き活きと活躍できる快適な環境とするとともに、異分野同士の交流により、新たな発想やネットワークの創出を可能とする環境も整備します。
  • 世界基準の起業サポート
    • Entrepreneurial support
      • 知財、ビジネス支援の専門スタッフが国内外のベンチャーキャピタルやアクセレーターと連携し、生み出された成果をもとにした事業創出を支援します。起業家育成に向けたビジネス教育プログラムも併せて実施します。
    • Capacity building
      • チームビルディング・マーケティング・ファイナンス・特許申請など、世界を舞台に活躍する起業家育成に向けた教育プログラムを実施します。
    • Network
      • 国内外のエコシステムの関係者や異業種とのコミュニティ形成をサポート。協業などの機会を創出します。
  • 研究・運営資金
    • Government
      • 研究・イノベーションに向け、約10年間で約640億円の予算を確保。将来的には、持続可能な運用体制構築を目指します。
    • Sponsorship
      • 商用化のポテンシャルを持つ研究に対して、民間企業によるスポンサーシップで戦略的連携を図ります。
    • Endowment
      • 寄付などを原資とする独自の基金として運営。その運用収益を研究活動の資金として使用します。
  • 感染症、少子高齢化、地球温暖化など、世界が直面しているさまざまな課題解決に向けて、グローバル・スタートアップ・キャンパスでは、以下に代表されるようなディープテック分野での研究に取り組む予定です。
    • バイオテクノロジー
      • 遺伝子や細胞など、生命そのものの持つメカニズムを解き明かし、新たな製品を開発する研究分野。医療、農業、環境保全に至るまで、さまざまな課題解決のカギとなります。
    • クライメットテック
      • 地球温暖化の原因を理解し、その対応策などを開発することを目指す研究分野。気候モデリングや再生可能エネルギーの開発、脱炭素技術など、研究範囲は多岐にわたります。
    • AI・ロボティクス
      • 高度な機械学習アルゴリズムを用いて、自律的に思考し、行動できる機械やシステムの開発に集点を当てた研究分野。製造業などはもちろん、災害対応、環境モニタリングなどにも活用できます。

~NEW~
内閣府 令和6年第4回経済財政諮問会議
▼ 資料1 持続的な経済成長に向けた「グローバル戦略」及び「GX・エネルギー戦略」(有識者議員提出資料)
  • 少子高齢化が加速する中で持続的経済成長を実現するためには、①ASEAN・インド・アフリカ等のいわゆるグローバルサウスとの連携強化等により、我が国の生産性の引上げと経済安全保障の強化を図るとともに、②今後の競争力を左右するエネルギーについて、低コストで安定供給するとともに、我が国の強みを活かした革新的エネルギー技術の実装・海外展開により、エネルギーを成長産業化することが重要。こうした観点から、以下、提言する。
    1. グローバル戦略
      • 高い成長が見込まれるグローバルサウス等の海外活力を取り込むため、モノ(貿易拡大)、カネ(投資強化)、ヒト(人材強化)の観点から「グローバル戦略」を抜本的に強化することが重要。
        • 【貿易拡大(モノ)】中小企業の海外進出の抜本拡大に向け、海外販路開拓を支援しつつ、貿易DXと物流DXを組み合せ、サプライチェーン全体を一気通貫したデジタル化を。
        • 【投資強化(カネ)】我が国では対外直接投資が対内直接投資を大幅に上回り、企業部門が大幅な貯蓄超過となる中、①対内直接投資の拡大、②対外直接投資が日本に裨益する取組の強化を推進すべき(対外直投と輸出拡大の組合せ、対外投資収益の資金還流の促進等)。
        • 【人材強化(ヒト)】グローバルに活躍する人材を育成するため、初等中等教育段階からのグローバル教育・海外留学を推進。海外の高度若手人材の受入れに向けて、例えば、アジアのトップ人材受け入れのためのビザ取得要件の緩和、若手外国人の企業への就職・定着を促進。
        • 【分野横断】貿易・投資等の拡大に向けて、CPTPP/RCEP等の経済連携の強化が重要。その上で、グローバルヘルス分野での貢献拡大等、我が国の知見・技術も活用した地球規模課題解決の取組等によって、グローバルサウスとの関係強化を戦略的に進めるべき。
    2. GX・エネルギー戦略
      • 革新的な技術開発等によって、脱炭素・低コスト・安定供給を両立させるエネルギー需給構造を実現しつつ、エネルギー自給率を大きく高めることを目指して、KPIを掲げて取り組むべき。具体的には、以下のように、「GX・エネルギー戦略」を再構築することが重要。
        • 当面は、エネルギーコストを抑制しつつ、再生可能エネルギーを最大限導入することとし、原発について、地元理解を得つつ安全性確保を前提に再稼働を進めることが重要。
        • 将来的には、抜本的な脱炭素とコスト削減を両立する、技術革新によるブレークスルーが鍵。
          • GX投資の効果最大化のため、成果の見える化と進捗管理により投資対象を絞り込むべき。
          • 革新的な技術開発を進め、水素、浮体式洋上風力、ペロブスカイト太陽電池、二酸化炭素回収・貯留(CCS)、小型モジュール炉(SMR)、革新的原子炉(高速炉・核融合を含む)等から、国内の社会実装・商業化の道筋をつける中で日本の勝ち筋を見出し、海外展開を推進すべき。
          • 支援措置と規制措置を組合せることによる、省エネ・脱炭素分野での新民需創造(住宅・建築物の省エネ、EV/水素自動車等)と世界市場への進出を促進すべき。
    3. 2つの戦略の実行におけるスタートアップの活用
      • 上記の2つの戦略の実行においては、政府調達等を活用したスタートアップ育成によって、社会課題解決に向けた新技術の社会実装を加速することが鍵となる。
      • その際、日本人の起業家・従業員による、国内市場を重視した「国内型」のスタートアップ育成にとどまらず、海外スタートアップの誘致、スタートアップによる海外展開等を促進すべき

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内閣府 第1回 孤独・孤立対策推進本部 配布資料
▼ 資料3:孤独・孤立対策重点計画の策定に向けて
  • 社会構造の変化(単身世帯の増加、働き方の多様化、インターネットの普及など)により、家族や地域、会社などにおける人との「つながり」が薄くなり、誰もが孤独・孤立状態に陥りやすい状況。
  • 加えて、コロナ禍により社会環境が変化し、孤独・孤立の問題が顕在化・深刻化。
  • 今後、単身世帯や単身高齢世帯の増加が見込まれる中、孤独・孤立の問題の深刻化が懸念される。このため、社会に内在する孤独・孤立の問題に対し、政府として必要な施策を着実に実施するべく、令和3年2月に孤独・孤立対策担当大臣が司令塔となり、これまで対策を推進
  • 孤独・孤立対策のこれまでの主な取組
    1. 政府一体となった対策の推進
      • 令和3年2月より、孤独・孤立対策担当大臣が司令塔となり、政府一体となって孤独・孤立対策を推進
      • 孤独・孤立対策推進会議(全省庁の副大臣で構成)を開催し、総合的・効果的な対策を検討・推進
    2. 関係予算による施策の推進
      • 令和3年3月、孤独・孤立対策に取り組むNPO等を対象に、予備費等を活用した約60億円の緊急支援策を策定。令和6年度予算までの各年度、継続的に支援を実施
      • 令和6年度予算では、都道府県や中間支援組織を支援するための交付金を創設
    3. NPO等との連携・意見聴取
      • 令和3年に「孤独・孤立を防ぎ、不安に寄り添い、つながるための緊急フォーラム」「孤独・孤立に関するフォーラム」を開催
      • 令和4年2月25日に「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」を設立
      • 令和4年4月の総合緊急対策及び令和4年10月の総合経済対策で、地方版孤独孤立対策官民連携プラットフォームの推進、関係団体が連携して統一的に24時間相談を受け付ける窓口体制の推進
    4. 情報発信の充実
      • 孤独・孤立に関する各種支援制度や相談先を一元化し、情報発信するホームページ(「あなたはひとりじゃない」)を令和3年に公開(18歳以下向け/一般向け)
      • 孤独・孤立対策キャンペーンの開催(令和4年2月~6月、令和5年8月)
    5. 施策の更なる充実
      • 孤独・孤立の実態把握に関する全国調査を実施し、調査結果を施策の充実に活用(令和3年調査:令和4年4月8日公表、令和4年調査:令和5年3月31日公表、令和5年調査:令和6年3月29日公表)
      • 孤独・孤立対策の重点計画を令和3年12月に策定、令和4年12月に改定
      • 孤独・孤立対策推進法の成立(令和5年5月31日成立、6月7日公布、令和6年4月1日施行)
  • 孤独・孤立対策重点計画
    1. 重点計画の策定に向けて
      • これまでは、孤独・孤立対策担当大臣を議長とし、全省庁の副大臣で構成された孤独・孤立対策推進会議において、令和3年12月に「孤独・孤立対策の重点計画」を策定(「孤独・孤立に関するフォーラム」や有識者会議での意見を反映) 。孤独・孤立の実態調査結果や官民連携プラットフォームの検討成果等を踏まえ、令和4年12月に改定。
      • 孤独・孤立対策推進法に基づく「孤独・孤立対策重点計画」については、上記の既存の重点計画や、有識者会議でとりまとめられた 「孤独・孤立対策重点計画」に盛り込むべき事項等に関する意見を踏まえつつ、「孤独・孤立対策推進会議」において、必要に応じ、地方公共団体、孤独・孤立対策地域協議会又は関係機関等の意見を聴き、策定することとしてはどうか
    2. (参考)既存の重点計画
      • 基本理念
        • 孤独・孤立双方への社会全体での対応
        • 当事者や家族等の立場に立った施策の推進
        • 人と人との「つながり」を実感できるための施策の推進
        • 「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」、「相互に支え合い、人と人との「つながり」が生まれる社会」を目指す
      • 基本方針
        • 孤独・孤立に至っても支援を求める声を上げやすい社会とする
          • 孤独・孤立の実態把握
          • 支援情報が網羅されたポータルサイトの構築、タイムリーな情報発信
          • 声を上げやすい・声をかけやすい環境整備
        • 状況に合わせた切れ目のない相談支援につなげる
          • 相談支援体制の整備(電話・SNS相談の24時間対応の推進等)
          • 人材育成等の支援
        • 見守り・交流の場や居場所を確保し、人と人との「つながり」を実感できる地域づくりを行う
          • 居場所の確保
          • アウトリーチ型支援体制の構築
          • 保険者とかかりつけ医等の協働による加入者の予防健康づくりの推進等
          • 地域における包括的支援体制の推進
        • 孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動をきめ細かく支援し、官・民・NPO等の連携を強化する
          • 孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動へのきめ細かな支援
          • NPO等との対話の推進
          • 連携の基盤となるプラットフォームの形成(国・地方の官民連携プラットフォーム)
          • 行政における孤独・孤立対策の推進体制の整備

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消費者庁 公益通報者保護制度検討会の開催について
  • 趣旨
    • 平成16年に、公益通報を行った者の保護を図るとともに、事業者の法令遵守を図ること等を目的として、公益通報者保護法が制定された(平成16年法律第122号。平成18年4月施行)。
    • 令和2年には、公益通報者保護制度の実効性を高めるため、事業者に対して、内部公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制(内部公益通報対応体制)の整備その他の必要な措置の義務付けや公益通報者の範囲の見直しなどを措置する改正が行われた(令和2年法律第51号。令和4年6月施行)。
    • 今般、令和2年の改正法の施行から一定期間が経過したことから、近年の公益通報者保護制度を巡る国内外の環境の変化や改正後の公益通報者保護法の施行状況を踏まえた課題について検討を行うため、有識者により構成する「公益通報者保護制度検討会」(以下「検討会」という。)を開催し、令和6年中をめどに取りまとめを行う。
  • 検討に当たっての視点
    • 近年の公益通報者保護制度を巡る国内外の環境の変化
    • 改正後の公益通報者保護法の施行状況と課題
    • その他
  • 委員(別紙参照)
    • 検討会の委員は、消費者庁長官が委嘱するものとする。
    • 検討会に座長及び座長代理を置き、座長及び座長代理は消費者庁長官があらかじめ指名する者とする。
  • 事務局
    • 検討会の庶務は、消費者庁参事官(公益通報・協働担当)室において処理する

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消費者庁 事業者による従業員向け消費者教育の推進
▼ 研修説明資料
  • 消費者教育とは
    • 消費者教育は、「消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する教育」です。
    • 消費者教育が育成を目指す「自立した消費者」とは、以下の3段階に分けられます。
      1. 被害にあわない消費者
      2. 合理的意思決定のできる消費者
      3. 社会の一員として、よりよい市場とよりよい社会の発展のために積極的に関与する消費者(消費者市民社会の形成に参画)
  • 消費者教育の推進に向けた「企業への期待」
    • 「消費者教育の推進に関する法律」に基づき、子供から大人まで、様々な場を通じた「消費者教育」の機会の提供が図られています。
    • 「職域」も教育の場の1つとされ、企業にも従業員研修などを通じた実践が求められています
  • 従業員への消費者教育研修に期待される効果
    • 従業員個人の生活の安定・向上
      • 従業員の自立を支援しながら、安心な暮らしや将来の人生設計等、健やかに暮らしていくためのライフスキルを習得することにより、社員がより活き活きと充実した毎日を過ごしながら、仕事のモチベーションを向上させることに役立ちます。
    • 企業価値向上に資する人材の育成
      • 消費者教育研修では、企業に求められている社会的責任を学び、自らの消費生活とリンクながら消費者理解を深めることで、「社会・環境課題の解決への意識」と 「消費者視点で事業を創造する力」を習得します。時代に即した企業活動を創造する人材を育むことで、企業価値の向上に資することが期待できます。
  • 「消費者志向経営」の担い手を育む消費者教育研修
    • 公正で持続可能な社会の構築を目指し、消費者の「エシカル消費(人や社会・環境に配慮した消費行動)」の普及・促進を通じて社会を変えていく取組みが拡大しています。そして「エシカル消費」と両輪の取組みとして、消費者と共に社会課題を目指す企業の経営が「消費者志向経営」です。
    • 消費者教育研修は、社会課題解決に向けた消費者と企業の役割を理解を深めることにより、消費者志向経営への意識を育み、消費者理解を踏まえたより良い企業活動のあり方の創造につなげます。

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消費者庁 民間事業者等における内部通報制度の実態調査の公表について
▼ 民間事業者の内部通報対応―実態調査結果概要―
  • 従業員数300人超の事業者(1,905者)の92%が制度を「導入している」と回答しており、平成28年度調査時(82%)と比べて、10%ポイント増加した。また、300人以下の事業者(1,488者)についても、47%が「導入している」と回答しており、前回調査時(26%)から21%ポイント増加した。従業員数300人超の事業者は、上場企業(996者)のほぼ全てが「導入している」、非上場事業者(907者)の17%は、「導入していない」と回答
  • 内部通報制度を「導入している」と回答した事業者(2,448者)のうち、窓口の年間受付件数が「0件」、「1~5件」又は「把握していない」と回答した事業者は全体の65%。平成28年度調査では、この割合は全体(1,592者)の77%であり、12%ポイント改善したが、依然として窓口の活用は限定的。従業員数3,000人超の事業者では、窓口の受付件数に幅はあるが、全体として増加傾向
  • 内部通報制度を「導入している」と回答した事業者(2,448者)のうち、従業員への周知方法として、「研修を実施している」(入社時の研修等を含む)との回答割合は、全体の57%。「トップメッセージの発出」と「研修」の両方を実施している事業者(506者)の割合は、全体の21%で、どちらか一方の取組みしかしていない、又はどちらも実施していない事業者と比べ、窓口の件数が多い傾向。
  • 内部通報窓口の年間受付件数を「把握している」と回答した事業者(2,303者)のうち、件数を従業員に「開示している」割合は、全体の34%。件数を一般に「公表している」と回答した事業者の割合は、18%。
  • 件数を公表している理由は、「ESG評価機関が件数の開示や報告を求めるから」が全体(424者)の61%、次に多い理由は、「取引先や機関投資家等からの要請や期待に応えるため」で51%。2019年12月に、EUで50名以上の事業者に内部通報窓口の設置等を義務付ける「公益通報者保護指令」が公布され、多くの加盟国で法律が施行されるなど、世界的に通報対応の法制化が進んでおり、事業者の内部通報対応の取組みが、ガバナンス(G)の一要素として評価されるようになっていると言える。
  • 法が求める内部通報対応の「従事者」指定義務(※令和2年改正で通報者を特定する情報の守秘義務、守秘義務違反時の罰則を規定)について、従業員数300人超の非上場事業者の92%が当該義務を「知っている」と回答。「知っているが、担当者を指名していない」との回答が全体(2,373者)の11%を占め、その理由は、「上司などに情報が共有されており、特段、不都合もないため」が約半数で最多だった。
  • 法の指針が求める通報対応のための内部規程の策定義務について、回答事業者(2,373者)の91%が「知っている」と回答しているが、15%は、「知っているが、内部規程の策定まではしていない」と回答。指針が求める「法の教育・周知」について、通報を理由とする不利益取扱いの禁止を「特段、周知していない」との回答が全体(2,248者)の14%を占めた。
  • 通報を理由とする不利益取扱いの禁止を「従業員に周知していない」と回答した理由は、「当然のことであり、敢えて周知する必要性を感じていない」が最多であり、全体(309者)の44%を占めた。匿名通報について、回答事業者(2,373者)の91%が「実名と同様に対応する方針」だが、全体の27%が、「(同様に対応する)方針を周知をしていない」又は「方針を決めていない」又は「原則、対応はしない」と回答。
  • 内部通報制度の導入効果について、制度を「導入している」と回答した事業者(2,442者)の81%が、「従業員のコンプライアンス意識の向上に繋がっている」、73%が「違反行為を是正する機会の拡充に繋がっている」とポジティブに評価。「効果を感じていない」との回答は10%だった。「効果を感じていない」と回答した事業者(197者)の72%が、窓口の年間受付件数を「0件」と回答。
  • 内部通報制度を導入している事業者(2,442者)の「不正発見の端緒」は、「(窓口や管理職等への)内部通報」が最多で77%、「内部監査」や「上司による業務チェック」を上回っている。平成28年度調査では、この割合は、全体(1,607者)の59%であり、内部通報の役割は、一層高まっていると考えられる。窓口の受付件数が多い事業者ほど、「内部通報」の回答割合が上昇する傾向が認められる 。
  • 従業員数300人超の回答事業者が、制度を導入していない理由は、「どのように仕組みを整備すればいいのかわからないから」が全体(160者)の40%、「経営上・組織運営上の不利益がないから」が24%。従業員数300人以下の回答事業者が、制度を導入していない理由は「努力義務にとどまるから」が最も多く、全体(779者)の約半数。次に「経営上・組織運営上の不利益がないから」が45%。
  • 内部通報制度を「導入している」と回答した事業者(2,448者)のうち、外部に窓口を設置している事業者は、全体の79%。平成28年度調査時には、この割合は67%であり、13%ポイント上昇している。内部通報制度を「導入している」、かつ、「国外に拠点を有する」と回答した事業者(1,323者)のうち、国外拠点から、多言語で通報を受け付けている事業者の割合は、全体の43%。
  • 「取引先の従業員・役員」は法律上、保護される通報者の範囲に含まれているが、これらの者から通報を受け付けている事業者は、制度を「導入している」と回答した事業者(2,448者)の41%。平成28年度調査時(43%)から2%ポイント減少した。令和2年の法改正で、「退職後1年以内の元従業員」が通報者としての保護を受けられるようになったが、これらの者を通報受付の対象としている事業者は、全体の71%。
  • 業種別に見ると、回答を提出した従業員数300人超の事業者は、一部の業種を除き、95%以上が内部通報制度を「導入している」と回答している。
  • まとめ(現状と課題)
    • 事業者調査への回答は任意(有効回答率は3割程度)であり、法律や法の指針に適切に対応し、運用実績のある事業者の方が、積極的に回答を提出する可能性がある(回答者バイアスを排除できない)が、全体として、以下の傾向が認められる。
      • 令和2年の公益通報者保護法改正の効果もあり、内部通報制度を「導入している」と回答した事業者は増えている。また、従業員数300人超の非上場事業者が、法や法の指針の内容について、「知っている」と回答した割合は9割を超え、制度の認知度も上がっている。
      • 窓口の年間通報受付件数は「0件」、「1~5件」の事業者が大半を占め、窓口の活用は道半ばだが、窓口の受付件数が多い事業者は、ほぼ全ての事業者が、上司や内部通報窓口への「内部通報」を「不正発見の端緒」として捉えている。また、不正発見の端緒として「内部通報」の回答割合は最も高い。
      • 「トップメッセージ」と「研修」を組み合わせることで、内部通報窓口への通報件数は増加する傾向にあり、窓口の活性化には、周知の工夫や頻度の向上が効果的である。
      • ESG評価機関や機関投資家は、事業者の内部通報への対応をガバナンスの一要素として評価しており、一定割合の事業者が、内部通報の受付件数を公表する主な理由となっている。
      • 従業員数300人超であっても、内部通報の方法や不利益取扱いの禁止等について、法律の指針が求める規程の整備や周知を行っていない事業者が一定割合存在しており、内部通報窓口が設置されていても、通報に対して組織的な対応が行われていない可能性がある。

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消費者庁 行政機関における公益通報者保護法の施行状況調査の公表について
▼ 行政機関における公益通報者保護法の施行状況調査 結果概要
  • 府省庁(24)及び都道府県(47)の内部通報窓口設置率は、100%。
  • 市区町村(1,741)の内部通報窓口設置率は70%(1,212機関)。このうち、従業員数が300人超の市区町村(974)の窓口設置率は、89%(868機関)。
  • 市町村の設置率は、平成29年3月時点より15%増加。
  • 府省庁(24)の内部通報に対応する従事者の指定率は、100%。
  • 都道府県(47)の内部通報に対応する従事者の指定率は、96%(45機関)。
  • 市区町村(1,741)の内部通報に対応する従事者の指定率は、54%(945機関)。このうち、従業員数が300人超の市区町村(973)の従事者の指定率は、73%(710機関)
  • 府省庁(24)の内部通報対応に係る内部規程の制定率は、100%。
  • 都道府県(47)の内部通報対応に係る内部規程の制定率は、98%(45機関)。
  • 市区町村(1,741)の内部通報対応に係る内部規程の制定率は、48%(838機関)。このうち、従業員数が300人超の市区町村(974)の制定率は、68%(664機関)
  • 従業員300人超の行政機関に勤める公務員が、勤め先の内部通報窓口を認知している割合は45%、内部通報窓口の存否が不明な者は、44%となっている。
  • 従業員300人超の行政機関に勤める公務員が窓口を知ったきっかけは「社内研修・説明会」が43%で最多、次に社内掲示板・イントラネットが多い。他方で、職員等に研修を実施している割合は7%に過ぎず、周知・研修等を実施していない行政機関の割合は22%に上る。
  • 外部の労働者等からの通報の受理件数、是正措置を講じた件数は、平成29年度から令和4年度にかけて増加しており、公益通報者保護法を一部改正する法律の施行後(令和4年6月1日)の令和4年度の件数が最多

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消費者庁 公益通報者保護制度相談ダイヤルへの相談件数について
  • 令和4年度3,174件
  • 令和5年度3,738件
  • (参考)公益通報者保護制度相談ダイヤルについて
    • 公益通報者保護法の内容や解釈に関する企業や従業員の方々からのお問い合わせ
    • 通報対応に関する行政機関からの相談
    • 通報を考えている方の適切な通報先に関するお問い合わせ
      などを受け付ける窓口として消費者庁に設置している。

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国民生活センター ペダルなし二輪遊具による坂道の事故に注意
  • 内容
    • 事例:ペダルなし二輪遊具で車道の端を走っていた。坂道を下ったところで縁石に乗り上げ、排水溝のふたの上に前のめりに転倒した。額を3針縫い、頭蓋骨骨折のため、7日間入院となった。ヘルメットは着用していなかった。(当事者:4歳)
  • ひとことアドバイス
    • ペダルなし二輪遊具は、自転車に乗る前にバランス感覚を養う幼児用遊具です。地面を蹴って走行し、足を使って減速するためブレーキがついていないものもあります。
    • ペダルなし二輪遊具は、坂道や交通のひんぱんな道路などでの使用は禁止されています。坂道を滑走してしまった場合、傾斜によっては短い距離でも大人が追いつけない速度になります。坂道では絶対に使用させないようにしましょう。
    • 転倒した際の頭部への衝撃やけがを減らすため、ヘルメットを必ず着用させましょう。さらに、プロテクターなどの保護具も併用させるとよいでしょう。
    • 子どもだけで使用させず、必ず保護者が立ち会い、慣れた場所でも子どもから目を離さないようにしましょう。

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国民生活センター 国民生活
▼ フェアトレード-あなたの消費で世界を変える-最終回 フェアトレードの輪を広げる(2)
  • 政府による支持・支援
    • 政府としてすぐできることはフェアトレードを支持し、支援することです。欧州諸国の政府は早くからフェアトレードへの支持を表明し、フェアトレードを推進、実践する活動に資金を出す等の支援を積極的に行っています。
    • 日本はというと、残念ながら中央政府による支持、支援は実現していません。個々のフェアトレード活動に“ケースバイケース”で補助金を出す程度で、国際協力の一形態として正面から認知し、支援しているわけではないのです。
    • 現在日本で“公的”に支持、支援しているのはフェアトレードタウンに認定された地方自治体(熊本、名古屋、札幌など6市)にほぼ限られています。今後は中央政府が正面切ってフェアトレードへの支持を表明し、支援に踏み出すことを期待したいと思います。
  • フェアトレード調達
    • 政府セクター(中央政府、地方政府、政府関係機関)は、実は“一大消費者”でもあります。
    • 日本の政府による消費額はGDP(国内総生産)の約21%にも上ります。その政府が物品を購入する際にフェアトレード製品を率先して購入すれば(フェアトレード調達と言います)間違いなくフェアトレードの市場は大きく拡大し、認知率もぐっと高まることでしょう。
    • 欧州諸国ではフェアトレード調達が一般化していますが、日本ではいくつかのフェアトレードタウンで、学校給食にフェアトレードのごまが使われたり、作業服にフェアトレード・コットンが使われたりしているだけです。
    • 日本政府は環境によい製品を優先的に購入する「グリーン調達」を2001年から始めています。
    • それにとどまらず「フェアトレード調達」にも乗り出すよう願ってやみません。
  • 消費者教育の推進
    • フェアトレードを広げるには、消費者教育がとても重要です。幸いなことに日本でも2012年に「消費者教育推進法」が施行されました。それは「消費者市民社会」、つまり“自らの消費行動が現在および将来の世代にわたって内外の社会経済情勢や地球環境に影響を及ぼしうることを消費者が自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会”の実現を目指す法律で、そこで言う「消費者市民社会」は、まさにフェアトレードが目指してきた社会そのものです。
    • 日本の消費者に“権利”だけでなく、社会経済や環境に影響を及ぼす“責任”を自覚してもらうこの消費者教育は、幼児から高齢者まで対象にしていて、現場ではフェアトレードが格好の教材として使われています。前回お話しした「一石三鳥」の効果を考えると、幼児期からフェアトレードへの理解を深める消費者教育に国や自治体が力を入れていって欲しいと思います。
  • エシカル消費の普及
    • 近年フェアトレードの追い風になっているのが社会(生産者、労働者、地域社会など)や環境に配慮した「エシカル(倫理的)消費」です。欧米では新自由主義政策の波に乗って企業がグローバルに活動し始めた1980年代末から活発化しました。利益の追求に走るあまり環境や社会への悪影響を顧みない企業に対して、市民がエシカル消費を掲げて立ち上がったわけです。
    • 日本でエシカル消費への関心が高まったのは2010年代に入ってからでした。政府(消費者庁)も2015年に「『倫理的消費』調査研究会」(筆者も参加)を立ち上げたのを皮切りにエシカル消費の旗を振っています。先の消費者教育とリンクさせながら政府・自治体がエシカル消費を普及していくことが期待されます。
  • 企業(ビジネス)と人権
    • 企業に対しては今「人権尊重」を求める動きが大きな“うねり”となって押し寄せています。
    • そのきっかけとなったのが2011年に国連人権理事会で全会一致の支持を得た「ビジネスと人権に関する指導原則」です。この原則は企業に人権を尊重する責任があることを明確にするとともに、責任を果たす具体策を提示しました。
    • それが、人権リスクの特定・防止・軽減や被害の救済、是正策の実施、情報の公開といった一連の対策を求める「人権デュー・デリジェンス(相当な注意義務、略して人権DD)」です。
    • 指導原則で特筆すべきは、企業が直接関わっていなくてもサプライチェーン上で起きた人権侵害について責任を問う点です。現代のサプライチェーンは下請け、孫請け、さらにその先へと何層にも、そして遠く途上国にも伸びています。以前であれば、下請けよりも先で起きた人権侵害については“関知していない”で済まされ、フェアトレード団体やNGOが対応に当たってきました。そこに“無関係”という言い逃れを認めない指導原則が成立したことは、フェアトレードが目指す“公正な経済社会”の実現に光明が差したと言うことができるでしょう。
    • 指導原則の成立を受けて各国は具体的な行動計画作りを進めていて、日本政府も2020年に「『ビジネスと人権』に関する行動計画」を策定しました。ただ、日本の行動計画は人権DDを導入するよう企業に“期待する”だけの腰の引けた内容にとどまっています。
    • 一方、EUでは罰則つきの「人権・環境DD義務化指令」が成立まであと一歩のところに来ています。この指令はEU市場に参入する域外の外国企業も対象としていることから、日本の企業もサプライチェーン上で人権侵害が起きないよう人権DDの導入・遂行に真正面から取り組まざるをえなくなっています。
  • 企業と市民団体の協働
    • 先の指導原則は人権DDのよりよい遂行のために、企業活動の影響を受ける人々だけでなく、市民団体(NGO/NPO等)や人権活動家、専門家などのステークホルダー(利害関係者)と協議や協力を行うことを企業に推奨しています。
    • それを受けて日本でも、フェアトレードの認証団体「フェアトレード・ラベル・ジャパン」と児童労働の撲滅を目指す国際協力NGOの「ACE」が、人権DDに取り組む、ないし取り組もうとしている企業の求めに応じて実務的な助言を行ったりする事業を昨年から始めました。
    • 貿易分野の企業-市民団体間の協働の好例としては、連載第8回でご紹介したイギリスの「エシカル・トレーディング・イニシアチブ(ETI)」があります。ETIは社会・環境に配慮した貿易の実践に前向きな企業と市民団体(労働組合、NGO、フェアトレード団体)が設けた仕組みで、市民団体側は企業を批判するよりも改善に向けた助言や提案を行うことに力を入れています。
    • 生産者や労働者の人たちが人間らしい生活を送れるようにするフェアトレードは、同種の取り組みの中でも最も優れた“ゴールド・スタンダード”と呼ばれることがあります。その最高水準のフェアトレードを実践し推進していく重要性は言うまでもありませんが、世界貿易全体の99.9%を占めるフェアトレード以外の貿易(生産者・労働者の圧倒的多数がその影響下にある)を少しでも最高水準に近づけていく取り組みも等しく重要です。従来の貿易をフェアなものへと変える企業との協働に、日本の市民団体ももっと関わっていって欲しいと思います。
  • 途上国政府との協働
    • 途上国の社会・環境問題を解決するには途上国の政府自身による取り組みも欠かせません。が、資金的な余裕や実務的な能力、政治的な意思などに欠けている場合は、市民団体が協力、協働することで課題の解決を促進できます。
    • 主要なカカオ生産国ガーナの政府が児童労働の撲滅を図る「児童労働フリーゾーン」という仕組みを立ち上げるにあたり、かねて同国で活動していたNGOの「ACE」はガイドライン作りやパイロット事業の実施に協力しています。
    • ガーナとコートジボワールの政府が2020年からカカオを買う企業に「生活所得保証金」の支払いを求め始めたのは、国際フェアトレード・ラベル機構の働きかけによるものでした。
    • このように、貧困、児童労働といった社会問題の解決を図る途上国政府に市民団体がもっと協力、協働するようになれば、それぞれが独自に取り組むよりももっと早く、より大きな成果を上げることができるでしょう。
  • 最後に
    • 「お買い物を通した国際協力」とも表現されるフェアトレード。それは買い物の仕方を少し変えるだけで、世界の生産者や労働者の人たちが人間らしく暮らせるようになることを実証してきました。しかも、いわゆる「援助」が依存心を生みがちなのに対して、フェアトレードは自立へと人々を誘うことができるのです。
    • だからといって無理してフェアトレード製品を買う必要は必ずしもありません。一人一人が少しずつでも日常的に買うようになれば、積もり積もって市場が拡大し、製品価格が下がって買いやすくなるという好循環が生まれます。
    • フェアトレードは「買い物を通した投票」とも表現されます。社会や環境に配慮する企業の製品を買うことは“優良”企業を支持するのと同じだからです。逆に配慮に欠ける企業の製品を買えば“劣悪”な企業を増長させ、優良企業を片隅に追いやることになります。
    • 優良企業の製品を買う一方で、そうでない企業に対してもフェアトレード製品を扱うよう“ 一声”上げてほしいと思います。前回お話ししたように“一声”には1票ではなく200票近くの重みがあって、“優良”企業へと変える力があるからです。さらに、“まち”や大学、学校、職場といったコミュニティ単位でそうした行動を起こせばいっそう効果的です。
    • 以上の行動を通してフェアトレードの市場を今の100倍にできたとしましょう。それでも世界貿易に占める割合は10%程に過ぎません。であるならば、圧倒的多数の生産者や労働者に影響を及ぼす「フェアトレード以外の貿易」を放っておいてよいわけがありません。
    • つまり消費者や市民団体は、最高水準のフェアトレードにこだわるだけでなく、従来の貿易が少しでもましなものとなるよう企業や政府に働きかけたり、パートナーとして手助けしたりすることも必要なのです。
    • さらに欲を言えば、国内や地元で起きている社会、環境問題に目を向け、取り組んでもらえればと思います。そうしてこそ、フェアトレードが南北の別なく究極の目標としている持続可能な発展、国連のSDGs(持続可能な開発目標)が目指す持続可能な世界を実現できるでしょうから。さあ皆で力を合わせ、フェアで持続可能な社会を次世代、将来世代に手渡しましょう!

~NEW~
厚生労働省 内部通報に係る調査の状況について
  • 厚生労働省が契約していた委託事業に関し、職員より内部通報があったことを受けて調査を行っていますが、一部に不適切な対応があったことが明らかになったため、公表します。引き続き調査を行い、その結果を踏まえて、必要な対応を行ってまいります。
  • 通報の概要
    • 令和5年9月7日付けで、内部通報窓口において、職員からの内部通報を受理しました。
    • 通報内容の概要
      • 通報者は、人材開発統括官付能力評価担当参事官室の委託事業(※)に関する違反事実と是正を図る必要がある旨報告したにもかかわらず、担当管理職等は、是正措置を講じないばかりか、当該事実を隠蔽している。※若年技能者人材育成支援のための地域における技能振興等に係る周知・広報業務
      • (令和2年度・令和3年度・令和4年度)
    • 【概要】若年技能者人材育成支援事業に関連する周知・広報業務として、技能士展・技能競技大会展等を効果的に実施するため、イベントのロゴ等の企画、特設サイトの作成、SNS等による広報等を実施。
    • 【委託費】令和2年度:54,989,000円、令和3年度:54,989,000円、令和4年度:69,289,000円
    • <通報者の主張する主な違反事実>
      • 精算報告書の記載額と領収書等の額が一致しない。
      • 再委託が禁止されている「総合的な企画業務等」を再委託している。
      • 再委託割合が5割を超え、再委託に係る必要な承認を得ていない。
  • 対応状況
    • 内部通報を受け、令和5年9月より調査を開始し、契約関係資料の精査及び通報対象者へのヒアリング等を実施したところ、現時点で、以下の事項が明らかになりました。
    • 引き続き調査を行い、その結果を踏まえて必要な対応を行ってまいります。
    • 【現時点で明らかになった事項】
      • 担当管理職等の対応の不足等により、会計課長通知(別添)に基づく再委託に係る必要な手続きを行っていなかったこと

~NEW~
厚生労働省 パンフレット仕事と不妊治療の両立
▼ リーフレット「仕事と不妊治療の両立支援のために~働きながら不妊治療を受ける従業員へのご理解をお願いします~」
  • 近年の晩婚化等を背景に不妊治療を受ける夫婦が増加しており、働きながら不妊治療を受ける方は増加傾向にあると考えられます。また、厚生労働省が行った調査によると、仕事と不妊治療との両立ができず、16%の方が離職しています。
  • このように、人材を失うことは、企業にとって大きな損失です。仕事と不妊治療の両立について職場での理解を深め、従業員が働きやすい環境を整えることは、有能な人材の確保という点で企業にもメリットがあるはずです。
  • このリーフレットは、職場内で不妊治療への理解を深めていただくために、不妊治療の内容や職場での配慮のポイント、仕事と治療の両立に役立つ制度などを紹介するものです。
  • 2015年に日本では51,001人が生殖補助医療(体外受精、顕微授精、凍結胚(卵)を用いた治療)により誕生しており、全出生児(1,008,000人)の5.1%に当たります
  • 日本では、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は、全体で18.2%、子どものいない夫婦では28.2%です
  • 不妊治療について
    • 不妊の原因は、女性だけにあるわけではありません。男性に原因があることもありますし、検査をしても原因がわからないこともあります。また、女性に原因がなくても、女性の体には、治療に伴う検査や投薬などにより大きな負担がかかります。
    • 男性も女性も、検査によって不妊の原因となる疾患があると分かった場合は、原因に応じて薬による治療や手術を行います。
    • 排卵日を診断して性交のタイミングを合わせるタイミング法、内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵をおこさせる排卵誘発法、精液を注入器で直接子宮に注入する人工授精などの一般不妊治療では妊娠しない場合に、卵子と精子を取り出して体の外で受精させてから子宮内に戻す「体外受精」や「顕微授精」などの生殖補助医療を行います。
    • 不妊治療は、妊娠・出産まで、あるいは、治療をやめる決断をするまで続きます。年齢が若いうちに治療を開始したほうが、1回あたりの妊娠・出産に至る確率は高い傾向がありますが、「いつ終わるのか」を明らかにすることは困難です。治療を始めてすぐに妊娠する場合もあれば、何年も治療を続けている場合もあります。
  • 不妊治療のスケジュールについて
    • 不妊治療に要する通院日数の目安は、概ね以下の通りです。ただし、以下の日数はあくまで目安であり、医師の判断、個人の状況、体調等により増減する可能性があります。
    • 体外受精、顕微授精を行う場合、特に女性は頻繁な通院が必要となりますが、排卵周期に合わせた通院が求められるため、前もって治療の予定を決めることは困難です。また、治療は身体的・精神的な負担を伴い、ホルモン刺激療法等の影響で体調不良等が発生することがあります。
    • また、診察時間以外に2~3時間の待ち時間があることが一般的です。
    • 月経周期にあわせて一般不妊治療を何回行うかは、年齢や個人の状況によって変わりますが、3~6回が一般的です。
  • プライバシーへの配慮について
    • 不妊や不妊治療に関することは、その従業員のプライバシーに属することです。従業員自身から相談や報告があった場合でも、本人の意思に反して職場全体に知れ渡ってしまうことなどが起こらないよう、プライバシーの保護に配慮する必要があります。
    • また、職場での従業員の意に反する性的な言動(性的な事実関係を尋ねる、性的な冗談やからかい等)は、セクシュアルハラスメントになる可能性がありますので注意が必要です。
  • 不妊治療は、頻繁に通院する必要があるものの、1回の治療にかかる時間は治療内容等によりさまざまです。このため、
    • 通院に必要な時間だけ休暇を取ることができるよう、年次有給休暇を時間単位で取得できるようにする
    • 不妊治療目的で利用できるフレックスタイム制を導入して、出退勤時刻の調整ができるようにするなど、柔軟な働き方を可能とすることによって仕事との両立をしやすくする取組のほか、不妊治療のための休暇(休職)制度を設けたり、治療費の補助や融資を行うなど、独自の取組を行っている企業もあります。 ここに、仕事と不妊治療の両立支援に取り組む企業の取組事例の一部をご紹介します。
      • 不妊治療を目的とした休職・休暇制度
        • 不妊治療休職制度:体外受精、顕微授精を行う場合、最長1年間、休職が可能。休職期間中は無給。利用は1人につき1回限り。
        • 出生支援休職制度:不妊治療を目的として、最長1年間休職が可能。休職期間中の社会保険料は相当額を会社が補助。在職期間中1回に限る。
        • 失効年休の積立休暇制度:失効した年次有給休暇を積み立て、不妊治療等のために特別休暇(有給休暇)として利用できる制度。1日単位/半日単位で利用可能。
      • 不妊治療のための費用の助成制度
        • 不妊治療貸付制度:体外受精・顕微授精・精巣内精子生検採取法などに要する費用を貸し付け、給与天引きの形で返済する制度。
        • こうのとりサポート制度:不妊治療及び養子縁組に要した費用について、12万円/年、最大5年間、合計60万円まで補助する制度。
        • 共済会補助金制度:不妊治療に要した費用が5万円を超えた場合に、5万円まで共済会が拠出する制度。利用は1年度内に1回限り。
      • 不妊治療に特化していないが、両立を支援するための柔軟な働き方に関する制度
        • フレックスタイム制度:1か月以内の一定期間(清算期間)における総労働時間をあらかじめ定めておき、労働者はその枠内で各日の始業及び終業の時刻を自主的に決定し働く制度。1日の労働時間帯を、必ず勤務すべき時間帯(コアタイム)と、その時間帯の中であればいつ出社または退社してもよい時間帯(フレキシブルタイム)とに分け、出社、退社の時刻は労働者が決定する。なお、コアタイムは必ず設けなければならないものではなく、労使協定により決定する。
        • 半日単位・時間単位の年次有給休暇制度:年次有給休暇の半日単位付与:労働者が希望し、使用者が同意した場合、年次有給休暇を半日単位で与えることが可能。年次有給休暇の時間単位付与:労使協定により、年次有給休暇について5日の範囲内で時間を単位として与えることが可能。
        • テレワーク制度:情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間を有効に活用できる柔軟な働き方のこと。就業形態、業務内容等により、利用対象者、運用の方法等は各社で異なる。インターネットなどの技術を活用し、本来勤務する場所から離れ、自宅などで仕事をすることが可能。
      • 不妊治療に特化していないが、従業員からの相談を受ける取組
        • 福利厚生支援制度:従業員のライフプランへの支援、仕事との両立のための制度、サービスなどの各種情報提供や相談窓口として専用のWebサイトを設置しており、本人および2親等以内の家族が利用可能。ハラスメントや健康相談については社外専門機関に匿名での相談も可能。
        • ワーキングサポートダイヤル:従業員のライフイベントと仕事の両立についての相談窓口として社内に設置。
  • 従業員の仕事と不妊治療の両立へのご理解と配慮をお願いします
    • ここにご紹介した以外にも、個別にシフトを調整したり、勤務時間をずらしたり、あるいは一時的な休職や短時間勤務を認めたり、というように、制度化されていなくても柔軟な勤務を認めている企業は多数あります。
    • 仕事と不妊治療の両立を希望する従業員本人とのコミュニケーションをしっかり取ることにより、業務や職場に支障のない範囲で、一次的に柔軟な勤務を認めたり、配慮することは、人材確保の観点からも重要です。

~NEW~
経済産業省 「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」を取りまとめました
▼ 「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」
  • 基本理念
    • 「はじめに」で述べたとおり、我が国が2019年3月に策定した「人間中心のAI社会原則」においては、AIがSociety5.0の実現に貢献することが期待されている。また、AIを人類の公共財として活用し、社会の在り方の質的変化及び真のイノベーションを通じて地球規模の持続可能性へとつなげることが重要であることが述べられている。そして、以下の3つの価値を「基本理念」として尊重し、「その実現を追求する社会を構築していくべき」としている。
      • 人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)
        • AIを利活用して効率性や利便性を追求するあまり、人間がAIに過度に依存したり、人間の行動をコントロールすることにAIが利用される社会を構築するのではなく、人間がAIを道具として使いこなすことによって、人間の様々な能力をさらに発揮することを可能とし、より大きな創造性を発揮したり、やりがいのある仕事に従事したりすることで、物質的にも精神的にも豊かな生活を送ることができるような、人間の尊厳が尊重される社会を構築する必要がある
      • 多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity and Inclusion)
        • 多様な背景、価値観又は考え方を持つ人々が多様な幸せを追求し、それらを柔軟に包摂した上で新たな価値を創造できる社会は、現代における一つの理想であり、大きなチャレンジである。AIという強力な技術は、この理想に我々を近づける一つの有力な道具となりうる。我々はAIの適正な開発と展開によって、このように社会の在り方を変革していく必要がある
      • 持続可能な社会(Sustainability)
        • 我々は、AIの活用によりビジネスやソリューションを次々と生み、社会の格差を解消し、地球規模の環境問題や気候変動等にも対応が可能な持続性のある社会を構築する方向へ展開させる必要がある。科学・技術立国としての我が国は、その科学的・技術的蓄積をAIによって強化し、そのような社会を作ることに貢献する責務がある
  • 共通の指針
    1. 人間中心
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、後述する各事項を含む全ての取り組むべき事項が導出される土台として、少なくとも憲法が保障する又は国際的に認められた人権を侵すことがないようにすべきである。また、AIが人々の能力を拡張し、多様な人々の多様な幸せ(well-being)の追求が可能となるように行動することが重要である。
        • 人間の尊厳及び個人の自律
          • AIが活用される際の社会的文脈を踏まえ、人間の尊厳及び個人の自律を尊重する
          • 特に、AIを人間の脳・身体と連携させる場合には、その周辺技術に関する情報を踏まえつつ、諸外国及び研究機関における生命倫理の議論等を参照する
          • 個人の権利・利益に重要な影響を及ぼす可能性のある分野においてAIを利用したプロファイリングを行う場合、個人の尊厳を尊重し、アウトプットの正確性を可能な限り維持させつつ、AIの予測、推奨、判断等の限界を理解して利用し、かつ生じうる不利益等を慎重に検討した上で、不適切な目的に利用しない
        • AIによる意思決定・感情の操作等への留意
          • 人間の意思決定、認知等、感情を不当に操作することを目的とした、又は意識的に知覚できないレベルでの操作を前提としたAIシステム・サービスの開発・提供・利用は行わない
          • AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、自動化バイアス等のAIに過度に依存するリスクに注意を払い、必要な対策を講じる
          • フィルターバブル12に代表されるような情報又は価値観の傾斜を助長し、AI利用者を含む人間が本来得られるべき選択肢が不本意に制限されるようなAIの活用にも注意を払う
          • 特に、選挙、コミュニティでの意思決定等をはじめとする社会に重大な影響を与える手続きに関連しうる場合においては、AIの出力について慎重に取り扱う
        • 偽情報等への対策
          • 生成AIによって、内容が真実・公平であるかのように装った情報を誰でも作ることができるようになり、AIが生成した偽情報・誤情報・偏向情報が社会を不安定化・混乱させるリスクが高まっていることを認識した上で、必要な対策を講じる
        • 多様性・包摂性の確保
          • 公平性の確保に加え、いわゆる「情報弱者」及び「技術弱者」を生じさせず、より多くの人々がAIの恩恵を享受できるよう社会的弱者によるAIの活用を容易にするよう注意を払う
            • ユニバーサルデザイン、アクセシビリティの確保、関連するステークホルダーへの教育・フォローアップ 等
        • 利用者支援
          • 合理的な範囲で、AIシステム・サービスの機能及びその周辺技術に関する情報を提供し、選択の機会の判断のための情報を適時かつ適切に提供する機能が利用可能である状態とする
          • デフォルトの設定、理解しやすい選択肢の提示、フィードバックの提供、緊急時の警告、エラーへの対処 等
        • 持続可能性の確保
          • AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、ライフサイクル全体で、地球環境への影響も検討する
    2. 安全性
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用を通じ、ステークホルダーの生命・身体・財産に危害を及ぼすことがないようにすべきである。加えて、精神及び環境に危害を及ぼすことがないようにすることが重要である。
        • 人間の生命・身体・財産、精神及び環境への配慮
          • AIシステム・サービスの出力の正確性を含め、要求に対して十分に動作している(信頼性)
          • 様々な状況下でパフォーマンスレベルを維持し、無関係な事象に対して著しく誤った判断を発生させないようにする(堅牢性(robustness))
          • AIの活用又は意図しないAIの動作によって生じうる権利侵害の重大性、侵害発生の可能性等、当該AIの性質・用途等に照らし、必要に応じて客観的なモニタリング及び対処も含めて人間がコントロールできる制御可能性を確保する
          • 適切なリスク分析を実施し、リスクへの対策(回避、低減、移転又は容認)を講じる
          • 人間の生命・身体・財産、精神及び環境へ危害を及ぼす可能性がある場合は、講ずべき措置について事前に整理し、ステークホルダーに関連する情報を提供する
            • 関連するステークホルダーが講ずべき措置及び利用規則を明記する
          • AIシステム・サービスの安全性を損なう事態が生じた場合の対処方法を検討し、当該事態が生じた場合に速やかに実施できるよう整える
        • 適正利用
          • 主体のコントロールが及ぶ範囲で本来の目的を逸脱した提供・利用により危害が発生することを避けるべく、AIシステム・サービスの開発・提供・利用を行う
        • 適正学習
          • AIシステム・サービスの特性及び用途を踏まえ、学習等に用いるデータの正確性・必要な場合には最新性(データが適切であること)等を確保する
          • 学習等に用いるデータの透明性の確保、法的枠組みの遵守、AIモデルの更新等を合理的な範囲で適切に実施する
    3. 公平性
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、特定の個人ないし集団への人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教等の多様な背景を理由とした不当で有害な偏見及び差別をなくすよう努めることが重要である。また、各主体は、それでも回避できないバイアスがあることを認識しつつ、この回避できないバイアスが人権及び多様な文化を尊重する観点から許容可能か評価した上で、AIシステム・サービスの開発・提供・利用を行うことが重要である。
        • AIモデルの各構成技術に含まれるバイアスへの配慮
          • 不適切なバイアスを生み出す要因は多岐に渡るため、各技術要素(学習データ、AIモデルの学習過程、AI利用者又は業務外利用者が入力するプロンプト、AIモデルの推論時に参照する情報、連携する外部サービス等)及びAI利用者の振る舞いを含めて、公平性の問題となりうるバイアスの要因となるポイントを特定する
          • AIシステム・サービスの特性又は用途によっては、潜在的なバイアスが生じる可能性についても検討する
        • 人間の判断の介在
          • AIの出力結果が公平性を欠くことがないよう、AIに単独で判断させるだけでなく、適切なタイミングで人間の判断を介在させる利用を検討する
          • バイアスが生じていないか、AIシステム・サービスの目的、制約、要件及び決定を明確かつ透明性のある方法により分析し、対処するためのプロセスを導入する
          • 無意識のバイアス及び潜在的なバイアスに留意し、多様な背景、文化又は分野のステークホルダーと対話した上で、方針を決定する
    4. プライバシー保護
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、その重要性に応じ、プライバシーを尊重し、保護することが重要である。その際、関係法令を遵守すべきである。
        • AIシステム・サービス全般におけるプライバシーの保護
          • 個人情報保護法等の関連法令の遵守、各主体のプライバシーポリシーの策定・公表等により、社会的文脈及び人々の合理的な期待を踏まえ、ステークホルダーのプライバシーが尊重され、保護されるよう、その重要性に応じた対応を取る
          • 以下の事項を考慮しつつ、プライバシー保護のための対応策を検討する
            • 個人情報保護法にもとづいた対応の確保
            • 国際的な個人データ保護の原則及び基準の参照18
    5. セキュリティ確保
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、不正操作によってAIの振る舞いに意図せぬ変更又は停止が生じることのないように、セキュリティを確保することが重要である。
        • AIシステム・サービスに影響するセキュリティ対策
          • AIシステム・サービスの機密性・完全性・可用性を維持し、常時、AIの安全安心な活用を確保するため、その時点での技術水準に照らして合理的な対策を講じる
          • AIシステム・サービスの特性を理解し、正常な稼働に必要なシステム間の接続が適切に行われているかを検討する
          • 推論対象データに微細な情報を混入させることで関連するステークホルダーの意図しない判断が行われる可能性を踏まえて、AIシステム・サービスの脆弱性を完全に排除することはできないことを認識する
        • 最新動向への留意
          • AIシステム・サービスに対する外部からの攻撃は日々新たな手法が生まれており、これらのリスクに対応するための留意事項を確認する
    6. 透明性
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、AIシステム・サービスを活用する際の社会的文脈を踏まえ、AIシステム・サービスの検証可能性を確保しながら、必要かつ技術的に可能な範囲で、ステークホルダーに対し合理的な範囲で情報を提供することが重要である。
        • 検証可能性の確保
          • AIの判断にかかわる検証可能性を確保するため、データ量又はデータ内容に照らし合理的な範囲で、AIシステム・サービスの開発過程、利用時の入出力等、AIの学習プロセス、推論過程、判断根拠等のログを記録・保存する
          • ログの記録・保存にあたっては、利用する技術の特性及び用途に照らして、事故の原因究明、再発防止策の検討、損害賠償責任要件の立証上の重要性等を踏まえて、記録方法、頻度、保存期間等について検討する
        • 関連するステークホルダーへの情報提供
          • AIとの関係の仕方、AIの性質、目的等に照らして、それぞれが有する知識及び能力に応じ、例えば、以下について取りまとめた情報の提供及び説明を行う
            • AIシステム・サービス全般
              • AIを利用しているという事実及び活用している範囲
              • データ収集及びアノテーションの手法
              • 学習及び評価の手法
              • 基盤としているAIモデルに関する情報
              • AIシステム・サービスの能力、限界及び提供先における適正/不適正な利用方法
              • AIシステム・サービスの提供先、AI利用者が所在する国・地域等において適用される関連法令等
          • 多様なステークホルダーとの対話を通じて積極的な関与を促し、社会的な影響及び安全性に関する様々な意見を収集する
          • 加えて、実態に即して、AIシステム・サービスを提供・利用することの優位性、それに伴うリスク等を関連するステークホルダーに示す
        • 合理的かつ誠実な対応
          • 上記の「(2)関連するステークホルダーへの情報提供」は、アルゴリズム又はソースコードの開示を想定するものではなく、プライバシー及び営業秘密を尊重して、採用する技術の特性及び用途に照らし、社会的合理性が認められる範囲で実施する
          • 公開されている技術を用いる際には、それぞれ定められている規程に準拠する
          • 開発したAIシステムのオープンソース化にあたっても、社会的な影響を検討する
        • 関連するステークホルダーへの説明可能性・解釈可能性の向上
          • 関連するステークホルダーの納得感及び安心感の獲得、また、そのためのAIの動作に対する証拠の提示等を目的として、説明する主体がどのような説明が求められるかを分析・把握できるよう、説明を受ける主体がどのような説明が必要かを共有し、必要な対応を講じる
            • AI提供者:AI開発者に、どのような説明が必要となるかを共有する
            • AI利用者:AI開発者・AI提供者に、どのような説明が必要となるかを共有する
    7. アカウンタビリティ
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、トレーサビリティの確保、「共通の指針」の対応状況等について、ステークホルダーに対して、各主体の役割及び開発・提供・利用するAIシステム・サービスのもたらすリスクの程度を踏まえ、合理的な範囲でアカウンタビリティを果たすことが重要である。
        • トレーサビリティの向上
          • データの出所、AIシステム・サービスの開発・提供・利用中に行われた意思決定等について、技術的に可能かつ合理的な範囲で追跡・遡求が可能な状態を確保する
        • 「共通の指針」の対応状況の説明
          • 「共通の指針」の対応状況について、ステークホルダー(サプライヤーを含む)に対してそれぞれが有する知識及び能力に応じ、例えば以下の事項を取りまとめた情報の提供及び説明を定期的に行う
            • 全般
              • 「共通の指針」の実践を妨げるリスクの有無及び程度に関する評価
              • 「共通の指針」の実践の進捗状況
            • 「人間中心」関連
              • 偽情報等への留意、多様性・包摂性、利用者支援及び持続可能性の確保の対応状況
            • 「安全性」関連
              • AIシステム・サービスに関する既知のリスク及び対応策、並びに安全性確保の仕組み
            • 「公平性」関連
              • AIモデルを構成する各技術要素(学習データ、AIモデルの学習過程、AI利用者又は業務外利用者が入力すると想定するプロンプト、AIモデルの推論時に参照する情報、連携する外部サービス等)によってバイアスが含まれうること
            • 「プライバシー保護」関連
              • AIシステム・サービスにより自己又はステークホルダーのプライバシーが侵害されるリスク及び対応策、並びにプライバシー侵害が発生した場合に講ずることが期待される措置
            • 「セキュリティ確保」関連
              • AIシステム・サービスの相互間連携又は他システムとの連携が発生する場合、その促進のために必要な標準準拠等
              • AIシステム・サービスがインターネットを通じて他のAIシステム・サービス等と連携する場合に発生しうるリスク及びその対応策
      • 責任者の明示
        • 各主体においてアカウンタビリティを果たす責任者を設定する
      • 関係者間の責任の分配
        • 関係者間の責任について、業務外利用者も含めた主体間の契約、社会的な約束(ボランタリーコミットメント)等により、責任の所在を明確化する
      • ステークホルダーへの具体的な対応
        • 必要に応じ、AIシステム・サービスの利用に伴うリスク管理、安全性確保のための各主体のAIガバナンスに関するポリシー、プライバシーポリシー等の方針を策定し、公表する(社会及び一般市民に対するビジョンの共有、並びに情報発信・提供を行うといった社会的責任を含む)
        • 必要に応じ、AIの出力の誤り等について、ステークホルダーからの指摘を受け付ける機会を設けるとともに、客観的なモニタリングを実施する
        • ステークホルダーの利益を損なう事態が生じた場合、どのように対応するか方針を策定してこれを着実に実施し、進捗状況については必要に応じて定期的にステークホルダーに報告する
      • 文書化
        • 上記に関する情報を文書化して一定期間保管し、必要なときに、必要なところで、入手可能かつ利用に適した形で参照可能な状態とする
    8. 教育・リテラシー
      • 各主体は、主体内のAIに関わる者が、AIの正しい理解及び社会的に正しい利用ができる知識・リテラシー・倫理感を持つために、必要な教育を行うことが期待される。また、各主体は、AIの複雑性、誤情報といった特性及び意図的な悪用の可能性もあることを勘案して、ステークホルダーに対しても教育を行うことが期待される。
        • AIリテラシーの確保
          • 各主体内のAIに関わる者が、その関わりにおいて十分なレベルのAIリテラシーを確保するために必要な措置を講じる
        • 教育・リスキリング
          • 生成AIの活用拡大によって、AIと人間の作業の棲み分けが変わっていくと想定されるため、新たな働き方ができるよう教育・リスキリング等を検討する
          • 様々な人がAIで得られる便益の理解を深め、リスクに対するレジリエンスを高められるよう、世代間ギャップも考慮した上での教育の機会を提供する
        • ステークホルダーへのフォローアップ
          • AIシステム・サービス全体の安全性を高めるため、必要に応じて、ステークホルダーに対して教育及びリテラシー向上のためのフォローアップを行う
    9. 公正競争確保
      • 各主体は、AIを活用した新たなビジネス・サービスが創出され、持続的な経済成長の維持及び社会課題の解決策の提示がなされるよう、AIをめぐる公正な競争環境の維持に努めることが期待される。
    10. イノベーション
      • 各主体は、社会全体のイノベーションの促進に貢献するよう努めることが期待される。
        • オープンイノベーション等の推進
          • 国際化・多様化、産学官連携及びオープンイノベーションを推進する
          • AIのイノベーションに必要なデータが創出される環境の維持に配慮する
        • 相互接続性・相互運用性への留意
          • 自らのAIシステム・サービスと他のAIシステム・サービスとの相互接続性及び相互運用性を確保する
          • 標準仕様がある場合には、それに準拠する
        • 適切な情報提供
          • 自らのイノベーションを損なわない範囲で必要な情報提供を行う

~NEW~
経済産業省 「電力先物の活性化に向けた検討会」の結果を取りまとめました
  • 経済産業省は、4月15日(月曜日)に、第5回電力先物の活性化に向けた検討会を開催し、電力先物が抱える課題や今後の方向性について取りまとめました。市場参加者の裾野を広げる取組や、電気事業者のヘッジニーズに応える市場運営など、取引活性化に向けた取組を加速させます。
  • 背景・趣旨
    • 電力小売の自由化に伴い、電力価格変動リスクを回避するため、電力先物の取引を開始してから約4年が経ちました。日本の電力先物における取引参加者数及び取引電力量は徐々に増加しており、電力先物は、電力事業者における価格変動リスク回避や電力取引の価格指標として有力なものとなりつつあります。
    • エネルギー政策上も電力先物を維持・活用することが必要であることから、この度、第5回目となる電力先物の活性化に関する検討会(以下「検討会」という。)を開催しました。
  • 電力先物の活性化に向けた検討会のとりまとめ概要
    • 第5回検討会では、これまでに議論してきた様々な取組を含む電力先物の実態や必要性等についての認識を一致させた上で、電力先物の活性化に向けて今後の方向性を提示しました。
      • 今後の電力先物の活性化に向けた方向性
        • 電力先物が果たすべき役割の認識統一
          • 電気事業者は、市場リスクや取引相手の信用リスク等の様々なリスクの他、再生可能エネルギーの拡大や世界的なLNG需給のひっ迫等による経営環境の不確実性の増大という問題に直面しています。
          • 電気事業者のリスクマネジメントに有効なヘッジツールは複数存在しており、それぞれの特徴を踏まえると、電力先物は中長期~短期のリスクヘッジに適すると整理されました。
        • 市場参加者の裾野拡大
          • 電力先物は、電力事業の実態、グローバルな燃料市場、金融実務等の複層的な知識が求められることもあり、電力先物のメリットの理解が進んでいない企業が存在する可能性があります。そのため、取引所等の市場運営者に、電力先物の普及活動を求めました。
        • 新規参入の阻害要因に対する業界の取組
          • 電力先物における新規取引参加者を増加させるために、取引所等の市場運営者に、電力先物を導入する際の優良事例共有等を求めました。
          • 電力先物への参入障壁として、例外的な会計処理であるヘッジ会計の適用が電力先物では認められにくいという声が挙がっていることを踏まえ、電力先物におけるヘッジ会計の適用に向け公認会計士等を巻き込み議論を行うよう、商品取引所に求めました。
        • 現物の商流を踏まえた先物の設計、財務規模の大きい金融機関の清算参加
          • 電力先物が有効なヘッジツールとして電気事業者から選ばれるためには取引市場に流動性が必要です。電力先物の更なる流動性の拡大の主なポイントは、(1)現物の制度や商流を踏まえた先物市場の設計、(2)財務規模の大きい金融機関の清算参加です。
          • 取引所等の市場運営者に電力の先物取引と現物取引の連携深化や金融機関が電力先物市場へ参入しやすい環境整備を求め、金融機関に対し清算機関の清算参加者としての参加を求めました。
▼ 関連資料 電力先物の活性化に向けた検討会とりまとめ関連資料

~NEW~
経済産業省 ルール形成型の市場創出に取り組む企業を公表します
  • 経済産業省では、企業がルール形成に取り組み、新しい市場を創出するといった「ルール形成型の市場創出」を後押ししています。
  • ルール形成に取り組む企業の現状を把握するため、2021年度から2023年度に3回、「市場形成力指標」に基づいた調査を実施しました。調査において、市場形成力指標のスコアが安定的に高い企業と、具体的な取組事例を紹介します。
  • 調査概要
    • 昨今のマーケットでは、規制、標準、業界基準等のルールを自らリード・形成し、市場を創出することが有効です。ルール形成を通じて新たな市場を創出する力を「市場形成力」と定義し、それを可視化する「市場形成力指標」を2021年に開発、2022年3月には「市場形成力指標Ver2.0(企業版、プロジェクト版)」を公表しました。(市場形成力指標の詳細はこちらをご参照ください。)
    • 2021年度から2023年度には、ルール形成に取り組む企業の現状を把握するため、「社会課題解決型の企業活動に関する意識調査」を実施しました。この中では、「市場形成力指標Ver2.0(企業版)」に基づいて、各社の取組を自己申告形式で記載いただくアンケートを実施しています。
  • 市場形成力指標が高い企業(10社、社名50音順)
    • 調査の結果、市場形成力指標のスコアが安定的に高い企業のうち、ルール形成による市場創出の取組が確認できた企業を公表します。
    • 併せて、確認できた取組の概要と、該当する成功パターンを紹介します。
    • 市場形成力指標において、ルール形成による市場創出の成功パターンを、以下の3つに分類しています。
      • 成功パターン(1):政策形成や規制デザインのリード
      • 成功パターン(2):標準化によるイノベーション連携の促進
      • 成功パターン(3):業界コンセンサス形成による新たな「モノサシ」開発
    • IDEC株式会社:成功パターン(2)
      • 自社で開発したスイッチに関する国際標準策定と、それを組み込むロボットやそのシステムの規格改定により、自社優位の国際市場を創出
    • インフロニア・ホールディングス株式会社(1)
      • PFI法への公共施設等運営権の導入に向けた協議に参加し、ルールが未整備だったコンセッション事業の法制度化により国内市場を創出(※ホールディングス体制発足前の前田建設工業株式会社の取組)
    • 川崎重工業株式会社 (2)
      • 技術開発段階からの国際標準化によって他国製品との差別化を図り、日本優位の水素サプライチェーン関連機器市場を創出
    • コニカミノルタ株式会社 (1)
      • ドローン等の機器の使用が制限される「危険区域」の範囲外の検討に貢献し、屋外貯蔵タンク周囲でスマート保安を活用する市場を創出
    • 株式会社小松製作所 (1)
      • 建設現場の生産性向上を図る政府の取組で、ドローン測量やICT建機用工法等の基準整備に貢献し、施工全体でICTを全面活用するソリューション市場を創出
    • 塩野義製薬株式会社 (1)
      • 官公庁の調査事業等に従事し、ルールの策定を推進して、欧米と比べて社会実装が遅れていた下水疫学調査の国内市場を創出
    • 積水化学工業株式会社 (2)
      • 管路更生工法のJISや標準類の制定において、自社が共同開発したSPR工法も準拠するよう位置づけ、公的な認知を獲得して当該工法の市場を創出
    • ダイキン工業株式会社 (1)
      • インドなどにおいて安全規制の改正と省エネ法の基準強化を働きかけ、省エネ基準値が競争指標となるエアコンの市場を創出
    • ヤマハ株式会社 (3)
      • 音響機器業界における影響力を活かしたコンソーシアム設立と共通規格の策定により、新たな技術SoundUDの市場を創出
    • ユニ・チャーム株式会社 (3)
      • 欧米で主流の種類のみを想定し、国内で展開される多様な製品に対応していなかった尿吸収補助具の国際標準を改正、海外市場を創出
  • 各成功パターンにおける取組事例の紹介
    • 企業や投資家等のステークホルダーに、市場形成力指標に対する理解を深めていただき、取組の参考としていただくために、3社の取組事例を紹介いたします。
      • 成功パターン(1)ダイキン工業株式会社
      • 成功パターン(2)積水化学工業株式会社
      • 成功パターン(3)ヤマハ株式会社
▼ 市場形成力指標の各成功パターンにおけるルール形成取組事例

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経済産業省 経済安全保障推進法に基づくクラウドプログラムの安定供給確保に係る供給確保計画の認定等について
  • 経済産業省は、経済安全保障推進法第9条第4項の規定に基づき、AIの開発に必要な計算資源の整備に係る取組に対し、5件合計で最大725億円の助成を行うことを決定しました。
  • 概要
    • 社会のデジタル化の進展に伴い、クラウドサービスは、幅広い国民生活・産業活動の情報処理を担う機能として不可欠なものとなっています。
    • こうした中、基盤的なクラウドサービス(基盤クラウド)の国内市場においては、国内に事業基盤を有する事業者のシェアは約3割であり、海外から提供されるサービスへの依存が高まっている状況にあります。
    • 基盤クラウドは、情報処理の根幹を担うものであり、その開発体制を国内で確保できなければ、我が国が自律的に管理すべき重要情報を扱うシステムも含め、完全に他国に依存することになるおそれがあります。
    • また、「クラウドプログラム」の中でも、生成AIは、従来のAIでは不可能だった、様々な創造的な作業を人間に代わって行える可能性があることから、産業活動・国民生活に大きなインパクトを与えると考えられています。そのサービス供給に制約が生じた場合には、我が国に甚大な影響が生じると考えられ、その計算資源を国内に確保することで、我が国における開発基盤の構築・サービス提供体制の強靱化を図ることが重要です。
    • こうした状況を踏まえ、経済安全保障推進法に基づき、「クラウドプログラム」を特定重要物資に指定し、その安定供給確保に向けて、特に生成AIについて幅広い開発者が利用できる計算資源の国内への整備に関する計画を認定し、国として支援することとしました。
    • また、今後、AIが進化していく中で、計算資源の高度化は不可欠です。今回支援決定した事業者や、5年以上にわたり計算資源を提供してきた産業技術総合研究所などからなる検討会を立ち上げ、技術面やビジネスの拡大に向けた課題や、日本として今後取り組むべき方向性を整理していきます。
  • 認定案件
    • GMOインターネットグループ株式会社:AIに関わる計算資源としてのGPUクラウドサービスの提供※最大助成額は約19.3億円:認定日4月15日
    • さくらインターネット株式会社:同上※最大助成額は約501億円4月15日
    • 株式会社RUTILEA/株式会社AI福島(共同申請):同上※最大助成額は約25.6億円 4月19日
    • KDDI株式会社 :上※最大助成額は約102.4億円 4月19日
    • 株式会社ハイレゾ/株式会社ハイレゾ香川(共同申請):同上※最大助成額は約77.0億円 4月19日

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総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第16回)配付資料
▼ 資料WG16-1-1デジタル空間における情報流通の健全性に関するWG検討課題(案)
  1. デジタル空間において具体的に表れた個別の現象としての課題
    • 偽・誤情報の拡散(なりすましを含む)への対応の在り方
    • 広告を巡る課題への対応の在り方
  2. 上記1をもたらす構造的・技術的な要因としての課題
    • アテンション・エコノミーが引き起こす課題(フィルターバブル、エコーチェンバーを含む)への対応の在り方
    • 生成AI・ディープフェイク技術の進展に伴うリスクへの対応の在り方
  3. 上記1・2の課題への具体的な方策に関する課題
    1. 事業者の取組に関する透明性の確保の在り方:WG開催要綱「3.検討事項」(1)
      • 事業者の取組の透明性・アカウンタビリティ確保の在り方
      • レコメンデーションやコンテンツモデレーションの在り方(アテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)の取扱いに関する透明性・アカウンタビリティ確保など)
      • プライバシー保護・利用者データの保護の在り方
    2. 事業者のビジネスモデルに起因する課題への対応の在り方:WG開催要綱「3.検討事項」(2)
      • 偽・誤情報等のアテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)付近や悪質なメディア(パブリッシャー)への広告掲載とクリック数等に応じた広告料の支払(それらの情報発信者等への間接的な利益供与によるブランド毀損等の問題)に対する経営層によるリスク管理・ガバナンスや産業界との連携・協力の在り方
      • 広告の質の確保の在り方
      • 偽広告など違法・不当な広告(権利侵害、法令違反、なりすましなど)への対応の在り方
      • 広告配信先のメディア(パブリッシャー)の質の確保の在り方
      • 広告費詐取を目的とした悪質なメディア(パブリッシャー)への対応の在り方
      • 偽・誤情報等のアテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)の投稿増加につながり得る閲覧数等に応じた経済的インセンティブの付与の在り方
      • 偽・誤情報等のアテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)を拡散するbotへの対応の在り方
      • パーソナルデータを用いたプロファイリングやそれに基づくターゲティング広告の在り方
    3. 関係者間の連携・協力の在り方:WG開催要綱「3.検討事項」(3)
      • ステークホルダー同士の連携・協力の在り方
      • 安心かつ安全な情報伝送に関する知見や情報の共有の在り方
      • 安心・安全で信頼できる広告出稿のための業務の在り方
      • 発信力強化のためのガバナンスの在り方
      • アテンションを得にくいが信頼できる情報(コンテンツ)に関するメディア(パブリッシャー)における制作・発信・伝送能力の強化の在り方
      • 研究機関等との連携・協力の在り方
      • ファクトチェック機関による連携・協力の在り方
      • 広告主としての国や自治体等による対応の在り方
    4. 災害発生時等における対処の在り方:WG開催要綱「3.検討事項」(4)
      • 緊急事態(災害、サイバー攻撃など)への対応の在り方
    5. その他の課題:WG開催要綱「3.検討事項」(5)

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総務省 コンビニ交付サービスにおける証明書誤交付に関する原因究明及び再発防止対策等の徹底について(指導)
  • 総務省は、本日、富士通株式会社(代表取締役社長 時田 隆仁、法人番号1020001071491、本社 東京都港区)に対し、同社の子会社である富士通Japan株式会社における、香川県高松市のコンビニ交付において別人の住民票の写しが交付された事案に関し、原因究明及び再発防止対策等の徹底を図るとともに、その実施状況を報告するよう、文書による行政指導を行いました。
  • 経緯等
    • 富士通株式会社及びその子会社である富士通Japan株式会社からの報告により、令和6年1月4日より高松市にて導入した富士通Japan株式会社のコンビニ交付サービスにおいてシステムの設定ミスがあり、令和6年4月4日に、申請した市民とは別人の住民票の写しが交付されたことが発覚しました。
  • 措置の内容等
    • コンビニ交付サービスシステムを活用した住民票の写し等の証明書の交付に際しては、住民基本台帳法に基づき、当該証明書に記載されている事項の安全確保を図るため、記載事項の漏えい、滅失及び毀損の防止などの当該システムのセキュリティ対策及び個人情報の保護を含めた適正な運用がなされることが、住民基本台帳法の目的である住民記録の適正管理及び住民の利便性の増進に対して、不可欠であることに鑑み、総務省は、本日付で富士通株式会社に対し、原因究明及び再発防止対策等の徹底を図るため、以下の事項の実施等を求めるとともに、その実施状況を報告するよう、文書PDFによる行政指導を行いました。
      1. 今般の証明書誤交付が生じた原因の究明を速やかに行うとともに、組織上・管理上の責任の所在を明らかにすること。
      2. 富士通Japan株式会社が地方公共団体に提供している全てのコンビニ交付サービスシステムについて、本事案と同様のプログラム適用誤りが生じていないかはもとより、これまでに発生した各種事案に対処するプログラムの適用が適切になされているか、改めて点検すること。
      3. 令和5年に総点検を行った上で再発防止を図ったにもかかわらず、今回の事案が発生したことを踏まえ、国民・住民の信頼回復に繋がる徹底した実効性ある再発防止対策を講じること。
      4. 現在、適用に向けて検証が進められているフェールセーフ機能について、できる限り早期の適用を行うこと。
      5. 1~4について、少なくとも今後1年間は、四半期に一度、取組の進捗状況を報告すること。
  • 総務省は住民票の写し等の証明書の記載事項の漏えい、滅失及び毀損の防止などの安全確保等を図るとともに、住民基本台帳法の目的である住民記録の正管理及び住民の利便性の増進を図るため、引き続き、必要な指導に努めてまいります。

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総務省 LINEヤフー株式会社に対する通信の秘密の保護及び サイバーセキュリティの確保の徹底に向けた措置(指導)
  • 総務省は、LINEヤフー株式会社(代表取締役社長CEO出澤 剛)に対し令和6年3月5日付けで行政指導を実施し、同年4月1日、同社から再発防止等に向けた取組に関する報告書の提出を受けました。同報告書を踏まえ、総務省は、同行政指導において求めた措置の早期実施等を求めるとともに、その実施状況や実施計画を報告するよう、本日、文書による行政指導を行いました。
  • 経緯等
    • 総務省は、LINEヤフー株式会社(代表取締役社長CEO 出澤 剛、法人番号4010401039979、本社 東京都千代田区。以下「LINEヤフー社」という。)に対し、令和6年3月5日付けの「通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保の徹底について(指導)」(総基用第46号)による行政指導を実施し、同年4月1日、同社から再発防止等に向けた取組に関する報告書の提出を受けました。
    • 同報告書によれば、一定の応急的な対策については実施済みとのことであるものの、現時点で、安全管理措置及び委託先管理が十分なものとなったとは言い難く、また、親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンス体制の構築についても十分な見直しが行われる展望が必ずしも明らかとはいえない状況にあると考えられ、対策・検討を加速化する必要があるものと判断いたしました。
  • 措置の内容等
    • 以上を踏まえ、総務省は、本日付けで、LINEヤフー社に対し、以下の措置を講じるよう求めるとともに、措置の実施状況や実施計画について具体的かつ明確に報告するよう、文書(別紙)PDFによる行政指導を行いました。
      • 本事案を踏まえた安全管理措置及び委託先管理の抜本的な見直し及び対策強化の加速化
      • 親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直しの検討の加速化
      • 取組内容に係る進捗状況の定期的な公表等を通じた利用者対応の徹底
  • 総務省は、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保を図るため、引き続き、必要な指導・監督に努めてまいります。

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総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第17回)配付資料 ※ワーキンググループ(第15回)合同開催
▼ 資料17-1-2株式会社野村総合研究所ご発表資料
  • 災害時における真偽判別の難しい情報の伝搬プロセスと特徴・傾向
    • 大規模な自然災害発生時には、真偽判別の難しい情報が生まれやすい環境が自然醸成される
      • 真偽判別の難しい情報は、いわゆる流言や偽誤情報、デマ等を含む
      • 不安・恐怖の高まり、必要とする情報・コミュニケーションの不足を要因に真偽判別の難しい情報は発生する
      • 災害時の環境下では上記の要因が高まりやすく、真偽判別の難しい情報が自然発生するため、発生を完全に防ぐことは難しい
    • 「助けたい、支援したい」といった善意による情報発信・拡散が行われる一方、故意(悪意)による偽情報の発信も行われる
      • 影響力を持つメディアや団体等が拡散に影響を与える
      • 影響力をインフルエンサーが拡散の中心を担う平時とは異なり、一般ユーザも発信・拡散を担う
      • 発信・拡散される情報は、災害発生からの時間経過や災害種別によって傾向・特徴がある
    • 一般への具体の心理・行動・生活への影響に加え、関連機関・企業への社会的影響も生まれる
    • 事実にもとづいた情報が発信・拡散されることで収束する
      • 一般への影響が生じることに加え、関連機関・企業の対応コスト(問合わせの殺到等)の増大による業務への支障(支援活動の遅延等)が生じやすい
      • 多くの事例については、拡散から一定程度の時間経過とともに、のファクト情報が発生・拡散され、真偽の判別がつくことで、収束する
      • ただし、災害時は、事実確認が困難or時間を要するケースが多い
      • 一般からの打消し情報に加え、権威付けされた情報(信頼できる機関・団体、第三者)によって収束するケースも多い
  • 自然災害発生時における真偽判別の難しい情報の発生の要因
    • 不安・恐怖の高まり
      • 心理学のアプローチでは、「不安」が重要な要素とされている
      • 廣井脩氏によると、「災害による破壊が壊滅的で、今まで存在していた社会組織や社会規範が一時的に消滅してしまう危機的状況が発生し、人心が不安と恐怖におののいている中、その隙間を突いて伝搬しやすい」とされている。
      • 参考:流言が拡散する強さ(流布量)は問題の重要性(importance)と、その真偽の曖昧さ(ambiguity)の積に比例するされている(W.オールポートとL.ポストマン)R (Rumor)=i (importance) × a (ambiguity)
    • 情報・コミュニケーションの不足
      • 社会学のアプローチでは、「あいまいな状況にともに巻き込まれた人々が、自分たちの知識を寄せ集めることによって、その状況についての有意味な解釈を行おうとするコミュニケーションである」とされている。
      • 災害発生下では、情報が得られない状況や即座に解決できない状況が発生し、あいまいさが生じるため、被災者の情報ニーズに対応する形で、真偽判別の難しい情報(流言)が発生する。
  • 時系列の特徴・傾向
    • 災害時における真偽判別の難しい情報事例については、発災後24時間以内の事例が多い。内容としては、
    • 発災直後:一次被害・二次被害に関する真偽判別の難しい情報
    • 24時間~1週間以内:災害対応や災害再来・災害因に関する情報
    • 1週間以降:被災地での生活に関するものが多い傾向(1カ月以降は原発関連事例のみ)
  • 地震
    • 大規模地震に関する真偽判別の難しい情報事例が多く、全体の8割以上を占める(災害時の真偽判別の難しい情報の中心)
    • 幅広く甚大な二次災害が発生しやすく、災害対応も多岐に渡るため、被害(一次・二次)に関する事例に加えて、災害対応や被災地での生活に関する事例も発生しやすい
  • 水害・噴火
    • 事例は少ないが、局地的な被害が生じやすいため、被害(一次・二次)に関する事例が生じやすい
    • 災害の発生を一定程度、事前に予測できる場合が多いため、地震に比較すると、不安・恐怖の大きさや情報・コミュニケーションの不足が発生しにくい
  • 真偽判別の難しい情報による影響と収束のパターン
    • 被災者の実際の避難行動・生活や関連機関の対応コストを増大させる社会的混乱が主な影響となる
    • 事実情報が拡散されることで、速やかに収束するケースが多いが、大規模災害時には事実情報の確認に時間・リソースを要するケースも多い
    • 孤立状態となっていた地域に対する「仮設住宅が近くに造られず、置き去りにされる」等の情報が拡散⇒次々と町外へ避難(避難行動への影響)
    • 「外国人窃盗団がいる」「暴動はすでに起きている」といった被災地での治安悪化を示唆する情報が拡散⇒住民の不安・恐怖の更なる高まり、警察・自治体等の対応コストの増加
    • 「数時間後に大きな地震が来る」等の真偽不明の情報が拡散⇒避難所に多くの人が押し寄せ(避難所の混乱・対応コストの増加)
    • SNS上に、品薄状態の商品棚の写真が次々と投稿される(実際は一時的な在庫の不足)⇒食料品をまとめ買いする行動を誘発(生活への影響)
    • 真偽判別の難しい情報の伝搬傾向
    • 大規模な自然災害発生時には、真偽判別の難しい情報が生まれやすい環境が醸成されやすい⇒完全に防止することは難しい
    • インフルエンサーに加えて、一般ユーザも拡散の主体を担う⇒幅広い層・主体への啓発が必要
    • 発災後の時系列や災害種類に応じて拡散されやすい情報の傾向がある⇒情報発信・拡散されやすい情報の特徴・傾向を踏まえた対応
    • 事実情報のよる打消し情報が拡散されることで、収束が急速に広まる⇒速やかな事実確認と、それを適切な方法で情報発信・拡散することが必要
▼ 資料17-3-2 警察庁ご発表資料(S N Sを悪用した投資・ロマンス詐欺の被害発生状況等について)
  • SNS型投資詐欺
    • 相手方が、主としてSNSを用いて投資を勧め、投資名目で金銭等をだまし取る詐欺
  • SNS型ロマンス詐欺
    • 相手方が、外国人又は海外居住者を名乗り、主としてSNSを用いてやりとりを重ねることで恋愛感情や親近感を抱かせ、金銭等をだまし取る詐欺
  • SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺ともに昨年下半期の増加が顕著。1件当たりの平均被害額は1,000万円超
  • 男性の被害がやや多い。男性・女性ともに40歳代から60歳代が多い
  • 500万円以下の被害が多いが、1億円超の被害も発生。男女間で被害額の傾向に大きな差は認められない。当初接触ツールとして、いくつかの特定のサービスの利用が目立つ
  • 被害時の連絡ツールは特定のサービスが8割以上。交付形態は振込が8割以上
  • 女性の被害がやや多い。男性・女性ともに40歳代から60歳代が多い
  • 500万円以下の被害が多いが、1億円超の被害も発生。女性は被害額がやや高額になる傾向が認められる
  • 当初接触ツールとして、いくつかの特定のサービスの利用が目立つ
  • 被害時の連絡ツールは特定のサービスが8割以上。交付形態は振込が約8割。恋愛感情や親近感を抱かせた上で、大半が投資話をもちかけられて金銭等を詐取される
  • SNS型投資詐欺の被害に遭うまでの流れ(イメージ)
    • SNSの広告をタップ
    • 犯人側との接触、グループに招待
    • 儲かっているなどとサクラが投稿
    • 投資家やそのアシスタントを名乗る者から振込指示
    • 偽の利益を掲載し、その一部(少額)を被害者口座へ振込
    • 高額の偽利益を表示。全額引出のための手数料等を要求
    • 突然、連絡が途絶える
  • SNS型投資詐欺の具体的被害事例
    • 事例【被害者:60代女性、被害額:合計約1,400万円】
      • 女性(60代)が、投資コンサルを自称する男から、「モニター会員を募集しています。」「絶対お得で儲かります。」「もっと金額を増やしたら利益が出ます。」などとSNSで言われ、指定された口座に複数回振り込み入金して、合計約1,400万円詐取された。
    • 事例【被害者:70代女性、被害額:合計約4,500万円】
      • 著名人を自称する者やその助手を自称する者との間で、SNS上の投資グループになった後、指定された口座に複数回振り込み入金して詐取された上、「倍増プランがあります。」、「上位クラスでの取引があります。」などと提案され更に被害に遭った後、「監督当局によって資金が差し止めされている。」などと言われて出金できなくなった。
  • 警察におけるSNS型投資・ロマンス詐欺への対策
    • 令和5年下半期において、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害が急増し、同年の合計被害額が450億円以上にのぼり、同年の特殊詐欺被害額(440億円)を上回る。
    • これらの詐欺については、被害実態や詳細な犯行手口が必ずしも十分明らかではないため、被害実態等の早急な解明と対策が必要。
      1. 対策推進体制の構築
        • 特殊詐欺対策及び匿名・流動型犯罪グループ対策と一体的に推進
        • 関係部門横断的な体制を構築し、特殊詐欺捜査部門、生活経済事犯捜査部門、国際捜査部門、サイバー捜査部門等が、部門の垣根を越えて連携
      2. 実態解明等の推進
        • 匿名・流動型犯罪グループをはじめとする犯罪組織が関与している可能性を視野に、事件捜査等で得た情報を分析し、実態解明を推進
      3. 全国警察が一体となった捜査の推進
        • 特殊詐欺連合捜査班(TAIT)も活用し、被疑者の検挙や犯行拠点の摘発に向けた捜査を推進
      4. 外国捜査機関等との連携
        • 外国捜査機関との情報共有、捜査共助等を実施
        • 関連する国際会議等への出席を通じて、外国捜査機関との連携を深めるとともに、国際的な機運の醸成に努める
      5. 積極的な広報啓発
        • 捜査等を通じて把握した手口や被害発生状況等を踏まえ、被害者となり得る国民に対する効果的な広報啓発を推進
      6. 関係省庁・関係事業者への働き掛け
        • 関係省庁との連携強化
        • SNS事業者、金融機関等の関係事業者とも緊密に連携し、官民一体となった被害防止策を推進
          • 投資詐欺の入り口となる偽広告等への対策強化(偽広告等の審査・検知強化、警告や削除、関連が認められる広告の表示停止措置)
          • 犯罪利用が疑われるアカウントの停止措置、関連が認められる新規アカウントの開設阻止
          • SNS利用者の本人確認の厳格化
          • 知らない者からの検索拒否の初期設定化
          • SNS事業者の取組状況の開示 等

~NEW~
総務省 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第3回)
▼ 資料3-1 SMSの不適正利用対策の方向性(案)について(事務局)
  • マルウェア感染端末からのSMS発信対策
    • マルウェア感染端末/回線の特定
    • マルウェア感染端末/回線の利用者への警告/注意喚起
    • マルウェア流通を防止する方策(OSでの対策等)の検討
    • スミッシングメッセージの申告/情報提供の推進
    • ⇒マルウェア感染端末/回線の特定及び利用者への警告/注意喚起の実施を進めてはどうか。スミッシングの申告受付が進んでいないことから、円滑に受け付けられる仕組みを構築してはどうか。
  • SMS配信者・受信者の不適正利用対策
    • SMS発信元の明確化/透明化
      • キャリア共通番号(0005番号)の普及/利用拡大
      • 海外通信事業者から配信されるSMSへの対策
    • SMS機能付きデータ通信専用SIMカードの契約時の本人確認の現状の把握、更なる推進
    • SMS認証代行事業者への対処
    • SMS配信事業者、通信キャリア間の情報連携、自主的対策の促進
    • RCS(+メッセージ等)の活用推進
  • 前回WGにおいて構成員から頂戴したご意見
    • マルウェア感染端末/回線の特定及び利用者への警告/注意喚起については、通信の秘密の取扱いに留意した上で、積極的に進めるべきである。(中原構成員ほか)
    • 利用者への警告/注意喚起の方法については、実効性のある方法を検討し、その結果マルウェアの削除や対策アプリの導入などの行動変容が実現したかどうかについて、フォローアップすべき。(中原構成員、星構成員、鎮目構成員)
    • スミッシングメッセージについて、円滑にユーザーからの申告を受け付けられるようにし、事業者横断で活用できるような環境を整備すべき。(沢田構成員、山根構成員)
    • 正規のメッセージがきちんと正規のものであると見分けられるよう、SMS発信元の明確化・透明化に係る取組を進めるべき。(沢田構成員)
    • 事業者間の連携に当たっては、SMSを利用する側の事業者とも連携してもらいたい。(沢田構成員)
    • SMS認証代行が悪用されていることから、対策を進めるべき。(星構成員)
    • 国外におけるSMS不適正利用対策の動向を確認し、参考として進めるべき。(仲上構成員)
    • 事業者側で行われている各種対策について、まだ利用者の理解が高まっていないことから、周知啓発を行うべき。(大谷構成員ほか)
  • SMSの不適正利用対策の方向性(案)
    • マルウェア感染端末の特定・警告の推進
      • 通信の秘密の取扱いに留意した上で、通信キャリアが提供するSMSフィルタリングにおいて得られたデータを分析し、マルウェア感染端末の特定・警告を行う取組を進めることにより、マルウェア感染端末の利用者の損害の拡大の防止に加え、利用者の行動変容を促し、スミッシングメッセージの拡散を抑制する。
    • スミッシングメッセージの申告受付の推進
      • スミッシングメッセージ等の迷惑SMSを受け取った利用者から、さらに円滑に申告を受け付けられるようにしていくとともに、申告データを事業者横断で活用できるようにする仕組みを構築することにより、迅速な迷惑SMS対策ができるようにする。
    • SMS関連事業者による業界ルールの策定
      • SMS不適正利用対策事業者連絡会の枠組を活用し、SMSを利用する側の事業者を含め、関連する業界団体と連携することにより、SMS発信元の明確化・透明化に係る取組や、SMS認証代行事業者等の悪質事業者への対策などを盛り込んだ業界ルールを策定し、正規のメッセージがしっかり正規のものとわかる形で配信されるよう、効果的な対策を実行する。
    • 迷惑SMS対策に係る周知啓発の推進
      • スミッシングの攻撃手法は時々刻々と変化をしていることから、官民が連携し、最新の対策方法に関する情報発信を行うとともに、キャリア共通番号の仕組みの周知広報やRCSの活用推進など、SMSに関する利用者のリテラシー向上につとめ、自主的な防衛を推進する
▼ 資料3-3 本人確認書類の偽変造等の実態(警察庁)
  • 特殊詐欺の被害は、1日あたり1.1億円の被害が発生するなど引き続き深刻。2月末では、昨年同期に比較して件数面では約20%減少したものの、被害額は2%増加
  • 携帯電話の不正契約には、一見して真正なものと見分けがつかないほど精巧に偽変造された本人確認書類が用いられることが多い。

~NEW~
国土交通省 令和7年4月1日から省エネ基準適合の全面義務化や構造関係規定の見直しなどが施行されます!!
  • 令和4年6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)」の施行期日を定める政令及び施行に必要な規定の整備等を行う政令が、本日、閣議決定されました。
  • 背景
    • 令和4年6月、建築物の省エネ性能の一層の向上を図る対策の抜本的な強化等のための「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)が公布されました。改正法においては、原則全ての新築住宅・非住宅への省エネ基準適合の義務付け、構造規制の合理化などに係る規定について、公布の日から3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされています。
    • 今般、これら規定の施行期日を定めるとともに、施行に必要な政令の整備を行います。
  • 政令の概要
    1. 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
      • 令和7年4月1日から施行することとする。
    2. 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令
      • 省エネ基準への適合を求めない建築の規模を、床面積が10㎡以下の建築物の建築とする(建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律施行令関係)。
      • 建築物における省エネ基準への適合義務の対象拡大に関連して、高い断熱性能を有する、太陽光パネルを備えるなど、様々な仕様の木造建築物が増えることを踏まえ、建築物の仕様等に応じて求める「柱の太さや壁の量」等に係る構造関係規定を整備する(具体的な内容は告示に委任)(建築基準法施行令関係)。
      • その他、都道府県と市町村における建築主事の事務の整理を行う等、所要の改正を行う(建築基準法施行令等関係)。
  • スケジュール
    • 公布:令和6年4月19日(金)
    • 施行:令和7年4月 1日(火)

~NEW~
国土交通省 公共工事の施工体制の点検結果を公表します!~令和5年度公共工事の施工体制の全国一斉点検の結果~
  • 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づき、国土交通省直轄工事を対象に「公共工事の施工体制の全国一斉点検」を実施した結果、多くの工事において適切な施工体制が確保されていることが分かりましたのでお知らせします。
  • 背景
    • 公共工事を適切に実施するためには、点検等を通じて施工体制を適正なものとすることが重要であることから、国土交通省では平成14年度から毎年直轄工事を対象に「公共工事の施工体制の全国一斉点検」を実施しており、令和5年度も10月から12月に稼働している550件の直轄工事を対象に実施しました。
  • 点検結果の概要
    • 点検(1)
      • 主任技術者・監理技術者に関する点検
      • 理技術者・主任技術者の専任配置について、全て適切に配置されていることを確認しました。また、建設業法改正に伴い令和2年度から技士補の配置に関しても、適切に配置されていることを確認しました。
    • 点検(2)
      • 下請負人との契約や支払いに関する点検 点検した全ての工事において、元請負人が建設業許可を受けている適切な下請負人と契約していることを確認しました。一方で、下請との工事契約内容で指摘事項が見られました。
    • 点検(3)
      • 施工体制台帳に関する点検 点検した全ての工事において、施工体制台帳が作成されていることが確認できました。一方で、施工体制台帳に記載すべき内容の未記入により不備となった工事があり、改善を行っています。
    • 点検(4)
      • 下請負人への点検 下請負人の主任技術者資格については、点検した全ての工事において、適正に配置されていることを確認しました。また、元請負人と下請負人との資機材の取引については、点検した全ての工事において適正に取引されていることを確認しました。

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