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【イベントレポート】企業危機管理オープンセミナー「『内部通報窓口「超」実践ハンドブック(改訂版)』(清文社)出版記念セミナー」を開催しました

2022.02.24
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2022年2月10日に本セミナーは、『内部通報窓口「超」実践ハンドブック』(2016年12月)の改訂版が出版されたことを記念して開催されました。書籍の内容を踏まえながら最新の動向を紹介し、法改正に備え何をすべきか考えるきっかけを提供しました。

『内部通報窓口「超」実践ハンドブック(改訂版)』(清文社)出版記念セミナー

セミナー概要

講師:総合研究部 研究員 福田 有理子

1.近年の状況変化
2.公益通報者保護法改正のポイント
3.内部通報制度の現状

講演

1. 近年の状況変化

コーポレートガバナンスコードが2021年6月に改訂され、法令違反に限らず広くリスク情報を吸い上げる窓口が必要」とされました。法令違反、コンプライアンス違反に限定せず、「おかしいな」と思ったら気軽に相談できる窓口を設置することで、リスクの発見や対処を早く行うことができます。また、企業自ら取り組んでいることをアピールしていくことが重要となってきています。

2. 公益通報者保護法改正のポイント

公益通報者保護法の制定の経緯は2000年代初頭に企業不祥事が組織内部からの告発により相次いで発覚しました。その後、告発した従業員等を、不当解雇や不当配転などの不利益取り扱いから守るために2006年に制定されました。

今回の法改正では、窓口設定・調査・是正措置等に関する適切な運用が、企業に義務付けられました。必要な取り組みの詳細については、消費者庁「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(令和3年内閣府告示第118号)の解説」で解説されています。従業員数が300名以下の企業は努力義務とされていますが、組織の長その他幹部からの独立性の確保に関しては、対応することを推奨します。

また、不利益取り扱いから守られる対象として、役員と退職後1年以内の退職者も保護対象に追加され、保護対象が拡大しました。外部への告発を防ぐために、退職時ヒアリングを実施することも有効です。

そして、行政機関への通報においては、証拠資料がなくても氏名と事案の内容を伝えることで、法律上保護されることとなりました。組織の内部通報窓口において、匿名通報を受け付けていない場合、「氏名と内容を伝える」という観点で組織へ通報することと行政機関へ告発することへのハードルがほぼ等しくなります。まずは組織へ通報してもらうためにも、匿名通報も原則受け付けることを推奨します。その際に、匿名通報の場合は、調査に限界があることを通報者に説明しておくことが重要です。

改正のポイントである「従事者」については、指針にて定められています。

第3 従事者の定め(法第11条第1項関係)

1 事業者は、内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関して公益通報対応業務を行う者であり、かつ、当該業務に関して公益通報者を特定させる事項を伝達される者を、従事者として定めなければならない。

公益通報者保護法第 11 条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針より引用】

従事者を指定する際は、注意事項や守秘義務などを説明し、書面等の証拠に残る形で行うことが望ましいです。また、従事者に指定されていない者は、刑事罰の対象になりません。調査の中で、公益通報に当たらない事案においても、通報者の情報が広く知られてしまうと窓口の信用が著しく低下してしまいます。ヒアリング調査時は、どうしても必要な場合以外は内部通報による調査であることを知らせない方法で運用することが望ましいです。

また、従事者と元従事者に対し、通報者を特定させる情報について法律上の守秘を義務付けられています。正当な理由なく義務に違反した場合、刑事罰が科される可能性があります。情報共有範囲については通報者に確認し、慎重な判断が求められます。

3. 内部通報制度の現状

2021年に当社実施したアンケート「内部通報制度の現状調査(2021年)」において、従事者になり得る窓口担当者が感じている課題として、「担当者自身のスキル」に課題を感じているという回答が最も多くありました。従事者に対する研修においては座学だけではなく、ケーススタディーやロールプレイングなど実践的な内容を盛り込むことで、スキル向上を促すことも一案です。

また、教育研修だけではなく、従事者のケアをしていくことが重要となります。従事者には、通報対応特有のストレス、法的な守秘義務、罰則の可能性があるため、精神的な負担が増加しています。そのため、従事者のケアも積極的に実施していくことが望ましいです。

社内と社外両方に窓口を設置している企業は、すべての項目で社内のみで設置している企業よりも効果を実感していることが分かりました。指針の解説においても、経営幹部から独立したルートを設置すべきとしており、その取り組みの一つとして社外窓口を設置する事が推奨されています。

「これさえやっておけば大丈夫」という裏技や近道はありません。実効的に機能する窓口を運用するためには、継続的な研修を実施することが欠かせません。職制で解決できないことや不正の懸念があることを相談できる先として、窓口が選択肢として思い浮かぶように、自社に合った形で地道に信頼を積み重ねていくことが重要です。

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