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本当に反社排除を考えていますか!? ~健全度分析座談会 第1弾~

2021.06.03
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第1弾では、健全度分析、健全度分析Liteのサービス内容とその特徴、分析官の調査手法についてお届けします。
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司会:健全度分析とはどのようなサービスですか?

B分析官:お客様から依頼のあった「対象会社」について、登記情報をはじめとして、反社会的勢力や詐欺行為などの問題のある相手先ではないか、そういったリスクに該当する人物が関係先にいないかを深堀調査するサービスです。

     具体的には、商業登記情報から代表者の住所地を確認し、不動産登記情報から不動産の所有権、根抵当権などの権利関係、金銭貸借関係などを探っていきます。そういった登記情報を手掛かりに、各種業界の許認可や業法に基づく情報、風評や不芳情報、インターネット情報、SNS等のあらゆる情報手段をもって、いわゆる「怪しい情報、怪しい人物」がないかを深堀していきます。代表者や役員だけでなく、その周辺や背後にいる人物なども含めて、我々分析官が多面的に調べた客観的な情報と当社の見解を提供するという内容です。

C分析官:今の時代、反社の人たちは表立って接近して来ないんです。企業に接近してくるのは、何もない真っ白な人(反社でない一般人)です。黒(反社)やグレー(反社と関係ある人)の経歴の人は、ネットなどで調べられたらすぐに分かってしまうことを自覚しているので、代表者を額面上真っ白な人にして、その背後に隠れています。ですから、企業様側が一見で分かるかというと難しいと思います。

     座談会の様子
でも、おかしな会社は、登記を見ればわかります。例えば、対象会社の住所と同じ住所に別の会社があるとか、代表取締役の住所に別の会社があったり、安い家賃のアパートになっていたり…。

     「人」と「場所」の関係をつなぎ合わせていって、真っ白な代表者の後ろに、実質経営者や反社などがいないかどうか、情報を広く取って、そこから絞り込んでいくんです。

司会:真っ白な経歴の代表者とその「裏にいる人」が結びついているかをどのように見つけるのでしょうか?これまでのお話だと、「裏にいる人」は分からないように様々な工夫をしていると思うのですが。

C分析官:例えば、風評が出ている人は自分でもそれが分かっているので、SEO対策の逆バージョンで、ノイズとなる情報をわざとたくさん作って、検索しても埋もれさせる対策をしています。そういうことに対応する業者もあります。なので、つながりを見つけることは、実際のところなかなか困難です。実際の例では、風評が出ている人を役員から外し、登記を取っても、株式を見ても全然つながりが出てこないようにしている会社がありました。しかし、広く時期を取って、様々な情報を探したところ、当該会社の顧問の肩書で講演活動をしている地方新聞の記事を見つけました。全く違う切り口の記事なので、対策しきれていなかったのだと思います。

     我々分析官は、「どうやったら隠して商売ができるのか?」と、逆の立場・相手の立場になりながら、推測して調査を進めます。

 A課長:調べることとしては、秘密情報はないんです。あくまで基本情報はご依頼企業様から与えられる情報です。お客様からの情報をいかに我々が引き出せるか、ヒアリング力も必要になります。お客様自身は「この会社と取引をしたい」という前向きなお話ししかされないことがほとんどです。最初に与えられる情報も対象となる会社名だけのことも多いです。ですから、我々は「代表者以外にどんな方がいらっしゃいましたか?」「名刺を交換しなかった人はいませんでしたか?」「その方はどんな様子でしたか?」などと質問を重ね、登場人物の情報を追加していきます。企業のご担当者様は意識していないことも多いため、こちらから質問をして、初めて「あ、そういう人もいました。」と言われることも多いです。我々はそのような情報を元に調査を進めます。

  司会:企業様としては、「どうしてこの人はいつも一緒に来るんだろう?」程度で、その人のことをあまり気にしていないけれども、そういう人が危ないということですか?

 A課長:そうですね。意外とそういう人が危ないパターンが多いです。ですので、我々の経験談を元にお客様にヒアリングをして、お客様が持っている情報、もっと言うと「オフィシャルな情報以外の話」を引き出せると、健全度分析が活かされます。

  司会:ヒアリングではどのようなことを聴かれるのでしょうか?

C分析官:端緒情報です。まずは、どういう経緯で対象会社と契約することになったのか、どうして健全度分析の依頼に至ったのか、といったことをお伺いすると、「良くない噂を耳にして…」とか、「金額が大きいので」「業界的に要チェックなので…」などの事情が出てきます。調べ終わった後に、「実は…」と言われてしまうと困るので、最初に細かい話まで確認します。依頼企業様の事情をきちんと把握できていないと、情報にたどり着けないこともあるので、「え?そんなこと関係あるの?」ということまでお伺いすることもありますよ。正攻法では辿り着けないこともあるので、依頼企業様が「なぜ疑念を抱かれたか」ということが調査する上での大きなヒントになることはあります。そういった情報から、分析官が、経験と勘を研ぎ澄ませながら調査を進めていきます。

司会:健全度分析と健全度分析Liteはどのような違いがあるのでしょうか?

D分析官:名前は似ていますが、全く別のサービスと考えてください。健全度分析は、ほかの分析官がお話しした通りです。Liteは表面的な情報、つまり登記情報の精査とQSS・風評検索等SP RISK SEARCH)で調べます。ですから、その裏にいる人などは分かりません。ただ、登記情報におかしな点があれば、さらなる深堀調査をお勧めすることもあります。

 A課長:Liteでは深堀調査はしませんので、簡易的なものになります。例えば、「今取引のある会社さんがどうなのか?」ですとか、「急いで契約を締結する必要があって、最低限の調査が必要」など、どうしても時間がない中で、最低限のチェックだけしたい、という時にご利用いただくようなサービスです。スピーディに提供できるという利点はありますが、調査としては不十分ではあります。

B分析官:登記を我々がチェックすることは利点と言えます。我々が見ることで、お客様ではなかなか気づかないような異変に気づけたり、その上で、「もっとこういうところを見たほうがいいのではないですか?」というアドバイスができるという点は利点です。

  司会:そうすると、通常は取引をする際に、お客様自身が登記情報を見て判断される工程を、弊社が代行するサービスということでしょうか?

 A課長:そうですね。登記情報をチェックするという意味では表面的なチェックですが、我々専門家の目でチェックするという点に大きな違いがあります。

E分析官:既存の取引先の再チェックの場合にもお使いいただけると思います。SPRSのQSSと風評検索はお客様でもできることですが、プラスアルファとして分析官のコメントがつきますので、参考にしていただけると思います。取引先の役員が変わったタイミングや契約更新時にお使いいただくことは有益だと思います。

C分析官:その企業様に、登記情報を見て、必要な判断ができるご担当者様がいるのか、ということにもよると思います。会社のルールなどで、登記情報を確認することは決まっていても、登記には種類があるので、現在事項全部証明書だけを取っている場合だと情報が足りないと考えられます。我々が取るのは、履歴事項全部証明書や閉鎖謄本です。登記の見方に不安があるご担当者様には、一度、健全度分析Liteをお試しいただいて、登記の見方の参考にしていただくという利用の仕方もお勧めできます。

司会:初めて取引を検討される相手先については、やはり健全度分析をお勧めするということですね。ところで、健全度分析をすれば絶対安心と言えるのでしょうか?

 A課長:我々が収集しているのは、公知情報なので、逮捕されて新聞報道をされていなければ情報が出てこないこともあります。稀ですが、反社会的組織の幹部でも逮捕歴のない人物もいます。そういう人は公知情報として出てくる可能性は低いといえます。ですので、健全度分析が絶対安心とは言えないのも事実です。ただ、「情報が出てこない」ということ自体が1つの情報です。「手を尽くして調べても情報が出てこない」いう情報と、お客様が感じた身体的特徴(刺青がある、小指が欠損している等)や言動、印象をもって警察にご相談に行っていただくというのが最後の手段だと思います。警察も何も調べないで行くよりも、「ここまで調べたけれども分かりません」と調査実態の情報をもっていくのでは、対応が変わることがあります。

  司会:警察の対応が変わるんですか?案件概要図を囲んでの議論

 A課長:健全度分析で作成した案件概要図(チャート)などを用いて警察に説明することなど協力姿勢を見せることで、対応が変化する場合があります。都道府県警では、新聞に載らないような事件や事故も把握していますし、その地域の暴力団構成員の情報もある程度把握しています。ですから、暴排に協力的な姿勢を見せることで、公知情報にはない、判断材料に有効な情報を提供いただけることもあります。但し、警察は5年より前の情報は基本的に提供できませんので、その点は注意が必要です。(※)

     (※)多くの暴力団排除条例では、規制対象者は、「暴力団員の行った暴力的不法行為等の共犯等として刑に処せられて、その執行が終わった日から5年を経過しない者」とされています。

以上、第1弾では、健全度分析と健全度分析Liteのサービス内容や分析官の調査手法についてお届けしました。次回、第2弾では、過去案件を踏まえてよりディープに調査の世界をお伝えします。

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