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危機管理トピックス

サイバー演習計画に関するG7の基礎的要素(金融庁)/スマートかつ強靱な地域経済社会の実現に向けた研究会(経産省)/中長期の自然災害リスクに関する分析結果(国交省)

2020.12.07
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更新日:2020年12月7日 新着19記事

タイトルイメージ図

【新着トピックス】

~NEW~
法務省 令和2年版犯罪白書のあらまし
  • 刑法犯の認知件数は、平成14年(285万4,061件)をピークに17年連続で減少。令和元年(前年比8.4%減)も戦後最少を更新
  • 窃盗:平成15年以降、減少。令和元年(前年比8.5%減)も戦後最少を更新。刑法犯の認知件数の7割以上を占める詐欺:認知件数3万2,207件(前年比16.4%減)。平成30年以降、減少・特殊詐欺の認知件数1万6,851件(前年比5.6%減)※うちキャッシュカード詐欺盗3,777件(前年比180.2%増)被害総額約196億円(前年比32.9%減)粗暴犯:傷害:認知件数2万1,188件(前年比5.9%減)。平成16年以降、減少傾向。暴行:認知件数3万276件(前年比3.5%減)。平成18年以降、高止まり
  • 性犯罪:強制性交等:認知件数1,405件(前年比7.5%増)。平成29年以降、増加。強制わいせつ:認知件数4,900件(前年比8.2%減)。平成26年以降、減少
  • 児童虐待:検挙件数平成26年以降、大きく増加。令和元年(前年比42.9%増)は、平成15年の約9.3倍。罪名別:傷害や暴行が顕著に増加。加害者(検挙人員):父親等の割合が71.5%。殺人・保護責任者遺棄では、母親等の割合が78.0%・68.8%。児童買春・児童ポルノ禁止法違反の検察庁新規受理人員令和元年は3,397人平成11年の同法施行後、増加傾向。令和元年は前年から5.0%減少
  • 配偶者間暴力:配偶者暴力防止法違反(検挙件数):平成27年以降、減少傾向。令和元年は71件(前年と同じ)。他法令(検挙件数):令和元年は9,090件。平成22年の約3.9倍。被害者:令和元年は総数の約8割が女性。被害者と加害者の関係では、婚姻関係が全体の75.6%
  • ストーカー犯罪:ストーカー規制法違反(検挙件数):平成30年から2年連続で減少。令和元年は864件(平成23年の約4.2倍)。他法令(検挙件数):平成29年以降、3年連続で減少。令和元年は1,491件(平成23年の約1.9倍)
  • 高齢者犯罪:高齢者の刑法犯検挙人員:令和元年は前年比5.1%減平成20年をピークに高止まり。28年以降、減少傾向。70歳以上の者は72.4%。女性高齢者の刑法犯検挙人員:令和元年は1万3,586人(前年比7.0%減)。70歳以上の者は79.9%。高齢者率33.7%。罪名別:全年齢層に比べて、窃盗の割合が高い。特に、女性は約9割が窃盗(その大部分が万引き)
  • 少年による刑法犯:検挙人員:平成16年以降、減少。令和元年は2万6,076人(前年比14.4%減)。人口比:検挙人員と同様に低下傾向(令和元年はピークである昭和56年の約6分の1)。成人人口比に比して高いが、その差は減少傾向。年齢層別動向:昭和41年以降、初めて年少少年の人口比が中間少年及び年長少年の人口比を下回った。※令和元年検挙人員(人口比):年長少年:6,430人(264.6)、中間少年:8,213人(359.6)、年少少年:5,271人(242.5)、触法少年:6,162人(143.9)
  • 裁判:裁判確定人員前年比11.0%減(最近10年でおおむね半減)。裁判員裁判:第一審判決人員1,001人。全部執行猶予者の保護観察率7.2%(前年比0.6pt低下)
  • 矯正・更生保護:入所受刑者人員前年比4.4%減(戦後最少を更新)。刑事施設の年末収容人員(受刑者)4万1,867人(前年末比5.2%減)。収容率(既決)60.6%(前年末比2.7pt低下)。女性は、71.0%。仮釈放率58.3%(前年比0.1pt低下)
  • 非行少年処遇の概要について、検挙人員:刑法犯2万6,076人(前年比14.4%減。平成16年以降、減少し続ける)、窃盗が1万4,906人と最も多い。特殊詐欺による検挙人員は619人。特別法犯4,557人(前年比4.7%増)軽犯罪法違反が最も多い(967人)。少年院入院者:1,727人(前年比18.1%減。平成13年以降、減少傾向)うち女子133人、年少(16歳未満)10.7%、中間(16歳以上18歳未満)36.0%、年長(18歳以上)53.3%
  • 薬物犯罪・非行の動向
    • 検挙人員の推移:覚せい剤:平成13年以降、減少傾向。令和元年は、44年ぶりに1万人を下回る(前年比13.0%減)。大麻:平成26年以降、急増。令和元年は、昭和46年以降、初めて4,000人を超える(前年比21.5%増)
    • 覚醒剤・コカインの押収量は、平成元年以降、最多。覚醒剤の密輸入事犯の摘発件数は、前年の約2.5倍に急増
    • 違法薬物の流通量の減少が肝要。水際対策の徹底が重要(関係機関との連携・国際協力の活用等)
    • 検察:覚せい剤:起訴率:75.7%起訴、猶予率:9.1%。大麻:起訴率:50.6%起訴、猶予率:35.7%。麻薬:起訴率:59.9%起訴、猶予率:19.2%
    • 矯正・更生保護における処遇に至らない者(起訴猶予処分・単純執行猶予(保護観察の付かない全部執行猶予)判決を受けた者)が一定数存在。刑事処分の早い段階での対応が必要
    • これらの者に対する社会復帰支援(入口支援)の充実が重要。個別の事案に鑑み、求刑において、保護観察に付するよう積極的に求めるなど
    • 入所受刑者:増減を繰り返しながらも、減少傾向。令和元年は、4,378人(前年比471人減)。うち、一部執行猶予受刑者は、1,275人(前年比119人減)
    • 入所受刑者総数に占める比率:20%台で推移。一方、女性入所受刑者に占める比率は30~40%台で推移
    • 仮釈放率:令和元年は、平成12年以降、最も高い65.9%。出所受刑者全体と比べて7.5pt高い
    • 保護観察:覚醒剤取締法違反保護観察開始人員・全部執行猶予者の保護観察率の推移。開始人員:平成22年以降、増加傾向。保護観察付一部執行猶予者:制度開始翌年の平成29年以降、増加し続け、令和元年は、前年比52.0%増。一部執行猶予者の保護観察率:令和元年は、100.0%
    • 少年の薬物非行:覚せい剤:平成10年以降、減少傾向。検挙人員の女子比は、40~60%台で推移。大麻・麻薬:大麻:平成26年から6年連続で増加し、令和元年は前年比41.0%増。麻薬:昭和50年以降、おおむね横ばい
    • 若年層が薬物の影響を誤解して使用を開始している可能性。薬物の害悪や薬物使用の弊害について正確な情報を提供するため、広報啓発活動の充実強化が必要
  • 再犯・再非行
    • 覚せい剤:同一罪名再犯者率は、近年上昇傾向。令和元年は、平成12年より14.5pt上昇。大麻:同一罪名再犯者率は、平成27年以降、おおむね横ばい。令和元年は、前年より1.2pt低下
    • 出所受刑者全体と比べて、5年以内・10年以内再入率が高い(満期釈放・仮釈放のいずれも)。各年の再入所者の再入罪名は、約8割が覚醒剤取締法違反。【再入率の高い類型】出所事由:満期釈放、入所度数:3度以上、男女・初入者・再入者:男性・再入者
  • 薬物事犯者の処遇:刑の一部執行猶予制度:刑事施設出所後に引き続き保護観察が行われるなどすることで、指導・支援者の緊密な連携、社会復帰への必要な介入が可能
    1. 検察
      • 入口支援 例:地方公共団体と地方検察庁との連携による薬物事犯者に対する社会復帰支援の取組
    2. 矯正:特別改善指導・特定生活指導
      • 薬物依存離脱指導【刑事施設】
        • 平成28年度、標準プログラムを3種類に複線化。以後、受講開始人員は1万人前後で推移
        • 受刑者個々の問題性やリスク等に応じ、各種プログラムを組み合わせて実施
        • 出所後の処遇等への効果的なつなぎを重視。
      • 薬物非行防止指導【少年院】重点指導施設として11庁が指定
    3. 更生保護 生活環境の調整等 ※矯正施設入所中から実施
      • 薬物犯罪特有の問題性に焦点を当てた調査(アセスメント)【地方更生保護委員会】
      • 保護観察所が行う生活環境の調整への指導・助言・連絡調整【地方更生保護委員会】
      • 出所・出院後の生活環境の調整【保護観察所】
        • 帰住予定地(家族のほか、更生保護施設(薬物処遇重点実施施設や薬物中間処遇実施施設)や自立準備ホーム(ダルク等))の調整
        • 必要な治療・支援を受けられるよう関係機関等と連携
        • 家族支援
    4. 更生保護 保護観察等
      • 薬物処遇ユニット
        • 薬物依存に関する専門的知見に基づき、専門的な処遇を集中して実施
      • 類型別処遇
        • 薬物犯罪の保護観察対象者に共通する問題性等に焦点を当てた効率的な処遇
      • 薬物再乱用防止プログラム
        • 特別遵守事項で義務付け教育課程+簡易薬物検出検査
        • 精神保健福祉センター等のプログラムや民間支援団体につなげる仕組み
      • 治療や回復支援を行う機関等との緊密な連携
        • 医療・援助を受けることの指示、治療状況等の把握や必要な協議
        • 薬物依存回復訓練の委託等
    5. 治療・支援期間:保護観察終了後も継続的に治療・支援機関につながることを後押し
      • 医療機関 入院治療、外来医療(専門プログラムの実施)を行う専門病院等
      • 相談機関 依存症の家族の相談を含めた幅広い相談に応じる精神保健福祉センター・保健所等
      • 回復支援施設 依存症者が入所・通所し、依存症からの回復を目指すダルク等
      • 自助グループ 依存症の当事者が公民館等でミーティングを行い、依存症からの回復を目指すNA等
      • 家族会等 依存症者の家族が互いに支え合う自助的な会
    6. 継続的かつシームレスな処遇・支援のための多機関連携の一層の充実
      • 刑事司法手続終了後も見据えた施設内・社会内処遇、治療・支援の連携強化
      • 支援につながりやすくなるような情報提供・動機付け・連携方法の更なる工夫
  • 特別調査 -薬物事犯者の特徴-
    • 基本的な特徴
      • 再入者:74.1% (前刑罪名=覚醒剤取締法違反:81.8%)
      • 保護処分歴あり:約3分の1 (男性4割強、女性2割強)
      • 調査対象事件(覚醒剤の入手先) 知人31.6%が最も高い (配偶者・交際相手:男性0.7% < 女性20.6%)
    • 薬物の乱用状況等
      • 覚醒剤の使用日数(1月当たり) 
        • 5日以下の者:約6割
        • 16日以上の者:約2割
      • 薬物乱用の生涯経験率
        • 有機溶剤(男性61.0%、女性58.6%)
        • 大麻(男性52.7%、女性52.7%)
        • 処方薬(男性29.0% < 女性44.2%)
        • ※ 危険ドラッグ(男性22.5% < 女性34.4%)
      • 薬物の乱用開始年齢
        • 何らかの薬物乱用の開始年齢(平均) 18.7歳(男女共)
        • 経験者のうち20歳未満で乱用を始めた者の割合:
          • 有機溶剤(男性97.4%、女性99.2%)
          • ガス(男性87.0%、女性92.9%)
          • ※ 覚醒剤(男性35.1% < 女性47.4%)
            大麻(男性48.0%、女性49.6%)
      • 薬物の乱用期間(5年以上の割合)
        • 覚醒剤(男性91.9%、女性92.3%)
        • 処方薬(男性63.6% < 女性75.0%)
      • 薬物依存の重症度
        • 集中治療の対象の目安となる群:5割近く
      • 薬物乱用の問題は相当に深刻。早い段階からの介入の必要性
      • 他の犯罪との関連
        • 違法薬物入手のための犯罪経験あり:23.5% (男性>女性)
        • 違法薬物影響下での犯罪経験あり:6.5% ※ 薬物犯罪・交通事故を除く。
        • 薬物乱用下での交通犯罪 ※ 差が顕著な項目
          • 運転:初入者69.9% < 再入者78.7%
          • 無免許運転:初入者17.1% < 再入者32.2%
          • 更なる犯罪につながる可能性
        • 覚醒剤使用の外的な引き金
          • 総数
            • 「クスリ仲間と会ったとき」
            • 「クスリ仲間から連絡がきたとき」
          • 男性 > 女性 ※ 差が顕著な項目
            • 「セックスをするとき」
            • 「手元にお金があるとき」 等
          • 男性 < 女性 ※ 差が顕著な項目
            • 「誰かとケンカしたあと」
            • 「自分の体型が気になるとき」 等
              (男性3.5%、女性31.2%)
          • 薬物仲間との接触等 特に引き金になりやすい
        • 覚醒剤使用の内的な引き金
          • 総数
            • 「イライラするとき」
            • 「気持ちが落ち込んでいるとき」
            • 「孤独を感じるとき」
            • ※ ほか、男性の上位項目「欲求不満のとき」
          • 男性 < 女性 ※ 差が顕著な項目
            • 否定的な感情等を表す多くの項目
          • 男女差のある項目が多数 ⇒ 特徴を踏まえた指導・支援へ
    • アルコール・ギャンブルの問題
      • アルコール
        • 飲酒経験あり:93.8%
        • うち、有害なアルコール使用が疑われる者:39.3%
          ※ 初入者・再入者共に同程度の割合
      • ギャンブル
        • ギャンブル経験あり:84.5%
        • うち、ギャンブル依存の疑いがある者:45.0%
          ※ 初入者・再入者共に同程度の割合
    • 男女差への着目:女性の覚醒剤事犯者 多角的かつ慎重な介入が必要
      • 薬物依存の重症度
        • 「相当程度」以上の割合:男性 < 女性
          ※ 集中治療の対象の目安とされる群
      • 食行動の問題等
        • 左図の全ての項目:男性< 女性
      • 小児期の逆境体験
        • 親との離死別(男性51.2%<女性57.9%)
        • 精神的な暴力(男性23.3%<女性48.2%)
        • 身体的な暴力(男性27.6%<女性39.0%)
        • ※ 全12項目で女性の経験率が高い。
      • 精神疾患・慢性疾患
        • 罹患率:いずれも 男性 < 女性
          • 精神疾患:男性8.6%、女性40.2%
          • 慢性疾患:男性10.5%、女性17.2%
    • 初入者・再入者の違いへの着目:多くの初入者も治療ニーズが高い。身近な者のサポートの重要性
      • 薬物依存の重症度
        • 「相当程度」以上の割合 初入者:4割近く 再入者:5割近く
      • 覚醒剤使用によるデメリット
        • 初入者 < 再入者 ※ 差が顕著な項目
          • 「周囲からの信頼を失った」
          • 「家族との人間関係が悪化した」等
      • 断薬経験(覚醒剤)
        • 断薬経験がある者の割合 初入者:80.2% 再入者:83.0%
      • 断薬した理由
        • 総数
          • 「大事な人を裏切りたくなかった」
          • 「逮捕されたり受刑したりするのは嫌だという思いがあった」
        • 初入者 < 再入者 ※ 差が顕著な項目
          • 「家族や交際相手などの大事な人が理解・協力してくれた」
    • 関係機関の支援についての経験・意識
      • 関係機関の利用状況
        • 「支援を受けたことがある」者
          • 専門病院:23.9%
          • 自助グループ:16.5%
          • 回復支援施設:12.9%
          • 保健機関:5.8%
        • 「存在は知っていたが、支援を受けたことはない」者
          • 再入者:約6~8割(各関係機関)
        • 「存在を知らなかった」者
          • 初入者 > 再入者(各関係機関)
      • 支援を受けたことがない理由
        • 総数(各関係機関の上位項目)
          • 「支援を受けなくても自分の力でやめられると思った」
          • 「支援を受けられる場所や連絡先を知らなかった」
          • 「支援を受けて何をするのかよくわからなかった」
      • 関係機関から受ける支援への良いイメージ
        • 専門病院・保健機関(上位項目)専門的な助言・支援を期待する項目
        • 回復支援施設・自助グループ(上位項目)仲間や支援者の獲得を期待する項目
      • 支援を受ける気になる状況
        • 総数(各関係機関の上位項目)
          • 「自分の力ではやめられないと感じれば」
          • 「家族や交際相手などの大事な人が理解・協力してくれれば」
          • 「刑務所や保護観察所等から具体的な場所や連絡先などを教えてもらえれば」 等
        • 「刑務所の中で、プログラムやグループを体験したり体験者から詳しい話を聞ければ」
          • 専門病院・保健機関:初入者 > 再入者
        • 情報提供と動機付けの重要性
          • 処遇機関での情報提供に一定の成果
          • 対象者の各関係機関への認識を踏まえた更なる情報提供と動機付け
        • 多機関連携の強化
          • 関係機関との連携方法の工夫

~NEW~
金融庁 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第4回) 議事次第
▼資料1 事務局説明資料(金融商品取引業者と銀行との顧客情報の共有等のあり方)
  • 金商法では、金融商品取引業者等(以下「金商業者等」)の役員又は使用人が当該金商業者等のために有価証券の売買等を行う場合、外務員としての登録が必要。
  • 外務員は、その所属する金商業者等を代理して行為する権限を有するものとみなされており、登録拒否要件において同時に複数の金商業者等(例えば、証券会社と登録金融機関)に所属することはできない。
    • 上記は、複数の金商業者等の外務員として有価証券の売買等を行えるものとすると、その外務員の行為が帰属する金商業者等が不明確となり、投資者保護の観点から好ましくないため設けられたもの
  • グループ内の銀行・証券会社を兼職する者でも、外務員登録にあたってその両方を所属先とすることはできないため、同一担当者が、顧客に対して銀証連携したワンストップサービスを提供できない(例えば、証券会社の外務員登録を受けた兼職者は、銀行職員の立場で登録金融機関業務ができず、銀行・証券会社それぞれが取り扱っているファイナンス手段をまとめて提案できない)。そのため、兼職の効果が十分に発揮できず顧客の利便性が損なわれているとの指摘がある。
  • 他方で、顧客保護の観点から外務員には所属金商業者等の代理権が擬制されているところ、仮に二重登録を認めた場合、外務員の行為の帰属先が不明確になる(例えば、同一の金融商品を扱っている銀行と証券会社の兼職者が不適切な販売・勧誘を行った場合、どちらを代理して販売・勧誘したかが曖昧になり顧客の責任追及に支障が生ずる)おそれがあるとの指摘や、外務員と顧客の利益相反が起こり得るといった指摘もある
  • 銀行と証券会社の間では届出により役職員の兼職が認められているが、非公開情報を用いて業務を行う部門を兼職している役職員には、以下のような規制が適用される(いわゆる「ホームベース・ルール」)。
    • いずれか一方の管理する非共有情報にしかアクセスできない
    • 非共有情報にアクセスできない方の法人の顧客に、非共有情報を用いて取引勧誘を行ってはならない
  • ホームベースルールについては、銀行と証券会社を兼職した場合であっても、一方の顧客の非公開情報に関してアクセスや利用が制限される場合、顧客に対して、金融グループとしての最適なサービスを提供するための銀証連携ができず、顧客ニーズに応えられないほか、我が国金融機関の国際競争力の強化等に対する障害となっているとの指摘がある。
  • 他方で、兼職者が双方の非公開情報にアクセスでき、当該非公開情報を用いて勧誘等を行うことができる場合には、利益相反や優越的地位の濫用が起こりうるおそれがあるとの指摘もある。
  • 銀行が株式等の引受業務を行うことは禁止されている。(金融商品取引法第33条)
  • 銀行の職員が、取引先企業に対し、証券会社の職員と共同訪問することは認められており、更に、株式公開等に向けたアドバイスを行い、又は引受証券会社に対し株式公開等が可能な取引先企業を紹介することは認められている。(金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針Ⅷ-2-6(1))
  • 一方、銀行の職員が、引受に関するアドバイスや紹介に止まらない具体的な条件の提示や交渉を行うことは、「引受」そのものに該当する可能性が高いとして認められていない。
  • 発行体向けクロスマーケティング規制の緩和については、単一担当者による以下のような提案等が可能となることで、金融グループが企業に対して総合的かつ高度な金融ソリューションを提供することが可能となり、発行体の利便性向上や我が国金融機関の国際競争力の強化等に資するとの指摘がある。
    • 証券会社の商品・サービスを含むファイナンス・メニューや複合的取引の説明
    • 証券会社の商品・サービスの内容や具体的条件の評価・提示
  • 他方で、従前より、発行体向けクロスマーケティング規制の緩和には、以下のような点についての指摘もある。
    • 銀行等の優越的地位の濫用の可能性
    • (銀行等と投資家との間の)利益相反関係
    • 証券会社の経営の独立性やリスク管理上の問題
    • 引受契約締結及び内容に係る責任の所在
    • 証券会社の引受審査態勢の強化との関係、及び証券外務員制度との関係
    • 金融商品取引法第33条との関係 等
  • 証券会社が、その親子法人等が発行する有価証券の引受主幹事会社となることに関し、以下の要件を満たす場合を除き、原則として禁止されている。 (金融商品取引業等に関する内閣府令153条1項4号)
    • 既上場会社の増資については、6か月以上継続上場している株券であって、1年間の売買金額及び時価総額がそれぞれ100億円以上であること等、一定の要件を満たしている。
    • IPO(新規公開時の増資)については、十分な経験や発行会社と資本関係及び人的関係において独立性を有する他の引受証券会社が株券の発行価格の決定プロセスに関与している。
  • 主幹事引受制限については、これまで、投資家保護の観点から、価格決定の透明性が確保されているなど弊害が少ないと考えられる場合に限り、規制対象から除外し緩和を行ってきたが、更に緩和すべきとの指摘がある。
  • 他方で、証券会社が親子法人等の発行する有価証券の引受主幹事会社になる場合、これらの資金調達を容易にするため引受審査が甘くなるおそれがあることから、有価証券の発行条件が歪められ、その結果、投資者が損失を被る懸念があるとの指摘もある。
  • 証券会社が有価証券の引受人となった日から6か月を経過する日までの間において、親子法人等に当該有価証券を売却することが、以下の場合等を除き原則禁止されている。(金融商品取引業等に関する内閣府令153条1項6号)
    • 親子法人等が顧客から当該有価証券の売買に関する注文を受け、当該親子法人等がその相手方となって売買を成立させるために当該有価証券を取得させる
    • 有価証券の募集・売出しに際してブックビルディングを行って当該有価証券に関する投資者の十分な需要が適正に把握され、合理的かつ公正な発行条件が決定されている
  • 引受証券の売却制限については、本規制の導入後の一般債市場拡大・流動性向上に伴い、制度撤廃、緩和余地があるのではないかとの意見がある。また、POT方式による起債の拡大の動き、発行体と投資家間の透明性の向上を求める市場環境下であることや、銀行及びその関連金融商品取引業者はアームズ・レングス・ルールを遵守していることに鑑み、第三者との通常の取引と異なる条件で金融商品取引が行われることは考えられないとの指摘がある。
  • 他方で、従前より、証券会社が引き受けた有価証券に募集残等が生じた際、親子法人等がそれを買い取ることが可能な場合、安易な引受けを助長するおそれがあり、その結果、有価証券市場における適切な資源配分機能や、グループ内金融機関全体の経営の健全性に悪影響を及ぼすことや、引受業務に存在する有価証券が売れ残るリスクを親子法人等に転嫁する懸念があるとの指摘もある。
  • 諸外国における顧客情報・利益相反管理に関する規律(投資銀行業務関係)(アメリカ)
    • アメリカにおいて、金融機関がいわゆる投資銀行業務を行う際の顧客情報管理については、1934年証券取引所法第15条(g)において、投資銀行業務を営む者に対して、重要未公開情報の不正利用防止体制の整備義務が定められている。
    • これを踏まえ、SECから委任を受けた自主規制団体(NASD・NYSC)の覚書において、重要未公開情報へのアクセスは、当該情報を知る必要性(need to know)のある従業員に限定されるべき旨が規定され、情報障壁の構築や制限リスト・監視リストの整備等が求められている。
    • これらは、もともと不公正取引の防止のための規定であったが、これらで要求されている情報管理が利益相反管理のための有効な措置であることから、利益相反管理のための規定としても利用されるようになった。
    • また、利益相反管理については、投資銀行業務を営む者に対して、1934年証券取引所法や「Regulation Best Interest」といった連邦法令による規律がなされている。
    • 金融機関において、上記の「情報管理規制」と「利益相反管理規制」とを踏まえ、それぞれのグループ・ポリシーとして、情報管理ルール・利益相反管理ルールを関連するものとして定めているものがある。(詳細については、引き続き要調査。)
    • 顧客情報管理と利益相反管理のそれぞれについて、当局等がルールの順守状況等をレビューしており、報告書を公表している。
    • 金融機関がいわゆる投資銀行業務を行う際には、1934年証券取引所法において、重要未公開情報の不正利用防止体制の整備義務が課せられており、その中で、利益相反管理の要素も含まれている。レギュレーションBIにおいて、証券会社が個人顧客に対して有価証券の推奨等を行う場合における、個人顧客の最善の利益のために行動する義務が課せられている。また、連邦規則や自主規制団体の規則において、個別の類型ごとに、利益相反管理体制の構築を定める規制が存在する。
    • 連邦法令においては、利益相反管理体制の整備義務を直接定める規定はないものの、上記の法令の規定に基づき、投資銀行業務を営む者は利益相反管理体制を整備している。
    • FINRAは、2013年に利益相反管理体制の整備状況に関する報告書を発表している。報告書においては、大きく、利益相反の特定・識別のための全社的な体制整備、新たな金融商品を組成し販売する際の利益相反のコントロール、個人顧客にとってのブローカーとして活動する者等の関連者に対する報酬のアプローチの3つの部分から構成されている。全社的な体制整備の項において、主に以下の点が指摘されている。
      1. 利益相反管理体制として、投資銀行の取引の規模や複雑さを考慮しつつ、以下の要素を整備すべき。
        • 顧客への倫理的な対応と利益相反への公正な対応の重要性を強調する経営トップの姿勢(Tone from the top)の周知
        • 社内において、利益相反を特定し、管理するための明確な構造、方針、およびプロセスの策定(方針においては、利益相反の類型・経営トップや従業員の役割・エスカレーションの手続等を記載)(プロセスについては、エスカレーションの方法や利益相反の有無に関する検査について記載)
        • 魅力的な事業の機会を失う場合であっても、重度の利益相反を回避するという姿勢の周知
        • 個人顧客と機関投資家の異なるニーズを考慮した、顧客に対する利益相反の説明
        • 潜在的な従業員の過去の履歴を厳格に審査する雇用慣行の構築
        • 顧客への倫理的な対応に重点を置き、従業員が利益相反を特定し管理できるようにする研修の実施
      2. 利益相反管理を総合的に支援する情報技術インフラの整備(例:コンフリクト・クリアランスのプロセス)
        • 利益相反を特定する観点からの評価について、継続的な取引状況の監視と定期的に行う直近の取引の調査を両方とも行っている投資銀行は存在しなかった。しかし、前者は投資銀行が利益相反を即座に特定し、迅速な対応を行うのに役立つ一方、後者は直近の状況を振り返り、利益相反に関する問題を包括的な手法で検討できるという点において、両者は相互補完的なものであるため、併用することが望ましい。
  • 諸外国における顧客情報・利益相反管理に関する規律(投資銀行業務関係)(ドイツ)
    • ドイツにおいて、投資銀行業務に関する顧客情報管理については「市場阻害行為規則(Market Abuse Regulation)」 等により、利益相反管理については「MiFIDⅡ」、「補足規則」、監督当局(BaFin)の「指針」により規律されている。
  • 諸外国における顧客情報・利益相反管理に関する規律(投資銀行業務関係)(イギリス)
    • イギリスにおいて、投資銀行業務(注)に関する顧客情報管理については「市場阻害行為規則(Market Abuse Regulation)」や監督当局(FCA)の「ハンドブック」により、利益相反管理については「MiFIDⅡ」及びその「補足規則」、監督当局(FCA)の「ハンドブック」により規律されている。
    • FCAは、2015年に投資銀行(主に債券引受とM&Aアドバイス分野)における機密情報・内部情報の管理に関するレビューを実施し、報告書(“Flows of Confidential and Inside Information” )を公表。
    • 諸外国における顧客情報・利益相反管理に関する規律(投資銀行業務関係)(シンガポール)
    • シンガポールにおいて、投資銀行業務に関する顧客情報管理・利益相反管理については、「証券先物取引法」、「証券先物取引規則」及びシンガポール通貨庁(MAS)の「ガイドライン」により規律されている。

~NEW~
金融庁 「サイバー演習計画に関するG7の基礎的要素」の公表について
▼プレスステートメント(仮訳)
  • 金融セクターで提供されるほとんどのサービスは、ITサービスの相互依存により左右されるようになっている。その原因が故意・悪意のものであるかどうかにかかわらず、ITの停止は、重要サービスを提供する組織に重大な影響を及ぼす。G7サイバー・エキスパート・グループ(以下「CEG」)では、こうした依存性やインシデントに対する組織の対応力・インシデントからの復旧能力をより良く理解するために、金融セクターの官・民ともにこれらの点について定期的にサイバー演習を実施することが重要であると認識している。金融セクターのインシデントに対する態勢整備を促すために、CEGは「サイバー演習計画に関するG7の基礎的要素」を公表した。これは、官民金融セクターにおいてサイバー演習計画を立案するための効果的プラクティスを包含する拘束力のない要素をとりまとめたものである。
  • 本「基礎的要素」は、拘束力のないハイレベルなものであり、各利害関係者にとってサイバー演習計画の策定へ導くツールとしての役割がある。また、法域・分野横断的にサイバー演習計画を策定するための指針となり得る。CEGでは本「基礎的要素」の公表が、サイバー演習の実施能力を高め、G7各法域の金融セクターのインシデント対応を向上させることを目指している。加えて、この取組が個別金融機関およびG7以外の法域においても国際金融セクターのレジリエンスの強化に資することを目的としている。
  • 本「基礎的要素」は、法的拘束力がないものの演習計画を立案・実施するための明確で効果的な実践方法を示しており、金融機関や当局でも同様に適用できるものである。その指針は、様々な国で対応できるよう、また規模や対策レベルの異なる企業にも対応できるように設計されている。
▼サイバー演習計画に関するG7の基礎的要素(仮訳)
  • 演習計画は、演習の実施、評価、改善、再実施のサイクルからなり、組織における継続的な改善を可能にする。演習計画は、サイバーインシデントにおける対応と復旧対応策に関する理解を促す。演習は次の段階的アプローチの積み重ねにより成り立ち得るものである。
  • 複雑化するリスクシナリオに対処することで、組織のサイバー対策を徐々に強化する、(2)インシデント管理プロセスと手順の改善に資する主要リスク指標・基準を構築する、(3)優先事項、脅威、リスクに関する共通理解を醸成する、(4)インシデントから復旧する能力の検証・基準化をする。
  • サイバーインシデントへの組織としての対応力・復旧力の改善度合いを効果的に測定するために、一連の演習を展開する必要がある。これらの演習を組み合わせることで、(1)組織に必要なあらゆる業務とそれに応じたサイバー脅威を対象とし、(2)必要な対応方針、手順、能力の評価、(3)対応と復旧の改善の促進、(4)経時的な改善点の把握が可能となる。
    • 効果的な演習計画には通常、以下の要素が含まれる。
    • 利害関係者の関与
    • 複数年態勢における優先事項
    • 改善計画
  • まず、利害関係者の関与、特に組織内の重要人物の賛同があることは、良好な演習計画の立案・維持に資するものである。一般的に、演習計画には次の2種類の利害関係者が存在する。(1)演習計画全体の利害関係者、及び(2)演習計画全体の中の個別の演習の利害関係者である。これらの利害関係者を事前に特定しておくことで、演習計画全体の中の個別の演習の優先事項をより効果的に設定することができる。関連する利害関係者を特定する際には、演習計画の立案者は、他の企業や、サードパーティプロバイダなど自社が業務上依存する企業との相互接続関係を評価することがあり、この作業を「エコシステムスキャン(Ecosystem Scan)」と呼ぶ。演習計画には、個別の演習に参画するチームや組織を代表する者と同様の利害関係者を含めておくことが有効である。また、計画の監督・実行を担う合同演習委員会等のワーキンググループに利害関係者間の調整を担わせることができる。
  • 演習計画では、計画を主管する役割を担う者として利害関係者間の調整を担う「主たる利害関係者(lead stakeholder)」を置くことができる。演習計画において、必要となる支援の確保、行動方針に沿った計画の実行、複数年に亘る計画の推進や、組織的な理解の維持のため、主たる利害関係者は、組織内の有力な幹部クラスでなければならない。主たる利害関係者は、演習計画において重点的に取り組むべきリスクを比較衡量することもできる。演習計画の一貫性と安定性を確保するために、演習計画の立案者は利害関係者の頻繁な変更を可能な限り避けるべきである。
  • 複数年に亘る演習計画に包含される個別の演習には、演習計画の利害関係者のほか個別の演習の利害関係者が存在する。個別の演習においては、それぞれの演習の範囲や選択したシナリオに応じて異なる利害関係者も存在する。定期的なエコシステムスキャンの見直しや更新を行うことは、各演習と関連する利害関係者を最新状態に保つ上で有効である。
  • 効果的な複数年態勢における優先事項は、明確、簡潔、測定可能、かつ現実的であり、リスク評価とも直結させるべきである。リスク評価とは、脆弱性・脅威分析とリスク軽減措置や技術的手法の組合せにより、組織、従業員、業務遂行能力、資産のリスクを特定し、優先順位付けすることである。リスクは、組織が依存していたり、論理的・物理的に接続していたりする外部企業に潜んでいることもある。金融セクターの相互接続性に鑑み、演習計画を立案しようとする組織は、外部企業起因のリスクを特定するために、脅威・リスク評価プロセスの一環としてエコシステムスキャンを実施することもできる。特にサイバーセキュリティの場合、組織におけるリスク・組織に対する脅威は急速に変化する可能性があり、新たな脅威やリスク評価の実施に伴い、定期的に、複数年に亘る優先事項を再評価することが必要となる場合もある。しかし、複数年に亘り定めた演習計画上の優先事項を更新する場合には、それが必須であることを確認するとともに、インシデント対応プロセスの改善を追跡する能力を阻害しないよう、慎重に行うべきである。また、複数年に亘る演習計画における優先事項を特定する際は、その計画の利害関係者が、予算やリソースの制約を考慮に入れることもできる。
  • 参加者のサイバーインシデントへの対応力・復旧力を向上すべき領域を特定することは、
  • 演習を実施する主な理由の一つである。事後報告書(AAR=After Action Report)は、演習の評価結果を文書化したもので、評価に基づき改善に向けた具体的な提言を行うために活用することができる。改善すべき領域が特定されると、改善を推進するため、然るべき責任者や目標期限、測定可能な是正措置が設定される。
  • 改善計画をAARに盛り込むことで、特定された改善提案を前に進める際に、利害関係者の理解を得ることができ、サイバーインシデントへの組織としての対応力・復旧力の改善につながる。加えて、その後の演習で是正すべきギャップの特定につながり、演習計画そのものを強固なものとすることができる。
  • 演習はインシデント対応における計画、作業、手順に習熟し評価するための機会であるとともに、失敗をしても責任を問われないリスクの低い機会である。そして、インシデント管理に責任を持つ者がインシデント発生時の自身の役割に慣れ親しむための場ともいえる。
  • また、他の関係者を把握し彼らと関係性を築いたうえで、彼らのインシデントに対してどのようにアプローチするのか理解することもできる。複数年に亘る演習計画に含まれる個々の演習は、その規模、種類、複雑さ、目的、または重点分野がそれぞれ異なる場合がある。
  • 演習シナリオを設計する際には、リスク評価と脅威インテリジェンス分析からのインプットを使用することで、より現実的なものとすることが可能である。種々の演習シナリオに対して、様々な脅威の主体とその能力を明示することは、貴重な洞察を提供し、特定の脅威に合わせてシナリオを調整するのに役立つ。対処すべきリスクの優先順位付けを容易にするために、演習計画では、発生可能性と影響度を基準として使用することができる。シナリオは、より複雑なものとなるよう調整することも可能であるが、複雑な演習では、様々な利害関係者や参加者との間で、追加の計画や教育セッションが必要となる場合がある。
  • 演習の計画立案者は、計画段階で発見した問題やギャップの解決をしないこととしてもよい。ギャップの解決は他の利害関係者にとっては混乱要因となり、新たなリスクとなる。その代わり、演習の計画立案者は、システム所有者等が対処すべきものとしてギャップを提示してもよいし、演習を通じて参加者があぶり出すもの(もしくはあぶり出せなかったもの)として、ギャップに干渉せずにシナリオを進めてもよい。
  • 業務に不必要な中断、混乱、パニックが起きることを避けるため、重要な原則を検討することが重要である。演習実施に際して、計画者は以下を検討する。(1)演習におけるすべての連絡方法を明確・明瞭に示すこと、(2)通常業務への潜在的影響を最小限に抑えることができる日時、場所、方法を選択すること、(3)役割、責任、管理チームとの連絡方法を概説した状況説明書やその他必要な文書をすべての参加者に配布すること、(4)外部関係者には演習が行われることを適宜周知すること、(5)現実のイベントが発生したとき、これに対応する参加者が演習を離脱できるようにすること。
  • 演習を効果的に評価するため、演習実施直後に評価者や参加者との短時間のディスカッションセッションを設け、参加者の第一印象や反応を把握することができる。これは、「ホットウォッシュ」または「ホットデブリーフィング」と呼ばれ、改善計画の方向付けに活用されるべきであり、様々な役割に跨った幅広いフィードバックを可能とする。
  • 演習の評価において評価者は、(1)参加者が手元の問題を的確に判断したか、(2)その行動が既存の方針や手順に準拠したものであったか、(3)その行動は問題を解決するのに有効だったか、(4)他の参加者がどのような理由で何をしたかを参加者が認識していたか、を評価することを目的として、参加者がとった行動とその結果を観察するべきである。これらの点は改善計画の基礎となる。

~NEW~
金融庁 株式会社東京証券取引所及び株式会社日本取引所グループに対する行政処分について
  • 東証においては、平成30年10月のシステム障害の発生を契機に各種の対応策を講じてきたにもかかわらず、再びシステム障害が発生し、取引開始から取引時間が終了するまでの間、全ての取引が停止に至ったことは、金融商品取引所に対する投資者等の信頼を著しく損なうものであると認められる。
  • 金融庁では当該報告及びその後の立入検査等を通じて発生原因等を確認したところ、本件事案は、直接的には、障害が発生した機器の製品上の不具合が原因となって発生したものであるが、障害が発生した機器の自動切替え機能の設定に不備があったことや、売買再開に係る東証のルールが十分でなかったことなどが認められた。
  1. 株式会社東京証券取引所に対する業務改善命令(金融商品取引法第153条前段)
    1. 以下の(1)~(4)の事項を含め、東証が本件事案等を踏まえて本年10月16日までに報告した各種の再発防止策及びその後に策定した再発防止策に関し、その内容及びこれらを実施するスケジュールなどについて、あらためて報告のうえ、迅速かつ確実に実施すること。
      1. 東証と業務委託先は、システムの仕様と機器の製造元から提供されたマニュアルとが相違していたために機器の故障時に別系統への自動切り替えが行われない設定となっていたことを把握していなかった。
        • このため、東証は、既存の機器設定の再確認や更なる手動切替え手順の確認などにより機器の故障時に確実かつ迅速に別系統への切り替えができる方策に取り組むことは当然として、システムにおいて使用する機器等に仕様変更が行われた際の確認プロセスを見直すこと(業務委託先に対し見直しを求めることを含む。)。
      2. 売買を通常の方法で停止させるために複数の手段を準備していたが、いずれも故障が発生した機器の正常稼働を前提としていたため、通常の方法によらずに売買を停止せざるを得なかったことが当日中の売買再開の大きな支障となった。
        • このため、東証は、今回障害の発生した機器に依存しない売買停止機能を開発することは当然として、システム内の依存関係全般について点検を行い、取引の継続に重要な役割を果たす機能については特定箇所の故障が当該機能の停止に及ばないようにするための方策に取り組むこと。
      3. これまで、通常の方法によらない形で売買停止に至った場合においては、当日中に売買を再開するとの事態を十分に想定していなかったため、東証と取引参加者との間で障害発生時に注文受付を制限するルールや売買停止までに受け付けた注文の取扱いについてのルールが未整備であった。
        • この結果、取引参加者においては、システム対応や顧客対応に係る態勢整備が不十分となっておりテストや訓練なども行われていなかった。
        • また、売買再開に係る明確なルールが定められていなかったことも障害発生当日中の売買を再開することの大きな支障となった。
        • このため、東証は、投資者等の保護や利便性の確保、安定した市場運営など取引所の果たすべき役割に関する様々な観点を踏まえ、通常の方法によらずに売買停止を行うケースも想定し、明確で実効的な注文の受付停止ルールや売買再開ルールの整備を行い、取引参加者も含めたテストや訓練を実施すること。
      4. 本年10月16日に東証より受けた報告において、東証はシステムの開発・維持に関する基本的な考え方について、これまでの「ネバーストップ」をスローガンとする信頼性向上の取り組みに加え、今後は「レジリエンス」(障害回復力)向上のための迅速かつ適切な回復策を拡充することとしている。
        • こうした基本的な考え方の見直しを踏まえ、取り組むべき施策の洗い出しを行い、必要な対応を実施すること。
    2. 東証は、障害により取引が開始できず、その後も当日中に取引が再開できなかったことにより投資者等の信頼を著しく損なったことを踏まえ、市場開設者としての責任の所在の明確化を図ること。
    3. 上記1.2.について、定期的に報告すること。
  2. 株式会社日本取引所グループに対する業務改善命令(金融商品取引法第106条の28第1項)
    1. 以下の(1)から(3)までの事項を含め、JPXが本件障害事案等を踏まえて本年10月16日までに報告した各種の再発防止策及びその後に策定した再発防止策に関し、その内容及びこれらを実施するスケジュールなどについて、あらためて報告のうえ、迅速かつ確実に実施すること。
      • 東証において、売買システムの機器の故障時に別系統への自動切り替えが行われない可能性や正常に売買停止ができない可能性を踏まえた対応が行われていなかった。
        • このため、東証はもちろんのこと、株式会社大阪取引所(以下、「大取」という。)など各社において、システム障害の発生時にその影響を極小化する観点からシステムの総点検及び早期復旧に向けた訓練を行わせること。
      • 東証において、市場運営者として、取引参加者をはじめとする市場関係者との間で十分にコミュニケーションをとり、あらかじめ合意したルールに基づき障害発生当日中の売買再開に関する意思決定を行うことができなかった。
        • このため、東証はもちろんのこと、大取など各取引所において、取引参加者も含めた売買再開に係るルールを整備させること。
      • 東証におけるシステムの開発・維持に関する基本的な考え方については、これまでは「ネバーストップ」をスローガンとする信頼性向上が中心に置かれており、これと比べて「レジリエンス」(障害回復力)向上の取組みが遅れていた。
        • 今般、東証は、「ネバーストップ」をスローガンとする信頼性向上策に加え、「レジリエンス」向上のための迅速かつ適切な回復策を拡充することとしている。
        • これを踏まえ、東証はもちろんのこと、大取など各社におけるシステムの開発・維持に関する基本的な考え方について見直しを行わせ、「レジリエンス」の向上を図ること。
    2. JPXの子会社である東証において、障害により取引が開始できず、その後も当日中に取引が再開できなかった。その結果、投資者等の信頼を著しく損なったことを踏まえ、子会社である取引所の管理に係る責任の所在の明確化を図ること。
    3. 上記1.2.について、定期的に報告すること。

~NEW~
警察庁 令和2年10月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
  • 令和2年1月~10月における特殊詐欺全体の認知件数は11,287件(前年同期13,950件、前年同期比▲19.1%)、被害総額は221.3憶円(260.0憶円、▲14.9%)、検挙件数は5,931件(5,167件、+14.8%)、検挙人員は2,081人(2,191人、▲5.0%)
  • オレオレ詐欺の認知件数は1,817件(5,654件、▲67.9%)、被害総額は49.3憶円(56.4憶円、▲12.6%)、検挙件数は1,598件(2,642件、▲39.5%)、検挙人員は512人(1,298人、▲60.6%)
  • 預貯金詐欺の認知件数は3,487件、被害総額は0.2憶円、検挙件数は1,237件、検挙人員は696人
  • キャッシュカード詐欺盗の認知件数は2,493件(2,911件、▲14.4%)、被害総額は34.7憶円(45.7憶円、▲24.1%)、検挙件数は2,035件(1,151件、+76.8%)、検挙人員は580人(332人、+74.7%)
  • 架空料金請求詐欺の認知件数は1,639件(2,917件、▲43.8%)、被害総額は59.4憶円(72.8憶円、▲18.4%)、検挙件数は426件(1,047件、▲59.3%)、検挙人員は130人(484人、▲73.1%)
  • 還付金詐欺の認知件数は1,402件(2,143件、▲34.6%)、被害総額は19.2憶円(27.3憶円、▲29.7%)、検挙人員は50人(17人、+194.1%)
  • 融資保証金詐欺の認知件数は259件(253件、+2.4%)、被害総額は3.4憶円(3.9憶円、▲12.8%)、検挙件数は183件(76件、+140.8%)、検挙人員は50人(18人、+277.8%)
  • 金融商品詐欺の認知件数は52件(24件、+116.7%)、被害総額は3.4憶円(1.6憶円、+112.5%)、検挙件数は26件(25件、+4.0%)、検挙人員は24人(18人、+33.3%)
  • ギャンブル詐欺の認知件数は90件(34件、+164.7%)、被害総額は1.9憶円(2.5億円、▲24.0%)、検挙件数は35件(11件、+218.2%)、検挙人員は10人(10人、±0%)
  • 口座詐欺の検挙件数は538件(769件、▲30.0%)、検挙人員は361人(458人、▲21.2%)、盗品譲受けの検挙件数は3件(5件、▲40.0%)、検挙人員は2人(3人、▲33.3%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は2,047件(2,008件、+1.9%)、検挙人員は1,677人(1,630人、+2.9%)、携帯電話端末詐欺の検挙件数は170件(236件、▲28.0%)、検挙人員は134人(174人、▲23.0%)、携帯電話不正利用防止法違反の検挙件数は25件(40件、▲37.5%)、検挙人員は22人(27人、▲18.5%)
  • 特殊詐欺全体の被害者の年齢・性別構成について、60歳以上89.5%:70歳以上79.3%、男性26.6%:女性73.4%、オレオレ詐欺では、60歳以上95.3%:70歳以上92.1%、男性19.0%:女性81.0%、融資保証金詐欺では、60歳以上38.5%:70歳以上34.6%、男性68.4%:女性31.6%、特殊詐欺被害者全体に占める高齢被害者(65歳以上:女性)の割合について、オレオレ詐欺 94.7%(80.5%)、預貯金詐欺 98.3%(83.8%)、架空料金請求詐欺 45.0%(53.6%)、還付金詐欺 86.9%(64.2%)、融資保証金詐欺 20.8%(14.6%)、金融商品詐欺 75.0%(71.8%)、ギャンブル詐欺 23.3%(38.1%)、交際あっせん詐欺 20.0%(0.0%)、その他の特殊詐欺 38.5%(80.0%)、キャッシュカード詐欺盗 96.6%(79.5%)

~NEW~
警視庁 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害に対する認識を深めよう
  • 北朝鮮人権侵害問題啓発週間について
    • 平成18年6月、北朝鮮当局による人権侵害問題に関して、国際社会と連携しつつ人権侵害問題の実態を解明し、その抑止を図ることを目的として、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」が施行されました。
    • 国及び地方公共団体の責務等を規定するとともに、毎年12月10日から同月16日までを「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」と定めました。
    • 我が国の喫緊の国民的課題である拉致問題の解決など、北朝鮮当局による人権侵害問題への対処が国際社会を挙げて取り組むべき課題とされる中、この問題についての関心と認識を深めることを目的としています。
  • 北朝鮮による拉致容疑事案
    • 我が国政府はこれまでに、日本人が被害者である北朝鮮による拉致容疑事案12件(被害者17人)を認定していますが、警察は、朝鮮籍の姉弟が日本国内から拉致された事案1件(被害者2人)を含め計13件(被害者19人)を北朝鮮による拉致容疑事案と判断するとともに、拉致の実行犯として、8件11人の逮捕状の発付を得て、国際手配を行っています。
    • また警察では、これら以外にも、「北朝鮮による拉致ではないか」とする告訴・告発や相談・届出を受理しており、関係機関と連携し、所要の捜査や調査を進めています。

~NEW~
内閣府 第15回 選択する未来2.0
▼資料1 江守正多 国立環境研究所地球環境研究センター副センタ―長提出資料
  • 20世紀半ば以降の世界平均気温上昇の主な原因は人間活動である可能性が極めて高い(95%以上)
  • 大気中CO2濃度 氷期~180ppm、間氷期~280ppm、現在~410ppm
  • 8つの主要なリスク
    1. 海面上昇、沿岸での高潮被害
    2. 大都市部への洪水による被害
    3. 極端な気象現象によるインフラ等の機能停止
    4. 熱波による、特に都市部の脆弱な層における死亡や疾病
    5. 気温上昇、干ばつ等による食料安全保障への脅威
    6. 水資源不足と農業生産減少による農村部の生計及び所得損失
    7. 沿岸海域における生計に重要な海洋生態系の損失
    8. 陸域及び内水生態系がもたらすサービスの損失
  • 「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」気候変動枠組条約COP21パリ協定(2015年)
  • 「今世紀後半に人為的な温室効果ガスの排出と吸収源による除去の均衡を達成する」気候変動枠組条約COP21パリ協定(2015年)
  • 世界のCO2排出量は一時的に17%減少した(陸上交通の寄与が大)。今年度通しての減少は~7%程度?
  • 既存インフラ(火力発電、自動車等)を従来同様の寿命と稼働率で使い続けるだけで1.5℃を超えるだけのCO2を排出してしまう可能性が高い。
  • あなたにとって、気候変動対策はどのようなものですか?
    1. 多くの場合、生活の質を脅かすものである 世界平均26.75% (中国 14%, ドイツ 24%, ロシア 23%, 米国 25%)、日本60%
    2. 多くの場合、生活の質を高めるものである 世界平均66.24% (中国 65%, ドイツ 63%, ロシア 58%, 米国 67%)、日本17%
  • 「脱炭素化」はイヤイヤ努力して達成できる目標ではない ⇒社会の「大転換」が起きる必要がある
  • 「大転換」(transformation) ⇒単なる制度や技術の導入ではなく、人々の世界観の変化を伴う過程(例:産業革命、奴隷制廃止)
  • 世界が脱炭素化した暁には日本は「勝者」(脱炭素化の地政学的な得失指標)
  • 気候危機とコロナ危機に共通する背景:⇒これらの問題の「出口」が問われている
    • 人間活動による生態系への侵食。
    • 際限なく物質的な拡大を続ける人間活動。
    • 社会的な格差の再生産。
    • 不完全な国際協調。
▼資料2 蟹江憲史 慶應義塾大学大学院教授提出資料
  • SDGs(2030年の常識)の特徴
    1. 2030アジェンダのタイトルには「変革(Transforming Our World)」
    2. 「目標」からはじまる「目標ベースのガバナンス (governance through goals)」
      • 野心レベルの提示からスタート→ バックキャスティング
      • 国連でルールを決めない→ ターゲット・ルール作りは国に依存、各主体が自由に実施(イノベーション)
    3. 進捗の評価・レビューが唯一のメカニズム
      • 指標による評価
      • 4年に1度の「グローバル持続可能な報告書(GSDR)」による評価報告(日本ではSDGs白書):蟹江は2023年版15人の独立科学者に
    4. 総合的目標:17目標は一体で不可分
  • “2030アジェンダの真の変革の可能性は、コベネフィット(共便益)を最大化し、トレードオフを特定・管理する、体系的なアプローチを通じて実現できる。”(グロ・ハーレム・ブルントラント、元ノルウェー首相、元WHO事務局長)
  • 円卓会議構成員(12名)からの提言(9日円卓会議)
    • 実施体制・制度の改革
      • 政策の統合実施のための「司令塔」設置でタテ割り解消
        • 例えばSDGs達成へ向けたイノベーション政策の統合、プラスチック問題の統合的ロードマップ策定を可能に
        • 政府内での統合のみならず、政府と民間の動向のコーディネーターにも
      • 「持続可能社会推進基本法(SDGs推進基本法)」策定
        • SDGsの政府内での推進は政治的リーダーシップが必要
      • 行動創出のためのステークホルダー会議の実現
    • ステークホルダーの指針を明記
      • 市民、企業、資金、地域、教育・研究のSDG推進の指針を明記
      • SDGsから考える目標設定の重要性を強調
      • 在留外国人、LGBTなど性的マイノリティ、女性、子ども、高齢者、中山間地域に在住する人々、障害者、生活困窮者等の取り残されがちな人々への注目喚起
    • 企業と資金・未来から考えるビジネスや「ビジネスと人権」への取り組みを指針として提示
      • ESG投資等SDGs金融創出の重要性と、市民活動への十分な資金供与の重要性を併記
  • 国連事務総長SDGs報告書2020より
    • 4000万から6000万人が極度の貧困に戻る(20年来初)
    • 90%の世界児童生徒人口(16億人)が、COVID19の影響
    • 遠隔教育が多くの児童生徒に提供されているものの、デジタルデバイドによって教育の平等に関するギャップが拡大
    • 何十億人もの人が、安全に管理された水と衛生サービスや、基本的な手洗いのための設備へのアクセスのない状態
    • 2020年第二四半期では3億500万人のフルタイム労働に相当する合計労働時間低下が予測
    • 最も影響を受けているのは、中小企業、非正規雇用者、自営業や日雇い労働者、社会的混乱の影響を受けやすいセクターの労働者たち
    • 航空業界への影響が最も大きい。2020年の国際航空旅客15億人減と予測、国際線の搭乗率も4分の3減少予測、結果として以前の営業収益予測と比べて2730億の損益
    • COVID19は製造業に大きな影響。グローバルなバリューチェーンと製品供給を崩壊し、製造活動は崩壊の危機。これにより、失業率へのインパクトも。
    • 金融市場不安定化。コロナ拡大以降、史上最大の1000億ドルの資本流出。
    • 2020年の世界貿易は13%から32%マイナス予測。
  • ポジティブな変革へむけた影響も
    • 目標12:COVID19からの回復は、現在の持続可能でない消費と生産パタンを改め、持続可能なそれに変革する機会を提供
    • 目標13:旅行禁止と経済活動停止で、2020年GHG排出量6%削減、大気環境改善予測も、一時的
    • 目標17:パンデミックの世界規模という性格は、多国間主義の重要性を増大、すべての政府、民間、市民社会組織及びあらゆる人々の参加が必要に。
  • コロナは変革へのチャンスでもある いまこそSDGs
    • コロナ禍で世界が「持続不可能」だったことが明らかに → コロナ後は持続可能にすることが重要 → 経済・社会・環境の調和のとれた成長が必要
    • マスクと手洗いは、一人の行動の集積が社会変革になることを実証
    • 課題解決の「先送り」のつけを出さないためにSDGsが道しるべに
  • ターゲット1.2 2030年までに、各国で定められたあらゆる面で貧困状態にある全年齢の男女・子どもの割合を少なくとも半減させる。
    • コロナ発生前
      • 2019年の正規の職員・従業員数は前年から18万人増加しているのに対し、非正規の職員・従業員数は前年から45万人増加している。こうした非正規雇用者の増加が経済格差につながる可能性も指摘されていた。
    • コロナ直面時
      • 外出自粛等で営業に支障をきたす業種もあり、7月の非正規雇用者が前年同月比で約130万人減少し、正規雇用者と比較して不利な状況に置かれ、経済格差が更に広がっている。生活者の経済的な不安を払拭し、相対的な貧困の発生を防止する必要がある。
    • コロナ経験後
      • テレワークに関する労働需要など、労働が必要な産業が変化する。SDGsを基準に、変化後の産業構造に対応する産業構造の転換をおこない、貧困の発生を防止する。
  • ターゲット7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に増やす。
    • コロナ発生前
      • 日本国内の再生可能エネルギーの利用は年々増加しているものの、2017年時点の最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギー比率は、11.2%にとどまる。
    • コロナ直面時
      • 移動やビジネスの減少に伴い、電力需要が下がっている反面、テレワーク等により電力需要が分散している。家庭における太陽光発電等、自律分散型の電力を奨励し、最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を大幅に増やす。
    • コロナ経験後
      • 経済活動の再開に伴い、エネルギー需要が高まることが見込まれる。脱炭素、グリーンリカバリーを視野に入れ、最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を大幅に増やす。
  • コロナ後の変革を持続可能にするために…
    • 経済(カネ)・社会(ヒト)・環境(地球)のバランスのとれた成長が「2030年の常識」
    • 『持続可能社会推進基本法(SDGs基本法)』により推進本部・円卓会議が一体化し、内閣の下での(横断的)意思決定を可能に
    • SDGsは横断的課題であり、総合的・横断的な意思決定を可能にする必要がある。
    • 担当大臣任命・戦略本部等設置により、総合的見地からの変革(transformation)を可能に
    • アクションプランには新施策で横断的に実施
    • 日本としてのターゲット・目標を設定する
    • 2030アジェンダの実施により、進捗管理の意味を明確に
    • 独立のパネルによる進捗評価

~NEW~
消費者庁 第11回消費者契約に関する検討会(2020年12月2日)
▼【資料1】自然災害時・コロナ禍におけるキャンセルに係る消費生活相談事例(独立行政法人国民生活センター提出資料)
  • 観劇の公演日当日の朝に熊本地震が発生した。会場は地元から離れた他県にあるが、鉄道が止まってしまい移動できず観覧できなかった。別業者の公演では被災地申込者にはチケット代を払い戻す例が複数あることをインターネットで知り、被災地申込者である自分にも払い戻しがされないか主催者(チケット販売事業者)に尋ねた。いったん検討するとは言われたが、最終的には「公演は通常通り行われたので返金できない」と回答された。できれば返金対応してもらいたい。事業者の突っぱねるような態度の回答があまりにもきつく、我慢できなかったこともあり相談した。
  • 10月上旬にインターネットで10月12日から14日まで約6万円で南関東の山間部にある観光地の旅館宿泊を予約し、クレジットカードで決済した。台風19号の影響で10月11日から12日は鉄道が計画運休となり、とても行くことができないと思い、10月10日にメールで解約の連絡をした。そうしたところ、前日の解約なので規約に基づき解約料50%を請求するという旨の返信があった。宿泊地に行くこともできなかったのにキャンセル料がかかることが納得できず、事業者に電話したところ「宿泊させることがサービス提供であって、交通手段がどのような状況かという事については関知しない」と言われた。
  • 1月中旬、ホテルに電話をして3月31日から4月6日まで3人で利用する1部屋を予約して代金計17万円をカードで一括払いした。新型コロナウイルス感染症の蔓延で日本の政策により自国から日本に渡航できなくなりやむなく旅行を断念し、ホテルにキャンセルの連絡をしたところ、「代金は一切返金できない」という。「6月30日までであれば宿泊日の変更を認める」というが、お花見が目的であり6月では意味がない。返金、あるいはせめて1年後の桜の季節への変更を認めてほしい。料金が値上げされた場合は差額を支払う用意はある。
  • 3月2日、旅行サイトから格安国内航空便の往復チケット約3万6,000円を予約し、手数料約6,000円を加えた約4万2,000円をクレジットカードで支払った。しかし先日、格安航空会社から電話があり、「新型コロナウイルスの影響で予約便が欠航となった。全額返金する」と説明された。ところが、旅行サイトからは「手数料を差し引いた金額を返金する」と説明された。内訳は取扱手数料1,500円と搭乗手続料2,200円×2回分とのことだった。取扱手数料は仕方なくても、欠航になったのに搭乗手続料を支払うことは納得いかない。
  • 数か月前にヨガ教室の月額コースの契約をしたが、4月7日に新型コロナウイルス感染症拡大を防止するため、緊急事態宣言が出され、自分の登録した南関東にある店舗が閉鎖された。レッスンが受けられないので解約したいが、解約理由は自己都合でないのに約2万円の解約料が発生することに納得がいかない。
  • 数か月前、高齢の兄が約200万円の13日間海外ツアー旅行を旅行会社に申し込んだ。出発日である3月2日の1週間前に旅行会社から連絡があり「道中滞在国であるタヒチからの要請で健康診断書を提出するように」と伝えられた。新型コロナウイルスに関連したことだと思い不安になり旅行を諦めることにし、出発2日前に旅行会社にキャンセルを申し出た。規定通り代金の半額のキャンセル料を支払うことは仕方ないと思っていたが、同ツアーに申し込んでいた友人から、この旅行自体が出発前日に中止になり、返金されると知らされた。兄に頼まれ旅行会社に連絡したが「規定通りの対応しかできない」と言われた。こんな状況なので、せめてもう少しキャンセル料を減額してくれてもいいのではないかと思う。
  • 娘が他県にある私立高校へ入学することになり、通学のための乗合バス定期券を購入した。この定期券は複数のバス会社の路線が乗り放題で、代金は1年で約5万円だ。しかし、新型コロナウイルスの影響で他県は緊急事態宣言の対象地域となった。高校も休校になり定期券は一度も使用していない。バス会社へ事情を説明したが「この定期券は払い戻しができない」と言われた。返金してほしい。
  • 息子は1か月約10万円の食事付き学生寮に住んでいる。新型コロナウイルスの影響で、通っている大学が閉鎖され、息子は3月から自宅に戻り、7月現在、映像授業を受けている。5月に学生寮の運営業者から「緊急事態宣言の影響があるので、4~6月の食費と共益費(1か月約2万円)を返金する」とのメールが届き、2か月分は返金され、1か月分も来月返金される予定だ。しかし、少なくとも8月までは大学に立ち入ることはできず、今後もどうなるかわからないのに、緊急事態宣言が解除されたことから、7月からは通常どおり食費や共益費を払う必要があるという。家賃部分はこれまで通り支払うが、食費や共益費を支払うことには納得できない。
  • 首都圏ターミナル駅から北陸地方へ電車で10月12日に出発予定の国内ツアー旅行を約10万円でインターネットから申し込んでいた。10月10日、台風19号が接近し各交通機関は運休を決め、現地に行く交通機関も早晩運休を決めるような状況であった。危険を感じ、実施について旅行業者に聞いたところ「明日中には各交通機関の運休が確定する。それまで判断できない」と言われた。危険を冒して何かあったら大変と思いツアーをキャンセルしたところ、代金の30%を支払うようにとメールがきた。旅行業者に聞いたら「業者判断の取り止め前のキャンセルは一律解約料を請求する」と言う。もし今後業者の判断で取り止めになった場合、キャンセル料を請求しないでほしいし、ツアー実施が業者に委ねられていることにも納得できない。
  • 息子は4月末に結婚式を行う予定だった。ところが4月に入って、新型コロナウイルス感染拡大防止措置として政府が緊急事態宣言を発令し、結婚式場が対象地域にあるためキャンセルすることにした。キャンセルを申し出たところ「キャンセル料として結婚式費用全額約260万円を支払う必要がある。延期は可能で、来年の3月末までであれば、約30万円の追加料金で対応する」と業者から説明された。延期した場合でも結婚式費用の3分の2である約170万円を入金するよう言われたという。現況で当初の契約通りの履行を前提とする結婚式場は正しいのか。緊急事態宣言中は使用を制限される施設があると聞いているが、結婚式場はこれに該当しないのか。

~NEW~
消費者庁 特定商取引法違反事業者【株式会社アイエムエスジャパンほか1事業者】に対する行政処分について
▼特定商取引法違反事業者【株式会社アイエムエスジャパンほか1事業者】に対する行政処分について
  1. 処分の内容
    • 取引等停止命令
      アイエムエスは、令和2年12月1日から令和3年5月31日までの間、連鎖販売業に係る連鎖販売取引(特定商取引法第33条第1項に規定する連鎖販売取引をいう。以下「連鎖販売取引」という。)のうち、次の取引等を停止すること。
      • アイエムエスの行う連鎖販売取引について勧誘を行い、又は本件連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者(特定商取引法第33条の2に規定する勧誘者をいう。以下「勧誘者」という。)に勧誘を行わせること。
      • アイエムエスの行う連鎖販売取引についての契約の申込みを受け、又は勧誘者に当該取引に係る契約の申込みを受けさせること。
      • アイエムエスの行う連鎖販売取引についての契約を締結すること。
    • 指示
      • 勧誘者は特定商取引法第33条の2に規定する氏名等の明示義務に違反する行為(統括者の名称、勧誘目的及び役務の種類の不明示)及び同法第34条第1項の規定により禁止される連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為を、アイエムエスは同法第37条第2項に規定する書面の交付義務に違反する行為(不交付)をしている。かかる行為は、特定商取引法の規定に違反するものであることから、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築し、これらをアイエムエスの役員、同社の業務に従事する者及び会員に、前記(1)の取引等停止命令に係る取引等を再開するまでに周知徹底すること。
      • アイエムエスは、本件連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約を締結しているものであるところ、令和元年10月1日から令和2年11月30日までの間に、同社との間で連鎖販売取引についての契約を締結した全ての相手方(以下「契約の相手方」という。)に対し、以下の事項を、消費者庁のウェブサイト(https://www.caa.go.jp/)に掲載される、同社に対して前記(1)の取引等停止命令及び本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令和3年1月4日までに文書により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに文書(通知したことを証明するに足りる証票及び通知文書を添付すること。)により報告すること。なお、令和2年12月14日までに、契約の相手方に発送する予定の通知文書の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに文書により報告し承認を得ること。
        • 前記(1)の取引等停止命令の内容
        • 本指示の内容
        • 勧誘者は、遅くとも令和元年10月以降、本件連鎖販売業に係る本件役務の提供のあっせんを店舗等によらないで行う個人を相手方として、連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため、当該相手方が特定商取引法第40条の規定に基づき、同法第37条第2項の書面を受領した日から起算して20日以内であれば、ブリッジサイトを利用後も、適法に当該契約の解除(以下「クーリング・オフ」という。)を行うことができるにもかかわらず、あたかもブリッジサイトを利用した後には、クーリング・オフができなくなるかのように告げていること。
  2. 処分の原因となる事実
    • アイエムエスは、以下のとおり、特定商取引法の規定に違反する行為をしており、連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
      1. 氏名等の明示義務に違反する行為(統括者の名称、勧誘目的及び役務の種類の不明示)(特定商取引法第33条の2)
        • 勧誘者は、遅くとも平成30年6月以降、連鎖販売取引をしようとするとき、その勧誘に先立って、その相手方に対し、「イベント好きそうだし、友人も欲しそうだし、サポートスタッフのこと詳しく説明してくれる人がいるから、今度、話を聞いてみない。」、「転職について詳しい人がいるから紹介できるよ。」などと告げるのみで、統括者の名称、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る役務の種類を明らかにしていない。
      2. 契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第34条第1項)
        • 勧誘者は、遅くとも令和元年10月以降、本件連鎖販売業に係る本件役務の提供のあっせんを店舗等によらないで行う個人を相手方として、本件連鎖販売取引に係る契約の解除を妨げるため、当該相手方が特定商取引法第40条の規定に基づき、同法第37条第2項の書面を受領した日から起算して20日以内であれば、ブリッジサイトを利用後も、クーリング・オフを行うことができるにもかかわらず、あたかもブリッジサイトを利用した後には、クーリング・オフができなくなるかのように告げている。
      3. 契約書面の交付義務に違反する行為(特定商取引法第37条第2項)
        • アイエムエス及び佐藤は、遅くとも平成30年7月以降、本件連鎖販売業に係る本件役務の提供のあっせんを店舗等によらないで行う個人を相手方として本件連鎖販売取引についての契約を締結した場合において、本件連鎖販売取引の契約の内容を明らかにする書面を交付していない。

~NEW~
国民生活センター リーフレット「くらしの危険」
▼【No.358】ホットヨガによるめまい、のぼせ、吐き気、頭痛に注意!
  • 近年、健康維持・増進やダイエットなどの様々な理由でフィットネスクラブ、スポーツジム、スタジオなどが利用されています。国民生活センターで全国の20歳以上の男女にフィットネスクラブ、スポーツジム、スタジオなどでの主なプログラムの経験や体調不良・けがの有無などについてのインターネットアンケート調査を実施したところ、ホットヨガは他のプログラムと比べて体調が悪くなった経験がある人の割合が高い傾向にあることが分かりました。また、PIO-NETや医師からの事故情報受付窓口には、ホットヨガによる危害情報が寄せられていました。
  • 全国の消費生活センター等には、ヨガ専門のスタジオやフィットネスクラブ等でのホットヨガについての危害情報が2015年度以降に165件寄せられています。(2015年4月以降受付、2020年3月31日までの登録分)
  • ホットヨガに関する危害情報
    1. ホットヨガの体験キャンペーンをインターネットで知り、予約して体験を受けた。体験後に「このまま契約をする場合は入会金や事務手数料が不要」などと言われ、申し込んだ。入会後に何度かレッスンを受けたが、湿度が高くて体調が悪くなり、頭痛もひどい。レッスン中は水は頻繁に取っているが、熱中症のような症状である。(受付年月:2018年6月、30歳代、女性)
    2. ホットヨガの体験を受けたが40分ほどで具合が悪くなり、外へ出て休んでいたが嘔吐してしまった。「今日契約しないと安くならない」と言われ、体調が悪く迷ったが、契約した。しかし、具合が悪く翌日から2日ほど寝込んでしまった。(受付年月:2019年8月、60歳代、女性)
    3. テレビのCMを見て、ホットヨガの体験に参加した。体験レッスンの前に既往症の確認はなく、脱水症状など体調不良を起こす可能性についても何も説明はなかった。自分は普段から運動しているが、体験後から2、3日間身体にだるさがありボーっとして力が入らない。(受付年月:2016年6月、40歳代、女性)
    4. 初めてホットヨガを行った時、開始時より両側の耳閉感が現れる。その後も継続して通ったが、レッスン回数を週3回に増やしてから、レッスン後も症状が消えなくなり受診。受診時にはめまいも出現していた。直ちに、一旦ホットヨガを止める指示を出したところ、数週間で速やかに症状が改善した。(受診年月:2019年2月、30歳代、女性)
  • ホットヨガでの体調不良を防ぐために
    1. ホットヨガを行う前にはレッスンの内容や時間の確認を
      • ホットヨガのレッスン環境は、日常生活における熱中症予防指針では「危険」に相当します。
      • ホットヨガを行う前にはレッスンの内容や時間を確認しましょう。
      • 初めて行う場合は短い時間から試してみることもよいでしょう。
      • 特に以下の方は実施を慎重に検討し、事前に医師に相談しましょう。
        • 高齢者
        • 高血圧・心疾患・慢性肺疾患など持病がある人
        • 利尿剤などを服薬している人
        • 熱中症の既往歴がある人など
    2. レッスン中も水分補給をし、途中で涼しいところで休憩するなど体調に気を付けましょう
      • レッスン中は意識してミネラルを含む水分補給を行いましょう。
      • レッスン中に体調の異変を感じた場合には、無理をせずレッスンを止め、涼しいところで休憩しましょう。
      • 発熱、下痢など一時的な体調不良の場合でも熱中症にかかりやすくなります。ホットヨガでの体調不良を防ぐために、体調を管理しましょう。
    3. レッスン後も自分の体調に注意しましょう
      • レッスンを受けてしばらく経ってから体調が悪くなることもあるので注意しましょう。

~NEW~
国民生活センター 除雪・排雪サービスのトラブルに注意
  • 内容
    • シーズン10回分の除排雪サービスを約4万円で申し込み、5回分は終了した。ところが6回目を依頼し、了承されたのに作業をしてくれない。連絡しても「作業担当者に確認する」と言ったきり、電話にも出ない状態が続いている。(60歳代 男性)
  • ひとこと助言
    • 除雪・排雪サービスを利用する際は、作業回数や具体的な作業内容、事業者が大雪等で現場に来られず作業できなかった場合や、作業時に自宅や近隣施設を破損したときの対応などを事前によく確認しましょう。
    • 契約前に、実際に場所を見てもらったうえで複数社から見積もりを取り、サービス内容を比較、検討することも大切です。契約の際は、契約内容をよく確認し、書面として残しておきましょう。
    • 前払いの契約は、作業が実施されなかった場合などに返金を求めることが難しいこともあるので、慎重に検討しましょう。
    • 困ったときは、早めにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
厚生労働省 「第9回 健康寿命をのばそう!アワード」 ~受賞企業・団体・自治体を決定し、表彰式を開催しました~
▼別紙1 「健康寿命をのばそう!アワード」表彰
  1. 生活習慣病予防分野
    • 【厚生労働大臣 最優秀賞】(1件)
      • 株式会社ファミリーマート ファミリーマートの減塩への取り組み ~「こっそり減塩の推進」~
    • 【厚生労働大臣 優秀賞】(3件)
      • <企業部門> ロート製薬株式会社 喫煙率0%達成に向けた卒煙への取り組み
      • <団体部門> パ・リーグウォーク実行委員会(パシフィックリーグマーケティング株式会社内) パ・リーグ6球団公式アプリ「パ・リーグウォーク」毎日の歩数でチームを応援!
      • <自治体部門> 豊田市 地域特性に応じた住民共働による健康づくり「きらきらウエルネス地域推進事業」
    • 【スポーツ庁長官 優秀賞】(3件)
      • <企業部門>東芝ライテック株式会社 『FUN+WALK』バーチャルウォーク日本縦断
      • <団体部門>京都市左京区地域介護予防推進センター 養成したボランティアがリーダーとして運営・実施する「公園体操」。
      • <自治体部門>尾張旭市 寝たきりにさせないまちづくりをめざし、健康づくり推進員とともに取り組む
    • 【厚生労働省 健康局長 優良賞】(9件)
      • <企業部門>大東建託株式会社 全社で取り組む健康増進!「朝食フォトコンテスト」で朝から元気に /株式会社NEXTAGE GROUP アクティブ!街を綺麗にしながら心と体の健康をつなGO!!プロジェクト/株式会社博報堂DYホールディングス 健康づくりをエンターテインメントへ ~行動変容促進プログラム「健診戦」~
      • <団体部門> 間伐こもれび会 森林の癒し効果を活用した新たな運動提供スタイルの可能性を探る実証実験事業/スマートウエルネスコミュニティ協議会(SWC協議会) 口コミ戦略により「正しい健康情報」を国民の心に届ける健幸アンバサダープロジェクト/一般社団法人 千葉県歯科医師会 千葉県発 8029(ハチマル肉)運動による健康寿命延伸への取り組み
      • <自治体部門> 京都府 京丹波町役場 尿中塩分測定検査を活用した慢性腎臓病対策における5年間の保健活動評価について/新発田市 「オールしばた」でめざす「健康長寿のまち しばた」の達成に向けて/長崎県時津町 地元の酒店・菓子店や飲食店との協働で推進する高血圧対策(減塩への取組)
    • 【厚生労働省 保険局長 優良賞】(2件)
      • 全国健康保険協会 北海道支部 禁煙啓発に関する複合型アプローチ ~全国1位の喫煙率から脱却するために~
      • 東洋インキ SC ホールディングス株式会社・トッパングループ健康保険組合 社員食堂のスマートミールを活用した生活習慣改善チャレンジプロジェクト
  2. 介護予防・高齢者生活支援分野
    • 【厚生労働大臣 最優秀賞】(1件)
      • 毛馬コーポゆうゆうクラブ 学び合い助け合う長屋型大規模マンション
    • 【厚生労働大臣 優秀賞】(3件)
      • <企業部門> とれたて食楽部、Honey!ハニー!! 「食」でつながり体も心もまちも元気に!通いの場×移動販売
      • <団体部門>形原一区町内会「お助け隊」「まめだ会」 助け合い・支え合う・心豊かなまちづくり事業
      • <自治体部門>那須烏山市 なすからすやま 高齢者ふれあいの里
    • 【厚生労働省 老健局長 優良賞】(13 件)
      • <企業部門> ・イオンリテール株式会社北陸信越カンパニー北陸事業部イオン高岡店 企業と行政がタイアップして取り組む健康づくり・介護予防/JAいび川デイサービスセンター清流の里 ふらっとカフェ(認知症カフェ)/株式会社 小島薬局 できることから始めよう!介護予防!!
      • <団体部門> 社会福祉法人 南三陸町社会福祉協議会 結がもたらすゆるやかなつながり/板橋区地域リハビリテーションネットワーク(介護予防部会) 「10の筋トレ」をきっかけに、高齢者の居場所と出番を作りたい!/特定非営利活動法人 瀬戸地域福祉を考える会 まごころ 助け合い 支えあい 地域とあなたをつなぐ場所/鶴見区シニアボランティア アグリ 男性シニアボランティアグループがこども食堂等へ野菜を提供。さらに他分野でも特技を発揮中!/阿久根市ころばん体操教室 心と体の健康に百点満点 みんなで『ころばん体操』教室
      • <自治体部門> 宝塚市 地域福祉課 健康・生きがい就労トライアル/洲本市 いくつになっても健康で元気(GENKI)に洲本市に住み続ける(すもっと)プロジェクト/和木町役場 和木町地域包括支援センター 『みんなが生徒 みんなが先生』で健康づくり~いつまでも自分で歩いて、口から食べよう~/宇和島市 通いの場から広がる健康寿命延伸への取り組み、そして支えあいの地域づくり/うきは市役所保健課・福富地区自治協議会 心と身体の健康拠点! 健康サークル「ほっこり」
  3. 母子保健分野
    • 【厚生労働大臣 最優秀賞】(1件)
      • 特定非営利活動法人 ZERO キッズ マンションと地域をつなぐ多世代交流事業
    • 【厚生労働大臣 優秀賞】(3件)
      • <企業部門> 株式会社 AsMama 知人同士の共助 ICTプラットフォーム「子育てシェア」を活用した頼り合いコミュニティ形成
      • <団体部門> 赤ちゃんとママの防災講座 乳幼児親子向け防災講座「赤ちゃんとママの防災講座」
      • <自治体部門> 飛騨市 飛騨市産前産後ママサポプロジェクト
    • 【厚生労働省 子ども家庭局長 優良賞】(8件)
      • <企業部門> FUNFAM株式会社 日本発世界初。オンライン離乳食スクールでコロナ禍のママを孤立させないプロジェクト/エキサイト株式会社 WEラブ赤ちゃんプロジェクト/株式会社mitete 一時保育マッチングサービス mitete
      • <団体部門> 久留米大学 子どもと親のためのヒーロー図鑑~心を支えてくれるヒーローたち~(親子の心のHEROES)/特定非営利活動法人きずなメール・プロジェクト きずなメール事業/特定非営利活動法人わははネット 縁結び・子育て美容-eki/東京家政大学 子どもも大人も創造力を豊かにするアートな遊びの場づくりプロジェクト/医療法人社団愛育会福田病院 「福田病院母子サポートセンター」児童虐待予防に向けた産婦人科医療機関の取り組み

~NEW~
厚生労働省 第4回職場適応援助者養成研修のあり方に関する研究会(資料)
▼資料2-2:研究会報告書(骨子案)
  1. ジョブコーチを取り巻く状況の変化
    • この10年の変化は大きく4つ挙げられる。
    • 一点目としては、障害者雇用の進展が挙げられる。障害者雇用状況報告によると、平成21年は実雇用率1.63%(法定雇用率1.8%)、障害者雇用数33.3万人で合ったが、令和元年は実雇用率2.11%(法定雇用率2.2%)、障害者雇用数56,1万人と大きく進展していることがわかる。障害者雇用が進展する中で、企業の中で障害者の雇用支援ができる人材のニーズが高まっており、企業在籍型ジョブコーチの受講者が、特例子会社の社員のみならず、一般の企業の人事や現場の社員の受講が増えている。
    • 二点目としては、精神・発達障害者の求職・就職者数の増加が挙げられる。ハローワークの職業紹介状況を見ると、精神障害者の就職件数は平成21年度10,929件(24.1%)から49,612件(48.1%)と著しく増加している。地域の職業リハビリテーション機関である障害者就業・生活支援センターや地域障害者職業センターにおいても、同様に支援対象者に占める精神・発達障害者の割合が増加している。地域障害者職業センターの配置型ジョブコーチ支援の実績を見ても、平成21年度は知的障害者が約6割を占めていたが、近年は3割程度であり、発達・精神障害者の支援が約6割を占めている。
    • 三点目としては、福祉・教育から一般就労への移行の促進や総合福祉法による就労系福祉サービスの増加・多様化が挙げられる。福祉から一般就労への移行者数は平成21年度3,293人だったところ、平成30年度19,963人と著しく増加しており、特別支援学校高等部卒業後の状況を見ても、平成21年3月卒では就職者が3,547人(就職率は23.7%)だったところ、平成31年3月卒では7,019人(就職率32.3%)と福祉・教育から一般就労への移行が促進されていることがわかる。就労系福祉サービスのうち「就労移行支援事業」の利用者数・事業所数は年々増加傾向にあり、令和元年度の事業所数は3,090カ所、利用者数は33,548人となっている。設置主体別を見ると近年特に営利法人の割合の増加が特徴的であり、令和元年度は37.1%を占めている。また、平成30年度から新たなサービスとして「就労定着支援事業」が創設され、就労移行支援事業等の利用を経て一般就労へ移行した障害者に対する定着支援を行なうこととなった。令和2年4月現在事業所1,228カ所、10,566人が利用しており、今後も増加していくことが見込まれる。
    • 最後に、障害者差別禁止・合理的配慮の提供義務化が挙げられる。雇用分野における障害者権利条約への対応を図るため、障害者雇用促進法の平成25年改正により雇用分野における障害者差別の禁止及び合理的配慮の提供義務等が規定され、平成28年4月から施行された。
  2. ジョブコーチに求められる役割・スキル
    • 上述した変化により、支援対象者の仕事内容が現業系から事務系へ、雇用管理が集中型・グループ型から分散型へ、支援内容が直接現場に入る作業支援から人間関係等職場環境の調整へといった影響がみられる。しかしながら、依然として作業支援に関するスキルは必須であり、ジョブコーチの基本的役割、求められるスキルは大きく変わっていない。
    • 精神・発達障害者の支援の増加に伴い、職場におけるコミュニケーションや人間関係の課題に対して、本人や職場からの聞き取り、分析や助言、環境調整を行う支援が増えてきており、情報を収集し分析するスキルがより求められるようになった。
    • 例えば、就職直後の緊張感が取れた後にどの位実力を発揮できるかといった見極めや仕事上の指示者や相談相手等の人間関係の調整をジョブコーチが行い、本人や事業所に伝えていくことが求められる。
    • 特に、精神・発達障害者に対しては、本人も気づいていない課題を抽出し、どういった課題でつまずいているのかをアセスメントして整理し、説明することが求められる。加えて、結果をどう伝えるかを含めてアセスメントであり、コミュニケーションスキルや伝え方の技術が必要である。また、職場で起こる課題の背景には障害特性に起因したものがある場合が多いため、アセスメントの前提として障害特性の理解が重要である。
    • 就職直後のみならず、職場になじんだ後でも、職場には言えない悩みを抱えていることや新たな課題が発生する場合もあり、職場定着のためには、職場外のサポートがあることが重要である。また、障害者は抱えている問題が様々であり、経済的な問題や生活支援等その他の支援との連携が必要である。
    • ジョブコーチは、今起こっている職業上の課題を短期間の支援の中で解決する役割である。一方、課題には短期で解決できることと長期に渡って支援をし続けなければいけないものもあり、後者については、職場内のサポート体制を整えるとともに、職場外のサポートとして障害者就業・生活支援センター等が継続的に支援していくことが望ましい。
  3. 職場適応援助者養成研修の現状
    • 職場適応援助者養成研修は、平成18年度から現行の研修制度になり、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構及び厚生労働大臣指定の養成研修により実施されている。令和元年度は訪問型・企業在籍型合わせて1,418人が研修を修了しており、修了者の累計は10,939人となっている。
    • ジョブコーチ養成研修の受講ニーズを受け、JEEDでは平成29年度から段階的に実施回数を増加させ、令和元年度以降は年10回実施している。また、厚生労働大臣指定の研修機関も徐々に増えており、現在は7機関が指定を受け、全国各地で研修を実施している。
    • 職場適応援助者養成研修の修了者がジョブコーチとして活動をした場合にその活動に対して助成金(障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース))が支給されるが、当該助成金の受給資格認定を受けた者は、令和元年度訪問型ジョブコーチは568人、企業在籍型ジョブコーチは232人であった。
    • 「ジョブコーチの現状と課題に関する実態調査」によると、平成29年度から令和元年度に研修を修了した者のうち、訪問型は22.4%、企業在籍型は22.7%が現在又は過去助成金を活用して活動した経験があった。助成金の要件の1つになっている研修ではあるが、障害者の就労支援や雇用管理について体系的に学べる研修として受講している者も多くいることがわかった。
    • 養成研修の修了者層の変化としては、訪問型については、所属法人のうち、社会福祉法人の割合が減り、営利法人の割合が増えていることが特徴である。平成20年度の実態調査では、修了者の所属法人のうち社会福祉法人の割合が85.6%であったところ、今回の調査では39.7%と減少しており、一方、株式会社については、同割合が0.5%から27.9%と増加している。また、企業在籍型については、修了者の増加が顕著であり、地域の就労支援の在り方に関する研究会(第2次)報告書において示された企業内でのジョブコーチ活用促進の方向性が促進されているものと思料される。
  4. モデルカリキュラムの見直し案
    • モデルカリキュラムについて、支援対象者の変化等に応じ、各養成研修機関が現行の科目の中でも様々な工夫を取り入れている。
    • 例えば、「アセスメントの視点と支援計画に関する理解」の演習において、企業在籍型と訪問型でチームを組んで面接のロールプレイをすることで、お互いの立場を理解したり、採用時から支援者と連携する重要性を伝えている。また、「課題分析と作業指導」では、以前はわかりやすく教える技術(システマティックインストラクション)に時間をかけていたが、仕事を一から教える機会が減ってきたため、作業場面における行動観察を組み入れている機関もある。
    • また、地域の産業動向を踏まえた職業能力開発に関する科目や自社での課題解決に向け、研修で学んだことをどう活かしたいかというプレゼンテーションを行うとともに、フォローアップ研修の際にそれを用いた振り返りに活用するなどモデルカリキュラム以外に独自科目を設けている機関もある。
    • 具体的なカリキュラムの見直しに関する主な意見は、以下のとおりである。
      1. 訪問型ジョブコーチについては、地域の就労支援を担う多様な事業ができたことにより、就労支援のプロセスが分断されて、自分が担当している部分しか見えなくなってきている。そのため、養成研修では、全体のプロセスと訪問型ジョブコーチの役割や立ち位置といった根幹をしっかり教えていくことが求められる。
      2. 「職務分析と作業指導」の内容に行動観察を追加することについて、現行でも、現場で働いている場面を撮ったビデオや実演を見て、行動観察をして記録を取り、フィードバックするといった演習を行っている機関もある。人間関係やコミュニケーションに課題がある場合は、課題になる場面を動画にすることは難しいため、別の科目の演習の中で、発言等に対してどうフィードバックしていくかといった形で盛り込むことが考えられる。
      3. 定着できる人は、ストレス対処ができ、ストレスがあっても、誰かに相談して自分の抱えている問題を解消できる人である。ストレスの把握と対処に関する詳細な内容はスキルアップのための研修の中で取り上げていくことが適切であり、養成研修では、その重要性やアウトラインを押さえておくことが求められる。
      4. 支援者は、障害の当事者から学ぶところが大きい。ジョブコーチは、経験の数や幅で力量が分かれるところがある。特に企業在籍型ジョブコーチは、自社で採用している人材に傾向があるため、それ以外の人材について知見がない場合もある。そのため、タイプの異なる人材を知る機会はあってもよいだろう。一方で、限られた時間の中で、当事者の話を聞くことはインパクトが大きく、プラス面とマイナス面がある。そのため、カリキュラムの方法や工夫の1つとして、可能であれば入れることは考えられるだろう。
  • 以上のようなモデルカリキュラムに関する意見に基づき、変更・追加した点は以下のとおりである。
    1. 職業リハビリテーションの理念と②就労支援のプロセスを統合するとともに、就労支援のプロセスにおける「職場適応援助者の役割と活用」を明示した。
    2. 合理的配慮の提供の義務化等の制度改正を受け、訪問型/企業在籍型職場適応援助者の役割に「職場における障害者の権利擁護」を追加した。
    3. アセスメントの前提として障害特性の理解が大事であることから、障害特性と職業的課題において障害種別を明示した。
    4. 当事者の声を聞くことは重要であることから、研修内容の工夫として、障害特性と職業的課題と事業所における職場適応援助者の支援の実際(事業所実習)に「可能であれば」として追加した。
    5. 就労支援に関する制度の中に、「活用できる助成金制度の概要」と「労働安全衛生法」を追加した。
    6. 職場定着のためにストレスの把握と対処は大事であることから、職場における雇用管理に「ストレスの把握と対処の重要性」を追加した。
    7. 面談や面接を通じたアセスメントを行う場面が多いことから、アセスメントの支店と支援計画に関する理解に「面接・面談のポイント」を追加した。
    8. 職務分析と作業指導の中に、「作業場面における行動観察とフィードバック」を追加した。

~NEW~
経済産業省 第1回 スマートかつ強靱な地域経済社会の実現に向けた研究会
▼資料4 ウィズ・ポストコロナ時代における地域経済産業政策の検討
  • 総人口は2008年をピークに減少。2060年には9,284万人まで減少見込み。高齢人口の割合も増加。人口減少は地方においてより進展する見込み。
  • 都道府県別GDPは、東京、大阪、愛知が比較的高いが、伸び率で見るとその他の地方が比較的高い。1人あたり都道府県GDPは、東京、愛知、大阪以外の地方の伸び率が高い。
  • 産業構造の観点では、地方ほどGDPの押し下げ要因となっているが、影響は相対的に小さい。地域経済成長を大きく左右するのは、地域ごとの個別産業事情(生産性など)。
  • 地方においては、主に「農林漁業・鉱業」「医療、福祉」「電気・ガス・熱・水道業」等が産業の中心。「製造業」は大都市周辺で優位な傾向。「情報通信業」は東京に特化。
  • 都市部も地方も企業数において中小企業が多数を占める点では同じだが、大企業ほど都市部に集中。雇用数では、都市部の大企業が4割を占める一方、地方の大企業は1割強。
  • 地方よりも大都市の方が、開業・廃業とも多く、事業所の新陳代謝がより活発。産業別では、都市圏と地方でさほど差は見られない(一部、電気・ガス等業では地方の廃業率が低い)。
  • 東京圏への転入超過数の大半を10代後半~20代、30代の若者が占める。大学等への進学や就職、子育て開始等が一つのきっかけになっているものと考えられる。
  • 正規雇用に占める副業者割合は年齢に応じて高まる。地方がより高かったが、近年は都市部と割合が接近。副業理由は金銭面や消極的理由が主だが、若者は「知識や経験」、65歳以上では「社会貢献」も目立つ。
  • 日本銀行による業況判断I.(全産業)を見ると、いずれの地方も、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響で大きく落ち込んでいる。特に、中部、北陸、近畿、中国で落ち込みが大きい。
  • 鉱工業生産指数を見ると、いずれの地方も、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響で大きく落ち込み。落ち込みが比較的大きかった東海、近畿、中国、九州は、回復も比較的早い。
  • 有効求人倍率を見ると、全国的に新型コロナウイルス感染症拡大等の影響で大きく落ち込み。特に、中部、北陸、中国で落ち込みが大きい。
  • 有効求人倍率を見ると、サービス業や建設業等を筆頭に、全国的にコロナ禍で大きく落ち込み。東京圏の方が低下が大きく、特にコロナ前に高い倍率にあった職種が大きく下落する傾向。
  • 地域未来牽引企業に、新型コロナウイルス感染症による影響を調査(令和2年11月実施、回答数957社)製造業者の方が、非製造業者よりも、減収企業の比率が高い。非中小企業の方が、中小企業よりも、減収企業の比率が高い。
  • 製造業のうち、増収企業比率が高いのは、「化学工業」「印刷・同関連業」「プラスチック製品製造業」。減収企業比率が高いのは、「鉄鋼業」「輸送用機械器具製造業」「ゴム製品製造業」。非製造業のうち、増収企業比率が高いのは、「学術研究、専門・技術サービス業」「サービス業(その他)」「情報通信業」。減収企業比率が高いのは、「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業・娯楽業」「卸売業、小売業」。
  • 製造業者は、都道府県内よりも県外の売上が減少を受けている。非製造業者は、都道府県内外の売上変化に、大きな差がない。
  • 製造業において、県外売上高の増収企業比率が高い産業は、「食料品製造業」「電子部品等製造業」「パルプ・紙・紙加工品製造業」「繊維工業」。県外売上高の減収企業比率が高い産業は、「鉄鋼業」「輸送用機械器具製造業」。
  • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大以前の未来企業の主要課題は、製造業者:社内事務や生産工程の非効率さ、非製造業者:採用活動の不振、働き方改革の停滞等。感染拡大後の主要課題は、いずれの業種も、営業等の自粛、市場自体の縮小、リモートワーク導入等。
  • 感染拡大前後で重要性が高まった取組は、(1)社内業務等の刷新、(2)新規顧客開拓、(3)新たなビジネスモデルの開発、(4)多様な働き方の導入、(5)経営管理体制の強化等。製造業では、非製造業に比べ、(A)生産工程の刷新、(B)新規顧客開拓を重要視する企業が多い。
  • 地域経済の中心的な担い手となりうる企業として、合計4,743者の地域未来牽引企業を選定。選定企業の92%は中小・小規模事業者。製造業を中心に、多様な業種から幅広く選定。また、地域未来投資促進法において、地域特性を生かして付加価値、地域経済効果を生む事業を承認。これら地域経済を牽引する企業の成長を通じて、地域経済への波及効果を期待。
  • 2020年4月の民間調査機関の調査では、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、企業の設備投資への意欲減退が見られる。具体的には、設備投資を実施/予定/検討している企業の割合は、前年比で約10ポイント減少し、設備投資を予定していない理由として「先行きが見通せない」と回答した企業が増加した。また、日本公庫による国内設備投資額の推移データを見ると、2019年度は、直近5年間で初めて実績が当初計画を下回る結果となり、2020年度は、当初計画の段階で大きな落ち込みが見られる。
  • 現代のサプライチェーンが有する効率的な生産体制(少ない在庫、コスト競争力のある海外での集中生産)、陸海空の機動的な物流、人の円滑な移動という特徴のいずれにおいても供給途絶リスクが顕在化。
  • 4月の緊急事態宣言以降、地方から東京圏への人口流出が減少。地方から政令指定都市はほぼ変化せず。東京都から隣接都道府県への人口流出が増加。
  • 7-9月期には、東京圏から地方への純流動増が発生。地方から政令指定都市はあまり変化せず。東京都から隣接都道府県への人口流出が大幅に増加。
  • 2020年7-9月期は、前年に比べ、全国的に人口流動が低下。中でも地方から都市への流入にブレーキ。他方その中にあって、東京都から他地域への人口流動は、前年に比べ増加。
  • 東京圏在住者の約半数が地方圏での暮らしに関心あり。特に若者ほどその傾向が強い。コロナ禍において、地方移住に積極的な若者が増加。
  • 民間研究によれば、テレワークの可能性が高いものは、金融・保険、情報通信等の産業。都道府県別にみると、都市部ではテレワークの可能性が高い一方、地方ではハードルがある。
  • 世界各国で、デジタル・非接触サービスの利用が拡大。コロナ禍を通じて、地域未来牽引企業の94%が事業のデジタル化を実施中・検討中。
  • 「国土の均衡発展」、「地域間格差の是正」のため、大都市圏に過度に集中した製造業を地方へ移転・分散。1980年代からは、空洞化に対応して、先端産業の地方立地を促進。立法措置、固定資産税等の優遇税制、団地造成の借入金の利子補給、工場新増設への補助等で促進。1990年代後半からは、製造業の海外移転が進む中、地域資源や集積を活かした新事業・産業創出に移行。2000年代からは、産業クラスター計画により、各地方での企業・人的ネットワーク形成や研究開発を支援。2010年代からは、地域経済を牽引する企業に焦点をあて、予算・税等で設備投資・新事業創出等を支援。
  • 地域を巡る状況
    • 人口減少・少子高齢化の進展、若年層の大都市圏への流出。⇒働き手・コミュニティ活動の担い手の減少、需要の減少
    • 第三次産業化の進展に伴い、製造業が縮小し、医療・福祉、飲食・観光等のサービス業が雇用の主体に。非正規雇用の増加と所得の低下も進行。⇒付加価値の高い雇用の減少
    • 中小企業の生産性は低迷。デジタル化への取組も不十分。経営者の高齢化の進展、事業承継難。開業率も低迷。⇒生産性低迷、デジタル等新たな技術の活用不十分、黒字廃業増
    • リモートワーク等デジタル技術を活用した新たな働き方の実践が進行。若年層の地方移住への関心や東京オフィスの縮小意向の高まり。⇒新たな働き方、東京圏への一極集中是正への萌芽
    • 世界的な移動制限に伴い、グローバルサプライチェーンが寸断し、供給途絶リスクが顕在化。⇒サプライチェーンの強靱化に向けた見直しの必要性の高まり
    • 接触回避の促進等、生活、企業経営におけるデジタル化が促進。⇒生活、企業経営等全面的なデジタル化の加速
  • 脅威・課題:人口減少が早期に進展、東京との生産性格差、低い新陳代謝(新事業創出)等
  • チャンス:生産性の伸び代(成長力)、地方貢献も動機とする兼業・副業人材の増加、等
    →デジタル化、イノベーション、人材活躍促進は、コロナ禍以前からの脅威への対応にも資するもの。
  • 経済財政運営と改革の基本方針2020では、「新たな日常」が実現される地方創生として、DXの進展、地域の価値創造企業の創出による地域産業の活性化と、人材の地方移動促進が掲げられている。コロナ禍以後の機運をとらまえ、DXや、イノベーション(価値創造)、地方での人材活用を一体で進め、地域のリソースを磨き、地域にヒト、モノ、カネを呼び込む好循環(仕事の変革)を実現することが重要。
  • 主な論点(本日ご議論いただきたい事項)
    • コロナ禍が地域経済社会に短期的・中長期的にもたらす影響
      • コロナ禍によって、リモート、デジタル、地方への関心が拡大が進展している。こうした傾向は、今後、地域経済や都市と地方の関係性(東京一極集中や生産性格差)に、どのような影響を与えると考えられるか。また、アフターコロナにおいて、こうした影響はどのように作用していくのか(影響は一過性か中長期的か)。
    • 少子高齢化などの構造的な課題に対応した地域の持続的成長に向けた方策
      • 構造的な課題である少子高齢化は、地域経済を供給面でも需要面でも制約する中、成長活力を最大限引き出し、生産性向上を図るには、どのようなことが重要か。
    • 国内外の各種動向を踏まえた今後の地域経済政策のあり方
      • コロナによる影響や構造的な課題、地域経済の新たな潮流、諸外国の政策動向、政策の歩み、地域の特性等を踏まえると、地域経済政策にとって、今後、重要なことは何か。

~NEW~
総務省 労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)10月分結果
▼労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)10月分結果の概要
  • 就業者
    • 就業者数は6694万人。前年同月に比べ93万人の減少。7か月連続の減少
    • 雇用者数は5998万人。前年同月に比べ48万人の減少。7か月連続の減少
    • 正規の職員・従業員数は3535万人。前年同月に比べ9万人の増加。5か月連続の増加。非正規の職員・従業員数は2111万人。前年同月に比べ85万人の減少。8か月連続の減少
    • 主な産業別就業者を前年同月と比べると、「宿泊業、飲食サービス業」、「農業、林業」、「サービス業(他に分類されないもの)」などが減少
  • 就業率(就業者/15歳以上人口×100)
    • 就業率は60.4%。前年同月に比べ0.8ポイントの低下。男性は83.5%。0.9ポイントの低下。女性は71.0%。0.8ポイントの低下
    • 15~64歳の就業率は77.3%。前年同月に比べ0.9ポイントの低下
  • 就業者数
    • 就業者数は6694万人。前年同月に比べ93万人(1.4%)の減少。7か月連続の減少。男性は3704万人。46万人の減少。女性は2990万人。47万人の減少
    • 雇用者数は5998万人。前年同月に比べ48万人(0.8%)の減少。7か月連続の減少。男性は3266万人。17万人の減少。女性は2731万人。32万人の減少
    • 正規の職員・従業員数は3535万人。前年同月に比べ9万人(0.3%)の増加。5か月連続の増加
    • 非正規の職員・従業員数は2111万人。前年同月に比べ85万人(3.9%)の減少。8か月連続の減少
    • 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は37.4%。前年同月に比べ1.0ポイントの低下
  • 完全失業者
    • 完全失業者数は215万人。前年同月に比べ51万人の増加。9か月連続の増加。男性は134万人。前年同月に比べ36万人の増加。女性は81万人。前年同月に比べ14万人の増加
    • 求職理由別に前年同月と比べると、「勤め先や事業の都合による離職」が22万人の増加。「自発的な離職(自己都合)」が11万人の増加。「新たに求職」が4万人の増加
  • 完全失業率(完全失業者/労働力人口×100)
    • 完全失業率(季節調整値)は3.1%。前月に比べ0.1ポイントの上昇
    • 完全失業者のうち、「勤め先や事業の都合による離職」は45万人と、前年同月に比べ22万人の増加、「自発的な離職(自己都合)」は84万人と、前年同月に比べ11万人の増加、「新たに求職」は44万人と、前年同月に比べ4万人の増加
  • 非労働力人口
    • 非労働力人口は4159万人。前年同月に比べ22万人の増加。7か月連続の増加

~NEW~
国土交通省 建設リサイクル法等に係る全国一斉パトロールの実施結果~約5千現場の立入りで360件の指導等を実施~
  • 都道府県の建設リサイクル法担当部局、環境部局及び労働基準監督署が合同で、令和2年10月~11月に、建設リサイクル法一斉パトロールを実施しました。
  • 建設現場における建設リサイクル法の遵守(適切な分別解体、再資源化の徹底等)を徹底するため、毎年、現場パトロールを実施しております。
    1. 実施内容
      • 関係行政庁の職員が建設工事現場へ立入り、以下の観点で確認と指導等を実施。
      • 建設リサイクル法担当部局:建設リサイクル法の遵守状況の確認及び周知徹底
      • 環境部局:廃棄物処理法、大気汚染防止法及びフロン排出抑制法の遵守状況の確認及び周知徹底
      • 労働基準監督署:労働安全衛生法、石綿障害予防規則の遵守状況の確認及び周知徹底
    2. 実施概要および結果
      • パトロール立入り件数
      • 【令和2年度】5,477現場
      • 【令和元年度】5,336現場(参考)
    3. 実施結果(指導等の件数)
      • 建設リサイクル法に関する指導等を行ったもの 【令和2年度】 360件(参考)【令和元年度】 429件
      • 内訳(※建設リサイクル法担当部局が指導等を行った件数)
        • 標識の掲示 310件(384件)
        • 分別解体 23件(21件)
        • 無届工事 6件(11件)
        • 事前措置 2件(3件)
        • その他 19件(10件)
      • 上記の他に、環境部局・労働基準監督署より、関係法令に関する指導等を実施。
      • 同一現場で複数の指導を行ったものについても、それぞれの指導件数ごとに計上しているため、指導件数と現場数は一致しない。
    4. 参考 指導等を行った項目の解説
      • 標識の掲示:建設リサイクル法第33条等に規定する標識の掲示(営業所及び解体工事現場ごとに掲示を義務付け)が適切に行われていなかったもの。
      • 分別解体の徹底:建設サイクル法に規定する解体手順等が徹底されていないもの。
      • 無届工事:建設リサイクル法第10条に規定する施工計画等の届出が未提出であったもの。
      • 事前措置:特定建設資材への付着物の除去など、工事前の措置が適切に行われていないもの。

~NEW~
総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第13回)データ専門分科会(第9回)合同会議
▼資料2 データの経済価値に関する検討における論点等
  • 「AI時代のデータ経済政策に関する検討」の結果概要
    • データの価値を測定するため、企業アンケートの結果に基づき、「データ」を「資本」、「労働」と並ぶ生産要素の一つと位置づけたうえで、コブダグラス型生産関数による実証分析を実施。
    • 実証分析の結果からは、活用データ容量・件数は、他の生産要素(資本、労働)と同様に、付加価値に対してプラスの関係性を持っていることが明らかになった。
  • データの価値測定手法に残された課題
    • データの経済特性を踏まえた生産要素(例えば資本ストックの一部)としての位置づけと構築
      • データの経済特性を加味した上で、データの保有・活用状況から分析対象年における生産要素としてのデータをどのように構築するのかを検討する必要。
    • データとデータが生み出す価値との関係性の更なる分析
      • データの量や質とデータが生み出す価値との関係(価値を生み出すメカニズム)について、業種や生産プロセスの違いによる分析が必要。更に多くの調査データを集めた多角的な分析のため、大規模かつ継続的に情報を収集する仕組みを検討する必要。
    • データ経済に対する社会的啓発の必要性
      • データの価値推計手法の更なるブラッシュアップのためには、データが生み出す価値の社会的認知の向上及びそれをきっかけとした分析取組の拡大が必要。そのためには、分析に活用できるデータの整備・公開が必要。
  • データの経済価値に関する検討の方向性
    1. データが経済に及ぼす価値・効果の分析深化
      • 実証分析のモデルについて、昨期のモデルによる分析の成果を踏まえつつ、改善すべき点を検討する。また、業種別分析等による、より詳細な分析を検討する。
      • データと経済価値の間の因果関係の明確化や、データが価値を創造するメカニズムの解析に向けた検討を行う。
      • 実証分析において、検証すべき仮説を明確にした上でアンケート調査を設計する。
    2. AI時代における効果的なデータ利活用の在り方の把握
      • データの経済価値に関する社会的認知を向上し、企業がより積極的にデータ利活用に取り組む環境を醸成するため、実証分析の結果と併せて、企業におけるAI時代の効果的なデータ利活用の在り方についても発信する。
    3. 定点観測化
      • 今後、継続的に調査・分析を実施していくことを念頭に、継続調査により明らかにすべき事項や回答のし易さ等を考慮しつつ、定点観測化に向けた検討を行う。
    4. 国際的な議論への貢献
      • 本調査・分析の成果は国内で共有するのみならず、OECD等においても国際的に発信し、国内外の議論への貢献を目指す(昨期の成果は、本年11月のOECD MADE(デジタル経済計測分析作業部会)においてプレゼンを実施。)。
    5. データ利活用環境についての課題把握やその解決策の考察
      • データ利活用を推進するに当たって、企業の抱える課題を把握するとともに、取り得る解決策を考察する。

~NEW~
国土交通省 中長期の自然災害リスクに関する分析結果を公表~都道府県別の災害リスクエリア内人口の推移を分析しました~
  • 国土交通省では、「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~」の取組の一環として、中長期的な視点で災害リスクに対する適切な土地利用を検討するため、都道府県別の災害リスクエリア内の人口(2015年・2050年)の推移を分析しました。
  • 分析結果の概要・活用について
    • GIS(地理空間情報)を用いて、洪水、土砂災害、地震(震度災害)、津波の4種の災害リスクエリア内の人口の推移を分析した結果、日本全国の災害リスクエリア内人口は2015年から2050年までに約1,416万人減少するものの、総人口に対する割合としては約2.8%増加する結果となり、都道府県別にみても複数の都道府県で同様の傾向が見られる結果となりました。
    • 今回の結果は様々な仮定をおいた上で分析を行ったものですが、地方自治体等の様々な主体において国土全体の構造・地域づくりの検討を行うにあたり、この分析結果を参考として活用いただきたいと考えています。例えば、次のような活用方策が考えられます。
      1. 地方自治体による活用
        • 複数の災害リスクを重ねあわせた上で都道府県別の地図で整理していますので、自治体職員が広域的かつ総合的な視点で防災施策の企画・立案を行う際の参考資料としての活用が考えられます。
        • 例えば、地方自治体が保有している重要施設の位置情報等をリスクエリアマップで確認し、災害時における重要施設の機能確保に関する検討を行うことが可能となります。
      2. 企業による活用
        • 企業の生産・販売拠点等の複数の災害リスクを都道府県単位で把握することができ、リスクを踏まえた生産・販売拠点の防災対策や流通経路も踏まえた災害リスクへの対応等に取り組むための材料としての活用が考えられます。
      3. 住民による活用
        • 自らが居住する都道府県の災害リスクを総合的に知ることによって、災害リスクについて自ら調べ、災害時の具体的な行動についてさらに考えるきっかけとなることや、中長期的な視点でより災害リスクの低い土地利用を集落などで話しあう際の参考資料としての活用などが考えられます。
▼都道府県別の災害リスクエリアに 居住する人口について

~NEW~
国土交通省 防災・減災対策の推進や台風・豪雨対策等に緊急予算支援!~令和2年度 防災・減災対策等強化事業推進費を配分(第3回)~
  • 国土交通省では、「防災・減災対策等強化事業推進費」について、令和2年度第3回の配分を行います。
    • 対策件数:32件  配分額:約65億円(国費)
  • 「防災・減災対策等強化事業推進費」は、大雨等による災害を未然に防ぐ事前防災対策のうち地域等の課題が解決し事業の実施環境が新たに整った対策や、大雨による浸水被害等が発生した地域において再度の被災を防止するために緊急的に実施する対策等に対して年度途中に機動的に予算を配分し、防災・減災対策を強化する予算です。
  • 配分事業の概要
    1. 災害が起きる前に被害を防止する事前防災・減災対策
      1. 洪水対策(3件、約17億円)
      2. 津波対策(1件、約0.7億円)
      3. 道路の安全対策(4件、約11億円)
      4. 航路の安全対策(1件、約0.8億円)
    2. 被災地域での再度災害防止対策
      1. 洪水対策(14件、約25億円)
      2. 崖崩れ・地すべり対策(4件、約4億円)
      3. 航路の安全対策(5件、約7億円)
▼制度の概要については以下をご覧ください。

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