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危機管理トピックス

令和4年派遣労働者実態調査(厚労省)/サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進(経産省)/デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方(総務省)

2023.11.27
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更新日:2023年11月27日 新着17記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

首相官邸
  • 超高齢社会の課題を解決する国際会議 岸田総理ビデオメッセージ
  • 北朝鮮による衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイルの発射について
消費者庁
  • ひとりで悩まず、ちょっとアクセス オンラインチャット消費者相談
  • レック株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
厚生労働省
  • 令和4年派遣労働者実態調査の概況
  • 危険ドラッグの成分1物質を新たに指定薬物に指定~指定薬物等を定める省令を公布しました~
  • 12月は「職場のハラスメント撲滅月間」です~職場におけるハラスメント対策シンポジウム開催~
経済産業省
  • 「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」及び「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」が閣議決定されました
  • 産業サイバーセキュリティ研究会「サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会」の最終報告書等を取りまとめました
総務省
  • 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ(第11回)配布資料
  • デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第2回)配付資料

~NEW~
関東財務局 株式会社ビッグモーター、株式会社ビーエムホールディングス及び株式会社ビーエムハナテンに対する行政処分について
  • 関東財務局は、本日、株式会社ビッグモーター(本社:東京都多摩市、法人番号:9250001011590)、株式会社ビーエムホールディングス(本社:東京都多摩市、法人番号:9120001183229)及び株式会社ビーエムハナテン(本社:東京都多摩市、法人番号:6120001183462)(以下、3社を合わせ「BMグループ」という。)に対し、保険業法第307条第1項第3号の規定に基づき、下記のとおり行政処分を行う旨の命令を発出した。
  • 行政処分の内容
    • 保険業法第307条第1項第3号の規定に基づき、令和5年11月30日をもって、損害保険代理店としての登録を取り消す。
      • 株式会社ビッグモーター
      • 株式会社ビーエムホールディングス
      • 株式会社ビーエムハナテン
  • 処分の理由
    • 保険業法第305条第1項の規定に基づく立入検査において認められたBMグループにおける以下の状況は、保険業法第307条第1項第3号に規定する「この法律又はこの法律に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき」及び「その他保険募集に関し著しく不適当な行為をしたと認められるとき」に該当するものと認められる。
      1. 経営管理態勢(ガバナンス)
        • 株式会社ビッグモーター(以下、「BM」という。)は、株式会社ビーエムホールディングス及び株式会社ビーエムハナテンを子会社として有しているが、両社は役員が社長1名のみであり、本社組織も有していないことから、業務執行の意思決定は実質上BMの取締役会が担うなど、BMが両社を含めたBMグループを運営している。
        • こうした中、BMは、会社法に定める取締役会設置会社かつ大会社に区分される株式会社として、会社法の規定に即して定款及び社内規程を策定の上、取締役会が業務執行方針を決定し、代表取締役社長ほか取締役等が業務を執行する経営管理態勢としている。
        • しかしながら、BMは、実質上、創業者である前代表取締役社長及び前取締役副社長(以下、「前社長・前副社長」という。)のオーナー会社であることから、取締役の役割や権限が明確化されておらず、業務執行の決定や承認は実質上、前社長・前副社長による非公式な役員間協議等を通じて行われてきた。
        • このような経営実態の中にあって、前社長・前副社長は、会社経営には利益の拡大が最重要であるとの信念及び自己の思うとおりに経営したいという意欲が過剰であったことから、法令等遵守態勢をはじめ、大会社であれば当然に整備すべき経営管理態勢の構築を怠った。また、社内規程等が存在するにもかかわらず、自らが中心となって策定した「経営計画書」により、社員の行動や実務レベルの業務運営を直接「統制」する経営を進めてきた。
        • このため、BMの経営管理態勢は、以下のとおり、会社法が求める機能を発揮しているとは認められない実態にある。また、取締役会、代表取締役、取締役及び監査役(以下、「取締役会等」という。)は、適切な保険募集管理体制の前提でもある経営管理態勢を正常化させるための取組みを怠っている。
          • 会社法において、取締役会設置会社の取締役は業務執行状況を3か月に1回以上、取締役会に報告することが規定されているにもかかわらず、平成28年10月から令和5年7月までの約7年間、令和2年12月の1回を除き、取締役会が開催された事実は確認できず、会社法等に定める各種の決議も行われていない。
          • 取締役会は、法令等遵守に責任を負う役員の選任、所管部署の設置等の法令等に適合することを確保するための体制を整備していないほか、内部統制の妥当性・有効性等を検証・評価する内部監査部門も設置していないなど、業務の適正を確保するために会社法及び法務省令において規定されている内部統制システムの整備を行っていない。また、会社法や定款の規定に反して、組織再編により登記申請上必要となる場合を除き、決算公告を行っていない。
          • 取締役会は、社内規程において、経営会議等を設置し経営管理全般に関する業務の協議等を行うと規定しているが、これらの会議体は少なくとも令和2年度以降、開催された事実が確認できない。また、社内規程について法令や経営方針等の変化に応じて見直す体制を構築していないため、経営管理等の重要な規程が、平成27年9月以降改定されないまま放置され、形骸化している。
          • 監査役は、会社法において求められる会計監査及び業務監査について、少なくとも令和2年度以降、会計監査を実施しておらず、意見交換等を通じて取締役の職務執行を確認するなどの業務監査も行っていない。
          • 代表取締役社長は、「経営計画書」において、苦情対応について「スピード感をもって苦情対応すること」や「どんな小さな苦情でも社長に報告すること」等を規定しているにもかかわらず、苦情管理担当役員や統括部署の設置、管理規程等の策定等の体制整備を怠っている。このため、受け付けた苦情の全貌が把握できないうえ、苦情管理や対応の状況を確認することができない実態にある。
        • また、BMグループでは、前社長・前副社長が社内に醸成したいびつな価値観やそれに基づく評価制度・給与体系等を受け入れられない多くの社員が毎年大量に退職する一方で、店舗網の拡大により要員拡充が必要であったことから、毎年、大量の社員を採用せざるをえない状況にあった。
        • したがって、BMグループでは、大量に採用した社員に対して保険販売を含めた業務の体系的・統一的な質の高い教育・研修を行う必要があったが、習熟度の高い人材を育成することが極めて困難な実態にあった。
        • しかしながら、取締役会等は対策を講じていない。
      2. 適正な保険募集を確保するための体制整備
        • BMグループの保険募集及び保険管理業務を所管する保険部は、平成28年5月に施行された改正保険業法において、顧客に対する情報提供義務、意向把握・確認義務及び保険募集人の体制整備義務等が導入されたことに伴い、平成29年より保険募集人に対する教育・指導及びモニタリング等の「品質向上取組」を開始した。
        • また、代表取締役、取締役、監査役等の経営陣(以下、「経営陣」という。)は、「品質向上取組」に必要な人的リソースを確保するため、保険会社からの出向者の受入れを大幅に拡大し、保険部や各店舗に配置して保険募集品質の向上に向けた指導・支援、モニタリング業務及び苦情分析等を行わせることとしたほか、保険部への自社人員の配置も増やすなど増強を図った。
        • しかしながら、経営陣は、令和2年以降の新型コロナウィルスの感染拡大等の影響により、中古車販売台数が大幅に減少したことを契機として、主に前取締役副社長の指示の下、収益を生まない事業や取組みの徹底的な排除や人的リソースの見直しを行うなど、利益至上主義の経営に舵を切り、保険募集業務においても営業推進に注力した。
        • 一方で、以下のとおり、けん制機能等の収益を生まない事業や取組みを軽視し、適正な保険募集を確保するための体制整備義務を放棄しており、かかる実態は保険業法第294条の3第1項(体制整備義務)に違反するものと認められる。
          • 経営陣は、令和2年6月、苦情対応コールセンター事業を前取締役副社長の「コストに見合った利益を生まない事業」との判断により廃止し、さらに同年7月、保険部による各店舗への指導・教育等の取組を中止した。また、保険会社からの出向者を含む廃止事業等の要員を各店舗の営業支援等に振り分けた結果、保険部は、令和2年9月には23名体制から12名体制となり、募集人の指導・教育等の必要最小限の管理体制の維持に必要なリソースやスキルを失った。
          • 令和2年10月、上記の経緯を背景に「品質向上取組」を主導してきた保険部長が辞職した際に、経営陣がコスト削減のため後任者の配置を行わなかったことなどから同取組が停止した。また、経営陣が営業本部の部長を事実上の保険部責任者としたことにより、保険部による営業部門へのけん制機能が不全となった。
          • さらに経営陣は、令和3年2月、コストに見合う効果を得られていないとして、各店舗内で保険募集の管理・指導を行う保険推進委員も廃止したため、BMグループでは組織的な募集人への教育・管理・指導が行われない状況となった。
          • なお、保険募集に関する内部監査については、「組織規程」上、営業部門から独立した内部監査室が実施すると規定しているが、同室は実際には設置されておらず、同室による内部監査も行われていない。
        • 立入検査において、BMグループにおける保険募集の実態等を検証したところ、以下のとおり、保険業法第300条第1項各号に抵触する事例や保険業法に照らして不適切な事例が多数認められている。
          • 保険募集システムにおいて、極めて短時間に契約締結手続き等を行ったことが記録されている契約148件を抽出して確認したところ、122件について、募集人が網羅的な重要事項の説明を行っていない実態が認められたほか、実地調査において重要事項説明書を交付していない募集人等も認められるなど、保険業法第300条第1項第1号に反する募集行為が常態化している蓋然性が高い。
          • 他社からBMグループで販売する保険に乗り換えた契約を担当した募集人1,079人に確認したところ、延べ9名の募集人において、保険加入を条件に車両価格を値引くなど、保険業法第300条第1項第5号で禁止する特別利益の提供を行っている旨の回答等が認められた。
          • 立入検査において、経営陣より、募集人や下請業者にBMグループで保険加入させるよう指示等が行われている実態が判明したことを踏まえ、募集人の保険契約88件を抽出し確認したところ、店長等から圧力を受け加入させられたなど、不適切な募集行為が行われていた契約14件が認められた。また、下請業者の保険契約149件を抽出しBMに確認を求めたところ、121件について圧力による保険加入と判断されるなど、下請業者に対しても不適切な募集行為が行われていたと認められた。
        • なお、これらのBMグループにおける不適切な事象の根本原因は、(1)で述べた経営管理態勢の重大な欠陥・問題を背景として、自己の収入を増やすあるいは高い給与水準を維持するという「動機」、利益拡大を過度に重視する経営姿勢により、利益を上げるためには不正も許容されるという誤った認識を「正当化」させかねないいびつな組織風土、及び社内外の不正・不備を検知・検証する態勢の機能不全により、不正行為を実行する「機会」が存在したことにあると考えられる。
        • したがって、BMグループは、過去の成功体験に基づく利益優先の会社運営やカリスマ的な経営者を前提とした独裁的な個人経営から脱却し、法令等を遵守し、顧客を含めた幅広いステークホルダーの期待に応える会社となるために、経営管理態勢と人材育成を根本から作り直す必要がある。その上で、適切な経営管理態勢と質の高い人材のもと、法令を遵守し、かつ顧客本位の業務運営を徹底的に志向する保険募集管理体制を構築した保険代理店に生まれ変わるべきであるが、一連の保険金不正請求を端緒とする保険会社出向者の引上げにより、体制整備に必要な知識を有する人的リソースを喪失したことに加え、本年11月30日までに全ての保険会社が代理店委託契約を解約する方針であるなど、体制を整備するための保険会社からの支援も期待できず、再建への道筋は極めて困難である。

~NEW~
金融庁 証券監督者国際機構(IOSCO)による最終報告書「暗号資産・デジタル資産に関する勧告」の公表について
▼ IOSCOメディアリリース(原文)*翻訳
  • IOSCO、暗号通貨およびデジタル資産市場に対する政策勧告を最終決定
    • 証券市場規制当局の世界的な基準設定者であるIOSCOは本日、最終報告書を発表しました。暗号通貨およびデジタル資産(CDA)市場に対する政策提言を含むレポート。これらの推奨事項は、世界規模で調整された規制対応を実施する上で中心となります。
    • 暗号資産サービスプロバイダー(CASP)と呼ばれる集中暗号資産仲介業者によってもたらされる、重大な投資家保護と市場健全性リスク。IOSCOの詳細かつ対象を絞った推奨事項は、規制上の期待を詳しく説明しています。
    • 状況に応じて、既存のルールの適用または新しいルールの開発を通じて、これらの市場で観察された主要な危害領域に対処するために、管轄権を強化します。CDA勧告は、明確かつ堅牢な国際規制ベースラインを設定し、CASPは従来の金融市場に適用されるビジネス行動の基準を満たしていること。この勧告は、IOSCOの目的と原則と一致する6つの主要分野をカバーしています。
    • 証券規制および関連するサポートIOSCO基準、勧告、および良い習慣:
      1. 活動と機能の垂直統合から生じる利益相反、
      2. 市場操作、インサイダー取引、詐欺、
      3. 保管および顧客資産の保護、
      4. 国境を越えたリスクと規制協力
      5. 運用上および技術上のリスク、および
      6. 小売流通。
  • IOSCO議長のジャンポール・セルベ氏は次のように述べた。
    • IOSCO議長として、私は暗号とデジタルに関するIOSCOレポートの発行を嬉しく思います。資産市場は、投資家が保護され、暗号資産市場が公正、効率的かつ透明性をもって運営されることを保証するための最初の重要なステップです。このレポートは、G20とFSBが構想するこれらの市場のための国際枠組み。
  • 次に、推奨事項の確実な採用と実施に注意を向けます。
    • 暗号資産の市場と活動が世界全体で規制される方法の最適な一貫性をサポートするためIOSCO加盟国の管轄区域。
    • IOSCO理事会レベルのフィンテックタスクフォースの委員長であるトゥアン・リー・リム氏が、このポリシーを策定するために設立されました。対策はこう言った。
    • CASPの活動とそれに関連するリスクは、従来の社会で観察されたものを反映していることがよくあります。金融市場。したがって、採用された規制アプローチはIOSCOの原則と一致しています。および証券市場規制の関連基準。暗号通貨およびデジタル資産市場に対するこれらの18の推奨事項は、結果に焦点を当てたものであり、ベースに基づいています。「同じ活動、同じリスク、同じ規制結果」の原則に基づいています。

~NEW~
内閣官房 デジタル行財政改革会議(第2回)議事次第
▼ 資料2 規制改革推進会議提出資料
  • 規制改革推進会議における地域交通に関するヒアリング(自治体・DMOの指摘)
  • 鈴木・行方市長
    • 高齢化に伴いタクシーやスクールバスなど二種免許を取得したドライバーが減少。自家用有償旅客運送は、地方公共交通協議会では境界を越えた運送はできないと整理されており、利用者が不便。タクシー・バス会社と連動して、運転手確保を行うとともに、道路運送法7第8条3号を整理をしていくことで市外市内への移動展開をしていかなければ、本当に人口減少・過疎化が加速する。
  • 中山・京丹後市長
    • 自家用有償旅客運送について、運行主体・区域制限の緩和、観光客等の市外への降車を可能にしてほしい。一方で、大切なのはタクシー等事業者との調整。この制度環境として地域公共交通会議での合意を前提に、自家用有償旅客運送の実施主体を地域のタクシー・バス会社まで可能な形に緩和いただき、タクシー・バス会社が自らの判断で第2のビジネスモデルとして参画できるようにしてはどうか。その場合、法78条2号の改正以外に、同3号の運用でも実施可能であれば、地域公共交通会議での合意を前提にやれる地域からやっていくこともあり得るのではないか。
  • 黒田・平戸市長
    • 深夜帯や外国人対応は、逆に(自家用有償旅客運送の)料金を上げないと成り立たない。区別化することでタクシーと共存の理解を図られ、むしろ、タクシー会社がそういう別のサービス、セカンドステージに着手できるよう門戸を広げた方がいいのでは。できるところからやってください、と地方に任せるぐらいの規制緩和の理念でいかないとまとまらない。
  • 大岸・歩くまち京都推進室長
    • 京都では、車の渋滞が「観光による課題」のはじまり。市としては車に過度に依存しないまちづくりを進めてきた。今日では、京都駅に非常に人が集中し、バスがいっぱいで乗れない、タクシー待ちの行列が発生といったことも。交通事業者の担い手不足もこれを助長。コロナ禍の影響で、密を避けた車による観光が進む恐れも。早期から、的確なタイミングで効果的な情報発信を行い、観光客の行動変容の促進、駅前空間のスムーズな運用を支援することでタクシーの効率的な利用を促進していく。交通事業者の担い手は非常に厳しい状況。特に定時定路線で運行するバスで深刻。道路事情が厳しい京都では、鉄道・バスの輸送力を活かすことが重要。特に交通局等では、大幅な臨時増便や、観光客向けの急行バス路線を運行しているが、こういった取組の強化も必要。
  • 長井・ニセコプロモーションボード事務局長代行
    • (ニセコにおいて、)宿泊者、事業者、住民、ありとあらゆる人が2本ぐらいしかない大きい道路に集中してしまい、道路渋滞が発生。冬の時期だと、地域内にある2つの信号の間約2キロが、渋滞で車がつながるということも生じている。このような現状が進み、エリアの魅力が低下し、宿泊・入込人数・投資が少なくなってしまい、結果的に地域の稼ぎの低下、地域としての魅力がなくなることを懸念。宿泊施設による自社送迎サービスの商品化、有料化を可能にしたらどうか。道路事情もあり、これ以上車が単純に増えることは望ましくない一方で、交通の足が足りないのも事実。個人運行をたくさん走らせるというよりも、個人と比べるとブランドを背負っているような宿泊施設、一流企業であれば、ある程度運行の安全性もちゃんとできるのではないか。
  • 高島・福岡市長
    • 福岡は時間帯の交通空白地。ライドシェアの定義のほか、万が一の際にはプラットフォーマーとドライバーが補償する、これを明確に規定することが肝要。早急に会社、プラットフォーマー、ドライバーの要件の制度化が必要。タクシーにもしっかり規制緩和をしていくことで、イコールフッティングにすることが不可欠。ライドシェアを考えるのであれば、タクシー会社がビジネスをできるような規制緩和が大事。
    • ステークホルダーが多い場所においては、地域公共交通会議を開いても合意を得ることは極めて困難であり、道路運送法の運用拡大だけでは、郊外部の議論は進むかもしれないが、都市部の議論が進みにくい。法改正の準備と同時並行で、早急な道路運送法の運用拡大の実施が肝要。ライドシェアの安全性やタクシー業界との共存といった課題については、各地域の会議等に任せるのではなく、全国で統一的なルールを作って、それぞれ議論をすることがないよう進めることが、都市部の交通の課題解決においても大事。
    • 二種免許がないとどう危ないのかも含めて、何をもって安全か、地方に任せるのではなく国としての統一見解を出していただきたい。
    • 毎回地域公共交通会議の中で時間帯を区切って限定的に許可するのは、現実的ではない。
  • 土屋・軽井沢町長
    • 夜の時間帯は観光客だけでなく、別荘に静養に訪れる人たちも飲食店などでタクシーを利用。新幹線での来訪者も多く、需要が供給が上回る状態となっている。
    • 運転者不足の解消に向けてタクシー会社において幅広い募集活動や二種免許の取得、補助も行っているが、中々追いつかない状況。回遊性を向上させるにも交通事情を解決して地域経済の発展にもつなげたく、町としては様々な組み合わせによる全体の交通計画を考えている。

~NEW~
内閣府 月例経済報告(令和5年11月)
  • 景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している。
  • 先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。
  • 基調判断
    • 景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している。
    • 先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。
  • 政策態度
    • 30年来続いてきたコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済へ変革するため、新しい資本主義の取組を加速させる。
    • このため、変革を力強く進める供給力の強化策と不安定な足元を固め物価高を乗り越える生活実感の改善策により、投資と消費の力強い循環につなげるべく「デフレ完全脱却のための総合経済対策~日本経済の新たなステージにむけて~」(11月2日閣議決定)を早期に実行する。その裏付けとなる令和5年度補正予算の早期成立に全力で取り組む。
    • 日本銀行には、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、賃金の上昇を伴う形で、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する。
    • こうした取組を通じ、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進めつつ、デフレに後戻りしないとの認識を広く醸成し、デフレ脱却につなげる。
  • 消費・投資等の需要動向
    • 2023年7-9月期の実質GDP(国内総生産)の成長率は、政府最終消費支出がプラスに寄与したものの、民間在庫変動、民間企業設備、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)、民間最終消費支出、民間住宅、公的固定資本形成がマイナスに寄与したことなどから、前期比で0.5%減(年率2.1%減)となった(3四半期ぶりのマイナス)。また、名目GDP成長率は前期比で0.0%減となった(4四半期ぶりのマイナス)
    • 個人消費は、持ち直している。
      • 「四半期別GDP速報」(2023年7-9月期1次速報)では、民間最終消費支出の実質値は前期比0.0%減となった。また、「消費動向指数(CTI)」(9月)では、総消費動向指数(CTIマクロ)の実質値は前月比0.0%増となった。
      • 個別の指標について、需要側の統計をみると、「家計調査」(9月)では、実質消費支出は前月比0.3%増となった。販売側の統計をみると、「商業動態統計」(9月)では、小売業販売額は前月比0.4%増となった。
      • 消費動向の背景をみると、実質総雇用者所得は、このところ持ち直しの動きがみられる。また、消費者マインドは、このところ持ち直しに足踏みがみられる。
      • さらに、足下の状況について、ヒアリング結果等を踏まえると、新車販売台数及び家電販売は、おおむね横ばいとなっている。旅行は、持ち直している。外食は、緩やかに増加している。
      • こうしたことを踏まえると、個人消費は、持ち直している。
      • 先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、持ち直しが続くことが期待される。ただし、消費者マインドの動向に留意する必要がある。
    • 設備投資は、持ち直しに足踏みがみられる。
      • 設備投資は、持ち直しに足踏みがみられる。需要側統計である「法人企業統計季報」(4-6月期調査、含むソフトウェア)でみると、2023年4-6月期は前期比1.2%減となった。業種別にみると、製造業は同1.2%増、非製造業は同2.5%減となった。
      • 機械設備投資の供給側統計である資本財総供給(国内向け出荷及び輸入)は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。ソフトウェア投資は、増加している。
      • 「日銀短観」(9月調査)によると、全産業の2023年度設備投資計画は、増加が見込まれている。「日銀短観」による企業の設備判断は、製造業に過剰感がみられるものの、全体では不足感がみられる。先行指標をみると、機械受注は、おおむね横ばいとなっている。
      • 建築工事費予定額は、持ち直しの動きがみられる。
      • 先行きについては、堅調な企業収益等を背景に、持ち直しに向かうことが期待される。
    • 住宅建設は、弱含んでいる。
      • 住宅建設は、弱含んでいる。持家の着工は、このところ横ばいとなっている。貸家の着工は、横ばいとなっている。分譲住宅の着工は、弱含んでいる。総戸数は、9月は前月比1.5%減の年率80.0万戸となった。なお、首都圏のマンション総販売戸数は、おおむね横ばいとなっている。
      • 先行きについては、当面、弱含みで推移していくと見込まれる。
    • 公共投資は、底堅く推移している。
      • 公共投資は、底堅く推移している。9月の公共工事出来高は前月比0.7%増、10月の公共工事請負金額は同7.9%減、9月の公共工事受注額は同3.4%増となった。
      • 公共投資の関連予算をみると、国の一般会計予算における公共事業関係費は、令和5年度当初予算では、前年度当初予算比0.0%増としている。また、2023年11月10日に閣議決定された国の令和5年度補正予算案においては、「国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する」取組などに係る予算措置を講じることとしている。さらに、令和5年度地方財政計画では、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比0.0%としている。
      • 先行きについては、関連予算の執行により、底堅く推移していくことが見込まれる。
    • 輸出は、このところ持ち直しの動きがみられる。輸入は、おおむね横ばいとなっている。貿易・サービス収支は、赤字となっている。
      • 輸出は、このところ持ち直しの動きがみられる。地域別にみると、アジア向けの輸出は、このところ持ち直しの動きがみられる。アメリカ向けの輸出は、このところ持ち直している。EU及びその他地域向けの輸出は、おおむね横ばいとなっている。先行きについては、持ち直しの動きが続くことが見込まれる。ただし、海外景気の下振れリスクに留意する必要がある。
      • 輸入は、おおむね横ばいとなっている。地域別にみると、アジア及びアメリカからの輸入は、おおむね横ばいとなっている。EUからの輸入は、このところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。先行きについては、次第に持ち直していくことが期待される。
      • 貿易・サービス収支は、赤字となっている。
      • 9月の貿易収支は、輸出金額が増加したことから、赤字幅が縮小した。また、サービス収支は、赤字幅が縮小した。
  • 企業活動と雇用情勢
    • 生産は、持ち直しの兆しがみられる。
      • 鉱工業生産は、持ち直しの兆しがみられる。鉱工業生産指数は、9月は前月比0.5%増となった。鉱工業在庫指数は、9月は前月比1.3%減となった。また、製造工業生産予測調査によると10月は同3.9%増、11月は同2.8%減となることが見込まれている。
      • 業種別にみると、輸送機械は底堅い動きとなっている。生産用機械はおおむね横ばいとなっている。電子部品・デバイスは振れを伴いながら持ち直しの動きがみられる。
      • 生産の先行きについては、海外景気の下振れ等による影響に注意する必要があるが、持ち直しに向かうことが期待される。
      • また、第3次産業活動は、持ち直している。
    • 企業収益は、総じてみれば改善している。企業の業況判断は、総じてみれば緩やかに改善している。倒産件数は、増加がみられる。
      • 企業収益は、総じてみれば改善している。上場企業の2023年7-9月期の決算をみると、経常利益は前年比で製造業は増益、非製造業は減益となった。「日銀短観」(9月調査)によると、2023年度の売上高は、上期は前年比2.5%増、下期は同1.4%増が見込まれている。経常利益は、上期は前年比3.8%減、下期は同1.5%減が見込まれている。
      • 企業の業況判断は、総じてみれば緩やかに改善している。「日銀短観」(9月調査)によると、「最近」の業況は、「全規模全産業」で上昇した。12月時点の業況を示す「先行き」は、「最近」に比べやや慎重な見方となっている。また、「景気ウォッチャー調査」(10月調査)の企業動向関連DIによると、現状判断は低下、先行き判断は横ばいだった。
      • 倒産件数は、増加がみられる。9月は720件の後、10月は793件となった。負債総額は、9月は6,919億円の後、10月は,080億円となった。
    • 雇用情勢は、改善の動きがみられる。
      • 完全失業率は、9月は前月比0.1%ポイント低下し、2.6%となった。労働力人口及び完全失業者数は減少し、就業者数は増加した。
      • 就業率は緩やかに上昇している。新規求人数は横ばい圏内となっている。有効求人倍率はこのところ横ばい圏内となっている。民間職業紹介における求人動向は持ち直している。製造業の残業時間は増加した。
      • 賃金をみると、定期給与及び現金給与総額は増加している。実質総雇用者所得は、このところ持ち直しの動きがみられる。
      • 「日銀短観」(9月調査)によると、企業の雇用人員判断DIは、9月調査で-33と、6月調査(-32)から1ポイント不足超幅が拡大している。
      • こうしたことを踏まえると、雇用情勢は、改善の動きがみられる。
      • 先行きについては、改善していくことが期待される。
  • 物価と金融情勢
    • 国内企業物価は、横ばいとなっている。消費者物価は、上昇している。
      • 国内企業物価は、横ばいとなっている。10月の国内企業物価は、前月比0.4%下落し、夏季電力料金調整後では、前月比0.3%下落した。輸入物価(円ベース)は、このところ上昇している。
      • 企業向けサービス価格の基調を「国際運輸を除くベース」でみると、緩やかに上昇している。
      • 消費者物価の基調を「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」でみると、政策等による特殊要因を除くベースで、上昇している。9月は、前月比では連鎖基準で0.1%上昇し、固定基準で0.2%上昇した。前年比では連鎖基準で4.5%上昇し、固定基準で4.2%上昇した。ただし、政策等による特殊要因を除くと、前月比では連鎖基準で0.1%上昇し、前年比では連鎖基準で4.1%上昇した(内閣府試算)。
      • 「生鮮食品を除く総合」(いわゆる「コア」)は、上昇している。
      • 9月は、前月比では連鎖基準で0.0%となり、固定基準で0.1%上昇した。
      • 物価の上昇を予想する世帯の割合を「消費動向調査」(二人以上の世帯)でみると、10月は、1年後の予想物価上昇率別に、2%未満が10.8%(前月10.2%)、2%以上から5%未満が32.9%(前月32.4%)、5%以上が48.8%(前月51.1%)となった。
      • 先行きについては、消費者物価(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)は、政策等による特殊要因を除くベースで、当面、上昇していくことが見込まれる。
    • 株価(日経平均株価)は、30,800円台から33,500円台まで上昇した後、33,300円台まで下落した。対米ドル円レート(インターバンク直物中心相場)は、149円台から151円台まで円安方向に推移した後、149円台まで円高方向に推移した。
      • 株価(日経平均株価)は、30,800円台から33,500円台まで上昇した後、33,300円台まで下落した。
      • 対米ドル円レート(インターバンク直物中心相場)は、149円台から151円台まで円安方向に推移した後、149円台まで円高方向に
      • 推移した。
      • 短期金利についてみると、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、-0.02%台から-0.01%台で推移した。ユーロ円金利(3か月物)は、-0.0%台で推移した。長期金利(10年物国債利回り)は、0.7%台から0.9%台で推移した。
      • 企業金融については、企業の資金繰り状況におおむね変化はみられない。社債と国債との流通利回りスプレッドは、総じて横ばいとなっている。金融機関の貸出平残(全国銀行)は、前年比3.1%(10月)増加した。
      • マネタリーベースは、前年比9.0%(10月)増加した。M2は、前年比2.4%(10月)増加した
  • 海外経済
    • 世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している。
    • 先行きについては、持ち直しが続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めや中国における不動産市場の停滞に伴う影響、物価上昇等による下振れリスクに留意する必要がある。また、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動の影響を注視する必要がある。
      • アメリカでは、景気は回復している。
        • 先行きについては、回復が続くことが期待される。ただし、金融引締めに伴う影響等による下振れリスクに留意する必要がある。
        • 2023年7-9月期のGDP成長率(第1次推計値)は、個人消費や住宅投資が増加し、前期比で1.2%増(年率4.9%増)となった。
        • 足下をみると、消費は増加している。設備投資はこのところ増勢が鈍化している。住宅着工は緩やかに増加している。
        • 生産は緩やかに増加している。非製造業景況感はおおむね横ばいとなっている。雇用面では、雇用者数は増加しており、失業率はおおむね横ばいとなっている。物価面では、コア物価上昇率はおおむね横ばいで推移している。貿易面では、財輸出は緩やかに増加している。
        • 10月31日~11月1日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の誘導目標水準を5.25%から5.50%の範囲で据え置くことが決定された。
      • アジア地域については、中国では、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。
        • 先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが期待される。ただし、不動産市場の停滞に伴う影響等に留意する必要がある。
        • 韓国では、景気は持ち直しの動きがみられる。台湾では、景気は持ち直しの動きがみられる。インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。
        • タイでは、景気は持ち直している。インドでは、景気は緩やかに回復している。
        • 中国では、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。2023年7-9月期のGDP成長率は、前年同期比で4.9%増となった。消費は持ち直しに足踏みがみられる。固定資産投資は伸びが低下している。財輸出は弱含みとなっている。生産は持ち直しの動きに足踏みがみられる。消費者物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。
        • 韓国では、景気は持ち直しの動きがみられる。2023年7-9月期のGDP成長率は、前期比で0.6%増(年率2.4%増)となった。台湾では、景気は持ち直しの動きがみられる。2023年7-9月期のGDP成長率は、前年同期比で2.3%増となった。
        • インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。2023年7-9月期のGDP成長率は、前年同期比で4.9%増となった。タイでは、景気は持ち直している。2023年7-9月期のGDP成長率は、前年同期比で1.5%増となった。
        • インドでは、景気は緩やかに回復している。2023年4-6月期のGDP成長率は、前年同期比で7.8%増となった。
      • ヨーロッパ地域については、ユーロ圏では、景気は弱含んでいる。ドイツにおいては、景気は弱含んでいる。先行きについては、弱さが見込まれる。さらに、金融引締めやエネルギー情勢に伴う影響等による下振れリスクに留意する必要がある。英国では、景気は弱含んでいる。先行きについては、弱さが見込まれる。さらに、金融引締めに伴う影響等による下振れリスクに留意する必要がある。
        • ユーロ圏では、景気は弱含んでいる。2023年7-9月期のGDP成長率は、前期比で0.1%減(年率0.2%減)となった。消費は弱含んでいる。設備投資は持ち直している。生産は弱含んでいる。サービス業景況感は低下している。財輸出は弱含んでいる。失業率は横ばいとなっている。コア物価上昇率は低下している。
        • ドイツにおいては、景気は弱含んでいる。2023年7-9月期のGDP成長率は、前期比で0.1%減(年率0.3%減)となった。
        • 英国では、景気は弱含んでいる。2023年7-9月期のGDP成長率は、前期比で0.0%減(年率0.1%減)となった。消費は弱い動きとなっている。設備投資はおおむね横ばいとなっている。生産はおおむね横ばいとなっている。サービス業景況感はおおむね横ばいとなっている。財輸出は弱含んでいる。サービス輸出は緩やかに増加している。失業率は上昇している。コア物価上昇率はこのところ低下している。
        • 欧州中央銀行は、10月26日の理事会で、政策金利を4.50%で据え置くことを決定した。イングランド銀行は、11月1日の金融政策委員会で、政策金利を5.25%で据え置くことを決定した。
      • 国際金融情勢等
        • 金融情勢をみると、世界の主要な株価は、アメリカ、ドイツでは上昇、英国ではやや上昇、中国ではおおむね横ばいで推移した。短期金利についてみると、ドル金利(3か月物)はおおむね横ばいで推移した。主要国の長期金利は、アメリカでは低下、英国では大幅に低下、ドイツではやや低下した。ドルは、ユーロ、ポンドに対して減価、円に対しておおむね横ばいで推移した。原油価格(WTI)は大幅に下落、金価格はおおむね横ばいで推移した

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国民生活センター スマホのガラス製フィルム 割れたまま使うのは危険!
  • 内容
    • 事例1:スマートフォンをショップで購入した時に勧められ、ガラスフィルムを貼ってもらった。後日、スマートフォンを落とした時にガラスフィルムが割れたが、そのまま使用していた。ポケットの中に手を入れた際、左手の小指にガラスフィルムが刺さり、7針縫うけがをした。ショップに苦情を伝えたが、割れたままの状態で使用していた場合、補償はできないと言われた。(当事者:学生)
    • 事例2:スマートフォンの液晶画面用のガラスフィルムが元々割れていたが、そのまま使っていた。おしりのポケットに入れていたスマートフォンを取り出したところ、右人差し指を切った。(当事者:10歳代)
  • ひとことアドバイス
    • スマートフォン用ガラス製フィルムに使用されている強化ガラスは、割れると破断面が鋭利になります。そのまま使用しているとポケットやカバンなどから出し入れする時などに触れてけがをする恐れがあります。
    • ガラスフィルムが破損したら交換しましょう。割れたガラスフィルムを剥がす時は、フィルムがそれ以上割れないようにゆっくり丁寧に剥がしましょう。また、廃棄する際にも注意しましょう。
    • 割れていないガラスフィルムでも、端部や角でけがをする事故が起きていますので、取り扱いには気を付けましょう。

~NEW~
国土交通省 「海上運送法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」及び「海上運送法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令」を閣議決定
  • 本年5月12日に公布された海上運送法等の一部を改正する法律(令和5年法律第24号)の施行期日を定める政令及び当該施行に伴う関係政令の規定の整備等を行う政令が、本日、閣議決定されました。
  • 背景
    • 旅客船の総合的な安全・安心対策を講じることにより海上旅客運送の安全を図ること等を目的とした海上運送法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)が本年5月12日に公布されました。今般、改正法の一部の施行期日を定めるとともに、当該施行に伴う関係政令の規定の整備等を行うための政令を制定することとします。
  • 概要
    • 海上運送法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
      • 以下の事項に係る改正法の施行期日を、令和6年4月1日とする。
        • 船舶使用停止処分の導入
        • 旅客不定期航路事業許可更新制度の創設
        • 安全統括管理者及び運航管理者の資格者証制度の創設
        • 船長要件の強化(事業用操縦免許の厳格化、初任教育訓練)
        • 旅客名簿の備置き義務の見直し
    • 海上運送法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令
      • 海上運送法施行令関係
        • 安全統括管理者及び運航管理者に係る資格者証の交付等に係る国土交通大臣の職権を地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に委任する。
      • 船舶職員及び小型船舶操縦者法施行令関係
        • 小型旅客船の船長に必要な事業用操縦免許を取得するための講習の実施機関について、登録の有効期間を3年とする。
        • 事業用操縦免許に履歴限定(※)が付されている場合、その限定をされた区域のみを航行するときでなければ、小型旅客船の船長として乗船できないこととする。
          • ※乗船履歴が一定要件を満たさない場合に、船長として乗船できる航行区域を限定するもの。
      • 改正法の経過措置関係
        • 改正法による経過措置期間(施行より3年間)中に既存の小型船舶旅客不定期航路事業者が安全人材確保計画等を提出し認可を受けようとする場合の、当該認可に係る国土交通大臣の権限を地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に委任する。

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首相官邸 超高齢社会の課題を解決する国際会議 岸田総理ビデオメッセージ
  • 今年のカンファレンスでは、超高齢社会を全世代の視点から解決する道筋を、世界の産官学の第一人者が専門的な知見を基に議論すると伺っております。
  • 超高齢社会がもたらす諸課題を克服するためには、全世代の生活の質の向上や社会・経済のイノベーションという観点が不可欠です。特に、現役世代の人口減少が加速する中、今後も日本社会が発展を続けるためには、活力ある健康長寿社会を構築し、高齢者の社会参加を促すとともに、若年世代に対しても、子育て支援などを強化することでその活力を引き出すことにより、年齢にかかわらず、誰もが活躍でき、安心して暮らせる社会を構築することが必要です。
  • 日本には、何歳になっても働き続けたいという方が多くいます。60歳から64歳までの方の約7割、65歳から69歳までの方の約5割が就業されています。生涯現役社会の実現に向けて、高齢者の就労促進、高齢者が地域で働ける場や社会を支える活動ができる場の拡大に取り組んでいきます。就労など高齢期の社会参画の促進は、個人の疾病予防・健康維持にも寄与すると言われています。「健康で長生きしたい」、「年をとっても働き続けたい」。そうした高齢者の希望をかなえることで、人口減少という逆風の中にあっても、活力ある経済社会を創り上げていきます。
  • また、人生100年時代を迎え、高齢者になっても働き続けられるためには、現役の間から、多様で柔軟な働き方を広げることで、雇用の選択肢を充実させることが重要です。このため、兼業・副業など多様で柔軟な働き方を推進するとともに、5年で1兆円に拡充された「人への投資」施策パッケージも活用しつつ、リスキリングによる能力向上を支援します。リスキリングについては、労働者個人の多様な選択を支え、賃金上昇を伴う労働移動を効果的に支援するため、これまでの企業経由の支援に加え、労働者個人への直接支援を強化していきます。
  • さらに、子育て支援など若年世代への支援については、本年6月、「こども未来戦略方針」をまとめました。若い世代の所得を増やす、社会全体の構造・意識を変える、全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する、という三つの柱を掲げ、前例のない規模で少子化対策の強化に取り組んでいます。これにより、我が国の子供一人当たりの支援規模はOECD(経済協力開発機構)トップの水準に引き上がり、画期的に前進することとなります。
  • また、人口減少に伴い人手不足が恒常化する中、デジタルの力を活用することが重要です。地方の生活インフラを支える行政・公的サービス、物流、教育、医療・介護、子育て・児童福祉、防災等の分野におけるデジタル技術の社会実装を進め、効率的なサービス提供につなげます。
  • 日本は、高齢者の5人に1人の方が認知症の方となる時代を迎えつつあります。「支えられる側」としての「見守る」「支援する」対象としての認知症の方々。こうした考え方に囚(とら)われることなく、認知症の方が生きがいと役割、尊厳と希望を持って暮らす社会を構築していかなければなりません。
  • 私は、今年の夏、認知症ケアを行っている介護施設を訪れ、御本人や御家族の方、ケアに携わっている方々からお話を伺う機会がありました。その際、印象に残っている言葉に「できないことではなく、できることに注目する」というものがあります。認知症をポジティブにとらえ、歳(とし)を重ねる力にすること。超高齢社会の課題を解決する答えは、正にこうした変化を力にすることにあります。
  • このような共生社会の理念を具体化するものとして、本年6月、「認知症基本法」が成立しました。同法では、認知症の人が尊厳を保持しながら希望をもって暮らすことができるよう、認知症施策の基本理念を定めるとともに、国・地方自治体が計画を策定し、施策を推進していくこととしています。
  • 法律の施行に先立ち、認知症の方御本人、御家族など関係者の声に耳を傾け、政策に反映するため、本年9月、「認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議」を設置しました。私も毎回会議に出席し、認知症の方御本人の参画の下での地域づくり、独居高齢者・若年性認知症の方への支援、ワーキングケアラー対策など貴重な御意見を頂いています。更に年末まで議論を深め、国の計画策定にいかしていきます。
  • 我が国は認知症や脳の研究で世界をリードしてきました。これが土台となって、世界初のアルツハイマー病の進行を抑制する治療薬レカネマブがアメリカと日本で承認を受けました。日本発で世界初のイノベーションが国境を越えて、認知症の方とその御家族に希望の光をもたらしたことになります。
  • このイノベーションの動きを更に加速させるため、脳科学研究の更なる推進など、「認知症・脳神経疾患研究開発イニシアティブ」に早期に着手します。また、レカネマブの薬事承認による新たな時代の到来を受け、地域において、早期発見・早期介入の実証プロジェクトを推進し、検査・医療サービス等が円滑に提供される体制整備を進めます。
  • さらに、独居高齢者等の増加を受け、省庁横断で、実態把握とともに、住まいの確保、入院時や入居時の身元保証等生活上の課題にも取り組んでいきます。
  • 最後に、この超高齢社会、高齢化の問題は、日本固有の課題ではなく、世界共通の課題だということを改めて強調したいと思います。日本は、世界で最も早くこの問題に向き合わなければならない国です。だからこそ、大変困難な道のりではありますが、超高齢社会の下で、力強く成長を続ける持続可能な経済社会を創り上げるという挑戦を成し遂げ、我が国、そして、世界の未来を切り拓(ひら)いていきたいと思います。
  • 結びに、本日御参加の皆様の御健勝とますますの御活躍、そして、本会議の成功を心より祈念し、私のメッセージとさせていただきます。

~NEW~
首相官邸 北朝鮮による衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイルの発射について
  • 北朝鮮は、昨日22時43分頃、北朝鮮北西部沿岸地域東倉里(トンチャンリ)地区から、衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射を強行しました。発射された1発は複数に分離し、1つ目は、22時50分頃、朝鮮半島の西約350キロメートルの東シナ海上の予告落下区域外に落下しました。2つ目は、22時55分頃、沖縄本島と宮古島との間の上空を通過し、22時57分頃、沖ノ鳥島の南西約1,200キロメートルの太平洋上、我が国EEZ(排他的経済水域)外である予告落下区域内に落下しました。これ以上の詳細については現在分析中であります。なお、現時点において、地球周回軌道への衛星の投入は確認されておりません。
  • 国民の皆様に対しては、Jアラート等により、当該発射の発射情報と通過情報を伝達するとともに、付近を航行する航空機や船舶への情報提供を行ったところ、現時点において、我が国領域への落下を含め、被害報告等の情報は確認されていません。政府としては、引き続き我が国の領域及びその付近の落下物の有無等について、関係機関を通じて確認作業を実施しているところであります。
  • 北朝鮮は、昨年以降、我が国上空を通過したものも含め、弾道ミサイルをこれまでにない高い頻度で発射しています。これらの高い頻度で続く一連の挑発行動に加え、今般、再び日本列島上空を通過する形での発射が行われたことは、我が国の安全保障にとって一層重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、国際社会全体にとっての深刻な挑戦であります。また、このような発射は、衛星打ち上げを目的とするものであったとしても、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も禁止している、関連する安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題であります。特に、発射について繰り返し中止を求めてきたにもかかわらず、今般北朝鮮が行った、日本列島上空を通過する形での発射は、航空機や船舶はもとより、付近の住民の安全確保の観点からも極めて問題のある行為であります。政府としては、北朝鮮による今般の発射について、直ちに北京の大使館ルートを通じ、北朝鮮に対して厳重に抗議し、最も強い表現で非難しました。
  • また、先ほど国家安全保障会議の四大臣会合を開催しました。国家安全保障会議においては、今般の発射に関する情報を集約するとともに、更なる事実関係の確認をし、分析を行いました。その上で、北朝鮮による更なる発射等に備え、情報収集・警戒監視に当たることや、国民の安全と安心の確保に万全を期すことを改めて確認するとともに、外交・安全保障政策に関する今後の対応方針について議論を行ったところであります。その上で、こうした内容を含む内閣官房長官声明を審議し、お手元の配布資料のとおりとしたので、御参照ください。
  • 政府としては、情報の収集及び分析に全力を尽くし、新たな情報については、国民の皆様に対して情報提供を行ってまいります。また、米国や韓国等の関係国と緊密に連携し、引き続き国民の安全と安心の確保に万全を期してまいりますので、国民の皆様におかれましては、冷静に、平常どおりの生活を送っていただきたいと思います。私からは以上です。

~NEW~
消費者庁 ひとりで悩まず、ちょっとアクセス オンラインチャット消費者相談
  • 消費者被害にあわれた方の中には、まわりに相談できる人がおらず、ひとりで悩んでいる方が少なくないと考えられます。そのような方が、抵抗感少なく相談できるよう、オンラインチャットでの相談窓口を臨時に設置します。補完的に電話でもご相談いただけるようにしています。消費生活相談員がお話をうかがい、適宜ご助言します。
▼ ひとりで悩まず、ちょっとアクセス オンラインチャット消費者相談

~NEW~
消費者庁 レック株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
  • 消費者庁は、本日、レック株式会社(以下「レック」といいます。)に対し、同社が供給する「ノロウィルバルサン」と称する商品に係る表示について、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令(別添参照)を発出しました。
  • 違反行為者の概要
    • 名称 レック株式会社(法人番号7010001128155)
    • 所在地 東京都中央区京橋二丁目1番3号
    • 代表者 代表取締役 永守 貴樹
    • 設立年月 昭和53年8月
    • 資本金 54億9129万8608円(令和5年11月現在)
  • 課徴金納付命令の概要
    1. 課徴金対象行為(違反行為)に係る商品
      • 「ノロウィルバルサン」と称する商品(以下「本件商品」という。)
    2. 課徴金対象行為
      • 表示媒体
        • 「楽天市場」と称するウェブサイトに開設した「レック公式通販サイト楽天2号店 レックダイレクト レックホームストア」と称する自社ウェブサイト(以下「自社ウェブサイト」という。)
        • 「YouTube」と称する動画共有サービス又は小売業者等の店頭における動画広告(以下「本件動画広告」という。)
      • 課徴金対象行為をした期間
        • 令和元年11月28日から令和2年10月28日までの間
      • 表示内容
        • 例えば、令和2年9月8日から同年10月19日までの間、自社ウェブサイトにおいて、「クロラス酸で空間除菌 目に見えないウイルス・菌を99.9%除去」、「空間の気になるウイルスに効く」、「空気中のウイルスに対するの除菌効果はありますが、あくまで対策としてご利用ください。」、「空間のウイルス除去・除菌」等と表示するなど、本件商品について、別表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、本件商品を空間に噴霧することで、本件商品に含有されるクロラス酸の作用により、リビング等の室内空間に浮遊するウイルス又は菌を99.9パーセント除去又は除菌する効果等の同表「効果」欄記載のとおりの効果が得られるかのように示す表示をしていた。
      • 実際
        • 前記(3)の表示について、消費者庁は、景品表示法第8条第3項の規定に基づき、レックに対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出された。
        • しかし、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。
        • なお、前記(3)の表示について、令和2年9月8日から同年10月19日までの間、自社ウェブサイトにおいて、「※すべてのウイルス・菌を除去できるわけではありません」、「●すべてのウイルス・菌・ニオイを除去できるわけではありません。」及び「※すべてのウイルス・菌を除去できるわけではありません。」と表示していたが、当該表示は、一般消費者が前記ウの表示から受ける本件商品の効果に関する認識を打ち消すものではない。
    3. 課徴金対象期間
      • 令和元年11月28日から令和3年3月2日までの間
    4. 景品表示法第8条第1項ただし書に該当しない理由
      • レックは、本件商品について、前記(2)ウの表示の裏付けとなる根拠を十分に確認することなく、前記(2)の課徴金対象行為をしていた。
    5. 命令の概要(課徴金の額)
      • レックは、令和6年6月24日までに、669万円を支払わなければならない。

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厚生労働省 令和4年派遣労働者実態調査の概況
▼ 概況版
  • 就業の有無
    • 令和4年10月1日現在の事業所について、派遣労働者が就業している割合は12.3%となっている。
    • これを産業別にみると、「製造業」が23.6%と最も高く、次いで「情報通信業」23.1%、「金融業,保険業」21.0%となっている。また、事業所規模別にみると、「1,000人以上」83.9%、「300~999人」66.8%、「100~299人」47.8%、「30~99人」26.9%、「5~29人」8.4%と規模が大きいほど派遣労働者が就業している事業所の割合が高くなっている。
  • 派遣労働者数階級別の割合及び派遣労働者数の産業別構成
    • 派遣労働者が就業している事業所について、就業している派遣労働者数階級をみると、「1~4人」が68.1%と最も高くなっている。
    • 令和4年10月1日現在の全労働者数に対する派遣労働者の割合は4.0%となっている。
    • 産業別にみると、「サービス業(他に分類されないもの)」が11.5%と最も高く、次いで「情報通信業」9.5%、「製造業」7.8%となっている。一方「宿泊業,飲食サービス業」が0.6%と最も低く、次いで「鉱業,採石業,砂利採取業」0.7%、「複合サービス事業」1.1%となっている。
  • 派遣労働者を就業させる理由
    • 派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者を就業させる主な理由(複数回答3つまで)をみると、「欠員補充等必要な人員を迅速に確保できるため」が76.5%と最も高く、次いで「一時的・季節的な業務量の変動に対処するため」37.2%、「軽作業、補助的業務等を行うため」30.9%となっている
  • 派遣労働者を受け入れない理由
    • 派遣労働者が就業していない事業所について、派遣労働者を受け入れない主な理由(複数回答3つまで)をみると、「今いる従業者で十分であるため」が56.2%と最も高く、次いで「費用がかかりすぎるため」29.4%、「派遣労働者を受け入れるより他の就業形態の労働者を採用しているため」21.7%となっている
  • 派遣労働者に対して行った教育訓練・能力開発の実施状況
    • 派遣労働者が就業している事業所について、過去1年間(令和3年10月1日~令和4年9月30日、以下同じ。)に派遣労働者に対する教育訓練・能力開発の実施の有無をみると、「実施した」が69.7%となっている。
    • これを派遣労働者数階級別にみると、派遣労働者数階級が高くなるほど教育訓練・能力開発を実施している割合が高くなっている。
    • また、派遣労働者に対して教育訓練・能力開発を実施している事業所について教育訓練・能力開発の方法(複数回答)をみると、「働きながら行う教育訓練・能力開発(OJT)を行った」が85.1%と最も高くなっている。
  • 派遣労働者を正社員にする制度
    • 事業所について、派遣労働者を正社員に採用する制度がある割合は14.3%で、このうち過去1年間に「正社員に採用したことがある」は1.6%となっている。採用する制度がない事業所は84.4%で、このうち過去1年間に「正社員に採用したことがある」は2.2%となっている。
    • これを派遣労働者が就業している事業所についてみると、派遣労働者を正社員に採用する制度がある事業所の割合は23.9%、このうち過去1年間に「正社員に採用したことがある」は3.8%となっている。
  • 紹介予定派遣制度
    • 事業所について、紹介予定派遣制度を利用したことがある割合は7.1%となっている。
    • 紹介予定派遣制度を利用したことがない事業所で「制度を知っている」は37.1%、「制度を知らない」は53.1%となっている。
    • これを派遣労働者が就業している事業所についてみると、紹介予定派遣制度を利用したことがある事業所の割合は15.3%となっている。
  • 派遣労働者の待遇決定方式
    • 派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者の待遇決定方式(複数回答)をみると、労使協定方式の対象となる派遣労働者を受け入れている事業所が37.0%、派遣先均等・均衡方式の対象となる派遣労働者を受け入れている事業所が29.4%となっている。
    • これを派遣労働者数階級別にみると、派遣労働者を多く受け入れている事業所ほど労使協定方式をとっている派遣労働者を受け入れている割合が高くなっている。
  • 派遣労働者の不合理な待遇格差の解消に必要な情報の提供
    • 派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者の不合理な待遇格差の解消に向けた派遣先労働者の待遇情報及び派遣労働者の派遣先における職務の評価情報の提供について、派遣元事業所から情報の提供が求められ、実際に提供したことがある事業所を提供した情報の種類別にみると、「福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)」が46.1%と最も高く、次いで「派遣先が行った派遣労働者の職務の評価情報(働きぶりや勤務態度)」が32.2%、「業務に必要な能力を付与するための教育訓練」が27.6%となっている
  • 派遣料金に関する要望の有無と対応
    • 派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者の不合理な待遇差の解消のため、派遣元から派遣料金に関する要望の有無をみると、「要望があった」が38.0%、「要望が無かった」が60.0%となっている。
    • 要望があった事業所のうち、求めに応じてとった対応(複数回答)をみると、「求めに応じて派遣料金を上げた」が91.4%と大多数の事業所が派遣料金を上げている。
    • これを派遣労働者数階級別にみると、求めに応じて派遣料金を上げた事業所の割合はいずれの規模においてもおおむね9割を超えている。
  • 派遣労働者の属性
    • 派遣労働者について年齢階級別にみると、「45~49歳」と「50~54歳」が15.8%と最も高く、次いで「35~39歳」14.0%となっている。
    • これを性別にみると、男は「35~39歳」が19.4%と最も高くなっている。女は「50~54歳」が20.3%と最も高くなっており、次いで「45~49歳」19.9%となっている。また、派遣労働者の平均年齢は44.3歳となっている
    • 派遣労働者について、生活をまかなう収入源をみると、「自分自身の収入」が最も高く69.1%、次いで「配偶者の収入」25.4%となっている。
    • これを性別にみると、男は「自分自身の収入」が94.5%と最も高く、女は「自分自身の収入」が48.7%、「配偶者の収入」が45.4%となっている。
    • 在学していない派遣労働者について、最終学歴をみると「高校卒」が40.9%と最も高く、次いで「大学卒」26.8%となっている。
    • これを性別にみると、男は「大学卒」が38.9%と最も高く、次いで「高校卒」37.4%、女は「高校卒」が43.8%と最も高く、次いで「高専・短大卒」19.7%となっている。また、在学中の派遣労働者割合は0.5%となっている。
    • 在学していない派遣労働者について、学校卒業後初めて就いた仕事の就業形態をみると、「正社員」が72.4%、「正社員以外」が25.8%となっている
    • 派遣労働者について、従事する派遣の種類をみると、「登録型」が48.6%、「登録型以外」が51.4%となっている。
    • これを性別にみると、男は「登録型」39.2%、「登録型以外」60.8%と「登録型以外」が高く、女は「登録型」56.3%、「登録型以外」43.7%と「登録型」が高くなっている。
    • 「登録型」の派遣労働者が現在登録している派遣元事業所の数をみると、「1か所」が66.1%と最も高く、次いで「2か所」12.8%となっている。
  • これまでの派遣就業の状況
    • 派遣労働者について、これまで派遣労働者として働いてきた通算期間をみると、「10年以上」が28.2%と最も高く、次いで「5年以上10年未満」19.6%、「3年以上5年未満」16.4%となっており、派遣労働者として働いてきた通算期間が3年以上の割合は6割以上を占めている
    • 派遣労働者について、これまで働いてきた派遣先の数をみると、「1か所」の割合が最も高く45.2%、次いで「2か所」23.8%、「4~5か所」11.1%となっている
  • 派遣業務
    • 派遣労働者について、現在行っている派遣業務(複数回答)をみると、「一般事務」が35.2%と最も高く、次いで「物の製造」19.1%となっている。
    • これを性別にみると、男は「物の製造」が27.5%、女は「一般事務」が50.8%と最も高くなっている。
  • 技術・技能の習得方法
    • 派遣労働者について、現在派遣先で就業している業務の技術・技能を習得した主な方法(複数回答3つまで)をみると、「派遣先で就業中の技能蓄積」が48.4%と最も高く、次いで「派遣先の教育訓練」31.9%、「派遣元の教育訓練」25.9%となっている。
    • これを派遣の種類別にみると、いずれも割合が高い順に「派遣先で就業中の技能蓄積」「派遣先の教育訓練」となっているが、それらに次いで登録型は「独学(通信教育を含む)」、登録型以外は「派遣元の教育訓練」となっている。
  • 派遣元との労働契約の期間
    • 派遣労働者について、現在の派遣元との労働契約の期間をみると、「期間の定めはない」が38.4%と最も高く、次いで「2か月を超え3か月以下」17.6%となっている。
    • これを派遣の種類別にみると、登録型は「2か月を超え3か月以下」が21.7%と最も高く、登録型以外は「期間の定めはない」56.4%が最も高くなっている。
  • 派遣先で予定される派遣期間
    • 派遣労働者について、派遣先で予定される派遣期間(派遣元から明示されている「労働者派遣の期間」)をみると、「2か月を超え3か月以下」が31.0%と最も高く、次いで「3か月を超え6か月以下」17.5%、「6か月を超え1年以下」11.9%となっている。
    • これを派遣の種類別にみると、いずれも「2か月を超え3か月以下」が最も高く、登録型は24.1%、登録型以外は37.6%となっている。
  • 時間給
    • 派遣労働者について、現在就業中の賃金(基本給、税込みの時間給換算額をいう。以下同じ。)をみると、「1,250円~1,500円未満」が27.8%と最も高く、次いで「1,000円~1,250円未満」27.1%となっている。
    • 「平均賃金」は1,510円となっており、これを性別にみると、男は1,648円、女は1,400円となっている。また、派遣の種類別にみると、登録型は1,364円、登録型以外は1,650円となっている。(
  • 時間給への評価
    • 派遣労働者について、賃金に対する評価をみると、「満足している」41.1%、「満足していない」38.0%、「どちらとも言えない」19.6%となっている。
    • 「満足していない」派遣労働者について、満足していない理由をみると、「派遣先で同一の業務を行う他の派遣労働者より賃金が低いから」が24.6%と最も高くなっている。
  • 諸手当等、各種制度の支給・実施状況
    • 派遣労働者について、諸手当等、各種制度の支給・実施の状況をみると、通勤手当の「支給がある」は84.4%、賞与・一時金の「支給がある」は31.9%、昇給が「実施されている」は28.2%となっている。
  • 教育訓練の実施状況
    • 派遣労働者について、教育訓練の実施状況をみると、過去1年間に「教育訓練を受けたことがある」は65.5%となっている。受けた教育訓練の内容(複数回答)をみると、「派遣先で受けた教育訓練」37.4%、「派遣元又は派遣先で受けたeラーニング」35.0%、「派遣元で受けた教育訓練」31.2%、「派遣元又は派遣先で受けた社外(業界団体や学校、民間の教育訓練機関等)でのOFF-JT(eラーニングを除く)」5.7%となっている。
    • 「派遣元で受けた教育訓練」では「入職時訓練」の割合が高くなっており、「派遣先で受けた教育訓練」では「OJT」の割合が高くなっている。
  • 派遣元でキャリアコンサルティングを受けるための相談窓口の状況
    • 派遣労働者について、派遣元のキャリアコンサルティングを受けるための相談窓口の状況をみると、「相談窓口が置かれている」46.4%、「相談窓口が置かれていない」7.5%、「わからない」43.9%となっている。
    • 「相談窓口が置かれている」派遣労働者について、その相談窓口(複数回答)をみると、「キャリアコンサルタント(社内)」が60.1%と最も高く、次いで、「営業担当者」53.9%となっている。

~NEW~
厚生労働省 危険ドラッグの成分1物質を新たに指定薬物に指定~指定薬物等を定める省令を公布しました~
  • 厚生労働省は、本日付けで危険ドラッグに含まれる別紙の1物質を新たに「指定薬物」として指定する省令を公布し、令和5年12月2日に施行することとしましたので、お知らせします。
  • 新たに指定された1物質は、昨日(11月21日)の薬事・食品衛生審議会薬事分科会指定薬物部会において、指定薬物とすることが適当とされた物質であるため、早急に指定を行うこととなります。
  • 施行後は、この物質とこの物質を含む製品について、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されます。
  • この物質は、以下の参考情報のとおり、国内の店舗やインターネットで販売されていることから、消費者の皆様には、購入・使用することがないよう注意喚起いたします。
  • なお、海外でも流通している物質であり、厚生労働省は危険ドラッグが海外から輸入され、乱用されることのないよう水際(輸入)対策を強化していく方針です。
  • 今後、インターネットによる販売も含め、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく無承認無許可医薬品としての指導取締りも強化していく方針です。
  • 危険ドラッグについては、事業者の皆様には、販売、購入、輸入等をしないよう強く警告いたします。
  • 参考情報
    • 令和5年9月以降、新たに指定された1物質を含むことが疑われる製品を摂取したとされた後に救急搬送された事例が少なくとも全国で8件報告されています。地方厚生局麻薬取締部は警察や自治体と連携して、令和5年11月20日までに、健康被害に遭った方々が摂取したとされる製品を製造・販売した販売店舗等8カ所に対して、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく立入検査と該当製品に対する検査命令・販売等停止命令を行いました。

~NEW~
厚生労働省 12月は「職場のハラスメント撲滅月間」です~職場におけるハラスメント対策シンポジウム開催~
  • 厚生労働省では、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、ハラスメントのない職場づくりを推進するため、集中的な広報・啓発活動を実施します。
  • その一環として、「職場におけるハラスメント対策シンポジウム」をオンラインで開催します。有識者による基調講演や「企業のカスタマーハラスメント対策の取組事例」と題してパネルディスカッションを行います。
  • また、厚生労働省では、ハラスメント防止対策の取組の参考としていただけるパンフレットや研修動画などを提供しています。詳細はポータルサイト「あかるい職場応援団」をご覧ください。(https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
  • 職場におけるハラスメント対策シンポジウム
    • 日時
      • 令和5年12月5日(火)13時30分~15時15分(13:00オンライン画面スタート)
    • 会場
      • オンライン配信
    • 内容
      • 基調講演 「企業のカスタマーハラスメント対策について」
        • 講師:齊木 茂人 氏(公益財団法人消費者関連専門家会議(ACAP)専務理事)
      • パネルディスカッション
        • 「企業のカスタマーハラスメント対策の取組事例について」
    • お申込み
  • 広報・啓発
    • 事業主、人事労務担当者及び労働者等が職場におけるハラスメント防止の必要性及び関係 法令の内容への理解を深められるよう、ポスターの掲示やリーフレットの配布、インターネット広告など多様な媒体を活用した広報・啓発を行います。

~NEW~
経済産業省 「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」及び「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」が閣議決定されました
  • 本日、「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」及び「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」が閣議決定されました。これらの政令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定めるとともに、所要の規定を整備するものです。
  • 政令改正の背景
    • 本改正は、第211回通常国会で成立した「不正競争防止法等の一部を改正する法律(令和5年法律第51号。以下「改正法」という。)」の施行期日を定め、不正競争防止法施行令、商標法施行令、商標登録令、特許法等関係手数料令、関税法施行令の関係規定の整備を行うものです。
  • 政令の概要
    • 不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
      • 公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(改正法附則第1条本文)
        • 改正法のうち、不正競争防止法改正関連の措置事項、他人の氏名を含む商標に係る登録拒絶要件の見直し、商標におけるコンセント制度(※1)の導入及び中小企業の特許に関する手数料の減免制度の見直しについての施行期日は、令和6年4月1日とすることとします。
          • ※1 先行する登録商標の権利者の同意があれば、類似する商標であっても併存登録を認める制度
      • 公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日(改正法附則第1条第2号)
        • 改正法のうち、優先権証明書のオンライン提出許容のための規定整備、書面手続のデジタル化のための改正、e-Filing(※2)による商標の国際登録出願の手数料納付方法の見直し及び意匠の新規性喪失の例外規定の適用手続の要件緩和についての施行期日は、令和6年1月1日とすることとします。
          • ※2 世界知的所有権機関(WIPO)の提供するWebサービス
    • 不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令
      • 他人の氏名を含む商標に係る具体的な要件
        • 改正法において、他人の氏名を含む商標の出願があった場合に、出願人側の事情を考慮する要件を課すことができるように規定したところ、政令において、無関係な者による出願や不正の目的を有する出願等の濫用的なものは拒絶できるようにします。
      • e-Filingにより商標の国際登録出願を行う者が納付すべき手数料額
        • 改正法において、e-Filingにより商標の国際登録出願を行う者は、政令で定める額に相当する額をWIPO国際事務局に納付しなければならないとしたところ、政令で定める額を1件につき9000円とします。
      • 特許出願の審査の請求の手数料(審査請求料)の減免制度
        • 改正法において、中小企業等が利用できる特許出願の審査の請求の手数料(審査請求料)の減免制度について、制度趣旨にそぐわない利用がみられる実態を踏まえ、一部件数制限を設けたところ、政令において、その具体的な対象及び上限件数の算出方法を定めます。具体的には、大学やスタートアップ等を件数制限の対象外とし、上限件数は、大企業の平均的な審査請求件数をもとに算出するものとします。
      • その他
        • その他所要の規定の整備を行います。
  • 今後の予定
    • 施行 令和6年1月1日(月曜日)一部令和6年4月1日(月曜日)

~NEW~
経済産業省 産業サイバーセキュリティ研究会「サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会」の最終報告書等を取りまとめました
▼ サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会最終報告書概要
  • サイバー被害に係る情報共有の重要性
    • サイバー攻撃が高度化する中、単独組織による攻撃の全容解明は困難となっている。そのため、攻撃の全容の把握や被害の拡大を防止する等の観点からサイバー攻撃に関する情報共有は極めて重要。
    • 情報共有については、短期的には一つの機関だけでは情報量が少ない間に、情報の鮮度がある早期に行うことで効果を最大化することが可能。さらに、中期的、長期的な観点でも情報共有が重要。
    • 情報共有の実施により、①被害組織の観点からは原因究明調査に必要な情報の入手【短期】、②情報共有活動参加組織の観点からは攻撃被害の未然防止【短期】やノウハウの共有【長期】、③専門組織の観点からは被害範囲の把握・原因特定・被害拡大防止【短期】、全容解明による適切な対処【中期】、攻撃グループの動向把握【長期】といったことが可能になる。
  • 各組織間での情報共有の全体像
    • 情報共有については、主に(1)被害組織/標的となる組織同士が行う共有、(2)被害組織と専門組織(専門機関やセキュリティベンダ)間での共有、(3)専門組織同士で行われる共有、さらには(4)官民間での共有などが挙げられる
  • 被害組織からの行う情報共有・公表のメリット・デメリット
    • 被害組織が自ら情報共有や公表を行うことに対しては、レピュテーションリスクを懸念する声が聞かれるものの、情報共有や公表により、被害組織における被害拡大防止や、事案対応コストの軽減につながるといった利点もある。
      • <メリット>
        • ステークホルダーへの説明責任を果たすことができる。
        • 被害組織が情報を公表することで、広報対応等の負荷が軽減され得る
        • 事業者にとって、初動対応の参考や攻撃被害の未然防止につながる情報を入手できる。
      • <デメリット>
        • 被害組織が特定されてしまうおそれがあり、その結果情報の隠蔽を疑われる場合もある。例えば、情報共有より先に被害が意図せずに公表が行われていると、いくら非特定化してもその後に共有された情報と、先の被害公表内容とを突き合わせると、ある程度被害組織が絞り込めてしまう場合がある。
        • データの共有をするためのコストが発生する可能性がある。
  • サイバー被害に係る情報共有ガイダンスの策定と現状の課題
    • 主に被害組織の担当部門向けに、被害組織を保護しながら、如何に速やかな情報共有や目的に沿ったスムーズな被害公表が行えるのか、実務上の参考となるポイントFAQ形式で整理した「サイバー被害に係る情報共有ガイダンス」を令和5年3月に公表。
    • しかし、サイバー攻撃被害組織等における情報共有に関して複数の課題が存在。
  • 問題:被害組織側の調整コスト負担
    • 被害組織が(社会全体の)情報共有のための調整コストを負担している状況にある。被害組織自身の情報共有メリット<公益目的の負担(他の組織のメリットのための負担)+情報共有コストとなってしまっている。
    • 本来、情報共有により様々なメリットを得られるところ、現状は被害組織(あるいは標的となり得る組織)側の対応コスト/調整コストの負担が大きいため、情報共有活動そのものへのハードルが高い状態になっている。
    • インシデント対応や情報共有活動のハブ組織として活動している専門組織同士の情報共有が行えれば、被害組織による情報共有コストを軽減することができるのではないか。
    • 同様に行政機関への情報提供等についても何等かの対応コスト低減が望まれる。
  • 問題:最適者が事案対応を行わない懸念
    • ファーストレスポンダー(「最初に被害組織から相談を受けた組織」や「最初に被害組織にコンタクトした組織」)が当該攻撃に十分な知見を有する事案対処の最適組織とは限らない。
    • ファーストレスポンダーは自組織に知見が不足しているかどうか知ることが難しい(他組織と共有して初めて知ることができる)。事案対処にあたる組織間の情報共有により知見が”補充”されるか、最適な対処組織に“交代”するかの調整/修正が必要。
  • 問題:処理コストのかかる情報提供
    • 本来、情報共有活動に必ずしも流さなくても良い情報も流れることによる受信組織側の対応コストが発生しているおそれがある(セキュリティ製品/サービス側で対応できている状況を情報発信側が把握できていない)。
  • 問題:「被害現場」依存からの脱却の必要性
    • 高度な攻撃の大半は攻撃活動後に認知されるため、その後のタイミングで専門組織が被害現場に情報を取りに行っても、攻撃インフラの全容や攻撃の全容(※最終ペイロードなど)が判明しないケースが多い。
    • かつ、インシデント対応の初動段階で複数の組織が現場に“殺到”することで、被害組織の対外対応コスト負担が増えてしまい、被害組織自身の調査が進まなかったり、各組織との連携による調査・分析が進まず、全体として非効率化する。
    • (製品)検知情報やファーストレスポンダーが得た技術情報の複数(専門)組織間での共有の活用が必要。
  • 専門組織による情報共有活動の重要性:全体像の解明
    • 被害企業においては、セキュリティ監視をしている運用保守ベンダ等により不正通信先やマルウェア等が検知される、もしくは初動対応に当たった段階での調査で、悪用された脆弱性等が把握されることがある。
    • しかし、それらの情報のみでは、被害の原因究明・再発防止に十分な情報を得られているとは限らず、専門組織による情報共有により、他者でも同様の攻撃が起きている状況を把握しながら、被害拡大防止と攻撃の全容が解明されていく必要がある。
  • 専門組織を通じた情報共有の重要性:被害者組織のコスト低減
    • 情報が必要に応じて「非特定化」され、専門組織を通じて他の情報共有活動に提供されることで、被害組織は、情報共有対応コストを軽減できるだけでなく、レピュテーションリスクも低く保ちながらフィードバックを得ることができ、調査に資する情報を得ることができる。その結果、調査が迅速に進められる等、被害拡大防止につながる。
  • 専門組織を通じた情報共有の課題:秘密保持契約(NDA)との関係
    • 専門組織を通じた情報共有は重要であるが、専門組織が共有したい情報が、秘密保持契約上の「秘密情報」扱いとされ、共有できない可能性がある。
  • 専門組織を通じた情報共有の課題:非秘密情報から被害組織を特定/推測するおそれ
    • マルウェアの検体には下記の通り、被害組織を特定や推測できる情報が含まれていることがあるため、そのままでの情報共有は不適切な場合がある。
    • 通信先情報そのものや通信先情報を共有することで通信先を調査する者が増えたことで、被害組織が特定されたり、あるいは推測されたりする状況が発生する。
    • ただし、あくまで推測するに過ぎない情報が大半であるところ、他の情報(攻撃時期/被害分野/当該被害組織固有のシステム/サービスに関する情報等)と組み合わさることでその“精度”が上がることはあるが、あくまで「推測」に過ぎない。
    • 被害組織からの公表が共有より先に行われている場合、非特定化した情報を共有したとしても、先に行われた公表内容と結びつき、被害組織を推測させる場合がある。(※ただし、同種の攻撃被害が複数発生している場合、必ずしも特定になる訳ではない。)
    • Webサーバなどのインターネット検索エンジンに情報が残るシステム等が侵害を受けた場合、過去の検索結果なども紐づき、被害組織の推測に至る場合がある。(※この場合も、上記と同じく、推測でしかないケースが大半。)
    • 公表内容(使用しているシステム/サービスなど)から、当該組織が一意に特定される場合、公表前の速やかな共有や、他にも(非公表)被害組織が存在していないか情報共有活動を通じて情報を得るなどの配慮が必要。
  • 速やかな共有促進の対象となる「攻撃技術情報」について
    • 脅威情報のうち、攻撃技術情報には基本的に被害組織が特定される情報は含まれないため、専門組織の判断で他の専門組織への速やかな情報共有が可能な対象となり得る。ただし、場合によっては被害個社名等を推測可能なケースが想定されるため、留意が必要。
    • 脅威情報は、被害組織から専門組織に提供等される調査対象の「データ」を加工し、技術的に精査等した「情報」を分析したもの。
    • 「攻撃技術情報」とは「脅威情報」のうち、通信先情報やマルウェア情報、TTP情報等、攻撃者による攻撃手法やその痕跡を示すもの。
  • 情報の非特定化加工による情報共有の実現
    • 攻撃技術情報は基本的に個別の被害に関する情報は含まれないが、場合によっては、被害個社名等を推測可能なケースが想定される。
    • このため、上記のような被害個社名等を推測可能な情報を除いた、非特定化した情報であれば、秘密情報の例外として整理できる。
  • 情報共有の目指すべき在り方
    • より専門的知見のある専門組織が、一定程度の信頼関係のある組織が集まったり、必要な安全管理措置を講じるなど、情報の漏えいリスクを軽減しつつ、積極的な情報共有を行うことで、社会全体で効率的な情報の活用がなされ、全体像の解明による被害拡大防止や被害組織の対応コスト軽減に資する。
    • そのためには本報告書・活用手引きに基づき、非特定化加工された攻撃技術情報を整理することにより、既存の情報共有活動の枠組みも活用しながら、更に円滑な情報共有が可能となる。
    • なお、専門組織が情報共有を行った場合には、故意又は重過失による場合を除き、その共有した情報に基づく法的責任を負わないことを合意するなどの対応をすることが望ましい(秘密保持契約に盛り込むべき攻撃技術情報等の取扱いに関するモデル条文案参照)。
    • 今後、社会全体で効率・効果的な被害軽減・防止につながるように情報共有が促進されることを目指し、情報共有の重要性はもとより、本検討会の成果について社会全体の理解促進と活用促進を図るべく、専門組織やユーザー企業の経営層への意識啓発も含めた周知・啓発活動を進めるとともに、関連ガイドラインへの反映等の環境整備に取り組むことが重要。
  • 今後の論点
    • 情報共有に向けた官民連携等について
      • 民間事業者の予防措置や適切な初動対応含め、サイバー攻撃に対して国全体の被害を最小化するためには、専門組織間の情報共有だけではなく、重要事案について被害者情報含めて、適切に情報共有されるような官民での連携が不可欠。具体的に、以下の点について今後検討していくことが必要ではないか。
        1. 行政機関への相談・報告のあり方
          • 被害組織が行政機関に報告する際、行政機関ごとに報告事項が異なるなど、被害組織の負担が大きいため、対応コスト軽減に向けた取組の検討が必要ではないか。
        2. 政府と民間事業者間の情報の共有
          • 民間事業者の予防措置の観点から、政府の役割を明確化し、被害組織の支援等にあたる専門組織(セキュリティベンダやSOC事業者等)から政府への情報共有を促進するとともに、政府が持つ有益な情報等を民間事業者に提供する等、政府と民間事業者間の情報共有をさらに推進することが必要ではないか。
    • サプライチェーンにおけるベンダ等の役割について
      • ユーザーとベンダー間の責任範囲が不明確であることや、両者に情報の非対称性が存在することに起因し、本来早急に対応すべき重大な脆弱性が放置され、結果としてサイバー事故につながってしまう事例が増えてきている。こうした事例を防止する観点から、ベンダーからユーザーへの情報提供のあり方やベンダーの役割の明確化などの検討が必要ではないか。

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総務省 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ(第11回)配布資料
▼ 資料1誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ とりまとめ骨子(案)
  • プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律
    • プラットフォーム事業者の誹謗中傷等を含む情報の流通の低減に係る責務を踏まえ、法制上の手当てを含め、プラットフォーム事業者に対して以下の具体的措置を求めることが適当ではないか。
      1. 措置申請窓口の明示
        • プラットフォーム事業者に、削除申請の窓口や手続の整備を求めることが適当ではないか。
        • その際、被害者等が削除の申請等を行うに当たって、日本語で受け付けられるようにすること(申請等の理由を十分に説明できるようにすることを含む。)や、申請等の窓口の所在を明確かつ分かりやすく示すこと等、申請方法が申請者に過重な負担を課するものとならないようにすることが適当ではないか。
      2. 受付に係る通知
        • プラットフォーム事業者が申請等を受けた場合には、申請者に対して受付通知を行うことが適当ではないか。
        • その際、「(4)申請の処理に関する期間の定め」において、原則として一定の期間内に対応が求められることを踏まえ、プラットフォーム事業者が当該申請等を受け付けた日時が申請者に対して明らかとなるようにすることが適当ではないか。
      3. 運用体制の整備
        • プラットフォーム事業者は、自身が提供するサービスの特性を踏まえつつ、我が国の文化・社会的背景に明るい人材を配置することが適当ではないか。
        • プラットフォーム事業者の自主性や負担に配慮し、前述の人材配置は、日本の文化・社会的背景を踏まえた対応がなされるために必要最低限のもののみを求めることが適当ではないか。
      4. 申請の処理に関する期間の定め
        • 基本的には、プラットフォーム事業者に対し、一定の期間内に、削除した事実又はしなかった事実及びその理由の通知を求めることが適当ではないか。
        • その際、事業者による的確な判断の機会を損なわないよう、発信者に対して意見等の照会を行う場合や専門的な検討を行う場合、その他やむを得ない理由がある場合には、一定の期間内に検討中である旨及びその理由を通知した上で、一定の期間を超えての検討を認めることが適当ではないか。
        • なお、以下「(5)判断結果及び理由に係る通知」のとおり、プラットフォーム事業者が一定の期間を超えた検討の後に判断を行った際にも、申請者に対して対応結果を通知し、削除が行われなかった場合にはその理由をあわせて説明することが適当ではないか。
        • 「一定の期間」の具体的な日数については、アンケート結果によれば、プラットフォーム事業者による不対応が一週間より長い期間続いた場合に許容できないとする人の割合が8割超に上ること、楽天チュッパチャプス事件(知財高判平成24年2月14日判タ1404号217頁)において訴状の送達により商標権侵害の事実を知ったときから8日間での削除は合理的な期間内での是正であると判断されたこと等を踏まえれば、一週間程度とすることが適当ではないか。
        • ただし、刻々と変化する情報通信の技術状況に鑑みれば、期間を定めるに当たっては、一定の余裕を持った期間設定が行われることが適当ではないか。
      5. 判断結果及び理由に係る通知
        • プラットフォーム事業者が判断を行った場合には、申請者に対して対応結果を通知し、削除を行わなかった場合にはその理由をあわせて説明することが適当ではないか。
        • その際、申請件数が膨大となり得ることも踏まえ、過去に同一の申請が行われていた場合等の正当な理由がある場合には、判断結果及び理由の通知を求めないことが適当ではないか。
      6. 対象範囲対象とする事業
        • 「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」の対象とする事業者の範囲については、違法・有害情報が流通した場合の被害の大きさ(拡散の速度や到達する範囲、被害回復の困難さ等)、事業者の経済的活動(特に新興サービスや中小サービスに生じる経済的負担の問題)や表現の自由に与える影響、削除の社会への影響等を踏まえ、権利侵害情報の流通が生じやすい不特定者間の交流を目的とするサービスのうち、一定規模以上のものに対象を限定することが適当ではないか。
        • 定性的な要件については、権利侵害情報の流通の生じやすさから、不特定者間の交流を目的とすることに加えて、他のサービスに付随して提供されるサービスではないことも考慮することが適当ではないか。
        • 規模については、サービスによっては必ずしも利用者登録を要しないことを踏まえて、アクティブユーザ数や投稿数といった複数の指標を並列的に用いて捕捉することが適当ではないか。
        • このような指標の具体的なデータの取得に当たっては、第一次的には事業者から直接報告を求めることが適当ではないか。しかしながら、事業者からの報告が望めない場合等においては、他の情報を基に数値を推計することが適当ではないか。
        • また、内外無差別の原則を徹底する観点から、エンフォースメントも含め、海外事業者に対しても国内事業者と等しく規律が適用されるようにすることが適当ではないか
      7. 対象範囲 対象とする情報
        • 本WGにおいて誹謗中傷等を念頭に議論が進められてきたことを踏まえれば、「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」の対象となる情報の範囲には、誹謗中傷等の権利侵害情報を含めることが適当ではないか。
        • 個別の行政法規(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、職業安定法等)に抵触する情報については、行政法規については行政機関でなければその適用の可否の判断が困難であるとともに、個別具体的な行政法規の立法過程において保護法益と特定の情報の流通を制限する利益との衡量が図られるべきではないか。
        • 受信者の属性や文脈によって外延が変化する有害情報については、法律上の定義が困難であること等から、法的な枠組の中で規律の対象として位置付けることは慎重であるべきではないか。
        • これらを踏まえ、「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」については、その対象となる情報の範囲を誹謗中傷等の権利侵害情報に限定することが適当ではないか。
  • プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律
    • 「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」と同様に、「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」についても、プラットフォーム事業者の誹謗中傷等を含む情報の流通の低減に係る責務を踏まえ、法制上の手当てを含め、プラットフォーム事業者に対して以下の具体的措置を求めることが適当ではないか。
      1. 削除指針
        • 利用者にとっての透明性、実効性の観点から、削除等の基準について、海外事業者、国内事業者を問わず、投稿の削除等に関する判断基準や手続に関する「削除指針」を策定し、公表させることが適当ではないか。
        • また、新しい指針や改訂した指針の運用開始に当たっては、事前に一定の周知期間を設けることが適当ではないか。
        • 「削除指針」の策定、公表に当たっては、日本語で、利用者にとって、明確かつ分かりやすい表現が用いられるようにするとともに、日本語の投稿に適切に対応できるものとすることが適当ではないか。
        • また、プラットフォーム事業者が自ら探知した場合や特定の者からの申出があった場合等、削除等の対象となった情報をプラットフォーム事業者が認知するに至る端緒の別に応じて、できる限り具体的に内容が記載されていることが適当ではないか。
        • 過度に詳細な記載までは求めないことが適当ではないか。
        • ただし、個人情報の保護等に配慮した上で、実際に削除指針に基づき行われた削除等の具体例を公表することで、利用者に対する透明性を確保することが適当ではないか。
      2. 発信者に対する説明
        • プラットフォーム事業者が投稿の削除等を講ずるときには、対象となる情報の発信者に対して、投稿の削除等を講じた事実及びその理由を説明することが適当ではないか。
        • 理由の粒度については、削除指針におけるどの条項等に抵触したことを理由に削除等の措置が講じられたのか、削除指針との関係を明らかにすることが適当ではないか。
        • また、過去に同一の発信者に対して同様の通知等の措置を講じていた場合や、被害者の二次的被害を惹起する蓋然性が高い場合等の正当な理由がある場合には、発信者に対する説明を求めないことが適当ではないか。
      3. 運用状況の公表
        • プラットフォーム事業者の説明責任を確保する観点から、諸外国の取組も踏まえつつ、事業者の取組や削除指針に基づく削除等の状況を含む運用状況の公表を求めることが適当ではないか。
        • 公表の対象とする事項については、上記の「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」及び「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」のうち「(1)削除指針」及び「(2)発信者に対する説明」が利用者にとって重要性が高い事項について一定の措置を求めていることを踏まえ、これらの運用状況の公表を求めることが適当ではないか。
      4. 運用結果に対する評価
        • 運用結果に対する評価に当たっては、個人情報や秘匿性の高い情報に対して配慮した上で、外部からの検証可能性を確保し、客観性や実効性を高めることが望ましいのではないか。
      5. 取組状況の共有
        • 違法・有害情報の全体の流通状況やプラットフォーム事業者をはじめとする各ステークホルダーにおける取組状況については、引き続き継続的かつ専門的に把握・共有することが望ましいのではないか。
        • その際、情報の取扱いについて、個々の投稿の内容を扱う場合、当該情報が個人情報保護法上の「個人情報」に該当する可能性があることや、その内容によってはプライバシーの問題が生じること等に留意する必要があるのではないか。
      6. 対象範囲 対象とする事業者
        • 「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」についても、「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」の「(6)①対象とする事業者」における整理が妥当することから、その対象事業者の範囲は「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」と同じ範囲に限定することが適当ではないか。
      7. 対象範囲 対象とする情報
        • 本WGでは誹謗中傷等を念頭に議論が進められてきたことを踏まえれば、「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」の対象となる情報の範囲には、誹謗中傷等の権利侵害情報を含めることが適当ではないか。
        • 加えて、利用者のサービス選択や利用に当たっての安定性及び予見性を確保する観点からは、情報の種類如何に関わらず、プラットフォーム事業者が削除等の措置を行う対象となる情報について、プラットフォーム事業者の措置内容を明らかにすることが適当ではないか。
        • 以上を踏まえて、「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」において対象とする情報の範囲については、削除等の対象となる全ての情報とすることが適当ではないか。
  • プラットフォーム事業者に関するその他の規律
    1. 個別の違法・有害情報に関する罰則付の削除義務
      • しかしながら、このような個別の情報に関する罰則付の削除義務を課すことは、この義務を背景として、罰則を適用されることを回避しようとするプラットフォーム事業者によって、実際には違法・有害情報ではない疑わしい情報が全て削除されるなど、投稿の過度な削除等が行われるおそれがあることや、行政がプラットフォーム事業者に対して検閲に近い行為を強いることとなり、利用者の表現の自由に対する制約をもたらすおそれがあること等から、慎重であるべきではないか。
    2. 個別の違法・有害情報に関する公的機関等からの削除要請
      • しかしながら、この要請に応じて自動的・機械的に削除することをプラットフォーム事業者に義務付けることについては、公的機関等からの要請があれば内容を確認せず削除されることにより、利用者の表現の自由を実質的に制約するおそれがあるため、慎重であるべきではないか。
      • なお、プラットフォーム事業者が、法的な位置付けを伴わない自主的な取組として、通報に実績のある機関からの違法・有害情報の削除要請や通報を優先的に審査する手続等を設け、公的機関等からの要請をこの手続の中で取り扱うことは考えられる。その場合でも、違法・有害情報に関する公的機関等からの削除要請に関しては、その要請に強制力は伴わないとしても、事後的に要請の適正性を検証可能とするために、公的機関等及びプラットフォーム事業者双方においてその透明性を確保することが求められる。
    3. 違法情報の流通の監視
      • プラットフォーム事業者に対して違法情報の流通に関する網羅的な監視を法的に義務付けることは、行政がプラットフォーム事業者に対して検閲に近い行為を強いることとなり、また、事業者によっては、実際には違法情報ではない疑わしい情報も全て削除するなど、投稿の過度な削除等が行われ、利用者の表現の自由に対する実質的な制約をもたらすおそれがあるため、慎重であるべきではないか。
      • しかしながら、プラットフォーム事業者に対し、特定のアカウントを監視するよう法的に義務付けることは、「違法情報の流通の網羅的な監視」と同様の懸念があるため、慎重であるべきではないか。
      • 繰り返し多数の違法情報を投稿するアカウントの停止・凍結等を行うことを法的に義務付けることは、ひとたびアカウントの停止・凍結等が行われると将来にわたって表現の機会が奪われる表現の事前抑制の性質を有しているため、慎重であるべきではないか。
    4. 権利侵害情報に係る送信防止措置請求権の明文化
      • 人格権を侵害する投稿の削除を求める権利は、判例法理によって認められているため、一定の要件の下で、権利侵害情報の送信防止措置を請求する権利を明文化することも考えられる。
      • 当該権利の明文化によるメリットとしては、(1)被害者が削除を請求できると広く認知され、請求により救済される被害者が増えること、(2)特に海外事業者に対して、削除請求に応じる義務の存在が明確化され、対応の促進が図られること、(3)人格権以外の権利利益(例:営業上の利益)が違法に侵害された場合であっても請求が可能であることが明確化されることが指摘されている。
      • 一方で、デメリットとして、(1)裁判例によれば、特定電気通信役務提供者が送信防止措置の作為義務を負う要件は、被侵害利益やサービス提供の態様などにより異なるため、請求権を明文化するとしても抽象的な規定とならざるを得ず、期待される効果は生じないのではないか、(2)安易な削除請求の乱発を招き、表現の自由に影響を与えるのではないか、(3)安易な削除請求の乱発の結果、削除請求の裁判の実務に混乱が生じるのではないか、(4)著作権法第112条や不正競争防止法第3条などの個別法における差止請求の規定との整合性に課題があるのではないかといった点が指摘されている。
      • なお、かかるメリット及びデメリットを示した上で実施したアンケートによれば、法律での明文化に対する考え方として、全体の半数弱(47.7%)は「メリット・デメリットがそれぞれに複数あることから、慎重な議論が必要である」との回答であった
      • 上記メリット及びデメリット並びにアンケート結果を踏まえて、権利侵害情報の送信防止措置を請求する権利を明文化することについては、引き続き慎重に議論を行うことが適当ではないか
    5. 権利侵害性の有無の判断の支援
      • 既に、プロバイダ責任制限法3条2項2号の規定により発信者から7日以内に返答がないという外形的な基準で、権利侵害性の有無の判断にかかわらず、責任を負うことなく送信防止措置を実施できることや、内容にかかわらない自動的な削除が表現の自由に与える影響等を踏まえれば、ノーティスアンドテイクダウンの導入については、慎重であるべきではないか。
      • これらの機関が法的拘束力や強制力を持つ要請を行うとした場合、これらの機関は慎重な判断を行うことが想定されることや、その判断については最終的に裁判上争うことが保障されていることを踏まえれば、必ずしも、裁判手続(仮処分命令申立事件)と比べて迅速になるとも言いがたいこと等から、上述のような第三者機関を法的に整備することについては、慎重であるべきではないか。
      • 裁判外紛争解決手続(ADR)については、憲法上保障される裁判を受ける権利との関係や、裁判所以外の判断には従わない事業者も存在することも踏まえれば、実効性や有効性が乏しいこと等から、ADRを法的に整備することについては、慎重であるべきではないか。
    6. その他
      • 特に、相談のたらい回しを防ぎ、速やかに迅速な相談を図る観点からは、違法・有害情報相談機関連絡会(各種相談機関ないし削除要請機関が参加している連絡会)等において、引き続き、関連する相談機関間の連携を深め、相談機関間の相互理解による適切な案内を可能にすることや知名度の向上を図ることが適当ではないか。
      • 現行の発信者情報開示制度は、情報が拡散され被害が際限なく拡大するおそれがあることに着目して不特定の者に受信されることを目的とする通信を対象とする規定となっているものであり、根本的な見直しを必要とする事情等があるか否かについて、生じる被害の法的性質も考慮しながら、引き続き状況の把握に努めることが適当ではないか。
      • 炎上事案については、法解釈等の観点から課題が存在していることから、人格権侵害の成否を巡る議論の動向に注視しつつ、引き続きプラットフォーム事業者の自主的取組を促進することが適当ではないか。
      • 「3.プラットフォーム事業者に関するその他の規律」において義務付け等をすることは慎重であるべきとされた事項についても、プラットフォーム事業者が、利用規約等に基づいて、適切な場面において自主的に行うことは、妨げられないと考えられるのではないか

~NEW~
総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第2回)配付資料
▼ 参考資料2-1構成員からのこれまでの主なご意見
  • デジタル空間における情報流通に関する現在の課題
    • 【アテンション・エコノミー、フィルターバブルやエコーチェンバーが引き起こす課題】
      • 情報流通の健全性を脅かしている「構造的要因」に着目すべき。構造的な要因として、プラットフォームのビジネスモデルといわれる「アテンション・エコノミー」のひろがりがある。アテンション・エコノミーの下では、どれだけユーザーのアテンション(エンゲージメント)を奪えるかが非常に重要(死活問題)となるため、ユーザーの選好、政治的信条、認知傾向等に合った情報が強くレコメンドされる傾向にある。それによって、フィルターバブル、エコーチェンバーといった問題が先鋭化・増幅する。また、この「構造」では、アテンションを得やすい、刺激的な偽情報や憎悪的表現などが優位性を獲得しやすい(逆に、刺激に乏しい「真実」は流通しにくい)。このような構造を無視して、「モグラたたき」をしてもあまり実効性がない。モグラが出やすい「土壌」(環境)を改善しない限り、モグラは次々と出てくる(認知戦についても、戦いやすい「構造」に対処していかないと有効なカウンターとならない)。【山本構成員】
      • 現在のデジタル空間においては、情報とかサービスがユーザーの目から見ると非常に多種多様かつ大量にあり過ぎて、まさにジャングルの中にいるような状態。そこで、情報やサービスの一部をレコメンドというか、優先的に表示してもらうことによって、我々は取捨選択ができるようになっているが、アテンション・エコノミーが背景にあることによって、そうした優先順位づけでアテンションを稼ぐものが表示されやすくなっている。【水谷構成員】
      • 情報流通の健全化に際しては、アテンション・エコノミーとの関連でも、偽情報やそのほかの有害情報を発信する情報発信者の背景にある経済的インセンティブ(主として広告収入)にどのように対応していくかについても議論した方がよい。その場合、PF側によるデマネタイゼーション、デプラットフォームのみならず、PFに広告を出稿する広告主・代理店の「ブランドセーフティ」を高める必要もある。【水谷構成員】
      • 本検討会の中心的な課題は偽情報への対策だが、現に生じた現象への事後的な対策だけでなく、偽情報の流通を容易にし、偽情報に社会を破壊しうる大きな力をもたせることになった要因、すなわち、フィルターバブルやエコーチェンバーのような状況を生み出すプラットフォーム事業者等のレコメンドシステムや、さらにはそれを可能にしている大量のデータ収集の問題など、プラットフォーム事業に起因する問題にも向き合う必要。【森構成員】
      • 事後の対応としてのコンテンツ・モデレーションだけでなく、偽情報に破壊力をもたせてしまう要因への対処も考えていく必要。例えば、DSAではレコメンドの透明性確保や、特別なカテゴリー情報を用いたターゲティング広告の禁止、未成年者に対するターゲティング広告の禁止なども義務づけており、これらは我が国の制度設計においても参考になる。【森構成員】
      • 消費者はフィルターバブルによって繰り返し同種のトラブルに遭っている。エコーチェンバーによる考え方の偏りが特に若年層には多いのではないか。【増田構成員】
    • 【情報環境における偽・誤情報問題の深刻化】
      • 情報環境において偽・誤情報問題は深刻化している。過去の調査でも、偽・誤情報に出会った人、見聞きした人の中で77.5%の人が誤っていると気づいていないという結果が出ており、政治だとこれが87%で、ほとんどの人がだまされてしまうということが分かっている。また、中高年以上の方がだまされやすいということも分かっており、若者だけの問題ではない。【山口構成員】
      • 偽・誤情報に出会った後に拡散している人というのが15~35%おり、拡散手段として最も多いのが直接の対話であり、インターネットだけの問題ではない。【山口構成員】
      • 偽・誤情報を信じている人や、メディアリテラシーや情報リテラシーの低い人、こういう人の方が偽・誤情報を拡散する傾向にある。しかも、その確率が非常に高く、そういう偽・誤情報を信じていたり、リテラシーの低い人が大量に拡散しているのが今の我々が接している情報環境である。さらに、偽・誤情報は、政治において弱い支持層の考えを変えやすいということが分かっており、この弱い支持層というのは支持層の中でも人数の多い層であり、選挙や民主主義に大きな影響がある。【山口構成員】
    • 【情報通信技術の進展の速さ】
      • 情報技術の進化に伴って重要な社会構造の変化が生じている部分について見ていくことが重要。以前は有体物を信頼してという状態であったが、どうしても無体物、データ、アルゴリズムなどが中心になってくるような部分が出てくる。判断の主体が、以前は人がほぼ判断をしていたという状況であったのが、AIなどを含めたシステムの影響も非常に大きくなってきている。どうしても予測可能性だったり、統制がどこまでできるのかという領域が出てくる。今回の健全性については、サイバーフィジカル空間の融合による社会構造の変化がSociety5.0となる中、かなりサイバー側に寄っている部分もあり、世の中のフィジカルな実態と組合せをしてデジタル化をしていく分野よりは、より一層早い取組が求められる領域であると思われるため、まず、リスク認識がどこにあるのかを考え、これを理解していくことが重要。【落合構成員】
      • 技術の進化のスピードはとても速い。それに対して、しっかり法制度をつくっていただくというのは大事だが、そこにどうしても対応の速度の差があるが、その差を覚悟することが重要。【後藤構成員】
    • 【情報やデータのトラストを得るためのコストの増加】
      • 巧妙な偽・誤情報の生成・拡散、メタバースの問題、情報流通・データ利用のグローバル化・広域化とスピード、それに伴う国際的な協調の必要性などのリスク増に伴って、情報やデータのトラストを毎回確認しなければいけない。このためのコスト増が本当に大きくなっていて、社会活動、これは個人でもコミュニティでも企業でも、全てにおいて質の劣化、効率の劣化が避けられない状況。【後藤構成員】
    • 【生成AI技術・ディープフェイク技術の進展に伴うリスクへの対応】
      • 生成AIについては、学習済みのAPIが広く公開されており、誰もが最新の生成AIを使ってコンテンツを創作できる状況になりつつある。国内でも面白半分で偽・誤情報を作成、共有し、関係各所に大きな混乱を招いたケースだけではなく、明確な意図を持って視聴者を誤解させる目的で作成したケースも出てきている。このような脅威に対し、偽・誤情報の自動検知について、国内でも実導入に向けた動きがある。【越前構成員】
      • 特に生成AIを用いて創作される偽・誤情報の拡散を技術的な手段でどのように防ぐか。生成AIが生成する画像、映像、音声、文書のクオリティーは日々進化している状況であり、一部の偽・誤情報は人間が見たり聞いたりしてもリアルなのかフェイクなのか全く判別がつかなくなっている状況。【越前構成員】
      • リスク認識については、定性的だけではなく、定量的なものや、研究として実際どういう実態があるのかを把握していくことが重要。その中で、データの利用や、生成AI等のAIがどういうふうに利用されているのかの実態を見ていく。自動判定技術による対応可能性、これもどうしても後追いになるところがあるが、今後も継続的に基礎資料となるような材料を集めていくことが必要。【落合構成員】
      • 生成系AIの普及によるコンテンツ爆発の影響は、偽情報にも及んでおり、AIによって生成される偽情報の問題や、AIによる偽情報判定の問題も、本検討会の中心的課題。【森構成員】
      • AIとプラットフォームとデータの3つは重要で密接不可分なものである中、生成AIや基盤モデルの開発者・提供者の役割が非常に重要視されてくる。そこで作られた偽動画等が流通するのは、SNS等のプラットフォーム上であることが多い。デジタルサービス法の中では、AI規則とは別に、リスク軽減措置の中で行動規範の形で、生成AIコンテンツに対しプラットフォーム上でのラベリングを求める議論がある。生成AIとそれを流通させるプラットフォーム、それぞれの責務・役割というのは何なのかという両面から考えていく必要がある。この検討会がプラットフォームの問題と、そして生成AIなどの新しい技術を併せて取り扱う枠組みができていることは大変適切。【生貝構成員】
      • 生成AIとプライバシー保護に関する国内外の動向を踏まえると、イタリアの監督機関がChatGPTを一時停止したという事案が有名だが、各国の規制機関が調査を行ったり、国際的な議論の場でも情報発信を数多く行っている。入力するデータ、出力する結果について、それぞれ正確性の問題が出てくるというのは、プライバシーの問題でもあると同時に、偽・誤情報対策ともつながる部分であろう。【石井構成員】
      • 生成AIが普及してディープフェイクの大衆化、又は、世論工作の大衆化が起こり、世論工作をビジネスにするような動きもかなり活発になっている。さらに、近い将来、AIが作った情報やコンテンツの量が人の作った量を超えるということも予想され、そういった中で、どのように情報に接すればいいかというのが喫緊の課題。【山口構成員】
    • 【認知的・社会的バイアス】
      • 訂正情報を提示した後、ユーザーがそれを読み、その訂正情報を記憶していても、なお誤情報を信じ続けるというような現象も確認され、心理学の分野では欧米を中心に「誤情報持続効果」という名称でメカニズムの研究が進められている。また、繰り返し誤情報に接触すると、情報処理の流動性が高まるがために、誤情報が正しく感じられるというような認知バイアス(真実錯覚効果)があり、もしこのメカニズムが訂正情報にも働けば、訂正情報も同じように繰り返せば誤情報の影響を緩和できるかと言ったら実はそうではなく、誤情報の3倍の頻度で訂正情報を出しても誤情報の影響が取り除けないというような非対称性というものも確認されている。こういったものは一度信じられた誤情報を事後的に訂正することの難しさの一因となっている。【田中構成員】
      • 認知的バイアスが社会的判断にもたらす問題は、ある程度知見も蓄積されつつあり、誤情報・虚偽情報がなぜ広まるのか、なぜ信じるのかといった問題。これらの研究成果が示していることは、自分の信念や態度に沿った情報であれば、根拠がなくても信じやすいということ。それから情報の検証など、面倒なことをコストをかけて行う人は必ずしも多くないということ。こうした事実は、社会心理学では、認知的バイアスとして古くから指摘されたことではあるが、これが情報収集の段階、推論の段階、記憶の段階、全てにおいて影響することに注意する必要。情報収集の段階では、例えば、自分の態度に沿った情報に注目しやすい確証バイアス、推論の段階では、共変性、何と何が一緒に起きて因果関係や関連があるのかといった判断が上手ではないということや、因果帰属において目立ったものに原因帰属をしやすいバイアスがある。記憶の段階では、後から与えられた情報で記憶がゆがんでしまうという記憶の段階のバイアスがある。【安野構成員】
      • 認知的バイアスを一因として、政治や社会に関する私たちの知識が一般的に乏しいということも過去の研究で繰り返し指摘。さらに、先行研究では、学歴だけでなく、人種や所得、性別などにおいて不利な状況にある人ほど政治知識が乏しいという格差も指摘。日本のデータで分析しても、男性、大卒、しかも貯蓄などの資産がある人ほど政治知識を持っている。メディア接触をコントロールしても、このような結果となる。認知的バイアスと社会的バイアス(政治的知識の乏しさ、社会的属性による知識の格差)、この2点を前提とする必要があり、デジタル空間において正しい情報を提供できてさえいればよいとは言い切れない。正しい情報を提供する努力をしても届かない層が存在する可能性を前提とする必要。【安野構成員】
      • 虚偽情報・誤情報の拡散が人々の認識に影響を与えてしまうという懸念。繰り返し接触すると正しい知識を持っている人もillusory truthの影響を受け、誤った情報も正しく見えてしまう。認知的な処理が簡単になることで正しく見えてしまい、しかも、知識があってもだまされてしまうことがあるということも重要な問題。一方、正しさを意識すると、興味深さを意識した場合よりも影響を受けにくいという指摘があるが、成AIを用いたサービスなど、作成又は拡散の責任が曖昧な虚偽情報・誤情報が拡散する中で、そのような情報にたくさん触れてしまった場合、正誤の判断が私たちにはますます難しくなっていくことが今後の課題。【安野構成員】
      • 私たち人間は基本的に認知的に怠け者であり、自分視点でしか判断していないということを全員が前提とする必要。【安野構成員】
    • 【消費者における対応の困難性、情報の受け手としての個人の脆弱性】
      • ダークパターン等による詐欺サイト・定期購入・デジタル勧誘等に関する消費生活相談からのまとめとしては、消費者は、情報の真偽を確かめることができず、ネットの情報を信用する傾向があり、真偽を確かめる方法を知らない。インターネット上の細かい規約を確認できていない。デジタル契約について法律が追いついていないなどの問題があり、情報流通の健全性確保は喫緊の課題。【増田構成員】
      • 情報選択等において個人が合理的に判断するということには限界が実はあるということがかねてから指摘をされており、私たち個人には刺激に弱い脆弱性がある。こういったことを前提に議論を進める必要。【水谷構成員】
    • 【情報生成・発信の在り方】
      • 大学のゼミでビデオジャーナリズムとファクトチェックを教えている。ビデオジャーナリズムとは、学生が自分で、カメラを持ち、相手を口説いて撮影し、ナレーションやテロップを入れる。どこの誰が来たというところから始めるため、公開を前提にした取材は、学生にとってはかなりの関門。あなたの行いや言葉が世の中にこういう役に立つから、あなたをさらし者にしに来たと言って相手を口説かなければいけない。このようなニュースが何のためにあるのかを学生が言語化するきっかけになるワークショップが、この会合でもヒントになることもある。【奧村構成員】
      • デジタル・ストーリーテリングとかファクトチェックの能力というのはメディアにとってプラスアルファで、ぜいたくと言われるもの(ニュースラグジュアリー)だが、そうやって手間暇かけたニュースは、ジャーナリスティック・エンタープライズと呼ばれる形で、説得力のある情報になる。表現のオプションとしてネットになると、テキスト・写真・映像・CG等に境界がなくなると、表現の豊かさが情報の説得力にもつながる。そうした情報をどのようにしてメディアが発することができるかというのは、これからの大きな課題になっていく。【奥村構成員】
      • 「The Elements Of Journalism」のようにジャーナリズムのルール・目的・ミッションをニュースの消費者が分かるような言葉で表現し、日本はニュースメディアであるだけで信頼等された社会であったが、民主主義におけるニュースとは何かを考え直す必要。【奥村構成員】
      • 私たちが今扱っている映像というようなものも改めて考える必要が出てくる。例えば首から下しか映っていないインタビューというのがどういう意味を持つのかというようなことは、もう少しちゃんと考えられていいことだと思っている。【奥村構成員】
      • 信頼できる社会の基本情報を取材・編集、ストーリーテリングできる事業者・人材の確保と育成、そしてそのために必要であると考えるのが効果的なオーディオビジュアル表現であるテレビ的手法、ノウハウの還元。【脇浜構成員】
    • 【人材育成の在り方】
      • デジタル空間は決して健全オンリーのものではない。界隈性や猥雑性があってこその魅力があるが、健全に過ごせる公園のような空間も分かりやすく確保することは必要で、その際、情報の受け手としての守りの強化として、ファクトチェックやオリジネーター・プロファイル等とともに健全な情報を生み出す人材というのをできるだけ多く育成する攻めの施策が重要。健全だけでは人は見てくれない。健全で面白い、魅力的な情報を生み出す人材を育てる、そこにリソースをつぎ込むべきではないか。【脇浜構成員】
    • 【リテラシー教育・啓発活動の在り方】
      • 誤情報対策は主にプレバンクとデバンクに分けられることが多いが、プレバンクは誤情報が拡散する前の備えのことを指して、リテラシー向上などはこれに該当。【田中構成員】
      • デジタル空間における情報流通の健全性確保と言ったときに、このようなユーザー側の認知的特徴(誤情報持続効果や真実錯覚効果等)が健全性の確保にどのように関わってくるのかについて、リテラシーの向上と併せて検討すべき。【田中構成員】
      • 消費者において、表現の自由、知る権利についての理解ということも、正しい情報の見極め、情報発信の責任ということも同時に身に付ける必要。【増田構成員】
      • ICTリテラシーの向上、インターネットの基本的な仕組みについての教育や啓発(フィルターバブルによって、繰り返し同種のトラブルに遭う、エコーチェンバーによる考え方の偏りなど)というのも非常に重要。【増田構成員】
      • メディア情報リテラシー教育の拡充が大事。教材を作るだけでは圧倒的に不足している。例えば、これまでのベストプラクティスという意味では、ユーチューブクリエーター、インフルエンサーと組んでキャンペーンをやったところ、ものすごく効果があったこともあり、そういったキャンペーンと、教材、講座、ほかの手段も含めていろいろなことを検討して、多様な手段で啓発していくのが大事。【山口構成員】
      • リテラシー教育や啓発活動は、サイバーセキュリティ対策としても取り組んでいるが、簡単な話ではなく、いつも若年層や高齢者層、ビジネス面、いろいろなところでそれぞれの啓発活動が要ると悩んでいるところ、情報の流通の健全性においても同じ。【後藤構成員】
      • 高齢者層については、今から教育と言っても困るため、実被害を避ける取組や、被害を受けてしまったときの救済策が要る。一方、若年層に向けては、静止画と音声の録音さえあれば、3次元のおしゃべりするビデオが作れてしまい、中高生のスキルで使えるレベルまで、使いやすくなってしまっている中、最新のツールの利用を止めても仕方ないので、積極的に情報合成ツール等を活用してリテラシー向上させ、偽画像が簡単にできてしまうことを肌身で感じてもらったほうが早いのではないか、という議論もある。今後、5年後、10年後には、個人差の拡大や、年齢層がだんだんシフトすることもあるので、それにどう対応していくのかということが大事。【後藤構成員】
      • AI等最新テクノロジーを地域コンテンツ制作にも活かしていけるのではないか。例えば、AI無人カメラでのスポーツの試合の中継など、コストを削減しつつ、地域コンテンツ流通を増やしていける可能性を感じた。ICT活用のためのリテラシー向上に関するロードマップにあった言葉で言うと、デジタルコンテンツの作成・編集に関する能力。【脇浜構成員】
      • 食品表示法は、特定の食品の摂取を禁止するのではなく、食品に関する基本情報を表示させることで、食品の安全性を確保し、食品摂取に関する消費者の自主的かつ合理的な選択の機会を確保するもの。情報の摂取についても同様の試みが必要。「情報的健康」のためには、どのような情報を「食べているのか」、「食べさせられているのか」をユーザー自身が知ることが重要。何を「食べている」のかを理解するためには、情報・コンテンツの作成者等のわかりやすい表示や、レコメンダーシステムの透明性が重要。【山本構成員】
    • 【技術・研究開発の在り方】
      • AIを活用したコンテンツ・モデレーションには、偽・誤情報に対するAIを用いた自動検知や自動ファクトチェックが提案されているが、課題もある。自動検知は、新たな生成AIで生成された偽・誤情報は高頻度で出現・拡散されているが、AIは未知の手法で生成された偽・誤情報の検出は苦手であり、学習する定期的なデータセットのアップデートや、モデル学習又は追加学習等が必要であるが、モデル学習とのこれまでの手法で生成された偽・誤情報の検知精度を確保する必要があり、この調整が最も難しい。そもそも自動検知モデルが学習するデータセットや評価用のベンチマークは、研究レベルでは様々なものが提案されているが、実際に現実の環境を反映していないものが極めて多いため、産学連携の促進は極めて重要。また、自動ファクトチェックは、クエリ情報と真贋を比較するために参照する「信頼できる情報源」が重要だが、誰がどのように収集し、新しい情報をどのように取り組みながら維持していくのかが課題。【越前構成員】
      • 私どもの大学でも、情報の健全性に取り組んでいる研究や学生がおり、この5年ぐらい非常に盛ん。例えば、グローバル・ディスインフォメーション・キャンペーンという国際法的な問題というグローバルな安全保障上の問題の観点、次に、情報セキュリティ心理学の観点でどう分析できるのか、それから、情報の拡散実態を実際に調べる技術とその報告など、多角的に研究開発が進められている。つまり、1つの技術ではなくて、いろいろな研究開発が必要だろう。【後藤構成員】
      • 技術が起こした問題はできる限り技術で解決する必要。しかし、技術は、実はそれ自体が開発の段階又は利用の段階で何らかの考え方、思想をはらんでいる可能性が十分ある。アメリカの憲法学者ローレンス・レッシグのアーキテクチャ論でも定義されているが、これを野放しにしてしまうと、いわゆる言論規制の道具、ないしは自由で公正な経済活動を阻害するリスクというものを技術自体が強く内包してしまうという可能性がある。こういった問題をできるだけ回避していくということが最終的に世の中に普及させていく、イノベーションを広げていくときに重要。技術の使い方及び自律的な自由に基づく価値の最大化を目指して、どのように我々はこれを手なづけていけばいいのか。抑制したり、守ったりするような技術についても、どのようにそれを位置づけていけばいいのかを考えていくことが重要。【クロサカ構成員】
      • 信頼できる情報源の確保という観点から、技術の利用をどうできるのか。オリジネーター・プロファイリングのほか、海外のメーカーやプラットフォームなども情報発信源の特定などに関して取組をしている。検証可能性をどう確保していくかは重要だが、国際的な相互運用性、国際議論の中でどういうふうに役割を果たしていくのかも非常に重要。また、サイバーセキュリティの関係で、意図的な攻撃者が存在するということを念頭に置いて対策をしていくことが重要。【落合構成員】
      • オリジネーター・プロファイル、AIが作ったものかどうか判断する技術、偽・誤情報の検知技術、そういった対抗技術への研究開発の投資はもっともっとしていく必要。また、研究開発を進めるというだけではなく、その技術を、例えば、メディア企業やファクトチェック組織が使え、さらに、一般の人々が手軽に使える、又は、分かる状況にしていくことが大事。例えば、SNS上の投稿された画像がAIが作った確率は何%か分かるなどの状況が望ましい。【山口構成員】
      • AIなどの技術の文脈に応じた論点の整理と議論を行うこと。【江間構成員】
    • 【ファクトチェックの在り方】
      • この誤情報対策は主にプレバンクとデバンクに分けられることが多いが、誤情報が拡散した後の事後対応はデバンクと呼ばれており、ファクトチェックによる誤情報の訂正などはこのデバンクに該当。【田中構成員】
      • ファクトチェックの認知度が他国と比べて低いというような総務省の調査報告がある。また、別の調査ではアクティブなファクトチェックサイトの数が、例えば、アメリカは70件以上、インドは30件以上に対し、日本は5件という現状。これらの指標が即座に日本のファクトチェック行動そのものが弱いということを導くものではないかもしれないが、こういった違いが生じているのかを詳しく検討する必要。日本のデジタル空間が誤情報に対してどの程度脆弱性をはらんでいるのかについて、もう少し詳細かつ客観的に理解する必要。【田中構成員】
      • 認知科学の観点からは、デバンクにおけるユーザーの認知バイアスの影響が気になるところ、最近行った実験では、誤情報を信じているかどうかでファクトチェック記事のクリック行動が異なるという結果が出ている。具体的には、4割ほどの実験参加者は、誤りだと既に知っているような情報のファクトチェック記事はクリックするのに対して、誤情報を信じている場合はファクトチェック記事を選択的に避けるというような行動傾向も見られる。つまり、ファクトチェックの取組を充実させていくことが期待される一方で、訂正情報をデジタル空間で広くアクセス可能にするということと、誤情報が人々の認知に及ぼす悪影響に対処するということを区別することが重要。研究結果からは、これらの間に心理的なハードルがあるということが示唆。【田中構成員】
      • 情報元の信頼性について消費者は確認できる方策を知らないので、やはりファクトチェック機関への支援や、偽サイトへの対応というのが必要。【増田構成員】
      • 優先順位をしっかりつけ、例えば、災害、選挙、医療や健康といった優先順位の高いものからしっかりとファクトチェックして、それを人々に届ける仕組みもつくっていくことが大事。【山口構成員】
      • ミス・ディスインフォメーション対策について、日本ではやっと国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)のシグナトリーが誕生した。他の先進国並みに、情報を検証できるような総合的な社会的な仕組み、特にプラットフォームとメディア同士のコラボレーションがどのように進んでいくのか。ファクトチェッカーは非常に少ないという非常にバランスが悪い状況が起きている。今までは競争していたメディアがいかに協力できるのか、どこで一緒に仕事ができるのかという価値観の変換が必要になる。【奥村構成員】
    • 【情報の正確性の担保や世の中から信用される仕組みの在り方】
      • 世の中で流通する情報の中で重要な部分を出しているニュースというものを中心にして、情報の正確さというものがどのように担保されているのかや、世の中の人に信用してもらうためにどのような仕組みがあるのかについて、インプリケーションがある。【奧村構成員】
      • 虚偽情報・誤情報に関する訂正、打ち消し報道が効果を持つためには、その発信元への信頼の獲得が重要。【安野構成員】
    • 【情報の真正性・確からしさの向上】
      • オリジネーター・プロファイル(OP)はその情報を誰が発信したのかをユーザーの求めに応じて検証(ベリフィケーション)できる技術的仕組みであり、具体的には、記事を発信する主体及び記事そのものに対して、言わば電子透かしのような識別子を埋め込み、これをまた電子証明技術を用いて鍵をかけていく技術的方法を用いて、途中の改ざんが困難な存在証明を発信主体と記事そのものに付与していくことにより、発信元とその情報を発信したという事実、これを確認していくということを実現。いわゆる情報の真正性、確からしさを高めるということを目指した技術。当初OPは、デジタル言論空間の情報流通の適正化を出発点として考えており、参画されている方々、例えば、メディア企業や通信企業が割と多いが、今般、生成AIがかなり台頭した時代においては、教師データや生成AIが生成したものについての取扱いについても、OPは一定の有効性があるのではないかと御指摘をいただいており、こういった可能性も踏まえて、今、開発中。直近ではオープンインターネット上での、非公開ではあるが、組合員をメンバーとした実証実験を既に開始しており、第1フェーズはおおむね終了しつつあり、一応作って動いたというような段階。【クロサカ構成員】
      • 情報元の信頼性について消費者が確認できる方策が必要。【増田構成員】
      • 取材等に基づく信頼できる情報・コンテンツを作成・流通させることへのインセンティブの設計・強化(その前提として、真正性が担保された情報・コンテンツなのかどうかをユーザーが認識できることが重要。こうした技術の1つとしてOP)。【山本構成員】
    • 【対症療法と根治療法】
      • 偽情報・誤情報は、様々な課題が絡み合っている複合問題。対症療法と根治療法の両方を並行して考える必要があり、こういった観点でできることを最大化するということを目指すということが望まれていることではないか。【クロサカ構成員】
    • 【有事におけるレジリエンス確保】
      • デジタル空間における悪意ある外部からの攻撃(偽情報・サイバー攻撃も含む)に対し安全保障も含めた対策をいかに構築できるか。
    • 【江間構成員】
      • 大規模災害や国家的危機等の緊急事態時におけるレジリエンスを検討しているか(特に人-技術システムの関係が複雑に関係しあっている場合、インシデント対応と復旧に向けた論点整理ができているかどうか)。【江間構成員】
      • 情報流通については、いわゆる平時の場合と、自然災害や国際的紛争といった状況をはじめとする緊急事態、その両方をある程度区別しながら、両方を視野に入れた議論をしていくことが重要。例えば、集中的な偽情報・誤情報などの事象が生じた場合に、関係事業者に法に基づかないインフォーマルな対応のお願いをするのか、又は、法で枠組みをつくって、民主的なプロセスの中で対応の要請をしていくのか。そのどちらが望ましいのかは、国際的にも議論が分かれているが、そうした場合を含めて、多様なステークホルダーが関われる形でのレジリエンス確保の仕方というものが重要。【生貝構成員】
      • 緊急時の対応について、欧州のDSAは、イスラエル・ハマス紛争という国際事案で、それに関わる情報の健全性対応として、デジタルサービスコーディネーターに関する指定が急遽、来年2月の期限から4ヶ月前倒しになり、EUがMetaやTikTokに対して指示を出したというニュースもある。悩ましい話ではあるが、時にはこういう有事の対応ということで制度的にも動いて頂く必要。【後藤構成員】
    • 【国際的な連携・協力の必要性】
      • 欧州AI規制法案、欧州評議会AI条約、G7広島AIプロセス等を含め、国際的な指針や行動規範、法令等の履行状況の確認、情報共有の仕組み等をいかに構築していくか。特に国際的に相互に確認できるような評価法をいかに確立できるか。【江間構成員】
      • 情報技術の進化に伴って重要な社会構造の変化が生じ、地理的にもグローバルというのと国内というので以前は分けることができていた部分もあったように思うが、国際的な影響というのも直ちに受けるような可能性が高まっている。【落合構成員】
      • 法制度と技術開発という観点において、技術進化のスピードはとても速く、それに対し、しっかり法制度をつくるのは大事だが、そこにどうしても対応の速度の差があり、その差を覚悟することが重要となる中、デジタルサービスの事業者にとっても法制度の裏づけは必須だが、法制度の対応には非常に時間がかかってしまう。せめて、国や地域の差が少なければという本音があり、企業からは、GDPR対応として、個人情報やプライバシーが国や地域によって異なり微妙な差が出て、この差への対応がすごく大変。巨大プラットフォーマーも個別対応しているが、日本のデジタルサービス事業者には個別対応のリソースがなく、グローバル競争上も不利になるという課題。【後藤構成員】
    • 【データ保護の在り方】
      • モデレーション、レコメンデーションといったものは、個人データを処理したプロファイリングなどの活動と密接不可分。全ての事業者に適用される個人情報保護法などの規範は重要であり、デジタル空間における情報流通という文脈の中での情報保護、データ保護の在り方もよく検討していく必要がある。【生貝構成員】
      • 国際的にはGDPRの議論に即したものが非常に多く、最近の情報発信としては、世界プライバシー会議(GPA)で採択された生成AIに関する声明がある。これによると、開発段階、運用段階、導入段階のそれぞれに分け、いわゆるGDPR的な諸原則がうたわれているが、中でもAIシステムが個人に関する意思決定を行ったり、意思決定を支援したりするような場合には、生成AIを使うことに慎重な姿勢が示されていることや、学習データに個人情報を利用する場合には、事前にプライバシー影響評価にかけるよう求めている。これはプライバシー・バイ・デザインが強くうたわれる傾向にある中で、どう実装するかというときにプライバシー影響評価を行いなさいとなっている。また、不正確なデータを取り除くためのガバナンスの手続を取ること、児童のデータ処理を行うときの権利保障に注力することが挙げられており、日本における議論でも留意しておいた方がよい事項が最近の国際的な動向から見て取れる。生成AIの問題は、今、議論するべきインターネット上のデジタル空間の健全な情報流通に係る論点を浮き彫りにするという面でも注目しておく課題。【石井構成員】
      • 偽情報が、その影響を受けやすい人物のもとにピンポイントで届けられ、人心操作(マインドハッキング)が行われる可能性があることは、ケンブリッジアナリティカ事件によって広く知られるようになった。フェイスブック利用者の大量のデータを入手したケンブリッジアナリティカ社が同データを詳細に分析し、「陰謀論に傾きやすい」などとプロファイリングされたグループに集中的に政治広告などを送り、2016年米大統領選や英国のブレグジットにおける世論操作を試みたとされる事件。現在、プラットフォームによって大量に収集された利用者のデータを使って操作対象者を選び、プラットフォーム事業者がターゲティング広告の配信のために作り出したシステムを使って操作対象者に偽情報を含むメッセージを容易に届けることが可能になっている。偽情報はプラットフォーム事業者のビジネスモデルを利用して、その破壊力を強めており、プラットフォームのビジネスモデルによって生じる各種の問題は、偽情報の悪影響の要因分析として重要。【森構成員】
      • レコメンドに使われるのはオンライン上で集められたユーザーのデータであり、データ収集の方法・態様とプロファイリングに代表されるその利用方法についても留意する必要。【森構成員】
  • デジタル空間における情報流通の「健全性」
    • 【表現の自由・民主主義】
      • 効果を急ぐと、とかく私を含め技術に感心がある方はできるからやろうというところに行ってしまうところがある。しかしながら、今起きている問題は非常に複雑で、立場によって見解が大きく異なる。その中で、世の中で起きている問題をまずきちんと定義し、分解し、対応していくのかという冷静さが必要。直近でも、ディープフェイクを用いた偽情報の流通の問題提起が行われているところだが、こういった社会の安全・民主主義を脅かすというものに対処していくためにも理念や手続が可能な限り民主的なもの、ないしは立法がどうしても必要ということであれば、立法事実を明確化する、特定していくということが必要。【クロサカ構成員】
      • 今後の対応にあたっての基本的な考え方として、情報受領者(国民)の「自由に、さまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取する機会」(最大判昭和58年6月22日民集37巻5号793頁)、特に信頼性の高い情報へのアクセス保障が重要。【水谷構成員】
      • デジタル空間の情報流通の健全性の確保は、現代社会における民主主義の維持や自由な言論の場の確保に不可欠。【森構成員】
      • 誰もが自由に情報発信できるという民主主義の実践機会を増やして、その質の向上(信頼できる取材手法、飽きさせない編集、引きつける語り、最新テクノロジー活用など)を図ることが、結果的に情報流通の健全性確保につながるのではないか。【脇浜構成員】
    • 【情報的健康】
      • 現在の「構造」下では、アテンションを奪うための強力なレコメンダーシステム(UX)によって、他律的に情報を「偏食」させられているような状況が拡大(さまざまな情報を主体的に摂取できるという「知る自由」の実質的な制約)。この「偏食」によって、偽情報等に対する「免疫」も低下しているとすれば、「情報的健康」というコンセプトを打ち出し、情報摂取行動の大切さを意識できるようなリテラシー教育を行うことが重要(意識変化の重要性)。【山本構成員】
    • 【デジタル立憲主義】
      • この検討の基本理念として、ヨーロッパの憲法学者を中心にデジタル立憲主義というような概念が論文等で議論をされているところであり、既存の憲法学が培ってきたある種の価値などをデジタル空間の技術等々に合わせて翻訳し、それを目標に制度設計を行っていくということと理解。例えば、EUのデジタルサービス法や、民主主義行動計画といった環境形成におけるある種の基本理念になっている。この点、我が国では、国民の、又は、情報受領者の知る自由とか、知る権利という概念にポイントが置かれる。この検討会の主軸でもあるが、やはり信頼性の高い情報へどうやってこのジャングルの中でアクセスを保障していくかということが重要。【水谷構成員】
    • 【透明性・アカウンタビリティ】
      • 偽情報とされるものの中には、意図的に作られた偽情報だけでなく、悪意はないが間違っている情報や、事実関係は間違っていないが異なる文脈で使われることで誤った印象を植え付けるものなどが含まれており、その境界はしばしば不明確であり、何が偽情報で何がそうでないかを判別することは容易ではない。そのような状況で、①何を削除するか、②どのくらいの数を削除するか、といったことについて法制度を作ったり、統一的な基準を設けたりすることは必ずしも適当ではない。プラットフォーム事業者に過度の削除圧力をかけることは、当該プラットフォームに情報を投稿する利用者の表現の自由とプラットフォーム事業者自身の表現の自由を共に脅かすことにつながる。ただし、プラットフォーム事業者の偽情報対策についての透明性と説明責任の確保については求めていく必要。この点は、プラットフォームサービス研究会のコンセンサスであった。【森構成員】
      • EUのデジタルサービス法(DSA)のように、コンテンツ・モデレーションのポリシーの公表や、モデレータに実施している訓練内容や、AIによる自動処理のエラー率などの記載を求めていくことも一案。また、削除やアカウント停止などの対象になったユーザーに具体的に理由を説明することや、判断が間違っていた場合の対応など苦情処理体制の整備も求めていく必要。【森構成員】
      • 課題として思っているのが、具体的に何をどういうふうに透明性を確保して、それをどういうふうに活用するかというところの具体を詰められていないんじゃないか、並びに、それを外資系の企業も含めてどのように実行していくか。さらに、日本ローカルの透明性をどのように持たせていくか。また、TikTokのような、今すごく伸びているサービスも対象にする必要。【山口構成員】
      • デジタル空間における情報流通の健全性について、特にAIを活用したコンテンツ・モデレーションにおいては、透明性や説明責任の確保が重要。ただし、AIは原則ブラックボックスであるため、たとえソースコードを公開したとしても、どのように説明責任を確保するのか、難しい状況。また、さらに透明性を確保するために、AIが学習したデータセットを公開することやベンチマークの公開が考えられるが、その情報を逆手に取って自動検知を迂回するような偽・誤情報の生成手法が出現する可能性もある。【越前構成員】
      • 透明性を高めることで、アテンションの獲得“だけ”を狙って、偽情報を放置したり、エコーチェンバーを放任したりするような企業(情報的健康を無視するような企業)が市場において適切に批判されるようになれば、ビジネスモデル自体(=構造)が変化していく可能性がある。【山本構成員】
    • 【個人の権利保護】
      • 個人の権利保護の観点で、例えば、関係者への開示・訂正・削除等の権限など個人に対しどういう権限が確保できるようにするかも重要。また、意図的な発信者に対してはどう対応していくのか。リテラシー向上は、個人の権利確保の前提になってくる。【落合構成員】
      • 生成AIのデータの正確性は偽・誤情報対策にも重なる部分はあるが、プロファイリングにせよ、偽・誤情報にせよ、個人が自由に行えるはずの選択をゆがめるという行為に対しいかに対策を講じるのかという点が情報流通の健全性を支える重要な考え方。【石井構成員】
    • 【児童・青少年の保護、利用者の保護】
      • 児童のデータの保護の重要性も国外でよく聞くところであり、日本の法制度上、やや手当が薄い部分であるというのは否めない。ヨーロッパはGDPRの中に児童の保護に配慮した規定などがあるし、デジタルサービス法の中でもオンラインプラットフォーム事業者に対する義務の中でプロファイリングに基づく広告を児童に対して行ってはならないことや、イギリスのチルドレンズ・コード、アメリカでもカリフォルニア州の法令などがある。こうした動向を踏まえて、日本も法的な対応を検討するという余地はあるのではないか。【石井構成員】
      • 青少年保護、利用者保護は非常に重要。【増田構成員】
      • DE&I(Diversity, Equity and Inclusion)の立場から、特定の状況において不利益を被る人がいないかどうかを検討すること(状況によっては情報にアクセスができない人たちが出てくる可能性があるなど、前提条件として置かれている事項を想定すること。例えばスマートフォンを持っていることが想定されていないか、日本語が読めない場合があることを想定しているか等)。【江間構成員】
    • 【サイバーセキュリティ対策との近似性】
      • 健全性の確保は非常に重要。ただ、形は違っても、この問題は過去から将来にわたってずっとあるもので、永遠の課題に取り組んでいるという意識も必要。よく言うシルバーバレットがない、つまり、簡単に決着できるものではないということを覚悟する必要。健全性の確保のためには、社会の変化、つまり、サービスも技術も教育の中身も変わっていく変化にはじめから対応しながら、できたら将来の変化を先取りした取組の継続がすごく大事。1回の取組で解決できるものではなく、継続し続けなければならないという覚悟が必要。多角的かつスパイラル的に取組を継続する社会的な仕組みづくりが重要。法制度、教育・研究・メディア、政策、プラットフォーマー、それぞれが相互に少しずつ、タイミングに合った取組をして全体で連携・協調しながら解決に当たるという姿勢が一番に大事で、皆でうまく知恵を出し合う場が非常に大事。アジャイル・ガバナンスや、技術だけでは解決できないなど、この辺りはサイバーセキュリティ対策と同じ。【後藤構成員】
      • サイバーセキュリティ対策では、1つの技術や1つの法制度で解決できると思っている方はいない。長期戦覚悟で取り組み続けている。この中で、例えば、社会的な仕組み、いろいろな企業のCSIRTや、NICTやIPAの研究開発や情報の収集活動、幅広い人材育成、研究開発、また、それをビジネスにする取組、そういうものが、全体として必要ということをみんなで認識し、それに関して、政府・省庁も戦略面、対策面で政策を出しているという状況。そういう意味で情報の健全性確保とサイバーセキュリティ対策は似ている。【後藤構成員】
    • 【他の法政策領域との協調・相互作用】
      • 健全な情報流通というイシューは、情報通信政策、メディア政策、消費者保護、知的財産権保護、経済安全保障などを含めて様々な方領域、政策領域が交わる領域。例えばプラットフォームや大規模AIのような議論は、ほかにも競争政策、情報通信分野の公正な競争という側面も切って切り離せない。本検討会における検討の主題というところからは必ずしも中心ではなく、周辺にあるものであっても、そうした様々な法政策の領域との協調、相互作用というものを念頭に置きながら議論をしていけると良い。【生貝構成員】
    • 【基本理念同士の関係整理】
      • 様々な基本理念同士がトレードオフ関係にある時に、どのような対応を各ステークホルダーが取ればよいか(あるいは議論すればよいか)の方針が定まっていること。【江間構成員】
    • 【各ステークホルダーが共有すべき方向性】
      • 情報流通の健全性を脅かしている「構造」を揺さぶるために有効な施策を検討すべき。【山本構成員】

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