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  • カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会(東京都)/能登半島地震 復旧・復興支援本部(内閣府)/公益通報者保護制度検討会(消費者庁)

危機管理トピックス

カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会(東京都)/能登半島地震 復旧・復興支援本部(内閣府)/公益通報者保護制度検討会(消費者庁)

2024.05.07
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更新日:2024年5月7日 新着33記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 金融機関におけるサイバーセキュリティセルフアセスメントの集計結果(2023年度)
  • G7サイバー・エキスパート・グループによるクロスボーダー協調演習実施の公表について
  • 損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議(第2回)議事次第
  • バーゼル銀行監督委員会による議事要旨の公表について
  • 「ASEAN諸国における金融分野での気候関連テクノロジーの動向および各国の取り組みに関する委託調査」報告書の公表について
  • ベンチャーキャピタルに関する有識者会議(第1回)議事次第
警察庁
  • 犯罪統計資料(令和6年1~3月分)
  • 「犯罪被害給付制度の抜本的強化に関する有識者検討会」の取りまとめについて
内閣府
  • 令和6年能登半島地震 復旧・復興支援本部
  • 月例経済報告(月次)
  • 第10回性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議・第15回こどもの性的搾取等に係る対策に関する関係府省連絡会議合同会議
消費者庁
  • 第1回公益通報者保護制度検討会(2024年5月7日)
  • 新未来創造戦略本部「新未来ビジョン・フォーラム」
  • 消費者庁の災害用備蓄食品の有効活用について
国民生活センター
  • ネット検索で見つけたロードサービスのトラブル
  • 覚えのない未納料金を請求する詐欺に注意!-請求に応じない!電子マネー番号を伝えない!-
  • ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意-若い年代でトラブル急増中!-
  • 国産果実のはずが外国産…果実加工品の通販サイトに注意
経済産業省
  • 宇宙戦略基金の基本方針及び実施方針(経済産業省計上分)を決定しました
  • 事業会社からのスタートアップ創出を促すための「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」を取りまとめました
  • サイバー攻撃への備えを!「SBOM」(ソフトウェア部品構成表)を活用してソフトウェアの脆弱性を管理する具体的手法についての改訂手引(案)を公表します
  • 知財・無形資産の投資・活用における等身大の悩みや課題を解決!「知財経営への招待~知財・無形資産の投資・活用ガイドブック~」を公開
  • 「SX銘柄2024」を選定しました
  • 「AIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方に関する調査研究」の調査結果を公表します
  • 約束手形等の交付から満期日までの期間の短縮を事業者団体に要請します
総務省
  • 我が国のこどもの数-「こどもの日」にちなんで-(「人口推計」から)
  • ICTサイバーセキュリティ政策分科会(第6回)
  • 労働力調査 (基本集計) 2024年(令和6年)3月分
国土交通省
  • 株式会社IHI原動機による舶用エンジン等の燃料消費率に関するデータ改ざん事案について
  • 「地域公共交通計画」の実質化に向けた検討会 中間とりまとめについて~モビリティ・データを活用した、無理なく、難しくなく、実のある計画に向けたアップデート~

~NEW~
東京都 カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会(第4回)
▼ 資料3 事務局提出資料(第4回)
  • カスタマーハラスメント防止のためのルール作りの具体的内容について 論点
    1. カスタマーハラスメントを防止するルール作り(条例・ガイドライン)において、どのような項目・内容を規定することが適切か
    2. カスタマーハラスメントの考え方を明確に整理をしてどのような形で規定すべきか。特に、消費者による苦情を申し立てる権利との関係について、どのように規定すべきか。
    3. 条例とガイドライン等は、どのような役割分担とすることが適切か。特に、実効性を確保するガイドライン等は、どのような内容とすべきか。
    4. ルール作りにおいて、都をはじめとする行政のほか事業者の役割や責務をどのように規定すべきか。また、都民としての役割や責務について、どのように考え規定すべきか。
  • ルール作りの背景・目的
    • 人口減少のスピードが年々高まり働き手の不足が深刻化
    • 東京が活力ある都市として今後も持続的に発展していくためには、経済活動の担い手である誰もが尊重される社会を目指す必要
    • 顧客等からの著しい迷惑行為である「カスタマーハラスメント」は、労働者の人格や尊厳を傷つけ、就業環境を悪化させるにとどまらず、サービス等の提供を受ける環境を低下させるもの
    • あらゆる場面でカスタマーハラスメントを防ぐことにより、健全な職場環境と消費活動を実現することが求められる
    • 本来、顧客等からの苦情は、それ自体が問題ではなく、業務改善や新たな商品・サービスの開発につながるもの
    • 東京で働く人とサービス等の提供を受けるすべての人が対等の立場に立つことを基本認識とし、職場と消費活動の環境を悪化させるカスタマーハラスメントの発生を社会全体で防止
    • 論点(これまでの議論から)
      • (1)カスタマーハラスメントの防止に関する基本理念、(2)東京都、都民及び事業者の責務、(3)防止に関する施策の基本となる事項を規定する条例 と位置づけてはどうか。
      • 就業者の安全及び健康の確保や、健全な職場環境と消費生活、公正で持続可能な社会を形成することを目的としてはどうか。
  • 基本理念等
    • カスタマーハラスメントは、(1)就業者の人格又は尊厳を侵害する、(2)就業環境を害する、(3)業務遂行と心身の健康に重大な影響を及ぼすもの
    • 論点(これまでの議論から)
      • カスタマーハラスメントは社会全体で防止するものと基本理念に明示してはどうか。
      • 防止に当たっては、就業者と消費者が対等の立場にたち、相手の立場を相互に尊重する視点を盛り込んではどうか。
      • 条例の適用に当たっては、消費者の利益の援護・増進のため自主的かつ合理的に行動することを不当に妨げない視点※を盛り込んではどうか ※消費者基本法、消費者教育推進法、障害者差別解消法など
  • カスタマーハラスメントの禁止
    • 論点(これまでの議論から)
      • 何人もカスタマーハラスメントを行ってはならない旨を明示してはどうか。
      • 明示に当たっては、罰則は設けず、法的位置づけは努力義務としてはどうか。
  • 「カスタマーハラスメント」を表す用語
    • 論点(これまでの議論から)
      • 就業者に対する暴行、脅迫など違法な行為 又は 暴言、正当な理由がない過度な要求など不当な行為(著しい迷惑行為)であり、就業環境を害するもの としてはどうか。
    • 「著しい迷惑行為」とは、次のいずれかに該当する行為が考えられる
      • 違法な行為
        • 暴行、傷害、脅迫、強要、名誉毀損、侮辱、業務妨害、不退去 他
      • 不当な行為
        • 申出の内容 又は 行為の手段・態様が社会通念上相当であると認められないもの
          • ※社会通念上の相当性は総合的に判断
    • 代表的な言動の類型(ガイドラインへの記載を想定)
      • 申出の内容が相当と認められない場合の例
        • 事業者の提供する商品・サービスに瑕疵・過失が認められない場合
        • 申出の内容が、事業者の提供する商品・サービスの内容とは関係がない場合
      • 行為の手段・態様が社会通念上相当と認められない場合の例
        • (1)身体的な攻撃 (2)精神的な攻撃 (3)威圧的な言動 (4)土下座の要求 (5)執拗な言動 (6)拘束的な行動 (7)差別的な言動 (8)性的な言動 (9)従業員個人への攻撃 等
  • 主体を表す用語
    • 論点(これまでの議論から)
      • ハラスメントを行う側、防止する側、各主体に関する用語の整理が必要ではないか。
    • 就業者(※1)
      • 都の区域内で就業する者 ※都内で仕事をするすべての個人。都民か否か、従事する期間、就業の形態を問わない。
        • ※1 都内で仕事をするすべての個人。都民か否か、従事する期間、就業の形態を問わない。
    • 事業者(※2)
      • 都内で事業を行う者(国の機関及び地方公共団体を含む。)※官民を問わない。規模を問わない。
        • ※2 官民を問わない。規模を問わない。
    • 消費者(等) (※3)
      • 就業者が業務に関して応対する者(取引の相手方を含む。)
        • ※3 カスタマーハラスメントの行為者となる可能性がある、すべての個人を含む表現とする。(国のパワハラ指針では、「顧客等」)
          ・公共サービス(交通機関、各種窓口、学校、警察、消防等)の現場を訪れた人
          ・仕事の依頼主
          ・団体の会員
          ・イベントの参加者 などを広く含む
  • 各主体の責務・役割
    • 論点(これまでの議論から)
      • 行為する側、防止する側、各主体の責務や役割について明示することが必要ではないか。
    • 都の責務・役割
      • 情報提供、啓発・教育、助言・相談その他必要な施策を実施 ※ 施策の推進の内容を、別途規定
      • 区市町村と連携・施策を推進するため、必要な財政上の措置
    • 都民の責務
      • 都が実施するカスタマーハラスメントの防止に関する施策に協力
    • 消費者(等)の責務
      • カスタマーハラスメントに関する理解を深める ※都民か否かを問わない
    • 就業者の責務
      • カスタマーハラスメントに関する理解を深める
      • 事業者が実施する防止の取組に協力
    • 事業者の責務
      • 都が実施する施策に協力
      • カスタマーハラスメントを受けた就業者の安全を確保 行為者に中止の申し入れなど適切な措置
      • 就業者(従業員等)がカスタマーハラスメントを発生させない ※ 事業者による措置(体制整備、被害者への配慮、防止手引の作成など)を、別途規定
  • ガイドラインの作成
    • 論点(これまでの議論から)
      • 都が、カスタマーハラスメントの防止に関するガイドラインを作成することを明示してはどうか。
    • ガイドラインに定める事項を規定
      • カスタマーハラスメントの内容
      • 都の責務及び施策
      • 都民の責務
      • 消費者の責務
      • 就業者の責務
      • 事業者の責務
      • 事業者の取組
      • その他
    • ガイドラインの作成・変更は、速やかに公表
    • 条例に罰則は設けないため、ガイドラインにより実効性を高める
  • 施策の推進
    • 論点(これまでの議論から)
      • 都が、就業者、消費者、事業者に対してカスタマーハラスメント防止に関する施策を実施することを明示してはどうか。
    • 実施する施策を規定
      • 情報の提供
      • 啓発及び教育
      • 助言及び相談
      • その他施策
    • 今後都が実施する施策の例
      • 都の事業等に関する情報の提供(ウェブサイト等)
      • カスタマーハラスメントの防止に関する理解を深めるための啓発・教育
      • 労働問題や消費生活問題に関する助言・相談
      • 中小企業等に対する専門家による助言・相談
  • 事業者による措置
    • 論点(これまでの議論から)
      • ガイドラインに基づき、事業者は、必要な体制整備、被害を受けた就業者への配慮、被害防止のための手引の作成、その他の措置を講ずるよう努める旨を明示してはどうか。
      • 就業者は、事業者が手引を作成したときは、順守するよう努める旨を明示してはどうか。
    • 事業者の措置の詳細は、指針(ガイドライン)に記載
      • 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
        • 相談先(上司、職場内の担当者)をあらかじめ定め、これを就業者に周知する
        • 相談を受けた者が、あらかじめ定めた留意点などを記載したマニュアルに基づき対応する 等
      • 被害を受けた就業者への配慮のための取組
        • 事案に応じ、カスハラ行為者に複数人で対応することやメンタルヘルス不調への相談対応 等
      • カスタマーハラスメントによる被害を防止するための取組
        • カスハラ行為への対応に関するマニュアルの作成や研修を行う 等(業界団体が作成したマニュアルを参考とすることを推奨)
      • 取引先と接するに当たっての対応
        • 立場の弱い取引先等に無理な要求をしない、取引先の就業者への言動にも注意を払う
        • 自社の社員が取引先でカスハラ行為を疑われ、事実確認等を求められた場合は協力する 等
          • ※関係法令・告示・厚生労働省の企業マニュアルに沿って内容を検討
  • 見直し規定
    • 論点(これまでの議論から)
      • 取組状況を勘案し、必要に応じて条例の規定を検討、その結果に基づいて所要の措置を講じる旨を明示してはどうか。

~NEW~
厚生労働省 「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」 の中間とりまとめを公表します
▼ 中間とりまとめ
  • 本中間提言においては、ヘルスケアスタートアップ(ヘルスケアSU)の振興・支援のための基本的方向性及び早期に実施すべき主要な施策をとりまとめた。
    1. 現状:日本は、世界に先んじてヘルスケア領域のイノベーションを生み出す潜在能力があるものの、ヘルスケアSUの活躍が限定的
      • 日本は超高齢化による課題先進国となっており、世界に先んじたヘルスケア領域における課題解決とイノベーションが不可欠である
      • 日本ではヘルスケア領域の研究は非常に注力されており、独自の強み(皆保険下のデータ集積のしやすさ等)も含め、日本の潜在力は高い
      • しかし、現状ヘルスケアSUの数や成功例が限定的であり、ヘルスケアSUを育む仕組みの不足や課題の解決が急務である
    2. 目標:ヘルスケアSUの振興を通じ、日本のヘルスケア水準の向上とヘルスケアSUのグローバル市場での活躍の両方を目指す
      • 国民生活に不可欠なヘルスケア(医療・健康・介護)の質の向上を図り、かつ持続可能なものにする
      • 日本発の新たなサービス・製品の海外市場展開を促進し、グローバルな競争力を有する成長産業にする
    3. 戦略:各ヘルスケア市場の特性を見極め、最適な振興・支援アプローチを選択
      • 世界直行型アプローチ:国内市場と世界市場が構造的に近接。ヘルスケアSUが初期から世界市場を視野に展開するための戦略を構想し、遂行するための支援・環境整備に注力するアプローチ
      • 段階的海外展開型アプローチ:国内市場と世界市場の規制環境などに差異。まずは国内で先駆的な製品・サービスの展開を支援した上で、段階的に海外進出の可能性を模索するアプローチ
      • 国内充実型アプローチ:ヘルスケアSUが国内で不可欠な医療・健康・介護を持続的に提供できるための支援・環境整備を行うアプローチ
    4. 具体策:ヘルスケア主要分野ごとの問題意識と中間提言
      • 主要分野は、総論、バイオ・再生、医療機器・SaMD、医療DX・AI、介護テックの5つ
  • なぜヘルスケア×スタートアップが重要なのか?
    • 日本では超高齢化が世界に先駆けて進行し、医療・健康・介護の分野において豊富なイノベーションニーズがある
    • 日本では国民皆保険と介護保険制度の下で、医療DXとデータ集積が進んでいる
    • ヘルスケア産業は日本の中でもポテンシャルが高い領域と見込まれており、多くの研究開発が行われている
    • しかし年間1,000-1,500社のSUが誕生する中で、ヘルスケアSUの設立数は年間100程度、かつ、年々減少中である
    • また2019年以降、ユニコーン企業は存在せず、100億円以上のM&Aは3件
    • 毎年約100社がIPO、しかしヘルスケア領域はその5%程度。研究開発の規模と比較し、ヘルスケアSUの創業数等が少ないことから、事業化や成長過程に課題があると考えられる
  • 総論及び各タスクフォースからの提言は下記の通り。それぞれが、国力を手厚く投資するべき3種のアプローチに当てはまる内容となっている
    • 総論
      1. ヘルスケアSU関係者からの保険報酬改定等の要望を受け付け、検討を行う新たな一元窓口を設置する【アプローチ2:開発環境】
      2. MEDISOの機能・体制を充実・強化し、より継続的で能動的なSU支援へ拡充・移行する【アプローチ1:ヒト、アプローチ2:開発環境・市場】
      3. マイルストーン型開発支援の活用により、これまで着手が難しかったテーマの創薬や医療機器開発を加速する【アプローチ2:開発環境】
      4. ヘルスケアSUに関する政府支援や申請手続き等の相談対応につき、原則英語対応を可能にする【アプローチ1:ヒト、アプローチ2:開発環境】
      5. ヘルスケア分野でトップクラスのグローバルVCを日本に誘致する【アプローチ1:ヒト・カネ】
      6. 分散型臨床試験(DCT)等の治験DXを積極活用し、上市までの時間・コストの大幅圧縮を実現する【アプローチ2:開発環境】
    • バイオ・再生 タスクフォース
      1. AMEDによる創薬ベンチャーエコシステム強化事業(認定VCによるSUの伴走支援プログラム)の投資出資額要件を緩和し、非臨床ステージのパイプラインを支援し易い運用にする【アプローチ1:ヒト・カネ】
      2. 製造・非臨床・臨床・ライセンスの各領域で、グローバル視点で新規モダリティに対応できる人材を育成する官民協力型の教育プログラムを構築する【アプローチ1:ヒト】
      3. バイオ・再生SUのIPOの障害となりうる日本取引所グループの上場要件の明確化を図る【アプローチ2:市場】
    • 医療機器・SaMDタスクフォース
      1. ハイリスク・ハイリターンな革新的治療機器開発について、臨床エビデンス獲得に対する資金支援、及び協力する臨床研究中核病院等に対する支援を拡充する【アプローチ1:アイデア、アプローチ2:開発環境】
      2. ヘルスケアSUによる海外展開支援に関し、専門人材の育成や薬事規制の国際協調の強化を行う【アプローチ1:ヒト、アプローチ2:市場】
      3. SaMDの開発・事業化の制約となりうる業許可規制及び広告規制等を早急に緩和する【アプローチ2:開発環境】
    • 医療DX・AIタスクフォース
      1. マイナポータル等の医療データの民間事業者との持続的なAPI連携を実現するとともに、連携項目を拡充する【アプローチ2:開発環境】
      2. 医療分野のAI開発促進に向けて、ルールの明確化について今年度中に一定の整理を示すとともに、事業の予見性向上に関する考え方の整理を進める【アプローチ2:開発環境】
      3. 病院や健保におけるSUの製品・サービスの積極導入に関する各種制約(ベンダーロックイン、セキュリティ)の解消に向けた相談窓口や客観的な評価システムを構築する【アプローチ2:開発環境・市場】
    • 介護テック タスクフォース
      1. 介護テックSUを支援する一元的相談窓口として「CARISO(仮称:CARe Innovation Support Office)」(介護版MEDISO)を早期に立ち上げる【アプローチ2:開発環境、アプローチ3:ヒト】
      2. 介護事業所向けのDX支援の拡充により介護テックの導入を促し、深刻化する介護就労者不足の解消を目指す【アプローチ3:カネ】
      3. 在宅事業者・利用者向け介護テック製品の介護保険上の評価を見直し、導入インセンティブを明確化する【アプローチ2:市場】

~NEW~
内閣官房 デジタル行財政改革会議(第5回)議事次第
▼ 資料1 デジタル行財政改革のこれまでの取組等について
  • アドバイザリーボードでいただいた御意見
    • 人口減少への対応
      • 人口減少の加速を止める戦略に加えて、強靭化戦略、生産性を上げていくということも必要。その際カギとなるのがデジタル化。生産性向上の重要性を全体として共有することが大事。
      • 公共サービスについて、人手不足が深刻化しているが、こうした中でDXを進めるには、自治体だけでなく、多くの公共サービスの担い手である民間の役割も非常に重要
    • 教育・医療・介護等
      • GIGAスクール等の促進で、数年前に比べれば良くなったが、AIの活用なども含めて相当技術的にも進化している。海外含め、最先端の知財を活用し教育内容を向上すべき。
      • 医療機関のデジタル化は遅れており、経営関係のデータ等もなかなか取れない状況が続いている。それらも含めたデジタル化を推進することが必要。
      • 介護については、労働集約的な産業であるからこそ、現場負担を軽減し担い手の納得感を得ることが重要。
      • 中小企業や、自治体単独だとDXが進まない面もある。持株会社化やM&Aで、経営管理の水準を引き上げることにより、効果的なDXや人への投資などが進められるのではないか。
    • デジタル基盤・マイナンバーカード
      • 現在動いているシステムをデフォルトに考えて、オペレーションシステムにすぐに手を入れるのではなく、中央政府のクラウドに副マスターとしてデータベースを構築するべきではないか。基本となる骨格のアーキテクチャを決めることが重要。
      • いわゆるデータ連携基盤は、隣接する自治体で増やすのではなく、似たような規模感と住民サービスを持つところが標準体系で導入していくということも考えられるのではないか。
      • すでに自治体で実装されている優良なアプリを全国的に展開していくことは大事。
      • 長期の大掛かりなプロジェクトになるので、政府サイドがリーダーシップをとり続けられるような体制が必要。
      • 在留カードとマイナンバーカードの一体化により、必要な情報を平時でも有事でも外国人の方と双方向で情報のやり取りができるようになるため、一日も早く一体化をしていただきたい。
      • マイナンバーカードの更新時期の山に合わせて、メリットを十分に国民の方々に伝え、アプリへの登録を推進することが必要
    • スタートアップ
      • 地方のスタートアップの活性化ついて、行政、金融機関等も一体となり、ガバナンス体制を改善する必要がある。
      • インフレと市場活性化策で動き始めている資金をスタートアップ、地方に結びつけるためには、デジタルは欠かせない。

~NEW~
金融庁 金融機関におけるサイバーセキュリティセルフアセスメントの集計結果(2023年度)
▼ 本文
  • サイバーセキュリティに関する経営方針の策定状況をみると、殆どの先が、経営トップの関与のもと、経営方針としてサイバーセキュリティの確保を掲げているが、経営方針を定めていない先が8%程度みられた。また、サイバーセキュリティに関する経営計画については、15%程度の先がこれを策定していなかった。経営方針を定めたうえで、具体的な計画を策定して取り組むことが重要である。
  • 自組織のサイバーセキュリティを統括する責任者についてみると、殆どの先が役員となっていた。次に、サイバーセキュリティを統括する責任者に定例報告している内容についてみると、自組織におけるサイバーインシデントの発生状況やセキュリティ対策の進捗状況が高くなっていた。また、他社におけるサイバーインシデント事例の報告については、前回比改善し、7割強の先が実施していたが、自組織にかかる報告と比べて実施した割合が低い。経営層に対しては、他社事例を含め、最近の脅威動向に関する情報を広く報告し、自組織の対策状況の点検に繋げていくことが重要である。
  • リスク評価の実施頻度をみると、定期的に実施している先が8割弱、システムの導入時や大規模更改時に実施している先が7割強となっていた。他方、リスク評価を踏まえた、対応方針(低減、回避、移転、受容)や優先順位の決定についてみると、経営層の判断のもとで決定している先は4割強にとどまった。
  • 深刻な脆弱性が判明した場合のパッチの適用方針をみると、インターネットと接続しているシステムでは、直ちにまたは一定の対応期間内で適用している先が9割弱となった一方、インターネット接続していないシステムでは、3割強にとどまった。また、深刻な脆弱性に対して、セキュリティパッチを適用しないことの判断に役員が関与している先は3割強にとどまった。
  • 管理の目線をそろえる観点からは組織横断的に対応することが望ましいが、重要なサードパーティのリスク管理状況をみると、統括部署にて一元的に管理している先は6割弱にとどまったほか、リスクを管理していない先も1割強みられた。
  • サードパーティが提供するサービスのうちクラウドサービスについては、半数以上の先がこれを利用していた。次に、同サービスの利用先がクラウド事業者との間で定めている事項についてみると、障害時の連絡体制、責任分界点やサービス終了時の取扱いについては、6~7割の先がこれを定めていた。一方、業務データの所在や統制対象クラウド拠点を明確化している先は3~4割にとどまった。
  • サイバーセキュリティ人材の確保状況について、機能別に踏み込んで確認したところ、インシデント発生時の対応や戦略等の企画・立案といった自組織にとって重要な機能を優先しつつ、少ない自組織職員を外部人材で補完するかたちでの確保を図っている様子が窺われた。一方で、いずれの機能でも、人材が十分に確保できていないとの回答が大半を占めており、全体的に不足している状況となっていた。
  • サイバーセキュリティの担い手確保に向けて、自組織における人材育成の取組状況をみると、外部研修・セミナー等への参加や社内での講習・勉強会の実施など即効性を意識して取り組む先が半数以上となっていた。他方、サイバーセキュリティ人材の育成に配慮した長期的な人事ローテーションやセキュリティ人材育成計画の策定など、中長期的に取り組む先は限定的となっていた。
  • 外部からのサイバーセキュリティ人材採用の取組状況についてみると、全体として、低調となっていた。この背景には、スキルのある専門人材が大都市圏に偏在しており、地方での採用が容易でないという事情が影響している可能性がある。
  • サイバー攻撃の侵入口となりやすいOA端末のサイバー攻撃対策についてみると、インターネットとの分離、外部記憶媒体の接続制限、パターン検知型マルウェア対策製品の導入といった対策は8~9割の先で実施されていた。
  • サイバーインシデントを早期に検知し、迅速に対応するためには、セキュリティ関連の監視・分析等を行う組織(SOC)を設置することが重要である。外部サービスの利用を含むSOC等の設置状況をみると、これを設置している先は前回よりも増加して8割強となったが、2割弱の先が常時監視(24時間365日)ではなかった。
  • SOC等でのモニタリング対象をみると、マルウェア検知・感染状況や外部との通信状況など、境界防御を意識した監視・分析については、殆どの先が実施していた。
  • 重要なシステムのログについて自組織内での取扱状況をみると、取得すべきログの特定、定期的なログの確認、ログの保管期間についてルールを定めている先は7割前後、ログの無断改変を禁止するルールを定めている先は6割弱にとどまった。
  • 自組織における検知・監視態勢を整備・確立したうえで、ペネトレーションテストやTLPTを実施し、第三者的な目線から検知・監視態勢の実効性の確認を行うことが重要である。テストの実施状況をみると、ペネトレーションテストを実施したことがある先は6割強となった。
  • サイバーインシデントが発生した場合、発生事象を正確に把握したうえで、被害拡大防止のための対応を行いつつ、迅速な業務復旧を図ることが重要である。被害拡大防止のための対応手順の整備状況をみると、初動に関するルール・手順は大半の先が整備しているが、対応の優先順位付け(トリアージ)やシステムの再開判断基準、夜間・休日の対応手順については、これを整備している先が5~7割となった。
  • コンティンジェンシープランの整備状況をみると、サイバー攻撃別に応じてプランを整備するとともに、訓練や演習を行っている先が大半となっていた。もっとも、外部委託先への攻撃を含めたコンティンジェンシープランの整備や訓練・演習への外部委託先の参加、目標復旧時間を設定している先は半数以下となった。
  • 重要なシステムにおけるバックアップデータの破壊・改ざんを想定した対策状況をみると、複数世代の保管やネットワークから直接にはアクセスできない方法での保管を中心に、データの保護対策を講じている先が大半となった。
  • システム資産の管理簿等の整備状況をみると、システム変更の都度更新している、または定期的に内容を確認している先が7~8割程度、そうした管理をしていない先はなお2~3割程度みられた。
  • 最近の手口をみると、データの暗号化と窃取を同時に行い、「ファイルを復旧するための暗号鍵を渡さない」、かつ、「窃取した情報を漏えいする」と脅迫する「二重の脅迫」が過半となっている。また、あらかじめバックアップデータを取得していたものの、システムを復旧できなかった理由をみると、「バックアップも暗号化されていた」が7割弱となっている。ランサムウェア攻撃では、バックアップデータも攻撃対象となっていることを認識し、バックアップデータが破壊・改ざん(暗号化)されないための対策を行うことが重要である。

~NEW~
金融庁 G7サイバー・エキスパート・グループによるクロスボーダー協調演習実施の公表について
▼ 米国財務省プレスリリース「G7サイバー専門家グループ、金融セクターにおける国境を越えた調整演習を実施」
  • G7サイバー専門家グループは2024年4月17日、国境を越えた調整演習を完了した。G7当局は、金融システムに影響を及ぼす広範なサイバーインシデントが発生した場合に、その対応を効果的に調整し、伝達できるよう、日常的に活動している。
  • この演習の主な目的は、金融セクターに影響を及ぼす重大な国境を越えたサイバーインシデントが発生した場合に、危機管理を促進するために、G7の金融当局がそれぞれの対応を効果的に伝達し、調整する能力を強化することでした。この演習は、サイバーインシデント対応、復旧管理、危機コミュニケーションに重点を置いた以前のシミュレーションとワークショップに基づいて行われました。
  • 「今回の演習は、G7のパートナーと協力して、サイバー攻撃に対抗する継続的な取り組みを行う上で、また一つ重要な機会となります」と、ウォーリー・アデエモ副長官はコメントしています。「これらのシミュレーションは、G7諸国が危機発生時に効果的に調整し対応できるようにすることで、世界の金融システムを強化するのに役立ちます。」
  • G7金融当局間の連携を最適化するため、この演習は、すべてのG7国・地域の金融市場インフラ及び事業体に対する大規模なサイバー攻撃を想定した。財務省、中央銀行、銀行監督当局、市場当局など23の金融当局と民間業界関係者が一堂に会した。
  • G7サイバー専門家グループは、このような演習を実施することにより、金融セクターの強靭性を強化し、すべてのG7国・地域における混乱を最小限に抑えることを目指しています。この演習により、G7の金融当局は、インシデントに効果的に対応するために必要な複数の取り組みを引き続き統合することができます。
  • 絶え間なく変化し、相互接続された世界において、国境を越えた調整、インシデント対応の準備、情報交換は、引き続きG7の優先事項である。G7サイバー専門家グループは、サイバーセキュリティに関して継続的に協力し、金融システムにもたらされるサイバー脅威に対応する準備ができている。

~NEW~
金融庁 損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議(第2回)議事次第
▼ 資料1 事務局説明資料、参考資料
  • 大規模代理店に対する監督 問題の背景・真因
    • 保険業法では、(1)保険会社に対して、保険募集人に対する適切な教育・管理・指導を求めるとともに、(2)保険募集人に対して、保険募集の業務に関する体制整備を求めている。また、保険代理店に対しては、監督指針において、保険募集に従事する使用人に対して適切な教育・管理・指導を行うよう求めている。
    • しかし、今般の事案では、特定の保険代理店において適正な保険募集を行うための体制が整備されていなかったほか、損害保険会社による当該代理店に対する適切な教育・管理・指導も行われていなかったことが明らかになった。また、当局は、保険代理店に対してヒアリングや苦情分析等を中心としたモニタリングを行うにとどまっており、上記のような実態を十分に把握できていなかった。
    • その結果、そうした保険代理店においては、募集品質の向上が図られず、顧客に対して網羅的な重要事項の説明を行っていないなど不適切な募集行為が多数認められており、保険契約者等の保護の観点から重大な問題が生じていた。
    • この背景として、損害保険業界においては、保険代理店に販路を大きく依存しているため、大きな収益をもたらす一部の大規模な保険代理店の影響力が非常に大きくなる場合があるという問題がある。こうした場合においては、仮に、そうした保険代理店に対して損害保険会社が教育・管理・指導を実施しようとしても、保険代理店からの反発や、それによる販売シェアの低下等といった営業面への影響が懸念されることから、必要な教育・管理・指導が行えないといった状況に陥ることが考えられる。
    • 〔参考〕近年、大規模なプラットフォーマーが保険代理店として保険募集事業に参入する事例も見られるが、このような動きが進むと、損害保険会社による保険代理店への教育・管理・指導が一層困難になるとの指摘もある。
    • また、大手を中心とした損害保険会社が導入している代理店手数料ポイント制度は、業務品質の伴わない大規模な保険代理店に高いポイントを付与していた状況を鑑みると、規模や増収面を重視し、業務品質を適切かつ十分に評価していないおそれがある。この仕組みが大規模な保険代理店に対して業務品質を軽視する不適切なインセンティブを与えていたおそれもあり、その結果として、不適切な保険募集を誘引するといった懸念が生じている。
  • 代理店手数料ポイント制度 問題の背景・真因
    • 代理店手数料ポイント制度は、代理店手数料の自由化に伴い、2003年4月より、各損害保険会社が独自に導入したものであり、その仕組みや運用方法については、民民間の交渉によって決定されるものである。
    • 金融庁としては、代理店手数料ポイント制度について、これまで、損害保険会社に対し、当該制度の設計や適用の在り方が一方的にならないよう損害保険代理店の意見をしっかり聴取する等、丁寧な対応に努めるよう促すとともに、顧客本位の業務運営の観点から、代理店手数料ポイントに対する業務品質の反映などについても、損害保険代理店からの声も踏まえた対応を求めてきたところ。
    • しかしながら、今般の事案では、特定の損害保険会社が登録取消要件に該当するような問題を抱えていたビッグモーター社に対して、獲得可能なポイントの上限値が他の販売チャネルよりも高くなるディーラーに準じた取扱いとしており、更に規模・増収の状況を中心的な判定要素として高いポイントを適用していたことが明らかになった。また、同社に乗り合っていた他の保険会社においても、当該損害保険会社の水準に手数料ポイントを揃える運用により、追随しているケースも見られた。
    • 損害保険会社は、代理店手数料ポイント制度において、規模や増収面を重視し、保険募集に係る顧客本位の業務運営の観点からみた業務品質を必ずしも適切かつ十分に評価していないおそれがあり、この仕組みが、大規模な保険代理店に業務品質を軽視する不適切なインセンティブを与え、不適切な保険募集を誘引するのではないかといった懸念が生じている。
  • 保険代理店に対する本業支援等 問題の背景・真因
    • 現在、保険会社は、保険代理店等からの物品等の購入や、保険代理店等への職員の出向など、保険代理店に対して様々な形態での本業支援等(便宜供与)を実施している。
    • 現行の保険会社向けの総合的な監督指針においては、こうした便宜供与について、特定の保険代理店に対するものが過度となれば、過当競争の弊害を招きかねないものとして、保険会社に適切な管理を求めている(保険会社向けの総合的な監督指針Ⅱ-4-2-2(17)③ア)。
    • 他方、現在の保険業法上、乗合代理店は保険募集時に顧客に対して複数の保険商品を比較推奨することなどが求められているが、今般の事案では、損害保険会社が乗合代理店に対して積極的な便宜供与を行い、当該代理店が、その見返りとして、顧客に対して当該保険会社の商品を優先的に推奨すれば、顧客の適切な商品選択が阻害されるおそれがあることが明らかになった
      • (大規模)乗合代理店の影響力が高まる中で、損害保険会社がこうした乗合代理店を適切に教育・管理・指導できておらず、乗合代理店からの便宜供与の要望を受け入れざるをえない状況にもなっていたとの指摘もある。
      • 損害保険会社としては、本来、新しい商品・サービスの開発や経営の効率化等に充てられるべきリソースが保険代理店に対する便宜供与に充てられることで、保険契約者等が、本来享受できていたはずの便益(新しい商品・サービスの利用や保険料の低下等)を享受できておらず、顧客本位の業務運営が疎かになっているとの指摘もある。
      • 現在の日本の自動車保険市場においては、各社の商品・サービスの差別化が進んでおらず、多くの乗合代理店では、商品の内容ではなく、損害保険会社による便宜供与の実績に応じて、顧客に優先的に提示・推奨する保険商品を決定する傾向があるとの指摘もある。
    • また、企業向けの保険でも、便宜供与等の保険契約の内容以外の要素が、例えば、顧客が決定する共同保険のシェア等に影響を及ぼす場合があり、これにより、より良い保険条件を提示することでシェア獲得・拡大を目指すという適正な競争に対する損害保険会社の営業担当者の意欲が損なわれたことが保険料調整行為等事案の一因になったとも考えられる。
  • 便宜供与の主な形態・事例
    • 損害保険会社が保険代理店等から物品等を購入・賃借
      • 代理店(自動車関連業を兼業)から社用車の購入、レンタカー、車検受検、給油
      • 代理店等から自社の支店・営業所のためのオフィスを賃借
      • 代理店等から自社のオフィスの什器・備品を購入
      • 企業内代理店の親会社から複合機等を購入
      • 代理店等から社員転勤時の引越サービスや賃貸住宅手配サービスを購入
      • 代理店等からゴルフ・スポーツクラブ・ホテル等の会員権や観戦チケットを購入
      • 社員が代理店等から物品等(ワイン、スーツ、ケーキ、宝くじ、旅行チケット、健康器具、新聞購読等)を購入
    • 損害保険会社が保険代理店等へ物品等を販売・賃貸
      • 保険会社が保有するオフィスを代理店等へ貸与
      • 保険会社の会議室等を代理店等の会議開催等のために貸与
      • 保険会社の社屋の一部を代理店(自動車関連業を兼業)に自動車展示会の会場として貸与
      • 代理店向けの備品の供与
      • 損害保険会社が保険代理店等へ顧客等を紹介
    • 契約者等が事故等を起こした際、代理店(自動車修理業を兼業)を紹介
      • 顧客や自社の社員、取引先等が自動車を購入する際、代理店(自動車関連業を兼業)を紹介
      • 代理店等から要請を受け、自社の社員等に対して、物品等の購入を斡旋
    • 損害保険会社が保険代理店等へ役務を提供
      • 代理店主催イベントへの協力(保険勧誘ブースでの対応支援、イベントのビラ配り等)
      • 保険会社社員による代理店への店舗新規開店時の代理店業務全般に関する一時的な支援
      • 保険会社が保有する土地の情報や取引先等の土地の情報を収集し、代理店等へ情報提供
      • 代理店への保険募集業務に関するシステムの構築支援
      • 代理店(自動車関連業を兼業)専用の照会受付コールセンターを設置(一般には実施していない休日対応を実施)
      • 保険会社が提携する外部のコンサルタントや社内のコンサルタントによる保険業に関するコンサルティングの提供
      • 代理店における保険募集のためのパンフレット等の印刷・提供
    • 損害保険会社が保険代理店等から役務を受領
      • 代理店(自動車関連業を兼業)と役員車の運転手派遣契約を締結
      • 代理店(建設業を兼業)へ自社ビルの建替え工事等を発注
      • 代理店(広告業を兼業)と広告契約を締結
    • 損害保険会社が保険代理店等へ金銭供与・費用負担
      • 代理店等が主催するイベント等に対する協賛金の支払い
      • 特定の市場における販路開拓・コスト削減・販促効果を目的とする保険募集システム開発の費用や商標使用料等の拠出
      • 代理店の保険募集に関する広告費用を負担(代理店が保険募集をする業界団体の機関紙等への広告費用、代理店の店舗に設置するのぼり等の製作費用、代理店Webサイトに保険会社バナー広告を設置する費用等)
  • 保険代理店に対する本業支援等(出向等) 問題の背景・真因
    • 現在、損害保険会社は、保険代理店等に多くの社員を出向させている。保険会社から保険代理店への出向は、一般に、(1)保険代理店の業務品質の向上に資するほか、(2)保険会社にとっても、現場における顧客のニーズを発掘することで新しい商品・サービスの開発に活かせるなど、保険代理店と保険会社の双方にとって利点があるものと考えられる。
      • 〔参考〕保険代理店に出向する社員の多くは、保険代理店における保険募集に関する業務(保険代理店の社員に対する自社の保険商品の説明、募集関連システムの操作方法の教育、法令等遵守に関する教育、内部監査 等)に従事している。
    • また、業界における長年の慣行として、「出向」以外にも、保険会社の社員が自社に在籍したまま、保険代理店におけるバックオフィス業務等を代行する「社員代行」という形態の役務の提供がなされているケースがある。
      • 現在の監督指針上、募集面に関する社員代行(保険会社の役職員が実質的な保険募集を行い、その保険契約を保険代理店の扱いとする等の行為)は不適切な保険募集の端緒になり得る行為として、その把握・管理等適正な措置が求められている(指針Ⅱ-4-2-1(4)②ア(ア))。
    • 他方、保険会社から保険代理店への出向等についても、それが過度なものであれば、他の便宜供与と同様に、顧客の適切な商品選択が阻害されるおそれがある。
      • 〔参考〕大手損害保険会社に対するアンケート調査(2023年3月末時点)の概要
        • 出向者数は約2,370人(4社合計)、出向先は約1,520社(4社累計)。
        • 出向先の内訳(社数ベース)は、保険代理店75%(うち自動車関連業36%)、金融機関3%、一般事業会社10%。
        • 同一の保険代理店等に対する出向者の人数を見ると、2人以内が全体の67%(人数ベース)を占めるが、10人以上出向させているケースも8%存在。
        • 同一の保険代理店等に対する出向者の期間を見ると、2年以内が全体の76%(人数ベース)を占めるが、5年以上出向させているケースも5%存在。
  • 保険代理店に対する本業支援等(入庫紹介) 問題の背景・真因
    • 損害保険会社は、顧客から自動車事故発生の連絡を受けた際、その顧客に修理工場を紹介している(入庫紹介)。この入庫紹介は、顧客へ入庫・修理・支払までの迅速な損害サービスを提供する観点から、顧客・損害保険会社・修理工場にそれぞれメリットがある慣行であると考えられる。
    • 他方、今般の事案では、損害保険会社による入庫紹介の際、
      • その見返りとして修理工場を兼業する保険代理店からの契約獲得を優先し、顧客の意向や要望を確認することなく、多くの顧客に特定の修理工場を紹介していたほか、
      • 特定の修理工場で不正な修理費の請求が行われていたにも関わらず、顧客に対して当該修理工場への紹介を継続していたなど、
    • 自社の利益を優先するあまり、顧客の利益を損ねていたことが明らかになった。
  • 保険代理店の兼業・保険金等支払管理 問題の背景・真因
    • 一般に、自動車修理工場など本業に付随した保険金の支払いを受けることで利益を得られる事業(以下、便宜上「保険金関連事業」という)を営む者には、保険会社に対して過大な修理費等の請求を行うインセンティブが働く場合がある。他方、現在の監督指針では、保険会社に対して適切な保険金等支払管理態勢の構築を求めており、これが適切に機能していれば、仮に自動車修理工場等から過大な修理費等の請求を受けたとしても、自社ひいては保険契約者に本来必要のない負担が生じることを防ぐ観点から、過大な保険金の支払いは未然に防止されるはずである。
    • しかしながら、今般の事案では、保険代理店が保険金関連事業を兼業しており、かつ、当該代理店が大規模な収益をもたらすなど、損害保険会社にとって影響力の大きい存在であったことから、損害保険会社において、過大な保険金を支払うことによる短期的な損失を甘受しても当該代理店との長期的な関係維持を優先するといった営業偏重のスタンスが、支払管理部門を含めた社内に浸透していたことで、保険金等支払管理態勢が適切に機能しなくなっていた。
    • そのため、過大な保険金の支払いであることを認識しながらも、その保険金を支払ってしまうことで、保険契約者にとって、保険料の増加というかたちで、本来必要ない負担が生じていたおそれがあり、ひいては、損害保険会社や保険代理店における顧客本位の業務運営が阻害されていたものと考えられる。

~NEW~
金融庁 バーゼル銀行監督委員会による議事要旨の公表について
▼ プレス・リリース(仮訳)
  • 国際的な監督コミュニティがグローバルな銀行監督・規制の今後の課題について議論
  • 銀行監督者国際会議(以下、「ICBS」)は、「実効的な銀行監督のためのコアとなる諸原則」(以下、「バーゼル・コア・プリンシプル」)の改訂を採択。
  • バーゼル銀行監督委員会(以下、「バーゼル委」)は、銀行によるカウンターパーティ信用リスク管理を強化するためのガイドラインについて市中協議を行うことに合意。
  • 金融のデジタル化に関する分析報告書を公表することに合意。
  • 4月24日から25日にかけてスイス・バーゼルで開催された第23回ICBSには、90を超える法域から、220名を超える中央銀行・銀行監督当局者が参加した。本会議には、バーゼル委の設立50周年を記念するプログラムが含まれていた。参加者は、この機会に、過去半世紀にわたるバーゼル委の成果を振り返り、銀行及び監督当局者の見通しやバーゼル委の今後の作業へのインプリケーションについて意見交換した。
  • 参加者は、銀行及び銀行システムの健全性に関する規制及び監督のための国際基準である、バーゼル・コア・プリンシプルの改訂版を採択した。バーゼル委は、監督及び規制上の進展、銀行システムに影響を与える構造的変化、並びに2012年の前回の見直し以降に得られた教訓を反映させることを目的として、2022年にバーゼル・コア・プリンシプルの見直し作業を開始した。改訂された基準は以下の変更を反映している。
    • 金融リスクを軽減し、監督のマクロプルーデンスに係る側面を強化するための教訓を組み込むこと。
    • オペレーショナル・レジリエンスを促進すること。
    • コーポレート・ガバナンス及びリスク管理実務を強化すること。
    • 金融のデジタル化及び気候関連金融リスクを含む、新たなリスクに対処すること。
  • バーゼル・コア・プリンシプルは普遍的に適用され、様々な銀行システム及び広範な種類の銀行に対応している。バーゼル・コア・プリンシプルは、監督当局が規制・監督上の枠組みの有効性を評価する際に用いられる。また、国際通貨基金(IMF)や世界銀行が金融セクター評価プログラム(FSAP)の一環として、各国の銀行監督システムや実務の実効性を評価する際にも用いられている。改訂された基準は、バーゼル委のメンバー及びメンバー以外の法域、IMF、世界銀行から構成されるタスクフォースによって策定された。
  • 参加者は、実効的な監督及び銀行リスク管理実務の重要性を再確認し、改訂された基準を完全に実施することにコミットした。
  • バーゼル委議長であるパブロ・エルナンデス・デ・コス氏は以下のように述べた。
    • 「今年のICBSは、過去50年間のバーゼル委の成果を記念し、グローバルな銀行システムに影響を与えるリスクや構造的変化の進展を見据える上で、世界中の中央銀行や銀行監督当局にとって歴史的な節目となるイベントであった。参加者はまた、バーゼルⅢ基準が有益であること、そしてその基準を各メンバー法域が完全かつ整合的な形で、可能な限り早期に実施することが重要であることを確認した。より一般的に言えば、ICBSは、グローバルな金融システムの下、銀行が高い相互連関性を持つ世界における、クロスボーダーの協力に対する継続的なコミットメントを際立たせた。」
  • バーゼル委は、ICBSに先立ち、4月23日に会合を開催した。
    • 銀行によるカウンターパーティ信用リスク管理のためのガイドラインに関する市中協議文書の公表を承認した。提案されたガイドラインは、最近のノンバンク金融仲介の経営難から得られた教訓を反映しており、バーゼル委による既存の「銀行と、レバレッジの高い業務を行う機関との取引に関する健全な実務のあり方」に代わるものである。市中協議文書は来週公表される。
    • 金融のデジタル化に関する分析報告書を公表することに合意した。本報告書は、2018年に公表した「サウンド・プラクティス:FinTechの発展がもたらす銀行及び銀行監督当局へのインプリケーション」に基づいており、金融のデジタル化における最近の進展並びに規制・監督上の含意をストックテイクしている。本報告書は本年5月に公表される予定。

~NEW~
金融庁 「ASEAN諸国における金融分野での気候関連テクノロジーの動向および各国の取り組みに関する委託調査」報告書の公表について
▼ (別添1)「ASEAN諸国における金融分野での気候関連テクノロジーの動向および各国の取り組みに関する委託調査」報告書
  • はじめに
    • 2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、法制度の整備や技術の活用など、官民様々な取り組みが進められている。2023年5月のG20財務大臣・中央銀行総裁共同声明においては、経済全体の脱炭素化を推進する上でトランジション・ファイナンスが重要な役割を果たしていることを確認したうえで、科学に基づく、脱炭素移行関連の情報の入手可能性と信頼性を強化することが奨励されるなど、金融分野における気候変動関連テクノロジー(グリーンフィンテック)の活用が期待されている。
    • また、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が2023年6月に公表したサステナビリティ開示基準の最終版(IFRS S2)には、スコープ1(直接的)、スコープ2(電力購入など間接的)に加えて、スコープ3(サプライヤー・利用者)の温室効果ガス(GHG)排出量の開示や社内炭素価格、利用予定のカーボンクレジットに関する情報開示などが含まれている。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言と整合的であり、今後、世界のサステナビリティ情報開示のベースとなることが想定される。しかしながら、KPMGコンサルティングの調査1によると、世界の大企業の75%がデータ不足等を主因にESG規制要件を満たす準備ができていないとされる。
    • 近年、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国でも、グリーンファイナンスのロードマップや行動計画の策定、気候リスクなどに関する規制やタクソノミーの導入、金融機関や企業に対するサステナビリティ報告の義務付けなどが進められている。もっとも現時点では、気候・環境関連の情報開示は任意とされている国も少なくなく、国および企業毎に報告慣行は多様であり、投資家などが企業の気候変動に伴う機会やリスクを正しく把握することは依然難しい状況である。特に零細・中小企業などでは、コスト(資金)・技術・人材などの面でリソースが限られる点が課題として指摘されるが、規制の遵守に加えて、中長期的な投資資金および人材の確保に向けて対応は不可避となっている。
    • 本調査では、以上のような背景・問題意識に基づき、ASEAN各国におけるグリーントランスフォーメーション(GX)に向けた取り組みやグリーンフィンテックの動向(テクノロジー企業や投資家の動向等を含む)、課題等を踏まえたうえで、日本がアジアにおけるGXを金融面から推進するための協力・技術支援の余地等を検討することが目的となる。
  • 要約
    • 近年、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国でも、グリーンファイナンスのロードマップや行動計画の策定、気候リスクなどに関する規制やタクソノミーの導入、金融機関や企業に対するサステナビリティ報告の義務付けなどが進められている。
      1. 気候変動関連の情報開示状況
        • ASEANにおいては、上場企業に対するサステナビリティ全般(ESG目標と、それに対する企業の進捗状況)に関する情報開示が義務付けられており、各国のサステナビリティ報告の実施割合は総じて高いとみられる。一方、気候変動に関する情報開示については、今後の実施予定を含めて義務付けが始まったばかりの国が多く、TCFDの提言に沿った気候変動関連情報開示義務化やISSB基準の気候変動に関する情報開示の自国のフレームワークへの採用(計画の公表・策定中)は一部の国にとどまっている。大手コンサルティング会社PwCがアジア太平洋14ヵ国・地域の大企業を対象に行った調査3によると、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピンでは「スコープ1」・「スコープ2」の開示割合が8~9割(インドネシアは6割)に達するのに対して、「スコープ3」については最小限(1~5カテゴリー)の開示で2~4割程度、包括的(11~15カテゴリー)開示は1割にも満たず、情報開示改善の余地は大きい。
        • ただし、2023年5月にEUで施行された「炭素国境調整メカニズム(CBAM)」といった欧州を中心とする規制強化やASEAN各国に拠点を置くグローバル企業、投資家からの要請の強まりもあり、各国政府の施策や企業の対応に影響を及ぼしつつある。
      2. カーボンプライシング(カーボンクレジット・炭素税・排出量取引)
        • ASEAN各国でも、ネットゼロ目標の実現に向けた行動を促すためのインセンティブの一つとして、ボランタリーカーボンクレジット市場に加えて、排出量取引(ETS)や炭素税を導入する国が増えつつある。
        • ボランタリー市場については、フィリピンを除くASEAN主要国で既に設立されており、シンガポール、マレーシアでは国際的な認証スキームによる炭素クレジット取引が開始されている。もっとも、タイやインドネシアにおける炭素クレジットを取引するプラットフォーム上でのカーボンクレジットの取引はあまり活発でないとみられる。ETSについては、2023年にインドネシアが石炭火力発電を対象に導入している。
        • 炭素税については、シンガポールで既に導入されているが、課税水準の低さが課題となっている。インドネシアは、炭素税の導入予定が2022年から2025年に延期されている。このほか、パリ協定第6条に基づくカーボンクレジットに関する二国間協力も進展しつつある。
      3. グリーンフィンテックの活用に向けた政策・支援策および状況
        • グリーンおよびサステナブルファイナンスで直面する主要な課題の1つとして、高品質で一貫性のある詳細なデータへのアクセスが困難であるため、投資家などが企業の気候変動に伴う機会やリスクを正しく把握することが難しいことが指摘されている。テクノロジーを活用して、こうしたデータギャップに対処することで、金融機関はより測定可能な方法でグリーンおよびサステナブルなプロジェクトに資本を振り向けることが可能となる。
        • グリーンフィンテックの活用に向けた政府・金融当局の明確な戦略および資金面を含む支援策においては、シンガポールがASEAN諸国の中で群を抜いている。企業のGHG排出量の算定・可視化・報告等を支援するサービスを提供する民間のテクノロジー企業は多岐にわたり、地場系のほか、欧米諸国や日本、香港などを拠点とするテクノロジー企業のサービス展開も活発化しつつある。一方、他のASEAN諸国では、関連の法整備の途上にあり、気候変動情報開示が義務化されていない(義務化のスケジュールは示されているが、実施までにまだ時間がある)国については、必然的にグリーンフィンテックの活動は弱い。こうした中、「スコープ1」および「スコープ2」の算出については、民間事業者が提供するサービスに加えて、シンガポールでは、STACSのESGpediaや、aiといった金融当局等が主導して立ち上げたプラットフォームが無料あるいは低コストで利用が可能となっている。一方、「スコープ3」の算出を含む高付加価値の機能やサービスについては有料となるケースが多く、シンガポールや日本、欧米諸国のテクノロジー企業がASEAN諸国に事業拡大を模索する動きがみられる。
        • グリーンフィンテックの活動が限られる理由は、国によって様々であるが、共通する主な問題として、大きく以下の5点が挙げられる。
          • 法整備や実施細則の整備の遅れ、政策(気候変動情報開示時期・内容等)の不透明さ
          • グリーンフィンテック(特に高付加価値サービス)やグリーンファイナンス利用に関するインセンティブの不足(コスト負担、メリット等)
          • 気候変動に関連するデータの不足
          • 企業の気候変動対応や情報開示に関する理解や知識・人材の不足
          • 経済成長や金融包摂など、気候変動以前に対処すべき経済・社会課題が山積しているため、フィンテックの活動も当該分野にフォーカスしたものが多いこと
        • こうした課題を踏まえ、今後のASEANのGX加速に向けては、まず日本における脱炭素化とグリーンファイナンスを加速させ、アジア地域のスタンダードを率先して引き上げていくことが期待される。そのうえで、ASEAN各国政府に対しては、気候変動関連情報開示の強化やカーボンプライシング等に関して、時間軸および強制力を伴う形で政策の方向性を明確にすることと併せて、中小企業を含むサプライチェーン全体の脱炭素化を可能とするようなインセンティブの枠組みの構築を後押しすることが期待される。

~NEW~
金融庁 ベンチャーキャピタルに関する有識者会議(第1回)議事次第
▼ 資料2-1 事務局説明資料(これまでの経緯と取り巻く環境等)
  • 金融審議会 市場制度ワーキング・グループ・資産運用に関するタスクフォース報告書の概要
    • 家計からの投資の運用を担い、リターンを生み出す資産運用会社の高度化を図るとともに、企業への成長資金の供給を促し、その成果を家計に還元することで、インベストメント・チェーンを通じた「成長と分配の好循環」を推進し、資産運用立国の実現に向けた取組みを進める。
      • 資産運用会社の高度化 家計を含む投資家へのリターン向上、投資先の企業価値の向上
        • 投資運用業の参入要件の緩和(ミドル・バックオフィス業務の委託等)★(要法改正事項)
        • 新興運用業者促進プログラム(日本版EMP)の実施
        • 大手金融グループにおける運用力向上やガバナンス改善・体制強化
        • 金融商品の品質管理を行うプロダクトガバナンスに関する原則の策定
        • 投資信託に関する日本独自の慣行の見直し(一者計算の促進等)
      • アセットオーナーに対する金融機関の取組み 顧客等の最善利益の確保
        • 金融機関による顧客等の最善利益を確保する観点からの運用や、DC加入者への運用商品の適切な選定・提案、情報提供の充実を促進
      • スチュワードシップ活動の実質化 日本企業・日本市場の魅力向上
        • 企業価値向上に向けた対話促進のための大量保有報告制度の見直し等★
      • 成長資金の供給と運用対象の多様化 スタートアップの活性化、収益機会の拡大
        • ベンチャーキャピタル向けのプリンシプルの策定
        • 非上場株式を組み入れた投資信託・投資法人の活用促進
        • 投資型クラウドファンディングの活性化
        • 事後交付型株式報酬に係る開示規制の明確化
        • 非上場有価証券のセカンダリー取引の活性化(仲介業者の規制緩和)★
      • 家計の投資環境の改善 金融リテラシーの向上、貯蓄から投資への推進
        • 金融経済教育推進機構を中心とした金融経済教育の推進
        • 累積投資契約のクレジットカード決済上限額の引上げ(5万円から10万円に)
  • ベンチャーキャピタル・プリンシプルの策定
    • 長期運用に資するアセットクラスとしてのベンチャーキャピタル(VC)の魅力を高め、VC業界の発展を後押しすることが重要。このため、金融審議会の報告では、VC向けのプリンシプルを示すことで、VCの属性等に応じ、広く機関投資家から資金調達を行うVC全体のガバナンス等の水準を向上させることとされている
    • 広く機関投資家からLP出資を獲得することを目指すVCについて、例えば以下の課題の改善に向けた取組みを後押しするプリンシプルを示すことが考えられる。
    • 情報提供:公正価値(時価)ではない評価の実施
    • ガバナンス:複数ファンドや他事業運営といった兼業
    • 投資先支援:日本独自の投資条件による資本提供(例:上場を実質的な投資の与件として設定) 等
  • ベンチャーキャピタルを取り巻く環境
    • VCへの資金供給者を日米で比較すると、日本では事業法人や銀行等の預金取扱金融機関が約半数を占めている。一方、米国では年金基金や財団、寄付基金、保険会社が6割程度を占めている。
    • 国内スタートアップの資金調達額は、年々増加傾向であり、2022年は1兆円に迫る水準。
    • 国内スタートアップに投資を行う主体のうち、VCによる投資額は全体の37%を占め、スタートアップへの資金供給において、重要な役割を果たしている。
    • 2023年に組成された我が国のVCファンドのうち、100億円を超えるVCファンドの割合は11.3%(115ファンドのうち13ファンド)である一方、2021年に組成された米国VCのうち、1億ドルを超えるVCの割合は36.4%に及ぶ。
    • 2023年における我が国のVCによる投資額は、独立系VCの占める割合が最も多く(40.8%)、CVCの割合は10.4%であった。
    • ILPA(Institutional Limited Partners Association)は、非上場株式投資におけるベスト・プラクティスとしてPrivate Equity Principlesを策定(2009年9月に公表(2011年・2019年に改訂、現在は第3版))。運用主体たるGPと出資主体たるLPの双方が本プリンシプルの考え方を理解し、対話および議論を促すことが目的とされている。
    • ILPA Reporting Template Guidanceはプライベート・エクイティ業界における情報提供に関する実務慣行をより統一することを促進し、LPに必要な情報が提供されること、およびGPにおける報告負担を軽減するために、2016年に公表されている。Reporting Templateとして、資本勘定計算書、コミットメント、報酬・費用の配分表、等の様式が示されている。
    • ILPAは、非上場株式投資を行うLPのために設立された国際的な非営利団体であり、LP間の情報共有の場となっている。現時点において、約50か国の約600の会員機関が所属しており、世界の機関投資家のプライベート・エクイティ向けAUMの50%を占める。日本では、GPIF、企業年金連合会、ゆうちょ銀行、産業革新投資機構(JIC)等が所属している。
  • 「我が国のベンチャー・エコシステムの高度化に向けた提言」(2023年4月25日)
    • 日本取締役協会スタートアップ委員会により、ユニコーン企業の輩出を目指して、国内ベンチャー・エコシステムの環境整備を図るための提言書が公表されている。
    • 提言書において、投資家等を名宛人として、グローバルマーケットでの勝負を目指す日本のスタートアップ(「G型スタートアップ」)の育成を支援する投資家の関与の在り方や、グローバルな投資家からの投資を呼び込むために、国内ベンチャー・キャピタルにおいて必要なガバナンス等について、提言がなされている。

~NEW~
警察庁 犯罪統計資料(令和6年1~3月分)
  • 令和6年1~3月の刑法犯総数について、認知件数は157,566件(前年同期154,514件、前年同期比+2.0%)、検挙件数は66,425件(61,276件、+8.4%)、検挙率は42.2%(39.7%、+2.5P)
  • 凶悪犯の認知件数は1,532件(1,153件、+32.9%)、検挙件数は1,334件(1,002件、+33.1%)、検挙率は87.1%(86.9%、+0.2P)、粗暴犯の認知件数は12,718件(13,579件、▲6.3%)、検挙件数は11,129件(11,150件、▲0.2%)、検挙率は87.5%(82.1%、+5.4P)、窃盗犯の認知件数は106,132件(104,971件、+1.1%)、検挙件数は38,711件(35,871件、+7.9%)、検挙率は36.5%(34.2%、+2.3P)、知能犯の認知件数は13,456件(11,299件、+19.1%)、検挙件数は4,602件(4,740件、▲2.9%)、検挙率は34.2%(42.0%、▲7.8P)、風俗犯の認知件数は3,580件(1,683件、+112.7%)、検挙件数は3,088件(1,510件、+104.5%)、検挙率は86.3%(89.7%、▲3.4P)
  • 詐欺の認知件数は12,215件(10,409件、+17.4%)、検挙件数は3,728件(4,071件、▲8.4%)、検挙率は30.5%(39.1%、▲8.6P)、万引きの認知件数は23,723件(22,962件、+3.3%)、検挙件数は16,073件(14,869件、+8.1%)、検挙率は67.8%(64.8%、+3.0P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数は14,793件(15,878件、▲6.8%)、検挙人員は11,919人(13,022人、▲8.3%)、入管法違反の検挙件数は1,189件(1,302件、▲8.7%)、検挙人員は832人(936人、▲11.1%)、軽犯罪法違反の検挙件数は1,512件(1,738件、▲13.0%)、検挙人員は1,531人(1,741人、▲12.1%)、迷惑防止条例違反の検挙件数は1,476件(2,512件、▲41.2%)、検挙人員は1,051人(1,941人、▲45.9%)、ストーカー規制法違反の検挙件数は276件(294件、▲6.1%)、検挙人員は221人(246人、▲10.2%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は1,062件(817件、+30.0%)、検挙人員は807人(610人、+32.3%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は114件(118件、▲3.4%)、検挙人員は42人(29人、+44.8%)、銃刀法違反の検挙件数は1,029件(1,122件、▲8.3%)、検挙人員は901人(940人、▲4.1%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は339件(243件、+39.5%)、検挙人員は194人(154人、+26.0%)、大麻取締法違反の検挙件数は1,544件(1,505件、+2.6%)、検挙人員は1,254人(1,201人、+4.4%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は1,671人(1,564人、+6.8%)、検挙人員は1,122人(1,056人、+6.3%)
  • 来日外国人による 重要犯罪・重要窃盗犯 国籍別 検挙人員 対前年比較について、総数は201人(135人、+48.9%)、ベトナム64人(43人、48.8%)、中国29人(18人、+61.1%)、ブラジル15人(6人、+150.0%)、フィリピン14人(6人、+133.3%)
  • 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別 検挙件数・検挙人員 対前年比較、刑法犯総数について、検挙件数は1,957件(2,593件、▲24.5%)、検挙人員は1,085人(1,437人、▲24.5%)
  • 強盗の検挙件数は13件(27件、▲51.9%)、検挙人員は26人(49人、▲46.9%)、暴行の検挙件数は102件(148件、▲31.1%)、検挙人員は95人(130人、▲26.9%)、傷害の検挙件数は181件(237件、▲23.6%)、検挙人員は200人(264人、▲24.2%)、脅迫の検挙件数は60件(79件、▲24.1%)、検挙人員は56人(71人、▲21.1%)、恐喝の検挙件数は66件(89件、▲25.8%)、検挙人員は79人(91人、▲13.2%)、窃盗の検挙件数は907件(1,234件、▲26.5%)、検挙人員は159人(185人、▲14.1%)、詐欺の検挙件数は335件(487件、▲31.2%)、検挙人員は216人(390人、▲44.6%)、賭博の検挙件数は33件(10件、+230.0%)、検挙人員は15人(42人、▲64.3%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)主要法令別 検挙件数・検挙人員 対前年比較、特別法犯総数について、検挙件数は888件(1,071件、▲17.1%)、検挙人員は592人(682人、▲13.2%)
  • 入管法違反の検挙件数は10件(3件、+233.3%)、検挙人員は7人(1人、+600.0%)、軽犯罪法違反の検挙件数は8件(23件、▲65.2%)、検挙人員は8人(15人、▲46.7%)、暴力団排除条例違反の検挙件数は30件(6件、+400.0%)、検挙人員は33人(17人、+94.1%)、銃刀法違反の検挙件数は19人(15人、+26.7%)、検挙人員は13人(10人、+30.0%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は31件(34件、▲8.8%)、検挙人員は7人(18人、▲61.1%)、大麻取締法違反の検挙件数は150件(250件、▲40.0%)、検挙人員は92人(152人、▲39.5%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は483件(560件、▲13.8%)、検挙人員は332人(336人、▲1.2%)、麻薬特例法違反の検挙件数は19件(32件、▲40.6%)、検挙人員は5人(12人、▲58.3%)

~NEW~
警察庁 「犯罪被害給付制度の抜本的強化に関する有識者検討会」の取りまとめについて
▼ 概要
  • 犯罪被害給付制度の見直しに関する提言
    • 早期に解消すべき課題
      • 幼いこども等の収入がない方が犯罪被害により亡くなった場合の遺族に対する給付額が十分ではない
      • 残された遺族が精神的ショック等から十分に就労できなくなることなど、犯罪被害者本人の収入途絶以外にも、経済的に大きな打撃を受ける実態があることを踏まえて、給付額の算定を見直すべき
    • 提言
      • 現行制度の性格を前提に、以下の3点を早期に実現すべき
        • 遺族給付金の支給最低額の一律引上げ
        • 遺族自身に生じる影響を踏まえた遺族給付金の支給額の増額
        • 休業加算額及び障害給付金の支給最低額の一律引上げ
      • 提言に基づき、速やかに犯罪被害給付制度の見直しを図り、早期に犯罪被害者等に対する経済的支援を充実させるべき
  • 残された課題
    • 算定式の更なる見直しについて
      • 犯罪被害の実態を踏まえて、他の公的給付等制度にとらわれない独自の算定をすべきではないか
      • 財源、給付の性質等の観点から、公的給付制度間の均衡を崩してしまうことにならないか
    • 「立替払」について
      • 国が損害賠償額を立て替えて支払い、加害者に求償すべきではないか
      • 加害者に一義的責任がある中で、立て替えとはいえ、国が損害賠償額を支払うことをどう根拠付けるのか
    • 損害回復・経済的支援の在り方について
      • 犯罪被害からの回復を考えるときには、民事上の損害を基本に考えるべきではないか
      • 慰謝料の算定方法などを踏まえると、経済的支援を考える際に、民事上の損害をそのまま参照して良いのか
      • 一般の社会保障制度も含めた制度全体の中での位置付けや、国、地方公共団体等による様々な支援施策を全体として考える必要
    • 財源について
      • 財政的支出を伴う制度である以上、財源の検討は必要不可欠
      • 国民負担と給付水準に関する国の在り方の議論に関わる
        • ※ 一般財源のほか、罰金の活用、有罪判決を受けた者に対する課徴金等の賦課、保険料等の徴収等のアイデアも挙げられているが、いずれも課題がある。
    • 過去に犯罪被害を受けた方について
      • 寄り添い支援や、様々な支援制度を全体として活用していくべき
    • 加害者の責任履行も含め、損害回復・経済的支援等への取組の在り方については、様々な視点から検討が必要

~NEW~
内閣府 令和6年能登半島地震 復旧・復興支援本部
▼ 第5回(令和6年4月23日) 資料
  • 石川県は創造的復興との考え方で能登半島地震からの復興のビジョンを策定中。
    • ※ 「石川県創造的復興プラン(仮称)骨子案」公表(令和6年3月28日)。
    • ※ 過去の震災で復旧・復興支援に携わった有識者を中心に構成する「アドバイザリーボード会議」や被災市町の皆さんなどと対話する「のと未来トーク」などからの意見を踏まえ、6月議会前(5月下旬)までにプランの最終案を取りまとめる予定。
  • 政府として、被災自治体と緊密に連携し、そのニーズや状況変化を踏まえ、必要な対策と財政支援を通じて自治体が考える地域の将来像の実現を後押ししていく。
  • 上下水道の宅内配管工事の加速について
    • 国土交通省が、宅内配管の修繕に対応可能な工事業者の情報について電話調査を実施(4月10日から)、結果をリストにして整理。県HP等で掲載し、広く情報の周知を図る。
    • 4月16日時点で4市町で対応可能な工事業者は、現時点で対応可能が計24者、5月に対応可能が計51者、6月に対応可能が計62者、という状況。
    • 対応困難とする理由としては、「他の宅内配管工事のため」とする理由が最も多かったため、県内の工事業者を対象に追加して、対応可能な工事業者の掘り起こしを進める。
    • さらに迅速な復旧が図られるよう、各市町の復旧等の状況を踏まえ、住民・事業者の意向を尊重しつつ、県と連携し、宅内配管工事の加速に向けた対応について検討
  • 能登半島へのアクセス確保
    • 1/2・北陸道などの高速道路(NEXCO・公社管理)の通行止め解除・能登半島へのアクセス道路の緊急復旧に着手・普通車について、輪島・珠洲市までアクセス確保(大型車について、1/4確保)
    • 1/9・緊急復旧により、半島内の幹線道路の約8割が通行可(1/15約9割まで進捗)
    • 1/14・総理大臣の指示を受け、権限代行に関する調整に着手
    • 1/23・国が石川県に代わり本格的な災害復旧を代行することを決定
    • 3/26・社会資本整備審議会道路技術小委員会において、道路構造物の技術基準の方向性を公表
  • 令和6年能登半島地震による港湾・港湾海岸の現況と対応方針
    • 能登地域の港湾では、港湾全体に被害が及んでおり、石川県からの要請により、七尾港、輪島港、飯田港、小木港、宇出津港、穴水港の計6港について、1月2日より港湾法に基づき、港湾施設の一部管理を国土交通省にて実施している。
    • また、石川県、富山県、七尾市からの要請により、上記6港に伏木富山港、和倉港を加えた計8港2海岸について、大規模災害復興法に基づく代行復旧により、「海上支援物資輸送拠点」「生業再開支援拠点」「建設資材供給拠点」「再度災害防止」の各方針に沿って、本格的な復旧作業を迅速に進める(2月1日決定)。
    • 概ね、2年以内の復旧完了を目指すとした復旧設計方針を策定(3月25日)。
  • 中小企業・小規模事業者向け支援施策の状況
    1. なりわい再建
      • なりわい補助金:44件交付決定(2県)、随時公募中 相談受付体制強化【4月1日~】
      • 小規模持続化補助金:256件採択(4県)、2次公募中
      • 商店街支援:[イベント等]27件採択(4県)、現在公募中 [施設等復旧]2/28から受付中
      • 仮設施設整備支援:仮設宿泊施設(空港、珠洲市、穴水町) 仮設商店街整備(穴水町等)
      • 金融支援:日本公庫金利引き下げ、災害関係保証 等
    2. 官民ファンドを通じた対応
      • いわゆる二重債務問題に対応するため、既往債務に係る債権買取や出資を実施すべく、中小機構、REVIC等が出資する、100億円規模のファンドを設立。
      • 4月1日(月)にファンドの相談窓口である「能登産業復興相談センター」を開設し、相談対応を開始
    3. クラウドファンディング支援等 ※中小機構による対応
      • クラウドファンディング
      • ビジネスマッチング支援(ジェグテック):相談対応339件
      • 復興支援アドバイザー派遣:派遣件数52件
      • 復興応援フェアの開催(物産展)等:出展事業者:109者
    4. 伝統産業の復興
      • 仮設工房:第1弾オープン(4/1)、第2弾を調整中
      • 伝統的工芸品補助:一次公募:39件採択(3県)二次公募:4月19日から6月28日まで公募
      • 外交や在外公館を活用したPR
    5. 観光産業の復興
      • 将来の「まちづくり」も視野に入れた総合的な対応
      • 金融支援、ハンズオン支援
    6. 工業用水の復旧(新潟県、富山県)
      • 工業用水道施設の復旧支援:通水はすべて復旧済み
  • 電力の復旧状況
    • 石川県内において発災時約4万戸の停電が発生したが、安全確保等の観点から電気の利用ができない家屋等※を除き復旧。
      • ※北陸電力送配電が保安上の措置を実施:約300戸(4/19 12時時点)
  • 住まいの確保に向けた取組
    • 住まいを失った被災者の方々に、1日も早く、応急的な住まいに移っていただくことが必要。
    • このため、2次避難の推進や公営住宅・民間賃貸住宅の空室活用、応急仮設住宅の建設を速やかに進める。
    • 現時点での必要戸数(6,610戸)の8割超を着工済。地域の意向を丁寧に伺いつつ、市町と連携し、地域型の木造仮設住宅等の建設を進める。
  • 応急仮設住宅の建設・完成状況
    • 応急仮設住宅については、これまでに5,382戸着工し、うち1,957戸が完成済み。
    • ムービングハウス、トレーラーハウス、プレハブ、木造(まちづくり型)、木造(ふるさと回帰型)など、多様な応急仮設住宅の建設を推進。
  • 介護・障害福祉サービス事業所の復旧等について
    • 被災地の介護・障害福祉サービス提供体制・地域コミュニティの回復に向けて、建物・設備等の復旧とあわせて、サービス再開支援を行うとともに、仮設住宅の建設に併せたサポート拠点(地域コミュニティ拠点)の整備を迅速に進めることが必要。復旧に向け以下の通り取り組む。
      1. 関係団体等と連携し、被災地の高齢者施設、障害福祉施設等に応援職員を派遣し、被災高齢者の暮らしを支援。また、予備費も活用し、応援派遣に係る経費を支援するとともに、再開に伴うかかり増し経費を支援。
      2. 予備費を活用し、仮設住宅内等に、高齢者・障害者等に対する総合相談、食事や入浴等を提供するデイサービス機能など、総合的な機能を有するサポート拠点の設置に係る経費を支援。
  • 被災者の健康を守る取組について
    • 被災者の健康支援や福祉ニーズの把握により、適切な支援につなげるため、介護支援専門員や相談支援専門員等を中心に、在宅や仮設住宅入居者等の被災者を訪問し、見守り・相談支援を実施。
    • 被災された在宅の要介護高齢者等については、被災高齢者等把握事業を活用して、関係団体との連携の下、ケアマネジャーなどの派遣を順次進め、個別訪問等による早期の状態把握や必要な支援へのつなぎ等を実施。
    • 応急仮設住宅に入居した被災者等に対する見守りや日常生活上の相談支援等を実施。
    • 支援に関する情報共有など、各事業を十分な連携のもと実施。
    • 今後、石川県において、サポート拠点(地域コミュニティ拠点)(※)の整備を検討中であり、厚労省においても、石川県と連携し、被災者の状況に応じた切れ目のない支援を実施に向けて取り組む。 ※ 予備費を活用し、仮設住宅内等に、高齢者・障害者等に対する総合相談、食事や入浴等を提供するデイサービス機能など、総合的な機能を有する拠点の設置を支援。
  • 農業関係・林野関係の取組状況
    • 農地等への被害が大きい奥能登地域では、被害のなかった水田と応急復旧により作付け可能となる水田(約1,600ha)での田植えに向け、第一弾として約1,200ha相当の種苗供給を開始。水稲が作付けできない水田では、大豆・そば等への転換を進める。また、収穫に間に合うよう、各地の乾燥調製施設、集出荷貯蔵施設等の復旧を支援。
    • 国直轄による災害復旧等事業を奥能登地域7箇所で着手し、現地へ林野庁職員(治山技術者)を配備しつつ、本格復旧に向けても継続的に支援。木材加工流通や特用林産施設等の復旧についても、被災県と連携しつつ現地に寄り添って支援。
  • 漁業再開・漁港の復旧復興に向けた取組状況
    • 漁業再開の状況としては、(1)石川県では、①輪島地域で再開に向けた取組(漁船移動等)を実施中、一部の素潜り漁が再開、べにずわい漁業は金沢港を拠点に再開、②その他の地域では底びき網漁業、定置網漁業等が一部再開し、蛸島、宇出津、富来等で水揚げ、(2)富山県では定置網等が再開し、氷見、新湊等で水揚げ、(3)新潟県では概ね支障なし。
  • 休漁中の漁業者に対しては、漁場復旧のための活動を支援し、生活を下支え(輪島市の海女漁業者も活動に参加。)。
    • 国も協力し、石川県は「能登の水産関係港の復興に向けた協議会」を設置し、議論を開始。
    • 漁協の各支所の訪問など、きめ細かな現地対応力強化のため、水産庁職員が活動する拠点を金沢市から奥能登地域へ移転。
  • 令和6年能登半島地震による土砂災害対策状況
    • 河道閉塞等が発生した箇所については、今後の降雨により二次災害が発生するおそれが高いため、国による緊急的な土砂災害対策等を推進。そのうち、河原田川では堆積土砂の掘削等により家屋浸水を解消し、緊急対策としての通水を確保。町野川等では出水期までに、応急的な対策として仮設ブロック堰堤等を整備。
    • 国道249号沿岸部の地すべり発生箇所において、道路復旧工事と連携して国による緊急的な土砂災害対策を推進。
    • 上記以外で地すべりが発生し、二次災害が発生するおそれが高い箇所(21箇所)において、石川県・新潟県による緊急的な土砂災害対策を実施し、一部箇所では応急的な対策が完了。
  • 令和6年能登半島地震 能登半島 道路の緊急復旧の状況
    • 1/2から幹線道路の緊急復旧に着手。24時間体制を構築し、地元を中心とした各建設業協会や(一社)日本建設業連合会の応援を受け、緊急復旧作業を順次実施。
    • 沿岸部では被災箇所が多数確認されているため、自衛隊と連携し、内陸側・海側の両方からくしの歯状の緊急復旧も進めており、13方向で通路を確保。
    • 孤立集落は1/19に実質的に解消。引き続き、水道・電力などの要望、自治体の要請を踏まえ、緊急復旧を実施。
  • 液状化災害の再発防止に向けた対策等検討調査
    • 令和6年1月の能登半島地震により、甚大な被害が発生した市町に対し、国では、直轄調査により復興まちづくり計画の策定や液状化被害からの復興対策の検討調査を行っているところ(令和5年度予備費)。
    • 調査を進めた結果、地震による家屋倒壊が激しかった奥能登地域や顕著な液状化被害が確認された沿岸の地域のみならず、その他の地域でも深刻な被害が発生しており、追加的な検討調査が必要となっている。
  • 災害廃棄物処理(公費解体)の推進について
    1. 公費解体の申請受付事務等の加速化
      • 能登地域6市町で公費解体の申請受付が着実に増加。災害廃棄物の知見・経験を有する環境省職員や自治体職員によるマネジメント支援とともに、市町の要望も踏まえ応援自治体職員の派遣(40~50名規模)等により申請受付事務、申請のあった家屋の解体工事の契約事務の加速化を支援。
    2. 解体事業者の確保
      • 災害時応援協定に基づく石川県構造物解体協会の協力により、平均600班が対応できる体制を北陸ブロック内で確保済。奥能登2市2町における解体事業者の宿泊地について、当面は民間施設等を活用。本格化に伴い増加する需要については仮設の宿泊施設を設置予定(候補地9箇所)。民間施設等含め合計約1,600名分を選定済。
    3. 優先度の高い家屋の公費解体の実施
      • 倒壊のおそれがあるなど解体の優先度の高い家屋から、公費解体工事を石川県内にて205棟実施。
    4. 解体工事の加速化
      • 緊急解体を先行的に行いながら、これまで約80班が解体工事を順次実施(4月中に100班規模の体制とし、200棟程度完了見込)。
      • 5月以降、500~600班が順次現地に入り、工程管理を行いながら、被災市町にとって緊急度・優先度の高い家屋等をを優先して解体工事を加速化。
      • 加速化のため、被災した廃棄物処理施設の復旧を行い、増加する災害廃棄物の受入体制を確保・強化。
  • 文化財の被害・対応状況等
    • 国宝・重要文化財(建造物)57件を含む計425件の文化財が被災。
    • 文化庁と(独)国立文化財機構が連携して専門職員等を派遣し、175件について、応急措置、破棄・散逸防止等を実施し、継続する。今後は、これらの取組とともに、早期復旧に向けた災害復旧事業への支援を実施。
    • 重要無形文化財である「輪島塗」等について、被災自治体や関係省庁等と連携し、支援PTを文化庁に設置し、支援策を検討(3/14第1回、4/19第2回)。当面必要な用具・原材料の確保に向けた支援等を速やかに実施する。
    • 被災文化財への寄附が進むよう、3月26日、官民連携した「文化財サポーターズ」を発足し、能登の文化財への寄附募集を第一弾としてスタート
  • 能登半島沖の海域断層等の調査及び周辺地域の地震観測施設の復旧
    • 能登半島地震を受けて、今年1月~3月にかけて、海洋研究開発機構等が、能登半島沖の緊急調査航海を実施。さらに、海底下深部の震源付近の海域断層の新たな調査を速やかに実施するとともに、海底地震計を用いて余震活動の推移の把握を継続する。これらの調査結果は、能登地方の地震活動の評価に活用する。
    • 防災科学技術研究所が設置する地震観測施設の復旧を速やかに実施する。地震観測施設のデータは、気象庁による地震情報の発信や関係機関による地震発生メカニズムの解明等に活用する。

~NEW~
内閣府 月例経済報告(月次)
▼ 関係閣僚会議資料(4月)
  • 日本経済の基調判断
    • 現状【判断維持】
      • 景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している。
      • (先月の判断)景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している。
    • 先行き
      • 先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。さらに、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要がある
  • 政策の基本的態度
    • 30年来続いてきたコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済へ変革するため、新しい資本主義の取組を加速させる。
    • このため、「デフレ完全脱却のための総合経済対策~日本経済の新たなステージにむけて~」及びその裏付けとなる令和5年度補正予算並びに令和6年度予算を迅速かつ着実に執行する。
    • また、「被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ」に基づき、令和6年能登半島地震の被災者の生活、生業の再建をはじめ、被災地の復旧・復興に至るまで、予備費を活用し切れ目なく対応する
    • 日本銀行には、経済・物価・金融情勢に応じて適切な金融政策運営を行うことにより、賃金と物価の好循環を確認しつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する。
    • 政府と日本銀行は、引き続き緊密に連携し、経済・物価動向に応じて機動的な政策運営を行っていく。
    • こうした取組を通じ、デフレに後戻りしないとの認識を広く醸成し、デフレ脱却につなげるとともに、新たな成長型経済への移行に向け、あらゆる政策手段を総動員していく。
  • 賃金の動向
    • 2024年の春闘(第4回集計)の賃上げ率は、引き続き定昇込みで5%超、ベアで3%台半ばと、33年ぶりの高水準。
    • 定昇込みの賃上げ率の分布は、昨年は3%強に山があったのに対して、今年は5%強にシフト。ベアの分布は、昨年は2%弱に山があったのに対して、今年は3%台半ばにシフトしており、より多くの企業で高い賃上げ率が実現
    • 昨年2023年の賃上げ率は、若年層、特に高校卒で男女ともに高めだった一方、大学卒は男女ともに中年層で低い。また女性の賃金は、男性に比べ、水準が低く、年齢を重ねても上昇幅が小さい。
    • 産業別にみると、昨年は、男女とも、人手不足感の高い建設業等で高い賃上げ率となった一方、医療、福祉など公定価格部門では横ばい。本年は、診療報酬改定等における加算措置等により、同分野の高い賃上げに期待。
    • 診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定において、賃上げに必要な改定率として、医療では+0.88%、介護では+1.59%(処遇改善加算の一本化による賃上げ効果等も含めると、2.04%)、障害福祉では+1.12%(同1.5%を上回る水準)を確保。賃上げ促進税制の活用を組み合わせることにより、2024年度に+2.5%、25年度+2.0%のベアの実現が期待。
    • 2024年の賃上げの流れを広げるため、適切な価格転嫁や省力化投資の継続、賃金の高い分野への労働移動の後押し、大卒中年層を含む全世代リ・スキリングが重要。
  • 雇用の動向
    • 就業者数は、最近、中高年を中心に増加傾向。長期的にみると、中高年の労働参加率は男女ともに上昇。
    • 日本人の寿命の最頻値は、男性88歳、女性93歳と長く、男性の4分の1、女性の半分が90歳以上まで生きる状況であり、意欲ある高齢者が長く活躍できる環境をつくることが重要。
    • 主要先進国間で比較すると、日本の高齢者の労働参加率は高く、伸びも大きい。先進国に共通する高齢化問題に対し、課題先進国としてリード。
  • 業況・生産の動向
    • 企業の業況は、売上の約7割を占める非製造業で、バブル期以降の最高水準。建設業は過去10年程度、業況が「良い」と答える企業が、「悪い」と答える企業を上回る。運輸業では近年、「良い」が増加の一方、「悪い」が減少傾向。
    • 製造業では、一部の業種に、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響がみられる。ただし、3月以降、輸送機械の生産は、これらのメーカーの生産再開に伴い、徐々に持ち直す見込み。
  • 個人消費の動向
    • 個人消費は、名目では過去最高水準に拡大する一方、実質では力強さを欠く。実質の耐久財消費は相対的に堅調な一方、非耐久財消費は長期的に緩やかな減少傾向。サービス消費も、実質ではコロナ禍前を下回る。
    • 足下の小売販売は、一部自動車メーカーの出荷停止の影響で自動車は減少する一方、百貨店等が増加。かばん・アクセサリー等の高額品が増加しており、インバウンド増加の影響のほか、株価上昇の影響もあり日本人の消費も増加。
    • 外食売上高はコロナ禍前のトレンドを超えて増加している一方、客数の回復は途上。消費に占める60歳以上世帯のシェアは4割超まで拡大(2図)。外食支出の小さい高齢世帯の増加、コロナ禍後の高齢者の外出回復の遅れも影響している可能性。
    • 大型連休の旅行者数は、国内はほぼコロナ禍前水準に戻り、海外も持ち直す見込み。そのほか、ライブやテーマパーク、スポーツ観戦は、売上高・人数ともに挽回消費の動き。学習塾は、少子化の中でも受講生数、売上高ともに底堅い。
  • 設備投資の動向
    • 設備投資のうち、商用車や船舶等の輸送用機械は約6%。トラックやバンなど貨物車の新車登録台数は、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響で、小型と軽を中心に大幅減。24年1-3月期の設備投資への一時的な影響に注意。
    • 企業の設備投資は、2023年度は実績見込みで前年度比プラス10.2%、2024年度は3月時点の計画としては1990年度以来の伸びとなるなど、企業の投資意欲には力強さ。ただし、中小企業では、非製造業で2023年度の実績見込みが23%と高い伸びとなった一方、製造業では一部自動車メーカーの生産停止の影響もあって投資先送りの動きもあるなど、ばらつきも。
  • 物価の動向
    • 消費者物価は、前年比2%台で、引き続き緩やかに上昇。4月には、食料品や日用品等で値上げが実施されているが、POSデータでみると、全体として食料品価格等の前年比は、現時点では、引き続き縮小傾向で推移。
    • 一方、中東情勢が不安定化する中、原油価格は再び上昇しており、輸入物価を通じた影響に留意が必要。
    • サービスの物価上昇率は、ゼロ%の割合が縮小、プラスの割合が増加し、1980年代の姿に近づいている。企業の中期的な予想物価上昇率は、ここ2年程度は2%程度の安定的な水準にレベルシフトした状態が継続
  • 令和6年能登半島地震の影響
    • 令和6年能登半島地震では、1.1~2.6兆円程度のストック毀損(令和6年1月 月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料)が生じたことに加え、石川県・富山県・新潟県の3県で1-3月期に1,000億円程度の直接的なGDPの損失があったと試算される。
    • 3月16日に延伸した北陸新幹線(金沢~敦賀間)は、開業1か月で72万人(1日平均2.3万人)が利用、北陸応援割をはじめとする政策効果も相まって、北陸経済の活性化に寄与。「景気ウォッチャー調査」の北陸地域の現状・先行き判断DIは2月以降50を超える水準に回復。引き続き、復旧・復興支援を切れ目なく進めていくことが必要。
  • アメリカ経済の動向
    • アメリカは、個人消費主導で景気は拡大。雇用情勢は堅調、企業景況感も改善する中で、物価上昇率は下げ止まりの兆し。
  • 中国経済の動向
    • 中国の2024年1ー3月期の実質GDP成長率は5.3%。政策効果により、自動車販売やインフラ投資が増加。景況感にも改善がみられ、景気は持ち直しの兆し。
    • 一方、不動産市場の停滞は、企業・家計の資金需要や銀行の融資姿勢に影響し、足下で新規貸出は低調。また消費者物価は4四半期連続ゼロ近傍、GDPデフレーターはマイナスが継続。物価の下落が続くことによる影響に留意が必要。
  • インド経済の動向・世界のGDPシェア
    • インドは、乗用車販売台数が伸びるなど、内需にけん引されて8%台の成長が続き、景気は回復。
    • 日本は1964年にアジア唯一のOECD加盟国となり、欧米諸国が過半を占めていた当時の世界経済の中で発展を遂げてきた。21世紀に入り、中国やインドの経済成長が続き、現在は世界経済におけるアジア全体の存在感が高まっている。

~NEW~
内閣府 男女共同参画局 第10回性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議・第15回こどもの性的搾取等に係る対策に関する関係府省連絡会議合同会議
▼ こども性暴力防止に向けた総合的な対策の推進
  • 「子供の性被害防止プラン2022」「性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針」等を着実に実行するとともに、政府一丸となり、こども・若者の性被害防止対策を進めるため、(1)加害の防止、(2)相談・被害申告をしやすくする、(3)被害者支援、(4)治療・更生、の4つの観点から、関係府省庁で連携して、取り組むべき総合的な対策を、以下の通り、新たにとりまとめ。
    1. 加害を防止する取組
      • 改正刑法等の趣旨・内容を広く国民に周知、厳正な対処・全国で取締りを強化
        • 法務省ホームページに改正刑法等の趣旨・内容周知のためのページを公開し、広報を推進 【法務省】
        • 都道府県警察に対し、改正刑法等による厳正な対処、取締りの強化を指示 【警察庁】
      • 刑法改正等に伴い「匿名通報事業」の対象を変更・拡大し、一層の周知
        • 「匿名通報事業」の対象を変更・拡大し、運用 【警察庁】
      • こども性暴力防止法案の提出、教育・保育業界における対策の促進
        • 児童対象性暴力の防止に関する法律案(通称「こども性暴力防止法」)を国会に提出 【こども家庭庁】
        • 教育、保育等を提供する場における性被害の防止等の取組の促進 【こども家庭庁、経済産業省、文部科学省】
          • 業界における取組を横断的に促進するための先進事例の把握・指針のひな型作成
          • 周知・啓発するためのコンテンツの作成・広報
          • 教員性暴力等防止法及び改正児童福祉法に基づく取組を引き続き推進
      • 保育所等における虐待防止のため、通報義務に関し児童福祉法改正を検討
        • 保育所等児童福祉施設、幼稚園・特別支援学校における性犯罪防止対策に係る設備等支援【こども家庭庁、文部科学省】
          • パーテーション等の設置によるこどものプライバシー保護
          • 保護者からの確認依頼等に応えるためのカメラによる記録等
      • 学校で性被害防止等を教える「生命(いのち)の安全教育」を全国展開・小学生・未就学児等を対象としたプライベートゾーン等の啓発の推進
        • 「生命(いのち)の安全教育」の普及展開 【文部科学省】
          • 「生命(いのち)の安全教育」の更なる拡大のため、特定の都道府県や市区町村においてモデル地域を設定し、当該域内での全校実施を目指す教育委員会等の普及展開に関する取組を支援する。また、新たに取り組む学校等が容易かつ効果的に授業を実施しやすいよう、指導過程を解説した動画を作成し、周知するとともに、webに掲載し活用を促進。
        • 小学生・未就学児やその保護者等に対し、「生命(いのち)の安全教育」を活用するなどしてプライベートゾーン等の啓発を行うよう、全国こども政策主管課長会議等で周知 【こども家庭庁】
    2. 相談・被害申告をしやすくする取組
      • 相談窓口の周知広報の強化、SNS等による相談の推進
        • 被害者が相談しやすい環境整備の推進 【内閣府、こども家庭庁、関係省庁】
          • 性暴力被害者のためのSNS相談等の推進、夜間休日に相談可能なコールセンターの実施
          • 児童相談所におけるSNSを活用した相談支援体制の構築
          • 相談窓口の周知広報の強化
      • 子育て支援の場等を通じた保護者に対する啓発の推進
        • 保護者として身に付けることが望ましい知識(性被害のサイン、「記憶の汚染」を避ける等)について、子育て支援の場等を通じた啓発の推進を、全国こども政策主管課長会議等で周知 【こども家庭庁】
        • 被害に遭った際の相談窓口、こどもの写真や動画の撮影・投稿といった情報発信に係る注意ポイント等をまとめた保護者向けのリーフレットを作成し、全国の自治体に周知 【こども家庭庁】
      • 児童相談所における相談、保護、通報等の適切な対応
        • ワンストップ支援センター等における男性・男児の被害者への支援を推進(男性・男児の性暴力被害者ホットライン(令和5年度に臨時実施)により得られた知見を活用) 【内閣府】
    3. 被害者支援の取組
      • ワンストップ支援センター等の地域における支援体制の充実
        • ワンストップ支援センター等における被害者支援を強化 【内閣府、厚生労働省】
          • こども・若者や男性等の多様な被害者への支援や相談対応に係る体制強化を促進
          • 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(令和6年4月1日施行)に基づく包括的な支援等
      • 児童相談所における相談、保護、通報等の適切な対応
        • 全国の児童相談所に対し、性犯罪・性暴力の相談があった際には適切に対応するよう周知 【こども家庭庁】
      • 学校等における支援の充実
        • 「学校における教育相談体制充実に係る連絡協議会」を開催し、教育委員会の担当者やスクールカウンセラー等に対して、性的な被害を受けた児童生徒への対応に係る留意点等を周知 【文部科学省】
      • 医療的支援の充実
        • ワンストップ支援センター等と医療機関等の関係機関との連携を強化 【内閣府】
        • 性犯罪被害者に対し適切な治療・ケアのできる人材を養成する「PTSD対策専門研修」(犯罪・性犯罪被害者コース)を実施 【厚生労働省】
      • 法的支援の充実
        • 「文化芸術活動に関する法律相談窓口」を実施 【文部科学省】
        • 法テラスにおける犯罪被害者支援の実施 【法務省】
    4. 治療・更生に関する取組
      • 性嗜好障害に対する治療、加害者更生に向けた取組の推進
        • 性嗜好障害に関する調査研究を実施 【厚生労働省】
        • 再犯防止推進計画等に基づき、性犯罪再犯防止指導や性犯罪再犯防止プログラムの充実を図る 【法務省】
  • 性嗜好障害への対応について
    • 性嗜好障害(パラフィリア)とは
      • 「性嗜好障害」は、WHOが定めた国際疾病分類(ICD-10)上、「精神および行動の障害」に位置づけられる。
      • ICD-10では、露出症、窃視症(いわゆる、のぞき症)、小児性愛は「性嗜好障害」に含まれる。
    • 現状
      • 性犯罪者の全てが「性嗜好障害」と位置づけられる訳ではない。
      • 「性嗜好障害」を有する者に対しては、性衝動の制御等を目的として、認知行動療法等の考え方を用いた面接技法を活用すること等が考えられる。
      • しかしながら、「性嗜好障害」については、国際的にも確立された治療法や対処法等がなく、十分な実態把握がされていない。
    • 取組
      • 厚生労働科学研究により、以下の取組を実施。
        • 国内外の「性嗜好障害」に対する治療法や対処法のエビデンスを集積
        • 国内の「性嗜好障害」の治療を行っている有識者へのヒアリング
      • 取り組みの成果は夏を目処に取りまとめ。
  • 児童生徒性暴力等を行った保育士の資格管理の厳格化について
    • 令和4年6月に公布された「児童福祉法等の一部を改正する法律」(令和4年法律第66号)により、児童生徒性暴力等を行った保育士について、登録取消しや再登録の制限などの資格管理の厳格化に関する規定を整備。
      • ※資格管理の厳格化に関する改正法の規定は令和5年4月1日施行。データベースに係る規定は令和6年4月1日施行。
    • 改正法を踏まえ、都道府県において資格管理の厳格化に関する運用が適切に実施されるよう基本的な考え方等を示すとともに、保育士による児童生徒性暴力等の防止及び早期発見並びに児童生徒性暴力等への対処に関する施策を総合的かつ効果的に推進するために基本指針を策定。(令和5年3月27日付けで厚生労働省子ども家庭局長通知として発出、令和6年3月27日改訂)
    • 改正法の内容
      • 改正法においては、児童生徒性暴力等を行った保育士の資格管理の厳格化に関し、以下の事項を規定している。
        1. 欠格期間の見直し
        2. 児童生徒性暴力等を行ったと認められる場合について、保育士登録を取り消さなければならない事由に追加
        3. 児童生徒性暴力等を行ったことにより保育士登録を取り消された者及びこれら以外の者のうち保育士登録を受けた日以後に児童生徒性暴力等を行っていたことが判明した者(以下「特定登録取消者」という。)に係る保育士資格の再登録制限
        4. 保育士を任命し、又は雇用するものによる都道府県知事への報告義務
        5. 特定登録取消者の氏名及び特定登録取消者の登録取消しの事由等に関する情報に係るデータベースの整備 等

~NEW~
消費者庁 第1回公益通報者保護制度検討会(2024年5月7日)
▼ <資料1-1>公益通報者保護制度検討会の開催について
  • 趣旨
    • 平成16年に、公益通報を行った者の保護を図るとともに、事業者の法令遵守を図ること等を目的として、公益通報者保護法が制定された(平成16年法律第122号。平成18年4月施行)。
    • 令和2年には、公益通報者保護制度の実効性を高めるため、事業者に対して、内部公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制(内部公益通報対応体制)の整備その他の必要な措置の義務付けや公益通報者の範囲の見直しなどを措置する改正が行われた(令和2年法律第51号。令和4年6月施行)。
    • 今般、令和2年の改正法の施行から一定期間が経過したことから、近年の公益通報者保護制度を巡る国内外の環境の変化や改正後の公益通報者保護法の施行状況を踏まえた課題について検討を行うため、有識者により構成する「公益通報者保護制度検討会」(以下「検討会」という。)を開催し、令和6年中をめどに取りまとめを行う。
  • 検討に当たっての視点
    • 近年の公益通報者保護制度を巡る国内外の環境の変化
    • 改正後の公益通報者保護法の施行状況と課題
    • その他
▼ <参考資料3>内部通報制度に関する意識調査(就労者1万人アンケート調査)結果(全体版抜粋)
  • 勤務先で重大な法令違反を知った場合、「最初に通報する先」として「勤務先以外」を選んだ理由は、「勤務先に相談・通報しても適切な対応が期待できない」が全体(2,094人)の約5割。「不利益な取扱いを受けるおそれ」が37%。
  • 勤務先で重大な法令違反を知った場合に「相談・通報する」、「たぶん相談・通報する」との回答の動機について、全体(5,893人)の約7割が「勤務先の法令違反を是正したい」と回答。次に、「重大な法令違反に関与している上司や職員を厳正に処分して欲しい」が全体の43%。「自社のサービスや商品を利用するお客さんに迷惑をかけたくない」との回答は約3割。
  • 勤務先で重大な法令違反を知った場合、最初に勤務先に「相談・通報する」又は「たぶん相談・通報する」と回答した人のうち、内部通報制度を「よく知っている」と回答した人(729人)は、通報時に「実名」を選択する可能性(52%)が全体平均(37%)よりも高い。
  • どの役職・雇用形態でも、女性は男性よりも「匿名」を選択する割合が高い。
  • 通報時に「匿名」を選択する理由について、全体(2,380人)の57%が「人事異動などで不利益な取扱いを受けるおそれがあるから」、44%が「勤務先の窓口が信頼できたとしても、それ以外の関係者から自分が通報したことが上司等に漏れるおそれがあるから」と回答。
  • 勤務先における法令違反行為や内部規程違反について、「相談・通報したことがある」と回答した人(476人)の74%が、「勤務先(上司を含む)」に相談・通報している。また、24%が「行政機関」、17%が「取引先」に相談・通報している。
  • 通報意欲が高いほど、内部通報にポジティブな回答をしている。「絶対相談・通報しない」と回答している人(1,089人)は、「上司や組織の命令に背くことになると思う」との回答が約4割と全体平均よりも約30%ポイント高い。

~NEW~
消費者庁 新未来創造戦略本部「新未来ビジョン・フォーラム」
▼ 未来の消費生活に関する調査報告書
  • 2024年の日本の総人口は約1億2,400万人であるが、2030年には約1億2,000万人となり、1985年時点とほぼ同じになると推計されている。その後も減少を続け、2056年には1億人を割って9,965万人となると推計されている。
  • 日本において、新たな価値観をもつZ世代※以降に生まれた世代が、2030年には総人口の約3割、2050年には約半数を占めるようになり、社会や消費に大きな影響を与えるようになると予想される。なお米国においては、2022年時点でZ世代以降の生まれの世代が総人口の3割を超えており、2050年には6割を超える見込みであると推計されている。
  • 2020年代半ば以降、生産年齢人口(15~64歳人口)減少の影響が強まることで、我が国の潜在成長率は0.5%未満にまで低下していくと予想されている。
  • 今後、日本の現役世帯数※の減少が加速することにより、現役世帯による支出が中心となっていた教育、自動車、通信、被服等の消費支出額の減り幅が特に大きくなると予想されている。
  • 21世紀末※の日本の平均気温は、20世紀末と比べて約1.4~4.5度上昇すると予想されている。また、傘が全く役に立たないほどの「非常に激しい雨」(1時間降水量50mm以上の強雨)の頻度は、約1.6~2.3倍に増えると予想されている。
  • 2010年代から深層学習の発展に伴った第3次人工知能(AI)ブームが起きており、特に2022年以降の文章・画像・動画を作成できる生成AIの実用化が社会に大きなインパクトを与えている。人工知能研究の世界的権威といえるレイ・カーツワイルによれば、2045年に、自律的な人工知能が人間を上回る知性を獲得するシンギュラリティー(技術的特異点)に到達すると予想されている。
  • さまざまなモノがインターネットにつながるIoTが今後さらに普及し、膨大な情報がサイバー空間に集積されるようになると予想されている。また、蓄積されたビッグデータを人工知能(AI)が解析し活用することで、これまでには存在しなかった新たな価値が産業や社会にもたらされるようになると予想されている。
  • アメリカや中国では、2022年頃よりレベル4(特定条件下での完全自動運転)での無人自動運転タクシーの営業が開始されている。また、欧州では、2030年代にレベル5(完全自動運転)を実現することが目標として掲げられている。自動運転技術の進展・普及は、交通事故の低減、渋滞の緩和、環境負荷の軽減、運転者の負担軽減などの大きな変化をもたらすと予想されている。
  • 現在の民間航空機の2倍の速度となる超音速旅客機や、最高時速が1000キロを超えるハイパーループ(真空チューブの中を磁力で超高速移動する新たな交通システム)の開発が進められており、これらが実用化された場合には、長距離移動の在り方が大きく変わると予想されている。
  • デジタルデータを基に3次元の物体を作りだすことができる3Dプリンター技術の進化が続くと予想され、例えば、建設3Dプリンターによる超低コスト住宅の普及やバイオ3Dプリンターによる再生医療の進展等、様々な分野での活用が広がると予想されている。
  • 1970年代以降、これからの生き方として「物の豊かさ」よりも「心の豊かさ」を重視したいと答える人の割合が増加しており、その傾向は今後も続いていくことが予想される。
  • ものを買って所有することよりも、シェアリング等によって利用する消費スタイルが、今後より一層浸透していくことが予想される。
  • 環境、人、社会に配慮した消費行動(エシカル消費)の普及が今後も進んでいくことが予想される。
  • 男女ともに寿命が延び、「人生100年時代」※となる中で、健康への意識がより一層高まっていくことが予想される。※ある海外の研究によれば、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されている。
  • 1990年代半ばから2010年代序盤に生まれたZ世代は、スマートフォンやSNSに幼少期から慣れ親しんでいることから、購買行動においてSNS上の意見を重視したり、自己実現・発信欲求が強い傾向にあるといわれている。また、自分に合ったサービスの提供を受けるために個人データが利用されることに対する抵抗感が薄い傾向があるともいわれている。さらに、SDGs等の概念が広まった社会で育ったため、社会的責任への興味・関心が比較的高い傾向にもあるといわれている。
  • 持続可能性、倫理性に価値を置く消費
    • サーキュラーエコノミーの普及
      • ファッション、自動車、建築、食品、サービス業などのあらゆる分野において、資源の効率的な利用、廃棄物の削減、再利用等が進み、持続可能な経済モデルへと移行していくことが予想される。
    • 3Dプリンターによる製品修理が普及
      • 3Dプリンターの普及により部品の入手性が向上し、修理や保全作業が効率化することが予想される。また、カスタム部品の生産や古い部品の再生産においても有効に機能し、個人で様々な製品の修理や改良が行えるようになることが予想される。
    • 植物性食品、昆虫食品市場の拡大
      • 動物性食品に比べて生産性が高く、生産時の環境負荷が少ない植物性食品や昆虫食品が普及し、食文化も変容していくことが予想される。
    • ブロックチェーン技術によるトレーサビリティ向上
      • ブロックチェーン技術の活用によって、より多くの製品で生産、流通、販売に至るまでの透明性の高い情報が確認できるようになり、安全で倫理的に生産された商品を選択することが容易になることが予想される。
  • 健康に価値を置く消費
    • 完全食、クイックフーズ等の浸透
      • 完全な栄養構成でありながら手作り以上のおいしさを実現した完全食、短時間で簡単に済ませられるタブレット等のクイックフーズ、当人の生体情報を活用したパーソナライズ(個人最適化)食品等の普及が予想される。
    • ウェアラブルデバイスの進化
      • 生体情報センサーの発展により、リアルタイムで健康状態を確認できるようになり、ウェアラブルデバイスを活用した病気の予防・治療や高齢者の遠隔見守り等が進むと予想される。
    • 感情認識センサーを用いたメンタルヘルスケアの普及
      • 感情の状態を認識するセンサーを活用してユーザーのストレスや不安をモニタリングし、感情を深く理解した上で個人のメンタルヘルスの状況に最適化された治療やサポートが提供されるようになると予想される。
    • 3Dプリンターによる医療の革新的進歩
      • 3Dプリンターを用いて生体組織や臓器を作製することによりドナーを必要としない移植の普及や3Dプリンターによって個人に最適化された医療器具等をより高い精度と効率で製造できるようになると予想される。
  • 効率性、利便性に価値を置く消費
    • オケージョン(状況)最適のレコメンデーション
      • 個人の行動や会話等の情報から、個々の状況や感情を考慮した精度の高いレコメンドが可能になると予想される。また、レコメンド機能の高度化により、検索から購入・利用までの時間も飛躍的に短縮することが予想される。
    • フリクションレス(煩わしさのない)購買体験
      • 顔認証などの生体認証を用いた決済方法の普及によって、支払いプロセスが簡略化され、効率的で手間のかからない購買体験の実現が進むことが予想される。
    • ロボタクシー、無人バス、AIカー等の普及
      • 高度な自動運転機能を搭載した乗用車やタクシー・バス・トラックなどの商用車が続々と登場することが予想される。また、物流、農業、鉱業、医療など、各産業のニーズに応じた自動運転車が普及すると予想される。
    • 無機物による社会規範の維持・管理
      • ロボットや建物などの無機物が、人間の行動や感情を読み取り、社会規範を維持・管理する役割を担うことが予想される。特に人間にとって精神的負荷の高い分野(例:債権回収、法執行など)において無機物ならではの活用が予想される。
  • 自律性に価値を置く消費
    • マスカスタマイゼーション時代の到来
      • 3Dプリンターによって、特定のニーズや好みに合わせたカスタマイズ製品を大量生産することが可能となる「マスカスタマイゼーション時代」が到来することが予想される
    • エゴイスティック・エコノミーの普及
      • ニッチな個人の興味関心が、ニッチな層の支持・支援を受け、狭い範囲で生産、流通、消費が完結する新たな経済圏「エゴイスティック・エコノミー」の形成が予想される。一方で、大量生産される画一的な万人向けの商品が減少していくことが予想される。
    • 自らものづくりを行う「メイカーズ」の広まり
      • 強いこだわりを持ち、欲しいものが市場に無い場合は、デジタルファブリケーション※を駆使して自ら作るような消費者(メイカーズ)が増えることが予想され、個人のものづくりを支援するサービスの広がりも予想される。
    • 消費者主導のプライバシーデータマネジメント
      • 個人のデータを活用したレコメンド(おすすめ)等が普及・高度化する一方で、機械にコントロールされたくないという意向やプライバシー意識の高まりから、自身のデータが他者に利用される機会を自律的に選択しようとする動きが広がることも予想される。

~NEW~
消費者庁 消費者庁の災害用備蓄食品の有効活用について
  • 趣旨
    • 消費者庁では、食品ロスの削減のため、消費者庁で備蓄している災害用食品のうち、備蓄の役割から解かれたものを、食品として有効活用したいと考えております。
    • 本趣旨に御賛同いただき、お引取りの御希望がある場合には、下記に沿って御連絡ください。
    • なお、今回提供可能な食品は、賞味期限の間近な食品だけでなく、賞味期限の過ぎている食品も含まれています。このため、貴団体において取扱が可能かご判断を上、ご自身の責任により御希望ください。
      • ※今回提供可能な食品は、賞味期限の延長に当たっての検査を実施済みです。
  • 提供可能となる災害用備蓄食品に関する情報
    • 【引き渡し日】5月16日(木曜日)、17日(金曜日)の日中(10:00-15:00を想定)
    • 【引き渡し方法】東京・消費者庁本庁分
      • 優先順位(1) 消費者庁駐車場での引き渡し(東京都千代田区霞が関3-1-1中央合同庁舎4号館)
      • 優先順位(2) 着払いでの送付

~NEW~
国民生活センター ネット検索で見つけたロードサービスのトラブル
  • 久しぶりのドライブ!だけど外出先で車が動かなくなった#バッテリー上がり かも…ネットで#ロードサービス と検索して、料金が安そうな業者に作業を要請したけど、作業後に高額請求サイトに表示されていた料金よりもずっと高くて後悔…。
    • ⇒188に相談!
  • 相談事例
    • 息子の車のバッテリーが上がり、インターネットで調べたロードサービス業者に依頼したところ高額請求を受けたという
      • 息子が車で出かけていた時、バッテリーが上がり車が動かなくなってしまったらしい。インターネットで調べたロードサービスのサイトで、「バッテリー1,980円~」という表示をみて申し込んだという。
      • すぐに担当者が現場に来て、最初に金額欄が空欄の書面を出され、レ点を入れて同意するよう言われ、説明もなかったが言われるままにレ点を入れたそうだ。バッテリー交換はせず、充電して作業が終わり、無事に復活したが、総額約5万円の請求書を出されたという。高いと思ったが直ったので何も言えないと思い、現金がなかったためクレジットカードで支払ったらしい。息子から相談を受け契約書の写真を見せてもらったが、基本料金1,980円に加え、緊急対応の費用や、作業費等が記載されていた。高額なので返金してほしい。(2023年8月受付 20歳代 男性)
    • 外出先で車のバッテリーが上がったため、インターネットで探した業者を呼んだが、高額な料金を請求された
      • 外出先のコインパーキングで自動車のバッテリーが上がってしまった。インターネットでロードサービス業者を検索し、「バッテリー上がり 基本料金2,480円」と表示されていたサイトが一番安かったので、このロードサービス業者に電話で作業を要請した。
      • ロードサービス業者が現地に到着後、メニュー表を提示され、基本料金の他に作業別の料金が表示されていたが、具体的な料金の説明はなかった。約10分の作業時間でバッテリー上がりは解消したが、請求された料金は5万円超だった。サイトの表示料金とあまりにも違うので納得できなかったが、外出先だったこともあり、やむを得ずクレジットカードで決済した。契約書は交付されておらず、料金の内訳表示のある請求書兼領収書が交付されただけだった。後日、相場よりも高額な料金を請求されたと分かった。納得できない。(2022年11月受付 20歳代 女性)
  • 消費者へのアドバイス
    • 自動車の故障等が生じた場合は、まずは契約している損害保険会社や保険代理店に問い合わせる!
      • 自動車保険にはロードサービスが付帯しているケースが多いので、トラブルに備えるため、日頃から自分が契約している自動車保険の内容をよく確認し、家族も運転する場合は、家族とも共有しておくことが大切です。なお、損害保険会社や保険代理店に電話がつながらなかった場合でも、焦らず、少し時間をおいてから改めて連絡しましょう。
    • サイト等の表示や電話で説明された料金を鵜呑みにしない!
      • 自動車の故障等の状況や内容はさまざまなので、インターネットで検索したロードサービス業者のサイト等に「基本料金××円」「○○作業料、△△円から」等と表示されている場合や、電話で「△△円」と説明された場合でも、現場の状況次第では必ずしも表示や説明通りの料金で依頼できるとは限りません。また、事前に説明のなかった「緊急対応費」などを請求するケースもあります。どのような作業になるのか、状況によってどの程度料金がかかるのかなど、契約内容や料金について事前に必ず確認するようにしましょう。
      • また、現場に来てもらう時は、キャンセル時にキャンセル料が発生するのか等についてもあらかじめ確認しましょう。
    • 請求された金額や作業内容に納得できない場合は、きちんとした説明を求める
      • 事前の説明と異なり、作業後の請求が高額になっていたり、直っていなかったなど、料金や作業内容に納得できない場合は、後日納得した金額で支払う意思があることを示しつつ、その場での支払いはきっぱり断りましょう。
    • 少しでも不安に思ったら早めに消費生活センター等に相談する
      • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番
      • 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。

~NEW~
国民生活センター 覚えのない未納料金を請求する詐欺に注意!-請求に応じない!電子マネー番号を伝えない!-
  • 国民生活センターでは、昨年「自動音声の電話で未納料金を請求する詐欺に注意!-実在する事業者をかたって電話をかけてきます-」を公表しましたが、依然として「NTTファイナンス」など実在する会社や公的機関をかたって電話があり、身に覚えのないサイトの利用料等、架空の未納料金を請求される詐欺的な手口に関する相談が多く寄せられています。
  • 支払方法はコンビニでプリペイド型電子マネー(以下、電子マネーという)を購入するよう指示される手口が多く、氏名や住所、口座番号等の個人情報を聞き出す例もみられます。また、最近目立つ手口として、電子マネーの購入後に公的機関をかたって電話がかかってくる、劇場型勧誘とみられる例もあります。
  • 電話で身に覚えのない未納料金を請求されても絶対に相手にせず、無視してください!
  • 相談事例
    • NTTファイナンスと個人情報保護委員会を名乗る電話があり、電子マネーを購入して番号を伝えた
      • NTTファイナンスと称する自動音声の電話があり、音声ガイダンスの後に番号を選択すると担当者につながった。「サイト利用料金が1年間未納になっており、裁判にかけられている。未納料金と弁護士費用等で30万円を支払えば裁判を止めることができ、後日手数料を差し引いて返金する」と言われた。コンビニで電子マネーを30万円分購入し、担当者に番号を伝えた。その後、個人情報保護委員会を名乗る人から電話があり「他にも2つのサイトで未納料金がある。さらに50万円を支払えばまとめて返金する」と言われた。不審に思ったが、当日中に入金することと誰にも口外しないことが返金の条件と言われ、誰にも相談できず別のコンビニで再度電子マネーを購入してしまったが、詐欺ではないかと言われた。(2023年7月受付 50歳代 女性)
  • アドバイス
    • コンビニ等で電子マネーカードを購入するよう指示し、番号を教えさせる方法は全て詐欺です。身に覚えのない未納料金を請求されても言われるまま支払ってはいけません。
    • 非通知や知らない番号からの電話は、出ない、話を聞かない、かけ直さないことがトラブル防止に効果的です。
    • 不明な点がある場合は、事業者の本来の連絡先を自分で調べて、問い合わせてください。
    • 不安を感じる場合は、消費生活センターや警察に相談してください。
    • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番
      • 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
    • 警察相談専用電話「#9110」
      • 最寄りの警察の相談窓口につながる全国共通の電話番号です。

~NEW~
国民生活センター ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意-若い年代でトラブル急増中!-
  • ゴキブリやハチなどの害虫や、ネズミなどの害獣を駆除してもらう、いわゆる「害虫・害獣駆除サービス」の相談が、全国の消費生活センター等に寄せられています。相談はここ数年増加傾向が続き、2023年度は2022年度同期と比べて約1.5倍に増加しています。相談事例では、インターネットで検索して出てきた格安料金を提示する業者に来てもらったところ、ネットの表示とかけ離れた高額料金を提示される事例が多くみられます。特に、10~20歳代が契約当事者となるケースが急増しており、注意してほしいトラブルです。
  • そこで、トラブルの未然・拡大防止のため、最近の相談事例やトラブルが発生する背景を紹介し、消費者に注意喚起します。
  • 相談事例
    • 【事例1】ゴキブリが出て怖くなりネットで見つけた格安業者に依頼したら高額だった。
    • 【事例2】ゴキブリ駆除の中断を求めても聞き入れてもらえず高額料金を請求された。
    • 【事例3】ハチに刺されて死ぬと言われ不安になり駆除依頼したが高額なので解約したい。
    • 【事例4】不安をあおられネズミ駆除を依頼したが作業内容が不十分なので解約したい。
    • 【事例5】ネットで探したコウモリ駆除業者と契約したがうそをつかれたので解約したい。
  • 相談事例からみる問題点
    • インターネット上に記載されている料金と実際の料金がかけ離れている。
    • 消費者の不安をあおり、契約を急かす勧誘が行われている。
    • 強引に作業を行い代金を請求している。
    • 事前に複数見積もりを取って比較・検討することができない。
    • 交付される書面に具体的なサービス内容等が明記されていない場合がある。
    • クーリング・オフ妨害をしている事例が見られる。
  • アドバイス
    • 極端に安い価格を表示するサイトや広告には注意。
    • 複数見積もりを取って比較・検討する時間を与えない事業者とは契約しない。
    • クーリング・オフ等ができる場合がある。
    • おかしいと思ったら、すぐに消費生活センター等に相談。

~NEW~
国民生活センター 国産果実のはずが外国産…果実加工品の通販サイトに注意
  • 内容
    • 事例1 SNSで広告を見たサイトで国産のドライいちごを注文したが、届いた商品は外国産で粒も広告に比べて小さかった。業者に電話をしたが繋がらない。(60歳代)
    • 事例2 SNSで広告を見たサイトで国内の有名店の国産干し柿が6割引きで出ていたので注文した。今日、代引きで届いたが、中身は外国産の偽物だった。(70歳代)
  • ひとこと助言
    • 通販サイトで国産果実を使用した加工品を注文したが、届いた商品が外国産だったなどという相談が寄せられています。このようなサイトは、商品の産地を偽る悪質サイトの可能性があります。
    • 支払ってしまうと返金は非常に困難です。サイト内に販売業者の所在地や連絡先が表示されているか、価格が異常に安くないか、日本語が不自然でないかなどに注意しましょう。
    • 支払いが代引きの場合、送り状の「依頼人」を確認し、注文した販売業者と違ったり、不審な点がある場合は、代金を支払わず、商品の受け取りを拒否しましょう。
    • 不安を感じたり、困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等に早めにご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
経済産業省 宇宙戦略基金の基本方針及び実施方針(経済産業省計上分)を決定しました
  • 経済産業省は、本日、宇宙戦略基金の事業全体の制度設計を定める「基本方針」を関係府省とともに決定しました。
  • また、経済産業省で実施する技術開発テーマを定める「実施方針(経済産業省計上分)」を内閣府とともに決定しました。
  • 背景・趣旨
    • 経済産業省、内閣府、総務省、文部科学省は、民間企業等による宇宙分野の技術開発を複数年度にわたって強力に支援するため、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に「宇宙戦略基金」を2024年3月に設置しました。令和5年度補正予算では、経済産業省、総務省、文部科学省の合計で3,000億円、うち経済産業省では、1,260億円を措置しています。
    • この度、本基金について、事業全体の制度設計を定める「基本方針」を関係府省とともに決定しました。
    • また技術開発テーマの目標、内容を定める「実施方針(経済産業省計上分)」を内閣府とともに決定しました。
    • 国際的な宇宙開発競争が激化している中、宇宙関連産業の市場規模も急速に拡大し、世界各国で宇宙開発が「官」中心から「民」主導へと移行しつつあります。我が国としても、宇宙産業市場を拡大していくため、宇宙戦略基金を活用し、我が国の宇宙開発の中核機関であるJAXAを結節点として、民間事業者による宇宙分野におけるビジネス化を支援していきます。
  • 宇宙戦略基金で経済産業省が実施する取組
    • 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会及び内閣府宇宙政策委員会での議論も踏まえ、特に緊要性が高い「衛星コンステレーションビジネスの加速化」、「民間ロケットの輸送能力強化」、「衛星データ利用ビジネスの促進」の3つの課題に対応する、5つのテーマに取り組んでいきます。
      1. 衛星コンステレーションビジネスの加速化のための取組
        • 商業衛星コンステレーション構築加速化
        • 衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証
      2. 民間ロケットの輸送能力強化のための取組
        • 固体モータ主要材料量産化のための技術開発
        • 宇宙輸送システムの統合航法装置の開発
      3. 衛星データ利用ビジネスの促進のための取組
        • 衛星データ利用システム海外実証(フィージビリティスタディ)
  • 今後の予定
    • 関係法令及び基本方針、実施方針に基づき、JAXAにおいて公募が行われる予定です。

~NEW~
経済産業省 事業会社からのスタートアップ創出を促すための「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」を取りまとめました
▼ 起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス(概要)
  • 本ガイダンスでは、「カーブアウト」の中でも、事業会社の中で事業化できない技術を活用したスタートアップの創出を「スタートアップ創出型カーブアウト」として整理。
  • スタートアップ創出型カーブアウトのイメージ
    • 「スタートアップ創出型カーブアウト」とは、自社組織(組織OS・組織的能力・資金力・スピード感)の限界により事業化できない技術を事業化するために、事業会社とは別の法人(スタートアップ)を創設することをいう。
    • 創出される事業体は「スタートアップ」であり、VCから資金を調達して、急速な事業成長を目指す。
  • スタートアップ創出型カーブアウトの国としての意義
    • 我が国の民間部門の研究開発投資のうち、約9割が大企業によって担われているものの、事業化されない技術の約6割が消滅。
  • スタートアップ創出型カーブアウトの国としての意義
    • そうした技術をもとにしたスタートアップの創出を促進することで、国として以下のような意義が期待される。
  • スタートアップ創出型カーブアウトの国としての意義
    • 視点(1) 新産業創出
      • 国全体として、将来において競争力を有する事業や産業を創出する手法
    • 視点(2) イノベーション実現
      • 研究開発の成果が死蔵されることなく、製品・サービスとして、顧客や社会に普及・浸透し、「イノベーション」を実現
    • 視点(3) 国の公的投資の活用促進
      • 公的な助成による成果や、大学との共同研究は、国の公的投資を含んだものであり、積極的に活用されるべきもの
    • 視点(4) 起業経験者の増加
      • スタートアップを起業・経営した経験者が増加。起業経験者が事業会社と人事交流することで、事業会社の風土が刷新され、新事業創出が促進
    • 視点(5) スタートアップ・エコシステム成熟
      • スタートアップが増加することに加え、起業経験者が増えることは、スタートアップ・エコシステム全体の成熟に寄与。また、M&A等を通じ、事業会社も含めたイノベーションを促進
  • スタートアップ創出型カーブアウトの事業会社としての意義
    • 事業会社としても、以下の3つの視点から、スタートアップ創出型カーブアウトの実践により長期的なサステナビリティの向上が期待される。
      • 視点(1) 従来の手法では困難な新たな事業の創出
        • 自社の「組織OS」で実現できないイノベーション:既存事業に最適化した自社の組織OS(組織風土・カルチャー)では、速度や自由度の観点で事業化できないイノベーションが実現可能に
        • リスク投資の分散と最大化:事業会社にとって不得手な新領域に対するリスク投資を、自社と異なる主体で実施し、価値最大化に向けたポートフォリオ形成に寄与
        • イノベーションのジレンマの解消:既存事業とのしがらみやカニバリゼーションの回避のために事業化が困難な領域に適合
      • 視点(2) 無形資産の価値
        • ネットワーク的な価値:自社の研究開発成果を基にしたスタートアップのネットワーク化により、価値創出を実現。
        • レピュテーションの向上:イノベーティブな組織文化を育て、レピュテーションが向上
        • 人材獲得への貢献:レピュテーションの向上や組織文化へのプラスの影響により、人材獲得に貢献
        • 技術の価値の顕在化:事業化できていない知財の価値が顕在化するとともに、企業の研究者にとっても研究の方向性にポジティブなフィードバックを獲得
      • 視点(3) 社会的期待への対応
        • 社会へのソリューションの提供:企業の使命は、顧客に課題解決の方法を届けることであると期待されることから、課題解決に向けた仮説を持つ起業家がおり、追加的なリソース提供なく事業化できるなら、その実現を後押しする社会的な期待が存在
        • 大学や国プロジェクトなど公的な知的基盤を活用する企業への期待:とりわけ、公的リソースを活用して研究開発を行った企業は、開発された技術の社会実装に向けた責任が存在
  • 起業家主導型カーブアウトの実践に向けた事業会社のあるべき姿
    • 本ガイダンスでは、「スタートアップ創出型カーブアウト」の中でも、起業家が主導してカーブアウトのプロセスやその後の経営に取り組む「起業家主導型カーブアウト」に着目し、その特徴等を整理して実践的なカーブアウトの手法を提示。
    • 実践に向けた事業会社のあるべき姿や社内での検討や調整におけるつまずきのポイント、事業会社の協力を得た事例集も整理
      1. カーブアウトの自社経営における位置づけ
        • 自社の組織OSや組織能力には限界があることを前提に、スタートアップ創出型カーブアウトが自社の経営に位置付けられている
      2. フローの整備・運用
        • 起業家主導型カーブアウトを連続的に実施していくためのフローが整備され、適切に運用されている
      3. 各種論点の調整
        • 各種論点の調整において、スタートアップの成長を阻害しない条件を設定できている
      4. エンゲージメント
        • カーブアウトのプロセスにおいて支援部署が適切に支援を提供し、創出されたスタートアップに対して対等に接することができている
      5. 基本思想への理解
        • カーブアウトの対象となる技術は「そもそも自社組織の限界により事業化できないもの」であることを認識できており、スタートアップの「事業の成長速度の最大化」を共通言語にできている

~NEW~
経済産業省 サイバー攻撃への備えを!「SBOM」(ソフトウェア部品構成表)を活用してソフトウェアの脆弱性を管理する具体的手法についての改訂手引(案)を公表します
  • 経済産業省は、ソフトウェアサプライチェーンが複雑化する中で、急激に脅威が増しているソフトウェアのセキュリティを確保するための管理手法の一つとして「SBOM」(ソフトウェア部品表)に着目し、企業による利活用を推進するための検討を進めてきました。2023年7月には、ソフトウェアを供給する企業と調達する企業の双方を想定読者として、SBOMを導入するメリットや実際に導入するにあたって認識・実施すべきポイントをまとめた手引書を策定しました。
  • その後もSBOMのより効率的な活用方法等の検討を継続し、今般、本手引書を改訂する予定です。具体的には、(1)ソフトウェアの脆弱性を管理する一連プロセスにおいてSBOMを効果的に活用するための具体的な手順と考え方、(2)SBOM導入の効果及びコストを勘案して実際にSBOMを導入することが妥当な範囲を検討するためのフレームワーク、(3)委託先との契約等においてSBOMに関して規定すべき事項(要求事項、責任、コスト負担、権利等)を追加しています。本改訂案について、2024年4月26日(金曜日)から5月27日(月曜日)までの間、意見を募集します。
  • 背景・趣旨
    • 近年、産業活動のサービス化に伴い、企業において、オープンソースソフトウェア(OSS)を含むソフトウェアの利用が広がっています。例えば、産業機械や自動車等の制御においてソフトウェアの導入が進んでいます。また、IoT機器・サービスや5G技術についても、汎用的な機器でハードウェア・システムを構築した上で、ソフトウェアにより多様な機能を持たせることで、様々な付加価値を創出していくことが期待されています。
    • このように産業に占めるソフトウェアの重要性が高まる一方で、ソフトウェアの脆弱性を突いたサイバー攻撃が企業経営に大きな影響を及ぼすなど、ソフトウェアに対するセキュリティ脅威が増大しています。このため、自社のセキュリティを強化するためにソフトウェアを適切に管理していくことが重要になりますが、ソフトウェアサプライチェーンが複雑化し、OSSの利用が一般化する中で、自社製品において利用するソフトウェアであっても、コンポーネントとしてどのようなソフトウェアが含まれているのかを把握することが困難な状況という課題があります。
    • このようなソフトウェアの脆弱性管理に関し、ソフトウェアの開発組織と利用組織双方の課題を解決する一手法として、「ソフトウェア部品表」とも呼ばれるSBOM(Software Bill of Materials)を用いた管理手法が注目されています。
    • 経済産業省では、「産業サイバーセキュリティ研究会ワーキンググループ1(制度・技術・標準化)サイバー・フィジカル・セキュリティ確保に向けたソフトウェア管理手法等検討タスクフォース」において、有識者や様々な分野の業界団体関係者を交えながら、SBOMの利活用等について実証や議論を行い、企業が適切にソフトウェアを管理するためにSBOMの導入を検討する際に活用できるよう、SBOMの基本的な情報や導入に向けた実施事項、認識しておくべきポイントを整理した「ソフトウェア管理に向けたSBOM(Software Bill of Materials)の導入に関する手引ver1.0」を2023年7月に公表しました。
    • 他方で、SBOMを導入した後に、SBOMをどのように活用してソフトウェアの脆弱性を効率的に管理(ソフトウェアの脆弱性の特定、脆弱性対応の優先度付け、情報共有、脆弱性対応)出来るかが明らかでないといった課題が存在しています。
    • また、ソフトウェア部品の供給者と調達者の立場によって、SBOM作成のコストや脆弱性管理の効率化による便益に偏りが発生しないよう、SBOM導入前に取り決めを明確にしておくことや、SBOMにより特定されるソフトウェア部品の範囲や脆弱性管理の範囲などどこまで対応出来ているか違いを可視化し、分野や用途に応じてSBOMを導入するのに適切な範囲を明らかにすることも重要です。
    • これらの課題を対応し、産業界におけるSBOMの活用をさらに促すべく、同タスクフォースにおいて検討を進め、今般、「ソフトウェア管理に向けたSBOM(Software Bill of Materials)の導入に関する手引ver2.0(案)」を策定し、意見募集を開始しました。
  • 「ソフトウェア管理に向けたSBOM(Software Bill of Materials)の導入に関する手引ver2.0(案)」の概要
    • 「ソフトウェア管理に向けたSBOM(Software Bill of Materials)の導入に関する手引ver2.0(案)」は、ソフトウェアを供給する企業と調達する企業の双方を想定読者としています。2023年7月に公表した「ソフトウェア管理に向けたSBOMの導入に関する手引ver1.0」の内容に加えて、以下の内容を盛り込んでいます。
      • 脆弱性管理プロセスの具体化(第7章)
        • SBOMを活用することで、ソフトウェアの脆弱性管理を通じた脆弱性リスクの低減が効果として見込まれていることから、SBOMを活用するプロセスの中でも、脆弱性管理に関するフェーズが特に重要です。本章では、ソフトウェアの脆弱性を管理する一連プロセスにおいてSBOMを効果的に活用するための具体的な手順と考え方をまとめることで、SBOM活用による効果を高めるための参考情報を提供しています。
      • 「SBOM対応モデル」の追加(8.付録)
        • 本モデルでは、SBOM導入の効果及びコストを勘案して実際にSBOMを導入することが妥当な範囲を検討するためのフレームワークを示しています。当該フレームワークを用いることで、高度な管理を行えるソフトウェア、すなわちセキュアなソフトウェアが市場に適切に評価され、その流通が促進されることが期待できます。
      • 「SBOM取引モデル」の追加(9.付録)
        • 本モデルでは、ソフトウェア部品の受発注において、調達者と供給者の間でSBOMに関して契約に規定すべき事項(要求事項、責任、コスト負担、権利等)について参考となる例を示しています。

~NEW~
経済産業省 知財・無形資産の投資・活用における等身大の悩みや課題を解決!「知財経営への招待~知財・無形資産の投資・活用ガイドブック~」を公開
  • 特許庁は、知財・無形資産の投資・活用の実践及び適切な情報開示に向けて、取り組むべき事項を具体的に取りまとめたガイドブックを公開しました。
  • 今回新たに示す、知財・無形資産を活用していくためのポイントなど、知財・無形資産の投資・活用に悩まれる企業の方に是非読んでいただきたい内容となっています。
  • 本ガイドブックの要旨
    • コーポレートガバナンス・コードの改訂、知財・無形資産ガバナンスガイドライン2.0の策定等を経て、知財・無形資産の投資・活用やその開示の重要性についての認識は広がりつつあるものの、いかに取り組み始めればよいか、悩む声が数多く寄せられてきました。
    • 知財・無形資産の投資・活用を実践するにあたっては、自社の強みについて社内メンバー間で共通認識化することが必要不可欠です。しかし、実践に悩む企業においては、そもそも自社の強みを把握できていないか、把握できていたとしても認識が異なる点がボトルネックになっていることが判明しました。
    • そこで本ガイドブックでは、このようなボトルネックを解消し、知財・無形資産の投資・活用を推進するためのポイント、それを機能させるための知財部門の役割及び知財・無形資産の投資・活用に係る情報開示の重要性や方法論について、具体的かつ多様な事例とともにご紹介しています。
  • 本ガイドブックの構成
    • 知財・無形資産の投資・活用及びその情報開示について、企業が抱える等身大の悩みや課題に対する実践的な取組方法を取りまとめたガイドブックです。
    • 知財・無形資産の投資・活用を推進するためのポイントをコンパクトにまとめ、ポイントを押さえた知財・無形資産の投資・活用の実践の流れを仮想事例として読みやすいストーリー風に記載しています。
    • ストーリーの中で発生した課題を解決するためのTIPS、先進企業の取組事例をまとめたコラム、知財・無形資産の投資・活用を進める企業の経営層・部門長の課題感を取り上げた座談会レポートも収録するなど、盛りだくさんな内容となっています。
    • 知財・無形資産の投資・活用を推進するにあたって、自社の課題を確認するためのチェックリストを掲載しています。
  • 本ガイドブックの想定読者
    • 知財部門を中心に、経営層や経営企画部門、事業部門、研究開発部門、IR部門等、知財・無形資産の投資・活用に関わる全ての皆様を想定読者としています。
  • ダウンロード・冊子の配布
    • 特許庁ウェブサイト「知財経営への招待~知財・無形資産の投資・活用ガイドブック~」外部リンクからダウンロードできます。
    • また、6月下旬以降には、全国47都道府県に設置されている「知財総合支援窓口」や経済産業局の知的財産室等において、冊子版を無料配布する予定です。
▼ 知財経営への招待~知財・無形資産の投資・活用ガイドブック~

~NEW~
経済産業省 「SX銘柄2024」を選定しました
  • 経済産業省と株式会社東京証券取引所(以下、「東証」という)は、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を通じて持続的に成長原資を生み出す力を高め、企業価値向上を実現する先進的企業群を、「SX銘柄」として、選定・表彰することとしています。東証上場企業を対象に、2023年10月2日から11月30日の間に募集を行い、この度、初回となる「SX銘柄2024」に15社を選定しました。2024年5月24日のSXシンポジウム2024においてSX銘柄2024の表彰式等を予定しています。
  • SX銘柄とは
    • SXとは、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを同期化させ、そのために必要な経営・事業変革を行い、長期的かつ持続的な企業価値向上を図っていくための取組です。SXを通じて持続的に成長原資を生み出す力を高め、企業価値向上を実現する先進的企業群を、「SX銘柄」として、選定・表彰します。
    • SX銘柄の公表を通じて、今後、先進的なSX経営の取組が日本の幅広い企業に普及していくとともに、国内外の投資家等との対話やエンゲージメントが一層促進されることで、投資拡大、ひいては資本市場における日本企業に対する評価が向上していくことを期待します。
  • SX銘柄2024選定企業
    • 東京証券取引所上場企業を対象に、2023年10月2日から11月30日の間にSX銘柄2024への募集を行い、応募いただいた企業の中から、SX銘柄評価委員会での審査を経て、以下の15社をSX銘柄2024として選定しました。
      • 食料品2802 味の素株式会社
      • 電気機器 6645 オムロン株式会社
      • 食料品2503 キリンホールディングス株式会社
      • 情報・通信業 9433 KDDI株式会社
      • 医薬品4568 第一三共株式会社
      • 機械 6367 ダイキン工業株式会社
      • 電気機器 8035東京エレクトロン株式会社
      • 化学 4186 東京応化工業株式会社
      • 空運業 9201 日本航空株式会社
      • 電気機器 6501 株式会社日立製作所
      • 化学 4901 富士フイルムホールディングス株式会社
      • ゴム製品 5108株式会社ブリヂストン
      • 卸売業 8031 三井物産株式会社
      • 食料品 2269 明治ホールディングス株式会社
      • 化学 8113 ユニ・チャーム株式会社
  • SX銘柄2024レポート
    • 先進的なSXの取組が、日本の幅広い企業に普及していくこと、国内外の投資家等との対話・エンゲージメントが一層促進されることを目的として、SX銘柄2024の発表とともに、選定企業の取組等を紹介したSX銘柄2024レポートを作成、公表しました。
▼ SX銘柄2024レポート
  • 「SX銘柄2024」事業の趣旨
    • 本事業では、SXを通じて持続的に成長原資を生み出す力を高め、企業価値向上を実現する先進的企業群を、「SX銘柄2024」として選定・表彰し、レポートとともに公表するものである。
    • 「SX」とは、企業が持続的に成長原資を生み出し、企業価値を高めるべく(「企業のサステナビリティ」の向上)、社会のサステナビリティ課題に由来する中長期的なリスクや事業機会を踏まえ(「社会のサステナビリティ」との同期化)、投資家等との間の建設的な対話を通じて資本効率性を意識した経営・事業変革を実行することを指す。
    • 事業を通じた企業価値創造と直接の関係が薄い、いわゆる社会貢献活動とは異なる。
    • 一口に「社会のサステナビリティ課題」と言っても、気候変動や人権など多様化する社会課題に関する国際ルール環境も変化し、さらにサプライチェーン・リスクやサイバーセキュリティ等の経済安全保障関連課題も顕在化するなど、その中身は複雑化している。
    • こうした社会のサステナビリティ課題に由来するリスクや事業機会を踏まえ、長期の時間軸で望ましい事業ポートフォリオや成長投資等の在り方について、経営陣と社内の各事業部門、投資家、取引先など各企業のインベストメント・チェーン上の様々な主体が建設的な対話・エンゲージメントを繰り返し、企業としての価値創造ストーリーを協創し、実行することが期待される。
    • 本事業では、選定企業を「価値創造経営を進める日本企業の象徴」として示すことで、日本企業に対する国内外の投資家による再評価を促すきっかけとするとともに、経済産業省「伊藤レポート」シリーズで発信してきたメッセージを事例分析の形で発信することを通じ、長期的・持続的な企業価値向上に向けた経営・事業変革の実行を日本企業全体に促すことを目的としている。
  • 「SX銘柄」の背景(経済産業省「伊藤レポート」シリーズと「価値協創ガイダンス」)
    • 日本企業の自己資本利益率(ROE)は、一定の改善をしてきたが、依然として欧米企業に水をあけられている。また、株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業の割合が、欧米に比べて非常に高い水準にある。
    • 2014年以来、経済産業省では「伊藤レポート」シリーズを通じ、一貫して「企業のサステナビリティ(自社の長期的・持続的な企業価値)」を向上させること、そのための投資家等との間の建設的な対話・エンゲージメントや開示の重要性、ESGの視点の重要性を提唱してきた。また、SX経営の実践フレームワーク(手引き)として「価値協創ガイダンス」を公表している。
    • 特に、2022年増補編である「伊藤レポート3.0」では、企業のサステナビリティを社会のサステナビリティと同期化させることの重要性が増大する現状を踏まえ、企業の長期的・持続的な価値創造のために、「SX」の重要性を強調している。同時に、SXを実現するためのフレームワークとして価値協創ガイダンスを改訂し、「価値協創ガイダンス2.0」として公表した。

~NEW~
経済産業省 「AIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方に関する調査研究」の調査結果を公表します
▼ 要約版
  • 背景
    • AIを利活用した創作については、従前から特許法上の保護の在り方について検討がなされてきた。他方、近年はChatGPTをはじめとする生成系AIが急速に進歩しており、知的財産推進計画2023では、「ChatGPT等の万人が容易に利用可能なAIが出現したことにより、創作過程におけるAIの利活用が拡大することが見込まれ、それによって生まれた発明を含む特許出願が増えることが予想される。そのような発明…の審査において、創作過程でのAIの利活用をどのように評価するかが問題となるおそれがある」点が指摘され、「創作過程におけるAIの利活用の拡大を見据え、進歩性等の特許審査実務上の課題やAIによる自律的な発明の取扱いに関する課題について諸外国の状況も踏まえて整理・検討する」こととされている。
    • また、海外に目を向けると“DABUS”なるAI自体が創作したと主張される特許出願が各国でなされ、米国特許庁、英国特許庁が意見募集を行うなど、諸外国においてもAIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方について議論がなされている。
  • 目的
    • 本調査研究では、諸外国の状況も踏まえて、(1)最新のAIの技術水準や、発明の創作過程におけるAIの利活用の状況を調査すること、(2)創作過程におけるAIの利活用の拡大により生じる特許審査実務上の課題を整理・検討すること、(3)AIによる自律的な発明の取扱いに関する課題を整理・検討することで、AIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方を検討する上での基礎資料を作成することを目的とする
  • 発明の創作過程におけるAIの利活用状況
    • 生成AIの技術力が突出しているGoogle、Amazon、Meta、Microsoft(Open AIを含む)の4社について、公開情報をもとに開発・提供中のサービスを調査した。また、その他の企業等についても、発明の創作過程におけるAIの利活用の状況を調査した。
      • Google、Amazon、Meta、Microsoft(Open AIを含む)
        • 自社の大規模言語モデル(LLM)を様々な用途に利用している(コーディング支援、検索エンジンの高度化、チャットボット、画像生成、広告生成、音声・音楽生成、動画・アニメーション生成、ロボット行動生成等)。
      • その他の企業等
        • 創薬や材料開発に加えて、近年は飲料レシピの提案、設計案(3D-CAD等)の生成、調達書類の作成、製品の新規用途開発などの多岐に渡る用途で生成AIが利用されている。
        • また、AI開発企業と、サービス提供企業との提携による活用例が複数確認された。
  • AIの利活用の拡大に伴う課題等の分析
    • 発明該当性
      • 現行の特許法又は特許審査実務に対する課題を示す意見は発見されなかった。
    • 進歩性
      • AIの利用による発明の効率化(高速化)を踏まえたAI関連発明特有の課題として「AIを利用した大量の発明を抑制するために、審査基準における『類似/周辺/隣接技術分野』の範囲を広げることで、関連技術分野を広くし、発明を自明/進歩性欠如に導く先行技術が見つけ易くすべき」といった進歩性の水準の向上についての意見が見られた。
    • 記載要件
      • 主にAIの再現性の低さに対する懸念から、実施可能要件やサポート要件を担保するための仕組みとして「机上や虚偽のデータの記載にならないよう、明細書でのデータの信頼性を担保して、効果の真正さを保障すべき」といった明細書等における開示の充実化に関する意見が見られた。
      • 一方で、「記載要件を厳密に要求すると、チューニングの際のノウハウなどまで明細書に開示せざるを得なくなり特許を取得する意味がなくなる」といった明細書等における開示の充実化を懸念する意見も見られた。
    • 発明者
      • 発明者として自然人を想定する意見が多数であった。
  • 各国・地域のAI関連発明に関する審決・判決の分析
    • 米国、欧州、英国、中国、韓国におけるAI関連発明の審決・判決のうち、発明該当性、進歩性、記載要件が争点となったものを中心に以下17件について分析を行った。
      • 発明該当性:3件(米国1件、英国2件)
      • 進歩性:10件(米国2件、欧州4件、英国1件、中国1件、韓国2件)
      • 記載要件:3件(欧州2件、韓国1件)
      • 発明者適格(DABUS判決):1件(英国1件)
    • 英国では発明該当性について、従来の特許審査の運用と異なる高等裁判所の判決があった。AI関連発明は「コンピュータプログラム」に該当し、発明該当性を満たさないと判断される蓋然性が高かったところ、Emotional Perception AI Ltd v Comptroller-General of Patents, Designs and Trade Marks判決([2023] EWHC 2948 (ch))において英国高等裁判所は、基本的に人工ニューラルネットワーク(ANN)はコンピュータプログラムではないため、「コンピュータプログラム」であるという理由で発明該当性を満たさないとは判断されないとの見解を示した。
    • 上述の裁判例以外では、既存の特許審査の運用と大きく乖離した審決・判決は発見されなかった。
    • なお、世界的に注目を集めるDABUS判決については、2023年12月に、英国において、最高裁判所が、英国控訴院による判決に対する上告を棄却する旨の判決及びプレスサマリーをウェブサイトにて公表するという動きがあった。当該公表において、発明者は自然人でなければならないという最高裁の見解が示されている。
  • 国内アンケート調査
    • 発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
      • すでに発明の創作過程においてAIを活用している企業(14者)であってもAIの技術水準が十分ではないと考えている企業が多数(11者)。
      • 課題候補、解決手段候補の抽出等にAIを利用しつつも、最終的には人間がその知見に基づき発明を創作しており、完全にAIだけで発明が創作されているという回答は確認されなかった。
    • 特許審査実務上の課題
      • AIの利活用の拡大に伴い進歩性の考え方を変更すべきかについて、変更すべきでない意見(26者)の方が、変更すべきという意見(14者)よりも多かった。
      • 実施可能要件について、発明の創作過程にAIを活用することにより変化が生じるとは考えられないという意見(25者)の方が、変化が生じるという意見(16者)よりも多かった。
      • 明細書等において、化合物等の機能についてMI、BI(※)による予測が示されているに過ぎず、実際にそれを製造して機能を評価した実施例が記載されていない場合について、記載要件を満たすと認めてほしい要望は少なかった(36者が要望はないと回答)。また、そのような実際の製造に基いて機能を評価した実施例の記載は、(実施可能要件を含む)記載要件の担保につながり、技術の発展に資するため、メリットがあるという意見が多かった(13者)。
    • AIによる自律的な発明の取扱い
      • AI自律的発明の特許出願・権利化を国として認めると問題をもたらすおそれがあるかについて、おそれがあるという意見(33者)の方が、おそれはないという意見(7者)よりも多かった。また、問題をもたらすおそれがある理由として、実現性が検証されていない発明が増える、発明の増加と過大な出願により審査が遅れる可能性があるとの意見があった。
  • 国内ヒアリング調査
    • 発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
      • マテリアルズ・インフォマティクスについて、現在はAIを利用することによって目的とする材料に数回の試行錯誤で到達することが可能となってきており、新規材料の開発が効率化しているとの意見があった。
      • 現状のAIの技術水準は高くなってはいるものの、発明を創作するためにはまだ人による検証が必要との意見が多く、AIが自律的に発明を創作する事例は確認されなかった。
    • 特許審査実務上の課題
      • AIの利活用拡大に伴う進歩性の考え方については、現行から変える必要がないとの意見が多く聴取された。その理由として当業者が用いる出願時の技術常識や研究開発のための通常の技術的手段等にAIが含まれることにより、AIの進展に伴い自然と当業者の解釈が変化していく(結果として進歩性は否定されやすくなる)ことがあげられた。
      • 創作過程にAIを利用した発明に対し進歩性の考え方を異ならせることについて、出願人側のメリットはなくデメリットのみが想定される旨の意見が多かった。
      • マテリアルズ・インフォマティクスについて、AIによりある機能をもつと推定された物(化合物等)の発明について、記載要件を満たすためには、その物を実際に製造した実験データを明細書に記載することを引き続き求めるべきという意見が多かった。また、将来AIの予測精度があがれば、実現可能性を担保するための実験結果が不要になる可能性があるとの意見が複数みられた。
    • AIによる自律的な発明の取扱い
      • 創作過程にAIが利用された発明について、現状は発明の創作に人間の関与が一定程度必要であることから、発明の技術的特徴部分の具体化に創作的に関与した者を発明者とする現行の発明者要件の考え方で対応可能であるという意見が多かった。
      • 今後AIが更に発展し人間の関与が小さくなったとしても、創作的に関与する者がいる限り、その者を発明者として認定すれば良いという指摘もあった。
      • AI自体に権利の主体を認めることに関しては、自然人を発明者とする現行の整理を維持すべきであるという意見が多く、その理由として「インセンティブを与える必要がないため、AIを権利主体にするメリットはない」、「AI自体には権利能力がないので、AIに権利主体を認めることは法理論上考え難い」、「議論が特許法だけではなく、他法域にも影響する」といった点が挙げられた。
      • AI所有者は発明者にはなりえないとの意見が多くみられた
  • 海外質問票調査
    • 発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
      • 発明の創作過程のAIの活用はまだ限定的であり活用率は低いと考えられる。
      • AIの技術水準としては、まだ不十分で誤った出力や矛盾する出力が発生するとの意見があった。
    • 特許審査実務上の課題
      • 発明者の認定については、発明への実質的な貢献・寄与度(関与度)によって判断すべきという意見が多くみられた。
      • AIの利活用の拡大に基づき進歩性の考え方を変更すべきかについては、変更すべきではないとの意見が多かった。
      • 発明の創作過程にAIを利用した発明について、実施可能要件の観点で、従来の出願と比べて明細書の記載内容に変化が生じないとの意見が多かった。
    • AIによる自律的な発明の取扱い
      • AIの普及に伴い発明の創作に人間の関与が小さくなる場合でも、そのように創作された発明を特許権で保護すべきという意見が多かった。
      • AIによる自律的発明に特許権を付与すると、AIにより短期間で大量の特許出願が発生し特許庁に出願を審査する人材が足りなくなる、特許を独占する企業が現れる等の理由で問題をもたらす可能性があるとの意見があった。
  • 海外ヒアリング調査
    • 発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
      • 特許事務所におけるAIの使用については、出願書類を作成する上ではセキュリティの面で懸念があるとの意見があった。また、AIを用いて出願書類を作成するツールはあるが内容が十分ではないという意見があった。
    • 特許審査実務上の課題
      • 進歩性については、将来水準が上がる可能性があるとの意見があった。
      • 英国ではAI関連発明の発明該当性について、発明に技術的寄与が必要であり、欧州より厳格であるとの意見があった。
    • AIによる自律的な発明の取扱い
      • AIを発明者としては認めず、自然人のみが発明者であるべきとの意見で共通していた。
  • まとめ
    • 本調査研究の有識者委員会による議論の結果概要は以下のとおり。
      • 現時点において、発明の創作過程におけるAIの利活用の影響により、従来の特許法による保護の在り方を直ちに変更すべき特段の事情は発見されなかった。
      • 一方で、AI関連技術は今後更に急速に発展する可能性があるため、引き続き技術の進展を注視しつつ、必要に応じて適切な発明の保護の在り方を検討することが必要と考えられる。
    • 各調査項目についての結果概要
      • 最新のAIの技術水準や、発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
        • マテリアルズ・インフォマティクスにより、新規材料の開発が効率化。
        • 発明の創作過程における生成AIの利用方法が検討され始めている(例:壁打ち等)。
        • 現在のAIの技術水準では、発明の創作に人間の関与が一定程度必要であり、AIが自律的に発明を創作する事例は確認されなかった。
      • 創作過程におけるAIの利活用の拡大により生じる特許審査実務上の課題
        • 進歩性判断への影響について現段階では、当業者が用いる出願時の技術常識や研究開発のための通常の技術的手段等にAIが含まれることを考慮すれば、現行の考え方を維持することが適切。
        • 一方で、今後AIが更に発展することにより、技術分野を超えて発明を組み合わせることが容易になる等、進歩性の動機付け等の実務に影響を与える可能性があるという指摘もあった。AI技術の進展や諸外国の状況を引き続き注視していく必要がある。
      • AIによる自律的な発明の取扱いに関する課題
        • 創作過程にAIが利用された発明について、現状は発明の創作に人間の関与が一定程度必要であることから、発明の技術的特徴部分の具体化に創作的に関与した者を発明者とする現行の発明者要件の考え方で対応可能であるという意見が多数であることが確認された。
        • 今後AIが更に発展し人間の関与が小さくなったとしても、創作的に関与する者がいる限り、その者を発明者として認定すれば良いという指摘もあった。

~NEW~
経済産業省 約束手形等の交付から満期日までの期間の短縮を事業者団体に要請します
  • 中小企業庁では、中小企業の取引適正化の重点課題の1つに「支払条件の改善」を位置づけ、業種別の下請ガイドラインや自主行動計画などを通じ、約束手形、電子記録債権、一括決済方式による下請代金支払のサイト(交付から満期日までの期間)の短縮を推進してきました。2024年11月以降、下請法上の運用が変更され、サイトが60日を超える約束手形や電子記録債権の交付、一括決済方式による支払は、行政指導の対象となります。
  • サイトの短縮は、下請法の適用対象とならない取引も含め、サプライチェーン全体で取り組むことが重要です。中小企業庁では、公正取引委員会と連名で、各事業者団体等に対する要請文を発出しました。
  • 概要
    • 中小企業庁及び公正取引委員会は、1966年以降、業界の商慣習、親事業者と下請事業者との取引関係や金融情勢等を総合的に勘案し、繊維業は90日、その他の業種は120日を超えるサイトの手形等を、下請法が規制する「割引困難な手形」等に該当するおそれのあるものとして指導してきました。
    • こうした長期の手形等が下請事業者の資金繰りの負担となっていることなどを踏まえ、中小企業庁では、中小企業の取引適正化の重点課題の1つに「支払条件の改善」を位置づけ、業種別の下請ガイドラインや自主行動計画などを通じ、手形等による支払期間の短縮を推進してきたところです。・令和3年3月には、下請法の運用の見直しについて、検討を行うこととしていました。
    • そして今般、改めて各業界の商慣行、金融情勢等を総合的に勘案して、意見公募手続を経た上で、サイトが60日を超える手形等が、下請法上の「割引困難な手形」等に該当するおそれがあるものとして、指導の対象とする運用の見直しを、公正取引委員会が公表しました。
  • 新たな運用の適用開始時期
    • 今後は、令和6年11月1日以降に交付された手形等について、新たな運用が適用されることとなります。

~NEW~
総務省 我が国のこどもの数-「こどもの日」にちなんで-(「人口推計」から)
  • 2024年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口。以下同じ。)は、前年に比べ33万人少ない1401万人で、1982年から43年連続の減少となり、過去最少となりました。
  • 男女別では、男子が718万人、女子が683万人となっており、男子が女子より35万人多く、女子100人に対する男子の数(人口性比)は105.0となっています。
  • こどもの数を年齢3歳階級別にみると、12~14歳が317万人(総人口に占める割合2.6%)、9~11歳が305万人(同2.5%)、6~8歳が288万人(同2.3%)、3~5歳が257万人(同2.1%)、0~2歳が235万人(同1.9%)となっています。
  • これを中学生の年代(12~14歳)、小学生の年代(6~11歳)、未就学の乳幼児(0~5歳)の三つの区分でみると、それぞれ317万人(同割合2.6%)、593万人(同4.8%)、491万人(同4.0%)となっています。
  • こどもの割合(総人口に占めるこどもの割合。以下同じ。)は、1950年には35.4%と総人口の3分の1を超えていましたが、第1次ベビーブーム期(1947年~1949年)後の出生児数の減少を反映し、1970年には23.9%まで低下しました。
  • その後、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)の出生児数の増加によって僅かに上昇し、1974年には24.4%まで上昇したものの、1975年から再び低下を続け、2024年は11.3%(前年比0.2ポイント低下)で過去最低となりました。
  • なお、こどもの割合は、1975年から50年連続して低下しています。
  • 都道府県別の2023年10月1日現在におけるこどもの数をみると、前年に比べ47都道府県でいずれも減少となっています。また、こどもの数が100万人を超えるのは、東京都、神奈川県の2都県となっています。
  • こどもの割合をみると、沖縄県が16.1%と最も高く、次いで滋賀県が13.0%、佐賀県が12.9%などとなっています。一方、秋田県が9.1%と最も低く、次いで青森県が10.0%、北海道が10.1%などとなっています。

~NEW~
総務省 ICTサイバーセキュリティ政策分科会(第6回)
▼ 資料6-1 地方公共団体情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの改定方針(総務省自治行政局)
  • 「三層の対策」概要(従来型のαモデル)
    • 複雑・巧妙化しているサイバー攻撃の脅威により、地方公共団体の行政に重大な影響を与えるリスクが想定されるため、情報システムにおいては、機密性はもとより、可用性や完全性の確保にも十分配慮した、情報システム全体の強靭性の向上が求められる。
    • 情報システム全体の強靭性の向上を「三層の対策」により実現する。
      • 三層の対策
        • マイナンバー利用事務系では、端末からの情報の持ち出し不可設定等を講じ、住民情報の流出を徹底して防止
        • LGWAN接続系とインターネット接続系を分割し、LGWAN環境のセキュリティを確保
        • 都道府県と市区町村が協力して、自治体情報セキュリティクラウドを構築し、高度なセキュリティ対策を実施
  • クラウドサービスの増加
    • Microsoft 365をはじめ、インターネット経由で利用することが必要なクラウドサービスが増加している。
  • β ´モデルについて
    • 地方公共団体の業務で広く活用されているサービスがクラウド上で提供されるようになっており、インターネットと接続可能な領域に業務環境を配置する必要性が高まっていることを受け、インターネット接続系に業務端末・業務システムを配置したβ´モデルに対するニーズが高まっている。
    • インターネット接続系の業務端末に対するエンドポイント対策、各業務システムのログ収集・監視など、従来の境界型防御にとどまらない追加のセキュリティ対策を行うことが求められる。
  • 「三層の対策」の状況(自治体分類別)
    • 回答のあった1,730団体のうち、都道府県は約3割、政令指定都市は約4割がβ‘モデル団体である。一方、中核市・特別区は8割以上、その他市町村は9割以上が従来型のαモデル団体であった。
  • αモデルの団体がβ・β‘モデル移行を断念している理由
    • αモデルの団体のうち、政令指定都市では約8割、都道府県では約7割、中核市・特別区でも半数以上がβ・β‘移行を検討したことがあるが移行に至っていない。移行を断念する理由として、「導入・維持コストの増加」、「運用負荷増加」、「セキュリティ脅威の増加」が挙げられていた。他に、「移行のタイミング」や「情報資産の棚卸し」についても挙げられている。

~NEW~
総務省 労働力調査 (基本集計) 2024年(令和6年)3月分
  • 男女別就業者数
    • 就業者数は6726万人。前年同月に比べ27万人(0.4%)の増加。20か月連続の増加。男性は3666万人。6万人の増加。女性は3060万人。22万人の増加
  • 従業上の地位別就業者数
    • 自営業主・家族従業者数は611万人。前年同月に比べ14万人(2.2%)の減少
    • 雇用者数は6080万人。前年同月に比べ44万人(0.7%)の増加。25か月連続の増加。男性は3272万人。14万人の増加。女性は2807万人。29万人の増加
  • 雇用形態別雇用者数
    • 正規の職員・従業員数は3602万人。前年同月に比べ11万人(0.3%)の増加。5か月連続の増加
    • 非正規の職員・従業員数は2131万人。前年同月に比べ30万人(1.4%)の増加。7か月連続の増加
    • 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は37.2%。前年同月に比べ0.3ポイントの上昇
  • 就業率
    • 就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合)は61.2%。前年同月に比べ0.4ポイントの上昇
    • 15~64歳の就業率は78.7%。前年同月に比べ0.5ポイントの上昇。男性は83.8%。0.3ポイントの上昇。女性は73.4%。0.5ポイントの上昇
    • 20~69歳の就業率は80.5%。前年同月に比べ0.4ポイントの上昇
  • 男女別完全失業者数
    • 完全失業者数は185万人。前年同月に比べ8万人(4.1%)の減少。2か月ぶりの減少
    • 男性は103万人。前年同月に比べ12万人の減少。女性は82万人。前年同月に比べ4万人の増加
  • 求職理由別完全失業者数
    • 完全失業者のうち、「勤め先や事業の都合による離職」は24万人と、前年同月に比べ3万人の減少、「自発的な離職(自己都合)」は79万人と、前年同月に比べ1万人の減少、「新たに求職」は53万人と、前年同月に比べ1万人の増加
  • 年齢階級別完全失業者数
    • 男性の完全失業者数は、「15~24歳」を除く全ての年齢階級で、前年同月に比べ減少
    • 女性の完全失業者数は、「15~24歳」及び「45~54歳」を除く全ての年齢階級で、前年同月に比べ増加

~NEW~
国土交通省 株式会社IHI原動機による舶用エンジン等の燃料消費率に関するデータ改ざん事案について
  • 本日、株式会社IHI原動機及び親会社の株式会社IHIより、IHI原動機が製造する舶用エンジン等について、試運転時に行う燃料消費率の測定において、データが改ざんされるという不適切行為があった旨の報告を受けました。
  • このような事態は、ユーザーからの信頼を損なう行為であり、また、船舶の環境・安全性能の確保の観点からも極めて遺憾です。
  • 国土交通省としては、両社に対して、事実関係の詳細な調査及び再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう指示しました。
  • 引き続き、両社を指導し、船舶の環境・安全性能の確保と再発防止の徹底について、厳正に対処してまいります。
  • IHI原動機及びIHIからの報告概要
    • 舶用エンジンの組立完了後に行う試運転において、実際に測定された燃料消費率(以下「実測値」という。)とは異なる数値を工場試験成績書に記載していた。詳細は以下の通り。
      • 2003年以降に出荷した国内向け舶用エンジン(1,938台)のうち、1,594台において工場試験成績書における燃料消費率のデータ改ざんが行われていた。
      • このようなデータ改ざんにより、796台において実測値が顧客との間の仕様値を満たさないものとなっていた。
      • 実測値を用いたNOx排出量に関する規制の適合性については確認中であるが、海外向けの舶用エンジンで基準を逸脱している恐れのある事例が確認された。
    • 原因究明や再発防止策の策定等を進めるため、外部有識者を中心とした特別調査委員会を設置する。
  • 国土交通省の対応
    • 舶用エンジンの不適切行為に対する国土交通省の対応は以下の通り。
      • 両社の報告を踏まえて、以下の通り両社に指示を行うとともに、今後国土交通省が行う調査を踏まえNOx規制に係る規則の遵守が確認されるまでの間、IHI原動機に対する関連証書の交付は行わない旨を伝達した。
      • 2003年以前の不適切行為の確認も含めた全容の解明と再発防止策を策定すること。それに向けて、まず5月末までにその時点までに判明・措置した事項について報告すること。
      • 関係事業者への丁寧な説明や対応に努めること。
      • 不適切行為のあったエンジンを搭載している船舶について他の関係規則への適合に影響する可能性があるかどうかを確認すること。
    • 他の舶用エンジンメーカーに対して、環境・安全に関する規則遵守の徹底と適切な業務運営に関する注意喚起を行った。
    • 今後、IHI原動機に対し、速やかに調査を実施し、事実確認を行った上で、厳正に対応する。

~NEW~
国土交通省 「地域公共交通計画」の実質化に向けた検討会 中間とりまとめについて~モビリティ・データを活用した、無理なく、難しくなく、実のある計画に向けたアップデート~
  • 国土交通省では、「地域公共交通計画」(令和6年3月現在、全国1021件)について、令和5年12月より「地域公共交通計画の実質化に向けた検討会」(座長:中村文彦・東京大学大学院教授)において、同計画に係る課題整理や官民関係者が取り組むべき事項の検討をいただいてまいりました。この度、中間とりまとめが行われましたので、公表します。
  • 中間とりまとめ 概要
    • 地域交通は、長期的な需要の減少や運転者等の人手不足により、多くの地域で深刻な状況にあり、「地域公共交通計画」には、司令塔機能やデータ活用の強化・拡張など、実質化に向けたアップデートが必要。
    • 2027年までにトップランナー100を創出。現行の地域公共交通計画が更新期を迎える
    • 2030年頃までに地方都市を中心に全自治体におけるアップデート※を推奨 ※今後、国が提案するアップデートのガイダンスに沿った改訂等
    • 地域公共交通計画のアップデートに向け、市町村による以下の取組を推奨。
      • モデルアーキテクチャ(標準構造)に基づく計画
        • 「公共交通軸の充実・保証」、「移動制約者(高齢者・こども等)の足の確保」の2大目標の設定等の『シンプルで一貫性ある構成への見直し』や『適材適所の施策・事業の集中展開』、『具体的なPDCAスケジュールの設定』
      • 機動的・横断的な実行体制
        • 自治体・交通事業者等による信頼とデータに基づく『モニタリングチームの組成』、『多様な関係者の実質的参画』、『専門人材の確保・育成』
      • モビリティ・データの利活用
        • 自治体、交通事業者等の間で共有の目的・範囲・条件等を明確化した『データ共有体制の確立』、『他分野データの活用』、『データも活用した計画策定・実行』
        • 都道府県においては、以下の観点から、市町村の牽引・伴走を期待。
          • ヒト&プレイス(人材育成、ネットワーキングの場)
          • データ(データ共有枠組みの構築)
          • リ・デザイン(実証運行、新技術等を先導)
        • 国においては、「アップデート・ガイダンスの提供」、「ポータルサイトの整備」、「対話型支援」、「官民デジタル化」、「専門人材の確保・養成」の5つの施策により、各地における地域公共交通計画のアップデートを推進。
▼ 中間とりまとめ本文等

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