• ホーム
  • SPN JOURNAL Online
  • 連載コラム
  • 新しい資本主義実現会議(内閣官房)/中小企業白書・小規模企業白書概要(経産省)/インターネット上の偽・誤情報対策に係るマルチステークホルダーによる取組集(総務省)

危機管理トピックス

新しい資本主義実現会議(内閣官房)/中小企業白書・小規模企業白書概要(経産省)/インターネット上の偽・誤情報対策に係るマルチステークホルダーによる取組集(総務省)

2024.05.13
印刷

更新日:2024年5月13日 新着13記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

消費者庁
  • ICPEN詐欺防止月間(2024年)
  • 第1回 食品寄附等に関する官民協議会(2024年5月9日)
経済産業省
  • グローバル越境プライバシールール(CBPR)システムの稼働に向けて文書(ポリシー、ルール及びガイドライン等)を公表しました
  • 2024年版中小企業白書・小規模企業白書が閣議決定されました
総務省
  • 「インターネット上の偽・誤情報対策に係るマルチステークホルダーによる取組集」の公表
  • OECD閣僚理事会の結果
  • ICTサイバーセキュリティ政策分科会(第7回)
  • デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第18回)配付資料

~NEW~
金融庁 「気候関連シナリオ分析 ~銀行セクターにおける今後の取組~」の公表
▼ 気候関連シナリオ分析 ~銀行セクターにおける今後の取組~
  • 背景(2021年度実施のパイロットエクササイズ)
    • 世界的に気候変動対策が加速化する中で、金融機関は、気候変動に関連する変化が顧客企業や金融機関自身の経営にもたらす機会及びリスクをフォワードルッキングに捉えることが重要である。このような視点の下、金融機関が顧客企業の気候変動対応を支援することにより、顧客企業が変化に対して強靭な事業基盤を構築し、金融機関自身も持続可能な経営基盤を確保することにつながると考えられる。
    • 気候変動に関する影響は中長期に亘って顕在化するとみられ、その発生の態様や影響の程度に関する不確実性も高いという特性がある。このため、金融機関における機会・リスク両面からのフォワードルッキングな分析・評価には、シナリオ分析が有効とされている。シナリオ分析とは、将来の気温上昇や各国政府の政策対応等に関し、いくつかのシナリオを想定したうえで、シナリオ下での影響の波及経路についてある程度合理的と考えられる仮定を置きつつ、金融機関の収益・財務等に与える影響のタイミングや程度について定量的な評価・シミュレーションを行うものである。
    • 2021年度に、金融庁と日本銀行は3メガバンクと連携して、共通シナリオを用いたシナリオ分析の試行的取組(パイロットエクササイズ)を実施し、2022年8月に分析結果や課題を公表した2。パイロットエクササイズでは、2021年3月末時点の与信を対象に、気候関連リスク(移行リスクと物理的リスク)が信用リスクを通じて銀行の財務に与える影響の分析を行った。
  • パイロットエクササイズ実施後のシナリオ分析に関連する取組
    • 金融庁と日本銀行は、パイロットエクササイズ以降も3メガバンクを始めとして金融機関との対話を重ねてきた。加えて、以下のようなシナリオ分析に関する調査研究や関係機関との情報交換・連携、国際会議への参加を通じたシナリオ分析に関する各国当局との知見の共有を実施してきた。
      • 金融庁5は、パイロットエクササイズでも共通シナリオとして採用した気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)が公表したシナリオの特徴やその活用方法に関して調査し、公表している。
      • 日本銀行では、より多角的なリスク分析を行うために短期シナリオに基づくトップダウン型シナリオ分析やシナリオ作成上の論点整理9などに関する論文を職員が公表している。
    • また、パイロットエクササイズで分析の対象としなかった市場リスクについて、気候関連リスクが保有有価証券の時価下落を通じて銀行の財務に与える影響の簡易的な分析を行った。この結果から示唆される潜在的な財務への影響の大きさやシナリオ分析の活用に向けて検討が必要となる態勢整備上の課題を踏まえると、シナリオ分析により検証していく対象としては、貸出への影響(信用リスク)が保有有価証券等への影響(市場リスク)よりも重要性が高いと考えられる。
  • 今後の取組(第2回エクササイズの実施)
    • 現在、金融庁と日本銀行はシナリオ分析の手法・枠組の継続的な改善を目的として、3メガバンクと連携して、第2回の気候関連リスクに係る共通シナリオに基づくシナリオ分析(第2回エクササイズ)の2024年度の実施に向けて準備を進めている。その枠組として以下のものを検討している。
    • パイロットエクササイズは、分析対象期間を移行リスクについては2050年、物理的リスクについては2100年までとした長期のシナリオ分析であった。気候関連金融リスクは中長期に亘って顕在化するとみられるものの、政策変更、技術や資源の制約、またそれらを受けた企業・家計の行動変容などによって、同リスクに短期的に大きな変動が生じる可能性も考えられるため11、第2回エクササイズでは分析対象期間を比較的短い時間軸とする予定である。これにより銀行のリスク管理に活かしやすい結果が得られる可能性があると考えられる。
    • また、市場リスクの簡易分析結果を踏まえ、第2回エクササイズでは、よりインパクトの大きい貸出への影響(信用リスク)とその評価に焦点を当てるとともに、試行的に、シナリオ分析の枠組で、金融機関に帰属する投融資先の排出量(ファイナンスド・エミッション)の削減目標の達成に向けた取組やその貸出等のポートフォリオ運営への影響を考察することも検討する。

~NEW~
警察庁 ランサムウェア「LockBit」被疑者の起訴等について
  • 概要
    • 本年2月、我が国を含む関係各国による国際共同捜査により、ランサムウェア攻撃グループLockBitの一員とみられる被疑者を外国捜査機関が検挙するなどしたところ(令和6年2月広報資料参照)、この度、これに続く措置として、イギリス、アメリカ及びオーストラリア当局が、同グループにおいてランサムウェアの開発・運営を行うロシア人被疑者の資産を凍結するなどするとともに、アメリカにおいて同人を起訴した旨を、ユーロポールがプレスリリースした。
    • このプレスリリースにおいては、前回と同様、関係各国で関連するランサムウェア事案の捜査を行っており、当該捜査について、日本警察を含む外国捜査機関等の国際協力が言及されており、また、日本警察において開発したランサムウェアLockBitによって暗号化された被害データを復号するツールについても、同様に言及されている。
  • 日本警察の協力
    • 関東管区警察局サイバー特別捜査部と各都道府県警察は、我が国で発生したランサムウェア事案について、外国捜査機関等とも連携して捜査を推進しており、捜査で得られた情報を外国捜査機関等に提供している。
    • 我が国を含め、世界的な規模で攻撃が行われているランサムウェア事案をはじめとするサイバー事案の捜査に当たっては、こうした外国捜査機関等との連携が不可欠であるところ、引き続き、サイバー空間における一層の安全・安心の確保を図るため、サイバー事案の厳正な取締りや実態解明、外国捜査機関等との連携を推進する

~NEW~
内閣官房 新しい資本主義実現会議(第27回)
▼ 資料1 基礎資料
  • 同一企業への勤続年数別の賃金を国際比較すると、日本では、若い世代の賃金が低く、勤続15-19年目以降から急速に上昇する傾向。未婚率の上昇や平均出生子数の低さに悪影響。
  • 賃金カーブは、50代が男性の年収ピークである構造に変化はなく、依然として年功序列の傾向が見て取れるが、少しずつフラット化しつつある。
  • OECD諸国の中で、全労働者のうち、勤続年数が5年以上の労働者の占める割合は、日本は直近においても63.5%と、OECD諸国の平均(54.0%)と比べても高く、労働の流動性は相対的に低い。
  • 非正規雇用労働者の賃金を上げていくためには、同一労働・同一賃金制の徹底した施行が不可欠。同一企業内の正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差を禁止する同一労働・同一賃金制の施行(パートタイム・有期雇用労働者は、2020年度から大企業、2021年度から中小企業で施行。派遣労働者は、2020年度から大企業・中小企業で施行)後も、正規雇用労働者・非正規雇用労働者間には、時給ベースで600円程度の賃金格差が存在(この差が合理的でないと結論はできないが)。昨年11月より、基本給・賞与の差の根拠が不十分な企業のうち、各県の労働局が指導・助言を実施していない企業について、一律で、労働基準監督署が点検要請書を対面で交付、経営者に報告の上、対応結果の報告を2か月以内に行うことを求めるなど、施行を強化。
  • 現在、転職活動中、またはいずれ転職したい人の割合は就業者全体の37.0%。世代が若いほど割合は高い。特に34歳以下では過半数の人が転職の希望を持っており、終身雇用型の雇用慣行は適合しなくなってきている。
  • 若者について、2013年度から2018年度にかけて、日本は「自分の才能を生かすため積極的に転職する方がよい」「職場に不満があれば転職する方がよい」の合計の伸び幅は10.2%と一番大きい。また、「つらくても転職せず一生一つの職場で働き続けるべき」「できるだけ転職せずに同じ職場で働きたい」の合計の減少幅は8.3%と一番大きい。我が国において、転職に対する考え方が急速に変化しつつある。
  • 若手の転職活動者がまだ転職していない理由は、「自分にあった仕事がわからない」がトップ(15~24歳、25~34歳では、それぞれ15.2%、20.8%)。一方で、シニア層は「求人の年齢と自分の年齢があわない」がトップ(55~64歳、65歳以上では、それぞれ22.9%、32.2%)。人手不足の中、中高年齢層の活躍できる環境整備が必要。
  • 新規採用者のほうが中途採用者よりも昇進のスピードが速い会社の割合は38.8%。中途採用者の方が早い会社の割合の11.6%より高い。とりわけ企業規模が大きくなるほどその傾向は顕著。その理由は「会社の古い体質で新卒社員の方が、出世をする傾向が習慣」「経営陣の考え方として、新卒者を優遇する社風」「勤続年数による評価の基準が大きいなどの慣例」などの声も多く、ジョブ型人事の導入が求められる。
  • OECD23ヶ国のデータを用いて、企業間の労働移動の円滑度と生涯賃金の上昇度の関係性を調べると、労働移動が円滑である国ほど、生涯における賃金上昇率が高い。例えば、労働移動の円滑度の高い米国や英国では、年に10%が労働移動し、生涯の賃金上昇は75%。
  • 生涯賃金上昇度を、転職に伴う賃金の上昇と同一企業内で働く方の賃金上昇に分割すると、転職に伴う賃金上昇は4分の1に過ぎず、同一企業内で働く方の賃金上昇が4分の3を占める。転職せず同一企業内にとどまる労働者についても、企業間の労働移動が円滑である国ほど、生涯における賃金上昇率が高くなる。労働移動が円滑であれば、企業側も雇用している人材をきちんと評価し、エンゲージメント(従業員の企業に対する愛着心や思い入れ)を高めることで、労働市場において競争力を保つ努力を行うようになり、労働移動をしないで働く人の賃金も上昇。
  • 以上の結果として、企業間の労働移動が円滑である国ほど、国の労働生産性(労働時間当たり実質GDP)が高い。
  • 労働移動が円滑であれば、より良い機会を求めてスキルへの投資意欲が増す。年に9%移動する労働移動の多いデンマークでは、年に6割の労働者がスキル投資を実施。
  • 同じ国の中でも、他の先進国においては職務に求められるスキルに応じた賃金差がある。例えば、IT、データアナリティクス、プロジェクトマネジメント、技術研究といった高いスキルが要求される職種は高い賃金を獲得できている。これに対し、日本企業は、獲得したスキルに応じた賃金差が小さく、スキルの高い人材が報われにくい制度となっている。
  • デンマークでは、一般的に適用可能性が高いスキルについてリ・スキリングを行った場合、求職者の新たな雇用は、元の職種以外の職種での雇用増加が多く、成長分野への円滑な移動が行いやすい。
  • デンマークのリ・スキリングは、受講者の7割が在職者だが、日本は失業者が6割。我が国では、就職をすると、学び直し慣行が薄くなる。労働者の生活安定性を維持したままで、リ・スキリングを進めるためにも、在職期間中のリ・スキリングの強化が必要。
  • 25~44歳の社員の8割以上が「これからは、多くの人に自律的・主体的なキャリア形成が求められる」、「自分自身は、自律的・主体的なキャリア形成をしたい」と思っている。
  • キャリアコンサルティングの効果は、仕事への意欲が高まった(45.4%)、自己啓発する労働者が増えた(36.0%)といった効果を感じている事業所が多い。
  • 何歳まで働き続けたいかを尋ねたところ、70歳以上の年齢まで働き続けたいと回答した者は、50代で25.1%、60代で41.4%、存在する。
  • 就業者1人当たり労働生産性は、近年大企業が急速な伸びを示しているのに対し、中小企業の伸びが停滞しており、格差は2010年代に拡大。人手不足の中、中小・小規模企業の労働生産性向上が急務。
  • スタンフォード大学、MITなどの研究者の実証研究によると、AI自動会話プログラム(チャットボット)の活用により、カスタマーサポートに従事する従業員が1時間当たりに解決できる問題数は平均して14%増加。特に、スキルの低い従業員の効果が顕著であり、34%増加(対数表示で0.29)。AIツールは、高スキルの労働者のベストプラクティスを反映しているため、低スキルの労働者が特にその恩恵を受ける。
  • AI自動会話プログラムが一時的に機能停止した際、従業員はその間AIからの提案を受けられない。ツール導入から1カ月後(4-5週)に機能停止が起きた場合、従業員の問題処理時間に大きな変化は見ない。しかし、機能停止が3か月後(12-13週)に起きた場合、AIツールによる支援を受けていないにも関わらず、問題をより速く処理できた。これは、AIからの提案が、従業員に学習をもたらすため。AIツールが、既存のOJTを補完する。
  • 企業が予定している設備投資は、「設備の代替」が57.0%、「既存設備の維持・補修」が28.5%と多い。「省力化・合理化」、「情報化(IT化)関連」、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」は未だ少ない。
  • 2024年2月時点における全職業の平均有効求人倍率は1.20倍。建設・採掘従事者は5.25倍で最も高い。
  • 過半の企業は採用増に頼っており、人手不足にも関わらず省力化投資を行っている企業は2割未満で少ない。特に、運輸業・郵便業、生活関連サービス業・娯楽業、医療福祉、宿泊業・飲食サービス業で省人化投資を行う企業割合が低い。全政府・全業界を挙げた中小・小規模企業の省力化投資のさらなる強化が期待される。
  • 兼業・副業制度がある会社は、2022年は51.8%。兼業・副業制度を創設した目的は、「従業員のモチベーション向上」が50.3%、「従業員の定着率の向上、継続雇用につなげるため」が50.2%。
  • 兼業・副業人材の受け入れにより業績の向上につながっている企業の割合は64.3%。兼業・副業が業績向上につながっている会社が意識している事項は、「契約条件を詳細に取り決める」が60.2%、「業務内容・期待成果を明確にしている」が54.8%と高く、これらを事前にすり合わせることが重要。
▼ 資料2 論点案
  • 三位一体の労働市場改革の実行、企業内・同一産業内・異なる産業間の労働移動円滑化
    • 勤続年数別の賃金を国際比較すると、いずれの先進国も勤続年数に応じて賃金が上昇する傾向があるが、我が国の特徴として、若い世代の賃金が低く、勤続15-19年目以降から急速に上昇する傾向がある。これが、未婚率の上昇や平均出生子数の低さに、悪影響を与えているのではないか。
    • 34歳以下では過半数の人が転職の希望をもっており、在来の終身雇用型の雇用慣行は世代が若いほどに適合しなくなってきている。同様に、我が国においては、急速に、自分の才能を生かすため積極的に転職する方がよいと考える方が急増している。終身雇用や転職に対する考え方が変化していることに対する対応が必要ではないか。
    • 企業間の労働移動が円滑である国ほど、生涯賃金上昇率が高い。賃金上昇率を引き上げるためにも、企業内・企業間・産業間の労働移動の円滑化が必要ではないか。
    • 従来の我が国の雇用制度においては、新卒一括採用中心、異動は会社主導、企業から与えられた仕事を頑張るのが従業員であり、将来に向けたリ・スキリングが活きるかどうかは人事異動次第。従業員の意思による自律的なキャリア形成が行われにくいシステムであった。現下の人手不足や産業構造の変化に際し、個々の職務に応じて必要となるスキルを設定し、スキルギャップの克服に向けて、従業員が上司と相談をしつつ、自ら職務やリ・スキリングの内容を選択していくジョブ型人事に移行する必要があるのではないか。
    • 実態面としても、従来の制度では、(1)最先端の知見を有する人材など専門性を有する人材が採用しにくい、(2)若手を適材適所の観点から抜擢しにくい、(3)日本以外の国がジョブ型人事が一般的となっているため社内に人材をリテインすることが困難、との危機感が日本企業から提示されている。日本企業の競争力維持のため、対応を図る必要があるのではないか。
  • ジョブ型人事指針
    • 他方で、日本企業といっても、個々の企業の経営戦略や歴史など実態が千差万別であることに鑑み、自社のスタイルに合った導入方法を各社が検討できることが大切ではないか。このため、既に導入している多様な企業に御協力をいただき、導入企業の多くの事例を掲載した「ジョブ型人事指針」を策定するとともに、その内容については可能な限り多様な情報提供を進めるべきではないか。
    • 指針の策定にあたっては、掲載する企業事例のそれぞれについて、(1)制度の導入目的、経営戦略上の位置づけ、(2)導入範囲、等級制度、報酬制度、評価制度などの制度の骨格、(3)採用、キャリア自律支援、人事異動、等級の変更などの雇用管理制度、(4)人事部と各部署の権限分掌の内容、(5)労使コミュニケーションなどの導入プロセス、などについて、個々の企業の特徴が分かるよう、できるだけ具体的に各企業に情報提供をいただくのではないか。
    • 人手不足の中で仕事をしたいシニア層に仕事の機会を提供するため、ジョブ型人事の導入にあわせて、役職定年・定年制の見直しなどを進めた企業については、協力をいただき、その内容を情報提供していくのではないか。この際、能力のある若手が不満に感じることがないよう、いかにシニア層のスキルに応じた処遇を進めるかについても、情報提供をいただくのではないか。
    • キャリアコンサルティングによって仕事への意欲が高まった、自己啓発する労働者が増えた、と企業が評価していることに鑑み、我が国全体に広げていくべきではないか。
    • 非正規雇用労働者の処遇を上げていくためには、同一労働・同一賃金制の徹底した施行が不可欠ではないか。この面においても、労働基準監督署が施行の徹底を図っていくべきではないか。
    • 一人当たり労働生産性は、近年大企業が急速な伸びを示しているのに対し、中小企業の伸びが停滞している。人手不足の中、中小・小規模企業の労働生産性向上が急務ではないか。
    • AIツールの導入については、特にスキルの低い従業員に対する効果が顕著である。高スキルの労働者のベストプラクティスを反映しているため、低スキルの労働者がその恩恵を受けやすい。人手不足の中小・小規模企業にAIツールの導入を加速すべきではないか。
    • また、AIツールは、OJTを補完し、従業員に学習効果をもたらすことからも、その導入加速が必要ではないか。
    • 中小企業施策において、省力化効果の高い汎用製品をカタログから選ぶ支援制度が導入されたが、各産業分野、各省庁においても、政府を挙げて省力化投資の支援を加速すべきではないか。
    • 我が国の企業で、兼業・副業が認められている割合は過半数に達した。従業員のモチベーション向上や定着率の向上のためにも更なる導入加速を図るべきではないか。
    • 兼業・副業が業績向上につながっている会社は、1.契約条件を詳細に取り決める、2.業務内容・期待成果を明確にしている、といった特徴がある。導入するにあたって、事前のすり合わせを重視すべきではないか。
  • 資産運用立国
    • 勤労所得の拡大に加えて、資金の流れを創出し、金融資産所得を増やしていくため、資産運用立国の取組を推進することが重要ではないか。この中で、アセットオーナーは、成長の果実を幅広く家計にもたらすために、運用力の強化が必要ではないか。
    • アセットオーナー・プリンシプルを小規模も含め様々なアセットオーナーに浸透させるための取組が必要ではないか。例えば、関係省庁、公的年金・共済組合などのアセットオーナーが一体となって、小規模なアセットオーナーの参考にもなるよう、取り組む工夫が必要ではないか。

~NEW~
内閣府 令和6年第5回経済財政諮問会議
▼ 資料4 「新たな経済ステージ」に向けた3つの課題克服(有識者議員提出資料)
  • 日本経済は、企業収益・株価・賃金等の明るい動きがみられるが、円安傾向が続き、物価上昇が賃金上昇を上回る中で消費が力強さを欠くなど、マクロ経済には課題も存在。「新たな経済ステージ」への移行に向けて、従来型の需要安定化政策よりも、労働市場改革や取引適正化といったミクロ政策と結びついた適切なマクロ経済運営が鍵となっている。潜在成長率を引き上げていくためにも、(1)賃金・所得の拡大、(2)価格転嫁、(3)人手不足対応、の3つの課題克服は重要であり、以下提言する。
    1. 現下の経済状況でのマクロ経済運営の考え方
      • 1-3月期のマイナス成長見込みや急激な円安など、新たな経済ステージに向けた正念場である。
        • GX・DX等の企業の投資促進など、まずは1%を安定的に上回る実質成長の確実な達成に向け、経済対策を適切に執行するとともに、今後の経済財政運営に向けて、経済の好循環が回っているか点検を強化。
        • 大幅な円安や資源高などが生じた場合、物価に大きな影響を与える可能性があり、その動向を注視することは重要。過度な物価上昇は民需の抑制につながることに鑑み、日本銀行には、適切な金融政策運営によって2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を期待。
    2. 経済の好循環に向けた3つの課題
      • 賃金・所得の拡大
        • 春季労使交渉の流れの中小企業への展開、診療報酬・介護報酬の改定、定額減税の実施、最低賃金の引上げの検討等、賃上げ定着・所得増に向けた大きなモメンタムとすべき。
        • 医療・介護等の公的賃上げ(今年度2.5%のベースアップ)の着実な実施に向け、進捗状況を適切にフォローアップすべき。
        • 春季労使交渉等の状況を踏まえ、今年の最低賃金の適切な引き上げ、2030年代半ばより早期の最低賃金1500円達成等を目指し、中小企業の稼ぐ力強化など、最低賃金引き上げに向けた環境整備を推進すべき。
      • 価格転嫁
        • 中小企業の現場では、依然、価格転嫁が困難との声が上がっている。2025年の春季労使交渉に向けて、価格転嫁の動きを全国津々浦々、全ての業種へと拡大するとともに、下請け、孫請け、その先までサプライチェーン全体での価格転嫁を実現することが、日本経済全体にとっても重要。
        • 建設・物流の賃上げ・価格転嫁を後押しする法改正の実効性担保のため、関連業界含めて徹底的に周知すべき。価格転嫁状況のモニタリングを強化し、結果を踏まえ、法執行等の強化を。
        • 賃上げ・価格転嫁を促すため、国・地方の公共調達の在り方を見直すべき。具体的には、最低賃金割れになるような低入札価格の実態の点検強化、最低制限価格制度の対象拡大など。
        • 業種の特性に応じて価格転嫁対策を周知徹底すべき。例えば、各企業が価格交渉の際に活用できるよう、政府の各種ガイドラインや業界別自主行動計画をチラシ形式で分かりやすく示すなど。
      • エッセンシャル・ワーカーを中心とする人手不足対応
        • 運輸・建設・介護等の分野で、人材不足が供給制約につながる懸念がある。省力化投資、リスキリング強化、賃上げ等を通じて、課題を克服し、生産性向上、潜在成長率の引き上げにつなげていくべき。
        • 省力化投資の裾野を広げるため、カタログ式の省力化補助金の支援メニューを拡充すべき。その際、製造業等の特定業界だけでなく、幅広い業界のニーズを取り込むべき。
        • リスキリング支援事業について、資格取得や業界研修を含め、企業のニーズを踏まえて拡充。
        • エッセンシャル・ワーカーの確保に向け、こうした分野での産業別最低賃金の活性化などによって、賃上げを促進し、産業の魅力を高めるべき
▼ 資料5 新技術の社会実装による社会課題の解決と持続可能な成長の実現(有識者議員提出資料)
  • 経済を新たなステージに引上げ、持続可能な経済社会を実現するには、脱炭素、経済安全保障、生活の質向上、人口減少・高齢化への対応などの社会課題の解決を民間が目指すと同時に、それが以下の1.で示すような経路を通じて、経済全体の成長に結び付いていくような環境整備が必要。その際の担い手として、社会起業家やスタートアップ企業等が重要な役割を果たすため、リスクをとって新しい世界へ挑戦する人々を支える社会への変革が必要。
  • 新技術の社会実装を通じた生産性の向上には、人的投資、研究開発投資、企業の新陳代謝の向上がカギであり、これらに係る課題に対して、以下の2.で述べる取組を推進するとともに、マクロ・セミマクロでの経済動向について諮問会議においてチェックしていくべき。
    1. 社会課題の解決と経済成長の両立
      • 新技術の社会実装を通じた社会課題の解決は、以下の経路で経済成長にも寄与。地域や業界のニーズに沿った技術の実装を着実に実現するため、目標や効果・成果を分かりやすく国民に伝えるべき。
        • 脱炭素:世界的に革新的な脱炭素技術が求められる中、優位性がある省エネ等の技術の国内普及や海外展開に加え、エネルギーコストの低廉化などを通じて寄与。
        • 経済安全保障:半導体等のサプライチェーンの強靭化により特定国に偏った輸入に係るリスクの低減に加え、国内投資や雇用の拡大などを通じて寄与。
        • 生活の質向上(ヘルスケア等):健康・予防分野の市場拡大に加え、意欲のある高齢者が本来の能力を発揮しながら「プラス5歳」の活躍をすること等による雇用・消費拡大などを通じて寄与。
        • 人口減少・高齢化への対応(省人化・省力化等):人手不足経済の下、AIやロボット、自動運転等による生産・消費活動の拡大などを通じて寄与。
    2. 新技術の社会実装の徹底
      • 新技術の社会実装の基盤として、以下の3つの観点からの取組を推進する必要がある。
        1. 人的投資
          • 我が国の研究開発力、企業の競争力向上に向けた、成長分野への学部転換等の大学改革や初等中等教育段階からの探求学習・アントレプレナーシップ教育の推進。併せて、産学間の人材流動性を向上させるため、高度人材が担う「仕事」を「ジョブ」に転換するとともに、産学官連携による大学院教育改革の促進、博士人材の幅広いキャリアパス開拓・処遇向上の実現やクロスアポイントメント制度の利用促進。
        2. 研究開発投資
          • 大学ファンド等による支援を通じた研究成果創出・活用のための環境整備の強化。
          • AI・6G等の次世代デジタルインフラ整備の推進。デュアルユースの拡大を含むSBIR等の先端技術の実用化支援の強化。フロンティア分野への戦略的な多年度投資の推進。
        3. 新陳代謝
          • グローバル・スタートアップ・キャンパス等を拠点としたスタートアップの連携強化などによるイノベーション・エコシステムの構築。社会課題に対応するスタートアップ等への官民連携での支援の強化。資金繰り支援の見直しとともに、成長につながる事業承継・統合や事業再構築の促進に向けた環境の整備。
      • 地域における社会実装の着実な実践を図るため、地域の課題と新技術をマッチングする機会を拡大して、モデル地域を形成し、規制改革諸制度の連携の強化により障害となる規制の見直しを加速するとともに、必要な技術を有するスタートアップ等に対する優先的な調達を実施するなど、一体的な支援を強化すべき。

~NEW~
厚生労働省 労働基準関係法制研究会 第7回資料
▼ 資料1 一般社団法人日本経済団体連合会 御提出資料
  • わが国が置かれている状況~付加価値増大の必要性~
    1. 世界的地位の低下
      • 2023年のわが国GDPは、日本の人口の7割のドイツに抜かれ、世界4位に後退。
    2. 日本の制約条件
      • 少子・高齢化、人口減少が急速に進み、成長の大きな阻害要因に。また、わが国は天然資源が乏しい島国という制約条件も。
    3. 生産性の低下
      • 日本の生産性は低下傾向にあり、2022年には主要先進7カ国中最下位、OECD中30位に。
  • 働き方を巡る環境変化への対応の必要性
    • 現行の労働基準法は、工場労働を前提とした画一的な規制。
    • 一方、現在は自律的な働き方やテレワークが普及。裁量労働制や高度プロフェッショナル制度のさらなる活用に向けて、柔軟な働き方を可能とする労働時間法制が必要。
    • 労働組合の組織率が低下するなか、同一労働同一賃金や働きがい・働きやすさの実現のため、労使コミュニケーションの充実が必要。
    • 人事機能の集約化やテレワークの普及が進む中、事業場概念の見直しが必要。
  • わが国における企業現場の実態を踏まえた検討の必要性
    • 日本は、小売業やサービス業を中心に、365日・24時間営業などきめ細かいサービスが充実。
    • 国を挙げて是正に取り組んでいるものの、依然として民間商取引・公契約における短納期・短工期の慣行が散見。
    • 欧州等と異なり、わが国では長時間労働につながる商慣行の見直しが道半ばの状態であることを踏まえた議論が重要。
    • 労働者の健康確保のため長時間労働の是正に向けた取り組みを強化することは必要。一方で、日本の豊かさ、経済成長につながる視点からの議論も不可欠。昨年10月に厚労省が公表した「新しい時代の働き方に関する研究会報告書」にある、「守る」と「支える」の両面からバランスの取れた検討を求める。
  • 「労使自治を軸とした労働法制に関する提言」(2024年1月)
    • 今後求められる労働法制の姿
      • 労働法は解釈が明確ではないところも。法的安定性の観点からも、労使で十分に議論して得た結果を最大限尊重すべき
      • 労働者の健康確保は最優先
      • 労使自治を重視 法制度はシンプルに
      • 時代に遭った制度見直しを
    • 具体的に求める事項
      • 労働時間規制のデロゲーションの範囲拡大(労働者と事業者との集団的な合意により、各社の実態に応じ、規制の例外を認めること。法定労働時間を超えた時間外労働を許容する36協定の締結が代表例)
      • 労使協創協議制(選択制)の創設
      • 就業規則作成時における意見聴取等の単位の見直し
  • 労働時間制度
    1. 上限規制のあり方
      • 一定の効果があったと理解。
      • 商慣行の是正が道半ばであるなか、罰則付きの強い規制の強化は企業実務への影響が強い。規制強化には反対。
    2. インターバル規制
      • 上限規制、年休5日の時季指定義務、医師の面接指導等の規制、ハラスメント防止措置等の法令の履行や、深夜回数制限、連続労働制限、各種健康確保措置など企業の自主的取組みも進んでいる中、リコール、復旧等突発的業務、イベント、海外との打ち合わせ等、への対応があるなか、実務上の影響が大きい。
      • まずは普及促進を図るべきであり、画一的な義務化には反対。
    3. 休暇・休日のあり方
      1. 年次有給休暇の年5日の時季指定義務日数拡大
        • 年5日の時季指定義務の立法事実は、年休取得年5日未満労働者の長時間労働者割合が高く過重労働防止を図る趣旨(2017年建議)。日数拡大の必要性については、趣旨・データに基づく、極めて慎重な検討が必要
        • 期中に育休復帰した者などに対する5日の年休取得を義務付けは、年休の趣旨に合わないため見直すべき。(経団連の規制改革要望でも主張。)
      2. 年次有給休暇の年初の時季指定制度の導入
        • 数万人の従業員がいる企業において、年初に一人ひとり時季指定することは難しい。
        • 年初に休暇をとる「季節」を労使で共有する企業はあるものの、後日、具体的な日を指定、修正を行う手間から、全ての企業に適するとは限らない。
        • 労働者のニーズにもあわない。
        • 計画的な年休取得を促すことの有効性を否定するものではないが、企業実務と労働者のニーズの観点から法制化は反対
      3. 4週4休制度
        • 過重労働となりうる、恒常的な連続勤務のあり方について議論することに異論はない。
        • ただし4週4休制度の廃止の検討は、導入企業の実態(制度内容、導入割合、導入理由等)を十分に把握・分析し、真に必要な対策は何かという視点から行うことが必要。
      4. 一斉休憩
        • 休憩の一斉付与義務は撤廃すべき。
        • 個々人の志向・働き方が多様化しているとともに、情報通信技術の進化により、時間や場所にかかわらず働くことが可能(在宅勤務等)となってきている。労務管理の個別化が進展し、かつ自律的に働くことを希望する労働者がいる中で、労働者の主体的な労働時間の配分に制約を課すことから、一律・機械的な休憩の付与はその意義を失っている。
      5. 法定休日を指定した場合における時間外労働のカウントの解釈
        • 週休2日制で土曜日を「法定休日」と特定した会社において、ある1週において土曜日に労働し日曜日に休んだ場合、厚労省は、土曜日勤務は時間外労働との解釈をとっている。
        • この解釈は、振替後の休日が法定休日となるという解釈と矛盾することから、会社が法定休日を特定した場合の当該労働日の労働は法定休日労働とする解釈を認めるべき。
    4. 管理監督者について
      • 健康確保の必要性は理解する。
      • 要件の明確化には賛同するが、規制強化には反対。
    5. 労働時間等労働条件の公表について
      • 女性活躍推進法における男女の賃金差の公表、えるぼし認定制度など、他の法令で公表がされていることとの整理が必要。
      • また、数字が一人歩きしかねないという問題などを踏まえ、慎重な検討が必要。
    6. 副業・兼業の推進に向けた割増賃金規制について
      • 現行制度下では、例えば本業の所定労働時間が1日8時間、週40時間の場合、副業先における就労のすべての時間に割増賃金が発生。副業に従事している社員からも、割増賃金が適用されることで副業先の他の社員に気を遣ってしまうなどの声がある
      • 真に自発的な本人同意があり、健康確保を適切に行っている場合は、副業・兼業を行う労働者の割増賃金を計算するにあたって、本業と副業・兼業それぞれの事業場での労働時間を通算しないこととすべき。(経団連の規制改革要望でも主張)
    7. 深夜労働の割増賃金規制について
      • 在宅勤務の普及により、日中に介護等のために中抜けをするなど柔軟な働き方が定着。夜間も含め就労時間帯を主体的に決めたいという在宅勤務者のニーズはあるものの、深夜労働規制が適用されており、深夜労働を認めにくい。
      • 真に自発的な本人の同意や適切な健康確保措置を条件に、自律的に働く裁量労働制やフレックスタイム制適用者が在宅勤務を行う際には、回数制限など一定の要件のもとで深夜割増賃金規制を適用しないこと等とすべき。(経団連の規制改革要望でも主張)
  • 労働基準法における「事業場」の考え方
    • 現在の事業場単位の規制は見直すべき。
    • 人事機能が地域拠点や本社に集約され、各事業場に人事担当者がいないケースも増加しており、現行法が制定された当初とは状況が異なる。
    • 企業単位の届出手続きの範囲拡大に止まらず、就業規則など統一的扱いが求められるものを中心に、意見聴取や労使協定締結の手続きについても企業単位を認めるべき。
  • 労働基準法の「労働者」について
    • 業務委託契約を締結して就労している方々の労働者性が判断しやすい、支援・相談体制の強化が重要。
    • 個人事業者に対する保護強化については、労災特別加入制度の対象業務拡大、個人事業者に対する労働安全衛生上の対策、フリーランス新法など、適宜、必要な措置を講ずるアプローチが有効。
  • 過半数労働者代表者制度の見直しについて
    • 制度の見直しの必要性は十分理解できる。
    • 過半数組合がない企業において、労使での適切かつ丁寧な話し合いのもと、よりよい働き方を実現したいと考えている企業はある。
    • 労働組合の組織率の低下傾向等を踏まえると、過半数代表者に、広く労働者の意見を吸い上げる役割を担わせる必要性は高まっている。
    • ただし、過半数労働者のなり手が少ないとされる中、過半数労働者代表者の複数人選出義務化等は反対。
    • まずは、意見集約のためのメール利用等、過半数代表者への便宜供与措置の実施を前提に、労働者から意見聴取する仕組みを優先して検討すべき。

~NEW~
消費者庁 ICPEN詐欺防止月間(2024年)
  • 消費者庁は、国境を越えた不正な取引行為を防止するための取組を促進する国際ネットワークであるICPEN(※)に参画しています。(※)ICPEN(アイスペン:International Consumer Protection and Enforcement Network(消費者保護及び執行のための国際ネットワーク))は、国境を越えた不正な取引行為を防止するため1992年に発足したネットワークで、約70か国の消費者保護関係機関が参加。「詐欺防止月間」では、加盟国が共通テーマに沿った注意喚起などを実施。
  • 消費者庁では、ICPENの取組の一つである「詐欺防止月間(Fraud Prevention Month)」を毎年消費者月間に合わせて実施しています。
  • 今年のテーマは、「デジタルインフルエンサーによる広告(advertising through digital influencers)」です。ここでは、最近目にすることが多くなってきたインフルエンサーマーケティングやステルスマーケティングなどについて御説明します。消費者の皆様におかれましては、このキャンペーンを、詐欺被害の未然防止に役立ててください。
  • インフルエンサーマーケティングについて
    • 日本のデジタル広告市場は大幅に成長しており、2022年にはインターネット広告が3兆912億円、マスコミ4媒体(テレビメディア、新聞、雑誌、ラジオ)広告が2兆3,985億円となり、両者の広告費が初めて逆転した2021年以降、その差が広がる形となりました。
    • このインターネット広告の中でも、SNS上やブログ、動画共有サイト等のソーシャルメディア上で表示される広告の市場規模拡大が著しいといわれています。このような広告は、SNSに蓄積されたデータやSNSにおける友人等とのつながりを利用し、事業者がSNS上で直接広告を行うものです。そのようなソーシャルメディア上で表示される広告には、第三者であるインフルエンサー等が広告主から依頼を受けて事業者の商品・サービスを広告することがあります。このインフルエンサーマーケティングの市場規模も年々増加していくことが予測されています。
  • インフルエンサーマーケティングを取り巻く状況
    • 2022年に実施した消費者意識基本調査においては、インターネットでの商品・サービスの予約や購入で口コミや評価を判断材料にするかという質問に対して約85%が「とても当てはまる」又は「どちらかというと当てはまる」と回答しており、インターネットの広告や仕組みで便利だと感じるものとして約17%が「インフルエンサーによる商品・サービスの宣伝」を挙げています。
    • 一方で、同調査ではインターネットの広告や仕組みで不利益が生じるおそれがあると感じるものという質問に対して約50%が「インフルエンサーによる商品・サービスの宣伝」を挙げているほか、消費者相談事例においては、インフルエンサーの宣伝を契機に商品やサービスに係る契約を結んだが、口コミや宣伝の内容と違ったといった事例もあります。
    • これらのことから、インフルエンサーのおすすめだからとすぐに購入・契約をするのではなく、商品やサービスを購入したり契約を締結したりする前には、複数の情報源からの情報を見比べることや、購入条件・契約条件をよく確認することなどを消費者本人が注意することが重要と言えます。
  • 消費生活相談事例
    • 11月初旬に動画共有SNSのインフルエンサーが、いつでも解約できると勧めた美容液を注文し、11月4日に商品が届き、商品代1,980円とコンビニ振込手数料220円をコンビニから支払った。商品受け取り後、次回の商品を12月14日に届けるとのメールが届いたので、業者に電話して解約を申し出たところ、解約できないコースだと言われた。スマホの注文工程の画面を録画しながら進めていたが、定期購入とは一度も書かれていなかった。2回目以降を解約したい。
  • 確認すべきポイント
    • インフルエンサーがSNS上で「いつでも解約できる」と表現していたとしても、その内容が必ずしもいつも正しいわけではありません。実際に契約をする前にはその契約内容をよく確認してください。
    • また、契約後にトラブルとなった場合に証拠となりますので、自分を守るためにも注文工程の画面録画機能をぜひ活用ください。
  • ステルスマーケティングの規制
    • 広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことがいわゆる「ステルスマーケティング」です。広告・宣伝であることが分からないと、消費者は、事業者ではない第三者の感想であると誤認してしまい、その表示の内容をそのまま受けとってしまうおそれがあり、自主的かつ合理的に商品・サービスを選ぶことができなくなります。そのため、消費者庁は、ステルスマーケティングを不当表示とするよう、景品表示法第5条第3号に基づく告示を指定しました。
    • これにより、2023年10月1日から、「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」については、景品表示法上の不当表示に該当し、行政処分(措置命令)の対象となりました。
    • インフルエンサーが事業者の依頼により商品・サービスの広告を行う場合、依頼を行った事業者は本規制の対象となります。(※)事業者から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません。
  • 終わりに
    • インフルエンサーによる商品やサービスに対する推奨はSNS等で多く見られますが、消費者の皆様も、実際に商品やサービスを購入したり、申し込む際には、解約条件を含む取引条件や、商品やサービスの内容などを慎重に確認しましょう。
    • 契約などで「困ったな」と思ったら消費者ホットライン(188番)までお電話ください。

~NEW~
消費者庁 第1回 食品寄附等に関する官民協議会(2024年5月9日)
▼ <資料2-1>食品寄附等の現状
  • 我が国の食品寄附のフローについて【ポテンシャル】
    1. 約24万t:外食段階の未利用食品等の廃棄は約20万トンと報告されているが、顧客の食べ残しの推計値であるため除外。総量の観点では食品製造業、小売業にてポテンシャルは高い(一部のフードバンクのヒアリングより)。食品製造業では一度に多量な排出が生じ得るが、フードバンク等のキャパシティの問題で、マッチングがうまくいかない現状がある。小売業では、店頭販売期限を迎える食品の活用への期待が寄せられている。
    2. 農業の現場では、「圃場から収穫され、規格に合わないために出荷されない農作物、あるいは生産したにもかかわらず、供給過剰になり卸価格が下がった結果、適正価格維持のために、収穫されないで圃場でつぶされてしまう農作物など」が発生しているが、日本の食品ロス削減目標の計上対象に含まれていない。
    3. 約14万t:フードドライブ
    4. 数百万食:食料備蓄品の入替えを5年に1回と仮定した場合の、「乾パン」「インスタント麺類」「アルファ化米等」「主食」についての当該量は約700万食(内閣府「物資調達・輸送調整等システム」2022/4/1時点のデータを元に試算)であるが、食品備蓄量に関するデータ精度に関する制約や、食料備蓄品の賞味期限の長期化等も見込まれることから、未利用食品等としての活用ポテンシャルを数百万食としている。
    5. 東京都は「東京都帰宅困難者対策条例」を定めており、東京商工会議所(2023)によると、同会員企業のうち、従業員向けに3日分以上の飲料水を備蓄している企業は約5割、食料は約4割であった。また、1日分以上の備蓄を実施する企業はそれぞれ約8割、約7割であった。多くの地方公共団体では東京都のような条例を設けていないことからも、その他の地域の企業等における食料備蓄率は東京都よりも低いと推察される。
  • 我が国のフードバンクの現状【組織形態・団体数等】
    • 2023年時点におけるフードバンクの運営主体(母体法人含む)は、約71%が法人格を取得していた。具体的には「NPO法人」が最も多く40%であり、次いで「一般社団法人」「認定NPO法人」「社会福祉法人」であった。これらで全体の約66%を占めた。
    • 法人格を取得していない団体も28%存在していた。なお、「フードバンク活動における食品の取扱い等に関する手引き」等にて、フードバンク活動の要件等として法人格の有無は定められてはいない。ただし、税制上の優遇措置(寄附金の損金算入等)が適用されるためには、認定NPO法人等への登録が必要となる。
    • 農林水産省「フードバンク活動団体一覧」では、2023年時点で252団体から報告があった(ただし、うち17団体は、団体名称に「食堂」を含む)。252団体を対象に、フードバンク活動の開始時期を経年で整理したところ、団体数の拡大が確認された。
    • フードバンク活動を開始した時期に着目すると、2011~2020年に活動を開始した団体が74%、2021年以降に活動を開始した団体が19%である。
    • 9割以上の団体が2011年以降に活動を開始しており、「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行された2019年以後に活動を開始した団体は114団体(45%)であった。
  • 我が国のフードバンクの現状【機能別分類】
    • フードバンク等を介し、食品提供者(食品関連事業者等)から食品提供先(個人を支援する組織、最終受給者)に至る食品の動きは、以下のとおり分類される。(※なお、仲介に特化した団体は通常フードバンクとはされず、本資料ではコーディネイターとして扱う。)
    • 2019年時点の調査では、8割弱のフードバンクが「在庫型」のパターンで、次いで5割弱のフードバンクが「クロスドッキング型」のパターンで食品を提供していた(引取・配送型が約3割、仲介型が約2割)。なお、一つのフードバンクであっても、提供者や提供先の事情等に応じて、複数のパターンを使い分けながら食品を提供する実態があるとみられる。
  • 我が国のフードバンクの現状【所在地分布・スタッフ数】
    • 2023年時点におけるフードバンクの所在地を都道府県別にみると、愛知県が最も多く、30団体が活動を行っており、次いで、東京都(22)、北海道(17)、新潟県(17)の順に多い。地域によって、団体数に差はあるものの、47都道府県で最低1団体以上の活動が確認され、フードバンク活動が全国に広がっていることがわかる。
    • 2019年のフードバンク実態調査1によると、スタッフ数が「5人以下」「6~10人」「11~20人」の団体はそれぞれ32%、29%、29%であった。
    • 1団体あたりの平均スタッフ数は11.7人であるが、最多は90人、最少は1人とスタッフ数のばらつきは大きい。
  • 我が国のフードバンクの現状【食品取扱量】
    • 日本全国のフードバンクにおける食品取扱量(他のフードバンクからの受入量を除く)について整理したところ、2020年以後に規模が特に拡大したと確認され、2022年の実績値は10,449トンであった。
    • 2022年の実績値を都道府県別に見ると、愛知県が最も多く1,576トンであり、次いで福島県(1,019トン)、新潟県(915トン)、神奈川県(610トン)、福岡県(521トン)であった。
  • 我が国のこども食堂の現状【組織形態・団体数等】
    • 2023年時点におけるこども食堂の運営主体は法人格を取得していない主体が多く、全体の6割以上を占めた。(内訳としては、「任意団体(市民活動・ボランティア)」が最も多く54.3%であり、「個人」10.2%、「任意団体(自治会・町内会等)」2.6%である。)
    • 法人格を取得している場合は、「NPO法人」が最も多く15.9%であり、次いで「社団法人」が4.3%、「社会福祉法人」が2.7%であった。これら3種の法人で全体の約2割を占めた。
    • 2023年に実施された全国のこども食堂の箇所数調査では、9,132箇所のこども食堂が確認された。同調査は2018年以降毎年実施されており、こども食堂の報告数は例年増加している。
    • こども食堂に対して活動を開始した時期を尋ねると、約98%の団体が2011年以降に活動を開始しており、新型コロナウイルス感染症の影響が生じた2020年以降に活動を開始した団体は335団体(約46%)であった。
  • 我が国のこども食堂の現状【所在地分布・スタッフ数】
    • 2023年時点におけるこども食堂の箇所数を都道府県別にみると、東京都が最も多く、1,010箇所であった。次いで、大阪府(757箇所)、兵庫県(521箇所)、神奈川県(484箇所)、埼玉県(409箇所)、愛知県(404箇所)と、人口規模が大きい地域が続いた。地域差はあるものの、1つの都道府県に38箇所以上のこども食堂が存在しているとわかる。
    • 同調査では、人口あたりのこども食堂の箇所数も整理しており、沖縄県が最も多く(21.27箇所/10万人)、徳島県(15.44箇所/10万人)、鳥取県(15.19箇所/10万人)と続いた。
    • 2017年のこども食堂実態調査(274団体から回答)1によると、こども食堂の開催1回に参加するスタッフ数の平均値は9.1人であった。ただし、最多は40人、最少は1人、中央値8人とばらつきが大きく、団体の規模や性質、開催目的によって状況が異なると考えられる。
    • 同調査においてスタッフ数が十分であるかを尋ねたところ、「だいたい足りている」との回答が56.6%と半数以上を占めた。一方、「開催回による」「不足している」との回答もそれぞれ28.1%、13.9%見られた。
  • 我が国のこども食堂の現状【こども食堂の抱える課題】
    • 2021年の食支援活動を対象とした調査にて、こども食堂を対象とした集計によると、食材・食品の寄附を受ける上での課題として、「冷蔵・冷凍設備がない(容量不足)」「保管スペースがない(足りない)」という食品の保管に関する項目は、約5割の回答率であった。また、「受け取る場所が遠い」「運搬手段がない」という食品の運搬に関する項目は、1~2割の回答率であった。
    • 一般社団法人全国食支援活動協力会は、従来の寄贈の流れを整理し、寄贈における課題を「各種調整の手間」「配送コスト」と指摘している(寄贈主が各地の団体と個別に連絡・調整/中間支援組織を経由しない場合は、宅配で個別に配送/中間組織が冷凍・冷蔵設備を持っていない場合がある等)。
  • 関係法令等の適用関係【民法・行政法】
    1. 民法等
      • 食品寄附者やフードバンク、こども食堂等は、最終受給者の損害(治療等)に関し、異物混入等に関する違法行為につき故意・過失がある場合には、不法行為責任(民法第709条、第710条)や債務不履行責任(民法第415条第1項)が問われる可能性がある。
      • 食品寄附者やこども食堂など、「製造業者等」(製造物責任法第2条第3項)に該当する者は、最終受給者の損害(治療費等)に関し、食品(製造物)をフードバンク等に引き渡した時点に存在した欠陥につき、製造物責任を問われる可能性がある(同法第3条)
    2. 食品衛生法
      • 食品衛生法第6条により、異物の混入等により人の健康を損なうおそれがあるものの販売等を行うことは禁止されており、対象行為には「不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合」も含まれ、無償提供活動もこのような行為を行う場合は対象となる。
      • 違反行為には、廃棄命令及び危害除去のための必要な処置(回収命令・改善命令など)(同法第59条)営業禁停止等(同法第60条)が実施される場合がある。これら行政処分に従わない時は、刑事罰が科せられる場合がある。
    3. 食品表示法
      • 食品表示法第5条により、食品関連事業者等は食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売を禁止されており、食品表示基準(以下「基準」という。)に定められた表示事項や遵守事項を遵守しないで販売する場合は、品質に関する事項については、遵守すべき旨の指示、措置命令の行政処分が実施される場合がある。アレルゲン、消費期限等の食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項については、回収命令又は業務停止等の行政処分が実施される場合がある。加えて、これら処分を担保するため刑事罰が科せられる場合がある。「食品関連事業者等」には食品の製造、加工、輸入を業とする者のほか、食品の販売をする者が含まれ、この「販売」には、「不特定又は多数の者に対する販売以外の譲渡」が含まれ、無償提供活動もこのような行為を行う場合は対象となる。

~NEW~
経済産業省 グローバル越境プライバシールール(CBPR)システムの稼働に向けて文書(ポリシー、ルール及びガイドライン等)を公表しました
  • 経済産業省及び個人情報保護委員会は、グローバル越境プライバシールール(CBPR: Cross-Border Privacy Rules)フォーラムにおいて、越境個人データに関する新たな国際企業認証制度であるグローバルCBPRシステムの稼働に必要な文書(ポリシー、ルール及びガイドライン等)を公表しました。
  • CBPRシステムは、越境する個人データに関して、企業等が一定の保護要件を満たしていることを国際的に認証する制度であり、当該制度への参加を認められた国及び地域が認証機関を登録し、この認証機関が企業等について、その申請に基づき審査を行い認証するものです。
  • CBPRシステムは、これまでAPECにおける制度として実施されてきましたが、2022年4月21日、APECの枠にとらわれず、より広範囲での個人データの円滑な越境移転や各国における規律の相互運用性を促進させること等を目的として、世界中の国及び地域が参加可能な枠組みである「グローバルCBPRフォーラム」(以下、「フォーラム」といいます。)の設立が宣言されました。それ以来、我が国を含む10のフォーラム参加国及び地域は、より広範囲での個人データの円滑な越境移転を目的として、フォーラムにおける新たな企業認証制度の確立に向けた取組を行ってきました。
  • そして、2024年4月30日、フォーラムはグローバルCBPRシステムの稼働に必要な以下の文書を公表しました。
    • ポリシー、ルール及びガイドライン
    • 認証機関承認申請書
    • プログラム要件
    • 受入質問票
  • あわせて、フォーラムは、我が国の一般社団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)を含む、グローバルCBPRシステムの認証機関を承認しました。今後は、認証機関における認証付与開始に向けた準備作業を経て、同年6月を目途に、グローバルCBPRシステムが稼働することとなります。
  • また、フォーラムは、グローバルCBPRシステムの基礎となる、プライバシー執行機関同士の越境執行協力の枠組みについて、APEC域外から初めて参加することとなった3機関とともに、全27の参加機関を公表しました。
  • 経済産業省は個人情報保護委員会とともに、フォーラム参加国及び地域拡大に向けた取組やグローバルCBPRシステムの普及促進に向けた国際的な議論に引き続き積極的に貢献します。
▼ Global CBPR Forumのニュースリリース(2024年4月30日)(翻訳)
  • 設立2周年を迎えるグローバルCBPRフォーラム(以下、フォーラム)は、アカウンタビリティ・エージェントの選任とシステム文書の発行により、グローバルCBPRおよびグローバルPRPシステムの設立を発表します。これらの文書の公開により、アカウンタビリティ・エージェントは、この夏、関心のある組織に対してグローバルCBPRおよびグローバルPRP認定の発行を開始する準備が整います。
    • フォーラムは、以下のアカウンタビリティ・エージェントがこれらの管轄区域で活動することを承認しました。
      • 日本:一般財団法人日本情報経済社会推進機構
      • 韓国:韓国インターネットセキュリティ公団
      • シンガポール:情報通信メディア開発庁
      • チャイニーズタイペイ:情報産業研究所
      • 米国:BBB National Programs、NCC Group、Schellman、TRUSTe
    • アカウンタビリティ・エージェントは、グローバルCBPRおよびグローバルPRPシステムにおける重要なパートナーです。彼らは、グローバルCBPRプログラム要件とインテークアンケート、およびグローバルPRPシステムプログラム要件とインテークアンケートに基づいて、関心のある組織のデータ保護とプライバシーポリシーを認定し、説明責任エージェントは、グローバルCBPRおよびグローバルPRP認定を求める組織を評価するために使用します。上記の管轄区域に所在する関心のある組織は、認定の詳細について、関連する説明責任エージェントに問い合わせることができます。
  • バミューダ、ドバイ、英国のPEAがグローバルCAPEに参加
    • また、グローバルCBPRフォーラムは、データ保護およびプライバシー法の国境を越えた執行を促進するためのPEAの多国間協定であるプライバシー執行のためのグローバル協力協定(CAPE)に、アジア太平洋地域以外のプライバシー執行当局が参加したことを発表できることを嬉しく思います。
    • バミューダのプライバシーコミッショナーのオフィス、ドバイ国際金融センター局のデータ保護コミッショナーのオフィス、および英国情報コミッショナーオフィスがグローバルCAPEに参加しました。カナダ、日本、韓国、メキシコ、フィリピン、シンガポール、チャイニーズタイペイ、米国のPEAと合わせて、グローバルCAPEの参加者は合計27カ国となりました。グローバルCAPE参加者の全リストはこちらからご覧いただけます。

~NEW~
経済産業省 2024年版中小企業白書・小規模企業白書が閣議決定されました
▼ 2024年版中小企業白書・小規模企業白書の概要
  • 中小企業・小規模事業者の動向
    • 令和6年能登半島地震の状況と、これまでの新型コロナウイルス感染症の影響と対応について分析を行った。
    • 2023年は年末にかけて売上げの増加に一服感が見られたものの、中小企業の業況判断DIは高水準で推移している。
    • 事業者が直面している課題として、売上高が感染症による落ち込みから回復し、企業の人手不足が深刻化していることが挙げられる。今後の展望として、就業者数の増加が見込めない中で、日本の国際競争力を維持するためには、省力化投資や単価の引上げを通じて、中小企業の生産性を向上させていくことが期待される。
  • 中小企業白書
    • 成長する中小企業の行動を分析すると、企業の成長には、人への投資、設備投資、M&A、研究開発投資といった投資行動が有効である。また、成長投資に伴う資金調達手段の検討も必要である。
  • 小規模企業白書
    • 小規模事業者は、中小企業と比べ厳しい経営環境にある中で、コストを把握した適正な価格の設定や、顧客ターゲットの明確化に取り組むことで、売上高の増加につながることが期待できるほか、支援機関の活用も効果的である。また、新たな担い手の参入も生産性向上の効果が期待できる。
  • 令和6年能登半島地震と中小企業のBCP策定の状況
    • 2024年1月に能登半島地震が発生し、広い範囲にわたって建物や設備の損傷等の被害が多数発生。被害の大きな能登半島6市町は、被災以前から生産年齢人口の割合が低い状況。
    • 災害への備えとして、BCPの策定を行うことが重要。BCPを策定する企業は増加傾向にある。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響と対応
    • 2020年以降の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、政府は緊急事態宣言等による休業要請又は営業時間短縮要請を実施。その影響を受ける事業者に対しては、事業の継続や雇用の維持に向けた緊急的な支援策を実施し、失業率や倒産件数は比較的低い水準で推移。
    • その後、各種措置の終了に伴い、倒産件数は増加に転じたものの、失業率は低水準が継続。
  • ゼロゼロ融資の利用企業について
    • 倒産に占めるゼロゼロ融資を利用した企業の割合は低い
    • ゼロゼロ融資は緊急事態宣言等の影響が大きい「宿泊業」、「飲食サービス業」で多く利用された
  • 中小企業の業況と経営課題
    • 2023年は、年末にかけて売上げの好転に一服感が見られたものの、中小企業の業況判断DIは高水準で推移し、経済の状況が全体として改善する基調が継続した。
    • 中小企業の経営課題の内訳を見ると、売上不振のほか、原材料高や求人難の割合が高い状況。
  • 人手不足
    • 売上高が感染症の落ち込みから回復する中で、人手不足が深刻化。
    • これまでは、生産年齢人口の減少を補う形で女性・高齢者の就業が進んできたが、足下は就業者数の増加が頭打ちとなり、人材の供給制約に直面。
  • 雇用者一人当たり労働時間の減少と人手確保のための取組
    • 時間外労働の上限規制に伴い、雇用者一人当たり労働時間の減少が労働投入量を下押し
    • 人材を十分に確保できている企業では、働きやすい職場環境・制度の整備が進んでいる
  • 人材確保・育成
    • 人材の確保に向けては、経営戦略と一体化した人材戦略を策定した上で、職場環境の整備に取り組むことが重要。
    • 人材育成は、人材の定着や労働生産性の向上にもつながることが期待される。
  • 賃上げ
    • 物価に見合った賃金の引上げを通じて、需要の拡大につなげる好循環を実現することが重要。
    • 春闘の賃上げ率・最低賃金の改定率は過去最高水準。一方で、人材確保の必要性や物価動向を背景に、賃上げの原資となる業績の改善が見られない中で、賃上げを行う企業が増加。
  • 省力化投資
    • 人手不足への対応策として、採用等の人材確保に加えて省力化に向けた設備投資も必要であるが、規模の小さな企業ほど省力化投資が進んでおらず、省力化の取組余地が大きい。
    • また、省力化投資は人手不足緩和だけでなく売上高増加にもつながることが期待される。
  • 生産性
    • 日本の経済成長は海外と比べ見劣りする中で、今後は就業者数の減少が本格化。
    • 国際的に見ても日本の生産性は低く、日本の国際競争力を維持するためには中小企業の生産性の引上げが必要。
  • 生産性の分子・付加価値の向上に向けて
    • 生産性向上に向けて、日本企業は低コスト化・数量確保の取組を続けてきた。この結果、売上高や利益率は大企業が増加する一方、中小企業は発注側の売上原価低減の動きの中で低迷。
    • 今後は低コスト化・数量増加以上に、単価の引上げによる生産性の向上も追求する必要がある。
  • 海外需要と日本企業の決算状況
    • 輸出額は増加、株価は史上最高水準
    • 大企業中心に好決算、企業は貯蓄超過
  • 価格転嫁
    • 賃上げ原資の確保に向けては、転嫁の促進が重要。価格交渉が可能な取引環境が醸成されつつあるが、コスト増加分を十分に転嫁できておらず、転嫁率向上のための取組強化が課題。
    • 十分な転嫁のためには、適切な価格交渉が重要。転嫁に関する協議の実施とともに、商品・製品の原価構成を把握して交渉を進めることが有効。
  • パートナーシップ構築宣言と取引の実態
    • パートナーシップ構築宣言企業は非宣言企業と比べて、より多くの発注先と価格協議を行っており、価格転嫁にもより高い水準で応じている傾向にある。
    • ただし、価格協議に十分に応じていない企業も一定数存在するため、宣言の実効性向上のための取組も重要。
  • 事業承継
    • 足下では経営者年齢の分布が平準化しつつあるものの、半数近くの中小企業で後継者が不在。
    • 一方、後継者が決まっている中小企業においても、承継の課題を抱えている企業が見られる。
  • 経営改善・再生支援
    • 感染症の感染拡大以降、経営改善・再生支援のニーズが高まっている。
    • 金融機関の経営支援により、財務内容の改善等の効果が期待できる。経営改善・再生支援の効果を高めるためには、関係機関が一丸となって経営改善・再生支援に取り組むことが求められる。
  • 中小企業の成長
    • 足下では、約9割の中小企業が投資行動に意欲的な経営方針を示している。挑戦意欲のある中小企業は、域内経済の牽引や外需獲得に貢献し、賃上げを可能にする持続的な利益を生み出すような企業へ成長することが期待される。こうした投資行動に意欲的な企業は、日本経済全体の生産性向上の観点からもプラスの効果があるものと考えられる。
    • 今は投資行動に積極的でない中小企業も一定数見られるが、刻々と変化する外部環境に対応するためには、小さな取組でも行動していく姿勢が、経営にとっても良い効果を与えるものと考えられる。
  • 中小企業の成長投資
    • 企業の成長には、人への投資(人材育成の取組等)のほかにも、設備投資、M&A、研究開発投資といった投資行動が有効である可能性がある。
    • 成長に向けては、必要な経営資源を確保し、外部の市場環境にも目を向けながら、自社にとって最適な成長投資を検討していく戦略が求められる。
    • 設備投資やM&A、研究開発、デジタル化に取り組む中小企業が増加
  • 中小企業の成長投資のための資金調達
    • 成長投資のための資金調達手段として、エクイティ・ファイナンスは、定期的な償還が不要であり、成長に向けて経営・事業面の様々な支援を受けられるといった効果がある。
    • エクイティ・ファイナンスの活用に当たっては、ガバナンスの構築・強化を通じた組織的な経営の仕組みを適切に導入することが求められる。
  • 小規模事業者の経営課題
    • 小規模事業者は、中小企業と比べて売上不振の割合が高く、厳しい経営環境にある。
    • 特に小規模事業者は販路開拓や人手不足、資金繰り等の経営課題を重視する傾向にあり、これらの課題に対応しながら、売上げを確保し事業を持続的に発展させていくことが重要。
  • 小規模事業者の売上げの確保
    • コストを把握した適正な価格の設定や、顧客ターゲットの明確化を行った上で新規顧客の獲得に取り組むことで、売上高の増加につながることが期待される。
  • 起業・創業による新たな担い手
    • 創業にチャレンジしやすい環境の中で、起業・創業により新しい事業者が生まれ、新たな担い手が参入することも重要である。
    • こうした新たな担い手の参入は、労働生産性の向上につながる可能性がある。
  • 中小企業・小規模事業者を支える支援機関
    • 支援機関の活用効果は高く、支援機関は地域の中小企業にとって重要な存在。
    • 支援機関の活用が広がり、相談内容が高度化する中で、支援機関の人員不足や支援ノウハウ・知見の不足が顕在化。他の機関との連携も含め、支援体制の強化が必要。

~NEW~
総務省 「インターネット上の偽・誤情報対策に係るマルチステークホルダーによる取組集」の公表
▼ 別紙
  • 総務省は、民産学官の幅広いステークホルダーによる偽・誤情報対策に係る取組について、ステークホルダー間で参照しやすくするとともに、国内外における連携・協力を推進することを目的に、「インターネット上の偽・誤情報対策に係るマルチステークホルダーによる取組集」を取りまとめましたので、公表します。
  • 総務省では、生成AIやメタバース等の新たな技術・サービスの出現により、デジタル空間が更に拡大・深化し、また、デジタル空間におけるステークホルダーが多様化しつつある中、実空間に影響を及ぼす新たな課題の発生に対して、当該課題と多様化するステークホルダーによる対応等の現状を分析し、デジタル空間における情報流通の健全性確保に向けた今後の対応方針と具体的な方策について検討するため、「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」(座長:宍戸常寿 東京大学大学院法学政治学研究科教授)(以下、「本検討会」といいます。)を開催しています。
  • 本検討会第5回会合(令和5年(2023年)12月25日)において、「プラットフォームサービスに関する研究会」(座長:宍戸常寿 東京大学大学院法学政治学研究科教授)において同年3月に作成・公表した「偽情報対策に係る取組集1.0」の更新を行うこととされ、本年2月6日(火)から本年3月11日(月)までの間、民産学官の幅広いステークホルダーによるインターネット上の偽・誤情報対策に関する取組(ステークホルダー間の連携・協力、リテラシー・人材育成・普及啓発、ファクトチェック、研究・開発・実証、国際連携・協力等)について募集しました。
  • 上記募集に寄せられた取組及び本検討会において実施したプラットフォーム事業者ヒアリングに対する当該事業者から回答された取組等について、ステークホルダー間で参照しやすくするとともに、国内外における連携・協力を推進することを目的に、「インターネット上の偽・誤情報対策に係るマルチステークホルダーによる取組集」を取りまとめましたので、公表します。
  • Meta Platforms, Inc.
  • 取組事例1:「第三者ファクトチェック・プログラム」
    • Metaは、世界60カ国語以上に対応する90以上のファクトチェック団体と協力し、Metaのプラットフォーム上に流れる誤情報を特定、検証、評価している。
    • 2024年にInternational Fact-Checking Network(IFCN)の認定を受けた日本におけるファクト・チェック団体を対象に第三者ファクトチェック・プログラムを日本に拡大を予定している。
    • プログラムの仕組み
      • 弊社は、独立したファクトチェック団体に対して、一次情報源へのインタビュー、公開データの参照、写真やビデオを含むメディアの分析を含む独自の取材を通じて、記事の正確性を検証し、評価することを委ねている。
      • ファクトチェック団体が、弊社が送信したコンテンツの一部を評価した場合、弊社はそのコンテンツの配信を削減し、ラベルを付け、それを見た可能性のある他の利用者に通知することがある。
      • 業界をリードする第三者ファクトチェッキング・プログラムに加え、弊社は、ファクトチェック団体が新しいスキルを開発し、イノベーションを追求し、オンライン上の誤情報に対処するための取り組みを拡大できるよう支援することで、業界をサポートしている。
      • 弊社は、あらゆるプラットフォームの中で最大のグローバル・ファクトチェック・ネットワークを構築し、2016年以来、ファクトチェックの取り組みを支援するプログラムに1億ドル以上を拠出してきた。これには、スポンサーシップ、フェローシップ、助成金プログラムなどの業界イニシアチブだけでなく、弊社のプラットフォームで活動するファクトチェッカーへの直接支援も含まれ、また、法的支援基金の支援など、危機的状況にあるファクトチェック団体を支援するために多額のリソースを投入している。
      • https://www.facebook.com/formedia/mjp/programs/third-party-fact-checking/partner-map
      • https://www.facebook.com/formedia/blog/third-party-fact-checking-industry-investments
        • ※ファクトチェッカーは、広告、記事、写真、動画、テキストのみのコンテンツなど、FacebookやInstagramで公開された投稿を審査し、評価する。表現の自由の精神に基づき、通常、意見や討論、明らかに風刺的またはユーモラスなコンテンツ、ビジネス上の紛争には干渉しない。
  • 取組事例2:「FackChecking Fundamantals」
    • 2023年4月、IFCNはファクト・チェックの基本を学ぶセルフサービスのオンライン・コースの開始を発表した。このコースは、ファクト・チェックの方法論や技術に関心のある方(メディア、CSO、NGOなど)ならどなたでも無料で受講でき、終了時にはIFCNから修了証が発行される。このコースはMetaによってサポートされており、日本語を含む15ヶ国語に対応しています。日本の団体でも受講可能。
      https://www.poynter.org/from-the-institute/2023/fact-checking-fundamentals-apac-journalists-ifcn/
    • Metaの支援を受けて、IFCNがアジア太平洋州のジャーナリストを対象として提供するもの。
      • 日本語を含め、15カ国語に対応。
      • 無料。
      • 本コースを修了した受講生には、その成果を称える修了証を授与。
      • 内容
        1. ファクトチェックの概要
        2. 検証、デバンキング(虚偽の暴露)について
        3. 健康・保健に関するmis/disinformation
  • 取組事例3:「みんなのデジタル教室」
    • 2020年より、NPO法人企業と教育協会(ACE)と共同でデジタルリテラシー教育プログラム「みんなのデジタル教室#wethinkdigital」を実施している。「フェイクニュースの見抜き方」「デジタルアイデンティティを考える」の2つのモジュールで、これまでに全国24000人以上の中高生を対象に授業を実施。
    • 2023年7月、弊社は既存の2モジュールのリニューアルを発表。誤情報に関する総務省のリテラシー資産を統合し、新モジュール「デジタルシチズンシップと情報発信」を導入。このプログラムは総務省情報通信局の支援を受けている。
    • 日本では2020年12月に開始、NPO法人企業教育研究会と共同で日本に合わせたコンテンツを制作
    • 全国の中学校、高校で2トピック以上の授業を提供し、24,000人以上が受講
    • 86%の受講者がインターネットやアプリ、SNSの利用の仕方について考えが変わったと回答
    • 「リソース」ページでは、安心安全のためのInstagramの機能の設定方法を紹介する動画なども提供
    • https://about.fb.com/ja/news/2023/07/教育プログラム「みんなのデジタル教室」にデジ/
    • さらに、弊社は総務省と共同で政策討議を行っている:2022年以降のICT利活用のためのリテラシー向上に関する研究会。ICT利活用のためのリテラシー向上プロジェクトに貢献した。
      https://www.ict-mirai.jp/
  • 取組事例4:「セーファーインターネットデー」に向けた利用者キャンペーン
    • 2024年2月、「セーファーインターネットデー」に向けて、透明性ツールや、広告を含むパーソナライゼーションがプラットフォーム上でどのように機能するかについての利用者教育キャンペーンを開始した。このキャンペーンをIGのクリエイターと共に作成し、また同日に開始された総務省のデジタルリテラシーキャンペーンとも連携した。
    • 弊社のキャンペーン・ランディングページは総務省のウェブサイトでも紹介されている。
      https://about.fb.com/ja/news/2024/02/safer_internet_day/
      https://personalized-ads-campaign.splashthat.com/
  • また、Instagramは2020年より、クリエイターと連携し、若年層ユーザーと一緒にインスタグラムの安全な使い方を考えるプロジェクト「#インスタアンゼン会議」を立ち上げ、10代や保護者向けの啓発活動を行っている。
    https://about.fb.com/ja/news/2022/02/instagram_creator_safety_reels/
  • 取組事例5:影響工作、組織的偽装行為への対策
    • 課題
      • 「影響工作」により、拡散されるコンテンツのほとんどは、明らかに誤った情報ではなく、権威ある者によって広められた場合には政治的な発言として受け入れられる場合もある。こうした工作活動の背後にいる行為者が、その背後にある組織の身元を隠したり、組織やその活動を実際よりも人気があったり信頼できたりするように見せたり、コミュニティ規定の施行を回避しながら、人を欺くような行動をしている。
        • ※「disinformation」は、戦略的目標のために公的な議論を操作するための組織的な取組であり、騙すことを意図し、偽装的な行動を伴うものを指すこととする。戦略的目標のために公共の議論を操作したり誤らせたりすることを目的とした組織的な取組を表す「影響工作」(InfluenceOperations)や「組織的偽装行為」(Coordinated Inauthentic Behaviour)を含む。
    • 解決手段
      • 介入・妨害の抑止、ii.misinformationとの戦い、iii.透明性の向上という3つのアプローチで、disinformationに対して取り組むとともに、法執行機関、国家安全保障、調査報道、サイバーセキュリティ、法律、エンジニアリングなどの専門家を集め、不正なアカウントや行動の検出と拡散防止に役立つ大規模なソリューションを構築。偽情報・誤情報等に惑わされないための学習コンテンツ「Yahoo!ニュース健診」を公開。
      • 介入・妨害の抑止のため、(a)政府、法執行機関、セキュリティ専門家、市民団体、ハイテク企業と知識の共有など協力関係の構築、(b)人材とツールによる調査業務の規模の拡大、(c)組織的偽装行為に係るポリシーの更新の継続を実施。
      • 透明性の向上のため、(a)政治的な広告、ページ、投稿の透明性を高めるツールや製品を導入し、利用者が自分たちに影響を与えようとしている主体を把握できるようにするとともに、組織的偽装行為の取組に関する報告書を定期的に発行。(b)組織的偽装行為に係るポリシー(CIBポリシー)において、プラットフォーム上で影響工作ネットワークを探知、特定、削除する方法を示すとともに、アカウントの保全性と実名の使用に係るポリシーに基づき毎日数百万の偽アカウントを削除。プラットフォームを悪用する偽アカウント阻止のため、アカウント作成のブロック、サインアップ時のアカウント削除、既存アカウントの削除措置を実施。
  • 取組事例6:公正な選挙のための取組
    • 課題
      • デジタルプラットフォームがどのように選挙を守るべきか、広く合意された規範や法律がない中、政治広告の不透明性や国内の市民イベントへの外国からの干渉といった問題について対応。
      • 基本的には利用者と広告主に表現の自由を与えるべきだと考える一方、利用者や行動、何らかの結果(選挙など)に影響を与えかねない広告については一定のガイドラインが必要であることも認識。
    • 解決手段
      • 選挙を守るため、重要な期間だけでなく、年間を通じて干渉の防止、ii.有害コンテンツの削除とmisinformationの削減、iii.透明性の向上に取り組んでいる。
      • 透明性の向上として、選挙・政治的な広告主の検証、一般にアクセス可能な選挙・政治的広告に関する情報の格納、ページの透明性の確保、ニュースフィードのランキングのコントロールなどに取り組んでいる。
      • また、選挙または政治に関連する広告の掲載をする個人または団体の真正性と正当性を確認するための認証プロセスを設けている。

~NEW~
総務省 OECD閣僚理事会の結果
  • 令和6年5月2日(木)から3日(金)までの2日間、フランス(パリ)においてOECD閣僚理事会が開催され、OECD加盟60周年を迎え10年ぶりに議長国を務める我が国からは、岸田総理大臣、松本総務大臣、新藤経済財政担当大臣、河野デジタル大臣、上川外務大臣、齋藤経済産業大臣、ほかが出席しました。
  • 生成AIに関するサイドイベント「安全、安心で信頼できるAIに向けて:包摂的なグローバルAIガバナンスの促進」にて岸田総理大臣がスピーチを行い、広島AIプロセスの精神に賛同する国々の自発的な枠組みである「広島AIプロセス フレンズグループ」の設立を発表しました。
  • また、議題6「新興課題に対する解決志向型アプローチ」前半AIパートについて松本総務大臣が議長を務めました。2016年のG7香川高松情報通信大臣会合における我が国からの提言を契機にOECDが検討を開始し、2019年に公表した「人工知能(AI)に関する勧告」(OECD AI原則)の見直しにあたり、近年急速に発展した生成AIのガバナンスの在り方について、我が国が昨年のG7議長国として主導した「広島AIプロセス」の成果を反映する方向で議論がなされました。
  • 閉会式では、本会合の成果として、OECD AI原則改定版及び閣僚声明等が採択されました。
  • 開催日
    • 令和6年5月2日(木)~3日(金)
  • 開催概要
    • OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)は、経済問題全般について欧米等の先進38か国で協議する国際機関であり、我が国のOECD加盟60周年となる本年は、我が国が10年ぶりに閣僚理事会の議長国を務めました。
    • フランス(パリ)で開催された本会合では、「変化の流れの共創:持続可能で包摂的な成長に向けた客観的で高い信頼性に裏づけられたグローバルな議論の先導」をテーマに、「持続可能で包摂的な経済社会の実現」、「自由で公正な貿易と投資促進を通じた健全な経済成長の加速」、「経済的強靱性に関するファクト・ベースの課題抽出と議論」、「信頼性のある政策提言とグローバルアウトリーチ」「複合的危機の下での持続可能で包摂的な成長に向けた信頼できる道筋」「新興課題に対する解決志向型アプローチ」の6つの議題について議論し、本会合の成果として、閣僚声明が発表されました。
    • 生成AIに関するサイドイベントについて
      • 冒頭、広島AIプロセスの設立の経緯や議論の経過、成果について紹介する映像が投影され、続く岸田総理からのスピーチでは、安全、安心で信頼できるAI実現のための国際ガバナンスの形成が急務であり、その観点から広島AIプロセスを立ち上げ、国際指針や行動規範を策定し、生成AIを巡る具体的なリスクの低減に取り組んだこと、OECDにおいてもAI原則の改定という具体的な成果が生み出されることを歓迎する旨を発信しました。
      • また、49か国・地域の参加を得て、広島AIプロセスの精神に賛同する国々の自発的な枠組みである「広島AIプロセス フレンズグループ」を立ち上げ、国際指針等の実践に取り組み、世界中の人々が安全、安心で、信頼できるAIを利用できるよう協力を進めていく旨発言しました。
      • さらに、AIによるリスク低減のための技術的措置も重要であり、日本はGPAI東京センターを新設して専門家による技術実証等のプロジェクトを支援するとともに、生成AIがもたらす偽情報等のリスクに対応するため、発信者情報を確認するための技術の社会実装に向けた取組も支援していく旨発信しました。
      • これを受けて、コーマンOECD事務総長から、国際的なAIガバナンスに関する日本のこれまでの取組を評価するとともに、安全、安心で信頼できるAIの実現のためには、広島AIプロセスと今般改定されるOECDのAI原則の実施が重要であり、OECDとして引き続き貢献していく旨の発言がありました。また、フレンズグループの参加国を代表して、アレハンドロ・エンシナス・ナヘラ・メキシコ経済省通商担当次官及びグレース・フー・シンガポール持続可能性・環境大臣(兼)貿易関係担当大臣から、広島AIプロセスの取組を評価しつつ、フレンズグループの取組に積極的に参加していく旨の発言がありました。
      • 民間企業から、サム・アルトマンOpenAI社CEOがオンラインで出席し、グローバルなAIガバナンスに関する様々な取組が進展する中で広島AIプロセスの成果である国際指針及び行動規範が重要な役割を果たすことを述べた上で、広島AIプロセスを主導してきた岸田総理のリーダーシップへの謝意と、グローバルサウスも含む形でフレンズグループの取組を今後更に進めることへの期待を表明しました。
    • 議題6「新興課題に対する解決志向型アプローチ」AIパートについて
      • 我が国は、2016年のG7情報通信大臣会合において、AIの研究開発等に関する国際的なガイドラインの必要性を提唱しました。OECDにおいては、G7の議論を受けてAIに関する調査や分析に着手し、2019年5月、他の国際機関に先駆け、国際的な政策のスタンダードとなる「AI原則」の10原則を策定・公表しました。
      • 今回の閣僚理事会議題6「新興課題に対する解決志向型アプローチ」のAIパートにおいて松本大臣が議長を務め、OECD AI原則の改定について議論が行われました。
      • 松本大臣からは、これまでの広島AIプロセスの議論に対するOECDの協力について感謝を述べるとともに、OECD AI原則が採択された2019年以降に急速に発展した生成AIのガバナンスの在り方について、今般の見直しにおいて、我が国が議長国としてG7で主導した「広島AIプロセス」の議論を反映する方向であることを歓迎する旨発言しました。
      • また、世界中の人々がAIの恩恵を受け、よりよい生活を営んでいくためには、AIのガバナンスに関する国際的な相互運用性が重要であり、OECDにおいては、国際的なAI政策の先駆者として、外部の政策的な議論の場においても、エビデンスベースの分析や政策提言に関する専門性など、その強みをいかんなく発揮していただくことを期待する旨発信しました。
      • その後の閉会式においては、本会合の成果として、OECD AI原則改定版及び閣僚声明等が採択されました。
▼ 2024年OECD閣僚理事会・閣僚声明(仮訳)「変化の流れの共創:持続可能で包摂的な成長に向けた客観的で高い信頼性に裏付けられたグローバルな議論の先導」

~NEW~
総務省 ICTサイバーセキュリティ政策分科会(第7回)
▼ 資料7-2 NOTICEの活動について(事務局)
  • IoT機器の乗っ取りによる被害例
    • ルーターが乗っ取られ、サイバー攻撃の踏み台にされてしまう
      • 2021年8月から9月にかけて、過去最大級のサイバー攻撃が世界各地で相次いで発生した。新種のボットネット「Meris」によるもので、標的に大量のデータトラフィックを送り付けてサービス不能状態に陥れるDDoS攻撃が25万台のルーターから仕掛けられていた。
    • ルーターが攻撃され、個人情報などが盗まれる
      • X氏は、知らないうちに数万円が銀行口座から不正送金されていた。原因は家庭用ルータのDNS設定が改変されていたこと。DNS設定を変更することでサイバー犯罪者は、X氏の通信をすべて傍受し、銀行口座の認証情報を含むさまざまな情報を入手していたとみられる。
    • ネットワークカメラの映像が第三者に覗かれる
      • 学校防犯システムと保育所見守りカメラにおいて、マルウェア感染の特徴のある通信を国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が観測した。十分なセキュリティ対策が行われていないことにより、マルウェアに感染し、どちらも第三者から映像が閲覧できる状態になっていた。また、保育所ではインターネットが使えない状態となっていた。
  • NOTICEの活動の3本柱
    • IoT機器のセキュリティ対策向上を推進することにより、ボットネットによるサイバー攻撃の発生や被害を未然に防ぐ
      • 脆弱なIoT機器の観測
      • IoT機器のリスクと対策への意識啓発
      • リスクが高いIoT機器管理者への注意喚起
  • 観測
    1. 脆弱性のあるIoT機器を観測
      • NICTが、参加ISPのネットワークに直接接続されているIoT機器を対象に、「脆弱性のあるIoT機器」があるかどうかを定期的に観測
      • 「脆弱性のあるIoT機器」=推測されやすい管理者パスワードが設定されている/ファームウェアがアップデートされていないIoT機
    2. リスクが高いIoT機器を通知
      • 1で観測したIoT機器のうち、悪用される恐れのある/既にサイバー攻撃に悪用されているIoT機器を「リスクが高いIoT機器」としてISPへ通知
      • 「リスクが高いIoT機器」=(1)その脆弱性が乗っ取りに繋がりうる、かつその脆弱性を突いた攻撃が既に報告されているIoT機器 (2)既にマルウェアに感染しているIoT機器
      • IoT機器観測総数 1.12億件
      • 容易に推測可能なID・管理者パスワードであるIoT機器 月10,137件
      • ファームウェアに高リスク脆弱性を有するIoT機器 月15,019件
      • マルウェア感染IoT機器検知数 最大1,419件/日
  • 注意喚起
    • ISPが、リスクが高いIoT機器の利用者に対して、電子メールや郵便で注意喚起を実施
    • 注意喚起を受けた管理者は、「設定変更」か「該当する機器の買い替え」が必要
    • 「NOTICEサポートセンター」が、注意喚起を受けた人へのユーザーサポートを提供
  • 新しいNOTICEのミッション
    • プロジェクトミッション
      • ルーター等の乗っ取りの予防対策の推進、及び乗っ取られたルーター等のセキュリティ対策の見直しの推進によりIoTボットネットの活動を抑制し、これに起因するサイバー攻撃の発生と被害を軽減する。
    • ゴール
      • インターネットに接続されたルーター等が適切に管理されている状態を実現する
      • 高リスク脆弱性を選定し、これを有するルーター等を特定する能力を維持する
      • 高リスク脆弱性を有するルーター等の管理者へ注意喚起する能力を維持する
      • 特に深刻な高リスク脆弱性については、ステークホルダーによる連携対処を徹底する
  • 国民の皆様に知っていただきたいこと
    • セキュリティ対策を行わずにIoT機器を放置すると気づかぬうちに乗っ取られること
    • 適切に定期的にIoT機器を管理すればボットネットによる被害は予防できる

~NEW~
総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第18回)配付資料
▼ 資料WG18-1-1デジタル空間における情報流通の健全性に関するWG検討課題(案)
  • レコメンデーションやコンテンツモデレーションの在り方(アテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)の取扱いに関する透明性・アカウンタビリティ確保など)
  • 偽・誤情報等のアテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)付近や悪質なメディア(パブリッシャー)への広告掲載とクリック数等に応じた広告料の支払(それらの情報発信者等への間接的な利益供与によるブランド毀損等の問題)に対する経営層によるリスク管理・ガバナンスや産業界との連携・協力の在り方
  • 広告の質の確保の在り方
  • 偽広告など違法・不当な広告(権利侵害、法令違反、なりすましなど)への対応の在り方
  • 広告配信先のメディア(パブリッシャー)の質の確保の在り方
  • 広告費詐取を目的とした悪質なメディア(パブリッシャー)への対応の在り方
  • 偽・誤情報等のアテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)の投稿増加につながり得る閲覧数等に応じた経済的インセンティブの付与の在り方
  • 偽・誤情報等のアテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)を拡散するbotへの対応の在り方
  • パーソナルデータを用いたプロファイリングやそれに基づくターゲティング広告の在り方
  • 安心・安全で信頼できる広告出稿のための業務の在り方
  • アテンションを得にくいが信頼できる情報(コンテンツ)に関するメディア(パブリッシャー)における制作・発信・伝送能力の強化の在り方
  • ファクトチェック機関による連携・協力の在り方
  • 広告主としての国や自治体等による対応の在り方
▼ 資料WG18-2-1「災害発生時等における情報流通の健全性確保の在り方」に関する主な論点(案)
  • 論点1:情報伝送PFによる災害発生時等に備えた対応の在り方
    • 情報伝送PFは、デジタル空間における情報流通の主要な場となっており、とりわけ災害発生時、感染症流行時、テロ発生時など、多くの人が正確な情報を求める場面における情報収集・伝達手段としての存在感・公共的役割が高まっているとの指摘があるところ、そのような情報流通に関するリスクが高い場面において、公共的役割として人々にとって必要な正確な情報を迅速かつ確実に伝送すべく、平時から計画を立て、災害発生時等には当該計画に従って即応することを情報伝送PFに求める必要性について、どう考えるか。
    • 上記のような計画における具体的な取組として、例えば次のようなものが考えられるが、どうか。
      1. 災害発生時等に特に適用される利用規約、ポリシー、ガイドライン等の整備
        • 災害発生時等におけるコンテンツモデレーションに関するルールの整備
        • 発信者に経済的インセンティブを付与する情報伝送PFの場合、インセンティブ目当ての偽・誤情報等を含む投稿が流通・拡散することを抑止するため、災害発生時等におけるインセンティブ付与や収益化停止の基準(特則)を設定することを含む
      2. 上記1の利用規約等を踏まえた適正な対応を実施するために必要な人員等の体制の整備
        • 臨時的な増員等を行う場合、その必要が生じた時点(災害発生時等)から増員等を完了するまでのタイムラインを事前に設定することを含む
      3. 関係機関(行政機関、ファクトチェック機関等)との連絡窓口の明確化と当該窓口を通じた緊密な連携・情報共有
      4. 信頼できる情報源からの情報の伝送確保(プロミネンス)
    • 上記のような取組について、どの範囲の情報伝送PFに求めることが適当か。※例えば、災害発生時等における情報収集・伝達手段としての存在感や、偽・誤情報等の流通頻度・社会に与える影響の深刻度という観点から、利用者数や、サービスの目的・性質などを勘案し、一定の要件を満たす大規模な情報伝送PFのみを対象とすることなどが考えられるが、どうか。
    • 上記の取組の確実な実施や実効性を制度的に担保する必要性について、どう考えるか。どのように担保するか。
  • 論点2:災害発生時等におけるマルチステークホルダーによる連携・協力の在り方
    • 災害発生時や感染症流行時等の情報流通に関するリスクが高い場面におけるマルチステークホルダーによる連携・協力の重要性が指摘されているところ、具体的にどのような連携・協力が必要か。
    • 例えば次のような連携・協力が考えられるが、どうか。
      1. 情報の収集・分析・活用
        • 例)ファクトチェック結果に基づき、偽・誤情報の発信源・拡散主体の情報を収集・分析し、関係者間で共有・活用(広告関係事業者・団体との情報共有により発信源に対する広告の出稿停止措置に活用、botアカウントの検出)
      2. 情報伝送PFに対する協力・対応の要請
        • 例)(1で収集・分析した情報等を活用し、)情報伝送PFに対しコンテンツモデレーション申請等の対応要請を実施
    • 上記のような連携・協力への参加主体をどう考えるか。
    • 上記のような連携・協力に向けた制度的な枠組みを整備する必要性や、政府・地方自治体の関与の在り方について、どう考えるか。
    • 上記のような連携・協力のための場の具体的な在り方について、どう考えるか
▼ 資料WG18-2-2「マルチステークホルダーによる連携・協力の在り方」に関する主な論点(案)
  • 論点1:マルチステークホルダーによる連携・協力の目的
    • 国内外の民産学官を含むマルチステークホルダーが相互に連携・協力しながら、デジタル空間における情報流通の健全性の確保に向けたガバナンスの在り方等について安定的かつ継続的に議論・検討し、その結果に基づく取組を推進することの重要性が指摘されているところ、具体的にどのような目的での連携・協力が必要か。
    • 特に民産学のステークホルダーの間では、例えば次のような目的での連携・協力が考えられるが、どうか。
      1. 情報交換
        • 例)偽・誤情報の流通・拡散の実態や傾向、対策に向けた取組(ベストプラクティス)、技術動向などの情報交換
      2. 情報の収集・分析・活用
        • 例)ファクトチェック結果に基づき、偽・誤情報の発信源・拡散主体の情報を収集・分析し、関係者間で共有・活用(広告関係事業者・団体との情報共有により発信源に対する広告の出稿停止措置に活用、botアカウントの検出)
          • ※サイバーセキュリティ対策に関するIoT機器調査及び利用者への注意喚起の取組(NOTICE)も参考
      3. ステークホルダー間のパートナーシップの確立
        • 例)情報伝送PFとファクトチェック機関とのパートナーシップにより、情報伝送PFにおいてファクトチェック結果を実効的に活用
      4. 健全性確保に向けた取組等に関する協議
        • 例)デジタル空間における情報流通の健全性確保に向けた各者の役割・取組・協力関係等に関する協議を実施
      5. ガイドラインや行動規範の策定・推進
        • 例)((4)の協議を踏まえ、)健全性確保に向けて各者に求められる取組に関するガイドラインや行動規範の策定・推進
      6. 情報流通の健全性に対する影響の予測・分析等
        • 例)情報伝送PFのサービスが情報流通の健全性に与える影響の予測・分析及びその結果の共有・公表
      7. 情報伝送PFに対する協力・対応の要請
        • 例)((4)~(6)の取組等を通じて、)情報伝送PFに対しコンテンツモデレーション申請等の対応要請を実施
      8. 政府に対する意見陳述・政策提言
        • 上記のような目的ごとに、参加主体や制度的枠組みを整備する必要性等が異なり得ると考えられるが、どうか。
  • 論点2:連携・協力の主体
    • デジタル空間における情報流通に関わる民産学のステークホルダーとして、例えば下表のような主体が挙げられるところ、論点1で検討した目的を達成するためには、どの範囲の主体による連携・協力が必要か。
      1. 主として情報発信に関わるステークホルダー
        • 伝統メディア(放送、新聞等)
        • ファクトチェック機関を含むファクトチェック関連団体
        • 専門機関(防災関係、保健関係等)
        • 公共インフラ事業者
        • 広告主を含む経済団体
        • その他の制作・発信主体(クリエイターなど)
      2. 主として情報伝送に関わるステークホルダー
        • 情報伝送PF(SNS、検索サービス、動画共有サービス、ブログ、掲示板、ニュースポータル、キュレーションなど、インターネット上で第三者が作成・投稿したコンテンツ(文字、画像、映像、音声等)を不特定の者が受信・閲覧できるように伝送するプラットフォーム(PF)サービス、又はそのPFサービスを提供する事業者)
        • 広告仲介PF(DSP(Demand Side Platform:広告主の広告目的や消費者に関するデータ等に基づいて広告出稿の管理・最適化を行うためのツール、又はそのツールを提供する事業者)、SSP(Supply Side Platform:媒体主(パブリッシャー)が広告枠の販売の効率化や収益の最大化を図るためのツール、又はそのツールを提供する事業者)など、広告を出稿しようとする広告主と、自身が運営するオンラインメディア上の広告枠を提供しようとする媒体主(パブリッシャー)の間で広告を伝送し、媒体主メディア上での広告表示を可能にするプラットフォーム(PF)サービス、又はそのPFサービスを提供する事業者)
        • メタバース関連事業者
        • AI関連事業者
        • その他の電気通信事業者
      3. 主として情報受信に関わるステークホルダー
        • 利用者団体・消費者団体
      4. 上記の主体を下支えするステークホルダー
        • 教育機関・普及啓発機関
        • 研究機関・研究者
  • 論点3:連携・協力の枠組み・政府関与
    • 連携・協力の枠組みの在り方については、関係者の自主的な取組としてアドホックな連携・協力を積み重ねることや、協議会その他の「協議の場」に関する制度的枠組みを整備することなどが考えられるが、どう考えることが適当か。
    • 参加ステークホルダー間の調整や「協議の場」の基本的な制度設計を政府・地方自治体に期待する意見があるところ、政府・地方自治体はどの程度関与することが適当か
    • これらについて、例えば下表のような類型があり得るが、どうか
      1. 法的位置付けのない民間主導の連携・協力枠組み…政府は静観、注視(オブザーブ)又は連携(参加)
      2. 法的位置付けのある民間主導の連携・協力枠組み…政府は法律に基づき設定された一定の権限・責務の範囲で関与
      3. 法律に基づき設置された協議会等…政府は構成員として活動に主体的に参加
  • 論点4:連携・協力のための場の在り方
    • 論点3について制度的な枠組みを整備しない場合、
      • 連携・協力関係の安定性・継続性や、情報の機密性等をどのように担保していくべきか。
      • また、連携・協力関係の下で実施する取組の実効性をどのように確保することが適当か。
    • 論点3について制度的な枠組みを整備する場合、
      • 論点1で検討した目的を達成するため、制度上、「協議の場」にどのような役割・権限等を持たせるべきか。
        • ※類似の制度では、連携・協力のための取組の実効性を確保するため、会議体の構成員(連携・協力の主体)に対し情報提供・意見表明等の必要な協力を求めることができる、構成員は会議体の協議結果に基づき必要な取組を行うものとする、などと定めているが、どうか。
      • また、連携・協力に必要な情報・データを相互に提供し合う情報交換の場と位置付ける場合、当該情報・データに含まれる個人情報や機密情報の適正な取扱いをどのように担保するか。
        • ※類似の制度では、個人情報の取扱いの適法性を担保するため、会議体が構成員に対し情報提供を求めることができる旨を法律上明文化したり、機密情報の漏洩等を防止するため、会議体の事務従事者に罰則付きの守秘義務を課したりしているが、どうか。

ページTOPへ

Back to Top