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★4月10日更新<br>2025年4月の「最新の暴排動向」<br>チェックはこちらから

★4月10日更新
2025年4月の「最新の暴排動向」
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30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの視点から時事ニュースを考察しました。

六代目山口組の「抗争終結」宣言と暴力団の「自壊」に向けた地殻変動

暴力団は、暴力団対策法施行前までに有していた「任侠団体」としてのあり様、矜持を捨て、「お金がすべて」として資金獲得活動に勤しむ「犯罪組織」としての性格を強める方向に変質してきた。現在も「任侠団体」としての本質は一部残しながらも、社会の分断や貧困の深刻化などを背景に、一般人を「闇のエコシステム」に取り込む「トクリュウ」との共存・表裏一体的な関係のもと、「犯罪組織」の側面だけが肥大化し続けている。つまり、本来の「任侠団体」としての暴力団の「自壊」は着実に進んでいると言える。そして、六代目山口組の「抗争終結」宣言や山口組の代替わりに向けた動きがあっても、また、特定抗争指定が解除されたとしても、暴力団のあり様を巡る大きな地殻変動からみれば表面的なものに過ぎない。暴力団の「自壊」はもはや止められない。(芳賀)

カスハラ対策では、現場の安全対策も必須であることを忘れるな

東京都立川市の小学校に、男2人が侵入し、教員に暴行を加えるという事件が発生した。報道によると、男2人は保護者の知人で、学校との話し合いがまとまらなかった保護者が男に連絡し、学校に乗り込んだようだ。自身の要求が通らないと、それを通そうと暴力や威圧行為、迷惑行為に及ぶのは、クレーマーの典型的な手口だ。学校の防犯の面ばかりクローズアップされるが、本件は通り魔的な犯行ではなく、モンスターペアレンツによるカスハラだ。カスハラへの対応については、当社では以前から指摘している通り、対応要領の整備以外にも、現場における安全対策、具体的には護身対策(警備的知見)が不可欠だ。カスハラ対策はクレーマーの手口を踏まえた本質的な対策が必須だ。繰り返すが、生兵法は大けがの元。俄か専門家の肩書に惑わされないことが重要だ。(西尾)

改めて言う。カスハラ被害は刑法の適用だけでは防げない!

立川の小学校への保護者関係者乱入事件関連でもう一つ。本件はモンスターペアレントによるカスハラだ。東京都はカスハラ防止条例の制定にあたり、刑法により対処できるという理由で罰則化を見送った。しかし、刑法を適用するということは、必ず「被害」(保護法益の侵害)がある前提だ。従業者の心身への様々な被害や企業の業務運営への支障等の「被害」を防止するためにカスハラ対策を行なうのに、「被害が出ている」前提の刑法を適用すべきという立論は、論理破綻であることは明白だ。今回の事件、男らは小学校2年生の教室で教員に暴行を加えており、生徒は怖くて泣いていたという報道もあり、生徒の心の傷、トラウマが心配だ。本当にカスハラ被害を最小化するなら、条例による罰則化は必須だ。立法不作為・過誤によるカスハラ被害の拡大を憂う。(西尾)

災害関連死対策を急げ

政府の新しい南海トラフ地震の被害想定では、今回初めて災害関連死の項目が設けられた。最悪の場合、5万2千人。東日本大震災の10倍を超える規模となる。しかし、NHKが津波で甚大な被害が予想される「南海トラフ地震津波避難対策強化地域」に指定されている14都道府県139市町村について災害関連死を判定する審査会の規定の有無について取材したところ、51%にあたる71市町村で審査会の設置に関する条例を策定していないことが分かった。国は2019年、法改正により自治体に対して審査会の設置について条例に定めておくことを努力義務としたが、その進捗は極めて遅いといえる。関連死に詳しい弁護士は「まだスタートラインに立っていない自治体が多いことは問題の深刻さを物語る」とする。災害は時と場所を選ばない。自治体は即急な対策が必要だ。(大越)

「ありがとう」ばかり言っているおばあちゃんになりたい

叔父が介護施設に入った。自分が持参した土産や親切のつもりで行ったことには問答無用で感謝を要求するが、他者からの親切は当然のように扱ったり、他人の不幸をあざ笑ったりと、正直、厄介な人だった。そんな叔父が急激に弱り、父が毎日のように呼び出されて、病院への付き添いや施設の入所手続き、家の後始末などに追われたが…文句ばかりだったそうな。今までできていたことができなくなれば、もどかしさもあるだろう。怒りっぽくなるとはよく聞くが、施設でも「放置されている」と文句ばかりの様子。いくら仕事でも、感謝もなく悪態ばかりつく人に、誰が親切に介護などできるだろう。今、自分にできることは、父の苦労を労うことと、日々の感謝を忘れないこと。自分が介護施設に入ったときは「ありがとうね」ばかり言っているおばあちゃんでいたい。(吉原)

公益通報の範囲は想像以上に広い!?

今年3月に兵庫県知事が公益通報の体制整備義務を「内部通報に限定される考え方もある」と発言したことに対し、消費者庁が4月に兵庫県へ「公益通報者には外部通報者も含まれる」とメールで助言していた。また、公益通報の対象事実も、直接的に刑罰や過料が科されるものに限らず、行政指導等に違反して最終的に刑罰や過料が科されるものも含まれる。このように間接的に刑罰や過料が科される法律は非常に多い。さらに、例えば、ハラスメントに関する通報の中には、「休憩が取れない」「サービス残業を強いられた」のように労基法違反に関するエピソードが含まれ、通報者はわざわざ「労基法違反ですよね」とは言ってくれないケースも多い。このように公益通報が紛れ込むこともあるため、最初から公益通報と同じ対応レベルを設定しておいた方が無難だろう。(安藤(未))

▼毎日新聞『消費者庁が兵庫県に助言「公益通報者には外部通報者も含まれる」』(2025/5/8 19:48)

▼読売新聞『兵庫・斎藤知事、公益通報巡る消費者庁の指摘は「一般的な法解釈のアドバイス」「重く受け止めたい」』(2025/05/09 15:58)

▼消費者庁「公益通報ハンドブック(改正法準拠版)」(令和4年6月発行)
※通報対象事実については、7~8ページに掲載されています

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