記事一覧
-
危機管理トピックス
特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺 認知・検挙状況等/小規模事業場ストレスチェック実施マニュアル/新たなサイバーセキュリティ戦略(案)の概要
2025.11.10 -
SPNの眼
内部通報の本質と通報者への向き合い方を考える
2025.11.05 -
危機管理トピックス
クマ被害対策等に関する関係閣僚会議/消費生活用製品の重大製品事故(バッテリー、高圧洗浄機)/令和7年の熱中症による救急搬送状況 確定値まとめ
2025.11.04 -
危機管理トピックス
暗号資産制度に関するWG/コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議/令和7年版自殺対策白書/職場のカスハラに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の骨子案
2025.10.27 -
専門家の集まるBCPカフェ
あなたの身近に迫る水害のリスク~2025年9月の四日市市の地下駐車場浸水被害は防げたのか?~
2025.10.21 -
危機管理トピックス
危機管理トピックス金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」議事次第/外国による偽情報等に関するポータルサイト/カスハラとは?法改正により義務化される内容・カスハラ加害者とならないためのポイント
2025.10.20 -
クレーム対応・カスタマーハラスメント対策トピックス
今こそ必要な経営陣のリーダーシップ
2025.10.14 -
危機管理トピックス
小規模事業場ストレスチェック実施マニュアル/ネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引の被害急増/証券会社や日本証券業協会を騙ったSNS上の偽広告等に注意!
2025.10.14 -
暴排トピックス
トクリュウ・シフト~暴力団もトクリュウも同時にたたけ
2025.10.07 -
危機管理トピックス
令和7年8月末 特殊詐欺・SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺 認知・検挙状況等/労働経済の分析/リチウムイオン電池使用製品発火事故/世界メンタルヘルスデー JAPAN 2025
2025.10.06
30秒で読める危機管理コラム
危機管理のプロの視点から時事ニュースを考察しました。
12月08日号
「実質的支配者」確認実務の形骸化が犯罪を助長している
令和7年版NRAによれば、犯罪に悪用される法人に多い類型は、「大都市圏にある」「資本金200万~300万円の新設企業」「役員は代表取締役1人のみ」だという。リバトングループ事件は、闇バイトで代表を募集し、自ら会社を設立させ、銀行口座開設の手続きまで行わせた。「実質的支配者」が表面的にはまったく見えず、形式的な確認が犯罪を助長した形だ。英国は実質的支配者名簿の作成と政府機関への登録を会社法で義務化しており、ドイツも支配者情報について政府が指定する機関に通知するようマネロン法で義務付けている。国民の金融資産が狙われる状況が悪化の一途を辿る中、FATFによれば、支配者情報を巡る制度を整備した国では法人の犯罪利用を抑止する効果がみられたと指摘する。日本も実効性ある仕組みを構築、運用すべきフェーズにあるのではないか。(芳賀)
厚労省のカスハラ概念の整理の問題点~①消費者の権利を不当に侵害しかねない
「職場におけるカスタマーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案」では、「就業環境が害される」に関し、「判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当」とする。しかし、カスハラは「消費者の権利行使と従業員の人権・尊厳及び企業の業務遂行権」が衝突する状況で、安易なカスハラ認定は消費者の権利行使を不当に制限する事態に陥る。「労働者の感じ方」という主観ではなく、警告無視等の客観的な状況になっているかどうかで判断すべきだ。社内で起こるハラスメントとの違いを理解できていない厚労省。いい加減まともな専門家を起用すべきだ。(西尾)
厚労省のカスハラ概念の整理の問題点~②生兵法により実務上の混迷を招いている
概念整理の問題点は他にもある。2022年に公表した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、「顧客等からのクレームには、~中略~正当なクレームがある一方で、~中略~不当・悪質なクレーム、いわゆるカスタマーハラスメントからは従業員を守る対応が求められます」と記載し、不当・悪質なクレームをカスハラと同義にしてしまい、その判断基準に「要求内容の妥当性」を入れた為、「クレームかカスハラの区別が曖昧」という誤解を生み出すことになった。しかも、ただ単に不当・過剰な要求までカスハラになりかねない整理をしたため、カスハラの範囲が広がる=消費者の権利を不当に制限する余地を生み出した。カスハラ対策では、「生兵法は大けがの元」であることを正しく認識しておく必要があるが、厚労省は、いつまで「生兵法」を続けるのか。(西尾)
首都直下地震の新被害想定。最悪で1万8千人が死亡
政府が年内にも公表する、首都直下地震に関する新しい被害想定の素案が判明したと、複数のメディアが報じている。マグニチュード7.3の地震が発生した場合、最悪で1万8千人が死亡、経済被害は83兆円と推計した。防災対策が進んでいることから、両方とも2013年に公表した前回想定より死者数は5千人減、経済被害は12兆円減としているが、国の目標である死者半減には届かなかった。さらに同案によると建物の全壊・消失は40万棟、帰宅困難者は840万人にのぼるとしている。今回は災害関連死を初めて推計し、最大1万6千人~4万1千人と幅を持たせた想定とした。今後数字は変わる可能性があるとのことだが、大きく増減することはないだろう。いずれにせよ、関東大震災から100年以上経過した現在、企業は引き続き防災対策を継続的に強化していくことが必要だ。(大越)
人権週間に思う、被害者の「許さない権利」と加害者の「生きる権利」をどう守るか
12月4日~10日は人権週間。女性や子ども、外国人や少数民族、障害や病気を持っている人等への虐待や差別はないか。インターネットやSNSでの誹謗中傷やハラスメント、プライバシーの侵害などにも気を付けようと、都の広報誌をめくりつつ思う。「犯罪被害者」にも「刑を終えて出所した人」にも人権があるが、犯罪とまではされないハラスメントの場合はどうだろう。被害者の人権は当然守られるが、昔読んだハラスメント対策の本では、加害者が退職して「めでたしめでたし」で終わっていた。被害者は加害者を一生許せないかもしれない。加害者には、いくら反省していても被害者に謝罪する権利はない。過ちを悔やみ、繰り返さぬよう心に決め、日々を生き続けなければならないが…仕事を失い、再就職もままならぬなら、どう生き続けたらよいのだろう。(吉原)
日本のAIに関する政策は一歩一歩進んでいる
11月28日、総額18.3兆円の補正予算案が閣議決定され、「AI・半導体産業基盤強化フレーム」に基づく官民投資の促進として2,525億円、AI研究開発・利活用の推進として1,895億円が計上されている。また、来年度予算については、人工知能戦略本部(第1回)の資料によると、新規で35件が計上されている。今年6月に人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)が公布されており、具体的な施策の内容は人工知能基本計画に委ねられている。人工知能基本計画骨子については、11月21日の人工知能戦略本部(第2回)において資料が公開され、年内を目途にAI戦略本部会合への報告、閣議決定を予定している。日本のAIに関する政策は一歩一歩進んでいる。特にAIに関しては多額の予算が投入されるため、予算の動向も含めて注視することをお勧めする。(安藤(未))
▼内閣府「AI法 全面施行 -次なるフェーズへ-」(2025年10月3日)
▼財務省「令和7年度補正予算(第1号)の概要」
▼内閣府「人工知能戦略本部(第1回)」
※上記の資料のうち、来年度予算については、「資料3-2令和8年度AI関連予算について【報告】」をご参照ください。
▼内閣府「人工知能戦略本部(第2回)」


